JP2019045473A - ガスセンサ素子及びガスセンサ - Google Patents

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Abstract

【課題】検知部を効率的に加熱し、消費電力を効果的に低減する。【解決手段】ガスセンサ素子100は、酸素濃度検出セル130及び酸素ポンプセル140を含む素子本体400と、素子本体400を覆う保護層20と、を備える。素子本体400は、通電によって発熱する発熱体であり、酸素濃度検出セル130及び酸素ポンプセル140を加熱するヒータ部200を内包する。保護層20は、白色系セラミックを主成分とする担体に貴金属触媒が担持されてなる第1保護層21と、白色系セラミックを主成分とし、貴金属触媒が担持されていない層である第2保護層22とを有する。第2保護層22は、第1保護層21の外側を覆い、自身の表面が保護層20の最外表面として構成され、第1保護層21よりも厚さが小さい。【選択図】図4

Description

本発明は、ガスセンサ素子及びガスセンサに関するものである。
特許文献1には、内燃機関に用いられるガスセンサ素子の一例が開示されている。このガスセンサ素子は、イオン伝導性を示す固体電解質と、固体電解質の両側の面にそれぞれ配置された一対の電極(被測定ガス側電極及び基準ガス側電極)と、固体電解質を加熱して活性させる発熱源と、を有する検知部を備えている。このガスセンサ素子によって、検出動作を行う場合、一対の電極に対し、酸素濃度差と電流がリニアな相間を有する電圧を印加し、被測定ガス側電極に被測定ガスを接触させ、基準ガス側電極に大気等の基準ガスを接触させる。すると、被測定ガスと基準ガスの酸素濃度差に応じた電流が電極間に流れるため、この電流値を計測することで車両エンジンの空燃比(A/F)を特定することができる。
更に、特許文献1に開示されるガスセンサ素子は、検知部の外側を覆うように触媒層が設けられ、この触媒層は、水素ガスとの反応を促進させる貴金属触媒が担持された層として構成されている。更に、触媒層の外側を覆うように保護層が設けられ、この保護層は、検知部が被水割れするのを抑制するとともに通過する水素ガスや一酸化炭素ガス等をトラップし、貴金属触媒が担持されていない層として構成されている。
特開2012−241535号公報
特許文献1のガスセンサ素子では、保護層は、貴金属触媒が担持されていないアルミナ粒子の層となっているため、明度の高い白色系の層が最外層として配置されることになる。一般的に黒色系の層は放熱性が高く、白色系の層は放熱性が低いため、特許文献1のガスセンサのように白色系の層が最外層に配置されていると、黒色系の層が最外層に配置される場合と比較して外部空間(最外層の外側の空間)への放熱が抑制されることになり、その分だけ、検出部近傍の加熱を効率的に行えることになるため、消費電力の増大を抑えることができる。
このように、最外層に白色系の保護層を配置すると、外部への放熱を抑制する効果が期待できるが、特許文献1のガスセンサ素子は、黒色系の触媒層の外側に、触媒層よりも厚さが大幅に大きい白色系の保護層が接触する構成であるため、保護層が触媒層側の熱を吸収する効果が顕著になる。つまり、最外層となる保護層が内部の熱(触媒層近傍の熱)を吸収してしまうため、本来加熱すべき部位(触媒層の内側に配置される検出部近傍)への熱伝達が抑えられ、加熱効率が悪くなる。その結果、消費電力の増大を招いてしまうことになる。
本発明は、上述した課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、検知部を効率的に加熱することができ、消費電力を効果的に低減し得るガスセンサ素子及びガスセンサを提供することを目的とする。
本発明の一つの解決手段であるガスセンサ素子は、
固体電解質体と、前記固体電解質体の一方側の面及び他方側の面にそれぞれ配置された一対の電極と、を有する検知部を1つ以上含んでなる素子本体と、
前記検知部を被覆する構成で前記素子本体と一体的に設けられる多孔質状の保護層と、
を備え、
前記素子本体は、通電によって発熱する発熱体であって、前記検知部を加熱するヒータを内包し、
前記保護層は、
白色系セラミックを主成分とする担体に貴金属触媒が担持されてなる第1保護層と、
白色系セラミックを主成分とし、貴金属触媒が担持されていない層、もしくは、貴金属触媒の担持量が前記第1保護層よりも少なく且つ貴金属触媒が最外表面において5μm四方以内に平均1粒以下含まれる層として前記第1保護層の外側を覆い、自身の表面の少なくとも一部が前記保護層の最外表面として構成され、前記第1保護層よりも厚さが小さい第2保護層と、
を有する。
上記ガスセンサ素子は、貴金属触媒が担持されていない層、もしくは、貴金属触媒の担持量が極めて少ない層として第2保護層が構成され、この第2保護層の少なくとも一部が、保護層の最外表面として構成される。つまり、白色度合いが高い第2保護層が保護層の最外表面の一部又は全部を構成するため、第2保護層から外側の空間への放熱が抑えられ、その分、保護層の内部(即ち、保護層に被覆される検知部)の加熱が促進される。
