JP2019046742A - 内燃機関用のスパークプラグ - Google Patents
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Abstract
【課題】着火性を確保しやすい内燃機関用のスパークプラグを提供すること。【解決手段】スパークプラグ1は、ハウジング11と絶縁碍子12と中心電極2とメイン接地電極3とサブ接地電極4とを有する。メイン接地電極3は、ハウジング11から先端側へ立設したメイン立設部31とメイン立設部31からプラグ径方向の内周側へ延設されたメイン延設部32とを有する。サブ接地電極4はハウジング11から先端側に形成されている。メイン延設部32の表面は延設方向Xのメイン立設部31と反対側に形成されたメイン特定面321を有する。メイン特定面321は横方向Yの一方側であるY1側に向かうほど延設方向Xのメイン立設部31側に向かうよう形成されている。プラグ軸方向Zから見たとき、サブ接地電極4の少なくとも一部はメイン特定面321の両端部を通る仮想直線Lとメイン接地電極3とのプラグ周方向の間の領域である内側領域10に形成されている。【選択図】図1
Description
本発明は、内燃機関用のスパークプラグに関する。
自動車のエンジン等の内燃機関における着火手段として、スパークプラグが用いられている。特許文献1に記載のスパークプラグは、筒状のハウジングと、ハウジングの内側に保持された絶縁碍子と、絶縁碍子の内側に保持された中心電極と、ハウジングから先端側に形成されるとともに、中心電極とプラグ軸方向に対向する接地電極とを有する。前記接地電極は、ハウジングの先端面から先端側に立設された立設部と、立設部からプラグ径方向の内周側に延設された延設部とを有し、全体としてL字状を呈している。かかるスパークプラグは、プラグ軸方向における中心電極と接地電極との間の放電ギャップに放電を生じさせ、この放電により、燃焼室内の混合気に着火している。
ここで、燃焼室内においては、例えばスワール流やタンブル流といった混合気の気流が形成されており、この気流が放電ギャップにおいても適度に流れることにより、着火性を確保することができる。
しかしながら、特許文献1に記載のスパークプラグは、接地電極の延設部における立設部側と反対側から、立設部側に向かって流れる気流が燃焼室内に生じた場合(すなわち、立設部がスパークプラグにおける下流側に配されるような場合)、着火性が低下しやすい。すなわち、この場合、中心電極と接地電極との間に生じた放電が、立設部側に向かって引き伸ばされるため、放電の伸長が立設部によって阻害されやすい。そのため、放電を引き伸ばすことが困難となり、その結果、放電と混合気との接触面積を稼ぐことができず、着火性を向上させ難い。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、着火性を確保しやすい内燃機関用のスパークプラグを提供しようとするものである。
本発明の一態様は、筒状のハウジング(11)と、
前記ハウジングの内側に保持された筒状の絶縁碍子(12)と、
先端部が突出するように前記絶縁碍子の内側に保持された中心電極(2)と、
前記ハウジングからプラグ軸方向(Z)の先端側へ立設したメイン立設部(31)と、前記メイン立設部からプラグ径方向の内周側へ延設されるとともに、前記中心電極とプラグ軸方向に対向するメイン延設部(32)と、を有するメイン接地電極(3)と、
前記ハウジングにおける、プラグ周方向の前記メイン接地電極と異なる位置から、プラグ軸方向の先端側に形成されたサブ接地電極(4)と、を有し、
前記メイン立設部から前記メイン延設部が延設される方向を延設方向(X)とし、前記延設方向とプラグ軸方向との双方に直交する方向を横方向(Y)と定義したとき、
前記メイン接地電極の前記メイン延設部の表面は、前記延設方向における前記メイン立設部と反対側に形成されたメイン特定面(321)を有し、
前記メイン特定面は、前記横方向の一方側であるY1側に向かうほど、前記延設方向の前記メイン立設部側に向かうよう形成されており、
