JP2019039456A5 - - Google Patents

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トルク変動抑制装置、トルクコンバータ、及び動力伝達装置
本発明は、トルク変動抑制装置、特に、回転軸の回りに回転するとともにトルクが入力される回転体のトルク変動を抑制するためのトルク変動抑制装置に関する。また、本発明は、トルク変動抑制装置を備えたトルクコンバータ及び動力伝達装置に関する。
例えば、自動車のエンジンとトランスミッションとの間には、ダンパ装置を含むクラッチ装置やトルクコンバータが設けられている。また、トルクコンバータには、燃費低減のために、所定の回転数以上で機械的にトルクを伝達するためのロックアップ装置が設けられている。
ロックアップ装置においては、複数のトーションスプリングを有するダンパによって、トルク変動(回転速度変動)が抑えられる。また、特許文献1に示されるようなトルク変動抑制装置を備えたロックアップ装置も提案されている。
特許文献1のトルク変動抑制装置は、イナーシャリングと、遠心子と、カム機構と、を備えている。イナーシャリングは、出力側回転体に対して相対回転自在に配置されている。遠心子は、出力側回転体及びイナーシャリングの回転による遠心力を受けるように配置されている。カム機構は、遠心子に作用する遠心力を受けて、出力側回転体とイナーシャリングとの間に回転方向における相対変位が生じたときには、遠心力を、相対変位が小さくなる方向の円周方向力に変換する。
特開2017−40318号公報
特許文献1に示されたトルク変動抑制装置では、カム機構の作動によってトルク変動が抑えられる。特に、特許文献1の装置では、遠心子に作用する遠心力を、トルク変動を抑えるための力として利用しているので、回転体の回転数に応じてトルク変動を抑制する特性が変わることになる。したがって、特許文献1の装置では、広い回転数域におけるトルク変動のピークを抑えることができる。
ここで、特許文献1の装置では、遠心子が径方向に移動自在に設けられている。したがって、エンジン停止時や、カム機構が作動時から非作動時に移行する際に、遠心子の一部又は全部が径方向内方に移動し、例えば遠心子を支持している出力回転体の一部に衝突する場合がある。この遠心子の衝突時に打音が発生するという問題がある。
本発明の課題は、遠心子を用いたトルク変動抑制装置において、遠心子が他の部材に衝突する際の打音を抑えることにある。
(1)本発明に係るトルク変動抑制装置は、トルクが入力される回転体のトルク変動を抑制する装置である。このトルク変動抑制装置は、質量体と、複数の遠心子と、複数のカム機構と、複数の規制部材と、を備えている。質量体は、回転体とともに回転可能であり、かつ回転体に対して相対回転自在に配置されている。複数の遠心子は、回転体及び質量体の回転による遠心力を受けて径方向に移動可能である。複数のカム機構は、遠心子に作用する遠心力を受けて、回転体と質量体との間に回転方向における相対変位が生じたときには、遠心力を、相対変位が小さくなる方向の円周方向力に変換する。複数の規制部材は、カム機構の作動時には遠心子の移動を許容し、カム機構の非作動時には遠心子の径方向内方への移動を規制する。
この装置では、回転体にトルクが入力されると、回転体及び質量体が回転する。回転体に入力されるトルクに変動がない場合は、回転体と質量体との間の回転方向における相対変位はなく、同期して回転する。一方、入力されるトルクに変動がある場合は、質量体は回転体に対して相対回転自在に配置されているために、トルク変動の程度によっては、両者の間に回転方向における相対変位(以下、この変位を「回転位相差」と表現する場合がある)が生じる。
ここで、回転体及び質量体が回転すると、遠心子は遠心力を受ける。そして、回転体と質量体との間に相対変位が生じたときには、カム機構は遠心子に作用する遠心力を円周方向力に変換し、この円周方向力は回転体と質量体の間の相対変位を小さくするように作用する。このようなカム機構の作動によって、トルク変動が抑えられる。
ここでは、遠心子に作用する遠心力を、トルク変動を抑えるための力として利用しているので、回転体の回転数に応じてトルク変動を抑制する特性が変わることになる。また、例えばカムの形状等によって、トルク変動を抑制する特性を適切に設定することができ、より広い回転数域におけるトルク変動のピークを抑えることができる。
また、この装置では、規制部材によって、カム機構の非作動時には、遠心子の径方向内方への移動が規制される。このため、カム機構の非作動時に遠心子が径方向内方に移動して回転体等の他の部材と衝突し、打音が発生するのを避けることができる。また、遠心子と他の部材とが衝突する場合であっても、衝突時の打音を抑えることができる。なお、カム機構の作動時には、規制部材は遠心子の移動を許容するので、カム機構の作動が妨げられることはない。
(2)好ましくは、複数の遠心子は円周上に並べて配置され、複数の規制部材は隣接する2つの前記遠心子の円周方向間に配置されている。
(3)好ましくは、規制部材は、隣接する2つの遠心子の移動に応じて弾性変形可能である。ここでは、規制部材が弾性変形することによって、遠心子の移動が規制される。したがって、遠心子と規制部材とを常に当接させておくことができ、遠心子と規制部材とが衝突する際の打音を抑えることができる。
(4)好ましくは、規制部材は、円周方向の一端に設けられた第1当接部と、円周方向の他端に設けられた第2当接部と、を有している。第1当接部は、隣接する2つの遠心子のうちの一方の遠心子の円周方向の第1側の側面に当接可能である。また、第2当接部は、隣接する2つの遠心子のうちの他方の遠心子の円周方向の第2側の側面に当接可能である。
