JP2018140351A - 金属基材の被覆方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】耐候性に優れるととともに、耐薬品性、防錆性に優れた被覆金属板を得るための、金属基材の被覆方法を提供する。【解決手段】官能基を有し、テトラフルオロエチレンに基づくモノマー単位とエチレンに基づくモノマー単位を有する含フッ素共重合体と、1個のカルボニル基を有する炭素数6〜10の脂肪族化合物とを含有する含フッ素共重合体組成物を、金属基材の表面に塗布する金属基材の被覆方法。【選択図】なし
Description
本発明は、金属基材の被覆方法に関する。
フッ素樹脂は、耐溶剤性、低誘電性、低表面エネルギー性、非粘着性、耐候性等に優れていることから、汎用のプラスチックスでは使用できない種々の用途に用いられている。中でもエチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(以下、ETFEとも記す。)は、耐熱性、難燃性、耐薬品性、耐候性、低摩擦性、低誘電特性、透明性等に優れるフッ素樹脂であることから、耐熱電線用被覆材料、ケミカルプラント用耐食配管材料、農業用ビニルハウス用材料、金型用離型フィルム等の幅広い分野に用いられている。
しかし、ポリフッ化ビニリデンがN−メチルピロリドン等に溶解するのとは異なり、ETFEは、一般に溶剤に不溶でコーティングによる薄膜形成等ができないため、その成形方法は、押出成形、射出成形、粉体塗装等の溶融成形に限られていた。
このように溶解性の低いETFEを溶液化する技術については、1個のカルボニル基を有する炭素数6〜10の脂肪族炭化水素化合物を溶媒として、ETFEの融点以下の温度で溶液状態にする技術(例えば特許文献1)が知られているが、具体的な金属基材表面被覆は知られていなかった。
しかし、ポリフッ化ビニリデンがN−メチルピロリドン等に溶解するのとは異なり、ETFEは、一般に溶剤に不溶でコーティングによる薄膜形成等ができないため、その成形方法は、押出成形、射出成形、粉体塗装等の溶融成形に限られていた。
このように溶解性の低いETFEを溶液化する技術については、1個のカルボニル基を有する炭素数6〜10の脂肪族炭化水素化合物を溶媒として、ETFEの融点以下の温度で溶液状態にする技術(例えば特許文献1)が知られているが、具体的な金属基材表面被覆は知られていなかった。
本発明は、耐候性に優れるとともに、耐薬品性、防錆性に優れた被覆金属板を得るための、金属基材の被覆方法を目的とする。
本発明は、以下の構成を有する金属基材の被覆方法を提供する。
[1]官能基を有し、テトラフルオロエチレンに基づくモノマー単位とエチレンに基づくモノマー単位を有する含フッ素共重合体と、1個のカルボニル基を有する炭素数6〜10の脂肪族化合物とを含有する含フッ素共重合体組成物を、金属基材の表面に塗布する金属基材の被覆方法。
[2]前記脂肪族化合物が、ケトン類、エステル類およびカーボネート類からなる群から選ばれる少なくとも1種である、[1]に記載の被覆方法。
[3]前記官能基が、カルボニル基含有基、ヒドロキシ基、エポキシ基およびイソシアネート基からなる群から選択される少なくとも1種である、[1]または[2]に記載の被覆方法。
[4]前記金属基材が、めっき層が形成された鋼基材である、[1]〜[3]のいずれかに記載の被覆方法。
[1]官能基を有し、テトラフルオロエチレンに基づくモノマー単位とエチレンに基づくモノマー単位を有する含フッ素共重合体と、1個のカルボニル基を有する炭素数6〜10の脂肪族化合物とを含有する含フッ素共重合体組成物を、金属基材の表面に塗布する金属基材の被覆方法。
[2]前記脂肪族化合物が、ケトン類、エステル類およびカーボネート類からなる群から選ばれる少なくとも1種である、[1]に記載の被覆方法。
[3]前記官能基が、カルボニル基含有基、ヒドロキシ基、エポキシ基およびイソシアネート基からなる群から選択される少なくとも1種である、[1]または[2]に記載の被覆方法。
[4]前記金属基材が、めっき層が形成された鋼基材である、[1]〜[3]のいずれかに記載の被覆方法。
本発明によれば、耐候性に優れるととともに、耐薬品性、防錆性に優れた被覆金属板を得るための、金属基材の被覆方法が提供できる。
以下、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
本発明で用いる含フッ素共重合体組成物(以下、単に「組成物」とも記す。)中の含フッ素共重合体は、官能基(以下、官能基(I)とも記す。)を有するとともに、テトラフルオロエチレンに基づくモノマー単位(以下、TFE単位とも記す。)とエチレンに基づくモノマー単位(以下、E単位とも記す。)を有する。
本発明で用いる含フッ素共重合体組成物(以下、単に「組成物」とも記す。)中の含フッ素共重合体は、官能基(以下、官能基(I)とも記す。)を有するとともに、テトラフルオロエチレンに基づくモノマー単位(以下、TFE単位とも記す。)とエチレンに基づくモノマー単位(以下、E単位とも記す。)を有する。
含フッ素共重合体は、TFE単位/E単位のモル比が、70/30〜30/70、より好ましくは65/35〜40/60、最も好ましくは60/40〜50/50のものが挙げられる。
含フッ素共重合体は、単量体の重合の際に、官能基(I)を有する単量体を共重合させる、官能基(I)をもたらす連鎖移動剤や重合開始剤を使用して単量体を重合させる、等の方法で製造できる。
