JP2008076289A - センサ用ヒータおよびセンサ - Google Patents

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Abstract

【課題】切換手段を備えることなく、状況に応じて発熱部材の抵抗値を変更できるセンサ用ヒータを提供し、また、そのようなセンサ用ヒータを備えるセンサを提供する。
【解決手段】ヒータ500は、単一の抵抗素子で構成された発熱部材ではなく、抵抗温度係数の異なる2種類の第1発熱部455および第2発熱部456を有する発熱部454を備えて構成されている。これにより、ヒータ500は、第1発熱部455の抵抗温度曲線と第2発熱部456の抵抗温度曲線との交点に対応する温度(交点温度)を境界として分割された2つの温度領域において、発熱部454としての抵抗値が異なる値となることで、各温度領域における発熱部454の特性を切り換えることができる。よって、ヒータ500によれば、切換手段を備えることなく、状況に応じて発熱部454の抵抗値を変更することができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、活性化温度になることで特定ガスを検出できるセンサ素子を加熱するためのセンサ用ヒータ、およびそのようなセンサ用ヒータを備えるセンサに関する。
従来より、活性化温度になることで特定ガスを検出できるセンサ素子を加熱するためのセンサ用ヒータとして、複数の発熱素子(抵抗素子など)を並列接続して構成される発熱部を備えるものが知られている(特許文献1)。
このセンサ用ヒータは、発熱素子が並列接続された構成の発熱部を備えることにより、発熱部への印加電圧を低く設定できるため、マイグレーションなどの発生を抑制できる。また、複数の発熱素子を備える場合には、各発熱素子の配置位置を適宜設定することで、より広い範囲を加熱することができ、単数の発熱素子を備える場合に比べて、広い範囲を効率よく加熱することが可能となる。
また、センサ素子を加熱するためのセンサ用ヒータとして、複数の発熱素子(抵抗素子など)を備えるとともに、各発熱素子への通電状態を切り換える切換手段(スイッチなど)を備えるものが提案されている(特許文献2)。
このように複数の発熱素子および切換手段を備えることで、いずれかの発熱素子が劣化状態となった場合であっても、切換手段により他の発熱素子を発熱させることが可能となり、長期間にわたり使用可能なセンサ用ヒータを実現することができる。
そして、このようなセンサ用ヒータは、例えば、センサ素子や主体金具とともに、センサに備えられる。
特開平3−183942号公報(図1) 特開平9−033480号公報(図3)
しかしながら、上記従来のヒータのうち、特許文献1に記載のヒータにおいては、複数の発熱素子が同一材料で形成されており、複数の発熱素子からなる発熱部としての抵抗値が一定であるため、状況に応じて発熱部としての抵抗値を変更できないという問題がある。
一般に、抵抗素子からなる発熱部の発熱量W(=V2 /R)は、印加電圧値Vが一定である場合には抵抗値Rが大きいほど発熱量Wが小さくなることから、例えば、発熱部の抵抗値が比較的高く設定された場合には、印加電圧値Vが一定であるときの発熱部における単位時間あたりの発熱量Wが小さくなる。このため、発熱部の抵抗値が高く設定された場合には、単位時間あたりの発熱量Wが小さくなり、センサ素子の加熱に要する所要時間が長くなるという問題がある。
これに対して、発熱部の抵抗値が比較的低く設定された場合には、印加電圧値Vが一定であるときの発熱部における単位時間あたりの発熱量Wが大きくなり、センサ素子の加熱に要する所要時間が短縮でき、センサ素子の早期加熱が実現できるという利点がある。
しかし、発熱部の抵抗値が比較的低く設定された場合には、発熱部の最高温度が比較的高い温度となり、センサ用ヒータのうち発熱部への通電経路を形成するリード部での電力消費が大きくなることがある。つまり、発熱部の抵抗値が低く設定された場合には、発熱部の最高温度は比較的高い温度となり、リード部の温度上昇が生じやすくなるため、温度上昇に伴いリード部の抵抗値が大きくなると、リード部での無駄な電力消費が大きくなる虞がある。
つまり、センサ素子の早期加熱が必要な状況下と、無駄な電力消費の抑制が必要な状況下とでは、発熱部として最適な抵抗値が異なることになるが、特許文献1に記載のヒータにおいては、状況に応じて抵抗値を変更することが不可能である。
これに対して、上記従来技術のうち特許文献2に記載のヒータのように切換手段を備える場合には、切換手段により複数の発熱素子に対する通電状態を適宜切り換えることで、状況に応じて発熱部全体としての抵抗値を変更することが可能となる。
しかし、この場合には、ヒータへの通電状態を切り換えるための切換手段を備える必要があるために、ヒータおよびヒータ制御装置を含む全体構成が複雑になる、という問題がある。
そこで、本発明は、こうした問題に鑑みなされたものであり、切換手段を備えることなく、状況に応じて発熱部の抵抗値を変更できるセンサ用ヒータを提供し、また、そのようなセンサ用ヒータを備えるセンサを提供することを目的とする。
かかる目的を達成するためになされた請求項1に記載の発明は、活性化温度になることで特定ガスを検出できるセンサ素子を加熱するためのセンサ用ヒータであって、外部からの電力供給を受けて発熱する発熱部と、外部から発熱部への通電経路を形成するリード部と、を備え、発熱部は、並列接続された複数の抵抗素子を備えており、複数の抵抗素子には、互いに抵抗温度係数が異なる1組の抵抗素子が少なくとも含まれており、抵抗素子における温度変化に対する抵抗値変化の相関関係を示す抵抗温度曲線について、1組の抵抗素子のうち、相対的に抵抗温度係数の大きい係数大抵抗素子の抵抗温度曲線と、1組の抵抗素子のうち相対的に抵抗温度係数の小さい係数小抵抗素子の抵抗温度曲線との交点は、当該センサ用ヒータの通電開始時温度から最高発熱温度までの使用温度領域内に含まれること、を特徴とするセンサ用ヒータである。
つまり、このセンサ用ヒータは、係数大抵抗素子の抵抗温度曲線と係数小抵抗素子の抵抗温度曲線との交点に対応する温度(以下、交点温度ともいう)を境界として分割された2つの温度領域のそれぞれにおいて発熱部としての抵抗値が異なる値となることから、2つの温度領域における発熱部の特性を切り換えることができる。
そして、交点温度がセンサ用ヒータの通電開始時温度から最高発熱温度までの使用温度領域内に含まれることから、センサ用ヒータの使用環境下において発熱部の温度が交点温度を横切ることになる。このため、センサ用ヒータは、使用環境下において確実に発熱部の抵抗値を切り換えることができる。
よって、本発明のセンサ用ヒータによれば、切換手段(スイッチング手段など)を備える必要が無いため、ヒータ制御装置を含めた全体の構成が複雑化することなく、状況に応じて発熱部の抵抗値を切り換えることが可能となる。
次に、上記のセンサ用ヒータにおいては、請求項2に記載のように、係数大抵抗素子の抵抗温度曲線と係数小抵抗素子の抵抗温度曲線との交点が、センサ素子の活性化温度を中心とする±50℃の範囲内に含まれる構成を採ることができる。
まず、交点に対応する温度(交点温度)よりも低温側となる温度領域では、係数小抵抗素子の抵抗値に比べて係数大抵抗素子の抵抗値が小さい値となることから、係数小抵抗素子よりも係数大抵抗素子に電流が流れやすくなる。このため、交点温度よりも低温側となる温度領域では、発熱部のうち電流が流れやすい係数大抵抗素子での発熱量が大きくなる。
そして、通電開始直後のように最も温度が低い時期においては、係数大抵抗素子の抵抗値が最も小さい値となることから、印加電圧が一定である場合には、係数大抵抗素子での発熱量が通電開始直後において最大となり、センサ素子の早期加熱を実現できる。
