JP2019041874A - 内視鏡用接着剤及びその硬化物、並びに内視鏡及びその製造方法 - Google Patents

内視鏡用接着剤及びその硬化物、並びに内視鏡及びその製造方法 Download PDF

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俊英 芳谷
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和史 古川
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Abstract

【課題】内視鏡の構成部材を固定するのに好適な内視鏡用接着剤であって、部材の固定化に用いた状態でヒートサイクルに付しても、また滅菌処理に付しても、十分な接着力を維持することができ、また透明性(光学特性)も維持することができる内視鏡用接着剤及びその硬化物を提供する。高温洗浄、滅菌処理等に繰り返し付されても性能の低下を生じにくい内視鏡及びその製造方法を提供する。【解決手段】主剤と硬化剤とを有する2液型の内視鏡用接着剤であって、上記主剤がビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂及びフェノールノボラック型エポキシ樹脂のうちの少なくとも1種のエポキシ樹脂を含み、上記硬化剤に含まれる硬化成分が酸無水物化合物である内視鏡用接着剤及びその硬化物、並びに上記硬化物を用いた内視鏡及びその製造方法。【選択図】図1

Description

本発明は、内視鏡用接着剤及びその硬化物、並びに内視鏡及びその製造方法に関する。
人体の体腔内を観察するための内視鏡は繰り返し使用される。そのため、内視鏡の挿入部を構成する可撓管は使用のたびに洗浄され、また薬品を用いて消毒される。特に気管支等の感染可能性の高い部位に挿入する場合には、消毒を越える滅菌レベルの清浄性が求められる。したがって、内視鏡には、過酸化水素プラズマ等による滅菌処理の繰り返しにも耐える高度な耐久性が求められる。
内視鏡の挿入部は、口腔ないし鼻腔を通して体腔内に挿入される。挿入時における患者の異物感および痛みを軽減するため、内視鏡の挿入部をより細径化することが望まれる。そのため、挿入部を構成する部材の結合には、ネジ、ビス等の嵩張る部材に代えて、主として接着剤が用いられている。
接着剤のなかでもエポキシ系接着剤は作業性に優れ、また硬化物の接着性、電気特性、耐熱性、耐湿性等にも優れるため、種々の分野において使用されている。また、エポキシ系接着剤の特性を改善する技術も報告されている。
例えば特許文献1には、エポキシ樹脂と、粒径分布の中心が5〜25μmの無機充填材と、100nm以下の粒径の超微細無機充填材と、酸無水物とを混合した接着剤が、特定の表面処理に付した金属と被着体との接着力に優れることが記載されている。
また、特許文献2には、エポキシ樹脂と、特定の反応性基を有するグラフト共重合体とを併用した硬化性樹脂組成物が記載され、この組成物が経時的な粘度上昇が生じにくく、またその硬化物は接着強度に優れ、また耐衝撃性にも優れることが記載されている。
特開2010−269534号公報 特開2013−95786号公報
上記のように、内視鏡には、その構成部材を固定するために接着剤が多用される。しかし、接着剤の硬化物は一般に、物理的ないし化学的安定性に劣る傾向にある。したがって、内視鏡のように、高温洗浄に付されたり、強力な滅菌処理に付されたりする機器の製造において、部材の固定に接着剤を用いると、繰り返し使用により機器の性能低下を生じやすい。また、接着剤を内視鏡の光学部材(レンズ、プリズム等)の接着に用いた場合には、上記の高温洗浄、滅菌処理等の繰り返しにより接着部分の透明性が低下し、光学性能の低下を生じることとなる。 上記特許文献1には、エポキシ系接着剤の改良に係る技術が記載されているが、これらの接着剤を内視鏡に用いることは記載されておらず、接着剤の内視鏡への適用と、内視鏡が曝される洗浄ないし滅菌処理との関係については知られていない。
本発明は、内視鏡の構成部材を固定するのに好適な内視鏡用接着剤であって、部材の固定化に用いた状態(硬化物の状態)でヒートサイクルに付しても、また滅菌処理に付しても、十分な接着力を維持することができ、また透明性(光学特性)も維持することができる内視鏡用接着剤、及びその硬化物を提供することを課題とする。また、本発明は、高温洗浄、滅菌処理等に繰り返し付されても性能の低下を生じにくい内視鏡及びその製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らは上記課題に鑑み鋭意検討を重ねた結果、エポキシ系接着剤において、主剤のエポキシ樹脂と組合せる硬化剤の硬化成分として酸無水物化合物を採用することにより、この接着剤を硬化させた硬化物がヒートサイクルに付しても、また滅菌処理に付してもその接着作用を十分に維持できること、また透明性も維持できることを見出した。すなわちこの接着剤が、内視鏡部材の固定化に用いた場合に、内視鏡の性能低下を生じにくい特性を有することを見出した。本発明はこれらの知見に基づきさらに検討を重ね、完成されるに至ったものである。
