JP2019042469A - 針刺検知用シート - Google Patents

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Abstract

【課題】使用方法を誤って、又は不正に注射針等の針が刺された場合に、針刺孔が視覚的に強調された外観で残り、針刺履歴の有無が容易かつ確実に判断できるシートを提供すること。【解決手段】第1の樹脂層10、層間接着層20、及び第2の樹脂層30がこの順に積層されている針刺検知用シート100であって、直径0.80mm、刃型R・Bの注射針を刺して針刺孔60を形成したときに、層間接着層20と、層間接着層20に積層方向で隣接する2層10、30のうちの少なくとも一方との間の、針刺孔60の周囲が0.2mm以上の幅で剥離して剥離領域70を形成する、針刺検知用シート100。【選択図】図1

Description

本発明は、針刺検知用シート、特に針刺検知用蓋材に関する。
輸液、注射液等の液体状の医薬品は、例えば、開口部にゴム栓を嵌合したキャップを有する容器中に保管されることがある。キャップのゴム栓上には、例えば、保管中のゴム栓の汚染防止、未使用品であることの表示等の目的で、ピール材が貼付されることがある。このような容器中の医薬品は、ゴム栓上のピール材を剥がしたうえで、ゴム栓に注射針を刺して使用される。
しかし、使用方法を誤って、又は医薬品中に異物を故意に混入させるために不正に、ピール材を剥がさずに、ピール材を通してゴム栓に針、典型的には注射針が刺される場合があり得る。このような場合、ピール材を通して針を刺すことは、本来想定されていないため、ピール材に針が刺されたか否かの判別は困難であった。
特許文献1及び2は、それぞれ、注射針の跡が残る輸液用キャップに関し、熱可塑性樹脂の外枠体に熱可塑性エラストマーの栓体を内設した構造を有する輸液用キャップが記載されている。この輸液用キャップでは、栓体の針刺面と最大5mmの隙間を空けて、栓体の針刺面を覆うように、厚み1.0mm以下の熱可塑性樹脂の膜部が配置されている。
特許文献3は、上方から見たときに内部の薬液を特定することができ、かつ内部の薬液が使用されているか否かを識別できる薬用瓶の蓋に関する。この特許文献3には、ゴム栓によって瓶口が閉塞された薬用瓶に装着される薬用瓶の蓋であって、金属薄板から成る口金と、口金の内側に嵌合する合成樹脂製の蓋体との組み合わせから成る、薬用瓶の蓋が記載されている。この蓋では、口金は周胴部上面に頂面板を有する逆有底円筒状に形成され、口金の頂面板は中央部に透孔が穿設されている。更に、蓋体の上面は口金の頂面板の透孔に嵌合可能であり、透孔に嵌合する部分の一部は肉薄に形成され、かつその肉薄部分の下面は、薬用瓶の瓶口を閉塞しているゴム栓の上面と当接しない形状に形成されている。
特開2011−78810号公報 特許第4904501号公報 特開平10−310154号公報
本発明の目的は、使用方法を誤って、又は不正に注射針等の針が刺された場合に、針刺孔が視覚的に強調された外観で残り、針刺履歴の有無が容易かつ確実に判断できるシートを提供することである。
本発明は、以下のとおりのものである。
〈態様1〉第1の樹脂層、層間接着層又は層間シーラント層、及び第2の樹脂層がこの順に積層されている針刺検知用シートであって、
直径0.80mm、刃型R・Bの注射針を刺して針刺孔を形成したときに、
上記第1の樹脂層と上記第2の樹脂層との間の、上記針刺孔の周囲が0.2mm以上の幅で剥離する、
針刺検知用シート。
〈態様2〉上記第2の樹脂層は、JIS Z 0237に準拠して、試験速度300mm/分にて測定した伸び率が100%以上であり、かつ、
上記第1の樹脂層と上記第2の樹脂層との間の粘着強さは、JIS Z 0237に準拠して、引きはがし角度180°にて測定したときに、1.0N/10mm以上10.0N/10mm以下である、〈態様1〉に記載の針刺検知用シート。
〈態様3〉直径0.80mm、刃型R・Bの注射針を刺して針刺孔を形成したときに、
上記第1の樹脂層のうちの上記針刺孔の周囲が0.2mm以上の幅で白化する、〈態様1〉又は〈態様2〉に記載の針刺検知用シート。
〈態様4〉上記第1の樹脂層は、ハードセグメントを含む連続相と、ソフトセグメントを含む分散相とから構成される海島型ミクロ相分離構造を有する樹脂の層である、〈態様1〉〜〈態様3〉のいずれか一項に記載の針刺検知用シート。
〈態様5〉上記第1の樹脂層は、耐衝撃性ポリスチレン、ブロックコポリマータイプのポリプロピレン、及びアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体より成る群から選択される1種以上の樹脂の層である、〈態様1〉〜〈態様4〉のいずれか一項に記載の針刺検知用シート。
〈態様6〉上記第1の樹脂層は、ブロックコポリマータイプのポリプロピレンの層である、〈態様1〉〜〈態様5〉のいずれか一項に記載の針刺検知用シート。
〈態様7〉上記層間接着層は、ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、及びウレタン系粘着剤から選択される1種以上の粘着剤の層である、〈態様1〉〜〈態様6〉のいずれか一項に記載の針刺検知用シート。
〈態様8〉上記第2の樹脂層は、熱可塑性樹脂、天然ゴム、及び合成ゴムから選択される重合体の層である、〈態様1〉〜〈態様7〉のいずれか一項に記載の針刺検知用シート。
〈態様9〉上記第2の樹脂層がL値75以下の色で着色されている、〈態様1〉〜〈態様8〉のいずれか一項に記載の針刺検知用シート。
〈態様10〉上記第2の樹脂層に積層されている外部シーラント層又は外部接着層を更に有する、〈態様1〉〜〈態様9〉のいずれか一項に記載の針刺検知用シート。
〈態様11〉着色樹脂層を更に有し、上記第1の樹脂層、上記層間接着層又は上記層間シーラント層、上記着色樹脂層、及び上記第2の樹脂層の順に積層されている、〈態様1〉〜〈態様9〉のいずれか一項に記載の針刺検知用シート。
〈態様12〉着色樹脂層を更に有し、上記第1の樹脂層、上記層間接着層又は層間シーラント層、上記着色樹脂層、上記第2の樹脂層、及び上記外部シーラント層又は外部接着層の順に積層されている、〈態様10〉に記載の針刺検知用シート。
〈態様13〉上記着色樹脂層のL値が75以下である、〈態様11〉又は〈態様12〉に記載の針刺検知用シート。
〈態様14〉蓋材である、〈態様1〉〜〈態様13〉のいずれか一項に記載の針刺検知用シート。
〈態様15〉開口部を有する容器と、前記容器中に収納された液体状医薬品と、前記容器の前記開口部を密封する栓と、前記栓を覆う蓋材とを有する液体状医薬品入り蓋付き容器であって、
前記蓋材が〈態様14〉に記載の針刺検知用シートである、液体状医薬品入り蓋付き容器。
本発明の針刺検知用シートは、使用方法を誤って、又は不正に注射針等の針が刺された場合に、針刺孔が視覚的に強調された外観で残り、針刺履歴の有無を容易かつ確実に判断できるものである。本発明の特別の態様による針刺検知用シートは、針を刺すことが本来は想定されていない部位、例えば輸液バッグのピール材等に適用することができ、針刺履歴の有無を容易かつ確実に判断できるものである。