ここでは、規制部材の第1及び第2当接部が、それぞれ隣接する2つの遠心子の側面に当接する。この当接によって、遠心子の径方向内方への移動が規制される。
(5)好ましくは、規制部材は、第1当接部及び第2当接部が互いに近づく方向に弾性変形可能である。
(6)好ましくは、規制部材は、支持部と、第1バネ部と、第2バネ部と、を有している。支持部は質量体に支持される。第1バネ部は、支持部から径方向内方に延び、先端に第1当接部を有する。第2バネ部は、支持部から径方向内方に、かつ内方に行くに従って第1バネ部からより離れるように延び、先端に第2当接部を有する。
ここでは、規制部材を捩りバネによって構成できるので、規制部材を簡単に実現することができる。
(7)好ましくは、回転体は、外周面に複数の凹部を有し、複数の遠心子のそれぞれは、回転体の凹部に収容されている。そして、規制部材は、遠心子の内周面が凹部の底面に当接するのを規制する。
ここで、回転体及び質量体が回転しているときには、遠心子は遠心力を受けて径方向外方に移動しようとする。一方、回転体及び質量体の回転が停止したときなどのように、カム機構が作動しなくなったときには、遠心子には遠心力が作用しなくなる。したがって、規制部材が設けられていない場合には、複数の遠心子のうちの上方に位置していた遠心子は下方に落下し、凹部の底面に衝突する。この衝突時に打音が発生することになる。
また、カム機構の作動時には、カム機構によって、遠心子は遠心力の反力(径方向内方への力)を受けている。このため、回転体と質量体との相対回転が、ストッパ機構等によって禁止されたとき、すなわちカム機構が作動時から非作動時に移行したときには、遠心子は慣性によって径方向内方に移動しようとする。このとき、前記同様に、遠心子は凹部の底面に衝突して打音が発生することになる。
しかし、ここでは、規制部材によって遠心子の径方向内方への移動が規制され、遠心子が回転体の凹部の底面に衝突するのを防止している。したがって、カム機構の非作動時に遠心子と凹部の底面との打音をなくすことができる。
(8)好ましくは、カム機構は、質量体及び遠心子の一方に設けられたカムと、質量体及び遠心子の他方に設けられカムに沿って移動するカムフォロアと、を有する。
ここでは、回転体のトルク変動の大きさによって、回転体と質量体との間の回転方向の相対変位量が変動する。このとき、遠心力から変換された円周方向力が、相対変位量に応じて変化するようにカムの形状を設定することにより、トルク変動をより効率的に抑えることができる。
(9)好ましくは、カム機構のカムとカムフォロアとは、カム機構の非作動時には互いに押圧しない。ここでは、カムとカムフォロアとが互いに押圧しないときに、規制部材が作用する。すなわち、規制部材がカム機構の作動を妨げることはない。
(10)好ましくは、質量体は、回転体を挟んで対向して配置された第1イナーシャリング及び第2イナーシャリングと、第1イナーシャリングと第2イナーシャリングとを相対回転不能に連結するピンと、を有している。遠心子は、回転体の外周部でかつピンの内周側において第1イナーシャリングと第2イナーシャリングとの軸方向間に配置されている。カムフォロアは、内部にピンが軸方向に貫通する孔を有する円筒状のコロである。カムは、遠心子に形成されてカムフォロアに当接し、回転体と質量体との間の回転方向における相対変位量に応じて円周方向力が変化するような形状を有する。
ここでは、第1イナーシャリングと第2イナーシャリングとを連結するピンを利用して、カムフォロアを装着している。このため、カム機構の構成が簡単になる。
(11)好ましくは、回転体と質量体との相対回転角度を所定の範囲に規制するストッパ機構をさらに備えている。そして、カム機構はストッパ機構の作動時以降は作動しない。
(12)ストッパ機構は、回転体又は質量体の一方に支持されたストップピンと、回転体又は質量体の他方に形成されストップピンが相通する円周方向に長い長孔と、を有する。
(13)好ましくは、規制部材はストップピンに支持されている。ここでは、ストッパ機構を構成するストップピンを利用して規制部材の支持部を支持しているので、構成が簡単になる。
(14)本発明に係るトルクコンバータは、エンジンとトランスミッションとの間に配置される。このトルクコンバータは、エンジンからのトルクが入力される入力側回転体と、トランスミッションにトルクを出力するハブフランジと、入力側回転体と出力側回転体との間に配置されたダンパと、以上に記載のいずれかのトルク変動抑制装置と、を備えている。
(15)本発明に係る動力伝達装置は、フライホイールと、クラッチ装置と、以上に記載のいずれかのトルク変動抑制装置と、を備えている。フライホイールは、回転軸を中心に回転する第1慣性体と、回転軸を中心に回転し第1慣性体と相対回転自在な第2慣性体と、第1慣性体と第2慣性体との間に配置されたダンパと、を有する。クラッチ装置は、フライホイールの第2慣性体に設けられている。
以上のような本発明では、遠心子を用いたトルク変動抑制装置において、遠心子が他の部材に衝突する際の打音を抑えることができる。
本発明の第1実施形態によるトルクコンバータの模式図。 図1のハブフランジ及びトルク変動抑制装置の正面部分図。 図2のIIIーIII線断面図。 図2のIVーIV線断面図。 カム機構の作動を説明するための図。 規制部材の作動を説明するための図。 規制部材の作動を説明するための図。 回転数とトルク変動の関係を示す特性図。 本発明の第2実施形態の図2に対応する図。 図9のXーX線断面図。 本発明の適用例1を示す模式図。 本発明の適用例2を示す模式図。 本発明の適用例3を示す模式図。 本発明の適用例4を示す模式図。 本発明の適用例5を示す模式図。 本発明の適用例6を示す模式図。 本発明の適用例7を示す模式図。 本発明の適用例8を示す模式図。 本発明の適用例9を示す模式図。
