JP2019048390A - 被膜付きゴム成形体及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
<1>ゴム成形体と、前記ゴム成形体に接する被膜層とを有し、前記被膜層が、エチレンに基づく単位とテトラフルオロエチレンに基づく単位とを有する含フッ素重合体を含み、前記被膜層の厚さが、0.1〜20μmである、被膜付きゴム成形体。
<2>前記ゴム成形体が、シリコーンゴムを含む、前記<1>の被膜付きゴム成形体。
<3>前記含フッ素重合体が、カルボニル基含有基、ヒドロキシ基、エポキシ基、アミド基、アミノ基及びイソシアネート基からなる群から選ばれる少なくとも1種の官能基を有する、前記<1>又は<2>の被膜付きゴム成形体。
<4>前記含フッ素重合体が、前記官能基を有する単量体に基づく単位を有し、前記官能基を有する単量体に基づく単位の割合が、前記含フッ素重合体を構成する全単位のうち、0.1〜1.0mol%である、前記<3>の被膜付きゴム成形体。
<5>前記含フッ素重合体の融点が、120〜230℃である、前記<1>〜<4>のいずれかの被膜付きゴム成形体。
<6>前記含フッ素重合体の容量流速が、1〜500mm3/秒である、前記<1>〜<5>のいずれかの被膜付きゴム成形体。
<7>前記<1>〜<6>のいずれかの被膜付きゴム成形体を製造する方法であり、前記含フッ素重合体と、1個のカルボニル基を有する炭素数6〜10の脂肪族化合物とを含む組成物を、前記ゴム成形体の表面に塗布し、前記組成物が塗布された前記ゴム成形体を、前記含フッ素重合体の融点未満の雰囲気下で加熱した後、前記含フッ素重合体の融点以上の雰囲気下で加熱して前記被膜付きゴム成形体を得る、被膜付きゴム成形体の製造方法。
<8>前記組成物が塗布された前記ゴム成形体を、前記含フッ素重合体の融点未満の雰囲気下で加熱する際の温度及び時間が、40〜150℃及び1〜120分間である、前記<7>の被膜付きゴム成形体の製造方法。
<9>前記脂肪族化合物が、ケトン、エステル及びカーボネートからなる群から選ばれる少なくとも1種である、前記<7>又は<8>の被膜付きゴム成形体の製造方法。
本発明のゴム成形体の製造方法によれば、ゴム成形体の特性の低下を抑えつつ、ゴム成形体の表面に含フッ素重合体の特性が付与され、かつ被膜層の欠陥が抑えられた被膜付きゴム成形体を製造できる。
「単量体に基づく単位」は、単量体1分子が重合して直接形成される原子団と、該原子団の一部を化学変換して得られる原子団との総称である。本明細書において、単量体に基づく単位を、単に、単量体単位とも記す。
「カルボニル基含有基」とは、構造中にカルボニル基(−C(=O)−)を有する基を意味する。
「酸無水物基」とは、−C(=O)−O−C(=O)−で表される基を意味する。
「官能基を有する単量体に基づく単位の割合」は、含フッ素重合体を厚さ200μmのプレスフィルムに成形し、赤外吸収スペクトルを測定し、官能基のピークの吸光度を測定し、官能基のピークのモル吸光係数を用いて、ランベルト・ベールの式から求める。
「融点」は、示差走査熱量計を用い、試料の約5mgを乾燥空気流通下に300℃で10分間保持した後、100℃まで10℃/分の降温速度で降温し、10℃/分の昇温速度で300℃まで昇温したときの結晶融解ピークの最大値に対応する温度である。
「容量流速」(以下、「Q値」とも記す。)は、高化式フローテスターにおいて、試料の融点よりも50℃高い温度及び荷重68.6Nの条件下で、直径2.1mm、長さ8mmのオリフィス中に試料を押し出すときの速度(mm3/秒)である。
数値範囲を示す「〜」は、その前後に記載された数値を下限値及び上限値として含むことを意味する。
図1における寸法比は、説明の便宜上、実際のものとは異なったものである。
本発明の被膜付きゴム成形体は、ゴム成形体と、ゴム成形体に接する被膜層とをする。
図1は、本発明の被膜付きゴム成形体の一例を示す断面図である。被膜付きゴム成形体10は、ゴム成形体12と、ゴム成形体12の表面に直接形成された被膜層14とを有する。
ゴム成形体は、ゴムを含む。ゴム成形体は、ゴム用の充填材、添加剤等を含んでいてもよい。
