JP2019039559A - 軸受装置 - Google Patents

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康 川井
Yasushi Kawai
康 川井
隼人 池田
Hayato Ikeda
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Abstract

【課題】潤滑油の冷却効率を向上させることができる軸受装置を提供する。
【解決手段】軸受装置9は、回転軸1の荷重を受ける少なくとも1つの軸受15,16と、軸受15,16を収容する軸受ケーシング30と、軸受ケーシング30内に形成され、軸受15,16の下方に配置される潤滑油貯槽10と、回転軸1に支持され、該回転軸1の回転に伴って潤滑油貯槽10に貯留される潤滑油をかき上げるオイルリング20aと、オイルリング20aによってかき上げられた潤滑油の一部が導入される少なくとも1つの潤滑油路23と、を備える。潤滑油路23は、オイルリング20aの外周面と対向する入口23aと、潤滑油貯槽10の下部に開口する出口23bとを有する。
【選択図】図5

Description

本発明は、軸受装置に関し、特に、回転軸が水平に配置された横軸式の回転機械に設けられる軸受装置に関する。
回転軸が水平に配置された横軸式の回転機械(例えば、横軸ポンプ)は、該回転軸を回転自在に支持するための軸受装置を備えている。この軸受装置は、少なくとも1つの軸受と、該軸受を収容する軸受ケーシングとを備えており、回転軸は、軸受に回転自在に支持される。このような軸受には、通常、すべり軸受または転がり軸受が用いられ、軸受を潤滑するための潤滑剤として、潤滑油が用いられる。
従来、回転軸とともに回転するオイルリングを用いて潤滑油を軸受に供給する軸受装置が知られている。この軸受装置では、軸受ケーシング内に形成され、軸受の下方に配置された潤滑油貯槽に貯留される潤滑油を、回転軸とともに回転するオイルリングによってかき上げて軸受に供給する。オイルリングによって軸受に供給された潤滑油は、自然流下により潤滑油貯槽に戻され、再度オイルリングによりかき上げられて、軸受に供給される。
オイルリングにより軸受に供給された潤滑油は、軸受に発生した摩擦熱を除去する冷却剤としても機能するので、軸受との熱交換により潤滑油の温度は上昇する。加えて、潤滑油貯槽内の潤滑油に浸っているオイルリングの下部によるせん断によっても潤滑油の温度は上昇する。そこで、軸受装置は、潤滑油貯槽に貯留される潤滑油を冷却するための冷却装置を有している。冷却装置は、例えば、潤滑油貯槽の下方および/または側方に配置された冷却ジャケット、または潤滑油貯槽内に挿入された冷却液チューブである。あるいは、冷却装置は、軸受ケーシングの外面に設けられた冷却フィンであってもよい。この場合、冷却装置は、冷却フィンに向けて空気を送るファンをさらに有していてもよい。
オイルリングが、軸受から自然流下によって潤滑油貯槽に戻される潤滑油を直ちにかき上げる場合、すなわち、オイルリングが、冷却装置によって十分に冷却される前に潤滑油をかき上げる場合、軸受に供給される潤滑油の温度が徐々に上昇して、軸受および/または回転軸が損傷してしまうことがある。
そこで、潤滑油貯槽を仕切板または配管などにより2つの油室に分割し、一方の油室に存在する潤滑油をオイルリングでかき上げ、軸受を通過して高温になった潤滑油を自然流下によって他方の油室に回収する軸受装置が提案されている(例えば、特許文献1〜特許文献4参照)。一方の油室と他方の油室は潤滑油貯槽の底部で互いに連通しており、他方の油室には、高温になった潤滑油を冷却するための冷却装置が配置されている。したがって、高温になった潤滑油は、他方の油室で冷却されるので、オイルリングは、所望の温度まで低下した潤滑油を軸受に供給することができる。
特開2012−149697号公報 実開平5−79051号公報 特開昭60−220298号公報 実公昭39−29482号公報
しかしながら、本発明者らが鋭意研究した結果、回転するオイルリングによってかき上げられた潤滑油の大部分は、該潤滑油に作用する遠心力によってオイルリングの接線方向に放出され、軸受の潤滑と冷却に使用されずに、潤滑油貯槽内の潤滑油の油面に戻されていることが分かった。このため、上記引用文献1乃至4には、以下に説明するように、潤滑油の温度が上昇するという問題がある。
上記特許文献1には、油槽内の潤滑油をオイルリングでかき上げて軸受に供給し、軸受の内面と回転軸の外面を潤滑して高温になった潤滑油(軸受からの排油)のみを排油受槽内に収集し、高温の潤滑油を排油受槽から油槽に導いて油槽内の比較的低温の潤滑油と熱交換させることにより、潤滑油の温度を低下させる軸受装置が開示されている。しかしながら、この軸受装置では、オイルリングと排油受槽とは軸方向にずれているため、オイルリングから遠心力で剥離して半径方向に飛び散った潤滑油は、排油受槽には入らず、油槽の油面に再び落ちる。つまり、油槽、軸受、排油受槽の順に循環する潤滑油の量は少なく、大部分の潤滑油は、油槽の上部からオイルリングによりかき上げられ、遠心力によりオイルリングから放出され、油槽内の元の場所、すなわち油槽の上部に戻される。この油槽の上部に存在する潤滑油は、上述したように、回転するオイルリングによるせん断により発熱するので、油槽内の油温が徐々に上昇していく。
上記特許文献2には、軸受の潤滑に使用された潤滑油のみならず、潤滑することなく溢れ出た潤滑油を、オイルリングの半径方向内側に設けた漏油受で受ける軸受装置が開示されている。しかしながら、オイルリングによって第1油槽からかき上げられた潤滑油はオイルリングにより遠心力を与えられ、大部分の潤滑油は接線方向へ剥離する。漏油受はオイルリングの半径方向内側にあるため、接線方向へ飛び散った潤滑油は漏油受では回収されず、冷却器がある第2油槽を経由せずに、再び第1油槽へ戻る。漏油受を持つ特許文献2の軸受装置は、特許文献1よりも多くの油を回収できると予想されるが、大部分の潤滑油は、遠心力により飛び散った後、再び第1油槽内の同じ場所に戻るので、特許文献1と同様に、オイルリングによるせん断により油温は徐々に上昇してしまう。
上記特許文献3には、オイルディスク(またはオイルリング)をすべり軸受の中心に配設し、オイルディスクでかき上げた潤滑油を全て、軸受の上部に設けた軸受ダムに一旦溜め、給油穴からすべり軸受へ給油する軸受装置が開示されている。しかしながら、この軸受装置には下記欠点がある。
1)すべり軸受は軸を含む回転体の荷重を受けるためのものであるため、すべり軸受下方の支持台に空間が多い。通常、支持台を含む軸受箱は剛にして、機器の運転回転速度範囲よりも支持台の固有振動数を上に持ってくるのが一般的であるが、支持台に空間が多いと支持台の固有振動数が下がり、機器の運転回転速度と重なった場合は、機器を運転できない。
2)構造が複雑で、加工や組み立てが難であり、メンテナンスがしにくい。
3)オイルディスク(またはオイルリング)でかき上げた潤滑油が全てすべり軸受に供給されるため、すべり軸受への給油量をかき上げ油量によって調整する必要がある。しかしながら、かき上げ油量は、オイルディスクの表面粗度、回転速度、及び油面の位置などにより変わるため、油量調整が困難である。オイルリングの場合、オイルリングのサイズ、断面形状、回転軸とオイルリングの表面粗度の関係、回転速度及び油面の位置などによりかき上げ油量が変わるため、現実的には油量調整は困難である。いずれの場合も潤滑油は温度により粘度が大きく変わるため、かき上げ油量を制御するのは困難である。
上記特許文献4には、オイルリングによって潤滑油をかき上げて軸受に供給し、軸受から排出された潤滑油を排油管によって油槽の底部に導き、比較的温度の低い潤滑油に接触させて、潤滑油の温度を下げるようにした軸受装置が開示されている。しかしながら、この軸受装置においても、大部分の潤滑油は、遠心力により飛び散った後、再び油槽内の同じ場所に戻るので、特許文献1と同様に、オイルリングによるせん断により油温は徐々に上昇してしまう。
