JP2010018724A - プリプレグ積層基材および繊維強化プラスチック - Google Patents

プリプレグ積層基材および繊維強化プラスチック Download PDF

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Abstract

【課題】良好な流動性、複雑な形状の成形追従性を有し、繊維強化プラスチックとした場合、構造材に適用可能な優れた力学物性、その低バラツキ性、優れた寸法安定性を発現するプリプレグ積層基材、あるいは該積層基材を固化せしめた繊維強化プラスチックを提供すること。
【解決手段】 強化繊維を一方向に配向させたプリプレグ基材に繊維配向方向となす角Θが2〜25°の範囲内となる切込を挿入し、切込プリプレグ基材を得て、前記切込プリプレグ基材を複数層積層し、さらに前記積層基材の最外面に強化繊維の不織布基材とマトリックス樹脂を配置する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、良好な流動性、成形追従性を有し、繊維強化プラスチックとした場合、構造材に適用可能な優れた力学物性、その低バラツキ性、優れた寸法安定性を発現するプリプレグ積層基材、もしくはその繊維強化プラスチックに関する。さらに詳しくは、例えば自動車部材、スポーツ用具、航空機部材等に好適に用いられる繊維強化プラスチックの中間基材であるプリプレグ積層基材、もしくはその繊維強化プラスチックに関する。
強化繊維とマトリックス樹脂からなる繊維強化プラスチックは、比強度、比弾性率が高く、力学特性に優れること、耐候性、耐薬品性などの高機能特性を有することなどから産業用途においても注目され、その需要は年々高まりつつある。
高機能特性を有する繊維強化プラスチックの成形方法としては、プリプレグと称される連続した強化繊維にマトリックス樹脂を含浸せしめた半硬化状態の中間基材を積層し、高温高圧釜で加熱加圧することによりマトリックス樹脂を硬化させ繊維強化プラスチックを成形するオートクレーブ成形が最も一般的に行われている。また、近年では生産効率の向上を目的として、あらかじめ部材形状に賦形した連続繊維基材にマトリックス樹脂を含浸および硬化させるRTM(レジントランスファーモールディング)成形等も行われている。これらの成形法により得られた繊維強化プラスチックは、連続繊維である所以優れた力学物性を有する。また、連続繊維は規則的な配列であるため、基材の配置により必要とする力学物性に設計することが可能であり、力学物性のバラツキも小さい。しかしながら、一方で連続繊維である所以三次元形状等の複雑な形状を形成することは難しく、主として平面形状に近い部材に限られる。
三次元形状等の複雑な形状に適した成形方法として、SMC(シートモールディングコンパウンド)成形等がある。SMC成形は、通常25mm程度に切断したチョップドストランドに熱硬化性樹脂であるマトリックス樹脂を含浸せしめ半硬化状態としたSMCシートを、加熱型プレス機を用いて加熱加圧することにより成形を行う。多くの場合、加圧前にSMCシートを成形体の形状より小さく切断して成形型上に配置し、加圧により成形体の形状に引き伸ばして(流動させて)成形を行う。そのため、その流動により三次元形状等の複雑な形状にも追従可能となる。しかしながら、SMCはそのシート化工程において、チョップドストランドの分布ムラ、配向ムラが必然的に生じてしまうため、力学物性が低下し、あるいはその値のバラツキが大きくなってしまう。さらには、そのチョップドストランドの分布ムラ、配向ムラにより、特に薄物の部材ではソリ、ヒケ等が発生しやすくなり、構造材としては不適な場合がある。
