以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、以下に説明する実施の形態によって本発明が限定されるものではない。また、以下の図面では各構成部材の大きさの関係が実際のものとは異なる場合がある。
実施の形態1.
先ず、本発明の実施の形態1に係る炊飯器100を図1〜図4に基づいて説明する。図1は、本発明の実施の形態1に係る炊飯器を模式的に示した外観斜視図である。図2は、本発明の実施の形態1に係る炊飯器の内部構造を模式的に示した縦断面図である。図3は、本発明の実施の形態1に係る炊飯器の制御構成を示したブロック図である。図4は、本発明の実施の形態1に係る炊飯器の制御動作を説明するフローチャートである。
実施の形態1に係る炊飯器100は、図1及び図2に示すように、内釜12を内部に収容する炊飯部1と、炊飯部1を上面に載せて加熱調理する誘導加熱調理部2と、で構成された分離型の炊飯器である。この炊飯器100は、炊飯部1と誘導加熱調理部2とを分離して、それぞれ単独で使用することができる。つまり、炊飯器100は、分離した炊飯部1を御櫃として食卓に運んで使用することができ、分離した誘導加熱調理部2をIH調理器として使用することができる。炊飯部1と誘導加熱調理部2には、それぞれ内部に制御手段が設けられており、制御手段に接続された通信手段で無線通信が行われることにより、炊飯部1と誘導加熱調理部2との間で制御情報が伝達される。
先ず、炊飯部1の構成について説明する。炊飯部1は、図1及び図2に示すように、上面に開口部を有する本体部10と、本体部10の開口部を開閉可能に覆う蓋体11と、を備えている。
本体部10は、外観が有底筒状であり、内部に内釜12が着脱自在に装着されている。なお、図示することは省略したが、本体部10には、炊飯部1を誘導加熱調理部2から分離させて持ち運ぶ際のハンドルが取り付けられている。ハンドルは、例えば略U字形状であり、両端部が本体部10の側面に回動自在に取り付けられている。
内釜12は、有底円筒形状であり、誘導加熱により発熱する炭素材で構成される。なお、内釜12は、例えばセラミック等の非金属材料で形成される容器(いわゆる土鍋)またはアルミとステンレスのクラッド材等の金属容器であっても良い。内釜12の内部には、被調理物である米および水が収容される。
蓋体11は、背面側の端部が図示省略のヒンジ機構部によって本体部10の上部に連結されている。蓋体11の前面側には、蓋体11の開閉を行う蓋開閉ボタン11aが設けられている。蓋体11は、閉じた状態で蓋開閉ボタン11aが押下されると、ヒンジ機構部のヒンジ軸を中心として、背面側に向かって回動させることができる。
また、炊飯部1には、被調理物の炊飯条件を入力する第1入力操作手段33が設けられている。第1入力操作手段33は、図1及び図2に示すように、蓋体11の上面に設けられた蓋体側操作手段33aと、本体部10の前面に設けられた本体部側操作手段33bとで構成されている。第1入力操作手段33は、例えば米種キー、硬さキー、メニューキー、保温キー、炊飯キー、取消キー、予約キー、及び時刻キー等の押圧式の入力キーが複数配置された構成である。米種キーは、炊飯する米の種類を設定するためのキーである。硬さキーは、炊き上がりの米飯の硬さを設定するためのキーである。メニューキーは、リゾット、おかゆ、及び炊き込み等の炊飯メニューを設定するためのキーである。保温キーは、保温動作の終了及び開始を切り換えるためのキーである。炊飯キーは、炊飯開始を指示するためのキーである。取消キーは、炊飯工程を中止させるためのキーである。予約キーは、炊飯予約を設定するためのキーである。時刻キーは、現在時刻及び予約時刻等の時刻を設定するためのキーである。第1入力操作手段33は、これら入力キーの操作入力によって、例えば予熱工程、炊飯工程、むらし工程等の工程を実行することができる。なお、第1入力操作手段33は、押圧式の入力キーに代えて、タッチ式の入力キーとしてもよいし、両者を併用してもよい。また、第1入力操作手段33は、蓋体側操作手段33a又は本体部側操作手段33bのどちらか一方のみで構成してもよい。
また、炊飯部1には、第1入力操作手段33の入力結果及び炊飯器100の各種情報を、文字、数字、図形等で表示する第1表示手段34が設けられている。第1表示手段34は、蓋体側操作手段33aとほぼ同じ位置に配置された蓋体側表示手段34aと、本体部側操作手段33bとほぼ同じ位置に配置された本体部側表示手段34bとで構成されている。第1表示手段34は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)、有機EL(Electro Luminescence)等で構成されている。なお、第1表示手段34は、蓋体側表示手段34a又は本体部側表示手段34bのどちらか一方のみで構成してもよい。
また、炊飯部1は、図2及び図3に示すように、本体部10の内部に、第1制御手段3と、保温ヒータ35と、第1温度検知手段36と、第1報知手段37と、給電部38と、受電コイル39とを備えている。第1制御手段3は、第1入力操作手段33の入力情報に基づいて、炊飯部1の制御指令を行うものである。第1制御手段3は、マイクロコンピュータを中核として構成され、半導体記憶装置(フラッシュメモリー及びROM、RAM)などの記憶手段30と、時刻を計算する計時手段31(時計回路)が内蔵されている。第1制御手段3の入力側には、第1入力操作手段33と、第1温度検知手段36とが接続されている。第1制御手段3の出力側には、第1表示手段34と、第1報知手段37とが接続されている。第1制御手段3は、第1通信手段32を介して、誘導加熱調理部2の第2制御手段4と無線通信を行う。
第1通信手段32は、赤外線を発光する赤外LEDと、赤外LEDの発した赤外線を受光するフォトトランジスタとを備えており、誘導加熱調理部2に設けられた第2通信手段42と赤外線通信を行うものである。
保温ヒータ35は、内部に収納された内釜12を加熱するために設けられている。第1制御手段3は、第1入力操作手段33に設けられた保温キーが操作されると、保温ヒータ35を駆動する制御信号を生成して、保温ヒータ35に出力する。
第1温度検知手段36は、内釜12の温度を計測するために設けられている。第1温度検知手段36は、内釜12に接触して温度を計測するサーミスタ、或いは非接触で温度を検出する赤外線温度センサ等で構成されている。第1温度検知手段36によって検知した検知値は、第1制御手段3に入力される。
第1報知手段37は、使用者に注意喚起を行うために設けられている。第1報知手段37は、例えば音を発するブザー又はスピーカー等である。第1報知手段37は、第1制御手段3から信号が出力されると、アナウンスとしての音声あるいはブザー音等を報知する。なお、第1報知手段37は、第1表示手段34に文字、図形、記号等を表示して報知する構成でもよいし、音声と表示とを組み合わせて報知してもよい。
給電部38は、給電コイルを主体に構成された蓄電手段である。給電部38は、例えば、鉛蓄電池、ニッケル水素蓄電池、リチウムイオン蓄電池等の二次電池、又は乾電池等の一次電池で構成されている。受電コイル39は、誘導加熱調理部2に設けられた送電コイル48から送られる電力に基づいて給電部38に給電するものである。
