JP2019042689A - ファウリング抑制能付与剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】逆浸透膜に対する良好な付着性を有し、ファウリング抑制能に優れたファウリング抑制能付与剤の提供。【解決手段】疎水性の逆浸透膜に対して十分良好な付着性を有した式(1)で表されるファウリング抑制能付与剤であり、逆浸透膜分離処理中に、逆浸透膜の被処理水に前記ファウリング抑制能付与剤を添加して実施することもでき、逆浸透膜分離処理を中断して実施することもでき、更に逆浸透膜の形成前に、逆浸透膜の原料に混合(例えば溶媒存在下で混合したり、バルクで混練したり)することや、RO膜の原料樹脂表面にグラフト重合等により結合させることや、コーティングすることにより、逆浸透膜にファウリング抑制能を付与することもできるファウリング抑制能付与剤。【選択図】なし

Description

本発明は、ファウリング抑制能付与剤に関する。より詳しくは、水処理膜との良好な親和性を有する、ファウリング抑制能付与剤に関する。
水処理膜は、不純物を含む水を処理するために用いられる膜であり、世界各国で排水基準、水質基準が強化されるに伴い、使用が広がっている。水処理膜が使用される用途には、浄水処理、プロセス水製造、下水処理、工業排水処理、海水の淡水化等があり、精密ろ過膜、限外ろ過膜、ナノろ過膜、逆浸透膜、イオン交換膜等、種々の水処理膜が用途に応じて使い分けられており、なかでも、逆浸透膜(RO膜)は、その特性を生かして、脱塩や濃縮などの目的で各種水処理分野において広く用いられている。
従来、使用に伴って生じるRO膜の汚染(ファウリング)により、透過水量(フラックス)が低下することを抑制するために、各種親水性樹脂をRO膜に接触させることで、親水化処理を施すことが開示されている。
例えば特許文献1には、下記で表される単量体、及びカチオン性(メタ)アクリル酸エステルを含む単量体組成物を重合して得た共重合体と、水とを含むポリアミド逆浸透膜用の表面処理剤が開示されている。
Figure 2019042689
式中、Rは水素原子又はメチル基を示し、R及びRはそれぞれ独立に炭素数1〜4のアルキレン基を示し、R、R及びRはそれぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基を示す。上記表面処理剤は、上記式で表される単量体とカチオン性(メタ)アクリル酸エステルを含む単量体組成物を重合して得た共重合体及び水とを含み、実質的に有機溶剤を含まないので、有機溶剤を除去する設備を必要とせず、環境にも安全であり、ポリアミド逆浸透膜のファウリングを長期にわたり効果的に抑制することができることが開示されている。
例えば引用文献2には、逆浸透膜に、ポリアルキレンオキサイド鎖を有する変性ポリビニルアルコールを接触させることを特徴とする逆浸透膜の親水化処理方法が開示されている。上記方法によれば、RO膜を、ポリアルキレンオキサイド鎖を有する変性ポリビニルアルコールで処理することにより、親水性を付与すると共に、その親水化効果を長期に亘って維持できること、ポリアルキレンオキサイド鎖を有する変性ポリビニルアルコールであれば、親水化処理によるRO膜のフラックスの低下を抑制することができる上に、従来のPVAと比較して、その水溶液の調製が容易であることが開示されている。
例えば引用文献3には、逆浸透膜に、ポリアルキレンオキサイド鎖を有するベタイン化合物を接触させることを特徴とする逆浸透膜の耐汚染化処理方法が開示されている。上記方法によれば、RO膜を、ポリアルキレンオキサイド鎖を有するベタイン化合物で処理することにより、RO膜の耐汚染性を高め、またその耐汚染化効果を長期に亘って維持することができること、ポリアルキレンオキサイド鎖を有するベタイン化合物であれば、耐汚染化処理によるRO膜の初期フラックスの低下を抑制することもできることが開示されている。
例えば引用文献4には、下記式の構成単位[A]を10〜80モル%と、下記式(2)の構成単位[B]を20〜90モル%と、を有する重量平均分子量が20,000〜150,000の共重合体からなる多孔質濾過膜用のファウリング抑制剤が開示されている。
Figure 2019042689
[式(1)中、Rは水素またはメチル基、Rはアルキル基、nは2〜25の整数である。]