一方で、第2保護層に覆われる第1保護層は、貴金属触媒が担体に担持され、相対的に黒色度合いが高い層であるため、放熱性が高くなっている。このように放熱性が高い第1保護層を覆うように第2保護層が接触していると、第2保護層の構成によっては、第1保護層の熱を第2保護層が吸収しすぎてしまうことが懸念されるが、第2保護層の厚さが第1保護層の厚さよりも小さく抑えられているため、第2保護層が第1保護層の熱を吸収しすぎることが抑制される。よって、第1保護層の熱が外側に逃げることが抑えられ、第1保護層の内側に配置された検知部の加熱がより一層促進される。
このように、第2保護層の存在によって外部空間への放熱が抑えられ、しかも、第2保護層が第1保護層の熱を吸収しすぎることも抑えられるため、検知部がより効率的に加熱されることになり、その結果、消費電力の低減効果がより一層高まる。
なお、本発明において、「貴金属触媒が最外表面において5μm四方以内に平均1粒以下含まれる」とは、最外表面において5μm四方当りの貴金属触媒の平均存在個数が1個以下であることを意味する。
上記ガスセンサ素子において、保護層は、白色系セラミックを主成分とし、貴金属触媒が担持されていない層、もしくは、貴金属触媒の担持量が第1保護層よりも少なく且つ貴金属触媒が最外表面において5μm四方以内に平均1粒以下含まれる層として第1保護層の内側に配置される第3保護層を有してもよい。第3保護層は、第1保護層よりも厚さが小さく、第2保護層よりも厚さが大きくてもよい。
このように、第1保護層の内側に第3保護層が設けられていれば、素子本体を保護する効果がより高まる。特に、第3保護層は、より内側に配置される層であり且つ白色度合いが高い層であるため、加熱されやすく放熱性が低いという特徴がある。従って、仮に外側から保護層内に侵入した水が第1保護層を透過して第3保護層まで入り込んだとしても、その水は第3保護層内で揮発しやすい。ゆえに、素子本体付近まで水が浸入することを確実に抑えることができる。また、第3保護層よりも第1保護層のほうが厚く構成されているため、第1保護層において触媒の効果がより得られやすくなる。更に、第3保護層よりも第2保護層のほうが薄く構成されているため、第2保護層において第1保護層からの吸熱をより抑えることができる。
上記ガスセンサ素子において、第1保護層及び第2保護層はいずれも、同一のセラミック材料を主成分としてもよい。
このように、第1保護層及び第2保護層の主成分となるセラミック材料が同一に揃えられていれば、第2保護層が第1保護層から剥がれることを防止する効果が高まる。
上記ガスセンサ素子において、第1保護層、第2保護層、及び第3保護層はいずれも、同一のセラミック材料を主成分としてもよい。
このように、第1保護層、第2保護層、及び第3保護層の主成分となるセラミック材料が同一に揃えられていれば、第1保護層、第2保護層、及び第3保護層の各々が剥がれにくくなり、これらの積層状態がより安定的に維持されやすくなる。
上記ガスセンサ素子は、第3保護層の平均気孔径が第1保護層の平均気孔径よりも大きい構成としてもよい。
このように、第3保護層の平均気孔径が第1保護層の平均気孔径よりも大きい構成であれば、第3保護層を、第1保護層よりも毛細管現象が生じにくい構成とすることができ、第3保護層において排水性を高めることができる。よって、第1保護層から第3保護層への水が浸入しにくくなり、防水性が一層高まる。
上記ガスセンサ素子において、保護層の白色系セラミックは、アルミナ(Al)、チタニア(TiO)、ジルコニア(ZrO)、マグネシア(MgO)、ムライト(Al−SiO)、スピネル(MgAl)、コージェライト(MgO−Al−SiO)の内の1つ、若しくはこれらの内の2つ以上を含む混合物であってもよい。
本発明の他の解決手段であるガスセンサは、上記いずれかのガスセンサ素子と、ガスセンサ素子を保持するハウジングと、を備える。
このガスセンサは、上記いずれかのガスセンサ素子を含むので、ガスセンサ素子において第1保護層から第2保護層への放熱が抑えられ、第2保護層から外部空間への放熱も抑えられることになる。よって、検知部がより効率的に加熱されることになり、その結果、消費電力の低減効果がより一層高まる。
第1実施形態のガスセンサを長手方向に沿って切断した切断面を概略的に示す断面図である。 図1のガスセンサにおけるガスセンサ素子の先端側を軸線方向に沿って切断した断面を部分的に且つ模式的に示す断面図である。 図1のガスセンサにおける検出素子及びヒータを分解した状態を模式的に示す分解斜視図である。 図1のガスセンサにおけるガスセンサ素子の先端側を軸線方向と直交する方向に沿って切断した断面を模式的に示す断面図である。 図4で示すガスセンサ素子の断面図のうち、表面側の一部を拡大して示す断面拡大図である。
A.第1実施形態
A1.ガスセンサの構成
図1に示すガスセンサ1は、内燃機関の排気ガス等に含まれる特定ガスのガス濃度を検出するセンサである。ガスセンサ1は、ガス濃度を検出する機能を有するガスセンサ素子100、ガスセンサ素子100等を内部に保持する主体金具30、主体金具30の先端部に装着されるプロテクタ24、等を備える。ガスセンサ1は、軸線Lの方向に沿って長手状に構成され、全体として軸状の形態をなす。なお、本明細書では、軸線Lの方向がガスセンサ1の長手方向であり、以下の説明では、軸線Lの方向を「軸線方向」ともいう。
まず、ガスセンサ素子100について説明する。
