JP2019044530A - 気体流通連結部材及びそれを用いる防水工法 - Google Patents

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Abstract

【課題】シートを敷設した際に、隣接するシート間の継ぎ目部分の気体の流通性を確保して下地コンクリートから放出される気体による障害をなくした防水工法の提供。【解決手段】下地コンクリート11の上に、通気性を有するシートを、間隔部分61を設けて敷設し、該間隔部分61にシート接合材62を注入する防水工法であって、該シートの端部の下であって該下地コンクリート11の上に、「該間隔部分61より長いシート横断方向の長さを有し、下から順に下記(1)〜(3)を有する気体流通連結部材71」を設けておく防水工法、及び、該防水工法に使用されて、隣接するシート同士の間の気体の流通を確保するために用いられる気体流通連結部材。(1)気体流通連結部材用粘着層73(2)気体流通連結部材用通気基材層72(3)シート横断方向の長さが該間隔部分61の長さ以上である接合材遮蔽フィルム74【選択図】図6

Description

本発明はコンクリートから発生する水蒸気等の気体による防水層の障害を回避する防水工法に関し、更に詳しくは、防水下層シート等のシートの接合部分の気体の流通を確保し、該気体を横方向に好適に逃すことができる防水工法、及び、該防水工法に用いる部材に関するものである。
屋上等の防水工法には、塗膜防水工法、シート防水工法、アスファルト防水工法等がある。そして、何れの防水工法も、例えば夏場等に下地からの「水蒸気等の気体」によって防水層に膨れが生じないような工夫がなされている。
塗膜防水工法においては、例えば特許文献1〜4のように、防水層の下に通気緩衝シートを設け、下地からの気体を、通気緩衝シートを横方向(下地と防水層に平行に)に通気させ、屋上等の上に設けられた脱気筒から外気に逃がしている。
通気緩衝シートの面積は、取り扱いの容易さ等の点で、通常は屋上等の防水対象の面積より小さいので、複数の通気緩衝シートを並べて使用するが、その際、隣同士の通気緩衝シート間でも気体の流通が必要となる。
そこで、それを確保するために、隣同士の通気緩衝シートを突き合わせ、生じた接合部分や隙間部分の上に、接合部分や間隔部分(隙間部分)に防水塗料が入り込まないように、すなわち、防水塗料が下に通過しないように通液性のないジョイントテープを貼り付け、その上から、防水塗料を塗布して防水層を形成していた。
塗膜防水工法では、一般には屋上等の防水現場で防水塗料を塗布するので、貫通するピンホールの発生を防止するため、防水層を2層以上設けることが、防水性確保の点からも、防水に関する規定上からも必要である。
一般的な塗膜防水工法では、上記した「接合部分や間隔部分(隙間部分)」であっても、ジョイントテープの上から、その他の平面部分と一体で防水層を2層以上設ければ、防水性を確保でき規定も満たす。
一方、防水現場で防水塗料を2回以上塗布することは、塗膜の硬化に時間がかかり、コストも上昇することから、1層目(防水下層)を工場等で塗布したシートを用い、防水現場では2層目以降を塗布する方法が知られている。
例えば、特許文献5には、1層目(防水下層)として、塗膜防水層が予め形成された防水下層構造体(防水下層シート)を防水対象となる下地の上に敷き詰め、その上から防水塗料を塗布して塗膜防水上層を設ける方法が記載されている。こうすれば、防水現場では、1回の防水塗料の塗布ですむ。
しかしながら、防水下層構造体(防水下層シート)の面積も、取り扱いの容易さ等の点で、通常は屋上等の防水対象の面積より小さいので、複数の構造体(シート)を並べて使用する必要があり、上記した通気緩衝シートと同様に「接合部分や間隔部分(隙間部分)」が生じる。この上にジョイントテープを貼り付けて、防水現場で1回の防水塗料の塗布を行うと、該「接合部分や間隔部分(隙間部分)」の上は、構造上(形態上)、防水塗膜は1層のみになり、実際的にも防水性を確保できず、「2層の防水層」と言う規定も満たさない。
特許文献5では、該「接合部分や間隔部分(隙間部分)」に、塗膜防水材(防水塗料)又はシーラントを隙間の上まで完全に注入し、その上から屋上全域にわたり、塗膜防水層(塗膜防水上層)を現場でシームレスに設けることによって、該間隔部分も、その他の平面部分と一体となって、防水層が2層設けてあることになり、実際に防水性を確保でき規定も満たす。
しかしながら、この方法では、シートの間隔部分は、塗膜防水材(防水塗料)又はシーラントで埋まっているので通気性はなく、隣接する防水下層構造体(防水下層シート)同士の間では、気体の流通が確保できない。
このように、塗膜防水工法において、第1層(下層)を工場等で形成させた防水下層構造体(防水下層シート)を用いようとすると、その接合部分での、「防水性確保や2層防水層と言う規定」と、「気体の横方向の流通、防水層の膨れ防止」とは、両立ができていなかった。
