JP2019049346A - ラビリンスシール、およびラビリンスシール構造 - Google Patents

ラビリンスシール、およびラビリンスシール構造 Download PDF

Info

Publication number
JP2019049346A
JP2019049346A JP2018074803A JP2018074803A JP2019049346A JP 2019049346 A JP2019049346 A JP 2019049346A JP 2018074803 A JP2018074803 A JP 2018074803A JP 2018074803 A JP2018074803 A JP 2018074803A JP 2019049346 A JP2019049346 A JP 2019049346A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pressure side
low
labyrinth seal
fin
fluid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2018074803A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6975672B2 (ja
Inventor
俊輔 森中
Shunsuke Morinaka
俊輔 森中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kobe Steel Ltd filed Critical Kobe Steel Ltd
Priority to US16/110,889 priority Critical patent/US20190072185A1/en
Priority to KR1020180105226A priority patent/KR102244406B1/ko
Priority to DE102018121617.3A priority patent/DE102018121617B4/de
Publication of JP2019049346A publication Critical patent/JP2019049346A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6975672B2 publication Critical patent/JP6975672B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Structures Of Non-Positive Displacement Pumps (AREA)
  • Sealing Using Fluids, Sealing Without Contact, And Removal Of Oil (AREA)

Abstract

【課題】ラビリンスシールでの流体の漏れ量を抑制する。【解決手段】ラビリンスシール40は、段差部50と、高圧側段部51と、低圧側段部52と、高圧側フィン61と、低圧側フィン62と、突起70と、を備える。突起70は、高圧側段部51からY1側(対向方向第1側)に延び、高圧側フィン61よりも低圧側X2に配置される。第1部材10のY2側(対向方向第2側)の面のうち、高圧側フィン61の低圧側X2の面(61b)から低圧側フィン62の高圧側X1の面(62a)までをつなぐ部分(面80)は、次のように構成される。面80は、対向方向Yおよび流れ方向Xのそれぞれに直交する方向(Z)から見たとき、直線状または弧状である。【選択図】図1

