JP2019045733A - 静電荷像現像用トナー外添剤、その製造方法、及びトナー - Google Patents
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Abstract
【解決手段】静電荷像現像用トナー外添剤であって、
一次粒子径5〜50nm、疎水化度50%以上のシリカ粉末の造粒物であって、ゆるめ嵩密度が150g/L以上である造粒処理シリカからなるものであることを特徴とする静電荷像現像用トナー外添剤及びそれを含むトナー。
【選択図】なし
Description
近年、デジタル複写機やレーザープリンターで使用される静電荷像現像用トナーには、その流動性改善、トナー間の付着防止化、高画質化等を行うため、シリカ粉体が外添剤として混入されている。シリカ粉体は、表面シラノール基の存在により親水性を示すため、そのままでは湿度によってトナーの帯電量変化を引き起こし、画像不良の原因となる。これを解決するため、フュームドシリカと称される、ケイ素ハロゲン化物の気相高温加熱分解法によって得られた乾式シリカの1種であるシリカ粉体を、シランカップリング剤やシリコーンオイル等の表面処理剤によって疎水化処理し、トナーの外添剤とすることが提案されている(特許文献1、2参照)。
一次粒子径5〜50nm、疎水化度50%以上のシリカ粉末の造粒物であって、ゆるめ嵩密度が150g/L以上である造粒処理シリカからなるものである静電荷像現像用トナー外添剤を提供する。
一次粒子径5〜50nm、疎水化度50%以上のシリカ粉末の造粒物であって、ゆるめ嵩密度が150g/L以上である造粒処理シリカからなる静電荷像現像用トナー外添剤である。
本発明の静電荷像現像用トナー外添剤は、一次粒子径5〜50nm、疎水化度50%以上のシリカ粉末の造粒物であって、ゆるめ嵩密度が150g/L以上である造粒処理シリカからなるものである。
200mLのビーカーに純水50mLを入れ、サンプル0.2gを加え、マグネットスターラーで撹拌する。メタノールを入れたビュレットの先端を液中に入れ、撹拌下でメタノールを滴下し、サンプルが完全に水中に分散するまでに要したメタノールの添加量をYmLとしたとき、次式で得られる。
疎水化度(%)={Y/(50+Y)}×100
セイシン企業製マルチテスターMT−1000型を使用する。フィーダーユニット上部にロート、フルイ(目開き150μm)、フルイスペーサーの順に重ね置き、ストッパーで固定する。サンプル台に100mLのセルを置き、サンプルユニットにサンプルを投入するとともに、フィーダーを振動させ、ふるい落としたサンプルでセルを充填し、擦り切り板で擦り切る。ゆるめ嵩密度ρ(g/L)は次式で得られる。
ρ={(W1−W0)/100}×1000
W0:セル容器の重量(g)
W1:セル容器+サンプル重量(g)
また、本発明では、上記の静電荷像現像用トナー外添剤を含むトナーを提供する。本発明のトナーにおいて、静電荷像現像用トナー外添剤が外添されるトナー粒子としては、結着樹脂と着色剤を主成分として構成される公知のものが使用できる。
また、本発明では、一次粒子径5〜50nmのシリカ粉末を、溶媒を用いて造粒する造粒工程を有し、前記造粒工程の前又は前記造粒工程と同時に、珪素原子含有疎水化剤によって前記シリカ粉末の表面を疎水化し、造粒処理シリカを生成する、静電荷像現像用トナー外添剤の製造方法を提供する。
セイシン企業製マルチテスターMT−1000型を使用する。フィーダーユニット上部にロート、フルイ(目開き150μm)、フルイスペーサーの順に重ね置き、ストッパーで固定する。サンプル台に100mLのセルを置き、サンプルユニットにサンプルを投入するとともに、フィーダーを振動させ、ふるい落としたサンプルでセルを充填し、擦り切り板で擦り切る。ゆるめ嵩密度ρ(g/L)は次式で得られる。