なお、前記したシート防水工法では、熱可塑性の塩化ビニルシートを、現場で下地に打ち付けたアンカーボルト上にマイクロ波照射で熱融着させ、融着部以外を気体流通経路とし、接合部分は重ね合わせて接合させて防水性を確保し、重ね合わせ部分の下の気体流通も確保している。しかしながら、シート防水工法は、塗膜防水工法に比べて欠点もある。
そこで、「下地コンクリートからの水蒸気等の気体の圧力を接合部分で好適に相互流通させ、横方向に好適に脱気筒まで導き、防水塗膜の局所的な浮き上がりを防止する」と共に、「接合部分での防水性確保と全域2層塗布規定の遵守」との両立が図られた塗膜防水工法が望まれていた。
特開2004−036324号公報 特開2009−215732号公報 特開2010−248757号公報 特開2011−057807号公報 特開2013−019231号公報
本発明は上記背景技術に鑑みてなされたものであり、その課題は、下地コンクリート等から放出される水蒸気等の気体による障害が少ない防水工法の提供にある。また、該防水工法に用いられる部材、該防水工法で得られる防水全層を提供することにある。
本発明者は、上記の課題を解決すべく検討を重ねた結果、特定の形態を有する気体流通連結部材を、隣接するシートの継ぎ目部分において該シートの下に設けておくことによって、隣接するシート間の気体の流通性を確保して、下地コンクリート等から放出される気体による防水層の膨れ等を好適に回避できることを見出して本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下地コンクリートの上に、「少なくともシート面に平行方向」に通気性を有するシートを、隣接するシートの間に間隔部分を設けて敷設し、該間隔部分にシート接合材を注入する防水工法であって、
該シート接合材を注入する前に、「該シートの長手方向の端部及び/又は短手方向の端部の下」であって該下地コンクリートの上に、「該間隔部分より長いシート横断方向の長さを有し、下から順に下記(1)ないし(3)を有する気体流通連結部材」を設けておくことを特徴とする防水工法を提供するものである。
(1)気体流通連結部材を該下地コンクリートの上に粘着させる気体流通連結部材用粘着層
(2)気体流通連結部材用通気基材層
(3)気体流通連結部材のシート横断方向の略中央部分に設けられ、シート横断方向の長さが該間隔部分の長さ以上であるシート接合材遮蔽フィルム
また、本発明は、上記の防水工法に使用されて、隣接するシート同士の間の気体の流通を確保するために用いられるものであることを特徴とする気体流通連結部材を提供するものである。
また、本発明は、上記の防水工法を使用して得られ、防水下層シートの防水下層と、1層又は2層以上の塗膜防水上層とからなるものである防水全層を提供するものである。
本発明によれば、前記問題点や課題を解決し、夏場等に下地コンクリートから放出される水蒸気等の気体の水平方向の流通を確保し好適に大気中に逃し、防水層に局所的に発生する浮き上がり(剥離、膨れ等)を防止できる。
すなわち、塗膜防水工法において、隣接するシートの接合部分の防水性確保と「2層の防水層が必要」と言う規定とを満たすように隣接するシート同士をシート接合材で十分に接合したとしても、気体流通連結部材を用いることによって、シート間の気体の流通を確保できるので、防水層に浮き上がり(剥離、膨れ等)を生じなくすることができる。
屋上等の塗膜防水工法は、2層以上の防水層が必須のため、防水シート間にシート接合材を注入し該シート接合材部分も第1層とカウントする必要がある。しかし、シート接合材を注入すると、防水シート間の気体の流通が確保できないことが主要因で、従来は、通気緩衝シートを用いる「現場で2層塗布をする塗膜防水工法」が主流であった。本発明は、防水下層シート間の気体の流通を確保できるため、本発明を屋上等の塗膜防水工法の主流にできる可能性を与える。
本発明は、塗膜防水工法において、「下地コンクリートから発生する水蒸気等の気体をシートの接合部分で好適に相互流通させ、シートを跨いで横方向に好適に目地又は脱気筒まで導き、防水塗膜の局所的な浮き上がりを防止する」と言う(性能)条件と、「シートの接合部分でも十分な防水性を確保して、かつ『防水層(屋上等の防水対象)全体に防水層が少なくとも2層塗布されている』と言う規定の遵守」と言う条件との両立が可能である。
防水下層シートの接合部分の概略拡大平面図であり、防水下層シートが有する通気路が気体流通連結部材の上に位置している態様の例を示す。 塗膜防水工法に用いられる防水下層シートを敷設したときの好ましい形態とその上の塗膜防水上層を示す概略断面図である(図8のJ−J’矢視断面図)。 気体流通連結部材の形態の一例を示す概略図である。 (a)気体流通連結部材の層構成を示す断面図 (b)気体流通連結部材の平面図 気体流通連結部材の使用場所の一例を示す概略平面図である(図8を90°回転させ、接合部分を拡大した平面図)。 隣接する防水下層シートを、気体流通連結部材を用いずに接合する形態と、気体流通連結部材が存在しない部分の接合形態の一例を示す概略断面図である(図8におけるK−K’又はL−L’矢視断面図)。 (a)防水下層シートを敷設した後の形態 (b)補強クロスを付した後の形態 (c)間隔部分にシート接合材を注入した後の形態 (d)防水下層シートの上に塗膜防水上層を形成させた後の形態 隣接する防水下層シートを、気体流通連結部材を用いて接合する形態を示す概略断面図である(図8におけるK−K’又はL−L’矢視断面図)。 (a)防水下層シートを、気体流通連結部材を介して敷設した後の形態 (b)間隔部分に補強クロスを付した後の形態 (c)シート接合材を注入した後の形態 (d)防水下層シートの上に塗膜防水上層を形成させた後の形態 目地の態様の一例を示す概略斜視図である。 防水下層シートの使用形態の一例を示し、気体流通連結部材を通して気体が隣接する防水下層シート間を流通する態様の一例を示す平面図である。 気体流通連結部材を通じて隣接するシート間を気体が流通する態様を示す概略断面図である(図8におけるK−K’又はL−L’矢視断面図、図1(b)におけるP−P’矢視断面図)。
以下、本発明について説明するが、本発明は、以下の具体的形態に限定されるものではなく、技術的思想の範囲内で任意に変形することができる。
本発明の防水工法は、下地コンクリートの上に、「少なくともシート面に平行方向」に通気性を有するシートを、隣接するシートの間に間隔部分を設けて敷設し、該間隔部分にシート接合材を注入する防水工法であって、
該シート接合材を注入する前に、「該シートの長手方向の端部及び/又は短手方向の端部の下」であって該下地コンクリートの上に、気体流通連結部材を設けておくことを特徴とする。
そして、該気体流通連結部材は、該間隔部分より長いシート横断方向の長さを有しており、下から順に、
(1)気体流通連結部材用粘着層、
(2)気体流通連結部材用通気基材層、
(3)接合材遮蔽フィルムを有する気体流通連結部材、
を有している。
<防水工法の対象等>
図7に、下地コンクリート11と目地12の配置の一例を示す。通常は、3m間隔に約20mm〜約30mm幅の目地12が設けられ、温度上昇・下降によるコンクリートの膨張・収縮を吸収して、下地コンクリート11にクラックが発生することを抑制している。
<防水工法に用いられるシート>
図7に防水対象面の代表的な一例を示す。下地コンクリート(押えコンクリート)の間には、目地が一定間隔で設けられている。
気体流通連結部材71を用いることによって、防水工法に用いられるシート間の継ぎ目部分の気体の流通性を確保して、該気体をシート面に平行方向に、隣接するシート間を横断して通過させ易くできる。本発明で「シート」とは、少なくともシート面に平行方向に通気性を有し、防水性能を有するものを言う。該「シート」としては、塗膜防水工法における防水下層シート41等が、本発明のシート間の気体流通の効果を生かすために好ましい。
<防水下層シート>
本発明における防水下層シート41は、敷設する場合の下から上に向かって、少なくとも、防水下層シート41の下面に部分的に設けられた粘着層45と、通気性を有する通気基材層44と、防水下層42とを有するものであり、好ましくは、通気路47、粘着層45、通気基材層44及び防水下層42を有するものである。
防水下層シート41は、塗膜防水工法において、第1層(下層)の塗膜防水層が、通気基材層44の上に予め形成されたものである。
塗膜防水工法においては、防水層は、貫通孔防止のために2層以上設けることが必要であるが、防水下層シート41の防水下層42は、該2層の最下層の役目をする。防水下層42は、施工現場ではなく製造工場で塗布されるので孔がなく、たとえ1層でも貫通孔の防止にはなる。該防水下層42は、塗膜防水工法における第1層すなわち下層と見なされるに十分な防水性を有しているものである。
<<防水下層シートの粘着層と通気路>>
防水下層シート41の通気路47としては、粘着層45を設けないことで(粘着層45を部分的に設けることで)通気性を確保するようなものが簡便であるために好ましい。
言い換えれば、通気基材層44の下面の全面に粘着層45を設けず、すなわち該粘着層45が通気基材層44の表面に部分的に存在することで、下地コンクリート11と通気基材層44との間に通気路47が形成されるようになっているものが好ましい。
図2では、粘着層45の設けられていない部分が通気路47となっている。該通気路47内には、不織布等の通気性のものがあってもよい。下地から放出された気体は、通気路47から通気基材層44に取り込まれ、そこをシート面に平行方向(横に)移動する。
粘着層45が幅方向に間隔をおいて帯状に形成され、帯と帯との間が通気路47となっていてもよく(図2)、粘着層45が入り組んで配置されていて、「粘着層45がない部分」が通気路47となっていてもよい(図示せず)。
粘着層45の幅は、帯状の場合に換算して、8mm〜80mmが好ましく、15mm〜40mmが特に好ましい。通気路47が帯状である場合、該通気路47の幅は、1mm〜30mmが好ましく、4mm〜10mmが特に好ましい。通気路47のピッチ(平均周期)は、14mm〜80mmが好ましく、20mm〜45mmが特に好ましい。
