JP2019045842A - パネル付き表示装置、内外装部材、移動体及びパネル - Google Patents

パネル付き表示装置、内外装部材、移動体及びパネル Download PDF

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Abstract

【課題】画像非表示状態において、表示装置の表示面と表示装置の周辺に設けられた部材との境目を目立ちにくくする。【解決手段】パネル付き表示装置は、表示面21を有する表示装置20と、表示面21への法線方向からの観察において表示面21と境目Bを形成するように配置されたパネル部材40と、表示面21とパネル部材40との境目Bを覆うように配置された光学シート50と、を備える。光学シート50は、表示面21と平行なある方向に並んだ光透過部65及び光吸収部70を含む。【選択図】図2

Description

本発明は、パネル付き表示装置、パネル付き表示装置を有する移動体の内外装部材、および内外装部材を備える移動体に関する。また本発明は、表示装置に配置されるパネルに関する。
例えば特許文献1に記載されているような、画像光を表示する表示装置が知られている。このような表示装置は、画像非表示の状態では、通常、黒色に観察される。一方で、例えば自動車や家具、住宅建材等の表面部材においては、意匠性が非常に重要視される。現在、種々の分野に適用される表示装置に対し、単に画像を表示する機能が期待されているだけでなく、意匠面における周囲環境との調和も要求されている。
特開平9−114003号公報
ところで、画像非表示の状態において、表示装置の表示面の存在が目立つことがあった。画像非表示の状態において、表示装置の表示面の存在が目立つと、意匠面における周囲環境との調和が乱されてしまう。そこで、画像非表示状態の表示装置の表示面と同様の意匠を有する部材、典型的には黒色の部材を表示装置の周辺に設けることが考えられた。しかしながら、図16に示すように、単に表示装置の周辺に黒色の部材を設けることでは、表示装置の存在を十分に目立たなくすることができなかった。本件発明者らが確認したところ、表示面は、表示装置の表示面と表示装置の周辺に設けられた部材との境目が認識されることで目立っていた。したがって、表示装置の表示面と表示装置の周辺に設けられた部材との境目を目立たせないことが望まれている。
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、画像非表示状態において、表示装置の表示面と表示装置の周辺に設けられた部材との境目を目立ちにくくすることを目的とする。
本発明のパネル付き表示装置は、
表示面を有する表示装置と、
前記表示面への法線方向からの観察において前記表示面と境目を形成するように配置されたパネル部材と、
前記表示面と前記パネル部材との前記境目を覆うように配置された光学シートと、を備え、
前記光学シートは、前記表示面と平行なある方向に並んだ光透過部及び光吸収部を含む。
本発明のパネル付き表示装置において、
前記パネル部材は、開口部を有し、
前記表示面への法線方向からの観察において前記表示面が前記開口部内に位置していてもよい。
本発明のパネル付き表示装置において、前記パネル部材は、基材部と、前記基材部上に設けられた加飾部と、を含んでもよい。
本発明のパネル付き表示装置において、
前記光吸収部は、バインダー樹脂と、光吸収粒子と、を含んでもよい。
本発明のパネル付き表示装置において、
前記バインダー樹脂の屈折率は、前記光透過部の樹脂の屈折率以下であってもよい。
本発明のパネル付き表示装置において、前記バインダー樹脂は、前記光透過部の樹脂と同種の樹脂であってもよい。
本発明のパネル付き表示装置において、
前記光透過部は、第1方向に配列され、
前記光吸収部は、前記光透過部と前記第1方向に交互に配列され
前記光透過部及び前記光吸収部は、前記第1方向と非平行な方向に線状に延びてもよい。
本発明のパネル付き表示装置において、
前記表示面と前記パネル部材との境目を覆うよう配置された第2光学シートをさらに備え、
前記第2光学シートは、前記第1方向と非平行な第2方向に配列された第2光透過部と、前記第2光透過部と前記第2方向に交互に配列された第2光吸収部と、を含み、
前記第2光透過部及び前記第2光吸収部は、前記第2方向と非平行な方向に線状に延びてもよい。
本発明のパネル付き表示装置において、前記光学シートは、前記光吸収部を形成するシート材と、前記シート材に設けられ且つ前記光透過部を形成する孔と、を含んでもよい。
本発明の移動体の内外装部材は、上述したいずれかのパネル付き表示装置を備える。