Description

本発明は、ラビリンスシール、およびラビリンスシール構造に関する。
例えば特許文献1などに、従来のラビリンスシールが記載されている。このラビリンスシールは、流体機械を構成する2つの部材(例えば回転体と静止体)の隙間での流体の漏れ量を抑制するためのものである。特許文献1の図4に記載の技術では、フィンと部材との隙間が直線的に並び、流体が直線的に吹き抜けるおそれがある。同文献の図3に記載の技術では、段差が設けられている。そして、フィンと部材との隙間を通った流体が、フィンに当たるように構成することで、流体の漏れ量を抑制することが図られている。
特開2012−72736号公報
しかし、流体の漏れ量をさらに抑制することが望まれている。
そこで、本発明では、流体の漏れ量を抑制できる、ラビリンスシールおよびラビリンスシール構造を提供することを目的とする。
本発明のラビリンスシールは、流体機械に設けられる。前記流体機械は、第1部材と、前記第1部材に対向する第2部材と、隙間と、を備える。前記隙間は、前記第1部材と前記第2部材との間に形成される。前記隙間は、流れ方向の高圧側から低圧側に流体が流れるように構成される。流れ方向は、前記第1部材と前記第2部材とが対向する方向に直交する方向である。前記第1部材と前記第2部材とが対向する方向を対向方向とする。対向方向において前記第2部材から前記第1部材に向かう側を対向方向第1側とする。対向方向において前記第1部材から前記第2部材に向かう側を対向方向第2側とする。ラビリンスシールは、段差部と、高圧側段部と、低圧側段部と、高圧側フィンと、低圧側フィンと、突起と、を備える。前記段差部は、前記第2部材の対向方向第1側部分に形成される。前記高圧側段部は、前記第2部材の対向方向第1側部分を構成し、前記段差部よりも高圧側に配置される。前記低圧側段部は、前記第2部材の対向方向第1側部分を構成し、前記段差部よりも低圧側に配置され、前記高圧側段部よりも対向方向第2側に配置される。前記高圧側フィンは、前記第1部材から前記高圧側段部に向かって延び、前記段差部よりも高圧側に配置される。前記低圧側フィンは、前記第1部材から前記低圧側段部に向かって延び、前記段差部よりも低圧側に配置される。前記突起は、前記高圧側段部から対向方向第1側に延び、前記高圧側フィンよりも低圧側に配置される。前記第1部材の対向方向第2側の面のうち、前記高圧側フィンの低圧側の面から前記低圧側フィンの高圧側の面までをつなぐ部分は、対向方向および流れ方向のそれぞれに直交する方向から見たとき、直線状または弧状である。
上記構成により、ラビリンスシールでの流体の漏れ量を抑制できる。
第1実施形態のラビリンスシールを有する流体機械の一部を、直交方向Zから見た断面図である。 第2実施形態の図1相当図である。 第3実施形態の図1相当図である。 第4実施形態の図1相当図である。 第5実施形態のラビリンスシール構造を有する流体機械の一部を、直交方向Zから見た断面図である。 第6実施形態の図1相当図である。 第7実施形態の図1相当図である。 第8実施形態の図1相当図である。 第9実施形態の図1相当図である。 例1の構造を有する流体機械の一部を、直交方向Zから見た断面図である。 例2のラビリンスシール構造を有する流体機械の一部を、直交方向Zから見た断面図である。 例1および例2の漏れ量を示すグラフである。 図1に示すラビリンスシールにおける、hとcとを示す図1相当図である。 図13に示すhおよびcと、漏れ量と、の関係を示すグラフである。
図1を参照して第1実施形態のラビリンスシール40を備える流体機械1について説明する。
流体機械1は、第1部材10に対して第2部材20が移動する機械である。流体機械1は、流体を圧縮または膨張させる機械である。流体機械1は、例えば圧縮機であり、例えばターボ圧縮機などである。流体機械1は、例えば膨張機でもよく、例えば膨張タービンなどでもよい。例えば、流体機械1は、第1部材10に対して第2部材20が回転する回転機械(流体回転機械)である。流体機械1は、軸流式でも遠心式でもよい。流体機械1は、第1部材10と、第2部材20と、隙間25と、ラビリンスシール40と、を備える。
第1部材10は、静止体または可動体である。第2部材20は、第1部材10に対向する。第1部材10が静止体の場合、第2部材20は、可動体である。第1部材10が可動体の場合、第2部材20は、静止体である。静止体は、例えばケーシングである。静止体は、例えば、ケーシング内に配置され、ケーシングに固定される部材でもよい。可動体は、例えば、静止体に対して回転軸(図示なし)回りに回転する回転体である。回転体は、例えば回転軸部分でもよく、例えばインペラでもよく、例えばシュラウド付きインペラでもよい。
隙間25は、第1部材10と第2部材20との間に形成される。隙間25は、第1部材10のY2側(対向方向第2側)(方向の詳細は後述)部分と、第2部材20のY1側(対向方向第1側)部分と、の間に形成される。流れ方向Xの高圧側X1から、流れ方向Xの低圧側X2に、流体が隙間25を流れるように、隙間25が構成される。なお、流体は、流れ方向X以外の方向に流れてもよい(詳細は後述)。
(方向)
第1部材10と第2部材20とが対向する方向を、対向方向Yとする。対向方向Yにおいて、第2部材20から第1部材10に向かう側を、Y1側(対向方向第1側)とする。対向方向Yにおいて、第1部材10から第2部材20に向かう側を、Y2側(対向方向第2側)とする。対向方向Yに直交する方向を、流れ方向Xとする。流れ方向Xにおける一方側を、高圧側X1とする。流れ方向Xにおける高圧側X1とは反対側を、低圧側X2とする。流体機械1が回転機械の場合、静止体に対する回転体の回転軸の方向は、どの方向でもよく、例えば流れ方向Xでもよく、例えば対向方向Yでもよく、例えば流れ方向Xおよび対向方向Yに対して傾斜する方向でもよい。流れ方向Xおよび対向方向Yのそれぞれに直交する方向を直交方向Zとする。
ラビリンスシール40(フィン付ラビリンスシール)は、隙間25での流体の漏れを抑制する。ラビリンスシール40は、この漏れを抑制することで、例えば流体機械1内での流体の循環などを抑制する。ラビリンスシール40は、第1部材10と第2部材20とを接触させることなく(非接触で)、流体の漏れ流れの量(以下、漏れ量ともいう)を抑制する装置である。ラビリンスシール40は、段差部50と、高圧側段部51と、低圧側段部52と、高圧側フィン61と、低圧側フィン62と、突起70と、面80と、を備える。
段差部50は、第2部材20のY1側部分(例えば表面)に形成される。段差部50は、いわば降段構造である。具体的には、段差部50は、第2部材20のうち段差部50より高圧側X1の部分(高圧側段部51)よりも、第2部材20のうち段差部50より低圧側X2の部分(低圧側段部52)の方が、Y2側に配置されるように構成される。段差部50は、高圧側段部51の低圧側X2端部につながれる。段差部50は、低圧側段部52の高圧側X1端部につながれる。流体機械1が回転機械の場合、段差部50は、静止体に対する回転体の回転軸を中心とした環状(リング状)である。上記のような環状である点は、高圧側フィン61、低圧側フィン62、および突起70のそれぞれについても同様である。段差部50は、例えば対向方向Yに延び、例えば対向方向Yと一致する方向に延び、例えば対向方向Yに対して傾斜してもよい(図8、図9参照)。直交方向Zから見たとき、段差部50は、例えば直線状でもよく、例えば曲線状でもよく(図9参照)、例えば直線と曲線とを組み合わせた形状でもよい。
高圧側段部51は、第2部材20のY1側部分(例えば表面)を構成する。高圧側段部51は、段差部50よりも高圧側X1に配置される。高圧側段部51は、流れ方向Xに延び、例えば流れ方向Xと一致する方向に延びる。直交方向Zから見たとき、高圧側段部51は、例えば直線状であり、例えば略直線状などでもよい。
低圧側段部52は、第2部材20のY1側部分(例えば表面)を構成する。低圧側段部52は、段差部50よりも低圧側X2に配置される。低圧側段部52は、高圧側段部51よりもY2側に配置される。低圧側段部52の形状は、例えば高圧側段部51の形状と同様であり、例えば高圧側段部51の形状と相違してもよい。例えば、流体機械1が回転機械であり、静止体に対する回転体の回転軸が流れ方向Xと一致する場合は、高圧側段部51および低圧側段部52のそれぞれは、回転軸を中心とする円筒状である。この場合であって、Y1側が径方向外側(Y2側が径方向内側)である場合は、高圧側段部51は、低圧側段部52に対して大径である。