上記の課題は以下の手段により解決された。
〔1〕
主剤と硬化剤とを有する2液型の内視鏡用接着剤であって、
上記主剤がビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂及びフェノールノボラック型エポキシ樹脂のうちの少なくとも1種のエポキシ樹脂を含み、上記硬化剤に含まれる硬化成分が酸無水物化合物である、内視鏡用接着剤。
〔2〕
上記酸無水物化合物が脂環式ジカルボン酸無水物を含む、〔1〕記載の内視鏡用接着剤。
〔3〕
上記無水物化合物が下記式(I)で表される酸無水物化合物を含む、〔1〕記載の内視鏡用接着剤。
Figure 2019041874

式中、環Tは5員環又は6員環である。Rはアルキル基、アルコキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリール基、又はカルボキシ基を示す。nは0〜4の整数である。
〔4〕
上記酸無水物化合物が、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水ベンゾフェノンテトラカルボン酸、エチレングリコールビスアンヒドロトリメテート、グリセロールトリスアンヒドロトリメテート、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルブテニルテトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、無水コハク酸、オクテニル無水コハク酸、ドデセニル無水コハク酸、メチルシクロヘキセンジカルボン酸無水物、メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジカルボン酸無水物、及びビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジカルボン酸無水物のうちの少なくとも1種の酸無水物化合物を含む、〔1〕記載の内視鏡用接着剤。
〔5〕
上記主剤を構成するエポキシ樹脂100質量部に対し上記硬化剤を構成する上記酸無水物化合物を60〜120質量部として上記主剤と上記硬化剤とを混合して用いる、〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の内視鏡用接着剤。
〔6〕
〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の内視鏡用接着剤を硬化してなる硬化物。
〔7〕
〔6〕に記載の硬化物により構成部材が固定された内視鏡。
〔8〕
〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の内視鏡用接着剤を用いて構成部材を固定することを含む、内視鏡の製造方法。
本発明の説明において「〜」とは、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用される。
本発明において、特定の符号で示された置換基、連結基等(以下、置換基等という)が複数あるとき、又は複数の置換基等を同時若しくは択一的に規定するときには、それぞれの置換基等は互いに同一でも異なっていてもよいことを意味する。また、特に断らない場合であっても、複数の置換基等が互いに連結又は縮環して環を形成していてもよい意味である。
本発明の説明において、ある基又は環の炭素数を規定する場合、この炭素数は、基又は環全体の炭素数を意味する。つまり、この基又は環がさらに置換基を有する形態である場合、この置換基を含めた全体の炭素数を意味する。
本発明の内視鏡用接着剤は、部材との接着に用いた状態でヒートサイクルに付しても、また滅菌処理に付しても、十分な接着力を維持することができ、また透明性も維持することができる。したがって、本発明の内視鏡用接着剤は内視鏡の構成部材を固定する用途に好適である。また、本発明の硬化物は、ヒートサイクルに付しても、また滅菌処理に付しても、十分な接着力を維持することができ、また透明性も維持することができる。したがって、この硬化物を構成部材の固定化材として有する本発明の内視鏡は、高温洗浄、滅菌処理等に繰り返し付されても性能の低下を生じにくい。本発明の内視鏡の製造方法によれば、高温洗浄、滅菌処理等に繰り返し付されても性能の劣化を生じにくい内視鏡を得ることができる。
本発明の内視鏡の一実施形態の構成を示す外観図である。 図1に示す内視鏡の挿入部の構成を示す部分断面図である。 上記挿入部の先端部の外観斜視図である。 上記先端部の一部切り欠き部分断面図である。レンズ及びプリズムの断面を示すハッチングは省略した。
[内視鏡用接着剤]
本発明の内視鏡用接着剤の好ましい実施形態について説明する。
本発明の内視鏡用接着剤は、主剤と硬化剤とを別々の製剤として含む2液型の接着剤である。主剤はビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂及びフェノールノボラック型エポキシ樹脂のうちの少なくとも1種のエポキシ樹脂を含み、硬化剤を構成する硬化成分は酸無水物化合物である。すなわち、本発明の接着剤はいわゆる2液型のエポキシ系接着剤として分類されるものである。本発明において2液型の「液」は、流動性を有することを意味し、水のような液の状態の他、それよりも粘性を有した状態を含む意味である。
