JP5742352B2 - 解熱鎮痛組成物 - Google Patents

解熱鎮痛組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP5742352B2
JP5742352B2 JP2011065483A JP2011065483A JP5742352B2 JP 5742352 B2 JP5742352 B2 JP 5742352B2 JP 2011065483 A JP2011065483 A JP 2011065483A JP 2011065483 A JP2011065483 A JP 2011065483A JP 5742352 B2 JP5742352 B2 JP 5742352B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
component
composition
ibuprofen
antipyretic analgesic
mass
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2011065483A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2011219470A (ja
Inventor
長嶋 慎一
慎一 長嶋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Lion Corp
Original Assignee
Lion Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Lion Corp filed Critical Lion Corp
Priority to JP2011065483A priority Critical patent/JP5742352B2/ja
Publication of JP2011219470A publication Critical patent/JP2011219470A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5742352B2 publication Critical patent/JP5742352B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)
  • Medicinal Preparation (AREA)

Description

本発明は、イブプロフェンに由来する胃障害を抑制すると共に、安定性に優れた解熱鎮痛組成物に関する。
イブプロフェンは、優れた解熱、鎮痛、抗炎症作用を有し、非ステロイド系薬剤として広く用いられており、様々な研究がなされている。特に有効性に関しては、その効果向上を実現する手段として、他の様々な成分との組合せが検討されており、イブプロフェンと、アセトアミノフェン等のアニリン誘導体系解熱鎮痛剤との組合せ(特許文献1〜3:特開昭56−97224号公報,特開平5−246845号公報,特開平5−148139号公報)等の技術が提案されている。
しかしながら、イブプロフェンを経口投与した場合、胃部不快感、胃痛、吐き気等を生じることがあり、副作用として胃腸障害を起こすことが指摘されている。このために、イブプロフェンの経口投与による胃腸障害を抑制させることを目的として、イブプロフェンと、アニリン誘導体系解熱鎮痛剤との組合せによって、有効性に優れ、かつ急性毒性の低減化を図った解熱鎮痛剤(特許文献1,4,5:特開昭56−97224号公報,特開昭56−154416号公報,特開昭59−104315号公報)や、サリチル酸系薬物と併用する技術(特許文献6:特開昭61−134315号公報)や、制酸剤及び/又は粘膜被覆剤と併用する技術(特許文献7:特開昭63−198620号公報)が提案されている。しかしながら、より簡便な方法でイブプロフェンの胃腸障害を抑制する方法が望まれていた。
イブプロフェンによる胃障害の作用機序は、胃の防御機能を司っているプロスタグランジン(PG)の生成抑制や、胃壁細胞への直接刺激によるものと考えられている。このようなことから、イブプロフェンを早く溶解させ、胃内滞留時間を短縮することで、胃に対する作用を軽減し、胃障害を低減するために、イブプロフェンとアセトアミノフェンに、さらにマグネシウム系制酸剤を配合することで、安全性と有効性を両立した技術(特許文献3:特開平5−148139号公報)等が提案されている。しかしながら、イブプロフェンによる胃障害のさらなる抑制効果が望まれていた。
特開昭56−97224号公報 特開平5−246845号公報 特開平5−148139号公報 特開昭56−154416号公報 特開昭59−104315号公報 特開昭61−134315号公報 特開昭63−198620号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、イブプロフェンによる胃障害を抑制し、有効性に優れ、ならびに安定性、服用性及び製造性が向上した解熱鎮痛薬を提供することを目的とする。
上述したように、制酸剤は、イブプロフェンの胃障害を抑制する重要な手段の一つとなっているが、胃内のpHをイブプロフェンの溶解域まで上げるためには相当量の制酸剤、例えば300mg程度の量(ヒトへの1回投与量)が必要であるというのが当業者の一般的な理解である。一方、制酸剤の多量配合は、製剤量を増大させ、その服用性を著しく低下させる。また、イブプロフェンと制酸剤とは著しい配合変化を生ずるため、制酸剤が多量に存在する場合は、安定性が著しく低下する。本発明者らは、イブプロフェンに対して特定量のアセトアミノフェンと、特定の制酸剤とを併用して配合することで、イブプロフェンによる胃障害を抑制でき、有効性に優れ、製剤の安定性が向上することを知見した。しかも、上記イブプロフェンによる胃障害の抑制効果は、制酸剤の使用量が少なくても得られ、イブプロフェンに対する制酸剤の量を低減することができ、その結果、製剤の安定性がさらに向上し、服用性、製造性にも優れた解熱鎮痛組成物が得られることを見出し、本発明をなすに至った。
従って、本発明は下記解熱鎮痛組成物を提供する。