−第1実施形態−
図1は、本発明の第1実施形態によるトルク変動抑制装置をトルクコンバータのロックアップ装置に装着した場合の模式図である。図1において、O−Oがトルクコンバータの回転軸線である。
[全体構成]
トルクコンバータ1は、フロントカバー2と、トルクコンバータ本体3と、ロックアップ装置4と、出力ハブ5と、を有している。フロントカバー2にはエンジンからトルクが入力される。トルクコンバータ本体3は、フロントカバー2に連結されたインペラ7と、タービン8と、ステータ(図示せず)と、を有している。タービン8は出力ハブ5に連結されており、出力ハブ5の内周部には、トランスミッションの入力軸(図示せず)がスプラインによって係合可能である。
[ロックアップ装置4]
ロックアップ装置4は、クラッチ部や、油圧によって作動するピストン等を有し、ロックアップオン状態と、ロックアップオフ状態と、を取り得る。ロックアップオン状態では、フロントカバー2に入力されたトルクは、トルクコンバータ本体3を介さずに、ロックアップ装置4を介して出力ハブ5に伝達される。一方、ロックアップオフ状態では、フロントカバー2に入力されたトルクは、トルクコンバータ本体3を介して出力ハブ5に伝達される。
ロックアップ装置4は、入力側回転体11と、ハブフランジ12(回転体の一例)と、ダンパ13と、トルク変動抑制装置14と、ストッパ機構15(図2等参照)と、を有している。
入力側回転体11は、軸方向に移動自在なピストンを含み、フロントカバー2側の側面に摩擦部材16が固定されている。この摩擦部材16がフロントカバー2に押し付けられることによって、フロントカバー2から入力側回転体11にトルクが伝達される。
ハブフランジ12は、入力側回転体11と軸方向に対向して配置され、入力側回転体11と相対回転自在である。ハブフランジ12は出力ハブ5に連結されている。
ダンパ13は、入力側回転体11とハブフランジ12との間に配置されている。ダンパ13は、複数のトーションスプリングを有しており、入力側回転体11とハブフランジ12とを回転方向に弾性的に連結している。このダンパ13によって、入力側回転体11からハブフランジ12にトルクが伝達されるとともに、トルク変動が吸収、減衰される。
[トルク変動抑制装置14]
図2〜図4を用いてトルク変動抑制装置14について詳細に説明する。図2は、ハブフランジ12及びトルク変動抑制装置14の正面図である。なお、図2は一方(手前側)のイナーシャリングを取り外して示している。また、図3は図2のIIIーIII線断面図、図4は図2のIV-IV線断面図である。図2以降の図ではハブフランジ12及びトルク変動抑制装置14の一部を示している。
トルク変動抑制装置14は、質量体20を構成する第1イナーシャリング201及び第2イナーシャリング202と、4個の遠心子21と、4個のカム機構22と、4個の規制部材としての捩りバネ23と、を有している。
<第1及び第2イナーシャリング201,202>
第1及び第2イナーシャリング201,202は、それぞれ連続した円環状に形成された所定の厚みを有するプレートであり、図3及び図4に示すように、ハブフランジ12を挟んでハブフランジ12の軸方向両側に所定の隙間をあけて配置されている。すなわち、ハブフランジ12と第1及び第2イナーシャリング201,202とは、軸方向に並べて配置されている。第1及び第2イナーシャリング201,202は、ハブフランジ12の回転軸と同じ回転軸を有し、ハブフランジ12とともに回転可能で、かつハブフランジ12に対して所定の角度範囲内で相対回転自在である。
図3に示すように、第1及び第2イナーシャリング201,202には軸方向に貫通する孔201a,202aが形成されている。そして、第1イナーシャリング201と第2イナーシャリング202とは、孔201a,202aを貫通する支持ピン24及びボルト25によって固定されている。したがって、第1イナーシャリング201は、第2イナーシャリング202に対して、軸方向、径方向、及び回転方向に移動不能である。
<ハブフランジ12>
図2に示すように、ハブフランジ12は、円板状に形成され、内周部が前述のように出力ハブ5に連結されている。ハブフランジ12の外周部には、円周方向に所定の幅を有し内周側に凹む4つの凹部121が形成されている。凹部121は、外周側に開くように形成され、所定の深さを有している。
<遠心子21>
遠心子21は、ハブフランジ12の凹部121に配置されており、ハブフランジ12の回転による遠心力によって径方向に移動可能である。遠心子21は、円周方向に延びて形成されている。遠心子21の両側面(円周方向の両端面)21aは、内周側から外周側にかけて広がるように傾斜している。そして、この両側面21aに溝21bが形成されている。溝21bの幅は、ハブフランジ12の厚みより大きく、溝21bの一部にハブフランジ12(具体的には凹部121の縁部の一部)が挿入されている。
なお、遠心子21の外周面21cは、内周側に窪む円弧状に形成されており、後述するように、カム31として機能する。
遠心子21の両側面の溝21bには、それぞれ2個のローラ26a,26bが配置されている。各ローラ26a,26bは、径方向に並べて配置され、溝21bを回転軸方向に貫通して設けられたピン27の回りに回転自在に装着されている。そして、各ローラ26a,26bは、凹部121の側面に当接して転動可能である。
