以下、本発明の一実施形態に係る軸受装置1を、図1乃至図9を用いて説明する。
図1は、軸受装置1を備える横軸両掛け水車発電機200の構成を示す正面図である。図2は、軸受装置1の構成を一部断面で示す側面図であり、図3は、軸受装置1の構成を概念的に示す断面図であり、図4は、軸受装置1の潤滑油かき落とし部46の構成を示す上面図であり、図5は、軸受装置1の潤滑油の流路の構成を示す説明図である。
まず、図1を用いて、軸受装置1を備える横軸両掛け水車発電機200について説明する。図1に示すように、横軸両掛け水車発電機200は、回転軸211と、軸受装置1と、ジャーナル軸受装置212と、発電機213と、回転軸211の両端にそれぞれ設けられる2つの水車214と、ブレーキ装置215と、を備える。
回転軸211は、第1スラストカラー211aと、第2スラストカラー211bと、を有する。また、回転軸211は、両端に水車214の羽根車214bが取り付けられる。回転軸211は、軸受装置1及びジャーナル軸受装置212により水平に支持される。
第1スラストカラー211aは、回転軸211と同軸の円板状に形成され、回転軸211に固定される。
第2スラストカラー211bは、回転軸211と同軸の円板状に形成され、回転軸211に固定される。第2スラストカラー211bは、第1スラストカラー211aに対し、回転軸211の軸方向に所定の距離を隔てて配置される。ここで、所定の距離は、後述する軸受装置1の軸受台10内に回転軸211の一部が配置された際に、第1スラストカラー211aが軸受台10内の回転軸211の一端側に位置し、第2スラストカラー211bが軸受台10内の回転軸211の他端側に位置する距離である。
軸受装置1は、2基のスラスト軸受と、1基のジャーナル軸受と、を備える。軸受装置1は、2基のスラスト軸受により、回転軸211の軸方向に生じる正方向及び負方向それぞれのスラスト荷重を支持する。また、軸受装置1は、ジャーナル軸受により、回転軸211の径方向に生じるラジアル荷重を支持する。なお、軸受装置1の具体的な構成については後述する。
ジャーナル軸受装置212は、軸受台に内蔵したジャーナル軸受により、回転軸211の径方向に生じるラジアル荷重を支持する。ジャーナル軸受装置212は、軸受装置1と併せて、回転軸211を水平に支持する。
発電機213は、回転軸211の回転により発電可能に構成される。発電機213は、例えば、回転軸211に固定された回転子213aと、自励用の励磁機の回転子213bと、を備える。
水車214は、供給管と、ケーシング214aと、羽根車214bと、放流管214cと、を備える。羽根車214bは、回転軸211に固定される。水車214は、供給管から供給された水により、羽根車214bがケーシング214a内で回転することで、回転軸211を回転させる。
ブレーキ装置215は、回転軸211に固定されたブレーキリング215aと、ブレーキリング215aの回転を停止させる電磁ブレーキ215bと、を備える。
このような横軸両掛け水車発電機200は、水車214において、供給管から放流管214cに向かって流れる水の圧力によって羽根車214bを回転することで、回転軸211を回転させて発電機213により発電させる、発電設備である。
次に、軸受装置1について説明する。図2及び図3に示すように、軸受装置1は、第1スラストカラー211a及び第2スラストカラー211bを含む回転軸211の一部と、軸受台10と、第1スラスト軸受11と、第2スラスト軸受12と、ジャーナル軸受13と、粘性ポンプ14と、オイルディスク15と、ホルダー16と、支持部17と、オイルクーラ18と、第1送油管19と、第2送油管20と、を備える。
軸受装置1は、第1スラスト軸受11及び第2スラスト軸受12により、回転軸211の軸方向に生じる荷重を受け、回転軸211の水平方向の移動を制限する。また、軸受装置1は、ジャーナル軸受13により、回転軸211の径方向に生じる荷重を受け、ジャーナル軸受装置212と併せて回転軸211を水平に支持する。
軸受台10は、オイルクーラ18を除く、第1スラストカラー211a及び第2スラストカラー211bを含む回転軸211の一部及び軸受装置1の各構成を収容する。また、軸受台10は、内側に潤滑油100を溜める油槽を構成する。また、軸受台10は、軸受台10の内側及び外側を連通し、第1送油管19が挿通される第1挿通孔10aと、軸受台10の内側及び外側を連通し、第2送油管20が挿通される第2挿通孔10bと、を有する。
油槽である軸受台10は、第1スラスト軸受11、第2スラスト軸受12及びジャーナル軸受13に給油可能、且つ、油面が粘性ポンプ14により汲み上げられる高さとなる量の潤滑油100を貯留する。例えば、軸受台10内に貯留される潤滑油100の油面は、第1スラスト軸受11の最頂点及び第2スラスト軸受12の最頂点よりも低く設定される。また、軸受台10内に貯留される潤滑油100の油面は、粘性ポンプ14により圧送可能であって、加えて、オイルディスク15により汲み上げ可能な高さに設定される。