高圧側フィン61は、隙間25を仕切るフィンである(低圧側フィン62も同様)。高圧側フィン61は、隙間25を完全には仕切らず、流体の流路を狭めるように配置される(低圧側フィン62も同様)。高圧側フィン61は、第1部材10のY2側部分(例えば表面)から高圧側段部51に向かって(Y2側に)延びる(延伸する)。高圧側フィン61は、段差部50よりも高圧側X1に配置される。高圧側フィン61は、第1部材10のうち、段差部50よりも高圧側X1の部分から、高圧側段部51に向かって延びる。高圧側フィン61は、例えば第2部材20と一体的に設けられ、例えば第2部材20と別体でもよい(低圧側フィン62も同様)。高圧側フィン61は、高圧側フィン側面61bと、高圧側フィン先端部61tと、を備える。
高圧側フィン側面61bは、高圧側フィン61を構成する面(表面)であって、低圧側X2を向いた面である。高圧側フィン側面61bは、例えば対向方向Yと一致する方向に延びてもよく、対向方向Yに対して傾斜してもよい(図7などを参照)(低圧側フィン62および突起70のそれぞれの側面についても同様)。直交方向Zから見たとき、高圧側フィン側面61bは、例えば直線状でもよく、例えば曲線状でもよく(図6を参照)、例えば直線と曲線とを組み合わせた形状でもよい(低圧側フィン62および突起70のそれぞれの側面についても同様)。
高圧側フィン先端部61tは、高圧側フィン61の先端部であり、高圧側フィン61の高圧側段部51側(Y2側)の端部である。高圧側フィン先端部61tは、例えば第1部材10と高圧側段部51との対向方向Yにおける中央よりも高圧側段部51側(Y2側)に配置され、例えば高圧側段部51の近傍に配置される。
低圧側フィン62は、第1部材10のY2側部分(例えば表面)から低圧側段部52に向かって(Y2側に)延びる。低圧側フィン62は、段差部50よりも低圧側X2に配置される。低圧側フィン62は、第1部材10のうち、段差部50よりも低圧側X2の部分から、低圧側段部52に向かって延びる。低圧側フィン62は、高圧側段部51よりもY2側に延びる。低圧側フィン62は、低圧側フィン側面62aと、低圧側フィン先端部62tと、を備える。
低圧側フィン側面62aは、低圧側フィン62を構成する面(表面)であって、高圧側X1を向いた面である。低圧側フィン先端部62tは、低圧側フィン62の先端部であり、低圧側フィン62の低圧側段部52側(Y2側)の端部である。低圧側フィン先端部62tは、例えば第1部材10と低圧側段部52との対向方向Yにおける中央よりも低圧側段部52側(Y2側)に配置され、例えば低圧側段部52の近傍に配置される。低圧側フィン先端部62tは、突起先端部70t(後述)よりもY2側に配置される。低圧側フィン先端部62tは、高圧側段部51よりもY2側に配置される。
突起70は、高圧側段部51からY1側に延びる(突出する)。突起70は、段差部50よりも高圧側X1に配置される。突起70は、高圧側フィン61よりも低圧側X2に配置される。突起70は、高圧側段部51のうち、高圧側フィン61よりも低圧側X2の部分から、Y1側に延びる。突起70は、突起高圧側側面70aと、突起低圧側側面70bと、突起先端部70tと、を備える。
突起高圧側側面70aは、突起70を構成する面(表面)であって、高圧側X1を向いた面である。突起高圧側側面70aは、高圧側フィン側面61bよりも低圧側X2に配置され、高圧側フィン側面61bとの間に流れ方向Xの間隔をあけて配置される。
突起低圧側側面70bは、突起70を構成する面(表面)であって、低圧側X2を向いた面である。突起低圧側側面70bの流れ方向X位置(流れ方向Xにおける位置)は、例えば段差部50の流れ方向X位置よりも高圧側X1の位置であり、例えば段差部50の流れ方向X位置と同じ位置でもよい(図2参照)。突起70の流れ方向Xにおける幅(厚さ)、すなわち突起高圧側側面70aから突起低圧側側面70bまでの流れ方向Xにおける距離は、例えば高圧側フィン61の厚さと同じでもよく、例えば低圧側フィン62の厚さと同じでもよい。なお、高圧側フィン61の厚さは、低圧側フィン62の厚さと同じでもよく、相違してもよい。突起70の厚さは、基部から先端部までにわたって一定でもよく、一定でなくてもよい。例えば、突起70の厚さは、先端側(Y1側)ほど薄くなってもよい(図8参照)(高圧側フィン61の厚さ、および低圧側フィン62の厚さも同様(図11参照))。
突起先端部70tは、突起70の先端部であり、突起70の第1部材10側(Y1側)の端部である。突起先端部70tは、例えば第1部材10と高圧側段部51との対向方向Yにおける中央よりも高圧側段部51側(Y2側)に配置される。突起先端部70tの対向方向Y位置(対向方向Yにおける位置)は、例えば高圧側フィン先端部61tよりも第1部材10側(Y1側)の位置でもよく、高圧側フィン先端部61tの対向方向Y位置と同じ位置でもよい。突起先端部70tの対向方向Y位置は、高圧側フィン先端部61tの対向方向Y位置よりも高圧側段部51側(Y2側)でもよい(図4参照)。
面80は、第1部材10のY2側の面(表面)のうち、高圧側フィン61の低圧側X2の面(高圧側フィン側面61b)から低圧側フィン62の高圧側X1の面(低圧側フィン側面62a)までをつなぐ部分である。直交方向Zから見たとき、面80は、直線状、または弧状である(図7参照、「弧状」については後述)。「直線状」には略直線状も含まれる。面80は、高圧側フィン側面61bから低圧側フィン側面62aまでを、滑らかにつなぐ。面80には、屈曲した(折れ曲がった)部分はなく、例えば段差部50のような段差はない。面80は、例えば流れ方向Xと一致する方向に延びてもよく、例えばほぼ流れ方向Xに延びてもよく、例えば流れ方向Xに対して傾斜してもよい(図7、図11を参照)。
(流体の流れ)
隙間25を流れる流体は、例えば次のように流れる。高圧側フィン61よりも高圧側X1の流体は、低圧側X2に流れ、高圧側フィン先端部61tと高圧側段部51との間を通り、高圧側段部51に沿って流れ、突起高圧側側面70aに当たる。よって、高圧側段部51に沿って低圧側X2に流れる流体は、突起70の近傍で、低圧側X2に流れながら、Y1側にも流れる。このように、突起70の近傍で、低圧側X2かつY1側に、流れ方向Xに対して傾いた向きに流れる流れを、流れf70とする。流れf70は、渦V1と合流する。この流体は、突起先端部70tの近傍から低圧側X2に流れ、低圧側フィン側面62aに当たり、低圧側フィン側面62aの近傍で、渦V1と渦V2とに分岐する。
渦V1は、次のように流れる。低圧側フィン側面62aに向かってX2側に流れ、低圧側フィン側面62aに当たった流体は、Y1側に向きを変え、面80に当たり、高圧側X1に向きを変え、高圧側フィン側面61bに当たり、Y2側に向きを変える。この流体は、高圧側段部51の近傍の、低圧側X2に向かう流れに近づき、低圧側X2に向きを変える。この流体は、突起先端部70tの近傍を通り、低圧側X2に流れる。
渦V2は、次のように流れる。低圧側フィン側面62aに向かってX2側に流れ、低圧側フィン側面62aに当たった流体は、Y2側に向きを変え、低圧側段部52に当たる。この流体は、高圧側X1に向きを変え、段差部50に当たり、Y1側に向きを変える。この流体は、突起先端部70tから低圧側X2に向かう流に近づき、低圧側X2に向きを変える。
渦V2から漏れ流れf11が、次のように分岐する。低圧側フィン側面62aに向かってX2側に流れ、低圧側フィン側面62aに当たった流体は、Y2側に向きを変え、低圧側段部52に当たる。この流体の一部は、低圧側X2に向きを変え、漏れ流れf11となる。漏れ流れf11は、低圧側フィン先端部62tと低圧側段部52との間を通り、低圧側フィン62よりも低圧側X2に流れる(漏れる)。
渦V1および渦V2により、流体間摩擦が生じ、流体のエネルギー損失が生じる。上記「流体間摩擦」には、流体どうしの摩擦だけでなく、流速がゼロの流体とみなせる物と流体との摩擦も含まれる。上記「流速がゼロの流体とみなせる物」には、段差部50、高圧側段部51、低圧側段部52、高圧側フィン61、低圧側フィン62、および面80が含まれる。
図1に示すラビリンスシール40による効果は次の通りである。
(第1の発明の効果)
