JP2019058161A - 模様付シート状魚肉練製品、およびその包装体、およびその製造方法、およびその製造装置、およびそれを用いた巻きずし、およびそれを用いたロールサンドイッチ、およびそれを用いたサンドイッチ、およびそれを用いた包装食品 - Google Patents

模様付シート状魚肉練製品、およびその包装体、およびその製造方法、およびその製造装置、およびそれを用いた巻きずし、およびそれを用いたロールサンドイッチ、およびそれを用いたサンドイッチ、およびそれを用いた包装食品 Download PDF

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Abstract

【課題】シート状の魚肉練り製品の表面に不均一な濃淡を有する着色模様を備えた模様付シート状魚肉練製品を提供する。【解決手段】第1の魚肉すり身含有ペーストを帯状でかつシート状をなすように成形するペースト成形工程(S0−1)と、ペースト成形工程において成形された第1の魚肉すり身含有ペースト成形体の主面に、第1の魚肉すり身含有ペーストと異なる色味を呈する第2の魚肉すり身含有ペーストを空気とともに吹き付けて、第2の魚肉すり身含有ペーストからなりその厚みが不均一な粒状斑点模様を形成させる第1の着色工程(S0−2)と、粒状斑点模様を備える第1の魚肉すり身含有ペースト成形体を加熱して第1及び第2の魚肉すり身含有ペーストを凝固させて帯状の片面模様付シート状魚肉練製品にする第1の加熱殺菌工程(S0−3)と、を備えていることを特徴とする模様付シート状魚肉練製品の製造方法25Bによる。【選択図】図10

Description

本発明は、シート状の魚肉練り製品の表面に濃淡を有する不均一な着色模様を備えた模様付シート状魚肉練製品、およびその包装体、およびその製造方法、およびその製造装置、およびそれを用いた巻きずし、およびそれを用いたロールサンドイッチ、およびそれを用いたサンドイッチ、およびそれを用いた包装食品に関する。
従来より、魚肉練り製品の一形態としてその外観、質感及び色味をカニ足の剥き身に似せたカニ風味かまぼこが製造されている。
このようなカニ風味かまぼこの製造方法としては、例えば特許文献1に開示されるような方法が知られている。
より具体的には、フィラメント状の魚肉練り製品を、シート状の魚肉練り製品で包んで柱状に成形したものを作製し、さらにこの柱状の魚肉練り製品に、耐熱性を有するフィルムに魚肉すり身入りペーストを吹付けて模様付けしたものを巻き付けてフィルムごと加熱するという方法である。
この場合、フィルムに魚肉すり身入りペーストが噴射されてできた模様が、柱状の魚肉練り製品の表面に転写されて、あたかもカニ足の剥き身のような風合いになる。
なお、このような特許文献1に開示される方法では、加熱時にフィルム内に収容される柱状の魚肉練り製品が膨張して、フィルムの内側面に吹き付けられた着色済の魚肉すり身入りペーストを内側から押圧するので、柱状の魚肉練り製品の表面に着色済の魚肉すり身入りペーストをしっかりと付着させることができる。このため、加熱処理後に柱状の魚肉練り製品からフィルムを剥離する場合でも、フィルムへの着色済の魚肉すり身入りペーストの残存はほとんど起こらない。
他方、シート状の魚肉練り製品の表面に模様を付して食品の外観を改良するという技術に関しては、例えば、特許文献2,3に示すような技術が知られている。
このような特許文献2,3に開示される発明によれば、シート状の魚肉練り製品の表面に模様を施すことができるので、魚肉練り製品の外観の審美性を高めることができるとともに、その用途を広げることができる。
また、特許文献4には「かにもどき食品の製造方法」という名称で、その外観をタラバガニの足の剥き身に似せた魚肉練り製品に関する発明が開示されている。
特許文献4に開示される発明では、シート状の魚肉練り製品の製造時に金型成形してその表面にタラバガニの足の剥き身に似せた突起を形成した後、この突起が形成されたシート状の魚肉練り製品の表面に魚肉すり身を含有しない着色剤を噴霧塗布して、カニ足の剥き身のような外観にするという技術である。
特公平3−35905号公報 実全昭62−119790号公報 実全昭63−181291号公報 特開昭63−137662号公報
特許文献1に開示されるような転写技術を用いてシート状の魚肉練り製品の表面に模様を形成しようとすると、転写シートに予め噴霧塗布された着色済みの魚肉すり身含有ペーストの多くが、シート状魚肉練り製品の表面に転写されないままフィルムとともに剥離してしまうため模様の密着性が安定した製品を量産できないという課題を有していた。
この点をより具体的に説明すると、特許文献1に開示されるような転写技術を用いてシート状の魚肉練り製品の表面に模様を形成する場合、転写シートをシート状の魚肉練り製品の表面に覆設して加熱処理を行った際に、シート状の魚肉練り製品は棒状の魚肉練り製品ほど膨張しない。しかも、転写シートとシート状の魚肉練り製品の位置関係も特に固定されないため、転写シートにシート状の魚肉練り製品を押圧する力が十分に発生しない。このため、加熱後にシート状の魚肉練り製品から転写フィルムを剥離した際に、シート状の魚肉練り製品の表面に転写シートに形成された模様が好適に転写されないという状況が生じていた。
したがって、特許文献1に開示される技術は、棒状の魚肉練り製品の表面への模様付けには適しているが、シート状の魚肉練り製品の表面への模様の付けには適していなかった。
特許文献2,3に開示される考案によれば、表面に意匠性の高い模様を有するシート状の魚肉練り製品を提供することができるものの、その模様の態様を、所望の色味の濃淡が、シート状の魚肉練り製品の表面に不均一に形成されているという状態にするための具体的な方法については特に開示されていなかった。
特許文献4に開示される発明によれば、表面に凹凸とカニ肉様の模様を有するシート状の魚肉練り製品を製造することができるものの、その製造時に金型が必要になるため、大量の製品を廉価に製造することができないという課題を有していた。
また、特許文献4に開示される発明の最終製品の形態が棒状のカニ足の剥き身状でなく、シート状の魚肉練り製品である場合、製品の表面にフィルムを密着させた状態にすることができないという課題を有していた。
この点をより具体的に説明すると、特許文献4に開示される発明の技術内容を参酌して、表面に凹凸とカニ肉様の模様を有するシート状の魚肉練り製品を製造する場合、例えば、製品を冷凍保存するには、出来上がったシート体の少なくとも着色面をフィルムで被覆しておくことが望ましい。
しかしながら、特許文献4に開示される発明の場合は、魚肉練り製品からなるシート体の表面に細かな凹凸を有しているため、この面にフィルムを密着させることができない。
この場合、冷凍保管中に最終製品であるシート状の魚肉練り製品の表面が冷気に曝されて、冷凍焼けなどの不具合が生じ易かった。
したがって、特許文献4に開示される技術を利用して、表面に凹凸とカニ足の剥き身様の模様を有するシート状の魚肉練り製品を製造する場合は、製品の量産にコストがかかる上、最終製品が長期の冷蔵保存に適さないという課題を有していた。
本発明はかかる従来の課題に対処してなされたものでありその目的は、シート状の魚肉練り製品の表面にあたかも天然素材をそのまま用いているかのような自然な色の濃淡や凹凸を有する模様を備えた模様付シート状魚肉練製品を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、上述のような本発明に係る模様付シート状魚肉練製品を容易に量産するための製造方法および製造装置を提供することにある。
さらに、本発明の他の目的は、上述のような本発明に係る模様付シート状魚肉練製品において模様の密着性を良好にすることである。
加えて、本発明の他の目的は、上述のような本発明に係る模様付シート状魚肉練製品を用いた新規な二次加工食品を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、上述のような本発明に係る模様付シート状魚肉練製品を製造後に冷却して保管する際に、模様付シート状魚肉練製品の品質の低下を好適に抑制することである。
上記目的を達成するための第1の発明である模様付シート状魚肉練製品の製造方法は、第1の魚肉すり身含有ペーストを帯状でかつシート状をなすように成形するペースト成形工程と、このペースト成形工程において成形された第1の魚肉すり身含有ペースト成形体の主面に、第1の魚肉すり身含有ペーストと異なる色味を呈する第2の魚肉すり身含有ペーストを空気とともに吹き付けて、第2の魚肉すり身含有ペーストからなりその厚みが不均一な粒状斑点模様を形成させる第1の着色工程と、粒状斑点模様を備える第1の魚肉すり身含有ペースト成形体を加熱して第1及び第2の魚肉すり身含有ペーストを凝固させて帯状の片面模様付シート状魚肉練製品にする第1の加熱殺菌工程と、を備えていることを特徴とするものである。
上記構成の第1の発明において、ペースト成形工程は第1の魚肉すり身含有ペーストを成形して第1の魚肉すり身含有ペースト成形体にするという作用を有する。また、第1の着色工程は、第1の魚肉すり身含有ペースト成形体と異なる色味を呈する第2の魚肉すり身含有ペーストを粒子状にして吹き付けることで、第1の魚肉すり身含有ペースト成形体の主面に、第2の魚肉すり身含有ペーストからなりその厚みが不均一な粒状斑点模様を形成させるという作用を有する。さらに、第1の加熱殺菌工程は、第1及び第2の魚肉すり身含有ペーストを凝固させて薄い帯状の片面模様付シート状魚肉練製品にするという作用を有する。さらに、第1の加熱殺菌工程は、第1及び第2の魚肉すり身含有ペーストに存在している雑菌を熱により死滅させるという作用も有する。
上述のような第1の発明によれば、未加熱の第1の魚肉すり身含有ペースト成形体と、同じく未加熱の第2の魚肉すり身含有ペーストとを同時に凝固させることで、これらを一体の凝固物にするという作用を有する。この結果、加熱済の片面模様付シート状魚肉練製品を用いて二次加工品を製造する際に、片面模様付シート状魚肉練製品から粒状斑点模様が剥離するのを好適に抑制するという作用を有する。
なお、本明細書中においては、シート状物体の「表面」に関する説明時にその表裏を区別する必要がある場合は「主面」や「裏面」のように記載している。他方、シート状物体の表裏を特に区別する必要がない場合や、シート状物体の表裏の両方を包含する概念として説明する場合は単に「表面」と記載している。
第2の発明である模様付シート状魚肉練製品の製造方法は、帯状のシート状魚肉練製品の主面及び/又は裏面に、シート状魚肉練製品と異なる色味を呈する第2の魚肉すり身含有ペーストを空気とともに吹き付けて、第2の魚肉すり身含有ペーストからなりその厚みが不均一な粒状斑点模様を形成させる第2の着色工程と、少なくとも第2の魚肉すり身含有ペーストの塗布面をフィルムで被覆するフィルム覆設工程と、覆設されたフィルムの上からスポンジローラを押し当ててフィルムをその被覆対象面に接触させてフィルム付きシート状魚肉練製品にするエアー抜き工程と、フィルム付きシート状魚肉練製品を所望の長さに切断する切断工程と、フィルム付きシート状魚肉練製品を蒸煮して第2の魚肉すり身含有ペーストを凝固させる第2の加熱殺菌工程と、を備えていることを特徴とするものである。
上記構成の第2の発明において、第2の着色工程は、シート状魚肉練製品と異なる色味を呈する第2の魚肉すり身含有ペーストを粒子状にして吹き付けることで、帯状のシート状魚肉練製品の主面及び/又は裏面に、第2の魚肉すり身含有ペーストからなりその厚みが不均一な粒状斑点模様を形成させるという作用を有する。また、フィルム覆設工程は、少なくとも第2の魚肉すり身含有ペーストの塗布面をフィルムで被覆するという作用を有する。さらに、エアー抜き工程は、覆設されたフィルムの上からスポンジローラを押し当てて、フィルムの被覆対象面とフィルムの間からエアーを除去するという作用を有する。この時、フィルムをその被覆対象面に押し当てる道具としてスポンジローラを用いることで、先の第2の着色工程により形成された第2の魚肉すり身含有ペーストからなる凹凸を極力潰さないようにしつつ、フィルムをその被覆対象面に接触させるという作用を有する。なお、このエアー抜き工程を経ることで、フィルム付きシート状魚肉練り製品が作製される。これにより、以後の工程において第2の魚肉すり身含有ペーストが熱(水蒸気)や冷気に曝された際に、フィルムの被覆対象面に直に水分が付着したり、あるいはフィルムの被覆対象面が冷気で乾燥したりするのを防ぐという作用を有する。また、切断工程は、表面にフィルムが接触してなるフィルム付きシート状魚肉練り製品を、所望の長さに切断して個片化させるという作用を有する。また、第2の加熱殺菌工程は、フィルム付きシート状魚肉練り製品における第2の魚肉すり身含有ペースト中のたんぱく質を熱により凝固させてペースト状から固形状にするという作用を有する。加えて、第2の加熱殺菌工程は、シート状魚肉練り製品、第2の魚肉すり身含有ペースト及びフィルムに存在している雑菌を熱により死滅させるという作用を有する。この結果、第2の加熱殺菌工程を備えることで、フィルム付きシート状魚肉練り製品の未加熱部分を食品として摂食可能にしつつ、最終製品である模様付シート状魚肉練製品の衛生状態を改善するという作用を有する。