第1スラスト軸受11は、第1スラストカラー211aに対して軸方向に隣接し、且つ、第1スラストカラー211a及び第2スラストカラー211bの間に設けられる。具体例として、第1スラスト軸受11は、第1スラストカラー211a及び第2スラストカラー211bの間であって、且つ、第1スラストカラー211a及びホルダー16の間に設けられる。第1スラスト軸受11は、ホルダー16に保持される。第1スラスト軸受11は、例えば、最頂点が軸受台10内に貯留される潤滑油100の油面よりも高く位置する。第1スラスト軸受11は、第1スラストカラー211aに対して摺動可能に当接する、複数の第1軸受部11aを有する。第1スラスト軸受11は、第1スラストカラー211aの回転に対して摺動可能に回転軸211の主面に当接する。第1スラスト軸受11は、第1スラストカラー211aに当接することで、回転軸211の軸方向に生じる2方向のスラスト荷重の一方を受け、スラスト荷重の方向への回転軸211の移動を規制する。
第2スラスト軸受12は、回転軸211の第2スラストカラー211bに対して軸方向に隣接し、且つ、第1スラストカラー211a及び第2スラストカラー211bの間に設けられる。具体例として、第2スラスト軸受12は、第1スラストカラー211a及び第2スラストカラー211bの間であって、且つ、第2スラストカラー211b及びホルダー16の間に設けられる。第2スラスト軸受12は、回転軸211の第1スラストカラー211a及び第2スラストカラー211bが隔てる所定の距離に応じ、第1スラスト軸受11から離間して設けられる。第2スラスト軸受12は、ホルダー16に保持される。第2スラスト軸受12は、例えば、最頂点が軸受台10内に貯留される潤滑油100の油面よりも高く位置する。第2スラスト軸受12は、第2スラストカラー211bに対して摺動可能に当接する、複数の第2軸受部12aを有する。第2スラスト軸受12は、第2スラストカラー211bの回転に対して摺動可能に回転軸211の主面に当接する。第2スラスト軸受12は、第2スラストカラー211bに当接することで、回転軸211の軸方向に生じる2方向のスラスト荷重の他方を受け、スラスト荷重の方向への回転軸211の移動を規制する。
ジャーナル軸受13は、回転軸211の軸方向で第1スラスト軸受11及び第2スラスト軸受12の間に設けられる。具体例として、ジャーナル軸受13は、第1スラストカラー211a及び第2スラストカラー211b間の中心に設けられる。ジャーナル軸受13は、第1スラストカラー211a及び第2スラストカラー211b間の回転軸211の一部を径方向で保持する。ジャーナル軸受13は、ホルダー16に保持される。また、ジャーナル軸受13は、孔部13aを有する。孔部13aは、ジャーナル軸受13の上方に設けられる。孔部13aは、例えば、ジャーナル軸受13の軸方向で中央に形成され、ジャーナル軸受13の回転軸211との接触面からジャーナル軸受13の上方に貫通する。
図3中、二点鎖線で示すように、粘性ポンプ14は、粘性ポンプ回転部21と、粘性ポンプ固定部22と、を備える。
粘性ポンプ回転部21は、第1スラストカラー211aである。粘性ポンプ回転部21は、回転軸211と同軸の円板状に形成され、回転軸211に固定される。粘性ポンプ回転部21の下端は、軸受台10内に溜められた潤滑油100内に位置する。
粘性ポンプ固定部22は、内側に粘性ポンプ回転部21の外周縁を配置可能な円環状に形成され、ホルダー16に保持される。また、粘性ポンプ固定部22は、内周面に形成され、周方向に沿って粘性ポンプ回転部21の外周面と所定の隙間を構成する溝部22aを有する。粘性ポンプ固定部22の溝部22aの内径は、粘性ポンプ回転部21の外径よりも若干大きく形成される。粘性ポンプ固定部22は、溝部22aの内側に粘性ポンプ回転部21の外周縁が配置される。即ち、粘性ポンプ固定部22は、溝部22aが形成された内周面が粘性ポンプ回転部21の外周面と微小な間隙を介して対向する。
また、粘性ポンプ固定部22は、粘性ポンプ取込口22bと、粘性ポンプ吐出口22cと、を有する。粘性ポンプ取込口22bは、例えば、粘性ポンプ固定部22の下端から、粘性ポンプ固定部22の溝部22aが形成された内周面に連続する。粘性ポンプ取込口22bは、軸受台10に溜められた潤滑油100に浸かる位置に形成される。粘性ポンプ吐出口22cは、粘性ポンプ取込口22bと同様に、例えば、粘性ポンプ固定部22の下端から、粘性ポンプ固定部22の溝部22aが形成された内周面に連続する。
オイルディスク15は、第2スラストカラー211bである。オイルディスク15は、基部31と、潤滑油かき上げ部32と、を備える。オイルディスク15は、例えば、基部31の回転に伴う潤滑油かき上げ部32の回転により、軸受台10の油槽から潤滑油100を汲み上げ可能に構成される。
基部31は、回転軸211と同軸の円板状に形成され、回転軸211に一体に設けられる。基部31は、例えば、軸材を削り出すことで形成される。
