JP6970440B2 - 搬送装置および搬送方法 - Google Patents
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特に、注湯された後は、冷却するための搬送経路に搬送され、注湯された溶湯が所定温度に低下するまで冷却することが必要となる。この冷却時間を多く必要とする場合、搬送経路を延長して長い冷却時間を確保する必要がある。
そのため、特許文献1の台車搬送装置は、電動式モータで駆動し搬送経路に沿って往復動する駆動体を使用し、特許文献1における図14および図15に示すように、平面上の設置スペースに2番目の第1搬送経路、2番目の第2搬送経路等を追加することで搬送経路を延長している。しかし、平面的な設置スペースの確保ができない場合、必要とする搬送経路の延長が充分に達成できないという問題があった。
そのため、特許文献2の注湯済み鋳型冷却装置において、特許文献2の図1に示すように、上段冷却経路および下段冷却経路という上下二段の搬送経路を設けることで、平面上の設置スペースが確保できない場合に、必要とする搬送経路の延長を達成するものである。
そのため、押出しシリンダとクッションシリンダとを配置しないで搬送経路を複数段配置する搬送装置を考えたが、搬送経路の端部に設置した昇降装置(上昇装置)に搭載されて昇降する移動台が、上段側の搬送経路に沿って移動する駆動体と干渉するという問題が生じた。
このように、平面的な設置スペースの確保ができない場合において、立体的な上下段の搬送経路による効率的な延長レイアウトが可能で、搬送経路の一端部側に設置した上昇装置に搭載された移動台と、上段搬送経路に沿って移動する上段駆動体とが干渉することなく、円滑に作動させることができる。
本件発明にかかる搬送装置の第一実施形態について、図1〜図25に基づいて以下に説明する。
本実施形態の搬送装置1は、図1に示すように、鋳枠付鋳型FMを載置する移動台(台車)2、下段搬送経路3、上段搬送経路4、上昇経路5、下降経路6、下段駆動体7、上段駆動体8、下段電動式モータ(下段駆動装置)9、上段電動式モータ(上段駆動装置)10、運動変換装置11,12、上昇装置13、下降装置14、第一離脱係合装置15、第二離脱係合装置16、および制御装置17を備えている。
下段搬送経路3において、移動台(台車)2は、図1において、左側から右側に搬送され、右側に向う方向が「所定方向」であり搬送方向である。
上段搬送経路4において、移動台2は、図1において、右側から左側に搬送され、左側に向う方向が「所定方向の反対方向」であり搬送方向である。
また、搬送される移動台2の移動方向の前側を下流側といい、搬送されて行く移動台2の移動方向の後側を上流側という。また、搬送方向というときは、特にことわる場合を除き、移動台2が下段搬送経路3および上段搬送経路4に沿って移動する方向をいう。
また、本実施形態において、一ピッチとは、一つの移動台2の搬送方向の長さを表すものである。
移動台2は、本実施形態では、注湯された鋳枠付鋳型FMを載置する台車である。移動台2は、鋳枠のみを搬送したり、鋳枠の無い鋳型を搬送したり、鋳物品を搬送したりする場合を含む。
移動台2は、図1に示すように、例えば、鉄鋼製部材で形成された矩形状の載置台21と、載置台21の下方に前後左右に突設された軸受部22と、左右対となった軸受部22に夫々回転自在に軸支された転動車輪23とを備えている。転動車輪23は、後述する台車レール34,44上を転動する。
下段搬送経路3および上段搬送経路4に配置されたときに、一端部側(右方の端部側)となる載置台21の端部には、被係合部としての一端部側係合突起24が設けられている。一端部側係合突起24は、一端部側から見たときに、図2および図3に示すように、載置台21において搬送方向に延在する中心線CLに対して右側にずれた位置に設けられている。一端部側係合突起24は、下段駆動体7および上段駆動体8の後述する他端部側下段移動部7Lおよび他端部側上段移動部8Lの他端部側下段係合部73L,83Lに係合する。他端部側下段係合部73L,83Lは、下段搬送経路3においては上流側から一端部側係合突起24に係合し、上段搬送経路4においては、下流側から一端部側係合突起24に係合する。
下段搬送経路3および上段搬送経路4に配置されたときに、他端部側となる載置台21の端部には、被係合部としての他端部側係合突起25が設けられている。他端部側係合突起25は、一端部側(右方の端部側)から見たときに、図2および図3に示すように、載置台21において搬送方向に延在する中心線CLに対して左側にずれた位置に設けられている。他端部側係合突起25は、下段駆動体7および上段駆動体8の後述する一端部側下段移動部7Rおよび一端部側上段移動部8Rの一端部側下段係合部73R、一端部側上段係合部83Rに係合する。一端部側下段係合部73R、一端部側上段係合部83Rは、下段搬送経路3においては下流側から他端部側係合突起25に係合し、上段搬送経路4においては、上流側から他端部側係合突起25に係合する。
下段搬送経路3は、図1、図3および図4に示すように、支柱31、下段I型梁32、支柱間梁33、下段台車レール34、下段駆動体レール35および分離ストッパ36を備えている。
下段搬送経路3の一端部3Rと他端部3Lとの間には、複数の移動台2が連続して並べられ、複数の移動台2は一端部3Rの方向に一ピッチずつ搬送される。
支柱31は、例えば、鋼鉄製部材により断面矩形状に形成され、ベースBG上に対にして複数本(実施形態では八対で十六本)立設されている。支柱31の内側の途中には、搬送方向に沿って延在する断面矩形状の横部材31aが対向して設けられている。対向する横部材31aの内側の端面には、一対の下段I型梁32が対向して設けられている。