<<防水下層シートの通気基材層>>
通気基材層44は、製造時には、その表面に防水下層42や粘着層45を塗布や転写等で形成するための基材でもあるが、使用時には、コンクリート等から発生する気体を横方向に通気させる機能を有する。
通気基材層44の目付量は、300g/m以下が好ましく、150g/m以下が特に好ましく、50g/m以上が好ましく、70g/m以上が特に好ましい。通気基材層の厚さは、0.4mm〜1.5mmが好ましく、0.6mm〜1mmが特に好ましい。
<<防水下層シートの防水下層>>
防水下層シート41の防水下層42は、塗膜防水上層51と共に「2層以上からなる防水全層52」を形成し(図2参照)、防水性を向上させる。防水下層シート41は工場内で製造されピンホールがないので、塗膜防水上層51と組み合わせることで、規定的にも実質的にも防水性を向上させる。すなわち、第1層(下層)の塗膜防水層は、工場内で塗布され一定の膜厚が管理されているため、現場では第2層(上層)の厚み管理だけで済む。このことによりトータルの膜厚管理が行い易くなる。
シート防水工法では、隣接する防水下層シート41間の継ぎ目部分で気体の流通が途切れ易いが、本発明の気体流通連結部材71によって解決できる。
防水下層42の厚さは、0.1mm以上5mm以下が好ましく、0.3mm以上3mm以下がより好ましく、0.7mm以上2mm以下が特に好ましい。薄過ぎると防水性能に劣る場合があり、厚過ぎると敷設がし難くなったり、無駄になったりする場合がある。
防水下層シート41は、使用前は粘着層に離型紙又は樹脂製の離型フィルムを積層しておき、施工現場において、それを剥離して敷設することが好ましい。
<<防水下層シートの大きさ等>>
図7に示した通り、押さえコンクリートは、縦横3mの正方形が汎用であり、並行して存在する目地間の長さは通常は3mであるので、防水下層シート41の長手方向の長さは、3m以上が好ましく、5m以上がより好ましく、9m以上が特に好ましい。また、30m以下が好ましく、20m以下がより好ましく、15m以下が特に好ましい。
防水下層シート41の端部は、製造の容易さ等から上から下まで垂直に切らざるを得ず(図5)、間隔部分61での通気性と防水性の両立が難しいため、通気性を犠牲にして防水性を確保せざるを得なかった。
本発明の気体流通連結部材71を、防水下層シート41の幅方向の端部(短手方向の端部)に用いれば、シート接合材を注入しても、長手方向に隣接するシート間(図8における縦の太線部分)の気体の流通性が確保される。
防水下層シート41の幅方向(短手方向)の長さは、特に限定はないが、0.3m以上1.6m以下が好ましく、0.5m以上1.4m以下がより好ましく、0.8m以上1.2m以下が特に好ましい。幅が狭過ぎると多くのシートの敷設に手間がかかる場合があり、幅が広過ぎると敷設が難しくなり、保管、移送、取り扱いが大変になる場合がある。
図7に示した通り、下地(押さえ)コンクリートは、縦横3mの正方形が汎用であり、並行して存在する目地間の間隔(長さ)は通常は3mである。
防水下層シート41の幅方向(短手方向)の長さは、上記した上限以下が好ましいが、そうすると、防水下層シート41の幅方向(短手方向)においては、1本の目地12をも跨がない(幅方向に関しては目地の上に敷設されない)場合が殆どである。
本発明の気体流通連結部材71を、防水下層シート41の長手方向の端部に用いれば、幅方向に隣接するシート間(図8における横線部分)の気体の流通性が確保される。従って、本発明によれば、隣接して走っているシート間の気体の流通が確保される。
シートの短手方向(幅方向)の長さは、取り扱い易さの点から、通常は2本の目地の間隔(例えば3m)未満にする場合が多いので、本発明の気体流通連結部材71は、特にシートの長手方向の縁に使用すると、気体の流通確保に好適である(図8参照)。すなわち、図4の2個あるうちの下側の気体流通連結部材71のように用いると特に好適である。
<シートの端部の接合>
図5に、気体流通連結部材71がない部分における、シートの短手方向(幅方向)の接合(図8におけるK−K’矢視切断部端面図)や、シートの長手方向の接合(図8におけるL−L’矢視切断部端面図)の好ましい形態を示す。殆どの間隔部分61(接合部分)では、通気性より防水性を確保せざるを得ないが、図1、図4に示したように、シートの間隔部分61の一部に気体流通連結部材71を用いることによって、隣接するシート間の通気性を確保できる(図6、図9)。
上記間隔部分61の幅は、特に限定はないが、1mm以上20mm以下であることが好ましく、1.5mm以上10mm以下であることがより好ましく、3mm以上5mm以下であることが特に好ましい。
図5(a)に示したように、要すれば離型紙等を剥がし、シート41とその隣に敷設されるシートとを、間隔部分61を設けて断面同士を並べる。粘着層45を利用して、シート41を下地コンクリート11に密着させる。
