JP2007118541A - 熱圧着用ゴムシート - Google Patents

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Abstract

【課題】ゴムシートに対する樹脂層の密着性が良く、繰り返し使用した場合における耐久性に優れるとともに、離型性にも優れる熱圧着用ゴムシートを提供する。
【解決手段】熱圧着用ゴムシート16は、JIS K 6262に基づく圧縮永久歪が5〜25%のフッ素ゴムよりなるフッ素ゴムシート17の表面に、融点300〜350℃のフッ素樹脂がコーティングされ、焼付けられて形成された厚さ5〜30μmの離型用フッ素樹脂層18が設けられて構成されている。前記フッ素樹脂としては、ポリ四フッ化エチレン樹脂又は四フッ化エチレン−パーフルオロアルコキシエチレン共重合樹脂が好ましい。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば液晶ディスプレイ(LCD)等のフラットパネルディスプレイ(FPD)の製作工程において、画面用のパネルとそれを制御するためのプリント基板とを接続するために用いられる熱圧着用ゴムシートに関するものである。
FPDにおける画面用のパネルと制御回路等を接続するために用いられる接続用治具は、通常幅1〜2mmで、FPDのパネルの長さを有する金属板である。FPDのパネルの長さは、40インチの画面を有するパネルならば1000mm程度の長さである。そして、接続用治具を用いて、異方導電性フィルム(ACF、Anisotropic Conductive Film)と呼ばれる接着剤、すなわちエポキシ樹脂をマトリックスとし、導電粒子としての金属粉を分散させた接着剤で、導電性薄膜フィルム(TCP)をパネル及び制御回路等に接着させる。その際、ACFを硬化させるため、接続用治具はACFの硬化温度(約200℃)を越える300℃以上に加熱される。接続用治具は高温に加熱され、その状態で力が加えられたときTCPに歪みが発生しやすいため、弾力性のある熱圧着用ゴムシートを接続用治具とTCPとの間に介在させてそれを回避している。熱圧着用ゴムシートがシリコーンゴムの場合には高温で分解し、接続用治具の表面が汚染されることがあるため、ポリイミド等の耐熱性のフィルムが使用される。
さらに、接続用治具を用い、TCPをACFでパネル及び制御回路等と接続する際に、リード線の周囲にはみ出した接着剤に熱圧着用ゴムシートが接着される場合がある。それを防止するために、接続用治具と熱圧着用ゴムシートとの間に、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等の離型フィルムが介在される。
その場合、熱圧着用ゴムシートと離型フィルムとは、セッティングの簡略化及び伝熱の優位性の観点から一体化が要望されている。そのような要望に応えるために、シリコーンゴムシートにフッ素樹脂フィルム等の耐熱性樹脂フィルムがシリコーン接着剤で接着された複合シートが提案されている(例えば、特許文献1を参照)。さらに、ガラス繊維補強フッ素樹脂シートの片面に表面活性化処理がなされ、その面に加硫されたシリコーンゴムが積層一体化された熱圧着用離型シートが知られている(例えば、特許文献2を参照)。
特開2001−18330号公報(第2頁及び第5頁) 特開2004−168025号公報(第2頁、第5頁及び第6頁)
