JP2019044814A - 収納型ハンドル動作伝達機構及び水栓の開閉器 - Google Patents
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Abstract
【課題】容易に操作できると共に、収納されている際にはハンドルによる回動動作が伝達され得ないことで意図しない動作を防止できる収納型ハンドル動作伝達機構を提供する。【解決手段】ハンドル部材10と、ハンドル収納ケース20と、複数の案内溝33及び複数の傾斜案内保持部35を備えるインナーガイド30と、筒状部42に被係合案内溝43及び誘導傾斜面44を備えて底状部45が出力部となる回動操作伝達体部40とを備え、ハンドル部材10が、突出ハンドル部11と、複数の外周突起部12と、複数の軸方向突起部13とを備え、軸方向突起部13を受ける受け斜面53を形成する部位であって、案内溝33や被係合案内溝43に係合される部位であると共に、傾斜案内保持部35に受けられて奥側にロックされる部位にもなっている複数の係合突起部を備えるブレード50と、ブレード50と回動操作伝達体部40との間に配されるスプリング60とを備える。【選択図】図3
Description
本発明は、ハンドル操作ができるように、収納された状態からスラストロック機構の動作によって一部が突出された状態に変位できるハンドル部材を備える収納型ハンドル動作伝達機構に関する。
従来、本出願人によって、ハンドル収納ケースに一体の案内管は底部中央に係合子を回動自在に軸支すると共に内面所要位置に円弧状断面のリング溝を周設し、前記係合子は上部を角軸にすると共に下部にユニバーサルジヨイントを連結し、ハンドルに一体の円筒管は前記案内管に昇降自在に挿通されて下部の所要位置に複数個の貫通孔を貫設すると共に貫通孔に外周へはみ出し状に小球を収納し、下端には一端を前記案内管の底部に係止したスプリングの他端を係止し、ハンドルは中央部に凹設した中空部に角孔を貫設すると共に該角孔に頭部が角軸なる係合管を昇降自在に案内し、該角軸に係止した押ボタンには一端を前記中空部に係止したスプリングの他端を係止し、前記係合管の下部外周には前記小球の逃げ面となる位置に円弧状断面のリング溝を周設すると共に内部には角孔を貫設して係合子の角軸を挿通して成る不凍給水栓の開閉器(特許文献1参照)が、提案されている。
これによれば、ハンドル(ハンドル部材)を収納でき、容易に操作できるものであるが、ハンドル部材がハンドル収納ケースに収納されている際を含めて常に、ハンドル部材からの回動動作が出力軸である角軸からユニバーサルジョイント側へ伝達される構成になっており、僅かな可能性であって実際的には問題となる事象は生じていないが、ハンドル部材が収納されている場合でも、そのハンドル部材を介して意図しない回動伝達の動作が生じる可能性がある。
収納型ハンドル動作伝達機構及び水栓の開閉器に関して解決しようとする課題は、上記先行技術の形態では、容易に操作できるが、ハンドル部材がハンドル収納ケースに収納されている際においてもハンドル部材からの回動動作が出力軸側へ伝達され得る構成になっており、僅かではあるが意図しない動作が生じる可能性がある点にある。
そこで、本発明の目的は、容易に操作できると共に、収納されている際にはハンドル部材による回動動作が伝達され得ないことで意図しない動作を確実に防止できる収納型ハンドル動作伝達機構を提供することにある。
本発明は上記目的を達成するために次の構成を備える。
本発明にかかる収納型ハンドル動作伝達機構の一形態によれば、ハンドル操作ができるように、収納された状態からスラストロック機構の動作によって一部が突出された状態に変位できるハンドル部材と、設置場所に固定される部位が設けられ、前記ハンドル部材の一部を突出可能に収納できる内部スペースを備えるハンドル収納ケースと、該ハンドル収納ケースに、軸心を中心に回動可能に収納される部材として設けられ、軸方向に溝状に延びて奥側に開いた案内溝と、奥端面に二段の案内傾斜面が設けられると共に該二段の案内傾斜面によって形成される段部がスラストロック機構のロック部として機能する傾斜案内保持部とが、円筒状形における円周等分位置に複数が交互に設けられていることで形成されているインナーガイドと、該インナーガイドの前記案内溝と前記傾斜案内保持部とが内側に位置するように有底筒状に構成され、前記ハンドル収納ケースに軸心を中心に回動可能に収納される形態に設けられ、筒状部に、軸方向に溝状に伸びて奥側に開いた被係合案内溝と、該被係合案内溝に連続するように奥側で傾斜している誘導傾斜面とが、円筒状形の円周等分位置に複数が交互に設けられ、底状部が、軸心を中心に回動可能に前記筒状部と一体的になる構成として設けられると共に回動動作を奥側へ出力する部位として設けられている回動操作伝達体部とを備え、前記ハンドル部材が、前記インナーガイドの内側に収納されて該インナーガイドに設けられた手前開口から手前側へ突出される突出ハンドル部と、該突出ハンドル部よりも奥側に設けられた円形状のベース部に形成され、前記インナーガイドの前記案内溝に嵌って軸方向の移動が案内されるように外周の円周等分位置に径方向へ突起して設けられた複数の外周突起部と、奥端面の外周部の円周等分位置に軸方向の奥側へ突起して形成された複数の軸方向突起部とを備え、前記ハンドル部材の奥側に軸心を中心に回動可能に配され、前記ハンドル部材の前記軸方向突起部を受けるように当接する受け斜面を形成する部位であって、前記インナーガイドに対しては、前記ハンドル部材による回動動作が前記回動操作伝達体部へ伝達される際には前記案内溝に嵌って軸方向の移動が案内されて係合される部位であると共に、前記ハンドル部材による回動動作が前記回動操作伝達体部へ伝達されない際には前記傾斜案内保持部に受けられて奥側にロックされる部位であって、前記回動操作伝達体部に対しては、内包されるように配され、前記ハンドル部材による回動動作が該回動操作伝達体部へ伝達される際には前記誘導傾斜面に案内されて前記被係合案内溝に嵌ることで係合される部位となるように、円形状の基体部の外周における円周等分位置に径方向外側へ突起した形状に設けられた複数の係合突起部を備えるブレードと、該ブレードの奥側の面と、前記回動操作伝達体部の内底面との間に配され、前記ブレードを介して前記ハンドル部材を奥から手前方向へ付勢する付勢力を生じさせる弾性手段であって、該付勢力によって前記ブレードの前記係合突起部が前記案内溝及び前記被係合案内溝に係合・案内されて該ブレードを介して前記突出ハンドル部を手前に突出させた場合には、前記ハンドル部材による軸心を中心にした回動動作が前記回動操作伝達体部を介して外部へ出力されるように係合状態を保持させるスプリングとを備える。
本発明にかかる収納型ハンドル動作伝達機構の一形態によれば、ハンドル操作ができるように、収納された状態からスラストロック機構の動作によって一部が突出された状態に変位できるハンドル部材と、設置場所に固定される部位が設けられ、前記ハンドル部材の一部を突出可能に収納できる内部スペースを備えるハンドル収納ケースと、該ハンドル収納ケースに、軸心を中心に回動可能に収納される部材として設けられ、軸方向に溝状に延びて奥側に開いた案内溝と、奥端面に二段の案内傾斜面が設けられると共に該二段の案内傾斜面によって形成される段部がスラストロック機構のロック部として機能する傾斜案内保持部とが、円筒状形における円周等分位置に複数が交互に設けられていることで形成されているインナーガイドと、該インナーガイドの前記案内溝と前記傾斜案内保持部とが内側に位置するように有底筒状に構成され、前記ハンドル収納ケースに軸心を中心に回動可能に収納される形態に設けられ、筒状部に、軸方向に溝状に伸びて奥側に開いた被係合案内溝と、該被係合案内溝に連続するように奥側で傾斜している誘導傾斜面とが、円筒状形の円周等分位置に複数が交互に設けられ、底状部が、軸心を中心に回動可能に前記筒状部と一体的になる構成として設けられると共に回動動作を奥側へ出力する部位として設けられている回動操作伝達体部とを備え、前記ハンドル部材が、前記インナーガイドの内側に収納されて該インナーガイドに設けられた手前開口から手前側へ突出される突出ハンドル部と、該突出ハンドル部よりも奥側に設けられた円形状のベース部に形成され、前記インナーガイドの前記案内溝に嵌って軸方向の移動が案内されるように外周の円周等分位置に径方向へ突起して設けられた複数の外周突起部と、奥端面の外周部の円周等分位置に軸方向の奥側へ突起して形成された複数の軸方向突起部とを備え、前記ハンドル部材の奥側に軸心を中心に回動可能に配され、前記ハンドル部材の前記軸方向突起部を受けるように当接する受け斜面を形成する部位であって、前記インナーガイドに対しては、前記ハンドル部材による回動動作が前記回動操作伝達体部へ伝達される際には前記案内溝に嵌って軸方向の移動が案内されて係合される部位であると共に、前記ハンドル部材による回動動作が前記回動操作伝達体部へ伝達されない際には前記傾斜案内保持部に受けられて奥側にロックされる部位であって、前記回動操作伝達体部に対しては、内包されるように配され、前記ハンドル部材による回動動作が該回動操作伝達体部へ伝達される際には前記誘導傾斜面に案内されて前記被係合案内溝に嵌ることで係合される部位となるように、円形状の基体部の外周における円周等分位置に径方向外側へ突起した形状に設けられた複数の係合突起部を備えるブレードと、該ブレードの奥側の面と、前記回動操作伝達体部の内底面との間に配され、前記ブレードを介して前記ハンドル部材を奥から手前方向へ付勢する付勢力を生じさせる弾性手段であって、該付勢力によって前記ブレードの前記係合突起部が前記案内溝及び前記被係合案内溝に係合・案内されて該ブレードを介して前記突出ハンドル部を手前に突出させた場合には、前記ハンドル部材による軸心を中心にした回動動作が前記回動操作伝達体部を介して外部へ出力されるように係合状態を保持させるスプリングとを備える。
