JP2019043935A - 鎮痛剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】生理痛、特に機能性月経困難症により適した鎮痛剤を提供する。【解決手段】(A)アセトアミノフェンと(B)ロキソプロフェンとを有効成分として含有し、(B)成分(ロキソプロフェンナトリウム二水和物量として)と(A)成分との質量比が、(B):(A)=1:4.5〜8.5である生理痛用鎮痛剤。【選択図】図1

Description

本発明は、生理痛に対して顕著な軽減効果を有する鎮痛剤に関するものである。
鎮痛剤の主要ユーザーは女性であり、「胃への負担・副作用が少ない」というニーズは常に存在する。また、女性特有の痛みである生理痛は、鎮痛剤の服用により対処する割合が他の痛みに比較して高い。従って、生理痛時に安心して服用でき、かつ効果が高い鎮痛剤の提供が求められる。
生理痛は、生理に伴って生じる痛みであり、日常生活に支障を及ぼす場合は、月経困難症と称される。生理痛及び月経困難症に対する治療薬は、一般的に非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)を用いるが、この鎮痛作用の主体は、末梢でのプロスタグランジン(PG)合成を阻害することによる。生理痛、月経困難症のうちの機能性月経困難症は、末梢での疼痛発生の基本因子として考えられているプロスタグランジン産生過剰のみならず、ホルモンバランスの乱れや心因的要因、冷えといった様々な要因がある。また、初経年齢の低下、出産数の低下、出産年齢の上昇、晩婚化により、昔にくらべ女性が一生に経験する生理の回数は増えている。このような観点から、生理痛に顕著な効果を有する鎮痛剤が求められていた。
特開2001−226266号公報
Phytomedicine.2013 Sep 15;20(12):p1095−104
本発明は上記事情に鑑みなされたもので、生理痛により適した鎮痛剤を提供することを目的とする。
生理痛に対する治療薬は、一般的に非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)を用いるが、この鎮痛作用の主体は、末梢でのプロスタグランジン(PG)合成を阻害することによる。そのため、これまで解熱鎮痛薬の処方設計において効果の高さを評価する際、ランダールセリット鎮痛試験(炎症性疼痛モデル)、酢酸ライジング法、カラゲニン浮腫等のPG経路が関与する動物試験が汎用されてきた。一方、上述したように、機能性月経困難症の原因は、末梢でのPG産生過剰のみならず、ホルモンバランスの乱れや心因的要因、冷えにより症状が重くなるといわれている。本発明者らは、ヒトにおける生理痛において、特に機能性月経困難症の病態を反映した評価系で解熱鎮痛成分の効果を評価する必要があると考え、機能性月経困難症を反映する動物モデルを作製し、生理痛、特に機能性月経困難症に起因する生理痛に最適な鎮痛成分を検討した。検討の結果、意外にも、PG産生抑制作用が弱いといわれていたアセトアミノフェンにおいて、機能性月経困難症に起因する生理痛軽減効果が期待できることを見出した。なお、日本産婦人科学会記載のガイドラインには、機能性月経困難症の治療方法として、NSAIDsや経口避妊薬、漢方製剤の使用が示されているが、アセトアミノフェンに関する記述はなく、アセトアミノフェンが、機能性月経困難症に起因する生理痛に対して顕著な軽減効果を有することは本発明者らの新知見である。さらに、ロキソプロフェンを特定比率で併用することで、上記効果がさらに顕著になることを見出し、本発明をなすに至ったものである。
従って、本発明は下記鎮痛剤を提供する。
[1].(A)アセトアミノフェンと(B)ロキソプロフェンとを有効成分として含有し、(B)成分(ロキソプロフェンナトリウム二水和物量として)と(A)成分との質量比が、(B):(A)=1:4.5〜8.5である生理痛用鎮痛剤。
[2].生理痛が機能性月経困難症に起因するものである[1]記載の生理痛用鎮痛剤。
[3].1回あたりの(B)ロキソプロフェンの服用量が、ロキソプロフェンナトリウム二水和物量として15〜80mgである請求項1又は2に記載の生理痛用鎮痛剤。
本発明によれば、生理痛により適した鎮痛剤を提供することができる。