プラグ軸方向から見たとき、前記サブ接地電極の少なくとも一部は、前記メイン特定面の両端部を通る仮想直線(L)と、前記メイン接地電極との、プラグ周方向の間の領域である内側領域(10)に形成されている、内燃機関用のスパークプラグ(1)にある。
前記ハウジングの内側に保持された筒状の絶縁碍子(12)と、
先端部が突出するように前記絶縁碍子の内側に保持された中心電極(2)と、
前記ハウジングからプラグ軸方向(Z)の先端側へ立設したメイン立設部(31)と、前記メイン立設部からプラグ径方向の内周側へ延設されるとともに、前記中心電極とプラグ軸方向に対向するメイン延設部(32)と、を有するメイン接地電極(3)と、
前記ハウジングにおける、プラグ周方向の前記メイン接地電極と異なる位置から、プラグ軸方向の先端側に形成されたサブ接地電極(4)と、を有し、
前記メイン立設部から前記メイン延設部が延設される方向を延設方向(X)とし、前記延設方向とプラグ軸方向との双方に直交する方向を横方向(Y)と定義したとき、
前記メイン接地電極の前記メイン延設部の表面は、前記延設方向における前記メイン立設部と反対側に形成されたメイン特定面(321)を有し、
前記メイン特定面は、前記横方向の一方側であるY1側に向かうほど、前記延設方向の前記メイン立設部側に向かうよう形成されており、
プラグ軸方向から見たとき、前記サブ接地電極の少なくとも一部は、前記メイン特定面の両端部を通る仮想直線(L)と、前記メイン接地電極との、プラグ周方向の間の領域である内側領域(10)に形成されている、内燃機関用のスパークプラグ(1)にある。
前記内燃機関用のスパークプラグにおいて、メイン特定面は、横方向の一方側であるY1側に向かうほど、延設方向のメイン立設部側に向かうよう形成されている。加えて、プラグ軸方向から見たとき、サブ接地電極の少なくとも一部は、メイン特定面の両端部を通る仮想直線と、メイン接地電極との、プラグ周方向の間の領域である内側領域に形成されている。それゆえ、メイン立設部がスパークプラグにおける下流側に位置するよう配された場合であっても、着火性を確保しやすい。このことについては、実施形態において詳述する。
以上のごとく、前記態様によれば、着火性を確保しやすい内燃機関用のスパークプラグを提供することができる。
なお、特許請求の範囲及び課題を解決する手段に記載した括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであり、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
なお、特許請求の範囲及び課題を解決する手段に記載した括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであり、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
(実施形態1)
内燃機関用のスパークプラグの実施形態につき、図1〜図11を用いて説明する。
図2に示すごとく、本実施形態の内燃機関用のスパークプラグ1は、筒状のハウジング11と、ハウジング11の内側に保持された筒状の絶縁碍子12と、中心電極2とメイン接地電極3とサブ接地電極4とを有する。中心電極2は、先端部が突出するように絶縁碍子12の内側に保持されている。メイン接地電極3は、ハウジング11からプラグ軸方向Zの先端側へ立設したメイン立設部31と、メイン立設部31からプラグ径方向の内周側へ延設されるとともに、中心電極2とプラグ軸方向Zに対向するメイン延設部32と、を有する。サブ接地電極4は、ハウジング11における、プラグ周方向のメイン接地電極3と異なる位置から、プラグ軸方向Zの先端側に形成されている。
内燃機関用のスパークプラグの実施形態につき、図1〜図11を用いて説明する。