特に、回転軸の回転速度が増大すると、軸受に発生する摩擦熱も増大するので、油槽内の潤滑油の温度がますます高くなり、冷却装置の負荷がさらに増大してしまう。したがって、従来の軸受装置では、潤滑油の冷却効率の点で未だ改善の余地がある。
そこで、本発明は、潤滑油の冷却効率を向上させることができる軸受装置を提供することを目的とする。
上述した目的を達成するために、本発明の一態様は、回転軸の荷重を受ける少なくとも1つの軸受と、前記軸受を収容する軸受ケーシングと、前記軸受ケーシング内に形成され、前記軸受の下方に配置される潤滑油貯槽と、前記回転軸に支持され、前記回転軸の回転に伴って前記潤滑油貯槽に貯留される潤滑油をかき上げるオイルリングと、前記オイルリングによってかき上げられた潤滑油の一部が導入される少なくとも1つの潤滑油路と、を備え、前記潤滑油路は、前記オイルリングの外周面と対向する入口と、前記潤滑油貯槽の下部に開口する出口とを有することを特徴とする軸受装置である。
本発明の好ましい態様は、前記軸受は、前記回転軸を回転自在に支持するスリーブ型のすべり軸受であり、前記オイルリングは、前記すべり軸受に形成された溝に挿入されており、前記潤滑油路の入口は、前記すべり軸受の外面に形成された前記溝の開口部に対向していることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記潤滑油路は、前記軸受ケーシングに形成されることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記潤滑油路は、前記軸受ケーシングに形成され、前記入口から前記軸受ケーシングの外面まで延びる入口油路と、前記軸受ケーシングに形成され、前記出口から前記軸受ケーシングの外面まで延びる出口油路と、前記軸受ケーシングの外部に配置され、前記入口油路を前記出口油路に連通させる潤滑油管と、から構成されることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記潤滑油管には、透明窓が配置されていることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記潤滑油管には、前記潤滑油路を流れる潤滑油に含まれる異物を除去するフィルタが配置されていることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記少なくとも1つの潤滑油路は、第1潤滑油路および第2潤滑油路であり、前記第1潤滑油路の第1入口は、前記回転軸の軸心を通る鉛直面に対して前記オイルリングの回転方向の下流側に配置されており、前記第2潤滑油路の第2入口は、前記鉛直面に対して前記オイルリングの回転方向の上流側に配置されることを特徴とする。
本発明の他の態様は、回転軸の荷重を受けるラジアル軸受およびスラスト軸受と、前記ラジアル軸受および前記スラスト軸受を収容する軸受ケーシングと、前記軸受ケーシング内に形成され、前記ラジアル軸受および前記スラスト軸受の下方に配置される潤滑油貯槽と、前記回転軸に支持され、前記回転軸の回転に伴って前記潤滑油貯槽に貯留される潤滑油をかき上げて、前記ラジアル軸受に供給する少なくとも1つのラジアル側オイルリングと、前記回転軸に支持され、前記回転軸の回転に伴って前記潤滑油貯槽に貯留される潤滑油をかき上げて、前記スラスト軸受に供給する少なくとも1つのスラスト側オイルリングと、前記ラジアル側オイルリングによってかき上げられた潤滑油の一部と、前記スラスト側オイルリングによってかき上げられた潤滑油の一部とが導入される少なくとも1つの潤滑油路と、を備え、前記潤滑油路は、前記ラジアル側オイルリングの外周面と対向する入口を有するラジアル側油路と、前記スラスト側オイルリングの外周面と対向する入口を有するスラスト側油路と、前記ラジアル側油路を前記スラスト側油路に連通させる中間油路とを有し、前記第スラスト側油路は、前記潤滑油貯槽の下部に開口する出口を有することを特徴とする軸受装置である。
本発明の好ましい態様は、前記少なくとも1つのラジアル側オイルリングは、複数のラジアル側オイルリングであり、前記ラジアル側油路は、前記複数のラジアル側オイルリングのそれぞれの外周面に対向する複数の入口を有することを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記スラスト側油路は、前記軸受ケーシングに形成された溝と、前記溝の上部と下部とに開口が形成されるように、該溝を塞ぐ蓋体とで構成されており、前記溝の下部に形成された開口が前記出口であることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記潤滑油貯槽には、該潤滑油貯槽に貯留される前記潤滑油を冷却するための冷却装置が配置されており、前記蓋体の下部は、前記出口から放出される潤滑油が前記冷却装置に向かって流れるように曲げられていることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記冷却装置は、冷媒が流れる冷却チューブであり、前記冷却チューブの外面には、冷却フィンが取り付けられていることを特徴とする。
本発明によれば、回転するオイルリングの外周面から放出された潤滑油は、潤滑油貯槽の上部、オイルリング、潤滑油路、および潤滑油貯槽の下部をこの順に流れる大きな循環流を形成することができる。一方で、軸受の潤滑と冷却に使用されて、高温になった潤滑油は、再びオイルリングによってかき上げられるが、オイルリングによってかき上げられる潤滑油の大部分は、潤滑油路に導入され、潤滑油貯槽の下部に戻される。したがって、循環流に含まれる高温の潤滑油を、冷却装置によって効率良く冷却することができる。さらに、潤滑油の循環流は、大きな流量を有しているので、潤滑油貯槽内で高温の潤滑油が滞留することが防止される。その結果、潤滑油の冷却効率を向上させることができる。
一実施形態に係る軸受装置を備えた横軸単段ポンプの一例を示す断面図である。 一実施形態に係る軸受装置を備えた横軸多段ポンプの一例を示す断面図である。 一実施形態に係る軸受装置の断面図である。 図3に示される軸受装置のA−A線断面図である。 図3に示される軸受装置に設けられた潤滑油路を説明するための概略斜視図である。 図5に示される潤滑油路の概略側面図である。 図6のB−B線断面図である。 図8(a)は、スラスト軸受に潤滑油を供給するオイルリングの外周面に対向する位置に形成された入口を有する潤滑油路の一例を模式的に示す断面図であり、図8(b)は、図8(a)に示される潤滑油路のC−C線断面図である。 図9(a)は、図8(a)に示される潤滑油路の変形例であり、図9(b)は、図9(a)に示される潤滑油路のD−D線断面図である。 他の実施形態に係る潤滑油路を説明するための軸受装置の概略斜視図である。 図10に示される潤滑油路の変形例を示す模式図である。 図12(a)は、図10に示される潤滑油管の変形例を示す模式図であり、図12(b)は、図10に示される潤滑油管のさらに他の変形例を示す模式図である。 さらに他の実施形態に係る潤滑油路を説明するための軸受装置の概略斜視図である。 図13に示される第2潤滑油路の概略側面図である。 図14のE−E線断面図である。 図14のF−F線断面図である。 図17は、さらに他の実施形態に係る潤滑油路を説明するための軸受装置の概略斜視図である。 図18は、図17に示される潤滑油路の概略側面図である。 図19は、図18のG−G線断面図である。
図1は、一実施形態に係る軸受装置を備えた横軸単段ポンプの一例を示す断面図である。図1に示される回転機械としての横軸単段ポンプ100は、羽根車2と、この羽根車2が固定される回転軸1とを有している。回転軸1は水平方向に延びている。回転軸1の一端は図示しない電動機などの駆動機に連結されており、この駆動機によって回転軸1および羽根車2が回転されるようになっている。回転軸1は、その両端部近傍に設けられた軸受装置9,9に回転自在に支持されている。
羽根車2はポンプケーシング5内に配置されている。図1に示すポンプケーシング5はその内部に渦巻き室5aを有しており、羽根車2は渦巻き室5aの内部に配置されている。回転軸1の回転とともに羽根車2が回転すると、吸込口3から水などの液体が吸い込まれ、羽根車2と渦巻き室5aの作用により液体の圧力が上昇されて、液体が吐出口4から吐き出される。
