JP2019049845A - 不動産物件の評価額算出プログラム、情報処理装置、及び、不動産物件の評価額算出方法 - Google Patents

不動産物件の評価額算出プログラム、情報処理装置、及び、不動産物件の評価額算出方法 Download PDF

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Abstract

【課題】リフォームの価値が反映された信頼性の高い不動産物件の評価額を提供する。【解決手段】コンピュータに、不動産物件に関する情報に基づき所定のアルゴリズムに従って不動産物件の第1の評価額を算出する第1のステップと、不動産物件の建物部分のリフォームに関する情報に基づいてリフォーム部分の評価額であるリフォーム加算額を算出する第2のステップと、不動産物件のリフォーム部分の、リフォームしない場合の評価額である取替部分控除額を算出する第3のステップと、第1の評価額、リフォーム加算額、及び、取替部分控除額から、不動産物件の第2の評価額を算出する第4のステップと、を実行させるための不動産物件の評価額算出プログラムである。【選択図】図13

Description

本発明は、リフォームの価値を反映させた不動産物件の評価額を算出する技術に関する。
リフォームの価値を反映させた不動産物件の評価方法には、例えば、所定の評価方法によって算出された評価額にリフォーム工事費の一部又は全部を加算する方法、所定の評価方法によって算出された評価額に所定の割合を乗じた値を当該評価額に加算する方法等がある。
特開2017−68751号公報
しかしながら、上述のリフォームの価値を反映させた不動産物件の評価方法は、対象の不動産物件のリフォームの状況等を反映したものではなく、信頼性が低い。
本発明は、上記した問題に鑑み、リフォームの価値が反映された信頼性の高い不動産物件の評価額を提供可能な不動産物件の評価額算出プログラム、情報処理装置、及び、不動産物件の評価額算出方法を提供することを課題とする。
本発明の態様の一つは、コンピュータに、不動産物件に関する情報に基づき所定のアルゴリズムに従って不動産物件の第1の評価額を算出する第1のステップと、不動産物件の建物部分のリフォームに関する情報に基づいてリフォーム部分の評価額であるリフォーム加算額を算出する第2のステップと、不動産物件のリフォーム部分の、リフォームしない場合の評価額である取替部分控除額を算出する第3のステップと、第1の評価額、リフォーム加算額、及び、取替部分控除額から、不動産物件の第2の評価額を算出する第4のステップと、を実行させるための不動産物件の評価額算出プログラムである。
本発明の態様の一つによれば、不動産物件の第1の評価額、リフォーム加算額、取替部分控除額それぞれが、客観的な情報から算出されるので、不動産物件の第1の評価額、リフォーム加算額、取替部分控除額に基づいて算出される不動産物件の第2の評価額は、当該不動産物件のリフォーム価値を反映しており、信頼性が向上する。
また、本発明の態様の一つは、第2のステップにおいて、不動産物件の建物部分に含まれる複数の部位のそれぞれについて、新築で取得する場合の新築価格に基づいて上限値を設定し、上限値に基づいてリフォーム工事費を修正し、各部位の修正後のリフォーム工事費に基づいて、リフォーム加算額を算出するようにしてもよい。これによって、リフォームによる価値が新築時の価値を基準とした上限値よりも超えて評価されることを抑制できる。
また、本発明の態様の一つは、第2のステップにおいて、各部位の修正後のリフォーム工事費をリフォーム時点から減価修正し、減価修正後の各部位のリフォーム工事費に基づ
いてリフォーム加算額を算出するようにしてもよい。これによって、リフォームによる価値に経年による影響を反映させることができる。
また、本発明の態様の一つは、第1のステップにおいて、不動産物件の現在の評価額を第1の評価額として算出し、第3のステップにおいて、不動産物件の建物部分に含まれる複数の部位のそれぞれについて、新築で取得する場合の新築価格に対するリフォーム工事費の割合に現在時点の評価額を乗じた値を算出し、各部位について算出された値に基づいて取替部分控除額を算出するようにしてもよい。また、第3のステップにおいて、当該割合の算出に用いられるリフォーム工事費として、不動産物件の建物部分に含まれる各部位について、新築価格に基づいて設定された上限値に基づいて修正されたリフォーム工事費を用いるようにしてもよい。各部位について、リフォーム工事費が占める割合が明確になり、取替部分控除額、ひいては、建物の評価額の算出ロジックについて、ユーザの理解を助けることができる。
また、本発明の態様の一つは、第1のステップにおいて、不動産物件の現在の評価額を第1の評価額として算出し、第3のステップにおいて、不動産物件の建物部分に含まれる各部位について、新築で取得する場合の新築価格に基づいて設定された上限値に基づいて修正されたリフォーム工事費を新築時点から減価修正した値を算出し、各部位について算出された値に基づいて、取替部分控除額を算出するようにしてもよい。これによって、リフォーム部分の新築時点から現在時点への減価修正の現在価値率が明確になり、リフォームの価値が反映された不動産物件の評価額に対する根拠性、信頼性を高めることができる。
また、本発明の態様の一つは、第2のステップにおいて、不動産物件がマンションの一室である場合に、マンションの一室に含まれる各部位について、マンションの一室の新築で取得される場合の価格に部位別の価格の構成割合を乗じた値を、新築で取得する場合の新築価格とするようにしてもよい。また、この場合、第1のステップにおいて、第1の評価額を取引事例比較法で算出するようにしてもよい。これによって、マンションの一室についても、リフォームの価値を反映した評価額を提示することができる。
また、本発明の態様の一つは、第1のステップにおいて、不動産物件の建物を新築で取得した場合の新築建物価格を第1の評価額として算出し、第3のステップにおいて、不動産物件の建物部分に含まれる各部位について、新築で取得した場合の新築価格に基づいて上限値を設定し、上限値に基づいてリフォーム工事費を修正し、各部位について修正されたリフォーム工事費に基づいて、取替部分控除額を算出し、第4のステップにおいて、第1の評価額から取替部分控除額を控除した第1の額を減価修正し、第1の額が減価修正された値にリフォーム加算額を加算して第2の評価額を算出するようにしてもよい。この場合に、第4のステップにおいて、不動産物件の建物部分に含まれる各部位について、第1の額に対する、第1の額から修正されたリフォーム工事費が控除された額の割合を求め、当該割合と耐用年数に対する残存年数の割合とを乗じた第1の割合を求め、各部位の第1の割合に基づいて現在価値率を算出し、第1の額に現在価値率を乗じて第1の額の減価修正を行うようにしてもよい。これによって、新築時点の対象の不動産物件のリフォーム部分以外の価値と、対象の不動産物件のリフォーム部分以外の部分が現在の価値に置き換えるとどのくらいになるのかと、リフォームの価値とを提示することができる。
本発明の他の態様は、不動産物件に関する情報に基づき所定のアルゴリズムに従って不動産物件の第1の評価額を算出する第1の算出部と、不動産物件の建物部分のリフォームに関する情報に基づいてリフォーム部分の評価額であるリフォーム加算額を算出する第2の算出部と、不動産物件のリフォーム部分の、リフォームしない場合の評価額である取替部分控除額を算出する第3の算出部と、第1の評価額、リフォーム加算額、及び、取替部
分控除額から、不動産物件の第2の評価額を算出する第4の算出部と、を備える情報処理装置である。
本発明の他の態様は、不動産物件に関する情報に基づき所定のアルゴリズムに従って不動産物件の第1の評価額を算出し記憶部に記憶する第1のステップと、不動産物件の建物部分のリフォームに関する情報に基づいてリフォーム部分の評価額であるリフォーム加算額を算出し記憶部に記憶する第2のステップと、不動産物件のリフォーム部分の、リフォームしない場合の評価額である取替部分控除額を算出し記憶部に記憶する第3のステップと、第1の評価額、リフォーム加算額、及び、取替部分控除額から、不動産物件の第2の評価額を算出する第4のステップと、を含む不動産物件の評価額算出方法である。
本発明によれば、リフォームの価値が反映された信頼性の高い不動産物件の評価額を提供することができる。
図1は、第1実施形態に係る不動産評価システムの一例を示す図である。 図2は、サーバのハードウェア構成の一例を示す図である。 図3は、サーバの機能構成の一例を示す図である。 図4は、建物関連データベースに格納されるテーブルの一例を示す図である。 図5は、再調達原価テーブルの一例である。 図6は、構成割合テーブルの一例である。 図7は、耐用年数テーブルの一例である。 図8は、リフォーム関連テーブルの一例である。 図9は、マンション関連テーブルの一例である。 図10は、クライアント端末の機能構成の一例である。 図11は、対象の不動産物件が戸建住宅である場合の建物に関する情報の入力画面の一例である。 図12は、対象の不動産物件が戸建住宅である場合のリフォーム情報入力画面の一例である。 図13は、第1実施形態に係る対象の不動産物件(戸建住宅)の評価額の算出方法の一例を示す図である。 図14は、第1実施形態に係るリフォーム加算額の算出方法の一例を示す図である。 図15は、第1実施形態に係る取替部分控除額の算出方法の一例を示す図である。 図16は、対象の不動産物件が戸建住宅である場合の評価額出力画面の一例である。 図17は、対象の不動産物件がマンションの一部屋である場合の建物情報の入力画面の一例である。 図18は、対象の不動産物件がマンションの一部屋である場合の評価額出力画面の一例を示す図である。 図19は、第1実施形態に係る対象の不動産物件(マンションの一部屋)の評価額の算出方法の一例を示す図である。 図20は、第1実施形態に係るリフォーム加算額の算出方法の一例を示す図である。 図21は、第1実施形態に係る取替部分控除額の算出方法の一例を示す図である。 図22は、対象の不動産物件がマンションの一部屋である場合の評価額出力画面の一例である。 図23は、第1実施形態に係るサーバの対象の不動産物件の評価額の算出処理のフローチャートの一例である。 図24は、第2実施形態に係る対象の不動産物件(戸建住宅)の評価額の算出方法の一例を示す図である。 図25は、現在価値率の算出方法の一例を示す図である。 図26は、第2実施形態に係る評価額出力画面の一例である。 図27は、第3実施形態に係る取替部分控除額の算出方法の一例である。