<カム機構22>
カム機構22は、カムフォロアとしての円筒状のコロ30と、遠心子21の外周面21cであるカム31と、から構成されている。コロ30は、図3に示すように、支持ピン24の胴部24aの外周に嵌めこまれ、支持ピン24に回転自在に支持されている。
前述のように、支持ピン24は、第1イナーシャリング201及び第2イナーシャリング202を固定している。より詳細には、図3に示すように、支持ピン24は、一方側の端面に鍔部24bを有し、他方側の端面には所定の深さのねじ穴24cが形成されている。鍔部24bは第2イナーシャリング202に形成された円形の溝にはめ込まれている。また、ねじ穴24cにはワッシャ28を介してボルト25がねじ込まれている。ワッシャ28は第2イナーシャリング202に形成された円形の溝にはめ込まれている。このような構成により、第1イナーシャリング201と第2イナーシャリング202との軸方向間の隙間は、支持ピン24の胴部24aの長さによって決まる。
なお、コロ30は、支持ピン24に対して回転自在に装着されているのが好ましいが、回転不能であってもよい。カム31は、コロ30が当接する円弧状の面であり、ハブフランジ12と第1及び第2イナーシャリング201,202とが所定の角度範囲内で相対回転した際には、コロ30はこのカム31に沿って移動する。
詳細は後述するが、コロ30とカム31との接触によって、ハブフランジ12と第1及び第2イナーシャリング201,202との間に回転位相差が生じたときに、遠心子21に生じた遠心力は、回転位相差が小さくなるような円周方向の力に変換される。
<捩じりバネ23>
捩りバネ23は、カム機構22による遠心子21の作動を許容し、かつ遠心子21の径方向内方への移動を規制する。すなわち、ハブフランジ12と第1及び第2イナーシャリング201,202との間に回転位相差が生じ、カム機構22が作動している際には、捩じりバネ23は遠心子21の移動を妨げない。具体的には、カム機構22が作動している際には、捩じりバネ23は、遠心子21に非接触であるか、あるいは接触していても遠心子21に押圧力を与えない。
捩りバネ23は、隣接する2つの遠心子21の円周方向間に配置されている。そして、捩りバネ23は、カム機構22の非作動時には遠心子21の径方向内方への移動を規制する。
図2に示すように、捩じりバネ23は、支持部230と、第1バネ部231と、第2バネ部232と、を有している。
支持部230は、円環状に巻かれており、ピン34の周囲に配置され、ピン34によって支持されている。ピン34は、図4に示すように、第2イナーシャリング202の外周端部に装着されている。
第1バネ部231及び第2バネ部232は、支持部230から径方向内方に延びている。第1バネ部231及び第2バネ部232は、径方向内方に行くに従って互いにより離れるように延びている。そして、第1バネ部231及び第2バネ部232は、互いに近づく方向に弾性変形が可能である。
第1バネ部231の先端部は、延びる方向からほぼ90°の角度で第2バネ部232側に折り曲げられている。そして、この折り曲げ部が、隣接する2つの遠心子21のうちの一方の側面21aの内周端部に当接する第1当接部231aとなっている。
また、同様に、第2バネ部232の先端部は、延びる方向からほぼ90°の角度で第1バネ部231側に折り曲げられている。そして、この折り曲げ部が、隣接する2つの遠心子21のうちの他方の側面21aの内周端部に当接する第2当接部232aとなっている。
前述のように、捩じりバネ23は、カム機構22が作動しているときは、カム機構22の作動(具体的には遠心子21の移動)を妨げない。すなわち、捩りバネ23の形状及び遠心子21の側面21aの形状が適切に設定されているので、ハブフランジ12と両イナーシャリング201,202との間に回転位相差が生じてカム機構22が作動し遠心子21が径方向に移動しても、捩りバネ23の支持部230の中心点と、第1当接部231aが一方の遠心子21の側面21aに当接する点と、第2当接部232aが他方の遠心子21の側面21aに当接する点と、を結んで形成される三角形の形状は変わらない。
したがって、カム機構22が作動しているときは、隣接する2つの遠心子21の一方と第1当接部231aとの間、及び隣接する2つの遠心子21の他方と第2当接部232aとの間には、押圧力は作用していない。このため、カム機構22が作動しているときには、捩りバネ23は弾性変形していない。
[ストッパ機構15]
ストッパ機構15は、ハブフランジ12と第1及び第2イナーシャリング201,202との相対回転角度を所定の範囲内に規制する機構である。
ストッパ機構15は、図4に示すように、ピン150と、ストップリング151と、長孔152(図2参照)と、から構成されている。ピン150は、第1イナーシャリング201と第2イナーシャリング202との間において軸方向に延びている。ストップリング151は樹脂又はゴム製の部材であり、第1イナーシャリング201と第2イナーシャリング202との間においてピン150の外周に装着されている。すなわち、ピン150はストップリング151の孔を貫通している。長孔152はハブフランジ12に形成されている。長孔152は、ストップリング151が円周方向に移動し得る大きさであり、円周方向に所定の長さを有している。
以上のような構成では、ハブフランジ12と第1及び第2イナーシャリング201,202とは、ストップリング151が長孔152内を移動し得る範囲で相対回転が可能となる。言い換えれば、カム機構22はストップ機構15の作動時以降は作動しない。
[カム機構22の作動]