次いで、図5(b)に示したように、補強クロス63を貼って、図5(c)に示したように、該間隔部分61にシート接合材62を注入して「敷設されたシート41」同士を接合させ、機械的接合強度を与えると共に、接合部分に防水性を与える。
補強クロス63は、少なくとも片面に粘着性があってシート同士を仮につなぎ止められるようになっていると共に、通液性があってシート接合材62や防水塗料が下に通過・侵入し、シート同士を固定し接合部分に防水性を持たせられるようになっている。
補強クロス63は、上記性能を満たすように網目状になっていることが好ましい。シート接合材62で埋まった間隔部分61は防水層(塗膜防水下層)と見なされる。また、補強クロス63に防水塗料が侵入すれば、補強クロス63部分も、防水下層42と塗膜防水上層51の2層の防水層が一体となって存在することになる。
<気体流通連結部材とその使用態様>
本発明では、気体流通連結部材71が必須である。該気体流通連結部材71の好ましい形状は、図3に示すように、下から順に下記(1)(2)(3)を有する。
(1)気体流通連結部材71を該下地コンクリート11の上に粘着させる気体流通連結部材用粘着層73
(2)気体流通連結部材用通気基材層72
(3)気体流通連結部材71のシート横断方向Dの略中央部分に設けられ、シート横断方向Dの長さが該間隔部分61の長さ以上である接合材遮蔽フィルム74
図3(a)は、気体流通連結部材71の層構成を示す断面図であり、図3(a)の上側が実際に使用するときの上側であり、シートの粘着層45に対して下から貼り付く側である。図3(b)は、気体流通連結部材71を上から見た時の平面図である。
気体流通連結部材71は、図3(a)に示したように、気体流通連結部材用通気基材層72の下に気体流通連結部材用粘着層73があり、該粘着層73によって下地コンクリート11の上に貼り付ける。該粘着層73を保護するために、離型シートが付され(図示せず)、使用時にはそれを剥離するようになっていることが好ましい。
気体流通連結部材71の形状は、特に限定はないが長方形であることが好ましく、シート横断方向Dの長さは、5cm以上30cm以下が好ましく、6cm以上25cm以下がより好ましく、8cm以上20cm以下が特に好ましい。また、「シート横断方向Dに対して垂直方向」の長さは、3cm以上20cm以下が好ましく、4cm以上15cm以下がより好ましく、5cm以上10cm以下が特に好ましい。形状が長方形でなく例えば楕円形等であり、縦と横が定義できないときは、その大きさは上記範囲に準ずる。
気体流通連結部材71が小さ過ぎると、通気路47、通気基材層44と言った通気性を有する部分同士が十分な体積を持って結合できず、その結果、並列するシート同士間での気体流通が悪くなる場合がある。
また、シート41の通気路47のピッチ(平均周期)の方が大きくなり、気体流通連結部材71が通気路47の下に位置しないケースが生じる場合がある。すなわち、気体流通連結部材71が通気路47から、下に向けて気体を取り込みたくても、通気路47の下に気体流通連結部材71が存在しないので、それができない場合がある。また、通気路47が気体流通連結部材71から、上に向けて気体を取り込みたくても、通気路47の下に気体流通連結部材71が存在しないので、それができない場合がある。
図1に、気体流通連結部材71の大きさと、シートの通気路47のピッチとの好ましい態様の例を示す。図1(a)は、シートの通気路47が間隔部分61に垂直になるように接合した場合であり、図1(b)は、シートの通気路47が間隔部分61に平行になるように接合した場合である。通気路47はシートの長手方向に平行に設けてあることが多いので、その場合には、図1(a)は、シートの短手方向(幅方向)の接合を示し、図1(b)は長手方向の接合を示す。
図1(a)の右側では、気体流通連結部材71の上に、シートの通気路47が2本接しており、左側では、シートの通気路47が1本接しており、図1(b)の右側では、気体流通連結部材71の上に、シートの通気路47が2本接しており、左側では、シートの通気路47が1本接している。
図9において、通気基材層44を、例えば右から左に通って来た気体は、その下に設置された気体流通連結部材71に流れ込む。次いで、気体流通連結部材71を右から左に横断した気体は、その上に設置された通気基材層44に流れ込む。そうすることで、気体流通連結部材71を介して、右のシートから左のシートに気体が流通する。
図6は、気体流通連結部材71を用いた、隣接する防水下層シート41同士の接合の一例を示す概略断面図である。すなわち、気体流通連結部材71によって、隣接する通気基材層44同士が気体の流通の点で連結する。
例えば図6においては、間隔部分61の右側は2本の通気路47から気体流通連結部材71に気体を取り込めており、左側は1本の通気路47から気体を取り込めている。その結果、左右の通気基材層44同士で気体が流通する。
気体流通連結部材用通気基材層72の目付量は、40g/m〜400g/mが好ましく、60g/m〜200g/mがより好ましく、80g/m〜100g/mが特に好ましい。目付量をこの範囲にすることによって、十分な通気性(気体流通性)、強度、防水塗膜上の膨らみの軽減等が好適に達成される。