以下、図面に基づいて、本発明の実施の形態を説明する。以下の実施形態の構成は例示であり、本発明は実施形態の構成に限定されない。
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態に係る不動産評価システムの一例を示す図である。不動産評価システム100は、サーバ1と、複数のクライアント端末2とを含む。図1では、簡略化のため、クライアント端末2は、1台のみ表示されている。サーバ1とクライアント端末2とは、例えば、通信ネットワークを介して接続されている。クライアント端末2は、サーバ1に対して不動産物件の評価の要求を送信する。サーバ1は、クライアント端末2からの要求に応じて、対象の不動産物件の評価額を算出し、クライアント端末2に送信する。
第1実施形態では、不動産物件として、不動産の建物部分とマンションの一部屋とを対象とする。なお、第1実施形態において、不動産物件が不動産の建物部分である場合には、不動産物件の評価額は、土地の価格を除いた建物部分の評価額である。不動産物件がマンションの一室である場合には、不動産物件の評価額は、土地と建物との両方の価格を含んだ評価額である。以下、第1実施形態では、不動産の建物部分の一例として、戸建住宅の評価額を算出することについて説明される。
より具体的には、まず、サーバ1は、所定のアルゴリズムに従って不動産物件の基準評価額を算出する。このとき用いられるアルゴリズムは、リフォームの価値を考慮しない、既存の不動産評価アルゴリズムである。基準評価額は、例えば、現在の価格、対象の不動産の建物部分を新築する場合の価格等である。
次に、サーバ1は、対象の不動産物件について、リフォーム工事費に基づいて、不動産物件の建物部分のうちリフォーム部分の、リフォーム後の現在の価値であるリフォーム加算額を算出する。リフォーム加算額は、例えば、不動産物件の建物部分の各部位について、新築した場合の価格を上限額としてリフォーム工事費が修正され、修正後のリフォーム工事費をリフォーム工事時点から減価修正し、全部位を合計して算出される。減価修正とは、例えば、物理的、機能的、経済的な減価の要因に基づき発生した減価額を対象不動産の再調達原価から控除して現在時点における対象不動産の価格を求めることである。
また、不動産物件の基準評価額にリフォーム加算額を加算すると、リフォーム部分について、リフォームしていない場合の現在の評価額とリフォーム後の現在の評価額とを重複して計上していることになる。そのため、サーバ1は、リフォームしていない場合のリフォーム部分の現在の評価額を算出し、不動産物件の基準評価額とリフォーム加算額とを加算した値からリフォームしていない場合のリフォーム部分の現在の評価額を控除して、不動産物件の評価額を算出する。
図2は、サーバ1のハードウェア構成の一例を示す図である。サーバ1は、例えば、専用のコンピュータ、PC(Personal Computer)等の汎用のコンピュータである。サーバ
1は、例えば、ハードウェア構成要素として、CPU(Central Processing Unit)10
1、主記憶装置102、入力装置103、出力装置104、補助記憶装置105、及び、ネットワークインタフェース107を備え、これらがバス109により互いに接続されている情報処理装置である。
入力装置103は、例えば、キーボード、マウス等のポインティングデバイス等である。また、入力装置103には、カメラやスキャナのような画像の入力装置や、マイクロフォンのような音声入力装置を含むことができる。入力装置103から入力されたデータは、CPU 101に出力される。
ネットワークインタフェース107は、ネットワークとの情報の入出力を行うインタフェースである。ネットワークインタフェース107は、有線のネットワーク、および、無線のネットワークと接続する。ネットワークインタフェース107は、例えば、NIC(Network Interface Card)、無線LAN(Local Area Network)カード、携帯電話網に接続するための無線回路等である。ネットワークインタフェース107で受信されたデータ等は、CPU 101に出力される。
主記憶装置102は、CPU 101に、補助記憶装置105に格納されているプログラムをロードする記憶領域および作業領域を提供したり、バッファとして用いられたりする記憶装置である。主記憶装置102は、例えば、RAM(Random Access Memory)のような半導体メモリである。
補助記憶装置105は、様々なプログラムや、各プログラムの実行に際してCPU 101が使用するデータを格納する。補助記憶装置105は、例えば、EPROM(Erasable Programmable ROM)、ハードディスク(Hard Drive Disc)である。補助記憶装置105は、例えば、オペレーティングシステム(OS)、不動産物件評価プログラム105P、その他様々なアプリケーションプログラムを保持する。不動産物件評価プログラム105Pは、リフォームの価値を反映させた不動産物件の評価額を算出するためのプログラムである。不動産物件評価プログラム105Pは、「不動産物件の評価額算出プログラム」の一例である。
CPU 101は、補助記憶装置105に保持されたOSや様々なアプリケーションプログラムを主記憶装置102にロードして実行することによって、様々な処理を実行する。CPU 101は、1つであってもよいし、複数であってもよい。
出力装置104は、CPU 101の処理の結果を出力する。出力装置104は、ディスプレイやプリンタである。また、出力装置104は、スピーカのような音声出力装置を含むことができる。
なお、図2に示されるサーバ1のハードウェア構成は、一例であり、上記に限られず、実施の形態に応じて、適宜、構成要素の省略や置換、追加が可能である。例えば、サーバ1は、可搬記録媒体を駆動し、可搬記録媒体に記録されたデータを読み出す可搬記録媒体駆動装置を備えてもよい。可搬記録媒体は、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリ、CD(Compact Disc)やDVD(Digital Versatile Disc)、Blu−rayディスクのようなディスク記録媒体、フラッシュメモリカードのような記録媒体である。
図3は、サーバ1の機能構成の一例を示す図である。サーバ1は、機能構成要素として、基準評価額算出部11、取替部分算出部12、リフォーム加算額算出部13、評価額算出部14、受信部15、送信部16、建物関連データベース17、リフォーム関連データベース18、マンション関連データベース19を備える。これらの機能構成要素は、サー
バ1のCPU 101が補助記憶装置105に保持されている不動産物件評価プログラム105Pを実行することによって達成される機能構成要素である。
受信部15は、クライアント端末2からの不動産物件の評価の要求を受信する。不動産物件の評価の要求には、対象の不動産物件の建物に関する情報が含まれている。受信部15は、不動産物件の評価の要求を受信すると、基準評価額算出部11、取替部分算出部12、リフォーム加算額算出部13、評価額算出部14に、不動産物件の評価の要求を通知する。
基準評価額算出部11は、受信部15から不動産物件の評価の要求の通知を受けると、対象の不動産物件の基準評価額を算出する。第1実施形態では、基準評価額算出部11は、対象の不動産物件の基準評価額として、現在時点での評価額を算出する。また、対象の不動産物件が戸建住宅などの建物部分である場合には、基準評価額算出部11は、基準評価額としての現在時点での評価額を、例えば、耐用年数を用いた原価法により算出する。対象の不動産物件がマンションの一部屋である場合には、基準評価額算出部11は、基準評価額としての現在時点での評価額を、例えば、取引事例比較法により算出する。基準評価額算出部11は、算出した基準評価額を評価額算出部14に出力する。また、基準評価額算出部11は、例えば、算出した基準評価額を主記憶装置102内の所定の記憶領域に格納する。
取替部分算出部12は、受信部15から不動産物件の評価の要求の通知を受けると、対象の不動産物件のリフォーム部分の評価額を算出する。対象の不動産物件のリフォーム部分の評価額を、以降、取替部分控除額、と称する。第1実施形態では、取替部分算出部12は、取替部分控除額として、リフォームしない場合のリフォーム部分の現在時点での評価額を算出する。取替部分算出部12の取替部分控除額の算出方法については、後述される。取替部分算出部12は、算出した取替部分控除額を評価額算出部14に出力する。また、取替部分算出部12は、例えば、算出した取替部分控除額を主記憶装置102内の所定の記憶領域に格納する。
リフォーム加算額算出部13は、受信部15から不動産物件の評価の要求の通知を受けると、対象の不動産物件のリフォーム部分の現在時点の価値を算出する。対象の不動産物件のリフォーム部分の現在時点の評価額を、以降、リフォーム加算額と称する。リフォーム加算額算出部13のリフォーム加算額の算出方法については、後述される。リフォーム加算額算出部13は、算出したリフォーム加算額を評価額算出部14に出力する。また、リフォーム加算額算出部13は、例えば、算出したリフォーム加算額を主記憶装置102内の所定の記憶領域に格納する。
評価額算出部14は、基準評価額算出部11から基準評価額、取替部分算出部12から取替部分控除額、リフォーム加算額算出部13からリフォーム加算額の入力を受ける。評価額算出部14は、第1実施形態では、入力された基準評価額から取替部分控除額を控除し、さらにリフォーム加算額を加算して、対象の不動産物件の評価額を算出する。すなわち、第1実施形態において、対象の不動産物件の評価額は、以下の数式1で示される。
Figure 2019049845
評価額算出部14は、算出した対象の不動産物件の評価額を送信部16に出力する。送信部16は、評価額算出部14から対象の不動産物件の評価額の入力を受けると、クライアント端末2に、不動産物件の評価の要求に対する応答として、対象の不動産物件の評価額を送信する。
