JP2019041873A - 内視鏡用接着剤及びその硬化物、並びに内視鏡及びその製造方法 - Google Patents

内視鏡用接着剤及びその硬化物、並びに内視鏡及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2019041873A
JP2019041873A JP2017165920A JP2017165920A JP2019041873A JP 2019041873 A JP2019041873 A JP 2019041873A JP 2017165920 A JP2017165920 A JP 2017165920A JP 2017165920 A JP2017165920 A JP 2017165920A JP 2019041873 A JP2019041873 A JP 2019041873A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
adhesive
endoscope
epoxy resin
imidazole compound
curing agent
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2017165920A
Other languages
English (en)
Inventor
俊英 芳谷
Shunei Yoshitani
俊英 芳谷
和史 古川
Kazufumi Furukawa
和史 古川
中井 義博
Yoshihiro Nakai
義博 中井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Corp
Original Assignee
Fujifilm Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujifilm Corp filed Critical Fujifilm Corp
Priority to JP2017165920A priority Critical patent/JP2019041873A/ja
Publication of JP2019041873A publication Critical patent/JP2019041873A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Endoscopes (AREA)
  • Epoxy Resins (AREA)
  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)
  • Instruments For Viewing The Inside Of Hollow Bodies (AREA)

Abstract

【課題】部材の固定化に用いた状態でオートクレーブ、EOG、過酸化水素プラズマ等による滅菌処理に付しても十分な接着力を維持することができる内視鏡用接着剤、及びその硬化物を提供する。また、滅菌処理に付しても性能の低下を生じにくい内視鏡及びその製造方法を提供する。【解決手段】主剤と硬化剤とを有する2液型の内視鏡用接着剤であって、主剤がビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂及びフェノールノボラック型エポキシ樹脂のうちの少なくとも1種のエポキシ樹脂を含み、硬化剤がイミダゾール化合物を含む内視鏡用接着剤及びその硬化物、並びに硬化物を用いた内視鏡及びその製造方法。【選択図】図1

Description

本発明は、内視鏡用接着剤及びその硬化物、並びに内視鏡及びその製造方法に関する。
人体の体腔内を観察するための内視鏡は繰り返し使用される。そのため、内視鏡の挿入部を構成する可撓管は使用のたびに洗浄され、また薬品を用いて消毒される。特に気管支等の感染可能性の高い部位に挿入する場合には、消毒を越える滅菌レベルの清浄性が求められる。したがって、内視鏡には、オートクレーブ、エチレンオキサイドガス(EOG)、過酸化水素プラズマ等による滅菌処理の繰り返しにも耐える高度な耐久性が求められる。
内視鏡の挿入部は、口腔ないし鼻腔を通して体腔内に挿入される。挿入時における患者の異物感および痛みを軽減するため、内視鏡の挿入部をより細径化することが望まれる。そのため、挿入部を構成する部材の結合に、ネジ、ビス等の嵩張る部材に代えて、主として接着剤が用いられている。
接着剤のなかでもエポキシ系接着剤は作業性に優れ、また硬化物の接着性、電気特性、耐熱性、耐湿性等にも優れるため、種々の分野において使用されている。また、エポキシ系接着剤の特性を改善する技術も報告されている。
例えば特許文献1には、エポキシ樹脂とジオール化合物と錫触媒とを所定量混合し、加熱することによりエポキシ基を開環するとともに、この開環により生じた水酸基とジオール化合物とを反応させてエポキシ樹脂を変性させること、この変性エポキシ樹脂と硬化剤等を含む接着剤組成物は貯蔵安定性が高く、接着力にも優れることが記載されている。
また、特許文献2には、エポキシ樹脂と、硬化剤として特定構造のイミダゾール化合物とを用いた組成物が、硬化剤と溶媒との相溶性に優れ、また金属材料等に対する接着力にも優れることが記載されている。
また、特許文献3には、媒体としてケトン系溶剤を用い、また硬化剤としてジシアンジアミド紛体を、硬化助剤としてイミダゾール化合物を用いたエポキシ系接着剤が、接着力に優れることが記載されている。
また、特許文献4には、特定構造のエポキシ樹脂を採用し、このエポキシ樹脂とイミダゾール系硬化剤とを混合した組成物が、低温領域で低い弾性率を示す硬化物を与えることが記載されている。
さらに、特許文献5には、エポキシ樹脂と、特定の反応性基を有するグラフト共重合体とを併用した硬化性樹脂組成物が記載され、この組成物が経時的な粘度上昇が生じにくく、また接着強度に優れ、その硬化物は耐衝撃性にも優れることが記載されている。
特開2013−23668号公報 特開2017−100984号公報 特開2011−26457号公報 特開2014−201639号公報 特開2013−95786号公報
上記のように、内視鏡には、その構成部材を固定等するために接着剤が多用される。しかし、従来の接着剤を用いて固定、接着等した部分は一般に、上記滅菌処理により接着剤硬化物が分解等して劣化(接着力の低下等)しやすい。この接着部分の劣化は内視鏡の性能低下を引き起こす。上記特許文献1〜5には、エポキシ系接着剤の改良に係る技術が記載されているが、これらの接着剤を内視鏡に用いることは記載されておらず、接着剤の内視鏡への適用と、内視鏡に対しての厳しい条件下での滅菌処理と接着剤との関係については知られていない。
本発明は、内視鏡の構成部材を固定するのに好適な内視鏡用接着剤であって、部材の固定化に用いた状態(硬化物の状態)でオートクレーブ、EOG、過酸化水素プラズマ等による滅菌処理に付しても十分な接着力を維持することができる内視鏡用接着剤、及びその硬化物を提供することを課題とする。また、本発明は、上記滅菌処理に付しても性能の低下を生じにくい内視鏡及びその製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らは上記課題に鑑み鋭意検討を重ねた結果、エポキシ系接着剤において、主剤のエポキシ樹脂と組合せる硬化剤の硬化成分としてイミダゾール化合物を採用することにより、この接着剤を硬化させた硬化物が、オートクレーブ滅菌処理に付しても、EOG滅菌処理に付しても、また過酸化水素プラズマ滅菌処理に付しても、その接着作用を十分に維持できること、すなわち、内視鏡の部材の固定に用いても内視鏡の性能低下を生じにくい特性を有することを見出した。本発明はこれらの知見に基づきさらに検討を重ね、完成されるに至ったものである。
上記の課題は以下の手段により解決された。
〔1〕
主剤と硬化剤とを有する2液型の内視鏡用接着剤であって、
上記主剤がビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂及びフェノールノボラック型エポキシ樹脂のうちの少なくとも1種のエポキシ樹脂を含み、上記硬化剤がイミダゾール化合物を含む、内視鏡用接着剤。
〔2〕
上記イミダゾール化合物が下記式(I)で表されるイミダゾール化合物を含む、〔1〕記載の内視鏡用接着剤。
Figure 2019041873