次に、交点温度よりも高温側となる温度領域では、係数大抵抗素子の抵抗値に比べて係数小抵抗素子の抵抗値が小さい値となることから、係数大抵抗素子よりも係数小抵抗素子に電流が流れやすくなる。このため、交点温度よりも高温側となる温度領域では、発熱部のうち電流が流れやすい係数小抵抗素子での発熱が大きくなる。
そして、係数小抵抗素子は、温度変化に伴う抵抗値変化が小さいことから、温度上昇幅が同一であるときの抵抗値の増加量は係数大抵抗素子に比べて小さくなる。このため、発熱部は、温度上昇にあたり交点温度を超えた後には、温度上昇に伴う発熱部の抵抗値増加量が小さくなることで、発熱量が大幅に低下するのを防止でき、センサ素子の早期加熱を実現できる。
また、抵抗温度係数の異なる係数小抵抗素子および係数大抵抗素子を備える発熱部の抵抗値は、係数小抵抗素子のみを備える発熱部に比べて、高温領域での抵抗値が大きくなるため、最高温度が相対的に低くなる。このため、リード部の温度上昇が生じ難くなり、温度上昇に伴うリード部の抵抗値増加が生じがたくなるため、リード部での無駄な電力消費を抑制できる。
よって、本発明によれば、切換手段を備えることなく、状況に応じて発熱部の抵抗値を変更することで、センサ素子の早期活性化を図ることができる。また、このセンサ用ヒータは、発熱部の最高温度を低く抑えることができるため、リード部での無駄な電力消費を抑制できる。
なお、センサ素子が活性化状態となる温度は、ある1点の温度のみではなく一定幅を有する温度帯となるが、本発明における活性化温度は、センサ素子が活性化状態となる温度帯のうち最低温度を意味している。そして、本発明のように、交点温度がセンサ素子における活性化温度の近傍(活性化温度を中心とする±50℃の範囲内)となる構成を採ることで、センサ素子の活性化前後において発熱部の抵抗値を変更することができる。
次に、上記のセンサ用ヒータにおいては、例えば、請求項3に記載のように、係数大抵抗素子の抵抗温度係数と係数小抵抗素子の抵抗温度係数との差が800[ppm/℃]以上である構成を採ることができる。
このようなセンサ用ヒータにおいては、係数大抵抗素子の抵抗温度係数と係数小抵抗素子の抵抗温度係数との差が大きいことから、交点温度を境界として分割された2つの温度領域における発熱部としての抵抗温度特性がそれぞれ異なるものとなる。
これにより、本発明のセンサ用ヒータによれば、交点温度を境界とする2つの温度領域のそれぞれにおいて、発熱部としての抵抗温度特性を切り換えることができ、各温度領域における発熱部の特性の差異をより明確にすることができる。
次に、上述のセンサ用ヒータにおいては、発熱部における係数大抵抗素子および係数小抵抗素子の配置形態として多様な形態が考えられるが、例えば、請求項4に記載のように、発熱部は、係数大抵抗素子および係数小抵抗素子が重ね合わされた構成を採ることができる。
発熱部をこのような重ね合わせ構造とすることで、係数大抵抗素子および係数小抵抗素子が並列接続された発熱部を実現することができる。
なお、係数大抵抗素子と係数小抵抗素子とを重ね合わせる際には、互いの全体が電気的に接続されるように構成してもよく、あるいは、係数大抵抗素子と係数小抵抗素子との間の一部に絶縁層を配置しつつ、互いの両端部どうしが電気的に接続されるように構成してもよい。
そして、このような重ね合わせ構造の発熱部を備える場合には、請求項5に記載のように、発熱部は、重ね合わせ方向におけるセンサ素子に近い位置に係数大抵抗素子が配置され、重ね合わせ方向におけるセンサ素子から遠い位置に係数小抵抗素子が配置された構成を採ることができる。
係数大抵抗素子および係数小抵抗素子をこのように配置することで、係数大抵抗素子からセンサ素子までの物理的な距離が短くなるため、係数大抵抗素子からセンサ素子までの熱伝導が良好となる。
これにより、通電開始直後などのより大きな発熱でセンサ素子を加熱したい低温時期において、係数大抵抗素子による発熱量をセンサ素子に対して好適に熱伝導させることができ、センサ素子の活性化に要する時間を短縮することができる。
また、上述のセンサ用ヒータにおいては、発熱部における係数大抵抗素子および係数小抵抗素子の配置形態としては、例えば、請求項6に記載のように、発熱部は、係数大抵抗素子および係数小抵抗素子が並んで配置されると共に、係数大抵抗素子および係数小抵抗素子のうち少なくとも両端部が互いに接触している構成を採ることができる。
このように、係数大抵抗素子および係数小抵抗素子が並んで配置される構造とすることでも、係数大抵抗素子および係数小抵抗素子が並列接続された発熱部を実現することができる。
なお、係数大抵抗素子と係数小抵抗素子とが並んで配置される構成とする際には、互いの全体が電気的に接続される構成を採ることができる。あるいは、一定の隙間を介して係数大抵抗素子と係数小抵抗素子とを配置しつつ、互いの両端部どうしが電気的に接続されるように構成することができる。
そして、このような構成の発熱部を備える場合には、請求項7に記載のように、発熱部は、自身の形成領域において、係数大抵抗素子が係数小抵抗素子よりも内側に配置された構成を採ることができる。
つまり、発熱部(係数大抵抗素子および係数小抵抗素子)の形成領域のうち内側部分は、外側部分に比べて、センサ用ヒータの内側に位置する。また、上述したように、交点温度よりも低温側となる温度領域では、係数大抵抗素子での発熱量は、係数小抵抗素子の発熱量よりも大きくなる。
このことから、このセンサ用ヒータは、交点温度よりも低温側となる温度領域においては、内側に配置された係数大抵抗素子の発熱量が大きくなるため、自身の周縁部分ではなく自身の内側から温度が上昇する。これにより、センサ用ヒータは、低温時期においても自身の温度を確実に上昇させることができるとともに、センサ素子に対して確実に熱量を供給することができる。
よって、本発明のセンサ用ヒータは、通電開始直後などのより大きな発熱でセンサ素子を加熱したい低温時期においても、センサ素子に対して好適に熱量を供給することができ、センサ素子の活性化に要する時間を短縮することができる。
なお、本発明においては、発熱部の形成領域における内側および外側の判定は、センサ用ヒータの外表面までの距離に基づいて判定されるものであり、その距離が大きいほど内側と判定され、その距離が小さいほど外側と判定される。そして、本発明のセンサ用ヒータにおいては、係数大抵抗素子は、係数小抵抗素子との相対的な位置関係において内側に配置されるものであり、係数大抵抗素子の形成位置は、発熱部の形成領域における特定領域に限定されるものではない。また、係数大抵抗素子および係数小抵抗素子の配置領域は、平面に限られることはなく、曲面であってもよい。
次に、上記目的を達成するためになされた請求項8に記載の発明は、軸線方向に延びる板状形状のセンサ素子と、該センサ素子と一体に積層されたセンサ用ヒータと、センサ素子およびセンサ用ヒータの周囲を取り囲む主体金具と、を備えたセンサにおいて、センサ用ヒータは、請求項1から7のいずれか一項に記載のセンサ用ヒータであること、を特徴とするセンサである。
このセンサは、センサ用ヒータが請求項1から7のいずれか一項に記載のセンサ用ヒータで構成されていることから、切換手段(スイッチング手段など)を備える必要が無いため、ヒータ制御装置を含めた全体の構成が複雑化することなく、状況に応じて発熱部の抵抗値を切り換えることが可能となる。
次に、上記目的を達成するためになされた請求項9に記載の発明は、軸線方向に延びる有底筒状のセンサ素子と、該センサ素子の内側に配置されたセンサ用ヒータと、センサ素子の周囲を取り囲む主体金具と、を備えたセンサにおいて、センサ用ヒータは、請求項1から7のいずれか一項に記載のセンサ用ヒータであること、を特徴とするセンサである。
このセンサは、センサ用ヒータが請求項1から7のいずれか一項に記載のセンサ用ヒータで構成されていることから、切換手段(スイッチング手段など)を備える必要が無いため、ヒータ制御装置を含めた全体の構成が複雑化することなく、状況に応じて発熱部の抵抗値を切り換えることが可能となる。