図1は、本発明の針刺検知用シートの効果を説明するための概略斜視図である。 図2は、本発明の針刺検知用シートの積層構造の一例を示す概略断面図である。 図3は、本発明の針刺検知用シートの積層構造の別の一例を示す概略断面図である。 図4は、本発明の針刺検知用シートの積層構造の更に別の一例を示す概略断面図である。 図5は、本発明の針刺検知用シートの積層構造の更に別の一例を示す概略断面図である。 図6は、本発明の針刺検知用シートの積層構造の更に別の一例を示す概略断面図である。 図7は、本発明の針刺検知用シートの積層構造の更に別の一例を示す概略断面図である。 図8は、実施例で使用した評価試料の形状を示す概略斜視図である。
《針刺検知用シート》
本発明の針刺検知用シートは、第1の樹脂層、層間接着層又は層間シーラント層、及び第2の樹脂層がこの順に積層されており、直径0.80mm、刃型R・Bの注射針を刺して針刺孔を形成したときに、第1の樹脂層と第2の樹脂層との間の、針刺孔の周囲が0.2mm以上の幅で剥離する特性を有する。注射針の刃型「R・B」とは、刃面が通常の長さであることを意味する「Regular Bevel」の略であり、針先の角度は約12°である。
図1に、本発明の針刺検知用シートに、針を刺して針刺孔を形成したときの状態を、模式的に表す概略斜視図を示す。
図1の針刺検知用シート(100)は、第1の樹脂層(10)、層間接着層(20)、及び第2の樹脂層(30)がこの順に積層されて成る積層体である。
図1の針刺検知用シート(100)は、直径0.80mm、刃型R・Bの注射針を刺して針刺孔(60)を形成したときに、第1の樹脂層(10)と第2の樹脂層(30)との間、具体的には、層間接着層(20)と第1の樹脂層(10)との間、及び層間接着層(20)と第2の樹脂層(30)と間のうちの少なくとも一方で、針刺孔(60)の周囲が0.2mm以上の幅で剥離して剥離領域(70)が形成される。この剥離領域(70)は、他の領域よりも白っぽく視認されるから、針刺孔(60)は、周囲の剥離領域(70)によって視覚的に強調された外観を呈する。これにより、図1の針刺検知用シート(100)では、針刺履歴の有無を、使用者が容易かつ確実に知ることができる。
このような剥離特性を発現するために、第2の樹脂層は、針を刺したときに伸びて変形し、これによって第1の樹脂層との間で剥離を生じさせてよい。
具体的には、例えば、
第2の樹脂層は、JIS Z 0237に準拠して、試験速度300mm/分にて測定した伸び率が100%以上であり、かつ、
第1の樹脂層と第2の樹脂層との間の粘着強さは、JIS Z 0237に準拠して、引きはがし角度180°にて測定したときに、1.0N/10mm以上10.0N/10mm以下であってよい。
第2の樹脂層の伸び率が100%以上であれば、針を刺したときに第2の樹脂層は針の突刺し方向に伸びることができる。このときに、例えば、第1の樹脂層と第2の樹脂層との間の粘着強さが10.0N/10mm以下であれば、第2の樹脂層の伸びに伴って、第1の樹脂層と第2の樹脂層との間に剥離が生じる。そして、上記の高い伸び率を有する第2の樹脂層が、剥離の発生後にも更に伸びることにより、剥離領域が拡張される。
剥離の発生は、本発明の針刺検知用シートの多層構成のうちの、第1の樹脂層と第2の樹脂層との間のどこで発生してもよい。典型的には、層間接着層と、この層間接着層に積層方向で隣接する2層のうちの少なくとも一方との間、具体的には例えば、層間接着層と第1の樹脂層との間、層間接着層と第2の樹脂層との間等で剥離が発生してよく、着色樹脂層が存在する場合には層間接着層と着色樹脂層との間等で剥離が発生してよく、又は層間接着層が凝集破壊されることによって剥離が発生してもよい。層間接着層に代えて層間シーラント層を使用した場合も、これらと同様である。
本発明の針刺検知用シートは、このような機構によって、針刺孔の周囲が剥離して剥離領域が形成され、針刺孔が視覚的に強調された外観を呈するのである。
本発明の針刺検知用シートに、直径0.80mm、刃型R・Bの注射針を刺して針刺孔を形成したときの、針刺孔周囲の剥離領域の幅は、針刺孔の視認性を十分に高くする観点から、0.2mm以上であり、0.3mm以上、0.4mm以上、0.5mm以上、0.6mm以上、0.7mm以上、又は0.8mm以上であってよい。また、視認性を高くする観点からは、針刺孔周囲の剥離領域の幅は、3.0mm以下で十分であり、2.5mm以下、2.0mm以下、1.5mm以下、又は1.0mm以下であってよい。
図1の針刺検知用シート(100)は、直径0.80mm、刃型R・Bの注射針を刺して針刺孔(60)を形成したときに、第1の樹脂層(10)のうちの針刺孔(60)の周囲が、0.2mm以上の幅で白化する特性を更に有していてよい。この場合、針刺孔(60)は、剥離領域(70)と、第1の樹脂層(10)の白化領域とにより、視覚的に極めて強調された外観を呈する。この態様の図1の針刺検知用シート(100)では、針刺履歴の有無の検知が、更に容易かつ確実になる。
本発明の針刺検知用シートは、第1の樹脂層、層間接着層又は層間シーラント層、及び第2の樹脂層の他に、外部シーラント層又は外部接着層と、着色樹脂層とから選択される1つ以上の層を更に有していてよい。
以下、本発明の針刺検知用シート中の各層について、説明する。
〈第1の樹脂層〉
第1の樹脂層は、本発明の針刺検知用シートの形状を保持し、針刺検知用シートに必要な強度を付与する機能を有する。このような第1の樹脂層は、例えば、熱可塑性樹脂を含む樹脂材料から構成されていてよい。
第1の樹脂層を構成する樹脂材料に含まれる熱可塑性樹脂は、例えば、スチレン系重合体、オレフィン系重合体、アクリル系重合体、ジエン系重合体、塩化ビニル系重合体、ウレタン系重合体、アミド系重合体等から選択される1種以上であってよい。
第1の樹脂層は、直径0.80mm、刃型R・Bの注射針を刺して針刺孔を形成したときに、針刺孔の周囲が0.2mm以上の幅で白化する特性を有していてよい。
この第1の樹脂層の白化特性は、樹脂が塑性変形されたときに白化する現象によると考えられる。理論に拘束されるものではないが、樹脂の塑性変形に伴う白化は、樹脂中のクレーズ(craze)構造の形成、樹脂中のフィラーの介在による空隙の形成等に起因すると考えられる。
樹脂は、例えば折り曲げられて塑性変形する際に、クレーズ構造を形成することがある。クレーズ構造は、塑性変形の際に樹脂の分子鎖が主応力方向に引き伸ばされて配向した配向鎖と、分子鎖の配向に伴って発生した微小なボイドとから成る構造体である。クレーズ構造が形成された部分は、光を散乱するから白く見える。
層状の樹脂に針を刺したときにも、針刺方向を主応力方向として分子鎖が引き伸ばされることにより、配向鎖と微小なボイドとから成るクレーズ構造を形成し得る。
一方、樹脂のマトリクス中にフィラーを含むフィラー含有樹脂の場合、例えば折り曲げられたときに、樹脂のマトリクスは塑性変形するがフィラーは変形しないことにより、両者の変位量に差が生じて分離し、両者の界面に空隙が形成されることがある。このようなフィラー含有樹脂の空隙は、光を散乱するから白く見える。
フィラー含有樹脂の層に針を刺したときにも、針刺方向を主応力方向として分子鎖が引き伸ばされることにより、樹脂マトリクスとフィラーとの間に空隙を形成し得る。