機能性月経困難症モデルにおける鎮痛評価の結果(平均ライジング回数(回))を示すグラフである。 機能性月経困難症モデルにおける鎮痛評価の結果(平均ライジング抑制率(%))を示すグラフである。 機能性月経困難症モデルにおける鎮痛評価の結果(平均ライジング抑制率(%))を示すグラフである。 ラット胃障害試験の結果(胃障害長さ(mm))を示すグラフである。
以下、本発明について詳細に説明する。
[(A)成分]
アセトアミノフェン(N−(4−hydroxyphenyl)acetamide)としては、アセトアミノフェン及びその薬学的に許容される塩類を用いることができ、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。(A)成分の配合量は、本発明の薬理効果及び製造上問題ない範囲内であれば特に限定されない。ヒトの投与量は、成人(1人)で通常65〜750mg/回であり、95〜600mg/回が好ましく、100〜500mg/回がより好ましい。1日の投与回数は1〜3回から適宜選定される(以下の成分も同様)。なお、鎮痛剤中の(A)成分の量は上記摂取量に合わせ適宜選定されるが、錠剤とした場合は、50〜250mg/錠が好ましい。
[(B)成分]
ロキソプロフェンとしては、その薬学的に許容される塩類も用いることができ、例としては、ロキソプロフェンナトリウム二水和物が挙げられる(水分量として原薬末中約12質量%に相当する)。なお、本発明におけるロキソプロフェン配合量及び配合比等は、ロキソプロフェンナトリウム二水和物量を意味する。鎮痛剤中の水分量は、ロキソプロフェンナトリウム二水和物より持ち込まれる水分量を含むものである。(B)成分と(A)成分とを併用することで、生理痛が顕著に低減される。
(B)成分の配合量は、本発明の薬理効果及び製造上問題ない範囲内であれば特に限定されない。ヒトへの投与量は、成人(1人)で10〜150mg/回が好ましく、15〜80mg/回がより好ましく、30〜68.1mg/回がさらに好ましく、35〜55mg/回が特に好ましく、42〜48mg/回が最も好ましい。なお、鎮痛剤中の(B)成分の量は上記摂取量に合わせ適宜選定されるが、胃への負担軽減や、服用性の点から、錠剤とした場合は7.5〜40mg/錠の範囲が好ましく、15〜34.5mg/錠がより好ましく、17.5〜27.5mg/錠がさらに好ましく、21〜24mg/錠が最も好ましい。
(B)成分と(A)成分との質量比は、(B):(A)=1:4.5〜8.5である。高い鎮痛効果が得られ、かつ服用性(錠剤の大きさ、服用数、味(苦味抑制))に優れるという点から、1:5〜8.26がより好ましい。
本発明の鎮痛剤には、本発明の効果を損なわない範囲で医薬製剤に配合される任意成分(生理活性物質や添加剤)を配合することができる。添加剤としては、結合剤、賦形剤、崩壊剤、香料、滑沢剤、甘味料等が挙げられる。これらの任意成分は、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができ、適量を配合することができる。
生理活性物質としては、例えば、鎮静催眠成分(アリルイソプロピルアセチル尿素、ブロムワレリル尿素等)、抗ヒスタミン成分(塩酸イソチペンジル、塩酸ジフェニルピラリン、塩酸ジフェンヒドラミン、塩酸ジフェテロール、塩酸トリプロリジン、塩酸トリペレナミン、塩酸トンジルアミン、塩酸フェネタジン、塩酸メトジラジン、サリチル酸ジフェンヒドラミン、ジフェニルジスルホン酸カルビノキサミン、酒石酸アリメマジン、タンニン酸ジフェンヒドラミン、テオクル酸ジフェニルピラリン、ナパジシル酸メブヒドロリン、プロメタジンメチレン二サリチル酸塩、マレイン酸カルビノキサミン、dl−マレイン酸クロルフェニラミン、d−マレイン酸クロルフェニラミン、リン酸ジフェテロール等)、中枢興奮成分(安息香酸ナトリウムカフェイン、カフェイン、無水カフェイン等)、鎮咳去痰成分(コデインリン酸塩、デキストロメトルファン臭化水素酸塩、ジメモルファンリン酸塩、チペピジンヒベンズ酸塩、メトキシフェナミン塩酸塩、トリメトキノール塩酸塩、カルボシステイン、アセチルシステイン、エチルシステイン、dl−メチルエフェドリン、ブロムヘキシン塩酸塩、セラペプターゼ、塩化リゾチーム、アンブロキソール、テオフィリン、アミノフィリン等)、ビタミン成分(ビタミンB1及びその誘導体並びにそれらの塩類、ビタミンB2及びその誘導体並びにそれらの塩類、ビタミンC及びその誘導体並びにそれらの塩類、ヘスペリジン及びその誘導体並びにそれらの塩類等)等が挙げられる。