建物関連データベース17、リフォーム関連データベース18、マンション関連データベース19は、それぞれ、サーバ1の補助記憶装置105の記憶領域に作成される。建物関連データベース17は、建物に関する情報を保持するデータベースであり、例えば、原価法で基準評価額を算出する際、リフォーム加算額を算出する際等に用いられる。リフォーム関連データベース18は、リフォームに関する情報を保持するデータベースである。リフォーム関連データベース18は、例えば、取替部分控除額、リフォーム加算額を算出する際に用いられる。マンション関連データベース19は、マンションの取引事例に係る情報を保持するデータベースである。マンション関連データベース19は、例えば、対象の不動産物件がマンションの一部屋である場合にマンションの情報を参照する際に用いられる。
図4は、建物関連データベース17に格納されるテーブルの一例を示す図である。建物関連データベース17には、再調達原価テーブル171、構成割合テーブル172、耐用年数テーブル173が、例えば、都道府県別に保持されている。
図5は、再調達原価テーブル171の一例である。再調達原価テーブル171は、建物の構造とランクとに応じた再調達原価を保持するテーブルである。再調達原価とは、同じ建物を再度新築で取得する場合の原価である。再調達原価は、1平方メートル当たりの価格として示される。
図5に示される再調達原価テーブル171では、構造として、木造(在来工法)、木造(2×4工法)、木造(プレハブ工法)、軽量鉄骨造(プレハブ工法)、鉄骨造(図中、“S造”)、鉄筋コンクリート造(図中、“RC造”)、鉄骨鉄筋コンクリート造(図中、“SRC造”)に分類されている。また、ランクとして、Sランク、AAランク、Aランク、Bランク、Cランクに分類されている。
例えば、構造が木造(在来工法)で、ランクがSSランクの再調達原価が30万円/平方メートルであり、対象の不動産物件の建物の延床面積が70平方メートルである場合には、対象の不動産物件の建物を新築した場合の新築建物価格は、30万円/平方メートル×70平方メートル=2100万円と算出される。なお、図5に示される構造やランクの分類は一例であり、図5に示される例に限定されない。なお、再調達原価テーブル171は、戸建住宅とマンションとそれぞれに対して用意される。
図6は、構成割合テーブル172の一例である。構成割合テーブル172は、建物の各部位の価格の割合をランクごとに保持するテーブルである。例えば、第1実施形態では、建物は、基礎/躯体、外部仕上げ、内部仕上げ、設備の4部位に分けられるため、図6に示される構成割合テーブル172でも、建物は、基礎/躯体、外部仕上げ、内部仕上げ、設備の4部位に分けられている。外部仕上げの部位(以下、外部仕上げ)には、例えば、屋根、外壁、外部建具等が含まれる。内部仕上げの部位(以下、内部仕上げ)には、例えば、内部建具、内壁等が含まれる。設備の部位(以下、設備)には、例えば、台所、浴室、洗面室、トイレ、給排水設備、給湯設備、照明器具、電気設備等が含まれる。ランクは、再調達原価テーブル171と同じランク分けが用いられる。
例えば、建物の構成割合が、基礎/躯体が40%、外部仕上げが25%、内部仕上げが15%、設備が20%であり、建物の価格が2100万円である場合には、各部位の価格は、基礎/躯体が840万円、外部仕上げが525万円、内部仕上げが315万円、設備が420万円となる。なお、図6に示される部位やランクの分類は一例であり、図6に示される例に限定されない。構成割合は、例えば、リフォーム加算額の算出、取替部分控除額の算出等に用いられる。なお、構成割合テーブル172は、戸建住宅とマンションとそ
れぞれに対して用意される。
図7は、耐用年数テーブル173の一例である。耐用年数テーブル173は、建物の各部位の耐用年数をランクごとに保持するテーブルである。耐用年数テーブル173では、構成割合テーブル172と同じ部位の分類が用いられる。
例えば、建物の築年数が20年で、基礎/躯体の耐用年数が40年、基礎/躯体の新築価格が840万円である場合には、当該建物の現在時点での基礎/躯体の評価額は、新築価格×残存年数/耐用年数=840万円×(40年−20年)/40年=420万円となる。第1実施形態では、減価修正には、耐用年数が用いられる。すなわち、建物の築年数が20年で基礎/躯体の新築価格840万円を減価修正すると、420万円となる。耐用年数テーブル173は、例えば、基準評価額、リフォーム加算額、及び、取替部分控除額の算出において、減価修正が行われる場合に用いられる。なお、耐用年数テーブル173は、戸建住宅とマンションとそれぞれに対して用意される。
図8は、リフォーム関連テーブルの一例である。リフォーム関連テーブルは、リフォーム関連データベース18に格納されているテーブルである。リフォーム関連テーブルは、リフォーム項目の再調達単価をランク別に格納するテーブルである。リフォーム関連テーブルは、例えば、取替部分控除額及びリフォーム加算額の算出において、リフォーム工事費の算出に用いられる。なお、リフォーム関連テーブルは、戸建住宅とマンションとそれぞれに対して用意される。
図9は、マンション関連テーブルの一例である。マンション関連テーブルは、マンション関連データベース19に格納されているテーブルである。マンション関連テーブルには、マンションに係る情報が格納されている。図9に示されるマンション関連テーブルには、住所、沿線名、駅名、竣工年月、階数、ポイント、取引事例額(図中“事例”)等の情報が格納されている。ポイントは、例えば、基準となるマンションの立地等の個別要因を100とした場合の、対象のマンションの個別要因の値である。マンション関連テーブルは、例えば、対象の不動産物件がマンションの一部屋である場合に、基準評価額の算出において用いられる。
図10は、クライアント端末2の機能構成の一例である。クライアント端末2は、例えば、PC、タブレット端末、スマートフォン等である。クライアント端末2のハードウェア構成は、図2に示されるサーバ1のハードウェア構成と同様であり、CPU、主記憶装置、補助記憶装置、ネットワークインタフェース、入力装置、出力装置を備える。なお、クライアント端末2は、例えば、入力装置の一つとしてタッチパネルを備えてもよい。
クライアント端末2は、補助記憶装置に、不動産物件評価クライアントプログラムを保持している。不動産物件評価クライアントプログラムは、サーバ1に不動産物件の評価を要求するためのプログラムである。
クライアント端末2は、機能構成要素として、入力受付部21、表示処理部22、送信部23、受信部24、画面データベース25を備える。これらの機能構成要素は、クライアント端末2のCPUが不動産物件評価クライアントプログラムを実行することによって実現される。
入力受付部21は、クライアント端末2のユーザによるユーザ操作の入力を受け付ける。ユーザ操作は、例えば、所定の入力画面に対する入力完了、対象の不動産物件の評価額の算出要求等である。入力受付部21は、入力されたユーザ操作の操作内容を表示処理部22又は送信部23に出力する。
送信部23は、入力受付部21から入力されたユーザ操作の操作内容をサーバ1に送信する。サーバ1に送信されるユーザ操作の操作内容には、例えば、不動産物件の建物に関する情報の登録、不動産物件の評価の要求等がある。
受信部24は、サーバ1から、例えば、不動産物件の評価の要求に対する応答を受信する。不動産物件の評価の要求に対する応答には、例えば、対象の不動産物件の、基準評価額、取替部分控除額、リフォーム加算額、及び、評価額が含まれている。受信部24は、例えば、受信した対象の不動産物件の評価額を表示処理部22に出力する。
表示処理部22は、入力受付部21又は受信部24からの入力に応じて、画面を生成し、クライアント端末2の出力装置(ディスプレイ)の表示画面を遷移させる。例えば、表示処理部22は、受信部24から、対象の不動産物件の評価額が入力された場合には、入力された対象の不動産物件の評価額を含む評価額表示画面をディスプレイに表示させる。
画面データベース25は、例えば、画面のフォーマット等を保持する。画面データベース25は、例えば、不動産物件評価クライアントプログラムのインストール時にクライアント端末2の補助記憶装置の記憶領域内に作成される。画面データベース25にフォーマット等が格納される画面には、例えば、対象の不動産物件の建物に関する情報の入力画面、対象の不動産物件の評価額の出力画面等がある。表示処理部22は、例えば、画面データベース25から該当する画面のフォーマットを読み出して、画面を生成する。
<戸建住宅の評価額の算出>
図11から図16を用いて、対象の不動産物件が戸建住宅であり、且つ、リフォームが実施されている又はリフォームが予定されている場合の評価額の算出について、具体的な例を挙げながら説明する。
図11は、対象の不動産物件が戸建住宅である場合の不動産物件の建物に関する情報の入力画面の一例である。図11に示される画面は、クライアント端末2のディスプレイに表示される画面であって、建物に関する情報を入力するための画面である。不動産物件の建物に関する情報を、以降、建物情報と称する。建物情報は、例えば、図11に示される入力画面の入力項目に該当する情報である。
図11に示される入力画面には、入力項目として、不動産物件の建物の所在地、構造、用途、ランク、建物再調達原価、延床面積、建築年月が含まれている。図11に示される入力画面では、入力項目の構造とランクとは、複数の選択肢の中から選択する形式となっている。図11に示される入力画面の入力項目の構造とランクとは、例えば、サーバ1の再調達原価テーブル171の構造とランクとの分類に対応している。
例えば、図11に示される入力画面の入力項目のうち、不動産物件の建物の所在地、構造、用途、ランク、延床面積、建築年月は、クライアント端末2のユーザが各入力欄に入力する。例えば、図11に示される入力画面の建物再調達原価の入力欄は、クライアント端末2のユーザが入力してもよいし、不動産物件の建物の所在地、構造、用途、ランク、が入力されると、自動で入力されるようにしてもよい。