図2に示すごとく、本実施形態の内燃機関用のスパークプラグ1は、筒状のハウジング11と、ハウジング11の内側に保持された筒状の絶縁碍子12と、中心電極2とメイン接地電極3とサブ接地電極4とを有する。中心電極2は、先端部が突出するように絶縁碍子12の内側に保持されている。メイン接地電極3は、ハウジング11からプラグ軸方向Zの先端側へ立設したメイン立設部31と、メイン立設部31からプラグ径方向の内周側へ延設されるとともに、中心電極2とプラグ軸方向Zに対向するメイン延設部32と、を有する。サブ接地電極4は、ハウジング11における、プラグ周方向のメイン接地電極3と異なる位置から、プラグ軸方向Zの先端側に形成されている。
ここで、メイン立設部31からメイン延設部32が延設される方向を延設方向Xとし、延設方向Xとプラグ軸方向Zとの双方に直交する方向を横方向Yと定義する。図1に示すごとく、メイン接地電極3のメイン延設部32の表面は、延設方向Xにおけるメイン立設部31と反対側に形成されたメイン特定面321を有する。メイン特定面321は、横方向Yの一方側であるY1側に向かうほど、延設方向Xのメイン立設部31側(以後、適宜「X2側」といい、延設方向XにおけるX2側と反対側を適宜「X1側」という。)に向かうよう形成されている。プラグ軸方向Zから見たとき、サブ接地電極4の少なくとも一部は、メイン特定面321の両端部を通る仮想直線Lと、メイン接地電極3との、プラグ周方向の間の領域である内側領域10に形成されている。なお、便宜上、図1において、内側領域10にハッチングを施している。
スパークプラグ1は、例えば、自動車、コージェネレーション等の内燃機関における着火手段として用いることができる。プラグ軸方向Zにおけるスパークプラグ1の一端は、図示しない点火コイルと接続され、プラグ軸方向Zにおけるスパークプラグ1の他端は、内燃機関の燃焼室内に配される。
本明細書において、プラグ軸方向Zはスパークプラグ1の軸方向を意味するものとし、プラグ径方向はスパークプラグ1の径方向を意味するものとし、プラグ周方向はスパークプラグ1の周方向を意味するものとする。また、プラグ軸方向Zにおいて、スパークプラグ1が燃焼室に挿入される側を先端側、その反対側を基端側という。
図示は省略するが、ハウジング11は、外周面に、スパークプラグ1をエンジンヘッドに取り付けるための取付ネジ部が形成されている。
図2に示すごとく、絶縁碍子12は、その先端部をハウジング11から先端側に突出させ、図示は省略するが、基端部をハウジング11から基端側に突出させつつ、ハウジング11に保持されている。図2に示すごとく、絶縁碍子12内における先端部に、中心電極2が保持されている。
中心電極2は、その中心軸をスパークプラグ1の中心軸と略一致させるよう配されている。中心電極2は、全体として略円柱形状を呈している。なお、図1においては、中心電極2の先端面21の外形位置を破線で示している。
図1に示すごとく、メイン接地電極3は、ハウジング11の先端面に接続されたメイン接続部311を有する。前述のごとく、メイン接地電極3は、メイン立設部31とメイン延設部32とを有する。
図2に示すごとく、メイン立設部31は、プラグ軸方向Zに長尺な矩形柱状を呈している。メイン立設部31の厚み方向は、延設方向Xである。メイン立設部31の基端側端面が、メイン接続部311である。メイン接続部311は、その全面においてハウジング11の先端面に接続されている。
図1に示すごとく、メイン延設部32は、メイン立設部31の先端側の端部から、プラグ径方向の内周側に向って延設されている。メイン延設部32は、延設方向Xに長尺な略矩形柱状を呈している。メイン延設部32の厚み方向は、プラグ軸方向Zである。
図1に示すごとく、メイン延設部32の表面は、延設方向Xにおけるメイン立設部31側と反対側(すなわちX1側)の面であるメイン端面322と、横方向Yの両端面である一対のメイン側面323と、前述のメイン特定面321とを有する。メイン端面322は、延設方向Xに直交するよう形成されており、各メイン側面323は、横方向Yに直交するよう形成されている。