式中、Rは水素原子又はアルキル基を示す。R、R及びRは水素原子、アルキル基又はアリール基を示す。
〔3〕
上記イミダゾール化合物が、イミダゾール、1-メチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾリウム・トリメリテート、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−メチルイミダゾリウム・イソシアヌレート、2,4−ジアミノ−6−[2−(2−メチル−1−イミダゾリル)エチル]−S−トリアジン、及び2−フェニルイミダゾリウム・イソシアヌレートのうちの少なくとも1種のイミダゾール化合物を含む、〔1〕記載の内視鏡用接着剤。
〔4〕
上記主剤を構成するエポキシ樹脂100質量部に対し上記硬化剤を構成する上記イミダゾール化合物を1〜15質量部として上記主剤と上記硬化剤とを混合して用いる、〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の内視鏡用接着剤。
〔5〕
上記主剤を構成するエポキシ樹脂が未変性エポキシ樹脂である、〔1〕〜〔4〕のいずれか記載の内視鏡用接着剤。
〔6〕
上記接着剤に含まれる硬化成分に占めるイミダゾール化合物の割合が50質量%以上である、〔1〕〜〔5〕のいずれか記載の内視鏡用接着剤。
〔7〕
〔1〕〜〔6〕のいずれか記載の内視鏡用接着剤を硬化してなる硬化物。
〔8〕
〔7〕に記載の硬化物により構成部材が固定された内視鏡。
〔9〕
〔1〕〜〔6〕のいずれか記載の内視鏡用接着剤を用いて構成部材を固定することを含む、内視鏡の製造方法。
本発明の説明において「〜」とは、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用される。
本発明において、特定の符号で示された置換基、連結基等(以下、置換基等という)が複数あるとき、又は複数の置換基等を同時若しくは択一的に規定するときには、それぞれの置換基等は互いに同一でも異なっていてもよいことを意味する。また、特に断らない場合であっても、複数の置換基等が隣接するときにはそれらが互いに連結又は縮環して環を形成していてもよい意味である。
本発明の説明において、ある基の炭素数を規定する場合、この炭素数は、基全体の炭素数を意味する。つまり、この基がさらに置換基を有する形態である場合、この置換基を含めた全体の炭素数を意味する。
本発明の内視鏡用接着剤は、部材との接着に用いた状態で、オートクレーブ、EOG、過酸化水素プラズマ等による滅菌処理に繰り返し付されても優れた接着性を維持することができる。したがって、本発明の内視鏡用接着剤は内視鏡の構成部材を固定する用途に好適である。また、本発明の接着剤の硬化物は、オートクレーブ、EOG、過酸化水素プラズマ等による滅菌処理に繰り返し付されても十分な接着力を維持することができる。したがって、この硬化物を構成部材の固定化材として有する本発明の内視鏡もまた、上記各滅菌処理による性能の劣化が抑えられる。本発明の内視鏡の製造方法によれば、上記各滅菌処理に付しても性能の劣化を生じにくい内視鏡を得ることができる。
本発明の内視鏡の一実施形態の構成を示す外観図である。 図1に示す内視鏡の挿入部の構成を示す部分断面図である。 上記挿入部の先端部の外観斜視図である。 上記先端部の一部切り欠き部分断面図である。レンズ及びプリズムの断面を示すハッチングは省略した。
[内視鏡用接着剤]
本発明の内視鏡用接着剤の好ましい実施形態について説明する。
本発明の内視鏡用接着剤は、主剤と硬化剤とを別々の製剤として含む2液型の接着剤である。主剤はビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂及びフェノールノボラック型エポキシ樹脂のうちの少なくとも1種のエポキシ樹脂を含み、硬化剤はイミダゾール化合物を含む。すなわち、本発明の接着剤はいわゆる2液型のエポキシ系接着剤として分類されるものである。本発明において2液型の「液」は、流動性を有することを意味し、その粘度に制限はない。水のような状態からそれよりも粘性の高い状態を含む意味である。
また、本発明の内視鏡用接着剤は、内視鏡を構成する各種の部材(内視鏡構成部材)を固定するために用いられる。本発明の内視鏡用接着剤を用いて固定される部材に特に制限はなく、好ましくは金属部材、ガラス部材、樹脂部材等を挙げることができる。内視鏡構成部材の「固定」は、内視鏡構成部材を、内視鏡を構成する別の部材(支持部材)と接着することにより行われる。なお、支持部材は内視鏡の管壁等又は管壁等に固定された非可動部材であってもよく、チューブのように内視鏡内における相対的な位置が移動しうる部材であってもよい。また、本発明において「固定」との用語は、内視鏡構成部材と、この部材が組み込まれる支持部材との間の空間を接着剤の硬化物で埋めること、すなわち封止することを含む意味に用いる。
以下、「内視鏡用接着剤」を単に「接着剤」とも称す。
本発明の接着剤は、内視鏡構成部材を内視鏡の別の構成部材と接着し、これにより内視鏡の構成部材を内視鏡の別の構成部材に固定するために用いられる。内視鏡構成部材の固定に用いた接着剤は硬化物となって内視鏡の接着部を構成する。本発明の接着剤を硬化してなる硬化物は、オートクレーブ、EOG、過酸化水素プラズマ等による滅菌処理に付されても十分な接着力を維持することができる。したがって、本発明の接着剤を用いて製造した内視鏡は、上記滅菌処理に繰り返し付されても、性能の劣化が効果的に抑えられる。この理由は明らかではないが、次のように推定される。
すなわち、イミダゾール化合物はエポキシ樹脂のアニオン重合プロセスの触媒として作用し、硬化物の架橋構造部にはエーテル結合が形成されるが、このエーテル結合は反応性に乏しく、EOG、過酸化水素等と接触しても架橋構造を安定に保つことができること、また、エポキシ基のアニオン重合により形成される架橋構造が緻密で剛直であり、高温、高湿環境でも軟化しにくいことなどが、各種滅菌処理に対する耐久性が高められる一因と考えられる。
<主剤>
本発明の接着剤を構成する主剤は、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂及びフェノールノボラック型エポキシ樹脂のうちの少なくとも1種のエポキシ樹脂を含む。すなわち、本発明の主剤には、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂及びフェノールノボラック型エポキシ樹脂から選ばれるエポキシ樹脂を1種含んでもよいし、2種以上含んでもよい。
本発明に用い得るビスフェノールA型エポキシ樹脂は特に制限されず、エポキシ系接着剤の主剤として一般的に用いられるものを広く用いることができる。好ましい具体例として、ビスフェノールAジグリシジルエーテル(jER825、jER828及びjER834(いずれも商品名)、三菱化学社製)及びビスフェノールAプロポキシレートジグリシジルエーテル(シグマアルドリッチ社製)が挙げられる。