例えば、図11に示される入力画面の建物再調達原価の入力欄に自動で値が入力される場合には、クライアント端末2とサーバ1との間で以下の様な処理が行われる。クライアント端末2では、入力画面の建物の所在地、構造、用途、ランクの入力欄が入力されると、入力受付部11が送信部23にこれらの情報を出力し、送信部23がサーバ1にこれらの情報を送信する。
サーバ1では、受信部15が対象の不動産物件の建物の所在地、構造、用途、ランクの情報を受信すると、評価額算出部14に出力する。評価額算出部14は、受信部15から対象の不動産物件の建物の所在地、構造、用途、ランクの情報の入力を受けると、対象の不動産物件の建物の所在地に応じた再調達原価テーブル171から、対象の不動産物件の建物の構造とランクとに応じた再調達原価を取得し、送信部15に出力する。送信部15は、評価額算出部14から入力された再調達原価をクライアント端末2に送信する。
クライアント端末2では、受信部24がサーバ1から再調達原価を受信し、表示処理部22に出力する。表示処理部22は、受信部24から再調達原価の入力を受けると、表示中の入力画面の建物再調達原価の入力欄に、サーバ1から受信された再調達原価を入力し、入力画面を更新する。
図11に示される建物情報の入力画面には、「次へ」ボタンB1が含まれている。「次へ」ボタンB1がユーザ操作によって選択されると、画面が次のリフォーム情報入力画面に遷移する。図11に示される建物情報の入力画面において入力された建物情報は、例えば、「次へ」ボタンB1又は「登録」ボタン(図示せず)が選択された場合に、サーバ1に送信され、サーバ1内の建物情報のデータベース(図示せず)に登録されてもよい。
図12は、対象の不動産物件が戸建住宅である場合のリフォーム情報入力画面の一例である。リフォーム情報入力画面は、クライアント端末2のディスプレイに表示される画面であって、対象の不動産物件の建物のリフォームに関する情報を入力するための画面である。リフォーム情報入力画面には、入力項目として、リフォームの部位、リフォームのグレード、リフォーム工事年月、リフォーム部位の再調達原価、リフォーム部位の工事費、リフォーム内容等を含む。
図12に示される入力画面では、構造とグレードとの入力項目は、複数の選択肢の中から選択する形式となっている。例えば、図12に示される入力画面の構造とグレードとの入力項目は、サーバ1の再調達原価テーブル171の構造とランクとの分類に対応している。
例えば、図12に示される入力画面の入力項目のうち、リフォームの部位、リフォームのグレード、リフォーム工事年月の入力欄には、クライアント端末2のユーザが入力する。例えば、図12に示される入力画面のリフォーム部位の再調達原価、リフォーム部位の工事費の入力欄には、クライアント端末2のユーザが入力してもよいし、自動で入力されるようにしてもよい。
図12に示される入力画面のリフォーム部位の再調達原価、リフォーム部位の工事費の入力欄に値が自動で入力される場合には、クライアント端末2は、リフォームの部位、グレード、及び工事年月が入力されると、サーバ1から再調達原価を取得する。リフォーム部位の再調達原価は、サーバ1のリフォーム関連テーブルに保持されている。図12に示される入力画面のリフォーム部位の工事費の入力欄には、再調達原価に延床面積を乗じた値がクライアント端末2によって算出され、入力される。なお、図12に示される入力画面には、建物情報の入力画面において入力された対象の建物の延床面積も表示されている。
図12に示される入力画面のリフォーム部位の再調達原価、リフォーム部位の工事費の入力欄が自動で入力される場合には、リフォーム部位の再調達原価、リフォーム部位の工事費のいずれかが入力されていればよい。
例えば、図12に示される入力画面の入力項目のうち、リフォーム内容の入力欄への入力は任意である。
図12に示される入力画面には、評価額表示ボタンB2が含まれている。評価額表示ボタンB2がクライアント端末2のユーザによって選択されると、クライアント端末2の画面が評価額出力画面に遷移する。また、評価額表示ボタンB2の選択操作は、不動産物件の評価の要求のユーザ操作の入力でもある。したがって、評価額表示ボタンB2の選択操作を入力受付部21が受け付けると、送信部23に、ユーザ操作の操作内容として、不動産物件の評価の要求が入力され、送信部23は、サーバ1に不動産物件の評価の要求を送信する。サーバ1が不動産物件の評価の要求を受信すると、サーバ1において、対象の不動産物件の評価額の算出が行われる。不動産物件の評価の要求とともに、クライアント端末2からサーバ1には、例えば、図11に示される入力画面で入力された情報を含む建物情報と、図12に示される入力画面で入力された情報を含むリフォーム情報とが送信される。
図13は、第1実施形態に係る対象の不動産物件(戸建住宅)の評価額の算出方法の一例を示す図である。図13に示される例では、対象の不動産物件(戸建住宅)の築年数が20年、再調達原価が167,000円/平方メートル、延床面積が180平方メートルであることを想定する。また、図13に示される例では、対象の不動産物件の建物の各部位の構成割合は、基礎/躯体40%、外部仕上げ25%、内部仕上げ15%、設備20%であることを想定する。また、図13に示される例では、各部位の耐用年数は、基礎/躯体は40年、外部仕上げは25年、内部仕上げは25年、設備は20年であることを想定する。対象の不動産物件に関する前提は、図14〜図16についても同様とする。
第1実施形態に係る対象の不動産物件の評価額の算出方法では、基準評価額として現在時点の不動産物件の評価額である既存建物評価額から、取替部分控除額として現在時点のリフォーム部分のリフォームしない場合の評価額が控除され、現在時点のリフォーム部分の評価額であるリフォーム加算額が加算される。
既存建物評価額は、基準評価額算出部11によって、第1実施形態では、原価法で算出される。基準評価額算出部11は、まず、対象の不動産物件の建物情報(所在地、構造、ランク等)に従って、再調達原価テーブル171から対象の不動産物件の建物に応じた再調達原価を取得する。次に、基準評価額算出部11は、取得した再調達原価に対象の建物の延床面積を乗じて、対象の不動産物件の建物と同等の建物を新築する場合の価格である新築建物価格を算出する。図13に示される例では、再調達原価167,000円/平方メートル×延床面積180平方メートル=新築建物価格3,000万円となる。
次に、基準評価額算出部11は、対象の不動産物件の建物の新築建物価格を減価修正して現時点での不動産物件の評価額である既存建物評価額を算出する。基準評価額算出部11は、対象の不動産物件の建物情報(ランク等)に従って、減価修正に用いる対象の不動産物件の建物のランクに応じた各部位の構成割合を、構成割合テーブル172から取得する。また、基準評価額算出部11は、対象の不動産物件の建物情報(ランク等)に従って、減価修正に用いる対象の不動産物件の建物のランクに応じた各部位の耐用年数を、耐用年数テーブル173から取得する。
基準評価額算出部11は、以下の数式2に従って、既存建物評価額を算出する。残存年数は、耐用年数から築年数を差し引くことで求められる。
Figure 2019049845
図13に示される例では、新築建物価格3,000万円×(40%×20年/40年+
25%×5年/25年+15%×5年/25年+20%×0年/15年)=既存建物評価額840万円となる。なお、数式2の足し合わせ部分(Σの項)の値は、現在価値率とも呼ばれる。
図13に示される例では、取替部分算出部12によって、取替部分控除額は90万円と算出される。取替部分評価額の算出方法の詳細は、図15において後述される。図13に示される例では、リフォーム加算額算出部13によって、リフォーム加算額は930万円と算出される。リフォーム加算額の算出方法の詳細は、図14において後述される。したがって、図13に示される例では、評価額算出部14は、既存建物評価額840万円−取替部分控除額90万円+リフォーム加算額930万円=対象の不動産物件の評価額1,680万円を算出する。
図14は、第1実施形態に係るリフォーム加算額の算出方法の一例を示す図である。サーバ1のリフォーム加算額算出部13は、まず、リフォーム工事費を取得する。リフォーム工事費は、例えば、図12に示されるクライアント端末2のリフォーム情報の入力画面において入力され、クライアント端末2からサーバ1に送信されるリフォーム情報に基づいて取得される。リフォーム情報には、例えば、リフォーム部位、リフォームのグレード、リフォーム工事年月が含まれている。また、リフォーム情報には、リフォーム部位の再調達原価又はリフォーム工事費のいずれか一方又は両方が含まれることもある。
例えば、リフォーム情報にリフォーム部位の再調達原価もリフォーム工事費も含まれていない場合には、リフォーム加算額算出部13は、リフォーム情報に含まれるリフォーム部位及びリフォームのグレードと、建物情報に含まれる対象の不動産物件の所在地と、に応じた、対象の不動産物件の建物のリフォーム部位の再調達原価を、リフォーム関連テーブルから取得する。次に、リフォーム加算額算出部13は、取得した再調達原価に、建物情報に含まれる対象の不動産物件の建物の延床面積を乗じて、当該リフォーム部位のリフォーム工事費を算出する。なお、端末2からのリフォーム情報に実際にリフォームに掛かったリフォーム工事費が含まれている場合には、リフォーム情報に含まれているリフォーム工事費が用いられてもよい。
図14に示される例では、対象の不動産物件のリフォーム部位は、外部仕上げ、内部仕上げ、設備である。また、リフォーム加算額算出部13は、それぞれの部位のリフォーム工事費を、外部仕上げ250万円、内部仕上げ200万円、設備750万円として取得したこととする。
次に、リフォーム加算額算出部13は、リフォーム工事費の上限額を設定する。第1実施形態では、各部位のリフォーム工事費の上限額は、新築価格とする。したがって、リフォーム加算額算出部13は、例えば、各部位のリフォーム工事費の上限額を、新築建物価格に各部位の構成割合を乗じて算出する。なお、各部位のリフォーム工事費の上限額は、新築価格に限定されない。各部位のリフォーム工事費の上限額は、例えば、リフォームの工法、リフォーム部位の管理状態等に基づき、各部位の新築価格を基準として設定されてもよい。より具体的には、例えば、各部位の新築価格に、リフォームの工法等に応じた係数を乗じた値が各部位のリフォーム工事費の上限額に設定されてもよい。