図示した例における羽根車2は、その両側から液体を吸い込む両吸込構造を有している。羽根車2の液体入口には、口金2A,2Bがそれぞれ取り付けられている。これら口金2A,2Bの直径を互いに異なるように設計することで、圧力差によるスラスト力を回転軸1の一方向に作用させ、回転軸1を安定させた状態で回転させることができる。このスラスト力は、軸受装置9のスラスト軸受15で支持されるようになっている。スラスト軸受15は、回転軸1の両方向に作用するスラスト力を受けることができる複列転がり軸受である。このスラスト軸受15に潤滑油を供給するために、スラスト軸受15の、回転軸1の軸端部側に、オイルリング20cが配置されている。
このスラスト軸受15に加えて、回転軸1の両側端部近傍には2つのラジアル軸受16が配置されている。これら2つのラジアル軸受16と、1つのスラスト軸受15の合計3つの軸受で回転軸1は支持される。本実施形態では、ラジアル軸受16にはスリーブ型のすべり軸受が用いられている。このスリーブ型のラジアル軸受16の内部には、ラジアル軸受16のすべり面と回転軸の外周面との間に潤滑油を供給する2つのオイルリング20a,20bが配置されている。
図2は、一実施形態に係る軸受装置を備えた横軸多段ポンプの一例を示す断面図である。図2に示される回転機械としての横軸多段ポンプ100は、複数の羽根車2と、これら羽根車2が固定される回転軸1を有している。回転軸1は水平に延びている。複数の羽根車2は、回転軸1上に直列に配列されていて、これら羽根車2のそれぞれを囲むように複数のガイドベーン6が配置される。回転軸1の一端は図示しない電動機などの駆動機に連結されており、この駆動機によって回転軸1および羽根車2が回転されるようになっている。また、回転軸1は、その両端部近傍に設けられた軸受装置9,9に回転自在に支持されている。
羽根車2はポンプケーシング5内に配置されている。回転軸1の回転とともに複数の羽根車2が回転すると、吸込口3から水などの液体が吸込まれ、羽根車2とガイドベーン6との作用により、液体の圧力が上昇されて液体が吐出口4から吐き出される。複数の羽根車2は同じ方向を向いて配列されているため、隣り合う羽根車2間の圧力差により生じるスラスト力が羽根車2の枚数分重なりあい、大きなスラスト力が発生する。このスラスト力は、横軸多段ポンプ100内に設けられたバランス装置7により相殺されるが、過渡運転時などにはある程度のスラスト力が残留する。この残留スラスト力は、軸受装置9のスラスト軸受15で支持される。スラスト軸受15は、回転軸1の両方向に作用するスラスト力を受けることができる複列転がり軸受である。このスラスト軸受15に潤滑油を供給するために、スラスト軸受15の、回転軸1の軸端部側に、オイルリング20cが配置されている。
このスラスト軸受15に加えて、回転軸1の両側端部近傍には、回転軸1の半径方向荷重を支持する2つのラジアル軸受16,16が配置されている。これら2つのラジアル軸受16,16と、1つのスラスト軸受15の合計3つの軸受で回転軸1は支持される。本実施形態では、ラジアル軸受16,16にはスリーブ型のすべり軸受が用いられている。このスリーブ型のラジアル軸受16の内部には、ラジアル軸受16のすべり面と回転軸の外周面との間に潤滑油を供給する2つのオイルリング20a,20bが配置されている。これらの回転軸1の両端部近傍に配置される軸受装置9,9の構成は、図1に示した横軸単段ポンプと同様である。
図1および図2に示した横軸ポンプ100いずれの場合も、回転軸1はポンプケーシング5を貫通して延びている。回転軸1とポンプケーシング5との間の隙間は、メカニカルシールなどの軸封装置8,8によってシールされている。したがって、羽根車2によって昇圧された液体が軸受装置9,9に浸入することはない。
図3は、軸受装置9の一実施形態を示す断面図であり、図4は、図3に示される軸受装置のA−A線断面図である。図3に示されるように、この軸受装置9は、水平に延びる回転軸1の軸方向荷重および半径方向荷重を支持するスラスト軸受15と、回転軸1の半径方向荷重を支持するラジアル軸受16と、を有する。本実施形態のスラスト軸受15には、2つのアンギュラ玉軸受31,32により構成された複列転がり軸受が使用され、ラジアル軸受16にはスリーブ型のすべり軸受が用いられている。以下の説明では、ラジアル軸受16をすべり軸受16と称することがある。さらに、軸受装置9は、スラスト軸受15およびすべり軸受16を収容する軸受ケーシング30を備えている。軸受ケーシング30は、ポンプケーシング5に複数の固定具37によって固定されている。
軸受装置9は、スラスト軸受15およびすべり軸受16の下方に配置された潤滑油貯槽10を備えている。潤滑油貯槽10は軸受ケーシング30内に設けられている。この潤滑油貯槽10は、スラスト軸受15およびすべり軸受16の潤滑および冷却に使用される潤滑油を貯留するために設けられており、潤滑油貯槽10内の潤滑油の油面が、符号10aが付された太線で示されている。なお、潤滑油貯槽10内の油面10aが一定になるように、潤滑油量は管理されている。潤滑油貯槽10の下方および側方には冷却ジャケット29が設けられており、冷却ジャケット29を流れる冷却液によって潤滑油貯槽10内の潤滑油が冷却される。冷却ジャケット29の代わりに、潤滑油貯槽10内に、冷却液チューブを挿入して潤滑油を直接冷やす構造としてもよい。軸受装置9は、冷却ジャケット29および冷却チューブの両方を備えていてもよい。冷却ジャケット29および/または冷却液チューブは、潤滑油貯槽10内の潤滑油を冷却するための冷却装置として機能する。あるいは、冷却ジャケット29(および/または冷却液チューブ)に代えて、軸受ケーシング30の外周面に冷却フィンを設けてもよい。冷却フィンは、潤滑油貯槽10内の潤滑油を冷却するための空冷式冷却装置である。一実施形態では、空冷式冷却装置は、冷却フィンに向けて空気などの気体を送るファンをさらに有していてもよい。
図3に示されるように、すべり軸受16の内部には、該すべり軸受16のすべり面と回転軸1の外周面との間に潤滑油を供給する2つのオイルリング20a,20bが配置されている。さらに、スラスト軸受15の、回転軸1の軸端部側に、該スラスト軸受15に潤滑油を供給するためのオイルリング20cが配置されている。
本実施形態では、軸受装置9は、3つのオイルリング(すなわち、すべり軸受16に潤滑油を供給する2つのオイルリング20a,20bと、スラスト軸受15に潤滑油を供給するオイルリング20c)を有する。しかしながら、軸受装置9が有するオイルリングの数は、本実施形態に限定されない。軸受装置9が有するオイルリングの数は任意であり、例えば、すべり軸受16に潤滑油を供給するオイルリングの数は、一つであってもよいし、3つ以上であってもよい。さらに、スラスト軸受15に潤滑油を供給するオイルリングの数は、2つ以上であってもよい。
図3および図4に示されるように、すべり軸受16の内周面には、オイルリング20aを通すための溝17が形成されている。溝17は、すべり軸受16の外面に形成された一方の開口部17aから他方の開口部17bまで延びる円弧状の形状を有しており、オイルリング20aは、この溝17を通った状態で回転軸1に支持されている。さらに、すべり軸受16は、溝17と同じ形状を有する溝18(図3参照)を有しており、オイルリング20bは、この溝18を通った状態で回転軸1に支持されている。オイルリング20a,20bは、潤滑油貯槽10に貯留される潤滑油にその下部を浸した状態で、回転軸1に支持される。各オイルリング20a,20bは、回転軸1の回転に伴って回転し、これにより、潤滑油貯槽10に貯留されている潤滑油をかき上げる。
オイルリング20a,20bによってかき上げられた潤滑油の一部は、すべり軸受16のすべり面と回転軸1の外周面との間に供給され、該すべり軸受16の潤滑と冷却に利用される。その後、潤滑油は、すべり軸受16を通過して、自然流下により潤滑油貯槽10に戻される。