なお、必須の工程ではないが、第2の加熱殺菌工程の後に冷却工程を備えている場合は、加熱殺菌処理を完了したフィルム付きシート状魚肉練り製品を、冷却(冷蔵又は冷凍)することで、短期又は中長期間の保存を可能にするという作用を有する。
第3の発明である模様付シート状魚肉練製品の製造方法は、上述の第2の発明であって、第2の着色工程の前に、第1発明である模様付シート状魚肉練製品の製造方法により片面模様付シート状魚肉練製品を製造する工程を準備工程として備え、第2の着色工程におけるシート状魚肉練製品は、準備工程において製造された片面模様付シート状魚肉練製品であり、さらに、第2の着色工程は、片面模様付シート状魚肉練製品における裏面に第2の魚肉すり身含有ペーストからなる粒状斑点模様を形成させる工程である、ことを特徴とするものである。
先の第1の発明の場合は、シート状魚肉練製品の主面側にのみ粒状斑点模様を形成させることができる。また、先の第2の発明の場合は、シート状魚肉練製品の主面及び裏面の両方に粒状斑点模様を形成することができるものの、粒状斑点模様の密着性は第1の発明の場合よりも劣る。
このため、第3の発明は、その準備工程として先の第1の発明により片面模様付シート状魚肉練製品を製造する工程を備え、さらにこの準備工程において作成された片面模様付シート状魚肉練製品を用いて先の第2の発明によりその裏面側に粒状斑点模様を形成することで、最終製品である模様付シート状魚肉練製品の両面に粒状斑点模様を備えるとともに、特にその主面側の粒状斑点模様の密着性を第2の発明により形成した場合よりも良好にするという作用を有する。
第4の発明である模様付シート状魚肉練製品の製造方法は、上述の第2又は第3の発明であって、切断工程と第2の加熱殺菌工程とを入れ替えてなることを特徴とするものである。
上記構成の第4の発明は、上述の第2又は第3のそれぞれの発明において、フィルム付きシート状魚肉練製品を連続的に加熱処理する場合を発明として特定したものであり、各工程による作用は、上述の第2又は第3におけるそれぞれの発明の各工程による作用と同じである。
第5の発明である模様付シート状魚肉練製品の製造装置は、模様付シート状魚肉練製品の製造に用いられる装置であって、第1の魚肉すり身含有ペーストを帯状でかつシート状をなすように導出して第1の魚肉すり身含有ペースト成形体にする口金を備えているペースト供給設備と、第1の魚肉すり身含有ペースト成形体の主面に、第1の魚肉すり身含有ペーストと異なる色味を呈する第2の魚肉すり身含有ペーストを粒子状にしながら吹き付けて粒状斑点模様を形成させる第1の着色設備と、粒状斑点模様を備えた第1の魚肉すり身含有ペースト成形体を加熱することで第1及び第2の魚肉すり身含有ペーストを凝固させて片面模様付シート状魚肉練製品にする第1の加熱殺菌設備と、を備え、第1の着色設備は、第2の魚肉すり身含有ペーストを導入するための第1の導入部と、エアーを導入するための第2の導入部と、を備えていることを特徴とするものである。
上記構成の第5の発明において、口金は第1の魚肉すり身含有ペーストを薄い帯状をなすように導出するという作用を有する。そして、このような口金を備えてなるペースト供給設備は、第1の魚肉すり身含有ペーストを薄い帯状の第1の魚肉すり身含有ペースト成形体を作成するという作用を有する。
また、第1の着色設備における第1の導入部は、第2の魚肉すり身含有ペーストを取り込んで供給するという作用を有する。さらに、第2の導入部は、エアーを取り込んで供給するという作用を有する。そして、この第1の着色設備では、第1の導入部から取り込まれた第2の魚肉すり身含有ペーストと第2の導入部から取り込まれたエアーを混合して、第2の魚肉すり身含有ペーストを細かい粒子状にして吹き付けるという作用を有する。また、このような第1の着色設備から噴射された細かい粒子状の第2の魚肉すり身含有ペーストは、第1の魚肉すり身含有ペースト成形体の主面に厚みが不均一な粒状斑点模様を形成させるという作用を有する。
さらに、第1の加熱殺菌設備は、第1及び第2の魚肉すり身含有ペーストを加熱することで凝固させて固形状にするとともに、シート状魚肉練り製品全体を加熱殺菌するという作用を有する。これにより、第1及び第2の魚肉すり身含有ペーストからなる模様付シート状魚肉練り製品を食品として摂食可能にしながら食品としての安全なものにするという作用を有する。また、この第1の加熱殺菌設備において、第1及び第2の魚肉すり身含有ペーストを同時に加熱することで、これらを一体の凝固物にして粒状斑点模様の密着性を良好にするという作用を有する。
したがって、上述のような第5の発明によれば、第1の魚肉すり身含有ペーストからなるシート体の主面における、第2の魚肉すり身含有ペーストからなる粒状斑点模様の密着性が良好な模様付シート状魚肉練製品を製造することを可能にするという作用を有する。
第6の発明である模様付シート状魚肉練製品の製造装置は、上述の第5の発明であって、模様付シート状魚肉練製品の製造装置はさらに、帯状の片面模様付シート状魚肉練製品を載置する載置面を備えている搬送設備と、第1の導入部と、エアーを導入するための第2の導入部とを備え、かつ第2の魚肉すり身含有ペーストを粒子状にして片面模様付シート状魚肉練製品の裏面に吹き付けて粒状斑点模様を形成させる第2の着色設備と、未加熱の第2の魚肉すり身含有ペーストの塗布面側に少なくともフィルムを供給するフィルム供給設備と、フィルムをその被覆対象面に接触させてフィルム付シート状魚肉練製品にするためのスポンジローラを備えているエアー抜き設備と、フィルム付シート状魚肉練製品を所望の長さに切断する切断刃を備えている切断設備と、蒸気供給部を備え、蒸気の熱によりフィルム付シート状魚肉練製品における未加熱の第2の魚肉すり身含有ペーストを凝固させる第2の加熱殺菌設備と、を備えていることを特徴とするものである。
上記構成の第6の発明は、上述の第5の発明を用いて製造された片面模様付シート状魚肉練製品の裏面側にも粒状斑点模様を形成することができる装置を物の発明として特定したものである。
よって、第6の発明は、上述の第5の発明による作用と同じ作用に加えて、搬送設備は、片面模様付シート状魚肉練製品を搬送するという作用を有する。さらに、第2の着色設備は、片面模様付シート状魚肉練製品の裏面に第2の魚肉すり身含有ペーストからなる粒状斑点模様を形成させるという作用を有する。なお、第2の着色設備における第1の導入部及び第2の導入部はともに、第1の着色設備におけるそれらと同じ作用を有する。また、フィルム供給設備は、噴霧塗布された第2の魚肉すり身含有ペーストの表面に少なくともフィルムを覆設するという作用を有する。さらに、エアー抜き設備は、フィルムが覆設された側の面において、フィルム上にスポンジローラを押し当てることで、フィルムとその覆設面との間の空気を抜いて、フィルムを覆設面に接触させてフィルム付シート状魚肉練製品にするという作用を有する。加えて、切断設備は、帯状のフィルム付シート状魚肉練製品を所望の長さに切断して個片化するという作用を有する。そして、第2の加熱殺菌設備における蒸気供給部は、ハウジング内に蒸気を供給部するという作用を有する。また、このような第2の加熱殺菌設備では、未加熱の第2の魚肉すり身含有ペーストを加熱することで凝固させると同時に、加熱殺菌処理を行うという作用を有する。
なお、第6の発明において、第1,第2の加熱殺菌設備における加熱方法は同じでなくともよい。
第7の発明である模様付シート状魚肉練製品の製造装置は、模様付シート状魚肉練製品の製造に用いられる装置であって、帯状のシート状魚肉練製品を載置する載置面を備えている搬送設備と、シート状魚肉練製品と異なる色味を呈する第2の魚肉すり身含有ペーストを導入するための第1の導入部と、エアーを導入するための第2の導入部とを備え、かつ第2の魚肉すり身含有ペーストを粒子状にしてシート状魚肉練製品の塗布面に吹き付けて粒状斑点模様を形成させる第2の着色設備と、第2の魚肉すり身含有ペーストの少なくとも塗布面側にフィルムを供給するフィルム供給設備と、フィルムをその被覆対象面に接触させてフィルム付きシート状魚肉練り製品にするためのスポンジローラを備えているエアー抜き設備と、フィルム付きシート状魚肉練り製品を所望の長さに切断する切断刃を備えている切断設備と、蒸気供給部を備え、蒸気の熱によりフィルム付シート状魚肉練製品における第2の魚肉すり身含有ペーストを凝固させる第2の加熱殺菌設備と、を備えていることを特徴とするものである。
上記構成の第7の発明は、上述の第6の発明において、片面模様付シート状魚肉練製品の裏面に第2の魚肉すり身含有ペーストからなる粒状斑点模様を形成させるための一連の設備を独立した装置として捉えたものである。
上記構成の第7の発明において、搬送設備はその載置面上にシート状魚肉練製品を載置した状態で搬送するという作用を有する。また、第2の着色設備における第1の導入部及び第2の導入部は、先の第5の発明の第1の着色設備における第1の導入部及び第2の導入部と同じ作用を有する。そして、このような第1の導入部及び第2の導入部を備える第2の着色設備は、シート状魚肉練製品の主面及び/又は裏面に第2の魚肉すり身含有ペーストからなり、かつその厚みが不均一な粒状斑点模様を形成させるという作用を有する。さらに、フィルム供給設備は、シート状魚肉練製品において第2の魚肉すり身含有ペーストの少なくとも塗布面に、薄いフィルムを供給して第2の魚肉すり身含有ペーストの塗布面の全域を被覆するという作用を有する。そして、エアー抜き設備は、フィルムの被覆対象面の上から優しくスポンジローラを押し当てることで、第2の魚肉すり身含有ペーストからなり厚みが不均一な粒状斑点模様を極力潰さないようにしながら、フィルムの覆設対象面とフィルムの間からエアーを抜きつつ、フィルムをその覆設対象面上に接触させるという作用を有する。このように、第2の魚肉すり身含有ペーストをシート状魚肉練り製品に吹き付けるとともに、エアー抜き設備においてスポンジローラを用いて、第2の魚肉すり身含有ペーストの表面にフィルムを接触させることで、第2の魚肉すり身含有ペーストとフィルムとの接触状態を実現しつつ、シート状魚肉練り製品の表面上における第2の魚肉すり身含有ペーストの厚みが不均一な状態をそのまま残すという作用を有する。なお、エアー抜き設備を通過することで、フィルム付きシート状魚肉練り製品が作製される。さらに、切断設備は、帯状のフィルム付きシート状魚肉練り製品を所望の長さに裁断して個片化するという作用を有する。また、第2の加熱殺菌設備において蒸気供給部は、熱源としての蒸気を供給するという作用を有する。さらに、第2の加熱殺菌設備では、フィルム付きシート状魚肉練り製品の魚肉すり身含有ペーストを蒸気により加熱することで、第2の魚肉すり身含有ペーストを凝固させるとともに、フィルム付きシート状魚肉練り製品全体を加熱殺菌するという作用を有する。これにより、フィルム付きシート状魚肉練り製品の可食部分を食品として摂食可能にしながら食品としての安全性を高めるという作用を有する。
そして、必須の構成ではないが、第7の発明がさらに冷却設備を備える場合は、加熱殺菌処理を完了したフィルム付きシート状魚肉練り製品を冷蔵又は冷凍することで、雑菌の繁殖を抑制しながら模様付シート状魚肉練製品の保存を可能にするという作用を有する。
第8の発明である模様付シート状魚肉練製品は、魚肉すり身を含有し、かつその厚みが0.6〜2.5mmの範囲内であるシート状魚肉練製品と、魚肉すり身を含有し、かつシート状魚肉練製品と異なる色味を呈し、かつシート状魚肉練製品の主面上及び/又は裏面上においてその厚みの大小により上記異なる色味の濃淡が表現されている模様層と、を備えていることを特徴とするものである。
上記構成の第8の発明において、シート状魚肉練製品は、模様層を形成するための基盤であるとともに、模様層の背景として模様層の色味を引き立てるという作用を有する。また、模様層は、背景となるシート状魚肉練製品主面及び/又は裏面上においてその表面がフラットでなく、かつシート状魚肉練製品とは異なる色味の濃淡を表現するという作用を有する。よって、第8の発明によれば、シート状魚肉練製品の模様層の外観を、のっぺりとした画一的なものでなく変化のある状態にして、その審美性を高めるという作用を有する。
また、シート状魚肉練製品の厚みを0.6〜2.5mmの範囲内に特定することで、第8の発明を、例えば、巻きずし、ロールサンドイッチ、サンドイッチ及び包装食品の外皮や具材として用いた場合に、適度な整形性を有しつつ、かつ破れ等が起こり難く、しかも食した際に程よい食感を有しながら容易に歯で噛み切れるようにするという作用を有する。