また、本発明の内視鏡用接着剤は、内視鏡を構成する各種の部材(内視鏡構成部材)を固定するために用いられる。本発明の内視鏡用接着剤を用いて固定される部材に特に制限はなく、好ましくは金属部材、ガラス部材、樹脂部材等を挙げることができる。内視鏡構成部材の「固定」は、内視鏡構成部材を、内視鏡を構成する別の部材(支持部材)と接着することにより行われる。なお、支持部材は内視鏡の管壁等又は管壁等に固定された非可動部材であってもよく、チューブのように内視鏡内における相対的な位置が移動しうる部材であってもよい。また、本発明において「固定」との用語は、内視鏡構成部材と、この部材が組み込まれる支持部材との間の空間を接着剤の硬化物で埋めること、すなわち封止することを含む意味に用いる。
以下、「内視鏡用接着剤」を単に「接着剤」とも称す。
本発明の接着剤は、内視鏡構成部材を内視鏡の別の構成部材と接着し、これにより内視鏡の構成部材を内視鏡の別の構成部材に固定するために用いられる。内視鏡構成部材の固定に用いた接着剤は硬化物となって内視鏡の接着部を構成する。本発明の接着剤を硬化してなる硬化物は、ヒートサイクルに付されても、また滅菌処理に付されても、被接着体と十分な接着力を維持することができ、また光学特性に影響するような透明性の低下も生じにくい。したがって、本発明の接着剤を用いて製造した内視鏡は、高温洗浄処理に繰り返し付されても、また滅菌処理に繰り返し付されても、性能の劣化が効果的に抑えられる。この理由は明らかではないが、酸無水物とエポキシ基との反応ではエポキシ基の開環反応により生じる水酸基(反応性基)の量が少ないこと、硬化物が黄変を引き起こしにくい原子組成で構成されることなどが一因と考えられる。
<主剤>
本発明の接着剤を構成する主剤は、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂及びフェノールノボラック型エポキシ樹脂のうちの少なくとも1種のエポキシ樹脂を含む。本発明の主剤には、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂及びフェノールノボラック型エポキシ樹脂から選ばれるエポキシ樹脂を1種含んでもよいし、2種以上含んでもよい。
本発明に用い得るビスフェノールA型エポキシ樹脂は特に制限されず、エポキシ系接着剤の主剤として一般的に用いられるものを広く用いることができる。好ましい具体例として、ビスフェノールAジグリシジルエーテル(jER825、jER828及びjER834(いずれも商品名)、三菱化学社製)及びビスフェノールAプロポキシレートジグリシジルエーテル(シグマアルドリッチ社製)が挙げられる。
本発明に用いられるビスフェノールF型エポキシ樹脂は特に制限されず、エポキシ系接着剤の主剤として一般的に用いられるものを広く用いることができる。好ましい具体例として、ビスフェノールFジグリシジルエーテル(商品名:EPICLON830、DIC社製)及び4,4'−メチレンビス(N,N−ジグリシジルアニリン)が挙げられる。
本発明の接着剤に用いられるフェノールノボラック型エポキシ樹脂は特に制限されず、エポキシ系接着剤の主剤として一般的に用いられるものを広く用いることができる。このようなフェノールノボラック型エポキシ樹脂は、例えば、シグマアルドリッチ社から製品番号406775として販売されている。
上記主剤は、上記のエポキシ樹脂からなるものでもよいし、上記エポキシ樹脂以外に、本発明の効果を損なわない範囲内で、例えば、溶媒、充填剤(シリカ、炭酸カルシウム等)、密着向上剤(シランカップリング剤等)、可塑剤、チキソ性付与剤、着色剤(顔料、染料等)、耐候剤、酸化防止剤、熱安定剤、滑剤、帯電防止剤、増白剤、離型剤、導電剤、粘度調節剤、及び/又は難燃材を含んでいてもよい。主剤中のエポキシ樹脂の含有量(ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂及びフェノールノボラック型エポキシ樹脂の総含有量)は、80質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましい。
<硬化剤>
本発明の接着剤を構成する硬化剤は、エポキシ樹脂に作用して硬化させる硬化成分として酸無水物化合物を含む。この酸無水物化合物は、主剤中の樹脂が有するエポキシ基との間で共重縮合反応を生じ、エポキシ樹脂を硬化させるものと考えられる。本発明において「酸無水物」とは、カルボン酸無水物を意味する。
本発明において「硬化剤に含まれる硬化成分が酸無水物化合物である」とは、通常は硬化成分のすべてが酸無水物成分であることを意味するが、本発明の効果を損なわない範囲で酸無水物成分以外の硬化成分が微量含まれていてもよい意味である。