以下に、本発明を適用した実施形態を図面と共に説明する。
尚、本発明は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採り得ることはいうまでもない。
本実施形態では、酸素センサ2に備えられるセンサ素子4のセンサ部600を加熱するためのヒータ500について説明する。
なお、酸素センサ2は、ガスセンサの一種であって、自動車や各種内燃機関における各種制御(例えば、空燃比フィードバック制御など)に使用するために、内燃機関の排気管に装着されるものであり、測定対象ガス(排ガス)中の特定ガス(酸素)を検出する検出素子4(センサ素子4)が組み付けられている。
図1は、本発明を適用したヒータ500を備えて構成される酸素センサ2の全体構成を示す断面図である。
酸素センサ2は、排気管に固定するためのネジ部103が外表面に形成された筒状の主体金具102と、軸線方向(図中上下方向)に延びる板状形状をなすセンサ素子4と、センサ素子4の径方向周囲を取り囲むように配置される筒状のセラミックスリーブ6と、軸線方向に貫通するコンタクト挿通孔84の内壁面がセンサ素子4の後端部の周囲を取り囲む状態で配置される絶縁コンタクト部材82と、センサ素子4と絶縁コンタクト部材82との間に配置される4個のリードフレーム10(図1では、2個のみを図示)と、を備えている。
センサ素子4は、軸線方向に延びる板状形状をなし、測定対象となるガスに向けられる先端側(図中下方)に検出部8が形成され、後端側(図中上方)の外表面のうち表裏の位置関係となる第1板面21および第2板面23に電極端子部30,32,34,36が形成されている。
なお、電極端子部30は検知側センサ電極パッド30として備えられ、電極端子部32は基準側センサ電極パッド32として備えられ、電極端子部34,36はヒータ電極パッド34,36として備えられている。
リードフレーム10は、センサ素子4と絶縁コンタクト部材82との間に配置されることで、センサ素子4の電極端子部30,32,34,36にそれぞれ電気的に接続される。また、リードフレーム10は、外部からセンサの内部に配設されるリード線46(図1では、2個のみを図示)にも電気的に接続されており、リード線46が接続される外部機器と電極端子部30,32,34,36との間に流れる電流の電流経路を形成する。
主体金具102は、軸線方向に貫通すると共に、この軸線方向に垂直な断面における内周が円形の貫通孔109を有し、貫通孔109の径方向内側に突出する棚部107を有する略筒状形状に構成されている。また、主体金具102は、検出部8を貫通孔109の先端側外部に配置し、電極端子部30,32,34,36を貫通孔109の後端側外部に配置する状態で貫通孔109に挿通されたセンサ素子4を、他部材(第1粉末充填層108など)を介して保持するよう構成されている。さらに、棚部107は、軸線方向に垂直な平面に対して傾きを有する後端側向き拡径状のテーパ面を有している。
なお、主体金具102の貫通孔109の内部には、センサ素子4の径方向周囲を取り囲む状態で、環状形状のセラミックホルダ106、第1粉末充填層108(以下、滑石リング108ともいう)、第2粉末充填層110および上述のセラミックスリーブ6が、この順に先端側から後端側にかけて積層されている。また、セラミックスリーブ6と主体金具102の後端部104との間には、加締パッキン112が配置されており、主体金具102の後端部104は、加締パッキン112を介してセラミックスリーブ6を先端側に押し付けるように、加締められている。
さらに、セラミックホルダ106および滑石リング108における一部の周囲のうち、主体金具102との間には、金属カップ125が配置されている。なお、金属カップ125は、セラミックホルダ106および滑石リング108の側面を覆うと共に、セラミックホルダ106の先端側を覆う筒状形状に形成されている。
一方、主体金具102の先端側(図1における下方)外周には、センサ素子4の突出部分を覆うと共に、複数の孔部を有する金属製(例えば、ステンレスなど)の二重の外部プロテクタ42および内部プロテクタ43が、溶接等によって取り付けられている。
そして、主体金具102の後端側外周には、外筒44が固定されている。また、外筒44の後端側(図1における上方)の開口部には、センサ素子4の各電極端子部30,32,34,36とそれぞれ電気的に接続される4本のリード線46が挿通されるリード線挿通孔が形成されたセラミックセパレータ48とグロメット50とが配置されている。
ここで、センサ素子4の概略構造を表す分解斜視図を、図2に示す。なお、図2では、先端側が図における左側となり、後端側が図における右側となるように、センサ素子4を図示している。図示するように、センサ素子4は、センサ部600と、ヒータ500と、を備えて構成されている。
このうち、センサ部600は、酸素濃度検出セル430および保護層407を備えて構成されている。
センサ部600の酸素濃度検出セル430は、部分安定化ジルコニア焼結体からなる固体電解質体405と、白金(Pt)からなる第1電極404および第2電極406と、を備えて構成されている。
固体電解質体405は、板型形状に形成されており、後端側に厚さ方向に貫通する第1スルーホール461を備えている。また、固体電解質体405は、ジルコニア(ZrO2 )に安定化剤としてイットリア(Y23)又はカルシア(CaO)を添加してなる部分安定化ジルコニア焼結体で構成されている。
第1電極404は、固体電解質体405の一部を覆う第1電極部451と、第1電極部451から固体電解質体405の長手方向の後端側に延びる第1リード部453と、を備えて形成されている。
第2電極406は、固体電解質体405の一部を覆う第2電極部447と、第2電極部447から固体電解質体405の長手方向の後端側に延びる第2リード部449と、を備えて形成されている。
これら一対の電極(第1電極404、第2電極406)のうち、第1電極404は固体電解質体405の表面(図2における上面)に配置され、第2電極406は固体電解質体405の裏面(図2における下面)に配置される。
そして、第1リード部453における後端側の端末は、固体電解質体405に設けられる第1スルーホール461と、後述する保護層407に設けられるスルーホール445と、を介して基準側センサ電極パッド32と電気的に接続される。また、第2リード部449における後端側の端末は、後述する保護層407に設けられるスルーホール443を介して検知側センサ電極パッド30と電気的に接続される。
また、固体電解質体405の表面には、第2電極406を挟み込むようにして、保護層407が形成されている。この保護層407は、多孔質材料からなる電極保護部441と、絶縁性材料からなる補強部408と、を備えている。
電極保護部441は、固体電解質体405との間で第2電極部447を挟み込むように位置して第2電極部447を被毒から防御するために備えられる。
補強部408は、厚さ方向に貫通する貫通孔442を有する板型形状に形成されている。また、補強部408は、後端側に厚さ方向に貫通するスルーホール443、445を備えている。
補強部408は、固体電解質体405との間で第2リード部449を挟み込むように位置して、第2リード部449および固体電解質体405を保護するために備えられる。また、電極保護部441は補強部408における貫通孔442の内部に配置されている。
次に、ヒータ500は、アルミナを主体とする第1基体401と、アルミナを主体とする第2基体403と、第1基体401と第2基体403とに挟まれた発熱体402と、を備えて構成されている。
このうち、第1基体401は、後端側に厚さ方向に貫通する2つのヒータ側スルーホール459を備えている。第2基体403は、第1基体401との間で発熱体402を挟み込むとともに、センサ部600に当接して配置されている。