[構成1−1]ラビリンスシール40は、流体機械1に設けられる。流体機械1は、第1部材10と、第1部材10に対向する第2部材20と、隙間25と、を備える。隙間25は、第1部材10と第2部材20との間に形成される。隙間25は、流れ方向Xの高圧側X1から低圧側X2に流体が流れるように構成される。流れ方向Xは、第1部材10と第2部材20とが対向する方向(対向方向Y)に直交する方向である。第1部材10と第2部材20とが対向する方向を対向方向Yとする。対向方向Yにおいて、第2部材20から第1部材10に向かう側をY1側(対向方向第1側)とする。対向方向Yにおいて第1部材10から第2部材20に向かう側をY2側(対向方向第2側)とする。ラビリンスシール40は、段差部50と、高圧側段部51と、低圧側段部52と、高圧側フィン61と、低圧側フィン62と、突起70と、を備える。段差部50は、第2部材20のY1側部分に形成される。高圧側段部51は、第2部材20のY1側部分を構成し、段差部50よりも高圧側X1に配置される。低圧側段部52は、第2部材20のY1側部分を構成し、段差部50よりも低圧側X2に配置され、高圧側段部51よりもY2側に配置される。高圧側フィン61は、第1部材10から高圧側段部51に向かって延び、段差部50よりも高圧側X1に配置される。低圧側フィン62は、第1部材10から低圧側段部52に向かって延び、段差部50よりも低圧側X2に配置される。
[構成1−2]突起70は、高圧側段部51からY1側に延び、高圧側フィン61よりも低圧側X2に配置される。
[構成1−3]第1部材10のY2側の面のうち、高圧側フィン61の低圧側X2の面(高圧側フィン側面61b)から低圧側フィン62の高圧側X1の面(低圧側フィン側面62a)までをつなぐ部分(面80)は、次のように構成される。面80は、対向方向Yおよび流れ方向Xのそれぞれに直交する方向(直交方向Z)から見たとき、直線状または弧状である。
上記[構成1−1]では、高圧側フィン61と低圧側フィン62との間、かつ、高圧側段部51よりもY1側の空間に渦V1が形成されやすい。また、段差部50と低圧側フィン62との間、かつ、高圧側段部51よりもY2側の空間に渦V2が形成されやすい。ここで、上記[構成1−2]により、高圧側段部51に沿って低圧側X2に流れる流体は、突起70に当たる。すると、この流体は、低圧側X2に流れながら、Y1側に流れる(流れf70となる)。よって、突起先端部70tの近傍から低圧側X2に流れる流体が、Y2側よりもY1側に流れやすく、渦V1を形成しやすい。よって、突起70が設けられない場合に比べ、渦V1の流量および流速を増やすことができる。よって、渦V1による流体間摩擦を増やすことができ、流体のエネルギー損失(摩擦損失)を増やすことができる。よって、ラビリンスシール40での流体の漏れ量を抑制できる。
また、上記[構成1−2]により、渦V2を大きくできる。さらに詳しくは、突起70が設けられない場合、渦V2のY1側端部の対向方向Y位置は、例えば、高圧側段部51の対向方向Y位置とほぼ同じ位置となる。一方、本実施形態では、渦V2のY1側端部の対向方向Y位置が、高圧側段部51の対向方向Y位置よりもY1側になりやすく、例えば、突起先端部70tの対向方向Y位置とほぼ同じ位置になる。このように渦V2を大きくできるので、渦V2による流体間摩擦を増やすことができ、流体のエネルギー損失(摩擦損失)を増やすことができる。よって、ラビリンスシール40での流体の漏れ量を抑制できる。
また、上記[構成1−3]により、例えば段差などが面80にある場合に比べ、渦V1が面80に沿って流れやすい。よって、渦V1による流体間摩擦を増やすことができ、流体のエネルギー損失(摩擦損失)を増やすことができる。よって、ラビリンスシール40での流体の漏れ量を抑制できる。
(第4の発明の効果)
[構成4]第2部材20は、第1部材10に対して、流れ方向Xに延びる回転軸を中心に回転可能である。
上記[構成4]の構造を備える流体機械1に、ラビリンスシール40を適用可能である。
(第6の発明の効果)
[構成6]第2部材20は、第1部材10に対して、流れ方向Xに直交する方向(例えば対向方向Yなど)に延びる回転軸を中心に回転可能である。
上記[構成6]の構造を備える流体機械1に、ラビリンスシール40を適用可能である。
(第2実施形態)
図2を参照して、第2実施形態のラビリンスシール240について、第1実施形態(図1参照)との相違点を説明する。なお、第2実施形態のラビリンスシール240のうち、第1実施形態との共通点については、第1実施形態と同一の符号を付し、説明を省略した(共通点の説明を省略する点については他の実施形態の説明も同様)。相違点は、突起270の位置である。
突起270は、高圧側段部51の最も低圧側X2の部分に設けられる。突起低圧側側面70bの流れ方向X位置は、段差部50の流れ方向X位置と同じ位置である。突起低圧側側面70bは、段差部50と連続するように(面一に)配置される。図1に示す例に比べ、図2に示す突起高圧側側面70aは、低圧側X2に配置される。
(流体の流れ)
第1実施形態(図1参照)での流体の流れに対する、本実施形態での流体の流れの相違点は次の通りである。高圧側段部51に沿って低圧側X2に流れる流体は、第1実施形態よりも低圧側X2の位置で、突起270の突起高圧側側面70aに当たる。よって、流れf70を、より低圧側X2の位置(より渦V1の流れに沿いやすい位置)で、渦V1に合流させることができる。よって、渦V1の流量および流速を増やすことができる。
渦V2は、低圧側段部52に沿って高圧側X1に流れ、段差部50に当たり、段差部50および突起低圧側側面70bに沿ってY1側に流れる。よって、渦V2が、突起低圧側側面70bに沿って流れない場合(図1参照)に比べ、渦V2の流量および流速を増やすことができる。
図2に示すラビリンスシール240による効果は次の通りである。
(第2の発明の効果)
[構成2]突起270は、高圧側段部51の最も低圧側X2の部分に設けられる。
上記[構成2]により、渦V2が、段差部50、および突起270の突起高圧側側面70aに沿って流れやすい。よって、渦V2の流量および流速を増やすことができる。よって、渦V2による流体間摩擦を増やすことができ、流体のエネルギー損失を増やすことができる。よって、ラビリンスシール240での流体の漏れ量をより抑制できる。
上記[構成2]により、次の効果が得られてもよい。上記[構成2]により、突起270の突起高圧側側面70aを、より低圧側X2に配置しやすい。よって、流れf70を、より低圧側X2の位置(より渦V1の流れに沿いやすい位置)で、渦V1に合流させることができる。よって、渦V1の流量および流速をより増やすことができ、渦V1による流体間摩擦をより増やすことができ、流体のエネルギー損失をより増やすことができる。よって、ラビリンスシール240での流体の漏れ量をより抑制できる。
(第3実施形態)
図3を参照して、第3実施形態のラビリンスシール340について、第2実施形態(図2参照)との相違点を説明する。相違点は、低圧側フィン362の配置である。
低圧側フィン362では、低圧側フィン先端部62tは、低圧側フィン362のY1側の端部(基部、根本部分)よりも高圧側X1に配置される。低圧側フィン362の低圧側フィン側面362aのY2側端部は、低圧側フィン側面362aのY1側端部よりも、高圧側X1に配置される。例えば、低圧側フィン側面362aは、Y2側ほど高圧側X1に配置されるように、対向方向Yに対して傾斜する。低圧側フィン側面362aのうち、突起先端部70tの近傍から低圧側X2に流れる流体が当たる部分は、上記のように対向方向Yに対して傾斜する。例えば、低圧側フィン側面362aの全体が、上記のように対向方向Yに対して傾斜してもよい。
(流体の流れ)
第2実施形態(図2参照)での流体の流れに対する、本実施形態での流体の流れの相違点は次の通りである。突起先端部70tの近傍から低圧側X2に流れる流体は、低圧側フィン側面362aに当たる。このとき、低圧側フィン362の低圧側フィン先端部62tは、低圧側フィン362のY2側端部よりも高圧側X1に配置されるので、この流体は、Y2側よりもY1側に流れやすい。また、低圧側フィン側面362aは、Y2側ほど高圧側X1に配置されるように、対向方向Yに対して傾斜しているので、この流体は、Y2側よりもY1側に流れやすい。よって、渦V1の流量および流速を増やすことができる。また、渦V1から渦V2に分岐する流量を減らせるので、渦V2から漏れ流れf11に分岐する流量を減らせる。
図3に示すラビリンスシール340による効果は次の通りである。
(第3の発明の効果)
[構成3]低圧側フィン362のY2側の端部(低圧側フィン先端部62t)は、低圧側フィン362のY1側の端部よりも高圧側X1に配置される。