[1].(A)イブプロフェン、(B)アセトアミノフェン及び(C)メタケイ酸アルミン酸マグネシウムを含有し、(B)/(A)で表される(A)成分に対する(B)成分の配合質量比が0.8〜2.0であり、(C)/(A)で表される(A)成分に対する(C)成分の配合質量比が0.7〜1.2であることを特徴とする解熱鎮痛組成物。
[2].(A)、(B)及び(C)成分が混合されてなる固形製剤であることを特徴とする[1]記載の解熱鎮痛組成物。
[3].(B)/(A)で表される(A)成分に対する(B)成分の配合質量比が0.8〜1.0であることを特徴とする[1]又[2]記載の解熱鎮痛組成物。
[4].(C)成分以外の制酸剤の金属[M]と、(C)成分の含有アルミニウム[Al]との、組成物中の含有モル比([M]/[Al])が0.3未満であることを特徴とする[1]〜[3]のいずれか1項記載の解熱鎮痛組成物。
[5].(A)成分の配合量が組成物中5〜40質量%であることを特徴とする[1]〜[4]のいずれか1項記載の解熱鎮痛組成物。
[6].(B)成分の配合量が組成物中8〜50質量%であることを特徴とする[1]〜[5]のいずれか1項記載の解熱鎮痛組成物。
[7].(C)成分の配合量が組成物中6〜40質量%であることを特徴とする[1]〜[6]のいずれか1項記載の解熱鎮痛組成物。
本発明によれば、イブプロフェンによる胃障害を抑制し、有効性の薬学的特性と、製剤の安定性、服用性、製造性(特別な工夫を要することなく、例えば単層錠等でも製造できる)とを両立させた解熱鎮痛組成物を提供することができる。
本発明の解熱鎮痛組成物は、(A)イブプロフェン、(B)アセトアミノフェン及び(C)メタケイ酸アルミン酸マグネシウムを含有し、(B)/(A)で表される(A)成分に対する(B)成分の配合質量比が0.75以上であり、(C)/(A)で表される(A)成分に対する(C)成分の配合質量比が0.3〜1.5であるものである。
(A)イブプロフェン
(A)成分のイブプロフェンは、解熱鎮痛成分の一つであり、発熱や頭痛等の症状を抑える解熱鎮痛剤の主要な成分の一つとして使われる薬剤である。本発明においては、イブプロフェン(2−(4−isobutylphenyl)propionic acid)及びその薬学的に許容される塩類を用いることができる。この(A)成分の配合量は、通常組成物中に1.0〜50質量%であり、5〜45質量%が好ましく、8〜45質量%がより好ましく、10〜40質量%がさらに好ましい。配合量が多すぎると、打錠障害等に繋がる場合があり、配合量が少なすぎると、投与量が増大し、服用性等に支障が生じる場合がある。また、人に対する投与量は、成人で通常130〜200mg/回とすることが好ましい。130mg/回以上で有効性が十分得られ、200mg/回以下とすることで、副作用の発生が抑制され、人体に安全な解熱鎮痛薬とすることができる。
(B)アセトアミノフェン
(B)成分のアセトアミノフェンも解熱鎮痛成分の一つであり、発熱や頭痛等の症状を抑える解熱鎮痛剤の主要な成分の一つとして使われる薬剤である。本発明においては、イブプロフェンに対して特定量のアセトアミノフェンを配合することで、イブプロフェンに由来する胃障害を抑制することができ、有効性を向上させることができる。(B)成分としては、アセトアミノフェン(N−(4−hydroxyphenyl)acetamide)及びその薬学的に許容される塩類を用いることができる。(B)成分の配合量としては、(B)/(A)で表される(A)成分に対する(B)成分の配合質量比が0.75以上であり、0.75〜2が好ましく、より好ましくは0.75〜1.0であり、さらに好ましくは0.8〜1.0である。アセトアミノフェンの配合質量比を0.75以上とすることで、イブプロフェンによる胃障害の抑制効果が向上し、アセトアミノフェンの配合比が高くなるにつれ、その作用は増強する傾向にある。上記比が0.75未満の場合は、この効果が不十分であり、2を超える場合は、胃障害が低減する傾向にあるものの、投与量が増大し、服用性等が悪くなるおそれがある。また、イブプロフェンの有効性は、イブプロフェンに対し任意の量のアセトアミノフェンを組み合わせることで向上するが、有効性の点からは、イブプロフェンに対するアセトアミノフェンの配合比が0.5以上において顕著な相乗効果が認められ、(B)/(A)の上限は1.0とすることが好ましい。(B)成分の組成物の配合量は上記配合比に依存するが、通常組成物中に5〜60質量%であり、8〜55質量%が好ましく、10〜50質量%がより好ましい。また、人に対する投与量は、成人で通常65〜400mg/回であり、95〜400mg/回が好ましく、100〜300mg/回がより好ましく、130〜200mg/回がさらに好ましい。
(C)メタケイ酸アルミン酸マグネシウム(制酸剤)
制酸剤は、胃酸を中和してpHを上昇させる効果を有するアルカリ剤である。本発明の解熱鎮痛組成物はメタケイ酸アルミン酸マグネシウムを必須とする。
(C)成分の配合量は、(C)/(A)で表される(A)成分に対する(C)成分の配合質量比が0.3〜1.5であり、好ましくは0.7〜1.2である。(C)成分の配合比が0.3未満の場合は、胃障害の抑制効果が低下し、一方、配合比が1.5を超える場合は、安定性が低下する。イブプロフェンによる胃障害は、溶解していない個体のイブプロフェンが胃内で滞留し、胃壁に直接接触することで起こると考えられる。制酸剤は、イブプロフェンと同時に投与されると、その制酸効果で胃内の酸を中和し、pHをイブプロフェンのpKa以上にすることで溶解性を向上し、固体のイブプロフェンと胃壁との接触機会を減らすため、胃障害の抑制効果を有すると考えられる。上記効果には十分な量の制酸剤が必要と考えられていたが、本発明においては、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムを用いることで、少量配合した場合でも、胃障害を抑制する効果を有するものである。また、制酸剤の配合量を少量にすることができるため、イブプロフェンと共に用いても安定性が良好であり、服用性、製造性にも優れる。(C)成分の組成物の配合量は上記配合比に依存するが、通常組成物中に4〜45質量%であり、6〜45質量%が好ましく、8〜40質量%がより好ましい。また、人に対する投与量は、成人で通常15〜300mg/回であり、35〜300mg/回が好ましく、65〜300mg/回がより好ましく、90〜240mg/回がさらに好ましい。