上記のファウリング抑制剤は、上記特定構造及び分子量を有する共重合体からなり、多孔質濾過膜に付着させることにより、水処理時のファウリングを効果的に抑制すること、ファウリング発生時のアルカリ等の薬品洗浄に対する耐性が高く、薬品洗浄時に多孔質濾過膜から脱離し難いので、薬品洗浄後も十分なファウリング抑制効果を発揮すること、が開示されている。
特開2014−8479号公報 特開2014−121681号公報 特開2015−229159号公報 特開2017−998号公報
上記の通り、ファウリング抑制のための各種親水性樹脂が提案されているが、RO膜は疎水性であるため、親水性樹脂との親和性(例えば、付着性や相溶性)が十分でなく、例えば、長期の使用において、RO膜から親水性樹脂が剥離してしまい、ファウリング抑制能が失われてしまう、という課題があった。
よって、本発明は、RO膜に対する良好な付着性を有し、ファウリング抑制能に優れたファウリング抑制能付与剤を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するために種々検討を行い、本発明に想到した。
すなわち、本発明は、下記一般式(1)で表される構造単位〔A〕、および/または、下記一般式(2)で表される構造単位〔B〕を有する共重合体を含む、ファウリング抑制能付与剤である。
Figure 2019042689
(式中、Rは水素原子またはメチル基を表す。Rは直接結合、−CH−、−CHCH−、または−CO−を表す。Rは同一若しくは異なって炭素数1〜20のアルキレン基を表す。Xは−CHCH(OH)CH(OH)又は−CH(−CHOH)を表す。nはオキシアルキレン基の付加モル数であって、0〜100の数を表す。)
Figure 2019042689
(式中、Rは水素原子またはメチル基を表す。Rは直接結合、−CH−、−CHCH−、または−CO−を表す。Rは同一若しくは異なって炭素数1〜20のアルキレン基を表す。Rは水素原子または炭素数1〜20のアルキル基を表す。nはオキシアルキレン基の付加モル数であって、1〜100の数を表す。)
本発明によれば、上記共重合体はRO膜への親和性が良好であるため、長期に亘って膜に付着することができる。よって、ファウリング抑制能を長期間維持することが可能である。
以下に、本発明を詳細に説明する。
なお、以下において記載する本発明の個々の好ましい形態を2つ以上組み合わせたものもまた、本発明の好ましい形態である。
<RO膜>
本発明が適用されるRO膜としては、特に制限は無く、例えば酢酸セルロース系、芳香族ポリアミド系、ポリビニルアルコール系、ポリスルホン系等が用いられる。これらの構造としては、中空糸膜、スパイラル膜、チューブラー膜等が例示される。この中でも、芳香族ポリアミドを緻密層とするポリアミド系RO膜、及びポリアミド系のナノろ過膜、すなわち、ナノろ過膜を含有する広義のRO膜であることが好ましい。なお、芳香族ポリアミド系には、芳香族ポリイミド系を含む。また、新しい膜や使用後の膜、劣化した膜などにも問題なく適用が可能である。
<構造単位〔A〕、および/または、構造単位〔B〕を有する共重合体>
本発明において、RO膜のファウリング抑制能付与剤に用いる共重合体(以下、本発明の共重合体)は、上記一般式(1)で表される構造単位〔A〕、および/または、上記一般式(2)で表される構造単位〔B〕を有する。一般式(1)で表される構造単位〔A〕は下記一般式(3)で表される不飽和単量体を、一般式(2)で表される構造単位〔B〕は、下記一般式(4)で表される不飽和単量体を重合することにより形成することが好ましい。
Figure 2019042689
(式中、R、R、R、X、およびnは、一般式(1)と同様である。)
Figure 2019042689
(式中、R、R、R、R、およびnは、一般式(2)と同様である。)
上記一般式(1)および(3)において;
は水素原子またはメチル基を表すが、膜への親和性の観点から、メチル基であることが好ましい。Rは直接結合、−CH−、−CHCH−、または−CO−を表すが、親水性の観点から、−CO−であることが好ましい。Rは同一若しくは異なって炭素数1〜20のアルキレン基を表すが、親水性の観点から、2〜3であることが好ましい。nはオキシアルキレン基の付加モル数であって、好ましくは平均付加モル数であって、0〜100の数を示すが、膜への親和性の観点から、nは0以上5以下が好ましい。なお、平均付加モル数を算出する際には、n=100以上の単量体を含めてもよい。