また、本発明にかかる収納型ハンドル動作伝達機構の一形態によれば、前記ハンドル収納ケースが、筒状に設けられた筒状本体を備え、該筒状本体の手前端側に、設置場所に固定される部位である外周フランジ部を備えると共に、収納された前記インナーガイドの手前面の外周鍔部に当接して保持できるように形成された内周フランジ部を備えるボックス部と、該ボックス部の奥側に固定され、前記回動操作伝達体部の底状部に当接して保持すると共に回動動作の出力を取り出すための出力用の開口孔が形成されている底蓋とを構成要素とすることを特徴とすることができる。
また、本発明にかかる収納型ハンドル動作伝達機構の一形態によれば、前記回動操作伝達体部が、前記被係合案内溝と前記誘導傾斜面が形成された前記筒状部として設けられたアウターガイドと、該アウターガイドとは別体に設けられて奥側に出力軸が突起した形態に形成された前記底状部とによって構成され、該アウターガイドと該底状部とが軸心を中心に一体的に回動可能に係合されて設けられていることを特徴とすることができる。
また、本発明にかかる水栓の開閉器の一形態によれば、上記収納型ハンドル動作伝達機構を備える水栓の開閉器であって、前記回動操作伝達体部の前記出力軸が、回動によって開閉がなされる水栓の操作軸と連結されていることを特徴とすることができる。
また、本発明にかかる水栓の開閉器の一形態によれば、床の下方に設置された水栓を開閉するように、前記ハンドル収納ケースが床に埋め込み状態に設置されることを特徴とすることができる。
本発明にかかる収納型ハンドル動作伝達機構及び水栓の開閉器によれば、容易に操作できると共に、収納されている際にはハンドルによる回動動作が伝達され得ないことで意図しない動作を確実に防止できるという特別有利な効果を奏する。
以下、本発明に係る収納型ハンドル動作伝達機構の形態例を添付図面(図1〜13)に基づいて詳細に説明する。この収納型ハンドル動作伝達機構は、ハンドル操作ができるように、収納された状態からスラストロック機構の動作によって一部が突出された状態に変位できるハンドル部材10を備えるものである。
20はハンドル収納ケースであり、設置場所に固定される部位が設けられ、ハンドル部材10の一部を突出可能に収納できる内部スペースを備えている。この内部スペースは、ハンドル部材10、インナーガイド30、回動操作伝達体部40、ブレード50、及びスプリング60という内包される部品が収納されるスペースであり、それらの部品が離脱してバラバラにならないように保持されるべく、ボックス部21と、これを奥側である下面で閉じるように受ける底蓋25とによって設けられるスペースになっている。
30はインナーガイドであり、図10などに示すように、ハンドル収納ケース20に、軸心を中心に回動可能に収納される部材として設けられ、軸方向に溝状に延びて奥側に開いた案内溝33と、奥端面に二段の案内傾斜面36(一方の案内傾斜面36a、他方の案内傾斜面36b)が設けられると共にその二段の案内傾斜面36によって形成される段部37がスラストロック機構のロック部として機能する傾斜案内保持部35とが、円筒状形における円周等分位置に複数が交互に設けられていることで形成されている。
本形態例のインナーガイド30では、手前面である上面部31に突出ハンドル部11が突出できる手前開口31aが形成され、案内溝33と傾斜案内保持部35とが、円周6等分位置に交互に配置された形態となっている。また、上面部31は、円盤状に形成されており、案内溝33が閉じる側となっていると共に、傾斜案内保持部35を形成するように軸方向奥側方向である下方へ延設された部位の根元部を形成するベース部になっている。
また、上面部31の手前開口31aの形状は、本形態例では、径方向の3方向へ突起した三翼形状になっているが、これに限定されることはなく、他のハンドル部材の形態に対応させて適宜に形成すればよく、ハンドル操作を適切にできれば他の形態であっても良いのは勿論である。