気体流通連結部材用通気基材層72の上には、シート接合材62が気体流通連結部材用通気基材層72に浸み込んでその通気性を阻害しないように、気体流通連結部材71の略中央部分に、気体流通連結部材71を横断するように、シート接合材遮蔽フィルム74が付されていることが必須である(図3(b))。
シート接合材遮蔽フィルム74は、気体流通連結部材71のシート横断方向Dの略中央部分に設けられ、シート横断方向Dの長さは、間隔部分61の長さ以上である。
ここで、「シート横断方向D」とは、隣接する2枚のシートを横断する方向、すなわちシートの縁に垂直の方向である。言い換えると、隣接する2枚のシートの連結方向であり、図3の場合は、横方向がシート横断方向Dである。
シート接合材遮蔽フィルム74の形状は、限定はないが長方形が好ましい。その大きさは、シート横断方向Dに垂直の方向(図3(b)では縦方向)は、気体流通連結部材71のシート横断方向Dの垂直方向の長さに等しいことが好ましく、シート横断方向D(図3(b)では横方向)は、上記間隔部分61より長ければよいが、具体的には、1cm以上10cm以下が好ましく、2cm以上8cm以下がより好ましく、3cm以上6cm以下が特に好ましい。
また、シート接合材遮蔽フィルム74のシート横断方向D(図3(b)では横方向)の長さは、それに垂直方向(図3(b)では横方向)の長さの1/4〜3/4が好ましく、1/3〜2/3が特に好ましい。図3(b)では、該長さの割合は1/3となっている。
シート横断方向Dの長さが短過ぎると(幅が狭過ぎると)、シート接合材62が、気体流通連結部材用通気基材層72に浸み込む場合があり、一方、長過ぎると(幅が太過ぎると)、気体流通連結部材用通気基材層72の露出部分の面積が減り、前記した気体流通連結部材71が小さ過ぎる場合と同様のことが起こり、気体をシートから下に取り込み難くなる場合がある。
気体流通連結部材71の気体流通連結部材用粘着層73の厚さや材質は、前記した防水下層シート41の粘着層45の材質や厚さと同様である。
また、気体流通連結部材71の気体流通連結部材用通気基材層72の材質、厚さ、目付量等は、防水下層シート41の通気基材層44の材質、厚さ、目付量等と同様である。気体流通連結部材用通気基材層72の材質は不織布であることが特に好ましい。
気体流通連結部材71の使用時には、図4及び図6(a)に示したように、間隔部分61の下に、該シート接合材遮蔽フィルム74が該間隔部分61に平行になるように、下地コンクリート11の上に配置する。
シートの大きさにもよるが、隣接するシート間での良好な気体の流通のために、気体流通連結部材71は、シートの短手方向(幅方向)の1辺には、0個以上3個以下配置することが好ましく、1個以上2個以下配置することが特に好ましい。また、シートの長手方向の1辺には、1個以上5個以下配置することが好ましく、2個以上4個以下配置することが特に好ましい。上記個数は、例えば図8に示したような、シートの短手方向(幅方向)が1mで、シートの長手方向が8mのときに好適であり、気体流通連結部材71の配置密度は、そこから計算された範囲が望ましい。
気体流通連結部材71及びシートを配置した後は、補強クロス63を貼り付け(図6(b))、シート接合材62を注入し(図6(c))、塗膜防水上層51を塗布する(図6(d))。隣接するシートの端部の上及び該シートの間の間隔部分61の上に補強クロス63を貼り付けることによって、隣接する該シート同士を仮固定することが好ましい。該補強クロス63は網目状になっていて、該網目からシート接合材62を下に流し込めるようになっていることが好ましい。
このように気体流通連結部材71を用いることで(図4、図6)、シート41の端部において、「機械的な接合強度、接合部の防水性」及び「接合部での水平(横)方向の通気性」が両立できる。シートの1カ所でも気体流通連結部材71が用いられていれば、シート間の水平(横)方向の通気性が確保される。
図9に、防水下層シート41(図6(d))の気体の流れG(圧力の緩和経路)を示す。図9とは逆に気体は左から右にも流れることは言うまでもない。
右側のシートと左側のシートは、気体流通連結部材71がない部分(図1、図4)は、間隔部分61に注入されたシート接合材62によって、気体の流れGが分断されている(図5参照)。一方、気体流通連結部材71がある部分(図1、図4)は、図9に示したように、気体流通連結部材71を介して、左右の通気基材層44は互いに通気している。
図9において、防水下層シートの場合、右から通気基材層44を通って来た気体は、その下に設置された気体流通連結部材71に通気路47を通って流れ込む。その後、気体流通連結部材71を右から左に横断した気体は、その上に設置された通気基材層44に流れ込む。そうすることで、気体流通連結部材71を介して、左右のシート間で気体の流通が得られる。
本発明は、上記の防水工法に使用されて、隣接するシート同士の間の気体の流通を確保するために用いられるものであることを特徴とする気体流通連結部材71でもある。