潤滑油かき上げ部32は、基部31よりも軸方向に薄い円環状に形成され、基部31に固定される。具体例として、潤滑油かき上げ部32は、基部31よりも薄い鋼材で円環状に形成され、基部31に焼き嵌めされる。潤滑油かき上げ部32の下端は、軸受台10内に溜められた潤滑油100内に位置する。
ホルダー16は、第1スラスト軸受11、第2スラスト軸受12、ジャーナル軸受13及び粘性ポンプ固定部22を保持する。ホルダー16は、支持部17により軸受台10に固定される。また、ホルダー16は、粘性ポンプ14により圧送される潤滑油100が第1スラスト軸受11、第2スラスト軸受12及びジャーナル軸受13に供給される流路を形成する。ホルダー16は、潤滑油取込口41と、潤滑油吐出口42と、給油口43と、排油口44と、オイルディスク給油口45と、潤滑油かき落とし部46と、給油口43から第1スラスト軸受11及び第2スラスト軸受12を連続する給油路47と、第1スラスト軸受11及び第2スラスト軸受12から排油口44を連続する排油路48と、ジャーナル軸受13の孔部13aからオイルディスク給油口45を連続するオイルディスク給油路49と、を備える。
潤滑油取込口41は、軸受台10に溜められた潤滑油100に浸かる位置に形成され、ホルダー16の外周面と粘性ポンプ固定部22の粘性ポンプ取込口22bを連続する。潤滑油取込口41は、例えば、ホルダー16の下端から粘性ポンプ固定部22を保持する部位に貫通し、ホルダー16の外周面と粘性ポンプ取込口22bを連続する。潤滑油取込口41は、粘性ポンプ取込口22bに連続することで、軸受台10に溜められた潤滑油100が粘性ポンプ回転部21の下端に到達する流路を形成する。
潤滑油吐出口42は、粘性ポンプ固定部22の粘性ポンプ吐出口22cとホルダー16の外周面を連続する。潤滑油吐出口42は、第1送油管19が接続される。潤滑油吐出口42は、例えば、ホルダー16の粘性ポンプ固定部22を保持する部位からホルダー16の外周面に連続し、粘性ポンプ吐出口22cとホルダー16の外周面とを連続する。潤滑油吐出口42は、粘性ポンプ吐出口22cに連続することで、粘性ポンプ14により圧送された潤滑油100が第1送油管19に流入する流路を形成する。
給油口43は、軸方向で第1スラスト軸受11と第2スラスト軸受12との間の中心でホルダー16の外周面に形成される開口である。給油口43は、給油口43は、第2送油管20が接続される。給油口43は、第1スラスト軸受11と第2スラスト軸受12の中間に位置する。給油口43は、潤滑油100が第2送油管20から給油路47に流入する流路を形成する。
排油口44は、ホルダー16の外周面に形成される開口である。排油口は、軸受台10の油槽に開口する。排油口44は、第1スラスト軸受11の最頂点、第2スラスト軸受12の最頂点及びジャーナル軸受13の最頂点よりも高い位置に形成される。排油口44は、潤滑油100が排油路48からホルダー16の外側に流出される流路を形成する。
オイルディスク給油口45は、ホルダー16の外周面に形成される開口である。オイルディスク給油口45は、例えば、ホルダー16の内側から外周面に向かって漸次広がるテーパ形状に形成される。オイルディスク給油口45は、ジャーナル軸受13よりも高い位置に形成される。オイルディスク給油口45は、潤滑油100がオイルディスク給油路49からホルダー16の外側に流出される流路を形成する。
潤滑油かき落とし部46は、オイルディスク15の潤滑油かき上げ部32によりかき上げた潤滑油100をオイルディスク給油口45に誘導可能に構成される。具体的には、図4に示すように、潤滑油かき落とし部46は、オイルディスク15の潤滑油かき上げ部32に隣接して配置される集油部51と、集油部51の上部を覆うカバー52と、オイルディスク給油口45に隣接してホルダー16の外周面に固定される支持部材53と、を備える。
集油部51は、例えば、潤滑油かき上げ部32に付着した潤滑油100に接触可能な位置に設けられる。図4に示すように、集油部51は、オイルディスク給油口45の開口に向かい、オイルディスク15の回転方向に対して傾斜する傾斜面を有する。集油部51は、潤滑油かき上げ部32に付着した潤滑油100を傾斜面で受け、傾斜面で受けた潤滑油100を傾斜面に沿ってオイルディスク給油口45へ誘導する。
カバー52は、傾斜面に沿って移動する潤滑油100の上方への移動を規制する。カバー52は、例えば、集油部51の傾斜面の上方を覆う板状に形成される。
支持部材53は、ホルダー16に固定され、集油部51を支持することで、潤滑油かき上げ部32に付着した潤滑油100に接触可能な高さ位置に支持する。
なお、このような潤滑油かき落とし部46は、支持部材53とホルダー16との間に加減板をさらに設けることで、支持部材53が支持する集油部51の高さ位置を適宜調整可能な構成としてもよい。
給油路47は、ホルダー16内部に形成され、給油口43から第1スラスト軸受11へ、そして、給油口43から第2スラスト軸受12へ、それぞれ流体的に連続する流路である。具体的には、給油路47は、ホルダー16内部に、給油口43から第1スラスト軸受11及び第2スラスト軸受12の配置された高さまで延設され、第1スラスト軸受11及び第2スラスト軸受12それぞれに向かって分岐する形状に形成された孔により構成される。