上述のような材料の欠点を埋めるべく、連続繊維と熱可塑性樹脂からなるプリプレグに切込を入れることにより、流動可能で力学物性のバラツキも小さくなるとされる基材が開示されている(例えば、特許文献1,2)。しかしながら、SMCと比較すると力学特性が大きく向上し、バラツキが小さくなるものの、構造材として適用するには十分な強度とは言えない。また、連続繊維基材と比較すると切込という欠陥を内包した構成であるために、応力集中点である切込が破壊の起点となり、特に引張強度、引張疲労強度が低下する、という問題があった。さらに、従来の切込プリプレグ基材を用いて極率半径の小さいR部を含む繊維強化プラスチックを成形しようとすれば、金型の端部まで繊維が充填せず、該箇所が樹脂リッチ部となるために、外観品位の低下や欠けなどの原因となっていた。
特開昭63−247012号公報 特開平9−254227号公報
本発明は、かかる従来技術の背景に鑑み、良好な流動性、複雑な形状の成形追従性を有し、繊維強化プラスチックとした場合、構造材に適用可能な優れた力学物性、その低バラツキ性、優れた寸法安定性を発現するプリプレグ積層基材および、その繊維強化プラスチックを提供することにある。
本発明は、かかる課題を解決するために、次のような手段を採用するものである。すなわち、強化繊維シートとマトリックス樹脂とを含むプリプレグ基材を、複数層積み重ねて得られたプリプレグ積層基材であって、前記プリプレグ積層基材が、少なくとも次の(1)、(2)の2つの構成を有するプリプレグ積層基材。
(1)前記プリプレグ積層基材は、強化繊維が一方向に配列された一方向プリプレグ基材が複数積層され、該一方向プリプレグ基材の繊維方向が少なくとも2方向以上に配向して一体化されている積層部Aと、積層部Aの少なくとも片側に配置された、強化繊維がランダムに配列された不織布基材とマトリックス樹脂を有してなる積層部Bとを有する。
(2)前記積層部Aは、前記一方向プリプレグ基材の強化繊維を横切る方向に複数の断続的な切込が挿入されている切込プリプレグ基材を有しており、該切込プリプレグ基材の強化繊維は実質的にすべて前記切込によって繊維長10〜100mmに分断されており、前記切込と繊維配向方向とのなす角Θが2〜25°の範囲である。
また、本発明の繊維強化プラスチックは、前記プリプレグ積層基材を三次元形状に成形して得られたものである。
本発明によれば、良好な流動性、複雑な形状の成形追従性を有し、繊維強化プラスチックとした場合、構造材に適用可能な優れた力学物性、その低バラツキ性、優れた寸法安定性を発現するプリプレグ積層基材を得ることができる。
本発明者らは、良好な流動性、複雑な形状の成形追従性を有し、繊維強化プラスチックとした場合、優れた力学物性、その低バラツキ性、優れた寸法安定性を発現するプリプレグ積層基材を得るため、鋭意検討を重ねてきた。その結果、一方向に引き揃えられた強化繊維とマトリックス樹脂から構成される一方向プリプレグ基材という特定の基材に特定な切込パターンを挿入し、前記一方向プリプレグ基材を積層し、加圧成形することにより、かかる課題を一挙に解決することを究明したのである。同時に、積層基材表面に強化繊維の不織布基材とマトリックス樹脂を含む積層部を配置することで、表面品位もより良好な繊維強化プラスチックが得られることを究明したのである。
なお、本発明で用いられる一方向プリプレグ基材には、一方向に引き揃えられた強化繊維や強化繊維基材に樹脂が完全に含浸した基材に加え、樹脂シートが繊維内に完全に含浸していない状態で一体化した樹脂半含浸基材(セミプレグ:以下、半含浸プリプレグを称することもある。)を含むものとする。
本発明のプリプレグ積層基材を、図1を用いて説明する。本発明のプリプレグ積層基材は、強化繊維1が一方向に配列された一方向プリプレグ基材が、その繊維配向方向が少なくとも2方向以上に配向して一体化されている積層部A[2]と、前記積層部Aの少なくとも片側に配置された、強化繊維の不織布基材とマトリックス樹脂を含む積層部B[3]からなる。また、前記積層部Aは、強化繊維1を横切る方向に複数の断続的な切込4が挿入されている一方向プリプレグ基材(以下、切込プリプレグ基材と称する)を有している。
