JP2019039549A - 変速機 - Google Patents
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Abstract
【課題】偏心体と外歯歯車との間に潤滑油を行き渡らせて、偏心体と外歯歯車とを、滑らかに相対回転させること。【解決手段】手段変速機は、円板状の偏心体と、円板状の外歯歯車とを有する。中心軸から偏心体の外周面までの距離は、周方向の位置によって異なる。外歯歯車は、中央部に偏心体が嵌まる円孔を有する。偏心体の外周面と外歯歯車の内周面との間には、潤滑油が介在する。また、偏心体の外周面と外歯歯車の内周面との間の周方向の少なくとも一部には、油溜まり部が設けられている。油溜まり部は、周方向の他の部分よりも径方向の間隔が広い。【選択図】図3
Description
本発明は、変速機に関する。
従来、偏心揺動型(内接遊星式)の減速機が知られている。偏心揺動型の減速機は、内歯歯車と、内歯歯車の内側に配置された外歯歯車とを有する。外歯歯車は、内歯歯車と噛み合いながら、内歯歯車の内面に沿って揺動する。このような偏心揺動型の減速機は、小型で高い減速比を得ることができる。従来の偏心揺動型の減速機については、例えば、実開平2−47454号公報に記載されている。
実開平2−47454号公報
実開平2−47454号公報の減速装置では、摩擦による発熱を抑えるために、外歯歯車の内周面と偏心体の外周面との接触面に、潤滑剤が使用されている。また、潤滑剤を保持するために、接触面に凹部が設けられている。しかしながら、当該公報の凹部は、周方向に延びる円環状の溝である。したがって、接触面の軸方向の一部のみに、凹部が設けられている。このような構造では、接触面の全体に潤滑剤を行き渡らせることが困難と考えられる。
本発明の目的は、偏心揺動型の変速機において、偏心体と外歯歯車との間に潤滑油を行き渡らせて、偏心体と外歯歯車とを、滑らかに相対回転させることができる構造を提供することである。
上記課題を解決するため、本願の発明は、偏心揺動型の変速機であって、中心軸を中心として第1回転数で回転する第1回転部と、前記第1回転部とともに回転し、前記中心軸から外周面までの距離が周方向の位置によって異なる円板状の偏心体と、中央に前記偏心体が嵌まる円孔を有する円板状の外歯歯車と、前記偏心体の外周面と前記外歯歯車の内周面との間に介在する潤滑油と、前記外歯歯車の径方向外側に位置し、前記中心軸と同軸に配置された円筒状の内歯歯車と、前記外歯歯車に設けられた複数の貫通孔を通って軸方向に延びる複数のキャリアピンと、前記複数のキャリアピンに固定された第2回転部と、を備え、前記外歯歯車は、外周部に複数の外歯を有し、前記内歯歯車は、内周部に複数の内歯を有し、前記偏心体の長径の延長線上において、前記複数の外歯の一部と、前記複数の内歯の一部とが、互いに噛み合い、前記偏心体の外周面と前記外歯歯車の内周面との間の周方向の少なくとも一部に、周方向の他の部分よりも径方向の間隔が広い油溜まり部が設けられている。
本願によれば、油溜まり部に潤滑油が溜まり、その潤滑油が周方向に徐々に行き渡る。これにより、偏心体と外歯歯車とを、滑らかに相対回転させることができる。
以下、本発明の例示的な実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本願では、変速機の中心軸と平行な方向を「軸方向」、中心軸に直交する方向を「径方向」、中心軸を中心とする円弧に沿う方向を「周方向」、とそれぞれ称する。ただし、上記の「平行な方向」は、略平行な方向も含む。また、上記の「直交する方向」は、略直交する方向も含む。
<1.変速機の全体構成>
図1は、変速機の一例である減速機1の縦断面図である。図2は、減速機1の分解斜視図である。図3は、図1中のIII−III位置から視た減速機1の横断面図である。なお、図3においては、図の煩雑化を避けるため、ハッチングが省略されている。
