JP5644653B2 - ガスセンサ素子およびガスセンサ - Google Patents

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本発明は、ガスセンサ素子およびガスセンサに関する。
従来、例えば、内燃機関からの排気ガス中に含まれる酸素ガスの濃度を検出し、内燃機関の空燃比を制御するため、ガスセンサ素子およびガスセンサが利用されている。
ガスセンサ素子の構造としては、筒状体の一方が閉塞されたコップ型の固体電解質体の外側面、内側面のほぼ全面に測定電極、基準電極をそれぞれ形成した構造が知られている。また、上記コップ型の固体電解質体の外側面、内側面の先端部だけに測定電極、基準電極をそれぞれ形成した構造も知られている(特許文献1参照)。上記ガスセンサ素子、これを備えたガスセンサは、固体電解質体内に設けられた基準ガス室にヒータが挿入配置され、このヒータの発熱により活性化される。
特開2000−81411号公報
しかしながら、従来のガスセンサ技術は、以下の問題がある。すわなち、近年、エミッション制御の自由度を向上させるため、制御電圧範囲を広げることが求められている。そのための方法としては、リッチ雰囲気におけるセンサ出力電圧を向上させる方法が考えられる。センサ出力電圧は、センサ温度とガス種によって決定されるものである。ガス種の変更は通常困難であるため、センサ出力電圧の向上は、センサ温度を下げることにより達成するほかない。しかし、センサ温度を下げると、センサの早期活性化を図ることが困難になるという問題が生じる。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、早期活性化とリッチ雰囲気におけるセンサ出力電圧の向上とを両立させることが可能なガスセンサ技術を提供しようとするものである。
本発明は、一方が閉塞され、内部に基準ガス室が設けられた固体電解質体と、上記基準ガス室と対面する上記固体電解質体の内側面に設けられた基準電極と、上記固体電解質体の外側面に設けられた測定電極とを有するガスセンサ素子であって、
該ガスセンサ素子は、その先端部に発熱部を有するヒータの側部先端側が上記基準電極を有する上記固体電解質体の内側面に当接した状態で上記ヒータが上記基準ガス室に配置されて使用されるものであるとともに、当該ガスセンサ素子を有するガスセンサが備える上記ガスセンサ素子の出力を取り出すためのリード線に上記測定電極が電気的に接続されて使用されるものであり、
上記測定電極は、上記固体電解質体の先端部側に配置された第1電極と、該第1電極よりも上記固体電解質体の基端部側に配置された第2電極と、上記第1電極と上記第2電極との間を接続する抵抗体とを有することを特徴とするガスセンサ素子にある(請求項1)。
上記ガスセンサ素子は、測定電極が、固体電解質体の先端部側に配置された第1電極と、第1電極よりも固体電解質体の基端部側に配置された第2電極と、第1電極と第2電極との間を接続する抵抗体とを有する。
そのため、内燃機関の始動時等、測定初期における相対的に素子温度が低い場合であっても、温度が上昇しやすい固体電解質体の先端部側に配置された第1電極によって早期活性化が図られる。また、内燃機関の運転時等、固体電解質体の先端部側で素子温度が高く、固体電解質体の基端部側になるほど素子温度が低くなるといった素子温度分布が生じている場合であっても、固体電解質体の先端部側よりも相対的に素子温度の低い固体電解質体の基端部側に配置された第2電極によって、固体電解質体の先端部だけに測定電極を配置した場合よりも高いセンサ出力電圧が得られる。
つまり、本発明では、比較的早期に素子温度が高くなる固体電解質体の先端部側に設けた第1電極により、早期活性の低下が抑制される。また、本発明では、(1)素子温度が低いほどリッチ雰囲気においてセンサ出力電圧を上昇させることができる点、(2)固体電解質体の先端部側で素子温度が高くなり、固体電解質体の基端部側になるほど素子温度が低くなるといった素子温度分布が生じる点を考慮している。そして、固体電解質体の先端部側よりも相対的に素子温度が低くなる固体電解質体の基端部側に設けた第2電極により、リッチ雰囲気におけるセンサ出力電圧の温度依存性が緩和され、センサ出力電圧の低下が抑制される。
以上のように、本発明によれば、早期活性化とリッチ雰囲気におけるセンサ出力電圧の向上とを両立させることが可能なガスセンサ素子、ガスセンサを提供できる。