次に、誘導加熱調理部2の構成について説明する。誘導加熱調理部2は、図1に示すように、例えば食卓などの上に置いて使用する卓上型の電磁調理器である。誘導加熱調理部2は、一例として外観が略L字形状であり、L字の屈曲面に炊飯部1が着脱自在に載置される。誘導加熱調理部2は、上面に結晶化ガラス等で構成されたトッププレート20が配置されている。使用者は、炊飯部1を持ち上げることにより、誘導加熱調理部2から簡単に分離させることができる。
誘導加熱調理部2には、被調理物の加熱条件を入力する第2入力操作手段43が設けられている。第2入力操作手段43は、押圧式又はタッチ式から成る各種入力ボタンが配置された構成である。各種入力ボタンとは、例えば火力、調理メニュー、及び調理時間等の各種条件を入力するものである。誘導加熱調理部2は、炊飯部1を取り外した状態で、第2入力操作手段43を操作することで、炊飯部1と無関係に単独で誘導加熱調理を行える。第2入力操作手段43は、図1に示すように、誘導加熱調理部2の上面に炊飯部1を載せると、炊飯部1で覆われて隠れた状態となる。
また、誘導加熱調理部2には、第2入力操作手段43の入力結果及び炊飯器100の各種情報を、文字、数字、図形等で表示する第2表示手段44が設けられている。第2表示手段44は、第2入力操作手段43とほぼ同じ位置に配置されている。第2表示手段44は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)、有機EL(Electro Luminescence)等で構成されている。
また、誘導加熱調理部2は、第2制御手段4と、誘導加熱コイル45と、第2温度検知手段46と、第2報知手段47と、送電コイル48とを内部に備えている。第2制御手段4は、第2入力操作手段43の入力情報に基づいて、誘導加熱調理部2の制御指令を行うものである。第2制御手段4は、マイクロコンピュータを中核として構成され、半導体記憶装置(フラッシュメモリー及びROM、RAM)などの記憶手段40と、時刻を計算する計時手段41(時計回路)が内蔵されている。第2制御手段4の入力側には、第2入力操作手段43と、第2温度検知手段46とが接続されている。第2制御手段4の出力側には、第2表示手段44と、第2報知手段47とが接続されている。第2制御手段4は、第2通信手段42を介して、炊飯部1の第1制御手段3と無線通信を行う。
第2通信手段42は、赤外線を発光する赤外LEDと、赤外LEDの発した赤外線を受光するフォトトランジスタとを備えており、炊飯部1に設けられた第1通信手段32と赤外線通信を行うものである。
誘導加熱コイル45は、発生する磁力線によって内釜12を加熱して、内釜12の内部に収納された米及び水等の被調理物を加熱するものである。誘導加熱コイル45は、第1入力操作手段33又は第2入力操作手段43の入力情報の基づき、第2制御手段4から駆動信号が入力される。誘導加熱コイル45は、炊飯部1が誘導加熱調理部2の上面に載置された状態で、炊飯部1に収納された内釜12の下方に位置する配置で設けられている。誘導加熱コイル45は、一例として細い導線がドーナッツ状に巻かれて形成されている。
第2温度検知手段46は、例えば内釜12から放射される赤外線を受信して温度を計測する赤外線温度センサで構成されている。第2温度検知手段46は、支持基板46aによって支持されている。第2温度検知手段46によって検知した検知値は、第2制御手段4に入力される。
第2報知手段47は、使用者に注意喚起を行うために設けられている。第2報知手段47は、例えば音を発するブザー又はスピーカー等である。第2報知手段47は、第2制御手段4から信号が出力されると、アナウンスとしての音声あるいはブザー音等を報知する。なお、第2報知手段47は、第2表示手段44に文字、図形、記号等を表示して報知する構成でもよいし、音声と表示とを組み合わせて報知してもよい。また、実施の形態1の炊飯器100では、炊飯部1に第1報知手段37を設け、誘導加熱調理部2に第2報知手段47を設けた構成を示したが、これに限定されない。炊飯器100は、第1報知手段37と第2報知手段47のうち、どちらか一つのみ設けた構成でもよい。
上記構成の炊飯器100は、炊飯部1の第1制御手段3で生成された制御情報が、赤外線通信により第1通信手段32から第2通信手段42を介して誘導加熱調理部2の第2制御手段4へ送信され、第2制御手段4で処理される。一方、炊飯器100は、誘導加熱調理部2の第2制御手段4で生成された制御情報が、赤外線通信により第2通信手段42から第1通信手段32を介して炊飯部1の第1制御手段3へ送信され、第1制御手段3で処理される。
炊飯器100は、第1制御手段3と第2制御手段4とが互いに通信手段を介して通信を行う構成であるため、第1制御手段3と第2制御手段4とが通信を行うことができない場合、炊飯部1が誘導加熱調理部2から分離されていると判断する。そのため、炊飯器100は、第1通信手段32と第2通信手段42とが、炊飯部1が誘導加熱調理部2に載置されているか否かを検知する載置検知手段5として機能する。
なお、この載置検知手段5は、第1通信手段32及び第2通信手段42とは別に、炊飯部1に永久磁石を設け、誘導加熱調理部2に載置検知センサを設けた構成でもよい。
また、載置検知手段5は、誘導加熱コイル45に電流を流した場合における抵抗値が基準抵抗値以上であるか否かを判定する構成を採用してもよい。具体的には、第2制御手段4は、誘導加熱コイル45に電流を流した場合における抵抗値が、基準抵抗値以上であると判定すると、炊飯部1が誘導加熱調理部2のトッププレート20の上の正しい位置、つまり基準位置に載置されていると判定する。また、第2制御手段4は、誘導加熱コイル45に電流を流した場合における抵抗値が基準抵抗値未満であると判定すると、炊飯部1が誘導加熱調理部2の上から取り外されて分離していると判定する。
更に、載置検知手段5は、第2温度検知手段46の検値温度に基づいて、炊飯部1が誘導加熱調理部2の基準位置に載置されたか否か判定するように構成してもよい。具体的には、第2制御手段4は、第2温度検知手段46の検値温度が閾値温度以上である場合、炊飯部1が誘導加熱調理部2の上に載置されている可能性が高いため、炊飯部1が基準位置に載置されていると判定する。また、第2制御手段4は、第2温度検知手段46の検値温度が閾値温度未満である場合、炊飯部1が誘導加熱調理部2から取り外されている可能性が高いため、炊飯部1が基準位置に載置されていないと判定する。
次に、実施の形態1に係る炊飯器100の制御動作を、図1〜図3を参照しつつ図4に示すフローチャートに基づいて説明する。実施の形態1に係る炊飯器100の制御動作は、炊飯部1を誘導加熱調理部2に載置させた状態で実行される。
先ず、ステップS101において、使用者が電源を投入し、第1入力操作手段33を操作して米種及びメニューを選択すると共に、第1入力操作手段33に設けられた炊飯キーをONにする。すると、ステップS102において、第1制御手段3が通信手段を介して第2制御手段4と通信を行い、ステップS101で操作された第1入力操作手段33の入力情報に基づき、第2制御手段4が誘導加熱コイル45に制御指令を出力して炊飯工程を開始する。
