JP2018111125A - 注湯済み鋳型冷却装置 - Google Patents

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【課題】設備計画におけるレイアウトの自由度を向上させることができる注湯済み鋳型冷却装置を提供する。【解決手段】各移動台は、冷却経路上に移動可能に載置され、注湯済み鋳型を載置する鋳型載置面を有する矩形状の鋳型載置台と、鋳型載置台の移動方向の前端縁部および後端縁部に夫々上方に向かって立設された前端立設壁および後端立設壁と、を備え、鋳枠無し注湯済み鋳型を搬入位置において移動方向と直角な搬入方向に移動させて搬入位置に対応する搬入対応位置から移動台上の前端立設壁と後端立設壁との間に搬入する鋳型搬入装置と、冷却経路上の冷却が終了した鋳枠無し注湯済み鋳型を搬出位置において移動方向と直角な搬出方向に移動させて移動台上の前端立設壁と後端立設壁との間から搬出位置に対応する搬出対応位置に搬出する鋳型搬出装置と、をさらに備えた。【選択図】 図1

Description

本発明は、注湯された鋳型を、鋳物品が鋳型から取り出されるまで冷却しながら搬送する鋳型冷却装置に関する。
従来、造型エリアから搬出された鋳型は、搬送経路に沿って設けられたコンベア上のパレット、または、搬送経路に敷設されたレール上に設けられた台車に載置されて、搬送経路に沿って連続的に並べられる。そして、鋳型は、注湯エリアに搬送されて順番に注湯され、冷却経路に搬送され注湯された溶湯が所定温度に低下するまで冷却される。
特許文献1には、従来の注湯済み鋳型を搬送する鋳型搬送装置が記載されている。この鋳型搬送装置は、特許文献1の図2に示すように、冷却ラインとして、上段の第一レールと下段の第二レールとが二段に敷設されている。第一レールおよび第二レールの左端に隣接する位置には上昇装置としての第一リフタが設けられ、第二レールと第一レールとを連絡している。第一レールおよび第二レールの右端に隣接する位置には下降装置としての第二リフタが設けられ、第一レールと第二レールとを連絡している。第一リフタの上昇端位置を挟んで、第一レールの左端に対応する反対側には、注湯済み鋳型を第一レールに搬入するための鋳型搬送コンベヤが設けられている。両レール上には、車輪により走行可能な複数の台車が並べられている。鋳型搬送コンベヤの左側には、鋳型プッシャが設けられ、第二リフタの上昇端位置挟んで、第一レールの右端に対応する反対側にはクッション装置が設けられている。第二リフタの下降端位置を挟んで、第二レールの右端に対応する反対側には、台車プッシャが設けられ、第一リフタの下降端位置に重なる位置には、ダンピング装置が設けられている。各台車は、台車の搬送方向に平行な方向に延在する両側端と台車の搬送方向に直角な方向に延在する前方端とに囲い壁が立設されている。
特許文献1の鋳型搬送装置では、第一リフタの下降端位置で注湯済み鋳型が搬出されて空台車となり、空台車は、第一リフタにより上昇端位置に位置決めされる。鋳型搬送コンベヤで搬送された注湯済み鋳型は、第一リフタの上昇端位置に位置決めされた空台車上に鋳型プッシャによって押圧されて移載される。第一リフタの上昇端位置に左端が隣接する第一レールでは、注湯済み鋳型が載置された複数の台車が直線的に並べられている。上昇端位置にある注湯済み鋳型が移載された台車は、鋳型プッシャによってさらに押圧されて第一レールの左端である上流端に搬入される。このとき、第一レールの右端である下流端に置かれた台車は、クッション装置によって下流側への自由移動が規制された状態となっている。そのため、注湯済み鋳型を載置した第一レール上の複数の台車は、鋳型プッシャとクッション装置とに挟持された状態で、第一レール上を1台の台車幅に当たる1ピッチずつ右側の下流側へ搬送される。そして、第一レール上で下流端に置かれた台車は、第二リフタの台車受台に移載される。第二リフタの台車受台に移載された台車は、第二リフタで下降されて下段の第二レールの右端に隣接する下降端位置に位置決めされる。そして、下降端位置に位置決めされた台車は、下段に設けられた鋳型プッシャによって1ピッチずつ左側の下流側へ搬送される。そして、第一リフタの台車受台が支持する位置に位置決めされる。第一リフタの台車受台に支持された台車は、ダンピング装置によって注湯済み鋳型を振動コンベヤに搬出する。
特開昭59−24570号公報
しかし、特許文献1の鋳型搬送装置は、台車の囲い壁が台車の搬送方向に平行な両側端に立設されているために、台車への鋳型の搬入・搬出位置が、第一レールおよび第二レールの端部に限定される。そのため、設備計画のレイアウト上の規制となって、有効なレイアウトを構築できないという問題があった。
本発明の目的は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので、設備計画におけるレイアウトの自由度を大幅に向上させることができる注湯済み鋳型冷却装置を提供することである。
本件発明の構成上の特徴は、注湯済み鋳型冷却装置において、鋳枠無し注湯済み鋳型を夫々載置可能な複数の移動台と、前記鋳枠無し注湯済み鋳型が搬入される搬入位置と前記鋳枠無し注湯済み鋳型が搬出される搬出位置とを備え、前記複数の移動台を移動方向に沿って循環させる閉じた冷却経路と、前記複数の移動台を前記搬入位置と前記搬出位置との間で移動して循環する循環移動装置と、を備え、前記各移動台は、前記冷却経路上に移動可能に載置され、前記鋳枠無し注湯済み鋳型を載置する鋳型載置面を有する矩形状の鋳型載置台と、前記鋳型載置台の前記移動方向の前端縁部および後端縁部に夫々上方に向かって立設された前端立設壁および後端立設壁と、を備え、前記鋳枠無し注湯済み鋳型を前記搬入位置において前記移動方向と直角な搬入方向に移動させて前記搬入位置に対応する搬入対応位置から前記移動台上の前記前端立設壁と前記後端立設壁との間に搬入する鋳型搬入装置と、前記冷却経路上の冷却が終了した前記鋳枠無し注湯済み鋳型を前記搬出位置において前記移動方向と直角な搬出方向に移動させて前記移動台上の前記前端立設壁と前記後端立設壁との間から前記搬出位置に対応する搬出対応位置に搬出する鋳型搬出装置と、をさらに備えた。
なお、「鋳枠無し注湯済み鋳型」とは、造型装置で造型された鋳型で鋳枠付の状態で注湯エリアで注湯され、その後、鋳枠が取り外されて鋳枠無しの状態で冷却経路を搬送される鋳型と、造型装置で造型された鋳型で鋳枠が取り外された状態で注湯エリアにおいて注湯され、鋳枠無しの状態で冷却経路を搬送される鋳型との、両方を含むものである。
本件発明によると、各移動台は、移動方向の前端縁部および後端縁部に前端立設壁および後端立設壁を備えている。そのため、鋳型搬入装置および鋳型搬出装置は、移動台の移動方向に直角な方向において、鋳枠無し注湯済み鋳型の搬入または搬出を行なうことができる。
すなわち、鋳型搬入装置および鋳型搬出装置は、設置位置を冷却経路の端部に限定されること無く、冷却経路の任意の位置に設定することができ、冷却経路の途中部分に設けられた搬入位置または搬出位置に位置決めされた移動台に、移動台の移動方向に直角な方向で注湯済み鋳型を搬入または搬出することができる。
このため、注湯済み鋳型冷却装置は、設備計画における鋳型搬送装置全体のレイアウトの自由度を大幅に向上させることができる。
第一実施形態の注湯済み鋳型冷却装置の全体の概要を示す側面図である。 鋳型搬入装置および鋳型搬出装置と移動台との位置関係を拡大して示す側面図である。 注湯済み鋳型冷却装置を上段冷却経路の上方から見て示す平面図である。 注湯済み鋳型冷却装置を下段冷却経路の上方から見るとともに一部を断面図で示す平面図である。 上昇装置または下降装置を示す正面図である。 上段冷却経路および下段冷却経路について一部に断面図で示す正面図である。 鋳型搬入装置について一部に断面図で示す正面図である。 鋳枠取り外し装置が注湯済み鋳型から鋳枠を取り外す直前の状態を示す図である。 注湯済み鋳型から鋳枠を取り外した後、鋳枠無し注湯済み鋳型を、搬入対応位置に配置した状態を示す図である。 鋳型搬出装置について一部に断面図で示す正面図である。 搬出当接部材に搬出掻取部材が固定された状態(搬入当接部材に搬入掻取部材が固定された状態)を示す断面図である。 鋳型搬出装置において、鋳枠無し注湯済み鋳型が搬出対応位置に位置決めされた状態を示す図である。 移動台を上方から見て示す平面図である。 移動台の正面図である。 移動台の側面図である。 前端立設壁の鋳型載置台の前端面への固定、または後端立設壁の鋳型載置台の後端面への固定状態を示す部分断面図である。 前端立設壁と当接交換部材との鋳型載置台の前端面への固定、または後端立設壁と当接交換部材との鋳型載置台の後端面への固定状態を示す部分断面図である。 第二実施形態における鋳型搬入装置および鋳型搬出装置を示す概要図である。
(第一実施形態)
本件発明にかかる注湯済み鋳型冷却装置の第一実施形態について、図1〜図17に基づいて以下に説明する。
第一実施形態の注湯済み鋳型冷却装置1は、図4に示すように、造型装置MMで造型された鋳型Mに注湯する注湯装置PE、鋳枠付注湯済み鋳型MAPが載置された台車CTを搬送する鋳枠付注湯済み鋳型搬送路MCPを前工程に備え、図1に示すように、鋳枠無し注湯済み鋳型2を載置する移動台3と、移動台3が循環する冷却経路4と、移動台3を冷却経路4に沿って循環させる循環移動装置5と、鋳型搬入装置6と、鋳型搬出装置7とを備えている。