また、給油路47は、第1スラスト軸受11及び第2スラスト軸受12の一次側のそれぞれからジャーナル軸受13及び回転軸211の間に流体的に連続する。具体的には、給油路47は、第1スラスト軸受11と回転軸211との間の隙間と、第2スラスト軸受12と回転軸211との間の隙間と、ジャーナル軸受13と回転軸211との隙間と、により構成される。
排油路48は、ホルダー16内部に形成され、第1スラスト軸受11から排油口44へ、そして、第2スラスト軸受12から排油口44へ、それぞれ流体的に連続する流路である。具体的には、排油路48は、ホルダー16内部に、第1スラスト軸受11側からホルダー16の中央に向かって延設される孔と、第2スラスト軸受12側からホルダー16の中央に向かって延設される孔とが、ホルダー16の中央で連続し、排油口44に延設される形状に形成された孔により構成される。
オイルディスク給油路49は、ホルダー16内部に形成される。オイルディスク給油路49は、ジャーナル軸受13の孔部13a及びオイルディスク給油口45を流体的に連続する。オイルディスク給油路49は、例えば、ジャーナル軸受13の孔部13aと対向して設けられた中空部と、中空部からオイルディスク給油口45を流体的に連続する孔と、を含む。オイルディスク給油路49は、例えば、オイルディスク給油路49の孔の下端がジャーナル軸受13の孔部13aと対向して設けられる。
支持部17は、軸受台10内部に固定されるとともに、ホルダー16の軸方向で中央の外周面に当接し、ホルダー16を保持する。また、支持部17は、支持部排油口61と、支持部排油口61及び排油口44を連続する支持部排油路62と、を備える。
支持部排油口61は、支持部17の外面に設けられ、軸受台10内に開口する。支持部排油口61は、例えば、第1スラスト軸受11、第2スラスト軸受12及びジャーナル軸受13よりも高い位置に形成される。
支持部排油路62は、支持部17内部に形成され、ホルダー16の排油口44から支持部排油口61に連続する孔である。支持部排油路62は、排油口44と流体的に連続し、排油口44から排出された潤滑油100をホルダー16の外側へ排出する流路を形成する。
オイルクーラ18は、軸受台10の外側に配置される。オイルクーラ18は、内部の潤滑油100を冷却する。オイルクーラ18は、内部に潤滑油100を流入する流入口18aと、潤滑油100を流出する流出口18bと、を有する。流入口18aは、オイルクーラ18の下方に設けられ、第1送油管19が接続される。流出口18bは、オイルクーラ18の上方に設けられ、第2送油管20が接続される。
第1送油管19は、ホルダー16の潤滑油吐出口42とオイルクーラ18の流入口18aとを流体的に接続する。第1送油管19は、軸受台10の第1挿通孔10aを通して、軸受台10内のホルダー16の潤滑油吐出口42と軸受台10外のオイルクーラ18の流入口18aとを接続する。
第2送油管20は、オイルクーラ18の流出口18bとホルダー16の給油口43とを流体的に接続する。第2送油管20は、軸受台10の第2挿通孔10bを通して、軸受台10外のオイルクーラ18の流出口18bと軸受台10内のホルダー16の給油口43とを接続する。
このような軸受装置1は、粘性ポンプ14によって潤滑油100を圧送することにより、第1スラスト軸受11、第2スラスト軸受12及びジャーナル軸受13を潤滑する。以下、図2乃至図5を用いて、軸受装置1における潤滑油100の圧送経路について説明する。なお、図2乃至図5は、図中矢印によって潤滑油100の圧送経路を示している。
まず、軸受台10内に溜められた潤滑油100は、粘性ポンプ14により、第1送油管19に圧送される。具体的に説明すると、潤滑油100は、油面が粘性ポンプ回転部21の下端よりも高く位置することで、ホルダー16の潤滑油取込口41及び粘性ポンプ取込口22bを通過し、粘性ポンプ回転部21の外周面及び溝部22aが為す間隙に入り込む。ここで、回転軸211の回転に伴い粘性ポンプ回転部21が回転すると、潤滑油100は、粘性により、粘性ポンプ回転部21と粘性ポンプ固定部22の間隙に沿って圧送される。粘性ポンプ14により圧送された潤滑油100は、粘性ポンプ吐出口22c及び潤滑油吐出口42を通過し、第1送油管19に流入する。ここで、図5に示すように、粘性ポンプ14により圧送される潤滑油100は、粘性ポンプ回転部21と粘性ポンプ固定部22の間隙を通過する際に摩擦熱が生じることで加熱される。
潤滑油100は、粘性ポンプ14によりさらに圧送されることで、第1送油管19を通過し、第1送油管が接続された下方からオイルクーラ18に流入する。ここで、図5に示すように、潤滑油100は、オイルクーラ18内で冷却される。オイルクーラ18内の潤滑油100は、油面が上方に接続された第2送油管20の高さに至ると、第2送油管20を通過する。第2送油管20を通過した潤滑油100は、第2送油管20と接続された給油口43からホルダー16内に流入する。