本発明の移動体は、上述した内外装部材を備える。
本発明のパネルは、
表示装置の表示面への法線方向からの観察において前記表示面と境目を形成するように配置されるパネル部材と、
前記表示面と前記パネル部材との境目を覆うように配置される光学シートと、を備え、
前記光学シートは、前記表示面と平行なある方向に並んだ光透過部及び光吸収部を含む。
本発明によれば、画像非表示状態において、表示装置の表示面と表示装置の周辺に設けられた部材との境目を目立ちにくくすることができる。
図1は、パネル付き表示装置の各要素を概略的に示す分解斜視図である。 図2は、パネル付き表示装置の断面図である。 図3は、パネル付き表示装置の光学シートを拡大して示す断面図である。 図4は、表示面に画像を表示した状態のパネル付き表示装置を示す正面図である。 図5は、表示面に画像を表示しない状態のパネル付き表示装置を示す正面図である。 図6は、光学シートの変形例を示す光学シートの断面図である。 図7は、図6の光学シートの製造方法を説明するための図である。 図8は、図6の光学シートの製造方法を説明するための図である。 図9は、図6の光学シートの製造方法を説明するための図である。 図10は、図6の光学シートの製造方法を説明するための図である。 図11は、第2光学シートを説明するための図である。 図12は、光学シートの変形例を示す光学シートの正面図である。 図13は、パネル付き表示装置の一変形例を説明するための図である。 図14は、パネル付き表示装置の他の変形例を説明するための図である。 図15は、光学シートの作用を説明するための光学シートの断面図である。 図16は、表示面に画像を表示しない状態の従来の表示装置を示す正面図である。
以下、図面を参照して本発明の一実施の形態について説明する。なお、本件明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。
なお、本明細書において、「層」、「シート」及び「フィルム」の用語は、呼称の違いのみに基づいて互いから区別されるものではない。例えば「層」という用語は、シート或いはフィルムと呼ばれ得るような部材も含む概念である。
また、本明細書において用いる、形状や幾何学的条件ならびにそれらの程度を特定する、例えば、「平行」、「直交」、「同一」等の用語や長さや角度の値等については、厳密な意味に縛られることなく、同様の機能を期待し得る程度の範囲を含めて解釈することとする。
図1は、本発明による一実施の形態のパネル付き表示装置10を概略的に示す分解斜視図である。図1に示されるように、パネル付き表示装置10は、表示装置20と、パネル30と、を備えている。なお、図示されている例では、パネル付き表示装置10は、平板状に示されているが、湾曲形状であってもよい。
表示装置20は、画像光を出射する装置であり、画像光を出射することができる表示面21を有している。表示装置20は、液晶ディスプレイやプラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ等の任意の表示装置を用いることができる。このような表示装置20の表示面21は、典型的にはガラス面となっている。
パネル30は、表示装置20の表示面21側に配置された部材である。パネル30は、表示面21に隣接して配置されるパネル部材40と、光透過部65及び光吸収部70を含む光学シート50と、を有している。パネル部材40は、表示面21への法線方向からの観察において表示面21と境目Bを形成するように配置される。光学シート50の最外面が、パネル付き表示装置10から画像光を出射する出射面11となっている。また、パネル部材40は、開口部47を有している。表示面21への法線方向からの観察において表示面21が開口部47内に位置している。光透過部65及び光吸収部70は、表示面21と平行なある方向に並んでいる。したがって、表示装置20の表示面21から出射した画像光は、開口部47を介してパネル部材40を透過することができ、また、光学シート50の光透過部65を透過することができる。すなわち、表示装置20から出射された画像光は、パネル30を透過することができる。画像光がパネル30を透過することで、出射面11から画像光が出射され、パネル付き表示装置10に対面する外部の観察者は、画像光を観察することができる。