上記[構成3]により、低圧側フィン362に向かって低圧側X2に流れる流体が、Y1側に流れやすい。よって、渦V1の流量および流速をより増やすことができ、渦V1による流体間摩擦をより増やすことができ、流体のエネルギー損失をより増やすことができる。よって、ラビリンスシール340での流体の漏れ量をより抑制できる。また、低圧側フィン362に向かって低圧側X2に流れる流体が、Y2側に流れにくい。よって、低圧側フィン先端部62tと低圧側段部52との間から流体が漏れにくい。よって、ラビリンスシール340での流体の漏れ量をより抑制できる。
(第4実施形態)
図4を参照して、第4実施形態のラビリンスシール440について、第3実施形態(図3参照)との相違点を説明する。相違点は、高圧側段部51からの突起470の高さなどである。
流体機械1は、回転機械である。第1部材10および第2部材20のうち一方は静止体であり、他方は回転体である。第2部材20は、第1部材10に対して(相対的に)、流れ方向Xに延びる回転軸を中心に回転可能である。段差部50、高圧側フィン61、低圧側フィン362、および突起470のそれぞれは、流れ方向Xに延びる回転軸を中心とする環状である。高圧側段部51および低圧側段部52は、流れ方向Xに延びる回転軸を中心とする円筒状である。
例えば、第1部材10が円筒状の部材(静止体)であり、第2部材20が第1部材10よりも小径の小径部材(例えば円柱などの回転体)である。また、例えば、第2部材20が円筒状の部材(静止体)であり、第1部材10が第2部材20よりも小径の小径部材(例えば円柱などの回転体)でもよい。
突起470の突起先端部470tは、高圧側フィン先端部61tよりも、Y2側に配置される。突起470の対向方向Yにおける長さ(高圧側段部51からの高さ)は、高圧側フィン先端部61tと高圧側段部51との対向方向Yにおける間隔(クリアランス)よりも小さい。
(組み立て)
第1部材10と第2部材20との組み立て(組み付け)は、次のように行われる。第1部材10に高圧側フィン61および低圧側フィン362が設けられた状態、かつ、第2部材20に段差部50および突起470が設けられた状態とされる。その後、第1部材10に対して第2部材20を、流れ方向X(回転軸の方向)に移動(相対移動)させる。このとき、円筒状の部材(例えば第1部材10)に、小径部材(例えば第2部材20)が差し込まれる。すなわち、円筒状の部材が、小径部材の径方向外側に送り込まれる。すると、突起470は、高圧側フィン61よりも高圧側X1から、高圧側フィン61よりも低圧側X2に、高圧側フィン61よりもY2側の位置(径方向内側または径方向外側の位置)で移動する。そして、突起470が、高圧側フィン61と低圧側フィン362との流れ方向Xにおける間の所定位置に配置される。この組み立てでは、第1部材10を分割する必要がなく、第2部材20を分割する必要がない。よって、第1部材10と第2部材20とを容易に組み立てできる。
なお、図1に示す突起先端部70tが高圧側フィン先端部61tよりもY1側に配置される場合など、上記の組み立てができない場合がある。この場合は、第1部材10および第2部材20の少なくともいずれかが、複数に分割される。そして、第1部材10と第2部材20とが組み合わされた(はめ込まれた)後、分割された部分が結合(固定)される。
図4に示すラビリンスシール440による効果は次の通りである。
(第5の発明の効果)
[構成5]ラビリンスシール440は、上記[構成4]を備える。突起470のY1側端部(突起先端部470t)は、高圧側フィン61のY2側の端部(高圧側フィン先端部61t)よりも、Y2側に配置される。
ラビリンスシール440は、上記[構成5]を備える。よって、第1部材10に対して第2部材20を流れ方向X(回転軸の方向)に移動させると、突起470を、高圧側フィン61よりも高圧側X1から、高圧側フィン61よりも低圧側X2に、高圧側フィン61よりもY2側の位置で、移動させることができる。よって、第1部材10と第2部材20との組み立てを行う際に、第1部材10を分割する必要がなく、第2部材20を分割する必要がない。よって、第1部材10と第2部材20との組み立てを容易に行える。ここで、突起470を設けなければ、第1部材10と第2部材20とを容易に組み立てることはできるが、流体の漏れ量が多くなるおそれがある。一方、本実施形態では、突起470によって流体の漏れ量を抑制でき、かつ、第1部材10と第2部材20を容易に組み立てできる。
(第5実施形態)
図5を参照して、第5実施形態のラビリンスシール構造530について、第4実施形態(図4参照)などとの相違点を説明する。ラビリンスシール構造530は、流れ方向に連続して配置されるラビリンスシール540を備える。
複数のラビリンスシール540のそれぞれは、第1〜第4実施形態、および、後述する第6〜第10実施形態のいずれかのラビリンスシールである。ラビリンスシール540の数は、複数である。例えば、図5に示す例では、4つのラビリンスシール540のそれぞれは、図4に示す第4実施形態のラビリンスシール440とほぼ同じ構造である。
図5に示すように、流れ方向Xに隣り合うラビリンスシール540のうち、高圧側X1に配置されるものをラビリンスシール540−1、低圧側X2に配置されるものをラビリンスシール540−2とする。高圧側X1のラビリンスシール540−1の低圧側フィン362は、低圧側X2のラビリンスシール540−2の高圧側フィン61と兼用される。高圧側X1のラビリンスシール540−1の面80は、低圧側X2のラビリンスシール540の面80に対してY1側に配置される。その結果、第1部材10のY2側部分は、階段状である。なお、第1部材10は、階段状でなくてもよい。ラビリンスシール540が複数設けられる結果、段差部50が複数設けられる。その結果、第2部材20のY1側部分は、階段状である。
図5に示すラビリンスシール構造530による効果は次の通りである。
(第8の発明の効果)
[構成8]ラビリンスシール構造530は、ラビリンスシール540が、流れ方向Xに連続して配置されるものである。
上記[構成8]により、ラビリンスシール540が1つのみ設けられる場合に比べ、ラビリンスシール構造530での流体の流路を長くできる。よって、流体のエネルギー損失(摩擦損失)をより増やすことができる。よって、ラビリンスシール構造530での流体の漏れ量をより抑制できる。
(第6実施形態)
図6を参照して、第6実施形態のラビリンスシール640について、主に第4実施形態(図4参照)との相違点を説明する。相違点は、低圧側フィン662などの形状である。
低圧側フィン662の低圧側フィン側面662aは、直交方向Zから見たとき、低圧側X2およびY2側に凸の弧状である。上記「弧状」は、円弧状でもよく、略円弧状でもよく、楕円弧状でもよく、略楕円弧状でもよい(他の「弧状」についても同様)。直交方向Zから見たとき、低圧側フィン側面662aの、一部が弧状でもよく、全体が弧状でもよい。直交方向Zから見たとき、低圧側フィン662は、低圧側X2およびY2側に凸の弧状である。
なお、図6では、ラビリンスシール640が流れ方向Xに連続する場合を図示した。その結果、高圧側フィン61は、低圧側フィン662と同じ形状(弧状)である。一方、例えばラビリンスシール640が流れ方向Xに連続していない場合などには、高圧側フィン61の形状は、低圧側フィン662の形状と相違してもよい(以下の実施形態も同様)。
(流体の流れ)
第4実施形態(図4参照)での流体の流れに対する、本実施形態での流体の流れの相違点は次の通りである。渦V1は、低圧側フィン側面662aに沿って流れる。直交方向Zから見たとき、図4に示すように低圧側フィン側面362aが直線状の場合に比べ、図6に示す低圧側フィン側面662aは、渦V1の流れに沿った形状である。よって、渦V1の流量および流速を増やすことができる。よって、渦V1による流体間摩擦を増やすことができ、流体のエネルギー損失を増やすことができる。よって、ラビリンスシール640での流体の漏れ量をより抑制できる。
(第7実施形態)
図7を参照して、第7実施形態のラビリンスシール740について、第4実施形態(図4参照)との相違点を説明する。相違点は、第1部材10の面780の形状である。
面780は、直交方向Zから見たとき、弧状である(「弧状」の詳細は第6実施形態の説明を参照)。直交方向Zから見たとき、面780は、Y1側に凸の弧状である。
(流体の流れ)
第4実施形態(図4参照)での流体の流れに対する、本実施形態での流体の流れの相違点は次の通りである。渦V1は、面780に沿って流れる。直交方向Zから見たとき、図4に示すように面80が直線状の場合に比べ、図7に示す面780は、渦V1の流れに沿った形状である。よって、渦V1の流量および流速を増やすことができる。よって、渦V1による流体間摩擦を増やすことができ、流体のエネルギー損失を増やすことができる。よって、ラビリンスシール640での流体の漏れ量をより抑制できる。