上記一般式(3)で表される単量体としては、例えば、グリセロール(メタ)アクリレート等が挙げられるが、膜への親和性の点からグリセロールメタクリレートが好ましい。上記一般式(3)で表される単量体は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明における共重合体において、上記一般式(1)で表される構造単位〔A〕は、ファウリング抑制効果の観点から、全構造単位100質量%に対して、40〜90質量%含有することが好ましい。
上記一般式(2)および(4)において;
は水素原子またはメチル基を表すが、親水性の観点から、水素原子であることが好ましい。Rは直接結合、−CH−、−CHCH−、または−CO−を表すが、親水性の観点から、−CO−であることが好ましい。Rは同一若しくは異なって炭素数1〜20のアルキレン基を表すが、親水性の観点から、2〜3であることが好ましい。Rは水素原子または炭素数1〜20のアルキル基を表すが、親水性の観点から、1〜5であることが好ましい。nはオキシアルキレン基の付加モル数であって、好ましくは平均付加モル数であって、1〜100の数を示すが、親水性の観点から、nは1以上30以下が好ましい。なお、平均付加モル数を算出する際には、n=0および100以上の単量体を含めてもよい。
上記一般式(4)で表される単量体としては、例えば、エトキシ−ジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシ−トリエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル−ジグルコー(メタ)アクリレート、メトキシ−ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシ−ジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシ−ジエチレングリコールアクリレート、フェノキシ−ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等のアルコキシアルキレングリコール(メタ)アクリレート)等が挙げられるが、親水性の点からメトキシ−ポリエチレングリコールアクリレートが好ましい。上記一般式(4)で表される単量体は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明における共重合体において、上記一般式(2)で表される構造単位〔B〕は、ファウリング抑制効果の観点から、全構造単位100質量%に対して、10〜60質量%含有することが好ましく、20〜40質量%含有することがより好ましい。
また、本発明における共重合体は、一般式(3)および(4)以外の単量体に由来する構造単位を有してもよい。一般式(3)および(4)以外の単量体としては、アミン等のカチオン性基、スルホン酸基、エポキシ基を含む化合物等が挙げられる。
本発明において一般式(3)および(4)以外の単量体に由来する構造単位とは、一般式(3)および(4)以外の単量体に由来する構造単位の炭素−炭素二重結合(C=C)が炭素−炭素単結合(C−C)に置き換わった構造であり、典型的には不飽和単量体が重合して形成される構造単位である。ただし、実際に不飽和結合単量体が重合して形成された構造に限らず、不飽和単量体の炭素−炭素二重結合(C=C)が炭素−炭素単結合(C−C)に置き換わった構造単位であれば、不飽和単量体に由来する構造単位に該当する。
本発明の共重合体の製造方法は特に限定されない。好ましくは、一般式(3)で表される単量体、一般式(4)で表される単量体、必要に応じて一般式(3)で表される単量体および一般式(4)で表される単量体以外の単量体(以下、「その他の単量体」ともいう)を重合して製造することが好ましい。上記重合は、例えばラジカル重合、カチオン重合、アニオン重合等、通常の共重合反応に従って行うことができる。重合は、ラジカル重合開始剤、カチオン重合性開始剤、アニオン重合性開始剤などの重合開始剤の存在下で行うことが好ましい。重合開始剤の使用量は、単量体1モルに対し、0.001モル以上1モル以下の割合で使用することがより好ましい。重合は、熱重合や光重合で行うことが好ましい。