メイン特定面321は、メイン端面322とY1側のメイン側面323との双方に連なるよう形成されている。メイン特定面321は、Y1側に向かうほど延設方向Xのメイン立設部31側(すなわちX2側)に向かうよう傾斜した平面である。図1、図2に示すごとく、メイン特定面321におけるプラグ軸方向Zの両端縁には、Y1側に向かうほどX2側に向かうよう傾斜した直線状の特定エッジ部321aが形成されている。また、その他にも、メイン端面322の端縁、メイン側面323の端縁に、エッジが形成されている。
図1に示すごとく、メイン延設部32におけるプラグ軸方向Zの基端側の面であるメイン腹面324(図2参照)は、その一部が、中心電極2の先端面21とプラグ軸方向Zに重なるよう形成されている。すなわち、メイン腹面324は、中心電極2の先端面21とプラグ軸方向Zに対向している。図2に示すごとく、プラグ軸方向Zにおけるメイン腹面324と中心電極2の先端面21との間に、火花放電を生じさせる放電ギャップGが形成されている。
サブ接地電極4は、ハウジング11からプラグ軸方向Zの先端側へ立設したサブ立設部41と、サブ立設部41からプラグ径方向の内周側へ延設されたサブ延設部42とを有する。
サブ立設部41は、プラグ軸方向Zに長尺な矩形柱状を呈している。サブ立設部41は、その基端側の端面が、ハウジング11の先端面に接続されたサブ接続部411を構成している。サブ接続部411は、その全面においてハウジング11の先端面に接続されている。サブ立設部41の厚み方向は、プラグ軸方向Zに直交する方向のうち、サブ接続部411とプラグ中心軸との並び方向である。
図1に示すごとく、サブ延設部42は、サブ立設部41の先端側の端部から、プラグ径方向の内周側に向って延設されている。サブ延設部42は、プラグ径方向に長尺な矩形柱状を呈している。サブ延設部42の厚み方向は、プラグ軸方向Zである。
図1に示すごとく、サブ延設部42の表面は、サブ延設部42におけるサブ立設部41と反対側の端面であるサブ端面422と、サブ延設部42の幅方向に直交するとともにサブ端面422と連なる一対のサブ側面423とを有する。サブ端面422の端縁、及びサブ側面423の端縁にはエッジが形成されている。
図2に示すごとく、サブ延設部42のプラグ軸方向Zにおける基端側の面であるサブ腹面424は、前記メイン腹面324よりも、プラグ軸方向Zの基端側に位置している。プラグ軸方向Zにおいて、サブ接地電極4全体の長さは、メイン接地電極3全体の長さよりも小さい。
メイン腹面324と異なり、サブ腹面424は、中心電極2の先端面21とプラグ軸方向Zに重なっていない。すなわち、図1に示すごとく、サブ延設部42のサブ端面422は、プラグ中心軸とサブ接続部411との並び方向において、中心電極2の先端面21よりも、サブ接続部411側に位置している。
プラグ軸方向Zから見たとき、サブ端面422の全体は、内側領域10に配されている。前述のごとく、内側領域10は、プラグ軸方向Zから見たとき、メイン特定面321の両端部を通る仮想直線Lと、メイン接地電極3との、プラグ周方向の内側に形成される領域である。本実施形態においては、プラグ軸方向Zから見たとき、サブ接地電極4の全体が、内側領域10に配されている。
メイン接地電極3及びサブ接地電極4は、例えば、長尺な金属板材をその厚み方向に曲げ加工してなる。
次に、図3を用いて、燃焼室内の気流Fが、スパークプラグ1に対して、延設方向Xにおけるメイン立設部31側と反対側から、メイン立設部31側に向かう方向(すなわち、X1側からX2側に向かう方向)に流入した場合において、放電ギャップG周辺に流れる気流Fの向きにつき説明する。
まず、気流Fは、スパークプラグ1におけるX1側からX2側に向かって流入した後、放電ギャップG付近まで延設方向Xに流れる。
そして、放電ギャップGを通過した気流Fは、後述のメイン淀み領域5とサブ淀み領域6とを避けるよう、これらの間を通過し、スパークプラグ1の外部に流出する。メイン淀み領域5は、メイン延設部32におけるプラグ軸方向Zの先端側、かつ、メイン立設部31のX1側の領域のうち、メイン立設部31側の領域であり、気流Fの流通方向の先にメイン立設部31が立ちはだかっているため、気流Fの流れが淀む領域である。同様にサブ淀み領域6は、サブ延設部42におけるプラグ軸方向Zの先端側、かつ、サブ立設部41におけるプラグ径方向の内周側の領域のうち、サブ立設部41側の領域であり、気流Fの流通方向の先にサブ立設部41が立ちはだかっているため、気流Fの流れが淀む領域である。