官能基(I)を有する単量体としては、カルボニル基含有基、ヒドロキシ基、エポキシ基、アミド基、アミノ基またはイソシアネート基を有する単量体が好ましい。カルボニル基含有基としては、酸無水物基およびカルボキシ基が好ましい。具体的には、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸、ウンデシレン酸等のカルボキシ基を有する単量体、無水イタコン酸(以下、「IAH」とも記す。)、無水シトラコン酸(以下、「CAH」とも記す。)、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物(以下、「NAH」とも記す。)、無水マレイン酸等の酸無水物基を有する単量体、ヒドロキシアルキルビニルエーテル、エポキシアルキルビニルエーテル等が挙げられる。
官能基(I)をもたらす連鎖移動剤としては、カルボキシ基、エステル結合、水酸基等を有する連鎖移動剤が好ましい。具体的には、酢酸、無水酢酸、酢酸メチル、エチレングリコール、プロピレングリコール等が挙げられる。
官能基(I)をもたらす重合開始剤としては、ペルオキシカーボネート、ジアシルペルオキシド、ペルオキシエステル等の過酸化物系重合開始剤が好ましい。具体的には、ジ−n−プロピルペルオキシジカーボネート、ジイソプロピルペルオキシカーボネート、tert−ブチルペルオキシイソプロピルカーボネート、ビス(4−tert−ブチルシクロヘキシル)ペルオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルペルオキシジカーボネート等が挙げられる。
含フッ素共重合体の製造方法としては、官能基(I)を有する単量体を共重合させることにより、その単量体単位を有する共重合体を製造して、官能基(I)を有する含フッ素共重合体とすることが好ましい。
官能基(I)を有する単量体としては、カルボニル基含有基、ヒドロキシ基、エポキシ基、アミド基、アミノ基またはイソシアネート基を有する単量体が好ましい。カルボニル基含有基としては、酸無水物基およびカルボキシ基が好ましい。具体的には、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸、ウンデシレン酸等のカルボキシ基を有する単量体、無水イタコン酸(以下、「IAH」とも記す。)、無水シトラコン酸(以下、「CAH」とも記す。)、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物(以下、「NAH」とも記す。)、無水マレイン酸等の酸無水物基を有する単量体、ヒドロキシアルキルビニルエーテル、エポキシアルキルビニルエーテル等が挙げられる。
官能基(I)をもたらす連鎖移動剤としては、カルボキシ基、エステル結合、水酸基等を有する連鎖移動剤が好ましい。具体的には、酢酸、無水酢酸、酢酸メチル、エチレングリコール、プロピレングリコール等が挙げられる。
官能基(I)をもたらす重合開始剤としては、ペルオキシカーボネート、ジアシルペルオキシド、ペルオキシエステル等の過酸化物系重合開始剤が好ましい。具体的には、ジ−n−プロピルペルオキシジカーボネート、ジイソプロピルペルオキシカーボネート、tert−ブチルペルオキシイソプロピルカーボネート、ビス(4−tert−ブチルシクロヘキシル)ペルオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルペルオキシジカーボネート等が挙げられる。
含フッ素共重合体の製造方法としては、官能基(I)を有する単量体を共重合させることにより、その単量体単位を有する共重合体を製造して、官能基(I)を有する含フッ素共重合体とすることが好ましい。
含フッ素共重合体において、TFE単位とE単位の合計に対する官能基(I)を有する単量体に基づくモノマー単位の割合が、0.05〜10モルが好ましく、0.1〜5モルがより好ましく、0.2〜2モルがさらに好ましい。前記範囲であると、金属基材に対する密着性が高くなるため好ましい。
含フッ素共重合体は、TFE単位、E単位および前記官能基(I)を有する単量体に基づく単位以外の、他のモノマー単位を有していてもよい。他のモノマー単位としては、含フッ素単量体(テトラフルオロエチレンを除く)が挙げられる。
含フッ素単量体としては、重合性炭素−炭素二重結合を1つ有する含フッ素化合物が好ましく、たとえば、フルオロオレフィン(フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、トリフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン(以下、「HFP」とも記す。)、ヘキサフルオロイソブチレン等。)、CF2=CFORf1(ただし、Rf1は炭素数1〜10で炭素原子間に酸素原子を含んでもよいペルフルオロアルキル基である。)(以下、「PAVE」とも記す。)、CF2=CFORf2SO2X1(ただし、Rf2は炭素数1〜10で炭素原子間に酸素原子を含んでもよいペルフルオロアルキレン基であり、X1はハロゲン原子または水酸基である。)、CF2=CFORf3CO2X2(ただし、Rf3は炭素数1〜10で炭素原子間に酸素原子を含んでもよいペルフルオロアルキレン基であり、X2は水素原子または炭素数1〜3のアルキル基である。)、CF2=CF(CF2)pOCF=CF2(ただし、pは1または2である。)、CH2=CX3(CF2)qX4(ただし、X3は水素原子またはフッ素原子であり、qは2〜10の整数であり、X4は水素原子またはフッ素原子である。)(以下、「FAE」とも記す。)、環構造を有する含フッ素単量体(ペルフルオロ(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール)、2,2,4−トリフルオロ−5−トリフルオロメトキシ−1,3−ジオキソール、ペルフルオロ(2−メチレン−4−メチル−1,3−ジオキソラン)等)等が挙げられる。