また、発熱体402は、先端側に位置する発熱部454と、発熱部454から第1基体401の長手方向に沿って延びる一対のヒータリード部457と、を備えて構成されている。
そして、一対のヒータリード部457における後端側端末は、第1基体401に設けられる2つのヒータ側スルーホール459を介して、白金族元素で形成されたヒータ電極パッド34,36に対して電気的に接続される。
発熱部454は、2つの抵抗素子(第1発熱部455および第2発熱部456)を備えて構成されている。
第1発熱部455は、白金(Pt)90wt%とロジウム(Rh)10wt%の合金で形成された抵抗素子であり、両端部が一対のヒータリード部457と電気的に接続されている。なお、白金(Pt)90wt%とロジウム(Rh)10wt%の合金は、抵抗温度係数が1400[ppm/℃]である。
第2発熱部456は、白金(Pt)で形成された抵抗素子であり、両端部が一対のヒータリード部457と電気的に接続可能な形状で構成されている。なお、白金(Pt)は、抵抗温度係数が2900[ppm/℃]である。
そして、第1発熱部455および第2発熱部456は、積層方向(重ね合わせ方向)に見たときの形状が同一形状に形成されており、積層状態(重ね合わせ状態)に配置されることで互いの全体が電気的に接続された状態で配置される。
つまり、発熱部454は、並列接続された第1発熱部455および第2発熱部456を備えて構成されており、外部の電源装置(バッテリなど)からヒータ電極パッド34,36およびヒータリード部457を介して電力供給を受けることにより発熱するよう構成されている。
ここで、第1発熱部455の抵抗温度曲線および第2発熱部456の抵抗温度曲線の一例を示した説明図を、図3に示す。なお、図3では、「抵抗温度係数:小」が第1発熱部455の抵抗温度曲線に相当し、「抵抗温度係数:大」が第2発熱部456の抵抗温度曲線に相当する。
第1発熱部455および第2発熱部456は、第1発熱部455の抵抗温度曲線と第2発熱部456の抵抗温度曲線との交点に対応する温度(以下、交点温度ともいう)が600[℃]となるように構成されている。
なお、センサ部600の活性化温度は約600[℃]であることから、第1発熱部455の抵抗温度曲線と第2発熱部456の抵抗温度曲線との交点温度は、センサ部600の活性化温度の近傍に設定されている。
このように構成された発熱部454は、交点温度を境界として分割された2つの温度領域のそれぞれにおいて、第1発熱部455および第2発熱部456の抵抗値が変化することにより、発熱部454としての抵抗値が異なる値となる。つまり、ヒータ500は、発熱部454の発熱により温度変化する際に、2つの温度領域のそれぞれにおける発熱部454の特性を切り換え可能に構成されている。
図3に示すように、交点温度よりも低温側となる温度領域では、第1発熱部455(抵抗温度係数:小)の抵抗値に比べて第2発熱部456(抵抗温度係数:大)の抵抗値が小さい値となり、また、交点温度よりも高温側となる温度領域では、第2発熱部456の抵抗値に比べて第1発熱部455の抵抗値が小さい値となることが判る。
また、印加電圧Vが一定である場合には、抵抗値Rが小さくなるほど抵抗素子での発熱量(消費電力量W=V2 /R)が大きくなることから、並列接続された第1発熱部455および第2発熱部456においては、印加電圧が同一値になるため、抵抗値が小さい方の発熱量が大きくなる。
これらのことから、交点温度よりも低温側となる温度領域では、第1発熱部455よりも第2発熱部456に電流が流れやすくなるため、発熱部454のうち電流が流れやすい第2発熱部456での発熱量が大きくなる。とりわけ、通電開始直後のように最も温度が低い時期においては、第2発熱部456の抵抗値が最も小さい値となることから、第2発熱部456での発熱量がより大きくなる。
つまり、交点温度よりも低温側となる温度領域では、第2発熱部456での発熱量が大きくなることで、発熱部454における発熱量を大きくできるため、発熱部454は、交点温度よりも低温側となる温度領域においても、センサ部600の早期加熱を実現できる。
また、交点温度よりも高温側となる温度領域では、第2発熱部456よりも第1発熱部455に電流が流れやすくなるため、発熱部454のうち電流が流れやすい第1発熱部455での発熱が大きくなる。そして、第1発熱部455は、温度変化に伴う抵抗値変化が小さいことから、温度が上昇した場合であっても抵抗値が大幅に増加することが無いため、温度上昇に伴い発熱量が大幅に低下するのを防止できる。
つまり、交点温度よりも高温側となる温度領域では、第1発熱部455での発熱量が大きくなることで、発熱部454における発熱量を大きくできるため、発熱部454は、交点温度よりも高温側となる温度領域においても、センサ部600の早期加熱を実現できる。
また、抵抗温度係数の異なる第1発熱部455および第2発熱部456を備える発熱部454の抵抗値は、例えば、第1発熱部455のみを備える発熱部に比べて、高温領域での抵抗値が大きくなるため、最高温度が相対的に低くなる。このため、ヒータリード部457の温度上昇が生じ難くなり、温度上昇に伴うヒータリード部457の抵抗値増加が生じがたくなるため、ヒータリード部457での無駄な電力消費を抑制できる。
なお、本実施形態においては、ヒータ500が特許請求の範囲に記載のセンサ用ヒータに相当し、発熱部454が発熱部に相当し、ヒータリード部457がリード部に相当し、第1発熱部455および第2発熱部456が複数の抵抗素子に相当している。また、第1発熱部455が係数小抵抗素子に相当し、第2発熱部456が係数大抵抗素子に相当している。さらに、センサ部600がセンサ素子に相当している。
以上説明したように、本実施形態のヒータ500は、単一の抵抗素子で構成された発熱部ではなく、抵抗温度係数の異なる2種類の第1発熱部455および第2発熱部456を有する発熱部454を備えて構成されている。
これにより、ヒータ500は、第1発熱部455の抵抗温度曲線と第2発熱部456の抵抗温度曲線との交点に対応する温度(交点温度)を境界として分割された2つの温度領域において、発熱部454としての抵抗値が異なる値となることで、各温度領域における発熱部454の特性を切り換えることができる。
そして、第1発熱部455の抵抗温度曲線と第2発熱部456の抵抗温度曲線との交点温度は、600[℃]であり、ヒータ500の通電開始時温度(寒冷地では、−40[℃]程度)からヒータ500の最高発熱温度(約1300[℃])までのヒータ使用温度範囲に含まれている。
また、ヒータ500からセンサ部600への熱伝導には一定の時間を要することから、センサ部600が活性化温度まで加熱される時期には、ヒータ500の温度は活性化温度よりも高い温度となることが多い。
このため、ヒータ500は、センサ素子4においてセンサ部600を加熱するにあたり、通電開始からセンサ部600が活性化するまでの期間中に、発熱部454が交点温度を横切ることになる。つまり、ヒータ500は、使用環境下において発熱部454の温度が交点温度を横切ることで、発熱部454の抵抗値を切り換えることができる。
そして、ヒータ500は、交点温度よりも低温側となる温度領域では、第2発熱部456での発熱量が大きくなることで、発熱部454における発熱量を大きくでき、また、交点温度よりも高温側となる温度領域では、第1発熱部455での発熱量が大きくなることで、発熱部454における発熱量を大きくできる。
このことから、ヒータ500は、交点温度よりも低温側となる温度領域においても、また、交点温度よりも高温側となる温度領域においても、センサ部600に対する熱量供給状態が良好となり、センサ部600の早期加熱を実現できるという利点がある。