下段I型梁32は、図4に示すように、水平方向に沿って延在する上部壁32a、上部壁32aの下方に設けられ上部壁32aに沿って延在する下部壁32bおよび上部壁32aの下面と下部壁32bの上面との間に設けられた垂直壁32cを備えている。上部壁32a、下部壁32bおよび垂直壁32cは、例えば、鋼鉄製部材により一体に形成されている。
各下段I型梁32の上部壁32aの上面には、例えば、鋼鉄製部材により形成された下段台車レール34が図略のボルト・ナットにより敷設されている。下段I型梁32の下部壁32bの上面内縁部には、下段台車レール34に平行な下段駆動体レール35が敷設されている。下段駆動体レール35には、図4に示すように、後述する下段駆動体7の転動輪72が転動自在に載置される。対となった支柱31の上端の間には、支柱間梁33が夫々横架されている。対となった支柱31と支柱間梁33とによって、搬送方向に開口する矩形の門状のフレームが形成される。搬送方向に並べられた複数の門状のフレームの上に上段搬送経路4が構築されている。
上段搬送経路4は、図1、図2および図4に示すように、上部支柱41、上段I型梁42、上段台車レール44、上段駆動体レール45および分離ストッパ46を備えている。
上段搬送経路4の一端部4Rと他端部4Lとの間には、複数の移動台2が連続して並べられ、複数の移動台2は他端部4Lの方向に一ピッチずつ搬送される。
複数の上部支柱41は、図4に示すように、支柱間梁33の上面に、支柱31よりも狭い間隔で対となった状態で立設されている。上部支柱41の上端には、上段I型梁42が搬送方向に延在するように組付けられている。
上段I型梁42は、水平方向に沿って延在する上部壁42a、上部壁42aの下方に設けられ上部壁42aに沿って延在する下部壁42bおよび上部壁42aの下面と下部壁42bの上面との間に設けられた垂直壁42cを備えている。上部壁42a、下部壁42bおよび垂直壁42cは、例えば、鋼鉄製部材により一体に形成されている。上段I型梁42の上端には、上段台車レール44が搬送方向に沿って延在するように設けられている。上段台車レール44には、下段台車レール34と同様に移動台2の転動車輪23が転動する。対となった上段I型梁42の対向する下部内縁部(下部壁42bの上面内縁部)には、上段台車レール44に平行な上段駆動体レール45が敷設されている。上段駆動体レール45には、下段駆動体レール35と同様に後述する上段駆動体8の転動輪82が転動自在に載置される。
下段搬送経路3の両端部(一端部3Rおよび他端部3L)には、分離ストッパ36が設けられている。分離ストッパ36は、下段I型梁32の外側面に固定されたエアシリンダ36aと、エアシリンダ36aのピストン部36a1に基端が連結され、先端が下段台車レール34の上に進退するストッパ部36b1を有し、中央部を中心に回動可能に下段I型梁32に支持されたクランク装置36bと、を備えている。エアシリンダ36aは、いずれも図略のエアポンプと、エアポンプからのエアを切り替える電磁切替弁とを有している。エアポンプおよび電磁切替弁の作動は、制御装置17によって制御される。
上段搬送経路4の両端部(一端部4Rおよび他端部4L)にも、分離ストッパ46が設けられている。上段搬送経路4の分離ストッパ46は、下段搬送経路3の分離ストッパ36と同様の構造であるので、同じ符号を付与して説明を省略する。
下段搬送経路3の他端部4L側に寄った途中には、図1に示すように、後述する搬入搬出装置18が設けられている。
上昇経路5は、図1に示すように、下段搬送経路3の一端部3Rに水平方向で連絡する下段離脱準備位置(上昇開始位置)UPPおよび下段離脱位置(上昇開始位置)3BPと(図15参照)、上段搬送経路4の一端部4Rに水平方向で連絡する上段係合準備位置(上昇完了位置)4LPおよび上段係合位置(上昇完了位置)REPとの間で、移動台2が上昇する経路である。後述する上昇装置13の昇降フレーム131が対応する(図7参照)。
なお、「上昇開始位置」とは、上昇装置13による上昇動作が開始される前の位置をいい、下段搬送経路3の一端部3Rに水平方向で連絡する下段離脱準備位置UPPと、下段離脱準備位置UPPよりも第一離脱係合装置15により係合・離脱に必要なストローク分だけ上昇した下段離脱位置3BPとが、共に上昇開始位置に相当する。
また、「上昇完了位置」とは、上昇装置13による上昇動作が完了した位置をいい、上段搬送経路4の一端部4Rに整列する上段係合位置REPと、上段係合位置REPよりも第一離脱係合装置15により係合・離脱に必要なストローク分だけ上昇した上段係合準備位置4LPとが、共に上昇完了位置に相当する(図17参照)。
なお、「下降開始位置」とは、下降装置14による下降動作が開始される前の位置をいい、上段搬送経路4の他端部4Lに整列する上段離脱準備位置DPPと、上段離脱準備位置DPPよりも係合・離脱に必要なストローク分だけ上昇した上段離脱位置4BPとが、共に下降開始位置に相当する(図21参照)。
また、「下降完了位置」とは、下降装置14による下降動作が完了した位置をいい、下段搬送経路3の他端部3Lに整列する下段係合位置FEPと、下段係合位置FEPよりも係合・離脱に必要なストローク分だけ上方の下段係合準備位置3LPとが、共に下降完了位置に相当する(図23参照)。