ところが、特許文献1に記載の複合シートにおいては、使用時に高温に晒されたとき、シリコーンゴムシートとフッ素樹脂フィルム(樹脂層)との熱膨張率の差が大きいため、フッ素樹脂フィルムがシリコーンゴムシートの伸びに追随することができない。従って、両者間に剥がれが生じてフッ素樹脂フィルムがシリコーンゴムシートから浮き上がる部分が発生したり、フッ素樹脂フィルムに変形、ひび割れ等が生じたりして耐久性に欠けるという問題があった。また、特許文献2に記載の熱圧着用離型シートにあっては、フッ素樹脂シートを補強するためのガラス繊維がフッ素樹脂中に分散されているが、そのほとんどが表面に存在していないため、実質上フッ素樹脂シートとシリコーンゴムとの接着であり、特許文献1の複合シートと同様の問題があった。フッ素樹脂シートの表面には表面活性化処理がなされているが、高温時における問題を解消するには到っていなかった。
本発明は、このような従来技術の問題点に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、ゴムシートに対する樹脂層の密着性が良く、繰り返し使用した場合における耐久性に優れるとともに、離型性にも優れる熱圧着用ゴムシートを提供することにある。
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明の熱圧着用ゴムシートは、JIS K 6262に基づく圧縮永久歪が5〜25%のフッ素ゴムよりなるフッ素ゴムシートの表面に、融点300〜350℃のフッ素樹脂がコーティングされ、焼付けられて形成された厚さ5〜30μmの離型用フッ素樹脂層が設けられて構成されていることを特徴とするものである。
請求項2に記載の発明の熱圧着用ゴムシートは、請求項1に記載の発明において、前記離型用フッ素樹脂は、ポリ四フッ化エチレン樹脂又は四フッ化エチレン−パーフルオロアルコキシエチレン共重合樹脂であることを特徴とするものである。
本発明によれば、次のような効果を発揮することができる。
請求項1に記載の発明の熱圧着用ゴムシートは、JIS K 6262に基づく圧縮永久歪が5〜25%のフッ素ゴムよりなるフッ素ゴムシートの表面に、融点300〜350℃のフッ素樹脂がコーティングされ、焼付けられて形成された厚さ5〜30μmの離型用フッ素樹脂層が設けられて構成されている。フッ素ゴムシートとフッ素樹脂層とは同種の材料で構成されているため、熱膨張率の差が実質的になく、かつ両者のなじみが良く、密着性に優れている。従って、熱圧着用ゴムシートを繰り返し使用した場合にフッ素ゴムシートとフッ素樹脂層とが剥がれることなく、耐久性に優れている。しかも、フッ素樹脂層によって優れた離型性を発揮することができる。
請求項2に記載の発明の熱圧着用ゴムシートでは、離型用フッ素樹脂がポリ四フッ化エチレン樹脂又は四フッ化エチレン−パーフルオロアルコキシエチレン共重合樹脂であることから、請求項1に係る発明の効果に加えて、耐熱性を向上させることができる。
以下、本発明の最良と思われる実施形態について詳細に説明する。
FPDにおける画面用のパネルと、制御回路等を有するプリント基板とは、導電性薄膜フィルム(TCP)が接着剤としての異方導電性フィルム(ACF)で各々接着されることにより電気的に接続されている。導電性薄膜フィルムは、シリコーン材(シリコーンゴム)又は非シリコーン材に導電性の粉末(金属粉末等)を配合して得られるフィルムである。その厚さは30〜70μm程度で、体積固有抵抗値は5×10−4〜5×10−1Ω・cm程度である。異方導電性フィルムは、例えばエポキシ樹脂をマトリックスとし、導電性の粉末を分散させた接着剤である。エポキシ樹脂の硬化温度は約200℃である。導電性の粉末としては、ニッケル、銀、銅、黒鉛(グラファイト)、カーボンブラック等の粉末が用いられる。
図2(a)に示すように、接続用治具11を用い、導電性薄膜フィルム12の一側部を異方導電性フィルム13で画面用のパネル14に接着し、導電性薄膜フィルム12の他側部をプリント基板15に接着させることにより、パネル14とプリント基板15とが導電性薄膜フィルム12を介して電気的に接続される。この接続用治具11は金属製で、幅が1〜2mm、長さがFPDのパネル14の長さを有し、長さ方向の一側縁がナイフのように薄く形成されている。接続用治具11は、異方導電性フィルム13を硬化させるため、その硬化温度を越える高温、例えば300℃以上に加熱される。その場合、導電性薄膜フィルム12の全体が接続用治具11によってパネル14又はプリント基板15に均一に接着されるように熱圧着用(加熱圧着用)ゴムシート16が、接続用治具11とパネル14又はプリント基板15との間に介在される。
