JP2019039124A - チョップド繊維束マット - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、繊維強化樹脂成形材料とした場合に優れた加工性(特に樹脂含浸性)を発現し、繊維強化プラスチックとした場合に優れた力学特性(特に強度)を発現するチョップド繊維束マットを提供する。【解決手段】本発明のチョップド繊維束マットは、数平均繊維長が3〜100mmの範囲内であるチョップド繊維束が実質的にランダムに配向され、チョップド繊維束マットの単位面積あたりの繊維質量Fm(繊維目付)とマット厚みTmから下式(1)により算出される“かさ高性Bm”が1.5〜5cm3/gの範囲内である。Bm=Tm/Fm ・・・(1)【選択図】図1

Description

本発明は、連続強化繊維の繊維束を切断したチョップド繊維束をシート状に堆積させてなるチョップド繊維束マットであって、繊維強化樹脂成形材料とした場合に優れた加工性(特に樹脂含浸性)を発現し、繊維強化プラスチックとした場合に優れた力学特性(特に強度)を発現するチョップド繊維束マットに関する。
連続強化繊維(例えば、炭素繊維)の繊維束(ストランドと称す場合もある)を切断した不連続強化繊維の繊維束(以下、チョップド繊維束という)をランダムに分散させたチョップド繊維束マットと、マトリックス樹脂(例えば、熱硬化性樹脂あるいは熱可塑性樹脂)からなる繊維強化樹脂成形材料を用いて、加熱・加圧成形により、3次元形状等の複雑な形状の繊維強化プラスチックを成形する技術が知られている。これらの成形技術としては、シートモールディングコンパウンド(以下、SMCと略す)やスタンパブルシートを用いた成形等がある。
SMCシートを用いた繊維強化プラスチックは、例えば25mm程度に切断したチョップド繊維束からなるチョップド繊維束マットに熱硬化性樹脂であるマトリックス樹脂を含浸せしめたシート状基材(SMCシート)を、加熱型プレス機を用いて加熱加圧することにより得られる。スタンパブルシートを用いた繊維強化プラスチックは、チョップド繊維束からなるチョップド繊維束マットに熱可塑性樹脂を含浸させたシート状基材(スタンパブルシート)を、熱可塑性樹脂の融点以上に予熱し、所定の温度の金型に積層して冷却加圧することにより得られる。多くの場合、加圧前にSMCシートやスタンパブルシートを成形体の形状より小さく切断して成形型上に配置し、加圧により成形体の形状に引き伸ばして(流動させて)成形を行うため、その流動により3次元形状等の複雑な形状にも追従可能となる。しかしながら、SMCシートやスタンパブルシートはそのシート化工程において、チョップド繊維束の分布ムラ、配向ムラが生じてしまうため、力学物性(特に強度)が低下、あるいは、力学特性の値のバラツキが大きくなってしまうだけでなく、特に薄物のFRP部材ではソリ、ヒケ等が発生し易くなる課題があった。
かかる課題を解決すべく、1,000本以下の炭素繊維が集束した炭素繊維ストランドを切断したチョップドストランドを分散させることにより、クラック発生・進展を抑制するSMCシートを得ることが開示されている(特許文献1)。しかしながら、1,000本以下の炭素繊維が集束した炭素繊維ストランドを用いてSMCシートを作製するのはプロセス上コスト高、または、連続生産においては炭素繊維の価格がコスト高とならざるを得ない、という経済性の問題があった。さらには、単に炭素繊維ストランドの集束本数を減らしただけでは、チョップドストランドマットがかさ高くなり、SMC製造時にマトリックス樹脂の含浸を阻害するという問題点もあった。
一方、強化繊維の繊維束を拡幅した状態で切断し、扁平形状のチョップド繊維束とすることにより、優れた力学特性を発現するSMCシートの製造方法が開示されている(特許文献2)。
特開平01−163218号公報 特開2009−62648号公報
特許文献1に記載の発明では、SMCシートにおいてチョツプドストランドの配合割合が40体積%をこえて増大すると、得られるSMC成形品の剛性及び強度は更に向上するものの、チョツプドストランド内への樹脂成分の含浸が困難となるとあり、かさ高性を低く抑えることが示唆されるものであった。
特許文献2に記載の発明において、単にチョップド繊維束を扁平形状にしただけでは、SMCシート等の繊維強化樹脂成形材料の製造工程において、チョップド繊維束間および繊維束内の隙間が小さくなるため、マトリックス樹脂の含浸不良を生じる場合があるという問題があった。さらには、扁平形状にすることにより、チョップド繊維束の幅が大きくなるため、成形時の流動性を阻害するという問題点もあった。また、強化繊維は実質的に一方向に引き揃えてなるものであることから、等方的な力学特性が十分に発現しないことが考えられるものであった。