オイルリング20aによってかき上げられた潤滑油には、回転するオイルリング20aによって発生する遠心力が作用する。そのため、オイルリング20aによってかき上げられた潤滑油の大部分は、上記遠心力によりオイルリング20aの外周面から徐々に剥離して、該外周面の接線方向に飛び散る。オイルリング20aの外周面から飛び散った潤滑油は、すべり軸受16に形成された溝17を通過して、溝17の開口部17aからすべり軸受16の外部に放出される。同様に、オイルリング20bによってかき上げられた潤滑油の大部分は、上記遠心力によりオイルリング20bの外周面から徐々に剥離して、該外周面の接線方向に飛び散る。オイルリング20bの外周面から飛び散った潤滑油は、すべり軸受16に形成された溝18を通過して、溝18の開口部からすべり軸受16の外部に放出される。
本実施形態の軸受装置9は、溝17の開口部17aからすべり軸受16の外部に放出された潤滑油を潤滑油貯槽10の下部に戻す潤滑油路を備えている。以下では、図4乃至図7を参照して、この潤滑油路について説明する。図5は、図3に示される軸受装置9に設けられた潤滑油路を説明するための概略斜視図であり、図6は、図5に示される潤滑油路の概略側面図であり、図7は、図6のB−B線断面図である。
図4に示されるように、本実施形態に係る軸受装置9は、オイルリング20aの外周面と対向する入口23aを有する潤滑油路23を有している。より具体的には、潤滑油路23の入口23aは、オイルリング20aが挿入される溝17の開口部17aに対向している。さらに、潤滑油路23の入口23aは、潤滑油貯槽10に貯留される潤滑油10の油面10aよりも高い位置で、回転軸1の軸心を通って延びる鉛直面Pに対してオイルリング20aの回転方向の下流側に配置される。なお、潤滑油路23は、軸受ケーシング30の内部に切削加工により形成されており、軸受ケーシング30の外面に形成された潤滑油路23の開口は、閉止プラグ51によって密封されている(図6参照)。
さらに、図5および図6に示されるように、潤滑油路23の出口23bは、潤滑油貯槽10の下部に開口している。より具体的には、潤滑油路23の出口23bは、潤滑油貯槽10の下面近傍に開口している。一実施形態では、潤滑油路23の出口23bは、潤滑油貯槽10の下面に開口してもよい。
図5乃至図7に示されるように、本実施形態に係る潤滑油路23は、オイルリング20aの外周面に対向する入口23aが設けられた入口油路23cと、入口油路23cに接続された中間油路23dと、中間油路23dに接続され、潤滑油貯槽10の下部に開口する出口23bが設けられた出口油路23eとを有している。中間油路23dは、入口油路23cから水平方向に延び、その後下方向に延びる。本実施形態では、水平方向に延びる中間油路23dの一部分は、潤滑油の循環流(後述する)の方向に沿って下方に傾斜する下面を有している。出口油路23eには、潤滑油貯槽10の下部に開口する複数の(本実施形態では2つの)出口23bが設けられている。一実施形態では、出口油路23eは、1つの出口23bを有していてもよい。
上述したように、回転するオイルリング20aによってかき上げられた潤滑油には、遠心力が作用し、オイルリング20aの接線方向に飛び散る。オイルリング20aの接線方向に飛び散った潤滑油は、溝17を通って開口部17aから放出され、該開口部17aに対向する入口23aを通って、潤滑油路23に導入される。潤滑油路23に導入された潤滑油は、上記遠心力に起因する運動エネルギーを有している。この運動エネルギーにより、潤滑油路23に導入された潤滑油は、該潤滑油路23を勢いよく流れて、出口23bから潤滑油貯槽10の下部に放出される。さらに、本実施形態では、潤滑油路23の入口23aは、潤滑油貯槽10に貯留される潤滑油の油面10aよりも高い位置に配置されている。したがって、潤滑油路23の入口23aに流入した潤滑油は、上記運動エネルギーに加えて、位置エネルギーも有している。その結果、潤滑油は、潤滑油貯槽10の上部、オイルリング20a、潤滑油路23、および潤滑油貯槽10の下部をこの順に勢いよく流れる循環流を形成することができる。オイルリング20aによってかき上げられる潤滑油の大部分がオイルリング20aの接線方向に飛び散るので、潤滑油路23の入口23aから循環油路23に導入される潤滑油の循環流は、大きな流量を有している。
一方で、すべり軸受16の潤滑と冷却に使用された潤滑油の温度は上昇する。高温になった潤滑油は、自然流下で潤滑油貯槽10の上部に戻されて、オイルリング20aによって再びかき上げられる。すなわち、オイルリング20aによってかき上げられる潤滑油は、高温になった潤滑油を含んでいる。しかしながら、オイルリング20aによってかき上げられる潤滑油の大部分は、潤滑油路23に導入され、潤滑油貯槽10の下部に戻される。したがって、循環流に含まれる高温の潤滑油は、高い流速で冷却ジャケット29近傍を通過するので、冷却ジャケット29を流れる冷却液と効率良く熱交換される。さらに、潤滑油の循環流は、大きな流量を有しているので、潤滑油貯槽10内で高温の潤滑油が滞留することが防止される。このように、大きな流量を有し、潤滑油貯槽10の下部に放出される潤滑油の循環流を形成することにより、潤滑油の冷却効率を向上させることができる。
軸受装置9は、固定具37によってポンプケーシング5に固定されているので、ポンプケーシング5近傍の軸受ケーシング30の大きさは、固定具37の操作用スペースを確保するために小さくなっている(図3参照)。そのため、オイルリング20aが存在する位置の潤滑油貯槽10の下部には、冷却ジャケット29を設けることができない。本実施形態によれば、オイルリング20aによってかき上げられた潤滑油の大部分が冷却ジャケット29が設けられた潤滑油貯槽10の下部に戻されるので、潤滑油貯槽10に貯留された潤滑油全体を循環させる循環流を形成することができる。その結果、潤滑油貯槽10に貯留された潤滑油の一部の温度が局所的に増大することを防止することができる。
このように、本実施形態によれば、軸受ケーシング30が冷却ジャケット29を設けることができない部分を有している場合でも、局所的な潤滑油の温度上昇を防止することができる。さらに、潤滑油路23を流れる循環流によって、潤滑油の冷却効率を向上させることができるので、冷却ジャケット29の大きさを低減することができる。その結果、軸受装置9を小型化することができる。
また、本実施形態では、オイルリング20a,20bは、すべり軸受16の中心から離れた位置に配置されているので、すべり軸受16の支持構造体には大きな空間がなく、支持構造体の剛性が高められる。また、本実施形態はシンプルな構造であるので、軸受装置9の組み立ておよびメンテナンスが容易である。さらに、すべり軸受16への給油量は、すべり軸受16のすべり面の平均直径、すなわちすべり面と回転軸1の外周面との隙間の大きさによって管理することができる。
図示はしないが、潤滑油路23を流れる潤滑油に含まれる摩耗粉などの異物を除去するフィルタを潤滑油路23に配置してもよい。例えば、中間油路23dの途中にフィルタを配置してもよいし、出口油路23eの末端(すなわち、潤滑油路23の出口23b)にフィルタを配置してもよい。
図示した例では、潤滑油路23の入口23aは、オイルリング20aの外周面に対向する位置にのみ形成されている。しかしながら、潤滑油路23の入口を、オイルリング20bの外周面に対向する位置にのみ形成してもよい。この場合、潤滑油路23は、オイルリング20bの外周面に対向する入口が設けられた入口油路と、入口油路に接続される中間油路と、中間油路に接続され、潤滑油貯槽10の下部に開口する出口を備えた出口油路とを有する。あるいは、潤滑油路23の入口を、オイルリング20aの外周面に対向する位置およびオイルリング20bの外周面に対向する位置に設けてもよい。この場合、潤滑油路23は、オイルリング20aの外周面に対向する入口、およびオイルリング20bの外周面に対向する入口(すなわち、2つの入口)が設けられた入口油路と、入口油路に接続される中間油路と、中間油路に接続され、潤滑油貯槽10の下部に開口する出口を備えた出口油路とを有する。
図8(a)は、スラスト軸受15に潤滑油を供給するオイルリング20cの外周面に対向する位置に形成された入口24aを有する潤滑油路24の一例を模式的に示す断面図であり、図8(b)は、図8(a)に示される潤滑油路24のC−C線断面図である。