ガスセンサ素子100は、図1に示すように、軸線方向(ガスセンサ1の長手方向)に延びるように配置され、図2に示すように、素子本体400と、多孔質保護層20と、を備える。素子本体400は、検知部の一例に相当する酸素濃度検出セル130及び酸素ポンプセル140を含んでなる部分であり、主として、検出素子部300と、ヒータ部200と、を備える。検出素子部300は、被測定ガス中の特定ガス(例えば酸素)の濃度を検出するように機能する部分である。ヒータ部200は、ヒータの一例に相当し、素子本体400に内包されるとともに通電によって発熱する発熱体として構成され、検知部(酸素濃度検出セル130及び酸素ポンプセル140)を加熱する機能を有する。多孔質保護層20は、保護層の一例に相当し、素子本体400を被覆する構成で素子本体400と一体的に設けられる。以下、ガスセンサ素子100を構成する各要素について詳述する。なお、多孔質保護層20は、保護層20ともいう。
ヒータ部200は、図3に示すように、アルミナを主体とする第1基体101及び第2基体103と、第1基体101と第2基体103とに挟まれ、白金を主体とする発熱体102と、を有する。発熱体102は、先端側に位置する発熱部102aと、発熱部102aから第1基体101の長手方向に沿って延びる一対のヒータリード部102bと、を有する。ヒータリード部102bの端末は、第1基体101に設けられるヒータ側スルーホール101aに形成された導体を介してヒータ側パッド120と電気的に接続している。
検出素子部300は、図3に示すように、酸素濃度検出セル130と、酸素ポンプセル140と、を備える。酸素濃度検出セル130は、第1固体電解質体105cと、第1固体電解質体105cの一方の面に配置された基準電極104と、第1固体電解質体105cの他方の面に配置された検知電極106と、を有する。第1固体電解質体105cは、固体電解質体の一例に相当し、基準電極104及び検知電極106は、一対の電極の一例に相当する。
第1固体電解質体105cは略矩形板状をなし、第1固体電解質体105cのうち、積層方向に平行な4つの端面105eを第1支持部105rが囲んでいる。第1支持部105rと第1固体電解質体105cとによって第1層105が構成されている。第1層105は、長手方向に延び、後述する内部保護層111等と同一寸法になっている。
基準電極104は、図3に示すように、基準電極部104aと、基準電極部104aから第1層105の長手方向に沿って延びる第1リード部104bと、を有している。検知電極106は、検知電極部106aと、検知電極部106aから第1層105の長手方向に沿って延びる第2リード部106bと、を有している。第1リード部104bの端部側は、図3に示すように、第1層105(具体的には、第1支持部105r)に設けられる第1スルーホール105a、後述する絶縁層107に設けられる第2スルーホール107a、第2層109(具体的には、第2支持部109r)に設けられる第4スルーホール109a、及び内部保護層111に設けられる第6スルーホール111aのそれぞれに形成される導体を介して検出素子側パッド121と電気的に接続されている。第2リード部106bの端部側は、図3に示すように、後述する絶縁層107に設けられる第3スルーホール107b、第2支持部109rに設けられる第5スルーホール109b、及び内部保護層111に設けられる第7スルーホール111bのそれぞれに形成される導体を介して検出素子側パッド121と電気的に接続されている。
酸素ポンプセル140は、図3に示すように、第2固体電解質体109cと、第2固体電解質体109cの一方の面に配置された内側第1ポンプ電極108と、第2固体電解質体109cの他方の面に配置された外側第1ポンプ電極110と、を有する。第2固体電解質体109cは、固体電解質体の一例に相当し、内側第1ポンプ電極108及び外側第1ポンプ電極110は、一対の電極の一例に相当する。
第2固体電解質体109cは略矩形板状をなし、第2固体電解質体109cのうち、積層方向に平行な4つの端面109eを第2支持部109rが囲んでいる。第2支持部109rと第2固体電解質体109cとによって第2層109が構成され、第2層109は長手方向に延びて後述する内部保護層111等と同一寸法になっている。
内側第1ポンプ電極108は、図3に示すように、内側第1ポンプ電極部108aと、この内側第1ポンプ電極部108aから第2層109の長手方向に沿って延びる第3リード部108bと、を有する。外側第1ポンプ電極110は、外側第1ポンプ電極部110aと、この外側第1ポンプ電極部110aから第2層109の長手方向に沿って延びる第4リード部110bと、を有する。第3リード部108bの端部側は、図3に示すように、第2層109(具体的には、第2支持部109r)に設けられる第5スルーホール109b及び内部保護層111に設けられる第7スルーホール111bのそれぞれに形成される導体を介して検出素子側パッド121と電気的に接続されている。第4リード部110bの端部側は、後述する内部保護層111に設けられる第8スルーホール111cに形成される導体を介して検出素子側パッド121と電気的に接続されている。なお、第2リード部106bと第3リード部108bは同電位となっている。
第1固体電解質体105c及び第2固体電解質体109cは、ジルコニア(ZrO)に安定化剤としてイットリア(Y)又はカルシア(CaO)を添加してなる部分安定化ジルコニア焼結体から構成されている。