本発明に用いられるビスフェノールF型エポキシ樹脂は特に制限されず、エポキシ系接着剤の主剤として一般的に用いられるものを広く用いることができる。好ましい具体例として、ビスフェノールFジグリシジルエーテル(商品名:EPICLON830、DIC社製)及び4,4’−メチレンビス(N,N−ジグリシジルアニリン)が挙げられる。
本発明の接着剤に用いられるフェノールノボラック型エポキシ樹脂は特に制限されず、エポキシ系接着剤の主剤として一般的に用いられるものを広く用いることができる。このようなフェノールノボラック型エポキシ樹脂は、例えば、シグマアルドリッチ社から製品番号406775として販売されている。
本発明に用いるビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂及びフェノールノボラック型エポキシ樹脂は、未変性のものが好ましい。未変性のエポキシ樹脂とは、エポキシ樹脂が有するエポキシ基の一部と他の反応性基との反応を意図的に行わせることをせず、エポキシ樹脂のエポキシ基が事実上すべて残存した状態にあるエポキシ樹脂を意味する。例えば、特許文献1に記載されるようにな、エポキシ樹脂をジオール化合物で変性した変性エポキシ樹脂を主剤として用いた場合、滅菌処理に対する耐久性に劣る傾向となることがある。
上記主剤は、上記のエポキシ樹脂からなるものでもよいし、上記エポキシ樹脂以外に、本発明の効果を損なわない範囲内で、例えば、溶媒、充填剤(シリカ、炭酸カルシウム等)、密着向上剤(シランカップリング剤等)、可塑剤、チキソ性付与剤、着色剤(顔料、染料等)、耐候剤、酸化防止剤、熱安定剤、滑剤、帯電防止剤、増白剤、離型剤、導電剤、粘度調節剤、及び/又は難燃材を含んでいてもよい。主剤中のエポキシ樹脂の含有量(ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂及びフェノールノボラック型エポキシ樹脂の総含有量)は、80質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましい。
<硬化剤>
本発明の接着剤を構成する硬化剤は、エポキシ樹脂に作用して硬化させる硬化成分としてイミダゾール化合物を含む。このイミダゾール化合物は、主剤中のエポキシ樹脂のアニオン重合反応に対し触媒として作用し、エポキシ樹脂を硬化させる。
本発明の接着剤を構成する硬化剤は、下記式(I)で表されるイミダゾール化合物を含むことが好ましい。
Figure 2019041873
式(I)中、Rは水素原子又はアルキル基を示す。Rとして採り得るアルキル基は、直鎖アルキル基、分岐を有するアルキル基、環状アルキル基のいずれもよく、好ましくは直鎖アルキル基である。
として採り得るアルキル基は、置換基を有する形態であることも好ましく、この置換基の例としては、シアノ基、芳香族炭化水素基、及び芳香族複素環基を挙げることができる。これら芳香族炭化水素基及び芳香族複素環基は単環構造であることが好ましい。上記芳香族複素環基を構成する単環式芳香族複素環としては、5員環又は6員環が好ましく、より好ましくはトリアジン環である。
として採り得るアルキル基の炭素数は1〜20が好ましく、1〜18がより好ましく、1〜15がさらに好ましく、1〜12が特に好ましい。なお、アルキル基が環状アルキル基の場合、上記炭素数の下限値は3であり、好ましくは4、より好ましくは5である。
として採り得るアルキル基の好ましい例としては、シアノアルキル基及びアラルキル基を挙げることができる。シアノアルキル基は、好ましくは炭素数1〜5、より好ましくは炭素数1〜3のシアノアルキル基であり、シアノエチルが特に好ましい。また、アラルキル基は、好ましくは炭素数7〜20、より好ましくは炭素数7〜15、さらに好ましくは炭素数7〜10のアラルキル基であり、ベンジルが特に好ましい。
、R及びRは水素原子、アルキル基又はアリール基を示す。
、R及びRとして採り得るアルキル基は、直鎖アルキル基、分岐を有するアルキル基、環状アルキル基のいずれもよく、好ましくは直鎖アルキル基である。
、R及びRとして採り得るアルキル基の炭素数は1〜20が好ましく、1〜18がより好ましく、1〜15がさらに好ましく、1〜12が特に好ましい。なお、アルキル基が環状アルキル基の場合、上記炭素数の下限値は3であり、好ましくは4、より好ましくは5である。
、R及びRとして採り得るアルキル基の好ましい具体例としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、2-エチルヘキシル、デシル、ウンデシル、ドデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ヒドロキシメチル、及びシアノエチルオキシメチルを挙げることができる。
、R及びRとして採り得るアリール基の炭素数は6〜15が好ましく、6〜12がより好ましく、フェニルが特に好ましい。
式(I)で表されるイミダゾール化合物は、対イオンを有する形態であることも好ましい。本発明において「式(I)で表されるイミダゾール化合物」という場合、式(I)で表されるイミダゾール化合物が対イオンを有する形態を含む意味である。式(I)で表されるイミダゾール化合物が対イオンを有する形態の場合、式(I)で表される化合物の環構成窒素原子には水素原子が結合して正に帯電し、この正電荷に対して負電荷を有する対イオンが結合する。
上記対イオンに特に制限はなく、対イオンの好ましい由来としては、トリメット酸、ピロリメット酸、シアヌル酸、塩酸、硫酸、チオシアン酸、ホウ酸等を挙げることができる。
式(I)で表されるイミダゾール化合物は、Rが水素原子、ベンジル、トリアジルエチル、又はシアノエチルであることがより好ましい。また、Rが水素原子、炭素数1〜20の直鎖かつ無置換のアルキル基、又はフェニルであることがより好ましい。また、Rが水素原子、炭素数1〜20(好ましくは炭素数1〜12、より好ましくは炭素数1〜5)の直鎖かつ無置換のアルキル基、ヒドロキシメチル、又はシアノエチルオキシメチルであることがより好ましい。また、Rが水素原子、ヒドロキシメチル、又はシアノエチルオキシメチルであることがより好ましい。
上記硬化剤は、式(I)で表されるイミダゾール化合物の1種又は2種以上を含むことができる。
上記硬化剤が式(I)で表されるイミダゾール化合物を含む場合、この硬化剤は、式(I)で表されるイミダゾール化合物以外のイミダゾール化合物を含んでもよい。上記硬化剤が式(I)で表されるイミダゾール化合物を含む場合、硬化剤に含まれる全イミダゾール化合物中に占める、式(I)で表されるイミダゾール化合物の総量の割合は、50質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましく、80質量%以上がさらに好ましく、90質量%以上が特に好ましい。また、上記硬化剤に含まれるイミダゾール化合物のすべてが式(I)で表されるイミダゾール化合物であることも好ましい。