よって、本実施形態のヒータ500によれば、切換手段を備えることなく、状況に応じて発熱部454の抵抗値を変更することで、センサ部600の早期活性化を図ることができる。
また、本実施形態では、第1発熱部455の抵抗温度係数が1400[ppm/℃]であり、第2発熱部456の抵抗温度係数が2900[ppm/℃]であることから、第1発熱部455の抵抗温度係数と第2発熱部456の抵抗温度係数との差(1500[ppm/℃])が大きいという特徴がある。
このように第1発熱部455と第2発熱部456との抵抗温度係数の差が大きい場合には、交点温度を境界として分割された2つの温度領域における発熱部454としての抵抗温度特性が、それぞれの温度領域ごとに異なる特性となる。
このため、ヒータ500においては、交点温度を境界とする2つの温度領域のそれぞれにおいて、発熱部454としての抵抗温度特性を切り換えることができ、各温度領域における発熱部454の特性の差異がより明確となる。
また、ヒータ500のうち発熱部454は、積層方向(重ね合わせ方向)におけるセンサ部600に近い位置に第2発熱部456が配置され、積層方向(重ね合わせ方向)におけるセンサ部600から遠い位置に第1発熱部455が配置された構成である。このような構成の発熱部454は、第2発熱部456からセンサ部600までの物理的な距離が短くなるため、第2発熱部456からセンサ部600までの熱伝導が良好となる。
これにより、ヒータ500は、通電開始直後などのより大きな発熱でセンサ素子を加熱したい低温時期には、第2発熱部456による発熱量をセンサ部600に対して良好に熱伝導させることができ、センサ部600の活性化に要する時間を短縮できる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されることはなく、種々の態様をとることができる。
例えば、上記実施形態(以下、第1実施形態ともいう)では、複数の抵抗素子が積層状態(重ね合わせ状態)で備えられる発熱部を備えるセンサ用ヒータ(ヒータ500)について説明したが、発熱部は、複数の抵抗素子が積層状態(重ね合わせ状態)で備えられる形態に限られることはなく、複数の抵抗素子が並んで配置される形態であってもよい。
そこで、第2実施形態として、複数の抵抗素子が並んで配置されてなる発熱部を備えるセンサ用ヒータについて説明する。なお、第2実施形態のセンサ用ヒータは、第2検出素子5(第2センサ素子5)に備えられる第2ヒータ501である。
図4に、第2センサ素子5の概略構造を表す分解斜視図を示す。なお、図4では、先端側が図における左側となり、後端側が図における右側となるように、第2センサ素子5を図示している。
第2検出素子5は、第1実施形態の検出素子4と同様に軸線方向に延びる板状形状をなしており、第1実施形態の酸素センサ2において検出素子4に代わるセンサ素子として利用することができる。
そして、第2検出素子5は、センサ部600と第2ヒータ501とを備えて構成されている。このうち、センサ部600は、第1実施形態のセンサ部600と同様の構成であることから、説明を省略する。
第2ヒータ501は、アルミナを主体とする第1基体401と、アルミナを主体とする第2基体403と、第1基体401と第2基体403とに挟まれた面配置発熱体412と、を備えて構成されている。
このうち、第1基体401は、後端側に厚さ方向に貫通する2つのヒータ側スルーホール459を備えている。第2基体403は、第1基体401との間で面配置発熱体412を挟み込むとともに、センサ部600に当接して配置されている。
また、面配置発熱体412は、先端側に位置する面配置発熱部554と、面配置発熱部554から第1基体401の長手方向に沿って延びる一対のヒータリード部457と、を備えて構成されている。
そして、一対のヒータリード部457における後端側端末は、第1基体401に設けられる2つのヒータ側スルーホール459を介して、白金族元素で形成されたヒータ電極パッド34,36に対して電気的に接続される。
また、面配置発熱部554は、外側発熱部555および内側発熱部556を備えて構成されている。
外側発熱部555は、白金(Pt)90wt%とロジウム(Rh)10wt%の合金で形成された抵抗素子であり、両端部が一対のヒータリード部457と電気的に接続されている。なお、白金(Pt)90wt%とロジウム(Rh)10wt%の合金は、抵抗温度係数が1400[ppm/℃]である。
内側発熱部556は、白金(Pt)で形成された抵抗素子であり、両端部が一対のヒータリード部457と電気的に接続可能な形状で構成されている。なお、白金(Pt)は、抵抗温度係数が2900[ppm/℃]である。
そして、外側発熱部555および内側発熱部556は、重ね合わせ方向に見たときの形状が互いに異なる形状に形成されている。つまり、第1基体401と第2基体403との間に形成される面において、この面の外側領域(面の周縁に近い領域)に外側発熱部555が配置され、この面のうち外側発熱部555の配置領域よりも内側の領域に内側発熱部556が配置されている。
なお、外側発熱部555および内側発熱部556は、互いの両端部どうしが電気的に接続されており、また、互いの両端部は、一対のヒータリード部457に電気的に接続されている。
つまり、面配置発熱部554は、並列接続された外側発熱部555および内側発熱部556を備えて構成されており、外部の電源装置(バッテリなど)からヒータ電極パッド34,36およびヒータリード部457を介して電力供給を受けることにより発熱するよう構成されている。
なお、外側発熱部555の抵抗温度曲線および内側発熱部556の抵抗温度曲線は、第1実施形態における第1発熱部455の抵抗温度曲線および第2発熱部456の抵抗温度曲線と同様であり、図3に示すような関係となる。なお、図3では、「抵抗温度係数:小」が外側発熱部555の抵抗温度曲線に相当し、「抵抗温度係数:大」が内側発熱部556の抵抗温度曲線に相当する。
外側発熱部555および内側発熱部556は、外側発熱部555の抵抗温度曲線と内側発熱部556の抵抗温度曲線との交点温度が650[℃]となるように構成されている。
なお、センサ部600の活性化温度は約600[℃]であることから、外側発熱部555の抵抗温度曲線と内側発熱部556の抵抗温度曲線との交点に対応する温度(以下、交点温度ともいう)は、センサ部600の活性化温度の近傍(活性化温度を中心とする±50℃の範囲内)に設定されている。
このように構成された面配置発熱部554は、交点温度を境界として分割された2つの温度領域のそれぞれにおいて、外側発熱部555および内側発熱部556の抵抗値が変化することにより、面配置発熱部554の全体としての抵抗値が異なる値となる。つまり、面配置発熱体412は、面配置発熱部554の発熱により温度変化する際に、2つの温度領域のそれぞれにおける面配置発熱部554の特性を切り換え可能に構成されている。
図3に示すように、交点温度よりも低温側となる温度領域では、外側発熱部555(抵抗温度係数:小)の抵抗値に比べて内側発熱部556(抵抗温度係数:大)の抵抗値が小さい値となり、また、交点温度よりも高温側となる温度領域では、内側発熱部556の抵抗値に比べて外側発熱部555の抵抗値が小さい値となることが判る。
また、印加電圧が一定である場合には、抵抗値が小さくなるほど抵抗素子での発熱量(消費電力量)が大きくなることから、並列接続された外側発熱部555および内側発熱部556においては、印加電圧が同一値になるため、抵抗値が小さい方が発熱量が大きくなる。
これらのことから、交点温度よりも低温側となる温度領域では、外側発熱部555よりも内側発熱部556に電流が流れやすくなるため、面配置発熱部554のうち電流が流れやすい内側発熱部556での発熱量が大きくなる。とりわけ、通電開始直後のように最も温度が低い時期においては、内側発熱部556の抵抗値が最も小さい値となることから、内側発熱部556での発熱量がより大きくなる。