なお、ここで言う画像光の具体的な態様は特に限定されず、画像光は、具体的な種類や内容を問わず、光全般を含み得る。典型的には特定の情報を表す光によって画像光が構成され得るが、他の任意の態様を有する光(例えば不規則な図柄を表す光や何らの特定情報も表さない光等)によって画像光が構成されてもよい。例えば、画像光は、印刷が施された透明なフィルム等を透過させて画像を表示する光であってもよいし、遮光物によって明暗の画像を表示する光であってもよい。画像光が印刷が施された透明なフィルム等を透過させた光や遮光物によって明暗を表示する光である場合、印刷が施された透明なフィルムや遮光物が、表示装置20に含まれるとしてもよい。
次に、パネル部材40について説明する。上述したように、パネル部材40は、表示面21の法線方向からの観察において、表示面21と隣接して配置される。すなわち、パネル部材40は、表示面21の法線方向からの観察において、表示面21との間に境目Bを形成する。図1及び図2に示す例において、パネル部材40は、パネル付き表示装置10を正面から観察した際に、表示装置20の周辺に設けられている。逆に言えば、パネル部材40が設けられた領域に表示装置20が設置され、この表示装置20がパネル部材40とともにパネル付き表示装置10を形成する。パネル部材40は、表示装置20の画像非表示時に表示装置20を目立たせないために、表示装置20の画像非表示時と同様の意匠を有し、典型的には黒色である。パネル部材40は、例えば厚さ0.5mmの板状部材である。
図2に示されているように、パネル部材40は、基材部41と、基材部41上に設けられた加飾部45と、を含んでいる。基材部41は、パネル部材40の要素、本実施の形態では加飾部45を適切に支持することができる部材である。加飾部45は、パネル部材40に意匠性を付与するための部材であり、典型的には黒色となっている。このような加飾部45は、例えば黒色顔料を含む樹脂によって形成される。しかしながら、加飾部45は、パネル部材40が設けられる環境に応じて、木目調や大理石調等の任意の意匠性を付与するものであってもよい。
図1に示されるように、パネル部材40は、矩形の開口部47を有するロ字型となっている。しかしながら、これに限らず、パネル部材40は、L字型、コ字型等の、矩形から一部を除いた形状であってもよい。このような形状でも、表示面21への法線方向からの観察において表示面21がパネル部材40の矩形から除かれた部分内に位置することで、表示面21から出射した画像光がパネル部材40を透過することができる。また、パネル部材40は、矩形に限らず、円形等の任意の形状であってもよい。さらには、開口部47の形状も任意の形状であってもよい。
次に、光学シート50について説明する。光学シート50は、パネル付き表示装置10を表示面21の正面から観察した際に、表示面21とパネル部材40との境目Bを覆うように配置される。すなわち、光学シート50は、パネル部材40の開口部47より大きくなっている。後述するように、光学シート50によって、表示装置20の表示面21と表示装置20の周辺に設けられた部材であるパネル部材40との境目Bを目立ちにくくすることができる。なお、好ましくは、光学シート50は、パネル付き表示装置10を表示面21の正面から観察した際に、表示面21およびパネル部材40の全面を覆うように配置される。これによって、光学シート50の有無によって生じる差異が視認されることによる意匠性の低下を避けることができる。
図3は、光学シート50の拡大断面図である。図3に示すように、光学シート50は、基材層51と、基材層51に設けられた光制御層60と、を有する。基材層51は、光学シート50の要素、本実施の形態では光制御層60を適切に支持することができ、可視光透過性を有する。光制御層60は、光透過部65と光吸収部70とを含む。したがって、光学シート50は、光透過部65による透過性を有しながらも、光吸収部70による遮光性をも有する。言い換えると、光学シート50は、入射した光の一部を吸収し、他の一部を透過させる。光制御層60の厚さは、例えば120μm以上170μm以下である。また、基材層51と光制御層60の光透過部65との間に反射界面が形成されることを避けるために、基材層51の屈折率と光透過部65の屈折率とが、同一であることが好ましい。典型的には、基材層51は、光透過部65と同一の材料から形成される。
上述したように、光透過部65及び光吸収部70は、表示面21と平行なある方向に並んでいる。より具体的には、図1乃至図3によく示されているように、光透過部65は、第1方向d1に配列され、第1方向d1と非平行な方向、図示された例では第1方向d1に直交する方向に線状に延びている。また、光吸収部70は、光透過部65と第1方向d1に交互に配列され、第1方向d1と非平行な方向、図示された例では第1方向d1に直交する方向に線状に延びている。
