JP2016183605A - 排気タービン装置及び過給機 - Google Patents

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文人 平谷
Fumito Hiratani
文人 平谷
横山 隆雄
Takao Yokoyama
隆雄 横山
康弘 和田
Yasuhiro Wada
康弘 和田
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Abstract

【課題】簡単かつ低コストな構成で、タービンホイール背面とこれに対面する静止壁面との間に形成される隙間から漏洩する排気ガスの量を抑制する。【解決手段】本発明に係る排気タービン装置は、回転軸の一端部に設けられ、周方向に複数のタービンブレードを有するタービンホイールと、該タービンホイールの背面と対面して配置される静止壁面とを備えたタービン装置であって、該タービンホイールは、その背面で、該タービンホイールの外周縁端を通過し且つ該タービンホイールの半径方向に沿って延伸する径方向線よりも該タービンホイールの先端側に凹んで形成され、該タービンホイールを前記回転軸線に沿った断面視において、平坦状に形成される棚面を有する凹み部を含み、該静止壁面は、該棚面と対面し、該棚面に向かって突出するシールフィンを有するラビリンスシール部を含むように構成される。【選択図】図1

Description

本開示は、排気タービン装置及び該排気タービン装置を備えた過給機に関する。
斜流タービン又はラジアルタービンのように、排気ガスが回転軸と交差する方向からタービンホイールに流入する排気タービンにおいて、レスポンス性を良くするために、タービンホイール背面の肉厚を低減し、タービンホイールのイナーシャ(慣性モーメント)を低減することが行われる。
しかし、回転軸に近い内径側領域の肉厚を低減させると、タービンホイールの強度が低下する。そのため、イナーシャの低減と強度確保とが両立する背面形状としては、外径側領域の肉厚を薄く、内径側領域の肉厚を厚くすることが考えられる。
一方、排気タービンを有する過給機では、タービンブレードの入口に高温高圧の排気が導入される。タービンホイール背面とこれに対面する静止壁面との間に形成される隙間から排気ガスが漏れると、タービン効率が低下すると共に、タービンハウジングに隣接した軸受ハウジングの内部に収容された軸受に高温の漏洩ガスが流入し、該軸受に供給される潤滑油を炭化させるおそれがある。そのため、上述した隙間を小さくし、隙間から漏れる排気ガスの流量を出来るだけ少なくする必要がある。
特許文献1には、外径側領域の肉厚を薄く、内径側領域の肉厚を厚くした背面形状を有するタービンホイールを備える排気タービン装置において、タービンホイール背面とこれに対面する静止壁面との間に形成される隙間を、タービンホイールの径方向の全体に亘って小さく形成した構成が開示されている。
特開2004−183653号公報
仮にタービンホイール背面と静止壁面とが接触すると、タービン出力の一部が損失として失われてしまうほか、排気タービンの破損の原因ともなる。よって、タービンホイール背面と静止壁面とが接触しないように、それらの間の隙間は厳密に管理される必要がある。しかしながら、特許文献1に開示されたタービンホイールのように、タービンホイール背面と静止壁面との間に形成される隙間を、タービンホイールの径方向の全体に亘って小さく形成すると、タービンホイール背面及び静止壁面の両方を径方向の全体に亘って高い精度で加工する必要があり、製造コストが増加するという問題がある。
本発明の少なくとも一実施形態は、上述した従来技術の課題に鑑みなされたものであって、その目的とするところは、簡単かつ低コストな構成で、タービンホイール背面とこれに対面する静止壁面との間に形成される隙間から漏洩する排気ガスの量を抑制することが出来る排気タービン装置、及びこれを備える過給機を提供することにある。
(1)本発明の少なくとも一実施形態に係る排気タービン装置は、
回転軸と、
前記回転軸の一端部に設けられるタービンホイールであって、前記タービンホイールの周方向に間隔を置いて設けられる複数のタービンブレードを有するタービンホイールと、