発熱体102、基準電極104、検知電極106、内側第1ポンプ電極108、外側第1ポンプ電極110、ヒータ側パッド120及び検出素子側パッド121は、白金族元素で形成することができ、好ましくはPt、Rh、Pd等のうち一種を単独で使用し、あるいは二種以上を併用することもできる。白金族元素として、耐熱性及び耐酸化性を考慮するとPtを主体にすることがより一層好ましい。主体となる白金族元素の他にセラミック成分を含有することが好ましい。セラミック成分は、固着という観点から、積層される側の主体となる材料(例えば、第1固体電解質体105c、第2固体電解質体109cの主体となる成分)と同様の成分であることが好ましい。
酸素ポンプセル140と酸素濃度検出セル130との間に、絶縁層107が形成されている。絶縁層107は、絶縁部114と拡散律速部115とから構成される。絶縁層107の絶縁部114には、検知電極部106a及び内側第1ポンプ電極部108aに対応する位置に中空のガス検出室107cが形成されている。ガス検出室107cは、絶縁層107の幅方向で外部と連通しており、連通部分には、外部とガス検出室107cとの間のガス拡散を所定の律速条件下で実現する拡散律速部115が配置されている。
第1支持部105r、第2支持部109r、絶縁部114、及び後述する補強部112は、絶縁性を有するセラミック焼結体であれば特に限定されなく、例えば、アルミナやムライト等の酸化物系セラミックを挙げることができる。
拡散律速部115、及び後述する電極保護部113aは、アルミナ等のセラミックからなる多孔質体である。拡散律速部115によって検出ガスがガス検出室107cへ流入する際の律速が行われる。
第2固体電解質体109cの表面には、図3に示すように、外側第1ポンプ電極110を挟み込むようにして、内部保護層111が形成されている。内部保護層111は、後述する保護層20によって囲まれた領域の内側に配置される保護層であり、外側第1ポンプ電極部110aを挟み込むようにして、外側第1ポンプ電極部110aを被毒から防御するための多孔質の電極保護部113aと、第4リード部110bを挟み込むようにして電極保護部113aを支持する補強部112と、を有している。電極保護部113aは略矩形板状をなし、電極保護部113aの積層方向に平行な4つの端面を補強部112が囲んでいる。補強部112は自身の先端側に電極保護部113aを内包している。補強部112は長手方向に延びて後述する内部保護層111等と同一寸法になっている。
ガスセンサ素子100は、酸素濃度検出セル130の電極間に生じる電圧(起電力)が所定の値(例えば、450mV)となるように、酸素ポンプセル140の電極間に流れる電流の方向及び大きさが調整され、酸素ポンプセル140に流れる電流に応じた被測定ガス中の酸素濃度をリニアに検出するように機能する。また、ガスセンサ素子100は、酸素濃度検出セル130の第1固体電解質体105cのインピーダンス(抵抗値)Rpvsを間欠的に測定し、このインピーダンスに基づいて発熱部102aによるガスセンサ素子100の加熱状態をフィードバックしている。発熱部102aによる酸素濃度検出セル130の目標制御温度は、第1固体電解質体105cのインピーダンスから換算される温度に相当する。
次に、ガスセンサ素子100以外の要素について説明する。
図1に示す主体金具30は、ハウジングの一例に相当するものである。主体金具30は、SUS430製のものであり、ガスセンサを排気管に取り付けるための雄ねじ部31と、取り付け時に取り付け工具をあてがう六角部32と、を有している。主体金具30には、径方向内側に向かって突出する金具側段部33が設けられており、金具側段部33は、ガスセンサ素子100を保持するための金属ホルダ34を支持している。金属ホルダ34の内側にはセラミックホルダ35、滑石36が先端側から順に配置されている。滑石36は、金属ホルダ34内に配置される第1滑石37と、金属ホルダ34の後端に渡って配置される第2滑石38と、から構成される。金属ホルダ34内で第1滑石37が圧縮充填されることによって、ガスセンサ素子100は金属ホルダ34に対して固定される。主体金具30内で第2滑石38が圧縮充填されることによって、ガスセンサ素子100の外面と主体金具30の内面との間のシール性が確保される。第2滑石38の後端側には、アルミナ製のスリーブ39が配置されている。スリーブ39は多段の円筒状に形成されており、軸線に沿うように軸孔39aが設けられ、内部にガスセンサ素子100を挿通している。主体金具30の後端側の加締め部30aが内側に折り曲げられており、ステンレス製のリング部材40を介してスリーブ39が主体金具30の先端側に押圧されている。
主体金具30の先端側外周には、主体金具30の先端から突出するガスセンサ素子100の先端部を覆うと共に、複数のガス取り入れ孔24aを有する金属製のプロテクタ24が溶接によって取り付けられている。プロテクタ24は、二重構造をなしており、外側には一様な外径を有する有底円筒状の外側プロテクタ41、内側には後端部42aの外径が先端部42bの外径よりも大きく形成された有底円筒状の内側プロテクタ42が配置されている。
主体金具30の後端側には、SUS430製の外筒25の先端側が挿入されている。外筒25は先端側の拡径した先端部25aを主体金具30に加締め後、レーザ溶接により固定している。外筒25の後端側内部には、セパレータ50が配置され、セパレータ50と外筒25の隙間に保持部材51が介在している。保持部材51は、後述するセパレータ50の突出部50aに係合し、外筒25と共に加締めることにより外筒25とセパレータ50とにより固定されている。