なお、本実施形態において、図面上で示される右方を右側、左方を左側、上方を上側または上部、下方を下側または下部という。また、移動台3が搬送される冷却経路4(上段冷却経路41、下段冷却経路42、第一昇降経路43および第二昇降経路44)において、上段冷却経路41に沿って延在する第一中心線CL1、下段冷却経路42に沿って延在する第二中心線CL2を基準として、第一中心線CL1または第二中心線CL2に遠い側を外側、第一中心線CL1または第二中心線CL2に近い側を内側というものとする。搬送されて行く移動台3の移動方向の前側を下流側といい、搬送されて行く移動台3の移動方向の後側を上流側という。また、両側というときは、冷却経路4等において、第一中心線CL1または第二中心線CL2に遠い側で第一中心線CL1または第二中心線CL2に沿って両方に延在する端部をいう。また、移動方向というときは、特にことわる場合を除き、移動台3が冷却経路4に沿って移動する方向をいう。
(移動台)
移動台3は、図13および図14に示すように、例えば、台車であり、鋳型載置台31、前端立設壁32、後端立設壁33および転動輪34を備えている。
鋳型載置台31は、支持台部31aと鋳型載置板31bとを備えている。支持台部31aは、例えば、鉄鋼製部材で、移動台3の移動方向に沿った二辺が他の二辺より短い矩形状(長方形状)に形成されている。支持台部31aの移動方向の前端部、後端部および移動方向に延在する両側端部は、夫々下方へ所定の幅で90度屈曲されている。屈曲された前端部の移動方向の端面は、前端面31cを構成する。また、本実施形態において、前端面31cは、前端縁部に相当する。屈曲された後端部の移動方向の端面は、後端面31dを構成する。また、本実施形態において、後端面31dは、後端縁部に相当する。
支持台部31aの下面には、四隅部分に移動台3の移動方向に直角な方向の回転軸を有する転動輪34が夫々設けられている。各転動輪34は、軸受部34aが支持台部31aの下面に図略のビスにより固定され、後述する冷却経路4に設けられた上段レール41aおよび下段レール42a上を転動する。
支持台部31aの上面には、支持台部31aの上面外形と同様の寸法形状で矩形状の板部材である鋳型載置板31bが載置されている。鋳型載置板31bは、例えば、ステンレス鋼製部材から形成され、図16および図17に示すように、皿頭ボルト37・ナット38により支持台部31aに固定されている。鋳型載置板31bは、湿気を含んだ鋳物砂からなる鋳枠無し注湯済み鋳型2に頻繁に接触するため、錆が生じやすい。しかし、鋳型載置板31bは、ステンレス鋼製部材とすることで、錆の発生を防止して、鋳枠無し注湯済み鋳型2の搬入・搬出時に必要な鋳型載置板31bの上面(鋳型載置面)の滑らかさを維持することができる。
支持台部31aの前端面31cには、図17に示すように、当接交換部材35と、前端立設壁32とがボルト36によって固定されている。当接交換部材35は、例えば、焼入れされた鉄鋼製部材より円柱形状に形成され、円柱の中心軸に沿って取付孔35aが形成されている。取付孔35aは、ボルト36の軸のみが貫通する貫通孔35a1とボルト36の頭部36aが嵌入する頭隠し穴35a2との二つの径の穴で形成されている。当接交換部材35を取り付けるボルト36は、軸部36bが前端面31cに形成された雌ねじ孔に螺合し、頭部36aの軸部36b側の面が貫通孔35a1の頭隠し穴35a2側の周端縁に当接する。頭隠し穴35a2は、ボルト36の頭部36aが頭隠し穴35a2から露出しない深さに設定されている。
前端立設壁32は、例えば、鉄鋼製板部材で矩形状に形成されている。前端立設壁32は、横幅が鋳型載置台31の移動方向に直角な方向の長さよりも少し短い寸法で、高さが載置する鋳枠無し注湯済み鋳型2よりも少し高い寸法で形成されている。前端立設壁32は、図14に示すように、下端部にボルト36の軸部が貫通する複数(本実施形態では八箇所)の遊嵌孔32aと(図16参照)、当接交換部材35の円柱状の外周が通り抜ける複数(本実施形態では三箇所)の逃げ穴32b(図17参照)とが水平方向に沿って並んで形成されている(図14参照)。前端立設壁32は、各遊嵌孔32aを貫通し雌ねじ孔に螺合する複数のボルト36によって支持台部31aの前端面31cに固定される(図16および図17参照)。
当接交換部材35は、その円柱状の高さが前端立設壁32の厚みより高く形成され、前端立設壁32を前端面31cに取り付けた際に、前端立設壁32よりも前方へ突出するよう構成されている。
支持台部31aの後端面31dには、当接交換部材35と、後端立設壁33とがボルト36によって固定されている。後端立設壁33は、形状、材質および取付構造が、前端面31cと同様なので、同じ符号を付与して説明を省略する。
このように、前端立設壁32には、逃げ穴32bが設けられ、当接交換部材35は、前端立設壁32の逃げ穴32bを通り抜けて前端面31cに直接固定されている。そのため、前端立設壁32および当接交換部材35の一方は、前端立設壁32および当接交換部材35の他方によって前端面31cへの取付の後先が規制されない。これにより、例えば、前端立設壁32が損傷した場合に、前端立設壁32のみ前端面31cより取り外して容易に交換することができる。なお、当接交換部材35が磨耗した場合、後端立設壁33が損傷した場合も同様に、磨耗した当接交換部材35のみ或いは損傷した後端立設壁33のみ容易に交換することができる。
(冷却経路)
冷却経路4は、図1に示すように、上段冷却経路41、下段冷却経路42、第一昇降経路43および第二昇降経路44を備えている。上段冷却経路41および下段冷却経路42は、上段レール41a、下段レール42aおよびフレーム45を備えている。冷却経路4は、複数の移動台3を循環させる閉じた経路となっている。
フレーム45は、図1および図6に示すように、基部GD上に互いに一対ずつ対向し、かつ移動方向に沿って立設された複数の支柱451と、支柱451間に横架された複数の梁部材452とを備えている。各支柱451および各梁部材452は、例えば、鉄鋼製部材より中空の矩形筒状に形成されている。
梁部材452は、図1および図6に示すように、上部経梁452umと下部経梁452dmと上部緯梁452urと下部緯梁452drとを有している。上部経梁452umは、移動方向に隣接する支柱451間の上部に設けられている。上部経梁452umは、隣接する支柱451の前後方向に対向する側面上部に、例えば溶接で端部が夫々固定され、移動方向に沿って夫々延在している。下部経梁452dmは、移動方向に隣接する支柱451間の下部に設けられている。下部経梁452dmは、隣接する支柱451の前後方向に対向する側面下部に、例えば溶接で端部が夫々固定され、移動方向に沿って夫々延在している。
上部緯梁452urは、図6に示すように、移動方向に直角な方向に対向する支柱451間の上部に設けられている。上部緯梁452urは、移動方向に直角な方向に対向する支柱451の側面に、例えば、溶接で端部が夫々固定されている。下部緯梁452drは、移動方向に直角な方向に対向する支柱451間の下部に設けられている。下部緯梁452drは、移動方向に直角な方向に対向する支柱451の側面に、例えば、溶接で端部が夫々固定されている。
複数の上部緯梁452urの上には、一対の上段レール41aが移動方向に沿って敷設されている。上段レール41aは、規格のレール鋼製部材より形成され、上段レール41aの下部は、上部緯梁452urの上面に例えば図略のブラケットによって固定されている。
複数の下部緯梁452drの上には、一対の下段レール42aが移動方向に沿って配置されている。下段レール42aは、規格のレール鋼製部材より形成され、下段レール42aの下部は、下部緯梁452drの上面に例えば図略のブラケットによって固定されている。
上段レール41a、上部緯梁452ur、上部経梁452um、および支柱451によって、上段冷却経路41が構成される。また、下段レール42a、下部緯梁452dr、下部経梁452dm、および支柱451によって、下段冷却経路42が構成される。冷却経路4には、移動方向に沿って両側に後述する近接側壁部材46が設けられている。
図1に示すように、下段冷却経路42の下流端部42d(一端部)と上段冷却経路41の上流端部41u(一端部)との間には、後述する上昇装置55が配置された第一昇降経路43が設けられている。第一昇降経路43は、下段冷却経路42の下流端部42dに隣接して設けられた上昇準備位置42UPPと上段冷却経路41の上流端部41uに隣接した上昇端位置41REPとを連絡する。なお、上昇準備位置42UPPは、上昇装置55における下降端位置に相当する。
上段冷却経路41の下流端部41d(他端部)と下段冷却経路42の上流端部42u(他端部)との間には、後述する下降装置56が配置された第二昇降経路44が設けられている。第二昇降経路44は、上段冷却経路41の下流端部41dに隣接して設けられた下降準備位置41DPPと下段冷却経路42の上流端部42uに隣接した下降端位置42FEPとを連絡する。なお、下降準備位置41DPPは、下降装置56における上昇端位置に相当する。
(近接側壁部材)
近接側壁部材46は、図6に示すように、上段近接側壁部材46uと下段近接側壁部材46dとを有している。上段および下段の近接側壁部材46u,46dは、例えば、鉄鋼製板部材から形成されている。
複数の支柱451は、基部GDより上段レール41aを越える高さまで延在し、かつ上段レール41aの両側に移動方向に並べて立設されている。上段近接側壁部材46uは、これらの複数の支柱451の内側であって、上段レール41aの両側に移動方向に沿って延在するように設けられている。
詳しくは、各支柱451の内側には、断面矩形状の棒材である嵩増し部材451aが支柱451に沿って上下方向に取り付けられている。嵩増し部材451aのさらに内側には、隣接する嵩増し部材451a間を連絡するように、上段近接側壁部材46uが設けられている。上段近接側壁部材46uは、移動台3の移動方向に連続して延在するように、例えば、ビス止め等で嵩増し部材451aに取付けられている。嵩増し部材451aは、その下端部が搬送される移動台3の鋳型載置台31よりも少し上となる位置に設けられている。上段近接側壁部材46uは、移動方向に直角な水平方向の内側に嵩増し部材451aの厚み分 突出するように設けられている。上段近接側壁部材46uは、嵩増し部材451aの上下の端面を覆うように、その上端縁および下端縁において90度折り曲げて形成され、折り曲げた位置で嵩増し部材451aに固定されている。