本発明の接着剤を構成する硬化剤は、イミダゾール化合物として、イミダゾール、1-メチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾリウム・トリメリテート、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−メチルイミダゾリウム・イソシアヌレート、2,4−ジアミノ−6−[2−(2−メチル−1−イミダゾリル)エチル]−S−トリアジン、及び2−フェニルイミダゾリウム・イソシアヌレートのうちの少なくとも1種のイミダゾール化合物を含むことも好ましい(これらのイミダゾール化合物をまとめて、以下、イミダゾールZと称す。)。すなわち、上記硬化剤は、イミダゾールZから選ばれる少なくとも1種のイミダゾール化合物を含むことが好ましい。
本発明の接着剤を構成する硬化剤は、より好ましくは、イミダゾール、1−メチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾリウム・トリメリテート、2−フェニルイミダゾリウム・イソシアヌレート、及び2,4−ジアミノ−6−[2−(2−メチル−1−イミダゾリル)エチル]−S−トリアジンから選ばれるイミダゾール化合物を含む。
上記硬化剤が上記イミダゾールZから選ばれるイミダゾール化合物を含む場合、この硬化剤は、本発明の効果を損なわない範囲で、イミダゾールZ以外のイミダゾール化合物を含むことができる。上記硬化剤がイミダゾールZから選ばれるイミダゾール化合物を含む場合、硬化剤に含まれる全イミダゾール化合物中に占める、イミダゾールZから選ばれるイミダゾール化合物の総量の割合は、50質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましく、80質量%以上がさらに好ましく、90質量%以上が特に好ましい。また、上記硬化剤に含まれるイミダゾール化合物のすべてが、上記イミダゾールZから選ばれるイミダゾール化合物であることも好ましい。
本発明においてイミダゾール化合物は、エポキシ系接着剤において主要な硬化成分として機能するものである。したがって、上記硬化剤中の硬化成分(エポキシ樹脂に作用して硬化させる成分)に占めるイミダゾール化合物の割合は50質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましく、80質量%以上がさらに好ましく、90質量%以上がさらに好ましい。また、上記硬化剤中の硬化成分のすべてがイミダゾール化合物であることも好ましい。硬化剤がイミダゾール化合物以外の硬化成分を含む場合、この硬化成分として、エポキシ系接着剤の硬化成分として知られている種々の硬化成分を用いることができる。このような硬化成分としては、アミン化合物、酸無水物化合物、フェノール樹脂等を挙げることができる。
上記硬化剤は、上記の硬化成分からなるものでもよいし、上記硬化成分以外に、本発明の効果を損なわない範囲内で、溶媒、充填剤(シリカ等)、可塑剤、粘度調整剤等を含んでいてもよい。硬化剤中の硬化成分の含有量は、80質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましい。
以下、本発明に用いうるイミダゾール化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお下記化合物のうちI−14〜I−17は、イミダゾール化合物が対イオンを有する形態を表す。
Figure 2019041873
本発明の接着剤は、主剤を構成するエポキシ樹脂100質量部に対し硬化剤を構成するイミダゾール化合物を1〜15質量部(より好ましくは3質量部越え12質量部以下、さらに好ましくは3.5〜10質量部、さらに好ましくは4〜9質量部)として主剤と硬化剤とを混合して用いる形態であることが好ましい。このような混合比とすることにより、緻密な架橋構造を形成し、より耐久性の高い硬化物を得ることができる。
本明細書において、エポキシ樹脂に対するイミダゾール化合物の量を記載する場合、このイミダゾール化合物の量は、イミダゾール化合物が対イオンを有する場合には、この対イオンを除いた部分の量を意味する。
[硬化物]
本発明の硬化物は、本発明の接着剤を硬化することにより生じる硬化物である。すなわち、本発明の硬化物は、内視鏡の接着部を構成する部材として用いられる。本発明の接着剤の主剤と硬化剤とを混合した後、例えば、40〜150℃で0.5〜48時間程度加熱して硬化することにより、本発明の硬化物を得ることができる。上記の主剤と硬化剤との混合は常法で行うことができる。この混合は気泡を除去しながら行うことが好ましく、そのため通常は減圧下で行われる。上記硬化温度が高いと、内視鏡がその製造工程において幾度も高温に曝されることとなるため、硬化温度はできるだけ低くすることが好ましい。この観点から、上記硬化温度は150℃以下が好ましく、120℃以下がより好ましい。また、硬化反応を十分に行わせるために、硬化温度は60℃以上が好ましく、80℃以上がより好ましい。
[内視鏡]
本発明の内視鏡は、本発明の硬化物により構成部材が固定されている。「本発明の硬化物により構成部材が固定される」とは、内視鏡を構成する少なくとも一部の部材が本発明の硬化物を介して支持部材に固定されていることを意味する。
本発明の内視鏡(電子内視鏡)の一例を説明する。電子内視鏡には内視鏡用可撓管が組み込まれており(以下、内視鏡用可撓管を単に「可撓管」と称することもある)、医療用機器として広く用いられる。図1に示した例において、電子内視鏡2は、体腔内に挿入される挿入部3と、挿入部3の基端部分に連設された本体操作部5と、プロセッサ装置や光源装置に接続されるユニバーサルコード6とを備えている。挿入部3は、本体操作部5に連設される可撓管3aと、そこに連設されるアングル部3bと、その先端に連設され、主に金属(例えば、ステンレス)部材で構成された先端部3cとから構成される。この先端部3cには、体腔内撮影用の撮像装置(図示せず)が内蔵されている。挿入部3の大半の長さを占める可撓管3aは、そのほぼ全長にわたって可撓性を有し、特に体腔等の内部に挿入される部位はより可撓性に富む構造となっている。
図1において、本体操作部5から、先端部3cの先端面には、挿入部3の軸線方向に貫通するチャンネル(チューブ、図示せず)が複数形成されている。
図1における可撓管3aは、図2に示すように、可撓管基材14の外周面に樹脂層15が被覆された構成となっている。
14aが先端側(先端部3c側)であり、14bが基端側(本体操作部5側)である。
可撓管基材14は、最内側に金属帯片11aを螺旋状に巻回することにより形成される螺旋管11に、金属線を編組してなる筒状網体12を被覆してなる。その両端には口金13がそれぞれ嵌合されている。この樹脂層15は接着剤硬化物層17を介して可撓管基材14と接着されている。この接着剤硬化物層17は、本発明の接着剤を適用してこれを硬化させることにより形成することができる。接着剤硬化物層(接着部)17は図示の便宜のために均一な厚みのある層として図示したが、必ずしもその形態でなくてもよく、不定形に樹脂層15と可撓管基材14との間に介在されていてもよい。むしろ厚みがほとんどなく、樹脂層15と可撓管基材14とが実質的に接した形で接着されていてもよい。
樹脂層15の外面には、耐薬品性のある例えばフッ素等を含有したコート層16をコーティングしている。なお、接着剤硬化物層17、樹脂層15及びコート層16は、層構造を明確に図示するため、可撓管基材14の径に比して厚く描いている。