ステップS103において、第1制御手段3と第2制御手段4とが、第1通信手段32と第2通信手段42とを介して互いに通信可能であるか否かについて判定する。第2制御手段4は、第1制御手段3と通信可能であると判定すると、炊飯部1が誘導加熱調理部2の上面に載置されていると判断し、ステップS104に進む。一方、第2制御手段4は、第1制御手段3と通信可能でないと判定すると、炊飯部1が誘導加熱調理部2から分離されていると判断し、ステップS106に進む。
ステップS104において、第2制御手段4は、誘導加熱コイル45に制御指令を出力して炊飯を継続して行う。そして、ステップS105において、第2制御手段4は、第1入力操作手段33の入力情報に基づき、炊飯が完了したか否かの判定を行う。第2制御手段4は、ステップS105において、炊飯が完了したと判定すると、炊飯工程を終了する。一方、第2制御手段4は、ステップS105において、炊飯が完了していないと判定すると、ステップS103に戻り、第1制御手段3と通信可能であるか否かについて再び判定を行う。
ステップS106において、第2制御手段4は、第2報知手段47を報知させて、炊飯部1が誘導加熱調理部2から分離されている事態を使用者に知らせるとともに、分離した時間tを計測する。なお、ステップS106では、第1制御手段3が、第1報知手段37を報知させてもよい。
ステップS107において、第2制御手段4は、第1制御手段3と通信可能であるか否かについて再び判定する。第2制御手段4は、ステップS107において、第1制御手段3と通信可能であると判定するとステップS104に進み、誘導加熱コイル45に制御指令を出力して炊飯を継続して行う。第2制御手段4は、ステップS107において、第1制御手段3と通信可能でないと判定するとステップS108に進む。
ステップS108において、第2制御手段4は、炊飯部1が誘導加熱調理部2から分離された時間tが、予め設定した第1目標時間t1との関係において、t<t1であるか否かについて判定する。第1目標時間t1とは、炊飯部1が誘導加熱調理部2から分離されることによって、炊飯中のお米が炊飯不良を起こすか否か基準となる時間である。第2制御手段4は、t<t1であると判定すると、ステップS107に戻り、第1制御手段3と通信可能であるか否かについて再び判定する。一方、第2制御手段4は、t<t1でないと判定すると、ステップS109に進み、炊飯部1の分離によってエラーが生じたため炊飯を中止する旨を第2報知手段47で報知して使用者に知らせる。そして、第2制御手段4は、ステップS110に進み、加熱調理を停止させて炊飯工程を終了する。なお、ステップS109では、第1制御手段3が、第1報知手段37を報知させてもよい。
したがって、実施の形態1の炊飯器100は、炊飯部1が誘導加熱調理部2から分離されたことを第1報知手段37又は第2報知手段47で報知して、使用者に注意喚起を行うことができるので、使用者が炊飯中に炊飯部1を誤って持ち上げることに起因する炊飯不良を未然に防止することができる。
また、炊飯器100は、計時手段31又は41で計測した時間tが、予め設定した第1目標時間t1を過ぎていると、第1報知手段37又は第2報知手段47を報知させると共に、誘導加熱調理部2の加熱調理を停止させる構成である。よって、炊飯器100は、炊飯中のお米が炊飯不良を起こした事態を使用者にいち早く知らせることができ、炊飯工程のやり直しを促すことができる。
なお、炊飯部1が誘導加熱調理部2に載置されているか否かを検知する載置検知手段5は、第1制御手段3と第2制御手段4とが、第1通信手段32と第2通信手段42とを介して互いに通信可能であるか否かについて判定することに限定されない。載置検知手段5は、上記した他の形態で実施してもよい。
実施の形態2.
次に、本発明の実施の形態2に係る炊飯器100を、図5に基づいて説明する。図5は、本発明の実施の形態2に係る炊飯器の制御動作を説明するフローチャートである。なお、実施の形態1で説明した炊飯器100と同一の構成については、同一の符号を付して、その説明を適宜省略する。
実施の形態2に係る炊飯器100は、上記実施の形態1の炊飯器100の制御動作に加えて、第1入力操作手段33によって炊飯条件を入力する操作が行われたと判定すると、炊飯部1が誘導加熱調理部2から分離されたか否かにかかわらず、第1報知手段37又は第2報知手段47を報知させる構成である。
以下に、実施の形態2に係る炊飯器100の制御動作を、図1〜図3を参照しつつ図5に示すフローチャートに基づいて説明する。実施の形態2に係る炊飯器100の制御動作は、炊飯部1を誘導加熱調理部2に載置させた状態で実行される。
先ず、ステップS201において、使用者が電源を投入し、第1入力操作手段33を操作して米種及びメニューを選択する。すると、ステップS202において、第1制御手段3は、炊飯部1と誘導加熱調理部2とを分離させないように、第1報知手段37を報知させて使用者に注意喚起を行う。報知する内容としては、例えば「炊飯部を分離させないでください」とメッセージを報知するほか、ブザーを鳴らす等してもよい。なお、ステップS202では、第2制御手段4が、第2報知手段47を報知させてもよい。
そして、ステップS203において、使用者が第1入力操作手段33に設けられた炊飯キーをONにする。ステップS204において、第1制御手段3が第2制御手段4と通信手段を介して通信を行い、ステップS201で操作された第1入力操作手段33の入力情報に基づき、第2制御手段4が誘導加熱コイル45に制御指令を出力して炊飯工程を開始する。すると、ステップS205において、第2制御手段4は、炊飯部1と誘導加熱調理部2とを分離させないように、第2報知手段47を報知させて注意喚起を行う。報知する内容としては、「炊飯部を分離させないでください」とメッセージを報知するほか、ブザーを鳴らす等してもよい。なお、ステップS205では、第1制御手段3が、第1報知手段37を報知させてもよい。
なお、ステップS202で行われた報知と、ステップS205で行われた報知は、どちらか一方を省略してもよい。
ステップS206において、第1制御手段3と第2制御手段4とが、第1通信手段32と第2通信手段42とを介して互いに通信可能であるか否かについて判定する。第2制御手段4は、第1制御手段3と通信可能であると判定すると、炊飯部1が誘導加熱調理部2の上面に載置されていると判断し、ステップS207に進む。一方、第2制御手段4は、第1制御手段3と通信可能でないと判定すると、炊飯部1が誘導加熱調理部2から分離されていると判断し、ステップS209に進む。
ステップS207において、第2制御手段4は、誘導加熱コイル45に制御指令を出力して炊飯を継続して行う。そして、ステップS208において、第2制御手段4は、第1入力操作手段33の入力情報に基づき、炊飯が完了したか否かの判定を行う。第2制御手段4は、ステップS208において、炊飯が完了したと判定すると、炊飯工程を終了する。一方、第2制御手段4は、ステップS208において、炊飯が完了していないと判定すると、ステップS206に戻り、第1制御手段3と通信可能であるか否かについて再び判定を行う。
ステップS209において、第2制御手段4は、第2報知手段47を報知させて、炊飯部1が誘導加熱調理部2から分離されている事態を使用者に知らせるとともに、分離した時間tを計測する。なお、ステップS209では、第1制御手段3が、第1報知手段37を報知させてもよい。