図1に示すように、その熱圧着用ゴムシート16は、JIS K 6262に基づく圧縮永久歪が5〜25%のフッ素ゴムよりなるフッ素ゴムシート17の表面に、融点300〜350℃のフッ素樹脂がコーティングされ、焼付けられて形成された厚さ5〜30μmの離型用フッ素樹脂層(以下、単にフッ素樹脂層ともいう)18が設けられて構成されている。フッ素ゴムシート17が特定の圧縮永久歪を有するフッ素ゴムにより形成されることで、耐熱性、フッ素樹脂層18との接着性及び導電性薄膜フィルム12に対する緩衝性が発現される。なお、緩衝性とは、導電性薄膜フィルム12を接続用治具11でパネル14又はプリント基板15に圧着するに当たり、導電性薄膜フィルム12の一部に歪(反り)が生じて浮き上がるのを緩和する性質をいう。また、図1は熱圧着用ゴムシート16を模式的に表したものであり、厚さ等を厳密に表したものではない。
フッ素ゴムとしては、フッ化ビニリデン−三フッ化塩化エチレン共重合ゴム、フッ化ビニリデン−六フッ化プロピレン共重合ゴム、フッ化ビニリデン−六フッ化プロピレン−四フッ化エチレン共重合ゴム等が用いられる。このフッ素ゴムの圧縮永久歪はJIS K 6262に基づいて、200℃、24時間の条件で測定される値で、5〜25%である。その圧縮永久歪が5%未満の場合には、フッ素ゴムが特殊なものとなり、その製造が難しくなったり、入手が困難になったりする。一方、圧縮永久歪が25%を越える場合には、フッ素ゴムシート17の歪が大きくなり過ぎてフッ素ゴムシート17が変形し、熱圧着を均一に行うことができなくなる。
フッ素ゴムシート17の厚さは目的、用途に応じて適宜設定されるが、伝熱性と緩衝性の点から150〜500μmであることが好ましい。この厚さが150μm未満の場合には、緩衝性が十分に発揮されず、導電性薄膜フィルム12がパネル14又はプリント基板15に対して部分的に接着不良となるおそれがある。一方、500μmを越える場合には、フッ素ゴムシート17が厚くなり過ぎて伝熱性が悪くなり、接続用治具11から異方導電性フィルム13に熱が十分に伝達されず、導電性薄膜フィルム12とパネル14又はプリント基板15との間の接着不良を招く場合がある。
フッ素ゴムシート17は、加硫剤を含む未加硫のフッ素ゴムをシート状に成形するとともに、加硫することで製造される。具体的には、加硫剤を含む未加硫のフッ素ゴムを例えばカレンダーロールにより50〜70℃に加熱してシート状に成形し、その後160〜180℃で5〜60分加熱して加硫剤により加硫することによって得られる。加硫剤としては、ポリオール、有機過酸化物、ポリアミン等が用いられる。ポリオールとしては、ヘキサフルオロビスフェノールA等が挙げられる。有機過酸化物としては、2,5−ジメチル−2,5−ジターシャリーブチルパーオキシヘキサン、p−メチルベンゾイルパーオキサイド等が挙げられる。これらの加硫剤のうち、フッ素ゴムシート17の架橋密度を容易に上げることができ、高温における歪を一層抑制することができる点から、ポリオールが好ましい。さらに、フッ素ゴムには水酸化カルシウム等の加硫促進剤を配合することもできる。
