JP2019042751A - 電動式搬送装置 - Google Patents
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Abstract
Description
このような各鋳枠間または各台車相互間の隙間を無くし、搬送の際の衝撃を与えずに直列状に配列された鋳枠群(鋳型保持体群)を搬送する装置として、例えば特許文献1に示されるものが知られている。
これは、特許文献1の図1に示すように、搬送レールの一端に設置されて複数の鋳型搬送用台車群を押し出す押出しシリンダ(押出し装置)と、搬送レールの他端に設置されて押し出された鋳型搬送用台車群の移動速度を減殺するクッションシリンダ(クッション装置)とについて、いずれも駆動装置を電動サーボ式とするものである。
この電動サーボ式の押し出しシリンダおよびクッションシリンダは、シリンダの作動速度、作動距離を細かく設定することができ、搬送作業の始点、終点におけるシリンダの位置決めも高い精度で行うことができるというものである。
なお、鋳型保持体とは、鋳型を保持する鋳枠、鋳型を保持するための空鋳枠、鋳型を載置する台車(搬送台)、および鋳型を載置するパレット(搬送台)を含むものである。
本発明に係る電動式搬送装置の第一実施形態を図面に基づいて以下に説明する。図1は、本実施形態における電動式搬送装置1の概要を示す平面図であり、図2は、電動式搬送装置1の正面図である。
軌道装置2は、図2に示すように、対向して搬送方向に延在するバー部材21と、バー部材21の内側の対向側面に、搬送方向に直角な水平方向の軸心の回転軸22a(図3参照)に回転自在に設けられた複数のローラ22とを備えている。床BSには、搬送方向に沿って延在するベース23が設けられている。ベース23には、対となった複数の支柱24が搬送方向に沿って立設され、複数の支柱24にはバー部材21が横架状態で支持されている。対向するバー部材21は、支柱によって所定の高さ位置に夫々架設されている。このように軌道装置2は、ベース23上に固定され一体となっている。軌道装置2には、床BS上に併設軌道装置2Aが平行して設けられている(図1参照)。
押出し装置4は、図2、図3および図4に示すように、第一運動変換装置41と、第一直線往復体42と、第一電動式モータ43とを備えている。押出し装置4の第一運動変換装置41は、軌道装置2(ローラコンベヤ)上に鋳型保持体群3が配列されたときに鋳型保持体群3の後端側のベース23上に固定されている。
第一スライダクランク機構411を駆動させる第一電動式モータ43として、同期モータを挙げることができる。同期モータは、サーボモータのような複雑な位置制御を行うことなく、回転数を変える周波数制御を行う。
クッション装置5は、図2、図6、図7および図9に示すように、第二運動変換装置51と、第二直線往復体52と、第二電動式モータ53と、クッション部材54とを備えている。クッション装置5の第二運動変換装置51は、ベース23の前端側すなわち、軌道装置2(ローラコンベヤ)上に鋳型保持体群3が配列されたときに鋳型保持体群3の前端側のベース23上に固定されている。第二運動変換装置51は、スライダクランク機構(第二スライダクランク機構511に相当する)を備えている。第二スライダクランク機構511は、第二電動式モータ53に減速機構(図略)を介して回転する回転軸511aに基端が相対回転不能に連結されたアーム511bを有するクランク部511cと、アーム511bの先端に設けられ上下方向に延在するガイド部511dに沿ってスライドするスライド部511eとを備えている。第二電動式モータ53および回転軸511aの軸受部511a1は、ベース23に固定されている。ガイド部511dは、第二直線往復体52の前部に相対移動不能に設けられている。アーム511bが回転軸511aを中心に回転すると、スライド部511eはガイド部511dに沿って上下動するとともに、ガイド部511dと一体になった第二直線往復体52を搬送方向に沿って直線往復動するように構成されている。第二直線往復体52は、図8に示すように、第二前進端SFと第二後退端SBとの間で直線往復動するが、第二前進端SFと第二後退端SBとの距離は、押出し装置4と同様に一鋳型保持体3a分のピッチ間隔に相当する。第二電動式モータ53として、押出し装置4の第一電動式モータ43と同様の規格の同期モータを挙げることができる。