下段駆動体レール35には、図4に示すように、下段駆動体7の転動輪72が転動自在に載置される。下段駆動体7は、図1および図3に示すように、例えば、いずれも鋼鉄製部材より、直方体形状に形成され他端部側に設けられた他端部側下段移動部7Lと、直方体形状に形成され一端部側に設けられた一端部側下段移動部7Rと、棒状に形成され他端部側下段移動部7Lと一端部側下段移動部7Rとを接続する下段接続部7Cと、を備えている。下段駆動体7は、下段駆動体レール35上を一端部側離脱係合位置LBR(図14参照)と他端部側離脱係合位置LBL(図20参照)との間で一ピッチの距離を往復動する。下段駆動体7が、所定方向である一端部側離脱係合位置LBRに移動したとき、下段駆動体7に係合された一端部側の最先の移動台2は下段離脱準備位置UPPに移動する。下段駆動体7が、所定方向の逆方向である他端部側離脱係合位置LBLに移動したとき、下段係合位置FEPに下降される移動台2と上下方向からの係合が可能となる。
他端部側下段移動部7Lおよび一端部側下段移動部7Rの側部には、夫々前後左右に転動輪72が回転自在に軸支されている。
他端部側下段移動部7Lの他端部側下部には、上方に突出する他端部側下段係合部73Lが設けられている。他端部側下段係合部73Lは、一端部側(右方の端部側)から見たときに、搬送方向に延在する中心線CLに対して右側にずれた位置に設けられている。他端部側下段係合部73Lは、移動台2の載置台21の下方に設けられた一端部側係合突起24に上下方向から係合し、他端部側係合突起25には、係合しないように構成されている。
そのため、一端部側下段係合部73Rから最先の移動台2の他端部側係合突起25を離脱させた後、上昇装置13で昇降台132を上昇する前に、上段駆動体8の一端部側上段係合部83Rを上昇経路5上にある移動台2接触しない第一退避位置FSPに一旦移動させる。
また、前述のように、下段駆動体7の一端部側下段係合部73Rに対して、昇降台132に搭載された移動台2の他端部側係合突起25は、上方から係合する構造であるため、下段駆動体7を第一退避位置FSPに移動させることは、必ずしも必要ではない。
そのため、他端部側上段係合部83Lから最先の移動台2の一端部側係合突起24を離脱させた後、下降装置14で昇降台132を下降する前に、上段駆動体8の他端部側上段係合部83Lを下降経路6上の移動台2に接触しない第二退避位置SSPに一旦移動させる。
第一退避位置FSPおよび第二退避位置SSPに対応する上段搬送経路4の所定位置には、位置センサ90,91が配置され、上段駆動体8が第一退避位置FSPおよび第二退避位置SSPで正確に停止できるよう構成されている。
上段駆動体レール45には、上段駆動体8の転動輪82が転動自在に載置される。上段駆動体8は、図1および図2に示すように、いずれも例えば、鋼鉄製部材で、直方体形状に形成され一端部側に設けられた一端部側上段移動部8Rと、直方体形状に形成され他端部側に設けられた他端部側上段移動部8Lと、棒状に形成され一端部側上段移動部8Rと他端部側上段移動部8Lとを接続する上段接続部8Cと、を備えている。一端部側上段移動部8Rおよび他端部側上段移動部8Lの側部には、夫々前後左右に転動輪82が回転自在に軸支されている。
上段駆動体8において、一端部側上段移動部8Rには、一端部側上段係合部83Rが設けられ、他端部側上段移動部8Lには、他端部側上段係合部83Lが設けられている。構成および作用は、一端部側下段移動部7Rおよび他端部側下段移動部7Lと同様であるため詳細な説明は省略する。
下段駆動装置は、下段電動式モータ9と運動変換装置11とを備えている。上段駆動装置は、上段電動式モータ10と運動変換装置12とを備えている。図6に示す下段電動式モータ9と上段電動式モータ10とは、インバータ制御による誘導モータであり、運動変換装置11,12は、前述のようにラックアンドピニオン機構である。
下段駆動装置においては、下段電動式モータ9の回転運動が、運動変換装置11により下段搬送経路3に沿った直線運動に変換して、下段駆動体7を駆動させる。上段駆動装置においては、上段電動式モータ10の回転運動が、運動変換装置12により上段搬送経路4に沿った直線運動に変換して、上段駆動体8を駆動させる。下段駆動装置と上段駆動装置とは、制御装置17によって、駆動が制御される。本実施形態では、下段電動式モータ9と上段電動式モータ10とは、同期して同方向に回転制御される。
なお、下段・上段駆動装置を油圧システムとした場合は、作動油の温度が低くなれば作動油の粘度が高くなり、作動油の温度が高くなれば作動油の粘度が低くなる。このような温度変化に伴う作動油の粘度変化は、シリンダピストンや配管などの圧力損失に大きな影響を与え、作動速度や停止位置を正確にコントロールするのが困難となる場合がある。そのため、駆動装置としての安定した作動制御のために作動油の温度管理が必要になる。
上昇装置13は、図7に示すように、昇降フレーム131、昇降台132、昇降シリンダ133および第一離脱係合装置15を備えている。
昇降フレーム131は、例えば、鋼鉄製部材から形成され、ベースBGに所定幅離間させて立設された四本の支柱131aと、支柱131aの先端に水平に配置された矩形状の天板131bと、ベースBGよりわずか上方に配置された矩形状の受け台131cと、各支柱131aの上部内側に設けられた取付部131dと受け台131cとの間に垂直に設けられた棒状の昇降ガイドポール131eとを備えている。
昇降台本体132aは、例えば、鉄鋼製部材より矩形板状に形成されている。昇降台本体132aの他端部側(左方の端部側)には、矩形状の切欠部1321が設けられている(図3参照)。切欠部1321により、下段駆動体7および上段駆動体8が一端部側離脱係合位置LBRに移動したとき、一端部側下段係合部73R、一端部側上段係合部83Rが昇降台132に接触しないよう構成されている(図3参照)。