前記積層部Aは、一方向プリプレグ基材が該プリプレグ基材の繊維方向が少なくとも2方向以上に配向して一体化されたものである。一方向プリプレグ基材からなる積層基材は、強化繊維が一方向に引き揃えられているので、繊維方向の配向制御により任意の力学物性を有する成形体の設計が可能となる。また、強化繊維の単糸は断面形状(一般的には円状)を押し出した形状(一般的には円柱状)であるため、幾何的制約から隣接する強化繊維の繊維配向が揃っている方が充填しやすい。一般的に、強化繊維の繊維含有率が高い方が力学特性を向上させやすいが、例えば、SMCなどランダムに繊維配向した基材ではVfが高々40%に留まる一方、一方向プリプレグ基材の繊維体積含有率Vfは最大70%にも達する。さらに、SMCなどランダムに繊維配向した基材では確率論的に強化繊維が凝集した部位で応力集中しやすく、材料のポテンシャルよりはるかに低強度で破壊する可能性があるため、強度バラツキが大きい。一方、前記プリプレグ基材を繊維配向の異なる別の前記プリプレグ基材と積層して得た積層基材は、隣接層にクラックを伝えにくく、強度が向上しやすい。従って、力学特性の観点からは、積層基材として前記プリプレグ基材を複数枚積層した積層基材を用いるのが良い。なお、本明細書では、特に断らない限り、繊維あるいは繊維を含む用語(例えば“繊維方向”等)において、繊維とは強化繊維を表すものとする。また、本明細書では連続繊維とは100mm以上の繊維長さを持つ強化繊維を指す。
また、前記積層部Aには、一方向プリプレグ基材に切込を挿入した切込プリプレグ基材を含む。本発明のプリプレグ積層基材に含まれる強化繊維は長い程、力学特性に優れるものの、成形時には強化繊維が突っ張り、繊維配向方向に伸張することが難しい。そこで、一方向プリプレグ基材であって、伸張させたい方向に繊維が配向している場合、切込を挿入し前記一方向プリプレグ基材中の強化繊維の繊維長さLを短くすることで繊維配向方向にも伸張することが可能となる。さらに、前記切込プリプレグ基材に含まれる実質的にすべての強化繊維は、前記切込によって繊維長さLが10〜100mmとなるように分断されている。プリプレグ層の全面に切込が挿入され、基材中の強化繊維の繊維長さLをすべて100mm以下とすることにより、成形時に繊維は流動可能、特に繊維配向方向にも流動可能となり、複雑な形状への形状追従性にも優れる。該切込がない場合、すなわち連続繊維のみの場合、繊維配向方向には流動しないため、複雑形状を形成することは出来ない。繊維長さLを10mm未満にすると、さらに流動性が向上するが、他の用件を満たしても構造材として必要な高力学特性は得られない。流動性と力学特性との関係を鑑みると、さらに好ましくは20〜60mmの範囲内である。対になる切込以外に切込まれて分断される繊維長さLより短い繊維も存在するが、10mm以下の繊維は少なければ少ないほどよい。さらに好ましくは、10mm以下の繊維が配向している面積が、プリプレグ層の面積に占める割合の5%より小さいのがよい。なお、本発明において“実質的にすべての強化繊維が切込により分断され”とは、本発明の切込により分断されていない連続繊維が引き揃えられている面積が、プリプレグ基材面積に占める割合の5%より小さいことを示す。
また、前記切込プリプレグ基材において、切込は強化繊維となす角度Θ(以下、切込角度と称することもある)の絶対値が2〜25°の範囲内であることが本発明の大きな特徴である。Θの絶対値が25°より大きくても流動性は得ることができ、従来のSMC等と比較して高い力学特性は得ることができるが、特にΘの絶対値が25°以下であることで力学特性の向上が著しい。一方、Θの絶対値は2°より小さいと流動性も力学特性も十分得ることが出来るが、切込を安定して入れることが難しくなる。すなわち、繊維に対して切込が寝てくると、切込を入れる際、繊維が刃から逃げやすく、また、繊維長さLを100mm以下とするためには、Θの絶対値が2°より小さいと少なくとも切込同士の最短距離が0.9mmより小さくなるなど、生産安定性に欠ける。また、このように切込同士の距離が小さいと積層時の取り扱い性が難しくなるという問題がある。切込の制御のしやすさと力学特性との関係を鑑みると、さらに好ましくは5〜15°の範囲内である。なお、本発明におけるΘとは、切込上の任意の点を点Xとしたとき、点Xにおける繊維長手方向と切込とのなす角をθ(X)とすれば、Θはθ(X)の切込上の平均値、すなわち(式1)によって与えられる値とする。ここで、図2に示すように、切込の端点をそれぞれ点A、点Bとし、点Aと点Bを結び、切込に沿った曲線をCとしており、また点Xにおける曲線Cの微小線分をdsとしている。