図3に示すように、先端部3cの先端面には、照明窓31、観察窓32および鉗子口33が形成されている。また、必要に応じて先端面を洗浄するため、水および空気を送り出すノズル34が形成されている。照明窓31、観察窓32、鉗子口33およびノズル34は、チャンネルにより、本体操作部5と連接している。
図4に示すように、先端部3cは、金属からなる先端部本体35と、電気絶縁性部材からなる先端キャップ36とから構成される。
観察窓32に、光学系装置である観察ユニット43が設置されている。観察ユニット43は、レンズホルダ37内に、レンズL1〜L4から構成される対物光学系が、接着剤硬化物41および42により固定されている。この接着剤硬化物41および42は、本発明の接着剤を適用してこれを硬化させることにより形成することができる。この対物光学系において、Aは空気層である。レンズホルダ37の端面にはプリズム38が接着され固定されている。このプリズム38により対物光学系の光軸が直角に曲げられる。このプリズム38は、固体撮像素子40に固定されている。固体撮像素子40は基板39に固定されている。これらの固定にも本発明の接着剤を適用することができる。
<内視鏡の製造方法>
本発明の内視鏡の製造方法は、本発明の接着剤を用いて、内視鏡構成部材を固定することを含む限り特に制限はなく、内視鏡構成部材の固定以外の工程は、通常の製造工程を採用して本発明の内視鏡を製造することができる。
固定される内視鏡構成部材の材質に特に制限はなく、例えば、樹脂部材、金属部材及びガラス部材が挙げられる。内視鏡構成部材は、本発明の接着剤を構成する主剤と硬化剤とを混合した後、この混合物を適用か所に注入ないし塗布し、25〜150℃(好ましくは40〜140℃、より好ましくは60〜120℃)で0.5〜48時間程度加熱することにより、内視鏡を構成する支持部材等に固定することができる。
以下、本発明の内視鏡の製造方法における接着剤の使用形態について具体例を挙げて説明するが、本発明はこれらに限定されない。
本発明の接着剤により固定される内視鏡構成部材のうち、樹脂部材としては、例えば、内視鏡の挿入部内に挿通されるチューブが挙げられる。上記チューブを構成する樹脂材料としては、テフロン(登録商標)などのフッ素樹脂、ポリサルフォン、ポリエステル、ポリオレフィン、シリコーンなどが挙げられる。本発明の接着剤は、例えば、内視鏡の挿入部を構成する金属部材またはガラス部材と上記チューブとの接着(金属部材またはガラス部材の上記チューブへの固定)に用いることができる。
また、上述のように、図2における接着剤硬化物層17を形成するために用いることもできる。また、図2における樹脂層15とコート層16の接着に用いることもできる。
本発明の接着剤は、可撓性外皮チューブ(樹脂層15)の端部(可撓管3aの先端側(アングル部3b側)の端部)の外面仕上げ及び固定に用いることができる。具体的には、可撓管3aの樹脂層15の端部を外側から糸で緊縛してその内側の部材に固定した後、その糸を被覆するように接着剤を塗布し、硬化させる。可撓管3aの先端側端部の最外層を本発明の接着剤で構成することにより、この先端側端部の糸をほつれにくくし、挿入部を体腔内に挿入しやすくするためである。このようにして形成された挿入部は、滅菌後にも、つやのある外観を維持することができる。
また、本発明の接着剤は、先端部3cとアングル部3bとの接着および/または挿入部3と本体操作部5との接着に用いることができる。例えば、先端部3cとアングル部3bとを本発明の接着剤を用いて接着し、次いで先端部3cとアングル部3bとの接着部及びその近傍を糸で巻き締め接着を補強し、その糸を被覆するように接着剤を塗布し、硬化させる。挿入部3と本体操作部5との接着についても同様である。
また、本発明の接着剤は、内視鏡の挿入部内に挿通される各種チューブの、先端部3cおよび/または本体操作部5への固定に使用することもできる。
また、本発明の接着剤は、先端部3cにおいて、照明窓31および観察窓32の封止(ガラス部材の固定)に用いることも好ましい。接着剤を厚塗りすることにより、レンズ外周の角部を滑らかにすることができ、また、レンズ横方向からの光の入射を遮ることができる。
また、本発明の接着剤は、先端部3cに内蔵される撮像装置の組立て、部品の接着、固体撮像素子40の封止等の、部材の固定に用いることができる。撮像装置は、レンズL1〜L4およびプリズム38等の複数個の光学部品からなる光学系と、この光学系によって結像された光学画像を撮像信号に光電変換するCCD(Charge Coupled Device)等の固体撮像素子40とを有する。本発明の接着剤は、ガラス等の材料からなるレンズL1〜L4およびプリズム38等の光学部品どうしの接着、並びに、レンズL1〜L4および/またはプリズム38と樹脂または金属からなる基板39との接着等に用いることができ、この接着により、ガラス部材を固定することができ、また金属部材を固定することができる。
また、本発明の接着剤は、固体撮像素子40と基板39の接着固定、封止に用いることができる。この接着により、固体撮像素子、基板等を構成する金属部材を固定することができる。
このように本発明の内視鏡の製造方法は、本発明の接着剤を用いて、内視鏡構成部材を固定する工程を含むものである。
実施例に基づき本発明をさらに詳細に説明するが、本発明が下記実施例により限定して解釈されるものではない。また、「室温」は25℃を意味する。
[調製例] 接着剤の調製
下表に示す主剤と硬化剤とを組み合わせた2液型接着剤を調製した。主剤として下表に示すエポキシ樹脂(a)を用い、硬化剤として下表に示すイミダゾール化合物(b)を用いた。
[試験例]
<試験片の調製>
主剤(エポキシ樹脂(a))と硬化剤(イミダゾール化合物(b))とを、下表に示す混合量で混合し、泡とり練太郎 ARV−310(商品名、シンキー社製)を用いて、室温下、1.0Paに減圧した状態で、2000rpmで撹拌した。こうして主剤と硬化剤とが均一に混合された混合物を得た。
金属部材としてSUS304製の50mm(長さ)×5mm(幅)×0.5mm(厚み)のテストピース2枚を用いた。1枚のテストピースの長さ方向の一端から、他端に向けて5mmの長さまで、上記で調製した混合物を幅方向全体に塗布して塗布層を形成した。この塗布層に対し、もう1枚のテストピースの長さ方向の端部ないしその近傍を密着させ、120℃で5時間加熱して塗布層を硬化し、2枚のテストピースを接着させた試験片を得た。2枚のテストピースが重なり合う部分の面積は25mmであり、この重なり部分(25mm)全体に接着剤硬化物が形成されている。
接着剤1種につき3つの試験片を作製した。
<オートクレーブ耐久性試験>
試験片をオートクレーブ装置にセットし、135℃の蒸気に4週間曝した。その後試験片を取り出し、オートグラフを用いて180°剥離試験を実施し、剥離強度を測定した。試験前後(オートクレーブ処理前後)の剥離強度を下記式に当てはめて密着力維持率を算出した。この密着力維持率を下記評価基準に当てはめ、オートクレーブ耐久性を評価した。結果を下表に示す。なお、下表に示す評価結果は、3つの試験片の密着力維持率の平均を、下記評価基準に当てはめたものである(後述のEOG耐久性試験及び過酸化水素プラズマ耐久性試験も同様)。