図8に、代表的なシート41の設置形態の一例と、気体の流れGの一例を示す。図8は、隣接する目地12の間隔が縦も横も3mの場合である。図8において、気体がシートを横断している部分には、気体流通連結部材71が設けられている。
気体流通連結部材71を介して、複数のシートの通気基材層44を横方向に流れてきた気体は、好ましくは目地12に流れ込む。
<塗膜防水上層等の形成>
シート41を敷設した後、その上に塗膜防水上層51を設ける。すなわち、間隔部分61に注入されたシート接合材62の上をも含めて、シート41の上面に塗膜防水材を塗布して、塗膜防水上層51をシームレスに形成させることが好ましい。シート41の端部の近傍に関して、図5、図6(d)、図9に示す。
本発明は、上記シートの上と、シート接合材62が注入された間隔部分61の上に、塗膜防水材を塗布することによって、1層又は2層以上の塗膜防水上層51をシームレスに形成させ、結果として全面に2層以上の防水層を形成させる防水工法でもある。それによって、接合部分も含めて一体として仕上げることができ、優れた防水性が得られる。
なお、「塗膜防水上層51」とは、防水下層42の上に形成される塗膜防水層のことを言い、更にその上に防水層を形成させることは排除されない。すなわち、「塗膜防水上層51」は、最も上に形成された塗膜防水層に限定される訳ではない。
本発明は、前記した防水工法を使用して得られ、上記防水下層シート41の防水下層42と、1層又は2層以上の塗膜防水上層51とからなるものである防水全層52でもある。
防水下層42と「該防水下層42の上から塗膜防水材を塗布して形成した塗膜防水上層51」の合計の層厚(すなわち防水全層52の層厚)は、1mm以上7mm以下にすることが好ましく、1.8mm以上5mm以下にすることが特に好ましい。
その後、上記塗膜防水上層51の上に、更にトップコート層を形成させることが好ましい(図示せず)。トップコート層は、塗膜防水上層51や防水全層52を、紫外線、風雨等による劣化や、機械的衝撃等から守ることができる。また、滑り止め、意匠性等の点から設けることが好ましい。
限定はされないが、本発明では、覆いテープで目地を覆いその上も含めてシートを敷設することが好ましい。更に好ましくは、気体取込通気パッドを、「覆いテープの覆いテープ通気孔」又は「覆いテープ隙間」の上に置き、下地コンクリート11の上も含め、気体取込通気パッドの上にもシートを敷設する。それによって、気体が目地に更に好適に流れ込むようにできる。
以下に、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限りこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1
短手方向(幅方向)の長さが1mで、長手方向の長さが8mの防水下層シート41を敷設した。大きさ(位置)の概略と敷設の態様は、図8に示したようなものであった。接合部分は、短手方向(幅方向)にも長手方向にも、3mm〜5mmの間隔部分を設けた。
使用した防水下層シート41は、図2に示したような概略断面を有し、粘着層45の厚さ0.35mm、通気基材層44の厚さ0.70mm、防水下層42の厚さ1.5mmであった。従って、離型紙を除く防水下層シート41全体の厚さは2.55mmであった。
また、粘着層45の材質は、ブチルゴムであり、通気基材層44は、ポリエステルを材質とする不織布で、目付量が100g/m〜120g/mのものであった。
粘着層45は、通気基材層44の表面に、長手方向に平行に帯状に設けられており、該粘着層45の幅は30mmであり、2個の粘着層45の帯の間の通気路47(粘着層45が設けられていない帯状部分)の幅は5mmであった。
防水下層シート41の下には、シート横断方向Dの長さ16cm、それに垂直方向の長さ8cmの長方形の気体流通連結部材71を、図4、図6(a)及び図9のように設けた。全ての防水下層シート41の短手方向(幅方向)にはそれぞれの辺に1個ずつ、長手方向にはそれぞれの辺に2個ずつ設けた。
このとき、全ての気体流通連結部材71の気体流通連結部材用通気基材層72の上には、防水下層シート41の通気路47が少なくとも1本は通過していた。
気体流通連結部材71の略中央には、図3のように、シート横断方向Dの長さ2cm、それに垂直方向の長さ8cmの接合材遮蔽フィルムが設けられていた。
また、気体流通連結部材71の気体流通連結部材用粘着層73の材質はブチルゴムであり、厚さは0.35mmであり、気体流通連結部材用通気基材層72の材質は、ポリエステルを材質とする不織布で、目付量が100g/m〜120g/mのものであった。
防水下層シート41の短手方向及び長手方向の間隔部分に、補強クロス63を付してから(気体流通連結部材71のある部分は図6(b)、気体流通連結部材71のない部分は図5(b))、シート接合材62として「立ち上がり用の塗膜防水塗料」を、ゴムヘラで注入し、該間隔(空間)を埋めた(気体流通連結部材71のある部分は図6(c)、気体流通連結部材71のない部分は図5(c))。