上段近接側壁部材46uは、図6に示すように、その内側表面が、搬送される移動台3の前端立設壁32および後端立設壁33の移動方向に対して直角な方向の両側端32e,33eに、狭小の隙間t1,t3(例えば、3〜5mm)を介して対向するようになっている。折り曲げられた上段近接側壁部材46uの下端縁は、鋳型載置台31の両側端31eの上面(前端立設壁32および後端立設壁33の横幅寸法が、鋳型載置台31の移動方向に直角な方向の長さよりも短いため、鋳型載置台31の両端部が前端立設壁32および後端立設壁33より突出した状態となっている。)と狭小の隙間t2,t4(例えば、3〜5mm)を介して対向している。
下段近接側壁部材46dは、下段レール42aの両側に移動方向に沿って立設された複数の支柱451の内側に設けられている。下段近接側壁部材46dは、その他の構成において、上段近接側壁部材46uと同様であるので、同じ符号を付与して説明を省略する。
(循環移動装置)
循環移動装置5は、図1に示すように、上段押出し装置51、上段クッション装置52、下段押出し装置53、下段クッション装置54、上昇装置55および下降装置56を備えている。
上段押出し装置51は、図1および図3に示すように、上段冷却経路41の上流端部41uに隣接させて設けられている。上段押出し装置51は、上段冷却経路41に並べられた複数の移動台3のうち上流端部41uに位置決めされた移動台3に当接して押出すプッシュ部材51a、プッシュ部材51aを移動方向に沿って進退させる押出し駆動部51bおよび押出し駆動部51bの駆動を制御する図略の制御装置を有している。
プッシュ部材51aは、移動台3に当接する先端に図略の緩衝材が設けられている。押出し駆動部51bは、例えば、ピストンシリンダ機構であり、プッシュ部材51aと一体に駆動するピストンを図略の油圧供給源からの油が供給されるシリンダで進退させる。押出し駆動部51bと油圧供給源との間には、図略の電磁切替弁が設けられ、制御装置は、電磁切替弁の作動を制御することで押出し駆動部51bの駆動を制御する。
上段クッション装置52は、図1および図3に示すように、上段冷却経路41の下流端部41dに隣接して設けられている。上段クッション装置52は、上段冷却経路41に並べられた複数の移動台3のうち下流端部41dに位置決めされた移動台3に当接するクッション部材52a、クッション部材52aを移動方向に沿って進退させるクッション駆動部52bおよびクッション駆動部52bの駆動を制御する制御装置を有している。クッション駆動部52bは、例えば、ピストンシリンダ機構であり、クッション部材52aと一体に駆動するピストンを図略の油圧供給源からの油が供給されるシリンダにより進退させる。クッション駆動部52bと油圧供給源との間には、図略の電磁切替弁が設けられ、制御装置は、電磁切替弁の切替えを制御することでクッション駆動部52bの駆動を制御する。
上段押出し装置51と上段クッション装置52とは、上段冷却経路41に並んだ複数の移動台3(鋳枠無し注湯済み鋳型2が載置されている)を上流端部41u側と下流端部41d側から挟持し、隣接する移動台3間に隙間の生じない状態で、1ピッチ(1台の移動台3の移動方向の長さ)ずつ複数の移動台3を同時に下流側に搬送する。
下段押出し装置53は、下段冷却経路42の上流端部42uに隣接させて設けられている。下段押出し装置53の構造および作用は、上段押出し装置51と同様であるので、説明を省略する。下段クッション装置54は、下段冷却経路42の下流端部42dに隣接させて設けられている。下段クッション装置54の構造および作用は、上段クッション装置52と同様であるので、説明を省略する。
上昇装置55は、図1に示すように、下段冷却経路42の下流端部42dと下段クッション装置54との間、および上段冷却経路41の上流端部41uと上段押出し装置51との間に設けられている。
上昇装置55は、図5に示すように、鋳枠無し注湯済み鋳型2を載置する上昇デッキ55aと、上昇デッキ55aを上昇させる上昇駆動装置55bとを備えている。
上昇デッキ55aは、デッキ基部55a1、運搬レール55a2、両側壁55a3、嵩増し部55a4、第一近接側壁部55a5を備えている。デッキ基部55a1は、例えば鉄鋼製部材で矩形板状に形成されている。デッキ基部55a1の上には、一対の運搬レール55a2が設けられ、この運搬レール55a2は、上昇デッキ55aが上昇準備位置42UPP(下降端位置)にあるとき、下段冷却経路42の下段レール42aに整列し、上昇デッキ55aが上昇端位置41REPにあるとき、上段冷却経路41の上段レール41aに整列する。
デッキ基部55a1の移動方向に直角な方向の両端部には、両側壁55a3が立設されている。両側壁55a3の内側には、断面矩形状の棒材である嵩増し部55a4が夫々取り付けられ、嵩増し部55a4のさらに内側に第一近接側壁部55a5が移動台3の移動方向に延在するように、例えば、ビス止め等で夫々取付られている。第一近接側壁部55a5は、嵩増し部55a4の上下の端面を覆うように、その上端縁および下端縁において90度折り曲げて形成され、折り曲げた位置で嵩増し部55a4に固定されている。第一近接側壁部55a5は、その内側表面が、搬送される移動台3の前端立設壁32および後端立設壁33の移動方向に対して直角な方向の両側端に、狭小の隙間t5(例えば、3〜5mm)を介して対向するようになっている。折り曲げられた第一近接側壁部55a5の下端縁は、鋳型載置台31の両側端の上面と狭小の隙間t6(例えば、3〜5mm)を介して対向している。
上昇装置55における第一近接側壁部55a5は、上昇デッキ55aが上昇準備位置42UPP(下降端位置)にあるとき、下段冷却経路42の下流端部42d側における下段近接側壁部材46dと当接或いは狭小の隙間(例えば3〜5mm)を介して連続する。第一近接側壁部55a5は、上昇デッキ55aが上昇端位置41REPにあるとき、上段冷却経路41の上流端部41u側における上段近接側壁部材46uと当接或いは狭小の隙間(例えば3〜5mm)を介して連続する。
上昇駆動装置55bは、保持台55b1、上昇シリンダ装置55b2、ガイド装置55b3、図略の油圧供給源、図略の電磁切替弁、図略の制御装置を備えている。
保持台55b1は、基部GDに穿たれた矩形状の竪穴GDHの周縁に脚部55b11が固定配置され、竪穴GDHの上面を覆うように矩形状のフレーム部材55b12で形成されている。
上昇シリンダ装置55b2は、デッキ基部55a1の底面に先端部が固定されたピストン部材55b21、保持台55b1に上端部が固定されピストン部材55b21が嵌入して進退するシリンダ部材55b22を備えている。
ガイド装置55b3は、上昇シリンダ装置55b2を挟んで保持台55b1の両側に設けられている。ガイド装置55b3は、保持台55b1に固定されたガイドパイプ55b31と、ガイドパイプ55b31に上下方向に摺動可能に嵌入されたスライドロッド55b32とを備えている。
下降装置56は、図1に示すように、上段冷却経路41の下流端部41dと上段クッション装置52との間、および下段冷却経路42の上流端部42uと下段押出し装置53との間に設けられている。下降装置56は、鋳枠無し注湯済み鋳型2を載置する下降デッキ56aと、下降デッキ56aを下降させる下降駆動装置56bとを備えている。
下降装置56における第二近接側壁部56a5は、下降デッキ56aが下降準備位置41DPP(上昇端位置)にあるとき、上段冷却経路41の下流端部41d側における上段近接側壁部材46uと当接或いは狭小の隙間(例えば3〜5mm)を介して連続する。第二近接側壁部56a5は、下降デッキ56aが下降端位置42FEPにあるとき、下段冷却経路42の上流端部42u側における下段近接側壁部材46dと当接或いは狭小の隙間(例えば3〜5mm)を介して連続する。
下降装置56は、図5に示すように、上昇装置55と構造および機能が同様であるので、同じ符号を付与して説明を省略する。
(鋳型搬入装置)
鋳型搬入装置6は、図4および図7に示すように、下段冷却経路42の下流側に移動台3の移動方向に直角な右方向(図4における移動台3の移動方向に対して右となる方向)に沿って設けられている。また、鋳型搬入装置6は、注湯された鋳枠付注湯済み鋳型MAPが搬送される鋳枠付注湯済み鋳型搬送路MCPと、鋳枠付注湯済み鋳型搬送路MCPに平行に配置された下段冷却経路42とを直角な方向で連絡するように構成されている。この鋳型搬入装置6が設けられた位置に対応する下段冷却経路42の位置が搬入位置CEPに相当する。
鋳型搬入装置6は、図7に示すように、下段搬入フレーム61、上段搬入フレーム62、移載装置63、鋳枠取り外し装置64、搬入当接部材65、および搬入押圧機構66を備えている。
下段搬入フレーム61は、例えば、互いに平行に対向する一対のI型鋼部材から形成され、移動台3の移動方向に対して直角な方向に延在している。下段搬入フレーム61の一端(図7において右端)は、上方に突出する冷却経路4の支柱451(下段・上段冷却経路41,42を構成する支柱451であって、鋳枠付注湯済み鋳型搬送路MCP側の支柱451)の中ほどに、下段冷却経路42の下段レール42aを支える下部緯梁452drよりも少し高い位置に設けられている。下段搬入フレーム61の他端側(図7において左側)は、鋳枠付注湯済み鋳型搬送路MCPを左側に越えて隣接する搬送路側支柱451Lの中ほどに固定されている。下段搬入フレーム61の冷却経路4から離れる方向にある端部(図7において左端)には、対向する端部同士を水平に連結する連結フレーム61aが設けられている(図4参照)。下段搬入フレーム61のI型鋼の対向する溝61bには、後述する移載装置63の支持フレーム63aの転動輪63bが転動可能に嵌入される。対向する下段搬入フレーム61の下段冷却経路42側の上方には、下段搬入フレーム61が延在する方向に沿って搬入用側板67が夫々立設されている。