図1は、変速機の一例である減速機1の縦断面図である。図2は、減速機1の分解斜視図である。図3は、図1中のIII−III位置から視た減速機1の横断面図である。なお、図3においては、図の煩雑化を避けるため、ハッチングが省略されている。
この減速機1は、第1回転数(入力回転数)の回転運動を、第1回転数よりも低い第2回転数(出力回転数)の回転運動に変換する、偏心揺動型(内接遊星式)の歯車減速機である。減速機1は、例えば、人と協調して作業を行うサービスロボット等の小型ロボットの関節に使用される。ただし、同等の構造を有する減速機を、大型の産業用ロボット、工作機、X−Yテーブル、材料の切断装置、コンベアライン、ターンテーブル、圧延ローラ等の他の用途に用いてもよい。
図1に示すように、本実施形態の減速機1は、第1回転部10、2つの偏心体20、2枚の外歯歯車30、内歯歯車40、複数のキャリアピン50、および第2回転部60を備える。
第1回転部10は、中心軸9に沿って延びる円柱状の部材である。図1中に概念的に示したように、第1回転部10は、直接または他の動力伝達機構を介して、駆動源であるモータに接続される。モータを駆動させると、モータから供給される動力によって、第1回転部10は、中心軸9を中心として第1回転数で回転する。すなわち、本実施形態では、第1回転部10が入力部となる。
偏心体20は、第1回転部10とともに回転する部材である。2つの偏心体20は、それぞれ、第1回転部10の外周面に固定されている。ただし、第1回転部10と2つの偏心体20とが、単一の部材であってもよい。2つの偏心体20は、それぞれ、中心軸9から外れた位置で中心軸9と平行に延びる偏心軸91を中心とする、円筒状の外周面を有する。したがって、中心軸9から偏心体20の外周面までの距離は、周方向の位置によって異なる。第1回転部10が中心軸9を中心として回転すると、2つの偏心体20の位置が、中心軸9を中心として回転する。このとき、各偏心体20の偏心軸91も、中心軸9を中心として回転する。
本実施形態では、一方の偏心体20の偏心軸91の位置と、他方の偏心体20の偏心軸91の位置とが、中心軸9に対して、互いに180°離れている。このようにすれば、2つの偏心体20の全体としての重心の位置が、常に中心軸9上に位置する。したがって、偏心体20の回転による重心の揺らぎを抑制できる。
2枚の外歯歯車30は、それぞれ、偏心体20の径方向外側に配置される。外歯歯車30は、円板状の部材であり、その中央に円孔34を有する。偏心体20は、当該円孔34に嵌まる。外歯歯車30は、偏心体20の周囲において、偏心軸91を中心として回転可能に支持される。偏心体20の外周面と外歯歯車30の内周面との間には、潤滑油71(図5参照)が介在する。これにより、偏心体20と外歯歯車30とは、玉軸受等の機械的要素を介することなく、相対回転する。このように、偏心体20と外歯歯車30との間の機械的要素を省略することによって、減速機1を小型化しやすくなる。なお、潤滑油71には、例えば、グリースが用いられる。
図3に示すように、外歯歯車30の外周部には、複数の外歯31が設けられている。各外歯31は、径方向外側へ向けて突出する。また、隣り合う外歯31の間には、径方向内側へ向けて凹む外歯間溝32が設けられている。外歯31と外歯間溝32とは、偏心軸91を中心として、周方向に交互に並んでいる。
また、図1および図3に示すように、2枚の外歯歯車30は、それぞれ、複数(図3の例では10個)の貫通孔33を有する。各貫通孔33は、外歯歯車30を軸方向に貫通する。複数の貫通孔33は、偏心軸91を中心として、周方向に等間隔に並んでいる。
内歯歯車40は、2枚の外歯歯車30の径方向外側を取り囲む円筒状の部材である。内歯歯車40は、中心軸9と同軸に配置される。図3に示すように、内歯歯車40は、複数の内歯41を有する。複数の内歯41は、それぞれ、内歯歯車40の内周部から径方向内側へ向けて突出する。また、隣り合う内歯41の間には、径方向外側へ向けて凹む内歯間溝42が設けられている。内歯41と内歯間溝42とは、中心軸9を中心として、周方向に交互に並んでいる。