ステップS210において、第2制御手段4は、第1制御手段3と通信可能であるか否かについて再び判定する。第2制御手段4は、ステップS210において、第1制御手段3と通信可能であると判定するとステップS207に進み、誘導加熱コイル45に制御指令を出力して炊飯を継続して行う。第2制御手段4は、ステップS210において、第1制御手段3と通信可能でないと判定するとステップS211に進む。
ステップS211において、第2制御手段4は、炊飯部1が誘導加熱調理部2から分離された時間tが、予め設定した第1目標時間t1との関係において、t<t1であるか否かについて判定する。第1目標時間t1とは、炊飯部1が誘導加熱調理部2から分離されることによって、炊飯中のお米が炊飯不良を起こすか否か基準となる時間である。第2制御手段4は、t<t1であると判定すると、ステップS210に戻り、第1制御手段3と通信可能であるか否かについて再び判定する。一方、第2制御手段4は、t<t1でないと判定すると、ステップS212に進み、炊飯部1の分離によってエラーが生じたため炊飯を中止する旨を第2報知手段47で報知して使用者に知らせる。そして、第2制御手段4は、ステップS213に進み、加熱調理を停止させて炊飯工程を終了する。なお、ステップS212では、第1制御手段3が、第1報知手段37を報知させてもよい。
したがって、実施の形態2の炊飯器100は、炊飯部1が誘導加熱調理部2から分離されたことを第1報知手段37又は第2報知手段47で報知して、使用者に注意喚起を行うことができるので、使用者が炊飯中に炊飯部1を誤って持ち上げることに起因する炊飯不良を未然に防止することができる。
また、実施の形態2の炊飯器100は、第1入力操作手段33によって炊飯条件を入力する操作が行われたと判定すると、炊飯部1が誘導加熱調理部2から分離されたか否かにかかわらず、第1報知手段37又は第2報知手段47を報知させて使用者に注意喚起を行うので、使用者が炊飯中に炊飯部1を誤って持ち上げることに起因する炊飯不良を未然に防止する効果を高めることができる。
なお、炊飯部1が誘導加熱調理部2に載置されているか否かを検知する載置検知手段5は、第1制御手段3と第2制御手段4とが、第1通信手段32と第2通信手段42とを介して互いに通信可能であるか否かについて判定することに限定されない。載置検知手段5は、上記した他の形態で実施してもよい。
実施の形態3.
次に、本発明の実施の形態3に係る炊飯器100を、図6に基づいて説明する。図6は、本発明の実施の形態3に係る炊飯器の制御動作を説明するフローチャートである。なお、実施の形態1で説明した炊飯器100と同一の構成については、同一の符号を付して、その説明を適宜省略する。
実施の形態3に係る炊飯器100では、上記実施の形態1の炊飯器100の制御動作に加えて、第2制御手段4の記憶手段40において、載置検知手段5の検知情報に基づき、炊飯部1が誘導加熱調理部2から分離された回数を加算して記憶する。そして、第2制御手段4は、記憶手段40が記憶した回数が、予め設定した設定回数に到達したと判定すると、第1報知手段37又は第2報知手段47を報知させる構成である。
以下に、実施の形態3に係る炊飯器100の制御動作を、図1〜図3を参照しつつ図6に示すフローチャートに基づいて説明する。実施の形態3に係る炊飯器100の制御動作は、炊飯部1を誘導加熱調理部2に載置させた状態で実行される。
先ず、ステップS301において、使用者が電源を投入し、第1入力操作手段33を操作して米種及びメニューを選択すると共に、第1入力操作手段33に設けられた炊飯キーをONにする。すると、ステップS302において、第1制御手段3が通信手段を介して第2制御手段4と通信を行い、ステップS301で操作された第1入力操作手段33の入力情報に基づき、第2制御手段4が誘導加熱コイル45に制御指令を出力して炊飯工程を開始する。
ステップS303において、第2制御手段4は、過去に炊飯部1が誘導加熱調理部2から分離された回数Nが、予め設定した設定回数N1との関係において、N<N1であるか否かについて判定する。第2制御手段4は、N<N1であると判定すると、ステップS305に進む。一方、第2制御手段4は、N<N1でないと判定すると、ステップS304に進み、第2報知手段47を報知させて、分離回数が多いことを使用者に注意喚起を行った後、ステップS305に進む。なお、ステップS304では、第1制御手段3が、第1報知手段37を報知させてもよい。
ステップS305において、第1制御手段3と第2制御手段4とが、第1通信手段32と第2通信手段42とを介して互いに通信可能であるか否かについて判定する。第2制御手段4は、第1制御手段3と通信可能であると判定すると、炊飯部1が誘導加熱調理部2の上面に載置されていると判断し、ステップS306に進む。一方、第2制御手段4は、第1制御手段3と通信可能でないと判定すると、炊飯部1が誘導加熱調理部2から分離されていると判断し、ステップS311に進む。
ステップS306において、第2制御手段4は、誘導加熱コイル45に制御指令を出力して炊飯を継続して行う。そして、ステップS307において、第2制御手段4は、第1入力操作手段33の入力情報に基づき、炊飯が完了したか否かの判定を行う。第2制御手段4は、ステップS307において、炊飯が完了したと判定すると、ステップS308に進む。一方、第2制御手段4は、ステップS307において、炊飯が完了していないと判定すると、ステップS305に戻り、第1制御手段3と通信可能であるか否かについて再び判定を行う。
ステップS308において、第2制御手段4は、炊飯中に炊飯部1が誘導加熱調理部2から分離された回数を加算して記憶する。そして、ステップS309において、第2制御手段4は、炊飯部1が誘導加熱調理部2から分離された回数Nが、予め設定した設定回数N1との関係において、N<N1であるか否かについて判定する。第2制御手段4は、N<N1であると判定すると、炊飯工程を終了する。一方、第2制御手段4は、N<N1でないと判定すると、ステップS310に進み、第2報知手段47を報知させて、分離回数が多いことを使用者に注意喚起を行った後、炊飯工程を終了する。なお、ステップS310では、第1制御手段3が、第1報知手段37を報知させてもよい。
ステップS311において、第2制御手段4は、第2報知手段47を報知させて、炊飯部1が誘導加熱調理部2から分離されている事態を使用者に知らせるとともに、分離した時間tを計測する。なお、ステップS311では、第1制御手段3が、第1報知手段37を報知させてもよい。
ステップS312において、第2制御手段4は、第1制御手段3と通信可能であるか否かについて再び判定する。第2制御手段4は、ステップS312において、第1制御手段3と通信可能であると判定するとステップS306に進み、誘導加熱コイル45に制御指令を出力して炊飯を継続して行う。第2制御手段4は、ステップS312において、第1制御手段3と通信可能でないと判定するとステップS313に進む。