搬入用側板67は、例えば、鉄鋼製板部材で形成され、図4および図7に示すように、鋳枠取り外し装置64の上方より下段冷却経路42の側方に開口した下段近接側壁部材46dの開口縁に連続する搬入位置CEPまでの長さに形成されている。二つの対向する搬入用側板67の間隔は、下段近接側壁部材46dの開口の横幅と同じであり、後述する鋳型押し板65bの横幅よりも少し広く形成されている。
鋳枠付注湯済み鋳型搬送路MCPと鋳枠取り外し装置64とは、図7に示すように、基部GDより低い位置に掘削された竪穴GDHの底面に設けられている。下段搬入フレーム61は、鋳枠付注湯済み鋳型搬送路MCPと鋳枠取り外し装置64との上方に跨って延在している。
移載装置63は、矩形状の支持フレーム63aと、支持フレーム63aを下段搬入フレーム61に沿って転動させる転動輪63bと、支持フレーム63aを下段搬入フレーム61に沿って駆動させるピストンシリンダ装置63cと、支持フレーム63aの下部に設けられた一対の掛止装置63dと、を備えている。
支持フレーム63aは、中央位置に鋳枠無し注湯済み鋳型2が上下方向に通過可能で、鋳枠Fが通過不能な枠抜き部63a1を備えている(図4および図7参照)。
転動輪63bは、回転軸が移動台3の移動方向に沿って設けられ、転動輪63b自体が支持フレーム63aの側面の四隅から移動台3の移動方向に突出するように設けられている。ピストンシリンダ装置63cは、連結フレーム61aに固定されたシリンダ部63c1と、先端が支持フレーム63aに固定され支持フレーム63aを下段搬入フレーム61に沿って摺動させるピストン部63c2とを備えている。シリンダ部63c1は、図略の油圧供給装置に連結されている。シリンダ部63c1と油圧供給装置との間には、図略の電磁切替弁が設けられ制御装置による電磁切替弁の切替によって、移載装置63の作動が制御される。
掛止装置63dは、鋳枠付注湯済み鋳型MAPを、鋳枠Fの下端部を両側から掛止可能な一対の爪部材63d1と、一対の爪部材63d1を同期させて上下動させるシリンダ機構63d2とを備えている。シリンダ機構63d2は、図略の油圧供給装置に連結されている。シリンダ機構63d2と油圧供給装置との間には、図略の電磁切替弁が設けられ、制御装置による電磁切替弁の切替によって、掛止装置63dの作動が制御される。
鋳枠取り外し装置64は、鋳型抜きテーブル64aと鋳型抜きテーブル64aを昇降させる昇降シリンダ装置64bとを備えている。昇降シリンダ装置64bは、図略の油圧供給装置に連結されている。昇降シリンダ装置64bと油圧供給装置との間には、図略の電磁切替弁が設けられ、制御装置による電磁切替弁の切替によって、鋳枠取り外し装置64の作動が制御される。
鋳枠取り外し装置64の鋳型抜きテーブル64aが上昇端にあるとき、鋳型抜きテーブル64aの上面は、図9に示すように、下段搬入フレーム61の上面に設けられた鋳型受け板61c(搬入台)の上面と面一となるよう構成されている。また、鋳型受け板61cは、搬入位置CEPに位置決めされた移動台3の鋳型載置台31の上面(鋳型載置面に相当)と面一となるように構成されている。上昇端に位置決めされる鋳型抜きテーブル64aに載置された鋳枠無し注湯済み鋳型2の位置が、搬入対応位置ECPに相当する。鋳型抜きテーブル64aの上面、鋳型受け板61cの上面および鋳型載置台31の上面が、面一となっていることから、搬入対応位置ECPに位置決めされた鋳枠無し注湯済み鋳型2が、搬入位置CEPに位置決めされた移動台3に向って鋳型受け板61cの上面を滑らかに通過するようになっている。
下段搬入フレーム61の上方には、図7に示すように、下段搬入フレーム61に沿って一対の上段搬入フレーム62が設けられている。上段搬入フレーム62は、例えば、互いに平行に延在するI型鋼部材より形成され、鋳枠付注湯済み鋳型搬送路MCPの上方から下段冷却経路42の上方に亘って延在するように設けられている。上段搬入フレーム62は、下段搬入フレーム61を支持する支柱であって下段搬入フレーム61の上方に延びる搬送路側支柱451Lと、下段冷却経路42および上段冷却経路41を構成する図7において右端の支柱451と、の間に横架されている。上段搬入フレーム62のI型鋼の対向する溝62bには、後述する搬入当接部材65の支持台車65aの転動輪65a1が転動可能に嵌入される。搬送路側支柱451Lに支持される上段搬入フレーム62の対向する端部間には、連結フレーム62aが設けられている(図3参照)。
搬入当接部材65は、支持台車65aと、鋳型押し板65bとを備えている。支持台車65aは、図2および図7に示すように、例えば、鉄鋼製部材により矩形状のフレーム状に形成され、四隅側方に回転軸が移動台3の移動方向に沿って設けられた転動輪65a1が夫々設けられている。これらの転動輪65a1によって、支持台車65aは、上段搬入フレーム62に沿って移動可能になっている。支持台車65aの冷却経路4側の端部には、下方に垂下する梯子状の垂下フレーム65cが設けられ、垂下フレーム65cには垂下フレーム65cが移動台3の移動方向に直角な方向に倒れるのを防止する一対の傾斜補強部材65c1が設けられている。垂下フレーム65cの冷却経路4側の端面には、鋳枠無し注湯済み鋳型2の側面2a(移動台3の移動方向に延在する側面)に当接する鋳型押し板65bが設けられている(図9参照)。鋳型押し板65bは、例えば、鉄鋼製板部材で矩形状に形成されている。鋳型押し板65bの横幅は、前述した対向する搬入用側板67の間隔よりも少し短く形成されている。鋳型押し板65bの両側端面は、搬入用側板67の表面に対して狭小の隙間(例えば、3〜5mm)を介して対向している。また、鋳型押し板65bの横幅は、図2に示すように、移動台3の前端立設壁32と後端立設壁33との間隔より少し短く形成されている。本実施形態では、対向する搬入用側板67の間隔と、前端立設壁32と後端立設壁33との間隔とは、同じ間隔に設定されている。
搬入用側板67は、鋳枠取り外し装置64の上方より下段冷却経路42の側方に開口した下段近接側壁部材46dの開口縁に連続する搬入位置CEPまでの長さで形成されている。そのため、搬入用側板67は、搬入当接部材65の鋳型押し板65bで鋳枠無し注湯済み鋳型2を搬入対応位置ECPから搬入位置CEPまで移動させる際に、鋳枠無し注湯済み鋳型2が崩れた砂が外部に落下するのを防止することができる。さらに、対向する搬入用側板67の間隔と、移動台3の前端立設壁32と後端立設壁33との間隔とが同じ間隔に設定されていることから、搬入用側板67と前端立設壁32および後端立設壁33との間に連続性が生じて、鋳枠無し注湯済み鋳型2が鋳型受け板61cから移動台3に移る際にも、崩れた鋳型の砂が外部に落下することを防止することできる。
また、鋳型押し板65bの下端には、搬入掻取部材65b1が設けられている。
搬入掻取部材65b1は、例えば、硬質ゴム製部材から短冊状に形成され、図11に示すように、皿頭ボルト37およびナット38により鋳型押し板65bの下端面に沿って取り付けられている。搬入当接部材65が、鋳枠無し注湯済み鋳型2を、搬入対応位置ECPから搬入位置CEPに位置決めされた移動台3に搬入する際に、搬入掻取部材65b1の下端部は、鋳型載置台31の上面(鋳型載置面)および鋳型受け板61c(搬入台)の上面に接触するようになっている。なお、搬入掻取部材65b1と後述する鋳型搬出装置7における搬出掻取部材72b1とは、同様の構造であるため、図11を兼用し、対応する符号を夫々付与することとした。
搬入押圧機構66は、図2および図7に示すように、例えば、搬入用ラック部材66a、ピニオン部材66bおよび電動モータ66cおよび位置センサ(図略)を備え、搬入当接部材65を、移動台3の移動方向に直角な方向に移動させ、任意の位置に停止させる。なお、搬入押圧機構66と後述する搬出押圧機構73とは、同様の構造であるため、図2を兼用し、対応する符号を夫々付与することとした。
搬入用ラック部材66aは、図2および図7に示すように、上段冷却経路41の上部緯梁452urと同じ高さに設けられている。搬入用ラック部材66aは、対向する上段搬入フレーム62の間に設けられ上段搬入フレーム62に沿って延在する搬入側横フレーム68の下面に設けられている。搬入用ラック部材66aは、鋳枠付注湯済み鋳型搬送路MCPから冷却経路4に至る長さに設けられている。
搬入当接部材65の支持台車65aの上面には、電動モータ66cが固定され、電動モータ66cの出力軸に設けられたピニオン部材66bには搬入用ラック部材66aのラックが噛合するように構成されている。制御装置は、例えば、ロータリエンコーダ(図略)などの位置センサによる検出信号に基づいて、搬入対応位置ECP、鋳型載置台31の上面の手前の位置や奥の位置に鋳枠無し注湯済み鋳型2が移動するように電動モータ66cを制御する。
(鋳型搬出装置)
鋳型搬出装置7は、図4および図12に示すように、下段冷却経路42の下流側であって、鋳型搬入装置6の図1および図4において移動台3の移動方向の幅二つ分右側に、移動台3の移動方向に直角な左方向に沿って設けられている。また、鋳型搬出装置7は、冷却が終了した鋳枠無し注湯済み鋳型2が搬送される振動コンベヤ9と下段冷却経路42とを移動台3の移動方向に直角な方向で連絡するように構成されている。この鋳型搬出装置7が設けられた位置に対応する下段冷却経路42上の位置が搬出位置COPに相当する。
鋳型搬出装置7は、搬出フレーム71、搬出当接部材72、および搬出押圧機構73を備えている。