ゴムとしては、シリコーンゴム、水素化ニトリルゴム、ブチルゴム、アクリルゴム、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、エチレン−酢酸ビニルゴム、エピクロルヒドリンゴム等が挙げられる。ゴム成形体の表面に被膜層を形成する際にゴム成形体が高温にさらされることから、ゴムとしては、耐熱性の高いゴムが好ましく、具体的には、シリコーンゴム、アクリルゴム、エチレン−酢酸ビニルゴム、エピクロルヒドリンゴムが好ましく、シリコーンゴムが特に好ましい。
RaSiO(4−a)/2 式I
ただし、Rは、1価の炭化水素基であり、aは、1.90〜2.05の正数である。オルガノポリシロキサン中の複数のRは、同一であっても異なってもよい。また、Rは、ハロゲン原子、シアノ基等の置換基で一部又は全部の水素が置換されていてもよい。
Rとしては、アルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ヘキシル基等)、シクロアルキル基(シクロヘキシル基等)、アルケニル基(ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基等)、アリール基(フェニル基、トリル基等)、これらの基の水素原子の一部又は全部がハロゲン原子、シアノ基等で置換された基(クロロメチル基、トリフルオロプロピル基、シアノエチル基等)等が挙げられる。オルガノポリシロキサンは、Rの一部として少なくとも2個のアルケニル基を有することが好ましい。
オルガノポリシロキサンの平均重合度は、1,500〜10,000が好ましく、3,000〜8,000がより好ましい。重合度は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)によるポリスチレン換算の数平均重合度として求められる。
添加剤としては、顔料、染料、老化防止剤、酸化防止剤、帯電防止剤、難燃剤(酸化アンチモン、塩化パラフィン等)、発泡剤、熱伝導性向上剤(窒化ホウ素、酸化アルミニウム等)等が挙げられる。
シリコーンゴムコンパウンドは、例えば、オルガノポリシロキサン、充填材、添加剤等を、ロールミル等の混練手段によって均一に分散、混合して製造できる。
白金族金属触媒としては、白金元素単体、白金化合物、白金複合体、塩化白金酸、塩化白金酸のアルコール化合物、塩化白金酸のアルデヒド化合物、塩化白金酸のエーテル化合物、各種オレフィンとのコンプレックス等が挙げられる。白金族金属触媒は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
シリコーンゴムコンパウンドに対する白金族金属触媒の添加量は、オルガノポリシロキサンに対する白金族金属原子の質量換算で1〜2,000ppmが好ましい。
オルガノハイドロジェンポリシロキサンの一分子中の珪素原子の数は、シリコーンゴムの特性、シリコーンゴムコンパウンドと硬化剤との混合物の取扱性の点から、2〜300個が好ましく、4〜150個がより好ましい。
オルガノハイドロジェンポリシロキサンは、シリコーンゴムコンパウンドと硬化剤との混合物の取扱性の点から、25℃で液状のものが好ましい。オルガノハイドロジェンポリシロキサンの25℃における粘度は、0.1〜1,000mPa・sが好ましく、0.5〜500mPa・sがより好ましい。粘度は、回転粘度計(BL型、BH型、BS型、コーンプレート型、レオメータ等)によって測定される。
シリコーンゴムコンパウンドに対するオルガノハイドロジェンポリシロキサンの添加量は、オルガノポリシロキサン中のアルケニル基に対する珪素原子に結合した水素原子(SiH基)のモル比として0.5〜5が好ましく、1〜2.5がより好ましい。
有機過酸化物触媒の添加量は、オルガノポリシロキサン生ゴム100質量部に対して、0.1〜5質量部が好ましい。
被膜層の厚さは、0.1〜20μmであり、0.5〜15μmがより好ましく、1〜10μmがさらに好ましい。被膜層の厚さが前記範囲の下限値以上であれば、含フッ素重合体が有する特性(耐熱性、難燃性、耐薬品性、耐候性、低摩擦性、低誘電性、透明性等)が充分に発揮される。被膜層の厚さが前記範囲の上限値以下であれば、被膜層を形成する際の作業性がよく、被膜の外観及び硬度が良好である。また、ゴム成形体が有する特性(柔軟性、弾性、伸縮性等)の低下が抑えられる。また、被膜付きゴム成形体のコストが抑えられる。