一実施形態において、本発明の接着剤を構成する硬化剤は、硬化成分として脂環式ジカルボン酸無水物を含むことが好ましい。この脂環式ジカルボン酸無水物は、脂環を構成する2つの隣接する炭素原子が有するカルボキシ基同士が脱水縮合した構造を有する化合物である。この脂環は、5員環又は6員環の単環が好ましく、6員環がより好ましい。また、この脂環は1つ又は2つ以上の置換基を有してもよい。この置換基のうち隣接する2つの置換基は連結して環を形成してもよい。2つの置換基が連結して形成される環は、5員環又は6員環の単環が好ましく、この環により酸無水物基が形成されていることも好ましい。
上記硬化剤は、脂環式ジカルボン酸無水物の1種又は2種以上を含むことができる。
上記硬化剤が脂環式ジカルボン酸無水物を含む場合、この硬化剤は、脂環式ジカルボン酸無水物以外の酸無水物化合物を含んでもよい。上記硬化剤が脂環式ジカルボン酸無水物を含む場合、硬化剤に含まれる全酸無水物化合物中に占める、脂環式ジカルボン酸無水物の総量の割合は、50質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましく、80質量%以上がさらに好ましく、90質量%以上が特に好ましい。また、上記硬化剤に含まれる酸無水物化合物のすべてが脂環式ジカルボン酸無水物であることも好ましい。
また、本発明の接着剤を構成する硬化剤は、硬化成分として下記式(I)で表される酸無水物化合物を含むことも好ましい。
Figure 2019041874
式(I)中、環Tは5員環又は6員環である。環Tは脂環でもよく、芳香族環でもよい。また、環Tが脂環の場合、飽和炭化水素環でもよく、環構成原子間に不飽和結合を有してもよい。
はアルキル基、アルコキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリール基、又はカルボキシ基を示し、nは0〜4の整数である。
として採り得るアルキル基の炭素数は1〜10が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜3がさらに好ましく、さらに好ましくはメチル又はエチルである。
として採り得るアルコキシ基の炭素数は1〜10が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜3がさらに好ましく、さらに好ましくはメトキシ又はエトキシである。
として採り得るアシル基の炭素数は1〜30が好ましく、1〜20がより好ましく、1〜10がさらに好ましい。本発明においてアシル基は、アリールカルボニル基を含む意味に用いる。
として採り得るアルコキシカルボニル基の炭素数は1〜30が好ましく、1〜20がより好ましく、1〜15がさらに好ましい。アルコキシカルボニル基を構成するアルコキシ基は、好ましくはメトキシ、エトキシ又はプロポキシである。
として採り得るアリール基の炭素数は6〜20が好ましく、6〜15がより好ましく、6〜12がさらに好ましく、さらに好ましくはフェニルである。
nは0又は1が好ましい。
nが2以上の場合、隣接する2つのRが連結して、環Tとともに縮合環を形成してもよい。2つのRが連結して形成される環は、5員環又は6員環が好ましく、より好ましくは5員環である。この環は、より好ましくは、2つの環構成炭素原子とそれらに挟まれた環構成酸素原子とにより酸無水物構造(−C(=O)−O−C(=O)−)を形成する(すなわち、ともにカルボキシ基である2つの隣接するRが脱水縮合した構造が好ましい)。
式(I)で表される酸無水物化合物は、分子中に酸無水物構造を1〜3個有することが好ましく、1つ又は2つ有することがより好ましく、1つ有することがさらに好ましい。また、式(I)で表される酸無水物化合物の分子量は、90〜800が好ましく、より好ましくは100〜300である。
上記硬化剤は、式(I)で表される酸無水物化合物の1種又は2種以上を含むことができる。
上記硬化剤が式(I)で表される酸無水物化合物を含む場合、この硬化剤は、式(I)で表される酸無水物化合物以外の酸無水物化合物を含んでもよい。上記硬化剤が式(I)で表される酸無水物化合物を含む場合、硬化剤に含まれる全酸無水物化合物中に占める、式(I)で表される酸無水物化合物の総量の割合は、50質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましく、80質量%以上がさらに好ましく、90質量%以上が特に好ましい。また、上記硬化剤に含まれる酸無水物化合物のすべてが式(I)で表される酸無水物化合物であることも好ましい。