給油口43に流入した潤滑油100は、給油路47を通過する。潤滑油100は、給油路47の分岐に沿って、第1スラスト軸受11側及び第2スラスト軸受12側それぞれに向かってホルダー16内を通過する。給油路47を通過した潤滑油100は、第1スラスト軸受11と粘性ポンプ回転部21との間、及び、第2スラスト軸受12と基部31との間にそれぞれ供給される。
潤滑油100は、第1スラスト軸受11と粘性ポンプ回転部21の間、及び、第2スラスト軸受12と基部31の間で、それぞれ油膜を形成する。ここで、図5に示すように、潤滑油100は、第1スラスト軸受11に対する粘性ポンプ回転部21の摺動摩擦、及び、第2スラスト軸受12に対する基部31の摺動摩擦によってそれぞれ加熱される。
第1スラスト軸受11及び第2スラスト軸受12を通過した潤滑油100は、それぞれ排油路48に流入する。第1スラスト軸受11及び第2スラスト軸受12それぞれから排油路48に流入した潤滑油100は、ホルダー16の中央で合流し、排油口44へ流入する。排油口44へ流入した潤滑油100は、排油口44に連続する支持部17の支持部排油路62を通過し、支持部排油口61から排出され、軸受台10内に戻る。
一方、軸受台10内の潤滑油100は、回転軸211の回転に伴うオイルディスク15の回転により、上方からジャーナル軸受13に供給される。具体的に説明すると、軸受台10内の潤滑油100は、回転軸211の回転に伴う基部31及び潤滑油かき上げ部32の回転により、潤滑油かき上げ部32に付着した状態で上方にかき上げられる。潤滑油100は、潤滑油100が付着した潤滑油かき上げ部32が集油部51に対して相対的に移動することで、集油部51の傾斜面によって受けられ、集油部51の傾斜面に沿って移動する。集油部51の傾斜面に沿って移動する潤滑油100は、オイルディスク給油口45に誘導され、自重によってオイルディスク給油路49を通過する。オイルディスク給油路49を通過した潤滑油100は、ジャーナル軸受13の孔部13aを通過し、ジャーナル軸受13と回転軸211との間に供給される。
また、給油路47を通過する潤滑油100の一部は、第1スラスト軸受11と回転軸211との間、及び、第2スラスト軸受12と回転軸211との間のそれぞれから、ジャーナル軸受13と回転軸211との間に供給される。潤滑油100は、ジャーナル軸受13と回転軸211との間で油膜を形成する。ここで、図5に示すように、潤滑油100は、ジャーナル軸受13に対する回転軸211の摺動摩擦によって加熱される。
このように、ジャーナル軸受13には、給油路47を経て潤滑油100が供給されるまでの初期潤滑として、オイルディスク15により上方から潤滑油100が供給される。ここで、給油路47を経た潤滑油100がジャーナル軸受13に供給されると、ジャーナル軸受13に供給された潤滑油100は、孔部13aを上方に通過し、オイルディスク給油路49を経て、オイルディスク給油口45から軸受台10内へ排出される。
なお、オイルディスク15によってかき上げられ、ジャーナル軸受13と回転軸211との間に供給された潤滑油100の一部は、ジャーナル軸受13と回転軸211との間から第1スラスト軸受11側及び第2スラスト軸受12側それぞれ向かって移動し、第1スラスト軸受11及び第2スラスト軸受12に供給される。即ち、第1スラスト軸受11及び第2スラスト軸受12は、粘性ポンプ14により圧送された潤滑油100が到達するまでの間、オイルディスク15により供給された潤滑油100によって初期潤滑が為される。
このように構成された軸受装置1によれば、第1スラスト軸受11及び第2スラスト軸受12を保持するホルダー16に、軸方向で第1スラスト軸受11と前記第2スラスト軸受12との間の中心に設けられる給油口43、給油口43から第1スラスト軸受11及び第2スラスト軸受12それぞれに連通する給油路47、軸受台10の油槽に開口する排油口44、及び、第1スラスト軸受11及び前記第2スラスト軸受12それぞれから合流し排油口44に連通する排油路48を備えることで、第1スラスト軸受11及び第2スラスト軸受12を均等に冷却することができる。
具体的に説明すると、給油口43が軸方向で第1スラスト軸受11と前記第2スラスト軸受12との間の中心に位置することで、給油口43に連続する給油路47は、給油口43から第1スラスト軸受11への流路と、給油口43から第2スラスト軸受12への流路とが対称に形成される。これにより、給油口43から流入した潤滑油100が、分岐した給油路47を通過し、同等の流れで第1スラスト軸受11及び第2スラスト軸受12に到達する。また、排油路48は、第1スラスト軸受11及び第2スラスト軸受12を通過した潤滑油100合流して、排油口44に連続する。これにより、軸受装置1は、第1スラスト軸受11及び第2スラスト軸受12に供給する潤滑油100の条件を同等にすることができる。即ち、軸受装置1は、第1スラスト軸受11及び第2スラスト軸受12の冷却条件を同等にすることができる。