結合剤としては、澱粉、α化デンプン、ショ糖、ゼラチン、アラビアゴム末、ポリビニルピロリドン、プルラン、デキストリン、ヒドロキシプロピルセルロース、シクロデキストリン、ヒプロメロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール等が挙げられる。
賦形剤としては、結晶セルロース、乳糖、乳糖造粒物、メチルエチルセルロース、キシリトール、エリスリトール、トレハロース、マルチロール、ラクチトール、ソルビトール、マルチトール、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルスターチ、カルボキシメチルスターチナトリウム、リン酸水素ナトリウム、リン酸水素カルシウム、コーンスターチ、粉糖、マンニトール、L−システイン等が挙げられる。
崩壊剤としては、例えば、カルメロース、カルメロースカルシウム、カルメロースナトリウム、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルスターチ、カルボキシメチルスターチナトリウム、クロスポビドン等が挙げられる。
香料としては、メントール、リモネン、植物精油(ハッカ油、ミント油、ライチ油、オレンジ油、レモン油等)等が挙げられる。
滑沢剤としては、ステアリン酸マグネシウム、フマル酸ステアリルナトリウム、ショ糖脂肪酸エステル、軽質無水ケイ酸、タルク等を用いることができる。
甘味料としては、サッカリンナトリウム、アスパルテーム、ステビア、グリチルリチン酸二カリウム、アセスルファムカリウム、ソーマチン、スクラロース等が挙げられる。酸味料としては、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、フマル酸、乳酸又はそれらの塩等を用いることができる。
本発明の鎮痛剤の剤型は特に限定されず、錠剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤、丸剤、ゼリー剤等が挙げられるが、錠剤が好ましい。
錠剤とした場合、得られた錠剤は、必要に応じてコーティング剤によりコーティング処理を施してもよい。かかるコーティング剤としては、皮膜形成剤、可塑剤が好ましい。具体的に皮膜形成剤としては、カルメロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース等のセルロース類;アラビアゴム、カルボキシビニルポリマー、ポビドン、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、単糖類、二糖類以上の多糖類(砂糖(グラニュー糖等)、乳糖、麦芽糖、キシロース、異性化乳糖等)、糖アルコール(パラチニット、ソルビトール、ラクチトール、エリスリトール、キシリトール、還元澱粉糖化物、マルチトール、マンニトール等)、水飴、異性化糖類、オリゴ糖、スクロース、トレハロース、還元澱粉糖化物(還元澱粉分解物)、アミノアルキルメタクリレートコポリマーE(製品名:オイドラギット E100、オイドラギット EPO)、メタクリル酸コポリマーL(製品名:オイドラギット L100)、アンモニオアルキルメタクリレートコポリマー(製品名:オイドラギット RL100、オイドラギット RLPO、オイドラギット RS100)等が挙げられる。可塑剤としては、クエン酸トリエチル、トリアセチン等の日本薬局方(広川書店)及び医薬品添加物規格((株)薬事日報社)等の公定書に記載されているものが挙げられる。これらは1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
[生理痛用鎮痛剤]
生理痛の原因となる「月経困難症」は、「機能性月経困難症」と「器質性(続発性)月経困難症」の2種に分類され、本発明の鎮痛剤は「機能性月経困難症に起因する鎮痛」に対して特に顕著な効果を示す。その効果は下記測定方法によって確認することができる。
[機能性月経困難症に起因する生理痛に対する鎮痛効果の測定方法]
本測定方法は、後述する実施例に記載するものであるが、エストラジオールの連続投与により、機能性月経困難症の原因となるホルモンバランスの乱れを起こし、さらに子宮収縮をオキシトシン(子宮収縮剤)によって生じさせ、疼痛を惹起させているモデルであり、機能性月経困難症に起因する鎮痛効果を特異的に評価することができる(Phytomedicine.2013 Sep 15;20(12):p1095−104」)。