外歯歯車30の複数の外歯31の一部と、内歯歯車40の複数の内歯41の一部とは、互いに噛み合う。具体的には、偏心体20の長径の延長線上において、複数の外歯31の一部と、複数の内歯41の一部とが、互いに噛み合う。当該噛み合い位置においては、外歯歯車30の外歯31が、内歯歯車40の内歯間溝42に嵌まるか、あるいは、内歯歯車40の内歯41が、外歯歯車30の外歯間溝32に嵌まる。
第1回転部10が中心軸9を中心として回転すると、外歯歯車30は、偏心軸91とともに、中心軸9の周りを公転する。また、外歯歯車30の外歯31と内歯歯車40の内歯41とが噛み合うことによって、外歯歯車30は自転する。ここで、内歯歯車40が有する内歯41の数は、外歯歯車30が有する外歯31の数よりも多い。このため、外歯歯車30の1公転ごとに、内歯歯車40の同じ位置の内歯41に噛み合う外歯31の位置がずれる。これにより、外歯歯車30が、第1回転部10の回転方向とは逆の方向へ、第1回転数よりも低い第2回転数で自転する。したがって、外歯歯車30の貫通孔33の位置も、第2回転数で回転する。減速機1の動作時には、2枚の外歯歯車30が、それぞれ、このような公転と自転とを組み合わせた回転運動を行う。
外歯歯車30が有する外歯31の数をNとし、内歯歯車40が有する内歯41の数をMとすると、減速機1の減速比Pは、P=(第1回転数)/(第2回転数)=N/(M−N)となる。図3の例では、N=29,M=30なので、この例における減速比Pは、P=29である。すなわち、第2回転数は、第1回転数の1/29の回転数となる。ただし、外歯31の数Nおよび内歯41の数Mは、他の値であってもよい。また、内歯41の数Mより外歯31の数Nの方が多くてもよい。
本実施形態では、内歯歯車40が、減速機1の外壁を構成するケーシングの役割も果たしている。このようにすれば、ケーシングとは別に内歯歯車40を設ける必要がない。これにより、減速機1をより小型化しやすくなる。
複数のキャリアピン50は、2枚の外歯歯車30を貫通して、軸方向に延びる円柱状の部材である。複数のキャリアピン50は、中心軸9を中心として、円環状に配列される。各キャリアピン50は、2枚の外歯歯車30の貫通孔33に挿入される。図3に示すように、外歯歯車30の貫通孔33を構成する円環状の面と、キャリアピン50の外周面との間には、間隙が介在する。2枚の外歯歯車30が、減速後の第2回転数で自転すると、外歯歯車30に押されることによって、複数のキャリアピン50も、中心軸9を中心として、第2回転数で回転する。
第2回転部60は、円環状の前方キャリア部材61と、円環状の後方キャリア部材62とを有する。前方キャリア部材61は、2枚の外歯歯車30よりも軸方向の一方側に配置される。第1回転部10と前方キャリア部材61との間には、軸受72が介在する。また、前方キャリア部材61と内歯歯車40との間には、軸受73が介在する。後方キャリア部材62は、2枚の外歯歯車30よりも軸方向の他方側に配置される。第1回転部10と後方キャリア部材62との間には、軸受74が介在する。また、後方キャリア部材62と内歯歯車40との間には、軸受75が介在する。軸受72および軸受74には、例えば、ボールベアリングが用いられる。軸受73および軸受75には、例えば、ポリアセタール等の樹脂からなるすべり軸受が用いられる。
各キャリアピン50の軸方向の一方の端部は、前方キャリア部材61に固定される。各キャリアピン50の軸方向の他方の端部は、後方キャリア部材62に固定される。このため、複数のキャリアピン50が、中心軸9を中心として第2回転数で回転すると、前方キャリア部材61および後方キャリア部材62も、中心軸9を中心として第2回転数で回転する。
第2回転部60は、直接または他の動力伝達機構を介して、駆動対象となる部材に接続される。すなわち、本実施形態では、第2回転部60が出力部となる。