図14に示される例では、対象の不動産物件の新築建物価格は3,000万円、構成割
合は、基礎/躯体40%、外部仕上げ25%、内部仕上げ15%、設備20%である。し
たがって、各部位のリフォーム工事費の上限額は、基礎/躯体が3000万円×40%=1,200万円、外部仕上げが3,000万円×25%=750万円、内部仕上げが3,0
00万円×15%=450万円、設備が3,000万円×20%=600万円である。
リフォーム加算額算出部13は、各部位について、上限額を超えるリフォーム工事費から上限額超過分を控除して、リフォーム工事費を修正する。図14に示される例では、外部仕上げと内部仕上げとのリフォーム工事費は、それぞれの上限額を超過していないが、設備のリフォーム工事費が上限額を150万円超過している。そのため、リフォーム加算額算出部13は、設備のリフォーム工事費を、上限額の超過分150万円を控除して、600万円に修正する。したがって、上限勘案後のリフォーム工事費は、外部仕上げ250万円、内部仕上げ200万円、設備600万円となる。
次に、リフォーム加算額算出部13は、各部位について、上限勘案後のリフォーム工事費を減価修正する。リフォーム加算額算出部13は、減価修正された各部位のリフォーム工事費の合計値をリフォーム加算額として取得する。図14に示される例では、リフォーム工事からいずれも2年が経過していることとする。したがって、図14に示される例の各部位の減価修正後のリフォーム工事費は、外部仕上げ250万円×23年/25年=230万円、内部仕上げ200万円×23年/25年≒180万円(1万円台四捨五入、以下同じ)、設備600万円×13年/15年=520万円となる。図14に示される例のリフォーム加算額は、930万円となる。
図15は、第1実施形態に係る取替部分控除額の算出方法の一例を示す図である。取替部分算出部12は、まず、各リフォーム部位の上限勘案後のリフォーム工事費を求める。上限勘案後のリフォーム工事費の算出方法は、図14で説明された通りである。なお、例えば、取替部分算出部12は、リフォーム加算額算出部13によって算出された上限勘案後のリフォーム工事費を流用してもよい。
次に、取替部分算出部12は、各リフォーム部位について、上限勘案後のリフォーム工事費を新築価格で割って、リフォーム工事費が新築価格に占める割合であるリフォーム工事費割合を算出する。
図15に示される例では、各リフォーム部位のリフォーム工事費割合は、外部仕上げが250万円÷750万円≒33%、内部仕上げが200万円÷450万円≒44%、設備が600万円÷600万円=100%である。
次に、取替部分算出部12は、各リフォーム部位について、現在価格を求める。各リフォーム部位の現在価格は、例えば、新築価格を減価修正することで求められる。各部位の新築価格の算出方法は、図14で説明された通りである。したがって、図15に示される例では、各リフォーム部位の現在価格は、外部仕上げが750万円×5年/25年=150万円、内部仕上げが450万円×5年/25年=90万円、設備が600万円×0年/15年=0円である。
取替部分算出部12は、各リフォーム部位について、例えば、現在価格にリフォーム工事費割合を乗じた値を求め、各リフォーム部位について算出された値を合計して取替部分控除額を算出する。図15に示される例では、取替部分控除額は、外部仕上げ150万円×33%+内部仕上げが90万円×44%+設備0万円×100%=90万円である。
基準評価額算出部11によって既存建物評価額(基準評価額)、取替部分算出部12に
よって取替部分控除額、リフォーム加算額算出部13によってリフォーム加算額が算出されると、評価額算出部14は、既存建物評価額から取替部分控除額を控除しリフォーム加算額を加算して、対象の不動産物件の評価額を算出する。図13〜図15に示される例では、対象の不動産物件の評価額は、既存建物評価額840万円−取替部分控除額90万円+リフォーム加算額930万円=1,680万円となる。
図16は、対象の不動産物件が戸建住宅である場合の評価額出力画面の一例である。図16に示される評価額出力画面は、クライアント端末2がサーバ1から不動産物件の評価の要求に対する応答を受信するとクライアント端末2において表示される画面である。第1実施形態では、サーバ1からクライアント端末2に送信される不動産物件の評価の要求に対する応答には、例えば、既存建物評価額、取替部分控除額、リフォーム加算額、対象の不動産物件の評価額が含まれている。
図16に示される評価額出力画面では、対象の不動産物件の概要と評価額とが表示されている。対象の不動産物件の評価額は、「既存建物評価額−取替部分控除額+リフォーム加算額=評価額」の式とともにそれぞれの額が表示されている。
<マンションの一部屋の評価額の算出>
図17から図22を用いて、対象の不動産物件がマンションの一部屋であり、且つ、リフォームが実施されている又はリフォームが予定されている場合の評価額の算出について、具体的な例を挙げながら説明する。
図17は、対象の不動産物件がマンションの一部屋である場合の建物情報の入力画面の一例である。図17に示される入力画面には、入力項目として、家屋番号、ランク、階数、専有面積、開口部方向が含まれている。
なお、対象のマンションの所在地、沿線、最寄駅等の情報は、サーバ1のマンション関連データベース19に保持されている。例えば、図17に示される入力画面の前に、対象のマンションの絞り込み用の画面が有る。マンションの絞り込み用の画面にクライアント端末2のユーザが所在地、沿線、最寄駅等を入力すると、入力された情報がサーバ1に送信され、サーバ1から入力された情報に合致する候補のマンションの情報がクライアント端末2に送信される。クライアント端末2では、画面に候補のマンションが表示され、クライアント端末2のユーザが表示された候補のマンションの中から対象のマンションを選択すると、図17に示される建物情報の入力画面に遷移する。
候補のマンションの中から対象のマンションが選択されると、サーバ1のマンション関連データベース19に保持されている対象のマンションの情報がサーバ1から端末2に送信される。したがって、図17に示される建物情報の入力画面には、例えば、家屋番号、用途、構造、エレベータの有無等の対象のマンション全体に関する情報は既に入力された状態で表示される。すなわち、図17に示される建物情報の入力画面は、例えば、所在階数、専有面積、開口部方向等の対象のマンションの一部屋に特化した情報を入力するための画面である。なお、家屋番号は、例えば、マンション関連データベース19内で対象のマンションを識別するために付与されている番号である。
例えば、図17に示される入力画面の入力項目のうち、建物のランク、所在階、専有面積、開口部方向の入力欄は、クライアント端末2のユーザが入力する。図17に示される建物情報の入力画面には、「次へ」ボタンB3が含まれている。「次へ」ボタンB3がユーザ操作によって選択されると、画面が次のリフォーム情報入力画面に遷移する。図17に示される建物情報の入力画面において入力された建物情報は、例えば、「次へ」ボタンB3又は「登録」ボタン(図示せず)が選択された場合に、サーバ1に送信され、サーバ
1内の建物情報のデータベース(図示せず)に登録されてもよい。
なお、対象の不動産物件がマンションの一部屋である場合の建物情報の入力画面は図17に示される例に限定されない。例えば、対象の不動産物件がマンションの一部屋である場合の建物情報の入力画面には、対象のマンションを絞り込みに用いられる所在地、沿線、最寄駅等の情報の入力項目が含まれていてもよい。
対象の不動産物件がマンションの一部屋である場合のリフォーム情報の入力画面は、対象の不動産物件が戸建住宅である場合のリフォーム情報の入力画面と同様であるため、説明は省略する。リフォーム情報の入力画面に含まれる評価額表示ボタンB2(図12)がクライアント端末2のユーザによって選択されると、クライアント端末2の画面が評価額出力画面に遷移する。また、評価額表示ボタンB2の選択操作がなされると、クライアント端末2からサーバ1に不動産物件の評価の要求が送信される。不動産物件の評価の要求とともに、クライアント端末2からサーバ1には、例えば、図17に示される入力画面で入力された情報を含む建物情報と、図12に示される入力画面で入力された情報を含むリフォーム情報とが送信される。
図18は、対象の不動産物件がマンションの一部屋である場合の評価額出力画面の一例を示す図である。図18に示される評価額出力画面は、クライアント端末2がサーバ1から不動産物件の評価の要求に対する応答を受信すると、クライアント端末2において表示される画面である。サーバ1からクライアント端末2に送信される不動産物件の評価の要求に対する応答には、例えば、既存建物評価額、取替部分控除額、リフォーム加算額、対象の不動産物件の評価額が含まれている。
図18に示される評価額出力画面には、対象のマンションの一部屋の概要情報と、対象のマンションの周辺の取引事例と、評価額と、リフォーム加算ボタンB4とが含まれている。対象の不動産物件がマンションの一部屋である場合には、例えば、評価額出力画面において、まず、既存建物評価額が出力される。
マンションの一部屋の既存建物評価額は、サーバ1の基準評価額算出部11によって、取引事例比較法に基づいて算出される。具体的には、まず、基準評価額算出部11は、例えば、対象のマンションの条件に近いマンションの取引事例を複数、マンション関連データベース19から取得する。リフォーム加算額算出部13は、例えば、取得した各事例の取引額を時点修正等して試算値を算出し、算出した各事例の試算値の平均値を取得する。
図18に示される評価額出力画面では、5つの取引事例について、取引価格の単価(万円/平方メートル)、時点修正の係数、ポイント比較率、試算値が示されている。図18に示される例では、各事例の試算値は、1平方メートル当たりの価格で示されている。したがって、各事例の試算値の平均値も1平方メートル当たりの価格である。なお、ポイントは、例えば、各事例の価格形成要因を考慮して算出される値である。価格形成要因には、例えば、住所、緯度経度、沿線名、最寄駅、最寄駅からの距離、構造、経過年数、所在階等がある。図18では、対象のマンションのポイントが100であることが想定されている。