また、本発明の接着剤を構成する硬化剤は、酸無水物化合物(硬化成分)として、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水ベンゾフェノンテトラカルボン酸、エチレングリコールビスアンヒドロトリメテート、グリセロールトリスアンヒドロトリメテート、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルブテニルテトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、無水コハク酸、オクテニル無水コハク酸、ドデセニル無水コハク酸、メチルシクロヘキセンジカルボン酸無水物、メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジカルボン酸無水物、及びビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジカルボン酸無水物のうちの少なくとも1種の酸無水物化合物を含むことも好ましい(これらの酸無水物化合物をまとめて、以下、酸無水物Zと称す。)。すなわち、上記硬化剤は、酸無水物Zから選ばれる少なくとも1種の酸無水物化合物を含むことが好ましい。
本発明の接着剤を構成する硬化剤は、より好ましくは、無水トリメリット酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、無水コハク酸、メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジカルボン酸無水物、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジカルボン酸無水物、無水ベンゾフェノンテトラカルボン酸、グリセロールトリスアンヒドロトリメテート、及びオクテニル無水コハク酸から選ばれる酸無水物化合物を含む。
上記硬化剤が上記酸無水物Zから選ばれる酸無水物化合物を含む場合、この硬化剤は、本発明の効果を損なわない範囲で、酸無水物Z以外の酸無水物化合物を含んでもよい。上記硬化剤が酸無水物Zから選ばれる酸無水物化合物を含む場合、硬化剤に含まれる全酸無水物化合物中に占める、酸無水物Zから選ばれる酸無水物化合物の総量の割合は、50質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましく、80質量%以上がさらに好ましく、90質量%以上が特に好ましい。また、上記硬化剤に含まれる酸無水物化合物のすべてが、上記酸無水物Zから選ばれる酸無水物化合物であることも好ましい。
上記硬化剤を構成する硬化成分は、硬化物の透明度の観点から、窒素原子を含まないことをが好ましい。
上記硬化剤は、酸無水物化合物からなるものでもよいし、酸無水物化合物以外に、本発明の効果を損なわない範囲内で、溶媒、充填剤(シリカ等)、可塑剤、粘度調整剤等を含んでいてもよい。硬化剤中の酸無水物化合物(硬化成分)の含有量は、80質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましい。
本発明に用いうる酸無水物化合物の具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2019041874
本発明の接着剤は、主剤を構成するエポキシ樹脂100質量部に対し硬化剤を構成する酸無水物化合物を60〜120質量部(より好ましくは70〜110質量部、さらに好ましくは80〜100質量部)として主剤と硬化剤とを混合して用いる形態であることが好ましい。このような混合比とすることにより、硬化反応及び架橋構造の形成を制御しやすく、目的の耐久性の高い硬化物を得ることができる。
[硬化物]
本発明の硬化物は、本発明の接着剤を硬化することにより生じる硬化物である。すなわち、本発明の硬化物は、内視鏡の接着部を構成する部材として用いられる。本発明の接着剤の主剤と硬化剤とを混合した後、例えば、25〜220℃で0.5〜48時間加熱することにより、本発明の硬化物を得ることができる。上記の主剤と硬化剤との混合は常法で行うことができる。この混合は気泡を除去しながら行うことが好ましく、そのため通常は減圧下で行われる。上記硬化温度は200℃以下が好ましく、180℃以下がより好ましい。また、硬化反応を十分に行わせるために、硬化温度は120℃以上が好ましく、140℃以上がより好ましい。
[内視鏡]
本発明の内視鏡は、本発明の硬化物により構成部材が固定されている。「本発明の硬化物により構成部材が固定される」とは、内視鏡を構成する少なくとも一部の部材が本発明の硬化物を介して支持部材に固定されていることを意味する。
本発明の内視鏡(電子内視鏡)の一例を説明する。電子内視鏡には内視鏡用可撓管が組み込まれており(以下、内視鏡用可撓管を単に「可撓管」と称することもある)、医療用機器として広く用いられる。図1に示した例において、電子内視鏡2は、体腔内に挿入される挿入部3と、挿入部3の基端部分に連設された本体操作部5と、プロセッサ装置や光源装置に接続されるユニバーサルコード6とを備えている。挿入部3は、本体操作部5に連設される可撓管3aと、そこに連設されるアングル部3bと、その先端に連設され、主に金属(例えば、ステンレス)部材で構成された先端部3cとから構成される。この先端部3cには、体腔内撮影用の撮像装置(図示せず)が内蔵されている。挿入部3の大半の長さを占める可撓管3aは、そのほぼ全長にわたって可撓性を有し、特に体腔等の内部に挿入される部位はより可撓性に富む構造となっている。
図1において、本体操作部5から、先端部3cの先端面には、挿入部3の軸線方向に貫通するチャンネル(チューブ、図示せず)が複数形成されている。