<2.偏心体20について>
続いて、上述した偏心体20のより詳細な形状について、説明する。図4は、偏心体20の斜視図である。図5は、偏心体20の一部および外歯歯車30の一部を、軸方向に視た図である。
続いて、上述した偏心体20のより詳細な形状について、説明する。図4は、偏心体20の斜視図である。図5は、偏心体20の一部および外歯歯車30の一部を、軸方向に視た図である。
図4および図5に示すように、偏心体20の外周面は、円弧部21と、2つの切り欠き部22とを有する。円弧部21は、偏心軸91を中心とする円弧状の面である。円弧部21は、外歯歯車30の内周面に沿って拡がる。切り欠き部22は、偏心体20の外周面のうち、周方向の2箇所に設けられている。本実施形態の切り欠き部22は、偏心軸91を中心とする偏心体20の径に対して垂直な平面である。
外歯歯車30の内周面と、切り欠き部22を構成する面との間には、周方向の他の部分よりも径方向の間隔が広い空間80が存在する。偏心体20と外歯歯車30との間に介在する潤滑油71の一部は、この空間80に保持される。すなわち、本実施形態では、この空間80が、油溜まり部となる。減速機1の駆動時には、外歯歯車30の内周面に対して、空間80の位置が周方向に移動する。これに伴い、空間80に保持された潤滑油71が、当該空間80から、円弧部21と外歯歯車30の内周面との間の隙間へ徐々に拡がる。これにより、偏心体20の外周面と外歯歯車30の内周面との間に、潤滑油71が行き渡る。その結果、偏心体20と外歯歯車30とを、滑らかに相対回転させることができる。また、空間80に潤滑油71を保持することにより、短期間で潤滑油71が枯渇することを防止できる。したがって、偏心体20と外歯歯車30との間に、潤滑油71を長期間に亘って介在させることができる。
本実施形態では、外歯歯車30の内周面ではなく、偏心体20の外周面に、切り欠き部22が設けられている。外歯歯車30に部分的な凹み設けないため、外歯歯車30の強度を維持できる。したがって、外歯歯車30の変形を抑えて、減速機1を精度よく動作させることができる。
切り欠き部22は、偏心体20の軸方向の一方の端部から他方の端部まで、軸方向に拡がる。したがって、空間80に保持された潤滑油71は、偏心体20の外周面の軸方向の全幅に行き渡る。特に、本実施形態では、切り欠き部22が凹状ではなく、偏心体20の径に対して垂直な平面となっている。このようにすれば、空間80に保持された潤滑油71が、周方向に滲み出しやすい。したがって、偏心体20の円弧部21と外歯歯車30の内周面との間へ、潤滑油71を、より良好に行き渡らせることができる。
また、図5中の拡大図に示すように、偏心体20の外周面は、円弧部21と切り欠き部22との境界に、繋ぎ部23を有する。繋ぎ部23は、円弧部21の周方向の端部と、切り欠き部22の周方向の端部とを、滑らかに繋ぐ曲面状の部位である。すなわち、本実施形態では、円弧部21と切り欠き部22との境界が尖っていない。このため、空間80に保持された潤滑油71が、繋ぎ部23を経て円弧部21側へ、より滲み出しやすくなる。したがって、偏心体20の円弧部21と外歯歯車30の内周面との間へ、潤滑油71を、より良好に行き渡らせることができる。
また、本実施形態では、偏心体20が、周方向の異なる位置に、2つの切り欠き部22を有する。このように、偏心体20の外周面に複数の切り欠き部22を設ければ、油溜まり部としての空間80も、周方向の複数箇所に設けられる。したがって、周方向の複数箇所に潤滑油71が保持される。その結果、偏心体20と外歯歯車30との間に、潤滑油71をより良好に行き渡らせることができる。