このような機構により、第1の樹脂層に針を刺して針刺孔を形成したときに、針刺孔の周囲が白化すると推察される。
上記いずれの場合であっても、第1の樹脂層に、直径0.80mm、刃型R・Bの注射針を刺して針刺孔を形成したときの、針刺孔周囲の白化領域の幅は、針刺孔の視認性を十分に高くする観点から、0.2mm以上であり、0.3mm以上、0.4mm以上、又は0.5mm以上であってよい。また、視認性を高くする観点からは、針刺孔周囲の白化領域の幅は、1.0mm以下でよく、0.9mm以下、0.8mm以下、0.7mm以下、又は0.6mm以下であってよい。
第1の樹脂層の構造は、任意である。しかしながら第1の樹脂層は、例えば、ハードセグメントを含む連続相と、ソフトセグメントを含む分散相とから構成される海島型ミクロ相分離構造を有する樹脂の層であってよい。第1の樹脂層がこのような海島型ミクロ相分離構造を有する樹脂の層(以下、「海島型白化樹脂層」ともいう。)であるか、又はフィラーを含有する樹脂の層(以下、「フィラー含有型白化樹脂層」ともいう。)であるとき、針刺孔の周囲が白化する特性を効果的に発現できる。
第1の樹脂層が海島型白化樹脂層であるときのハードセグメントは、例えば、ポリスチレン、結晶性ポリオレフィン、アクリロニトリル−スチレン共重合体、結晶性ポリジエン、結晶性ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリアミド等から選択される1種以上を含んでいてよい。結晶性ポリオレフィンは、例えば、ポリプロピレン、高密度ポリエチレン等であってよい。結晶性ポリジエンは、例えば、シンジオ−1,2−ポリブタジエン、トランス−1,4−ポリイソプレン等であってよい。
ハードセグメントは、特に、ポリスチレン、結晶性ポリオレフィン、及びアクリロニトリル−スチレン共重合体より成る群から選択される1種以上を含んでいてよい。
ソフトセグメントは、例えば、非晶性ポリオレフィン、非晶性ポリジエン系ゴム、非晶性ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリエーテル等から選択される1種以上を含んでいてよい。非晶性ポリオレフィンは、例えば、低密度ポリエチレン、鎖状低密度ポリエチレン、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム、水添ブタジエンゴム、水添イソプレンゴム等であってよい。非晶性ポリジエン系ゴムは、例えば、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム等であってよい。
ソフトセグメントは、特に、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、及び非晶性ポリオレフィンより成る群から選択される1種以上を含んでいてよい。
海島型白化樹脂層である第1の樹脂層を構成する樹脂は、ハードセグメントとソフトセグメントとが共有結合によって結合している共重合体であってよく、又は、ハードセグメントとソフトセグメントとが別個の高重合体分子として存在しているブレンド物であってよい。また、ハードセグメントを含む連続相と、ソフトセグメントを含む分散相との間の界面張力を制御して分散相の粒径を調節するための相溶化剤を、更に含有していてよい。相溶化剤とは、例えば、ハードセグメントを構成する樹脂と同種の重合体鎖を有するブロックと、ソフトセグメントを構成する樹脂と同種の重合体鎖を有するブロックとから構成される、ブロック共重合体、グラフト共重合体等であってよい。
海島型白化樹脂層である第1の樹脂層は、具体的には例えば、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)、ブロックコポリマータイプのポリプロピレン(ブロックPP)、及びアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)より成る群から選択される1種以上の樹脂の層であってよい。
HIPSは、ハードセグメントとしてポリスチレンを含む連続相中に、ソフトセグメントとして非晶性ポリジエン及び非晶性ポリオレフィンから選択される1種以上を含む分散相を有する構成であってよい。ブロックPPは、ハードセグメントとしてポリプロピレンを含む連続相中に、ソフトセグメントとして非晶性ポリエチレンを含む分散相を有し、これら連続相と分散相との界面に、相溶化剤としてのエチレン−プロピレンゴムを有する構造であってよい。ABSは、ハードセグメントとしてアクリロニトリル−スチレン共重合体を含む連続相中に、ソフトセグメントとしてブタジエンゴム及びスチレン−ブタジエンゴムから選択される1種以上を含む分散相を有する構成であってよい。
第1の樹脂層としてブロックPPを用いると、得られる針刺検知用シートの耐熱性(耐熱形状維持性)が高くなるため、煮沸又は高温による殺菌を行う医薬、食品等の用途への適用に好適である。
ブロックPPを用いたときに耐熱性が高くなる理由について、本発明者らは、樹脂のガラス転移温度Tg若しくは融点mp、又はこれらの双方が関係しているのではないかと推察している。すなわち、ブロックPPのTgは約0℃に現れ、mpは150〜160℃程度に現れる。そのためブロックPPは、医薬、食品用途における殺菌又は滅菌の代表温度である100〜130℃程度の温度で相変化を伴わず、したがって、白化樹脂層としてブロックPPを用いた針刺検知用シートの耐熱性が向上すると推察される。なお、本発明は、理論に拘束されるものではない。
第1の樹脂層がフィラー含有型白化樹脂層であるとき、樹脂のマトリクス中にフィラーが分散された構造を有していてよい。
フィラー含有型白化樹脂層のマトリクスを構成する樹脂は、熱可塑性樹脂等であってよく、具体的には例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン(HDPE)、メタロセン触媒によるポリエチレン、プロピレンホモポリマー、プロピレン−エチレンブロック共重合体、プロピレン−エチレンランダム共重合体、メタロセン触媒によるポリプロピレン、塩素化ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、飽和ポリエステル、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)、エチレン−メチルアクリレート共重合体(EMAC)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、アイオノマー、カルボン酸変性ポリエチレン、カルボン酸変性ポリプロピレン、カルボン酸変性EVA、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアミド、熱可塑性エラストマー等を挙げることができ、これらから選択される1種、又は2種以上の組み合わせであってよい。
フィラーは、樹脂の透明性を損なわず、かつ針刺しによって白化樹脂層を白化させる機能を有するものであってよい。フィラーとして、具体的に例えば、モレキュラーシーブ(親水性ゼオライト)3A、4A、5A、13X等の他、シリカ、ポーラスシリカ等を挙げることができ、これらから選択される1種、又は2種以上の組み合わせであってよい。これらのうちモレキュラーシーブは、吸水によって透明となるため、煮沸又は高温水蒸気によるレトルト殺菌を行う医薬、食品等の用途への適用に好適である。