図8(a)および図8(b)に示される潤滑油路24は、軸受ケーシング30の内面に取り付けられた枠体28によって構成されている。枠体28は、C字状の断面形状を有しており、その両端部に開口を有している。枠体28の一方の端部(上端)は、潤滑油路24の入口24aとして使用される。より具体的には、枠体28の一方の端部と軸受ケーシング30の内面により潤滑油路24の入口24aが形成され、この入口24aは、オイルリング20cの外周面に対向している。枠体28は、潤滑油貯槽10の下部まで延びており、枠体28の他方の端部(下端)は、潤滑油路24の出口24bとして機能する。このような枠体28によって構成される潤滑油路24によって、潤滑油貯槽10の上部、オイルリング20c、潤滑油路24、および潤滑油貯槽10の下部をこの順に流れる潤滑油の大きな循環流を形成することができる。上述したように、大きな流量を有し、潤滑油貯槽10の下部に放出される潤滑油の循環流を形成することにより、潤滑油の冷却効率を向上させることができる。
上記潤滑油路24は、C字状の断面形状を有する枠体28によって形成されているが、潤滑油路24は、この実施形態に限定されない。潤滑油路24がオイルリング20cの外周面に対向する位置に形成された入口24aと、潤滑油貯槽10の下部に開口する出口24bを有していれば、潤滑油路24の構成は任意である。例えば、枠体28の断面形状は半円形状であってもよい。
図9(a)は、図8(a)および図8(b)に示される潤滑油路24の変形例を模式的に示す断面図であり、図9(b)は、図9(a)に示される潤滑油路24のD−D線断面図である。図9(a)および図9(b)に示される潤滑油路24は、軸受ケーシング30の内面に形成された溝35と、溝35の上部と下部とに開口が形成されるように、該溝35を塞ぐ蓋体36によって形成されている。溝35の上部の開口は、潤滑油路24の入口24aとして使用され、この入口24aは、オイルリング20cの外周面に対向している。溝35の下部の開口は、潤滑油貯槽10の下部に位置しており、潤滑油路24の出口24bとして機能する。このような溝35と蓋体36によって構成される潤滑油路24によって、潤滑油貯槽10の上部、オイルリング20c、潤滑油路24、および潤滑油貯槽10の下部をこの順に流れる潤滑油の大きな循環流を形成することができる。その結果、潤滑油の冷却効率を向上させることができる。
図9(a)および図9(b)に示される実施形態では、潤滑油路24は、軸受ケーシング30の内面に溝35を形成し、該溝35を蓋体36で塞ぐことで形成されているが、潤滑油路24の構成は、本実施形態に限定されない。例えば、潤滑油路24が形成された軸受ケーシング30の鋳型を用いることにより、軸受ケーシング30を鋳造するのと同時に、該軸受ケーシング30の内部に潤滑油路24を形成してもよい。
図10は、他の実施形態に係る潤滑油路を説明するための軸受装置の概略斜視図である。図10に示される軸受装置9の構成は、潤滑油路の構成以外は図3に示される軸受装置の構成と同様であるため、その重複する説明を省略する。なお、図10では、本実施形態の理解を助けるために、すべり軸受16の一部とオイルリング20aの一部のみが描かれており、これら以外の軸受ケーシング30の内部に配置された構成要素は図示を省略している。
図10に示される軸受装置9の潤滑油路25は、オイルリング20aの外周面に対向する入口25aが設けられた入口油路25cと、潤滑油貯槽の下部に開口する出口25bが設けられた出口油路25dと、入口油路25cを出口油路25dに連通させる潤滑油管25eとを備える。入口油路25cは、オイルリング20aの外周面と対向する入口25aから軸受ケーシング30の外面まで延びており、出口油路25dは、潤滑油貯槽10の下部に開口する出口25bから軸受ケーシング30の外面まで延びている。潤滑油路25eは、軸受ケーシング30の外部に配置されている。潤滑油管25eの一端は、入口油路25cに接続され、潤滑油路25eの他端は、出口油路25dに接続される。本実施形態では、潤滑油路25は、オイルリング20aから放出された潤滑油が軸受ケーシング30の外部に配置された潤滑油管25eを通って軸受ケーシング30内に形成された潤滑油貯槽10に戻されるように構成されている。
図10に示されるように、潤滑油管25eには、透明窓38が配置されている。作業者は、透明窓38を介して潤滑油路25を流れる潤滑油の状態(例えば、潤滑油の汚れの程度)を確認することができる。したがって、作業者は、透明窓38を介して視認された潤滑油の状態から、軸受装置9のメンテナンス時期を判断することができる。
図11は、図10に示される潤滑油路25の変形例を示す模式図である。図11に示される潤滑油路25の潤滑油管25eには、フィルタ39が配置され、該フィルタ39の上流側と下流側には、バルブ43,44がそれぞれ配置されている。さらに、バイパス管50が設けられており、このバイパス管50は、バルブ43の上流側で潤滑油管25eから分岐し、バルブ44の下流側で潤滑油管25eに接続される。バイパス管50には、フィルタ40が配置され、該フィルタ40の上流側と下流側には、バルブ46,47がそれぞれ配置されている。
本実施形態によれば、潤滑油路25を流れる潤滑油に含まれる摩耗粉などの異物をフィルタ39により除去することができる。フィルタ39を交換するときは、バイパス管50に配置されたバルブ46,47を開いて、潤滑油管25eに配置されたバルブ43,44を閉じる。その後、フィルタ39を潤滑油管25eから取り外し、新たなフィルタ39を潤滑油管25eに取り付ける。本実施形態では、バイパス管50に配置されたフィルタ40が交換時期に達するまで、該フィルタ40によって、潤滑油に含まれる異物を除去する。このように、潤滑油路25を流れる潤滑油に含まれる摩耗粉などの異物を除去するために、フィルタ39,40が交互に使用される。一実施形態では、フィルタ39を潤滑油管25eに取り付けた後で、バイパス管50に配置されたバルブ46,47を閉じて、潤滑油管25eに配置されたバルブ43,44を開いてもよい。この場合、バイパス管50に配置されるフィルタ40は、予備フィルタとして使用される。
図示はしないが、バイパス管50に1つのバルブだけを配置してもよい。この場合、フィルタ39を交換するときは、バイパス管50に配置されたバルブを開いた後で、潤滑油管25eに配置されたバルブ43,44を閉じる。その後、フィルタ39を潤滑油管25eから取り外し、新たなフィルタ39を潤滑油管25eに取り付ける。次に、バルブ43,44を開いて、バイパス管50に配置されたバルブを閉じる。
図12(a)は、図10に示される潤滑油管25eの変形例を示す模式図であり、図12(b)は、図10に示される潤滑油管25eのさらに他の変形例を示す模式図である。図12(a)および図12(b)には、潤滑油管25eの一部が描かれている。
図12(a)に示すように、軸受装置9は、潤滑油管25eを矢印Lで示す方向に流れる潤滑油を冷却する熱交換器53を備えていてもよい。図12(a)に示す熱交換器53は、本体53aと、本体53aに冷媒(例えば、冷水)を供給するための冷媒入口管53bと、本体53aから冷媒を排出するための冷媒出口管53cを備える。本体53aは、例えば、冷却ジャケットであり、該冷却ジャケットは、潤滑油管25eを取り囲むように配置される。冷媒入口管53bは、図示しない冷媒供給源(例えば、チラー)に接続される。冷媒は、冷媒供給源から冷媒入口管53bを通って本体53aに供給され、該本体53aを矢印Lで示す方向とは逆向きに流れ、その後、冷媒出口管53cを通って排出される。本体53aを流れる冷媒は、潤滑油管25eを流れる潤滑油と熱交換を行い、これにより、潤滑油が冷却される。
図12(b)に示すように、軸受装置9は、潤滑油管25eの外周面に配置された複数の冷却フィン55からなる冷却機構54を備えていてもよい。図12(b)に示す各冷却フィン55は、円板形状を有しており、複数の冷却フィン55は、潤滑油管25eに沿って等間隔で配置されている。複数の冷却フィン55によって、潤滑油管25eを流れる潤滑油の放熱が促進されるので、潤滑油の温度を効率よく低下させることができる。さらに、図12(b)に示すように、冷却機構54は、冷却フィン55に向かって空気などの気体を送るファン57をさらに有していてもよい。