搬出フレーム71は、例えば、互いに平行に延在するI型鋼部材より一対に形成され、下段冷却経路42に直角に交差して、下段冷却経路42の横幅の略二倍の長さで延在するように設けられている。搬出フレーム71の両端部は、連結フレーム71aで連結され(図3参照)、搬出フレーム71全体として矩形枠状に形成されている。搬出フレーム71は、下段冷却経路42および上段冷却経路41を構成する両側の支柱451の中ほどの高さ位置に設けられている。搬出フレーム71のI型鋼の対向する溝71bには、後述する搬出当接部材72の支持台車72aの転動輪72a1が転動可能に嵌入されている。
搬出当接部材72は、支持台車72aと、鋳型押し板72bとを備えている。支持台車72aは、図2、図3および図10に示すように、例えば、鉄鋼製部材により矩形板状に形成され、四隅側方に転動輪72a1が夫々設けられている。これらの転動輪72a1によって、支持台車72aは、搬出フレーム71に沿って移動台3の移動方向に直角な方向に移動可能になっている。支持台車72aの冷却経路4側の端部には、下方に垂下する梯子状の垂下フレーム72cが設けられ、垂下フレーム72cには垂下フレーム72cが移動台3の移動方向に直角な方向に倒れるのを防止する一対の傾斜補強部材72c1が設けられている。垂下フレーム72cの冷却経路4側の端面には、鋳枠無し注湯済み鋳型2の側面2a(移動台3の移動方向に延在する側面)に当接する鋳型押し板72bが設けられている(図12参照)。
鋳型押し板72bは、例えば、鉄鋼製板部材で矩形状に形成されている。鋳型押し板72bの横幅は、後述する対向する搬出用側板76の間隔よりも少し短く形成されている。鋳型押し板72bの両側端面は、搬出用側板76の表面に対して狭小の隙間(例えば、3〜5mm)を介して対向している。鋳型押し板72bの下端には、搬出掻取部材72b1が設けられている。
搬出掻取部材72b1は、図11に示すように、例えば、硬質ゴム製部材から短冊状に形成され、皿頭ボルト37およびナット38により鋳型押し板72bの下端面に沿って取り付けられている。搬出当接部材72が、鋳枠無し注湯済み鋳型2を、搬出位置COPに位置決めされた移動台3から搬出対応位置OCPに搬出する際に、搬出掻取部材72b1の下端部は、鋳型載置台31の上面(鋳型載置面)および後述する鋳型受け板71c(搬出台)の上面に接触して移動するようになっている。
搬出位置COPに位置決めされた移動台3と振動コンベヤ9との間には、図10において右側の支柱451から水平に突出する支持フレーム74に支持された鋳型受け板71c(搬出台)が設けられている。鋳型受け板71cの上面は、搬出位置COPに位置決めされた移動台3の鋳型載置台31の上面と面一となるよう構成され、鋳型載置台31に載置された鋳枠無し注湯済み鋳型2が振動コンベヤ9に向って鋳型載置台と鋳型受け板との上面を滑らかに通過するようになっている。
支持フレーム74には、鋳型受け板71c(搬出台)の移動台3の移動方向の前後両側に搬出用側板76が立設されている。
搬出用側板76は、例えば、鉄鋼製板部材で形成され、図4および図10に示すように、下段冷却経路42の開口した下段近接側壁部材46dの開口縁に連続する位置より振動コンベヤ9の上方位置まで延在する長さで形成されている。二つの対向する搬出用側板76の間隔は、前述した鋳型押し板72bの横幅よりも少し広く形成されている。対向する搬出用側板76の間隔は、移動台3の前端立設壁32と後端立設壁33との間隔と、同じ間隔に設定されている。搬出位置COPに対応する振動コンベヤ9の位置が搬出対応位置OCPに相当する。
このように、搬出用側板76は、下段冷却経路42の開口した下段近接側壁部材46dの開口縁に連続する位置より振動コンベヤ9の上方位置まで延在する長さで形成されている。そのため、搬出用側板76は、鋳型押し板72bにより鋳枠無し注湯済み鋳型2を搬出位置COPから搬出対応位置OCPに移動させる際に、鋳型の崩れた砂が外部に落下するのを防止することができる。さらに、対向する搬出用側板76の間隔と、移動台3の前端立設壁32と後端立設壁33との間隔とが同じ間隔に設定されていることから、搬出用側板76と前端立設壁32および後端立設壁33との間に連続性が生じて、鋳枠無し注湯済み鋳型2が、移動台3から鋳型受け板71cに移る際にも、崩れた鋳型の砂が移動台3の外部に落下することを防止することできる。
搬出押圧機構73は、図2および図10に示すように、例えば、搬出用ラック部材73a、ピニオン部材73bおよび電動モータ73cおよび位置センサ(図略)を備え、搬出当接部材72を移動台3の移動方向に直角な方向に移動させ、任意の位置に停止させる。
上段冷却経路41の搬出位置COPに対応する一対の上部緯梁452urの間には、図10に示すように、上部緯梁452urと平行にかつ同じ高さで搬出側横フレーム77が設けられている。搬出側横フレーム77は、上段冷却経路41における移動台3の搬送方向に直角な方向に搬出フレーム71と同じ長さで延在している。搬出用ラック部材73aは、図2および図10に示すように、搬出側横フレーム77の下面に、下段冷却経路42の横幅を越える長さで設けられている。搬出当接部材72の支持台車72aの上面には電動モータ73cが固定され、電動モータ73cの出力軸に設けられたピニオン部材73bに搬出用ラック部材73aが噛合するように構成されている。制御装置は、例えば、ロータリエンコーダなどの位置センサにより、搬出位置COPに位置決めされた移動台3の鋳型載置台31の上面(載置面)の位置や搬出対応位置OCPに鋳枠無し注湯済み鋳型2が移動するように電動モータ73cの駆動を制御する。
振動コンベヤ9は、下段冷却経路42に平行に設けられている。振動コンベヤ9は、搬送路に振動を加えながら高温状態の鋳物品を搬送するものであり、公知技術であるので、説明を省略する。振動コンベヤ9として、例えば、特開平5−278830号公報に記載の振動コンベヤを挙げることができる。振動コンベヤ9に載置された鋳造品および鋳物砂は、図略のシェイキングマシンを経て、湯口やバリを除去する次工程に搬送される。
(作動)
次に、上記のように構成された注湯済み鋳型冷却装置1の作動について、図1、図3、図4、図7〜図10および図12を参照して以下に説明する。
本実施形態の注湯済み鋳型冷却装置1は、図4に示すように、造型装置MMで造型され注湯装置PEで注湯された鋳枠付注湯済み鋳型MAPを、鋳枠付注湯済み鋳型搬送路MCPで搬送する工程に続く工程を担うものである。なお、鋳枠付注湯済み鋳型搬送路MCPは、図略の搬送装置によって、鋳枠付鋳型(注湯前・注湯済み)を載置した台車CTが、1ピッチずつ搬送される。
初期状態として、移載装置63における掛止装置63dの二つの爪部材63d1は、下降端位置に位置決めされている。鋳枠取り外し装置64の鋳型抜きテーブル64aは、下降端位置に位置決めされている。搬入当接部材65は、後退端位置(鋳枠付注湯済み鋳型搬送路MCPの上方)に位置決めされている。下段冷却経路42の搬入位置CEPには、空の移動台3が位置決めされている。鋳枠Fは、上鋳枠および下鋳枠が重ねられた状態である。
まず、制御装置は、図7に示すように、移載装置63のピストンシリンダ装置63cを駆動させて、掛止装置63dの二つの爪部材63d1を鋳枠付注湯済み鋳型搬送路MCPの両側に位置決めする。そして、制御装置は、鋳枠付注湯済み鋳型搬送路MCPの搬送装置を駆動させて、鋳枠付注湯済み鋳型MAPを載置した台車CTが、爪部材63d1の間に位置するように位置決めする。
制御装置は、掛止装置63dのシリンダ機構63d2を駆動させて、爪部材63d1を下の鋳枠Fの両端部に掛止して、鋳枠付注湯済み鋳型MAPを台車CTから離して上昇させる。その際、鋳枠Fの上端と枠抜き部63a1の下端とが接触するまで上昇させる。
制御装置は、図8に示すように、移載装置63におけるピストンシリンダ装置63cのピストン部63c2を前進させて、鋳枠付注湯済み鋳型MAPを鋳型抜きテーブル64aの上方の対向位置に位置決めする。続いて、制御装置は、鋳枠取り外し装置64の昇降シリンダ装置64bを駆動させて、鋳型抜きテーブル64aを上昇させる。
次に、制御装置は、図9に示すように、鋳型抜きテーブル64aの上面が枠抜き部63a1の上面と一致する位置まで鋳型抜きテーブル64aを上昇させる。これによって、鋳枠付注湯済み鋳型MAPから鋳枠Fが取り外されて鋳枠無し注湯済み鋳型2となる。鋳枠無し注湯済み鋳型2は、同時に搬入対応位置ECPに位置決めされたこととなる。
次に、制御装置は、電動モータ66cを駆動させて、ピニオン部材66bを回転させ、搬入当接部材65の鋳型押し板65bを鋳枠無し注湯済み鋳型2の鋳枠付注湯済み鋳型搬送路MCP側の側面2aに当接させる。続いて制御装置は、鋳枠無し注湯済み鋳型2を、上段搬入フレーム62に沿って横にスライドさせることで搬入位置CEPに待機している移動台3に搬入する。鋳枠無し注湯済み鋳型2が通過する鋳型受け板61cの上面は、鋳型抜きテーブル64aの上面および移動台3の鋳型載置台31の上面(鋳型載置板31bの上面)と高さが一致している。そのため、鋳枠Fが取り外された鋳枠無し注湯済み鋳型2は、極めてスムーズに移動台3に搬入される。
搬入用側板67は、鋳型押し板65bで鋳枠無し注湯済み鋳型2を搬入対応位置ECPから搬入位置CEPに位置決めされた移動台3まで移動させる際に、崩れた鋳型の砂が外部に落下するのを防止することができる。
また、搬入掻取部材65b1は、鋳型押し板65bが移動する際に、鋳型受け板61cの上面から崩れた鋳型の砂を移動台3に掃き出すことができる。移動台3に掃き出された砂は、さらに後述する鋳型搬出装置7において、搬出掻取部材72b1によって、振動コンベヤ9に掃き出される。これによって、崩れた鋳型の砂は、移動台3の外部(例えば、作業場の床面)に落下することなく、振動コンベヤ9に掃き出され、鋳型受け板61c,71cの上面および移動台3の鋳型載置台31の上面に砂が固着する状態を防止することができる。
本実施形態においては、図9に示すように、一台の移動台3には二つの鋳枠無し注湯済み鋳型2が載置されるため、一つ目の鋳枠無し注湯済み鋳型2は、鋳型載置台31の奥の位置に、二つ目の一つ目の鋳枠無し注湯済み鋳型2は、鋳型載置台31の手前の位置に、夫々載置される。