前記タービンホイールの背面と対面して配置される静止壁面と、を備え、
前記回転軸の回転軸線と交差する方向から前記タービンブレードに排気ガスが流入するように構成される排気タービン装置であって、
前記タービンホイールは、前記タービンホイールの背面において、前記タービンホイールの外周縁端を通過し且つ前記タービンホイールの半径方向に沿って延伸する径方向線よりも前記タービンホイールの先端側に凹んで形成される凹み部であって、前記回転軸線に沿った断面視において平坦状に形成される棚面を有する凹み部を含み、
前記静止壁面は、前記棚面と対面する位置にラビリンスシール部を形成するシールフィンを含むように構成される。
前記構成(1)によれば、タービンホイールの背面に平坦状の棚面を形成し、静止壁面における上記棚面と対面する位置にシールフィンを形成することで所謂ラビリンスシールを構成し、これによりタービンホイール背面の流れをシールしている。従って、特許文献1のように、上記隙間をタービンホイールの半径方向全体に亘って小さく形成する必要がなく、簡単かつ低コストな構成で、タービンホイール背面のシール性を向上できる。
これによって、排気ガスの漏洩に伴うタービン効率の低下と、軸受ハウジングの内部に収容された軸受に供給される潤滑油の炭化を抑制できる。
(2)幾つかの実施形態では、前記構成(1)において、
前記凹み部は、第1の棚面と、前記第1の棚面よりも前記回転軸線に対して近い位置に形成される第2の棚面と、の2つの前記棚面を有し、
前記静止壁面は、前記第1の棚面と前記第2の棚面それぞれに対面する位置にラビリンスシールを形成するシールフィンを有する。
前記構成(2)によれば、前記第1の棚面に対面するシールフィンと前記第2の棚面に対面するシールフィンとの間に画定される膨張空間が、タービンホイールの半径方向に沿って延在するように形成される。この膨張空間内にある気体には、タービンホイールの回転に伴って半径方向外側に向かって遠心力が作用するため、この遠心力の作用により、排気ガスが膨張空間内を半径方向外側から内側に向かって流れるのを抑制することが出来る。これにより、タービンホイール背面からの排気ガスの漏洩を効果的に抑制できる。
(3)幾つかの実施形態では、前記構成(1)又は(2)において、
前記棚面は、
前記回転軸線に沿った断面視において、前記回転軸に対して平行な方向に沿うように形成される。
前記構成(3)によれば、上記棚面は回転軸線を中心線とする円筒形に形成されるので、該棚面の加工が容易になると共に、この棚面形状とすることで、タービンホイールの外径側領域の肉厚を薄く、かつ内径側領域の肉厚を厚くする背面形状の形成が容易になる。
(4)幾つかの実施形態では、前記構成(1)又は(2)において、
前記棚面は、
前記回転軸線に沿った断面視において、前記タービンホイールの先端側へ向かうにつれて前記回転軸線との距離が大きくなるように、前記回転軸線に対して傾斜するように形成される。
前記構成(4)によれば、隣接するシールフィンの間に画定される膨張空間が、回転軸線に対して傾斜する方向に沿って延在するように形成される。膨張空間内にある気体には、タービンホイールの回転に伴って半径方向外側に向かって遠心力が作用するため、この遠心力の作用により、排気ガスが膨張空間内を半径方向外側から内側に向かって流れるのを抑制することが出来る。これにより、タービンホイール背面からの排気ガスの漏洩を効果的に抑制できる。
(5)幾つかの実施形態では、前記構成(1)〜(4)の何れかにおいて、
前記ラビリンスシール部の前記シールフィンと前記棚面との間に形成される隙間の少なくとも一部は、前記タービンホイールの背面の外側先端縁と前記静止壁面との間に形成される隙間より小さくなるように構成されている。
前記構成(1)によれば、ラビリンスシール部のシールフィンと棚面との間に形成される隙間の少なくとも一部は、タービンホイール背面の外側先端縁と静止壁面との間に形成される隙間より小さくなるように構成されているので、タービンホイール背面からの排気ガスの漏洩を効果的に抑制できる。