含フッ素単量体としては、含フッ素共重合体の成形性、重合体層の耐屈曲性等に優れる点から、HFP、PAVEおよびFAEからなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましく、FAEおよびHFPがより好ましい。
FAEとしては、CH2=CH(CF2)q1X4(ただし、q1は、2〜6であり、2〜4が好ましい。)が好ましく、CH2=CH(CF2)2F、CH2=CH(CF2)3F、CH2=CH(CF2)4F、CH2=CF(CF2)3H、CH2=CF(CF2)4Hがより好ましく、CH2=CH(CF2)4F(以下、「PFBE」とも記す。)およびCH2=CH(CF2)2F(以下、「PFEE」とも記す。)が特に好ましい。
FAEとしては、CH2=CH(CF2)q1X4(ただし、q1は、2〜6であり、2〜4が好ましい。)が好ましく、CH2=CH(CF2)2F、CH2=CH(CF2)3F、CH2=CH(CF2)4F、CH2=CF(CF2)3H、CH2=CF(CF2)4Hがより好ましく、CH2=CH(CF2)4F(以下、「PFBE」とも記す。)およびCH2=CH(CF2)2F(以下、「PFEE」とも記す。)が特に好ましい。
含フッ素共重合体において、前記含フッ素単量体に基づくモノマー単位の割合が全モノマー単位の合計に対して、0.1〜50モルが好ましく、0.5〜30モルがより好ましく、1〜20モルがさらに好ましい。前記範囲であると、耐クラック性が良好であるとともに含フッ素共重合体の融点が低下しすぎないため好ましい。
本発明に用いる含フッ素共重合体の融点としては、120〜260℃であることが好ましく、140〜250℃であることがより好ましく、150〜220℃であることが最も好ましい。
本発明に用いる含フッ素共重合体の容量流速(以下、Q値という。)は、0.1〜2000mm3/秒が好ましい。Q値は、含フッ素共重合体の溶融流動性を表す指標であり、分子量の目安となる。Q値が大きいと分子量が低く、小さいと分子量が高いことを示す。本明細書におけるQ値とは、島津製作所製フローテスタを用いて、樹脂の融点より50℃高い温度において、荷重7kg下に直径2.1mm、長さ8mmのオリフィス中に押出すときの含フッ素共重合体の押出し速度である。Q値が小さすぎると溶解性が悪くなり、大きすぎると含フッ素共重合体の機械的強度が低下するとともに、塗膜にした場合にひび割れ等が発生しやすくなる。本発明に用いる含フッ素共重合体(a)のQ値は、1〜500mm3/秒がより好ましく、5〜100mm3/秒が最も好ましい。この範囲にあると、含フッ素共重合体は機械的強度、耐熱性に優れる。
含フッ素共重合体は、常法により製造できる。単量体の重合によって含フッ素共重合体を製造する場合、重合方法としては、ラジカル重合開始剤を用いる重合方法が好ましい。
重合方法としては、塊状重合法、有機溶媒(フッ化炭化水素、塩化炭化水素、フッ化塩化炭化水素、アルコール、炭化水素等)を用いる溶液重合法、水性媒体と必要に応じて適当な有機溶媒とを用いる懸濁重合法、水性媒体と乳化剤とを用いる乳化重合法が挙げられ、溶液重合法が好ましい。
重合方法としては、塊状重合法、有機溶媒(フッ化炭化水素、塩化炭化水素、フッ化塩化炭化水素、アルコール、炭化水素等)を用いる溶液重合法、水性媒体と必要に応じて適当な有機溶媒とを用いる懸濁重合法、水性媒体と乳化剤とを用いる乳化重合法が挙げられ、溶液重合法が好ましい。
本発明で用いる組成物には、これら含フッ素共重合体の1種を単独で用いて、あるいは2種以上を併用して、含有させることが可能である。
本発明で用いる組成物中の含フッ素共重合体の含有量は、目的とする成形物の膜厚に応じて適宜変えることができる。成膜性の観点から、含フッ素共重合体の含有量は、組成物全量において0.05〜50質量%が好ましく、0.1〜30質量%がより好ましく、1〜20質量%が最も好ましい。前記含有量がこの範囲にあると粘度、乾燥速度、膜の均一性等の取扱い性に優れ、含フッ素共重合体を含有する均質な塗膜を形成できる。
本発明で用いる組成物は、上記含フッ素共重合体とともに1個のカルボニル基を有する炭素数6〜10の脂肪族化合物を含有する。
具体例としては、特許文献1の[0040]〜[0044]に記載されたものが挙げられる。なかでも[0041]に記載された鎖状ケトンが好ましく、特に2−ヘキサノン、メチルイソブチルケトン、3,3−ジメチル−2−ブタノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、ジイソプロピルケトン、5−メチル−2−ヘキサノン、2−オクタノン、3−オクタノン、5−メチル−3−ヘプタノン、2−ノナノン、5−ノナノン、ジイソブチルケトン、2−デカノン、3−デカノン等が好ましい。