なお、取り外された鋳枠Fは、鋳枠付注湯済み鋳型搬送路MCPの下流側の空鋳枠搬送路CMCPに戻され、上鋳枠・下鋳枠を分ける工程を経て造型装置MMに戻される。
次に、制御装置は、図1および図4に示すように、下段押出し装置53を駆動させて下段冷却経路42に並べられた複数の移動台3を下流側へ搬送する。その際、下段押出し装置53は、下段冷却経路42の上流側で、並べられた複数の移動台3のうちの上流端部42uに位置決めされた移動台3を押圧する。下段冷却経路42の下流側で、下段クッション装置54は、下流端部42dにある移動台3の移動方向の自由移動を規制する。そのため、下段冷却経路42に並べられた複数の移動台3は、下段押出し装置53と下段クッション装置54とにより挟まれて互いに隙間を生じない状態で、1ピッチずつ同時に移動する。
1ピッチずつ移動することで下段冷却経路42の下流端部42dに至った移動台3は、さらに1ピッチ移動することで、上昇準備位置42UPPに位置決めされる(図4参照)。鋳枠無し注湯済み鋳型2が載置された移動台3は、下段レール42aと整列する上昇デッキ55aの運搬レール55a2上に載置される(図5参照)。
制御装置は、上昇装置55の上昇シリンダ装置55b2を駆動させて上昇デッキ55aを上昇させる。鋳型無し注湯済み鋳型2が載置された移動台3を搭載した上昇デッキ55aは、図1に示すように、上段冷却経路41の上昇端位置41REPに位置決めされる。
制御装置は、上段押出し装置51における押出し駆動部51bを駆動させて上段冷却経路41に並べられた複数の移動台3を1ピッチずつ下流側に移動させる。その際の、上段クッション装置52等の作動は、下段冷却経路42と同様であるので、説明を省略する。
移動台3に載置された鋳枠無し注湯済み鋳型2は、1ピッチずつ移動する間に冷却される。1ピッチずつ移動して上段冷却経路41の下流端部41dに至った移動台3は、さらに1ピッチ移動して下降準備位置41DPPに位置決めされる。
鋳枠無し注湯済み鋳型2が載置された移動台3は、下降準備位置41DPPにおいて、下降装置56の下降デッキ56aに搭載される。その際に、移動台3は、上段レール41aと整列する下降デッキ56aの運搬レール55a2上に載置される。
制御装置は、下降装置56の下降駆動装置56bを駆動させて下降デッキ56aを下降させる。鋳型無し注湯済み鋳型2が載置された移動台3を搭載した下降デッキ56aは、下段冷却経路42の下降端位置42FEPに位置決めされる。
次に、制御装置は、下段押出し装置53を駆動させて下段冷却経路42に並べられた複数の移動台3を1ピッチずつ下流側に搬送する。鋳枠無し注湯済み鋳型2が載置された移動台3は、図10に示すように、下段冷却経路42上を1ピッチずつ下流側に移動して、搬出位置COPに位置決めされる。このとき、注湯された鋳物品は、鋳型から取り出しても形状が保持できる程度に冷却が終了している。
次に、制御装置は、電動モータ73cを駆動させて、ピニオン部材73bを回転させ、搬出当接部材72を搬出用ラック部材73aに沿って移動させる。制御装置は、図12に示すように、搬出当接部材72の鋳型押し板72bを鋳枠無し注湯済み鋳型2の鋳枠付注湯済み鋳型搬送路MCP側の側面2aに当接させる。そして、搬出当接部材72の鋳型押し板72bを搬出フレーム71に沿ってスライドさせることで、鋳枠無し注湯済み鋳型2を搬出対応位置OCPにある振動コンベヤ9に搬出する。
その際に、鋳型押し板72bの下端に取り付けられた搬出掻取部材72b1は、鋳型載置台31の鋳型載置板31bの上面(鋳型載置面)、鋳型受け板71cの上面に当接した状態で移動する。そのため、鋳型載置板31bの上面、鋳型受け板71cの上面は、特別な清掃作業を行なうことなく、崩れた鋳型の砂が残らないきれいな状態を維持することができる。
また、搬出用側板76は、下段冷却経路42の開口した下段近接側壁部材46dの開口縁に連続する位置より振動コンベヤ9の上方位置まで延在する長さで形成されている。そのため、搬出用側板76は、搬出当接部材72の鋳型押し板72bで鋳枠無し注湯済み鋳型2を搬出位置COPから搬出対応位置OCPまで移動させる際に、崩れた鋳型の砂が移動台3の外部に落下するのを防止することができる。
上記の記述で明らかなように、第一実施形態の注湯済み鋳型冷却装置1は、鋳枠無し注湯済み鋳型2を夫々載置可能な複数の移動台3と、鋳枠無し注湯済み鋳型2が搬入される搬入位置CEPと鋳枠無し注湯済み鋳型2が搬出される搬出位置COPとを備えている。注湯済み鋳型冷却装置1は、複数の移動台3を移動方向に沿って循環させる閉じた冷却経路4と、複数の移動台3を搬入位置CEPと搬出位置COPとの間で移動して循環する循環移動装置5と、を備えている。各移動台3は、冷却経路4上に移動可能に載置され、注湯済み鋳型2を載置する鋳型載置板31bの上面を有する矩形状の鋳型載置台31と、冷却経路4上での移動台3の移動方向の前端面31c(前端縁部)および後端面31d(後端縁部)に夫々上方に向かって立設された前端立設壁32および後端立設壁33と、を備えている。注湯済み鋳型冷却装置1は、鋳枠無し注湯済み鋳型2を搬入位置CEPにおいて移動方向と直角な搬入方向に移動させて搬入位置CEPに対応する搬入対応位置ECPから移動台3上の前端立設壁32と後端立設壁33との間に搬入する鋳型搬入装置6と、冷却経路4上の冷却が終了した鋳枠無し注湯済み鋳型2を搬出位置COPにおいて移動方向と直角な搬出方向に移動させて移動台3上の前端立設壁32と後端立設壁33との間から搬出位置COPに対応する搬出対応位置OCPに搬出する鋳型搬出装置7と、をさらに備えている。
これによると、各移動台3は、移動方向の前端面31cおよび後端面31dに前端立設壁32および後端立設壁33を備えている。そのため、鋳型搬入装置6および鋳型搬出装置7は、移動台3の移動方向に直角な方向において、鋳枠無し注湯済み鋳型2の搬入または搬出を行なうことができる。
すなわち、鋳型搬入装置6および鋳型搬出装置7は、設置位置を冷却経路4の端部に限定されること無く、冷却経路4の任意の位置に設定することができ、冷却経路4の途中部分に設けられた搬入位置CEPまたは搬出位置COPに位置決めされた移動台3に、移動台3の移動方向に直角な方向で鋳枠無し注湯済み鋳型2を搬入または搬出することができる。
このため、注湯済み鋳型冷却装置1は、設備計画における鋳型搬送装置全体のレイアウトの自由度を大幅に向上させることができる。
また、注湯済み鋳型冷却装置1において、冷却経路4の両側には、冷却経路4上に並べられた各移動台3の前端立設壁32、後端立設壁33および鋳型載置台31の移動方向に延在する両側端32e,33e,31eに対して夫々狭小の隙間t1〜t4を介して対向する近接側壁部材46(46u,46d)が、冷却経路4に沿って延在して設けられている。
これによると、前端立設壁32、後端立設壁33および鋳型載置台31に夫々対向する近接側壁部材46によって、崩れた鋳型の砂が移動台3の側方から落下することを抑制することができる。
また、近接側壁部材46は、搬入位置CEPと搬入対応位置ECPとの間、および搬出位置COPと搬出対応位置OCPとの間に開口している。搬入位置CEPと搬入対応位置ECPとの間には、鋳枠無し注湯済み鋳型2の搬入の際に鋳枠無し注湯済み鋳型2が上面を通過可能な鋳型受け板61c(搬入台)が設けられている。搬出位置COPと搬出対応位置OCPとの間には、鋳枠無し注湯済み鋳型2の搬出の際に鋳枠無し注湯済み鋳型2が上面を通過可能な鋳型受け板71c(搬出台)が設けられている。
これによると、鋳枠無し注湯済み鋳型2が、搬入位置CEPに位置決めされた移動台3に移動方向に直角な方向で搬入される。鋳枠無し注湯済み鋳型2が、搬出位置COPに位置決めされた移動台3から移動方向に直角な方向で搬出される。
また、鋳型受け板61c,71cによって、搬入対応位置ECPと搬入位置CEPに位置決めされた移動台3との間、または搬出位置COPに位置決めされた移動台3と搬出対応位置OCPとの間を連絡するので、注湯済み鋳型を確実に搬入・搬出することができる。
また、注湯済み鋳型冷却装置1において、冷却経路4は、水平方向に延在する下段冷却経路42と、下段冷却経路42の上方に下段冷却経路に沿って設けられた上段冷却経路41と、下段冷却経路42の下流端部42d(一端部)と上段冷却経路41の上流端部41u(一端部)との間に設けられ移動台3が上昇する第一昇降経路43と、上段冷却経路41の下流端部41d(他端部)と下段冷却経路42の上流端部42u(他端部)との間に設けられ移動台3が下降する第二昇降経路44と、を備えている。循環移動装置5は、下段冷却経路42の下流端部42dから上段冷却経路41の上流端部41uに鋳枠無し注湯済み鋳型2を上昇させて移動する上昇装置55と、上段冷却経路41の下流端部41dから下段冷却経路42の上流端部42uに鋳枠無し注湯済み鋳型2を下降させて移動する下降装置56と、を備えている。近接側壁部材46は、上段冷却経路41の両側に設けられた上段近接側壁部材46uと、下段冷却経路42の両側に設けられた下段近接側壁部材46dと、を備えている。上昇装置55は、上昇装置55に搭載される移動台3の前端立設壁32、後端立設壁33および鋳型載置台31の移動方向に延在する両側端32e,33e,31eに対して夫々狭小の隙間t5,t6を介して対向する一対の第一近接側壁部55a5を備えている。第一近接側壁部55a5は、上昇装置55が上昇準備位置42UPP(下降端位置)にあるときに下段近接側壁部材46dに連続し、上昇端位置41REPにあるときに上段近接側壁部材46uに連続している。下降装置56は、下降装置56に搭載される移動台3の前端立設壁32、後端立設壁33および鋳型載置台31の移動方向に延びる両側端32e,33e,31eに対して夫々狭小の隙間t7,t8を介して対向する一対の第二近接側壁部56a5を備えている。第二近接側壁部56a5は、下降装置56が下降準備位置41DPP(上昇端位置)にあるときに上段近接側壁部材46uに連続し、下降端位置42FEPにあるときに下段近接側壁部材46dに連続する。