セパレータ50には、検出素子部300やヒータ部200用のリード線11〜13等を挿入するための通孔50bが先端側から後端側にかけて貫設されている。通孔50b内には、リード線11〜13等と、検出素子部300の検出素子側パッド121及びヒータ部200のヒータ側パッド120とを接続する接続端子16と、が収容されている。各リード線11〜13等は、外部において、図示しないコネクタに接続されるようになっている。コネクタを介してECU等の外部機器と各リード線11〜13等とは電気信号の入出力が行われることになる。また、各リード線11〜13等は詳細に図示しないが、導線を樹脂からなる絶縁皮膜にて披覆した構造を有している。
セパレータ50の後端側には、外筒25の後端側の開口部25bを閉塞するための略円柱状のゴムキャップ52が配置されている。ゴムキャップ52は、外筒25の後端内に装着された状態で、外筒25の外周を径方向内側に向かって加締めることにより、外筒25に固着されている。ゴムキャップ52にも、リード線11〜13等をそれぞれ挿入するための通孔52aが先端側から後端側にかけて貫設されている。
A2.多孔質保護層の構成
図2、図4に示すように、ガスセンサ素子100の先端側には、多孔質状の保護層20が設けられている。保護層20は、素子本体400の先端側の全体(先端面400a、及び先端面400aに連なる4つの側面400b,400c,400d,400e)を囲む形態で形成されている。図2に示すように、保護層20は、軸線方向において素子本体400の先端面400aから所定範囲の領域Rに形成されている。領域Rは、軸線方向において、基準電極部104a、検知電極部106a、内側第1ポンプ電極部108a、外側第1ポンプ電極部110aが重なる領域より後端に至っている。なお、以下の説明では、軸線方向と直交する方向のうち、ヒータ部200、酸素濃度検出セル130及び酸素ポンプセル140が積層される方向を上下方向とする。更に、軸線方向及び上下方向と直交する方向を横方向とする。
図4に示すように、保護層20は、第1保護層21と、第2保護層22と、第3保護層23と、を備える。保護層20を構成する各層は、内側から第3保護層23、第1保護層21、第2保護層22の順に積層されている。
図2、図4のように、第3保護層23は、素子本体400の先端部付近の外表面上に積層されている。第3保護層23は、白色系セラミック(例えば、アルミナ(Al)、チタニア(TiO)、ジルコニア(ZrO)、マグネシア(MgO)、ムライト(Al−SiO)、スピネル(MgAl)、コージェライト(MgO−Al−SiO)の内の1つ、若しくはこれらの内の2つ以上を含む混合物)を主成分とし、貴金属触媒が担持されていないセラミック層である。第3保護層23は、貴金属触媒(例えば、白金等)が担持されないため、第1保護層21よりも明度が大幅に高く白色度合いの高い白色層として構成されている。第3保護層23は、第1保護層21及び第2保護層22の内側に配置され、保護層20における最も内側の内表面を構成する層となっている。第3保護層23は、先端面400aに接触しつつ先端面400aの全体を覆っており、更に、軸線方向における領域R内において、先端面400aに連なる4つの側面400b,400c,400d,400eにそれぞれ接触しつつ側面400b,400c,400d,400eのそれぞれを覆っている。
図2、図4のように、第1保護層21は、第3保護層23の外表面上に積層されている。第1保護層21は、第3保護層23において上下方向両側及び横方向両側に配置される各部分(素子本体400の側面400b,400c,400d,400eを覆う各部分)をそれぞれ覆い、更に、軸線方向一方側に配置される部分(素子本体400の先端面400aを覆う部分)をそれぞれ覆うように配置される。第1保護層21は、白色系セラミック(例えば、アルミナ(Al)、チタニア(TiO)、ジルコニア(ZrO)、マグネシア(MgO)、ムライト(Al−SiO)、スピネル(MgAl)、コージェライト(MgO−Al−SiO)の内の1つ、若しくはこれらの内の2つ以上を含む混合物)を主成分とする担体に貴金属触媒(例えば、白金等)が担持されてなる触媒層である。第1保護層21は、貴金属触媒(例えば、白金等)が担持されているため、第2保護層22及び第3保護層23よりも明度が大幅に低く黒色度合いの高い黒色層として構成されている。第1保護層21は、未燃ガスの燃焼を促進する触媒層として機能するため、未燃ガスを完全燃焼させやすくなる。
第2保護層22は、第1保護層21の外表面上に積層されている。第2保護層22は、白色系セラミック(例えば、アルミナ(Al)、チタニア(TiO)、ジルコニア(ZrO)、マグネシア(MgO)、ムライト(Al−SiO)、スピネル(MgAl)、コージェライト(MgO−Al−SiO)の内の1つ、若しくはこれらの内の2つ以上を含む混合物)を主成分とし、貴金属触媒が担持されていないセラミック層である。第2保護層22は、貴金属触媒(例えば、白金等)が担持されないため、第1保護層21よりも明度が大幅に高く白色度合いの高い白色層として構成されている。第2保護層22は、自身の外側の表面が保護層20の最外表面として構成されている。第2保護層22の外側の表面は、プロテクタ24の内部に構成される空間(検出ガスが流れ込む空間)に露出している。