また、軸受装置1は、軸受台10内から潤滑油100を汲み上げるオイルディスク15、及び、オイルディスク15で汲み上げた潤滑油100をジャーナル軸受13に給油するオイルディスク給油路49を備え、給油路47がジャーナル軸受13に連通する。これにより、回転軸211の回転に伴い軸受台10内からオイルディスク15で汲み上げられた潤滑油100が、オイルディスク給油路49からジャーナル軸受13に供給される。よって、軸受装置1は、回転軸211が回転を始めた運転初期に、給油路47を通過した潤滑油100がジャーナル軸受13に到達するまでの間の初期潤滑を行うことができる。
また、軸受装置1は、給油路47が、第1スラスト軸受11及び第2スラスト軸受12の一次側のそれぞれからジャーナル軸受13及び回転軸211の間に流体的に接続されることで、ジャーナル軸受13の油切れが生じるリスクがない。
具体的に説明すると、給油路47を通過する潤滑油100は、第1スラスト軸受11及び第2スラスト軸受12へ供給される他、第1スラスト軸受11と回転軸211との間、及び、第2スラスト軸受12と回転軸211との間のそれぞれから、ジャーナル軸受13と回転軸211との間に供給される。よって、ジャーナル軸受13は、回転軸211が回転を始めた運転初期から時間が充分経過した後は、給油路47から供給される潤滑油100によって潤滑される。また、給油路47から供給されジャーナル軸受13を潤滑した潤滑油100は、初期潤滑に用いられるオイルディスク給油路49から軸受台10内へ排出することができる。これにより、軸受装置1は、回転軸211が回転を始めた運転初期には、オイルディスク給油路49から供給される潤滑油100によってジャーナル軸受13を潤滑し、運転初期から時間が充分経過した後には、給油路47から供給される潤滑油100によって潤滑するため、ジャーナル軸受13の油切れが生じるリスクがない。
また、軸受装置1は、第1スラスト軸受11及び第2スラスト軸受12が、第1スラストカラー211a及び第2スラストカラー211bの間に設けられることで、ホルダー16の疲労限度の低下を防止することができる。
具体的に説明すると、第1スラスト軸受11が第1スラストカラー211aに当接することで受ける荷重、及び、第2スラスト軸受12が第2スラストカラー211bに当接することで受ける荷重は、それぞれ軸方向で中心向きとなる。よって、第1スラスト軸受11及び第2スラスト軸受12を保持するホルダー16が受ける、異なる2方向のスラスト荷重は、いずれもホルダー16の軸方向で中央向きとなる。即ち、ホルダー16には、異なる2方向のスラスト荷重いずれによっても、圧縮力が生じる。
ホルダーは、例えば、ホルダーに軸方向で外向きの引張力が生じ、さらに回転軸の変位等による荷重が加わると、ホルダーに生じる引張応力により疲労限度が低下する虞がある。このため、従来においては、ホルダーは、疲労強度の向上の為、大型に設計される必要があった。しかし、軸受装置1によれば、スラスト荷重によってホルダー16に圧縮力が加わる構成とすることで、このような疲労限度の低下が防止される。これにより、軸受装置1に設けられるホルダー16は、小型化することができる。
また、軸受装置1は、潤滑油100を冷却するオイルクーラ18、及び、オイルクーラ18に潤滑油100を圧送する粘性ポンプ14を備えることで、粘性ポンプ14により圧送した潤滑油100を、全てオイルクーラ18で冷却することができる。即ち、軸受装置1は、オイルクーラ18に供給される潤滑油100の油量を増大することができる。このように、軸受装置1は、オイルクーラ18に供給される潤滑油100の油量を増大することで、潤滑油100とオイルクーラ18の冷媒との平均温度差及び熱通過率が向上する。これにより、軸受装置1は、オイルクーラ18の放熱面積を小さくするか、または、粘性ポンプ14によって圧送する油量を小さくすることができる。よって、軸受装置1は、オイルクーラ18の小型化、または、粘性ポンプ14の小型化が可能である。
また、軸受装置1は、オイルクーラ18及びホルダー16の給油口43が流体的に接続されることで、オイルクーラ18で冷却された潤滑油100のみを第1スラスト軸受11、第2スラスト軸受12及びジャーナル軸受13に供給することができる。これにより、軸受装置1は、第1スラスト軸受11、第2スラスト軸受12及びジャーナル軸受13に供給する潤滑油100の温度が低くなることから、各軸受に供給する潤滑油100の粘度を高くすることができる。よって、軸受装置1は、第1スラスト軸受11、第2スラスト軸受12及びジャーナル軸受13において、潤滑油100による安定した油膜形成が可能となり、各軸受の寿命を向上することができる。加えて、軸受装置1は、潤滑油100が低温で各軸受を潤滑することから、潤滑油100の寿命も向上することができる。