実施例1における、ガスセンサ素子を示す側面図である。 図1のA−A断面図である。 図1のB−B断面図である。 実施例1における、ガスセンサ素子の固体電解質体とヒータとの位置関係を示す説明図である。 実施例1における、ガスセンサ素子の電気回路図である。 固体電解質体の最先端からの距離と素子温度との関係を示す説明図である。 固体電解質体の最先端からの距離とセンサ出力電圧との関係を示す説明図である。 実施例1のガスセンサ素子を備えたガスセンサを示す説明図である。
上記ガスセンサ素子は、筒状体の一方が閉塞され、内部に基準ガス室が設けられた固体電解質体を有している。固体電解質体は、例えば、有底略筒状のコップ型に形成することができ、その内部空間を大気が導入される基準ガス室として構成することができる。固体電解質体の材質としては、例えば、ZrO系セラミックス等の酸素イオン導電性を有する各種の固体電解質を適用することができる。固体電解質体の厚みは、例えば、0.3〜1mmとすることができる。
上記ガスセンサ素子は、基準ガス室と対面する固体電解質体の内側面に基準電極が設けられており、一方、固体電解質体の外側面に測定電極が設けられている。基準電極と測定電極とは、固体電解質体を挟んで互いに対向するように配置される。上記ガスセンサ素子では、例えば、基準電極を、測定電極の第1電極および第2電極の共通電極として構成することにより、第1電極および第2電極と基準電極とを固体電解質体を挟んで互いに対向するように配置することができる。この場合には、基準電極を簡略化することができるため、製造性に優れたガスセンサ素子となる。また、他にも例えば、基準電極を、測定電極の第1電極と対向する第1基準電極と、測定電極の第2電極と対向する第2基準電極と、第1基準電極と第2基準電極とを電気的に接続する接続部とから構成することも可能である。基準電極および測定電極は、例えば、Pt、Pd、Au、Rhなどの貴金属を含む電極材料から形成することができる。上記貴金属は、電極材料中に1種または2種以上含まれていてもよい。基準電極および測定電極は、例えば、化学めっき、ペースト印刷等により形成することができる。
ここで、上記ガスセンサ素子において、測定電極は、上述したように固体電解質体の先端部側に配置された第1電極と、第1電極よりも固体電解質体の基端部側に配置された第2電極とを有している。第1電極は、固体電解質体の先端部側において、固体電解質体の最先端を含んで外側面の全周にわたって形成されていてもよいし、固体電解質体の最先端を除いた外側面の全周にわたって環状等に形成されていてもよい。また、固体電解質体の先端部側において、固体電解質体の外側面の全周ではなく、外側面の周方向の一部に形成されていてもよい。第1電極の形成領域に固体電解質体の最先端が含まれている場合、該最先端はヒータ加熱により加熱されやすいため、早期活性化を図るうえで有利である。第2電極は、固体電解質体の基端部側において、固体電解質体の外側面の全周にわたって環状等に形成されていてもよいし、固体電解質体の外側面の周方向の一部に形成されていてもよい。
好ましくは、被測定ガスとの接触性が高まるなどの観点から、第1電極は、固体電解質体の先端部側において、固体電解質体の外側面の全周にわたって形成されているとよい。また、第2電極は、固体電解質体の基端部側において、固体電解質体の外側面の全周にわたって形成されているとよい。
第1電極と第2電極とは、ほぼ同一面積とされていてもよいし、異なる面積とされていてもよい。第1電極と第2電極とがほぼ同一面積とされている場合には、早期活性化とリッチ雰囲気におけるセンサ出力電圧の向上とを両立させやすくなる。また、第1電極と第2電極は、同一材料から形成されていてもよいし、異なる材料から形成されていてもよい。また、第1電極と第2電極の厚みは、同一であってもよいし、異なっていてもよい。
また、上記ガスセンサ素子において、上記測定電極は、第1電極と第2電極との間を接続する抵抗体を有している。この抵抗体は、単位長さあたりの抵抗値が第1電極、第2電極より大きい。この抵抗体の介在により、第1電極と第2電極とが電気的に並列接続となる。抵抗体の抵抗調整は、種々の方法により行うことができる。例えば、抵抗体の材料を第1電極、第2電極と異なる材料としたり、電流の流れる方向と直交する方向の抵抗体の幅を可変させたり、抵抗体の厚みを可変させたりする方法などを例示することができる。これら方法は、1または2以上組み合わせることができる。