[密着力維持率(%)]=100×[試験後の剥離強度]/[試験前の剥離強度]

(評価基準)
A:密着力維持率が90%以上
B:密着力維持率が70%以上90%未満
C:密着力維持率が50%以上70%未満
D:密着力維持率が30%以上50%未満
E:密着力維持率が30%未満
<EOG耐久性試験>
試験片を滅菌パックに入れて封止した後、EOG滅菌器(EC−800、サクラ精機社製)を用いて120時間のEOG滅菌処理に付した。試験前後(EOG処理前後)の剥離強度を上記と同様に測定し、密着力維持率を上記と同様にして算出して上記評価基準に当てはめ、EOG耐久性を評価した。結果を下表に示す。
<過酸化水素プラズマ耐久性試験>
ステラッド(登録商標)NX(ジョンソンアンドジョンソン社製)、アドバンスコースにて、試験片を過酸化水素プラズマ滅菌処理に付した。この滅菌処理は、一試験片に対し100回行った。試験前後(過酸化水素プラズマ処理前後)の剥離強度を上記と同様に測定し、密着力維持率を上記と同様にして算出して上記評価基準に当てはめ、過酸化水素プラズマ耐久性を評価した。結果を下表に示す。
Figure 2019041873
<表の注>
[エポキシ樹脂(a)]
A−1:
ビスフェノールAジグリシジルエーテル(商品名「jER825」、三菱化学社製、エポキシ当量170、未変性エポキシ樹脂)
A−2:
ビスフェノールAジグリシジルエーテル(商品名「jER828」、三菱化学社製、エポキシ当量190、未変性エポキシ樹脂)
A−3:
ビスフェノールAジグリシジルエーテル(商品名「jER834」、三菱化学社製、エポキシ当量230、未変性エポキシ樹脂)
A−4:
ビスフェノールFジグリシジルエーテル(商品名「EPICLON830」、DIC社製、エポキシ当量170、未変性エポキシ樹脂)
A−5:
エポキシノボラック樹脂(製品番号406775、シグマアルドリッチ社製、エポキシ当量170、未変性エポキシ樹脂)
A−6:
ビスフェノールAプロポキシレートジグリシジルエーテル(シグマアルドリッチ社製、エポキシ当量228、未変性エポキシ樹脂)
A−7:
4,4’−メチレンビス(N,N−ジグリシジルアニリン)(東京化成工業社製、エポキシ当量106、未変性エポキシ樹脂)
A−8:
特許文献1記載の実施例9で調製したジオール変性ビスフェノールA型エポキシ樹脂
[イミダゾール化合物(b)]
上述した例示化合物の符号に対応
[比較例に用いた硬化剤]
硬化剤1:
メタキシレンジアミン
硬化剤2:
ジエチルアミノプロピルアミン
硬化剤3:
メチルヘキサヒドロ無水フタル酸
硬化剤4:
ジシアンジアミド
上記表に示されるように、硬化剤として1級アミンを用いた場合、硬化剤(硬化成分)をある程度多量、混合することにより、実施例と同じ反応条件で実施例と同等の硬化状態とすることができた。しかし、十分に硬化させた状態でも、各種滅菌処理に対する耐久性に劣る結果となった(比較例1及び2)。
また、硬化剤として、酸無水物を用いた場合には、多量に混合しても120℃では十分に硬化せず、滅菌処理に対する耐久性に劣る結果となった(比較例3)。
これに対し、本発明で規定する主剤と硬化剤との組合せからなる接着剤を用いた場合、各種滅菌処理に対して優れた耐久性を示すことがわかった(実施例1〜21)。
2 電子内視鏡(内視鏡)
3 挿入部
3a 可撓管
3b アングル部
3c 先端部
5 本体操作部
6 ユニバーサルコード
11 螺旋管
11a 金属帯片
12 筒状網体
13 口金
14 可撓管基材
14a 先端側
14b 基端側
15 樹脂層
16 コート層
17 接着剤硬化物層
31 照明窓
32 観察窓
33 鉗子口
34 ノズル
35 先端部本体
36 先端キャップ
37 レンズホルダ
38 プリズム
39 基板
40 固体撮像素子
41 接着剤硬化物
42 接着剤硬化物
43 観察ユニット