本発明は、かかる背景技術に鑑み、繊維強化樹脂成形材料とした場合に優れた加工性(特に樹脂含浸性)を発現し、繊維強化プラスチックとした場合に優れた力学特性(特に強度)を発現するチョップド繊維束マットを提供することにある。
特に樹脂含浸性に関して、SMCシートやスタンパブルシートは、繊維強化プラスチックへの成形時間が最大でも5分程度と、プリプレグを用いたオートクレーブ成形などに比べ非常に短いため、成形時におけるマトリックス樹脂の繊維への含浸の程度は限定的である。したがって、SMCシートやスタンパブルシートの繊維強化樹脂成形材料の段階でチョップド繊維束マット内への樹脂含浸が十分でないと、繊維強化プラスチックとした際にマトリックス樹脂の無い部分が生じ、外観不良となるばかりではなく、該未含浸部分が破壊の起点となる場合があるため、樹脂含浸性に優れたチョップド繊維束マットを提供することは非常に意義が大きい。
本発明は、かかる課題を解決するために、次のような手段を採用するものである。
数平均繊維長が3〜100mmの範囲内であるチョップド繊維束が実質的にランダムに配向され、チョップド繊維束マットの単位面積あたりの繊維質量Fm(繊維目付)とマット厚みTmから下式(1)により算出される“かさ高性Bm”が1.5〜5cm/gの範囲内であるチョップド繊維束マット。
Bm=Tm/Fm ・・・(1)
本発明のチョップド繊維束マットは、繊維強化樹脂成形材料とした場合に優れた加工性(特に樹脂含浸性)を発現し、繊維強化プラスチックとした場合に優れた力学特性(特に強度)を発現することができる。
本発明のチョップド繊維束マットを製造する工程の一例を示す概略図である。 本発明におけるチョップド繊維束の一例を示す平面図である。
本発明のチョップド繊維束は、数平均繊維長が3〜100mmの範囲内であるチョップド繊維束が実質的にランダムに配向され、チョップド繊維束マットの単位面積あたりの繊維質量Fm(繊維目付)とマット厚みTmから下式(1)により算出される“かさ高性Bm”が1.5〜5cm/gの範囲内である。
Bm=Tm/Fm ・・・(1)
チョップド繊維束マットのかさ高性は、チョップド繊維束の形状(長さ、幅、厚さ、真直性、角度など)、チョップド繊維束のマット面内方向およびマット面外(厚み)方向への配向から特定される特性値である。本発明者は、鋭意検討した結果、チョップド繊維束マットのかさ高性を特定の範囲内に調整することにより、繊維強化樹脂成形材料とした場合に優れた加工性(特に樹脂含浸性)を発現し、繊維強化プラスチックとした場合に優れた力学特性(特に強度)を発現することを見出したのである。
かさ高性が小さいとは、マット単位質量あたりのマット厚みが小さいことを表し、かさ高性が大きいとは、マット単位質量あたりのマット厚みが大きいことを表す。
かさ高性が1.5cm/gより小さい場合、繊維強化樹脂成形材料を得るためにチョップド繊維束マットにマトリックス樹脂を含浸させる際、チョップド繊維束間および繊維束内の隙間が小さくなる傾向にあるため、マトリックス樹脂の含浸不良を生じる場合があり、安定した品質の繊維強化樹脂成形材料、ならびに該繊維強化樹脂成形材料から成形される繊維強化プラスチックを得ることが出来ない。一方、かさ高性が5cm/gより大きい場合、繊維強化樹脂成形材料を得るためにチョップド繊維束マットにマトリックス樹脂を含浸させる際、必然的にマット厚み(十分な樹脂含浸のために樹脂が流動するのに必要な距離)が大きくなるため、マトリックス樹脂の含浸不良を生じる場合があり、安定した品質の繊維強化樹脂成形材料ならびに該繊維強化樹脂成形材料から成形される繊維強化プラスチックを得ることが出来ない。さらに別の観点からみれば、マット面外(厚み)方向に配向するチョップド繊維束の割合が多くなる場合に、かさ高性が5cm/gより大きくなることがあるが、この場合、繊維強化プラスチックとした際、力学特性(特に強度)が十分に発現しない。
チョップド繊維束マットのかさ高性測定は、以下のように実施する。まず、チョップド繊維束マットの単位面積あたりの繊維量Fm(繊維目付)を計測する。次に、ISO5084(1996)に準じて、0.1kNの条件で、厚さ計を用いてマット厚みTmを計測する。得られた繊維目付Fmとマット厚みTmから、下式(1)により“かさ高性Bm”を算出する。
Bm=Tm/Fm ・・・(1)
測定するマットの面積は、マット厚み測定において2,000mm2以上の円形の面積が必要であること、一方で大きすぎると繊維目付とマット厚みの測定位置を揃えるとの観点から好ましくないため、10,000mm(100mm×100mm)であることが好ましい。