フィラーは、粒子状であってよく、その粒径は、例えば10μm以下であってよい。
フィラー含有型白化樹脂層中のフィラーの含有割合は、白化樹脂層の全質量を基準として、例えば、1質量%以上、5質量%以上、10質量%以上、又は15質量%以上であってよく、例えば、70質量%以下、60質量%以下、50質量%以下、又は40質量%以下であってよい。
海島型白化樹脂層及びフィラー含有型白化樹脂層の双方について、第1の樹脂層は、着色されていなくてよいし、着色されていてもよい。
第1の樹脂層が着色されていると、針を刺したときに形成される針刺孔の周囲の剥離領域を視覚的に目立つようにさせることができ、針刺孔の視認性をより高めることができる。また、第1の樹脂層の色を、容器内容物の識別の標識として用いることができる。
第1の樹脂層が着色されている場合、その色は任意である。しかしながら、針刺孔の周囲に白っぽく形成される剥離領域を視覚的に目立たせるとの観点から、第1の樹脂層は暗色に着色されていてよい。この場合の暗色は、例えば、黒色、墨色、青色、赤色、緑色、紫色、茶色、紺色、橙色等であってよい。
第1の樹脂層が着色されている場合、第1の樹脂層の表面のみが着色されていてもよく、第1の樹脂層の内部まで着色されていてもよく、内部まで着色されている第1の樹脂層の表面が別の又は同じ色で更に着色されていてもよい。
着色された第1の樹脂層のL値は、例えば、80以下であってよく、特に、75以下、70以下、60以下、50以下、40以下、又は30以下であってよい。このL値は、第1の樹脂層の色を、CIE(Commission Internationale de l’Eclairage:国際照明委員会)が策定した「CIE L(CIELAB)色空間」の座標で表したときの、明度Lの値を意味する。このL値は、低い方がより暗い色であることを示し、完全な黒がL値0、白の拡散光がL値100として表現される。L値は、市販の光電色彩計を用いて、JIS Z8722準拠の方法により、D50光源を用いて観測視野角2°にて測定される値である。
第1の樹脂層の厚みは、適度の加工性を付与するため、例えば、30μm以上、40μm以上、50μm以上、60μm以上、70μm以上、又は80μm以上であってよく、例えば、200μm以下、180μm以下、160μm以下、140μm以下、又は120μm以下であってよい。
〈層間接着層〉
本発明の針刺検知用シートにおける層間接着層は、積層方向でこの層間接着層の両側に隣接する2層、例えば、第1の樹脂層と第2の樹脂層、又は第1の樹脂層と着色樹脂層とを適当な粘着強さで接着させることにより、針刺検知用シートの積層構造を維持し、かつ、針刺検知用シートに針が刺されて針刺孔が形成されたときには、この層間接着層とその隣接層のうちの少なくとも一方との間のうちの針刺孔の周囲を剥離させる機能を有する。
剥離を確実かつ効果的に起こすため、第1の樹脂層と第2の樹脂層との間の粘着強さは十分に低い必要がある。この観点から、第1の樹脂層と第2の樹脂層との間の粘着強さは、10.0N/10mm以下であり、8.0N/10mm以下、6.0N/10mm以下、4.0N/10mm以下、3.0N/10mm以下、又は2.0N/10mm以下であってよい。一方で、積層体である針刺検知用シートがその形状を維持すべき観点から、第1の樹脂層と第2の樹脂層との間の粘着強さは、0.8N/10mm以上、1.0N/10mm以上、1.2N/10mm以上、1.4N/10mm以上、又は1.5N/10mm以上であってよい。
粘着強さは、以下の方法により測定される。針刺検知用シートを幅10mmの短冊状にカットした試験片につき、市販の引張試験機を用いて、JIS Z 0237の引きはがし粘着力の測定方法に準拠して180°引きはがし粘着力を測定する。そして、得られた引きはがし粘着力の、変位量25mm〜70mmの範囲の区間平均を、第1の樹脂層と第2の樹脂層との間の粘着強さとして採用する。したがって、第1の樹脂層と第2の樹脂層との間の粘着強さは、実際には、層間接着層と、その隣接層との間の粘着強さが反映された値となる。
針刺検知用シートに針が刺されたときの針刺孔周囲の剥離領域は、針刺検知用シートの使用者が、第1の樹脂層側から観察したときに、針刺孔を視覚的に目立させるためのものである。したがって、第1の樹脂層に近い方の層間に剥離が起こった方が視認したときに目立つことから、第1の樹脂層と層間接着層との間が剥離してよい。
この層間接着層に対して第1の樹脂層とは反対側に積層された隣接層(例えば、第2の樹脂層、着色樹脂層)と、層間接着層との間の粘着強さは、第1の樹脂層と層間接着層との間の粘着強さよりも強くてよく、例えば、2.5N/10mm以上、3.0N/10mm以上、4.0N/10mm以上、又は5.0N/10mm以上であってよい。
このような層間接着層は、例えば、ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、及びウレタン系粘着剤から選択される1種以上の粘着剤の層であってよい。これらの粘着剤には、任意的に例えば、粘着付与剤、架橋剤、軟化剤、充填剤等が含まれていてよい。粘着付与剤は、例えば、フェノール系樹脂、テルペン系樹脂、ロジン系樹脂、キシレン系樹脂等であってよい。
層間接着層は、着色されていなくてよいし、着色されていてもよい。層間接着層が着色されている場合、暗色に着色されていてよく、例えば、黒色、墨色、青色、赤色、緑色、紫色、茶色、紺色、橙色等に着色されていてよい。
着色された層間接着層のL値は、例えば、80以下であってよく、75以下、70以下、60以下、50以下、40以下、又は30以下であってよい。
層間接着層の厚みは、適度の加工性を付与するため、例えば、1.0μm以上、1.5μm以上、2.0μm以上、又は2.5μm以上であってよく、例えば、3.0μm以下、2.5μm以下、又は2.0μm以下であってよい。
〈層間シーラント層〉
層間シーラント層については、後述の外部シーラント層についての記載を、そのまま参考にしてよい。
〈第2の樹脂層〉
第2の樹脂層は、本発明の針刺孔検知用シートに針が刺されたときに、針刺方向に伸び、層間接着層と隣接層との間の剥離を誘発するとともに、剥離が開始した後にも伸び続け、形成された剥離領域を拡張する機能を有する。
剥離及びその拡張を確実かつ効果的に起こすため、第2の樹脂層は十分な伸び率を有する必要がある。この観点から、第2の樹脂層の伸び率は、100%以上であり、150%以上、200%以上、250%以上、300%以上、又は350%以上であってよい。一方で、第2の樹脂層の伸び率が過度に高いと、針刺検知用シートの機械的強度が不足する場合がある。これを避ける観点から、第2の樹脂層の伸び率は、1,000%以下、800%以下、600%以下、550%以下、500%以下、450%以下、又は400%以下であってよい。