40は回動操作伝達体部であり、インナーガイド30の案内溝33と傾斜案内保持部35とが内側に位置するように有底筒状に構成され、ハンドル収納ケース20に軸心を中心に回動可能に収納される形態に設けられ、筒状部42に、軸方向に溝状に伸びて奥側に開いた被係合案内溝43と、その被係合案内溝43に連続するように奥側で傾斜している誘導傾斜面44とが、円筒状形の円周等分位置に複数が交互に設けられ、底状部45が、軸心を中心に回動可能に被係合案内溝43及び誘導傾斜面44を形成する部位(筒状部42)と一体的になる構成として設けられると共に回動動作を奥側へ出力する部位として設けられている。
本形態例の回動操作伝達体部40は、インナーガイド30の上面部31の外周部であってフランジ状に形成された外周鍔部31bの奥側の面に当接する位置まで、そのインナーガイド30にその奥側から外嵌する筒状部42を備え、ハンドル部材10、ブレード50、スプリング60、及びインナーガイド30の手前面(上面部31)を除く案内溝33と傾斜案内保持部35を内包して収納するように、底状部45によって筒状部42の奥側の端面が閉じるように受けられた構成になっている。
また、図11などに示すように、ハンドル部材10については、インナーガイド30の内側に収納(図3参照)されてそのインナーガイド30に設けられた手前開口31aから手前側へ突出(図8参照)される突出ハンドル部11と、その突出ハンドル部11よりも奥側に設けられた円形状のベース部14に形成され、インナーガイド30の案内溝33に嵌って軸方向の移動(変位)が案内されるように外周の円周等分位置に径方向へ突起して設けられた複数の外周突起部12と、奥端面の外周部の円周等分位置に軸方向の奥側へ突起して形成された複数の軸方向突起部13とを備えている。
本形態例の突出ハンドル部11は、径方向の3方向へ突起した三翼形状になっているが、本発明はこれに限定されることはなく、ハンドルとして機能する他の形状を採用できるのは勿論である。また、本形態例の外周突起部12は、案内溝33の数に対応して円周6等分の位置のそれぞれに設けられ、本形態例の軸方向突起部13は、円周12等分の位置のそれぞれに二等辺三角形状に奥側へ突起し、全体としては閉じた円形の帯状端面に波状に繰り返して奥側に突起した形態に設けられているが、それらの数は、本発明はこれに限定されることはなく、複数であればよく適宜に設定可能である。
50はブレードであり、図6などに示すように、ハンドル部材10の奥側に軸心を中心に回動可能に配され、ハンドル部材10の軸方向突起部13を受けるように当接する受け斜面53を形成する部位であって、インナーガイド30に対しては、ハンドル部材10による回動動作が回動操作伝達体部40へ伝達される際には案内溝33に嵌って軸方向の移動が案内されて係合される部位であると共に、ハンドル部材10による回動動作が回動操作伝達体部40へ伝達されない際には傾斜案内保持部35に受けられて奥側にロックされる部位であって、回動操作伝達体部40に対しては、内包されるように配され、ハンドル部材10による回動動作が回動操作伝達体部40へ伝達される際には誘導傾斜面44に案内されて被係合案内溝43に嵌ることで係合される部位となるように、円形状の基体部51の外周における円周等分位置に径方向外側へ突起した形状に設けられた複数の係合突起部52を備える。なお、本形態例では、この係合突起部52が設けられている数と、これに対応して係合関係となるように設けられている案内溝33、傾斜案内保持部35及び被係合案内溝43などの数とは、同一となる関係になっているが、本発明はこれに限定されることなく、倍数関係などの適宜な対応関係になっていればよい。
また、本形態例のブレード50では、円形状の基体部51の手前側である円形上部51a(図7、9参照)が、ハンドル部材10の奥側の面に設けられた円形凹部15(図11(b)参照)に、軸心を中心に回動可能に嵌った状態に配されている。これによって、ブレード50が、ハンドル収納ケース20や回動操作伝達体部40の軸の中心に適切に位置され、そのブレード50の受け斜面53を、その受け斜面53に当接したハンドル部材10の軸方向突起部13が押しのけるように押圧することで、そのブレード50が斜面の作用で確実に回動されるように作動することができるなど、適切に配された状態になっている。