図2及び図5を用いて、カム機構22の作動(トルク変動の抑制)について説明する。なお、以下の説明では、第1及び第2イナーシャリング201,202を、単に「イナーシャリング20」と記す場合もある。
ロックアップオン時には、フロントカバー2に伝達されたトルクは、入力側回転体11及びダンパ13を介してハブフランジ12に伝達される。
トルク伝達時にトルク変動がない場合は、図2に示すような状態で、ハブフランジ12及びイナーシャリング20は回転する。この状態では、カム機構22のコロ30はカム31のもっとも内周側の位置(円周方向の中央位置)に当接し、ハブフランジ12とイナーシャリング20との回転位相差は「0」である。
前述のように、ハブフランジ12とイナーシャリング20との間の回転方向の相対変位量を、「回転位相差」と称しているが、これらは、図2及び図5では、遠心子21及びカム31の円周方向の中央位置と、コロ30の中心位置と、の回転方向のずれを示すものである。
ここで、トルクの伝達時にトルク変動が存在すると、図5に示すように、遠心子21を収容するハブフランジ12と、コロ30が支持されているイナーシャリング20と、の間には、回転位相差θが生じる。
図5に示すように、ハブフランジ12とイナーシャリング20との間に回転位相差θが生じた場合は、カム機構22のコロ30は、カム31に沿って相対的に図5における右側に移動する。このとき、遠心子21には遠心力が作用しているので、遠心子21に形成されたカム31がコロ30から受ける反力は、図5のP0の方向及び大きさとなる。この反力P0によって、円周方向の第1分力P1と、遠心子21を径方向内方に向かって移動させる方向の第2分力P2と、が発生する。
そして、第1分力P1は、カム機構22及び遠心子21を介してハブフランジ12を図5における右方向に移動させる力となる。すなわち、ハブフランジ12とイナーシャリング20との回転位相差を小さくする方向の力が、ハブフランジ12に作用することになる。また、第2分力P2によって、遠心子21は、遠心力に抗して径方向内方に移動させられる。
なお、逆方向に回転位相差が生じた場合は、コロ30がカム31に沿って相対的に図5の左側に移動するが、作動原理は同じである。
以上のように、トルク変動によってハブフランジ12とイナーシャリング20との間に回転位相差が生じると、遠心子21に作用する遠心力及びカム機構22の作用によって、ハブフランジ12は、両者の回転位相差を小さくする方向の力(第1分力P1)を受ける。この力によって、トルク変動が抑制される。
以上のトルク変動を抑制する力は、遠心力、すなわちハブフランジ12の回転数によって変化するし、回転位相差及びカム31の形状によっても変化する。したがって、カム31の形状を適宜設定することによって、トルク変動抑制装置14の特性を、エンジン仕様等に応じた最適な特性にすることができる。
例えば、カム31の形状は、同じ遠心力が作用している状態で、回転位相差に応じて第1分力P1が線形に変化するような形状にすることができる。また、カム31の形状は、回転位相差に応じて第1分力P1が非線形に変化する形状にすることができる。
なお、以上のようなカム機構22の作動中においては、遠心子21は捩じりバネ23によって移動を規制されない。具体的には、ハブフランジ12とイナーシャリング20との間に相対回転が生じ、遠心子21が移動しても、図2及び図5に示すように、捩りバネ23は弾性変形しない。すなわち、捩りバネ23の支持部230の中心点と、第1当接部231aが一方の遠心子21の側面21aに当接する点と、第2当接部232aが他方の遠心子21の側面21aに当接する点と、を結ぶ三角形の形状は変わらない。このため、図5に示す例では、一方の遠心子21の側面21aと第1当接部231aとは接触しているが、互いに押圧していない。また、他方の遠心子21の側面21aと第2当接部232aとは離れている。したがって、遠心子21は捩じりバネ23によって移動が規制されることはない。
一方、ハブフランジ12及びイナーシャリング20の回転が停止する際と、ハブフランジ12及びイナーシャリング20の相対回転が禁止された直後に、遠心子21は捩りバネ23によって径方向の移動が規制される。
具体的には、ハブフランジ12及びイナーシャリング20が回転を停止すると、遠心子21には遠心力が作用しなくなるので、図6に示すように、4つの遠心子21のうちの上方に位置している遠心子21は径方向内方である下方に落下する。このとき、仮に捩じりバネ23が設けられていないとすれば、遠心子21が下方に落下し、遠心子21の内周面が凹部121の底面121aに衝突し、打音が発生することになる。
しかし、ここでは捩じりバネ23が設けられているので、図6に示すように、遠心子21が下方に落下しようとすると、捩じりバネ23の第1当接部231aが遠心子21の側面21aの内周端部に当接する。そして、捩じりバネ23の弾性力によって、遠心子21は図6に示す位置からさらに下方へ移動するのが規制される。また、同様に、捩じりバネ23の第2当接部232aが他方の遠心子21の側面21aの内周端部に当接し、他方の遠心子21も径方向外方に向かう押圧力を受ける。このため、遠心子21の内周面が凹部121の底面121aに衝突することはなく、回転停止時の打音を避けることができる。
なお、捩じりバネ23は弾性変形するので、遠心子21が径方向内方に移動するにしたがって、捩じりバネ23による遠心子21を径方向外方側に押圧する力が大きくなる。このため、遠心子21が勢いよく径方向内方に移動する場合であっても、遠心子21が凹部121の底面121aに衝突するのを避けることができる。