なお、各事例の試算値の算出に用いられる情報(マンションの竣工年数、ポイント等)は、マンション関連データベース19に保持されている。
図18に示される例では、マンションの既存建物評価額は、各事例の試算値の平均値、対象のマンションの一部屋の専有面積、対象のマンションの一部屋の所在階及び開口部方向に基づく部屋の個別格差率、マンションの個別格差率を乗じて算出される。対象のマン
ションの一部屋の所在階及び開口部方向の基づく部屋の個別格差率は、対象のマンションの基準となる部屋と対象のマンションの評価対象の部屋との、所在階及び開口部方向についての差異を数値化したものである。対象のマンションの一部屋の所在階及び開口部方向に基づく格差率の分母は基準となる部屋で、分子は評価対象の部屋である。例えば、基準の部屋のポイントは100と規定される。評価対象の部屋のポイントは、所在階と開口部方向とから、所定のアルゴリズムに基づいて算出される。
個別格差率は、基準となるマンションと対象のマンションとの差異を数値化したものである。例えば、基準となるマンションのポイントは100と規定される。個別格差率の分母は基準となるマンションであり、分子は対象のマンションである。評価対象のマンションのポイントは予め所定のアルゴリズムに従って算出されており、マンション関連データベース19に保持されている。なお、図18に示される例では、対象のマンションのポイントを100と想定しているため、個別格差率は100/100となる。
図18に示される例では、対象のマンションの一部屋の既存建物評価額は、2,900万円と算出されている。図18に示される出力画面に含まれる「リフォーム加算」ボタンB4が選択されると、リフォームの価値が反映された評価額の出力画面に遷移する。
図19は、第1実施形態に係る対象の不動産物件(マンションの一部屋)の評価額の算出方法の一例を示す図である。図19に示される例では、対象の不動産物件(マンション)の築年数が15年、再調達原価が250,000円/平方メートル、対象の不動産物件(マンションの一部屋)の専有面積が70平方メートルであることを想定する。また、図19に示される例では、各部位の構成割合は、基礎/躯体40%、外部仕上げ20%、内
部仕上げ15%、設備25%であることを想定する。また、図19に示される例では、各部位の耐用年数は、内部仕上げは25年、設備は20年であることを想定する。なお、対象の不動産物件がマンションの一部屋である場合には、当該部屋のリフォームは、実質的に、内部仕上げと設備とに限定されるため、基礎/躯体及外部仕上げの耐用年数は省略されている。対象の不動産物件に関する前提は、図20〜図22についても同様とする。
対象の不動産物件がマンションの一部屋である場合の不動産物件の評価額の算出方法は、対象の建物が戸建住宅である場合と、基本的に同様である。すなわち、対象の不動産物件がマンションの一部屋である場合にも、第1実施形態では、基準評価額として現在時点の不動産物件の評価額である既存建物評価額から、取替部分控除額としてリフォーム部分がリフォームされない場合の現在時点の評価額が控除され、現在時点のリフォーム部分の評価額であるリフォーム加算額が加算されて、対象の不動産物件の評価額が算出される。
既存建物評価額は、基準評価額算出部11によって、対象の不動産物件がマンションの一部屋である場合には、取引事例比較法で算出される。図19に示される例では、既存建物評価額は、図18で説明された通り、2,900万円となる。
図19に示される例では、取替部分算出部12によって、取替部分控除額は105万円と算出される。取替部分評価額の算出方法の詳細は、図21において後述される。図19に示される例では、リフォーム加算額算出部13によって、リフォーム加算額は392万円と算出される。リフォーム加算額の算出方法の詳細は、図20において後述される。したがって、図19に示される例では、評価額算出部14は、新築建物価格2,900万円−取替部分控除額105万円+リフォーム加算額392万円=対象の不動産物件の評価額3,187万円を算出する。
図20は、第1実施形態に係るリフォーム加算額の算出方法の一例を示す図である。対象の不動産物件がマンションの一部屋である場合でも、リフォーム加算額の算出方法の基
本的な考え方は、対象の不動産物件が戸建住宅である場合と同様である。すなわち、リフォーム加算額は、リフォーム工事費を上限額で修正し、修正後のリフォーム工事費を減価修正することで算出される。
リフォーム工事費は、対象の不動産物件が戸建住宅である場合と同様に、クライアント端末2のリフォーム情報の入力画面において入力された実際にリフォームに掛かった金額と取得される。又は、リフォーム工事費は、クライアント端末2から送信されるリフォーム情報に含まれるリフォーム部位、リフォームのグレードと、建物情報に含まれる対象の不動産物件の所在地とに応じて取得された対象の不動産物件のリフォーム部位の再調達原価に専有面積を乗じて取得される。
図20に示される例では、対象の不動産物件のリフォーム部位は、内部仕上げ、設備である。また、リフォーム加算額算出部13は、それぞれの部位のリフォーム工事費を、内部仕上げ293万円、設備150万円として取得したこととする。
次に、リフォーム加算額算出部13は、各部位について、リフォーム工事費の上限額を設定する。各部位のリフォーム工事費の上限額は、第1実施形態では、新築価格が用いられる。対象の不動産物件がマンションの一部屋である場合には、リフォーム加算額算出部13は、例えば、対象のマンションの構造とランクとに応じた再調達原価を再調達原価テーブル171から取得し、対象の一部屋の専有面積を乗じて、対象のマンションの一部屋の新築価格を取得する。図20に示される例では、再調達原価250,000円/平方メートル×専有面積70平方メートル=新築価格1,750万円である。
次に、リフォーム加算額算出部13は、対象のマンションの構造とランクとに応じた構造割合を構造割合テーブル172から取得し、新築価格に各部位の割合を乗じて、各部位のリフォーム工事費の上限額を算出する。なお、通常マンションでは、各部屋の構造割合に関する情報は扱われていないことが多いため、第1実施形態では、マンション一棟全体についての構造割合が用いられる。
図20に示される例では、対象のマンションの一部屋の新築価格は1,750万円、構
成割合は、基礎/躯体40%、外部仕上げ20%、内部仕上げ15%、設備25%である。したがって、各部位のリフォーム工事費の上限額は、基礎/躯体が1,750万円×4
0%=700万円、外部仕上げが1,750万円×20%=350万円、内部仕上げが1,750万円×15%≒263万円、設備が1,750万円×25%≒437万円である。
したがって、図20に示される例では、内部仕上げのリフォーム工事費が、上限額を超過しているので、リフォーム加算額算出部13は、内部仕上げのリフォーム工事費を、上限額の超過分30万円を控除して、263万円に修正する。したがって、上限勘案後のリフォーム工事費は、内部仕上げ263万円、設備150万円となる。
次に、リフォーム加算額算出部13は、各部位について、上限勘案後のリフォーム工事費を減価修正する。リフォーム加算額算出部13は、例えば、減価修正された各部位のリフォーム工事費の合計値をリフォーム加算額として取得する。図20に示される例では、リフォーム工事からいずれも1年が経過していることとする。したがって、図20に示される例の各部位の減価修正後のリフォーム工事費は、内部仕上げ263万円×24年/25年≒252万円(1万円台未満切り捨て)、設備150万円×14年/15年=140万円となる。図20に示される例のリフォーム加算額は、392万円となる。
図21は、第1実施形態に係る取替部分控除額の算出方法の一例を示す図である。対象の不動産物件がマンションの一部屋である場合でも、取替部分控除額の算出方法は、対象
の不動産物件が戸建住宅である場合と同様である。
取替部分算出部12は、各リフォーム部位について、上限勘案後のリフォーム工事費を新築価格で割って、リフォーム工事費が新築価格に占める割合であるリフォーム工事費割合を算出する。図21に示される例では、各リフォーム部位のリフォーム工事費割合は、内部仕上げが263万円÷263万円=100%、設備が150万円÷437万円≒34%である。
次に、取替部分算出部12は、各リフォーム部位について、新築価格を減価修正して現在価格を求める。したがって、図21に示される例では、各リフォーム部位の現在価格は、内部仕上げが263万円×10年/25年=105万円、設備が437万円×0年/15年=0円である。
取替部分算出部12は、各リフォーム部位について、現在価格にリフォーム工事費割合を乗じた値を求め、各リフォーム部位について算出された値を合計して取替部分控除額を算出する。図21に示される例では、取替部分控除額は、内部仕上げが105万円×100%+設備0万円×34%=105万円である。
以上より、図19〜図22に示される例では、対象の不動産物件の評価額は、既存建物評価額2,900万円−取替部分控除額105万円+リフォーム加算額392万円≒3,180万円(一万円台は切り捨て)となる。
図22は、対象の不動産物件がマンションの一部屋である場合の評価額出力画面の一例である。図22に示される評価額出力画面は、クライアント端末2がサーバ1から不動産物件の評価の要求に対する応答を受信するとクライアント端末2において表示される画面である。第1実施形態では、対象の不動産物件がマンションの一部屋である場合には、サーバ1からクライアント端末2に送信される不動産物件の評価の要求に対する応答には、例えば、既存建物評価額、取替部分控除額、リフォーム加算額、対象の不動産物件の評価額が含まれている。
<処理の流れ>
図23は、第1実施形態に係るサーバ1の対象の不動産物件の評価額の算出処理のフローチャートの一例である。図23に示される処理は、例えば、サーバ1がクライアント端末2から、不動産物件の評価の要求を受信した場合に開始される。
OP1では、CPU 101は、基準評価額を算出する。第1実施形態では基準評価額として、既存建物評価額を算出する。対象の不動産物件が戸建住宅である場合には、例えば、既存建物評価額は原価法で算出される。対象の不動産物件がマンションの一部屋である場合には、例えば、既存建物評価額は取引事例比較法で算出される。OP1の処理は、基準評価額算出部11の処理に相当する。