第2の樹脂層の伸び率は、具体的には、第2の樹脂層を幅15mmの短冊状にカットしたものを試験片とし、市販の引張試験機を用いて、JIS Z 0237に準拠して試験速度300mm/分にて引張試験を行い、その結果を下記数式(1)に代入することにより、算出される。第2の樹脂層の伸び率は、第2の樹脂層と層間接着層とが積層された状態で測定してもよい。
Figure 2019042469
このような第2の樹脂層は、例えば、熱可塑性樹脂、天然ゴム、合成ゴム等から選択される重合体の層であってよい。
熱可塑性樹脂は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、エチレン−メチルアクリレート共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−メチルメタクリレート共重合体、ポリ塩化ビニル等であってよい。合成ゴムは、例えば、ブタジエン系ゴム、ニトリル系ゴム、クロロプレン系ゴム等であってよい。
第2の樹脂層は、着色されていなくてよいし、着色されていてもよい。第2の樹脂層が着色されている場合、暗色に着色されていてよく、例えば、黒色、墨色、青色、赤色、緑色、紫色、茶色、紺色、橙色等に着色されていてよい。
第2の樹脂層が着色されている場合、第2の樹脂層の表面のみが着色されていてもよく、第2の樹脂層の内部まで着色されていてもよく、内部まで着色されている第2の樹脂層の表面が別の又は同じ色で更に着色されていてもよい。
第2の樹脂層の厚みは、適度の加工性を付与するため、例えば、1μm以上、5μm以上、10μm以上、20μm以上、又は50μm以上であってよく、例えば、200μm以下、180μm以下、160μm以下、140μm以下、又は120μm以下であってよい。
第2の樹脂層としては、層間接着層と積層された状態で市販されているものを用いてもよい。第2の樹脂層及び層間接着層が、それぞれ本発明所定の要件を具備する限り、第2の樹脂層及び層間接着層の積層体として、例えば、粘着フィルム、粘着テープ等として市販されているものを用いてよい。粘着フィルムとしては、例えばマーキングフィルム等が挙げられる。粘着テープとしては、例えばビニールテープ等が挙げられる。
〈外部シーラント層〉
本発明の針刺検知用シートにおいて任意的に用いられる外部シーラント層は、針刺検知用シートを、例えば輸液バッグ等のキャップに接着させて、輸液バッグ等の保存時にキャップを保護することができる。また、この外部シーラント層がイージーピール性を有する場合には、輸液バッグ等の使用時に針刺検知用シートを容易に剥離可能とすることができる。針刺検知用シートの外部シーラント層とキャップとの接着は、例えば熱融着等であってよい。
外部シーラント層は、例えば熱可塑性樹脂の層であってよく、単層であっても多層から成る積層体であってもよい。
外部シーラント層を構成する熱可塑性樹脂は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体等から選択される1種以上であってよい。
外部シーラント層は、着色されていなくてよいし、着色されていてもよい。
外部シーラント層が着色されていると、第1の樹脂層、層間接着層、又は第2の樹脂層が着色されている場合と同様に、針を刺したときに形成される針刺孔の周囲の剥離領域を視覚的に目立つようにさせることができ、針刺孔の視認性をより高めることができる。
外部シーラント層が着色されている場合、針を刺したときの針刺孔周囲の剥離領域を視覚的に目立たせる観点から、外部シーラント層は暗色に着色されていてよく、例えば、黒色、墨色、青色、赤色、緑色、紫色、茶色、紺色、橙色等に着色されていてよい。
外部シーラント層が着色されている場合、外部シーラント層の表面のみが着色されていてもよく、外部シーラント層の内部まで着色されていてもよく、内部まで着色されている外部シーラント層の表面が別の又は同じ色で更に着色されていてもよい。
着色された外部シーラント層のL値は、例えば、80以下であってよく、75以下、70以下、60以下、50以下、40以下、又は30以下であってよい。
外部シーラント層の厚みは、適度の加工性を付与するため、例えば、30μm以上、40μm以上、50μm以上、60μm以上、70μm以上、又は80μm以上であってよく、例えば、200μm以下、180μm以下、160μm以下、140μm以下、又は120μm以下であってよい。
本発明の針刺検知用シートにおける外部シーラント層としては、いわゆる「イージーピールフィルム」、「イージーオープンフィルム」等の名称で市販されているものを使用してもよい。このような市販品としては、例えば、三井化学東セロ(株)製のCMPS、T.A.F.;DIC(株)製のDIFAREN;オカモト(株)製のショウレックス、東レフィルム加工(株)製のトレファンCF等が例示される。
〈外部接着層〉
本発明の針刺検知用シートにおいて任意的に用いられる外部接着層は、針刺検知用シートを、例えば輸液バッグ等のキャップに接着させて、輸液バッグ等の保存時にキャップを保護することができる。また、この接着層により、輸液バッグ等の使用時に針刺検知用シートを剥離可能とできてもよい。
外部接着層は、層間接着層に関して上記に例示したものの中から適宜に選択された粘着剤の層であってよい。外部接着層を構成する粘着剤は、層間接着層と同じであってもよいし、相違していてもよい。
外部接着層は、着色されていなくてよいし、着色されていてもよい。接着層が着色されている場合、暗色に着色されていてよく、例えば、黒色、墨色、青色、赤色、緑色、紫色、茶色、紺色、橙色等に着色されていてよい。
着色された外部接着層のL値は、例えば、80以下であってよく、75以下、70以下、60以下、50以下、40以下、又は30以下であってよい。
外部接着層の厚みは、例えば、1.0μm以上、1.5μm以上、2.0μm以上、又は2.5μm以上であってよく、例えば、3.0μm以下、2.5μm以下、又は2.0μm以下であってよい。
〈着色樹脂層〉
本発明の針刺検知用シートにおいて任意的に用いられる着色樹脂層は、本発明の針刺検知用シートに針を刺したときに形成される針刺孔の周囲の剥離領域を視覚的に目立つようにさせる機能を有する。
着色樹脂層の色は任意である。しかしながら、針を刺したときの針刺孔周囲の剥離領域を視覚的に目立たせるとの着色樹脂層の機能を効果的に発現させる観点から、着色樹脂層は暗色に着色されていてよく、例えば、黒色、墨色、青色、赤色、緑色、紫色、茶色、紺色、橙色等に着色されていてよい。
着色樹脂層が着色されている場合、着色樹脂層の表面のみが着色されていてもよく、着色樹脂層の内部まで着色されていてもよく、内部まで着色されている着色樹脂層の表面が別の又は同じ色で更に着色されていてもよい。
着色樹脂層のL値は、例えば、80以下であってよく、75以下、70以下、60以下、50以下、40以下、又は30以下であってよい。
着色樹脂層は、例えば熱可塑性樹脂の層であってよい。熱可塑性樹脂は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等であってよい。ポリエチレンは、例えば、低密度ポリエチレン、鎖状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン等であってよく、ポリプロピレンは、例えば、ホモポリマーであっても、ランダム型又はブロック型のコポリマーであってもよい。