(6)幾つかの実施形態では、前記構成(1)〜(5)の何れかにおいて、
前記排気タービン装置は斜流タービン又はラジアルタービンを備えている。
前記構成(6)によれば、前記構成(1)〜(5)の何れかの排気タービン装置が斜流タービン又はラジアルタービンを備えている場合に、タービンホイール背面からの排気ガスの漏洩を効果的に抑制できると共に、タービンホイールのイナーシャの低減及び強度確保を同時に達成できる。
(7)本発明の少なくとも一実施形態に係る過給機は、
前記構成(1)〜(6)の何れかの排気タービン装置を備えている。
前記構成(7)の過給機は、前記構成(1)〜(6)の何れかの排気タービン装置を備えるため、タービンホイール背面からの排気ガスの漏洩を効果的に抑制できると共に、タービンホイールのイナーシャの低減及び強度確保を同時に達成できる。
本発明の少なくとも一実施形態によれば、簡単かつ低コストな構成で、タービンホイールのイナーシャを増加させることなく、タービンホイール背面からの排気ガスの漏洩を抑制できる。これによって、タービン効率を高く維持できると共に、軸受に供給される潤滑油の炭化を防止でき、同時に、排気タービン装置のレスポンス性を容易に向上できる。
一実施形態に係る排気タービン装置の一部を示す側面視断面図である。 一実施形態に係る排気タービン装置の一部を示す側面視断面図である。 一実施形態に係る排気タービン装置の一部を示す側面視断面図である。 本発明者が本発明に至る過程で考えた排気タービン装置(非公開)の側面視断面図である。
以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載され又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一つの構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
本発明の一実施形態に係る排気タービン装置10(10A、10B、10C)は、図1〜図3に示すように、回転軸18と、回転軸18の一端部に設けられるタービンホイール16と、タービンホイール16の背面16aと対面して配置される静止壁24の壁面24aを備えている。タービンホイール16は、回転軸18の一端部に連結されるハブ19と、ハブ19の外周面に周方向に間隔を置いて放射状に設けられる複数のタービンブレード20とを有する。タービンホイール16は、タービンハウジング14の内部に収容され、回転軸18と共に、回転軸線Cを中心に回転するように構成される。
また、本発明の幾つかの実施形態に係る排気タービン装置10では、その排気タービン部12が、回転軸18の回転軸線Cと交差する方向からタービンブレード20に排気ガスが流入するように構成される。図1〜図3に示す実施形態では、排気タービン部12は、回転軸18の回転軸線Cと直交する方向からタービンブレード20に排気ガスが流入するように構成されるラジアルタービンとして構成される。
また、図1〜図3に示す実施形態では、静止壁24は、タービンハウジング14と隣接して配置される軸受ハウジングの一部を構成している。
なお、図1〜図3では、該軸受ハウジングに隣接して配置されるコンプレッサ部の図示は省略されている。
例示的な実施形態では、図1〜図3に示すように、タービンハウジング14は、渦巻き形状に形成されたスクロール部14aと、回転軸18の方向に排気ガスの出口通路を形成する出口ケーシング部14bとを有している。
スクロール部14aの出口には、タービンホイール16を周方向に囲むように複数のノズルベーン22が設けられている。内燃機関(不図示)から排出された排気ガスeは、スクロール部14aを通る間に加速され、スクロール部14aの出口に設けられた複数のノズルベーン22によって、タービンブレード20に流入する角度が規定される。
スクロール部14aからノズルベーン22の間を通ってタービンブレード20に流入した排気ガスeは、タービンブレード20に回転モーメントを付与した後、出口ケーシング部14bによって形成された流路を通って流出する。