Claims (9)

  1. 主剤と硬化剤とを有する2液型の内視鏡用接着剤であって、
    前記主剤がビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂及びフェノールノボラック型エポキシ樹脂のうちの少なくとも1種のエポキシ樹脂を含み、前記硬化剤がイミダゾール化合物を含む、内視鏡用接着剤。
  2. 前記イミダゾール化合物が下記式(I)で表されるイミダゾール化合物を含む、請求項1記載の内視鏡用接着剤。
    Figure 2019041873

    式中、Rは水素原子又はアルキル基を示す。R、R及びRは水素原子、アルキル基又はアリール基を示す。
  3. 前記イミダゾール化合物が、イミダゾール、1-メチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾリウム・トリメリテート、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−メチルイミダゾリウム・イソシアヌレート、2,4−ジアミノ−6−[2−(2−メチル−1−イミダゾリル)エチル]−S−トリアジン、及び2−フェニルイミダゾリウム・イソシアヌレートのうちの少なくとも1種のイミダゾール化合物を含む、請求項1記載の内視鏡用接着剤。
  4. 前記主剤を構成するエポキシ樹脂100質量部に対し前記硬化剤を構成する前記イミダゾール化合物を1〜15質量部として前記主剤と前記硬化剤とを混合して用いる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の内視鏡用接着剤。
  5. 前記主剤を構成するエポキシ樹脂が未変性エポキシ樹脂である、請求項1〜4のいずれか1項記載の内視鏡用接着剤。
  6. 前記接着剤に含まれる硬化成分に占めるイミダゾール化合物の割合が50質量%以上である、請求項1〜5のいずれか1項記載の内視鏡用接着剤。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項記載の内視鏡用接着剤を硬化してなる硬化物。
  8. 請求項7に記載の硬化物により構成部材が固定された内視鏡。
  9. 請求項1〜6のいずれか1項記載の内視鏡用接着剤を用いて構成部材を固定することを含む、内視鏡の製造方法。
JP2017165920A 2017-08-30 2017-08-30 内視鏡用接着剤及びその硬化物、並びに内視鏡及びその製造方法 Pending JP2019041873A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017165920A JP2019041873A (ja) 2017-08-30 2017-08-30 内視鏡用接着剤及びその硬化物、並びに内視鏡及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017165920A JP2019041873A (ja) 2017-08-30 2017-08-30 内視鏡用接着剤及びその硬化物、並びに内視鏡及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2019041873A true JP2019041873A (ja) 2019-03-22