図1における可撓管3aは、図2に示すように、可撓管基材14の外周面に樹脂層15が被覆された構成となっている。
14aが先端側(先端部3c側)であり、14bが基端側(本体操作部5側)である。
可撓管基材14は、最内側に金属帯片11aを螺旋状に巻回することにより形成される螺旋管11に、金属線を編組してなる筒状網体12を被覆してなる。その両端には口金13がそれぞれ嵌合されている。この樹脂層15は接着剤硬化物層17を介して可撓管基材14と接着されている。この接着剤硬化物層17は、本発明の接着剤を適用してこれを硬化させることにより形成することができる。接着剤硬化物層(接着部)17は図示の便宜のために均一な厚みのある層として図示したが、必ずしもその形態でなくてもよく、不定形に樹脂層15と可撓管基材14との間に介在されていてもよい。むしろ厚みがほとんどなく、樹脂層15と可撓管基材14とが実質的に接した形で接着されていてもよい。
樹脂層15の外面には、耐薬品性のある例えばフッ素等を含有したコート層16をコーティングしている。なお、接着剤硬化物層17、樹脂層15及びコート層16は、層構造を明確に図示するため、可撓管基材14の径に比して厚く描いている。
図3に示すように、先端部3cの先端面には、照明窓31、観察窓32および鉗子口33が形成されている。また、必要に応じて先端面を洗浄するため、水および空気を送り出すノズル34が形成されている。照明窓31、観察窓32、鉗子口33およびノズル34は、チャンネルにより、本体操作部5と連接している。
図4に示すように、先端部3cは、金属からなる先端部本体35と、電気絶縁性部材からなる先端キャップ36とから構成される。
観察窓32に、光学系装置である観察ユニット43が設置されている。観察ユニット43は、レンズホルダ37内に、レンズL1〜L4から構成される対物光学系が、接着剤硬化物41および42により固定されている。この接着剤硬化物41および42は、本発明の接着剤を適用してこれを硬化させることにより形成することができる。この対物光学系において、Aは空気層である。レンズホルダ37の端面にはプリズム38が接着され固定されている。このプリズム38により対物光学系の光軸が直角に曲げられる。このプリズム38は、固体撮像素子40に固定されている。固体撮像素子40は基板39に固定されている。これらの固定にも本発明の接着剤を適用することができる。
<内視鏡の製造方法>
本発明の内視鏡の製造方法は、本発明の接着剤を用いて、内視鏡構成部材を固定することを含む限り特に制限はなく、内視鏡構成部材の固定以外の工程は、通常の製造工程を採用して本発明の内視鏡を製造することができる。
固定される内視鏡構成部材の材質に特に制限はなく、例えば、樹脂部材、金属部材及びガラス部材が挙げられる。内視鏡構成部材は、本発明の接着剤を構成する主剤と硬化剤とを混合した後、この混合物を適用か所に注入ないし塗布し、100〜220℃(好ましくは120〜200℃、より好ましくは140〜180℃)で1〜24時間加熱することにより、内視鏡を構成する支持部材等に固定することができる。
以下、本発明の内視鏡の製造方法における接着剤の使用形態について具体例を挙げて説明するが、本発明はこれらに限定されない。
本発明の接着剤により固定される内視鏡構成部材のうち、樹脂部材としては、例えば、内視鏡の挿入部内に挿通されるチューブが挙げられる。上記チューブを構成する樹脂材料としては、テフロン(登録商標)などのフッ素樹脂、ポリサルフォン、ポリエステル、ポリオレフィン、シリコーンなどが挙げられる。本発明の接着剤は、例えば、内視鏡の挿入部を構成する金属部材またはガラス部材と上記チューブとの接着(金属部材またはガラス部材の上記チューブへの固定)に用いることができる。
また、上述のように、図2における接着剤硬化物層17を形成するために用いることもできる。また、図2における樹脂層15とコート層16の接着に用いることもできる。
本発明の接着剤は、可撓性外皮チューブ(樹脂層15)の端部(可撓管3aの先端側(アングル部3b側)の端部)の外面仕上げ及び固定に用いることができる。具体的には、可撓管3aの樹脂層15の端部を外側から糸で緊縛してその内側の部材に固定した後、その糸を被覆するように接着剤を塗布し、硬化させる。可撓管3aの先端側端部の最外層を本発明の接着剤で構成することにより、この先端側端部の糸をほつれにくくし、挿入部を体腔内に挿入しやすくするためである。このようにして形成された挿入部は、滅菌後にも、つやのある外観を維持することができる。
また、本発明の接着剤は、先端部3cとアングル部3bとの接着および/または挿入部3と本体操作部5との接着に用いることができる。例えば、先端部3cとアングル部3bとを本発明の接着剤を用いて接着し、次いで先端部3cとアングル部3bとの接着部及びその近傍を糸で巻き締め接着を補強し、その糸を被覆するように接着剤を塗布し、硬化させる。挿入部3と本体操作部5との接着についても同様である。
また、本発明の接着剤は、内視鏡の挿入部内に挿通される各種チューブの、先端部3cおよび/または本体操作部5への固定に使用することもできる。