さらに、同様の理由により、カム機構22の作動時において、捩じりバネ23の各当接部231a,232aと遠心子21の側面21aとの間の隙間を「0」又は極力小さくするように設定しておけば、遠心子21と捩じりバネ23との間の打音も抑えることができる。
また、ハブフランジ12と第1及び第2イナーシャリング201,202との相対回転角度が大きくなると、ストッパ機構15が作動し、ハブフランジ12と第1及び第2イナーシャリング201,202との相対回転が禁止される。すると、カム機構22は作動しなくなる。しかし、ストッパ機構15が作動するまでは、カム機構22が作動し、遠心子21は径方向内方に移動する力を受けていたので、ストッパ機構15が作動しても、それまでの慣性で遠心子21は径方向内方に移動しようとする。
この場合は、図7に示すように、隣接する2つの遠心子21の側面21aが捩じりバネ23の第1当接部231a及び第2当接部232aを押圧する。このため、捩じりバネ23は弾性変形する。すると、捩じりバネ23の弾性変形の反力によって、遠心子21の径方向内方への移動が規制される。したがって、前記同様に、遠心子21が慣性によって径方向内方に移動し、その内周面が凹部121の底面121aに衝突するのを避けることができ、ストッパ機構15の作動時の打音を避けることができる。
[特性の例]
図8は、トルク変動抑制特性の一例を示す図である。横軸は回転数、縦軸はトルク変動(回転速度変動)である。特性Q1はトルク変動を抑制するための装置が設けられていない場合、特性Q2は従来のダイナミックダンパ装置が設けられた場合、特性Q3は本実施形態のトルク変動抑制装置14が設けられた場合を示している。
この図8から明らかなように、従来のダイナミックダンパ装置が設けられた装置(特性Q2)では、特定の回転数域のみについてトルク変動を抑制することができる。一方、本実施形態(特性Q3)では、すべての回転数域においてトルク変動を抑制することができる。
−第2実施形態−
図9及び図10は本発明の第2実施形態によるトルク変動抑制装置14’の一部を示しており、第1実施形態の図2及び図4に相当する図である。すなわち、図9はハブフランジ12’及びトルク変動抑制装置14’の正面図、図10は図9のX-X線断面図である。
第2実施形態のトルク変動抑制装置14’は、カム機構22等の基本的な構成は第1実施形態と同様であるが、捩じりバネ23の支持のための構成及びストッパ機構の構成が第1実施形態と異なっている。
第2実施形態のストッパ機構15’は、第1実施形態と同様に、ハブフランジと第1及び第2イナーシャリングとの相対回転角度を所定の範囲に規制する機構である。
図10に示すように、ストッパ機構15’は、第1実施形態と同様のピン150及びストップリング151を有している。また、ストッパ機構15’は、ハブフランジ12’に形成された切欠き152’を有している。切欠き152’は、外周側に開口し、円周方向に所定の長さを有している。この切欠き152’の内部に、ストップリング151が配置されている。
以上のような構成では、ハブフランジ12’と第1及び第2イナーシャリング201,202とは、ストップリング151が切欠き152’内を移動し得る範囲で相対回転が可能となる。言い換えれば、カム機構22はストップ機構15’の作動時以降は作動しない。
また、第2実施形態の捩じりバネ23の構成自体は、第1実施形態と同様である。そして、捩じりバネ23の支持部230が、ピン150の外周に装着されている。すなわち、ストッパ機構15’を構成するピン150が、捩じりバネ23を支持するためのピンを兼ねている。
[他の実施形態]
本発明は以上のような実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変形又は修正が可能である。
(a)前記実施形態では、イナーシャリングを連続した円環状の部材で構成したが、分割された複数のイナーシャ体を円周方向に並べて配置してもよい。この場合は、複数のイナーシャ体を保持するために、イナーシャ体の外周側に、円環状の保持リング等の保持部材を設ける必要がある。
(b)前記実施形態では、ガイド部としてガイドローラを配置したが、樹脂レースやシート等の摩擦を低減する他の部材を配置してもよい。
(c)前記実施形態では、規制部材として捩じりバネ23を用いたが、捩りバネ23の支持部230の中心点と、第1当接部231aが一方の遠心子21の側面21aに当接する点と、第2当接部232aが他方の遠心子21の側面21aに当接する点と、を頂点とする三角形状の規制部材を用いてもよい。この場合の規制部材は、支持部230の中心に対応する部分が、イナーシャリングに回動自在に支持される必要がある。
(d)前記実施形態では、カム機構を構成するカムを遠心子に設け、カムフォロアとしてのコロをイナーシャリングに設けたが、イナーシャリングにカムを形成し、遠心子にカムフォロアを設けてもよい。
(e)第1実施形態では、ストッパ機構のストッパピンをイナーシャリングに支持し、長孔をハブフランジに形成したが、ハブフランジにストッパピンを支持し、イナーシャリングに長孔を形成してもよい。
[適用例]
以上のようなトルク変動抑制装置を、トルクコンバータや他の動力伝達装置に適用する場合、種々の配置が可能である。以下に、トルクコンバータや他の動力伝達装置の模式図を利用して、具体的な適用例について説明する。
(1)図11は、トルクコンバータを模式的に示した図であり、トルクコンバータは、入力側回転体41と、ハブフランジ42と、両回転体41,42の間に設けられたダンパ43と、を有している。入力側回転体41は、フロントカバー、ドライブプレート、ピストン等の部材を含む。ハブフランジ42は、ドリブンプレート、タービンハブを含む。ダンパ43は複数のトーションスプリングを含む。