昇降台レール部132bは、昇降台本体132aの上面に敷設され、昇降台本体132aの搬送方向の長さに対応する長さに形成され、搬送方向に沿って平行に延在する。スライダ部132cは、昇降台本体132aの四隅部に夫々設けられ昇降ガイドポール131eに摺動可能に夫々外嵌する。吊下フレーム132dは、昇降台本体132aの四隅部にスライダ部132cに並設された四本の支持支柱132d1と支持支柱132d1の先端に水平に配置された矩形状の支持板132d2とを備えている。
コイルばね132e4は、棒状部材132e2の下面と昇降台本体132aの上面との間に設けられ、当接部材132e3を上方に向って付勢する。
ストッパ片132fは、図1に示すように、昇降台レール部132bの終端部に上方に突出するように設けられ、昇降台レール部132bに載置された移動台2の転動車輪23または軸受部22を突出支持部132eとともに挟持する。
下降装置14は、上昇装置13と同様な構成であるため、同じ符号を付与して説明を省略する。下降装置14の昇降シリンダ133が下降アクチュエータに相当する。
第一離脱係合装置15は、図7に示すように、上昇装置13の昇降シリンダ133のピストン部133bのピストンロッド133cの下端に形成された離脱係合ピストン15aと、吊下フレーム132dの支持板132d2に固定され離脱係合ピストン15aが上方に向かって進退する離脱係合シリンダ15bとを備えている。離脱係合ピストン15aおよび離脱係合シリンダ15bが第一離脱係合アクチュエータに相当する。
離脱係合シリンダ15bは、油圧源(例えば、油圧ポンプ)155に連通され、離脱係合シリンダ15bと油圧源155との間には電磁切替弁156が設けられている。電磁切替弁156は、4ポート・3位置・クローズドセンター形電磁切替弁である。電磁切替弁156は、離脱係合シリンダ15bの上部に油圧源155を連通させ離脱係合ピストン15aを後退させる(吊下フレーム132dは上昇する)右位置156R、離脱係合シリンダ15bの下部に油圧源155を連通させ離脱係合ピストン15aを前進させる(吊下フレーム132dは下降する)左位置156L、離脱係合ピストン15aの進退を停止させる中央位置156Cを有している。第一離脱係合装置15には、例えば、リミットスイッチ157が設けられ、離脱係合ピストン15aの前進端到達或いは後退端到達を検知して、検知信号を制御装置17に伝達する。制御装置17は、伝達された信号に基づいて電磁切替弁156の切替えを行う。
第一離脱係合装置15は、下段離脱準備位置UPPに位置決めされた移動台2が搭載された昇降台132を下段離脱位置3BPまで上昇させることで、一端部側下段係合部73Rから移動台2の他端部側係合突起25の上下方向の離脱を実行する。
第二離脱係合装置16は、他端部4L側に設けられた下降装置14のピストン部133bのピストンロッド133cの下端と吊下フレーム132dの支持板132d2との間に設けられている。第二離脱係合装置16は、第一離脱係合装置15と構成が同様であるので、同じ符号を付与して説明を省略する。
第二離脱係合装置16は、下降装置14によって、下段係合準備位置3LPに位置決めされた移動台2の昇降台132を、下段係合位置FEPまで下降させ、移動台2の一端部側係合突起24を他端部側下段係合部73Lに上下方向から係合する。
なお、第二離脱係合装置16における離脱係合ピストン15aおよび離脱係合シリンダ15bが第二離脱係合アクチュエータに相当する。
搬入搬出装置18は、図1に示すように、下段搬送経路3の他端部側寄りに設けられている。
搬入搬出装置18は、図3に示すように、注湯された鋳枠付鋳型FMが搬送される注湯済みの鋳枠付鋳型搬送経路37、および冷却済みの鋳枠付鋳型搬送経路38に、下段搬送経路3を直角な方向で連絡するように構成されている。この搬入搬出装置18が設けられた位置に対応する下段搬送経路3の位置が搬入搬出位置CEPに相当する。
支持フレーム181は、下段搬送経路3の搬送方向に対して右側に、搬送方向に沿って並べて立設された一対の下段搬送経路側支柱181aと、注湯済みの鋳枠付鋳型搬送経路37および冷却済みの鋳枠付鋳型搬送経路38の搬送方向に対して右側に(下段搬送経路3の搬送方向に対しては、左側に)、搬送方向に沿って並べて立設された一対の鋳枠付鋳型搬送経路側支柱181bと、対向する下段搬送経路側支柱181aの上端部と鋳枠付鋳型搬送経路側支柱181bの上端部との間に、夫々横架された一対の移載レール181cとを備えている。支持フレーム181は、移載レール181cが、下段搬送経路3と、注湯済み鋳枠付鋳型搬送経路37および冷却済み鋳枠付鋳型搬送経路38とを跨ぐように設けられている。移載レール181cは、例えば、鉄鋼製部材により形成された一対のI型梁であり、I型梁の水平方向に延在する下部壁の上面と下部壁に沿って延在する上部壁の下面と垂直壁の側面とが形成する矩形状空間に転動輪182b(後述)が転動可能に嵌入される。
移載フレーム182aは、例えば、鋼鉄製部材により対向する移載レール181cの間に嵌入可能な幅で矩形枠状に形成されている。移載フレーム182aの側面には、搬送方向に平行な回転軸を有する転動輪182bが設けられている。
ピストンシリンダ装置(図略)は、支持フレーム181に固定されたシリンダ部(図略)と、先端が移載フレーム182aに固定され移載フレーム182aを移載レール181cに沿って摺動させるピストン部(図略)とを備えている。シリンダ部は、図略の油圧供給源に連結されている。シリンダ部と油圧供給源との間には、図略の電磁切替弁が設けられ制御装置17による電磁切替弁の切替えによって、移載装置182の作動が制御される。