本発明のチョップド繊維束マットにおいて、チョップド繊維束の数平均繊維長を100mm以下とすることにより、繊維強化プラスチックとした場合に複雑な形状の成形追従性に優れたものとすることができる。連続繊維から構成されるマットや織物等の布帛体の場合、繊維長手方向には繊維が流動しないため、あらかじめ設計形状に沿って賦形しなければ複雑形状を形成することはできない。数平均繊維長を3mm未満にすると、繊維強化プラスチックとした場合の複雑な形状の成形追従性は優れるものの、他の要件を満たしても高い力学特性は得られない。繊維強化プラスチックとした場合の複雑な形状の成形追従性と力学特性との関係を鑑みると、さらに好ましくは5〜50mmの範囲内である。上記の上限のいずれかと下限のいずれかとの組み合わせによる範囲であってもよい。
チョップド繊維束の数平均繊維長測定は、以下のように実施する。チョップド繊維束マットから無作為に選んだ100個のチョップド繊維束について、1つのチョップド繊維束において3点以上測定した平均値を算出する。100個のチョップド繊維束の平均を、数平均繊維長とする。計測は、画像処理ソフトを用いてコンピュータ上で計測しても良いし、人手でノギスを用いて計測することもできる。
本発明のチョップド繊維束マットにおいて、チョップド繊維束は実質的にランダムに配向している。実質的にランダムに配向するとは、チョップド繊維束マットを構成するチョップド繊維束の繊維長手方向を、任意の方向から開始して−90°〜90°方向で45°ずつの4方向(−90°≦θ<−45°、−45°≦θ<0°、0°≦θ<45°、45°≦θ<90°)で分類・整理した場合、各方向に配向された繊維束の全体における割合が25±2.5%の範囲内と比較的均一に分布されていることを示す。チョップド繊維束が実質的にランダムに配向していることにより、チョップド繊維束マットにマトリックス樹脂を含浸させた繊維強化樹脂成形材料は等方性材料として取り扱うことができるため、該繊維強化樹脂成形材料を用いて繊維強化プラスチックを成形する際の設計が容易となる。
チョップド繊維束の繊維配向測定は、以下のように実施する。まず、チョップド繊維束マットから、マット厚み方向にわたり、全てのチョップド繊維束が見えるようにマット厚み方向にスライスした画像を撮影する。スライスした画像を撮影する方法としては、特に制限されないが、チョップド繊維束の配向を保ったままでチョップド繊維束を媒体に転写させることをマット厚み方向にわたり繰り返して行い、転写後の画像を撮影する方法などが挙げられる。ここで、本発明における全てのチョップド繊維束とは、測定する範囲内に存在するチョップド繊維束の90%以上を表すものとする。次に、得られた画像から、各チョップドストランドの繊維長手方向(角度)を計測する。繊維長手方向(角度)の計測は、画像処理ソフトを用いてコンピュータ上で計測しても良いし、時間は掛かるものの人手で分度器を用いて計測することもできる。得られた繊維長手方向(角度)の値から、ヒストグラムを作成し、4方向分布で整理する。なお、測定するマットの面積は、10,000mm以上とする。
本発明のチョップド繊維束マットにおいて、チョップド繊維束の数平均幅Wsが0.1〜10mmの範囲内、数平均厚みTsが20〜1000μmの範囲内であることが好ましい。チョップド繊維束の数平均幅Wsが0.1mm未満であると、数平均繊維長が3〜100mmの範囲内であるチョップド繊維束は、繊維強化プラスチックとするまでの加工工程において、チョップド繊維束が繊維長手方向に対して曲がってしまい、繊維の真直性を失い、繊維強化プラスチックとした際の強化繊維による補強効果が十分に得られない、すなわち力学特性(特に強度)が発現しない場合があり、好ましくない。一方、数平均幅Wsが10mmを超えると、繊維強化プラスチックとした際にチョップド繊維束の端部に応力集中が発生しやすくなり、力学特性(特に強度)のバラツキが大きくなる場合があるため、好ましくない。より好ましい数平均幅Wsは0.5〜8mm、さらに好ましくは0.5〜5mmの範囲内である。上記の上限のいずれかと下限のいずれかとの組み合わせによる範囲であってもよい。本発明において、チョップド繊維束を断面から見た際に、長辺側を幅、短辺側を厚みとする。
チョップド繊維束の数平均厚みTsが20μm未満であると、力学特性(特に強度)の向上は十分であるが、チョップド繊維束の形態を維持することが難しくなり、繊維直交方向に折れ畳まれ成形材料としての良好な流動性を阻害する場合がある。さらに、チョップド繊維束を工業的に生産性よく得ることも困難となる。一方、数平均厚みTsが1000μmを超えると、上述の力学特性(特に強度)を向上する効果が十分に発現しないことがある。より好ましい数平均厚みTsは20〜500μm、さらに好ましくは25〜250μmの範囲内である。上記の上限のいずれかと下限のいずれかとの組み合わせによる範囲であってもよい。