OP2では、CPU 101は、リフォーム加算額を算出する(図14、図20参照)。OP2の処理は、リフォーム加算額算出部13の処理に相当する。
OP3では、CPU 101は、取替部分控除額を算出する(図15、図21参照)。OP3の処理は、取替部分算出部12の処理に相当する。
OP4では、CPU 101は、対象の不動産物件の評価額を算出する。第1実施形態では、CPU 101は、既存建物評価額から取替部分控除額を控除し、リフォーム加算額を加算して、対象の不動産物件の評価額を算出する。OP4の処理は、評価額算出部1
4の処理に相当する。
OP5では、CPU 101は、例えば、基準評価額、取替部分控除額、リフォーム加算額、対象の不動産物件の評価額、を含む応答をクライアント端末2に送信する。OP5の処理は、送信部16の処理に相当する。その後、図23に示される処理が終了する。
<第1実施形態の作用効果>
第1実施形態によれば、対象の不動産物件の所在地、構造、ランク、延床面積又は専有面積、建築年月、リフォーム部位、リフォーム箇所等の客観的事実を入力することで、リフォームの価値が反映された不動産物件の評価額を算出することができる。リフォーム加算額は、リフォーム工事費の上限額が勘案され、減価修正されて求められる。また、対象の不動産物件の既存建物評価額とリフォーム加算額から取替部分控除額が差し引かれる。したがって、第1実施形態によれば、根拠ある評価ロジックにより信頼性のあるリフォーム価値を反映した不動産物件の評価額を算出することができる。
また、第1実施形態によれば、対象の不動産物件の所在地、構造、ランク、延床面積又は専有面積、建築年月、リフォーム部位、リフォーム箇所等の客観的事実を入力することで、リフォームの価値が反映された評価額を算出することができるので、専門的な知識を有していない者でも簡易にリフォームの価値を反映して不動産物件を評価することができる。また、対象の不動産物件について現地調査は必要なく、書類で取得可能な情報により、リフォーム価値を反映した不動産物件の評価額を算出することができ、手間と時間とをかけなくてもよい。
また、第1実施形態によれば、現在時点の対象の不動産物件の価値(既存建物評価額)、リフォーム部分の現在の価値(取替部分控除額)と、リフォームの価値(リフォーム加算額)とを提示することができ、リフォームの価値を反映させた不動産物件の評価ロジックを分かりやすく提示できる。これによって、リフォームの価値を反映させた不動産物件の評価額に対する根拠性、信頼性を高めることができる。
また、例えば、図14に示されるリフォーム加算額の算出過程がクライアント端末2のユーザに提示されるようにしてもよい。例えば、新築価格が設定されるリフォーム工事の上限額を提示することによって、リフォームによる価値が新築時点の価値を超えないことを明示することができる。また、第1実施形態に係るリフォーム加算額の算出は、リフォームを考えているユーザへのリフォーム工事費の予算の提案に応用可能である。第1実施形態に係るリフォーム加算額の算出におけるリフォーム工事費の上限額を提示することで、リフォームを考えているユーザのリフォームの予算決定に寄与することができる。また、リフォーム加算額を提示することで、リフォームの価値が数年後にどの程度になるのかを、リフォームを考えているユーザに提示することができる。
図15に示される取替部分控除額の算出過程がクライアント端末2のユーザに提示されるようにしてもよい。これによって、各部位について、リフォーム工事費が占める割合が明確になり、取替部分控除額、ひいては、不動産物件の評価額の算出ロジックについて、クライアント端末2のユーザの理解を助けることができる。
<第2実施形態>
第2実施形態では、基準評価額として新築建物価格が用いられる。また、第2実施形態では、取替部分評価額として、リフォーム部分の新築価格、すなわち、上限勘案後のリフォーム工事費が用いられる。第2実施形態では、新築建物価格から上限勘案後のリフォーム工事を差し引いた値を減価修正したものにリフォーム加算額を加算して、対象の不動産物件の評価額が算出される。第2実施形態において、第1実施形態と共通する説明は省略
される。
第2実施形態では、不動産評価システム100のシステム構成、サーバ1及びクライアント端末2のハードウェア構成及び機能構成は、第1実施形態と同様である。第2実施形態では、サーバ1の機能構成要素のうち、基準評価額算出部11、取替部分算出部12、評価額算出部14の処理が第1実施形態と異なる。
第2実施形態では、基準評価額算出部11は、基準評価額として、対象の不動産物件の建物の新築建物価格を算出し、評価額算出部14に出力する。対象の不動産物件の建物の新築価格は、戸建住宅の場合には、再調達原価×延床面積で求められる。
第2実施形態では、取替部分算出部12は、取替部分控除額として、上限勘案後のリフォーム工事費を算出し、評価額算出部14に出力する。上限勘案後のリフォーム工事費は、リフォーム加算額算出部13によって算出されたものが流用されてもよい。上限勘案後のリフォーム工事費の算出方法は第1実施形態と同様である(図14参照)。
図24は、第2実施形態に係る対象の不動産物件(戸建住宅)の評価額の算出方法の一例を示す図である。図24に示される例では、対象の不動産物件に関する前提(築年数、再調達原価、延床面積、各部位の構成割、各部位の耐用年数)は、第1実施形態の図13と同様とする。
第2実施形態では、評価額算出部14は、基準評価額としての新築建物価格から取替部分控除額として上限勘案後のリフォーム工事費を控除した値に現在価値率を乗じて減価修正し、その後、リフォーム加算額を加算して、対象の不動産物件の評価額を算出する。第2実施形態において、現在価値率は、評価額算出部14によって算出される。第2実施形態に係る現在価値率の詳細は図25において後述される。
図24に示される例では、新築建物価格は、基準評価額算出部11によって、3,000万円と算出される。取替部分控除額は、取替部分算出部12によって、1,050万円と算出される。リフォーム加算額は、リフォーム加算額算出部13によって、930万円と算出される。現在価値率は、評価額算出部14によって、38.5%と算出される。したがって、図24に示される例では、評価額算出部14は、(新築建物価格3,000万円−取替部分控除額1050万円)×現在価値率38.5%+リフォーム加算額930万円=対象の不動産物件の評価額1,680万円を算出する。
図25は、第2実施形態に係る現在価値率の算出方法の一例を示す図である。現在価値率は、対象の不動産物件のリフォーム部分以外の部分の、新築価格に対する現在の評価額の割合である。まず、評価額算出部14は、各部位について、新築価格から上限勘案後のリフォーム工事費を控除した値を求める。各部位の新築価格は、リフォーム工事費の上限額と同じである。
図25に示される例では、各部位の新築価格から上限勘案後のリフォーム工事費(図14参照)を控除した値は、基礎/躯体が1,200万円、外部仕上げが500万円、内部仕上げが250万円、設備が0円である。
次に、価額算出部14は、各部位について、新築価格から上限勘案後のリフォーム工事費を控除した値を、新築建物価格から上限勘案後のリフォーム工事費(合計)で割って、リフォーム部分勘案後の構成割合を算出する。図25に示される例では、各部位のリフォーム部分勘案後の構成割合は、基礎/躯体が1,200万円/1,950万円=61.5%、外部仕上げが500万円/1,950万円=25.6%、内部仕上げが250万円/
1,950万円=12.8%、設備が0円/1,950万円=0%である。
次に、価格算出部14は、各部位について、リフォーム部分勘案後の構成割合に、残存年数/耐用年数を乗じた値を算出し、合計して、現在価値率を求める。図25に示される例では、基礎/躯体61.5%×20年/40年=30.76%+外部仕上げ25.6%×5年/25年=5.12%+内部仕上げ12.8%×5年/25年+設備0%=現在価値率38.5%となる。
図26は、第2実施形態に係る評価額出力画面の一例である。第2実施形態では、サーバ1からクライアント端末2に送信される不動産物件の評価の要求に対する応答には、新築建物価格(基準評価額)、上限勘案後のリフォーム工事費(取替部分控除額)、現在価値率、リフォーム加算額、対象の不動産物件の評価額が含まれている。
図26に示される評価額出力画面では、対象の不動産物件の概要と評価額とが表示されている。対象の不動産物件の評価額は、「(新築建物価格−上限勘案後のリフォーム工事費)×現在価値率+リフォーム加算額=評価額」の式とともにそれぞれの額が表示されている。
第2実施形態によれば、新築時点の対象の不動産物件のリフォーム部分以外の価値(新築建物価格から上限勘案後のリフォーム工事費を差し引いた値)と、現在の価値に置き換えるとどのくらいになるのか(現在価格率)と、リフォームの価値(リフォーム加算額)とを提示することができ、リフォームの価値を反映させた不動産物件の評価ロジックを、第1実施形態とは異なる形態で示すことができる。
なお、第2実施形態では、図25に示されるように、各部位について、リフォーム部分勘案後の構成割合を減価修正し、合計して算出される現在価値率を、不動産物件の新築建物価格から上限勘案後リフォーム工事費を控除した額に乗じ、さらにリフォーム加算額を加算して、不動産物件の評価額が算出されるが、これに限定されない。例えば、部位別に、新築建物価格から上限勘案後リフォーム工事費を控除した額を減価修正し、各部位の減価修正した額を合計し、当該合計した値にリフォーム加算額を加算して不動産物件の評価額が算出されてもよい。
<第3実施形態>
第3実施形態では、基準評価額として既存建物価格が用いられる。また、第2実施形態では、取替部分評価額として、各部位について、上限勘案後のリフォーム工事費を減価修正したものの合計値が算出される。第3実施形態において、第1実施形態と共通する説明は省略される。
第3実施形態では、不動産評価システム100のシステム構成、サーバ1及びクライアント端末2のハードウェア構成及び機能構成は、第1実施形態と同様である。第3実施形態では、サーバ1の機能構成要素のうち、取替部分算出部12の処理が第1実施形態と異なる。