なお、直交方向Zから見たとき、面780は、Y2側に凸の弧状でもよい。
(第8実施形態)
図8を参照して、第8実施形態のラビリンスシール840について、第4実施形態(図4参照)との相違点を説明する。相違点は、段差部850および突起870の形状である。
段差部850は、Y1側ほど高圧側X1に配置されるように、対向方向Yに対して傾斜する。突起870は、突起高圧側側面870aと、突起低圧側側面870bと、を備える。突起高圧側側面870aは、Y1側ほど低圧側X2に配置されるように、対向方向Yに対して傾斜する。突起低圧側側面870bは、Y1側ほど高圧側X1に配置されるように、対向方向Yに対して傾斜する。突起低圧側側面870bは、段差部850と連続するように配置される。突起低圧側側面870bおよび段差部850は、直交方向Zから見たとき、直線状に連続してもよく、曲線状に連続してもよい。
(流体の流れ)
第4実施形態(図4参照)での流体の流れに対する、本実施形態での流体の流れの相違点を説明する。渦V2は、低圧側段部52に沿って高圧側X1に流れ、段差部850に当たり、Y1側に向きを変える。このとき、段差部850が、Y1側ほど低圧側X2に配置されるように、対向方向Yに対して傾斜するので、流体がY1側を向きやすい。よって、渦V2の流量および流速を増やすことができる。よって、渦V2による流体間摩擦を増やすことができ、流体のエネルギー損失を増やすことができる。よって、ラビリンスシール840での流体の漏れ量をより抑制できる。
なお、上記のように対向方向Yに対する傾斜が段差部850に設けられる場合に、対向方向Yに対する傾斜が突起高圧側側面870aおよび突起低圧側側面870bの少なくともいずれかに設けられなくてもよい。また、上記のように対向方向Yに対する傾斜が段差部850に設けられる場合に、段差部850と突起低圧側側面870bとが連続していなくてもよい。
(第9実施形態)
図9を参照して、第9実施形態のラビリンスシール940について、第8実施形態(図8参照)などとの相違点を説明する。相違点は、段差部950の形状である。
段差部950は、直交方向Zから見たとき、高圧側X1およびY2側に凸の弧状である。段差部950は、低圧側段部52と突起低圧側側面70bとを連続的に(滑らかに)つなぐような形状である。直交方向Zから見たとき、段差部950の全体が弧状でもよく、段差部950の一部のみが弧状でもよい。なお、図9に示す例では、突起470は、第4実施形態(図4参照)と同様に構成される。
(流体の流れ)
第8実施形態(図8参照)での流体の流れに対する、本実施形態での流体の流れの相違点を説明する。渦V2は、低圧側段部52に沿って高圧側X1に流れ、段差部950に当たる。直交方向Zから見たとき、図8に示すように段差部850が直線状の場合に比べ、図9に示す段差部950は、渦V2の流れに沿った形状である。よって、渦V2の流量および流速を増やすことができる。よって、渦V2による流体間摩擦を増やすことができ、流体のエネルギー損失を増やすことができる。よって、ラビリンスシール940での流体の漏れ量をより抑制できる。
なお、段差部950と同様に、突起低圧側側面70bも、直交方向Zから見たときに高圧側X1に凸の弧状でもよい。直交方向Zから見たときに、段差部950と突起低圧側側面70bとが連続した弧状である場合は、渦V2の流量および流速をより増やすことができる。
(比較)
図10に示す例1の構造A、および図11に示す例2のラビリンスシール構造1030について、流体の漏れ量を比較した。図10に示すように、例1の構造Aは、構造Bが流れ方向Xに連続して配置されたものである。構造Bは、図1に示す第1実施形態のラビリンスシール40から突起70が省略されたものである。図11に示すように、例2のラビリンスシール構造1030は、ラビリンスシール1040が流れ方向Xに連続して配置されたものである。図4に示す第4実施形態のラビリンスシール440に対する、図10に示すラビリンスシール1040の主な相違点は次の通りである。最も高圧側X1の高圧側フィン61は、Y2側ほど高圧側X1に配置されるように対向方向Yに対して傾斜する。高圧側フィン61および低圧側フィン362の厚さは、先端側(Y2側)ほど薄くなる。段差部850、および突起870は、第8実施形態(図8参照)と同様に構成される。なお、突起870の突起高圧側側面70a(図4参照)は、第4実施形態(図4参照)と同様に構成される。面80は、低圧側X2ほどY2側に配置されるように、流れ方向Xに対して傾斜する。
図12に結果を示す。図12に示すグラフでは、漏れ量(質量流量)を無次元化した。具体的には、例1における漏れ量を1とした。図12に示すように、例1に比べ、例2では、漏れ量を15%以上低減できた。
(段差部50の高さと、低圧側フィン62の隙間と、の関係)
図13に示すラビリンスシール40について、段差部50の高さ(h)と、低圧側フィン62の隙間(c)と、の関係は次のようになった。なお、図13に示すラビリンスシール40は、図1に示すものと同じラビリンスシール40である。
対向方向Yにおける段差部50の高さをhとする。さらに詳しくは、hは、段差部50と低圧側段部52との境界から、段差部50と高圧側段部51との境界までの、対向方向Yにおける長さである。なお、図2に示すように、突起270が、高圧側段部51の最も低圧側X2の部分に設けられる場合などには、段差部50と高圧側段部51との境界の位置が不明となる場合がある。この場合、hは、突起70と高圧側段部51との境界から、段差部50と低圧側段部52との境界までの、対向方向Yにおける長さとする。また、図8に示すように、段差部850が対向方向Yに対して傾斜する場合、および、図9に示すように、直交方向Zから見たときに段差部950が弧状の場合などにも、hは、上記と同様に定義される。図13に示すように、低圧側フィン先端部62t(低圧側フィン62のY2側の端部)と、低圧側段部52と、の対向方向Yにおける隙間の大きさをcとする。
上記のようにhおよびcを定義したとき、ラビリンスシール40での流体の漏れ量と、h/cと、の関係は、図14に示すようになった。この結果は、CFD(Computational Fluid Dynamics)解析により得られた。h/cが0の場合に比べ、すなわち段差部50(図13参照)が設けられない場合に比べ、0<h/c<2.2、の範囲で、ラビリンスシール40(図13参照)での流体の漏れ量が低減された。h/cは、0.2以上がさらに好ましく、0.4以上がさらに好ましく、0.6以上がさらに好ましく、0.7以上がさらに好ましい。h/cは、2.0以下がさらに好ましく、1.8以下がさらに好ましく、1.6以下がさらに好ましく、1.4以下がさらに好ましく、1.2以下がさらに好ましく、1.1以下がさらに好ましく、1.0以下がさらに好ましい。なお、h/cが2.2以上の場合でも、図13に示す突起70が設けられない場合と比べると、ラビリンスシール40での流体の漏れ量を低減できる。
(第7の発明の効果)
[構成7]図14に示すように、対向方向Yにおける段差部50の高さをhとする。低圧側フィン62のY2側の端部(低圧側フィン先端部62t)と、低圧側段部52と、の対向方向Yにおける隙間の大きさをcとする。このとき、0<h/c<2.2、である。
上記[構成7]により、h/cが0である場合(具体的には、段差部50が設けられない場合)に比べ、ラビリンスシール40での流体の漏れ量を抑制できる。
(変形例)
上記実施形態は様々に変形されてもよい。例えば、互いに異なる実施形態の構成要素どうしが組み合わされてもよい。例えば、各構成要素の配置や形状が変更されてもよい。例えば、構成要素の数が変更されてもよく、構成要素の一部が設けられなくてもよい。
例えば、図7に示す第7実施形態の、直交方向Zから見て弧状の面780が、第1〜第6、第8、および第9実施形態に適用されてもよい。例えば、図1に示すように、対向方向Yと一致する方向に延びる低圧側フィン62が、第3、第5、第7〜第9実施形態に適用されてもよい。
1 流体機械
10 第1部材
20 第2部材
25 隙間
40、240、340、440、540、540−1、540−2、640、740、840、940、1040 ラビリンスシール
50、850、950 段差部
51 高圧側段部
52 低圧側段部
61 高圧側フィン
62、362、662 低圧側フィン
70、270、470、870 突起
80、780 面
530、1030 ラビリンスシール構造
X 流れ方向
X1 高圧側
X2 低圧側
Y 対向方向
Y1 対向方向第1側
Y2 対向方向第2側