ステップS313において、第2制御手段4は、炊飯部1が誘導加熱調理部2から分離された時間tが、予め設定した第1目標時間t1との関係において、t<t1であるか否かについて判定する。第1目標時間t1とは、炊飯部1が誘導加熱調理部2から分離されることによって、炊飯中のお米が炊飯不良を起こすか否か基準となる時間である。第2制御手段4は、t<t1であると判定すると、ステップS312に戻り、第1制御手段3と通信可能であるか否かについて判定する。一方、第2制御手段4は、t<t1でないと判定すると、ステップS314に進み、炊飯部1の分離によってエラーが生じたため炊飯を中止する旨を第2報知手段47で報知して使用者に知らせる。そして、第2制御手段4は、ステップS315に進み、加熱調理を停止させる。その後、第2制御手段4は、ステップS308に進み、炊飯中に炊飯部1が誘導加熱調理部2から分離された回数を加算して記憶する。なお、ステップS314では、第1制御手段3が、第1報知手段37を報知させてもよい。
したがって、実施の形態3の炊飯器100は、炊飯部1が誘導加熱調理部2から分離されたことを第1報知手段37又は第2報知手段47で報知して、使用者に注意喚起を行うことができるので、使用者が炊飯中に炊飯部1を誤って持ち上げることに起因する炊飯不良を未然に防止することができる。
また、実施の形態3の炊飯器100は、載置検知手段5の検知情報に基づき、炊飯部1が誘導加熱調理部2から分離された回数を加算して記憶する記憶手段30又は40を有し、記憶手段30又は40が記憶した回数が、予め設定した設定回数に到達したと判定すると第1報知手段37又は第2報知手段47を報知させる。よって、この炊飯器100は、炊飯部1を誘導加熱調理部2から繰り返し分離させる使用者に対して注意喚起を行うので、使用者が炊飯中に炊飯部1を誤って持ち上げることに起因する炊飯不良を未然に防止する効果を高めることができる。
なお、図6に示すフローチャートでは、ステップS303とステップS304の組と、ステップS309とステップS310の組のうち、どちらか一方を省略してもよい。
また、炊飯部1が誘導加熱調理部2に載置されているか否かを検知する載置検知手段5は、第1制御手段3と第2制御手段4とが、第1通信手段32と第2通信手段42とを介して互いに通信可能であるか否かについて判定することに限定されない。載置検知手段5は、上記した他の形態で実施してもよい。
また、実施の形態3に係る炊飯器100は、上記実施の形態2で説明した構成の特徴を組み合わせてもよい。
実施の形態4.
次に、本発明の実施の形態4に係る炊飯器100を、図7に基づいて説明する。図7は、本発明の実施の形態4に係る炊飯器の制御動作を説明するフローチャートである。なお、実施の形態1で説明した炊飯器100と同一の構成については、同一の符号を付して、その説明を適宜省略する。
実施の形態4に係る炊飯器100では、上記実施の形態1の炊飯器100の制御動作に加えて、載置検知手段5の検知情報に基づき、炊飯部1が誘導加熱調理部2から分離され、再び炊飯部1が誘導加熱調理部2に載置されるまでの時間を計時手段31又は41で計測する。第2制御手段4は、計時手段31又は41で計測した時間に基づいて加熱調理の制御指令を行う構成である。
以下に、実施の形態4に係る炊飯器100の制御動作を、図1〜図3を参照しつつ図7に示すフローチャートに基づいて説明する。実施の形態4に係る炊飯器100の制御動作は、炊飯部1を誘導加熱調理部2に載置させた状態で実行される。
先ず、ステップS401において、使用者が電源を投入し、第1入力操作手段33を操作して米種及びメニューを選択すると共に、第1入力操作手段33に設けられた炊飯キーをONにする。すると、ステップS402において、第1制御手段3が通信手段を介して第2制御手段4と通信を行い、ステップS401で操作された第1入力操作手段33の入力情報に基づき、第2制御手段4が誘導加熱コイル45に制御指令を出力して炊飯工程を開始する。
ステップS403において、第1制御手段3と第2制御手段4とが、第1通信手段32と第2通信手段42とを介して互いに通信可能であるか否かについて判定する。第2制御手段4は、第1制御手段3と通信可能であると判定すると、炊飯部1が誘導加熱調理部2の上面に載置されていると判断し、ステップS404に進む。一方、第2制御手段4は、第1制御手段3と通信可能でないと判定すると、炊飯部1が誘導加熱調理部2から分離されていると判断し、ステップS406に進む。
ステップS404において、第2制御手段4は、誘導加熱コイル45に制御指令を出力して炊飯を継続して行う。そして、ステップS405において、第2制御手段4は、第1入力操作手段33の入力情報に基づき、炊飯が完了したか否かの判定を行う。第2制御手段4は、ステップS405において、炊飯が完了したと判定すると、炊飯工程を終了する。一方、第2制御手段4は、ステップS405において、炊飯が完了していないと判定すると、ステップS403に戻り、第1制御手段3と通信可能であるか否かについて再び判定を行う。
ステップS406において、第2制御手段4は、第2報知手段47を報知させて、炊飯部1が誘導加熱調理部2から分離されている事態を使用者に知らせるとともに、分離した時間tを計測する。なお、ステップS406では、第1制御手段3が、第1報知手段37を報知させてもよい。
ステップS407において、第2制御手段4は、第1制御手段3と通信可能であるか否かについて再び判定する。第2制御手段4は、ステップS407において、第1制御手段3と通信可能であると判定するとステップS408に進む。第2制御手段4は、ステップS407において、第1制御手段3と通信可能でないと判定するとステップS410に進む。
ステップS408において、第2制御手段4は、炊飯部1が誘導加熱調理部2から分離された時間tが、予め設定した第2目標時間t2との関係において、t<t2であるか否かについて判定する。第2目標時間t2とは、炊飯中のお米をリカバリー制御する必要があるか基準となる時間である。炊飯器では、炊飯工程が中断された状態で時間が経過すると、お米が水を多く吸収してしまい、必要となる水の量が少なくなる。この状態で、炊飯工程を再開すると、お米が乾燥してしまい上手に炊けない虞がある。そのため、計時手段31又は41で計測した時間に基づいて、誘導加熱コイル45の加熱量を抑えたり、加熱調理時間を短くしたりする等のリカバリー制御を行う必要がある。
ステップS408において、第2制御手段4は、t<t2であると判定すると、ステップS404に進み、誘導加熱コイル45に制御指令を出力して炊飯を継続して行う。一方、第2制御手段4は、t<t2でないと判定すると、ステップS409に進み、計時手段31又は41で計測した時間に基づいて加熱調理の制御指令を行う(リカバリー制御)。そして、第2制御手段4は、リカバリー制御を行った後、ステップS404に進み、炊飯を継続して行う。
ステップS410において、第2制御手段4は、炊飯部1が誘導加熱調理部2から分離された時間tが、予め設定した第1目標時間t1との関係において、t<t1であるか否かについて判定する。第1目標時間t1とは、炊飯部1が誘導加熱調理部2から分離されることによって、炊飯中のお米が炊飯不良を起こすか否か基準となる時間である。なお、第1目標時間t1>第2目標時間t2である。第2制御手段4は、t<t1であると判定すると、ステップS407に戻り、第1制御手段3と通信可能であるか否かについて判定する。一方、第2制御手段4は、t<t1でないと判定すると、ステップS411に進み、炊飯部1の分離によってエラーが生じたため炊飯を中止する旨を第2報知手段47で報知して使用者に知らせる。そして、第2制御手段4は、ステップS412に進み、加熱調理を停止させて炊飯工程を終了する。なお、ステップS411では、第1制御手段3が、第1報知手段37を報知させてもよい。