次に、フッ素樹脂層18を形成するフッ素樹脂は、耐熱性の点から融点300〜350℃のものが用いられる。フッ素樹脂の融点が300℃未満の場合には、耐熱性が不足し、高温時においてフッ素樹脂層18が変形するようになって不適当である。一方、フッ素樹脂の融点が350℃を越える場合には、フッ素樹脂が特殊なものとなり、製造が難しくなったり、入手が困難になったりする。フッ素樹脂として具体的には、ポリ四フッ化エチレン樹脂(ポリテトラフルオロエチレン樹脂、PTFE、融点327℃)又は四フッ化エチレン−パーフルオロアルコキシエチレン共重合樹脂(テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合樹脂、PFA、融点302〜310℃)等が好適に用いられる。
このフッ素樹脂層18は、上記のフッ素樹脂を有機溶剤に分散して得られる分散液をフッ素ゴムシート17の表面にコーティングし、有機溶剤を揮散させた後、焼付けることにより形成される。有機溶剤としては、N−メチル−2−ピロリドン、メチルイソブチルケトン又はそれらの混合溶剤等が用いられる。分散液中のフッ素樹脂の濃度は、10〜30質量%であることが好ましい。焼付けは、コーティングされた分散液を280〜350℃に加熱処理し、フッ素樹脂を溶融し、硬化させることによって行なわれる。この焼付けにより、フッ素樹脂層18がフッ素ゴムシート17に密着される。
フッ素樹脂層18の厚さは、伝熱性の観点から薄い方が良く、5〜30μmであることが好ましく、10〜20μmであることがより好ましい。フッ素樹脂層18の厚さが5μm未満である場合、導電性薄膜フィルム12に対するフッ素樹脂層18の離型性が悪化する。一方、30μmを越える場合、熱圧着用ゴムシート16の使用時に高温に加熱されたとき、フッ素樹脂層18の表面がひび割れしたりして圧着が均一に行われなくなる。
さて、本実施形態の作用について説明すると、まず加硫剤を含むフッ素ゴム組成物をカレンダー加工等によりシート状に成形するとともに、加熱して加硫させることにより、フッ素ゴムシート17を成形する。次いで、そのフッ素ゴムシート17の表面に、フッ素樹脂が有機溶剤に分散された分散液をコーティングした後、加熱してフッ素樹脂を溶融させ、焼付けることによりフッ素樹脂層18を形成する。このようにして、フッ素ゴムシート17にフッ素樹脂層18が積層された熱圧着用ゴムシート16が得られる。このとき、フッ素ゴムシート17とフッ素樹脂層18とは同種の材料で形成されているため、熱膨張率の差が実質的になく、かつ両者の親和性が良く、分子間力が高められるものと考えられ、両者間における優れた接着力が発現される。
得られた熱圧着用ゴムシート16を、図2(a)に示すように、導電性薄膜フィルム12と接続用治具11との間に配置(セッティング)する。その状態で、接続用治具11を例えば400℃に加熱し、図2(b)に示すように、その長さ方向の一側縁(下端縁)をパネル14の端縁に設けられた異方導電性フィルム13に向けて下降させ、その上の導電性薄膜フィルム12を熱圧着し、導電性薄膜フィルム12をパネル14に接合する。
このとき、フッ素ゴムの圧縮永久歪が5〜25%に設定されていることから、フッ素ゴムシート17が高温に加熱されたときの歪が抑えられる。また、フッ素樹脂層18を形成するフッ素樹脂の融点が300〜350℃であるため、熱圧着用ゴムシート16が高温に加熱されたときに十分な耐熱性が得られる。さらに、フッ素樹脂層18の厚さが5〜30μmという薄さに設定されていることから、フッ素樹脂層18はフッ素ゴムシート17の弾性変形に十分追随することができる。従って、熱圧着用ゴムシート16を繰り返して使用した場合にフッ素ゴムシート17とフッ素樹脂層18とが剥がれることなく、さらにフッ素樹脂層18によって良好な離型性が発揮される。
以上の実施形態によって発揮される効果について、以下にまとめて記載する。