本発明には、(C)成分のメタケイ酸アルミン酸マグネシウム以外の制酸剤を、本発明の効果を損なわない範囲で配合することができる。その他の制酸剤としては、クムライト、ジヒドロキシアルミニウム・アミノ酢酸塩(アルミニウムグリシネート)、水酸化アルミニウムゲル、乾燥水酸化アルミニウムゲル、ケイ酸アルミニウム、合成ケイ酸アルミニウム、酸化マグネシウム、ケイ酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、合成ヒドロタルサイト、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム、無水リン酸水素カルシウム等が挙げられる。(C)成分以外の制酸剤の配合量は、(C)成分以外の制酸剤の金属[M]と、(C)アルミニウム系制酸剤の含有アルミニウム[Al]との、組成物中の含有モル比([M]/[Al])を1未満とする範囲が好ましく、より好ましくは0.6未満、さらに好ましくは0.3未満である。このモル比を1未満とすることで、胃障害の抑制効果がより発揮され、製剤の安定性が特に良好となる。
本発明の解熱鎮痛組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、上記成分以外の任意成分を配合することができる。任意成分としては、結合剤、賦形剤、滑沢剤、香料、矯味剤(甘味料、酸味料等)、色素、安定化剤、コーティング剤、可塑剤、隠蔽剤等が挙げられ、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて適量を用いることができる。
具体的には、結合剤としては、澱粉、α化デンプン、ショ糖、ゼラチン、アラビアゴム末、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン、プルラン、デキストリン等を用いることができる。賦形剤としては、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、トウモロコシデンプン、乳糖、コーンスターチ、タルク、結晶セルロース(セオラス等)、粉糖、マンニトール、軽質無水ケイ酸等を用いることができる。滑沢剤としては、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ポリエチレングリコール、タルク、ステアリン酸、ショ糖脂肪酸エステル、フマル酸ステアリルナトリウム等が挙げられる。香料としては、メントール、リモネン、植物精油(ハッカ油、ミント油、ライチ油、オレンジ油、レモン油等)等が挙げられる。甘味料としては、サッカリンナトリウム、アスパルテーム、ステビア、グリチルリチン酸二カリウム、アセスルファムカリウム、ソーマチン、スクラロース等が挙げられる。酸味料としては、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、フマル酸、乳酸又はそれらの塩等を用いることができる。コーティング剤としては、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、エチルセルロース等(商品名:オパドライ、日本カラコンなど)を用いることができる。可塑剤としては、ポリエチレングリコール、トリアセチン等を用いることができる。隠蔽剤としては、酸化チタン、タルク等を用いることができる。
本発明の解熱鎮痛組成物は固形製剤とすることができ、イブプロフェンと混合しても安定性に優れるため、(A)、(B)及び(C)成分を混合又は均一混合した組成物とすることができる。固形製剤としては、(A)〜(C)成分及び必要に応じて任意成分を混合し、この混合物を打錠機内に充填し、打錠して錠剤として得ることができる。また、造粒機で造粒して顆粒剤、細粒剤とすることもできる。特に、錠剤の場合単層錠等にすることが可能であり、多層錠にした場合でも同一層内に(A)、(B)及び(C)成分を配合することができる。
より具体的には、錠剤を調製する場合は以下の方法が挙げられる。(A)イブプロフェンと(B)アセトアミノフェンの粉体混合物と、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、トウモロコシデンプン、マンニトール、乳糖等の賦形剤とを造粒機に仕込み、ヒドロキシプロピルセルロース水溶液を噴霧し造粒し、得られた造粒物に、(C)メタケイ酸アルミン酸マグネシウムを混合する。この場合、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、トウモロコシデンプン、マンニトール、乳糖等の賦形剤、ステアリン酸マグネシウム等の滑沢剤を混合してもよい。得られた混合物を打錠機で打錠することにより、錠剤を得ることができる。また、得られた錠剤にポリビニルアルコール等を含むコーティング剤により、錠剤表面をコーティングし、コーティング錠とすることもできる。なお、賦形剤の配合量は組成物中5〜60質量%が好ましく、ヒドロキシプロピルセルロースの配合量は2〜10質量%が好ましい。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
[実施例1〜4、参考例1〜3、比較例1〜13]
表1〜3に示す成分及び配合割合で、各成分を混合し組成物を調製し、下記方法に従って胃障害の抑制効果及び錠剤の安定性を評価した。
<胃障害抑制効果の評価>
各実施例及び比較例の組成比の成分を、懸濁液としてラットに投与し、4時間後、胃を摘出して胃障害を評価した。実験方法の詳細は以下の通りである。
(1)動物
SD系雄性ラットの5週齢を1週間予備飼育し、1晩絶食(20〜24時間、水は自由摂取)後、試験に供した。各実施例及び比較例につき10匹用いた。
(2)試料(懸濁液)
ラットに対する試料の投与量を10mL/kgとし、イブプロフェンの投与量として130mg/kgとなるよう試料の調製を行った。