60はスプリングであり、ブレード50の奥側の面54(図6参照)と、回動操作伝達体部40の内底面46との間に配され、ブレード50を介してハンドル部材10を奥から手前方向へ付勢する付勢力を生じさせる弾性手段であって、その付勢力によってブレード50の係合突起部52が案内溝33及び被係合案内溝43に係合・案内されてブレード50を介して突出ハンドル部11を手前に突出させた場合(図8参照)には、ハンドル部材10による軸心を中心にした回動動作が回動操作伝達体部40を介して外部へ出力されるように係合状態を保持させるように作用する。なお、本形態例では、スプリング60が適切に保持された状態に配されるように、ブレード50の奥側の面54にはスプリング60の外径が嵌る円形の凹部54a(図6参照)が設けられており、回動操作伝達体部40の内底面46(図2参照)にはスプリング60の内径が嵌る円形の凸部46a(図2参照)が設けられている。また、本発明に係るスプリング60としては、本形態例のようなコイルスプリング(図2参照)に限定されるものではなく、バネ性を備える他の弾性部材を用いることができるのは勿論である。
また、このスプリング60の付勢力に抗して突出ハンドル部11を奥側へ変位させて保持させた場合には、ブレード50の係合突起部52が、案内溝33及び被係合案内溝43から奥側へ離脱する状態(係合が解除された状態)となり、ハンドル部材10による軸心を中心にした回動動作が回動操作伝達体部40に伝達されない接続が切れた状態になる。このようにハンドル部材10による回動動作が伝達されない状態は、ブレード50の係合突起部52が傾斜案内保持部35でロックされた際であって突出ハンドル部11がハンドル収納ケース20内に収納されている場合(図3参照)と、突出ハンドル部11が突出していない収納状態のハンドル部材10をさらに奥側へ押し込んだ場合に、生じることになる。
本発明に係る収納型ハンドル動作伝達機構によれば、突出ハンドル部11がハンドル収納ケース20内に収納されていて、ハンドル操作が想定されていない場合であって、ブレード50の係合突起部52と、案内溝33及び被係合案内溝43との係合が解除された状態では、回動動作の接続が完全に切断された状態となる。すなわち、突出ハンドル部11が収納されている際には、ブレード50と、インナーガイド30及び回動操作伝達体部40(アウターガイド41)との係合が解除されて、ハンドル部材10による回動動作が出力側へ確実に伝達され得ない状態となり、意図しない動作を確実に防止できる。
また、本発明に係る収納型ハンドル動作伝達機構によれば、ハンドル収納ケース20に対する突出ハンドル部11の突出操作と収納操作を、スラストロック機構を利用して、奥側(本形態例では下側)へ押し込む動作だけの簡単な操作で容易に行うことができる。さらに、スラストロック機構を利用した構造であるため、軸方向の長さを抑制する構成とすることができ、機構のコンパクト化を図ることができるという利点もある。
次に、本形態例の収納型ハンドル動作伝達機構による突出ハンドル部11の突出操作について説明する。図1、3〜7に示す状態は、突出ハンドル部11がハンドル収納ケース20内に収納されている状態であり、図3に示すように、ブレード50の係合突起部52が傾斜案内保持部35に受けられてロックされている。この状態から、ハンドル部材10をスプリング60の付勢力に抗して奥側の方向(本形態例では下方)へ押し込むと、軸方向突起部13によって係合突起部52が下方へ押されてインナーガイド30の傾斜案内保持部35によるロックが解除され、さらに軸方向突起部13が係合突起部52の受け斜面53を押すことで、斜面とスプリング60の付勢力との作用でブレード50が一方向(本形態例では時計回り方向)へ回動される。次に下方への押圧力を緩めると、スプリング60の付勢力によって傾斜案内保持部35の一方の案内傾斜面36aの作用によって係合突起部52が案内されてブレード50がさらに時計回り方向へ回動される。これによって、係合突起部52が案内溝33及び被係合案内溝43に案内され(図8、9参照)、スプリング60の付勢力によって、ブレード50を介してハンドル部材10を手前側の方向(本形態例では上方)へスライド移動・変位させることができ、図8に示すように、突出ハンドル部11を突出させることができる。このように、突出ハンドル部11が突出した場合は、前述のように、ハンドル部材10による回動動作が、回動操作伝達体部40を介して外部へ伝達される状態となる。
次に、本形態例の収納型ハンドル動作伝達機構による突出ハンドル部11の収納操作について説明する。図8に示す状態から、ハンドル部材10が収納されるように押し込むと、ブレード50の係合突起部52が、案内溝33及び被係合案内溝43から奥側(本形態例では下方)へ外れた位置まで押圧され、さらに軸方向突起部13が係合突起部52の受け斜面53を押すことで、斜面とスプリング60の付勢力との作用でブレード50が一方向(本形態例では時計回り方向)へ回動され、係合突起部52の受け斜面53が、他方の案内傾斜面36bによって受けられる状態となる。次に下方への押圧力を緩めると、スプリング60の付勢力によって傾斜案内保持部35の他方の案内傾斜面36bの作用によって係合突起部52が案内されてブレード50がさらに時計回り方向へ回動される。これによって、係合突起部52が傾斜案内保持部35の段部37にロックされることになり、突出ハンドル部11が収納された状態に保持される(図3参照)。この状態で、突出ハンドル部11は、重力によってハンドル収納ケース20内に収納された状態を維持することになる。このように、突出ハンドル部11が収納された場合は、前述のように、ハンドル部材10による回動動作が、回動操作伝達体部40へ伝達されない状態となる。