第9の発明である模様付シート状魚肉練製品は、上述の第8の発明であって、濃淡は、模様層の形成面に不均一に生じていることを特徴とするものである。
上記構成の第9の発明は、上述の第8の発明による作用と同じ作用に加えて、模様層の濃淡が、模様層の形成面の全域に不均一に生じていることで、第9の発明における模様層の外観を、あたかも天然素材をそのまま用いているかのような外観にしてその審美性を一層高めるという作用を有する。
特に第9の発明におけるシート状魚肉練製品を白色系の色味とし、かつ着色層の色味を赤色系の色味にする場合は、第9の発明における模様層の形成面の外観を、カニの足肉の剥き身に似た状態にするという作用を有する。
第10の発明である模様付シート状魚肉練製品は、上述の第8又は第9の発明であって、模様層と、この模様層が存在していない色抜け部分からなり、かつ模様層を備えている面の全域にランダムに配されている斑点と、を備えていることを特徴とするものである。
上記構成の第10の発明は、上述の第8又は第9のそれぞれの発明による作用と同じ作用に加えて、模様層のみならず、この模様層が存在しない色抜け部分からなり、かつ模様層を備えている面の全域にランダムに配されている斑点模様を備えていることで、その質感及び外観を一層天然由来の素材に近付けるという作用を有する。
特に第10の発明におけるシート状魚肉練製品を白色系の色味に、かつ着色層の色味を赤色系の色味に特定する場合は、第10の発明において模様層が形成されている側の面の外観を、カニの足肉の剥き身に似た状態に一層近付けるという作用を有する。
第11の発明である巻きずしは、柱状をなす食品の表面及び/又は内部に層状に配されている第8乃至第10のいずれかの発明である模様付シート状魚肉練製品を備えていることを特徴とするものである。
上記構成の第11の発明は、上述の第8乃至第10のいずれかの発明である模様付シート状魚肉練製品を、柱状をなす食品の表面及び/又は内部に層状に配してなる巻きずしであり、従来にない新しい質感及び外観を有する巻きずしを提供するという作用を有する。
特に第10の発明におけるシート状魚肉練製品を白色系の色味に、かつ着色層の色味を赤色系の色味に特定する場合で、かつ上述の第8乃至第10のいずれかの発明を柱状をなす食品の表層(外皮)に用いる場合は、あたかもカニの足肉の剥き身で包んだような質感及び外観を有する巻きずしを提供するという作用を有する。
第12の発明であるロールサンドイッチは、柱状をなす食品の表面及び/又は内部に層状に配されている第8乃至第10のいずれかの発明である模様付シート状魚肉練製品を備えていることを特徴とするものである。
上記構成の第12の発明は、上述の第8乃至第10のいずれかの発明である模様付シート状魚肉練製品を、柱状をなす食品の表面及び/又は内部に層状に配してなるロールサンドイッチであり、従来にない新しい質感及び外観を有するロールサンドイッチを提供するという作用を有する。
特に第12の発明におけるシート状魚肉練製品を白色系の色味に、かつ着色層の色味を赤色系の色味に特定する場合で、かつ上述の第8乃至第10のいずれかの発明を柱状をなす食品の表面(外皮)に用いる場合は、あたかもカニの足肉の剥き身で包んでいるかのような質感及び外観を有するロールサンドイッチを提供するという作用を有する。
第13の発明であるサンドイッチは、積層状をなす食品の内部に層状に配されている第8乃至第10のいずれかの発明である模様付シート状魚肉練製品を備えていることを特徴とするものである。
上記構成の第13の発明は、上述の第8乃至第10のいずれかの発明である模様付シート状魚肉練製品を、積層状をなす食品の内部に層状に配してなるサンドイッチであり、従来にない新しい切断面を有するサンドイッチを提供するという作用を有する。
また、第13の発明では、上述の第8乃至第10のいずれかの発明である模様付シート状魚肉練製品を用いることで、積層状をなす食品であるサンドイッチの平面方向に隅々にまで模様付シート状魚肉練製品を配することを可能にするという作用を有する。
第13の発明では、薄い大判のハムの代用品として第8乃至第10のいずれかの発明である模様付シート状魚肉練製品を用いた新規なサンドイッチを提供するという作用を有する。この場合、ハムを用いる場合に比べてヘルシーなサンドイッチを提供するという作用を有する。
第14の発明である包装食品は、任意の外形を有する食品の表面の少なくとも一部を被覆している第8乃至第10のいずれかの発明である模様付シート状魚肉練製品を備えていることを特徴とするものである。
上記構成の第14の発明は、任意の外形を有する食品の表面の少なくとも一部を上述の第8乃至第10のいずれかの発明である模様付シート状魚肉練製品により被覆してなる包装食品であり、例えば、おにぎりや、おにぎらず等の料理において従来にない新しい質感及び外観を有する二次加工品を提供するという作用を有する。
特に第14の発明におけるシート状魚肉練製品を白色系の色味に、かつ着色層の色味を赤色系の色味に特定する場合で、かつ上述の第8乃至第10のいずれかの発明により任意の外形を有する食品の表面の少なくとも一部を被覆する場合は、あたかもカニの足肉の剥き身で包んだような質感及び外観を有する新規な包装食品を提供するという作用を有する。
第15の発明である模様付シート状魚肉練製品の包装体は、第8乃至第10のいずれかの発明である模様付シート状魚肉練製品と、少なくとも模様層上を被覆しているフィルムと、を備えていることを特徴とするものである。
上記構成の第15の発明において、第8乃至第10のいずれかの発明である模様付シート状魚肉練製品は、第8乃至第10のそれぞれの発明による作用と同じ作用を有する。また、少なくとも模様層上を被覆しているフィルムは、その製造時に模様層を保護するという作用を有する。また、フィルムは、加熱殺菌処理後に冷却する際に、模様付シート状魚肉練製品の表面を保護して乾燥を防ぐとともに、雑菌の付着を防止して、製品の品質保持性を良好にするという作用を有する。
上述のような第1の発明によれば、未加熱の第1の魚肉すり身含有ペーストからなるシート体に、同じく未加熱の第2の魚肉すり身含有ペーストからなる粒状斑点模様を形成した後に、これらを同時に加熱することで一体の凝固物にすることができる。この結果、第1の魚肉すり身含有ペーストからなるシート体に対する、第2の魚肉すり身含有ペーストからなる粒状斑点模様の密着性を高めることができる。
なお、第1の発明では、第1の魚肉すり身含有ペーストからなるシート体の主面側にのみ第2の魚肉すり身含有ペーストからなる粒状斑点模様を形成することができる。
この場合、第1の発明により製造された片面模様付シート状魚肉練製品(模様付シート状魚肉練製品)を巻きずし等のような二次加工品に用いる際に、第1の魚肉すり身含有ペーストからなるシート体から、第2の魚肉すり身含有ペーストからなる粒状斑点模様が意図せず剥がれてしまうのを好適に防止することができる。
よって、第1の発明によれば二次加工品として利用する際の取扱いが容易な模様付シート状魚肉練製品(片面模様付シート状魚肉練製品)を製造して提供することができる。
上述のような第2,第4の発明によれば、加熱済のシート状魚肉練製品の主面及び/裏面に、このシート状魚肉練製品とは異なる色味の濃淡が表現されてなる模様層を有する新規なシート状の魚肉練製品を大幅な設備投資や、手間をかけることなく量産することができる。
また、第2,第4の発明により製造される模様付シート状魚肉練製品は、少なくとも模様層が形成されている側の面がフィルムにより被覆された状態となる。つまり、最終製品である模様付シート状魚肉練製品は、その表面の少なくとも一方にフィルムを備えていることになる。
このようなフィルムを備えている面では、例えば、加熱殺菌した後に、冷却(冷蔵又は冷凍)する際に、製品の表面からの水分の蒸発を好適に抑制できる上、模様付シート状魚肉練製品への雑菌の付着も防止できる。このため、最終製品を冷却して保管する際に、フィルムを備えない場合に比べて模様付シート状魚肉練製品の品質保持性を良好にすることができる。
また、最終製品がフィルムを備えていることで、その二次加工品を製造する際に、衛生的な取り扱いができるというメリットも有している。
なお、第2,第4の発明により形成される粒状斑点模様のシート状魚肉練製品に対する密着性と、上述の第1の発明により形成される粒状斑点模様のシート体に対する密着性は、第1の発明の場合の方が優れている。しかしながら、第1の発明の場合は、基盤であるシート状魚肉練製品の主面側にしか粒状斑点模様を形成することができないのに対し、第2,第4の発明によればシート状魚肉練製品の主面及び裏面の両面に粒状斑点模様を形成することができるので、この点が第1の発明と比べて優れている。
上述のような第3,第4の発明はいずれも、上述の第1の発明により製造された片面模様付シート状魚肉練製品(模様付シート状魚肉練製品)の裏面側に、第2の発明により第2の魚肉すり身含有ペーストからなる粒状斑点模様を形成する場合を方法の発明として特定したものである。
このような第3,第4の発明によれば、シート状魚肉練製品の主面側における粒状斑点模様の密着性を高めつつ、それとはやや密着性が劣る粒状斑点模様をシート状魚肉練製品の裏面側にも形成することができる。
この場合、先の第2の発明により加熱済シート状魚肉練製品の主面及び裏面の両方に粒状斑点模様を形成する場合に比べて、特に主面側に形成される粒状斑点模様の密着性を良好にすることができる。
つまり、第3,第4の発明によれば、シート状魚肉練製品の主面及び裏面の両方に粒状斑点模様を備えていることで装飾性が優れ、かつ、その主面側の粒状斑点模様の密着性が良好であることで二次加工品を製造する際の取扱いが容易な模様付シート状魚肉練製品を製造することができる。
上述のような第5の発明は、上述の第1の発明を物の発明(装置)として特定したものであり、その効果は第1の発明による効果と同じである。
上述のような第6の発明は、上述の第3の発明を物の発明(装置)として特定したものであり、その効果は第3の発明による効果と同じである。
上述のような第7の発明は、上述の第2の発明を物の発明(装置)として特定したものであり、その効果は第2の発明による効果と同じである。
第8乃至第10のそれぞれの発明によれば、シート状魚肉練製品の表面に天然素材をそのまま用いているかのような自然な風合いと質感を有する新規なシート状の魚肉練製品を提供することができる。
特に、第9の発明によれば、第8の発明よりも外観上の審美性が優れている新規なシート状の魚肉練製品を、また、第10の発明によれば第9の発明よりもさらに外観上の審美性が優れている新規なシート状の魚肉練製品を提供することができる。
さらに、第8乃至第10のそれぞれの発明において、特にシート状魚肉練製品の色味を白色系に、かつ模様層の色味を赤色系に特定する場合は、シート状魚肉練製品の表面において模様層により描き出される模様を、リアルなカニ足の剥き身の表面模様のような質感及び外観にすることができる。また、その効果は第8の発明よりも第9の発明の方が、また第10の発明の方が第9の発明よりも顕著である。
したがって、第8乃至第10のそれぞれの発明によれば人工的な加工品でありながら、その質感や外観があたかも天然素材をそのまま用いているかのような食欲をそそる新規なシート状の魚肉練製品を提供することができる。
第11乃至第14のそれぞれの発明によれば、その質感や外観があたかも天然素材であるかのようなシート状の魚肉練製品を用いた二次加工品である、巻きずし、ロールサンドイッチ、サンドイッチ及び包装食品等を提供することができる。
この結果、魚肉練製品を用いた二次加工品のバリエーションを広げることができる。また、第11乃至第14のそれぞれの発明によれば、魚肉練製品の生産及び消費を拡大することができる。
第15の発明によれば、模様付シート状魚肉練製品の包装体を冷蔵状態又は冷凍状態で保存する際に、フィルムを備えない場合に比べて製品の品質保持性を良好にすることができる。この結果、模様付シート状魚肉練製品の量産や市場への大量投入が容易になる。
また、特に模様付シート状魚肉練製品の包装体がその主面及び裏面の両方にフィルムを備えている場合は、製品の品質保持特性をさらに優れたものにできる。
また、第15の発明を使用して巻きずし、ロールサンドイッチ、サンドイッチ及び包装食品等の二次加工品を製造する際に、模様付シート状魚肉練製品をフィルムで保護しながら二次加工品の製造を行うことができる。この結果、第15の発明によれば、二次加工品の品質保持効果高めるとともに、その衛生管理も容易にできるという効果を有する。