この図11に示した例では、入力側回転体41を構成する回転部材のいずれかに遠心子が設けられており、この遠心子に作用する遠心力を利用して作動するカム機構44が設けられ、また規制部材としての捩じりバネが設けられている。カム機構44及び捩じりバネについては、前記各実施形態に示された構成と同様の構成を適用できる。
(2)図12に示したトルクコンバータは、ハブフランジ42を構成する回転部材のいずれかに遠心子が設けられており、この遠心子に作用する遠心力を利用して作動するカム機構44が設けられ、また捩りバネが設けられている。カム機構44及び捩じりバネについては、前記各実施形態に示された構成と同様の構成を適用できる。
(3)図13に示したトルクコンバータは、図11及び図12に示した構成に加えて、別のダンパ45と、2つのダンパ43,45の間に設けられた中間部材46と、を有している。中間部材46は、入力側回転体41及びハブフランジ42と相対回転自在であり、2つのダンパ43,45を直列的に作用させる。
図13に示した例では、中間部材46に遠心子が設けられており、この遠心子に作用する遠心力を利用して作動するカム機構44が設けられ、また捩じりバネが設けられている。カム機構44及び捩じりバネについては、前記各実施形態に示された構成と同様の構成を適用できる。
(4)図14に示したトルクコンバータは、フロート部材47を有している。フロート部材47は、ダンパ43を構成するトーションスプリングを支持するために部材であり、例えば、環状に形成されて、トーションスプリングの外周及び少なくとも一方の側面を覆うように配置されている。また、フロート部材47は、入力側回転体41及びハブフランジ42と相対回転自在であり、かつダンパ43のトーションスプリングとの摩擦によってダンパ43に連れ回る。すなわち、フロート部材47も回転する。
この図14に示した例では、フロート部材47に遠心子48が設けられており、この遠心子48に作用する遠心力を利用して作動するカム機構44が設けられ、また捩じりバネが設けられている。カム機構44及び捩じりバネについては、前記各実施形態に示された構成と同様の構成を適用できる。
(5)図15は、2つの慣性体51,52を有するフライホイール50と、クラッチ装置54と、を有する動力伝達装置の模式図である。すなわち、エンジンとクラッチ装置54との間に配置されたフライホイール50は、第1慣性体51と、第1慣性体51と相対回転自在に配置された第2慣性体52と、2つの慣性体51,52の間に配置されたダンパ53と、を有している。なお、第2慣性体52は、クラッチ装置54を構成するクラッチカバーも含む。
図15に示した例では、第2慣性体52を構成する回転部材のいずれかに遠心子が設けられており、この遠心子に作用する遠心力を利用して作動するカム機構55が設けられ、また捩じりバネが設けられている。カム機構55及び捩じりバネについては、前記各実施形態に示された構成と同様の構成を適用できる。
(6)図16は、図15と同様の動力伝達装置において、第1慣性体51に遠心子が設けられた例である。そして、この遠心子に作用する遠心力を利用して作動するカム機構55が設けられ、また捩じりバネが設けられている。カム機構55及び捩じりバネについては、前記各実施形態に示された構成と同様の構成を適用できる。
(7)図17に示した動力伝達装置は、図15及び図16に示した構成に加えて、別のダンパ56と、2つのダンパ53,56の間に設けられた中間部材57と、を有している。中間部材57は、第1慣性体51及び第2慣性体52と相対回転自在である。
図17に示した例では、中間部材57に遠心子58が設けられており、この遠心子58に作用する遠心力を利用して作動するカム機構55が設けられ、また捩じりバネが設けられている。カム機構55及び捩じりバネについては、前記各実施形態に示された構成と同様の構成を適用できる。
(8)図18は、1つのフライホイールにクラッチ装置が設けられた動力伝達装置の模式図である。図18の第1慣性体61は、1つのフライホイールと、クラッチ装置62のクラッチカバーと、を含む。この例では、第1慣性体61を構成する回転部材のいずれかに遠心子が設けられており、この遠心子に作用する遠心力を利用して作動するカム機構64が設けられ、また捩じりバネが設けられている。カム機構64及び捩じりバネについては、前記各実施形態に示された構成と同様の構成を適用できる。
(9)図19は、図18と同様の動力伝達装置において、クラッチ装置62の出力側に遠心子65が設けられた例である。そして、この遠心子65に作用する遠心力を利用して作動するカム機構64が設けられ、また捩じりバネが設けられている。カム機構64及び捩じりバネについては、前記各実施形態に示された構成と同様の構成を適用できる。
(10)図面には示していないが、本発明のトルク変動抑制装置を、トランスミッションを構成する回転部材のいずれかに配置してもよいし、さらにはトランスミッションの出力側のシャフト(プロペラシャフト又はドライブシャフト)に配置してもよい。
(11)他の適用例として、従来から周知のダイナミックダンパ装置や、振り子式ダンパ装置が設けられた動力伝達装置に、本発明のトルク変動抑制装置をさらに適用してもよい。
本発明では、遠心子を用いたトルク変動抑制装置において、遠心子が他の部材に衝突する際の打音を抑えることができる。
1 トルクコンバータ
11 入力側回転体
12,12’ ハブフランジ(回転体)
121 収容部
14,14’ トルク変動抑制装置
15,15’ ストッパ機構