つまり、交点温度よりも低温側となる温度領域では、内側発熱部556での発熱量が大きくなることで、面配置発熱部554における発熱量を大きくできるため、面配置発熱部554は、交点温度よりも低温側となる温度領域においても、センサ部600の早期加熱を実現できる。
また、交点温度よりも高温側となる温度領域では、内側発熱部556よりも外側発熱部555に電流が流れやすくなるため、面配置発熱部554のうち電流が流れやすい外側発熱部555での発熱が大きくなる。そして、外側発熱部555は、温度変化に伴う抵抗値変化が小さいことから、温度が上昇した場合であっても抵抗値が大幅に増加することが無いため、温度上昇に伴い発熱量が大幅に低下するのを防止できる。
つまり、交点温度よりも高温側となる温度領域では、外側発熱部555での発熱量が大きくなることで、面配置発熱部554における発熱量を大きくできるため、面配置発熱部554は、交点温度よりも高温側となる温度領域においても、センサ部600の早期加熱を実現できる。
なお、第2実施形態においては、第2ヒータ501が特許請求の範囲に記載のセンサ用ヒータに相当し、面配置発熱部554が発熱部に相当し、ヒータリード部457がリード部に相当し、外側発熱部555および内側発熱部556が複数の抵抗素子に相当している。また、外側発熱部555が係数小抵抗素子に相当し、内側発熱部556が係数大抵抗素子に相当している。
以上説明したように、第2実施形態の第2ヒータ501は、単一の抵抗素子で構成された発熱部ではなく、抵抗温度係数の異なる2種類の外側発熱部555および内側発熱部556を有する面配置発熱部554を備えて構成されている。
これにより、第2ヒータ501は、外側発熱部555の抵抗温度曲線と内側発熱部556の抵抗温度曲線との交点に対応する温度(交点温度)を境界として分割された2つの温度領域において、面配置発熱部554の全体としての抵抗値が異なる値となることで、各温度領域における面配置発熱部554の特性を切り換えることができる。
そして、外側発熱部555の抵抗温度曲線と内側発熱部556の抵抗温度曲線との交点温度は、650[℃]であり、第2ヒータ501の通電開始時温度(寒冷地では、−40[℃]程度)から第2ヒータ501の最高発熱温度(約1300[℃])までのヒータ使用温度範囲に含まれている。
また、第2ヒータ501からセンサ部600への熱伝導には一定の時間を要することから、センサ部600が活性化温度まで加熱される時期には、第2ヒータ501の温度は活性化温度よりも高い温度となることが多い。
このため、第2ヒータ501は、第2センサ素子5においてセンサ部600を加熱するにあたり、通電開始からセンサ部600が活性化するまでの期間中に、面配置発熱部554が交点温度を横切ることになる。つまり、第2ヒータ501は、使用環境下において面配置発熱部554の温度が交点温度を横切ることで、面配置発熱部554の抵抗値を切り換えることができる。
そして、第2ヒータ501は、交点温度よりも低温側となる温度領域では、内側発熱部556での発熱量が大きくなることで、面配置発熱部554における発熱量を大きくでき、また、交点温度よりも高温側となる温度領域では、外側発熱部555での発熱量が大きくなることで、面配置発熱部554における発熱量を大きくできる。
このことから、第2ヒータ501は、交点温度よりも低温側となる温度領域においても、また、交点温度よりも高温側となる温度領域においても、センサ部600の早期加熱を実現できるという利点がある。
よって、第2実施形態の第2ヒータ501によれば、切換手段を備えることなく、状況に応じて面配置発熱部554の抵抗値を変更することで、センサ部600の早期活性化を図ることができる。
また、第2実施形態の第2ヒータ501は、第1実施形態と同様に、外側発熱部555の抵抗温度係数と内側発熱部556の抵抗温度係数との差(1500[ppm/℃])が大きいという特徴がある。このように抵抗温度係数の差が大きい場合には、交点温度を境界として分割された2つの温度領域における面配置発熱部554としての抵抗温度特性が、それぞれの温度領域において異なる特性となる。
このため、第2ヒータ501においては、交点温度を境界とする2つの温度領域のそれぞれにおいて、面配置発熱部554としての抵抗温度特性を切り換えることができ、各温度領域における面配置発熱部554の特性の差異がより明確となる。
また、第2ヒータ501のうち面配置発熱部554は、第1基体401と第2基体403との間に形成される面のうち、外側領域に外側発熱部555が配置され、内側領域に内側発熱部556が配置されて構成されている。
なお、面配置発熱部554の形成領域のうち内側領域(内側発熱部556の形成領域)は、外側領域(外側発熱部555の形成領域)に比べて、第2ヒータ501の外表面までの距離が大きく、第2ヒータ501の内側に位置する。また、上述したように、交点温度よりも低温側となる温度領域では、内側発熱部556での発熱量は、外側発熱部555の発熱量よりも大きくなる。
このことから、第2ヒータ501は、交点温度よりも低温側となる温度領域においては、内側に配置された内側発熱部556の発熱量が大きくなるため、自身の周縁部分ではなく自身の内側から温度が上昇する。これにより、第2ヒータ501は、低温時期においても自身の温度を確実に上昇させることができるとともに、センサ部600(詳細には、固体電解質体405における第1電極部451と第2電極部447とに挟まれた部分(検出領域))に対して確実に熱量を供給することができる。
よって、第2ヒータ501は、通電開始直後などのより大きな発熱でセンサ部600を加熱したい低温時期においても、センサ部600(検出領域)に対して好適に熱量を供給することができ、センサ部600(検出領域)の活性化に要する時間を短縮することができる。
次に、発熱部を構成する複数の抵抗素子は、上記実施形態のように、係数小抵抗素子の材料が白金(Pt)90wt%とロジウム(Rh)10wt%の合金に限られることはなく、また、係数大抵抗素子の材料が白金(Pt)に限られることはない。つまり、発熱部は、抵抗温度係数が異なる複数の抵抗素子を備えて構成されていればよい。
ここで、各種材料における抵抗温度係数を[表1]に示す。
Figure 2008076289
なお、抵抗温度係数の算出方法としては、対象材料における室温(25[℃])での抵抗値Ra[Ω]および1000[℃]での抵抗値Rb[Ω]をそれぞれ検出し、検出した2つの抵抗値Ra,Rbを[数1]に代入することで、抵抗温度係数Kr[ppm]を算出する方法を採用した。
Figure 2008076289
本発明のセンサ用ヒータにおいては、係数小抵抗素子および係数大抵抗素子の材料として、それぞれの抵抗温度係数が異なる材料を選択すればよい。上記実施形態に記載された材料以外の例としては、係数小抵抗素子の材料を白金(Pt)80wt%とパラジウム(Pd)20wt%の合金(抵抗温度係数:1000[ppm/℃])とし、係数大抵抗素子の材料を白金(Pt)(抵抗温度係数:2900[ppm/℃])とする例を挙げることができる。
また、[表1]によれば、抵抗温度係数が2200[ppm/℃]以上の材料と、抵抗温度係数が1400[ppm/℃]以下の材料と、に大別することができる。このため、係数大抵抗素子の抵抗温度係数と係数小抵抗素子の抵抗温度係数との差が800[ppm/℃]以上となるように発熱部を構成することで、交点温度を境界とする2つの温度領域のそれぞれにおける発熱部の特性の差異をより明確にすることができる。
また、センサ用ヒータの形状は、板型形状に限られることはなく、例えば、棒型形状であってもよい。棒型形状のセンサ用ヒータの一例としては、図5に示すような棒型形状ヒータ203を挙げることができる。
なお、図5は、本発明を適用した棒型形状ヒータ203を備えて構成される第3酸素センサ201の全体構成を示す断面図である。