着色樹脂層の厚みは、適度の加工性を付与するため、例えば、1μm以上、5μm以上、10μm以上、20μm以上、又は50μm以上であってよく、例えば、200μm以下、180μm以下、160μm以下、140μm以下、又は120μm以下であってよい。
〈針刺検知用シートの適用及び構成〉
本発明の針刺検知用シートは、例えば、蓋材等として使用することができ、特に、液体状医薬品入り容器の蓋材として有用である。
第1の樹脂層、層間接着層又は層間シーラント層、及び第2の樹脂層を有し、かつ外部シーラント層及び外部接着層を有さない針刺検知用シートは、例えば、特許文献1(特開2011−78810号公報)及び特許文献2(特許第4904501号公報)に記載された輸液用キャップの「膜部」として使用してよい。
第1の樹脂層、層間接着層、及び第2の樹脂層を有し、かつ外部シーラント層及び外部接着層を有さない針刺検知用シートの構成例を、図2〜図4に、それぞれ概略断面図として示す。
図2の針刺検知用シート(101)は、第1の樹脂層(10)、層間接着層(20)、及び第2の樹脂層(30)から構成されている。図2の針刺検知用シート(101)は、第1の樹脂層(10)が外側に向き、第2の樹脂層(30)が容器側に向く方向で使用されてよい。
針刺検知用シートは、図3に示す針刺検知用シート(102)のように、着色されていない第1の樹脂層(10)と、着色されていない層間接着層(20)と、着色された第2の樹脂層(31)とを有し、これらの層がこの順に積層された積層体であってもよい。図3の針刺検知用シート(102)は、着色されていない第1の樹脂層(10)が外側に向き、着色された第2の樹脂層(31)が容器側に向く方向で使用されてよい。
針刺検知用シートは、着色樹脂層を更に有し、第1の樹脂層、層間接着層又は層間シーラント層、着色樹脂層、及び第2の樹脂層の順に積層されていてもよい。
図4は、着色されていない第1の樹脂層(10)と、着色されていない層間接着層(20)と、着色樹脂層(41)と、着色されていない第2の樹脂層(30)とを有し、これらの層がこの順に積層された積層体である針刺検知用シート(103)の概略断面図である。図4の針刺検知用シート(103)は、着色されていない第1の樹脂層(10)が外側に向き、着色されていない第2の樹脂層(30)が容器側に向く方向で使用されてよい。
図2〜図4の針刺検知用シート(101〜103)において、層間接着層(20)の代わりに層間シーラント層を有する針刺検知用シートも、本発明の針刺検知用シートに包含される。
第1の樹脂層、層間接着層、及び第2の樹脂層とともに、外部シーラント層を更に有し、かつ、この外部シーラント層がイージーピール性を有する針刺検知用シートは、例えば、輸液バッグのピール材等として使用してよい。このような針刺検知用シートを輸液バッグのピール材として使用する場合、針刺検知用シートは、輸液バッグのキャップに外部シーラント層を介して貼付して使用される。針刺検知用シートを輸液バッグのキャップに貼付する方法は、例えば、ヒートシールであってよい。
第1の樹脂層、層間接着層、及び第2の樹脂層とともに、外部シーラント層を有する針刺検知用シートの構成例を、図5〜図7に、それぞれ概略断面図として示す。
図5の針刺検知用シート(104)は、第1の樹脂層(10)、層間接着層(20)、第2の樹脂層(30)、及び外部シーラント層(50)を有し、これらの層がこの順に積層された積層体から構成される。
第1の樹脂層、層間接着層、及び第2の樹脂層とともに、外部シーラント層を有する針刺検知用シートは、図6の針刺検知用シート(105)のように、着色されていない第1の樹脂層(10)、着色されていない層間接着層(20)、着色された第2の樹脂層(31)、及び着色されていない外部シーラント層(50)を有し、これらの層がこの順に積層された積層体であってもよい。
第1の樹脂層、層間接着層、及び第2の樹脂層とともに、外部シーラント層を有する針刺検知用シートは、図7の針刺検知用シート(106)のように、着色されていない第1の樹脂層(10)、着色されていない層間接着層(20)、着色樹脂層(41)、着色されていない第2の樹脂層(30)、及び着色されていない外部シーラント層(50)を有し、これらの層がこの順に積層された積層体であってもよい。
図5〜図7の針刺検知用シート(104〜106)において、層間接着層(20)の代わりに層間シーラント層を有する針刺検知用シート、及び外部シーラント層(50)の代わりに外部接着層を有する針刺検知用シートも、本発明の針刺検知用シートに包含される。
〈液体状医薬品入り蓋付き容器〉
本発明の液体状医薬品入り蓋付き容器は、
開口部を有する容器と、この容器中に収納された液体状医薬品と、この容器の開口部を密封する栓と、この栓を覆う蓋材とを有し、かつ、
蓋材が本発明の針刺検知用シートである。
容器は、例えば、ガラス製、合成樹脂製等であってよく、収納されている液体状医薬品の特性に応じて、適宜に選択されてよい。
栓は、容器の開口部を密閉し、かつ、針、特に注射針によって、針刺し及び貫通されることが可能な材料から構成されていてよく、例えば、ゴム栓等であってよい。
液体状医薬品入り蓋付き容器における蓋材の形態は、例えば、ピール材等であってよい。
《針刺検知用シートの製造方法》
本発明の針刺検知用シートは、原料樹脂をフィルム状に成形し、必要に応じて積層することにより、製造されてよい。
原料樹脂をフィルム状に成形するには、例えば、押出成形(Tダイ法、インフレーション法)、カレンダー成形、圧縮成形、射出成形等の適宜の方法を用いてよい。これらのうち押出成形が好ましく、特に押出インフレーション法、押出Tダイ法等の方法を採用してよい。
針刺検知用シートにおける各層を積層するには、熱ロール、熱プレス等を用いて各層間を融着させる方法、ホットメルト接着剤等の接着剤を用いる方法、ドライラミネート法、押出ラミネート法等、共押出法によってよい。これらのうち共押出法が好ましく、特に共押出インフレーション法、共押出Tダイ法等の方法を採用してよい。
上記したとおり、本発明の針刺検知用シート中の各層は、それぞれ、層の表面のみが着色されていてもよく、層の内部まで着色されていてもよく、内部まで着色されている層の表面が別の又は同じ色で更に着色されていてもよい。
表面が着色されている層は、例えば、原料樹脂をフィルム状に成形した後に、適当なインキをフィルム表面に印刷又はコーティングすることにより作製してよい。内部まで着色されている層は、例えば、顔料、染料、インキ等の着色剤、又はこれらのうちの1種以上を含むカラーマスターバッチを原料樹脂に練り込んだうえで、フィルム状に成形することにより作製してよい。
本発明の針刺検知用シート中の各層としては、市販の樹脂フィルムを、そのまま、又は必要に応じて着色したうえで用いてもよい。
〈実施例1〉
(針刺検知用シートの作製)
耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)のペレット(東洋スチレン(株)製、品名「トーヨースチロールHI H700自然色」)を熱プレスして、厚さ100μmのフィルムを作製し、これを第1の樹脂層として用いた。