本発明の実施例1に係る模様付シート状魚肉練製品の製造方法のフローチャートである。 本発明の実施例1に係る模様付シート状魚肉練製品の製造装置の概念図である。 本発明の実施例1に係る模様付シート状魚肉練製品の製造装置における第2の着色設備の部分拡大図である。 本発明の実施例1に係る模様付シート状魚肉練製品の製造方法における第2の着色工程を完了した直後のシート状魚肉練製品の表面の様子を示すイメージ図である。 本発明の実施例1に係る模様付シート状魚肉練製品の製造方法における第2の着色工程を完了した直後のシート状魚肉練製品(試作品)の画像である。 本発明の実施例1に係る模様付シート状魚肉練製品の製造装置における着色ノズルの一例を示す断面図である。 本発明の実施例1に係るシート付魚肉練り製品の部分断面図である。 本発明の実施例1の変形例に係る模様付シート状魚肉練製品の製造装置における第2の着色設備の部分拡大図である。 本発明の実施例1に係る模様付シート状魚肉練製品を用いた巻きずし(試作品)の画像である。 本発明の実施例2に係る模様付シート状魚肉練製品の製造方法のフローチャートである。 本発明の実施例2に係る模様付シート状魚肉練製品の製造装置の概念図である。 本発明の実施例2の変形例に係る模様付シート状魚肉練製品の製造装置の概念図である。 本発明の実施例2の変形例に係る模様付シート状魚肉練製品の製造方法のフローチャートである。
本発明の実施の形態に係る模様付シート状魚肉練製品、およびその包装体、およびその製造方法、およびその製造装置、およびそれを用いた巻きずし、およびそれを用いたロールサンドイッチ、およびそれを用いたサンドイッチ、およびそれを用いた包装食品について実施例1及び実施例2を参照しながら詳細に説明する。
はじめに、本発明の実施例1に係る模様付シート状魚肉練製品の製造方法及び製造装置の概要について図1及び図2を参照しながら説明する。
図1は本発明の実施例1に係る模様付シート状魚肉練製品の製造方法のフローチャートである。また、図2は本発明の実施例1に係る模様付シート状魚肉練製品の製造装置の概念図である。
図1,2に示すように、実施例1に係る模様付シート状魚肉練製品の製造方法25Aは、搬送設備4(例えば、ベルトコンベア5等)により搬送される帯状をなす加熱済のシート状魚肉練り製品2の主面P側に、シート状魚肉練製品2と異なる色味を呈する第2の魚肉すり身含有ペースト3をエアーとともに吹き付けて第2の魚肉すり身含有ペースト3からなりその厚みが不均一な粒状斑点模様を形成させる第2の着色工程(ステップS1)と、シート状魚肉練り製品2において少なくとも第2の魚肉すり身含有ペースト3が吹付けられた塗布面をフィルム14で被覆するフィルム覆設工程(ステップS2)と、覆設されたフィルム14の上からスポンジローラ16を押し当ててフィルム14をその被覆対象面に接触させるエアー抜き工程(ステップS3)と、フィルム14が一体に覆設されてなるフィルム付きシート状魚肉練り製品17を切断刃19により所望の長さに切断する切断工程(ステップS4)と、切断された後の個片状のフィルム付きシート状魚肉練り製品17を蒸気21aにより蒸煮して第2の魚肉すり身含有ペースト3を凝固させる第2の加熱殺菌工程(ステップS5)と、を備えてなるものである。
なお、上述の実施例1に係る模様付シート状魚肉練製品の製造方法25Aにおいて用いるシート状魚肉練り製品2は、後段において説明する第1の魚肉すり身含有ペースト29(後段の図11を参照)を薄い帯状に成形したものを、加熱殺菌処理して凝固させてシート状にしたものである。
また、実施例1に係る模様付シート状魚肉練製品の製造方法25A(模様付シート状魚肉練製品の製造装置1A)は、第2の着色工程(第2の着色設備)、及び、第1の加熱殺菌工程(第2の加熱殺菌設備)を備えているが、第1の着色工程(第1の着色設備)、及び、第1の加熱殺菌工程(第1の加熱殺菌設備)を備えてなる模様付シート状魚肉練製品の製造方法(模様付シート状魚肉練製品の製造装置)については後段の実施例2において説明する。
さらに、図1に示される実施例1に係る模様付シート状魚肉練製品の製造方法25Aにおける各工程は、基本的に図2に示す実施例1に係る模様付シート状魚肉練製品の製造装置1Aにおける各設備に対応している。
より具体的には、図1における第2の着色工程(ステップS1)は図2における第2の着色設備6bに、同図1におけるフィルム覆設工程(ステップS2)は同図2におけるフィルム供給設備13に、同図1におけるエアー抜き工程(ステップS3)は同図2におけるエアー抜き設備15に、同図1における切断工程(ステップS4)は同図2における切断設備18に、同図1における第2の加熱殺菌工程(ステップS5)は同図2における第2の加熱殺菌設備20に、それぞれ対応している。なお、図1におけるシート状魚肉練り製品製造工程(ステップS0)については後段において説明する。
また、実施例1に係る模様付シート状魚肉練製品の製造方法25Aにおける必須な工程及び設備ではないが、図1における冷却工程(ステップS6)は図2における冷却設備22に対応している。なお、実施例1に係る冷却工程(ステップS6)及び冷却設備22は必要に応じて設ければよい。
なお、実施例1においては、帯状のフィルム付きシート状魚肉練り製品17を所望の長さに切断する切断工程(ステップS4;切断設備18に対応)の後に、第2の加熱殺菌工程(ステップS5;第2の加熱殺菌設備20に対応)を備える場合(図1中のケース1)を主に説明しているが、図1中のフローにおいて分岐して示すケース2のようにこれらを入れ替えても発明全体の作用効果に変わりはない。
また、後段において図8を参照しながら詳細に説明するが、加熱済のシート状魚肉練り製品2の主面P側のみならず、裏面Q側にも第2の魚肉すり身含有ペースト3を吹付け塗布してもよい。
図1におけるシート状魚肉練り製品製造工程(ステップS0)は、実施例1に係る模様付シート状魚肉練製品の製造方法25A及び模様付シート状魚肉練製品の製造装置1Aに用いられるシート状魚肉練り製品2を製造する工程であり、いわば準備工程である。このシート状魚肉練り製品製造工程(ステップS0)は、魚肉すり身と塩に加えて、必要に応じて添加される添加物(水を含む)を加えて第1の魚肉すり身含有ペースト29を作製し、この第1の魚肉すり身含有ペースト29をシート状に成形してから加熱してたんぱく質を凝固させてなる、いわゆるシートかまぼこを製造する工程である。また、このようなシート状魚肉練り製品2(シートかまぼこ)は、例えば特開2015−213437号公報に開示されるような成形ノズルを用いて、第1の魚肉すり身含有ペースト29を薄い帯状に成形したものを加熱して凝固させることで容易に製造することができる。また、このシート状魚肉練り製品製造工程(ステップS0)において用いられる第1の魚肉すり身含有ペースト29は、後段において説明する第2の魚肉すり身含有ペースト3と同質のものであり、使用目的に応じてペースト体の流動性等を適宜調整したものである。
また、実施例1に係る模様付シート状魚肉練製品23(包装体24)の製造に用いられるシート状魚肉練り製品2の厚みは0.6〜2.5mmの範囲内であることが望ましい。
シート状魚肉練り製品2の厚みが0.6mmを下回るものは、従来公知の方法で容易に製造できないだけでなく、最終製品(発明品)である模様付シート状魚肉練製品を用いて二次加工品を製造する際に、シート状魚肉練り製品2が破損し易いためその取り扱いが困難になる。
他方、シート状魚肉練り製品2の厚みが2.5mmを超えて大きい場合は、製造上の困難性は特にないものの、シート状魚肉練り製品2自体がある程度の弾性を有する食材であるため、本発明に係る最終製品である模様付シート状魚肉練製品を用いて二次加工品を製造する際の整形性が劣る、あるいは食した際にかみ切り難い等の不具合が生じてしまうため好ましくない。
なお、シート状魚肉練り製品2の表面は略平坦状でもよいし、模様をなす凹凸を有していてもよい。あるいは、シート状魚肉練り製品2の反対側の面に到達しない程度の筋状の切り込みを備えていてもよい。特にシート状魚肉練り製品2が筋状の切り込みを備えている場合は、その整形性を良好にできる。
また、シート状魚肉練り製品2の表面が平坦でない場合のシート状魚肉練り製品2の厚みは、シート状魚肉練り製品2において相対的に厚みが厚い部分の厚みを指し示すこととする。
続いて、実施例1に係る模様付シート状魚肉練製品の製造方法25A及び模様付シート状魚肉練製品の製造装置1Aにおける各工程及びそれに対応する各設備について詳細に説明する。
図3は本発明の実施例1に係る模様付シート状魚肉練製品の製造装置における第2の着色設備の部分拡大図であり、図4は本発明の実施例1に係る模様付シート状魚肉練製品の製造方法における第2の着色工程を完了した直後のシート状魚肉練製品の表面の様子を示すイメージ図である。また、図5は本発明の実施例1に係る模様付シート状魚肉練製品の製造方法における第2の着色工程を完了した直後のシート状魚肉練製品(試作品)の画像である。なお、図1及び図2に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。
図3に示すように、実施例1に係る第2の着色工程及び第2の着色設備6bでは、ベルトコンベア5の載置面5a上に載置されながら搬送されるシート状魚肉練り製品2の主面Pに、噴霧ノズル7において細かい粒子状にされた第2の魚肉すり身含有ペースト3がエアーとともに吹き付けられる。
この結果、シート状魚肉練り製品2の主面Pには、図4で示すような第2の魚肉すり身含有ペースト3からなりその厚みが不均一な粒状斑点模様が形成される。なお、このような第2の魚肉すり身含有ペースト3からなる粒状斑点模様が形成されたシート状魚肉練り製品2の試作品の画像が図5である。
図5に示す画像からも明らかなように、シート状魚肉練り製品2の主面Pに形成される個々の第2の魚肉すり身含有ペースト3からなる粒子の平面形状は、実際には図4に示されるような整った形状でなく不定形になる。
なお、実施例1においてシート状魚肉練り製品2の表面に、第2の魚肉すり身含有ペースト3により目視で確認できる程度の濃淡を有する粒状斑点模様を形成するには、第2の着色工程(ステップS1)において、シート状魚肉練り製品2の表面(主面P及び/又は裏面Q)に吹き付けられた第2の魚肉すり身含有ペースト3の最大径の平均値が3mm以下になるような噴霧ノズル7を用いるとよい。
また、シート状魚肉練り製品2の表面上における第2の魚肉すり身含有ペースト3の厚みは、噴霧ノズル7から噴霧される粒子状の第2の魚肉すり身含有ペースト3の大小により変化するが、これ以外の要因として、粒子状の第2の魚肉すり身含有ペースト3が重なりあってその厚みが変化する場合もある(図5の画像を参照)。
このように、実施例1に係る第2の着色工程(ステップ1)及び第2の着色設備6bによれば、シート状魚肉練り製品2の表面における第2の魚肉すり身含有ペースト3の厚みを様々にすることができ、これにより粒状斑点模様において第2の魚肉すり身含有ペースト3の色味の濃淡を表現することができる。
なお、先にも述べたが、第2の魚肉すり身含有ペースト3はシート状魚肉練り製品2とは異なる色味になるように食用の着色剤又は他の食材を混入することにより着色されている。
また、第2の魚肉すり身含有ペースト3は、少なくとも魚肉すり身と塩を含有してなり、さらに第2の魚肉すり身含有ペースト3の含水率を所望に調整することで、その硬さを所望に調整することができる。
ここで、実施例1に係る模様付シート状魚肉練製品の製造装置1Aの第2の着色設備6bに用いられる噴霧ノズル7の一例について図6を参照しながら詳細に説明する。
図6は本発明の実施例1に係る模様付シート状魚肉練製品の製造装置における着色ノズルの一例を示す断面図である。なお、図1乃至図5に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。
実施例1においては、シート状魚肉練り製品2の表面に第2の魚肉すり身含有ペースト3を細かい粒子状にして吹き付けるための噴霧ノズル7として図6に示すような形態のものを使用することができる。
このような実施例1に係る噴霧ノズル7は、例えば、その中央に着色された第2の魚肉すり身含有ペースト3を供給するための内筒7aを備え、その外周囲にエアーを供給するためのエアーノズル8を保持する第1の外筒7bが嵌設されている。さらに、内筒7aと第1の外筒7bの導出側に、内筒7aから導出される第2の魚肉すり身含有ペースト3と、エアーノズル8から導出されるエアーとを混合する混合部11と、この混合部11において混合された混合物を噴霧ノズル7の外に導出するための噴射口12を備えた第2の外筒7bが嵌設されている。そして、第1の外筒7bと第2の外筒7bとはその外側面上に螺着される固定リング7cにより分解可能に一体化されている。
そして、このような実施例1に係る噴霧ノズル7は、シート状魚肉練り製品2の色味とは異なる色に着色された第2の魚肉すり身含有ペースト3を導入するための第1の導入部9、及びエアーを導入するための第2の導入部10を備えている。