ρ={(W1−W0)/100}×1000
W0:セル容器の重量(g)
W1:セル容器+サンプル重量(g)
200mLのビーカーに純水50mLを入れ、サンプル0.2gを加え、マグネットスターラーで撹拌する。メタノールを入れたビュレットの先端を液中に入れ、撹拌下でメタノールを滴下し、サンプルが完全に水中に分散するまでに要したメタノールの添加量をYmLとしたとき、次式で得られる。
疎水化度(%)={Y/(50+Y)}×100
[実施例1]
シランを高温加水分解して得られた、BET比表面積200m2/g、一次粒子径10nm、ゆるめ嵩密度45g/Lのヒュームドシリカに、以下の処方を施した。ヒュームドシリカ200gを、高速ミキサー(容積10L)に仕込み、回転数1,500rpmで運転した。回転が安定したところで、疎水化剤としてジメチルジメトキシシランの加水分解物から水とメタノールを除去した短鎖長のシロキサン25g、ヘキサメチルジシラザン0.5g及びメタノール550gを混合したものを2分間で噴霧した。得られた湿潤造粒物のゆるめ嵩密度は352g/Lであった。次に、得られた湿潤造粒物のメタノール分を乾燥機で除去したところ、ゆるめ嵩密度210g/Lの乾燥造粒物が得られた。次に、この乾燥造粒物100gを2Lフラスコに仕込み、250℃で2.5時間加熱した。得られた造粒処理シリカからなるトナー外添剤は、ゆるめ嵩密度が197g/L、メタノール滴定法による疎水化度が60%であった。
シランを高温加水分解して得られた、BET比表面積200m2/g、一次粒子径10nm、ゆるめ嵩密度45g/Lのヒュームドシリカに、以下の処方を施した。ヒュームドシリカ200gを、高速ミキサー(容積10L)に仕込み、回転数1,500rpmで運転した。回転が安定したところで、疎水化剤としてジメチルジメトキシシランの加水分解物から水とメタノールを除去した短鎖長のシロキサン75gを20秒間で噴霧した後、純水300gを60秒間で噴霧した。得られた湿潤造粒物のゆるめ嵩密度は362g/Lであった。次に、得られた湿潤造粒物の水分を乾燥機で除去したところ、ゆるめ嵩密度198g/Lの乾燥造粒物が得られた。次に、この乾燥造粒物100gを2Lフラスコに仕込み、250℃で2.5時間加熱した。得られた造粒処理シリカからなるトナー外添剤は、ゆるめ嵩密度が186g/L、メタノール滴定法による疎水化度が55%であった。
シランを高温加水分解して得られた、BET比表面積200m2/g、一次粒子径10nm、ゆるめ嵩密度45g/Lのヒュームドシリカに、以下の処方を施した。ヒュームドシリカ200gを、高速ミキサー(容積10L)に仕込み、回転数1,500rpmで運転した。回転が安定したところで、純水12gを10秒間で噴霧した。続けて、疎水化剤としてヘキサメチルジシラザン32g及びメタノール450gを混合したものを2分間で噴霧した。得られた湿潤造粒物のゆるめ嵩密度は364g/Lであった。次に、得られた湿潤造粒物のメタノール、水分を乾燥機で除去したところ、ゆるめ嵩密度220g/Lの乾燥造粒物が得られた。次に、この乾燥造粒物100gを2Lフラスコに仕込み、250℃で2.5時間加熱した。得られた造粒処理シリカからなるトナー外添剤は、ゆるめ嵩密度が202g/L、メタノール滴定法による疎水化度が58%であった。
シランを高温加水分解して得られた、BET比表面積45m2/g、一次粒子径50nm、ゆるめ嵩密度50g/Lのヒュームドシリカに、実施例2と同じ処方を施した。得られた湿潤造粒物のゆるめ嵩密度は450g/Lであった。次に、得られた湿潤造粒物の水分を乾燥機で除去したところ、ゆるめ嵩密度280g/Lの乾燥造粒物が得られた。次に、この乾燥造粒物100gを2Lフラスコに仕込み、250℃で2.5時間加熱した。得られた造粒処理シリカからなるトナー外添剤は、ゆるめ嵩密度が260g/L、メタノール滴定法による疎水化度が52%であった。