次に、図4〜図11を用いて、スパークプラグ1において生じた放電火花Sが気流Fによって引き伸ばされる様子の一例を説明する。
まず、中心電極2に所定の電圧を印加することにより、放電ギャップGに放電が生じる。放電ギャップGに生じた放電によって生じた放電火花Sは、燃焼室内の気流Fに押され、図4、図6に示すごとく、放電火花Sの両起点間の部位が下流側に膨らむよう引き伸ばされる。すなわち、図5に示すごとく、放電火花Sは、X2側に向って膨らむよう引き伸ばされる。また、放電火花Sの両起点間の部位が引き伸ばされている間、放電火花Sの中心電極2側と反対側の起点(以後、適宜「接地側起点S1」という。)は、気流Fに押され、メイン特定面321の基端側の特定エッジ部321a上を這うように移動する。これにより、図5、図7に示すごとく、放電火花Sの接地側起点S1は、特定エッジ部321a上を、メイン端面322側から、メイン特定面321と連なるメイン側面323側に向かって移動する。すなわち、放電火花Sの接地側起点S1は、サブ接地電極4側に近付くように移動する。
これにより、図6、図7に示すごとく、放電火花Sの一部がサブ接地電極4に近接し、図8、図9に示すごとく、放電火花Sの接地側起点S1がメイン接地電極3からサブ接地電極4のサブ端面422のエッジに移動する。本実施形態においては、図8、図9に示すごとく、サブ端面422のエッジにおける、先端側かつY1側の端部に接地側起点S1が移動した例を示している。
そして、図10、図11に示すごとく、放電火花Sの接地側起点S1は、サブ端面422のエッジ上を這うように、その基端側、かつY2側の端部に向かって移動する。この間、放電火花Sの両起点間の部位は、下流側、すなわちメイン接地電極3とサブ接地電極4との間、に大きく膨らむよう引き伸ばされる。これにより、放電火花Sの伸長先に、メイン接地電極3及びサブ接地電極4が立ちはだかることなく、放電火花Sを大きく下流側に引き伸ばすことができる。
次に、本実施形態の作用効果につき説明する。
本実施形態の内燃機関用のスパークプラグ1において、メイン特定面321は、横方向Yの一方側であるY1側に向かうほど、延設方向Xのメイン立設部31側に向かうよう形成されている。加えて、プラグ軸方向Zから見たとき、サブ接地電極4の少なくとも一部は、メイン特定面321の両端部を通る仮想直線Lと、メイン接地電極3との、プラグ周方向の間の領域である内側領域10に形成されている。それゆえ、前述のごとく、放電火花Sの接地側起点S1をサブ接地電極4側に導くことができ、メイン接地電極3からサブ接地電極4への接地側起点S1の移動をスムーズに行うことができる。そして、放電火花Sをメイン接地電極3とサブ接地電極4との間に引き伸ばすことができるため、放電火花Sを引き伸ばしやすい。また、これにより、燃焼変動率(すなわち、図示平均有効圧の変動率)を従来の構成(接地電極が1つで、かつ、メイン特定面321が形成されていないもの)よりも低くできるとともに、リーン限界を高くできることも確認できている。なお、着火性が良いほど、燃焼変動率の値は低くなる。
本実施形態の内燃機関用のスパークプラグ1において、メイン特定面321は、横方向Yの一方側であるY1側に向かうほど、延設方向Xのメイン立設部31側に向かうよう形成されている。加えて、プラグ軸方向Zから見たとき、サブ接地電極4の少なくとも一部は、メイン特定面321の両端部を通る仮想直線Lと、メイン接地電極3との、プラグ周方向の間の領域である内側領域10に形成されている。それゆえ、前述のごとく、放電火花Sの接地側起点S1をサブ接地電極4側に導くことができ、メイン接地電極3からサブ接地電極4への接地側起点S1の移動をスムーズに行うことができる。そして、放電火花Sをメイン接地電極3とサブ接地電極4との間に引き伸ばすことができるため、放電火花Sを引き伸ばしやすい。また、これにより、燃焼変動率(すなわち、図示平均有効圧の変動率)を従来の構成(接地電極が1つで、かつ、メイン特定面321が形成されていないもの)よりも低くできるとともに、リーン限界を高くできることも確認できている。なお、着火性が良いほど、燃焼変動率の値は低くなる。