具体例としては、特許文献1の[0040]〜[0044]に記載されたものが挙げられる。なかでも[0041]に記載された鎖状ケトンが好ましく、特に2−ヘキサノン、メチルイソブチルケトン、3,3−ジメチル−2−ブタノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、ジイソプロピルケトン、5−メチル−2−ヘキサノン、2−オクタノン、3−オクタノン、5−メチル−3−ヘプタノン、2−ノナノン、5−ノナノン、ジイソブチルケトン、2−デカノン、3−デカノン等が好ましい。
本発明で用いる組成物中の前記脂肪族化合物の含有量は、組成物全量中70〜99.95質量%が好ましく、80〜99.9質量%がより好ましい。前記含有量がこの範囲にあると、被覆用の組成物として塗膜作製における塗布時の取扱い性等に優れ、かつ得られる含フッ素共重合体を主体として含有する塗膜を均質かつ均一なものとすることができる。
本発明で用いる組成物は、前記含フッ素共重合体と前記脂肪族化合物を混合することで製造できる。組成物は含フッ素共重合体が溶解していてもよく、分散していてもよい。混合は常温で行ってもよく加熱して行ってもよい。
本発明で用いる組成物の製造方法としては、前記含フッ素共重合体を、その融点以下の温度で、前記脂肪族化合物に溶解する工程を有する製造方法が好ましい。溶解する温度は、用いる含フッ素共重合体の融点より30℃以上低い温度であることがより好ましい。
本発明における含フッ素共重合体の融点は、最も高いもので概ね275℃であることから、上記溶解する温度としては、230℃以下がより好ましく、200℃以下が特に好ましい。また、この溶解工程の温度の下限としては、0℃が好ましく、20℃がより好ましい。前記溶解工程の温度が0℃未満では、充分な溶解状態が得られない場合があり、245℃を超える温度では、実際作業を行う上で、容易に実行できないことがある。温度がこの範囲にあると、溶解作業が容易に実行できる。
前記溶解工程において、温度以外の条件は特に限定されるものではなく、通常は常圧下に実施することが好ましい。沸点が溶解工程の温度より低い場合等には、耐圧容器中で、少なくとも自然発生圧力以下、好ましくは3MPa以下、より好ましくは2MPa以下、さらに好ましくは1MPa以下の条件下、最も好ましくは常圧以下の条件下で溶解する方法が挙げられるが、一般的には、0.01〜1MPa程度の条件下で溶解を実施することができる。
溶解時間は、本発明で用いる組成物における前記含フッ素共重合体の含有量や該含フッ素共重合体の形状等に依存する。用いる含フッ素共重合体の形状は、溶解時間を短くする作業効率の点でいえば、粉末状のものが好ましいが、入手のし易さ等からペレット状等、その他の形状のものを用いることも可能である。
前記溶解工程における溶解の手段は特別なものではなく、一般的な方法によればよい。例えば、組成物に配合する各成分の必要量を秤量し、用いる含フッ素共重合体の融点以下の温度、好ましくは、0〜230℃の温度でこれら成分を均一に混合して前記含フッ素共重合体を前記脂肪族化合物に溶解させればよく、ホモミキサー、ヘンシェルミキサー、バンバリーミキサー、加圧ニーダー、一軸または二軸押出機等の一般的な撹拌混合機を用いて、前記溶解を実施することが効率の点で好ましい。加圧下に溶解する場合には、攪拌機付きオートクレーブ等の装置を用い、攪拌翼の形状としては、マリンプロペラ翼、パドル翼、アンカー翼、タービン翼等が用いられる。
本発明における含フッ素共重合体の融点は、最も高いもので概ね275℃であることから、上記溶解する温度としては、230℃以下がより好ましく、200℃以下が特に好ましい。また、この溶解工程の温度の下限としては、0℃が好ましく、20℃がより好ましい。前記溶解工程の温度が0℃未満では、充分な溶解状態が得られない場合があり、245℃を超える温度では、実際作業を行う上で、容易に実行できないことがある。温度がこの範囲にあると、溶解作業が容易に実行できる。
前記溶解工程において、温度以外の条件は特に限定されるものではなく、通常は常圧下に実施することが好ましい。沸点が溶解工程の温度より低い場合等には、耐圧容器中で、少なくとも自然発生圧力以下、好ましくは3MPa以下、より好ましくは2MPa以下、さらに好ましくは1MPa以下の条件下、最も好ましくは常圧以下の条件下で溶解する方法が挙げられるが、一般的には、0.01〜1MPa程度の条件下で溶解を実施することができる。
溶解時間は、本発明で用いる組成物における前記含フッ素共重合体の含有量や該含フッ素共重合体の形状等に依存する。用いる含フッ素共重合体の形状は、溶解時間を短くする作業効率の点でいえば、粉末状のものが好ましいが、入手のし易さ等からペレット状等、その他の形状のものを用いることも可能である。
前記溶解工程における溶解の手段は特別なものではなく、一般的な方法によればよい。例えば、組成物に配合する各成分の必要量を秤量し、用いる含フッ素共重合体の融点以下の温度、好ましくは、0〜230℃の温度でこれら成分を均一に混合して前記含フッ素共重合体を前記脂肪族化合物に溶解させればよく、ホモミキサー、ヘンシェルミキサー、バンバリーミキサー、加圧ニーダー、一軸または二軸押出機等の一般的な撹拌混合機を用いて、前記溶解を実施することが効率の点で好ましい。加圧下に溶解する場合には、攪拌機付きオートクレーブ等の装置を用い、攪拌翼の形状としては、マリンプロペラ翼、パドル翼、アンカー翼、タービン翼等が用いられる。