また、図3に示されているように、光吸収部70は、バインダー樹脂75と、バインダー樹脂75内に設けられる複数の光吸収粒子77と、を含む。光吸収粒子77によって、光吸収部70は、入射した光を吸収することができる。このような光吸収粒子77としては、カーボンブラックを含有したアクリルビーズを例示できる。
さらに、光透過部65と光吸収部70との間の界面で画像光が全反射しないよう、光吸収部70のバインダー樹脂75の屈折率は、光透過部65の材料、典型的には樹脂の屈折率以下であることが好ましい。さらには、光透過部65と光吸収部70との間の界面で画像光が反射しないよう、光透過部65と光吸収部70との間の界面が光学的な界面とならないことがより好ましい。すなわち、光吸収部70のバインダー樹脂75の屈折率が光透過部65の樹脂の屈折率と同一であることがより好ましい。本実施の形態においては、光吸収部70のバインダー樹脂75の屈折率及び光透過部65の樹脂の屈折率は、ともに1.55となっている。このような光吸収部70のバインダー樹脂75の屈折率及び光透過部65の樹脂の屈折率の関係は、光吸収部70のバインダー樹脂75が、光透過部65の樹脂と同種の樹脂であることで満たされ得る。ここで、同種の樹脂とは、同一種類の主成分材料を用いて形成される樹脂のことを意味する。したがって、例えば、光吸収部70のバインダー樹脂75及び光透過部65が共にウレタンアクリレート系樹脂で形成されている場合や、光吸収部70のバインダー樹脂75及び光透過部65が共にエポキシアクリレート系樹脂で形成されている場合には、光吸収部70のバインダー樹脂75が、光透過部65の樹脂と同種の樹脂であると言える。
光吸収部70の断面形状は、種々の形状を採用することができる。図2及び図3に示す例では、光吸収部70の幅Wは、表示面21から離間するにつれて細くなるよう変化している。ここで、光吸収部70の幅Wが表示面21から離間するにつれて細くなるよう変化しているとは、光吸収部70の幅Wが表示面21からの距離に応じて連続的に変化し続けていることのみを意味しているのではなく、表示面21から離間するに伴って幅Wが細くなる部分を含み且つ表示面21から離間するに伴って幅Wが太くなる部分を含まないことを意味している。ただし、図2及び図3に示された例に限らず、光吸収部70の幅Wは、表示面21から離間するにつれて太くなるよう変化していてもよいし、表示面21から離間しても変化せず一定であってもよい。図2及び図3に示された本実施の形態において、例えば光吸収部70の形状は深さ135μm、出射面11側の幅22μmの楔形状であり、光透過部65の出射面11側の幅は25μmである。
次に、本発明のパネル付き表示装置10の作用について説明する。
図4には、表示面21に画像を表示した状態の本実施の形態のパネル付き表示装置10が示されている。上述したように、表示面21から出射した画像光は、パネル部材40の開口部47及び光学シート50の光透過部65を透過することで、パネル付き表示装置10の出射面11から出射し、外部の観察者に観察される。なお、光学シート50の光吸収部70は、光透過部65を透過する画像光が十分な明るさを有していると極めて観察されにくい。したがって、外部の観察者は、光吸収部70を認識することなく、画像光のみを観察することができる。
ここで、本実施の形態とは異なり、光吸収部170のバインダー樹脂175の屈折率が光透過部165の樹脂の屈折率より大きい場合、図15に示すように、光透過部165と光吸収部170との間の界面で画像光が全反射し得る。全反射した画像光L132が存在すると、反射することなく光透過部165を透過した画像光L131と、全反射した画像光L132とによって、同一の画像を表示する光が異なる位置に見えてしまうことがある。すなわち、二重像が観察されてしまうことがある。二重像が観察されることは、表示面21に表示されている画像の視認性を悪化させるため、好ましくない。
一方、本実施の形態では、光吸収部70のバインダー樹脂75の屈折率が光透過部65の樹脂の屈折率と同じとなっており、光透過部65と光吸収部70との間の界面が光学的な界面とならず、光透過部65と光吸収部70との間の界面で画像光が全反射しない。すなわち、図3に示すように、光吸収部70に入射した画像光L32は、光吸収部70に吸収され、観察されない。一方、光吸収部70に入射せずに光透過部65を透過する画像光L31は、外部の観察者に観察され得る。したがって、本実施の形態のパネル付き表示装置10では、二重像が観察されにくく、表示面21に表示されている画像の視認性を悪化させにくい。