図示はしないが、冷却機構54の各冷却フィン55は、潤滑油管25eの外周面から外側に向かって延びる板形状を有していてもよい。この場合、複数の冷却フィン55は、潤滑油の潤滑油管25eの周方向に等間隔で配置され、潤滑油管25eの外周面から放射状に延びる。あるいは、冷却機構54は、潤滑油管25eの外周面を螺旋状に延びる一本の冷却フィンであってもよい。いずれの場合も、冷却機構54は、冷却フィンに向かって空気などの気体を送るファン57をさらに有していてもよい。
図13は、さらに他の実施形態に係る潤滑油路を説明するための軸受装置の概略斜視図である。図13に示される実施形態では、軸受装置9は、回転軸1の軸心を通る鉛直面に対して対称に配置された2つの潤滑油路26,27を有している点で、上述した実施形態と異なる。以下の説明では、一方の潤滑油路26を第1潤滑油路26と称し、他方の潤滑油路27を第2潤滑油路27と称する。
本実施形態では、第1潤滑油路26および第2潤滑油路27は、図4乃至図7を参照して説明された潤滑油路23と同様の構成を有する。具体的には、第1潤滑油路26は、オイルリング20aの外周面に対向する入口26aが設けられた入口油路26cと、入口油路26cに接続される中間油路26dと、中間油路26dに接続され、潤滑油貯槽10の下部に開口する出口26bが設けられた出口油路26eとを有している。中間油路26dは、入口油路26cから水平方向に延び、その後下方向に延びる。出口油路26eには、潤滑油貯槽10の下部に開口する複数の(本実施形態では2つの)出口26bが設けられている。一実施形態では、出口油路26eは、1つの出口26bを有していてもよい。
図14は、図13に示される第2潤滑油路27の概略側面図であり、図15は、図14のE−E線断面図であり、図16は、図14のF−F線断面図である。第2潤滑油路27は、オイルリング20aの外周面に対向する入口27aが設けられた入口油路27cと、入口油路27cに接続される中間油路27dと、中間油路27dに接続され、潤滑油貯槽10の下部に開口する出口27bが設けられた出口油路27eとを有している。中間油路27dは、入口油路27cから水平方向に延び、その後下方向に延びる。出口油路27eには、潤滑油貯槽10の下部に開口する複数の(本実施形態では2つの)出口27bが設けられている。一実施形態では、出口油路27eは、1つの出口27bを有していてもよい。第2潤滑油路27は、回転軸1の軸心を通る鉛直面P(図15参照)に対して第1潤滑油路26と対称に配置されている。
図15に示されるように、第1潤滑油路26の第1入口26aは、オイルリング20aが通過する溝17の開口部17aに対向して配置されている。したがって、第1入口26aは、回転軸1の軸心を通る鉛直面Pに対してオイルリング20aの回転方向の下流側に配置されている。第2潤滑油路27の第2入口27aは、オイルリング20aが通過する溝17の開口部17bに対向して配置されている。したがって、第2入口27aは、回転軸1の軸心を通る鉛直面Pに対してオイルリング20aの回転方向の上流側に配置されている。
上述したように、オイルリング20aの外周面から飛び散った潤滑油は、すべり軸受16に形成された溝17を通過して、溝17の開口部17aからすべり軸受16の外部に放出される。開口部17aから放出された潤滑油の一部は、該開口部17aに対向する入口26aを通って、第1潤滑油路26に導入される。第1潤滑油路26に導入された潤滑油は、上記遠心力に起因する運動エネルギーを有している。この運動エネルギーにより、第1潤滑油路26に導入された潤滑油は、該第1潤滑油路26を勢いよく流れて、第1出口26bから潤滑油貯槽10の下部に放出される。その結果、潤滑油貯槽10の上部、オイルリング20a、第1潤滑油路26、および潤滑油貯槽10の下部をこの順に流れる潤滑油の大きな第1循環流が形成される。
一方で、溝17に到達する前に、オイルリング20aから飛び散る潤滑油が存在する。溝17に到達する前にオイルリング20aから飛び散った潤滑油の一部は、軸受ケーシング30の内面に衝突し、第2入口27aから第2潤滑油路27に導入される。第2潤滑油路27に導入された潤滑油は、重力の作用により該第2潤滑油路27を流れて、第2出口27bから潤滑油貯槽10の下部に放出される。その結果、潤滑油貯槽10の上部、オイルリング20a、第2潤滑油路27、および潤滑油貯槽10の下部をこの順に流れる潤滑油の第2循環流を形成することができる。この第2循環流の流量は、第1循環流の流量よりも少ない。
このように、本実施形態によれば、回転するオイルリング20aによって、2つの循環流(すなわち、第1循環流および第2循環流)が形成される。したがって、より大量の潤滑油を軸受装置内で循環させることができるので、潤滑油の冷却効率をより向上させることができる。
さらに、本実施形態に係る軸受装置9は、2つの潤滑油路26,27を有するので、回転軸1(すなわち、オイルリング20a)を時計回りまたは反時計回りに回転させても、第1循環流の流量および第2循環流の流量の合計値は変わらない。回転軸1の回転方向は、一般に、横軸ポンプ100の購入者によって指定される。本実施形態によれば、横軸ポンプ100の購入者によって指定される回転軸1の回転方向に拘わらず、軸受装置9の製造者は、2つの潤滑油路26,27が形成された1種類の軸受ケーシング30を製造しておけばよい。その結果、軸受ケーシング30の在庫管理を容易にすることができる。
本実施形態では、第1潤滑油路26の第1入口26aおよび第2循環油路27の第2入口27aはオイルリング20aの外周面に対向する位置に形成されているが、第1潤滑油路26の第1入口26aおよび第2循環油路27の第2入口27aを、オイルリング20bの外周面に対向する位置にそれぞれ形成してもよい。第1潤滑油路26の第1入口26aを、オイルリング20aの外周面(またはオイルリング20bの外周面)に対向する位置に形成し、第2潤滑油路27の第2入口27aを、オイルリング20bの外周面(またはオイルリング20aの外周面)に対向する位置に形成してもよい。第1潤滑油路26の第1入口26aを、オイルリング20aの外周面に対向する位置およびオイルリング20bの外周面に対向する位置に形成し、第2循環油路27の第2入口27aを、オイルリング20aの外周面に対向する位置およびオイルリング20bの外周面に対向する位置に形成してもよい。
さらに、図10に示される循環油路25のように、第1循環油路26を、第1入口26aが設けられた入口油路と、第1出口26bが設けられた出口油路と、軸受ケーシング30の外部に配置され、入口油路を出口油路に連通させる潤滑油管とで構成してもよい。この場合、潤滑油管に透明窓38(図10参照)を配置してもよいし、フィルタ39およびバルブ43,44(図11参照)を配置してもよい。さらに、潤滑油管から分岐するバイパス管50を設け、バイパス管50に、フィルタ40およびバルブ46,47を配置してもよい(図11参照)。さらに、潤滑油管25eを取り囲む熱交換器53(図12(a)参照)を配置してもよいし、潤滑油管25eの外周面に、冷却フィン55を有する冷却構造54(図12(b)参照)を設けてもよい。図12(b)に示されるように、冷却構造54は、冷却フィン55に向けて気体を送るファン57を有していてもよい。
同様に、図10に示される循環油路25のように、第2循環油路27を、第2入口27aが設けられた入口油路と、第2出口27bが設けられた出口油路と、軸受ケーシング30の外部に配置され、入口油路を出口油路に連通させる潤滑油管とで構成してもよい。この場合、潤滑油管に透明窓38(図10参照)を配置してもよいし、フィルタ39およびバルブ43,44(図11参照)を配置してもよい。さらに、潤滑油管から分岐するバイパス管50を設け、バイパス管50に、フィルタ40およびバルブ47,48を配置してもよい(図11参照)。さらに、潤滑油管25eを取り囲む熱交換器53(図12(a)参照)を配置してもよいし、潤滑油管25eの外周面に、冷却フィン55を有する冷却構造54(図12(b)参照)を設けてもよい。図12(b)に示されるように、冷却構造54は、冷却フィン55に向けて気体を送るファン57を有していてもよい。