上記抵抗体は、電気抵抗として機能を発揮できれば、第1電極と第2電極との間における固体電解質体の外側面に部分的に形成されていてもよいし、固体電解質体の外側面の全周にわたって環状等に形成されていてもよい。
上記抵抗体は、第1電極と第2電極との間における固体電解質体の外側面の一部に形成されていることが好ましい(請求項2)。
この場合には、抵抗体としての機能を発揮しやすくなるので、第1電極と第2電極との電気的な接続を並列接続にしやすくなる。そのため、早期活性化とリッチ雰囲気におけるセンサ出力電圧向上との両立を図りやすくなる。
また、上記ガスセンサ素子において、第1電極、第2電極および抵抗体は、同一材料から形成されていることが好ましい(請求項3)。
この場合には、製造時に材料変更を行う必要がなく、第1電極、第2電極および抵抗体を少ない製造プロセスで形成することができる。そのため、製造性に優れたガスセンサ素子が得られる。より好ましくは、第1電極、第2電極および抵抗体は、同じ厚みに形成されているとよい。上記効果が大きくなるからである。
また、上記ガスセンサ素子において、上記抵抗体は線状であることが好ましい(請求項4)。
この場合には、線幅を調節することにより抵抗体の電気抵抗を容易に調節することができる。そのため、第1電極と第2電極との電気的接続を並列接続にしやすくなる。そのため、早期活性化とリッチ雰囲気におけるセンサ出力電圧向上との両立を図りやすくなる。上記線幅は、好ましくは、1〜5mm、より好ましくは、1.5〜3mmの範囲内に設定することができる。
また、上記ガスセンサ素子において、該ガスセンサ素子の被測定ガスにさらされる部分の長手方向の長さをLとしたとき、第1電極は、固体電解質体の最先端〜0.2Lの領域内の少なくとも一部に形成されており、第2電極は、0.28L〜0.6Lの領域内の少なくとも一部に形成されていることが好ましい(請求項5)。
上記ガスセンサ素子の使用時には、固体電解質体の内部に設けられた基準ガス室に通電により発熱して固体電解質体を加熱するヒータが配置される。固体電解質体の先端部側に測定電極を有するガスセンサ素子の場合、ヒータの先端部を十分に発熱させるのが通常である。固体電解質体の最先端〜0.2Lの領域内は、ヒータ加熱による温度がほぼ一定になりやすい領域である。そのため、この領域内の少なくとも一部に第1電極があれば、測定初期における相対的に素子温度が低い場合であっても、より安定して早期活性化を図ることができるので有利である。なお、上記第1電極は、上記領域内の少なくとも一部、あるいは、上記領域内の全てに形成することもできる。また、ヒータの側部先端側は、固体電解質体の内側面に当接した状態で配置される。上記ヒータの側部先端側は、好ましくは、製造時におけるヒータ挿入のし易さ、ヒータの加熱効率などの観点から、0.06L〜0.12Lの範囲内のいずれかに配置されているとよい。
また、0.28L以上の範囲に第2電極がある場合には、第1電極と第2電極との間を0.08L以上確保することができる。そのため、抵抗体の形成性が良好であり、抵抗体の形成難易度が過度に高くなることがない。また、0.6L以下の範囲に第2電極がある場合には、ヒータによる加熱時に固体電解質体を活性な状態に保ちやすく、センサ出力を確保しやすい。なお、上記第2電極は、上記領域内の少なくとも一部、あるいは、上記領域内の全てに形成することができる。また、上記Lは、例えば、10〜30mm程度に設定することができる。
以上のように、固体電解質体の最先端〜0.2Lの領域内の少なくとも一部に第1電極が形成されており、固体電解質体の0.28L〜0.6Lの領域内の少なくとも一部に第2電極が形成されている場合には、早期活性化とリッチ雰囲気におけるセンサ出力電圧の向上とのバランスに優れる。第1電極は、好ましくは、0.04L〜0.15Lの領域内の少なくとも一部、また、第2電極は、好ましくは、0.32L〜0.48Lの領域内の少なくとも一部に形成されているとよい。
また、上記ガスセンサ素子において、第1電極は、固体電解質体の最先端〜0.2Lの領域内の少なくとも一部かつ全周にわたって形成されており、第2電極は、0.32L〜0.48Lの領域内の少なくとも一部かつ全周にわたって形成されており、基準電極は、少なくとも0.48L以下の領域内の全面にわたって形成されていることが好ましい(請求項6)。
この場合には、早期活性化とリッチ雰囲気におけるセンサ出力電圧向上とのバランスに優れる。