制御装置17は、搬送装置1の駆動部分の作動を統括的に制御する。具体的には、下段電動式モータ9、上段電動式モータ10、上昇装置13、下降装置14、第一離脱係合装置15および第二離脱係合装置16の駆動を制御する。
そのために、制御装置17のメモリには、図11に示すように、例えば、下段搬送実行部17a、下段離脱実行部17b、冷却済み鋳型搬出実行部17c、第一退避実行部17d、上昇実行部17e、上段係合実行部17f、上段搬送実行部17g、上段離脱実行部17h、注湯済み鋳型搬入実行部17i、第二退避実行部17j、下降実行部17k、および下段係合実行部17lの各実行プログラムが記憶されている。
下段離脱実行部17bは、第一離脱係合装置15の電磁切替弁156を切替え、下段離脱準備位置UPPに位置決めされた移動台2を下段離脱位置3BPに位置決めし、他端部側係合突起25を下段駆動体7の一端部側下段係合部73Rから離脱させる(図10(b))。
第一退避実行部17dは、下段電動式モータ9および上段電動式モータ10を駆動させ、下段駆動体7および上段駆動体8を、第一退避位置FSPまで移動させる(図10(c))。
上段係合実行部17fは、下段電動式モータ9および上段電動式モータ10を駆動させ、下段駆動体7および上段駆動体8を、一端部側離脱係合位置LBRに移動する(図10(e))。そして、第一離脱係合装置15の電磁切替弁156を切替え、昇降台132を上段係合位置(上昇完了位置)REPまで下降させ、上段駆動体8の一端部側上段係合部83Rに移動台2の他端部側係合突起25を係合させる(図10(f))。
上段離脱実行部17hは、第二離脱係合装置16の電磁切替弁156を切替え、昇降台132を、上段駆動体8の他端部側上段係合部83Lから最先の移動台2の一端部側係合突起24を離脱させる。離脱された移動台2は、上段離脱位置(下降開始位置)4BPに位置決めされる。
第二退避実行部17jは、上段電動式モータ10および下段電動式モータ9を駆動させ、上段駆動体8および下段駆動体7を、第二退避位置SSPまで移動させる。
下段係合実行部17lは、下段電動式モータ9および上段電動式モータ10を駆動させ、下段駆動体7および上段駆動体8を、他端部側離脱係合位置LBLに移動する。そして、第二離脱係合装置16の電磁切替弁156を切替え、昇降台132を、下段係合位置(下降完了位置)FEPまで下降させ、下段駆動体7の他端部側下段係合部73Lに移動台2の一端部側係合突起24を係合させる。
次に、上記のように構成された第一実施形態の搬送装置1の作動について、図12のフローチャートに基づいて説明する。
初期状態として、図13に示すように、下段搬送経路3の一端部3Rから他端部3Lには、複数の移動台2が連続して配置されている。他端部3Lに隣接する下段係合位置(下降完了位置)FEPには、下降装置14の昇降台132に搭載された移動台2が位置決めされている。下段駆動体7は、他端部側離脱係合位置LBLに位置決めされている。
下段係合位置(下降完了位置)FEPに位置決めされた移動台2の一端部側係合突起24には、下段駆動体7の他端部側下段係合部73Lが係合している。他端部3Lの移動台2は、一端部側の転動車輪23が分離ストッパ36により他端部側への移動が規制されて他端部3Lに位置決めされている。
一端部3Rに位置決めされた移動台2の他端部側係合突起25には、下段駆動体7の一端部側下段係合部73Rが係合している。
上段搬送経路4の一端部4Rから他端部4Lには、複数の移動台2が連続して配置されている。上段駆動体8は、他端部側離脱係合位置LBLに位置決めされている。
一端部3Rにおいては、一端部3Rに移動した移動台2の一端側の転動車輪23の軸受部22に下流側から当接し、下段離脱準備位置UPPに配置された移動台2との間で隙間tを形成する。また、図10(a)に示すように、移動台2の他端部側係合突起25は、下段駆動体7の一端部側下段係合部73Rに係合した状態にある。
下段離脱準備位置UPPにおいては、上昇装置13の昇降台132の突出支持部132eとストッパ片132fとを両側から転動車輪23の外周に当接させて挟持する。
上段搬送経路4においては、上段駆動体8は、上流側(一端部側)に戻る空送りとなって、一端部側離脱係合位置LBRに移動する。
制御装置17は、上段離脱工程と並行して、注湯された高温の鋳枠付鋳型FMを、搬入搬出装置18により、注湯済み鋳枠付鋳型搬送経路37から搬入搬出位置CEPに搬入する(S114・注湯済み鋳型搬入工程)。
その後、下段搬送工程に継続する。
また、搬送装置1は、上昇経路5に設けられ下段離脱位置(上昇開始位置)3BPに位置決めされた移動台2を上段係合準備位置(上昇完了位置)4LPまで上昇させる上昇装置13、を備えている。
また、搬送装置1は、下段駆動装置9,11、上段駆動装置10,12、上昇装置13、下降装置14、第一離脱係合装置15および第二離脱係合装置16の駆動を制御する制御装置17、を備えている。
また、制御装置17は、上段駆動体8を、所定方向の反対方向(図1において左方向)に戻すことで、一端部側離脱係合位置LBRから上昇経路5に対して交差しない第一退避位置FSPに移動させる第一退避実行部17dと、下段離脱準備位置(上昇開始位置)UPPに搬送された移動台2を、上昇装置13により上段係合準備位置(上昇完了位置)4LPに上昇させる上昇実行部17eと、を備えている。
このように、平面的な設置スペースの確保ができない場合において、立体的な上下段の搬送経路3,4による効率的な延長レイアウトが可能で、搬送経路3,4の一端部側に設置した上昇装置13が上昇させる移動台2と、上段搬送経路4に沿って移動する上段駆動体8とが干渉することなく、円滑に作動することができる。