また、メイン特定面321は、平面である。それゆえ、メイン特定面321の形成を容易にすることができ、スパークプラグ1の生産性の向上を図ることができる。
また、サブ腹面424は、メイン腹面324よりも、プラグ軸方向Zの基端側に位置している。それゆえ、メイン接地電極3と中心電極2との間において引き伸ばされた放電火花Sが、サブ接地電極4に近付きやすい。それゆえ、放電火花Sの接地側起点S1の、メイン接地電極3からサブ接地電極4への移動を、よりスムーズにしやすい。
また、プラグ軸方向Zから見たとき、サブ端面422の全体は、内側領域10に配されている。それゆえ、メイン接地電極3と中心電極2との間において引き伸ばされた放電火花Sが、周囲の電界強度が高いサブ端面422の周縁のエッジ部に近付きやすい。それゆえ、一層、メイン接地電極3からサブ接地電極4への放電火花Sの接地側起点S1の移動をスムーズにしやすい。
また、プラグ軸方向Zから見たとき、サブ接地電極4の全体が、内側領域10に配されている。それゆえ、メイン接地電極3と中心電極2との間において引き伸ばされた放電火花Sが、サブ接地電極4のいずれかの部位に向かって引き伸ばされる。それゆえ、メイン接地電極3からサブ接地電極4への放電火花Sの接地側起点S1の移動を確実に行うことができる。
以上のごとく、本実施形態によれば、着火性を確保しやすい内燃機関用のスパークプラグを提供することができる。
(実施形態2)
本実施形態は、図12に示すごとく、実施形態1に対して、メイン特定面321の形状を変更した実施形態である。すなわち、本実施形態において、メイン特定面321は、Y2側に凸の曲面である。すなわち、メイン特定面321は、メイン端面322側からまず延設方向XのX2側に向かって形成されており、その後、横方向YのY1側に向かって湾曲したような曲面状を有する。これに伴い、メイン特定面321の特定エッジ部321aは、メイン端面322側からまず延設方向XのX2側に向かって形成されており、その後、横方向YのY1側に向かって湾曲したような曲線状を有する。
本実施形態は、図12に示すごとく、実施形態1に対して、メイン特定面321の形状を変更した実施形態である。すなわち、本実施形態において、メイン特定面321は、Y2側に凸の曲面である。すなわち、メイン特定面321は、メイン端面322側からまず延設方向XのX2側に向かって形成されており、その後、横方向YのY1側に向かって湾曲したような曲面状を有する。これに伴い、メイン特定面321の特定エッジ部321aは、メイン端面322側からまず延設方向XのX2側に向かって形成されており、その後、横方向YのY1側に向かって湾曲したような曲線状を有する。
その他は、実施形態1と同様である。
なお、実施形態2以降において用いた符号のうち、既出の実施形態において用いた符号と同一のものは、特に示さない限り、既出の実施形態におけるものと同様の構成要素等を表す。
なお、実施形態2以降において用いた符号のうち、既出の実施形態において用いた符号と同一のものは、特に示さない限り、既出の実施形態におけるものと同様の構成要素等を表す。
本実施形態においては、放電火花Sが、メイン特定面321の特定エッジ部321a上を移動しやすい。すなわち、特定エッジ部321aは、メイン端面322側から延設方向X、すなわち気流Fの方向と平行な方向に延びているため、放電火花Sの接地側起点S1が気流Fに押され、特定エッジ部321a上を移動しやすい。それゆえ、一層放電火花Sの接地側起点S1を、サブ接地電極4側に移動させやすく、メイン接地電極3からサブ接地電極4への接地側起点S1の移動を促進させやすい。
その他、実施形態1と同様の作用効果を有する。
その他、実施形態1と同様の作用効果を有する。
(実施形態3)