チョップド繊維束の数平均幅および数平均厚み測定は、以下のように実施する。数平均幅、数平均厚みともに、チョップド繊維束マットから無作為に選んだ100個のチョップド繊維束について、測定する。数平均幅は1つのチョップド繊維束において3点以上測定した平均値を、数平均厚みは1つのチョップド繊維束の切断面において3点以上測定した平均値を算出した上で、100個のチョップド繊維束の平均(すなわち、それぞれ300点の測定の平均値)を、それぞれ数平均幅、数平均厚みとする。計測は、画像処理ソフトを用いてコンピュータ上で計測しても良いし、人手でノギスを用いて計測することもできる。また、測定する100個のチョップド繊維束は、前記数平均繊維長を測定するチョップド繊維束と同じものを用いてもよい。
本発明のチョップド繊維束マットにおいて、チョップド繊維束の扁平率(数平均幅Wsの数平均厚みTsに対する比率、Ws/Ts)が5〜500の範囲内であることが好ましい。扁平率の計算には、上記の通り算出したWs及びTsの値を用いる。扁平率が大きいほど、チョップド繊維束は扁平である。扁平なチョップド繊維束は、チョップド繊維束マットにマトリックス樹脂を含浸させて繊維強化プラスチックとした際に力学特性(特に強度)の向上をもたらす。また、扁平率が大きくなると、繊維強化プラスチックとした際に同じ厚みの繊維強化プラスチック内に存在するチョップド繊維束の数が必然的に多くなる傾向にあるため、力学特性(特に強度)のバラツキが低減される傾向にあり、好ましい。一方、扁平率が大きすぎると、チョップド繊維束の取扱性が悪くなるとともに、チョップド繊維束が繊維束幅方向に折り畳まれやすくなり、繊維強化プラスチックとした際の強度向上に逆効果となってしまい、このことから500以下であることが好ましい。より好ましい扁平率は10〜400、さらに好ましくは20〜300の範囲内である。上記の上限のいずれかと下限のいずれかとの組み合わせによる範囲であってもよい。
本発明のチョップド繊維束は、チョップド繊維束の数平均フィラメント本数が、500本以上12000本未満の範囲内であるであることが好ましい。チョップド繊維束の数平均フィラメント本数が500本未満であると、数平均繊維長が3〜100mmの範囲内であるチョップド繊維束は、繊維強化プラスチックとするまでの加工工程において、チョップド繊維束が繊維長手方向に対して曲がってしまい繊維の真直性を失い、繊維強化プラスチックとした際の強化繊維による補強効果が十分に得られない、すなわち力学特性(特に強度)が発現しない場合があり、好ましくない。一方、数平均フィラメント本数が12000本以上であると、繊維強化プラスチックとした際にチョップド繊維束の端部に応力集中が発生しやすくなり、力学特性(特に強度)のバラツキが大きくなる場合があるため、好ましくない。
上記数平均フィラメント本数のチョップド繊維束マットを作製する方法としては、フィラメント本数が500本以上12000本未満の範囲内である連続繊維束を、数平均繊維長が3〜100mmの範囲内となるように繊維長手方向に切断し、チョップド繊維束を実質的にランダムに配向させる方法がある。別の方法としては、フィラメント本数が1000本以上の連続繊維束を、繊維長手方向に沿って複数の束に分繊した後に、数平均繊維長が3〜100mmの範囲内となるように繊維長手方向に切断し、チョップド繊維束を実質的にランダムに配向させる方法、または、フィラメント本数が1000本以上の連続繊維束を、数平均繊維長が3〜100mmの範囲内となるように繊維長手方向に切断した後に、繊維長手方向に沿って複数のチョップド繊維束に分割し、チョップド繊維束を実質的にランダムに配向させる方法、あるいは、前記2つの方法を組み合わせた方法がある。例えば、フィラメント数が48000本の連続繊維束を、繊維長手方向に沿って3000本ずつ(16等分)の束に分繊した後に、数平均繊維長が25mmとなるように繊維長手方向に切断し、さらにチョップド繊維束に衝撃を与えることにより半分に分割し、数平均フィラメント本数が1500本のチョップド繊維束マットを得ることができる。
チョップド繊維束の数平均フィラメント本数は、以下のように測定する。数平均繊維長を測定後の100個のチョップド繊維束について、質量を測定する。1つのチョップド繊維束において、繊維長、質量、比重(公称値)、繊維径(公称値)から、フィラメント本数を算出する。100個のチョップド繊維束の平均を、数平均フィラメント本数とする。