湿式の沈殿法で得られた、一次粒子径20nm、ゆるめ嵩密度126g/Lの湿式シリカに、実施例2と同じ処方を施した。得られた湿潤造粒物のゆるめ嵩密度は416g/Lであった。次に、得られた湿潤造粒物の水分を乾燥機で除去したところ、ゆるめ嵩密度203g/Lの乾燥造粒物が得られた。次に、この乾燥造粒物100gを2Lフラスコに仕込み、250℃で2.5時間加熱した。得られた造粒処理シリカからなるトナー外添剤は、ゆるめ嵩密度が200g/L、メタノール滴定法による疎水化度が57%であった。
実施例2と同じヒュームドシリカ200gを、高速ミキサー(容積10L)に仕込み、回転数1,500rpmで運転した。回転が安定したところで、疎水化剤として末端シラノール基封鎖の直鎖状ジメチルシロキサンオリゴマー(重合度約30)25gを10秒間で噴霧した後、純水300gを60秒間で噴霧した。以下、実施例2と同じ条件で乾燥と熱処理を行った。得られた造粒処理シリカからなるトナー外添剤は、ゆるめ嵩密度が190g/L、メタノール滴定法による疎水化度が65%であった。
実施例1と同じヒュームドシリカ200gを、高速ミキサー(容積10L)に仕込み、回転数1,500rpmで運転した。回転が安定したところで、疎水化剤の噴霧は行わずに、メタノール570gを2分間で噴霧した。得られた湿潤造粒物のゆるめ嵩密度は410g/Lであった。次に、得られた湿潤造粒物のメタノール分を乾燥機で除去したところ、ゆるめ嵩密度190g/Lの乾燥造粒物(比較造粒シリカからなるトナー外添剤)が得られた。この比較造粒シリカからなるトナー外添剤は疎水化されていないので、水に分散した(即ち、疎水化度は0%であった)。
疎水性コロイダルシリカ(日本アエロジル社製RY−200、BET比表面積200m2/g、一次粒子径12nm、ゆるめ嵩密度60g/L)100gを、スチレン樹脂粒子(綜研化学社製SX−500H)60質量部とアクリル樹脂粒子(綜研化学社製MX−500H)40質量部との混合物の2質量%MEK溶液170mlに入れ撹拌後、ゲル状物をバットに入れて風乾した。次に風乾の後、乳鉢で粉砕した。得られた造粒処理シリカからなるトナー外添剤は、ゆるめ嵩密度が310g/L、メタノール滴定法による疎水化度が47%であった。
疎水性コロイダルシリカ(日本アエロジル社製RY−200、BET比表面積200m2/g、一次粒子径12nm、ゆるめ嵩密度60g/L)100gを環化ゴム(ヘキスト社製アルペツクスCK450)1質量%トルエン溶液100mlに入れて撹拌後、ゲル状物をバットに入れて50℃で風乾した。次に風乾の後、乳鉢で粉砕した。得られた造粒処理シリカからなるトナー外添剤は、ゆるめ嵩密度が356g/L、メタノール滴定法による疎水化度が49%であった。
疎水性コロイダルシリカ(日本アエロジル社製RY−200、BET比表面積200m2/g、一次粒子径12nm、ゆるめ嵩密度60g/L)をそのままトナー外添剤として用いた。
ガラス転移点(Tg)60℃、軟化点110℃のポリエステル樹脂96質量部と、色剤(商品名:カーミン6BC、住化カラー(株)製)4質量部とを溶融しながら混練し、粉砕し、分級した後、平均粒子径7μmのトナー粒子を得た。このトナー粒子10gに実施例1〜6、比較例1〜4のトナー外添剤0.3gをサンプルミルにより混合し、外添剤混合トナーを得た。これを用いて以下の方法で凝集度を評価した。