本発明で用いる組成物は、前記含フッ素共重合体と前記脂肪族化合物以外に必要に応じてその他の任意成分を本発明の効果を損なわない範囲で含有することができる。このような任意成分として、例えば、硬化剤、硬化促進剤、密着性改良剤、表面調整剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、架橋剤、滑剤、可塑剤、増粘剤、つや消し剤、分散安定剤、充填剤(フィラー)、強化剤、レベリング剤、顔料、染料、難燃剤、帯電防止剤、他の樹脂等の各種添加剤が挙げられる。また、本発明の効果を損なわないこれらの任意成分の含有量としては、被覆用の組成物の全量に対して30質量%以下の含有量を挙げることができる。
本発明で用いる組成物には、防錆、着色、補強等を目的として、顔料成分が含有されていてもよい。顔料成分としては、防錆顔料、着色顔料および体質顔料からなる群から選ばれる1種以上の顔料が好ましい。
防錆顔料は、金属板の腐食や変質を防止するための顔料である。環境への負荷が少ない無鉛防錆顔料が好ましい。
無鉛防錆顔料としては、シアナミド亜鉛、酸化亜鉛、リン酸亜鉛、リン酸カルシウムマグネシウム、モリブデン酸亜鉛、ホウ酸バリウム、シアナミド亜鉛カルシウム等が挙げられる。
着色顔料は、塗膜を着色するための顔料である。着色顔料としては、酸化チタン、カーボンブラック、酸化鉄等が挙げられる。
体質顔料は、塗膜の硬度を向上させ、かつ、塗膜の厚みを増すための顔料である。体質顔料としては、タルク、硫酸バリウム、マイカ、炭酸カルシウム等が挙げられる。
防錆顔料は、金属板の腐食や変質を防止するための顔料である。環境への負荷が少ない無鉛防錆顔料が好ましい。
無鉛防錆顔料としては、シアナミド亜鉛、酸化亜鉛、リン酸亜鉛、リン酸カルシウムマグネシウム、モリブデン酸亜鉛、ホウ酸バリウム、シアナミド亜鉛カルシウム等が挙げられる。
着色顔料は、塗膜を着色するための顔料である。着色顔料としては、酸化チタン、カーボンブラック、酸化鉄等が挙げられる。
体質顔料は、塗膜の硬度を向上させ、かつ、塗膜の厚みを増すための顔料である。体質顔料としては、タルク、硫酸バリウム、マイカ、炭酸カルシウム等が挙げられる。
建物外装材用途で使用されるプレコート金属板は、紫外線の強い屋外で長期間使用されるため、金属板の紫外線による劣化の対策は重要である。そこで、本発明においても、紫外線吸収剤を添加して、これを用いて金属板表面に形成される含フッ素共重合体を含有する樹脂層に紫外線吸収の機能を付与することが好ましい。
紫外線吸収剤としては、有機系、無機系のいずれの紫外線吸収剤も用いることができる。有機化合物系では、たとえばサリチル酸エステル系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、シアノアクリレート系、の紫外線吸収剤などが挙げられ、無機系では酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウムなどのフィラー型無機系紫外線吸収剤などが好ましい。
紫外線吸収剤として酸化チタンを用いる場合には、前記の複合粒子とした酸化チタンを用いることが好ましい。
紫外線吸収剤としては、有機系、無機系のいずれの紫外線吸収剤も用いることができる。有機化合物系では、たとえばサリチル酸エステル系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、シアノアクリレート系、の紫外線吸収剤などが挙げられ、無機系では酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウムなどのフィラー型無機系紫外線吸収剤などが好ましい。
紫外線吸収剤として酸化チタンを用いる場合には、前記の複合粒子とした酸化チタンを用いることが好ましい。
紫外線吸収剤は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。紫外線吸収剤の量は、組成物中の含フッ素共重合体の質量に対して0.1〜15質量%であることが好ましい。紫外線吸収剤の量が少なすぎる場合には、耐光性の改良効果が充分に得られず、また、多すぎても効果が飽和する。
光安定剤としては、たとえばヒンダードアミン系の光安定剤などが挙げられ、アデカスタブLA62、アデカスタブLA67(以上、アデカアーガス化学社製、商品名)、チヌビン292、チヌビン144、チヌビン123、チヌビン440(以上、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、商品名)などが好ましい。
光安定剤は1種または2種以上を組み合わせて用いてもよく、紫外線吸収剤と組み合わせて用いてもよい。
増粘剤としては、たとえばポリウレタン系会合性増粘剤などが挙げられる。
つや消し剤としては、超微粉合成シリカ等など常用の無機または有機のつや消し剤を用いることができる。
光安定剤は1種または2種以上を組み合わせて用いてもよく、紫外線吸収剤と組み合わせて用いてもよい。
増粘剤としては、たとえばポリウレタン系会合性増粘剤などが挙げられる。
つや消し剤としては、超微粉合成シリカ等など常用の無機または有機のつや消し剤を用いることができる。
本発明で用いる組成物に、耐候性に影響のない範囲で他の樹脂を配合することも可能である。他の樹脂としては、(メタ)アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アクリルポリオール樹脂、ポリエステルポリオール樹脂、ウレタン樹脂、アクリルシリコーン樹脂、シリコーン樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、オキセタン樹脂、アミノ樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアリレート等の非フッ素系樹脂等が挙げられる。他の樹脂は、架橋性の官能基を有し、硬化剤によって架橋されて硬化する樹脂であってもよい。