また、本形態例では、ハンドル収納ケース20が、筒状に設けられた筒状本体22を備え、その筒状本体22の手前端側に、設置場所に固定される部位である外周フランジ部23を備えると共に、収納されたインナーガイド30の手前面(上面部31)の外周鍔部31bに上側から当接して保持できるように形成された内周フランジ部24を備えるボックス部21と、そのボックス部21の奥側に蓋をするように固定され、回動操作伝達体部40の底状部45に当接して保持すると共に回動動作の出力を取り出すための出力用の開口孔26が形成されている底蓋25とを構成要素とするように設けられている。また、本形態例では、出力用の開口孔26(図2参照)が中央部に設けられ、回動動作が外部奥側へ出力される構成になっている。なお、本形態例では、ボックス部21の筒状本体22の奥端部に、底蓋25が螺子によって固定される構造になっているが、本発明はこれに限定されることはなく他の方法によって固定されても良いのは勿論である。
これによれば、ハンドル収納ケース20を、床(図13参照)などの設置場所に適切に固定することができる無駄のない合理的な形態とすることができると共に、組み立て易い構成とすることができる。従って、生産性を向上でき、生産コストを低減できる。本形態例のハンドル収納ケース20では、図13に示すように、床板70に設けられた被設置孔71に筒状本体22の部位を嵌め入れ、その被設置孔の周縁となっている床板上面72に載った状態に位置する外周フランジ部23に設けられた複数のビス孔23aを用い、ビス止めによって床に固定することができる。
また、本形態例では、回動操作伝達体部40が、被係合案内溝43と誘導傾斜面44が形成された筒状部42として設けられたアウターガイド41(図12参照)と、そのアウターガイド41とは別体に設けられて奥側に出力軸47(図1、13参照)が突起した形態に形成された底状部45とによって構成され、そのアウターガイド41とその底状部45とが軸心を中心に一体的に回動可能に係合されて設けられている。なお、本形態例のアウターガイド41と底状部45との係合関係は、アウターガイド41の奥端面円周縁部に円周等分(本形態例では4等分)位置で奥側へ突起して設けられた複数の奥端面突起部42a(図12など参照)が、底状部45の円周縁部に円周等分(本形態例では4等分)位置で径方向内側へ切欠かれた複数の円周凹部45a(図2、3など参照)に嵌ることで、両者が共に軸心を中心に回動可能に一体化されて回動操作伝達体部40を構成する接続結合形態になっている。また、この本形態例の出力軸47は、底状部45の中央部から奥側へ突起し、底蓋25の出力用の開口孔26に軸受けされる状態に挿通され、その先端部が奥側外部へ突出して回動動作を外部へ出力できるように設けられている。
これによれば、回動操作伝達体部40を、ハンドル収納ケース20内に適切に配することができる無駄のない合理的な形態とすることができると共に、組み立て易い構成とすることができる。従って、生産性を向上でき、生産コストを低減できる。なお、本発明に係るアウターガイド41と底状部45との係合関係は、本形態例に限定されるものではなく、両者が一体的になって軸心を中心に回動できる構造であれば、周知の固定方法、連結方法や接続方法を適宜選択的に採用できるのは勿論である。
図13は、以上の構成を備える収納型ハンドル動作伝達機構を備える水栓の開閉器であって、回動操作伝達体部40の出力軸47が、回動によって開閉がなされる水栓80の操作軸81に、伝達軸部材85を介して、連結されている形態例を示している。本形態例の伝達軸部材85は、ユニバーサルジョイント85aが設けられた一端側が出力軸47に連結され、軸継手85bが設けられた他端側が操作軸81に連結されている。これによれば、ハンドル部材10を適切に収納できる水栓の開閉器を合理的に構成することができる。
なお、本形態例は、床に埋め込むタイプを想定した収納型ハンドル動作伝達機構であって、突出ハンドル部11が上下に出入することで突出され収納されるタイプの例を示してある。しかしながら、本発明はこれに限定されることはなく、突出ハンドル部11の出入方向が他の方向である場合でも方向性に関係なく、本発明に係る収納型ハンドル動作伝達機構は適切に作動できるものであり、水栓の回動動作による開閉機構を構成するものとして用いられるだけでなく、他の分野の回動動作を伝達する機構として用いることができるのは勿論である。