さらに、軸受装置9は、図8(a)および図8(b)を参照して説明された潤滑油路24、または図9(a)および図9(b)を参照して説明された潤滑油路24を有していてもよい。潤滑油路24は、スラスト軸受15に潤滑油を供給するオイルリング20cの外周面に対向する位置に形成された入口24aと、潤滑油貯槽10の下部に開口する出口24bとを有する。
図17は、さらに他の実施形態に係る潤滑油路を説明するための軸受装置の概略斜視図である。図18は、図17に示される潤滑油路の概略側面図である。図19は、図18のG−G線断面図である。図17に示される軸受装置9の構成は、潤滑油路の構成以外は図3に示される軸受装置9の構成と同様であるため、その重複する説明を省略する。
図17乃至図19に示される実施形態では、軸受装置9は、オイルリング20a,20bによってかき上げられた潤滑油の一部と、オイルリング20cによってかき上げられた潤滑油の一部とが導入される潤滑油路60を有している。上述したように、オイルリング20a,20bのそれぞれは、すべり軸受(ラジアル軸受)16に潤滑油を供給するためのオイルリングであり、オイルリング20cは、スラスト軸受15に潤滑油を供給するためのオイルリングである。以下の説明では、オイルリング20a,20bを、「第1ラジアル側オイルリング20a」、「第2ラジアル側オイルリング20b」とそれぞれ称し、オイルリング20cを、「スラスト側オイルリング20c」と称する。
潤滑油路60は、第1ラジアル側オイルリング20aの外周面に対向する入口60aと、第2ラジアル側オイルリング20bの外周面に対向する入口60bとを有するラジアル側油路60cと、スラスト側オイルリング20cの外周面に対向する入口60dを有するスラスト側油路60fと、ラジアル側油路60cをスラスト側油路60fに連通させる中間油路60eと、を有する。
上述したように、第1ラジアル側オイルリング20aがかき上げた潤滑油の大部分は、遠心力により第1ラジアル側オイルリング20aの外周面から徐々に剥離して、該外周面の接線方向に飛び散る。第1ラジアル側オイルリング20aの外周面から飛び散った潤滑油は、すべり軸受16に形成された溝17(図3および図4参照)を通過して、溝17の開口部17aからすべり軸受16の外部に放出される。そして、溝17の開口部17aから放出された潤滑油は、第1ラジアル側オイルリング20aの外周面に対向する入口60aからラジアル側油路60cに導入される。
同様に、第2ラジアル側オイルリング20bによってかき上げられた潤滑油の大部分は、遠心力により第2ラジアル側オイルリング20bの外周面から徐々に剥離して、該外周面の接線方向に飛び散る。第2ラジアル側オイルリング20bの外周面から飛び散った潤滑油は、すべり軸受16に形成された溝18(図3参照)を通過して、溝18の開口部からすべり軸受16の外部に放出される。そして、溝18の開口部から放出された潤滑油は、第2ラジアル側オイルリング20bの外周面に対向する入口60bからラジアル側油路60cに導入される。したがって、ラジアル側油路60cには、すべり軸受16に潤滑油を供給するための全てのラジアル側オイルリング20a,20bの外周面から飛び散った潤滑油の一部が導入される。
中間油路60eの一端は、ラジアル側油路60cに接続される。したがって、ラジアル側油路60cに導入された潤滑油は、中間油路60eに流れ込む。中間油路60eの他端は、後述するスラスト側油路60fに接続される。したがって、ラジアル側油路60cは、中間油路60eを介してスラスト側油路60fに連結され、ラジアル側油路60cに導入された潤滑油は、中間油路60eを通って、スラスト側油路60fに流れ込む。中間油路60eは、スラスト側油路60fまで水平方向に延びており、潤滑油の流れ方向において下方に傾斜する下面を有している。
本実施形態では、スラスト側油路60fは、軸受ケーシング30の内面に形成された溝62と、溝62の上部と下部とに開口が形成されるように、該溝62を塞ぐ蓋体63によって形成されている(図19参照)。中間油路60eは、溝62の上部に接続される。溝62の上端部の開口は、スラスト側オイルリング20cの外周面と対向しており、スラスト側オイルリング20cによってかき上げられた潤滑油の一部をスラスト側油路60fに導入するための入口60dとして使用される。スラスト側油路60fの下端部の開口は、潤滑油貯槽10の下部に位置しており、潤滑油路60の出口60gとして機能する。
本実施形態では、回転軸1の長手方向(軸線方向)における溝62の幅(すなわち、スラスト側油路60fの幅)は、回転軸1の長手方向におけるスラスト軸受15の幅と略同一であり(図17参照)、スラスト側油路60fの入口60dは、溝62の幅全体にわたって形成されている。さらに、溝62は、入口60dの幅を維持したまま出口60gまで延びている。つまり、回転軸1の長手方向における溝62の幅は、入口60dから出口60gまで一定であり、溝62と蓋体63によって区画されるスラスト側油路60fは、ラジアル側オイルリング20a,20bの外周面から飛び散った潤滑油の一部と、スラスト側オイルリング20cの外周面から飛び散った潤滑油の一部とが流れ込む油室として機能する。
このような潤滑油路60によれば、ラジアル側オイルリング20a,20bの外周面から飛び散った潤滑油の一部は、ラジアル側油路60cに導入され、中間油路60eを通ってスラスト側油路60fに流入する。さらに、スラスト側オイルリング20cの外周面から飛び散った潤滑油の一部は、スラスト側油路60fに導入される。したがって、ラジアル側オイルリング20a,20bの外周面から飛び散ってラジアル側油路60cに導入された潤滑油は、スラスト側油路60f内で、スラスト側オイルリング20cの外周面から飛び散ってスラスト側油路60fに導入された潤滑油と合流する。スラスト側油路60f内の潤滑油は、該スラスト側油路60fに形成された出口60gから潤滑油貯槽10の下部に戻される。このように、潤滑油路60によって、潤滑油貯槽10の上部、オイルリング20a,20b,20c、潤滑油路60、および潤滑油貯槽10の下部をこの順に流れる潤滑油の非常に大きな循環流を形成することができる。この循環流の量は、上述した実施形態にかかる潤滑油路23,24,25,26を流れる潤滑油の循環流の量よりも大きいので、潤滑油の冷却効率をさらに向上させることができる。
図17および図19に示すように、潤滑油貯槽10の下部に、該潤滑油貯槽10に貯留される潤滑油を冷却するための冷却チューブ(冷却装置)65を配置してもよい。冷却チューブ65は、図示しない冷媒供給源(例えば、チラー)に接続され、該冷媒供給源からの冷媒(例えば、冷水)が冷却チューブ65に供給される。さらに、冷却チューブ65は、複数の冷却フィン67を有する。この場合、図19に示すように、蓋体63の下部は、スラスト側油路60fに形成された出口60gから放出される潤滑油が冷却チューブ65に向かって案内されるように曲げられているのが好ましい。すなわち、蓋体63の下部は、好ましくは、出口60gから放出される潤滑油が冷却チューブ65に向かって流れるように曲げられている。これにより、潤滑油路60を通って出口60gから潤滑油貯槽10の下部に放出される潤滑油が冷却チューブ65に円滑に案内され、該冷却チューブ65で冷却される。その結果、潤滑油の冷却効率を高めることができる。なお、冷却チューブ65による潤滑油の冷却効果が十分である場合は、潤滑油貯槽10の下方および側方に設けられる冷却ジャケット29(図8参照)を省略してもよい。
本実施形態では、回転軸1の長手方向におけるスラスト側油路60fの幅は、回転軸1の長手方向におけるスラスト軸受15の幅と略同一であり、スラスト側油路60fの入口60dは、溝62の幅全体にわたって形成されている。しかしながら、スラスト側油路60fの構成は、この実施形態に限定されない。スラスト側油路60fの入口60dがスラスト側オイルリング20cの外周面に対向しており、出口60gが潤滑油貯槽10の下部に開口していれば、このスラスト側油路60fの構成は任意である。例えば、回転軸1の長手方向におけるスラスト側油路60fの幅は、回転軸1の長手方向におけるスラスト側オイルリング20cの幅と同一であるか、または若干大きくてもよい。