クッション部材54は、図6に示すように、ピストンロッドとしての棒状本体54aと棒状本体54aの先端部に設けられた緩衝部54bと、棒状本体54aの後端部に設けられたピストン54cを備えている。棒状本体54aは、例えば鋼鉄製部材で棒状に形成されている。緩衝部54bは、例えば焼入れした鋼鉄製部材から短円柱状に形成され、鋳型保持体群3との接触でクッション部材54の先端部が磨耗するのを防止している。ピストン54cは、例えば鋼鉄製部材から鍔状に形成されて、第二直線往復体52に形成される挿入支持穴52dの開口縁に掛止するとともに挿入支持穴52dの内周壁とピストン54cの外周との間をシールするシール部(図略)を備えている。クッション部材54は、突出端PEと退入端REとの間で所定ストロークL移動する。挿入支持穴52d(シリンダ)、棒状本体54a(ピストンロッド)、およびピストン54cにより主にシリンダ装置55が構成される。
付勢装置6は、図2、図6および図8に示すように、シリンダとしての挿入支持穴52dからピストンロッドとしての棒状本体54aを、突出・退入させる。付勢装置6は、シリンダ装置55に連通する油圧回路61と、油圧回路61に油圧を加える油圧供給源62とを備えている。挿入支持穴52dの内壁には、前端部付近に開口する前端開口孔52d1と挿入支持穴52dの奥部付近に開口する奥部開口孔52d2とが形成されている(図6参照)。挿入支持穴52dの前端開口部の周縁と棒状本体54aの外周の間、ピストン54cの外周と挿入支持穴52dの内周壁との間は夫々相互に摺動可能にシール(図略)されている。
油圧回路61は、図8に示すように、突出側配油管61aと退入側配油管61bとを備えている。突出側配油管61aは、挿入支持穴52dの奥部開口孔52d2に接合され、油が加圧されて挿入支持穴52dの奥部に充填すると、クッション部材54を突出させる。突出側配油管61aには、油圧供給源62(本実施形態では油圧ポンプ)が接続され、奥部開口孔52d2と油圧供給源62との間には、第一電磁切替弁63および第二電磁切替弁64が設けられている。
第一電磁切替弁63は、3ポート・2位置の電磁切替弁である。第一電磁切替弁63は、挿入支持穴52dの奥部開口孔52d2に連通する奥部連通ポート63a、第一減圧弁65(後述)に連通する第一減圧弁連通ポート63b、および第二電磁切替弁64に連通する第二電磁切替弁連通ポート63cを有している。第一電磁切替弁63は、A部およびB部という2つの切替部を有している。A部は、奥部連通ポート63aと第一減圧弁連通ポート63bとを連通させ、第二電磁切替弁連通ポート63cの連通を遮断させる。B部は、奥部連通ポート63aと第二電磁切替弁連通ポート63cとを連通させ、第一減圧弁連通ポート63bの連通を遮断させる。また、第一電磁切替弁63は、油の流れる方向を限定しないユニバーサル電磁切替弁となっている。通常、挿入支持穴52dの奥部開口孔52d2と第一減圧弁65とが連通するA部がノーマルポジションとなっている。
なお、所定ストロークLの長さが、押出し装置4(第一直線往復体42)とクッション装置5(第二直線往復体52)との同期ずれを吸収するのに必要な長さよりも、例えば充分に長く形成されている場合がある。この場合、クッション部材54が実際の搬送時に突出・退入する実際のストロークは、所定ストロークLよりも短い値となる。また、この実際のストロークでは、実際のストロークの往復動作の振幅の半分がストロークの半分であり、振幅の中心は、付勢装置6の付勢力と鋳型保持体群3の慣性力との釣り合いによって変化する。
クッション装置5は、クッション部材54の突出・退入する距離をなるべく多く確保すべきことより、所定ストロークLの半分L/2は、実際のストロークの振幅の中心が合致する位置で定めることが望ましい。そのため、所定ストロークLの半分L/2という長さは、クッション部材54の実際の往復動作によって変化し、その値にはある程度の許容範囲が必要となる。
鋳型保持体交換装置7は、図1に示すように、軌道装置2の上流側搬入位置UPと併設軌道装置2Aの下流側搬出位置DPAとの間に設けられた第一鋳型保持体交換装置71と、軌道装置2の下流側搬出位置DPと併設軌道装置2Aの上流側搬入位置UPAとの間に設けられた第二鋳型保持体交換装置72とを、備えている。第一鋳型保持体交換装置71と第二鋳型保持体交換装置72とは、その構成が同様であるので、第一鋳型保持体交換装置71により代表して説明する。
走行フレーム7aは、軌道装置2の上流側搬入位置UPと併設軌道装置2Aの下流側搬出位置DPAとを跨ぐように設けられた一対の走行レール7a1と、一対の走行レール7a1の端部を支持する四本の支持柱7a2とを備えている。移動台7bは、板状の支持台7b1と、支持台7b1に回動可能に支持され走行レール上を転動する四つの転動車輪7b2とを備えている。移動台7bは、油圧等で駆動される図略の往復シリンダにより走行レール7a1上を往復移動する。
また、第一電動式モータ43、第二電動式モータ53の駆動、第一電磁切替弁63および第二電磁切替弁64の切替え等は、図略の制御装置によって動作が制御される。