本発明のガスセンサは、上述したガスセンサ素子を有している(請求項7)。
そのため、早期活性化とリッチ雰囲気におけるセンサ出力電圧向上とを両立することができる。したがって、上記ガスセンサによれば、リッチ雰囲気における制御電圧の使用領域が拡大し、制御自由度を向上させることができる。
(実施例1)
本発明の実施例に係るガスセンサ素子、ガスセンサについて図1〜図8を用いて説明する。
本例のガスセンサ素子1は、図1〜図3に示すように、固体電解質体10と、基準電極11と、測定電極12とを有している。固体電解質体10は、一方が閉塞されており、内部に基準ガス室101が設けられている。基準電極11は、基準ガス室101と対面する固体電解質体10の内側面に設けられている。測定電極12は、固体電解質体10の外側面に設けられている。
測定電極12は、第1電極121と、第2電極122と、抵抗体123とを有している。第1電極121は、固体電解質体10の先端部側に配置されている。第2電極122は、第1電極121よりも固体電解質体10の基端部側に配置されている。抵抗体123は、第1電極121と第2電極122との間を接続する。
以下、詳細に説明する。本例のガスセンサ素子1は、酸素濃淡起電力式の酸素センサ素子である。固体電解質体10は、図1〜図3に示すように、有底略筒状のコップ型に形成されており、その内部空間が大気を導入するための基準ガス室101とされている。固体電解質体10の外側面のうち、固体電解質体10の最先端から基端部側に向かって長さLの範囲(固体電解質体10の外側面の最先端を原点とする)が、被測定ガスの接触面とされる。本例において、固体電解質体10は、部分安定化ジルコニアよりなり、先端部の厚みは約0.6mm、長さLは25mmである。
固体電解質体10は、図4に示すように、ガスセンサ素子1の使用時に基準ガス室101内にヒータ21が挿入配置される。ヒータ21は、その先端部に発熱部を有している。ヒータ21の内部には通電により発熱する発熱体とこの発熱体に電力を供給する通電線とが設けられている。ヒータ21の側部先端側は、図中Cの位置において、固体電解質体10の内側面に当接するように配置される。なお、本例において、当接位置Cは、固体電解質体10の最先端から2mmの位置とされる。ヒータ21は、発熱部を中心に発熱し、固体電解質体10を活性化させる。また、図4において、固体電解質体10の外側面の設けた測定電極12、内側面に設けられた基準電極等は省略してある。
測定電極12の一部を構成する第1電極121は、図1に示すように、固体電解質体10の最先端を含み、この最先端〜0.2L(具体的には、最先端から5mm)の領域内の全部かつ全周にわたって固体電解質体10の外側面を覆うように形成されている。一方、測定電極12の一部を構成する第2電極122は、固体電解質体10の0.36L〜0.44L(具体的には、9mm〜11mm)の領域内の全部かつ全周にわたって固体電解質体10の外側面を環状に覆うように形成されている。なお、第1電極121および第2電極122の形成面積は、同一とされている。また、固体電解質体10の基端部側を上方向、先端部側を下方向としたとき、抵抗体123は、第1電極121の上端と第2電極122の下端との間における固体電解質体の表面に、第1電極121、第2電極122よりも周方向の幅が細い線状(具体的には、線幅2mm)に形成されている。なお、第1電極121、第2電極122、および抵抗体123は、めっき法を用いて、同一材料であるPtから形成されている。
抵抗体123は、第1電極121と第2電極122とを電気的に並列接続するものである。本例のガスセンサ素子1は、抵抗体123の存在により、図5に示すような並列回路を構成する。なお、V1、R1は、第1電極121と第1電極121と対向する基準電極11とから構成される第1セルのセル電圧、内部抵抗であり、V2、R2は、第2電極122と第2電極122と対向する基準電極11とから構成される第2セルのセル電圧、内部抵抗である。rは、抵抗体123の電気抵抗である。Vは、ガスセンサ素子1全体のセンサ出力電圧である。本例のガスセンサ素子1では、抵抗体123の存在により、内燃機関の始動時等、測定初期における相対的に素子温度が低いときは、V=V1としてセンサ出力電圧が検出され、内燃機関の運転時等、固体電解質体10の先端部側で素子温度が高く固体電解質体10の基端部側になるほど素子温度が低くなるといった素子温度分布が生じている場合には、V=V2としてセンサ出力電圧が検出される。