したがって、実施の形態4の炊飯器100は、炊飯部1が誘導加熱調理部2から分離されたことを第1報知手段37又は第2報知手段47で報知して、使用者に注意喚起を行うことができるので、使用者が炊飯中に炊飯部1を誤って持ち上げることに起因する炊飯不良を未然に防止することができる。
また、実施の形態4の炊飯器100は、計時手段31又は41で計測した時間に基づいて、加熱調理の制御指令を行うので、炊飯工程が中断されても、誘導加熱コイル45の加熱量を抑えたり、加熱調理時間を短くしたりする等のリカバリー制御で、炊飯不良を防止することができる。
なお、炊飯部1が誘導加熱調理部2に載置されているか否かを検知する載置検知手段5は、第1制御手段3と第2制御手段4とが、第1通信手段32と第2通信手段42とを介して互いに通信可能であるか否かについて判定することに限定されない。載置検知手段5は、上記した他の形態で実施してもよい。
また、実施の形態4に係る炊飯器100は、上記実施の形態2及び3で説明した構成の特徴を組み合わせてもよい。
実施の形態5.
次に、実施の形態5に係る炊飯器100の制御動作を、図1〜図3を参照しつつ図8に示すフローチャートに基づいて説明する。なお、実施の形態1で説明した炊飯器100と同一の構成については、同一の符号を付して、その説明を適宜省略する。
実施の形態5に係る炊飯器100の制御動作は、炊飯部1を誘導加熱調理部2に載置させた状態で実行される。先ず、ステップS501において、使用者が電源を投入し、第1入力操作手段33を操作して米種及びメニューを選択すると共に、第1入力操作手段33に設けられた炊飯キーをONにする。すると、ステップS502において、第1制御手段3が通信手段を介して第2制御手段4と通信を行い、ステップS501で操作された第1入力操作手段33の入力情報に基づき、第2制御手段4が誘導加熱コイル45に制御指令を出力して炊飯工程を開始する。
ステップS503において、第1制御手段3と第2制御手段4とが、第1通信手段32と第2通信手段42とを介して互いに通信可能であるか否かについて判定する。第2制御手段4は、第1制御手段3と通信可能であると判定すると、炊飯部1が誘導加熱調理部2の上面に載置されていると判断し、ステップS504に進む。一方、第2制御手段4は、第1制御手段3と通信可能でないと判定すると、炊飯部1が誘導加熱調理部2から分離されていると判断し、ステップS506に進む。
ステップS504において、第2制御手段4は、誘導加熱コイル45に制御指令を出力して炊飯を継続して行う。そして、ステップS505において、第2制御手段4は、第1入力操作手段33の入力情報に基づき、炊飯が完了したか否かの判定を行う。第2制御手段4は、ステップS505において、炊飯工程が完了したと判定すると、炊飯を終了する。一方、第2制御手段4は、ステップS505において、炊飯が完了していないと判定すると、ステップS503に戻り、第1制御手段3と通信可能であるか否かについて再び判定を行う。
ステップS506において、第2制御手段4は、第2報知手段47を報知させて、炊飯部1が誘導加熱調理部2から分離されている事態を使用者に知らせるとともに、分離した時間tを計測する。なお、ステップS506では、第1制御手段3が、第1報知手段37を報知させてもよい。
ステップS507において、第2制御手段4は、第2温度検知手段46が検知した温度Tが、予め設定した温度T1との関係において、T1≦Tであるか否かについて判定する。温度T1とは、炊飯部1を誘導加熱調理部2から分離しても、その後に炊飯部1を誘導加熱調理部2に載置して炊飯工程を継続できるか否か基準となる温度である。具体的には、温度T1は、内釜12の温度がそれほど高くなく、お米が水を吸収するに至っていない温度である。第2温度検知手段46が検知した温度Tが温度T1よりも高いと、既にお米が水を吸収し始めている。この状態で炊飯部1を誘導加熱調理部2から分離してしまうと、その後に炊飯部1を誘導加熱調理部2に載置しても、炊飯不良を起こしてしまうことによる。なお、温度Tは、第1温度検知手段36が検知した温度でもよい。
ステップS507において、第2制御手段4は、T1≦Tであると判定すると、ステップS508に進み、炊飯部1の分離によってエラーが生じたため炊飯を中止する旨を報知手段で報知させた後、ステップS509に進み、加熱調理を停止させて炊飯工程を終了する。一方、第2制御手段4は、T1≦Tでないと判定すると、ステップS510に進む。
ステップS510において、第2制御手段4は、第1制御手段3と通信可能であるか否かについて再び判定する。第2制御手段4は、ステップS510において、第1制御手段3と通信可能であると判定するとステップS511に進む。第2制御手段4は、ステップS510において、第1制御手段3と通信可能でないと判定するとステップS513に進む。
ステップS511において、第2制御手段4は、炊飯部1が誘導加熱調理部2から分離された時間tが、予め設定した第2目標時間t2との関係において、t<t2であるか否かについて判定する。第2目標時間t2とは、炊飯中のお米をリカバリー制御する必要があるか基準となる時間である。炊飯器では、炊飯工程が中断された状態で時間が経過すると、お米が水を多く吸収してしまい、必要となる水の量が少なくなる。この状態で、炊飯工程を再開すると、お米が乾燥してしまい上手に炊けない虞がある。そのため、計時手段31又は41で計測した時間に基づいて、誘導加熱コイル45の加熱量を抑えたり、加熱調理時間を短くしたりする等のリカバリー制御を行う必要がある。
ステップS511において、第2制御手段4は、t<t2であると判定すると、ステップS504に進み、誘導加熱コイル45に制御指令を出力して炊飯を継続して行う。一方、第2制御手段4は、t<t2でないと判定すると、ステップS512に進み、計時手段31又は41で計測した時間に基づいて加熱調理の制御指令を行う(リカバリー制御)。そして、第2制御手段4は、リカバリー制御を行った後、ステップS504に進み、炊飯を継続して行う。
ステップS513において、第2制御手段4は、炊飯部1が誘導加熱調理部2から分離された時間tが、予め設定した第1目標時間t1との関係において、t<t1であるか否かについて判定する。第1目標時間t1とは、炊飯部1が誘導加熱調理部2から分離されることによって、炊飯中のお米が炊飯不良を起こすか否か基準となる時間である。なお、第1目標時間t1>第2目標時間t2である。第2制御手段4は、t<t1であると判定すると、ステップS510に戻り、第1制御手段3と通信可能であるか否かについて判定する。一方、第2制御手段4は、t<t1でないと判定すると、ステップS514に進み、炊飯部1の分離によってエラーが生じたため炊飯を中止する旨を第2報知手段47で報知して使用者に知らせる。そして、第2制御手段4は、ステップS515に進み、加熱調理を停止させて炊飯工程を終了する。なお、ステップS514では、第1制御手段3が、第1報知手段37を報知させてもよい。