凝集度とは、粉体の流動性を表す値である。この凝集度は、パウダーテスタ(ホソカワミクロン株式会社製)と、200、100及び60メッシュのふるいをこの順序で下から重ねた三段のふるいとを用いて測定した。測定手段としては、5gのトナーからなる粉体を三段ふるいの上段の60メッシュのふるいの上にのせ、パウダーテスタに2.5Vの電圧を印加して15秒間三段ふるいを振動させ、60メッシュのふるいに残留した粉体質量a(g)と、100メッシュのふるいに残留した粉体質量b(g)と、200メッシュのふるいに残留した粉体質量c(g)とから下記式によって凝集度(%)を算出する。
凝集度(%)=(a+b×0.6+c×0.2)×100/5
凝集度が小さいほど流動性が良好で、凝集度が大きいほど流動性が不良であると評価できる。それらの結果を表2に示す。
外添剤混合トナー3部と、キャリアであるフェライト(商品名:FL−80、パウダーテック社製)97部とを混合して現像剤を調製した。これを用いて以下の方法でトナー帯電量及び感光体へのトナー付着を評価した。
上記の現像剤について、日本画像学会標準のトナーの帯電量測定基準(日本画像学会誌、37、461(1998))にしたがって調湿、混合を行い、混合時間を変えた時のトナー帯電量を測定した。なお、混合にはペイントコンディショナー(東洋精機製)を用い、トナー帯電量測定にはブローオフ帯電量測定装置(東芝ケミカル製、商品名:TB203)を用いた。調湿と測定は、温度23±3℃、湿度55±10%で行った。それらの結果を表2に示す。
また、トナー用ポリエステル樹脂100質量部、カーボンブラック4質量部、エステル系ワックス3質量部を溶融混練し、粉砕分級後7.2μmに整えたトナー粒子100質量部に対し、実施例1〜6、比較例1〜4のトナー外添剤を0.5質量部を外添して静電荷像現像トナーを作製した。これらのトナーをそれぞれリコー製IPSIO SP6110プリンターに投入し30000枚印字後の特性を観察した。画質、プリンター内部のトナー飛散による汚染性について観察した。その結果を表3に示す。
一方、トナー外添剤の疎水化度が50%以下である比較例1〜3では、流動性が低く、トナー帯電量及び印刷特性に劣っていた。また、造粒処理を行っていない、ゆるめ嵩密度が150g/L未満である比較例4では、取り扱い性に劣るものとなった。
Claims (6)
- 静電荷像現像用トナー外添剤であって、
一次粒子径5〜50nm、疎水化度50%以上のシリカ粉末の造粒物であって、ゆるめ嵩密度が150g/L以上である造粒処理シリカからなるものであることを特徴とする静電荷像現像用トナー外添剤。 - 前記シリカ粉末が、湿式シリカ又は乾式シリカであることを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナー外添剤。
- 一次粒子径5〜50nmのシリカ粉末を、溶媒を用いて造粒する造粒工程を有し、前記造粒工程の前又は前記造粒工程と同時に、珪素原子含有疎水化剤によって前記シリカ粉末の表面を疎水化し、造粒処理シリカを生成することを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の静電荷像現像用トナー外添剤の製造方法。
- 前記珪素原子含有疎水化剤として、オルガノシラザン化合物、ポリシラザン化合物、オルガノシラン化合物、及びオルガノポリシロキサンから選ばれる1種以上を用いることを特徴とする請求項3に記載の静電荷像現像用トナー外添剤の製造方法。
- 前記造粒工程に使用する溶媒が、アルコール又は水であることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の静電荷像現像用トナー外添剤の製造方法。
- 請求項1又は請求項2に記載の静電荷像現像用トナー外添剤を含むものであることを特徴とするトナー。
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