第3酸素センサ201は、ジルコニア(ZrO2 )を主成分とする固体電解質体により先端が閉じた有底筒状に形成された筒型検出素子202,筒型検出素子202の有底孔242に配置された軸状の棒型形状ヒータ203,これらを含む構成部材を収容すると共に排気管等の取付部に固定するケーシング204などを備えて構成されている。
なお、ケーシング204は、筒型検出素子202を保持すると共にその先端側にある検出部225を排気管等の内部に突出させる主体金具205と、主体金具205の後端部(図では上側の端部)に組み付けられ、筒型検出素子202との間で基準ガス空間を形成する外筒206とを備えて構成されている。
棒型形状ヒータ203は、固体電解質体を主体とする筒型検出素子202を加熱するために備えられている。つまり、第3酸素センサ201は、筒型検出素子202が棒型形状ヒータ203により加熱されて活性化状態になることで、酸素を検出することができる。
そして、棒型形状ヒータ203は、発熱部を備える平板形状のシート部材を円筒状部材に巻き付けることで製造することができる。
図6に、棒型形状ヒータ203の製造方法の概要を表した説明図を示す。
図6に示すように、まず、焼成後にセラミック基体となるセラミックグリーンシートであるセラミック基体シート235の上に、焼成後に発熱部254およびヒータリード部257となるヒータパターン243を形成したヒータシート246を作製する。
なお、発熱部254は、抵抗温度係数が異なる2つの抵抗素子(第1発熱部255および第2発熱部256)が重ね合わされて構成されており、第1実施形態における発熱部454と同様の重ね合わせ構成(第1発熱部455および第2発熱部456が重ね合わされた構成)である。
次に、円筒状の焼成済みセラミック製芯部材241の表面に、ヒータシート246を矢印A方向に巻き付けて、その端部247、249どうしを重ね合わせる。これにより、巻付体251を形成する。
その後、この巻付体251およびセラミック製芯部材241を一体に焼成することで、棒型形状ヒータ203を製造することができる。
なお、第1発熱部255および第2発熱部256は、積層方向(重ね合わせ方向)に見たときの形状が同一形状に形成されており、積層状態(重ね合わせ状態)に配置されることで互いの全体が電気的に接続された状態で配置される。
第1発熱部255は、白金(Pt)90wt%とロジウム(Rh)5wt%とパラジウム(Pd)5wt%の合金で形成された抵抗素子である。なお、白金(Pt)90wt%とロジウム(Rh)5wt%とパラジウム(Pd)5wt%の合金は、抵抗温度係数が1300[ppm/℃]である。
第2発熱部256は、白金(Pt)で形成された抵抗素子であり、白金(Pt)は、抵抗温度係数が2900[ppm/℃]である。
第1発熱部255および第2発熱部256は、それぞれの両端部が一対のヒータリード部257と電気的に接続されて構成されている。また、第1発熱部255および第2発熱部256は、第1発熱部255の抵抗温度曲線と第2発熱部256の抵抗温度曲線との交点が550[℃]となるように構成されている。
なお、筒型検出素子202の活性化温度は約600[℃]であることから、第1発熱部255の抵抗温度曲線と第2発熱部256の抵抗温度曲線との交点に対応する温度(以下、交点温度ともいう)は、筒型検出素子202の活性化温度の近傍に設定されている。より詳細には、第1発熱部255および第2発熱部256における交点温度は、筒型検出素子202の活性化温度の近傍領域(活性化温度±50[℃]の温度領域)のうち活性化温度よりも低い温度領域に設定されている。
このように構成された発熱部254は、交点温度を境界として分割された2つの温度領域のそれぞれにおいて、第1発熱部255および第2発熱部256の抵抗値が変化することにより、発熱部254の全体としての抵抗値が異なる値となる。つまり、棒型形状ヒータ203は、発熱部254の発熱により温度変化する際に、2つの温度領域のそれぞれにおける発熱部254の特性を切り換え可能に構成されている。
以上説明したように、棒型形状ヒータ203は、第1実施形態のヒータ500と同様に、抵抗温度係数が異なる複数の抵抗素子が並列接続されて構成された発熱部254を備えている。
これにより、棒型形状ヒータ203は、2つの抵抗素子の抵抗温度曲線どうしの交点に対応する温度(交点温度)を境界として分割された2つの温度領域において、発熱部254の全体としての抵抗値が異なる値となることで、各温度領域における発熱部254の特性を切り換えることができる。
そして、第1発熱部255の抵抗温度曲線と第2発熱部256の抵抗温度曲線との交点温度は、550[℃]であり、棒型形状ヒータ203の通電開始時温度(寒冷地では、−40[℃]程度)から棒型形状ヒータ203の最高発熱温度(約1300[℃])までのヒータ使用温度範囲に含まれている。
このため、棒型形状ヒータ203は、筒型検出素子202を加熱するにあたり、通電開始から筒型検出素子202が活性化するまでの期間中に、発熱部254が交点温度を横切ることになる。つまり、棒型形状ヒータ203は、使用環境下において発熱部254の温度が交点温度を横切ることで、発熱部254の抵抗値を切り換えることができる。
そして、棒型形状ヒータ203は、交点温度よりも低温側となる温度領域では、第2発熱部256での発熱量が大きくなることで、発熱部254における発熱量を大きくでき、また、交点温度よりも高温側となる温度領域では、第1発熱部255での発熱量が大きくなることで、発熱部254における発熱量を大きくできる。
このことから、棒型形状ヒータ203は、交点温度よりも低温側となる温度領域においても、また、交点温度よりも高温側となる温度領域においても、筒型検出素子202の早期加熱を実現できるという利点がある。
よって、本実施形態の棒型形状ヒータ203によれば、切換手段を備えることなく、状況に応じて発熱部254の抵抗値を変更することで、筒型検出素子202の早期活性化を図ることができる。
なお、棒型形状ヒータ203が特許請求の範囲におけるセンサ用ヒータに相当し、発熱部254が発熱部に相当し、ヒータリード部257がリード部に相当し、第1発熱部255および第2発熱部256が複数の抵抗素子に相当している。また、第1発熱部255が係数小抵抗素子に相当し、第2発熱部256が係数大抵抗素子に相当している。さらに、筒型検出素子202がセンサ素子に相当している。
本実施形態の棒型形状ヒータ203は、加熱対象(筒型検出素子202)と別個に備えられることから、棒型形状ヒータ203と加熱対象(筒型検出素子202)との物理的距離が大きくなるため、棒型形状ヒータ203から筒型検出素子202に熱伝導しがたい状態となる。
しかし、棒型形状ヒータ203は、交点温度が筒型検出素子202の活性化温度よりも低い温度に設定される構成であることから、棒型形状ヒータ203と加熱対象物との物理的距離が大きくなる場合であっても、筒型検出素子202に対する熱量供給状態を良好にすることができる。
つまり、交点温度を筒型検出素子202の活性化温度よりも低い温度に設定することで、筒型検出素子202の温度上昇過程において、交点温度よりも高い温度領域であれば、活性化温度よりも低い温度領域であっても、第2発熱部256(係数大抵抗素子)よりも第1発熱部255(係数小抵抗素子)の抵抗値が小さくなる。これにより、筒型検出素子202の温度上昇過程のうち活性化温度よりも低い温度領域から、第1発熱部255への通電量が大きくなるとともに第1発熱部255の発熱量が大きくなる。
そして、第1発熱部255は、温度変化に伴う抵抗値変化が小さいことから、温度変化に対する発熱量の変動量が小さいため、交点温度よりも高い温度領域における第1発熱部255での発熱量は安定する。
これらのことから、温度上昇にあたり筒型検出素子202が活性化温度に達する前から第1発熱部255での発熱量が安定することになり、発熱部254としての発熱量も安定することになる。