本発明のチョップド繊維束マットは、単位面積あたりの繊維量Fm(繊維目付)が50〜5000g/mの範囲内であるであることが好ましい。繊維目付が5000g/mを超えると、厚さ数ミリ〜数センチ程度の繊維強化プラスチックを得るにあたり、チョップド繊維束マットならびに繊維強化樹脂成形材料の調整範囲が限られ、工業的に生産性よく得ることが困難となるため好ましくない。また、繊維強化樹脂成形材料を得るためにチョップド繊維束マットにマトリックス樹脂を含浸させる際、必然的にマット厚み(樹脂含浸に必要な距離)が大きくなるため、マトリックス樹脂の含浸不良を生じる場合があり、安定した品質の繊維強化樹脂成形材料、ならびに該繊維強化樹脂成形材料から成形される繊維強化プラスチックを得ることが出来ない場合がある。一方、繊維目付が50g/m未満であると、厚さ数ミリ〜数センチ程度の繊維強化プラスチックを得るにあたり、チョップド繊維束マットならびに繊維強化樹脂成形材料を多数積層して成形する必要が生じるため、工業的に生産性よく得ることが困難となるため好ましくない。
本発明のチョップド繊維束マットは、単位面積あたりの繊維量Fm(繊維目付)および、かさ高性の変動係数がともに20%以下であるであることが好ましい。繊維強化プラスチックを工業的に生産性よく得るためには繊維目付の変動係数が小さいことが好ましく、繊維強化プラスチックとした場合に優れた力学特性(特に強度)を発現させるためにはかさ高性の変動係数が小さいことが好ましい。繊維目付およびかさ高性の変動係数は、小さければ小さいほど好ましく、ともに10%以下であることがさらに好ましい。
変動係数は、標準偏差を平均値で除した値(%)で表される。本発明においては、同一のチョップド繊維束マットから100mm×100mmの大きさのものを無作為に選んだ10箇所の測定結果で評価する。
本発明のチョップド繊維束は、チョップド繊維束の端面がなす線の方向が繊維長手方向に対して数平均角度θ(0°<θ<90°)の角度をなすことが好ましい。すなわち、切断してチョップド繊維束を得る場合、その切断角度が斜め方向であることが好ましい。なお、ここでいう角度は、上記の2つの方向の線がなす角度のうち、小さい方を指す。ここで本発明における数平均角度θの好ましい範囲としては、0°<θ<45°であり、より好ましくは5°<θ<30°である。上記の上限のいずれかと下限のいずれかとの組み合わせによる範囲であってもよい。チョップド繊維束の切断角度が斜め方向であることにより、繊維強化プラスチックとした際にチョップド繊維束の端部に応力が集中しにくくなり、力学特性が向上する。かかる範囲において、高い力学特性と低バラツキの発現と、切断ミスを抑制し、所望の角度で切断可能な高プロセス性の両立を図ることができる。
チョップド繊維束の繊維長手方向に対する数平均角度測定は、以下のように実施する。チョップド繊維束マットから無作為に選んだ100個のチョップド繊維束について、1つのチョップド繊維束において端部両側の角度を計測する。100個のチョップド繊維束について計測を行い、計200点の平均を、数平均角度とする。計測は、画像処理ソフトを用いてコンピュータ上で計測しても良いし、人手で分度器を用いて計測することもできる。
本発明のチョップド繊維束マットは、マトリックス樹脂として熱硬化性樹脂を含浸せしめたSMC(シートモールディングコンパウンド)シート、または、マトリックス樹脂として熱可塑性樹脂を含浸せしめたスタンパブルシートといった、繊維強化プラスチックの中間体である繊維強化樹脂成形材料とすることができる。
マトリックス樹脂としては、例えば、エポキシ、不飽和ポリエステル、ビニルエステル、フェノール、エポキシアクリレート、フェノキシ、アルキド、ウレタン、マレイミド、シアネートなどの熱硬化性樹脂や、ポリアミド、ポリアセタール、ポリアクリレート、ポリスルフォン、ABS、アクリル、ポリブチレンテレフタレートやポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルエーテルケトン、液晶ポリマー、塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレンなどのフッ素系樹脂、シリコーンなどの熱可塑性樹脂が挙げられる。中でも熱硬化性樹脂を用いると、成形材料とした際に室温においてタック性およびドレープ性を発現させることができ取扱性に優れるだけでなく、繊維強化プラスチックとした場合に力学特性に優れるものが得られ易い。特に、エポキシや不飽和ポリエステル、ビニルエステルを用いると、SMCシートとして用いる場合に好適である。