Family

ID=65813092

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017165920A Pending JP2019041873A (ja) 2017-08-30 2017-08-30 内視鏡用接着剤及びその硬化物、並びに内視鏡及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2019041873A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2021131523A1 (ja) * 2019-12-24 2021-07-01 富士フイルム株式会社 内視鏡用接着剤及びその硬化物、並びに内視鏡及びその製造方法
WO2023199730A1 (ja) * 2022-04-14 2023-10-19 富士フイルム株式会社 医療機器用接着剤、硬化物、医療機器部材及び医療機器、並びに、医療機器の製造方法

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011110116A (ja) * 2009-11-24 2011-06-09 Fujifilm Corp 内視鏡装置及びその製造方法
JP2011212337A (ja) * 2010-03-31 2011-10-27 Fujifilm Corp 内視鏡装置及びその製造方法

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011110116A (ja) * 2009-11-24 2011-06-09 Fujifilm Corp 内視鏡装置及びその製造方法
JP2011212337A (ja) * 2010-03-31 2011-10-27 Fujifilm Corp 内視鏡装置及びその製造方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2021131523A1 (ja) * 2019-12-24 2021-07-01 富士フイルム株式会社 内視鏡用接着剤及びその硬化物、並びに内視鏡及びその製造方法
CN114641551A (zh) * 2019-12-24 2022-06-17 富士胶片株式会社 内窥镜用粘接剂及其固化物、以及内窥镜及其制造方法
WO2023199730A1 (ja) * 2022-04-14 2023-10-19 富士フイルム株式会社 医療機器用接着剤、硬化物、医療機器部材及び医療機器、並びに、医療機器の製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2014210836A (ja) 接着剤組成物および内視鏡装置
US20190082937A1 (en) Adhesive composition, ultrasonic transducer, endoscope, and ultrasonic endoscope
JP4875790B2 (ja) 内視鏡装置
WO2013051458A1 (ja) 医療器具用接着剤組成物、および内視鏡装置
WO2015093127A1 (ja) 医療機器用接着剤組成物及び医療機器
JP2019041873A (ja) 内視鏡用接着剤及びその硬化物、並びに内視鏡及びその製造方法
US10973392B2 (en) Adhesive for endoscope, cured product, endoscope, and method for producing endoscope
JP2002238834A (ja) 内視鏡装置
US20210189203A1 (en) Adhesive for endoscope and cured product thereof, and endoscope and method for producing the same
EP3677164B1 (en) Adhesive for endoscope, cured product, endoscope, and method for producing endoscope
JP2019041872A (ja) 内視鏡用接着剤、硬化物、内視鏡および内視鏡の製造方法
JP6948454B2 (ja) 内視鏡用接着剤、硬化物、内視鏡及び内視鏡の製造方法
JP7162121B2 (ja) 内視鏡用接着剤及びその硬化物、並びに内視鏡及びその製造方法
JP2019041874A (ja) 内視鏡用接着剤及びその硬化物、並びに内視鏡及びその製造方法
JP7273194B2 (ja) 内視鏡用接着剤及びその硬化物、並びに内視鏡及びその製造方法
JP6887062B2 (ja) 内視鏡用接着剤、硬化物、内視鏡、及び内視鏡の製造方法
JP7162120B2 (ja) 内視鏡用接着剤及びその硬化物、並びに内視鏡及びその製造方法
WO2022070809A1 (ja) 内視鏡用接着剤及びその硬化物、並びに内視鏡及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190826

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20190826

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200811

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20201005

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20210126