本発明で用いる組成物に他の樹脂を配合する場合、他の樹脂の含有量は、含フッ素共重合体の100質量部に対して1〜200質量部が好ましい。
本発明で用いる組成物に他の樹脂を配合する場合、他の樹脂の含有量は、含フッ素共重合体の100質量部に対して1〜200質量部が好ましい。
本発明の被覆方法は、金属基材を保護する被膜として、優れた耐候性に加えて、耐薬品性、防錆性に優れる、含フッ素共重合体を含有する樹脂層を金属基材の表面に簡便に形成することができる。さらに、含フッ素共重合体に架橋性を有する官能基を導入し、被膜として硬化樹脂層を形成すれば、架橋構造によって耐酸性が向上するため、酸性雨や鳥のフンによって金属基材の劣化を抑制しやすい。加えて、該硬化樹脂層は、架橋構造によって撥水性も向上するため、屋根材として使用した場合に雪の付着を抑制しやすい。さらに、架橋構造によってより硬い被膜が形成されるために耐擦傷性も向上するうえ、耐熱性、耐水性、耐湿性等の耐久性も向上する。
本発明の被覆方法においては、本発明で用いる組成物を金属基材(以下、単に「基材」とも記す。)の表面に塗布する。
本発明の被覆方法の対象となる基材としては、例えば、炭素鋼板、ステンレス鋼板、アルミニウム板、亜鉛板、ニッケル板、クロム板、錫板、銅板等の金属板が挙げられる。また、各種金属、硝子、セラミックス、プラスチックなどの表面を金属めっきした材料も、本発明の被覆方法の対象となる基材として挙げられる。前記基材に対するめっきとしては、溶融法または電解法等により製造される亜鉛めっき、亜鉛−5%アルミニウム合金めっき、亜鉛−55%アルミニウム合金めっき、アルミニウムめっき、ニッケルめっき、クロムめっき、金めっき、銀めっき、銅めっき、錫めっき、ニッケル―クロムめっき、ニッケル―錫めっきが挙げられる。
本発明の被覆方法の対象となる基材としては、例えば、炭素鋼板、ステンレス鋼板、アルミニウム板、亜鉛板、ニッケル板、クロム板、錫板、銅板等の金属板が挙げられる。また、各種金属、硝子、セラミックス、プラスチックなどの表面を金属めっきした材料も、本発明の被覆方法の対象となる基材として挙げられる。前記基材に対するめっきとしては、溶融法または電解法等により製造される亜鉛めっき、亜鉛−5%アルミニウム合金めっき、亜鉛−55%アルミニウム合金めっき、アルミニウムめっき、ニッケルめっき、クロムめっき、金めっき、銀めっき、銅めっき、錫めっき、ニッケル―クロムめっき、ニッケル―錫めっきが挙げられる。
また、本発明の被覆方法は、構造物を構成している金属板にも、構造物の構成部材となる金属板にも適用可能である。好ましくは、構造物の構成部材となる金属板に予め被覆する方法として用いられる。
組成物の塗布にあたっては、上記被覆の対象となる金属基材等の表面に下地処理として、化成処理を施し、その上に組成物を塗布することが好ましい。化成処理としては、リン酸塩処理、クロメート処理などの従来公知の方法が使用可能である。リン酸塩処理としては、リン酸亜鉛処理が好ましい。このように化成処理を施した金属基材の表面に組成物を塗布し被膜を形成させることにより、被膜の金属基材表面に対する密着性が向上するとともに耐食性も向上する。なお、このような化成処理は、通常、市販の金属板に予め施されている処理であり、本発明の被覆方法においても、必要に応じてこのような化成処理が施された市販品を用いればよい。
また、本発明の被覆方法においては、金属基材の表面に、好ましくは上記化成処理を施した金属基材の表面に組成物を塗布してもよいが、金属基材の表面に、好ましくは上記化成処理を施した金属基材の表面に、下塗り塗膜(プライマー塗膜)を施し、その表面に上記組成物を塗布することもできる。
なお、下塗り塗膜として、具体的には、上記組成物に任意に配合可能な密着性改良剤と同様の成分を用いて形成された下塗り塗膜等が挙げられる。
なお、下塗り塗膜として、具体的には、上記組成物に任意に配合可能な密着性改良剤と同様の成分を用いて形成された下塗り塗膜等が挙げられる。
組成物の金属基材表面への塗布方法は、均一な塗膜が得られる方法であれば特に限定しない。具体的な塗布方法としては、バーコーター塗布、ロールコーター塗布、カーテンフロー塗布等の方法が好ましい方法として挙げられる。組成物の塗布により金属基材表面に形成される塗膜の厚さは、最終的に得られる被膜の厚さとして以下の厚さとなるように調整される。
組成物の塗布の後、必要に応じて乾燥や加熱を行い、金属基材上に被膜を形成してもよい。
加熱をする場合は、金属基材上に形成された塗膜を熱風加熱、赤外線加熱、誘導加熱等の加熱手段により加熱することで、含フッ素共重合体を含む樹脂の焼き付けを行い、必要に応じて樹脂を架橋させて硬化樹脂層(被膜)を得る。加熱処理は、組成物が含有する含フッ素共重合体の融点以上、融点+20℃以下の範囲で行うことが好ましい。熱処理は、含フッ素共重合体の融点+10℃程度の温度で行うことがより好ましい。
加熱をする場合は、金属基材上に形成された塗膜を熱風加熱、赤外線加熱、誘導加熱等の加熱手段により加熱することで、含フッ素共重合体を含む樹脂の焼き付けを行い、必要に応じて樹脂を架橋させて硬化樹脂層(被膜)を得る。加熱処理は、組成物が含有する含フッ素共重合体の融点以上、融点+20℃以下の範囲で行うことが好ましい。熱処理は、含フッ素共重合体の融点+10℃程度の温度で行うことがより好ましい。