図1〜図3に示すように、タービンホイール16の背面16aは、回転軸18の周囲に回転軸18と交差する方向に向けて形成されている。静止壁24の壁面24aが背面16aに対面して配置されている。背面16aには凹み部26が形成されている。
凹み部26は、タービンホイール16の外周縁端Aを通過し、且つタービンホイール16の半径方向に沿って延伸する径方向線Rよりもタービンホイール16の先端側に凹んで形成される。凹み部26は、回転軸線Cに沿った断面視において、平坦状に形成される棚面28(28a、28b、28c)を有する。
即ち、凹み部26は、回転軸18の周囲に環状に形成され、凹み部26に棚面28(28a、28b、28c)が環状に形成される。
図1〜図3に示すように、静止壁24の壁面24aには、棚面28(28a、28b、28c)に対面する位置に、ラビリンスシール部30(30a、30b、30c)が夫々形成される。ラビリンスシール部30(30a、30b、30c)は、棚面28(28a、28b、28c)に向かって突出する複数のシールフィン32と、隣接するシールフィンの間に画定される少なくとも一つの膨張空間34とを有する。
少なくとも一実施形態は、図1に示す排気タービン装置10Aのように、棚面28(28a)は、回転軸線Cに沿った断面視において、回転軸18に対して平行な方向に沿うように形成される。即ち、立体的には、棚面28(28a)は回転軸線Cと一致する中心軸を有する円柱形状に形成される。ラビリンスシール部30(30a)は、棚面28(28a)に対面するように配置される。
少なくとも一実施形態は、図2に示す排気タービン装置10Bのように、凹み部26に形成された棚面28(28b)は、第1の棚面28b1と、第1の棚面28b1よりも回転軸線Cに対して近い位置に形成される第2の棚面28b2との2つの棚面を有する。
ラビリンスシール部30(30b)は、第1の棚面28b1に向かって突出するシールフィン32(第1シールフィン32b)と、第2の棚面28b2に向かって突出するシールフィン32(第2シールフィン32c)と、第1シールフィン32bと第2シールフィン32cとの間に画定される膨張空間34(34a)とを有する。
図示した実施形態では、ラビリンスシール部30(30b)は、第1の棚面28b1に向かって突出するシールフィン32(32a)と、第2の棚面28b2に向かって突出するシールフィン32(32d)と、第1シールフィン32aとシールフィン32bとの間、及び第2シールフィン32cとシールフィン32dとの間に夫々画定される膨張空間34(34b)をさらに有する。
少なくとも一実施形態は、図3に示す排気タービン装置10Cのように、棚面28(28c)は、回転軸線Cに沿った断面視において、タービンホイール16の先端側へ向かうにつれて回転軸線Cとの距離が大きくなるように、回転軸線Cに対して傾斜するように形成される。即ち、立体的には、棚面28(28c)は、回転軸18の周囲にタービンホイール16の先端側に向かって拡径するように円錐形状に形成され、ラビリンスシール部30(30c)は、棚面28(28c)に対面するように配置されている。
幾つかの実施形態では、図1〜図3に示す排気タービン装置10(10A、10B、10C)のように、ラビリンスシール部30(30a、30b、30c)のシールフィン32の先端と棚面28(28a、28b、28c)との隙間aは、背面16aの外周縁端Aと壁面24aとの隙間bより小さくなるように構成されている(a<b)。
なお、回転軸18と棚面28(28a、28b、28c)との距離は、タービンホイール16のイナーシャ低減及び強度確保などの観点から適宜に設定される。
かかる構成において、タービンホイール16の外周縁端Aから背面16aと壁面24a間の隙間Bに流入した排気ガスeは、ラビリンスシール部30(30a、30b、30c)で、シールフィン32と膨張空間34との間を通る間に圧力損失が生じ、隙間Bに流入する排気ガスeの流量を低減することができる。
図1〜図3に示す排気タービン装置10(10A、10B、10C)によれば、回転軸線Cに沿った断面視で、背面16aに平坦状の棚面28(28a、28b、28c)を形成し、壁面24aにおける上記棚面と対面する位置にラビリンスシール部30(30a、30b、30c)を形成し、これにより隙間B側への漏れをシールしている。従って、特許文献1のように、隙間Bをタービンホイール16の径方向の全体に亘って小さく形成する必要がなく、簡単かつ低コストな構成で、隙間Bのシール性を向上できる。