図5及び図16には、表示面に画像を表示しない状態のパネル付き表示装置が示されている。まず、図16に示されている従来のパネル付き表示装置110について説明する。従来のパネル付き表示装置110は、表示面121を有する表示装置120と、開口部147を有するパネル部材140と、を有するが、本実施の形態とは異なり、光学シート50を有さない。このようなパネル付き表示装置110においては、パネル部材140の加飾部145を画像非表示状態の表示装置120の表示面121と色や光沢等の外観をできるだけ近づけて設けたとしても、完全に外観を一致させることは現実的には困難である上、表示装置120とパネル部材140との間の微小な段差等に起因して、表示装置120の表示面121とパネル部材140との境目Bが目立ってしまう。このため、従来のパネル付き表示装置110では、表示装置120の表示面121が目立ってしまい、意匠面において劣ってしまう。
次に、図5に示されている本実施の形態のパネル付き表示装置10について説明する。上述したように、本実施の形態のパネル付き表示装置10は、光吸収部70を含む光学シート50を有しており、この光学シート50が表示面21とパネル部材40との境目Bを覆うように配置されている。したがって、画像非表示状態の表示装置20の表示面21、パネル部材40及び境目Bは、光学シート50によって、図16に示した従来のパネル付き表示装置110に比べて、視認されにくくなる。このため、表示面21、パネル部材40及び境界Bの各々の区別がつきにくくなる。すなわち、光学シート50によって、境目Bが目立ちにくくなる。
以上のように、本実施の形態のパネル付き表示装置10は、表示面21を有する表示装置20と、表示面21への法線方向からの観察において表示面21と境目Bを形成するように配置されたパネル部材40と、表示面21とパネル部材40との境目Bを覆うように配置された光学シート50と、を備え、光学シート50は、表示面21と平行なある方向に並んだ光透過部65及び光吸収部70を含む。このようなパネル付き表示装置10によれば、表示面21から画像光が出射されない状態では、光学シート50の光吸収部70によって、表示面21、パネル部材40、及び境界Bの各々の区別がつきにくくなる。すなわち、画像非表示状態において、表示装置20の表示面21と表示装置20の周辺に設けられたパネル部材40との境目Bを目立ちにくくすることができる。
また、本実施の形態のパネル付き表示装置10において、光吸収部70は、バインダー樹脂75と、光吸収粒子77と、を含み、バインダー樹脂75の屈折率は、光透過部65の樹脂の屈折率以下である。このようなパネル付き表示装置10によれば、光透過部65と光吸収部70との間の界面で画像光が全反射しない。したがって、全反射した画像光が観察されず、二重像が観察されにくい。すなわち、表示面21に表示されている画像の視認性の悪化を抑制することができる。
なお、上述した実施の形態に対して様々な変更を加えることが可能である。以下、図面を参照しながら、変形の一例について説明する。以下の説明および以下の説明で用いる図面では、上述した実施の形態と同様に構成され得る部分について、上述の実施の形態における対応する部分に対して用いた符号と同一の符号を用いるとともに、重複する説明を省略する。
(光学シートに意匠部を設けた変形例)
上述した実施の形態において、図6に示すように、光学シート50が意匠性を有する意匠部55をさらに有してもよい。意匠部55によって、表示面21に重なる位置に意匠性を付与することができる。ここで「表示面21に重なる位置」とは、表示面21の法線方向の表示面21に対面する位置を意味している。なお、本変形例においては、図6に示すように、光吸収部70の幅Wは、表示面21から離間するにつれて太くなるよう変化している。
このような意匠部55は、光学シート50の光透過部65を透過する画像光を阻害しないよう、光吸収部70に重なる位置に配置されている。また、意匠部55は、光吸収部70の第1方向d1における幅W以下の幅を有している。すなわち、意匠部55は、光吸収部70の配列パターンに対応したパターンで配列されている。本変形例において、意匠部55は、意匠部55を設けるための接合層53を介して光吸収部70に重なる位置に配置されている。このような意匠部55の厚さは、例えば1μm以上10μm以下である。なお、図6において、意匠部55の断面形状は、矩形となっているが、これに限らず、台形形状等であってもよい。
接合層53は、接着性を有し、例えば紫外線硬化型の樹脂である。また、接合層53は、可視光透過率が高いものを用いることが好ましい。