接着性官能基を有するETFEの製造方法としては、接着性官能基の含有量を制御しやすい点から、単量体の重合の際に接着性官能基を有する単量体を共重合させる方法が好ましい。
重合方法としては、塊状重合法、有機溶媒(フッ化炭化水素、塩化炭化水素、フッ化塩化炭化水素、アルコール、炭化水素等)を用いる溶液重合法、水性媒体と必要に応じて適当な有機溶媒とを用いる懸濁重合法、水性媒体と乳化剤とを用いる乳化重合法が挙げられ、溶液重合法が好ましい。
接着性官能基をもたらす重合開始剤としては、ペルオキシカーボネート、ジアシルペルオキシド、ペルオキシエステル等の過酸化物が好ましい。具体的には、ジ−n−プロピルペルオキシジカーボネート、ジイソプロピルペルオキシカーボネート、tert−ブチルペルオキシイソプロピルカーボネート、ビス(4−tert−ブチルシクロヘキシル)ペルオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルペルオキシジカーボネート等が挙げられる。
FAEとしては、CH2=CH(CF2)q1X4(ただし、q1は、2〜6であり、2〜4が好ましい。)が好ましく、CH2=CH(CF2)2F、CH2=CH(CF2)3F、CH2=CH(CF2)4F、CH2=CF(CF2)3H、CH2=CF(CF2)4Hがより好ましく、CH2=CH(CF2)4F、CH2=CH(CF2)2Fが特に好ましい。
含フッ素単量体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
以上説明した本発明のゴム成形体にあっては、ゴム成形体に接する被膜層がETFEを含むため、ゴム成形体の表面に含フッ素重合体の特性(耐熱性、難燃性、耐薬品性、耐候性、低摩擦性、非粘着性、撥水撥油性、低誘電性、透明性等)が付与される。
また、本発明のゴム成形体にあっては、被膜層の厚さが0.1〜20μmであるため、ゴム成形体の特性(柔軟性、弾性、伸縮性等)の低下が抑えられる。
また、本発明のゴム成形体にあっては、ETFEが接着性官能基を有していれば、ゴム成形体に対する被膜層の密着性及び被膜層の均一性に優れる。
本発明の被膜付きゴム成形体の製造方法は、ETFEと、1個のカルボニル基を有する炭素数6〜10の脂肪族化合物(以下、「カルボニル基含有脂肪族化合物」とも記す。)とを含む組成物を、ゴム成形体の表面に塗布し、組成物が塗布されたゴム成形体を、ETFEの融点未満の雰囲気下で加熱した後、ETFEの融点以上の雰囲気下で加熱して被膜層を形成する方法である。
組成物は、ETFEと、液状媒体とを含み、液状媒体としてカルボニル基含有脂肪族化合物を含む。組成物は、本発明の効果を損なわない範囲において、必要に応じて他の任意成分を含んでいてもよい。
ETFEは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
充填材は、被膜層の硬度を向上させ、かつ被膜層の厚さを増すための成分である。充填材としては、タルク、硫酸バリウム、マイカ、炭酸カルシウム等が挙げられる。
光安定剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。光安定剤は、紫外線吸収剤と組み合わせて用いてもよい。
液状媒体中のカルボニル基含有脂肪族化合物の割合は、80〜100質量%が好ましく、90〜100質量%がより好ましい。
液状媒体及びカルボニル基含有脂肪族化合物の割合が前記範囲内にあれば、塗布時の取扱性等に優れ、均一性に優れる被膜層を形成できる。
紫外線吸収剤の添加量は、ETFEの100質量部に対して、0.1〜15質量部が好ましい。紫外線吸収剤の量が前記範囲の下限値以上であれば、耐光性の改良効果が充分に得られる。紫外線吸収剤の量が前記範囲の上限値を超えると、耐光性の改良効果が飽和する。
ETFEの融点は高いもので230℃であることから、調製温度は、230℃以下が好ましく、200℃以下がより好ましい。調製温度は、0℃以上が好ましく、20℃以上がより好ましい。調製温度が前記範囲の下限値以上であれば、良好な溶解又は分散状態が得られる。調製温度が前記範囲の上限値以下であれば、調製作業を容易に実行できる。