また、図6に示すような噴霧ノズル7では、第1の導入部9から内筒7aに導入された第2の魚肉すり身含有ペースト3が内筒7aの先端から導出される。さらに、第2のエアーノズル8に導入部10から導入されたエアーがエアーノズル8の先端から導出される。そして、それぞれが第2の外筒7bにおける混合部11で混合されて細かい粒子状の第2の魚肉すり身含有ペースト3が形成され、この細かい粒子状の第2の魚肉すり身含有ペースト3がエアーとともに第2の外筒7bの噴射口12から外部に吐出される。そして、最終的に、図2乃至図5に示すようにシート状魚肉練り製品2の表面に細かい粒子状の第2の魚肉すり身含有ペースト3が吹き付けられる。
なお、第2の魚肉すり身含有ペースト3を噴霧するための噴霧ノズル7は、必ずしも図6に示される形態に特定される必要はなく、第2の魚肉すり身含有ペースト3を細かい粒子状にして吹き付けることができればどのような形態のものを用いてもよい。
次に、図1乃至図3,図7を参照しながら実施例1に係る模様付シート状魚肉練製品の製造装置1Aにおけるフィルム供給設備13及びエアー抜き設備15、並びに、実施例1に係る模様付シート状魚肉練製品の製造方法25Aにおけるフィルム覆設工程(ステップS2)及びエアー抜き工程(ステップS3)について詳細に説明する。
図7は本発明の実施例1に係るシート付魚肉練り製品の部分断面図である。なお、図1乃至図6に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。
図1,図2に示すように、実施例1に係る模様付シート状魚肉練製品の製造装置1Aにおけるフィルム供給設備13、及び、模様付シート状魚肉練製品の製造方法25Aにおけるフィルム覆設工程(ステップS2)では、シート状魚肉練り製品2の主面Pに吹き付け塗布された第2の魚肉すり身含有ペースト3の表面の全域、及び、裏面Qの全域を被覆するようにフィルム14が配設される。ただし、この時点では、フィルム14は第2の魚肉すり身含有ペースト3の表面又はシート状魚肉練り製品2の裏面Qの全域を被覆するように単に配されているだけであり、第2の魚肉すり身含有ペースト3の表面又はシート状魚肉練り製品2の裏面Qと、フィルム14との間の随所にはエアーが存在しているため、フィルム14による保護効果が十分に発揮される状態ではない。
また、フィルム14は、図2に示すように、ロール状になった状態からフィルム供給設備13を介して第2の魚肉すり身含有ペースト3の表面上に供給される。
なお、図2では、第2の魚肉すり身含有ペースト3が吹付け塗布されていないシート状魚肉練り製品2の裏面Q側にもフィルム14を配する場合を例に挙げているが、第2の魚肉すり身含有ペースト3が吹付け塗布されていない面(ここでは、例えばシート状魚肉練り製品2の裏面Q)にフィルム14を配設しなくともよい。
この後、実施例1に係る模様付シート状魚肉練製品の製造装置1Aのエアー抜き設備15、及び、模様付シート状魚肉練製品の製造方法25Aのエアー抜き工程(ステップS3)では、図2,3に示すように、第2の魚肉すり身含有ペースト3上及びシート状魚肉練り製品2の裏面Q上に配設されたフィルム14の上から柔らかいスポンジローラ16を押し当てて、フィルム14と第2の魚肉すり身含有ペースト3又はシート状魚肉練り製品2の裏面Qの間にあるエアーを極力排除しながら双方を接触させる。
この場合、第2の魚肉すり身含有ペースト3の表面にフィルム14を押し当てる部材としてスポンジローラ16を用いることで、シート状魚肉練り製品2の表面に形成される様々な厚みを有する第2の魚肉すり身含有ペースト3からなる粒状斑点模様の圧潰を抑制することができる。もちろん、第2の魚肉すり身含有ペースト3からなる粒状斑点模様の圧潰を完全に防ぐことはできないが、フィルム14を第2の魚肉すり身含有ペースト3の塗布面に接触させた場合でも、第2の魚肉すり身含有ペースト3の厚みの大小を目視で確認できる程度に保持させることができる。
そして、第2の魚肉すり身含有ペースト3の表面にフィルム14を接触させてなるフィルム付きシート状魚肉練り製品17の部分断面図が図7である。
図7に示すように、フィルム付きシート状魚肉練り製品17では、シート状魚肉練り製品2の表面上における第2の魚肉すり身含有ペースト3の厚みが一様でなく様々に異なっている。
これは、先の第2の着色工程(ステップS1)又は第2の着色設備6bにおいてシート状魚肉練り製品2の表面に噴霧塗布された粒状斑点模様の第2の魚肉すり身含有ペースト3が、その後のエアー抜き工程(ステップS3)において完全には圧潰されず、その厚みの大小関係が維持されたままフィルム14が貼り付けられるためである。
この結果、このようなフィルム付きシート状魚肉練り製品17を加熱して第2の魚肉すり身含有ペースト3を凝固させた後、フィルム付きシート状魚肉練り製品17からフィルム14を剥離した際に、シート状魚肉練り製品2の表面において凝固した第2の魚肉すり身含有ペースト3は、その厚みの大小によりその色味の濃淡が表現された模様層3´となる。
なお、先の第2の着色工程(ステップS1)においてシート状魚肉練り製品2の表面に第2の魚肉すり身含有ペースト3により形成される粒状斑点模様を「密」に形成すると、模様層3´は第2の魚肉すり身含有ペースト3の色味の濃淡が特徴的なものになる。
他方、先の第2の着色工程(ステップS1)においてシート状魚肉練り製品2の表面に第2の魚肉すり身含有ペースト3により形成される粒状斑点模様を「疎ら」に形成すると、模様層3´に凝固した第2の魚肉すり身含有ペースト3を備えていない色抜け部分26からなる斑点がランダムに形成され易くなる。この場合は、粒状斑点模様を「密」に形成した場合とはまた異なった風合いの外観を呈することになる。
しかも、図7からも明らかなように、シート状魚肉練り製品2上に吹き付けられ第2の魚肉すり身含有ペースト3が様々な厚みを有するということは、フィルム付きシート状魚肉練り製品17を加熱してフィルム14を剥離した際に、模様層3´の表面が略平坦状でなく、目視で確認できる程度の凹凸を備えていることを意味する。そして、このような模様層3´における凹凸は、最終製品である模様付シート状魚肉練製品の表面の様子をのっぺりとした画一的な印象ではなく、あたかも天然素材をそのまま用いているかのような自然な印象を与えることができる。この場合、食材としての見た目の美しさを向上させることができる。
続いて、図1,2を参照しながら実施例1に係る模様付シート状魚肉練製品の製造装置1Aにおける切断設備18、及び、実施例1に係る模様付シート状魚肉練製品の製造方法25Aにおける切断工程(ステップS4)について詳細に説明する。
先のエアー抜き設備15又はエアー抜き工程においてフィルム14が覆設されてなるフィルム付きシート状魚肉練り製品17は帯状であるため、切断設備18又は切断工程(ステップS3)において所望の長さを有する個片状のシート体にすべく切断刃19により切断する。
この結果、図2に示すような、矩形状をなす個片状のフィルム付きシート状魚肉練り製品17となる。
さらに、図1,2を参照しながら実施例1に係る模様付シート状魚肉練製品の製造装置1Aにおける第2の加熱殺菌設備20、及び、実施例1に係る模様付シート状魚肉練製品の製造方法25Aにおける第2の加熱殺菌工程(ステップS5)について詳細に説明する。
先の切断工程(ステップS4)を完了したフィルム付きシート状魚肉練り製品17においてシート状魚肉練り製品2は、加熱処理により既にたんぱく質が凝固している加熱処理済部分であるのに対し、第2の魚肉すり身含有ペースト3は未凝固の魚肉すり身を含有する未加熱処理部分である。
このため、フィルム付きシート状魚肉練り製品17のシート状魚肉練り製品2及び第2の魚肉すり身含有ペースト3を摂食可能とするためには、第2の魚肉すり身含有ペースト3を加熱処理してそのたんぱく質を凝固させる必要がある。
そこで、実施例1に係る第2の加熱殺菌設備20及び第2の加熱殺菌工程(ステップS5)では、フィルム付きシート状魚肉練り製品17を蒸気21aにより加熱して、第2の魚肉すり身含有ペースト3のたんぱく質を凝固させて摂食可能にするとともにシート状魚肉練り製品2及び第2の魚肉すり身含有ペースト3を殺菌している。
このため、実施例1に係る第2の加熱殺菌設備20は蒸気21aを供給するための蒸気供給部21を備えている。
そして、このような蒸気21aによる第2の加熱殺菌工程(ステップS5)を経ることで、先の図7に示すような実施例1に係る模様付シート状魚肉練製品23が出来上がる。
また、このような実施例1に係る模様付シート状魚肉練製品23は、第2の魚肉すり身含有ペースト3が凝固されてなる模様層3´の表面にフィルム14が覆設されてなる包装体24でもある。なお、説明するまでもないが、実施例1に係る模様付シート状魚肉練製品23を食する際は、フィルム14を剥離する必要がある。
さらに、実施例1に係る第2の加熱殺菌設備20又は第2の加熱殺菌工程(ステップS5)において加熱殺菌処理がなされた模様付シート状魚肉練製品23(包装体24)を保管する必要がある場合は、先の図1,図2に示すように、第2の加熱殺菌工程(ステップS5)を完了した後の粗熱がとれた模様付シート状魚肉練製品23(包装体24)を、冷却設備22により冷却(冷蔵又は冷凍)すればよい(冷却工程;ステップS6)。
なお、この冷却工程(ステップS6)及び冷却設備22は必須の工程及び設備ではなく、模様付シート状魚肉練製品23が製造後速やかに食される場合は特に必要ない。
また、実施例1においては、フィルム付きシート状魚肉練り製品17を加熱殺菌処理した後に出来上がった製品から粗熱をとる工程は、冷却工程(ステップS6)には含まない。
つまり、実施例1における冷却工程(ステップS6)とは、冷却設備22を用いて模様付シート状魚肉練製品23(包装体24)を常温よりも低い温度に冷却設備22を用いて冷却する工程である。
なお、実施例1に係る模様付シート状魚肉練製品の製造装置1A及び模様付シート状魚肉練製品の製造方法25Aでは、切断設備18及び第2の加熱殺菌設備20、並びに、及び切断設備18切断工程(ステップS4)をこの順序で備える場合を例に挙げて説明しているが、これらの順序を入れ替えてもよい。
これらの順序を入れ替えた場合でも作用効果は同じである(図1を参照)。
このような実施例1に係る模様付シート状魚肉練製品の製造装置1A及び模様付シート状魚肉練製品の製造方法25Aによれば、シート状魚肉練り製品2の少なくとも主面Pに、このシート状魚肉練り製品2の色味と異なる色味を有し、かつこの異なる色味の不均一な濃淡を有する模様層3´(凝固した第2の魚肉すり身含有ペースト3)を形成することができる。
このような模様層3´を備えた模様付シート状魚肉練製品23では、模様層3´の濃淡は、凝固した第2の魚肉すり身含有ペースト3の厚みの大小により表現されている。このことはすなわち、シート状魚肉練り製品2の表面上に形成される模様層3´は、その表面に目視で確認できる程度の凹凸を備えていることを意味している。
また、実施例1に係る模様付シート状魚肉練製品23では、模様層3´の色味が、シート状魚肉練り製品2の色味と異なっているため、背景であるシート状魚肉練り製品2の色味により前景である模様層3´の色味が引き立てられて、その審美性が一層高められる。
また、特に模様層3´の厚みが薄い部分では、背景のシート状魚肉練り製品2の色味が透けて見えたり、模様層3´の色味と混ざったような色に見えたりするため、その色彩的な表現が一層多様化して、より見た目に美しい新規なシート状の魚肉練り製品を提供することができる。
従って、実施例1に係る模様付シート状魚肉練製品の製造装置1A及び模様付シート状魚肉練製品の製造方法25Aによれば、加工食品でありながら、その外観があたかも天然素材をそのまま用いているかのような自然な色味の濃淡及び凹凸備えた新規なシート状練り製品を容易に量産することが可能になる。
さらに、実施例1にかかる模様付シート状魚肉練製品23の模様層3´が、模様層3´が存在していない色抜け部分26からなり、模様層3´の全域にランダムに配されている斑点を備えている場合は、実施例1にかかる模様付シート状魚肉練製品23の審美性及び質感を一層好ましいものにすることができる。
なお、上記色抜け部分26からなる斑点の数の多少については、実施例1に係る第2の着色設備6b及び第2の着色工程(ステップS1)において、シート状魚肉練り製品2の表面に吹き付けられる粒子状の第2の魚肉すり身含有ペースト3の密度を調整するだけで容易に調整することができる。
また、シート状魚肉練り製品2の表面に吹き付けられるシート状魚肉練り製品2の柔らかさを調整すること、及び/又は、スポンジローラ16の硬さを適宜調節することで模様層3´の濃淡の形成状態を、その境界が不明瞭な淡い状態にしたり、あるいは、その境界が明瞭なものにしたりすることが可能である。
したがって、実施例1にかかる模様付シート状魚肉練製品の製造装置1A及び模様付シート状魚肉練製品の製造方法25Aによれば、模様層3´の見た目を意図的に微妙に変化させることが容易である。この結果、多様でかつ繊細な外観を有する模様付シート状魚肉練製品23を容易に量産することができる。