本発明の共重合体は、重量平均分子量が5000〜200000であることが好ましい。なお、共重合体の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて、ポリエチレングリコール換算により測定することができる。
本発明の共重合体は、通常、0.1〜5000mg/L、好ましくは1〜1000mg/L程度の濃度の水溶液で、RO膜のファウリング抑止能付与剤として用いられる。この濃度が低すぎると、目的とするファウリング抑止能を得るための処理時間を長く要するため非効率であり、逆にこの濃度が高すぎると、水溶液の粘性が高くなり、RO膜への接触処理時の取り扱い面で好ましくない。
本発明の共重合体を有する水溶液の調整に用いる水としては、特に制限はなく、脱塩水などのイオン負荷の低い水が用いられるが、RO膜への供給水に本発明の共重合体を直接添加して処理することも可能である。
<ファウリング抑制能付与剤>
本発明のファウリング抑制能付与剤は、本発明の共重合体を含む。本発明のファウリング抑制能付与剤は、本発明の目的を阻害しない範囲で、添加剤として、リン酸塩等のpH安定剤、次亜塩素酸ナトリウム等の抗菌成分、メタノール、エタノール、プロパノールなどの低級アルコールを含有してもよいが、本発明はかかる例示に限定されるものではない。これらの添加剤および溶媒は、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。本発明のファウリング抑制能付与剤は、本発明の共重合体を0.1質量%以上、100質量%以下含有することが好ましい。
<RO膜へのファウリング抑制能付与方法>
本発明のファウリング抑制能付与剤をRO膜へ接触させることで、RO膜へのファウリング抑制能を付与ことが可能である。本発明のファウリング抑制能付与剤をRO膜へ接触させる方法に関して、特に限定はないが、本発明のファウリング抑制能付与剤の水溶液を、RO膜に加圧通水して接触させることが好ましい。
すなわち、例えば、液導入口と液排出口を有する容器内を、被処理RO膜で仕切り、液導入口から本発明のファウリング抑制能付与剤の水溶液を導入して、RO膜を通過させて、液排出口から排出させる方法が挙げられる。この場合、通常のRO膜分離装置のRO膜モジュールのRO供給水に対して、前述の如く、本発明のファウリング抑制能付与剤を直接添加して、ファウリング抑制能付与を行うこともできる。すなわち、本発明によるファウリング抑制能付与方法は、既存のRO膜分離装置のRO膜モジュールに対して、RO膜分離処理中に、RO膜の被処理水に本発明のファウリング抑制能付与剤を添加して実施することもできるし、RO膜分離処理を中断して実施することもできる。
上記ファウリング抑制能付与の処理を、加圧通水する際の圧力に特に制限はないが、0.1〜2.0MPaの範囲が好ましい。なお、上記ファウリング抑制能付与の処理時における通水には、通常RO膜の洗浄で使用するポンプが用いられ、この場合、ポンプの能力から、通水圧力0.1〜0.5Mpaの範囲が好ましい。通水する際のフラックスに特に制限はないが、0.1〜1.0m/day程度が好ましい。上記通水条件が低すぎると、十分なファウリング抑制能の効果が得られず、高すぎると、フラックス低下が大きくなる懸念がある。
上記ファウリング抑制能付与の処理時間は特に制限されないが、1時間以上1000時間以下が好ましく、2時間以上300時間以下がさらに好ましい。処理時間が短すぎる場合、十分なファウリング抑制能の効果が得られず、処理時間が長すぎる場合、フラックスが低下しすぎる懸念がある。
上記ファウリング抑制能付与の処理温度(水温)は特に制限されないが、10〜35℃であることが好ましい。水温が低すぎると、フラックスが低下し、接触効率が低下する懸念がある。一方、水温が高すぎると、膜素材の変性等の問題が生じる可能性がある。
上記ファウリング抑制能付与の処理を施したRO膜は、超純水製造システム、排水回収システム、その他水処理システムにおいて好適に使用することができる。
本発明のファウリング抑制能付与剤は、RO膜の形成前に、RO膜の原料に混合(例えば溶媒存在下で混合したり、バルクで混練したり)することや、RO膜の原料樹脂表面にグラフト重合等により結合させることや、コーティングすることにより、RO膜にファウリング抑制能を付与しても良い。