・ 本実施形態における熱圧着用ゴムシート16は、JIS K 6262に基づく圧縮永久歪が5〜25%のフッ素ゴムよりなるフッ素ゴムシート17の表面に、融点300〜350℃のフッ素樹脂がコーティングされ、焼付けられて形成された厚さ5〜30μmの離型用フッ素樹脂層18が設けられて構成されている。フッ素ゴムシート17とフッ素樹脂層18とは同種の材料であり、密着性に優れていることから、熱圧着用ゴムシート16の使用時にフッ素ゴムシート17とフッ素樹脂層18とが剥離することなく、優れた耐久性を得ることができる。しかも、フッ素樹脂層18によって優れた離型性を発揮することができる。よって、接続用治具11と熱圧着用ゴムシート16との間に、耐熱性のポリイミドフィルム等を介在させる必要がない。
・ 前記離型用フッ素樹脂がポリ四フッ化エチレン樹脂又は四フッ化エチレン−パーフルオロアルコキシエチレン共重合樹脂であることにより、耐熱性を向上させることができる。
以下、実施例及び比較例を挙げて前記実施形態をさらに具体的に説明する。
(実施例1〜3及び比較例1〜5)
フッ素ゴム〔フッ化ビニリデン−六フッ化プロピレン共重合ゴム、加硫剤としてビスフェノールAF(ヘキサフルオロビスフェノールA、ダイキン工業(株)製、キュラティブ30)を9質量%含有、ダイキン工業(株)製、G7201、圧縮永久歪13%〕100質量部、導電性カーボン〔東海カーボン(株)製、#5500〕15質量部、酸化マグネシウム(MgO)5質量部及び水酸化カルシウム〔Ca(OH)〕5質量部を加圧ニーダーにて混練し、原料を調製した。得られた原料を用い、カレンダーロールでシート化し、厚さ300μmのフッ素ゴムシート17を成形した。
成形されたフッ素ゴムシート17の表面に、表1に示すフッ素樹脂の分散液〔有機溶剤としてN−メチル−2−ピロリドンとメチルイソブチルケトンの混合溶剤に固形分20質量%で分散させた分散液、ダイキン工業(株)製、ポリフロン、TC−7100〕をコーティングした後、300℃に加熱して焼付けてフッ素樹脂層18を形成し、熱圧着用ゴムシート16を得た。焼付け後のフッ素樹脂層18の厚さを表1に示すように設定した。
比較例1では、フッ素樹脂として融点の低いFEPを使用した。比較例2においてはフッ素樹脂層18の厚さが3μmとなるように薄く設定し、比較例3ではフッ素樹脂層18の厚さが50μmとなるように厚く設定した。比較例4ではゴムシートとしてシリコーンゴムのシートを用い、比較例5では圧縮永久歪が30%という大きな値を有するフッ素ゴムを使用した。
そして、得られた熱圧着用ゴムシート16について、次に示す方法で耐久性を測定し、その結果を表1に示した。なお、表1における略号を次に示す。
PTFE:ポリテトラフルオロエチレン樹脂(融点327℃)
PFA:テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルコキシエチレン(パーフルオロアルキルビニルエーテル)共重合樹脂(融点302〜310℃)
FEP:テトラフルオロエチレン−六フッ化プロピレン共重合樹脂(融点253〜282℃)
(耐久性)
温度350℃、圧力5MPa、時間20秒という圧着条件で、導電性薄膜フィルム12が接続用治具11によってパネル14(又はプリント基板15)に接着されるように、圧着操作を100回繰り返した。その後、フッ素ゴムシート17に対するフッ素樹脂層18の密着性及び熱圧着用ゴムシート16が導電性薄膜フィルム12に対して手で離型できるか否かの離型性について測定した。
Figure 2007118541
表1に示した結果から、実施例1〜3では、圧縮永久歪が13〜20%のフッ素ゴムシート17を用いるとともに、フッ素樹脂としてPTFE又はPFEを使用し、フッ素樹脂層18の厚さを10〜20μmに設定したことから、いずれも圧着操作を100回繰り返した後の耐久性(密着性及び離型性)が良好であった。