さらに、本発明は、生理痛、特に機能性月経困難症に起因する生理痛用鎮痛剤の有効成分として、アセトアミノフェンとロキソプロフェンとを、(B)成分(ロキソプロフェンナトリウム二水和物量として)と(A)成分との質量比が、(B):(A)=1:4.5〜8.5の範囲で組み合わせる選択方法を提供する。好適な範囲等は上記と同じである。
加えて、(B)成分(ロキソプロフェンナトリウム二水和物量として)と(A)成分との質量比が、(B):(A)=1:3〜8の範囲でラット胃障害抑制効果が得られ、服用による胃障害を抑制することができる。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、下記の例において特に明記のない場合は、組成の「%」は質量%、比率は質量比を示す。
[機能性月経困難症モデルにおける疼痛軽減評価]
機能性月経困難症モデルにおいて、下記試料の疼痛軽減効果を評価した。
(1)機能性月経困難症モデルの作製
Wistar系雌性ラットの9週齢を1週間予備飼育した後、安息香酸エストラジオールを9日間皮下投与した。1晩絶食(17〜20時間、水は自由摂取)後、安息香酸エストラジオールを皮下投与し、30分後に各投与試料を経口投与、その30分後にオキシトシンを腹腔内投与し、疼痛を惹起した。各投与試料につき10匹/群用いた。(Phytomedicine.2013,Sep 15;20(12):p1095−104)
(2)試料
i.投与試料
1.コントロール(5%アラビアゴム懸濁溶液)
2.ロキソプロフェンナトリウム二水和物(LOX)34.1mg/kg
3.ロキソプロフェンナトリウム二水和物(LOX)34.0mg/kg+アセトアミノフェン(APAP)34.0mg/kg:(LOX:APAP=1:1)
4.ロキソプロフェンナトリウム二水和物(LOX)27.4mg/kg+アセトアミノフェン(APAP)82.2mg/kg(LOX:APAP=1:3)
5.ロキソプロフェンナトリウム二水和物(LOX)23.0mg/kg+アセトアミノフェン(APAP)115mg/kg(LOX:APAP=1:5)
6.ロキソプロフェンナトリウム二水和物(LOX)18.2mg/kg+アセトアミノフェン(APAP)150mg/kg(LOX:APAP=1:8.26)
7.ロキソプロフェンナトリウム二水和物(LOX)14.0mg/kg+アセトアミノフェン(APAP)140mg/kg(LOX:APAP=1:10)
8.ナプロキセン(NPX)50mg/kg
なお、上記投与群はヒトが服用する1回量とした場合は、例えば以下のような割合とすることができる。以下、検体名で示す。
Figure 2019043935
薬物を含まない試料(アラビアゴムのみ含む)を調製し、コントロール群とした。なお、ロキソプロフェンの用量は、ロキソプロフェンナトリウム二水和物として計算した。
ii.試料の調製
試料(投与群記載の成分量の3倍量)、及びアラビアゴム1.5gを量りとり、乳鉢で混合した後、水を加えて30mLの懸濁液を調製した。なお、コントロールは5%アラビアゴム懸濁液を使用した。例えば、LOX34.1mg/kgについては、ロキソプロフェンナトリウム二水和物として102.3mgとアラビアゴム1.5gを採取し、乳鉢で混合した後、水を加えて30mLの懸濁液とした。
iii.試料の投与
ラットに対する試料の投与量を10mL/kgとし、あらかじめ測定しておいたラットの体重にあわせた量(例ラット200g:2mL)を、ラット用経口投与ゾンデを装着したディスポーサブル注射筒にとり、強制経口投与した。
(3)疼痛評価方法
オキシトシン腹腔内投与から30分間に観察されるライジング行動の回数を計測した。
(4)検討結果
コントロール群の平均ライジング回数39.8回に対し、LOX34.1mg/kg投与群 27.5回、LOX34.0mg/kg+APAP34.0mg/kg投与群 28.7回、LOX27.4mg/kg+APAP82.2mg/kg投与群 27.8回、LOX23.0mg/kg+APAP115mg/kg投与群 22.9回、LOX18.2mg/kg+APAP150mg/kg投与群 16.7回、LOX14.0mg/kg+APAP140mg/kg投与群 27.8回であり、LOX23.0mg/kg+APAP115mg/kg投与群、及びLOX18.2mg/kg+APAP150mg/kg投与群の平均ライジング回数は、コントロール群に対して有意な差となった。また、NPX50mg/kg投与群の平均ライジング回数は30.5回であった。