基準電極11は、図2、図3に示すように、固体電解質体10の内側面の全面にわたって形成されている。つまり、本例では、第2電極122の上端に対応する位置である固体電解質体10の0.44Lの位置以下(具体的には、11mm以下)の領域内の全面にわたって固体電解質体10の内側面を覆うように基準電極11が形成されているといえる。したがって、測定電極12の第1電極121と基準電極11とは、固体電解質体10を挟んで対向して配置されている。また、測定電極12の第2電極122と基準電極11とは、固体電解質体10を挟んで対向して配置されている。すなわち、本例では、基準電極11を、測定電極12の第1電極121と第2電極122とに共通する共通電極として構成した。なお、基準電極11は、めっき法を用いて、Ptから形成されている。
ガスセンサ素子1は、上記構成以外にも次の構成も有する。すなわち、固体電解質体10の外側面には、測定電極12とともにリード部124とターミナル部125とが設けられている。リード部124は、測定電極12で得られたセンサ出力を取り出して、ターミナル部125に伝達する部分である。リード部124の周方向の幅は1.5mmであり、第2電極122の上端とターミナル部125の下端とを接続するように形成されている。ターミナル部125は、センサ出力をガスセンサ素子1の外部へ取り出すためのもので、後述するガスセンサ2に設けた金属端子271と接続する部分である。本例のターミナル部125は、固体電解質体10の基端部において全周にわたって環状に形成されている。
また、固体電解質体10の内側面には、上述したように基準電極11が固体電解質体10の内側面の全面にわたって形成されており、この基準電極11の基端部側の一部がターミナル部112として利用される。このターミナル部112は、後述するガスセンサ2に設けた金属端子273と接続する部分である。これによりターミナル部112を介してセンサ出力を取り出すことができる。なお、リード部124、ターミナル部125は、めっき法を用いて、Ptから形成されている。リード部124およびターミナル部125の厚みは、いずれも約0.7〜2μmである。
次に、上記ガスセンサ素子1において、上記の位置に第1電極121、第2電極122を形成したのは、以下の基礎試験データによるものである。
図6に、固体電解質体10の最先端からの距離と素子温度との関係を示す。図6は、本例のガスセンサ素子1と同じ形状の固体電解質体10の内部にヒータ21を配置し、このヒータ21を発熱させ、固体電解質体10の最先端の温度を600℃、700℃、800℃としたときにおける、各素子温度分布を測定したものである。なお、ヒータ21の側部先端側は、固体電解質体10の最先端から2mm(=0.08L)の位置にて、固体電解質体10の内側面に当接している。
図6に示されるように、素子温度は、固体電解質体10の最先端から5mm(=0.2L)までの間において最も高く、かつ、ほぼ一定になっており、固体電解質体10の最先端からの距離が5mm(=0.2L)以上になると、固体電解質体10の基端部側に近づくにつれて素子温度が低くなるという素子温度分布が生じていることがわかる。また、ヒータ21の先端に発熱部があるので、この発熱部に近い固体電解質体10の先端部側がより早く高温に加熱されるといえる。また、本例では、固体電解質体10の最先端から2mm(=0.08L)の位置にて、ヒータ21の側部先端側が固体電解質体10の内側面に当接している。そのため、このことも相まって、固体電解質体10の最先端から5mm(=0.2L)までの間において素子温度がほぼ一定になっている。これらの結果から、本例では、早期活性化を図るのに有利な固体電解質体の最先端〜5mm(=0.2L)の領域内の全部かつ全周にわたって第1電極121を形成した。なお、固体電解質体10の全周にわたって第1電極121を形成したのは、被測定ガスとの接触性を高めるためである。