上記で形成される含フッ素共重合体を含有する樹脂層からなる被膜の膜厚は、0.05〜500μmが好ましく、1〜100μmがより好ましい。被膜の膜厚が0.05μm未満では、耐候性、耐薬品性、防錆性等の性能が十分に得られず、一方、被膜の膜厚が500μmを超えると被覆の各工程における作業性の低下や被膜の外観、被膜の硬度の低下を招くだけでなく、曲げ加工性や耐傷つき性等も劣り、また、コストも上昇するため好ましくない。
本発明の被覆方法は、前記構造物以外にも、水、温水、酸、アルカリ、有機溶剤、粉体などを取り扱う容器や配管、バルブ等にも用いることができる。具体的には、金属製の容器、ピット、バット、スプーン、スコップ、スパチュラ、管、ホース、チューブ、蛇腹状チューブ、フランジ、エルボー、T型継手、十字継手、ボールバルブ、ニードルバルブ、ベローズバルブ、グローブバルブ、バタフライバルブ、逆止弁、金属製フィルター等が挙げられる。
本発明の被覆が前記物品の内面に施されていると、金属が内部の流体から保護され、錆び等の問題が発生しない、若しくは、金属成分が流体に混入することが無いため好ましい。
本発明の被覆が前記物品の内面に施されていると、金属が内部の流体から保護され、錆び等の問題が発生しない、若しくは、金属成分が流体に混入することが無いため好ましい。
以下に、本発明の実施例を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(容量流速Q値mm3/秒)
島津製作所製フローテスタを用いて、220℃の温度において、荷重7kg下に直径2.1mm、長さ8mmのオリフィス中に押出すときの含フッ素共重合体の押出し速度を測定した。
[融点]
示差走査熱量計(SII株式会社製、DSC−7020)を用い、試料約5mgを乾燥空気流通下に300℃で10分保持した後、100℃まで10℃/分の降温速度で降温し、続いて10℃/分の昇温速度で300℃まで昇温したときの結晶融解ピークの頂点に対応する温度を融点とした。
[ETFE1の組成]
溶融NMR分析、フッ素含有量分析および赤外吸収スペクトル分析で求めた。
島津製作所製フローテスタを用いて、220℃の温度において、荷重7kg下に直径2.1mm、長さ8mmのオリフィス中に押出すときの含フッ素共重合体の押出し速度を測定した。
[融点]
示差走査熱量計(SII株式会社製、DSC−7020)を用い、試料約5mgを乾燥空気流通下に300℃で10分保持した後、100℃まで10℃/分の降温速度で降温し、続いて10℃/分の昇温速度で300℃まで昇温したときの結晶融解ピークの頂点に対応する温度を融点とした。
[ETFE1の組成]
溶融NMR分析、フッ素含有量分析および赤外吸収スペクトル分析で求めた。
〔合成例1〕
内容積1.3Lの、攪拌機及びジャケットを備えたステンレス製重合槽を真空引きした後、CF3CH2OCF2CF2Hの825g、CH2=CH(CF2)4Fの3.2gを仕込み、重合槽内部を攪拌しながらHFPの350g、TFEの118g、Eの2.9gを仕込んだ後、ジャケットに温水を流して重合槽内温を66℃にした。この時の重合槽内圧力1.47MPaGであった。内温が安定してからtert−ブチルペルオキシピバレートの5質量%CF3CH2OCF2CF2H溶液の7.4mLを圧入し、重合を開始した。重合中、内圧が1.47MPaGで一定になるよう、TFE/E=54/46モル比の混合ガスを添加した。併せて重合中に添加されるTFE/E混合ガスが5g消費される毎にCH2=CH(CF2)4Fの7.1質量%、無水イタコン酸の1.3質量%CF3CH2OCF2CF2H溶液の2mLを添加した。反応開始から370分後、TFE/E=54/46モル比の混合ガスの70gを添加したところで重合槽を冷却し、重合を終了した。
そして、重合槽から残モノマーガスを大気圧までパージし、スラリーを内容積2Lの容器に移し、スラリーと同体積の水を加え、加熱しながら重合媒体、残モノマーと含フッ素共重合体とを分離した。得られたポリマーを120℃のオーブンで乾燥し、白色粉末状のETFE1を得た。
ETFE1の220℃における容量流速は11mm3/秒、組成はTFE/E/HFP/CH2=CH(CF2)4F/無水イタコン酸=47.5/43.4/8.3/0.6/0.3モル%、融点は183℃だった。
内容積1.3Lの、攪拌機及びジャケットを備えたステンレス製重合槽を真空引きした後、CF3CH2OCF2CF2Hの825g、CH2=CH(CF2)4Fの3.2gを仕込み、重合槽内部を攪拌しながらHFPの350g、TFEの118g、Eの2.9gを仕込んだ後、ジャケットに温水を流して重合槽内温を66℃にした。この時の重合槽内圧力1.47MPaGであった。内温が安定してからtert−ブチルペルオキシピバレートの5質量%CF3CH2OCF2CF2H溶液の7.4mLを圧入し、重合を開始した。重合中、内圧が1.47MPaGで一定になるよう、TFE/E=54/46モル比の混合ガスを添加した。併せて重合中に添加されるTFE/E混合ガスが5g消費される毎にCH2=CH(CF2)4Fの7.1質量%、無水イタコン酸の1.3質量%CF3CH2OCF2CF2H溶液の2mLを添加した。反応開始から370分後、TFE/E=54/46モル比の混合ガスの70gを添加したところで重合槽を冷却し、重合を終了した。