調製時間は、組成物中のETFEの割合、ETFEの形状等に依存する。ETFEの形状は、調製時間を短くする点からは、粉末状が好ましい。入手のしやすさ等の点から、ペレット状等であってもよい。
ゴム成形体の表面への組成物の塗布方法としては、スピンコート法、バーコート法、ロールコート法、カーテンフロー法等が好ましい。他の塗布方法としては、ワイプコート法、スプレーコート法、スキージーコート法、ディップコート法、ダイコート法、インクジェット法、フローコート法、キャスト法、ラングミュア・ブロジェット法、グラビアコート法、ナイフコート法、ブレードコート法、押出コート法、ロッドコート法、エアドクタコート法、キスコート法、ファウンテンコート法、スクリーン塗工法等が挙げられる。
以上説明した本発明のゴム成形体の製造方法にあっては、ゴム成形体の表面にETFEを含む被膜層を形成しているため、ゴム成形体の表面に含フッ素重合体の特性(耐熱性、難燃性、耐薬品性、耐候性、低摩擦性、非粘着性、撥水撥油性、低誘電性、透明性等)が付与された被膜付ゴム成形体を製造できる。
また、本発明のゴム成形体の製造方法にあっては、ゴム成形体の表面に形成される被膜層の厚さが0.1〜20μmであるため、ゴム成形体の特性(柔軟性、弾性、伸縮性等)の低下が抑えられた被膜付ゴム成形体を製造できる。
ETFEの融点未満の雰囲気下で加熱する際には、組成物に含まれるカルボニル基含有脂肪族化合物の一部がゴム成形体に吸収されている。そのため、いきなりETFEの融点以上の雰囲気下で加熱してしまうと、揮発したカルボニル基含有脂肪族化合物によって塗膜が泡立ったり、塗膜に欠陥が発生したりしてしまう。そこで、ETFEの融点未満の雰囲気下で加熱し、ゴム成形体に含まれるカルボニル基含有脂肪族化合物を除去した後、ETFEの融点以上の雰囲気下で加熱し、ETFEを溶融させて被膜層を形成することによって、被膜層の欠陥が抑えられる。
例1は実施例であり、例2は比較例である。
ETFEにおける単量体単位の割合は、溶融NMR分析、フッ素含有量分析及び赤外吸収スペクトル分析によって求めた。
下記の赤外吸収スペクトル分析によって、ETFEにおける無水イタコン酸単位の割合を求めた。
ETFEをプレス成形して厚さ200μmのフィルムを得た。フィルムについて、赤外分光器(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製)を用いて赤外吸収スペクトルを測定した。赤外吸収スペクトルにおいてETFE中の無水イタコン酸単位の吸収ピークは、1870cm−1に現れる。この吸収ピークの吸光度を測定し、無水イタコン酸のモル吸光係数237L・mol−1・cm−1を用いて、ランベルト・ベールの式から無水イタコン酸単位の割合を求めた。
フローテスタ(島津製作所社製)を用いて、温度220℃、荷重68.6Nの条件下で直径2.1mm、長さ8mmのオリフィス中にETFEを押し出すときの速度(mm3/秒)を測定し、Q値とした。
示差走査熱量計(SII社製、DSC−7020)を用い、ETFEの約5mgを乾燥空気流通下に300℃で10分間保持した後、100℃まで10℃/分の降温速度で降温し、続いて10℃/分の昇温速度で300℃まで昇温したときの結晶融解ピークの最大値に対応する温度を融点とした。
被膜層の厚さは、被膜付きゴム成形体を切断し、断面を測定顕微鏡で観察して測定した。
撹拌機及びジャケットを備えた内容積1.3Lのステンレス製重合槽を真空引きした。重合槽に、CF3CH2OCF2CF2Hの822g、CH2=CH(CF2)4Fの3.2g、メタノールの1.98gを仕込み、重合槽内部を撹拌しながらHFPの350g、TFEの118g、エチレンの2.9gを仕込んだ。ジャケットに温水を流して重合槽内温を66℃にした。このときの重合槽内圧力は1.53MPa[gauge]であった。内温が安定してからtert−ブチルペルオキシピバレートの5質量%を含むCF3CH2OCF2CF2H溶液の8.4mLを圧入し、重合を開始した。重合中、内圧が1.53MPa[gauge]で一定になるよう、TFE/エチレン=54/46モル比の混合ガスを添加した。併せて重合中に添加されるTFE/エチレン混合ガスが5g消費されるたびに、CH2=CH(CF2)4Fの3.52質量%及び無水イタコン酸の1.28質量%を含むCF3CH2OCF2CF2H溶液の4mLを添加した。反応開始から283分後、TFE/エチレン=54/46モル比の混合ガスの70gを添加したところで重合槽を冷却し、重合を終了した。