これによって、隙間Bへの排気ガスeの漏洩を抑制でき、タービン効率の低下と、軸受ハウジングの内部に収容された軸受に供給される潤滑油の炭化を抑制できる。
図1に示す排気タービン装置10(10A)によれば、前記作用効果に加えて、棚面28(28a)を回転軸線Cを中心線とする円筒形に形成したので、棚面の加工が容易になる。
図2に示す排気タービン装置10(10B)によれば、前記作用効果に加えて、第1シールフィン32bと第2シールフィン32cとの間に画定される膨張空間34(34a)が、タービンホイール16の径方向に沿って延在するように形成される。膨張空間34(34a)を通過する排気ガスeの流れは、半径方向外側から内側に向かう半径方向成分を含む。
一方、膨張空間34(34a)を通る排気ガスには、タービンホイール16の回転に伴って半径方向外側に向かって遠心力cが作用する。この遠心力cの作用により、排気ガスが膨張空間34(34a)内を半径方向外側から内側に向かって流れるのを抑制することが出来る。これにより、背面16aからの排気ガスの漏洩を効果的に抑制できる。
図3に示す排気タービン装置10(10C)によれば、前記作用効果に加えて、隣接するシールフィン32の間に画定される膨張空間34が、回転軸線Cに対して傾斜する方向に沿って延在するように形成される。そのため、膨張空間34を通過する排気ガスeの流れは、半径方向外側から内側に向かう半径方向成分を含む。一方、膨張空間34内にある気体には、タービンホイール16の回転に伴って半径方向外側に向かって遠心力cが作用するため、この遠心力cの作用により、排気ガスが膨張空間34内を半径方向外側から内側に向かって流れるのを抑制することが出来る。これにより、背面16aからの排気ガスの漏洩を効果的に抑制できる。
また、図1〜図3に示す排気タービン装置10(10A、10B、10C)によれば、ラビリンスシール部30(30a、30b、30c)のシールフィン32と棚面28(28a、28b、28c)との間に形成される隙間aは、背面16aの外側先端縁と壁面24aとの間に形成される隙間bより小さくなるように構成されているので、背面16aからの排気ガスの漏洩を効果的に抑制できる。
さらに、排気タービン装置10(10A、10B、10C)のいずれかを備えた過給機は、タービンホイール16の背面16aからの排気ガスの漏洩を効果的に抑制できると共に、タービンホイール16のイナーシャの低減及び強度確保を同時に達成できる。
なお、図2に示す排気タービン装置10(10B)では、棚面28(28a)は2つの棚面、即ち、第1の棚面28b1及び第2の棚面28b2を有するが、3つ以上の棚面を設け、夫々の棚面に向かってラビリンスシール部30(30b)のシールフィンを設けるようにしてもよい。
また、排気タービン装置10(10B)では、各棚面に向かって突出するシールフィンを2個ずつ設けているが、各棚面に向かって1個のシールフィンを設けるようにしてもよい。
また、上記実施形態はいずれも排気タービン部12がラジアルタービンとして構成されていたが、本発明の一実施形態にかかる排気タービン装置10(10A、10B、10C)の排気タービン部12は、ラジアルタービン以外に、例えば、斜流タービンとして構成されていてもよい。
また、静止壁24は軸受ハウジング(不図示)と一体に形成することで、排気タービン装置10(10A、10B、10C)の部品点数を低減し低コスト化できるが、該軸受ハウジングと別体に製造することもできる。
図4は、本発明に至る過程で、本発明者等が考えた排気タービン装置100のタービンホイール16の背面16aと背面16aに対面する静止壁24の壁面24aの形状を示している。
この形状では、タービンホイール16のイナーシャを低減するために、背面16aの外径側領域をえぐって凹み部102を形成し、肉厚を薄くしている。また、タービンホイール16の強度を確保するため、背面16aの内径側領域を肉盛りして肉盛り部104を形成している。