また、熱可塑性樹脂を用いた場合には、一般的に高い靭性を有することからクラック同士の連結を抑制することができ、強度が向上する。特に、衝撃特性を重要視する用途ではマトリックス樹脂に熱可塑性樹脂を用いるのが好ましい。特に、ポリアミドやポリフェニレンスルフィドを用いると、スタンパブルシートとして用いる場合に好適である。
本発明における強化繊維としては、例えば、アラミド繊維、ポリエチレン繊維、ポリパラフェニレンベンズオキサドール(PBO)繊維などの有機繊維、ガラス繊維、炭素繊維、炭化ケイ素繊維、アルミナ繊維、チラノ繊維、玄武岩繊維、セラミックス繊維などの無機繊維、ステンレス繊維やスチール繊維などの金属繊維、その他、ボロン繊維、天然繊維、変性した天然繊維などを繊維として用いた強化繊維などが挙げられる。その中でも炭素繊維(特にPAN系炭素繊維)は、これら強化繊維の中でも軽量であり、しかも比強度および比弾性率において特に優れた性質を有しており、さらに耐熱性や耐薬品性にも優れていることから、軽量化が望まれる自動車パネルなどの部材に好適である。
本発明のSMCシートまたはスタンパブルシートにおいて、チョップド繊維束はマトリックス樹脂と一体化されており、チョップド繊維束にマトリックス樹脂が含浸している。SMCシートまたはスタンパブルシートにおけるマトリックス樹脂の含有量としては、前記シート全体を基準として、20〜75質量%の範囲内であるのがよい。
本発明のチョップド繊維束マットは、次の(A)工程から製造されることが好ましく、(B)および(C)工程を経て、繊維強化プラスチックを得ることができる。
(A)切断工程
強化繊維からなる連続繊維束を切断してチョップド繊維束を作製する。生産性を向上させるためには、予め繊維長手方向に沿って複数の繊維束となるように分繊された、複数の連続繊維束を同時に切断するのが好ましい。チョップド繊維束の裁断方法としては、例えば、ギロチンカッターや、ロービングカッター等のロータリー式カッターなどに連続繊維束を挿入することにより切断できる。特に、切断角度が斜め方向であるチョップド繊維束においては、連続繊維束をロータリー式カッターなどに斜めに挿入するほか、螺旋状刃が設けられたロータリー式カッターなども用いることができる。
切断後のチョップド繊維束は、分散器(ディストリビュータ)により、チョップド繊維束が実質的にランダムに配向するよう調整することもできる。チョップド繊維束が分散器に接触する際、チョップド繊維束は、繊維長手方向に沿って複数のチョップド繊維束に分割することもできる。
(B)シート化工程
チョップド繊維束マットに両面からシート状のマトリックス樹脂で挟み込み、チョップド繊維束マットとマトリックス樹脂とを一体化する。チョップド繊維束マットにマトリックス樹脂を加圧等の手段によって含浸させることにより、シート状の繊維強化樹脂成形材料を得る。このようにして得られた繊維強化樹脂成形材料は、熱硬化性樹脂の場合はSMCシート、熱可塑性樹脂の場合はスタンパブルシートと呼ばれる。
(C)成形工程
繊維強化樹脂成形材料を成形型のキャビティの投影面積よりも小さく、キャビティ厚よりも厚い状態でキャビティ内に配置する。次に、成形型を型締めして該成形材料を加圧することによりキャビティ内に繊維強化樹脂成形材料を充填することにより、繊維強化プラスチックを得る。
成形手段としては特に制限はないが、例えば、マトリックス樹脂が熱硬化性樹脂であれば、加熱型プレス機を用いて加熱加圧することにより得られ、マトリックス樹脂が熱可塑性樹脂であれば、成形材料を赤外線ヒーターで樹脂の融点以上に加熱した後、所定の温度に調整されたプレス機を用いて冷却加圧することにより得ることができる。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。チョップド繊維束マットを作製後、マトリックス樹脂を含浸させた繊維強化樹脂成形材料としてSMCシートを作製し、SMCシートを用いてプレス成形を行い、以下の評価方法にて引張特性を取得した。
<使用原料>
繊維束[A−1]:
繊維径7μm、引張弾性率230GPa、フィラメント数12,000本の連続した炭素繊維束(東レ(株)製、“トレカ(登録商標)”T700SC−12K)を用いた。
繊維束[A−2]:
繊維径7μm、引張弾性率230GPa、フィラメント数3,000本の連続した炭素繊維束(東レ(株)製、“トレカ(登録商標)”T300−3K)を用いた。
繊維束[A−3]:
繊維径7.2μm、引張弾性率242GPa、フィラメント数50,000本の連続した炭素繊維束(ZOLTEK社製、“PX35”)を用いた。
マトリックス樹脂[M−1]:
ビニルエステル樹脂(ダウ・ケミカル(株)製、“デラケン(登録商標)790”)を100質量部、硬化剤としてtert−ブチルパーオキシベンゾエート(日油(株)製、“パーブチル(登録商標)Z”)を1重両部、増粘剤として酸化マグネシウム(協和化学工業(株)製、MgO#40)を4質量部、内部離型剤としてステアリン酸亜鉛(堺化学工業(株)製、SZ−2000)を2質量部、十分に混合・攪拌して得られた樹脂コンパウンドを用いた。
<チョップド繊維束マットの評価方法>
チョップド繊維束マットの単位面積あたりの繊維量Fm(繊維目付)は、マット幅方向にわたり、100mm×100mmの大きさのものを等間隔に10箇所切り出したものについて、質量を0.01g単位まで測定した。該質量を1mあたりの質量に換算して、繊維目付Fmを算出した。次いで、厚さ測定器(大栄科学精器製作所製、FS−60DS)を用いて、ISO5084(1996)に準じて0.1kNの条件下でマット厚みTmを測定した。繊維目付Fmとマット厚みTmとから、かさ高性Bmを算出した。
<チョップド繊維束の評価方法>
チョップド繊維束マットから無作為に選んだ100個のチョップド繊維束について、評価を実施した。チョップド繊維束の繊維長、幅については金尺(ものさし)を用いて0.1mmの精度で測定し、厚みについてはノギスを用いて0.01mmの精度で測定し、角度については分度器を用いて1°の精度で測定した。なお、サンプルの状態としては、平らな場所に静置し無張力の状態で測定を行った。
<引張特性の評価方法>
各実施例および比較例で得られた平板状の繊維強化プラスチックより、長さ250±1mm、幅25±0.2mmの引張強度試験片を切り出した。ISO527−4(1997)に規定する試験方法に従い、標点間距離を150mmとし、クロスヘッド速度2.0mm/分で引張強度を測定した。なお、本実施例においては、試験機としてインストロン(登録商標)万能試験機4208型を用いた。測定した試験片の数はn=10とし、平均値を引張強度とした。
(実施例1)
繊維束[A−1]を、幅が20mmとなるように拡幅処理を施した後に、5mm等間隔に並行にセットした分繊処理手段により幅方向に4等分となるように分繊した。分繊した繊維束50ボビンをクリールに設置し、ボビン外側の繊維束端部から巻き出し、繊維束の長手方向に対して直角、かつ25mm間隔のストランドカッターに連続的に挿入して繊維束を切断し、1m幅のチョップド繊維束マットを得た。チョップド繊維束マットの繊維目付は1000g/mであった。チョップド繊維束マットのマット厚みは2.8mmであり、かさ高性は2.8cm/gであった。繊維目付および、かさ高性の変動係数はともに10%であった。
次に、マトリックス樹脂[M−1]を、ドクターブレードを用いて均一にポリプロピレン製の離型フィルム2枚それぞれに塗布し、2枚の樹脂シートを作製した。これら2枚の樹脂シートで上記の得られたチョップド繊維束マットを上下から挟み込み、ローラーで樹脂をマット中に含浸させることにより、SMCシートを得た。この時、SMCシートの強化繊維質量含有率が55%になるように、樹脂シート作製の段階で樹脂の塗布量を調整した。
得られたSMCシートを250×250mmに切り出し、300×300mmのキャビティを有する平板金型上の概中央部に配置(チャージ率にして70%相当)した後、加熱型プレス成形機により、10MPaの加圧のもと、約140℃×5分間の条件により硬化せしめ、300×300mmの平板状の繊維強化プラスチックを得た。得られた一連の評価結果を表1に示す。
(実施例2)
分繊した繊維束の切断手段を、繊維束の長手方向に対して角度60°に切断刃が傾き、かつ10.9mm間隔のロータリーカッターとし、切断速度を1.5倍としたこと以外は、実施例1と同様に、チョップド繊維束マットを得た。得られた一連の測定結果、評価結果を表1に示す。
(実施例3)
分繊した繊維束の切断手段を、繊維束の長手方向に対して角度30°に切断刃が傾き、かつ12.5mm間隔のロータリーカッターとし、切断速度を半分としたこと以外は、実施例1と同様に、チョップド繊維束マットを得た。得られた一連の測定結果、評価結果を表1に示す。
(実施例4)
分繊した繊維束の切断手段を、繊維束の長手方向に対して角度15°に切断刃が傾き、かつ3.3mm間隔のロータリーカッターとしたこと以外は、実施例1と同様に、チョップド繊維束マットを得た。得られた一連の測定結果、評価結果を表1に示す。
(実施例5)
分繊した繊維束の切断手段を、繊維束の長手方向に対して角度10°に切断刃が傾き、かつ4.4mm間隔のロータリーカッターとし、切断速度を1.5倍としたこと以外は、実施例1と同様に、チョップド繊維束マットを得た。得られた一連の測定結果、評価結果を表1に示す。
(実施例6)