これに対し、比較例1においては、フッ素樹脂として融点の低いFEPを用いたため、3回の圧着操作でフッ素樹脂層18が導電性薄膜フィルム12に接着して熱圧着用ゴムシート16が使用できなくなった。比較例2では、フッ素樹脂層18の厚さが薄くなり過ぎ、フッ素樹脂層18の離型性が発揮されず、1回の圧着操作でフッ素樹脂層18が導電性薄膜フィルム12に接着して熱圧着用ゴムシート16が使用できなくなった。比較例3ではフッ素樹脂層18の厚さが厚くなり過ぎ、熱圧着用ゴムシート16の弾力性がなく、1回の圧着操作で表面にひび割れが発生し、圧着が均一にできなくなった。比較例4ではゴムシートとしてシリコーンゴムのシートを用いたことから、耐熱性が不足し、15回の圧着操作でゴムシートが変形し、圧着が均一にできなくなった。比較例5ではフッ素ゴムの圧縮永久歪が大きいため、その歪によって20回の圧着操作でゴムシートが変形し、圧着が均一にできなくなった。
なお、本実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・ 前記フッ素ゴムシート17の表面に、フッ素樹脂層18の接着性を高めるための接着剤層を設けたり、プライマー層を設けたりすることもできる。
・ 前記フッ素ゴムシート17を得る場合、加硫剤を含む未加硫ゴムシートを加硫させるときに、必要により二次架橋を行うこともできる。二次架橋は例えば180〜260℃、2〜8時間の条件下に熱風炉で加熱することにより行うことができる。
さらに、前記実施形態より把握できる技術的思想について以下に記載する。
・ 前記フッ素樹脂の焼付けは、280〜350℃の温度で行われるものであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の熱圧着用ゴムシート。このように構成した場合、請求項1又は請求項2に係る発明の効果に加え、フッ素ゴムシートに対するフッ素樹脂層の密着性を向上させることができる。
・ 前記フッ素ゴムシートは、加硫剤を含む未加硫のフッ素ゴムをシート状に成形した後加熱し、加硫して得られるものであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の熱圧着用ゴムシート。このように構成した場合、請求項1又は請求項2に係る発明の効果に加えて、高温におけるフッ素ゴムシートの歪を抑制することができる。
・ 前記フッ素ゴムシートは、加硫剤としてポリオールを含む未加硫のフッ素ゴムをシート状に成形した後加熱し、加硫して得られるものであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の熱圧着用ゴムシート。このように構成した場合、請求項1又は請求項2に係る発明の効果に加えて、フッ素ゴムシートの架橋密度を上げることができ、高温における歪を一層抑制することができる。
本発明を具体化した実施形態における熱圧着用ゴムシートを示す断面図。 (a)は熱圧着用ゴムシートを導電性薄膜フィルムと接続用治具との間に配置した状態を示す断面図、(b)はその後接続用治具で導電性薄膜フィルムをパネルに圧着する状態を示す断面図。
符号の説明
16…熱圧着用ゴムシート、17…フッ素ゴムシート、18…フッ素樹脂層。

Claims (2)

  1. JIS K 6262に基づく圧縮永久歪が5〜25%のフッ素ゴムよりなるフッ素ゴムシートの表面に、融点300〜350℃のフッ素樹脂がコーティングされ、焼付けられて形成された厚さ5〜30μmの離型用フッ素樹脂層が設けられて構成されていることを特徴とする熱圧着用ゴムシート。
  2. 前記フッ素樹脂は、ポリ四フッ化エチレン樹脂又は四フッ化エチレン−パーフルオロアルコキシエチレン共重合樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の熱圧着用ゴムシート。
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