図3および図4に示すように、偏心体20は、中心軸9からの距離が最も遠い頂部24を有する。偏心体20の外周面のうち、減速機1の駆動時に外歯歯車30に最も強く押し付けられる部分は、頂部24の近傍部位となる。このため、頂部24の近傍部位には、特に潤滑油71が必要となる。切り欠き部22は、偏心体20の外周面のうち、この頂部24を中央とする半周の範囲内に位置することが好ましい。また、切り欠き部22は、偏心体20の外周面のうち、この頂部24を中央とする1/3周の範囲内に位置することが、より好ましい。例えば、本実施形態のように、頂部24の周方向の両側に、2つの切り欠き部22を設けることが好ましい。これにより、偏心体20と外歯歯車30とを、より滑らかに相対回転させることができる。
<3.変形例>
以上、本発明の例示的な実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態には限定されない。以下では、種々の変形例について、上記の実施形態との相違点を中心に説明する。
以上、本発明の例示的な実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態には限定されない。以下では、種々の変形例について、上記の実施形態との相違点を中心に説明する。
図6は、一変形例に係る減速機の切り欠き部22A付近を、軸方向に視た図である。図6のように、切り欠き部22Aは、径方向外側へ向けて僅かに膨らんでいてもよい。切り欠き部22Aの表面は、円弧部21Aよりも径方向内側に位置していればよい。このような形態でも、切り欠き部22Aと、外歯歯車30Aの内周面との間に、油溜まり部となる空間80Aを設けることができる。したがって、当該空間80Aに、潤滑油71Aを保持させることができる。
図7は、他の変形例に係る減速機の切り欠き部22B付近を、軸方向に視た図である。図7のように、切り欠き部22Bは、径方向内側へ向けて凹んだ溝であってもよい。このようにすれば、切り欠き部22Bと、外歯歯車30Bの内周面との間に、より広い空間80Bを設けることができる。したがって、当該空間80Bに、より多くの潤滑油71Bを溜めることができる。
また、上記の実施形態では、1つの偏心体20の周囲の2箇所に、油溜まり部となる空間80が設けられていた。しかしながら、1つの偏心体20の周囲に設けられる空間80の数は、1つであってもよく、3つ以上であってもよい。すなわち、油溜まり部となる空間80は、偏心体20の外周面と外歯歯車30の内周面との間の周方向の少なくとも一部に設けられていればよい。
また、上記の実施形態では、偏心体20の外周面に切り欠き部22が設けられていた。しかしながら、外歯歯車30の内周面に切り欠き部が設けられていてもよい。また、偏心体20の外周面と外歯歯車30の内周面との双方に、切り欠き部が設けられていてもよい。
減速機を構成する各部材の材料には、例えば、金属が用いられる。ただし、各部材の材料に、金属に代えて、樹脂を用いてもよい。また、減速機を構成する各部材のうち、強度を重視すべき部分には金属を用いるとともに、他の部分には金属よりも軽い樹脂を用いてもよい。特に、偏心体および外歯歯車の少なくともいずれか一方が樹脂製の場合には、偏心体と外歯歯車との間を、機械的要素を排除した滑り軸受とする必要性が高い。したがって、本発明が特に有用である。
また、上記の実施形態では、減速機が、偏心体および外歯歯車のセットを2つ有していた。しかしながら、減速機に含まれる偏心体および外歯歯車のセットの数は、1つでもあってよく、3つ以上であってもよい。
また、上記の実施形態では、変速機の一例である減速機について説明した。しかしながら、同等の構造を増速機として用いてもよい。その場合、第2回転部を入力部とし、第1回転部を出力部とすればよい。すなわち、第2回転部に増速前の第2回転数の回転運動を入力し、増速後の第1回転数の回転運動を第1回転部から出力すればよい。
また、変速機の細部の形状については、本願の各図に示された形状と相違していてもよい。また、上記の実施形態や変形例に登場した各要素を、矛盾が生じない範囲で、適宜に組み合わせてもよい。
本願は、変速機に利用できる。
1 減速機
9 中心軸
10 第1回転部
20 偏心体