本実施形態も、実施形態1に対して、メイン特定面321の形状を変更した実施形態である。すなわち、本実施形態において、メイン特定面321は、Y1側に凸の曲面である。
その他は、実施形態1と同様である。
本実施形態も、実施形態1に対して、メイン特定面321の形状を変更した実施形態である。すなわち、本実施形態において、メイン特定面321は、Y1側に凸の曲面である。
その他は、実施形態1と同様である。
本実施形態においても、実施形態1と同様の作用効果を有する。
本発明は、前記各実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の実施形態に適用することが可能である。例えば、前記各実施形態においては、プラグ軸方向から見たとき、サブ接地電極の全体が内側領域の内側におさまっている構成を示したが、これに限られず、サブ接地電極の一部が内側領域に配されており、他の一部が内側領域の外側の領域に配される構成を採用することもできる。
1 内燃機関用のスパークプラグ
10 内側領域
12 絶縁碍子
22 中心電極
3 メイン接地電極
31 メイン立設部
32 メイン延設部
321 メイン特定面
4 サブ接地電極
L 仮想直線
10 内側領域
12 絶縁碍子
22 中心電極
3 メイン接地電極
31 メイン立設部
32 メイン延設部
321 メイン特定面
4 サブ接地電極
L 仮想直線
Claims (6)
- 筒状のハウジング(11)と、
前記ハウジングの内側に保持された筒状の絶縁碍子(12)と、
先端部が突出するように前記絶縁碍子の内側に保持された中心電極(2)と、
前記ハウジングからプラグ軸方向(Z)の先端側へ立設したメイン立設部(31)と、前記メイン立設部からプラグ径方向の内周側へ延設されるとともに、前記中心電極とプラグ軸方向に対向するメイン延設部(32)と、を有するメイン接地電極(3)と、
前記ハウジングにおける、プラグ周方向の前記メイン接地電極と異なる位置から、プラグ軸方向の先端側に形成されたサブ接地電極(4)と、を有し、
前記メイン立設部から前記メイン延設部が延設される方向を延設方向(X)とし、前記延設方向とプラグ軸方向との双方に直交する方向を横方向(Y)と定義したとき、
前記メイン接地電極の前記メイン延設部の表面は、前記延設方向における前記メイン立設部と反対側に形成されたメイン特定面(321)を有し、
前記メイン特定面は、前記横方向の一方側であるY1側に向かうほど、前記延設方向の前記メイン立設部側に向かうよう形成されており、
プラグ軸方向から見たとき、前記サブ接地電極の少なくとも一部は、前記メイン特定面の両端部を通る仮想直線(L)と、前記メイン接地電極との、プラグ周方向の間の領域である内側領域(10)に形成されている、内燃機関用のスパークプラグ(1)。 - 前記メイン特定面は、平面である、請求項1に記載の内燃機関用のスパークプラグ。
- 前記メイン特定面は、前記横方向の前記Y1側と反対側であるY2側に凸の曲面である、請求項1に記載の内燃機関用のスパークプラグ。
- 前記サブ接地電極は、前記ハウジングからプラグ軸方向の先端側へ立設したサブ立設部(41)と、前記サブ立設部からプラグ径方向の内周側へ延設されたサブ延設部(42)とを有し、前記サブ延設部のプラグ軸方向における基端側の面であるサブ腹面(424)は、前記メイン延設部のプラグ軸方向における基端側の面であるメイン腹面(324)よりも、プラグ軸方向の基端側に位置している、請求項1〜3のいずれか一項に記載の内燃機関用のスパークプラグ。
- プラグ軸方向から見たとき、前記サブ接地電極における前記サブ延設部における前記サブ立設部と反対側の端面であるサブ端面(422)の全体は、前記内側領域に配されている、請求項4に記載の内燃機関用のスパークプラグ。
- プラグ軸方向から見たとき、前記サブ接地電極の全体が、前記内側領域に配されている、請求項1〜5のいずれか一項に記載の内燃機関用のスパークプラグ。
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