したがって、実施の形態5の炊飯器100は、炊飯部1が誘導加熱調理部2から分離されたことを第1報知手段37又は第2報知手段47で報知して、使用者に注意喚起を行うことができるので、使用者が炊飯中に炊飯部1を誤って持ち上げることに起因する炊飯不良を未然に防止することができる。
また、実施の形態5の炊飯器100は、計時手段31又は41で計測した時間に基づいて、加熱調理の制御指令を行うので、炊飯工程が中断されても、誘導加熱コイル45の加熱量を抑えたり、加熱調理時間を短くしたりする等のリカバリー制御で、炊飯不良を防止することができる。
なお、炊飯部1が誘導加熱調理部2に載置されているか否かを検知する載置検知手段5は、第1制御手段3と第2制御手段4とが、第1通信手段32と第2通信手段42とを介して互いに通信可能であるか否かについて判定することに限定されない。載置検知手段5は、上記した他の形態で実施してもよい。
また、実施の形態5に係る炊飯器100は、上記実施の形態2及び3で説明した構成の特徴を組み合わせてもよい。
実施の形態6.
次に、本発明の実施の形態6に係る炊飯器110を、図9及び図10に基づいて説明する。図9は、本発明の実施の形態6に係る炊飯器の制御構成を示したブロック図である。図10は、本発明の実施の形態6に係る炊飯器の制御動作を説明するフローチャートである。なお、実施の形態1で説明した炊飯器100と同一の構成については、同一の符号を付して、その説明を適宜省略する。
実施の形態6に係る炊飯器110では、図9に示すように、炊飯部1の振動を検知する振動検知手段6を備えていることを特徴としている。第1制御手段3は、第1入力操作手段33によって炊飯条件を入力する操作が行われた後に、振動検知手段6の検知情報に基づいて、炊飯部1が振動している判定すると、第1報知手段37を報知させる。
振動検知手段6は、例えば加速度センサ等から成り、炊飯部1のハンドルに取り付けられている。振動検知手段6で検知した情報は、第1制御手段3に入力される。なお、振動検知手段6は、炊飯部1のハンドルに取り付ける構成に限定されず、炊飯部1の他の部分に設けてもよいし、誘導加熱調理部2に設けてもよい。
以下に、実施の形態6に係る炊飯器110の制御動作を、図1、図2及び図9を参照しつつ、図10に示すフローチャートに基づいて説明する。この炊飯器110の制御動作は、炊飯部1を誘導加熱調理部2に載置させた状態で実行される。
先ず、ステップS601において、使用者が電源を投入し、第1入力操作手段33を操作して米種及びメニューを選択すると共に、第1入力操作手段33に設けられた炊飯キーをONにする。すると、ステップS602において、第1制御手段3が通信手段を介して第2制御手段4と通信を行い、ステップS601で操作された第1入力操作手段33の入力情報に基づき、第2制御手段4が誘導加熱コイル45に制御指令を出力して炊飯工程を開始する。
ステップS603において、第1制御手段3は、振動検知手段6の検知情報に基づいて、炊飯部1が振動しているか否かについて判定する。第1制御手段3は、炊飯部1が振動していないと判定すると、ステップS604に進む。一方、第1制御手段3は、炊飯部1が振動していると判定すると、使用者が炊飯部1を誘導加熱調理部2から分離しようとしていると判断し、ステップS606に進む。
ステップS604において、第2制御手段4は、誘導加熱コイル45に制御指令を出力して炊飯を継続して行う。そして、ステップS605において、第2制御手段4は、当該炊飯が完了したか否かの判定を行う。第2制御手段4は、ステップS605において、第1入力操作手段33の入力情報に基づき、炊飯が完了したと判定すると、炊飯工程を終了する。一方、第2制御手段4は、ステップS605において、炊飯が完了していないと判定すると、ステップS603に戻り、炊飯部1が振動しているか否かについての判定を再び行う。
ステップS606において、第1制御手段3は、第1報知手段37を報知させて、炊飯部1が誘導加熱調理部2から分離されている事態を使用者に注意喚起する。なお、ステップS606では、第2制御手段4が、第2報知手段47を報知させてもよい。
ステップS607において、第2制御手段4は、第1制御手段3と通信可能であるか否かについて判定する。第2制御手段4は、第1制御手段3と通信可能であると判定すると、炊飯部1が誘導加熱調理部2の上面に載置されていると判断し、ステップS604に進んで、誘導加熱コイル45に制御指令を出力して炊飯を継続して行う。一方、第2制御手段4は、第1制御手段3と通信可能でないと判定すると、炊飯部1が誘導加熱調理部2から分離されていると判断し、ステップS608に進む。
ステップS608において、第2制御手段4は、炊飯部1を分離した時間tを計測する。
ステップS609において、第2制御手段4は、第1制御手段3と通信可能であるか否かについて再び判定する。第2制御手段4は、第1制御手段3と通信可能であると判定すると、炊飯部1が誘導加熱調理部2の上面に載置されていると判断し、ステップS604に進み、誘導加熱コイル45に制御指令を出力して炊飯を継続して行う。一方、第2制御手段4は、第1制御手段3と通信可能でないと判定すると、炊飯部1が誘導加熱調理部2から分離されていると判断し、ステップS610に進む。
ステップS610において、第2制御手段4は、炊飯部1が誘導加熱調理部2から分離された時間tが、予め設定した第1目標時間t1との関係において、t<t1であるか否かについて判定する。第1目標時間t1とは、炊飯部1が誘導加熱調理部2から分離されることによって、炊飯中のお米が炊飯不良を起こすか否か基準となる時間である。第2制御手段4は、t<t1であると判定すると、ステップS609に戻り、第1制御手段3と通信可能であるか否かについて再び判定する。一方、第2制御手段4は、t<t1でないと判定すると、ステップS611に進み、炊飯部1の分離によってエラーが生じたため炊飯を中止する旨を第2報知手段47で報知して使用者に知らせる。そして、第2制御手段4は、ステップS612に進み、加熱調理を停止させて炊飯工程を終了する。なお、ステップS611では、第1制御手段3が、第1報知手段37を報知させてもよい。
したがって、実施の形態6の炊飯器110は、炊飯部1が誘導加熱調理部2から分離されたことを第1報知手段37又は第2報知手段47で報知して、使用者に注意喚起を行うことができるので、使用者が炊飯中に炊飯部1を誤って持ち上げることに起因する炊飯不良を未然に防止することができる。
また、実施の形態6の炊飯器110は、第1入力操作手段33によって炊飯条件を入力する操作が行われた後に、振動検知手段6の検知情報に基づいて、炊飯部1が振動している判定すると、第1報知手段37又は第2報知手段47を報知させるので、使用者が炊飯中に炊飯部1を誤って持ち上げることに起因する炊飯不良を防止する効果を高めることができる。
なお、炊飯部1が誘導加熱調理部2に載置されているか否かを検知する載置検知手段5は、第1制御手段3と第2制御手段4とが、第1通信手段32と第2通信手段42とを介して互いに通信可能であるか否かについて判定することに限定されない。載置検知手段5は、上記した他の形態で実施してもよい。
また、実施の形態6に係る炊飯器100では、上記実施の形態2〜5で説明した構成の特徴を組み合わせてもよい。
実施の形態7.