また、実施例1に係る模様付シート状魚肉練製品の製造装置1A及び模様付シート状魚肉練製品の製造方法25Aにより製造される最終製品は、模様付シート状魚肉練製品23の少なくとも模様層3´上にフィルム14を備えてなる包装体24(図7を参照)でもある。このため、このような包装体24を冷蔵又は冷凍状態で保管する際に、フィルム14により実施例1に係る模様付シート状魚肉練製品23の表面を保護することができるので、フィルム14を備えない場合に比べて高い品質保持効果を発揮させることができる。
さらに、実施例1に係る模様付シート状魚肉練製品の製造装置1A及び模様付シート状魚肉練製品の製造方法25Aにより製造される模様付シート状魚肉練製品23は、それを用いた二次加工品の材料として使用することができる。
例えば、実施例1に係る模様付シート状魚肉練製品23は、巻きずしやロールサンドイッチ、あるいはおにぎりやおにぎらず等の包装食品に用いられる海苔の代わりとして用いることができる。
特に、実施例1に係る模様付シート状魚肉練製品23を巻きずし、ロールサンドイッチ、並びに、おにぎりやおにぎらず等の包装食品の表面に配した場合は、これまでにない自然な風合いと美観を有する魚肉練り製品で包まれた二次加工品を提供することができる。また、実施例1に係る模様付シート状魚肉練製品23によれば、海苔を用いる場合のように、吸湿にともなう食感や外観の劣化が生じ難いため、二次加工品の外観を、海苔を用いる場合よりも長い間美しい状態に保つことができる。なお、実施例1に係る模様付シート状魚肉練製品23により包まれてなる包装食品の中身は、必ずしも穀類やその加工品である必要はなく、例えば、肉や野菜などの任意の食材を用いることができる。
また、実施例1に係る模様付シート状魚肉練製品23は、その断面の美観も優れているので、巻きずしやロールサンドイッチ、サンドイッチ、並びに、おにぎりやおにぎらず等の包装食品の具材としても適している。
この場合、これらの二次加工品の断面において、実施例1に係る模様付シート状魚肉練製品23におけるシート状魚肉練り製品2と模様層3´のコントラストを楽しむことができる。また、シート状魚肉練り製品2上に形成される模様層3´の厚みは不均一であるため、これらの二次加工品の断面において、いかにも人工的な加工品が挟まれているという印象を与えないので、食する者の食欲をそそることができる。
なお、実施例1に係る模様付シート状魚肉練製品の製造装置1Aでは、シート状魚肉練り製品2の主面Pにのみ第2の魚肉すり身含有ペースト3を吹き付けて模様層3´を形成する場合を例に挙げて説明しているが、シート状魚肉練り製品2の主面P及び裏面Qの両方に同時に第2の魚肉すり身含有ペースト3を吹き付けて模様層3´を形成することもできる。
その際の、模様付シート状魚肉練製品の製造装置について図8を参照しながら説明する。
図8は実施例1の変形例に係る模様付シート状魚肉練製品の製造装置における第2の着色設備の部分拡大図である。なお、図1乃至図7に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。
シート状魚肉練り製品2の主面P及び裏面Qの両方に第2の魚肉すり身含有ペースト3を吹き付けるには、例えば図8に示すように、模様付シート状魚肉練製品の製造装置1A´における搬送設備4(例えば、ベルトコンベア5等)の途中に段差を設けておき、その載置面5a上に載置されるシート状魚肉練り製品2の一部がこの段差部分において鉛直上下方向に垂下するように配置すればよい。
この場合、シート状魚肉練り製品2が鉛直上下方向に垂下している部分では、シート状魚肉練り製品2の主面Pと裏面Qの両方が搬送設備4であるベルトコンベア5の載置面5aと接触しないため、その主面P側と裏面Q側の両方に第2の着色設備6bを配して第2の魚肉すり身含有ペースト3を吹き付けることができる。
この結果、シート状魚肉練り製品2の主面Pと裏面Qの両面に模様層3´を有する模様付シート状魚肉練製品23を容易に量産することができる。
なお、第2の魚肉すり身含有ペースト3が吹き付けられたシート状魚肉練り製品2の裏面Qへのフィルム14の覆設方法は、第2の魚肉すり身含有ペースト3が吹き付けられた主面Pへのフィルム14の覆設方法と同じであるため、ここではその詳細な説明を省略する。
このように、図8に示すような実施例1の変形例に係る模様付シート状魚肉練製品の製造装置1A´によれば、シート状魚肉練り製品2の主面Pと裏面Qの両方に審美性の高い模様層3´を容易に形成することができる。
なお、実施例1に係る模様付シート状魚肉練製品23において、シート状魚肉練り製品2の色味を白色系に特定し、かつ第2の魚肉すり身含有ペースト3(模様層3´)の色味を赤色系に特定する場合は、最終製品である模様付シート状魚肉練製品23の外観をあたかも本物のカニ足肉の剥き身の表面模様のようにすることができる。なお、本実施の形態における「赤色系」とは「オレンジ色」を含む概念である。
さらに、実施例1に係る模様付シート状魚肉練製品23が、模様層3´に加えて、この模様層3´の全域にランダムに形成される色抜け部分26(白抜き部分)からなる斑点模様を備える場合は、この斑点模様が、カニ足を殻から引き抜く際に剥き身の表面に生じる赤色層の意図しない「剥がれ」を見る者に連想させるため、その外観を一層カニ足肉の剥き身の表面模様に近付けることができる。
なお、図9は本発明の実施例1に係る模様付シート状魚肉練製品を用いた巻きずし(試作品)の画像である。
図9では白黒で表現されているが、画像中の巻きずし(試作品)の表面において白色で表現されている部分は、白色系の色味を有するシート状魚肉練り製品2の表面が裸出している又は透けて見える部分であり、また黒色で表現されている部分は赤色系の色味を有する模様層3´である。図9の画像からも明らかなように、実施例1に係る模様付シート状魚肉練製品23では、模様層3´の色味の濃淡が目視で容易に確認することができる。また、図9の画像中の巻きずし(試作品)外観は、あたかも本物のカニ足肉の剥き身の表面模様のようである。
上述のようにシート状魚肉練り製品2及び第2の魚肉すり身含有ペースト3(模様層3´)の色味を特定してなる模様付シート状魚肉練製品23によれば、より高級感を有する新規なシート状の魚肉練り製品を量産することができる。
なお、実施例1においては、シート状魚肉練り製品2の表面に細かい粒子状の第2の魚肉すり身含有ペースト3を吹き付けることで、シート状魚肉練り製品2の表面に模様層3´を形成する場合を例に挙げて説明しているが、模様層3´の形成方法は、上述の図2,図3及び図8に示されるものに限定される必要はなく、別の方法を採用することもできる。
例えば、着色された第2の魚肉すり身含有ペースト3をシート状魚肉練り製品2の表面に印刷塗布することで模様層3´を形成してもよい。
この場合は、印刷面の模様を自由に設定することができるので、例えば、シート状魚肉練り製品2の表面にエビの剥き身が敷き詰められている様子をリアルに表現したり、幾何学模様や任意の自由な模様を表現したりすることができる。あるいは、刷毛等で第2の魚肉すり身含有ペースト3をシート状魚肉練り製品2の表面に塗布してもよい。
さらに、第2の魚肉すり身含有ペースト3からなる印刷層を複数層積層することで、シート状魚肉練り製品2の表面上における第2の魚肉すり身含有ペースト3の厚みを不均一にして、これにより第2の魚肉すり身含有ペースト3の色味の濃淡を表現することもできる。
このように、シート状魚肉練り製品2への第2の魚肉すり身含有ペースト3の塗布方法として吹き付け以外の方法を採用する場合は、模様付シート状魚肉練製品23における模様層3´による表現性を一層多様なものにすることができる。
この場合、第2の魚肉すり身含有ペースト3の塗布面にフィルム14を配設する際に、形成された模様が圧潰され難いので、最終製品からフィルム14を剥離した際の模様層3´の外観を美しい状態に保つことができる。
よって、本発明の実施例1に係る模様付シート状魚肉練製品の製造方法25A及び模様付シート状魚肉練製品の製造装置1A,1A´によれば、様々な外観を有する新しいシート状の魚肉練り製品を容易に量産することが可能になる。
上述の実施例1に係る模様付シート状魚肉練製品の製造方法25Aや模様付シート状魚肉練製品の製造装置1A,1A´は、加熱済のシート状魚肉練り製品2の主面P及び/又は裏面Qに未加熱の第2の魚肉すり身含有ペースト3を吹付て模様層3´を形成する技術である。
この場合、最終製品である実施例1に係る模様付シート状魚肉練製品23において、シート状魚肉練り製品2に対する模様層3´の密着性が不十分になる場合がある。この場合、実施例1に係る模様付シート状魚肉練製品23を用いて二次加工品を製造する際に、意図せず模様層3´が剥がれて実施例1に係る模様付シート状魚肉練製品23が不良品化してしまう場合があった。
このような事情に鑑み、発明者らは鋭意研究の結果、シート状魚肉練り製品2に対する模様層3´の密着性を向上させることができる新たな製造方法及び装置を発明した。
ここで、図10乃至図12を参照しながら本発明の実施例2に係る様付シート状魚肉練製品の製造方法及びそれに用いる装置について詳細に説明する。
図10は本発明の実施例2に係る模様付シート状魚肉練製品の製造方法のフローチャートである。なお、図1乃至図9に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。
実施例2に係る模様付シート状魚肉練製品の製造方法25Bは大まかに、先の実施例1に係る模様付シート状魚肉練製品の製造方法25Aにおける第2の着色工程(ステップS1)が、その前の準備工程であるシート状魚肉練り製品製造工程(ステップS0)において行うよう構成されるものである。
より具体的には図10に示すように、実施例2に係る模様付シート状魚肉練製品の製造方法25Bは、シート状魚肉練り製品製造工程(ステップS0)として、第1の魚肉すり身含有ペースト29を薄い帯状に成形するペースト成形工程(ステップS0−1)と、このペースト成形工程(ステップS0−1)において成形された第1の魚肉すり身含有ペースト成形体30の主面Pに、第1の魚肉すり身含有ペースト29と異なる色味を呈する第2の魚肉すり身含有ペースト3を空気とともに吹き付けて、第2の魚肉すり身含有ペースト3からなりその厚みが不均一な粒状斑点模様を形成させる第1の着色工程(ステップS0−2)と、粒状斑点模様を備える第1の第1の魚肉すり身含有ペースト成形体30を加熱して第1及び第2の魚肉すり身含有ペースト29,3を一体の凝固物にして薄い帯状の片面模様付シート状魚肉練製品36にする第1の加熱殺菌工程(ステップS0−3)と、を備えてなるものである。
なお、上述のような実施例2に係る模様付シート状魚肉練製品の製造方法25Bでは、粒状斑点模様を備える第1の第1の魚肉すり身含有ペースト成形体30を加熱して凝固させた際に、片面模様付シート状魚肉練製品36が載置面(後段において説明する図11中の成形用面31aを参照)上に密着する場合がある。
この場合は、第1の加熱殺菌工程(ステップS0−3)の後に、片面模様付シート状魚肉練製品36の載置面(成形用面31a)から片面模様付シート状魚肉練製品36を剥離する必要がある。このため、実施例2に係る模様付シート状魚肉練製品の製造方法25Bは、上述のステップS0−1乃至ステップS0−3の後に、必要に応じて剥離工程(ステップS0−4)を備えていてもよい(選択的構成要素)。
上述のような実施例2に係る模様付シート状魚肉練製品の製造方法25Bによれば、未加熱の第1の魚肉すり身含有ペースト成形体30と未加熱の第2の魚肉すり身含有ペースト3とを同時に加熱処理することで、これらを一体の凝固物にすることができる。
この場合、実施例2に係る模様付シート状魚肉練製品の製造方法25Bにより製造された片面模様付シート状魚肉練製品36(模様付シート状魚肉練製品23)は、先の実施例1に係る模様付シート状魚肉練製品の製造方法25Aにより製造された模様付シート状魚肉練製品23と比べて、第1の魚肉すり身含有ペースト29が凝固してなるシート体に対する模様層3´の密着性が良好になる。
この結果、実施例2に係る模様付シート状魚肉練製品の製造方法25Bにより製造された片面模様付シート状魚肉練製品36(模様付シート状魚肉練製品23)を用いて巻きずし等の二次加工品を製造する場合に、作業中に意図せず模様層3´がシート状魚肉練り製品2から剥がれてしまうのを防止できる。
よって、実施例2に係る模様付シート状魚肉練製品の製造方法25Bによれば、最終製品である片面模様付シート状魚肉練製品36をさらに加工する際に、その美観が損なわれてしまうのを好適に防止することができる。
したがって、実施例2に係る模様付シート状魚肉練製品の製造方法25Bによれば、二次加工品を製造する際にその取扱いが容易な片面模様付シート状魚肉練製品36を製造することができる。