また、この本形態例の水栓の開閉器に係る収納型ハンドル動作伝達機構では、図13に示すように、床の下方に設置された水栓80を開閉するように、ハンドル収納ケース20を床に埋め込み状態に固定することで設置することができる。これによれば、床上から、不凍水栓のように地中90に設置されている水栓など、床下に設置されている水栓の開閉を適切且つ容易に行うことができる。
以上、本発明につき好適な形態例を挙げて種々説明してきたが、本発明は以上の形態例に限定されるものではなく、発明の精神を逸脱しない範囲内で多くの改変を施し得るのは勿論のことである。
10 ハンドル部材
11 突出ハンドル部
12 外周突起部
13 軸方向突起部
14 円形状のベース部
15 円形凹部
20 ハンドル収納ケース
21 ボックス部
22 筒状本体
23 外周フランジ部
23a ビス孔
24 内周フランジ部
25 底蓋
26 出力用の開口孔
30 インナーガイド
31 上面部
31a 手前開口
31b 外周鍔部
33 案内溝
35 傾斜案内保持部
36 二段の案内傾斜面
36a 一方の案内傾斜面
36b 他方の案内傾斜面
37 段部
40 回動操作伝達体部
41 アウターガイド
42 筒状部
42a 奥端面突起部
43 被係合案内溝
44 誘導傾斜面
45 底状部
45a 円周凹部
46 内底面
46a 円形の凸部
47 出力軸
50 ブレード
51 円形状の基体部
52 係合突起部
53 受け斜面
54 奥側の面
54a 円形の凹部
60 スプリング
70 床板
71 被設置孔
72 床板上面
80 水栓
81 操作軸
85 伝達軸部材
85a ユニバーサルジョイント
85b 軸継手
90 地中
11 突出ハンドル部
12 外周突起部
13 軸方向突起部
14 円形状のベース部
15 円形凹部
20 ハンドル収納ケース
21 ボックス部
22 筒状本体
23 外周フランジ部
23a ビス孔
24 内周フランジ部
25 底蓋
26 出力用の開口孔
30 インナーガイド
31 上面部
31a 手前開口
31b 外周鍔部
33 案内溝
35 傾斜案内保持部
36 二段の案内傾斜面
36a 一方の案内傾斜面
36b 他方の案内傾斜面
37 段部
40 回動操作伝達体部
41 アウターガイド
42 筒状部
42a 奥端面突起部
43 被係合案内溝
44 誘導傾斜面
45 底状部
45a 円周凹部
46 内底面
46a 円形の凸部
47 出力軸
50 ブレード
51 円形状の基体部
52 係合突起部
53 受け斜面
54 奥側の面
54a 円形の凹部
60 スプリング
70 床板
71 被設置孔
72 床板上面
80 水栓
81 操作軸
85 伝達軸部材
85a ユニバーサルジョイント
85b 軸継手
90 地中
Claims (5)
- ハンドル操作ができるように、収納された状態からスラストロック機構の動作によって一部が突出された状態に変位できるハンドル部材と、
設置場所に固定される部位が設けられ、前記ハンドル部材の一部を突出可能に収納できる内部スペースを備えるハンドル収納ケースと、
該ハンドル収納ケースに、軸心を中心に回動可能に収納される部材として設けられ、軸方向に溝状に延びて奥側に開いた案内溝と、奥端面に二段の案内傾斜面が設けられると共に該二段の案内傾斜面によって形成される段部がスラストロック機構のロック部として機能する傾斜案内保持部とが、円筒状形における円周等分位置に複数が交互に設けられていることで形成されているインナーガイドと、
該インナーガイドの前記案内溝と前記傾斜案内保持部とが内側に位置するように有底筒状に構成され、前記ハンドル収納ケースに軸心を中心に回動可能に収納される形態に設けられ、筒状部に、軸方向に溝状に伸びて奥側に開いた被係合案内溝と、該被係合案内溝に連続するように奥側で傾斜している誘導傾斜面とが、円筒状形の円周等分位置に複数が交互に設けられ、底状部が、軸心を中心に回動可能に前記筒状部と一体的になる構成として設けられると共に回動動作を奥側へ出力する部位として設けられている回動操作伝達体部とを備え、
前記ハンドル部材が、前記インナーガイドの内側に収納されて該インナーガイドに設けられた手前開口から手前側へ突出される突出ハンドル部と、該突出ハンドル部よりも奥側に設けられた円形状のベース部に形成され、前記インナーガイドの前記案内溝に嵌って軸方向の移動が案内されるように外周の円周等分位置に径方向へ突起して設けられた複数の外周突起部と、奥端面の外周部の円周等分位置に軸方向の奥側へ突起して形成された複数の軸方向突起部とを備え、