Claims (8)

  1. 第1部材と、
    前記第1部材に対向する第2部材と、
    前記第1部材と前記第2部材との間に形成され、前記第1部材と前記第2部材とが対向する方向に直交する方向である流れ方向の高圧側から低圧側に流体が流れるように構成される隙間と、
    を備える流体機械に設けられるラビリンスシールであって、
    前記第1部材と前記第2部材とが対向する方向を対向方向とし、
    対向方向において前記第2部材から前記第1部材に向かう側を対向方向第1側とし、
    対向方向において前記第1部材から前記第2部材に向かう側を対向方向第2側とし、
    前記第2部材の対向方向第1側部分に形成される段差部と、
    前記第2部材の対向方向第1側部分を構成し、前記段差部よりも高圧側に配置される高圧側段部と、
    前記第2部材の対向方向第1側部分を構成し、前記段差部よりも低圧側に配置され、前記高圧側段部よりも対向方向第2側に配置される低圧側段部と、
    前記第1部材から前記高圧側段部に向かって延び、前記段差部よりも高圧側に配置される高圧側フィンと、
    前記第1部材から前記低圧側段部に向かって延び、前記段差部よりも低圧側に配置される低圧側フィンと、
    前記高圧側段部から対向方向第1側に延び、前記高圧側フィンよりも低圧側に配置される突起と、
    を備え、
    前記第1部材の対向方向第2側の面のうち、前記高圧側フィンの低圧側の面から前記低圧側フィンの高圧側の面までをつなぐ部分は、対向方向および流れ方向のそれぞれに直交する方向から見たとき、直線状または弧状である、
    ラビリンスシール。
  2. 請求項1に記載のラビリンスシールであって、
    前記突起は、前記高圧側段部の最も低圧側の部分に設けられる、
    ラビリンスシール。
  3. 請求項1または2に記載のラビリンスシールであって、
    前記低圧側フィンの対向方向第2側の端部は、前記低圧側フィンの対向方向第1側の端部よりも高圧側に配置される、
    ラビリンスシール。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のラビリンスシールであって、
    前記第2部材は、前記第1部材に対して、流れ方向に延びる回転軸を中心に回転可能である、
    ラビリンスシール。
  5. 請求項4に記載のラビリンスシールであって、
    前記突起の対向方向第1側の端部は、前記高圧側フィンの対向方向第2側の端部よりも、対向方向第2側に配置される、
    ラビリンスシール。
  6. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のラビリンスシールであって、
    前記第2部材は、前記第1部材に対して、前記流れ方向に直交する方向に延びる回転軸を中心に回転可能である、
    ラビリンスシール。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のラビリンスシールであって、
    対向方向における前記段差部の高さをhとし、
    前記低圧側フィンの対向方向第2側の端部と、前記低圧側段部と、の対向方向における隙間の大きさをcとしたとき、
    0<h/c<2.2
    である、
    ラビリンスシール。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載のラビリンスシールが、流れ方向に連続して配置される、
    ラビリンスシール構造。
JP2018074803A 2017-09-07 2018-04-09 ラビリンスシール構造 Active JP6975672B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US16/110,889 US20190072185A1 (en) 2017-09-07 2018-08-23 Labyrinth seal and labyrinth seal structure
KR1020180105226A KR102244406B1 (ko) 2017-09-07 2018-09-04 래비린스 시일 및 래비린스 시일 구조
DE102018121617.3A DE102018121617B4 (de) 2017-09-07 2018-09-05 Labyrinthdichtung und Labyrinthdichtungsaufbau