さらに、軸受装置1は、潤滑油100の圧送経路における潤滑油100の温度について、オイルクーラ18に流入するときの潤滑油100の温度が最も高くなる。具体的には、潤滑油100は、給油路47を通過し第1スラスト軸受11、第2スラスト軸受12及びジャーナル軸受13の潤滑によって加熱された後、排油路48を通過し軸受台10内へ排出され、軸受台10内から粘性ポンプ14による圧送時にさらに加熱された状態で、温度が最も高くなる。よって、軸受装置1は、粘性ポンプ14により圧送され最も高い温度となった潤滑油100がオイルクーラ18に流入することからも、潤滑油100とオイルクーラ18の冷媒との平均温度差及び熱通過率が向上する。これにより、軸受装置1は、オイルクーラ18の放熱面積を小さくするか、または、粘性ポンプ14によって圧送する油量を小さくすることができ、即ち、オイルクーラ18の小型化、または、粘性ポンプ14の小型化が可能である。
また、軸受装置1は、排油口44が第1スラスト軸受11の最頂点、第2スラスト軸受12の最頂点及びジャーナル軸受13の最頂点よりも高い位置に設けられることから、簡素な構成で各軸受に潤滑油100を充満することができる。具体的には、ホルダー16内における潤滑油100は、給油路47、第1スラスト軸受11、第2スラスト軸受12、ジャーナル軸受13及び排油路48に充満し、油面が排油口44に到達することで軸受台10内へ排出される。よって、軸受装置1は、排油口44を第1スラスト軸受11の最頂点、第2スラスト軸受12の最頂点及びジャーナル軸受13の最頂点よりも高い位置に設ける簡素な構成によって、潤滑油100が各軸受を全て潤滑した後に軸受台10内へ排出される構造とすることができる。
上述したように、本発明の一実施形態に係る軸受装置1によれば、2組のスラスト軸受を均等に冷却することができる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されない。例えば、上述した例では、潤滑油かき上げ部32は、一例として焼き嵌めによって基部31に固定される例を説明したが、これに限定されない。潤滑油かき上げ部32は、例えば基部31とともに軸材から削り出し、基部31と一体に構成してもよい。
また、上述した例では、ホルダー16に排油口44が設けられ、排油路48が第1スラスト軸受11側からホルダー16の中央に向かって延設される孔と、第2スラスト軸受12側からホルダー16の中央に向かって延設される孔とが、ホルダー16の中央で連続し、排油口44に延設される形状に形成された孔により構成される例を説明したが、これに限定されない。
例えば、図6乃至図8に示すように、排油路48は、オイルディスク給油路49に連続する構成であってもよい。具体的には、排油路48は、第1スラスト軸受11側からホルダー16の中央に向かって延設される孔と、第2スラスト軸受12側からホルダー16の中央に向かって延設される孔とが、それぞれオイルディスク給油路49に連続する構成であってもよい。
このような排油路48を備える軸受装置1によれば、排油路48を通過する潤滑油100は、排油路48に流体的に連続するオイルディスク給油路49を経て、オイルディスク給油口45から軸受台10内へ排出される。よって、軸受装置1は、ホルダー16の排油口44、並びに、支持部17の支持部排油口61及び支持部排油路62を省略することができ、構造を簡素化することができる。
また、上述した例では、給油路47から供給されジャーナル軸受13を潤滑した潤滑油100は、ジャーナル軸受13の孔部13a及びオイルディスク給油口45を流体的に連続するオイルディスク給油路49を通過し、軸受台10内へ排出される例を説明したが、これに限定されない。例えば、軸受装置1は、ジャーナル軸受13を潤滑した潤滑油100が、オイルディスク給油路49とは別に設けられた流路を通過して軸受台10内へ排出される構成であってもよい。具体例として、図9に示すように、軸受装置1のホルダー16は、オイルディスク給油路49の中空部及びホルダー16の外周面を連続するジャーナル軸受排油路99をさらに備える。
このように構成された軸受装置1によれば、ジャーナル軸受13を潤滑した潤滑油100は、ジャーナル軸受13の孔部13aからオイルディスク給油路49の中空部を経て、ジャーナル軸受排油路99を通過することで軸受台10内に排出される。即ち、軸受装置1は、ジャーナル軸受13を潤滑でき、ジャーナル軸受13を潤滑した潤滑油100が軸受台10内に排出される構成であれば、ジャーナル軸受13から軸受台10内に潤滑油100を排出する流路は、適宜設定可能である。
また、上述した例では、ジャーナル軸受13の孔部13aは、ジャーナル軸受13の軸方向で中央に形成される例を説明したが、これに限定されず、例えば、孔部13aは、ジャーナル軸受13の軸方向で一端側に形成されてもよい。このような場合、例えば、孔部13aは、ホルダー16のオイルディスク給油路49の孔の下端と対向する位置に配置することが好ましい。また、孔部13aは、ジャーナル軸受13の軸方向に並列に複数設ける構成であってもよく、この場合も少なくとも一つの孔部13aがオイルディスク給油路49の孔の下端と対向する位置に配置されることが好ましい。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の発明が含まれており、開示される複数の構成要件から選択された組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、課題が解決でき、効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