前記ハンドル部材の奥側に軸心を中心に回動可能に配され、前記ハンドル部材の前記軸方向突起部を受けるように当接する受け斜面を形成する部位であって、前記インナーガイドに対しては、前記ハンドル部材による回動動作が前記回動操作伝達体部へ伝達される際には前記案内溝に嵌って軸方向の移動が案内されて係合される部位であると共に、前記ハンドル部材による回動動作が前記回動操作伝達体部へ伝達されない際には前記傾斜案内保持部に受けられて奥側にロックされる部位であって、前記回動操作伝達体部に対しては、内包されるように配され、前記ハンドル部材による回動動作が該回動操作伝達体部へ伝達される際には前記誘導傾斜面に案内されて前記被係合案内溝に嵌ることで係合される部位となるように、円形状の基体部の外周における円周等分位置に径方向外側へ突起した形状に設けられた複数の係合突起部を備えるブレードと、
該ブレードの奥側の面と、前記回動操作伝達体部の内底面との間に配され、前記ブレードを介して前記ハンドル部材を奥から手前方向へ付勢する付勢力を生じさせる弾性手段であって、該付勢力によって前記ブレードの前記係合突起部が前記案内溝及び前記被係合案内溝に係合・案内されて該ブレードを介して前記突出ハンドル部を手前に突出させた場合には、前記ハンドル部材による軸心を中心にした回動動作が前記回動操作伝達体部を介して外部へ出力されるように係合状態を保持させるスプリングとを備えることを特徴とする収納型ハンドル動作伝達機構。 - 前記ハンドル収納ケースが、筒状に設けられた筒状本体を備え、該筒状本体の手前端側に、設置場所に固定される部位である外周フランジ部を備えると共に、収納された前記インナーガイドの手前面の外周鍔部に当接して保持できるように形成された内周フランジ部を備えるボックス部と、該ボックス部の奥側に固定され、前記回動操作伝達体部の底状部に当接して保持すると共に回動動作の出力を取り出すための出力用の開口孔が形成されている底蓋とを構成要素とすることを特徴とする請求項1記載の収納型ハンドル動作伝達機構。
- 前記回動操作伝達体部が、前記被係合案内溝と前記誘導傾斜面が形成された前記筒状部として設けられたアウターガイドと、該アウターガイドとは別体に設けられて奥側に出力軸が突起した形態に形成された前記底状部とによって構成され、該アウターガイドと該底状部とが軸心を中心に一体的に回動可能に係合されて設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載の収納型ハンドル動作伝達機構。
- 請求項3に記載の収納型ハンドル動作伝達機構を備える水栓の開閉器であって、
前記回動操作伝達体部の前記出力軸が、回動によって開閉がなされる水栓の操作軸と連結されていることを特徴とする水栓の開閉器。 - 床の下方に設置された水栓を開閉するように、前記ハンドル収納ケースが床に埋め込み状態に設置されることを特徴とする請求項4記載の水栓の開閉器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017166524A JP2019044814A (ja) | 2017-08-31 | 2017-08-31 | 収納型ハンドル動作伝達機構及び水栓の開閉器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017166524A JP2019044814A (ja) | 2017-08-31 | 2017-08-31 | 収納型ハンドル動作伝達機構及び水栓の開閉器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2019044814A true JP2019044814A (ja) | 2019-03-22 |
Family
ID=65813972
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2017166524A Pending JP2019044814A (ja) | 2017-08-31 | 2017-08-31 | 収納型ハンドル動作伝達機構及び水栓の開閉器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2019044814A (ja) |
-
2017
- 2017-08-31 JP JP2017166524A patent/JP2019044814A/ja active Pending
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