21,21A 円弧部
22,22A,22B 切り欠き部
23 繋ぎ部
24 頂部
30,30A,30B 外歯歯車
31 外歯
32 外歯間溝
33 貫通孔
34 円孔
40 内歯歯車
41 内歯
42 内歯間溝
50 キャリアピン
60 第2回転部
61 前方キャリア部材
62 後方キャリア部材
71,71A,71B 潤滑油
72,73,74,75 軸受
80,80A,80B 空間
91 偏心軸
9 中心軸
10 第1回転部
20 偏心体
21,21A 円弧部
22,22A,22B 切り欠き部
23 繋ぎ部
24 頂部
30,30A,30B 外歯歯車
31 外歯
32 外歯間溝
33 貫通孔
34 円孔
40 内歯歯車
41 内歯
42 内歯間溝
50 キャリアピン
60 第2回転部
61 前方キャリア部材
62 後方キャリア部材
71,71A,71B 潤滑油
72,73,74,75 軸受
80,80A,80B 空間
91 偏心軸
Claims (10)
- 偏心揺動型の変速機であって、
中心軸を中心として第1回転数で回転する第1回転部と、
前記第1回転部とともに回転し、前記中心軸から外周面までの距離が周方向の位置によって異なる円板状の偏心体と、
中央に前記偏心体が嵌まる円孔を有する円板状の外歯歯車と、
前記偏心体の外周面と前記外歯歯車の内周面との間に介在する潤滑油と、
前記外歯歯車の径方向外側に位置し、前記中心軸と同軸に配置された円筒状の内歯歯車と、
前記外歯歯車に設けられた複数の貫通孔を通って軸方向に延びる複数のキャリアピンと、
前記複数のキャリアピンに固定された第2回転部と、
を備え、
前記外歯歯車は、外周部に複数の外歯を有し、
前記内歯歯車は、内周部に複数の内歯を有し、
前記偏心体の長径の延長線上において、前記複数の外歯の一部と、前記複数の内歯の一部とが、互いに噛み合い、
前記偏心体の外周面と前記外歯歯車の内周面との間の周方向の少なくとも一部に、周方向の他の部分よりも径方向の間隔が広い油溜まり部が設けられている変速機。 - 請求項1に記載の変速機であって、
前記偏心体の外周面は、周方向の少なくとも一部に切り欠き部を有し、
前記油溜まり部は、前記切り欠き部と前記外歯歯車の内周面との間の空間である変速機。 - 請求項2に記載の変速機であって、
前記切り欠き部は、前記偏心体の径に対して垂直な平面である変速機。 - 請求項3に記載の変速機であって、
前記偏心体の外周面は、
前記切り欠き部と、
前記外歯歯車の内周面に沿って拡がる円弧部と、
前記切り欠き部と前記円弧部との境界を滑らかに繋ぐ曲面状の繋ぎ部と、
を有する変速機。 - 請求項2から請求項4までのいずれか1項に記載の変速機であって、
前記切り欠き部は、前記偏心体の軸方向の一方の端部から、前記偏心体の軸方向の他方の端部まで拡がる変速機。 - 請求項2から請求項5までのいずれか1項に記載の変速機であって、
前記偏心体は、前記中心軸からの距離が最も遠い頂部を有し、
前記切り欠き部は、前記偏心体の外周面のうち、前記頂部を中央とする半周の範囲内に位置する変速機。 - 請求項2から請求項6までのいずれか1項に記載の変速機であって、
前記偏心体は、複数の前記切り欠き部を、周方向の異なる位置に有する変速機。 - 請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載の変速機であって、
前記潤滑油は、グリースである変速機。 - 請求項1から請求項8までのいずれか1項に記載の変速機であって、
前記偏心体および前記外歯歯車の少なくともいずれか一方は、樹脂製である変速機。 - 請求項1から請求項9までのいずれか1項に記載の変速機であって、
前記第1回転部は、モータから得られる動力により第1回転数で回転する入力部であり、
前記第2回転部は、前記第1回転数よりも低い第2回転数で回転する出力部である変速機。
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