意匠部55は、黒色であってもよいし、パネル付き表示装置10が設けられる環境に応じて、木目調や大理石調等の任意の意匠性を付与するものであってもよい。意匠部55が付与する意匠とパネル部材40の加飾部45が付与する意匠とは、表示面21とパネル部材40との境目Bを目立たせないために、同一であることが好ましい。
また、光学シート50が意匠部55を有する場合、図6に示すように、光吸収部70は、表示装置20及びパネル部材40が配置された側となる第1部分71と、意匠部55が重なる側となる第2部分72と、を含むことが好ましい。この場合、第2部分72は、白色であることが好ましい。第2部分72が白色であると、画像非表示状態で意匠部55が観察される際に、意匠部55と混色せず、意匠部55の意匠性に影響を及ぼさない。また、第1部分71は、黒色であることが好ましい。第1部分71が黒色であると、第1部分71に入射した画像光を吸収することができ、意匠部55によって着色された画像光が出射することを防止することができる。
次に、基材層51及び光制御層60を有する部材に意匠部55を設けた光学シート50の製造方法の一例について、説明する。まず、図7に示すように、光制御層60の意匠部55を設ける側に、接合層53を設ける。設けられる接合層53は、紫外線硬化型の樹脂である。その後、図7に示すように、光制御層60の接合層53が設けられた側とは逆側から、紫外線L7を照射する。紫外線L7は、光吸収部70によって吸収されるため、光吸収部70と重なる位置に設けられた接合層53は、紫外線を照射されず硬化しない。一方、光透過部65と重なる位置に設けられた接合層53は、紫外線L7の照射によって硬化する。すなわち、図8に示すように、光透過部65と重なる位置に設けられた接合層53は、接着性が失われる。一方、光吸収部70と重なる位置に設けられた接合層53は、接着性を有したままである。
次に、図9に示すように、基材57上に支持された加飾層55aが、接合層53上に設けられる。加飾層55aによって、意匠部55が形成される。また、加飾層55aは、光透過性を有している。加飾層55aは、接合層53の接着性を有する部分において接合層53を介して光制御層60と接合する。その後、図9に示すように、加飾層55aが設けられた側から、紫外線L9を照射する。紫外線L9が加飾層55aを透過することができるため、紫外線L9の照射により、光吸収部70と重なる位置に設けられた接合層53が、加飾層55aと接合した状態で硬化する。
次に、図10に示すように、光制御層60から基材57が剥離される。基材57が剥離される際に、光制御層60の光吸収部70に重なる位置に設けられた加飾層55aは、光制御層60と接合しているため、基材57から分離して意匠部55を形成する。一方、光制御層60の光透過部65に重なる位置に設けられた加飾層55aは、光制御層60と接合していないため、基材57とともに光制御層60から剥離される。以上の工程によって、図6に示した意匠部55を有する光学シート50を得ることができる。
光学シート50が意匠性を有する意匠部55を有することで、意匠部55によって、光学シート50が配置された部分に意匠性を付与することができる。とりわけ、画像非表示状態において、表示面21と重なる位置に意匠性を付与することができる。
(第2光学シートを設けた変形例)
また、上述した実施の形態において、パネル付き表示装置10は、光学シートを1つ有していたが、光学シートを2つ有してもよい。すなわち、パネル付き表示装置10は、光学シート50に加え、第2光学シート80をさらに備えてもよい。第2光学シート80は、光学シート50と同様に、表示面21とパネル部材40との境目Bを覆うように配置され、表示面21と平行なある方向に並んだ第2光透過部85及び第2光吸収部90を含む。図11に示された例では、第2光透過部85は、第1方向d1と非平行な第2方向d2に配列され、第2光吸収部90は、第2光透過部85と第2方向d2に交互に配置されている。第2光透過部85及び第2光吸収部90は、第2方向d2と非平行な方向、図示された例では第2方向d2に直交する方向に線状に延びている。なお、図示された例において、第1方向d1と第2方向d2とは互いに直交している。
第2光学シート80は、光学シート50に重なる位置に配置される。したがって、第2光学シート80の最外面が、パネル付き表示装置10の出射面11となっている。第2光学シート80の第2光吸収部90によって、画像非表示状態の表示装置20の表示面21、パネル部材40及び境目Bは、より視認されにくくなる。このため、表示面21、パネル部材40及び境界Bの各々の区別がよりつきにくくなる。すなわち、第2光学シート80によって、境目Bがより目立ちにくくなる。