図27は、第3実施形態に係る取替部分控除額の算出方法の一例である。図27は、図13と同じ事例を前提としている。第1実施形態では、各部位について、新築価格を減価修正した値にリフォーム工事費割合を乗じた値を合計して、取替部分控除額が算出される(図15参照)。ここで、新築価格の減価修正は、新築価格×(残存年数/耐用年数)である。また、リフォーム工事費割合は、上限勘案後のリフォーム工事費/新築価格である。したがって、新築価格の減価修正×リフォーム工事費=上限勘案後のリフォーム工事費×(残存年数/耐用年数)となり、取替部分控除額は、各部位について、上限勘案後のリ
フォーム工事費を減価修正したものの合計値として求められる。
したがって、第3実施形態では、取替部分算出部12は、各部位について、上限勘案後のリフォーム工事費を求め、上限勘案後のリフォーム工事費に残存年数/耐用年数を乗じて減価修正したものを合計して、取替部分控除額を算出する。
図27に示される例では、取替部分控除額は、外部仕上げ250万円×5年/25年+内部仕上げ200万円×5年/25年+設備600万円×0年/15年=90万円となり、第1実施形態に係る取替部分控除額と同じ値になる(図15参照)。
第3実施形態によれば、取替部分控除額の算出の方法を提示してもよく、この場合には、リフォーム部分の新築時点から現在時点への減価修正を提示することができ、リフォームの価値を反映させた不動産物件の評価額に対する根拠性、信頼性を高めることができる。
<その他>
サーバ1に備えられる機能構成要素は、例えば、それぞれ別の独立した情報処理装置によって実現されてもよい。また、サーバ1に備えられる機能構成要素と端末1に備えられる機能構成要素とが1台の情報処理装置によって実現されるようにしてもよい。
第1実施形態〜第3実施形態では、いずれも、基準評価額、取替部分控除額、リフォーム加算額に基づいて、対象の不動産物件の評価額が算出される。第1実施形態〜第3実施形態それぞれに係る、基準評価額、取替部分控除額、リフォーム加算額それぞれの算出方法は、第1実施形態〜第3実施形態において説明された方法に限定されない。第1実施形態〜第3実施形態において、基準評価額、取替部分控除額、リフォーム加算額の一部又は全部は、例えば、重回帰分析、学習モデルを用いる人工知能等によって算出されてもよい。また、リフォーム加算額や取替部分控除額の算出の際に用いられる各部位のリフォーム工事費、リフォーム工事費の上限額、各部位の新築価格等も、重回帰分析や人工知能によって算出されてもよい。
第1実施形態〜第3実施形態では、例えば、リフォーム加算額、取替部分評価額は、それぞれ、各部位の合計値が出力されるが、これに限られず、部位ごとの価格を出力するようにしてもよい。
<記録媒体>
コンピュータその他の機械、装置(以下、コンピュータ等)に上記いずれかの機能を実現させるプログラムをコンピュータ等が読み取り可能な記録媒体に記録することができる。コンピュータ等に、この記録媒体のプログラムを読み込ませて実行させることにより、その機能を提供させることができる。
ここで、コンピュータ等が読み取り可能な記録媒体とは、データやプログラム等の情報を電気的、磁気的、光学的、機械的、または化学的作用によって蓄積し、コンピュータ等から読み取ることができる非一時的な記録媒体をいう。このような記録媒体のうちコンピュータ等から取り外し可能なものとしては、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R/W、DVD、ブルーレイディスク、DAT、8mmテープ、フラッシュメモリなどのメモリカード等がある。また、コンピュータ等に固定された記録媒体としてハードディスク、ROM(リードオンリーメモリ)等がある。さらに、SSD(Solid State Drive)は、コンピュータ等から取り外し可能な記録媒体としても、コ
ンピュータ等に固定された記録媒体としても利用可能である。
1 サーバ
2 端末
11 基準評価額算出部
12 取替部分算出部
13 リフォーム加算額算出部
14 評価額算出部
15 受信部
16 送信部
17 建物関連データベース
18 リフォーム関連データベース
19 マンション関連データベース
101 CPU
102 主記憶装置
105 補助記憶装置
105P 不動産物件評価プログラム

Claims (12)

  1. コンピュータに、
    不動産物件に関する情報に基づき所定のアルゴリズムに従って前記不動産物件の第1の評価額を算出する第1のステップと、
    前記不動産物件の建物部分のリフォームに関する情報に基づいてリフォーム部分の評価額であるリフォーム加算額を算出する第2のステップと、
    前記不動産物件のリフォーム部分の、リフォームしない場合の評価額である取替部分控除額を算出する第3のステップと、
    前記第1の評価額、前記リフォーム加算額、及び、前記取替部分控除額から、前記不動産物件の第2の評価額を算出する第4のステップと、
    を実行させるための不動産物件の評価額算出プログラム。
  2. 前記第2のステップにおいて、前記不動産物件の建物部分に含まれる複数の部位のそれぞれについて、新築で取得する場合の新築価格に基づいて上限値を設定し、前記上限値に基づいてリフォーム工事費を修正し、各部位の修正後のリフォーム工事費に基づいて前記リフォーム加算額を算出する、
    請求項1に記載の不動産物件の評価額算出プログラム。
  3. 前記第2のステップにおいて、前記各部位の修正後のリフォーム工事費をリフォーム時点から減価修正し、前記減価修正後の各部位のリフォーム工事費に基づいて前記リフォーム加算額を算出する、
    請求項2に記載の不動産物件の評価額算出プログラム。
  4. 前記第1のステップにおいて、前記不動産物件の現在の評価額を前記第1の評価額として算出し、
    前記第3のステップにおいて、前記不動産物件の建物部分に含まれる複数の部位のそれぞれについて、新築で取得する場合の新築価格に対するリフォーム工事費の割合に現在時点の評価額を乗じた値を算出し、各部位について算出された値に基づいて前記取替部分控除額を算出する、
    請求項1から3のいずれか一項に記載の不動産物件の評価額算出プログラム。
  5. 前記第3のステップにおいて、前記割合の算出に用いられるリフォーム工事費として、前記不動産物件の建物部分に含まれる各部位について、前記新築価格に基づいて設定された上限値に基づいて修正されたリフォーム工事費を用いる、
    請求項4に記載の不動産物件の評価額算出プログラム。
  6. 前記第1のステップにおいて、前記不動産物件の現在の評価額を前記第1の評価額として算出し、
    前記第3のステップにおいて、前記不動産物件の建物部分に含まれる各部位について、新築で取得する場合の新築価格に基づいて設定された上限値に基づいて修正されたリフォーム工事費を新築時点から減価修正した値を算出し、前記各部位について算出された値に基づいて、前記取替部分控除額を算出する、
    請求項1から3のいずれか一項に記載の不動産物件の評価額算出プログラム。
  7. 前記第2のステップにおいて、前記不動産物件がマンションの一室である場合に、前記マンションの一室に含まれる各部位について、前記マンションの前記一室の新築で取得される場合の価格に部位別の価格の構成割合を乗じた値を、前記新築で取得する場合の新築価格とする、
    請求項2から6のいずれか一項に記載の不動産物件の評価額算出プログラム。
  8. 前記第1のステップにおいて、前記第1の評価額を取引事例比較法で算出する、
    請求項7に記載の不動産物件の評価額算出プログラム。
  9. 前記第1のステップにおいて、前記不動産物件を新築で取得した場合の新築建物価格を前記第1の評価額として算出し、
    前記第3のステップにおいて、前記不動産物件の建物部分に含まれる各部位について、新築で取得した場合の新築価格に基づいて上限値を設定し、前記上限値に基づいてリフォーム工事費を修正し、前記各部位について修正されたリフォーム工事費に基づいて、前記取替部分控除額を算出し、
    前記第4のステップにおいて、前記第1の評価額から前記取替部分控除額を控除した第1の額を減価修正し、前記第1の額が減価修正された値に前記リフォーム加算額を加算して前記第2の評価額を算出する、
    請求項1から3のいずれか一項に記載の不動産物件の評価額算出プログラム。
  10. 前記第4のステップにおいて、前記不動産物件の建物部分に含まれる各部位について、前記第1の額に対する、前記第1の額から前記修正されたリフォーム工事費が控除された額の割合を求め、前記割合と耐用年数に対する残存年数の割合とを乗じた第1の割合を求め、各部位の前記第1の割合に基づいて現在価値率を算出し、前記第1の額に前記現在価値率を乗じて前記第1の額の減価修正を行う、
    請求項9に記載の不動産物件の評価額算出プログラム。
  11. 不動産物件に関する情報に基づいて所定のアルゴリズムに従って前記不動産物件の第1の評価額を算出する第1の算出部と、
    前記不動産物件の建物部分のリフォームに関する情報に基づいてリフォーム部分の評価額であるリフォーム加算額を算出する第2の算出部と、
    前記不動産物件のリフォーム部分の、リフォームしない場合の評価額である取替部分控除額を算出する第3の算出部と、
    前記第1の評価額、前記リフォーム加算額、及び、前記取替部分控除額から、前記不動産物件の第2の評価額を算出する第4の算出部と、
    を備える情報処理装置。
  12. 不動産物件に関する情報に基づき所定のアルゴリズムに従って前記不動産物件の第1の評価額を算出し記憶部に記憶する第1のステップと、
    前記不動産物件の建物部分のリフォームに関する情報に基づいてリフォーム部分の評価額であるリフォーム加算額を算出し前記記憶部に記憶する第2のステップと、
    前記不動産物件のリフォーム部分の、リフォームしない場合の評価額である取替部分控除額を算出し前記記憶部に記憶する第3のステップと、
    前記第1の評価額、前記リフォーム加算額、及び、前記取替部分控除額から、前記不動産物件の第2の評価額を算出する第4のステップと、
    を含む不動産物件の評価額算出方法。
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