なお、実施例2に係る模様付シート状魚肉練製品の製造方法25Bにより製造される片面模様付シート状魚肉練製品36の構造及び外観は、先の実施例1に係る模様付シート状魚肉練製品23と同じである。
また、実施例2に係る模様付シート状魚肉練製品の製造方法25Bでは、第1の魚肉すり身含有ペースト成形体30に第2の魚肉すり身含有ペースト3を噴霧塗布する必要がある。その一方で、加熱前の第1の魚肉すり身含有ペースト成形体30は、加熱前は十分な形状保持性を有しないため、加熱によって凝固するまでは何らかの載置面上に支持されている必要がある。このように、実施例2に係る模様付シート状魚肉練製品の製造方法25Bでは、第1の魚肉すり身含有ペースト29からなるシート体の主面Pにおける模様層3´の密着性を良好にできる反面、このシート体の裏面Q(載置される面)には模様層3´を形成することができなかった。
さらに、上述のステップS0−1乃至ステップS0−3(必要に応じてステップS0−4を含む)を完了して作製された片面模様付シート状魚肉練製品36は、その主面P及び裏面Qにフィルム14を備えていない。
このため、実施例2に係る模様付シート状魚肉練製品の製造方法25Bでは、シート状魚肉練り製品製造工程(ステップS0)を完了した後に、さらに、実施例1に係る模様付シート状魚肉練製品の製造方法25Aと同様のステップS2乃至ステップS6を備えて(選択的構成要素)、片面模様付シート状魚肉練製品36の最終形態を先の図3に示すような包装体24にしてもよい(図10を参照)。
実施例2に係る模様付シート状魚肉練製品の製造方法25Bでは、ステップS0−1乃至ステップS0−3(必要に応じてステップS0−4を含む)を完了した時点で第1の魚肉すり身含有ペースト29や第2の魚肉すり身含有ペースト3は既に加熱処理済みである。このため、片面模様付シート状魚肉練製品36をさらに摂食可能にするための加熱処理を行う必要ないものの、片面模様付シート状魚肉練製品36に覆設されるフィルム14が雑菌等に汚染されている懸念がある。このため、実施例2に係る模様付シート状魚肉練製品の製造方法25Bでは、ステップS0−1乃至ステップS0−3(必要に応じてステップS0−4を含む)を完了した後のステップS2乃至ステップS6において、フィルム14の覆設と、殺菌を目的とする加熱処理(ステップS5;第2の加熱殺菌処理)を行っている。
これにより、実施例2に係る片面模様付シート状魚肉練製品36(模様付シート状魚肉練製品23)を食品として安全なものにすることができる。
また、実施例2に係る片面模様付シート状魚肉練製品36がその表面にフィルム14を備えることで、実施例2に係る片面模様付シート状魚肉練製品36を冷蔵又は冷凍により保管する際に、片面模様付シート状魚肉練製品36の表面を保護することができる。
また、実施例2に係る模様付シート状魚肉練製品の製造方法25Bが、ステップS0−1乃至ステップS0−3(必要に応じてステップS0−4を含む)の後にステップS2乃至ステップS6を備える場合は、加熱済みの片面模様付シート状魚肉練製品36に対してフィルム14が覆設されることになる。
このため、実施例2に係る片面模様付シート状魚肉練製品36の表面にフィルム14を覆設する際に、模様層3´をなす粒状斑点模様が圧潰する恐れがない。
よって、実施例2に係る模様付シート状魚肉練製品の製造方法25Bによれば、模様層3´の粒状斑点模様がより鮮明で審美性の高い片面模様付シート状魚肉練製品36(模様付シート状魚肉練製品23)を製造することができる。
また、実施例2に係る片面模様付シート状魚肉練製品36では、第2の魚肉すり身含有ペースト3からなる粒状斑点模様が凝固した後にフィルム14を覆設するため、実施例1に係る包装体24と比較して模様層3´とフィルム14との密着性は低くなる。このため、実施例2に係る包装体24からフィルム14を除去する際に、フィルム14とともに模様層3´の一部が剥離してしまうリスクも小さくなる。
したがって、実施例2に係る片面模様付シート状魚肉練製品36によれば、模様層3´の審美性が高く、しかも模様層3´が剥がれにくい模様付シート状魚肉練製品23を効率良く製造することができる。
次に、図10,11を参照しながら実施例2に係る模様付シート状魚肉練製品の製造装置について説明する。
図11は本発明の実施例2に係る模様付シート状魚肉練製品の製造装置の概念図である。なお、図1乃至図10に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。
実施例2に係る模様付シート状魚肉練製品の製造装置1Bは、図11に示すように、第1の魚肉すり身含有ペースト29を薄い帯状をなすように成形しながら導出して第1の魚肉すり身含有ペースト成形体30にする口金27を備えるペースト供給設備28と、この第1の魚肉すり身含有ペースト成形体30の主面Pに、第1の魚肉すり身含有ペースト29と異なる色味を呈する第2の魚肉すり身含有ペースト3を粒子状にしながら吹き付けて粒状斑点模様を形成させる第1の着色設備6aと、粒状斑点模様を備えた第1の魚肉すり身含有ペースト成形体30を加熱することで第1及び第2の魚肉すり身含有ペースト29,3を凝固させて片面模様付シート状魚肉練製品36とする第1の加熱殺菌設備32と、を備えてなるものである。
なお、実施例2に係る模様付シート状魚肉練製品の製造装置1Bにおける第1の着色設備6aの構成は、先の実施例1において説明する第2の着色設備6b(例えば、図6を参照)と同じである。
なお、実施例2に係る模様付シート状魚肉練製品の製造装置1Bにおけるペースト供給設備28、第1の着色設備6a及び第1の加熱殺菌設備32のそれぞれは、上述の実施例2に係る模様付シート状魚肉練製品の製造方法25Bにおけるペースト成形工程(ステップS0−1)、第1の着色工程(ステップS0−2)及び第1の加熱殺菌工程34(ステップS0−3)のそれぞれに対応している。
また、上述のような実施例2に係る模様付シート状魚肉練製品の製造装置1Bによる効果は、実施例2に係る模様付シート状魚肉練製品の製造方法25Bによる効果と同じである。
さらに、実施例2に係る模様付シート状魚肉練製品の製造装置1B及び模様付シート状魚肉練製品の製造方法25Bでは、加熱後のシート状をなす第1の魚肉すり身含有ペースト成形体30が、先の実施例1に係る模様付シート状魚肉練製品の製造装置1A,1A´及び模様付シート状魚肉練製品の製造方法25Aにおける加熱済のシート状魚肉練り製品2に対応している。
ここで、実施例2に係る模様付シート状魚肉練製品の製造装置1Bにおける他の構成について説明する。
実施例2に係る模様付シート状魚肉練製品の製造装置1Bは、図11に示すように、成形された第1の魚肉すり身含有ペースト成形体30を支持する成形用面31aとして回転ドラム31を備えている(選択的構成要素)。さらに、この回転ドラム31の周側面(成形用面31a)上に支持される粒状斑点模様が形成された第1の魚肉すり身含有ペースト成形体30を加熱する設備として、回転ドラム31を収容可能なハウジング33及びその加温部37を備えていてもよい(いずれも選択的構成要素)。
このように実施例2に係る模様付シート状魚肉練製品の製造装置1Bが成形用面31aとして回転ドラム31を備え、この回転ドラム31をハウジング33内に収容して加熱できるよう構成されていることで、第1の魚肉すり身含有ペースト成形体30を支持する載置面、及び、その第1の加熱殺菌設備32を水平方向に広がる帯状の設備として設ける場合に比べて、これらの設備の占有面積を狭くすることができる。
なお、図11ではハウジング33内を加温する加温部37として蒸気供給部21を備えている場合を例に挙げて説明しているが、加温部37は蒸気供給部21以外にも電気ヒータや直火(図示せず)でもよい。
いずれの場合も蒸気21aを用いて加熱する場合と同様に、第1の魚肉すり身含有ペースト29及び第2の魚肉すり身含有ペースト3を摂食可能に凝固させながら加熱殺菌することができる。
また、図11に示すようにハウジング33に加温部37を設ける代わりに、回転ドラム31の中空部側に加温部37を備えてもよい(選択的構成要素)。この場合もハウジング33は必須の構成であるが、ハウジング33に加温部37を備える場合に比べて第1の加熱殺菌設備32コンパクトにできるという効果を有する。
さらに、実施例2に係る模様付シート状魚肉練製品の製造装置1Bでは、図11に示すように、回転ドラム31の周側面を構成する材質によっては加熱後の片面模様付シート状魚肉練製品36(模様付シート状魚肉練製品23)が成形用面31aに密着する場合がある。
この場合、実施例2に係る模様付シート状魚肉練製品の製造装置1Bは、成形用面31aから片面模様付シート状魚肉練製品36を剥離するための剥離用刃35を有する剥離設備34を備えている必要がある(選択的構成要素)。
このように模様付シート状魚肉練製品の製造装置1Bが剥離設備34を備える場合は、回転ドラム31の成形用面31aに密着した片面模様付シート状魚肉練製品36を剥離用刃35により剥離して、薄い帯状をなす片面模様付シート状魚肉練製品36のみにすることができる。
加えて、実施例2に係る模様付シート状魚肉練製品の製造装置1Bでは、図11に示すように、回転ドラム31の周側面上(成形用面31a)上に第1の魚肉すり身含有ペースト成形体30を吐出形成するとともに、回転ドラム31を回転させながら第2の魚肉すり身含有ペースト3が噴霧塗布された第1の魚肉すり身含有ペースト成形体30を加熱して凝固させ、さらに、第1の魚肉すり身含有ペースト29の吐出位置から回転ドラム31を略1回転させた位置において、回転ドラム31から加熱済の片面模様付シート状魚肉練製品36を剥離して搬送設備4により搬送できるよう各設備を配置してもよい(選択的構成要素)。
つまり、実施例2に係る回転ドラム31をその中心軸に対して直交する方向から見た際に、ペースト供給設備28、剥離設備34、及び搬送設備4の始端位置を、回転ドラム31の回転軸中心位置を通過する鉛直方向を基準にして90°の位置寄りに配置してもよい(選択的構成要素)。
この場合、後段において図12を参照しながら説明する実施例2の変形例に係る両面模様付シート状魚肉練製品の製造を容易にできるというメリットを有する。
加えて、実施例2に係る模様付シート状魚肉練製品の製造装置1Bは、上述のような第1の魚肉すり身含有ペースト29及び第2の魚肉すり身含有ペースト3を成形して加熱して片面模様付シート状魚肉練製品36とするための各設備に加えて、図11に示すように、剥離設備34の下流側に、先の実施例1に係る模様付シート状魚肉練製品の製造装置1Aと同様のフィルム供給設備13、エアー抜き設備15、切断設備18、第2の加熱殺菌設備20及び冷却設備22(図示せず)を備えていてもよい(いずれも選択的構成要素)。
この場合、実施例2に係る片面模様付シート状魚肉練製品36を、先の図7に示すような包装体24にしながら、包装体24の加熱殺菌処理を完了することができる。
この結果、実施例2に係る模様付シート状魚肉練製品の製造装置1Bによれば、冷蔵又は冷凍による保存性に優れ、かつ、食品として安全な包装体24である模様付シート状魚肉練製品36を製造することができる。
続いて、図12及び図13を参照しながら実施例2の変形例に係る模様付シート状魚肉練製品の製造方法及び模様付シート状魚肉練製品の製造装置について説明する。
図12は実施例2の変形例に係る模様付シート状魚肉練製品の製造装置の概念図である。なお、図1乃至図11に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。
実施例2の変形例に係る模様付シート状魚肉練製品の製造装置1B´は、ペースト供給設備28、第1の着色設備6a、第1の加熱殺菌設備32及び必要に応じて剥離設備34を備えてなる実施例2に係る模様付シート状魚肉練製品の製造装置1Bの下流側に、先の実施例1に係る模様付シート状魚肉練製品の製造装置1A(図2を参照)の一連の構成を備えてなるものである。
つまり、実施例2の変形例に係る模様付シート状魚肉練製品の製造装置1B´は、上述の実施例2に係る模様付シート状魚肉練製品の製造装置1Bにおいて製造された片面模様付シート状魚肉練製品36の裏面Qに、先の実施例1に係る模様付シート状魚肉練製品の製造装置1Aにより第2の魚肉すり身含有ペースト3からなる模様層3´を形成して、最終的に第1の魚肉すり身含有ペースト29からなるシート体の両面に模様層3´を備える模様付シート状魚肉練製品23(包装体24)を製造する装置である。
また、実施例2の変形例に係る模様付シート状魚肉練製品の製造装置1B´における各設備の作用・効果は、先の実施例1,2における各設備の作用・効果と同じであるためここでは詳細な説明を省略する。
このような実施例2の変形例に係る模様付シート状魚肉練製品の製造装置1B´によれば、片面模様付シート状魚肉練製品36の裏面にも模様層3´を備える両面模様付シート状魚肉練製品36´を製造することができる。