これによると、上昇装置55および下降装置56に搭載された移動台3においても、崩れた鋳型の砂が移動台3の外部に落下することを防止することができる。下段冷却経路42から上昇装置55へ、上昇装置55から上段冷却経路41へ移動する際にも、また、上段冷却経路41から下降装置56へ、下降装置56から下段冷却経路42へ移動する際にも、夫々崩れた鋳型の砂が移動台3の外部に落下することを防止することができる。
また、注湯済み鋳型冷却装置1において、鋳枠付注湯済み鋳型MAPを取り込み、鋳枠Fを取り外し、鋳枠Fが取り外された鋳枠無し注湯済み鋳型2を搬入対応位置ECPに配置する鋳枠取り外し装置64をさらに備えている。鋳型搬入装置6は、前端立設壁32と後端立設壁33との間隔より短い幅で形成されて鋳枠無し注湯済み鋳型2の移動方向に延在する側面2aに当接する搬入当接部材65と、搬入当接部材65を移動方向に直角な方向から移動させて搬入対応位置ECPに位置決めされた鋳枠無し注湯済み鋳型2を搬入位置CEPに位置決めされた移動台3に載置する搬入押圧機構66と、を備えている。
これによると、鋳枠取り外し装置64によって鋳枠Fが取り外された鋳枠無し注湯済み鋳型2は、移動台3の移動方向に延在する側面2aが搬入当接部材65で当接され、搬入押圧機構66によって搬入位置CEPに位置決めされた移動台3に直ちに搬入される。そのため、鋳枠付注湯済み鋳型MAPとして搬送される鋳枠付注湯済み鋳型搬送路MCPと鋳枠無し注湯済み鋳型2として搬送される冷却経路4とを極めて短い経路で連絡し、全体としてコンパクトな注湯済み鋳型冷却装置1とすることができる。
また、鋳型搬出装置7は、前端立設壁32と後端立設壁33との間隔より短い幅で形成されて鋳枠無し注湯済み鋳型2の移動方向に延在する側面2aに当接する搬出当接部材72と、搬出当接部材72を移動方向に直角な方向へ移動させて搬出位置COPに位置決めされた移動台3から鋳枠無し注湯済み鋳型2を搬出対応位置OCPに搬出する搬出押圧機構73と、を備えている。搬出当接部材72には、搬出当接部材72が搬出位置COPから搬出対応位置OCPへ移動する際に、鋳型載置台31の上面および鋳型受け板71cの上面に下端部が接触する搬出掻取部材72b1が設けられている。
これによると、搬出当接部材72により鋳枠無し注湯済み鋳型2を搬出する際に、搬出掻取部材72b1は、鋳型載置台31の上面および鋳型受け板71cの上面に固着した砂を掻き取ることができる。
また、注湯済み鋳型冷却装置1において、鋳型載置台31の移動方向の前端面31c(前端縁部)および後端面31d(後端縁部)には、隣接する移動台3間で相互に当接する当接交換部材35が夫々設けられている。
これによると、隣接する移動台3同士が繰り返し接触することによる移動台3の前端面31cおよび後端面31dの磨耗を当接交換部材35によって防止することができる。その結果、冷却経路4上に並べた複数の移動台3の合計長さを、長期に亘って所定の長さに維持することができる。これによって、複数の移動台3が並べられた状態で移動される場合に、所定の移動台3を必要な位置に正確に位置決めすることができる。また、当接交換部材35に磨耗や破損が生じた場合には、当接交換部材35のみを取り替えるだけで、低コストかつ容易に冷却経路4上に並べられた複数の移動台3の長さを所定の長さに回復させることができる。
また、前端立設壁32および後端立設壁33は、各鋳型載置台31の移動方向の前端面31cおよび後端面31dに夫々設けられ、当接交換部材35は、前端面31cおよび後端面31dに夫々設けられている。
これによると、当接交換部材35は、移動台3の前端面31cおよび後端面31dに直接取り付けられている。移動台3の前端立設壁32と冷却経路4上で隣接する移動台3の後端立設壁33とが衝突するのを防止して、前端立設壁32および後端立設壁33が損傷するのを防止することができる。
また、先に当接交換部材35を鋳型載置台31の前端面31cと後端面31dとに取り付けてから、前端立設壁32および後端立設壁33を取り付けることが可能なので、容易に組立作業を行なうことができる。
また、前端立設壁32および後端立設壁33のいずれかが損傷した場合に、損傷した前端立設壁32または後端立設壁33だけを鋳型載置台31から取り外して、効率よく交換することができる。
(第二実施形態)
本件発明にかかる注湯済み鋳型冷却装置の第二実施形態について、図18に基づいて以下に説明する。
第二実施形態の注湯済み鋳型冷却装置101は、搬入位置と搬出位置とが、下段冷却経路42における同位置に搬入搬出位置EOCPとして設定されている。搬入対応位置ECPおよび搬出対応位置OCPは、搬入搬出位置EOCPを挟んで、下段冷却経路42の両側に対応して設けられている。鋳型搬入装置106は、搬入対応位置ECPから搬入搬出位置EOCPに位置決めされた移動台3の鋳型載置台31上に鋳枠無し注湯済み鋳型2を搬入する。鋳型搬出装置107は、搬入搬出位置EOCPに位置決めされた移動台3から搬出対応位置OCPに鋳枠無し注湯済み鋳型2を搬出する。これらの点において、第一実施形態と相違し、その他の構成は同様であるので、説明を省略する。
以下に具体的な相違点について、説明する。
鋳型搬入装置106は、搬入押圧機構166の搬入用ラック部材が、搬出用ラック部材と連続した搬入搬出用ラック部材166aとなっている。
さらに、鋳型搬出装置107は、搬出当接部材172における支持台車172aの垂下フレーム172cが、支持台車172aに固定されたものではなく、支持台車172aに水平方向に沿って固定された回転軸172c1を中心に鋳枠無し注湯済み鋳型2を押圧可能な垂直位置VPと鋳枠無し注湯済み鋳型2の上部を通過可能な水平位置HPとに90度の範囲で回動可能に設けられている。
垂下フレーム172cを回動させる回動機構として、例えば、支持台車172aにスライド可能に設けられた駆動ラック(図略)と、垂下フレーム172cの回転軸172c1周りに形成した扇形歯車(図略)とを噛合させる機構を使用することができる。移動台3の移動方向に直角な方向にスライド可能に支持された駆動ラックは、例えば、ピストンシリンダ機構172c2によって往復動される。駆動ラックの直線的な往復動は、扇形歯車によって垂下フレーム172cの回動運動に変換される。垂下フレーム172cは、垂直位置VPにあるとき、図略のストッパにより垂直位置VPで固定される。
その他の構成は、第一実施形態と同様なので、同じ符号を付与して説明を省略する。
(作動)
作動において、鋳型搬出装置107における鋳枠無し注湯済み鋳型2の搬出作業が第一実施形態と相違するため、鋳型搬出装置107における搬出作業を以下に説明する。
まず、鋳型搬出装置107において、冷却が終了した鋳枠無し注湯済み鋳型2が、搬入搬出位置EOCPに搬入される前に垂下フレーム172cは、水平位置HPに保持される。
そして、制御装置は、垂下フレーム172cを水平位置HPに保持した状態で、支持台車172aを下段冷却経路42の鋳型搬入装置106側に後退させる。
制御装置は、後退させた位置で垂下フレーム172cを垂直位置VPに回動させ、鋳型押し板72bを鋳枠無し注湯済み鋳型2の側面2aに当接させる。
そして、制御装置は、電動モータ73cの駆動によって、ピニオン部材73bを回転させる。ピニオン部材73bの回転が、支持台車172aを前進させて、冷却の終了した鋳枠無し注湯済み鋳型2を搬出対応位置OCPである振動コンベヤ9に搬出する。
なお、冷却が終了した鋳枠無し注湯済み鋳型2が、搬入搬出位置EOCPに搬入される前に、垂下フレーム172cを、垂直位置VPに保持した状態で、下段冷却経路42の鋳型搬入装置106側に位置決めしておいてもよい。
また、第二実施形態の注湯済み鋳型冷却装置101では、鋳枠無し注湯済み鋳型2を搬出する搬出位置と搬入する搬入位置とが、同位置である搬入搬出位置EOCPに設定されている。これによって、搬入搬出位置EOCPから鋳枠無し注湯済み鋳型2を搬出した後、空となった移動台3を移動する工程が無くなる。
これらの点において、作動が相違する。その他の作動は、第一実施形態と同様であるので、説明を省略する。
上記の記述で明らかなように、第二実施形態に係る注湯済み鋳型冷却装置101において、搬入位置CEPと搬出位置COPとは、冷却経路4における同位置となる搬入搬出位置EOCPに設定される。搬入対応位置ECPおよび搬出対応位置OCPは、搬入搬出位置EOCPを挟んで対応して配置される。鋳型搬入装置106は、搬入対応位置ECPから搬入搬出位置EOCPに位置決めされた移動台3に鋳枠無し注湯済み鋳型2を搬入し、鋳型搬出装置107は、搬入搬出位置EOCPに位置決めされた移動台3から搬出対応位置OCPに鋳枠無し注湯済み鋳型2を搬出する。
これによると、搬入搬出位置EOCPが同位置なので、鋳枠無し注湯済み鋳型2が搬出されて空となった移動台3を搬送させることなく、新たな鋳枠無し注湯済み鋳型2を移動台3に搬入する。このように、空となった移動台3を搬送するスペースを省略できるので、極めてコンパクトな設備とすることができる。
なお、第二実施形態において、鋳枠無し注湯済み鋳型2を搬入当接部材65で搬入搬出位置EOCPに位置決めされた移動台3に搬入し、搬入搬出位置EOCPに位置決めされた移動台3に載置された冷却が終了した鋳枠無し注湯済み鋳型2を、搬入当接部材65とは別の搬出当接部材172で、搬出するものとしたが、これに限定されない。例えば、一つの搬入搬出当接部材で、搬入および搬出を行うものでもよい。具体的には、例えば、搬入当接部材65が、搬出位置COPおよび搬出対応位置OCPまで鋳枠無し注湯済み鋳型2を搬送できるようにするものでもよい。
なお、上記第一実施形態および第二実施形態において、冷却経路4を上段冷却経路41および下段冷却経路42の二段の冷却経路4としたが、これに限定されず、例えば三段の冷却経路で冷却経路を構成してもよい。