試料の調製は参考例1では下記の方法であり、その他の例はイブプロフェン650mgアセトアミノフェン及び制酸剤の質量比が表1〜3となる量、また、アラビアゴムが5w/mL%となるように適宜調製した。
i)イブプロフェン650mg、アセトアミノフェン650mg、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム200mg及びアラビアゴム2.5gを量り採り、乳鉢で混合した。
ii)混合した粉体に精製水を加えて懸濁し、50mLとした。
(3)試料の投与
試料の投与量を10mL/kgとして投与した。
具体的には、あらかじめ測定しておいたラットの体重にあわせた量(ラット体重200g:2mL)の懸濁液を、ラット用経口投与ゾンデを装着したディスポーサブル注射筒にとり、強制経口投与した。経口投与後も絶食は継続した。
(4)胃障害性評価
1)経口投与4時間後、エーテル麻酔下で胃を摘出した。胃摘出直後、ゾンデにて胃内に生理食塩水10mLを注入し、1質量%ホルマリン溶液に1時間以上入れて固定した。 2)ホルマリンにて固定終了後、胃の大湾を切り開き、内容物を生理食塩水にてあらい流し、胃を濾紙に広げて張り付け、潰瘍の長さ(mm)の合計(n=10)を測定した。下記評点に従って評価した結果を表1〜4に併記する。
評点
◎:10mm未満
○:20mm未満
△:40mm未満
×:40mm以上
<安定性>
表1〜3に記載の配合比に従い、イブプロフェンとアセトアミノフェンの粉体総量500gと、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(L−HPC・LH31、信越化学工業(株)製)100gを流動層造粒機(MP−01、(株)パウレック製)に仕込み、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC−L、日本曹達(株)製)6質量%水溶液600gを噴霧し造粒した。
造粒した粉体を750μmの篩で篩過し、その500gに、配合比率相当の制酸剤、及び、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース100g、さらに、ステアリン酸マグネシウム0.5質量%(外割り)で均一に混ざるよう混合し、ロータリー打錠機(クリーンプレス12HUK、(株)菊水製作所製)にて、イブプロフェンを65mg含む錠剤を調製した。参考例1の錠剤(1錠)の組成を下記に示す。その他の例はイブプロフェン65mg、アセトアミノフェン及び制酸剤の質量比が表1〜3となる量に適宜調製した。
錠剤(1錠)組成(参考例1)(成人投与量2錠)
(mg)
イブプロフェン 65
アセトアミノフェン 65
メタケイ酸アルミン酸マグネシウム 19.5
低置換度ヒドロキシプロピルセルロース 59(26+33)
ヒドロキシプロピルセルロース 9.36
合計 217.86
ステアリン酸マグネシウム0.5質量%(外割り)
上記で調製した錠剤を50℃,75%RH条件下で、シャーレにて保存し、2日後の外観変化を観察した。下記評点に従って評価した結果を表1〜4に併記する。
評点
◎:全く変色なし
○:ほとんど変色なし
△:やや変色あり
×:かなり変色あり
Figure 0005742352
Figure 0005742352
Figure 0005742352
<有効性(ランダール・セリット法>
実施例、下記試験例1、比較例8,13及びイブプロフェン単独について有効性(ランダール・セリット法)の評価を行った。
各例の組成比の成分を、懸濁液として右後脚を起炎したラットに投与、2時間後の痛み閾値を測定する。実験方法の詳細は以下の通りである。
(1)動物
SD系雄性ラットの5週齢を1週間予備飼育し、1晩絶食(17〜20時間、水は自由摂取)後、試験に供した。各例につき10匹用いた。
また、動物は、試験前にトレーニングとして、疼痛閾値の測定を2日間で3回行った。さらに、起炎前に疼痛閾値の測定を行い(疼痛閾値i)、疼痛閾値が60〜120程度の動物を選択し、試験に供した。
(2)試料
ラットに対する試料の投与量を10mL/kgとし、イブプロフェンの投与量として13mg/kgとなるよう試料の調製を行った。
試料の調製は実施例では下記の方法であり、その他の例はイブプロフェン65mg、アセトアミノフェン及び制酸剤の質量比が表1〜4となる量、また、アラビアゴムが5w/mL%となるように適宜調製した。
i)イブプロフェン65mg、アセトアミノフェン65mg、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム47.5mg及びアラビアゴム2.5gを量り採り、乳鉢で混合した。
ii)混合した粉体に精製水を加えて懸濁し、50mLの懸濁液を得た。
(3)起炎
ビール酵母4gを生理食塩水で20gとし、分散させた。この液0.1mLをラット右後肢足蹠(そくせき)に皮下投与した。
起炎から2時間後、疼痛閾値測定装置にて、起炎したラット右後脚の疼痛閾値を測定した。
(4)試料の投与
懸濁液の投与量を、10mL/kgとして投与した。また、薬物を含まない試料(アラビアゴムのみ含む)を調製し、コントロールとした。
起炎から2時間後の疼痛閾値を測定した後、あらかじめ測定しておいたラットの体重にあわせた量(例:ラット体重200g:2mL)の懸濁液を、ラット用経口投与ゾンデを装着したディスポーサブル注射筒にとり、強制経口投与した。経口投与後も絶食は継続した。
(5)疼痛閾値評価
試料の経口投与から1時間後、疼痛閾値測定装置で起炎したラットの右後脚の疼痛閾値を測定した(疼痛閾値ii)。得られた結果から、下記式にて抑制率を算出した。
抑制率(%)=
[(平均疼痛閾値ii)−(コントロール群の平均疼痛閾値ii)]/[(コントロール群の平均疼痛閾値i)−(コントロール群の平均疼痛閾値ii)]×100
実施例の抑制率:82.7%
試験例1の抑制率:80.9%
比較例8の抑制率:59.3%
比較例13の抑制率:44.0%
イブプロフェンのみの抑制率:37.8%
上記の結果から、実施例は高い有効性を有していることが示された。
Figure 0005742352