さらに、本実施形態では、一本のスラスト側オイルリング20cによって、スラスト軸受15に潤滑油を供給しているが、スラスト側オイルリング20cの数は、2本以上であってもよい。この場合、スラスト側油路60fの入口60dは、全てのスラスト側オイルリングの外周面に対向しているのが好ましい。
図13乃至図16に示される実施形態と同様に、軸受装置9は、上記潤滑油路60と、該潤滑油路60と同一の構成を有し、回転軸1の軸心を通る鉛直面P(図15参照)に対して対称に配置された別の潤滑油路とを有していてもよい。この場合、回転するオイルリング20a,20b,20cによって、2つの循環流(すなわち、潤滑油路60を流れる第1循環流と、別の潤滑油路を流れる第2循環流)が形成される。したがって、より大量の潤滑油を軸受装置9内で循環させることができるので、潤滑油の冷却効率をより向上させることができる。さらに、回転軸1(すなわち、オイルリング20a,20b,20c)を時計回りまたは反時計回りに回転させても、第1循環流の流量および第2循環流の流量の合計値は変わらない。そのため、図13乃至図16に示される実施形態で説明したように、横軸ポンプ100の購入者によって指定される回転軸1の回転方向に拘わらず、軸受装置9の製造者は、2つの潤滑油路が形成された1種類の軸受ケーシング30を製造しておけばよい。その結果、軸受ケーシング30の在庫管理を容易にすることができる。
上述した実施形態では、軸受装置9は、横軸ポンプ100の回転軸1を回転可能に支持するために使用されているが、軸受装置9は上述した実施形態に限定されない。例えば、上述した実施形態に係る軸受装置9を、水平に配置された回転軸を有するコンプレッサー、発電機、タービンなどの回転機械に使用してもよい。
上述した実施形態は、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が本発明を実施できることを目的として記載されたものである。上記実施形態の種々の変形例は、当業者であれば当然になしうることであり、本発明の技術的思想は他の実施形態にも適用しうる。したがって、本発明は、記載された実施形態に限定されることはなく、特許請求の範囲によって定義される技術的思想に従った最も広い範囲に解釈されるものである。
1 回転軸
2 羽根車
3 吸込口
4 吐出口
5 ポンプケーシング
6 ディフューザ
7 バランス装置
8 軸封装置(メカニカルシール)
9 軸受装置
10 潤滑油貯槽
10a 潤滑油面
15 スラスト軸受ユニット
16 ラジアル軸受ユニット
17,18 溝
17a,17b 開口部
20a,20b,20c オイルリング
23,24,25,26,27,60 潤滑油路
23a,24a,25a,26a,27a,60a,60b,60d 入口
23b,24b,25b,26b,27b,60g 出口
28 枠体
29 冷却ジャケット
30 軸受ケーシング
38 透明窓
39,40 フィルタ
43,44,46,47 バルブ
50 パイパス管
53 熱交換器
54 冷却機構
55 冷却フィン
57 ファン
62 溝
63 蓋体
65 冷却チューブ(冷却装置)
100 横軸ポンプ

Claims (12)

  1. 回転軸の荷重を受ける少なくとも1つの軸受と、
    前記軸受を収容する軸受ケーシングと、
    前記軸受ケーシング内に形成され、前記軸受の下方に配置される潤滑油貯槽と、
    前記回転軸に支持され、前記回転軸の回転に伴って前記潤滑油貯槽に貯留される潤滑油をかき上げるオイルリングと、
    前記オイルリングによってかき上げられた潤滑油の一部が導入される少なくとも1つの潤滑油路と、を備え、
    前記潤滑油路は、前記オイルリングの外周面と対向する入口と、前記潤滑油貯槽の下部に開口する出口とを有することを特徴とする軸受装置。
  2. 前記軸受は、前記回転軸を回転自在に支持するスリーブ型のすべり軸受であり、
    前記オイルリングは、前記すべり軸受に形成された溝に挿入されており、
    前記潤滑油路の入口は、前記すべり軸受の外面に形成された前記溝の開口部に対向していることを特徴とする請求項1に記載の軸受装置。
  3. 前記潤滑油路は、前記軸受ケーシングに形成されることを特徴とする請求項1または2に記載の軸受装置。
  4. 前記潤滑油路は、
    前記軸受ケーシングに形成され、前記入口から前記軸受ケーシングの外面まで延びる入口油路と、
    前記軸受ケーシングに形成され、前記出口から前記軸受ケーシングの外面まで延びる出口油路と、
    前記軸受ケーシングの外部に配置され、前記入口油路を前記出口油路に連通させる潤滑油管と、から構成されることを特徴とする請求項2に記載の軸受装置。
  5. 前記潤滑油管には、透明窓が配置されていることを特徴とする請求項4に記載の軸受装置。
  6. 前記潤滑油管には、前記潤滑油路を流れる潤滑油に含まれる異物を除去するフィルタが配置されていることを特徴とする請求項4に記載の軸受装置。
  7. 前記少なくとも1つの潤滑油路は、第1潤滑油路および第2潤滑油路であり、
    前記第1潤滑油路の第1入口は、前記回転軸の軸心を通る鉛直面に対して前記オイルリングの回転方向の下流側に配置されており、
    前記第2潤滑油路の第2入口は、前記鉛直面に対して前記オイルリングの回転方向の上流側に配置されることを特徴とする請求項1に記載の軸受装置。
  8. 回転軸の荷重を受けるラジアル軸受およびスラスト軸受と、
    前記ラジアル軸受および前記スラスト軸受を収容する軸受ケーシングと、
    前記軸受ケーシング内に形成され、前記ラジアル軸受および前記スラスト軸受の下方に配置される潤滑油貯槽と、
    前記回転軸に支持され、前記回転軸の回転に伴って前記潤滑油貯槽に貯留される潤滑油をかき上げて、前記ラジアル軸受に供給する少なくとも1つのラジアル側オイルリングと、
    前記回転軸に支持され、前記回転軸の回転に伴って前記潤滑油貯槽に貯留される潤滑油をかき上げて、前記スラスト軸受に供給する少なくとも1つのスラスト側オイルリングと、
    前記ラジアル側オイルリングによってかき上げられた潤滑油の一部と、前記スラスト側オイルリングによってかき上げられた潤滑油の一部とが導入される少なくとも1つの潤滑油路と、を備え、
    前記潤滑油路は、前記ラジアル側オイルリングの外周面と対向する入口を有するラジアル側油路と、前記スラスト側オイルリングの外周面と対向する入口を有するスラスト側油路と、前記ラジアル側油路を前記スラスト側油路に連通させる中間油路とを有し、
    前記スラスト側油路は、前記潤滑油貯槽の下部に開口する出口を有することを特徴とする軸受装置。
  9. 前記少なくとも1つのラジアル側オイルリングは、複数のラジアル側オイルリングであり、
    前記ラジアル側油路は、前記複数のラジアル側オイルリングのそれぞれの外周面に対向する複数の入口を有することを特徴とする請求項8に記載の軸受装置。
  10. 前記スラスト側油路は、前記軸受ケーシングに形成された溝と、前記溝の上部と下部とに開口が形成されるように、該溝を塞ぐ蓋体とで構成されており、
    前記溝の下部に形成された開口が前記出口であることを特徴とする請求項8または9に記載の軸受装置。
  11. 前記潤滑油貯槽には、該潤滑油貯槽に貯留される前記潤滑油を冷却するための冷却装置が配置されており、
    前記蓋体の下部は、前記出口から放出される潤滑油が前記冷却装置に向かって流れるように曲げられていることを特徴とする請求項10に記載の軸受装置。
  12. 前記冷却装置は、冷媒が流れる冷却チューブであり、
    前記冷却チューブの外面には、冷却フィンが取り付けられていることを特徴とする請求項11に記載の軸受装置。
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