また、このような両面模様付シート状魚肉練製品36´は、その主面Pに形成されている模様層3´の密着性が優れている。
このため、実施例2に係る両面模様付シート状魚肉練製品36´によれば、二次加工品を製造する際の取扱いを容易できるだけでなく、シート体の主面P及び裏面Qの両方に模様層3´を備えた装飾性が高い模様付シート状魚肉練製品23を製造することができる。
また、実施例2の変形例に係る模様付シート状魚肉練製品の製造装置1B´において、回転ドラム31、ペースト供給設備28、第1の着色設備6a、剥離設備34、及び、搬送設備4の始端位置のそれぞれが、図11に示すように配置されている場合は、成形用面31aから剥離された片面模様付シート状魚肉練製品36を搬送設備4上に載置した際に、片面模様付シート状魚肉練製品36の裏面Q(粒状斑点状の模様層3´が形成されていない側の面)が鉛直上方側を向いた状態になる。
この場合、図12に示すように搬送設備4(例えば、ベルトコンベア5)載置された片面模様付シート状魚肉練製品36の裏面Qに第2の魚肉すり身含有ペースト3を噴霧塗布するために、片面模様付シート状魚肉練製品36の裏面Qが鉛直上方側を向くように裏返す等の作業を行う必要がない。
このため、実施例2の変形例に係る模様付シート状魚肉練製品の製造装置1B´をコンパクトにすることができるという効果を有する。
最後に、実施例2の変形例に係る模様付シート状魚肉練製品の製造方法25B´について図12,13を参照しながら説明する。
図13は本発明の実施例2の変形例に係る模様付シート状魚肉練製品の製造方法のフローチャートである。なお、図1乃至図12に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。
実施例2の変形例に係る模様付シート状魚肉練製品の製造方法は、上述の図12に示す実施例2の変形例に係る模様付シート状魚肉練製品の製造装置1B´を方法の発明として特定したものである。
このような実施例2の変形例に係る模様付シート状魚肉練製品の製造方法25B´は、先の実施例1に係る模様付シート状魚肉練製品の製造方法25Aにおける準備工程のシート状魚肉練り製品製造工程(ステップS0)に代えて、先の図10に示す模様付シート状魚肉練製品の製造方法25Bにおけるシート状魚肉練り製品製造工程[ステップS0−1乃至ステップS0−3(必要に応じてステップS0−4を含む)]を備えている。
また、このような実施例2の変形例に係る模様付シート状魚肉練製品の製造方法25B´による効果は、上述の実施例2の変形例に係る模様付シート状魚肉練製品の製造装置1B´による効果と同じである。
なお、本実施の形態において「模様付シート状魚肉練製品23」は、実施例1に係る模様付シート状魚肉練製品23(シート状魚肉練り製品2の主面P及び/又は裏面Qに模様層3´を備えるもの)、実施例2に係る片面模様付シート状魚肉練製品36及び両面模様付シート状魚肉練製品36´の全てを包含する概念である。
さらに、実施例2に係る片面模様付シート状魚肉練製品36や両面模様付シート状魚肉練製品36´を備えてなる二次加工食品による効果は、実施例1に係る模様付シート状魚肉練製品23を備える場合と同じである。
また、二次加工食品に用いる模様付シート状魚肉練製品23が実施例2に係る片面模様付シート状魚肉練製品36や両面模様付シート状魚肉練製品36´である場合は特に、シート体の主面P側に形成される模様層3´の密着性が良好になるので、二次加工食品の製造作業を容易にでき、かつ、製造済の二次加工食品の見た目を良好にできるという効果を有する。
以上説明したように本発明は、シート状の魚肉練り製品の表面に不均一な濃淡を有する着色模様を備えた模様付シート状魚肉練製品、およびその製造方法、およびその製造装置、およびそれを用いた巻きずし、およびそれを用いたロールサンドイッチ、およびそれを用いたサンドイッチ、およびその包装体であり、加工食品に関する分野において利用可能である。
1A,1A´,1B,1B´…模様付シート状魚肉練製品の製造装置 2…シート状魚肉練り製品 3…第2の魚肉すり身含有ペースト 3´…模様層 4…搬送設備 5…ベルトコンベア 5a…載置面 6a…第1の着色設備 6b…第2の着色設備 7…噴霧ノズル 7a…内筒 7b…第1の外筒 7b…第2の外筒 7c…固定リング 8…エアーノズル 9…第1の導入部(第2の魚肉すり身含有ペースト供給部) 10…第2の導入部(エアー供給部) 11…混合部 12…噴射口 13…フィルム供給設備 14…フィルム 15…エアー抜き設備 16…スポンジローラ 17…フィルム付きシート状魚肉練り製品 18…切断設備 19…切断刃 20…第2の加熱殺菌設備 21…蒸気供給部 21a…蒸気 22…冷却設備 23…模様付シート状魚肉練製品 24…包装体 25A,25B,25B´…模様付シート状魚肉練製品の製造方法 26…色抜け部分 27…口金 28…ペースト供給設備 29…第1の魚肉すり身含有ペースト 30…第1の魚肉すり身含有ペースト成形体 31…回転ドラム 31a…成形用面(周側面) 32…第1の加熱殺菌設備 33…ハウジング 34…剥離設備 35…剥離用刃 36…片面模様付シート状魚肉練製品(模様付シート状魚肉練製品) 36´…両面模様付シート状魚肉練製品(模様付シート状魚肉練製品) 37…加温部 P…主面 Q…裏面

Claims (15)

  1. 第1の魚肉すり身含有ペーストを帯状でかつシート状をなすように成形するペースト成形工程と、
    前記ペースト成形工程において成形された第1の魚肉すり身含有ペースト成形体の主面に、前記第1の魚肉すり身含有ペーストと異なる色味を呈する第2の魚肉すり身含有ペーストを空気とともに吹き付けて、前記第2の魚肉すり身含有ペーストからなりその厚みが不均一な粒状斑点模様を形成させる第1の着色工程と、
    前記粒状斑点模様を備える前記第1の魚肉すり身含有ペースト成形体を加熱して前記第1及び第2の魚肉すり身含有ペーストを凝固させて帯状の片面模様付シート状魚肉練製品にする第1の加熱殺菌工程と、を備えていることを特徴とする模様付シート状魚肉練製品の製造方法。
  2. 帯状のシート状魚肉練製品の主面及び/又は裏面に、前記シート状魚肉練製品と異なる色味を呈する第2の魚肉すり身含有ペーストを空気とともに吹き付けて、前記第2の魚肉すり身含有ペーストからなりその厚みが不均一な粒状斑点模様を形成させる第2の着色工程と、
    少なくとも前記第2の魚肉すり身含有ペーストの塗布面をフィルムで被覆するフィルム覆設工程と、
    覆設された前記フィルムの上からスポンジローラを押し当てて前記フィルムをその被覆対象面に接触させてフィルム付きシート状魚肉練製品にするエアー抜き工程と、
    前記フィルム付きシート状魚肉練製品を所望の長さに切断する切断工程と、
    前記フィルム付きシート状魚肉練製品を蒸煮して前記第2の魚肉すり身含有ペーストを凝固させる第2の加熱殺菌工程と、を備えていることを特徴とする模様付シート状魚肉練製品の製造方法。
  3. 前記第2の着色工程の前に、請求項1に記載の模様付シート状魚肉練製品の製造方法により片面模様付シート状魚肉練製品を製造する工程を準備工程として備え、
    前記第2の着色工程における前記シート状魚肉練製品は、前記準備工程において製造された前記片面模様付シート状魚肉練製品であり、
    前記第2の着色工程は、前記片面模様付シート状魚肉練製品における裏面に前記第2の魚肉すり身含有ペーストからなる前記粒状斑点模様を形成させる工程である、ことを特徴とする請求項2に記載の模様付シート状魚肉練製品の製造方法。
  4. 前記切断工程と前記第2の加熱殺菌工程とを入れ替えてなることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の模様付シート状魚肉練製品の製造方法。
  5. 模様付シート状魚肉練製品の製造に用いられる装置であって、
    第1の魚肉すり身含有ペーストを帯状でかつシート状をなすように導出して第1の魚肉すり身含有ペースト成形体にする口金を備えているペースト供給設備と、
    前記第1の魚肉すり身含有ペースト成形体の主面に、前記第1の魚肉すり身含有ペーストと異なる色味を呈する第2の魚肉すり身含有ペーストを粒子状にしながら吹き付けて粒状斑点模様を形成させる第1の着色設備と、
    前記粒状斑点模様を備えた前記第1の魚肉すり身含有ペースト成形体を加熱することで前記第1及び第2の魚肉すり身含有ペーストを凝固させて片面模様付シート状魚肉練製品にする第1の加熱殺菌設備と、を備え、
    前記第1の着色設備は、前記第2の魚肉すり身含有ペーストを導入するための第1の導入部と、エアーを導入するための第2の導入部と、を備えていることを特徴とする模様付シート状魚肉練製品の製造装置。
  6. 前記模様付シート状魚肉練製品の製造装置はさらに、
    帯状の前記片面模様付シート状魚肉練製品を載置する載置面を備えている搬送設備と、
    前記第1の導入部と、エアーを導入するための前記第2の導入部とを備え、かつ前記第2の魚肉すり身含有ペーストを粒子状にして前記片面模様付シート状魚肉練製品の裏面に吹き付けて前記粒状斑点模様を形成させる第2の着色設備と、
    未加熱の前記第2の魚肉すり身含有ペーストの塗布面側に少なくともフィルムを供給するフィルム供給設備と、
    前記フィルムをその被覆対象面に接触させてフィルム付シート状魚肉練製品にするためのスポンジローラを備えているエアー抜き設備と、
    前記フィルム付シート状魚肉練製品を所望の長さに切断する切断刃を備えている切断設備と、
    蒸気供給部を備え、蒸気の熱により前記フィルム付シート状魚肉練製品における未加熱の前記第2の魚肉すり身含有ペーストを凝固させる第2の加熱殺菌設備と、を備えていることを特徴とする請求項5に記載の模様付シート状魚肉練製品の製造装置。
  7. 模様付シート状魚肉練製品の製造に用いられる装置であって、
    帯状のシート状魚肉練製品を載置する載置面を備えている搬送設備と、
    前記シート状魚肉練製品と異なる色味を呈する第2の魚肉すり身含有ペーストを導入するための第1の導入部と、エアーを導入するための第2の導入部とを備え、かつ前記第2の魚肉すり身含有ペーストを粒子状にして前記シート状魚肉練製品の塗布面に吹き付けて粒状斑点模様を形成させる第2の着色設備と、
    前記第2の魚肉すり身含有ペーストの少なくとも前記塗布面側にフィルムを供給するフィルム供給設備と、
    前記フィルムをその被覆対象面に接触させてフィルム付きシート状魚肉練り製品にするためのスポンジローラを備えているエアー抜き設備と、
    前記フィルム付きシート状魚肉練り製品を所望の長さに切断する切断刃を備えている切断設備と、
    蒸気供給部を備え、蒸気の熱により前記フィルム付シート状魚肉練製品における前記第2の魚肉すり身含有ペーストを凝固させる第2の加熱殺菌設備と、を備えていることを特徴とする模様付シート状魚肉練製品の製造装置。
  8. 魚肉すり身を含有し、かつその厚みが0.6〜2.5mmの範囲内であるシート状魚肉練製品と、
    魚肉すり身を含有し、かつ前記シート状魚肉練製品と異なる色味を呈し、かつ前記シート状魚肉練製品の主面上及び/又は裏面上においてその厚みの大小により前記異なる色味の濃淡が表現されている模様層と、を備えていることを特徴とする模様付シート状魚肉練製品。
  9. 前記濃淡は、前記模様層の形成面に不均一に生じていることを特徴とする請求項8に記載の模様付シート状魚肉練製品。
  10. 前記模様層と、
    前記模様層が存在していない色抜け部分からなり、かつ前記模様層を備えている面の全域にランダムに配されている斑点と、を備えていることを特徴とする請求項8又は請求項9に記載の模様付シート状魚肉練製品。
  11. 柱状をなす食品の表面及び/又は内部に層状に配されている請求項8乃至請求項10のいずれか1項に記載の模様付シート状魚肉練製品を備えていることを特徴とする巻きずし。
  12. 柱状をなす食品の表面及び/又は内部に層状に配されている請求項8乃至請求項10のいずれか1項に記載の模様付シート状魚肉練製品を備えていることを特徴とするロールサンドイッチ。
  13. 積層状をなす食品の内部に層状に配されている請求項8乃至請求項10のいずれか1項に記載の模様付シート状魚肉練製品を備えていることを特徴とするサンドイッチ。
  14. 任意の外形を有する食品の表面の少なくとも一部を被覆している請求項8乃至請求項10のいずれか1項に記載の模様付シート状魚肉練製品を備えていることを特徴とする包装食品。
  15. 請求項8乃至請求項10のいずれか1項に記載の模様付シート状魚肉練製品と、
    少なくとも前記模様層上を被覆しているフィルムと、を備えていることを特徴とする模様付シート状魚肉練製品の包装体。
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