また、本発明の接着剤は、先端部3cにおいて、照明窓31および観察窓32の封止(ガラス部材の固定)に用いることも好ましい。接着剤を厚塗りすることにより、レンズ外周の角部を滑らかにすることができ、また、レンズ横方向からの光の入射を遮ることができる。
また、本発明の接着剤は、先端部3cに内蔵される撮像装置の組立て、部品の接着、固体撮像素子40の封止等の、部材の固定に用いることができる。撮像装置は、レンズL1〜L4およびプリズム38等の複数個の光学部品からなる光学系と、この光学系によって結像された光学画像を撮像信号に光電変換するCCD(Charge Coupled Device)等の固体撮像素子40とを有する。本発明の接着剤は、ガラス等の材料からなるレンズL1〜L4およびプリズム38等の光学部品どうしの接着、並びに、レンズL1〜L4および/またはプリズム38と樹脂または金属からなる基板39との接着等に用いることができ、この接着により、ガラス部材を固定することができ、また金属部材を固定することができる。
また、本発明の接着剤は、固体撮像素子40と基板39の接着固定、封止に用いることができる。この接着により、固体撮像素子、基板等を構成する金属部材を固定することができる。
このように本発明の内視鏡の製造方法は、本発明の接着剤を用いて、内視鏡構成部材を固定する工程を含むものである。
実施例に基づき本発明をさらに詳細に説明するが、本発明が下記実施例により限定して解釈されるものではない。また、「室温」は25℃を意味する。
[調製例] 接着剤の調製
下表に示す主剤と硬化剤とを組み合わせた2液型接着剤を調製した。主剤として下表に示すエポキシ樹脂(a)を用い、硬化剤として下表に示す酸無水物化合物(b)を用いた。
[試験例]
<試験片の調製>
主剤(エポキシ樹脂(a))と硬化剤(酸無水物化合物(b))とを、下表に示す混合量で混合し、泡とり練太郎 ARV−310(商品名、シンキー社製)を用いて、室温下、1.0Paに減圧した状態で、2000rpmで撹拌した。こうして主剤と硬化剤とが均一に混合された混合物を得た。
ガラス製の50mm(長さ)×5mm(幅)×0.5mm(厚み)のテストピース2枚を用いた。1枚のテストピースの長さ方向の一端から、他端に向けて20mmの長さまで、上記で調製した混合物を幅方向全体に塗布して塗布層を形成した。この塗布層に対し、もう1枚のテストピースの長さ方向の一端から、他端に向けて20mmの長さまでを密着させ、180℃で12時間加熱して塗布層を硬化し、2枚のテストピースを接着させた試験片を得た。2枚のテストピースが重なり合う部分の面積は100mmであり、この重なり部分(100mm)全体に接着剤硬化物が形成されている。
接着剤1種につき6つの試験片を作製し、下記の滅菌処理耐久性試験とヒートサイクル試験に、試験片を3つずつ用いた。
<滅菌処理耐久性試験>
ステラッド(登録商標)NX(ジョンソンアンドジョンソン社製)、アドバンスコースにて、試験片を過酸化水素プラズマ滅菌処理に付した。この滅菌処理を、一試験片に対し100回行った。
(密着力の評価)
試験片に対し、オートグラフを用いて180°剥離試験を実施し、剥離強度を測定した。試験前後(過酸化水素プラズマ処理前後)の剥離強度を下記式に当てはめて密着力維持率を算出した。この密着力維持率を下記評価基準に当てはめ、滅菌処理耐久性を評価した。結果を下表に示す。なお、下表に示す評価結果は、3つの試験片の密着力維持率の平均を、下記評価基準に当てはめたものである。

[密着力維持率(%)]=100×[試験後の剥離強度]/[試験前の剥離強度]

−評価基準−
A:密着力維持率が90%以上
B:密着力維持率が70%以上90%未満
C:密着力維持率が50%以上70%未満
D:密着力維持率が50%未満
(透過率の評価)
試験片の、2枚のテストピースが重なり合う部分の全光線透過率を、ヘイズメーターHM−150を用いて測定した。試験前後(過酸化水素プラズマ処理前後)の全光線透過率を下記式に当てはめて透過率維持率を算出した。この透過率維持率を下記評価基準に当てはめ、滅菌処理耐久性を評価した。結果を下表に示す。なお、下表に示す評価結果は、3つの試験片の透過率維持率の平均を、下記評価基準に当てはめたものである。

[透過率維持率(%)]=100×[試験後の全光線透過率]/[試験前の全光線透過率]

−評価基準−
A:透過率維持率が95%以上
B:透過率維持率が85%以上95%未満
C:透過率維持率が70%以上85%未満
D:透過率維持率が70%未満
<ヒートサイクル耐久性試験>
試験片を0℃の低温度下に静置し、次いで70℃の高温下に静置した。これを1サイクルとして、このサイクルを一試験片に対し500サイクル実施した。
このヒートサイクル試験に付した試験片について、上記滅菌処理耐久性試験と同様にして、密着力と透過率を評価した。結果を下表に示す。なお、下表に示す評価結果は、上記滅菌処理耐久性試験における評価と同様に、3つの試験片の平均に基づくものである。
Figure 2019041874

<表の注>
[エポキシ樹脂(a)]
A−1:
ビスフェノールAジグリシジルエーテル(商品名「jER825」、三菱化学社製、エポキシ当量170)