また、制御装置17は、上段離脱準備位置DPPに搬送された移動台2を、第二離脱係合装置16により上段駆動体8から離脱させる上段離脱実行部17hと、上段駆動体8を、右方向に戻すことで、上段駆動体8の他端部側上段係合部83Lを下降経路6上の移動台2に接触しない第二退避位置SSPに移動する第二退避実行部17jと、上段離脱準備位置DPPに搬送された移動台2を、下降装置14により下段係合位置(下降完了位置)FEPに下降させる下降実行部17kと、をさらに備えている。
また、制御装置17は、下段離脱準備位置UPPに搬送された移動台2の他端部側係合突起25を、第一離脱係合装置15により、下段駆動体7の一端部側下段係合部73Rから離脱させる下段離脱実行部17bと、上段係合準備位置4LPに位置決めされた移動台2の他端部側係合突起25を上段駆動体8の一端部側上段係合部83Rに係合させる上段係合実行部17fと、を備えている。
また、制御装置17は、上段離脱準備位置DPPに搬送された移動台2の一端部側係合突起24を、第二離脱係合装置16により、上段駆動体8の他端部側上段係合部83Lから離脱させる上段離脱実行部17hと、下段係合準備位置3LPに位置決めされた移動台2の一端部側係合突起24を下段駆動体7の他端部側下段係合部73Lに係合させる下段係合実行部17lと、を備えている。
また、第二離脱係合装置16により、上段駆動体8の他端部側上段係合部83Lからの移動台2の離脱をおこなうことで、下降装置14による下降作業を円滑かつ迅速に実行することができる。また、下段駆動体7の他端部側下段係合部73Lへの移動台2の係合を行うことで、下段駆動体7による移動台2の搬送を迅速かつ確実に実行することができる。
これによると、上昇・下降を夫々行う上昇装置13・下降装置14の昇降シリンダ133と、移動台2と下段・上段駆動体7,8と離脱係合を専用で行なう離脱係合ピストン15aおよび離脱係合シリンダ15bとを備えている。
これによると、コンパクトで簡素な構造の運動変換装置11,12とすることができる。
これによると、回転速度の制御が容易でかつ安価で入手し易いインバータ制御による誘導モータとすることで、製造コストやメンテナンスコストの低減を図ることができる。
これらのラックアンドピニオン機構や誘導モータを使用することで、油圧による駆動のように外気温度に影響させることが無く、一定の作動速度や高度な位置精度を確保することができる。
これによると、鋳枠、鋳型または鋳物を、搬入搬出装置18は、設置位置を下段・上段搬送経路3,4の端部に限定されること無く、下段・上段搬送経路3,4の任意の位置に設定することができる。
このため、搬送装置1は、設備計画における搬送装置全体のレイアウトの自由度を大幅に向上させることができる。
本件発明にかかる搬送装置の第二実施形態について、図26〜図28に基づいて以下に説明する。
第二実施形態の搬送装置201は、下段駆動体7を駆動させる下段駆動装置としての下段電動式モータおよびラックアンドピニオン11a,11bが使用されずに、油圧式下段シリンダ装置207が使用されている。そして、また、搬送装置201は、上段駆動体8を駆動させる上段駆動装置としての上段電動式モータおよびラックアンドピニオン12a,12bが使用されずに、油圧式上段シリンダ装置208が使用されている。以上の点において、第一実施形態と相違し、他の構成においては同様であるので、同じ符号を付与して説明を省略する。
下段駆動装置は、油圧式下段シリンダ装置207を備えている。油圧式下段シリンダ装置207は、対向して並ぶ複数の支柱31の間に横架された第二横部材31bに設けられている。第二横部材31bは、横部材31aの下方に設けられ、油圧式下段シリンダ装置207は、第二横部材31bに固定されたブラケット207cに組み付けられている。ブラケット207cは、搬送方向に対して直角な水平方向に沿った回転軸207dを備えている。油圧式下段シリンダ装置207は、シリンダ部207aとピストン部207bとを備えている。シリンダ部207aは、回転軸207dに所定角度の範囲で回転可能に設けられている。ピストン部207bは、基端部側がシリンダ部207aに進退可能に挿入されている。ピストン部207bの先端部は、下段駆動体7の一端部側下段移動部7Rの他端部側の端部に下方に向って突設された下段支持部7Rhに相対移動不能に支持されている。
第一実施形態と同様に、下段駆動体7および上段駆動体8は、一端部側離脱係合位置LBR、他端部側離脱係合位置(図略)LBL、第一退避位置FSPおよび第二退避位置(図略)SSPを制御に沿って移動して夫々の位置に位置決めされるようになっている。
第二実施形態の搬送装置201の作動について、相違点について以下に説明する。
制御装置17は、図26に示すように、電磁切替弁237,238を中央位置237C,238Cに位置決めしている。下段駆動体7および上段駆動体8は、他端部側離脱係合位置LBL(図13参照)に位置決めされている。
第二実施形態の搬送装置201によると、搬送装置201における駆動する装置について、別のエネルギー伝達系統である電気配線を行うことなく、全てを油圧回路だけで構築することができる。具体的には、上昇装置5・下降装置6の油圧ポンプ135(油圧供給源)、第一離脱係合装置15・第二離脱係合装置16の油圧ポンプ155(油圧供給源)、油圧式下段シリンダ装置207a・油圧式上段シリンダ装置208aの油圧ポンプ(油圧供給源)235を、共通の油圧ポンプとすることで、設備コストの低減を著しく図ることができる。