また、背面16aと壁面24a間に形成される隙間Bのシール性を確保するため、壁面24aに背面16aの形状に合わせて凹凸面106を形成している。
背面16a及び壁面24aの前記形状では、隙間Bのシール性には限界があり、かつ背面16a及び壁面24aが複雑な形状となり、排気タービン部12の製造コストが増大する懸念がある。
本発明の少なくとも一実施形態によれば、簡単かつ低コストな構成の排気タービン装置及び該排気タービン装置を備えた過給機において、タービンホイール背面側への排気ガスの漏れを抑制できる。これによって、排気タービン装置のタービン効率を高く維持でき、かつ軸受ハウジング内に設けられた軸受に供給される潤滑油の炭化を防止できる。
10A、10B、10C 排気タービン装置
12 排気タービン部
14 タービンハウジング
14a スクロール部
14b 出口ケーシング部
16 タービンホイール
16a 背面
18 回転軸
19 ハブ
20 タービンブレード
22 ノズルベーン
24 静止壁
24a 壁面
26,102 凹み部
28(28a、28b(28b1、28b2)、28c) 棚面
30(30a、30b、30c) ラビリンスシール部
32(32a、32b、32c、32d) シールフィン
34(34a、34b) 膨張空間
104 肉盛り部
106 凹凸面
A 外周縁端
B、a、b 隙間
C 回転軸線
c 遠心力
e 排気ガス

Claims (7)

  1. 回転軸と、
    前記回転軸の一端部に設けられるタービンホイールであって、前記タービンホイールの周方向に間隔を置いて設けられる複数のタービンブレードを有するタービンホイールと、
    前記タービンホイールの背面と対面して配置される静止壁面と、を備え、
    前記回転軸の回転軸線と交差する方向から前記タービンブレードに排気ガスが流入するように構成される排気タービン装置であって、
    前記タービンホイールは、前記タービンホイールの背面において、前記タービンホイールの外周縁端を通過し且つ前記タービンホイールの半径方向に沿って延伸する径方向線よりも前記タービンホイールの先端側に凹んで形成される凹み部であって、前記回転軸線に沿った断面視において平坦状に形成される棚面を有する凹み部を含み、
    前記静止壁面は、前記棚面に向かって突出するシールフィンを有するラビリンスシール部を含むように構成されることを特徴とする排気タービン装置。
  2. 前記凹み部は複数の前記棚面を有し、
    前記ラビリンスシール部は、前記複数の棚面に向かってそれぞれ突出するシールフィンを有することを特徴とする請求項1に記載の排気タービン装置。
  3. 前記棚面は、
    前記回転軸線に沿った断面視において、前記回転軸に対して平行な方向に沿うように形成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の排気タービン装置。
  4. 前記棚面は、
    前記回転軸線に沿った断面視において、前記タービンホイールの先端側へ向かうにつれて前記回転軸線との距離が大きくなるように、前記回転軸線に対して傾斜するように形成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の排気タービン装置。
  5. 前記ラビリンスシール部の前記シールフィンと前記棚面との間に形成される隙間は、前記タービンホイールの背面の外側先端縁と前記静止壁面との間に形成される隙間より小さくなるように構成されていることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の排気タービン装置。
  6. 前記排気タービン装置は斜流タービン又はラジアルタービンを備えていることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の排気タービン装置。
  7. 請求項1乃至6の何れか1項に記載の排気タービン装置を備えたことを特徴とする過給機。
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