図5は、図2の領域ARを拡大して示す拡大図である。図5に示すように、第2保護層22に積層方向の厚さt2は、第1保護層21の積層方向の厚さt1よりも小さく、例えば、第1保護層21の厚さt1の半分以下(望ましくは、厚さt1の10分の1程度)の厚さであって且つ1μm以上の厚さで形成されている。なお、第2保護層22を、例えば1μmの厚さで形成すると、第1保護層21の熱を吸収する効果がより一層抑えられる。
図5に示すように、第3保護層23の積層方向の厚さt3は、第1保護層21の積層方向の厚さt1よりも小さく、第2保護層22の積層方向の厚さt2よりも大きい。第3保護層23の厚さt3は、例えば第1保護層21の厚さt1の半分以下(望ましくは、厚さt1の3分の1程度)となっている。
更に、第3保護層23の平均気孔径は、例えば20μmであり、第1保護層21の平均気孔径よりも大きくなっている。このように、第3保護層23に構成される孔のサイズが、第1保護層21に構成される孔のサイズよりも大きいため、第3保護層23において第1保護層21よりも毛細管現象が生じにくくなっており、第1保護層21から第3保護層23へと水が侵入しにくくなっている。
A3.ガスセンサ素子の製造方法
未焼成のヒータ部200としては、未焼成の第1基体101及び第2基体103を、アルミナ等の原料粉末、バインダ及び可塑剤等から調合されたペーストをドクターブレード法等により、シート状に成形した後乾燥させたグリーンシートを所定の大きさに切り出して形成する。第1基体101上にPt等の原料粉末、バインダ及び可塑剤等から調合されたペーストをスクリーン印刷法等により塗布後、乾燥させて未焼成の発熱体102を形成する。発熱体102を挟むようにして未焼成の第1基体101と第2基体103を積層する。
アルミナのグリーンシートからなる未焼成の第1支持部105rの先端側を矩形状にくり抜き、くり抜き部分に部分安定化ジルコニアのグリーンシートからなる未焼成の第1固体電解質体105cを埋め込む。未焼成の第1固体電解質体105cの表裏にそれぞれ未焼成の基準電極104及び検知電極106をペースト印刷し、未焼成の酸素濃度検出セル130を得る。検知電極106側の第1固体電解質体105cの表面に、未焼成の絶縁部114と拡散律速部115とをペースト印刷する。
アルミナのグリーンシートからなる未焼成の第2支持部109rの先端側を矩形状にくり抜き、くり抜き部分に部分安定化ジルコニアのグリーンシートからなる未焼成の第2固体電解質体109cを埋め込む。未焼成の第2固体電解質体109cの表裏にそれぞれ未焼成の内側第1ポンプ電極108及び外側第1ポンプ電極110をペースト印刷し、未焼成の酸素ポンプセル140を得る。未焼成のヒータ部200、酸素濃度検出セル130及び酸素ポンプセル140を積層し、全体を焼成して素子本体400を製造する。
素子本体400の先端部の表面全体に第3保護層23を形成する。第3保護層23は、セラミック粒子(例えば、アルミナ(Al)、チタニア(TiO)、ジルコニア(ZrO)、マグネシア(MgO)、ムライト(Al−SiO)、スピネル(MgAl)、コージェライト(MgO−Al−SiO)の内の1つ、若しくはこれらの内の2つ以上を含む混合物)を含むスラリーを焼結等により結合して形成する。セラミック粒子を含むスラリーを焼結することで被膜を形成することができるが、スラリーに焼失性の造孔材を添加したものを焼結すると、造孔材が焼失した部分が気孔となり、被膜の骨格中に気孔を形成することができる。造孔材としては、例えばカーボン、樹脂製ビーズ、有機又は無機バインダの粒子を用いることができる。
第3保護層23の表面全体に第1保護層21を形成する。第1保護層21は、貴金属触媒(例えば、白金)を担持させたセラミック粒子(例えば、アルミナ(Al)、チタニア(TiO)、ジルコニア(ZrO)、マグネシア(MgO)、ムライト(Al−SiO)、スピネル(MgAl)、コージェライト(MgO−Al−SiO)の内の1つ、若しくはこれらの内の2つ以上を含む混合物)を含むスラリーを焼結等により結合して形成する。セラミック粒子に白金を担持させる方法は、例えば、セラミック粒子を塩化白金酸に含浸させた後に、熱処理することによって行われる。
そして、第1保護層21の表面全体に第2保護層22を形成する。第2保護層22は、第3保護層23の形成と同様、セラミック粒子(例えば、アルミナ(Al)、チタニア(TiO)、ジルコニア(ZrO)、マグネシア(MgO)、ムライト(Al−SiO)、スピネル(MgAl)、コージェライト(MgO−Al−SiO)の内の1つ、若しくはこれらの内の2つ以上を含む混合物)を含むスラリーを焼結等により結合して形成する。また、第2保護層22の形成の際には、第3保護層23と同様の方法で気孔を形成する。このようにして、第1保護層21、第2保護層22、及び第3保護層23からなる保護層20を形成することができる。
A4.効果