これによると、電動式モータ9を一つに減らすことで部品点数の削減をし、設備コストの低減を図ることができる。
駆動スプロケット19aは、下段駆動体7を駆動させるラックアンドピニオン機構11a,11bのピニオン11bに連結されている。従動スプロケット19bは、上段駆動体8を駆動させるラックアンドピニオン機構12a,12bのピニオン12bに連結されている。
駆動スプロケット19aと従動スプロケット19bの歯数は同じであり、下段電動式モータ9の回転により、下段駆動体7と上段駆動体8とは同期して同方向に移動するよう構成されている。
このように、下段駆動体7と上段駆動体8とを同期して同方向に移動させることで、下段駆動体7および上段駆動体8の駆動を制御するプログラムの簡素化を図ることで、製造コストの低減を図ることができる。
また、搬送経路を下段搬送経路3および上段搬送経路4の二段としたが、これに限定されず、例えば三段の搬送経路としてもよい。
また、搬入搬出位置CEPを下段搬送経路3に設けるものとしたが、これに限定されない。例えば、搬入搬出位置CEPを上段搬送経路4に設けてもよく、搬入位置と搬出位置とを別々に設けても良い。
また、運動変換装置11,12として、回転運動を直進運動に変換するラックアンドピニオン機構11a,11b,12a,12bとしたが、これに限定されない。例えば、ボールねじ機構、カム機構、スライダクランク機構など回転運動を直進運動に変換する機構を使用することができる。
また、移動台2の被係合部として、一端部側に設けられた一端部側係合突起24と他端部側に設けられた他端部側係合突起25との二箇所のものとしたが、これに限定されない。例えば、移動台の底面中央付近に一箇所に設けるものでもよい。この場合、例えば、駆動体側の係合部を台車レールの上方に出入り可能な構造とするとよい。
また、第二実施形態の搬送装置201において、下段駆動装置および上段駆動装置を、油圧により駆動するものとしたが、これに限定されず、例えば、空気圧により駆動するものでも良い。
Claims (9)
- 被係合部を備え、鋳枠、鋳型または鋳物を搬送するために載置する移動台と、
水平方向に延在し、複数の前記移動台が、一端部と他端部との間で連続的に並べられて所定方向に搬送される下段搬送経路と、
前記下段搬送経路よりも上方で前記下段搬送経路に沿って設けられ、前記複数の移動台が、一端部と他端部との間で連続的に並べられて前記所定方向の反対方向に搬送される上段搬送経路と、
前記下段搬送経路の前記一端部に連絡する上昇開始位置と前記上段搬送経路の前記一端部に連絡する上昇完了位置との間で、前記移動台が上昇する上昇経路と、
前記上段搬送経路の前記他端部に連絡する下降開始位置と前記下段搬送経路の前記他端部に連絡する下降完了位置との間で、前記移動台が下降する下降経路と、
前記下段搬送経路に対応して設けられ、前記下段搬送経路に連続して並べられた前記複数の移動台のうち、最先の前記移動台の前記被係合部に係脱可能に上下方向から係合する一端部側下段係合部と、最後尾の前記移動台の前記被係合部に係脱可能に上下方向から係合する他端部側下段係合部とを備え、前記下段搬送経路に沿って一定量往復動することで、前記複数の移動台を搬送させる下段駆動体と、
前記上段搬送経路に対応して設けられ、前記上段搬送経路に連続して配置された前記複数の移動台のうち、最先の前記移動台の前記被係合部に係脱可能に上下方向から係合する他端部側上段係合部と、最後尾の前記移動台の前記被係合部に係脱可能に上下方向から係合する一端部側上段係合部とを備え、前記上段搬送経路に沿って一定量往復動することで、前記複数の移動台を搬送させる上段駆動体と、
前記下段駆動体を駆動させる下段駆動装置と、
前記上段駆動体を駆動させる上段駆動装置と、
前記上昇経路に設けられ前記上昇開始位置に位置決めされた前記移動台を前記上昇完了位置まで上昇させる上昇装置と、
前記下降経路に設けられ前記下降開始位置に位置決めされた前記移動台を前記下降完了位置まで下降させる下降装置と、
前記下段駆動装置、前記上段駆動装置、前記上昇装置および前記下降装置、の駆動を制御する制御装置と、を備え、
前記制御装置は、前記下段駆動体を、前記一端部側で前記上昇経路に対して交差する一端部側離脱係合位置に移動することで、前記下段駆動体に係合された最先の前記移動台を、前記上昇開始位置まで前記所定方向に搬送させる下段搬送実行部と、
前記上段駆動体を、前記所定方向の反対方向に戻すことで、前記上段駆動体の前記一端部側上段係合部を前記上昇経路上の前記移動台に接触しない第一退避位置に移動させる第一退避実行部と、
前記上昇開始位置に搬送された前記移動台を、前記上昇装置により前記上昇完了位置に上昇させる上昇実行部と、
を備えた搬送装置。 - 前記制御装置は、
前記上段駆動体を、前記他端部側で前記下降経路に対して交差する他端部側離脱係合位置に移動することで、前記上段駆動体に係合された最先の前記移動台を、前記下降開始位置まで前記所定方向の逆方向に搬送させる上段搬送実行部と、
前記上段駆動体を、前記所定方向に戻すことで、前記上段駆動体の前記他端部側上段係合部を前記下降経路上の前記移動台に接触しない第二退避位置に移動させる第二退避実行部と、
前記下降開始位置に搬送された前記移動台を、前記下降装置により前記下降完了位置に下降させる下降実行部と、
をさらに備えた請求項1に記載の搬送装置。 - 前記上昇装置に設けられ、前記上昇開始位置に位置決めされた前記移動台の前記被係合部を前記下段駆動体の前記一端部側下段係合部から離脱させ、前記上昇完了位置に位置決めされた前記移動台の前記被係合部を前記上段駆動体の前記一端部側上段係合部に係合させる第一離脱係合装置と、