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例にのみ限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は「質量部」を、「%」は「質量%」を意味するものとする。
<合成例1>
温度計、還流冷却器、攪拌機を備えた容量200mLのガラス製セパラブルフラスコに、純水60gを仕込み、攪拌下、80℃になるまで昇温した。
次いで、攪拌下、重合反応系中に、グリセロールモノメタクリレート(以下、GLMMAと称す)12.8g、新中村化学社製メトキシポリエチレングリコール#400アクリレート(以下、AM−90Gと称す)25.7g、2質量%過硫酸ナトリウム水溶液(以下、2%NaPSと称す)20g、35質量%亜硫酸水素ナトリウム水溶液(以下、35%SBSと称す)0.76g、純水20gを、それぞれ別個の滴下ノズルより滴下した。各滴下液の滴下時間は、GLMMAを180分間およびAM−90Gを180分間、2%NaPSを210分間、35%SBSを180分間、純水を180分間とした。上記各滴下は、すべて同時に滴下を開始し、滴下速度は一定とし、連続的に滴下した。
滴下終了後、更に30分間に亘って反応溶液を80℃に保持して熟成し、重合を完結させた。
このようにして、重量平均分子量が47200の共重合体(1)を得た。結果を表1に示した。
<合成例2〜8>
合成例1において、単量体組成比(mol%)を表1に記載の比率とした以外は、合成例1と同様の手順にて、重合体2〜8を得た。
<分子量測定>
合成例1〜6で得られた重合体1〜6の分子量測定は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)にて、以下の条件で測定を行った。結果を表1に示す。
装置:東ソー株式会社製 HLC−8320GPC
検出器:RI
カラム:昭和電工株式会社製 Shodex Asahipak GF−310−HQ、GF−710−HQ、GF−1G 7B
カラム温度:40℃
流速:0.5ml/min
検量線:創和科学株式会社製 POLETHYLENE GLYCOL STANDARD
溶離液:0.1M酢酸ナトリウム水溶液/アセトニトリル=75/25wt%
<実施例1>
ポリイミド膜(宇部興産社製、ユーピレックス75μm、15mm×50mm)の試験片(すなわち、浸漬前の試験片)を、合成例1で得られた重合体1の4%水溶液(水溶液温度25℃)に60分間浸漬したのち、130℃で60分間乾燥し、これを「浸漬後の試験片」とした。浸漬前後の試験片重量変化から、ポリイミド膜に対する重合体の吸着量(%)を算出した。結果を表1に記載する。なお、フラットシートメンブレンSWC5(日東電工(株)社製)等の芳香族ポリアミド系RO膜においても、同様の評価が可能である。
<実施例2〜4、参考例1〜2>
実施例1において、重合体1を表1の通り重合体2〜6とした以外は、実施例1と同様の手順にて、吸着率(%)を算出した。結果を表1に記載する。
Figure 2019042689
表1の結果から、本発明のファウリング抑制能付与剤は、RO膜に対する付着力が高いことが確認された。すなわち、本発明のファウリング抑制能付与剤は親水性であり、かつRO膜に対する親和性が高い為、良好なファウリング抑制能を発現することが明らかとなった。

Claims (2)

  1. 下記一般式(1)および/または一般式(2)で表される構造単位を含む共重合体を含有する、ファウリング抑制能付与剤。
    Figure 2019042689
    (式中、Rは水素原子またはメチル基を表す。Rは直接結合、−CH−、−CHCH−、または−CO−を表す。Rは同一若しくは異なって炭素数1〜20のアルキレン基を表す。Xは−CHCH(OH)CH(OH)又は−CH(−CHOH)を表す。nはオキシアルキレン基の付加モル数であって、0〜100の数を表す。)
    Figure 2019042689
    (式中、Rは水素原子またはメチル基を表す。Rは直接結合、−CH−、−CHCH−、または−CO−を表す。Rは同一若しくは異なって炭素数1〜20のアルキレン基を表す。Rは水素原子または炭素数1〜20のアルキル基を表す。nはオキシアルキレン基の付加モル数であって、1〜100の数を表す。)
  2. 請求項1に記載のファウリング抑制能付与剤によりファウリング抑制能を付与された、逆浸透膜。
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