Claims (7)

  1. (A)イブプロフェン、(B)アセトアミノフェン及び(C)メタケイ酸アルミン酸マグネシウムを含有し、(B)/(A)で表される(A)成分に対する(B)成分の配合質量比が0.8〜2.0であり、(C)/(A)で表される(A)成分に対する(C)成分の配合質量比が0.7〜1.2であることを特徴とする解熱鎮痛組成物。
  2. (A)、(B)及び(C)成分が混合されてなる固形製剤であることを特徴とする請求項1記載の解熱鎮痛組成物。
  3. (B)/(A)で表される(A)成分に対する(B)成分の配合質量比が0.8〜1.0であることを特徴とする請求項1又2記載の解熱鎮痛組成物。
  4. (C)成分以外の制酸剤の金属[M]と、(C)成分の含有アルミニウム[Al]との、組成物中の含有モル比([M]/[Al])が0.3未満であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の解熱鎮痛組成物。
  5. (A)成分の配合量が組成物中5〜40質量%であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の解熱鎮痛組成物。
  6. (B)成分の配合量が組成物中8〜50質量%であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載の解熱鎮痛組成物。
  7. (C)成分の配合量が組成物中6〜40質量%であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載の解熱鎮痛組成物。
JP2011065483A 2010-03-25 2011-03-24 解熱鎮痛組成物 Active JP5742352B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011065483A JP5742352B2 (ja) 2010-03-25 2011-03-24 解熱鎮痛組成物