第2の樹脂層及び層間接着層として、黒色ビニールテープ(日東電工(株)製、電気絶縁用ビニールテープ、品名「No.21黒」、総厚さ192μm、黒色軟質ポリ塩化ビニル基材(L値28)、ゴム系粘着剤)を用い、その粘着剤側を第1の樹脂層に貼付して、積層体を得た。
得られた積層体のうち、第2の樹脂層となるテープ基材側の面に、外部シーラント層としてのイージーオープンフィルム(三井化学東セロ(株)製、品名「CMPS013C#30」)を接着剤により貼り付けることにより、HIPSフィルム(第1の樹脂層)/層間接着層/軟質ポリ塩化ビニル層(第2の樹脂層)/外部シーラント層の構成を有する針刺検知用シート(ピール材)を作製した。
(針刺孔視認性の評価)
得られた針刺検知用シートに対して、注射針(テルモ(株)製、品名「NN−2138R」、ゲージ21G(0.80mm)、針長1+1/2インチ(38mm)、刃型R・B(Regular Bezel、刃面角度12°))を第1の樹脂層側の面から刺して、針刺検知用シートを貫通する直径0.80mmの孔を形成した。針刺孔形成後の針刺検知用シートを、L値60のグレーのゴム栓の上面から1mm離れた位置に配置した。この状態で、両目視力0.7の観察者が、針刺検知用シートの針刺孔を視認できるかどうかを、観察距離3m及び5mにて調べた。結果は表1に示した。
(耐熱性の評価)
耐熱性の評価は、図8に示した試料を用いて行った。すなわち、得られた針刺検知用シート(107)を50mm×50mmの正方形状に切り出し、直径25mmφ、高さ29mmの円柱状のゴム栓(80)の円形面上に、円周状に塗布した接着剤(90)により固定した。
この試料を、100℃の水中で40分間煮沸した後の状態を目視で観察し、以下の基準により評価した。結果は表1に示した。
針刺検知用シートに変形が見られなかった場合:A
針刺検知用シートは変形したが、シート面同士に溶着が見られなかった場合:B
針刺検知用シートが変形し、シート面同士が溶着した場合:C
〈実施例2〉
(針刺検知用シートの作製)
ブロックコポリマータイプのポリプロピレン(日本ポリプロ(株)製、品名「ノバテックPP BC3HF」)を熱プレスして、厚さ100μmのフィルム(ブロックPPフィルム)を作製し、これを第1の樹脂層として用いた。
得られた第1の樹脂層に、第2の樹脂層としての黒色LDPE(東京インキ(株)製、品名「PEX 3286 BLACK 3S」、L値30、厚み100μm)をウレタン系接着剤で貼り付けた。次いで、黒色LDPEフィルム側の面上にシーラント層としてのイージーオープンフィルム(三井化学東セロ(株)製、品名「CMPS013C#30」)を接着剤で貼り付けることにより、ブロックPPフィルム(第1の樹脂層)/ウレタン系接着剤層(層間接着層)/黒色LDPE層(着色された第2の樹脂層)/接着剤層/外部シーラント層の構成を有する針刺検知用シートを作製した。
(評価)
得られた針刺検知用シートを用いて、実施例1と同様にして針刺孔視認性及び耐熱性の評価を行った。結果は表1に示した。
〈比較例1〉
黒色ビニールテープに代えて、青色クラフトテープ(ニチバン(株)製、品名「ハイクラフトテープ No.320WC青」、総厚さ150μm、青色クラフト紙基材(L値60))を用いた他は、実施例1と同様にして、HIPSフィルム/層間接着層/クラフト紙層/外部シーラント層の構成を有する針刺検知用シートを作製し、針刺孔視認性及び耐熱性を評価した。結果は表1に示した。
〈比較例2〉
(針刺検知用シートの作製)
汎用ポリスチレン(GPPS)のペレット(東洋スチレン(株)製、品名「トーヨースチロールMW1D」)を熱プレスして、厚さ100μmのGPPSフィルムを作製した。
このGPPSフィルムに、外部シーラント層としてのイージーオープンフィルム(三井化学東セロ(株)製、品名「CMPS013C#30」)を接着剤により貼り付けることにより、GPPSフィルム/外部シーラント層の構成を有する針刺検知用シートを作製した。
(評価)
得られた針刺検知用シートについて、実施例1と同様にして、針刺孔視認性及び耐熱性を評価した。結果は表1に示した。
〈比較例3〉
(針刺検知用シートの作製)
白色LDPEフィルム(東京インキ(株)製、品名「PEX 6800 WHITE A」、厚さ100μm)に、外部シーラント層としてのイージーオープンフィルム(三井化学東セロ(株)製、品名「CMPS013C#30」)を接着剤により貼り付けることにより、白色LDPEフィルム/外部シーラント層の構成を有する針刺検知用シートを作製した。
(評価)
得られた針刺検知用シートについて、実施例1と同様にして針刺孔視認性及び耐熱性を評価した。結果は表1に示した。
〈比較例4〉
白色LDPEフィルムに代えて、黒色LDPEフィルム(東京インキ(株)製、品名「PEX 3286 BLACK 3S」、L値30、厚さ100μm)を使用した他は、比較例3と同様にして、黒色LDPEフィルム/外部シーラント層の構成を有する針刺検知用シートを作製し、その針刺孔視認性及び耐熱性を評価した。結果は表1に示した。
〈伸び率の測定〉
実施例1で使用した黒色ビニールテープ、実施例2で使用した黒色LDPEフィルム、及び比較例1で使用した青色クラフトテープの伸び率を、JIS Z 0237の伸びの測定方法に準拠して測定した。測定結果は、それぞれ、表1に合わせて示した。
具体的な伸び率の測定方法は、次のとおりである。実施例1で使用した黒色ビニールテープ、実施例2で使用した黒色LDPEフィルム、又は比較例1で使用した青色クラフトテープを、幅15mmの短冊状にカットしたものを試験片とした。測定装置として(株)東洋精機製作所製のストログラフVGS05Eを用い、試験速度300mm/分にて、引張試験を行い、上記数式(1)により伸び率(%)を算出した。
(粘着力の測定)
実施例1で使用した黒色ビニールテープ、及び比較例1で使用した青色クラフトテープのHIPSフィルムに対する粘着力、並びに実施例2で使用した黒色LDPEフィルムのブロックPPフィルムに対する粘着力を、JIS Z 0237の引きはがし粘着力の測定方法に準拠して、180°引きはがし粘着力として測定した。測定結果は、それぞれ、表1に合わせて示した。ここで使用したHIPSフィルムは、実施例1及び比較例1の第1の樹脂層と同一原料及び同一手法によって得られたフィルムであり、ブロックPPフィルムは、実施例2で使用したものと同種の製品である。
具体的な粘着力の測定方法は、次のとおりである。
i)黒色ビニールテープ及び青色クラフトテープのHIPSフィルムに対する粘着力
実施例1で使用した黒色ビニールテープ、又は比較例1で使用した青色クラフトテープを、幅10mmの短冊状にカットし、実施例1におけるのと同様にして得た厚さ100μmのHIPSフィルム上に圧着ローラーにより貼付した。測定装置として(株)東洋精機製作所製のストログラフVGS05Eを用い、試験速度300mm/分にて、180°引きはがし粘着力を測定した。変位量25mm〜70mmの範囲の区間平均を、粘着力とした。引きはがしの際、いずれのテープにおいても、HIPSフィルムとテープの粘着剤との間が剥離した。
ii)黒色LDPEフィルムのブロックPPフィルムに対する粘着力