(光学シートの変形例)
さらに、上述した実施の形態において、光透過部65は、第1方向d1に配列され、光吸収部70は、光透過部65と第1方向d1に交互に配列されている。しかしながら、光吸収部70は、シート材70aとして形成され、光透過部65は、シート材70aに設けられた孔65aとして形成されてもよい。すなわち、光学シート50は、光吸収部70を形成するシート材70aと、光透過部65を形成する孔65aと、を含んでもよい。
図12には、光学シート50の一変形例が示されている。図示された例では、光透過部65を形成する孔65aが、表示面21と平行な方向に並んでおり、孔65aの間に、光吸収部70を形成するシート材70aが並んでいる。なお、図示された例において、孔65aは、円形となっているが、任意の形状を有していてもよい。
このような光学シート50においても、画像非表示状態の表示装置20の表示面21、パネル部材40及び境目Bは、光学シート50の光吸収部70を形成するシート材70aによって、視認されにくくなる。このため、表示面21、パネル部材40及び境界Bの各々の区別がつきにくくなり、光学シート50によって、境目Bが目立ちにくくなる。
(半透明層を設けた変形例)
図13に示すように、パネル付き表示装置10は、光学シート50上に積層された半透明層100をさらに有していてもよい。半透明層100が光学シート50上に積層されている場合、半透明層100の最外面が、パネル付き表示装置10から画像光を出射する出射面11となる。半透明層100は、例えばポリカーボネート、ABS、アクリル等の透明樹脂の内部に黒色の着色顔料を含むことで、光の透過を抑制している。また、半透明層100は、表示装置20からの画像光を透過させることができる十分な可視光透過率を有している。具体的には、半透明層100の可視光透過率は、20%以上50%以下となっている。
ここで、半透明層100の可視光透過率は、分光光度計((株)島津製作所製「UV−3100PC」、JIS K 0115準拠品)を用いて測定波長380nm〜780nmの範囲内で測定したときの、各波長における透過率の平均値として特定される。
半透明層100は、光学シート50と同様に、表示面21とパネル部材40との境目Bを覆うように配置される。すなわち、半透明層100は、パネル部材40の開口部47より大きくなっている。半透明層100の可視光透過率が十分に低くなっているため、半透明層100によって、表示装置20の表示面21と表示装置20の周辺に設けられた部材であるパネル部材40との境目Bを目立ちにくくすることができる。なお、好ましくは、半透明層100は、パネル付き表示装置10を表示面21の正面から観察した際に、表示面21、パネル部材40及び光学シート50の全面を覆うように配置される。これによって、半透明層100の有無によって生じる差異が視認されることによる意匠性の低下を避けることができる。
パネル付き表示装置10が半透明層100を有する場合の作用について説明する。表示面21に画像を表示した状態では、表示面21から出射した画像光は、パネル部材40の開口部47及び光学シート50の光透過部65を透過し、半透明層100に入射する。半透明層100の透過率は20%以上であるため、十分な明るさの画像光が半透明層100を透過することができる。したがって、外部の観察者は、出射面11から出射した画像光を観察することができる。
表示面21に画像を表示していない状態では、表示面21とパネル部材40との境目Bは、光学シート50及び半透明層100によって覆われている。半透明層100の可視光透過率は、50%以下であり、十分に低くなっている。したがって、画像非表示状態の表示装置20の表示面21、パネル部材40及び境目Bは、光学シート50及び半透明層100によって、より視認されにくくなる。このため、表示面21、パネル部材40及び境界Bの各々の区別がよりつきにくくなる。すなわち、光学シート50に加えて、半透明層100によって、境目Bがより目立ちにくくなる。
(表示装置の変形例)
画像光が遮光物によって明暗の画像を表示する光である場合、図14に示すように、表示装置20としては、表示画像に対応した透過部を有したシート材20aと光源20bとの組み合わせであってもよい。シート材20aは、遮光性を有した基材20xと、基材20xに設けられた透過領域(透過部)20yと、を有している。透過領域20yは、例えば、基材20xに形成された貫通孔や、この貫通孔に設けられ特定波長域の光を透過させるフィルム材等によって構成され得る。また、図14に示された例において、光源20bの発光色が変化し、表示物を複数の色で表示し得るようにしてもよい。