ガスセンサ素子100は、貴金属触媒が担持されていない層として第2保護層22が構成され、この第2保護層22が、保護層20の最外表面として構成される。つまり、白色度合いが極めて高い第2保護層22が保護層20の最外表面の全部を構成するため、第2保護層22から外側の領域(図1の例では第2保護層22の外側の空間)への放熱が抑えられ、その分、保護層20の内部(即ち、第2保護層22に被覆される検知部(酸素濃度検出セル130、酸素ポンプセル140))の加熱が促進される。一方、第2保護層22に覆われる第1保護層21は、貴金属触媒が担体に担持され、相対的に黒色度合いが高い黒色層であるため、放熱性が高い。このように放熱性が高い第1保護層21を覆うように第2保護層22が接触していると、第1保護層21の熱を第2保護層22が吸収してしまうことが懸念されるが、第2保護層22の厚さが第1保護層21の厚さよりも小さい程度に抑えられているため、第2保護層22が第1保護層21の熱を吸収しすぎることが抑えられる。よって、第1保護層21の熱が外側に逃げることが抑えられ、第1保護層21の内側に配置された検知部(酸素濃度検出セル130、酸素ポンプセル140)の加熱がより一層促進される。このように、第2保護層22の存在によって外部空間への放熱が抑えられ、第2保護層22が第1保護層21の熱を吸収しすぎることも抑えられるため、検知部(酸素濃度検出セル130、酸素ポンプセル140)がより効率的に加熱されることになり、その結果、消費電力の低減効果がより一層高まる。
特に、本構成のガスセンサ1は、検知部(酸素濃度検出セル130、酸素ポンプセル140)を効率的に加熱することができ、より少ない電力で検知部の温度を上昇させることができるため、例えば、酸素濃度検出セル130の目標制御温度を一定に維持するようなフィードバック制御を採用する場合には、酸素濃度検出セル130を目標制御温度で維持するにあたり、消費電力を効果的に低減することができる。
ガスセンサ素子100において、保護層20は、白色系セラミックを主成分とし、貴金属触媒が担持されていない層として第1保護層21の内側に配置される第3保護層23を有する。そして、図5のように、第3保護層23の厚さt3は、第1保護層21の厚さt1よりも小さく、第2保護層22の厚さt2よりも大きい。このように、第1保護層21の内側に第3保護層23が設けられていれば、素子本体を保護する効果がより高まる。特に、第3保護層23は、より内側に配置される層であり且つ白色度合いが高い層であるため、加熱されやすく放熱性が低いという特徴がある。従って、仮に外側から保護層内に侵入した水が第1保護層21を透過して第3保護層23まで入り込んだとしても、その水は第3保護層23内で揮発しやすい。ゆえに、素子本体付近まで水が浸入することを確実に抑えることができる。また、第3保護層23の厚さt3よりも第1保護層21の厚さt1のほうが大きいため、第1保護層21において触媒の効果がより得られやすくなる。更に、第3保護層23の厚さt3よりも第2保護層22の厚さt2のほうが小さいため、第2保護層22において第1保護層21からの吸熱をより抑えることができる。
ガスセンサ素子100において、第1保護層21及び第2保護層22はいずれも、同一のセラミック材料(例えば、アルミナ(Al)、チタニア(TiO)、ジルコニア(ZrO)、マグネシア(MgO)、ムライト(Al−SiO)、スピネル(MgAl)、コージェライト(MgO−Al−SiO)の内の1つ、若しくはこれらの内の2つ以上を含む混合物)を主成分とする。このように、第1保護層21及び第2保護層22の主成分となるセラミック材料が同一に揃えられていれば、第2保護層22が第1保護層21から剥がれることを防止する効果が高まる。
より具体的には、第1保護層21、第2保護層22、及び第3保護層23はいずれも、同一のセラミック材料(例えば、アルミナ(Al)、チタニア(TiO)、ジルコニア(ZrO)、マグネシア(MgO)、ムライト(Al−SiO)、スピネル(MgAl)、コージェライト(MgO−Al−SiO)の内の1つ、若しくはこれらの内の2つ以上を含む混合物)を主成分とする。このように、第1保護層21、第2保護層22、及び第3保護層23の全てにおいて、主成分となるセラミック材料が同一に揃えられていれば、第1保護層21、第2保護層22、及び第3保護層23の各々が剥がれにくくなり、これらの積層状態がより安定的に維持されやすくなる。
ガスセンサ素子100は、第3保護層23の平均気孔径が第1保護層21の平均気孔径よりも大きくなっている。このように、第3保護層23の平均気孔径が第1保護層21の平均気孔径よりも大きい構成であれば、第3保護層23を、第1保護層21よりも毛細管現象が生じにくい構成とすることができ、第3保護層23において排水性を高めることができる。よって、第1保護層21から第3保護層23へ水が浸入しにくくなり、防水性が一層高まる。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような例も本発明の技術的範囲に含まれる。
第1実施形態の説明では、ガスセンサの例として、検出素子部300とヒータ部200とが積層された形態でガスセンサ素子100が構成される積層型のガスセンサ1を例示したが、素子本体とヒータとが積層構造で一体化された構成に限定されない。例えば、筒状に構成される検出素子部の内側にヒータ部が内包される形態のガスセンサ(所謂コップ型のガスセンサ)として構成されてもよい。
第1実施形態の説明では、酸素濃度検出セル130の目標制御温度を一定に維持するために加熱状態をフィードバックする例を示したが、ガスセンサは、フィードバック制御を行わない構成に適用されてもよい。