前記下降装置に設けられ、前記下降開始位置に位置決めされた前記移動台の前記被係合部を前記上段駆動体の前記他端部側上段係合部より離脱させ、前記下降完了位置に位置決めされた前記移動台の前記被係合部を前記下段駆動体の前記他端部側下段係合部に係合させる第二離脱係合装置と、をさらに備え、
前記制御装置は、
前記上昇開始位置に搬送された前記移動台の前記被係合部を、前記第一離脱係合装置により前記下段駆動体の前記一端部側下段係合部から離脱させる下段離脱実行部と、
前記上昇完了位置に位置決めされた前記移動台の前記被係合部を前記上段駆動体の前記一端部側上段係合部に係合させる上段係合実行部と、
前記下降開始位置に搬送された前記移動台の前記被係合部を、前記第二離脱係合装置により前記上段駆動体の前記他端部側上段係合部から離脱させる上段離脱実行部と、
前記下降完了位置に位置決めされた前記移動台の前記被係合部を前記下段駆動体の前記他端部側下段係合部に係合させる下段係合実行部と、
を備えた請求項2に記載の搬送装置。 - 前記上昇装置は、前記上昇開始位置に位置決めされた前記移動台を前記上昇完了位置に向って上昇させる上昇アクチュエータを備え、
前記第一離脱係合装置は、前記上昇装置に設けられ前記上昇アクチュエータよりも短いストロークで形成された第一離脱係合アクチュエータであり、
前記下降装置は、前記下降開始位置に位置決めされた前記最先の前記移動台を前記下降完了位置に向って下降させる下降アクチュエータを備え、
前記第二離脱係合装置は、前記下降装置に設けられ前記下降アクチュエータよりも短いストロークで形成された第二離脱係合アクチュエータである請求項3に記載の搬送装置。 - 前記下段駆動装置および前記上段駆動装置は、回転運動を直進運動に変換する運動変換装置を夫々さらに備え、
前記運動変換装置は、ラックアンドピニオン機構である請求項1ないし4のいずれか1項に記載の搬送装置。 - 前記下段駆動装置は、下段電動式モータを、前記上段駆動装置は、上段電動式モータを各々備え、
前記下段電動式モータおよび前記上段電動式モータは、インバータ制御による誘導モータである請求項1ないし請求項5いずれか1項に記載の搬送装置。 - 前記下段電動式モータおよび前記上段電動式モータは、一つの電動式モータであり、
前記下段駆動体と前記上段駆動体との間には、前記下段駆動体と前記上段駆動体とを同期して同方向に移動させる駆動力連結機構が設けられている請求項6に記載の搬送装置。 - 前記鋳枠、前記鋳型または前記鋳物を、搬入・搬出する搬入搬出位置が、前記下段搬送経路の途中または前記上段搬送経路の途中に設けられている請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の搬送装置。
- 被係合部を備え、鋳枠、鋳型または鋳物を搬送するために載置する移動台と、
水平方向に延在し、複数の前記移動台が、一端部と他端部との間で連続的に並べられて所定方向に搬送される下段搬送経路と、
前記下段搬送経路よりも上方で前記下段搬送経路に沿って設けられ、前記複数の移動台が、一端部と他端部との間で連続的に並べられて前記所定方向の反対方向に搬送される上段搬送経路と、
前記下段搬送経路の前記一端部に連絡する上昇開始位置と前記上段搬送経路の前記一端部に連絡する上昇完了位置との間で、前記移動台が上昇する上昇経路と、
前記上段搬送経路の前記他端部に連絡する下降開始位置と前記下段搬送経路の前記他端部に連絡する下降完了位置との間で、前記移動台が下降する下降経路と、
前記下段搬送経路に対応して設けられ、前記下段搬送経路に連続して並べられた前記複数の移動台のうち、最先の前記移動台の前記被係合部に係脱可能に上下方向から係合する一端部側下段係合部と、最後尾の前記移動台の前記被係合部に係脱可能に上下方向から係合する他端部側下段係合部とを備え、前記下段搬送経路に沿って一定量往復動することで、前記複数の移動台を搬送させる下段駆動体と、
前記上段搬送経路に対応して設けられ、前記上段搬送経路に連続して配置された前記複数の移動台のうち、最先の前記移動台の前記被係合部に係脱可能に上下方向から係合する他端部側上段係合部と、最後尾の前記移動台の前記被係合部に係脱可能に上下方向から係合する一端部側上段係合部とを備え、前記上段搬送経路に沿って一定量往復動することで、前記複数の移動台を搬送させる上段駆動体と、
前記下段駆動体を駆動させる下段駆動装置と、
前記上段駆動体を駆動させる上段駆動装置と、
前記上昇経路に設けられ前記上昇開始位置に位置決めされた前記移動台を前記上昇完了位置まで上昇させる上昇装置と、
前記下降経路に設けられ前記下降開始位置に位置決めされた前記移動台を前記下降完了位置まで下降させる下降装置と、
前記下段駆動装置、前記上段駆動装置、前記上昇装置、前記下降装置、の駆動を制御する制御装置と、を備えた搬送装置における搬送方法であって、
前記下段駆動体を、前記一端部側で前記上昇経路に対して交差する一端部側離脱係合位置に移動することで、前記下段駆動体に係合された最先の前記移動台を、前記上昇開始位置まで前記所定方向に搬送させる下段搬送工程と、
前記上段駆動体を、前記所定方向の反対方向に戻すことで、前記上段駆動体の前記一端部側上段係合部を前記上昇経路上の前記移動台に接触しない第一退避位置に移動させる第一退避工程と、
前記上昇開始位置に搬送された前記移動台を、前記上昇装置により前記上昇完了位置に上昇させる上昇工程と、
を備えた搬送方法。
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