また、図7に、固体電解質体10の最先端からの距離とセンサ出力電圧との関係を示す。図7は、本例のガスセンサ素子1と同じ形状の固体電解質体10を用い、固体電解質体10の最先端から基端部側に向かって、固体電解質体10の外側面の各所定位置に試験電極を形成した各試料を作製し、各試料から上記関係を測定したものである。上記所定位置は、図7に示すように、固体電解質体の最先端、最先端から5mmの位置、最先端から7.5mmの位置、最先端から10mmの位置、最先端から12.5mmの位置、最先端から15mmの位置である。また、試験電極は、固体電解質体10の内側面に形成した試験用基準電極と、この試験用基準電極と固体電解質体10を挟んで対向するように固体電解質体10の外側面に形成した試験用測定電極とから構成した。試験用基準電極は、固体電解質体10の内側面の全面にわたって形成した。また、試験用測定電極は、固体電解質体10の長手方向の長さが2mm、かつ、固体電解質体10の外側面の全周にわたって環状に形成した。なお、試験用測定電極における固体電解質体10の長手方向の長さの中点と上記各所定位置とを一致させて配置した。
そして上記測定は、固体電解質体10の最先端の温度を600℃、700℃、800℃とした3通りについて行った。なお、ヒータ21の側部先端側は、固体電解質体10の最先端から2mm(=0.08L)の位置にて、固体電解質体10の内側面に当接している。また、モデルガスには、NベースのC/Oを用い、λ=0.95から1.05までスイープしながらセンサ出力電圧をモニターした。ガス温度は350℃であり、素子温度は、ヒータ電力を調整することにより調節した。また、図7は、λ=0.97(リッチ雰囲気)におけるセンサ出力電圧をプロットしたものである。
図7に示されるように、リッチ雰囲気におけるセンサ出力電圧は、固体電解質体10の最先端から離れるにつれて大きくなっていることがわかる。また、素子温度が低いほど、センサ出力電圧が上昇することがわかる。この図7の結果と上述の図6の結果とを合わせると、固体電解質体10の先端部側で素子温度が高く、固体電解質体10の基端部側になるほど素子温度が低くなるといった素子温度分布が生じている場合、固体電解質体10の先端部側よりも相対的に素子温度の低い固体電解質体10の基端部側に第2電極122を配置するとよいことがわかる。つまり、第2電極122を上記のように配置すると、リッチ雰囲気におけるセンサ出力電圧の温度依存性が緩和され、センサ出力電圧の低下が抑制されるといえる。そして、第2電極122の具体的な配置位置は、抵抗体123の形成容易性、固体電解質体10の活性を考慮すると、好ましくは7mm〜15mm(=0.28L〜0.6L)の領域内の少なくとも一部、より好ましくは8mm〜12mm(=0.32L〜0.48L)の領域内の少なくとも一部が好適であることがわかる。なお、固体電解質体10の全周にわたって第2電極122を形成したのは、被測定ガスとの接触性を高めるためである。
次に、ガスセンサ素子1を用いた本例のガスセンサ2について説明する。図8に示すように、ガスセンサ2はハウジング20とハウジング20にシール固定されたガスセンサ素子1とを有している。また、ガスセンサ素子1の基準ガス室101にはヒータ21が挿入配置されている。なお、ガスセンサ素子1の詳細な図示は省略されている。
ハウジング20の下方には、被測定ガス室22を形成し、ガスセンサ素子1を保護するための二重の被測定ガス側カバー221、222が設けられている。ハウジング20の上方には、三段の大気側カバー231、232、233が設けられている。被測定ガス室22の内部は被測定ガスが流通し、大気側カバー231、232、233の内部は大気が流通した状態にある。ガスセンサ2は、ハウジング20にシール固定されたガスセンサ素子1を境にして、被測定ガスと大気とが混じらないように構成されている。
大気側カバー232、233の上端には、リード線241、242、243が挿入された弾性絶縁部材25が設けられている。リード線241、243は、ガスセンサ素子1からの出力を取り出してガスセンサ2の外部に送るためのものである。また、リード線242は、図示しないもう一本のリード線とともにヒータ21に通電するためのものである。
リード線241、243の下端には接続端子261、263が設けられており、接続端子261、263により、ガスセンサ素子1に固定した金属端子271、273と導通されている。なお、金属端子271、273は、ガスセンサ素子1におけるターミナル部125、112に対し接触固定されている。
本例のガスセンサ素子1、ガスセンサ2の作用効果について説明する。本例のガスセンサ素子1、ガスセンサ2は、測定電極12が、固体電解質体10の先端部側に配置された第1電極121と、第1電極121よりも固体電解質体10の基端部側に配置された第2電極122と、第1電極121と第2電極122との間を接続する抵抗体123とを有している。