20,201,202 イナーシャリング(質量体)
21 遠心子
22 カム機構
23 捩じりバネ(規制部材)
230 支持部
231 第1バネ部
231a 第1当接部
232 第2バネ部
232a 第2当接部
30 コロ(カムフォロア)
31 カム

Claims (15)

  1. トルクが入力される回転体のトルク変動を抑制するトルク変動抑制装置であって、
    前記回転体とともに回転可能であり、かつ前記回転体に対して相対回転自在に配置された質量体と、
    前記回転体及び前記質量体の回転による遠心力を受けて径方向に移動可能な複数の遠心子と、
    前記遠心子に作用する遠心力を受けて、前記回転体と前記質量体との間に回転方向における相対変位が生じたときには、前記遠心力を、前記相対変位が小さくなる方向の円周方向力に変換する複数のカム機構と、
    前記カム機構の作動時には前記遠心子の移動を許容し、前記カム機構の非作動時には前記遠心子の径方向内方への移動を規制する複数の規制部材と、
    備えたトルク変動抑制装置。
  2. 前記複数の遠心子は円周上に並べて配置され、前記複数の規制部材は隣接する2つの前記遠心子の円周方向間に配置されている、請求項1に記載のトルク変動抑制装置。
  3. 前記規制部材は、隣接する2つの前記遠心子の移動に応じて弾性変形可能である、請求項に記載のトルク変動抑制装置。
  4. 前記規制部材は、円周方向の一端に設けられた第1当接部と、円周方向の他端に設けられた第2当接部と、を有し、
    前記第1当接部は、隣接する2つの前記遠心子のうちの一方の遠心子の円周方向の第1側の側面に当接可能であり、
    前記第2当接部は、隣接する2つの前記遠心子のうちの他方の遠心子の円周方向の第2側の側面に当接可能である、
    請求項2又は3に記載のトルク変動抑制装置。
  5. 前記規制部材は、前記第1当接部及び前記第2当接部が互いに近づく方向に弾性変形可能である、請求項に記載のトルク変動抑制装置。
  6. 前記規制部材は、
    前記質量体に支持された支持部と、
    前記支持部から径方向内方に延び、先端に前記第1当接部を有する第1バネ部と、
    前記支持部から径方向内方に、かつ内方に行くに従って前記第1バネ部からより離れるように延び、先端に前記第2当接部を有する第2バネ部と、
    を有する、
    請求項に記載のトルク変動抑制装置。
  7. 前記回転体は、外周面に複数の凹部を有し、
    複数の前記遠心子のそれぞれは、前記回転体の凹部に収容されており、
    前記規制部材は、前記遠心子の内周面が前記凹部の底面に当接するのを規制する、
    請求項1からのいずれかに記載のトルク変動抑制装置。
  8. 前記カム機構は、
    前記質量体及び前記遠心子の一方に設けられたカムと、
    前記質量体及び前記遠心子の他方に設けられ前記カムに沿って移動するカムフォロアと、を有する、
    請求項1からのいずれかに記載のトルク変動抑制装置。
  9. 前記カム機構のカムとカムフォロアとは、前記カム機構の非作動時には互いに押圧しない、請求項に記載のトルク変動抑制装置。
  10. 前記質量体は、前記回転体を挟んで対向して配置された第1イナーシャリング及び第2イナーシャリングと、前記第1イナーシャリングと前記第2イナーシャリングとを相対回転不能に連結するピンと、を有し、
    前記遠心子は、前記回転体の外周部でかつ前記ピンの内周側において前記第1イナーシャリングと前記第2イナーシャリングとの軸方向間に配置されており、
    前記カムフォロアは、内部に前記ピンが軸方向に貫通する孔を有する円筒状のコロであり、
    前記カムは、前記遠心子に形成されて前記カムフォロアに当接し、前記回転体と前記質量体との間の回転方向における相対変位量に応じて前記円周方向力が変化するような形状を有する、
    請求項8又は9に記載のトルク変動抑制装置。
  11. 前記回転体と前記質量体との相対回転角度を所定の範囲に規制するストッパ機構をさらに備え、
    前記カム機構は前記ストッパ機構の作動時以降は作動しない、
    請求項1から10のいずれかに記載のトルク変動抑制装置。
  12. 前記ストッパ機構は、
    前記回転体又は前記質量体の一方に支持されたストップピンと、
    前記回転体又は前記質量体の他方に形成され前記ストップピンが相通する円周方向に長い長孔と、
    を有する、
    請求項11に記載のトルク変動抑制装置。
  13. 前記規制部材は前記ストップピンに支持されている、
    請求項12に記載のトルク変動抑制装置。
  14. エンジンとトランスミッションとの間に配置されるトルクコンバータであって、
    前記エンジンからのトルクが入力される入力側回転体と、
    前記トランスミッションにトルクを出力する出力側回転体と、
    前記入力側回転体と前記出力側回転体との間に配置されたダンパと、
    請求項1から13のいずれかに記載のトルク変動抑制装置と、
    を備えたトルクコンバータ。
  15. 回転軸を中心に回転する第1慣性体と、前記回転軸を中心に回転し前記第1慣性体と相対回転自在な第2慣性体と、前記第1慣性体と前記第2慣性体との間に配置されたダンパと、を有するフライホイールと、
    前記フライホイールの前記第2慣性体に設けられたクラッチ装置と、
    請求項1から13のいずれかに記載のトルク変動抑制装置と、
    を備えた動力伝達装置。
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