また、表示装置20には、任意の機能が付与されていてもよい。例えば、表示装置20がタッチパネルセンサを有していることで、表示装置20にタッチパネル機能が付与されていてもよい。この例において、タッチパネルセンサを形成する電極層は、パネル30に積層されて設けられていてもよいし、パネル30とは別途に設けられていてもよい。
上述したパネル付き表示装置10は、例えば自動車や鉄道等の車両、航空機、船舶及び宇宙船等の移動体の内装部材または外装部材に用いられる。具体的な一例として、パネル付き表示装置10は、自動車のセンターコンソールや、ドアトリムに用いられる。あるいは、パネル付き表示装置10は、建物の内装部材または外装部材、電子機器、家具や電化製品に組み込まれて用いられてもよい。
本発明の態様は、上述した個々の実施の形態に限定されるものではなく、当業者が想到しうる種々の変形も含むものであり、本発明の効果も上述した内容に限定されない。すなわち、特許請求の範囲に規定された内容およびその均等物から導き出される本発明の概念的な思想と趣旨を逸脱しない範囲で種々の追加、変更および部分的削除が可能である。
10 パネル付き表示装置
20 表示装置
21 表示面
30 パネル
40 パネル部材
41 基材部
45 加飾部
47 開口部
50 光学シート
51 基材層
53 接合層
55 意匠部
57 基材
60 光制御層
65 光透過部
65a 孔
70 光吸収部
70a シート材
71 第1部分
72 第2部分
75 バインダー樹脂
77 光吸収粒子
80 第2光学シート
85 第2光透過部
90 第2光吸収部
100 半透明層
B 境目

Claims (12)

  1. 表示面を有する表示装置と、
    前記表示面への法線方向からの観察において前記表示面と境目を形成するように配置されたパネル部材と、
    前記表示面と前記パネル部材との前記境目を覆うように配置された光学シートと、を備え、
    前記光学シートは、前記表示面と平行なある方向に並んだ光透過部及び光吸収部を含む、パネル付き表示装置。
  2. 前記パネル部材は、開口部を有し、
    前記表示面への法線方向からの観察において前記表示面が前記開口部内に位置している、請求項1に記載のパネル付き表示装置。
  3. 前記パネル部材は、基材部と、前記基材部上に設けられた加飾部と、を含む、請求項1または2のいずれか一項に記載のパネル付き表示装置。
  4. 前記光吸収部は、バインダー樹脂と、光吸収粒子と、を含む、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のパネル付き表示装置。
  5. 前記バインダー樹脂の屈折率は、前記光透過部の樹脂の屈折率以下である、請求項4に記載のパネル付き表示装置。
  6. 前記バインダー樹脂は、前記光透過部の樹脂と同種の樹脂である、請求項4または5に記載のパネル付き表示装置。
  7. 前記光透過部は、第1方向に配列され、
    前記光吸収部は、前記光透過部と前記第1方向に交互に配列され
    前記光透過部及び前記光吸収部は、前記第1方向と非平行な方向に線状に延びる、請求項1乃至6のいずれか一項に記載のパネル付き表示装置。
  8. 前記表示面と前記パネル部材との境目を覆うよう配置された第2光学シートをさらに備え、
    前記第2光学シートは、前記第1方向と非平行な第2方向に配列された第2光透過部と、前記第2光透過部と前記第2方向に交互に配列された第2光吸収部と、を含み、
    前記第2光透過部及び前記第2光吸収部は、前記第2方向と非平行な方向に線状に延びる、請求項7に記載のパネル付き表示装置。
  9. 前記光学シートは、前記光吸収部を形成するシート材と、前記シート材に設けられ且つ前記光透過部を形成する孔と、を含む、請求項1乃至6のいずれか一項に記載のパネル付き表示装置。
  10. 請求項1乃至9のいずれか一項に記載のパネル付き表示装置を備えた、移動体の内外装部材。
  11. 請求項10に記載の内外装部材を備えた、移動体。
  12. 表示装置の表示面への法線方向からの観察において前記表示面と境目を形成するように配置されるパネル部材と、
    前記表示面と前記パネル部材との境目を覆うように配置される光学シートと、を備え、
    前記光学シートは、前記表示面と平行なある方向に並んだ光透過部及び光吸収部を含む、パネル。
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