次に、本発明の実施の形態7に係る炊飯器120を、図11〜図13に基づいて説明する。図11は、本発明の実施の形態7に係る炊飯器の内部構造を模式的に示した縦断面図である。図12は、本発明の実施の形態7に係る炊飯器の制御構成を示したブロック図である。図13は、本発明の実施の形態7に係る炊飯器の制御動作を説明するフローチャートである。なお、実施の形態1で説明した炊飯器100と同一の構成については、同一の符号を付して、その説明を適宜省略する。
実施の形態7に係る炊飯器120は、図11及び図12に示すように、実施の形態1に係る炊飯器100の構造に加えて、誘導加熱調理部2が加熱調理を開始すると、炊飯部1と誘導加熱調理部2とが分離できないように固定するロック機構7を備えていることを特徴としている。
ロック機構7は、一例としてロック体70と、ソレノイド71と、を備えている。ロック体70は、誘導加熱調理部2の前後方向において変位する棒状の部材である。ソレノイド71は、ロック体70を誘導加熱調理部2の前後方向において進退させるものである。ロック機構7は、ソレノイド71が通電されると、ロック体70が前進し、炊飯部1の本体部10に設けられた挿入孔に差し込まれる。その結果、炊飯部1は、誘導加熱調理部2から分離できないようにロック機構7によって固定される。一方、ロック機構7は、ソレノイド71の通電が解除されると、ロック体70が後退し、誘導加熱調理部2の内部に収納される。その結果、炊飯部1は、ロック機構7が解除されて誘導加熱調理部2から分離させることができる。
なお、ロック機構7は、図示した形態に限定されない。ロック機構7は、誘導加熱調理部2が加熱調理を開始すると、炊飯部1と誘導加熱調理部2とが分離できないように固定する構成であれば、他の構成でもよい。
以下に、実施の形態7に係る炊飯器120の制御動作を、図1、図11及び図12を参照しつつ、図13に示すフローチャートに基づいて説明する。この炊飯器120の制御動作は、炊飯部1を誘導加熱調理部2に載置させた状態で実行される。
先ず、ステップS701において、使用者が電源を投入し、第1入力操作手段33を操作して米種及びメニューを選択する。そして、ステップS702において、使用者が第1入力操作手段33に設けられた炊飯キーをONにする。すると、ステップS703において、第1制御手段3が第2制御手段4と通信手段を介して通信を行い、第2制御手段4がロック機構7を作動させて、炊飯部1と誘導加熱調理部2とが分離できないように固定する。
ステップS704において、第1制御手段3が通信手段を介して第2制御手段4と通信を行い、ステップS701で操作された第1入力操作手段33の入力情報に基づき、第2制御手段4が誘導加熱コイル45に制御指令を出力して炊飯工程を開始する。
ステップS705において、第1制御手段3は、使用者によって第1入力操作手段33に設けられた取消キーが操作されたか否かの判定を行う。取消キーとは、炊飯工程を中止させるための入力ボタンである。第1制御手段3は、第1入力操作手段33の取消キーがONでないと判定すると、ステップS706に進む。一方、第1制御手段3は、第1入力操作手段33の取消キーがONである判定すると、ステップS709に進む。
ステップS706において、第2制御手段4は、誘導加熱コイル45に制御指令を出力して炊飯を継続して行う。そして、ステップS707において、第2制御手段4は、第1入力操作手段33に基づいて、炊飯が完了したか否かの判定を行う。第2制御手段4は、ステップS707において、炊飯が完了したと判定すると炊飯工程を終了し、ステップS708に進む。一方、第2制御手段4は、ステップS707において、炊飯が完了していないと判定すると、ステップS705に戻り、使用者によって第1入力操作手段33に設けられた取消キーが操作されたか否かの判定を再び行う。
ステップS708において、第2制御手段4は、ロック機構7を解除して、炊飯部1を誘導加熱調理部2から分離できる状態にする。
ステップS709において、第1制御手段3は、第1入力操作手段33に設けられた取消キーを操作された情報を、通信手段を介して第2制御手段4に送信する。そして、第2制御手段4は、炊飯工程を中止し、ステップS708において、ロック機構7を解除して、炊飯部1を誘導加熱調理部2から分離できる状態にする。
したがって、実施の形態7の炊飯器120は、第1入力操作手段33によって炊飯条件を入力する操作が行われた後に、ロック機構7を作動させて、炊飯部1と誘導加熱調理部2とが分離できないように固定するので、使用者が炊飯中に炊飯部1を誤って持ち上げることに起因する炊飯不良を未然に防止することができる。
以上に本発明を実施の形態に基づいて説明したが、本発明は上述した実施の形態の構成に限定されるものではない。例えば、図示した炊飯器の構成は、一例であって、上述した内容に限定されるものではなく、他の構成要素を含んだ炊飯器であっても同様に実施することができる。また、上記実施の形態では、報知手段として音声による報知とした構成について説明したが、この限りではない。例えば、報知手段は、表示手段に文字、図形、記号等を表示して使用者に報知する構成でもよいし、音声と表示とを組み合わせて報知してもよい。要するに、いわゆる当業者が必要に応じてなす種々なる変更、応用、利用の範囲をも本発明の要旨(技術的範囲)に含むことを念のため申し添える。