次に上記の構成の電動式搬送装置1の作動について図面に基づき以下に説明する。
軌道装置2の上流側搬入位置UPには、第一鋳型保持体交換装置71により搬入された鋳型保持体3aが搬入され、搬入された鋳型保持体3aの下流側には、直列状に複数の鋳型保持体3aが配列され、搬入された鋳型保持体3aとともに鋳型保持体群3が形成されている。
この場合、鋳型保持体群3の最前端とクッション部材54の先端部との間に、所定ストロークL(図6参照)から後部隙間BG幅および所定ストロークの半分L/2を差し引いた値に前部隙間FG幅が設定されるようになっている。
さらに、制御装置は、軌道装置2上の下流側搬出位置DPに位置決めされた鋳型保持体3aを第二鋳型保持体交換装置72によって把持して、例えば、併設軌道装置2Aに搬出する。
本発明に係る電動式搬送装置の第二実施形態を図13〜図17に基づいて以下に説明する。
第二実施形態における電動式搬送装置101は、クッション装置における付勢装置が油圧回路およびシリンダ装置によるものではなく、コイルばね106によりクッション部材54を突出端に向って付勢している点において第一実施形態の電動式搬送装置1と相違する。その他の点においては同様な構成であるので、同じ符号を付与して説明を省略する。
鋳型保持体群3の搬送が開始されたとき、図14にしめすように、クッション部材54はコイルばね106により付勢され、クッション部材54は、所定ストロークLの半ばが突出した状態で鋳型保持体群3の最前端を受ける。
これら第一圧力および第二圧力の切替えによって、第一直線往復体42とクッション部材54との間に鋳型保持体群3を挟み込んで、鋳型保持体3a相互間に衝突を生じさせること無く、鋳型保持体群3を安全に搬送することができる。
これによると、クッション部材54が、中間の位置から突出端PE側或いは退入端RE側へ所定ストロークLの範囲内で移動することで、第一直線往復体42と第二直線往復体52との同期動作からのずれを吸収して、鋳型保持体群3を挟み込んだ状態で、搬送することができる。
これによると、鋳型保持体群3が搬送開始後、第一直線往復体42は、後部隙間BGを埋めるように前進し、クッション部材54は、前部隙間FGを埋めるように前進する。このとき、第二直線往復体52は、第一直線往復体42の前進と連動して後退するため、クッション部材54は、前部隙間FGと後部隙間BGとの長さの合計の長さを突出することで、第一直線往復体42が、前進して鋳型保持体群3の最後端に当接するときに先端を鋳型保持体群3の最前端に当接する。このように、クッション部材54は、所定ストロークLの半分の長さを突出させて、鋳型保持体群3の搬送を開始する。そのため、その後の搬送において、クッション部材54が、突出端PE側或いは退入端RE側へ所定ストロークLの範囲内で移動することで、第一直線往復体42と第二直線往復体52との同期ずれを効率よく吸収して、搬送することができる。
これによると、第一運動変換装置41と第二運動変換装置51とを、構造上同じ変換機構である第一スライダクランク機構411と第二スライダクランク機構511とすることで、第一直線往復体42および第二直線往復体52の直線方向の動作を容易に同期させることができる。
これによると、軌道装置2、ベース23、押出し装置4およびクッション装置5が一体となったユニット化を図ることができる。第一直線往復体42および第二直線往復体52は、軌道装置2上で往復動するので、第一直線往復体42および第二直線往復体52を支持する特別なガイド機構不要とし、低コストの設備とすることができる。
これによると、第一直線往復体42および第二直線往復体52が軌道装置2から外れるのを防止することができる。
また、電動式搬送装置によって搬送するのは、鋳型を保持する鋳枠、鋳型を保持するための空鋳枠、鋳型を載置する台車(搬送台)、および鋳型を載置するパレット(搬送台)に限定されるものではない。例えば、鋳物品をパレットや台車によって搬送するのに使用してもよい。
この場合、所定ストロークLの半分L/2は、構造上突出可能な突出端PEと構造上退入可能な退入端REとの移動距離である所定ストロークLの半分L/2の値を示すものではなく、クッション部材54が挿入支持穴52dに対して突出・退入する往復動の振幅の半分を示す値となり、振幅の中心位置も付勢装置6の付勢力と鋳型保持体群3の慣性力と釣り合いによって変化する。このように、所定ストロークLの半分L/2は、挿入支持穴52dに対して突出・退入する往復動作によって変化するものであり、その中心位置は、例えば、±30%程度の許容範囲が存在する。
Claims (7)