さらに、平均ライジング抑制率(%)=(コントロール群のライジング回数−薬剤投与群のライジング回数)/(コントロール群のライジング回数)を算出した。上記の結果を下記表2、及び図1、2に示す。なお、図は結果を検体名で示す(以下、同様)。
Figure 2019043935
アセトアミノフェンとロキソプロフェンとの併用において、(B)成分(ロキソプロフェンナトリウム二水和物量として)と(A)成分との質量比が、(B):(A)=1:4.5〜8.5の範囲で、機能性月経困難症に起因する生理痛に対する顕著な鎮痛効果を示した。
[機能性月経困難症モデルによる疼痛軽減評価におけるロキソプロフェンとアセトアミノフェン併用の相乗効果の検証]
投与試料を
1.コントロール:5%アラビアゴム懸濁溶液
9.ロキソプロフェンナトリウム二水和物(LOX)4.59mg/kg
10.アセトアミノフェン(APAP)23.0mg/kg
11.ロキソプロフェンナトリウム二水和物(LOX)4.59mg/kg+アセトアミノフェン(APAP)23.0mg/kg(LOX:APAP=1:5)
とし、上記と同様の方法で評価を行った。結果を下記表3及び図3に平均ライジング抑制率(%)を示す。なお、上記投与試料は、(A)成分(B)成分を併用する相乗効果を検証しやすくするため、[機能性月経困難症モデルにおける疼痛軽減評価]における投与試量に対し1/5量で評価を行った。
Figure 2019043935
[ラット胃障害試験]
(1)SD系雌性ラットの5週齢を1週間予備飼育した後、1晩絶食(17〜20時間、水は自由摂取)後、被験薬投与前2時間絶水させた。その後、各投与試料を経口投与し、その4時間後にイソフルラン吸入麻酔科にて胃を摘出し、出血長をノギスにて測定した。各投与試料10匹/群用いた。結果を図4に示す。
(2)試料
i.投与試料
12.ロキソプロフェンナトリウム二水和物(LOX)68.1mg/kg
13.ロキソプロフェンナトリウム二水和物(LOX)68.1mg/kg+アセトアミノフェン(APAP)68.1mg/kg:(LOX:APAP=1:1)
14.ロキソプロフェンナトリウム二水和物(LOX)68.1mg/kg+アセトアミノフェン(APAP)204.3mg/kg(LOX:APAP=1:3)
15.ロキソプロフェンナトリウム二水和物(LOX)68.1mg/kg+アセトアミノフェン(APAP)340.5mg/kg(LOX:APAP=1:5)
16.ロキソプロフェンナトリウム二水和物(LOX)68.1mg/kg+アセトアミノフェン(APAP)544.8mg/kg(LOX:APAP=1:8)
ii.試料の調製
試料(投与群記載の成分量の3倍量)、及びアラビアゴム1.5gを量りとり、乳鉢で混合した後、水を加えて30mLの懸濁液を調製した。例えば、LOX68.1mg/kgについては、ロキソプロフェンナトリウム二水和物として204.3mgとアラビアゴム1.5gを採取し、乳鉢で混合した後、水を加えて30mLの懸濁液とした。
iii.試料の投与
ラットに対する試料の投与量を10mL/kgとし、あらかじめ測定しておいたラットの体重にあわせた量(例ラット200g:2mL)を、ラット用経口投与ゾンデを装着したディスポーサブル注射筒にとり、強制経口投与した。
Figure 2019043935
LOX:APAP=1:3〜8の間でラット胃障害抑制効果が確認された。

Claims (3)

  1. (A)アセトアミノフェンと(B)ロキソプロフェンとを有効成分として含有し、(B)成分(ロキソプロフェンナトリウム二水和物量として)と(A)成分との質量比が、(B):(A)=1:4.5〜8.5である生理痛用鎮痛剤。
  2. 生理痛が機能性月経困難症に起因するものである請求項1記載の生理痛用鎮痛剤。
  3. 1回あたりの(B)ロキソプロフェンの服用量が、ロキソプロフェンナトリウム二水和物量として15〜80mgである請求項1又は2に記載の生理痛用鎮痛剤。
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