よって、棒型形状ヒータ203は、加熱対象(筒型検出素子202)が活性化温度に達する前に、発熱部254としての発熱量を安定させることができることから、棒型形状ヒータ203と加熱対象(筒型検出素子202)との物理的距離が大きい場合であっても、筒型検出素子202に対する熱量供給状態を安定させることができる。
また、交点温度を活性化温度よりも低い温度に設定することで、棒型形状ヒータ203の最高温度をより低く抑えることができるため、ヒータリード部257の温度上昇が生じ難くなる。つまり、棒型形状ヒータ203は、温度上昇に伴うヒータリード部257の抵抗値増加が生じがたくなるため、ヒータリード部257での無駄な電力消費を抑制することができる。
なお、上記の各実施形態では、交点温度がセンサ素子の活性化温度と同じ温度に設定された構成、活性化温度よりも50[℃]高い温度に設定された構成、活性化温度よりも50[℃]低い温度に設定された構成について説明したが、交点温度は上記の数値に限定されるものではない。
つまり、交点温度は、センサ用ヒータの使用温度領域内(センサ用ヒータの通電開始時温度から最高発熱温度までの温度領域内)に含まれていればよく、このように交点温度を設定することで、センサ用ヒータの使用環境下において発熱部の抵抗値を確実に切り換えることができる。
そして、交点温度がセンサ素子の活性化温度の近傍領域(活性化温度±50[℃]の温度領域)に設定される場合には、交点温度よりも低温側となる温度領域および交点温度よりも高温側となる温度領域のそれぞれの温度領域において、発熱量を大きくすることができるため、センサ素子の早期加熱を実現できる。
さらに、センサ用ヒータとセンサ素子との物理的な距離が遠い場合(例えば、距離が500[μm]以上)である場合には、交点温度を『「センサ素子の活性化温度−50[℃]」から「センサ素子の活性化温度」までの温度領域』に設定することが好ましい。
つまり、交点温度をこのように設定したセンサ用ヒータ(例えば、棒型形状ヒータ203)は、加熱対象のセンサ素子が活性化温度に達する前に、発熱部としての発熱量を安定させることができることから、センサ用ヒータとセンサ素子との物理的距離が大きい場合であっても、センサ素子に対する熱量供給状態を安定させることができる。
また、センサ用ヒータとセンサ素子との物理的な距離が近い場合(例えば、距離が500[μm]未満)である場合には、交点温度を『「センサ素子の活性化温度」から「センサ素子の活性化温度+50[℃]」までの温度領域』に設定することが好ましい。
つまり、交点温度をこのように設定したセンサ用ヒータは、加熱対象のセンサ素子が活性化温度よりも低い温度領域では、発熱部のうち係数大抵抗素子での発熱量が大きくなる。とりわけ、通電開始直後のように最も温度が低い時期においては、係数大抵抗素子の抵抗値が最も小さい値となることから、印加電圧が一定である場合には、係数大抵抗素子での発熱量が最大となり、センサ素子の早期加熱を実現できる。
次に、上述の実施形態においては、2個の抵抗素子で構成される発熱部について説明したが、発熱部に備えられる抵抗素子は2個に限られることはなく、3個以上の抵抗素子を備える発熱部を用いてセンサ用ヒータを構成してもよい。
ヒータを備えて構成される酸素センサの全体構成を示す断面図である。 センサ素子の概略構造を表す分解斜視図である。 係数小抵抗素子の抵抗温度曲線および係数大抵抗素子の抵抗温度曲線の一例を示した説明図である。 第2センサ素子の概略構造を表す分解斜視図である。 棒型形状ヒータを備えて構成される第3酸素センサの全体構成を示す断面図である。 棒型形状ヒータの製造方法の概要を表した説明図である。
符号の説明
2…酸素センサ、4…センサ素子(検出素子)、5…第2センサ素子(第2検出素子)、201…第3酸素センサ、202…筒型検出素子、203…棒型形状ヒータ、235…セラミック基体シート、241…セラミック製芯部材、254…発熱部、255…第1発熱部、256…第2発熱部、257…ヒータリード部、401…第1基体、402…発熱体、403…第2基体、405…固体電解質体、412…面配置発熱体、454…発熱部、455…第1発熱部、456…第2発熱部、457…ヒータリード部、500…ヒータ、501…第2ヒータ、554…面配置発熱部、555…外側発熱部、556…内側発熱部、600…センサ部。

Claims (9)

  1. 活性化温度になることで特定ガスを検出できるセンサ素子を加熱するためのセンサ用ヒータであって、
    外部からの電力供給を受けて発熱する発熱部と、
    外部から前記発熱部への通電経路を形成するリード部と、を備え、
    前記発熱部は、並列接続された複数の抵抗素子を備えており、
    前記複数の抵抗素子には、互いに抵抗温度係数が異なる1組の抵抗素子が少なくとも含まれており、
    前記抵抗素子における温度変化に対する抵抗値変化の相関関係を示す抵抗温度曲線について、前記1組の抵抗素子のうち、相対的に抵抗温度係数の大きい係数大抵抗素子の抵抗温度曲線と、前記1組の抵抗素子のうち相対的に抵抗温度係数の小さい係数小抵抗素子の抵抗温度曲線との交点は、当該センサ用ヒータの通電開始時温度から最高発熱温度までの使用温度領域内に含まれること、
    を特徴とするセンサ用ヒータ。
  2. 前記係数大抵抗素子の抵抗温度曲線と前記係数小抵抗素子の抵抗温度曲線との交点は、前記センサ素子の活性化温度を中心とする±50℃の範囲内に含まれること、
    を特徴とする請求項1に記載のセンサ用ヒータ。
  3. 前記係数大抵抗素子の抵抗温度係数と前記係数小抵抗素子の抵抗温度係数との差は、800[ppm/℃]以上であること、
    を特徴とする請求項1または請求項2に記載のセンサ用ヒータ。
  4. 前記発熱部は、前記係数大抵抗素子および前記係数小抵抗素子が重ね合わされて構成されていること、
    を特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のセンサ用ヒータ。
  5. 前記発熱部は、重ね合わせ方向における前記センサ素子に近い位置に前記係数大抵抗素子が配置され、重ね合わせ方向における前記センサ素子から遠い位置に前記係数小抵抗素子が配置されて構成されていること、
    を特徴とする請求項4に記載のセンサ用ヒータ。
  6. 前記発熱部は、前記係数大抵抗素子および前記係数小抵抗素子が並んで配置されると共に、前記係数大抵抗素子および前記係数小抵抗素子のうち少なくとも両端部が互いに接触していること、
    を特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のセンサ用ヒータ。
  7. 前記発熱部は、自身の形成領域において、前記係数大抵抗素子が前記係数小抵抗素子よりも内側に配置されて構成されていること、
    を特徴とする請求項6に記載のセンサ用ヒータ。
  8. 軸線方向に延びる板状形状のセンサ素子と、
    該センサ素子と一体に積層されたセンサ用ヒータと、
    前記センサ素子および前記センサ用ヒータの周囲を取り囲む主体金具と、
    を備えたセンサにおいて、
    前記センサ用ヒータは、請求項1から7のいずれか一項に記載のセンサ用ヒータであること、
    を特徴とするセンサ。
  9. 軸線方向に延びる有底筒状のセンサ素子と、
    該センサ素子の内側に配置されたセンサ用ヒータと、
    前記センサ素子の周囲を取り囲む主体金具と、
    を備えたセンサにおいて、
    前記センサ用ヒータは、請求項1から7のいずれか一項に記載のセンサ用ヒータであること、
    を特徴とするセンサ。
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