重合槽から未反応の単量体ガスを大気圧までパージした。スラリーを内容積2Lの容器に移し、スラリーと同体積の水を加え、加熱しながら重合媒体及び未反応の単量体と、ETFEとを分離した。得られたETFEを120℃のオーブンで乾燥し、白色粉末状のETFE−1を得た。
ETFE−1における単量体単位の割合は、TFE単位/エチレン単位/HFP単位/CH2=CH(CF2)4F単位/無水イタコン酸単位=49.0/41.7/7.8/1.1/0.4モル比であり、ETFE−1の融点は178℃であり、ETFE−1のQ値は35mm3/秒であった。
1Lの撹拌機付きガラス製耐圧反応容器に、ETFE−1の32g、ジイソプロピルケトンの500gを入れ、150℃に加熱しながら1時間撹拌してジイソプロピルケトンにETFE−1を分散させた。撹拌しながら25℃まで冷却し、組成物−1を得た。
シリコーンゴムコンパウンド(信越化学工業社製、KE−541−U)に硬化剤(アルケマ吉富社製、2,5−ジメチル−2,5−ビス(tert−ブチルペルオキシ)ヘキサン)を加え、シリコーンゴムコンパウンドを硬化させて、50×30×10mmのゴム成形体を作製した。ゴム成形体の一面に組成物−1を塗布し、100℃のオーブン中で10分間加熱した。次いで、組成物−1が塗布されたゴム成形体を、250℃のオーブン中で10分間加熱し、被膜付きゴム成形体−1を得た。被膜層は均一であり、被膜層の厚さは、3μmであった。
例1と同様にしてゴム成形体を作製した。ゴム成形体の一面に組成物−1を塗布し、250℃のオーブン中で10分間熱処理したところ、塗膜に穴が開き、良好な被膜層を成形できなかった。
12 ゴム成形体、
14 被膜層。
Claims (9)
- ゴム成形体と、前記ゴム成形体に接する被膜層とを有し、
前記被膜層が、エチレンに基づく単位とテトラフルオロエチレンに基づく単位とを有する含フッ素重合体を含み、
前記被膜層の厚さが、0.1〜20μmである、被膜付きゴム成形体。 - 前記ゴム成形体が、シリコーンゴムを含む、請求項1に記載の被膜付きゴム成形体。
- 前記含フッ素重合体が、カルボニル基含有基、ヒドロキシ基、エポキシ基、アミド基、アミノ基及びイソシアネート基からなる群から選ばれる少なくとも1種の官能基を有する、請求項1又は2に記載の被膜付きゴム成形体。
- 前記含フッ素重合体が、前記官能基を有する単量体に基づく単位を有し、
前記官能基を有する単量体に基づく単位の割合が、前記含フッ素重合体を構成する全単位のうち、0.1〜1.0mol%である、請求項3に記載の被膜付きゴム成形体。 - 前記含フッ素重合体の融点が、120〜230℃である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の被膜付きゴム成形体。
- 前記含フッ素重合体の容量流速が、1〜500mm3/秒である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の被膜付きゴム成形体。
- 請求項1〜6のいずれか一項に記載の被膜付きゴム成形体を製造する方法であり、
前記含フッ素重合体と、1個のカルボニル基を有する炭素数6〜10の脂肪族化合物とを含む組成物を、前記ゴム成形体の表面に塗布し、
前記組成物が塗布された前記ゴム成形体を、前記含フッ素重合体の融点未満の雰囲気下で加熱した後、前記含フッ素重合体の融点以上の雰囲気下で加熱して前記被膜付きゴム成形体を得る、被膜付きゴム成形体の製造方法。 - 前記組成物が塗布された前記ゴム成形体を、前記含フッ素重合体の融点未満の雰囲気下で加熱する際の温度及び時間が、40〜150℃及び1〜120分間である、請求項7に記載の被膜付きゴム成形体の製造方法。
- 前記脂肪族化合物が、ケトン、エステル及びカーボネートからなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項7又は8に記載の被膜付きゴム成形体の製造方法。
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