第1実施形態の説明では、第2保護層22が1μmの厚さで形成される構成を示したが、例えば、1μm以上の厚さであって且つ第1保護層21の厚さよりも小さい厚さの範囲内で、1μm以外の厚さとしてもよい。
第1実施形態の説明では、第2保護層22及び第3保護層23がいずれも、貴金属触媒(例えば白金等)が担持されていない層として構成される例を示したが、この例に限定されない。例えば、第2保護層22は、貴金属触媒の担持量が第1保護層21よりも少なく、且つ貴金属触媒が最外表面(第2保護層22が露出する空間側の表面)において5μm四方以内に平均1粒以下含まれる層であってもよい。つまり、第2保護層22の最外表面において5μm四方当りの貴金属触媒の平均存在個数が1個以下であってもよい。また、第3保護層23は、貴金属触媒の担持量が第1保護層21よりも少なく、且つ貴金属触媒が最外表面(第1保護層21との境界面)において5μm四方以内に平均1粒以下含まれる層であってもよい。つまり、第3保護層23の最外表面において5μm四方当りの貴金属触媒の平均存在個数が1個以下であってもよい。
第1実施形態の説明では、第2保護層22が、自身の表面の全体が保護層20の最外表面として構成される例を示したが、自身の表面の一部が保護層20の最外表面として構成されてもよい。例えば、第1保護層の外表面の一部のみを覆うように第2保護層が配置されていてもよい。
第1実施形態の説明では、第1保護層21、第2保護層22、及び第3保護層23の主成分を、同一の白色系セラミック(例えば、アルミナ(Al)、チタニア(TiO)、ジルコニア(ZrO)、マグネシア(MgO)、ムライト(Al−SiO)、スピネル(MgAl)、コージェライト(MgO−Al−SiO)の内の1つ、若しくはこれらの内の2つ以上を含む混合物)で揃える構成を例示したが、その他の公知の白色系セラミックで揃えてもよい。
第1実施形態の説明では、第1保護層21、第2保護層22、及び第3保護層23の主成分を、同一のセラミック材料で揃える構成を例示したが、いずれか1つ、又はそれぞれを異なるセラミック材料としてもよい。
1…ガスセンサ
20…保護層
21…第1保護層
22…第2保護層
23…第3保護層
30…主体金具(ハウジング)
100…ガスセンサ素子
104…基準電極(電極)
105c…第1固体電解質体(固体電解質体)
106…検知電極(電極)
108…内側第1ポンプ電極(電極)
109c…第2固体電解質体(固体電解質体)
110…外側第1ポンプ電極(電極)
130…酸素濃度検出セル(検知部)
140…酸素ポンプセル(検知部)
200…ヒータ部(ヒータ)
400…素子本体

Claims (7)

  1. 固体電解質体と、前記固体電解質体の一方側の面及び他方側の面にそれぞれ配置された一対の電極と、を有する検知部を1つ以上含んでなる素子本体と、
    前記検知部を被覆する構成で前記素子本体と一体的に設けられる多孔質状の保護層と、
    を備え、
    前記素子本体は、通電によって発熱する発熱体であって、前記検知部を加熱するヒータを内包し、
    前記保護層は、
    白色系セラミックを主成分とする担体に貴金属触媒が担持されてなる第1保護層と、
    白色系セラミックを主成分とし、貴金属触媒が担持されていない層、もしくは、貴金属触媒の担持量が前記第1保護層よりも少なく且つ貴金属触媒が最外表面において5μm四方以内に平均1粒以下含まれる層として前記第1保護層の外側を覆い、自身の表面の少なくとも一部が前記保護層の最外表面として構成され、前記第1保護層よりも厚さが小さい第2保護層と、
    を有する、
    ガスセンサ素子。
  2. 前記保護層は、白色系セラミックを主成分とし、貴金属触媒が担持されていない層、もしくは、貴金属触媒の担持量が前記第1保護層よりも少なく且つ貴金属触媒が最外表面において5μm四方以内に平均1粒以下含まれる層として前記第1保護層の内側に配置される第3保護層を有し、
    前記第3保護層は、前記第1保護層よりも厚さが小さく、前記第2保護層よりも厚さが大きい、
    請求項1に記載のガスセンサ素子。
  3. 前記第1保護層及び前記第2保護層はいずれも、同一のセラミック材料を主成分とする、
    請求項1又は請求項2に記載のガスセンサ素子。
  4. 前記第1保護層、前記第2保護層、及び前記第3保護層はいずれも、同一のセラミック材料を主成分とする、
    請求項2に記載のガスセンサ素子。
  5. 前記第3保護層の平均気孔径は、前記第1保護層の平均気孔径よりも大きい、
    請求項2又は請求項4に記載のガスセンサ素子。
  6. 前記保護層の白色系セラミックは、アルミナ(Al)、チタニア(TiO)、ジルコニア(ZrO)、マグネシア(MgO)、ムライト(Al−SiO)、スピネル(MgAl)、コージェライト(MgO−Al−SiO)の内の1つ、若しくはこれらの内の2つ以上を含む混合物である、
    請求項1から請求項5のいずれか一項のガスセンサ素子。
  7. 請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のガスセンサ素子と、
    前記ガスセンサ素子を保持するハウジングと、
    を備える、
    ガスセンサ。
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