JP7119650B2 - 鎮痛剤 - Google Patents
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Description
[1].(A)アセトアミノフェンと(B)ロキソプロフェンとを有効成分として含有し、(B)成分(ロキソプロフェンナトリウム二水和物量として)と(A)成分との質量比が、(B):(A)=1:4.5~8.5である生理痛用鎮痛剤。
[2].生理痛が機能性月経困難症に起因するものである[1]記載の生理痛用鎮痛剤。
[3].1回あたりの(B)ロキソプロフェンの服用量が、ロキソプロフェンナトリウム二水和物量として15~80mgである請求項1又は2に記載の生理痛用鎮痛剤。
[(A)成分]
アセトアミノフェン(N-(4-hydroxyphenyl)acetamide)としては、アセトアミノフェン及びその薬学的に許容される塩類を用いることができ、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。(A)成分の配合量は、本発明の薬理効果及び製造上問題ない範囲内であれば特に限定されない。ヒトの投与量は、成人(1人)で通常65~750mg/回であり、95~600mg/回が好ましく、100~500mg/回がより好ましい。1日の投与回数は1~3回から適宜選定される(以下の成分も同様)。なお、鎮痛剤中の(A)成分の量は上記摂取量に合わせ適宜選定されるが、錠剤とした場合は、50~250mg/錠が好ましい。
ロキソプロフェンとしては、その薬学的に許容される塩類も用いることができ、例としては、ロキソプロフェンナトリウム二水和物が挙げられる(水分量として原薬末中約12質量%に相当する)。なお、本発明におけるロキソプロフェン配合量及び配合比等は、ロキソプロフェンナトリウム二水和物量を意味する。鎮痛剤中の水分量は、ロキソプロフェンナトリウム二水和物より持ち込まれる水分量を含むものである。(B)成分と(A)成分とを併用することで、生理痛が顕著に低減される。
生理痛の原因となる「月経困難症」は、「機能性月経困難症」と「器質性(続発性)月経困難症」の2種に分類され、本発明の鎮痛剤は「機能性月経困難症に起因する鎮痛」に対して特に顕著な効果を示す。その効果は下記測定方法によって確認することができる。
本測定方法は、後述する実施例に記載するものであるが、エストラジオールの連続投与により、機能性月経困難症の原因となるホルモンバランスの乱れを起こし、さらに子宮収縮をオキシトシン(子宮収縮剤)によって生じさせ、疼痛を惹起させているモデルであり、機能性月経困難症に起因する鎮痛効果を特異的に評価することができる(Phytomedicine.2013 Sep 15;20(12):p1095-104」)。
機能性月経困難症モデルにおいて、下記試料の疼痛軽減効果を評価した。
(1)機能性月経困難症モデルの作製
Wistar系雌性ラットの9週齢を1週間予備飼育した後、安息香酸エストラジオールを9日間皮下投与した。1晩絶食(17~20時間、水は自由摂取)後、安息香酸エストラジオールを皮下投与し、30分後に各投与試料を経口投与、その30分後にオキシトシンを腹腔内投与し、疼痛を惹起した。各投与試料につき10匹/群用いた。(Phytomedicine.2013,Sep 15;20(12):p1095-104)
i.投与試料
1.コントロール(5%アラビアゴム懸濁溶液)
2.ロキソプロフェンナトリウム二水和物(LOX)34.1mg/kg
3.ロキソプロフェンナトリウム二水和物(LOX)34.0mg/kg+アセトアミノフェン(APAP)34.0mg/kg:(LOX:APAP=1:1)
4.ロキソプロフェンナトリウム二水和物(LOX)27.4mg/kg+アセトアミノフェン(APAP)82.2mg/kg(LOX:APAP=1:3)
5.ロキソプロフェンナトリウム二水和物(LOX)23.0mg/kg+アセトアミノフェン(APAP)115mg/kg(LOX:APAP=1:5)
6.ロキソプロフェンナトリウム二水和物(LOX)18.2mg/kg+アセトアミノフェン(APAP)150mg/kg(LOX:APAP=1:8.26)
7.ロキソプロフェンナトリウム二水和物(LOX)14.0mg/kg+アセトアミノフェン(APAP)140mg/kg(LOX:APAP=1:10)
8.ナプロキセン(NPX)50mg/kg
試料(投与群記載の成分量の3倍量)、及びアラビアゴム1.5gを量りとり、乳鉢で混合した後、水を加えて30mLの懸濁液を調製した。なお、コントロールは5%アラビアゴム懸濁液を使用した。例えば、LOX34.1mg/kgについては、ロキソプロフェンナトリウム二水和物として102.3mgとアラビアゴム1.5gを採取し、乳鉢で混合した後、水を加えて30mLの懸濁液とした。
iii.試料の投与
ラットに対する試料の投与量を10mL/kgとし、あらかじめ測定しておいたラットの体重にあわせた量(例ラット200g:2mL)を、ラット用経口投与ゾンデを装着したディスポーサブル注射筒にとり、強制経口投与した。
オキシトシン腹腔内投与から30分間に観察されるライジング行動の回数を計測した。