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010070829 2010-03-25
JP2010070829 2010-03-25
JP2011065483A JP5742352B2 (ja) 2010-03-25 2011-03-24 解熱鎮痛組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011219470A JP2011219470A (ja) 2011-11-04
JP5742352B2 true JP5742352B2 (ja) 2015-07-01

Family

ID=45036898

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011065483A Active JP5742352B2 (ja) 2010-03-25 2011-03-24 解熱鎮痛組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5742352B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106232089B (zh) * 2014-04-24 2021-07-13 株式会社资生堂 护肤化妆品
JP6708010B2 (ja) * 2016-06-22 2020-06-10 ライオン株式会社 内服固形製剤

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3122748B2 (ja) * 1991-11-29 2001-01-09 ライオン株式会社 イブプロフェン含有解熱鎮痛剤
WO2010117035A1 (ja) * 2009-04-09 2010-10-14 ライオン株式会社 複合体及びその製造方法、ならびに粒状剤及び錠剤

Also Published As

Publication number Publication date
JP2011219470A (ja) 2011-11-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA2870868C (en) Orally disintegrating tablet and production process therefor
BRPI0714514B1 (pt) Grânulo compreendendo núcleo revestido por oxicodona, bem como comprimido para desintegração oral e seu processo de fabricação
JP3929618B2 (ja) 口中溶解型又は咀嚼型鼻炎治療用固形内服医薬組成物
CA2488422C (en) Stable solid medicinal ramosetron composition for oral administration
WO2007119792A1 (ja) 乾式直打速崩壊性錠剤
WO2013155054A1 (en) Compositions and methods for treating cough
EP2591781B1 (en) Particle coating preparation
JP5742352B2 (ja) 解熱鎮痛組成物
JP5740896B2 (ja) 解熱鎮痛組成物
CA2853117A1 (en) Sublingual pharmaceutical composition containing an antihistamine agent and method for the preparation thereof
JP4913359B2 (ja) イブプロフェン含有医薬組成物
JP6018891B2 (ja) 解熱鎮痛組成物
JP2005187328A (ja) イブプロフェン含有解熱鎮痛組成物、及び感冒薬
JP2007332063A (ja) ポビドンヨードを含有する口腔内崩壊型固形製剤
JP2018090572A (ja) 固形製剤
KR20150048890A (ko) 플루르비프로펜을 포함하는 약학적 조성물
JP2005132788A (ja) 口腔内崩壊錠
JP7119650B2 (ja) 鎮痛剤
JP2000095707A (ja) 苦味を有する薬物を含有する口中溶解型又は咀嚼型固形内服医薬組成物
JP5226732B2 (ja) 催眠用圧縮成型製剤
JP2018048136A (ja) 錠剤およびその製造方法
JP5282644B2 (ja) 内服用錠剤
JP2006342188A (ja) 口中溶解型又は咀嚼型鼻炎治療用固形内服医薬組成物
JP2019043934A (ja) 鎮痛剤
JP5690972B2 (ja) 酸化チタンの変色が抑制された組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140128

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150120

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150316

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150407

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150420

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5742352

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350