実施例2で使用した黒色LDPEを、実施例2で使用したのと同種のブロックPPフィルム上に、実施例2で使用したのと同種のウレタン系接着剤の層を介して積層し、圧着ローラーにより貼付した後、幅10mmの短冊状にカットして、短冊状の積層体を得た。この短冊状積層体を測定試料として、上記「i)黒色ビニールテープ及び青色クラフトテープのHIPSフィルムに対する粘着力」と同様にして180°引きはがし粘着力を測定し、変位量25mm〜70mmの範囲の区間平均を粘着力とした。引きはがしの際、ブロックPPフィルムとウレタン系接着剤との間が剥離した。
Figure 2019042469
表1中、各層を構成する材料の略称は、それぞれ以下の意味である。
HIPS:耐衝撃性ポリスチレン、東洋スチレン(株)製、品名「トーヨースチロールHI H700自然色」
黒色LDPE:東京インキ(株)製、品名「PEX 3286 BLACK 3S」、L値30、厚み100μm
GPPS:汎用ポリスチレン、透明、東洋スチレン(株)製、品名「トーヨースチロールMW1D」
黒色LDPEフィルム:東京インキ(株)製、品名「PEX 3286 BLACK 3S」、L値30、厚み100μm
白色LDPEフィルム:東京インキ(株)製、品名「PEX 6800 WHITE A」、厚み100μm
CMPS013C:イージーオープンフィルム(三井化学東セロ(株)製、品名「CMPS013C#30」)
表1を参照すると、比較例2〜4の針刺検知用シートでは、注射針による針刺孔を、両目視力0.7の観察者が観察距離3mにて視認することはできず、針刺孔の視認性は不十分であった。
第2の樹脂層に代えて、伸び率が15%と低いクラフト紙層を使用した比較例1の針刺検知用シートでは、HIPSフィルム(第1の樹脂層)における針刺孔の周囲が幅約0.3mmの範囲で白化して、孔の存在が強調されており、両目視力0.7の観察者が観察距離3mにて針刺孔を視認することができた。しかし、観察距離5mでは、同じ観察者が針刺孔を視認することはできなかった。
これらに対して、伸び率が100%以上の第2の樹脂層を有する実施例1の針刺検知用シートでは、HIPSフィルム(第1の樹脂層)における針刺孔の周囲が幅約0.3mmの範囲で白化するとともに、針刺孔の近傍周囲において、HIPSフィルム(第1の樹脂層)と層間接着層との間が幅約0.9mmの範囲で剥離して、第2の樹脂層であるビニールテープ基材の黒色が白っぽく見え、これにより孔の存在が更に強調されていた。
同様に、伸び率が100%以上の第2の樹脂層を有する実施例2の針刺検知用シートでも、ブロックPPフィルム(第1の樹脂層)における針刺孔の周囲が幅約0.3mmの範囲で白化するとともに、針刺孔の近傍周囲において、ブロックPPフィルム(第1の樹脂層)と層間接着層との間が幅約1.0mmの範囲で剥離して、第2の樹脂層である黒色LDPEフィルムの黒色が白っぽく見え、これにより孔の存在が更に強調されていた。
以上の現象により、実施例1及び2の針刺検知用シートでは、両目視力0.7の観察者が、観察距離3m及び5mの双方で、針刺孔を視認することができた。
10 第1の樹脂層
20 層間接着層
30 第2の樹脂層
31 着色された第2の樹脂層
41 着色樹脂層
50 外部シーラント層
60 針刺孔
70 剥離領域
80 ゴム栓
90 接着剤
100、101、102、103、105、106、107 針刺検知用シート

Claims (15)

  1. 第1の樹脂層、層間接着層又は層間シーラント層、及び第2の樹脂層がこの順に積層されている針刺検知用シートであって、
    直径0.80mm、刃型R・Bの注射針を刺して針刺孔を形成したときに、
    前記第1の樹脂層と前記第2の樹脂層との間の、前記針刺孔の周囲が0.2mm以上の幅で剥離する、
    針刺検知用シート。
  2. 前記第2の樹脂層は、JIS Z 0237に準拠して、試験速度300mm/分にて測定した伸び率が100%以上であり、かつ、
    前記第1の樹脂層と前記第2の樹脂層との間の粘着強さは、JIS Z 0237に準拠して、引きはがし角度180°にて測定したときに、1.0N/10mm以上10.0N/10mm以下である、
    請求項1に記載の針刺検知用シート。
  3. 直径0.80mm、刃型R・Bの注射針を刺して針刺孔を形成したときに、
    前記第1の樹脂層のうちの前記針刺孔の周囲が0.2mm以上の幅で白化する、
    請求項1又は2に記載の針刺検知用シート。
  4. 前記第1の樹脂層は、ハードセグメントを含む連続相と、ソフトセグメントを含む分散相とから構成される海島型ミクロ相分離構造を有する樹脂の層である、
    請求項1〜3のいずれか一項に記載の針刺検知用シート。
  5. 前記第1の樹脂層は、耐衝撃性ポリスチレン、ブロックコポリマータイプのポリプロピレン、及びアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体より成る群から選択される1種以上の樹脂の層である、
    請求項1〜4のいずれか一項に記載の針刺検知用シート。
  6. 前記第1の樹脂層は、ブロックコポリマータイプのポリプロピレンの層である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の針刺検知用シート。
  7. 前記層間接着層は、ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、及びウレタン系粘着剤から選択される1種以上の粘着剤の層である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の針刺検知用シート。
  8. 前記第2の樹脂層は、熱可塑性樹脂、天然ゴム、及び合成ゴムから選択される重合体の層である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の針刺検知用シート。
  9. 前記第2の樹脂層がL値75以下の色で着色されている、請求項1〜8のいずれか一項に記載の針刺検知用シート。
  10. 前記第2の樹脂層に積層されている外部シーラント層又は外部接着層を更に有する、請求項1〜9のいずれか一項に記載の針刺検知用シート。
  11. 着色樹脂層を更に有し、前記第1の樹脂層、前記層間接着層又は層間シーラント層、前記着色樹脂層、及び前記第2の樹脂層の順に積層されている、請求項1〜9のいずれか一項に記載の針刺検知用シート。
  12. 着色樹脂層を更に有し、前記第1の樹脂層、前記層間接着層又は層間シーラント層、前記着色樹脂層、前記第2の樹脂層、及び前記外部シーラント層又は外部接着層の順に積層されている、請求項10に記載の針刺検知用シート。
  13. 前記着色樹脂層のL値が75以下である、請求項11又は12に記載の針刺検知用シート。
  14. 蓋材である、請求項1〜13のいずれか一項に記載の針刺検知用シート。
  15. 開口部を有する容器と、前記容器中に収納された液体状医薬品と、前記容器の前記開口部を密封する栓と、前記栓を覆う蓋材とを有する液体状医薬品入り蓋付き容器であって、
    前記蓋材が請求項14に記載の針刺検知用シートである、液体状医薬品入り蓋付き容器。
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