A−2:
ビスフェノールAジグリシジルエーテル(商品名「jER828」、三菱化学社製、エポキシ当量190)
A−3:
ビスフェノールAジグリシジルエーテル(商品名「jER834」、三菱化学社製、エポキシ当量230)
A−4:
ビスフェノールFジグリシジルエーテル(商品名「EPICLON830」、DIC社製、エポキシ当量170)
A−5:
エポキシノボラック樹脂(製品番号406775、シグマアルドリッチ社製、エポキシ当量170)
A−6:
ビスフェノールAプロポキシレートジグリシジルエーテル(シグマアルドリッチ社製、エポキシ当量228)
A−7:
4,4’−メチレンビス(N,N−ジグリシジルアニリン)(東京化成工業社製、エポキシ当量106)
[酸無水物化合物(b)]
上述した例示化合物の符号に対応
[比較例に用いた硬化剤]
硬化剤1:
メタキシレンジアミン
硬化剤2:
ジエチルアミノプロピルアミン
硬化剤3:
2−エチル−4−メチルイミダゾール
比較例1及び2では、実施例と同じ反応条件で実施例と同等の硬化状態の硬化物を得るのに必要な量の硬化剤(硬化成分)を混合した。この比較例1及び2で用いた硬化剤はアミン化合物であり、使用量が少ないにもかかわらず、密着力維持率及び透過率維持率のいずれにも劣る結果となった。
また、酸無水物化合物を主要な硬化成分として用いた場合でも、併せて別の硬化剤をそれよりも少ない一定量で用いた比較例3では、密着力維持率に劣り、また透過率維持率もやや劣る結果となった。
これに対し、本発明で規定する主剤と硬化剤との組合せからなる接着剤を用いた場合、滅菌処理に対して、またヒートサイクルに対して、優れた耐久性を示すことがわかった(実施例1〜17)。
2 電子内視鏡(内視鏡)
3 挿入部
3a 可撓管
3b アングル部
3c 先端部
5 本体操作部
6 ユニバーサルコード
11 螺旋管
11a 金属帯片
12 筒状網体
13 口金
14 可撓管基材
14a 先端側
14b 基端側
15 樹脂層
16 コート層
17 接着剤硬化物層
31 照明窓
32 観察窓
33 鉗子口
34 ノズル
35 先端部本体
36 先端キャップ
37 レンズホルダ
38 プリズム
39 基板
40 固体撮像素子
41 接着剤硬化物
42 接着剤硬化物
43 観察ユニット

Claims (8)

  1. 主剤と硬化剤とを有する2液型の内視鏡用接着剤であって、
    前記主剤がビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂及びフェノールノボラック型エポキシ樹脂のうちの少なくとも1種のエポキシ樹脂を含み、前記硬化剤に含まれる硬化成分が酸無水物化合物である、内視鏡用接着剤。
  2. 前記酸無水物化合物が脂環式ジカルボン酸無水物を含む、請求項1記載の内視鏡用接着剤。
  3. 前記酸無水物化合物が下記式(I)で表される酸無水物化合物を含む、請求項1記載の内視鏡用接着剤。
    Figure 2019041874

    式中、環Tは5員環又は6員環である。Rはアルキル基、アルコキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリール基、又はカルボキシ基を示す。nは0〜4の整数である。
  4. 前記酸無水物化合物が、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水ベンゾフェノンテトラカルボン酸、エチレングリコールビスアンヒドロトリメテート、グリセロールトリスアンヒドロトリメテート、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルブテニルテトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、無水コハク酸、オクテニル無水コハク酸、ドデセニル無水コハク酸、メチルシクロヘキセンジカルボン酸無水物、メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジカルボン酸無水物、及びビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジカルボン酸無水物のうちの少なくとも1種の酸無水物化合物を含む、請求項1記載の内視鏡用接着剤。
  5. 前記主剤を構成するエポキシ樹脂100質量部に対し前記硬化剤を構成する前記酸無水物化合物を60〜120質量部として前記主剤と前記硬化剤とを混合して用いる、請求項1〜4のいずれか1項に記載の内視鏡用接着剤。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項記載の内視鏡用接着剤を硬化してなる硬化物。
  7. 請求項6に記載の硬化物により構成部材が固定された内視鏡。
  8. 請求項1〜5のいずれか1項記載の内視鏡用接着剤を用いて構成部材を固定することを含む、内視鏡の製造方法。
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