次いで、その日のうちに、塗膜防水材(ダイフレックス社製、「コスミックPRO12」(登録商標))を用い、平均膜厚1.5mmの塗膜防水上層51を形成した(気体流通連結部材71のある部分は図6(d)、気体流通連結部材71のない部分は図5(d))。
防水下層シート41の防水下層42(1.5mm)と該塗膜防水上層51(1.5mm)の合計層厚(防水全層52の厚さ)は3.0mmであった。
夜間に、上記上層塗膜防水材は、十分に硬化して塗膜防水上層51が形成された。翌日、塗膜防水上層51の上に、トップコート層(ダイフレックス社製、コスミック・トップS)を、膜厚160μmで設けた。その後、放置することで、12時間後には該トップコート層も硬化して、防水工法が完遂した。
経時しても下地コンクリートから発生する気体による圧力の上昇もなく、該気体は目地12を通って脱気筒53から大気中に放出され、塗膜防水上層51の上面、すなわち防水全層52に、浮き上がり(膨れ)は見られなかった。隣接する防水下層シート41間で、気体の流通があったためと考えられる。
比較例1
実施例1に代えて、気体流通連結部材71を用いないこと以外は実施例1と同様にして、防水下層シート41を用いて防水工法を行った。防水下層シート41の短手方向(幅方向)と長手方向の全ての間隔部分に、図5(c)(d)で示したようにシート接合材62を注入した。
経時したところ、下地コンクリートから発生する気体による圧力の上昇で、塗膜防水上層51の上面、すなわち防水全層52に浮き上がり(膨れ)が見られた。
比較例2
従来の一般的な塗膜防水工法を行った。すなわち、屋上に通気緩衝シートを敷設し、現場で実施例1と同様の塗膜防水材を2回塗布し、下層1.5mmと上層1.5mmの2層の防水塗膜(3.0mm)を形成させた。
防水塗料の硬化に時間がかかり、すなわち下層の形成に時間がかかり、コスト的にも不利であった。
本発明の防水工法は、隣接するシート間の継ぎ目部分の気体の流通性を確保して、下地コンクリート等から放出される気体を、複数のシートに亘って圧力を分散するので、防水全層の下に加圧された空間ができず、浮き上がりも膨れも破れも生じない。また、脱気筒も屋上等の端の立ち上がり部に設ければ足りる。従って、特に屋上等の防水塗膜の改修工事等に広く利用されるものである。
11 下地コンクリート
12 目地
41 防水下層シート
42 防水下層
44 通気基材層
45 粘着層
47 通気路
51 塗膜防水上層
52 防水全層
53 脱気筒
61 間隔部分
62 シート接合材
63 補強クロス
71 気体流通連結部材
72 気体流通連結部材用通気基材層
73 気体流通連結部材用粘着層
74 シート接合材遮蔽フィルム
G 気体の流れ
D シート横断方向

Claims (6)

  1. 下地コンクリートの上に、「少なくともシート面に平行方向」に通気性を有するシートを、隣接するシートの間に間隔部分を設けて敷設し、該間隔部分にシート接合材を注入する防水工法であって、
    該シート接合材を注入する前に、「該シートの長手方向の端部及び/又は短手方向の端部の下」であって該下地コンクリートの上に、「該間隔部分より長いシート横断方向の長さを有し、下から順に下記(1)ないし(3)を有する気体流通連結部材」を設けておくことを特徴とする防水工法。
    (1)気体流通連結部材を該下地コンクリートの上に粘着させる気体流通連結部材用粘着層
    (2)気体流通連結部材用通気基材層
    (3)気体流通連結部材のシート横断方向の略中央部分に設けられ、シート横断方向の長さが該間隔部分の長さ以上である接合材遮蔽フィルム
  2. 上記シートが防水下層シートであって、該防水下層シートは、少なくとも、下から順に、該防水下層シートの下面に部分的に設けられた粘着層と、通気性を有する通気基材層と、防水下層とを有するものである請求項1に記載の防水工法。
  3. 上記気体流通連結部材用通気基材層の目付量を40g/m以上400g/m以下にする請求項1又は請求項2に記載の防水工法。
  4. 請求項1ないし請求項3の何れかの請求項に記載の防水工法に使用されて、隣接するシート同士の間の気体の流通を確保するために用いられるものであることを特徴とする気体流通連結部材。
  5. 上から順に下記(1)ないし(3)を有する請求項4に記載の気体流通連結部材。
    (1)気体流通連結部材を該下地コンクリートの上に粘着させる気体流通連結部材用粘着層
    (2)気体流通連結部材用通気基材層
    (3)気体流通連結部材のシート横断方向の略中央部分に設けられ、シート横断方向の長さが、隣接するシートの間の間隔部分の長さ以上であるシート接合材遮蔽フィルム
  6. 請求項2又は請求項3に記載の防水工法を使用して得られ、上記防水下層シートの防水下層と、1層又は2層以上の塗膜防水上層とからなるものである防水全層。

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