そのため、内燃機関の始動時等、測定初期における相対的に素子温度が低い場合であっても、温度が上昇しやすい固体電解質体10の先端部側に配置された第1電極121によって早期活性化が図られる。また、内燃機関の運転時等、固体電解質体10の先端部側で素子温度が高く、固体電解質体10の基端部側になるほど素子温度が低くなるといった素子温度分布が生じている場合であっても、固体電解質体10の先端部側よりも相対的に素子温度の低い固体電解質体10の基端部側に配置された第2電極122によって、高いセンサ出力電圧が得られる。
したがって、本例によれば、早期活性化とリッチ雰囲気におけるセンサ出力電圧の向上とを両立させることが可能なガスセンサ素子1、ガスセンサ2を提供することができる。
以上、実施例について説明したが、本発明は、上記実施例により限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改変を行うことが可能である。
1 ガスセンサ素子
10 固体電解質体
101 基準ガス室
11 基準電極
112 ターミナル部
12 測定電極
121 第1電極
122 第2電極
123 抵抗体
124 リード部
125 ターミナル部
2 ガスセンサ
20 ハウジング
21 ヒータ
22 被測定ガス室
221、222 被測定ガス側カバー
231、232、233 大気側カバー
241、242、243 リード線
25 弾性絶縁部材
261、263 接続端子
271、273 金属端子

Claims (7)

  1. 一方が閉塞され、内部に基準ガス室が設けられた固体電解質体と、上記基準ガス室と対面する上記固体電解質体の内側面に設けられた基準電極と、上記固体電解質体の外側面に設けられた測定電極とを有するガスセンサ素子であって、
    該ガスセンサ素子は、その先端部に発熱部を有するヒータの側部先端側が上記基準電極を有する上記固体電解質体の内側面に当接した状態で上記ヒータが上記基準ガス室に配置されて使用されるものであるとともに、当該ガスセンサ素子を有するガスセンサが備える上記ガスセンサ素子の出力を取り出すためのリード線に上記測定電極が電気的に接続されて使用されるものであり、
    上記測定電極は、上記固体電解質体の先端部側に配置された第1電極と、該第1電極よりも上記固体電解質体の基端部側に配置された第2電極と、上記第1電極と上記第2電極との間を接続する抵抗体とを有することを特徴とするガスセンサ素子。
  2. 請求項1に記載のガスセンサ素子において、上記抵抗体は、上記第1電極と上記第2電極との間における上記固体電解質体の外側面の一部に形成されていることを特徴とするガスセンサ素子。
  3. 請求項1または2に記載のガスセンサ素子において、上記第1電極、上記第2電極および上記抵抗体は、同一材料から形成されていることを特徴とするガスセンサ素子。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のガスセンサ素子において、上記抵抗体は線状であることを特徴とするガスセンサ素子。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のガスセンサ素子において、該ガスセンサ素子の被測定ガスにさらされる部分の長手方向の長さをLとしたとき、
    上記第1電極は、上記固体電解質体の最先端〜0.2Lの領域内の少なくとも一部に形成されており、
    上記第2電極は、0.28L〜0.6Lの領域内の少なくとも一部に形成されていることを特徴とするガスセンサ素子。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のガスセンサ素子において、該ガスセンサ素子の被測定ガスにさらされる部分の長手方向の長さをLとしたとき、
    上記第1電極は、上記固体電解質体の最先端〜0.2Lの領域内の少なくとも一部かつ全周にわたって形成されており、
    上記第2電極は、0.32L〜0.48Lの領域内の少なくとも一部かつ全周にわたって形成されており、
    上記基準電極は、少なくとも0.48L以下の領域内の全面にわたって形成されていることを特徴とするガスセンサ素子。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のガスセンサ素子を有することを特徴とするガスセンサ。
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