また、崩れた砂の外部への落下を防止するため、上段冷却経路41および下段冷却経路42の両側に近接側壁部材46を設けるものとしたが、これに限定されない。例えば、移動台の移動方向に直角な方向の幅を移動台において大きく設定することで、移動台の側方からの砂の落下を抑制することができる。
また、搬入位置CEPおよび搬出位置COPを下段冷却経路42に設けるものとしたが、これに限定されない。例えば、搬入位置CEPおよび搬出位置COPを上段冷却経路41に設けてもよく、搬入位置CEPを下段冷却経路42に、搬出位置COPを上段冷却経路41に夫々設けてもよい。
また、冷却経路4を構成するものとして上段レール41aおよび下段レール42aとし、移動台3を転動輪34が付いた台車としたが、これに限定されず、例えば、冷却経路を構成するのが、ローラコンベヤであり、移動台がローラコンベヤ上を移動するパレットでもよい。
また、搬入押圧機構66および搬出押圧機構73において、ピニオン・ラック機構を電動モータ66c,73cで駆動するものとしたが、これに限定されない。例えば、ピストンシリンダ機構を油圧により駆動させるものでもよい。
また、当接交換部材35は、鋳型載置台31の前端面31cおよび後端面31dに直接設けられるものとしたが、これに限定されない。例えば、鋳型載置台31の前端面31cおよび後端面31dに取り付けられた前端立設壁32および後端立設壁33の上面に取り付けてもよい。
斯様に、上記した実施の形態で述べた具体的構成は、本発明の一例を示したものにすぎず、本発明はそのような具体的構成に限定されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の態様を採り得るものである。
1…注湯済み鋳型冷却装置、2…鋳枠無し注湯済み鋳型、2a…側面、3…移動台、31…鋳型載置台、31c…前端面(前端縁部)、31d…後端面(後端縁部)、31e…両側端、32…前端立設壁、32e…両側端、33…後端立設壁、33e…両側端、35…当接交換部材、4…冷却経路、41…上段冷却経路、41REP…上昇端位置、41DPP…下降準備位置(上昇端位置)、42…下段冷却経路、42FEP…下降端位置、42UPP…上昇準備位置(下降端位置)、43…第一昇降経路、44…第二昇降経路、46…近接側壁部材、46d…下段近接側壁部材、46u…上段近接側壁部材、5…循環移動装置、55…上昇装置、55a5…第一近接側壁部、56…下降装置、56a5…第二近接側壁部、6…鋳型搬入装置、61c…鋳型受け板(搬入台)、64…鋳枠取り外し装置、65…搬入当接部材、65b…鋳型押し板、65b1…搬入掻取部材、66…搬入押圧機構、7…鋳型搬出装置、71c…鋳型受け板(搬出台)、72…搬出当接部材、72b…鋳型押し板、72b1…搬出掻取部材、73…搬出押圧機構、101…注湯済み鋳型冷却装置、106…鋳型搬入装置、107…鋳型搬出装置、CEP…搬入位置、COP…搬出位置、ECP…搬入対応位置、EOCP…搬入搬出位置、OCP…搬出対応位置。

Claims (9)

  1. 鋳枠無し注湯済み鋳型を夫々載置可能な複数の移動台と、
    前記鋳枠無し注湯済み鋳型が搬入される搬入位置と前記鋳枠無し注湯済み鋳型が搬出される搬出位置とを備え、前記複数の移動台を移動方向に沿って循環させる閉じた冷却経路と、
    前記複数の移動台を前記搬入位置と前記搬出位置との間で移動して循環する循環移動装置と、を備え、
    前記各移動台は、
    前記冷却経路上に移動可能に載置され、前記鋳枠無し注湯済み鋳型を載置する鋳型載置面を有する矩形状の鋳型載置台と、
    前記鋳型載置台の前記移動方向の前端縁部および後端縁部に夫々上方に向かって立設された前端立設壁および後端立設壁と、を備え、
    前記鋳枠無し注湯済み鋳型を前記搬入位置において前記移動方向と直角な搬入方向に移動させて前記搬入位置に対応する搬入対応位置から前記移動台上の前記前端立設壁と前記後端立設壁との間に搬入する鋳型搬入装置と、
    前記冷却経路上の冷却が終了した前記鋳枠無し注湯済み鋳型を前記搬出位置において前記移動方向と直角な搬出方向に移動させて前記移動台上の前記前端立設壁と前記後端立設壁との間から前記搬出位置に対応する搬出対応位置に搬出する鋳型搬出装置と、
    をさらに備えた注湯済み鋳型冷却装置。
  2. 前記冷却経路の両側には、
    前記冷却経路上に並べられた前記各移動台の前記前端立設壁、前記後端立設壁および前記鋳型載置台の前記移動方向に延在する両側端に対して夫々狭小の隙間を介して対向する近接側壁部材が、前記冷却経路に沿って延在して設けられている請求項1に記載の注湯済み鋳型冷却装置。
  3. 前記近接側壁部材は、前記搬入位置と前記搬入対応位置との間、および前記搬出位置と前記搬出対応位置との間に開口し、
    前記搬入位置と前記搬入対応位置との間には、前記鋳枠無し注湯済み鋳型の搬入の際に前記鋳枠無し注湯済み鋳型が上面を通過可能な搬入台が設けられ、
    前記搬出位置と前記搬出対応位置との間には、前記鋳枠無し注湯済み鋳型の搬出の際に前記鋳枠無し注湯済み鋳型が上面を通過可能な搬出台が設けられている請求項2に記載の注湯済み鋳型冷却装置。
  4. 前記冷却経路は、
    水平方向に延在する下段冷却経路と、
    前記下段冷却経路の上方に前記下段冷却経路に沿って設けられた上段冷却経路と、
    前記下段冷却経路の一端部と前記上段冷却経路の一端部との間に設けられ前記移動台が上昇する第一昇降経路と、
    前記上段冷却経路の他端部と前記下段冷却経路の他端部との間に設けられ前記移動台が下降する第二昇降経路と、を備え、
    前記循環移動装置は、
    前記下段冷却経路の一端部から前記上段冷却経路の一端部に前記鋳枠無し注湯済み鋳型を上昇させて移動する上昇装置と、
    前記上段冷却経路の他端部から前記下段冷却経路の他端部に前記鋳枠無し注湯済み鋳型を下降させて移動する下降装置と、を備え、
    前記近接側壁部材は、
    前記上段冷却経路の両側に設けられた上段近接側壁部材と、
    前記下段冷却経路の両側に設けられた下段近接側壁部材と、
    を備え、
    前記上昇装置は、前記上昇装置に搭載される前記移動台の前記前端立設壁、前記後端立設壁および前記鋳型載置台の前記移動方向に延びる両側端に対して夫々狭小の隙間を介して対向する一対の第一近接側壁部を備え、前記第一近接側壁部は、前記上昇装置が下降端位置にあるときに前記下段近接側壁部材に連続し、上昇端位置にあるときに前記上段近接側壁部材に連続し、
    前記下降装置は、前記下降装置に搭載される前記移動台の前記前端立設壁、前記後端立設壁および前記鋳型載置台の前記移動方向に延びる両側端に対して夫々狭小の隙間を介して対向する一対の第二近接側壁部を備え、前記第二近接側壁部は、前記下降装置が上昇端位置にあるときに前記上段近接側壁部材に連続し、下降端位置にあるときに前記下段近接側壁部材に連続する請求項2または請求項3に記載の注湯済み鋳型冷却装置。
  5. 鋳枠付注湯済み鋳型を取り込み、鋳枠を取り外し、前記鋳枠が取り外された前記鋳枠無し注湯済み鋳型を前記搬入対応位置に配置する鋳枠取り外し装置をさらに備え、
    前記鋳型搬入装置は、
    前記前端立設壁と前記後端立設壁との間隔より短い幅で形成されて前記鋳枠無し注湯済み鋳型の前記移動方向に延在する側面に当接する搬入当接部材と、
    前記搬入当接部材を前記移動方向に直角な方向から移動させて前記搬入対応位置に位置決めされた前記鋳枠無し注湯済み鋳型を前記搬入位置に位置決めされた前記移動台に載置する搬入押圧機構と、
    を備えた請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の注湯済み鋳型冷却装置。
  6. 前記鋳型搬出装置は、
    前記前端立設壁と前記後端立設壁との間隔より短い幅で形成されて前記鋳枠無し注湯済み鋳型の前記移動方向に延在する側面に当接する搬出当接部材と、
    前記搬出当接部材を前記移動方向に直角な方向へ移動させて前記搬出位置に位置決めされた前記移動台から前記鋳枠無し注湯済み鋳型を前記搬出対応位置に搬出する搬出押圧機構と、を備え、
    前記搬出当接部材には、前記搬出当接部材が前記搬出位置から前記搬出対応位置へ移動する際に、前記鋳型載置面および前記搬出台の上面に下端部が接触する搬出掻取部材が設けられた請求項3に記載の注湯済み鋳型冷却装置。
  7. 前記鋳型載置台の前記移動方向の前端縁部および後端縁部には、隣接する前記移動台間で相互に当接する当接交換部材が夫々設けられている請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の注湯済み鋳型冷却装置。
  8. 前記前端立設壁および前記後端立設壁は、前記各鋳型載置台の前記移動方向の前端面および後端面に夫々設けられ、
    前記当接交換部材は、前記前端面および前記後端面に夫々設けられている請求項7に記載の注湯済み鋳型冷却装置。
  9. 前記搬入位置と前記搬出位置とは、前記冷却経路における同位置となる搬入搬出位置に設定され、
    前記搬入対応位置および前記搬出対応位置は、前記搬入搬出位置を挟んで対応して配置され、
    前記鋳型搬入装置は、前記搬入対応位置から前記搬入搬出位置に位置決めされた前記移動台に前記鋳枠無し注湯済み鋳型を搬入し、
    前記鋳型搬出装置は、前記搬入搬出位置に位置決めされた前記移動台から前記搬出対応位置に前記鋳枠無し注湯済み鋳型を搬出する請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載の注湯済み鋳型冷却装置。
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