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017172456 2017-09-07
JP2017172456 2017-09-07

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019049346A true JP2019049346A (ja) 2019-03-28
JP6975672B2 JP6975672B2 (ja) 2021-12-01

Family

ID=65904937

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018074803A Active JP6975672B2 (ja) 2017-09-07 2018-04-09 ラビリンスシール構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6975672B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020186657A (ja) * 2019-05-10 2020-11-19 株式会社神戸製鋼所 圧縮空気貯蔵発電装置
JP6808872B1 (ja) * 2020-04-28 2021-01-06 三菱パワー株式会社 シール装置及び回転機械
WO2021199992A1 (ja) 2020-03-31 2021-10-07 川崎重工業株式会社 ラビリンスシール及びガスタービン
WO2021199993A1 (ja) 2020-03-31 2021-10-07 川崎重工業株式会社 ラビリンスシール及びガスタービン
JP7345994B2 (ja) 2020-05-19 2023-09-19 株式会社神戸製鋼所 ラビリンスシール、ラビリンスシール構造、および流体機械

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1151200A (ja) * 1997-08-06 1999-02-23 Mitsubishi Heavy Ind Ltd ラビリンスシール
JP2002106721A (ja) * 2000-09-29 2002-04-10 Toyo Radiator Co Ltd ラビリンスシール構造
JP2002228014A (ja) * 2001-02-05 2002-08-14 Mitsubishi Heavy Ind Ltd ラビリンスシール
JP2008002576A (ja) * 2006-06-22 2008-01-10 Hitachi Ltd シール装置
JP2011237033A (ja) * 2010-05-11 2011-11-24 General Electric Co <Ge> 湾曲ラビリンス・シール

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1151200A (ja) * 1997-08-06 1999-02-23 Mitsubishi Heavy Ind Ltd ラビリンスシール
JP2002106721A (ja) * 2000-09-29 2002-04-10 Toyo Radiator Co Ltd ラビリンスシール構造
JP2002228014A (ja) * 2001-02-05 2002-08-14 Mitsubishi Heavy Ind Ltd ラビリンスシール
JP2008002576A (ja) * 2006-06-22 2008-01-10 Hitachi Ltd シール装置
JP2011237033A (ja) * 2010-05-11 2011-11-24 General Electric Co <Ge> 湾曲ラビリンス・シール

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020186657A (ja) * 2019-05-10 2020-11-19 株式会社神戸製鋼所 圧縮空気貯蔵発電装置
US11952941B2 (en) 2019-05-10 2024-04-09 Kobe Steel, Ltd. Compressed air energy storage power generation device
WO2021199992A1 (ja) 2020-03-31 2021-10-07 川崎重工業株式会社 ラビリンスシール及びガスタービン
WO2021199993A1 (ja) 2020-03-31 2021-10-07 川崎重工業株式会社 ラビリンスシール及びガスタービン
JP6808872B1 (ja) * 2020-04-28 2021-01-06 三菱パワー株式会社 シール装置及び回転機械
JP2021173367A (ja) * 2020-04-28 2021-11-01 三菱パワー株式会社 シール装置及び回転機械
US11927112B2 (en) 2020-04-28 2024-03-12 Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. Sealing device and rotary machine
JP7345994B2 (ja) 2020-05-19 2023-09-19 株式会社神戸製鋼所 ラビリンスシール、ラビリンスシール構造、および流体機械

Also Published As

Publication number Publication date
JP6975672B2 (ja) 2021-12-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR102244406B1 (ko) 래비린스 시일 및 래비린스 시일 구조
JP6975672B2 (ja) ラビリンスシール構造
US10316679B2 (en) Seal structure and rotating machine
JP6266197B2 (ja) タービンエンジンシール
JP5972374B2 (ja) 軸流流体機械
KR102218269B1 (ko) 래비린스 시일
WO2017006678A1 (ja) ラビリンスシール
WO2015133313A1 (ja) シール構造、及び回転機械
CN109812493A (zh) 空气箔片径向轴承
JP2016079904A (ja) ラビリンスシール、遠心圧縮機及び過給機
JP6665043B2 (ja) ラビリンスシール
JP2017160860A (ja) ターボ機械
US20200040752A1 (en) Seal device and turbomachine
JP2015001180A (ja) 軸流タービン
JP2014152696A (ja) ラビリンスシール装置、およびそれを用いたターボ機械
JP6817170B2 (ja) ラビリンスシール、およびラビリンスシール構造
JP6824862B2 (ja) ラビリンスシール、および、ラビリンスシール構造
JP6654453B2 (ja) ラビリンスシール
JP7345994B2 (ja) ラビリンスシール、ラビリンスシール構造、および流体機械
JP7225076B2 (ja) ラビリンスシール
JP6638938B2 (ja) 回転機械
WO2021199993A1 (ja) ラビリンスシール及びガスタービン
JP2016183605A (ja) 排気タービン装置及び過給機

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20201130

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210806

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210817

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20211001

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20211102

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20211108

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6975672

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150