- 鋳型を内蔵する鋳枠である鋳型保持体または鋳型を載置する搬送台である鋳型保持体が、直列状に配列された鋳型保持体群を押出し装置とクッション装置とにより挟み込み、前記鋳型保持体群を搬送開始位置から搬送完了位置に向かって一鋳型保持体分のピッチ間隔ずつ軌道装置上を搬送方向に直線移動させる電動式搬送装置であって、
前記押出し装置は、第一電動式モータの回転運動を前記搬送方向の直線往復運動に変換する第一運動変換装置と、前記第一電動式モータにより前記第一運動変換装置を介して第一後退端と第一前進端の間で直線往復動され、前記第一後退端から前記第一前進端に前進するとき前記鋳型保持体群の最後端をプッシュして前記鋳型保持体群を前記搬送方向に直線移動させる第一直線往復体とを有し、
前記クッション装置は、第二電動式モータの回転運動を前記搬送方向の直線往復運動に変換する第二運動変換装置と、前記第二電動式モータにより前記第二運動変換装置を介して第二前進端と第二後退端との間で直線往復動される第二直線往復体と、前記鋳型保持体群の最前端に向かって突出する突出端と退入端との間で前記搬送方向に所定ストローク移動可能に前記第二直線往復体に設けられたクッション部材と、前記第二直線往復体が前記第二前進端から前記第二後退端に後退するとき前記クッション部材を前記突出端に向かって付勢して前記鋳型保持体群の前記最前端を受けさせる付勢装置とを有し、
前記第一直線往復体が前記第一後退端に位置し、前記第二直線往復体が前記第二前進端に位置し、前記クッション部材が前記退入端に位置し、前記鋳型保持体群が前記搬送開始位置に位置するとき、前記鋳型保持体群の前記最前端と前記クッション部材の先端との間に前記所定ストロークより設定値だけ小さい前部隙間が形成される、電動式搬送装置。 - 前記付勢装置は、シリンダ装置であり、
前記クッション部材を前記鋳型保持体群の前記最前端に付勢する圧力は、
前記第一直線往復体が加速して前進するとき、前記鋳型保持体群が自由運動して前記第一直線往復体から離間しない程度に前記クッション部材を前記鋳型保持体群の前記最前端に付勢する第一圧力と、
前記第一直線往復体が減速して前進するとき、前記鋳型保持体群が慣性力で前記第一直線往復体から離間しない程度に前記クッション部材を前記鋳型保持体群の前記最前端に付勢する第二圧力との間で切替可能である、
請求項1に記載の電動式搬送装置。 - 前記第一直線往復体が前記第一後退端から一定量前進し、前記第二直線往復体が前記第二前進端から前記一定量後退し、前記第一直線往復体が前記鋳型保持体群の前記最後端に当接し、かつ前記クッション部材の先端が前記鋳型保持体群の前記最前端に当接した状態において、前記クッション部材は、前記突出端と前記退入端との中間に位置する、
請求項1または2に記載の電動式搬送装置。 - 前記第一直線往復体が前記第一後退端に位置し、前記第二直線往復体が前記第二前進端に位置し、前記クッション部材が前記退入端に位置し、前記鋳型保持体群が前記搬送開始位置に位置するとき、
前記第一直線往復体の先端と前記鋳型保持体群の前記最後端との間に設けられる後部隙間と、
前記クッション部材の先端と前記鋳型保持体群の前記最前端との間に設けられる前記前部隙間と、の隙間幅の合計長さは、
前記クッション部材の前記所定ストロークの半分の長さである、
請求項1または2に記載の電動式搬送装置。 - 前記第一運動変換装置は、前記第一電動式モータの回転運動を前記搬送方向に沿った前記直線往復運動に変換する第一スライダクランク機構であり、
前記第二運動変換装置は、前記第二電動式モータの回転運動を前記搬送方向に沿った前記直線往復運動に変換する第二スライダクランク機構である、
請求項1ないし4のいずれか1項に記載の電動式搬送装置。 - 前記搬送方向に沿って延在するベースが設けられ、
前記軌道装置は、前記ベース上に固定され、
前記押出し装置は、前記ベースの前記鋳型保持体群の後端側に設けられ、
前記クッション装置は、前記ベースの前記鋳型保持体群の前端側に設けられ、
前記第一直線往復体は、前記軌道装置上の前記鋳型保持体群の後端側に往復動可能に配置され、
前記第二直線往復体は、前記軌道装置上の前記鋳型保持体群の前端側に往復動可能に配置されている、
請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の電動式搬送装置。 - 前記第一直線往復体および前記第二直線往復体と前記軌道装置との間には、前記鋳型保持体群を挟み込んで前記軌道装置上を移動する際に、前記第一直線往復体および前記第二直線往復体が前記軌道装置から外れるのを防止する外れ防止機構が夫々備えられている、
請求項6に記載の電動式搬送装置。
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