繊維束[A−3]を、幅が50mmとなるように拡幅処理を施した後に、3mm等間隔に並行にセットした分繊処理手段により幅方向に17等分となるように分繊した。分繊した繊維束24ボビンをクリールに設置し、ボビン外側の繊維束端部から巻き出し、繊維束の長手方向に対して角度10°に切断刃が傾き、かつ2.2mm間隔のロータリーカッターにより、1m幅のチョップド繊維束マットを得た。チョップド繊維束マットの繊維目付は1000g/mであった。チョップド繊維束マットのマット厚みは3.5mmであり、かさ高性は3.5cm/gであった。繊維目付および、かさ高性の変動係数はともに10%以下であった。
(比較例1)
繊維束[A−1]を、幅方向に4等分となるように分繊しなかったこと以外は、実施例1と同様に、チョップド繊維束マットを得た。得られた一連の測定結果、評価結果を表1に示す。
(比較例2)
繊維束[A−2]を、そのままの状態で200ボビン、クリールに設置したこと以外は、実施例1と同様に、チョップド繊維束マットを得た。チョップド繊維束マットの繊維目付は1000g/mであった。チョップド繊維束マットのマット厚みは7.4mmであり、かさ高性は7.4cm/gであった。得られた一連の測定結果、評価結果を表1に示す。
(比較例3)
繊維束[A−3]12ボビンを、そのままの状態でクリールに設置したこと以外は、実施例1と同様に、チョップド繊維束マットを得た。チョップド繊維束マットの繊維目付は1000g/mであった。チョップド繊維束マットのマット厚みは5.2mmであり、かさ高性は5.2cm/gであった。得られた一連の測定結果、評価結果を表1に示す。
Figure 2019039124
本発明のチョップド繊維束マット、およびそれを用いた繊維強化樹脂成形材料、繊維強化プラスチックの用途としては、軽量性および優れた力学特性が要求される、ドアやバンパー補強材やシート(パネルやフレーム)などの自動車部材、クランクやホイールリムなどの自転車部材、ヘッドやラケットなどのゴルフやテニスなどのスポーツ部材、内装材などの交通車輌/航空機部材、ロボットアームなどの産業機械部材が挙げられる。中でも、軽量に加え、複雑な形状の成形追従性が要求されるドアやバンパー補強材やシート(パネルやフレーム)等の自動車部材に好ましく適用できる。
1:クリールスタンド
2:連続した繊維束
3:ローラー
4:切断装置
5:チョップド繊維束
6:搬送ロール
7:チョップド繊維束マット
9:繊維配向方向
10:強化繊維(単糸)
11:チョップド繊維束端面
12:チョップド繊維束の繊維長
13:チョップド繊維束の幅(Ws)
14:チョップド繊維束の厚み(Ts)

Claims (9)

  1. 数平均繊維長が3〜100mmの範囲内であるチョップド繊維束が実質的にランダムに配向され、
    その単位面積あたりの繊維質量Fm(繊維目付)とマット厚みTmとから下式(1)により算出される“かさ高性Bm”が1.5〜5cm/gの範囲内である、チョップド繊維束マット。
    Bm=Tm/Fm ・・・(1)
  2. 前記チョップド繊維束は、数平均幅Wsが0.1〜10mmの範囲内、かつ数平均厚みTsが20〜1000μmの範囲内である、請求項1に記載のチョップド繊維束マット。
  3. 前記チョップド繊維束は、下式(2)により算出される扁平率(数平均幅Wsの数平均厚みTsに対する比率)が5〜500の範囲内である、請求項1または2に記載のチョップド繊維束マット。
    扁平率=Ws/Ts ・・・(2)
  4. 前記チョップド繊維束は、数平均フィラメント本数が500本以上12000本未満の範囲内である、請求項1〜3のいずれかに記載のチョップド繊維束マット。
  5. 単位面積あたりの繊維質量Fm(繊維目付)が50〜5000g/mの範囲内である、請求項1〜4のいずれかに記載のチョップド繊維束マット。
  6. 単位面積あたりの繊維量Fm(繊維目付)、および、かさ高性の変動係数がともに20%以下である、請求項1〜5のいずれかに記載のチョップド繊維束マット。
  7. 前記チョップド繊維束の端面がなす線の方向は、前記チョップド繊維束の繊維長手方向に対して数平均角度θ(0°<θ<90°)の角度をなす、請求項1〜6のいずれかに記載のチョップド繊維束マット。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載のチョップド繊維束マットに、マトリックス樹脂として熱硬化性樹脂を含浸せしめてなる、SMC(シートモールディングコンパウンド)シート。
  9. 請求項1〜7のいずれかに記載のチョップド繊維束マットに、マトリックス樹脂として熱可塑性樹脂を含浸せしめてなる、スタンパブルシート。
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