そして、重合槽から残モノマーガスを大気圧までパージし、スラリーを内容積2Lの容器に移し、スラリーと同体積の水を加え、加熱しながら重合媒体、残モノマーと含フッ素共重合体とを分離した。得られたポリマーを120℃のオーブンで乾燥し、白色粉末状のETFE1を得た。
ETFE1の220℃における容量流速は11mm3/秒、組成はTFE/E/HFP/CH2=CH(CF2)4F/無水イタコン酸=47.5/43.4/8.3/0.6/0.3モル%、融点は183℃だった。
[実施例1]
1Lの攪拌機付きガラス製耐圧反応容器に、含フッ素共重合体として、ETFE1の6g、ジイソプロピルケトンの594gを入れ、150℃に加熱して1時間撹拌してETFE1を分散させた。その後、撹拌しながら室温まで冷却し、ETFE分散液1を得た。
ETFE分散液1を、80℃に加熱した炭素鋼板に刷毛で塗布した後、200℃のオーブンで1時間熱処理を行った。
炭素鋼板の表面に塗布されたETFE1は、金属表面にしっかりと密着していた。また、ETFE1被覆について水の接触角を測定したところ、接触角は113°であり、ETFEとしての撥水性能が確認された。
1Lの攪拌機付きガラス製耐圧反応容器に、含フッ素共重合体として、ETFE1の6g、ジイソプロピルケトンの594gを入れ、150℃に加熱して1時間撹拌してETFE1を分散させた。その後、撹拌しながら室温まで冷却し、ETFE分散液1を得た。
ETFE分散液1を、80℃に加熱した炭素鋼板に刷毛で塗布した後、200℃のオーブンで1時間熱処理を行った。
炭素鋼板の表面に塗布されたETFE1は、金属表面にしっかりと密着していた。また、ETFE1被覆について水の接触角を測定したところ、接触角は113°であり、ETFEとしての撥水性能が確認された。
[実施例2]
炭素鋼板をステンレス鋼板に変更する以外は実施例1と同様にして、ETFE1で被覆された金属板を調製した。表面に塗布されたETFE1は、金属表面にしっかりと密着していた。また、ETFE1被覆について水の接触角を測定したところ、接触角は104°であり、ETFEとしての撥水性能が確認された。
炭素鋼板をステンレス鋼板に変更する以外は実施例1と同様にして、ETFE1で被覆された金属板を調製した。表面に塗布されたETFE1は、金属表面にしっかりと密着していた。また、ETFE1被覆について水の接触角を測定したところ、接触角は104°であり、ETFEとしての撥水性能が確認された。
[実施例3]
炭素鋼板をニッケルめっき炭素鋼板に変更する以外は実施例1と同様にして、ETFE1で被覆された金属板を調製した。表面に塗布されたETFE1は、金属表面にしっかりと密着していた。また、ETFE1被覆について水の接触角を測定したところ、接触角は110°であり、ETFEとしての撥水性能が確認された。
炭素鋼板をニッケルめっき炭素鋼板に変更する以外は実施例1と同様にして、ETFE1で被覆された金属板を調製した。表面に塗布されたETFE1は、金属表面にしっかりと密着していた。また、ETFE1被覆について水の接触角を測定したところ、接触角は110°であり、ETFEとしての撥水性能が確認された。
Claims (4)
- 官能基を有し、テトラフルオロエチレンに基づくモノマー単位とエチレンに基づくモノマー単位を有する含フッ素共重合体と、1個のカルボニル基を有する炭素数6〜10の脂肪族化合物とを含有する含フッ素共重合体組成物を、金属基材の表面に塗布する金属基材の被覆方法。
- 前記脂肪族化合物が、ケトン類、エステル類およびカーボネート類からなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項1に記載の被覆方法。
- 前記官能基が、カルボニル基含有基、ヒドロキシ基、エポキシ基およびイソシアネート基からなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1または2に記載の被覆方法。
- 前記金属基材が、めっき層が形成された鋼基材である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の被覆方法。
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JP2017036321A JP2018140351A (ja) | 2017-02-28 | 2017-02-28 | 金属基材の被覆方法 |
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---|---|---|---|---|
JP2021109144A (ja) * | 2020-01-09 | 2021-08-02 | ヤマハファインテック株式会社 | 水素ガス混合装置 |
KR20220055566A (ko) * | 2020-10-27 | 2022-05-04 | 엔이에스 주식회사 | Lng 벙커링 장치의 내구시험 시스템 |
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KR20220055566A (ko) * | 2020-10-27 | 2022-05-04 | 엔이에스 주식회사 | Lng 벙커링 장치의 내구시험 시스템 |
KR102480659B1 (ko) * | 2020-10-27 | 2022-12-23 | 엔이에스 주식회사 | Lng 벙커링 장치의 내구시험 시스템 |
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