本発明の一実施形態に係る軸受装置は、潤滑油を収容する油槽と、水平に一部が前記油槽内に配置され、前記油槽内の一端側に設けられる第1スラストカラー及び前記油槽内の他端側に設けられる第2スラストカラーを有する回転軸と、前記油槽内に設けられ、前記第1スラストカラーに当接し、前記回転軸の軸方向の荷重を受ける第1スラスト軸受と、前記油槽内であって、且つ、前記第1スラスト軸受から離間して設けられ、前記第2スラストカラーに当接し、前記回転軸の前記第1スラスト軸受に加わる荷重とは逆向きの軸方向の荷重を受ける第2スラスト軸受と、軸方向で前記第1スラスト軸受と前記第2スラスト軸受との間の中心に設けられる給油口、前記給油口から前記第1スラスト軸受及び前記第2スラスト軸受それぞれに連通する給油路、前記油槽に開口する排油口、並びに、前記第1スラスト軸受及び前記第2スラスト軸受それぞれから合流し前記排油口に連通する排油路を有し、前記第1スラスト軸受及び前記第2スラスト軸受を保持するホルダーと、前記第1スラスト軸受及び前記第2スラスト軸受の間に配置され、前記ホルダーに保持される、前記回転軸の径方向の荷重を受けるジャーナル軸受と、を備え、前記第2スラストカラーは、前記油槽から前記潤滑油を汲み上げるオイルディスクであり、前記ホルダーは、前記第2スラストカラーで汲み上げた前記潤滑油を前記ジャーナル軸受に給油するオイルディスク給油路を有し、前記給油路は、前記ジャーナル軸受にさらに連通する。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の発明が含まれており、開示される複数の構成要件から選択された組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、課題が解決でき、効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
以下に、本願出願当初の特許請求の範囲に記載された発明と同等の記載を付記する。
[1]潤滑油を収容する油槽と、
水平に一部が前記油槽内に配置され、前記油槽内の一端側に設けられる第1スラストカラー及び前記油槽内の他端側に設けられる第2スラストカラーを有する回転軸と、
前記油槽内に設けられ、前記第1スラストカラーに当接し、前記回転軸の軸方向の荷重を受ける第1スラスト軸受と、
前記油槽内であって、且つ、前記第1スラスト軸受から離間して設けられ、前記第2スラストカラーに当接し、前記回転軸の前記第1スラスト軸受に加わる荷重とは逆向きの軸方向の荷重を受ける第2スラスト軸受と、
軸方向で前記第1スラスト軸受と前記第2スラスト軸受との間の中心に設けられる給油口、前記給油口から前記第1スラスト軸受及び前記第2スラスト軸受それぞれに連通する給油路、前記油槽に開口する排油口、並びに、前記第1スラスト軸受及び前記第2スラスト軸受それぞれから合流し前記排油口に連通する排油路を有し、前記第1スラスト軸受及び前記第2スラスト軸受を保持するホルダーと、
を備える軸受装置。
[2]前記第1スラスト軸受及び前記第2スラスト軸受の間に配置され、前記ホルダーに保持される、前記回転軸の径方向の荷重を受けるジャーナル軸受をさらに備え、
前記第2スラストカラーは、前記油槽から前記潤滑油を汲み上げるオイルディスクであり、
前記ホルダーは、前記第2スラストカラーで汲み上げた前記潤滑油を前記ジャーナル軸受に給油するオイルディスク給油路を有し、
前記給油路は、前記ジャーナル軸受にさらに連通する[1]に記載の軸受装置。
[3]前記給油路は、さらに前記第1スラスト軸受及び前記第2スラスト軸受の一次側のそれぞれから前記ジャーナル軸受及び前記回転軸の間に流体的に接続される[2]に記載の軸受装置。
[4]前記第1スラスト軸受及び前記第2スラスト軸受は、前記第1スラストカラー及び前記第2スラストカラーの間に設けられる、[1]に記載の軸受装置。
[5]前記潤滑油を冷却するオイルクーラと、
前記オイルクーラに前記潤滑油を圧送する粘性ポンプと、
をさらに備える[1]に記載の軸受装置。
[6]前記粘性ポンプは、前記第1スラストカラーである粘性ポンプ回転部、及び、前記ホルダーに固定され前記粘性ポンプ回転部と間隙を介して対向する粘性ポンプ固定部を含む[5]に記載の軸受装置。
[7]前記オイルクーラ及び前記給油口は、流体的に接続される[5]に記載の軸受装置。
[8]前記排油口は、前記第1スラスト軸受、前記第2スラスト軸受及び前記ジャーナル軸受よりも高い位置に設けられる[3]に記載の軸受装置。
[9]前記排油路と前記オイルディスク給油路は連続する[8]に記載の軸受装置。
[10]前記ホルダーは、前記ジャーナル軸受から前記ホルダーの外面に連通するジャーナル軸受排油路をさらに備える[2]に記載の軸受装置。