(4)検討結果
コントロール群の平均ライジング回数39.8回に対し、LOX34.1mg/kg投与群 27.5回、LOX34.0mg/kg+APAP34.0mg/kg投与群 28.7回、LOX27.4mg/kg+APAP82.2mg/kg投与群 27.8回、LOX23.0mg/kg+APAP115mg/kg投与群 22.9回、LOX18.2mg/kg+APAP150mg/kg投与群 16.7回、LOX14.0mg/kg+APAP140mg/kg投与群 27.8回であり、LOX23.0mg/kg+APAP115mg/kg投与群、及びLOX18.2mg/kg+APAP150mg/kg投与群の平均ライジング回数は、コントロール群に対して有意な差となった。また、NPX50mg/kg投与群の平均ライジング回数は30.5回であった。
さらに、平均ライジング抑制率(%)=(コントロール群のライジング回数-薬剤投与群のライジング回数)/(コントロール群のライジング回数)を算出した。上記の結果を下記表2、及び図1、2に示す。なお、図は結果を検体名で示す(以下、同様)。
投与試料を
1.コントロール:5%アラビアゴム懸濁溶液
9.ロキソプロフェンナトリウム二水和物(LOX)4.59mg/kg
10.アセトアミノフェン(APAP)23.0mg/kg
11.ロキソプロフェンナトリウム二水和物(LOX)4.59mg/kg+アセトアミノフェン(APAP)23.0mg/kg(LOX:APAP=1:5)
とし、上記と同様の方法で評価を行った。結果を下記表3及び図3に平均ライジング抑制率(%)を示す。なお、上記投与試料は、(A)成分(B)成分を併用する相乗効果を検証しやすくするため、[機能性月経困難症モデルにおける疼痛軽減評価]における投与試量に対し1/5量で評価を行った。
(1)SD系雌性ラットの5週齢を1週間予備飼育した後、1晩絶食(17~20時間、水は自由摂取)後、被験薬投与前2時間絶水させた。その後、各投与試料を経口投与し、その4時間後にイソフルラン吸入麻酔科にて胃を摘出し、出血長をノギスにて測定した。各投与試料10匹/群用いた。結果を図4に示す。
i.投与試料
12.ロキソプロフェンナトリウム二水和物(LOX)68.1mg/kg
13.ロキソプロフェンナトリウム二水和物(LOX)68.1mg/kg+アセトアミノフェン(APAP)68.1mg/kg:(LOX:APAP=1:1)
14.ロキソプロフェンナトリウム二水和物(LOX)68.1mg/kg+アセトアミノフェン(APAP)204.3mg/kg(LOX:APAP=1:3)
15.ロキソプロフェンナトリウム二水和物(LOX)68.1mg/kg+アセトアミノフェン(APAP)340.5mg/kg(LOX:APAP=1:5)
16.ロキソプロフェンナトリウム二水和物(LOX)68.1mg/kg+アセトアミノフェン(APAP)544.8mg/kg(LOX:APAP=1:8)
試料(投与群記載の成分量の3倍量)、及びアラビアゴム1.5gを量りとり、乳鉢で混合した後、水を加えて30mLの懸濁液を調製した。例えば、LOX68.1mg/kgについては、ロキソプロフェンナトリウム二水和物として204.3mgとアラビアゴム1.5gを採取し、乳鉢で混合した後、水を加えて30mLの懸濁液とした。
iii.試料の投与
ラットに対する試料の投与量を10mL/kgとし、あらかじめ測定しておいたラットの体重にあわせた量(例ラット200g:2mL)を、ラット用経口投与ゾンデを装着したディスポーサブル注射筒にとり、強制経口投与した。
Claims (3)
- (A)アセトアミノフェンと(B)ロキソプロフェンとを有効成分として含有し、(B)成分(ロキソプロフェンナトリウム二水和物量として)と(A)成分との質量比が、(B):(A)=1:4.5~8.5である生理痛用鎮痛剤。
- 生理痛が機能性月経困難症に起因するものである請求項1記載の生理痛用鎮痛剤。
- 1回あたりの(B)ロキソプロフェンの服用量が、ロキソプロフェンナトリウム二水和物量として15~80mgである請求項1又は2に記載の生理痛用鎮痛剤。
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Non-Patent Citations (5)
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Expert Opinion on Pharmacotherapy,2004年,Vol. 5, No. 3,pp. 561-570 |
つらい頭痛に、"速さ、効きめ、やさしさ"を同時に追求「ロキソニンSプレミアム」を新発売 発売日:2016年4月11日(月),第一三共ヘルスケア株式会社ホームページ,2016年03月30日,インターネットより入手(入手日:2022年1月20日)(URL:https://www.daiichisankyo-hc.co.jp/content/000087468.pdf) |
薬局,1992年,Vol.43, No.3,pp. 317-320 |
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