以下、前記切込プリプレグ基材における好ましい切込パターンの一例を、図3〜7を用いて説明する。
強化繊維が一方向に引き揃えられたプリプレグ基材上に制御されて整列した切込4を複数入れる。繊維長手方向の対になる切込4同士で繊維が分断され、その間隔8を10〜100mmとすることで、実質的にプリプレグ基材上の強化繊維すべてを繊維長さLが10〜100mmにすることができる。なお、“実質的に強化繊維のすべてが前記切込により分断され”ているとは、プリプレグ基材に含まれる強化繊維本数のうち95%以上が10〜100mmに分断されていることを言う。また、図2に示すように、切込と強化繊維となす角度7をΘとするとΘの絶対値は全面で2〜25°の範囲内である。図3a)ではΘの絶対値が90°、b)では25°より大きい例を示しているが、これらの例では本発明により得られうる高強度を発現することは出来ない。
図4には、5つの異なる切込パターンを有するプリプレグ基材が示されている。図4a)の切込プリプレグ基材5は、等間隔をもって配列された斜行した連続、直線状の切込4を有する。図4b)の切込プリプレグ基材5は、2種類の間隔をもって配列された斜行した連続、直線状の切込を有する。図4c)の切込プリプレグ基材5は、等間隔をもって配列された連続、曲線(蛇行線)の切込4を有する。図4d)の切込プリプレグ基材5は、等間隔をもって配列され、かつ、2種類の異なる方向に斜行した断続的な直線状の切込4を有する。図4e)の切込プリプレグ基材5は、等間隔をもって配列された斜行した断続的な直線状の切込4を有する。切込は図4c)のように曲線でも構わないが図4a)、b)、d)、e)のように直線状である方が流動性をコントロールしやすく好ましい。また、切込により分断される強化繊維の長さLは、図3b)のように一定でなくてもよいが、繊維長さLが全面で一定であると流動性をコントロールしやすく、強度ばらつきをさらに押さえることができるため好ましい。なお、ここで規定の直線状とは、幾何学上の直線の一部をなしている状態を意味するが、前記流動性のコントロールを容易にするという効果を損なわない限り、前記幾何学上の直線の一部をなしていない箇所があっても差支えが無く、その結果、繊維長さLが全面で一定とはならない箇所があっても(この場合、繊維長さLが実質的に全面で一定であると言えるので)差支えが無い。
さらに好ましい例[1]としては、図4a)〜c)のように、切込4aが連続して入れられているのがよい。例[1]のパターンでは、切込4aが断続的でないため、切込端部付近での流動乱れが起きず、切込4aを入れた領域では、すべての繊維長さLを一定とすることができ、流動が安定している。切込4aが連続的に入れられているため、切込プリプレグ基材5がばらばらになってしまうのを防ぐ目的で、切込プリプレグ基材の周辺部に切込がつながっていない領域を設けたり、切込の入っていないシート状の離型紙やフィルムなどの支持体で把持したりすることで、取り扱い性を向上させることができる。
また、他の好ましい例[2]としては、図5のように、切込を強化繊維の垂直方向に投影した長さ9をWsとしたとき、Wsが30μm〜100mmの範囲内である断続的な切込4bが切込プリプレグ基材5全面に設けられており、切込4b1と前記切込4b1を繊維長手方向に隣接した切込4b2の幾何形状が同一であるとよい。ここで、“切込が、強化繊維の垂直方向に投影した投影長さWs”とは図5に示すとおり、プリプレグ層の面内において、切込を強化繊維の垂直方向(繊維垂直方向9)を投影面として、切込から該投影面に垂直(繊維配向方向6)に投影した際の長さ10を指す。Wsが30μm以下となると、切込の制御が難しく、切込プリプレグ基材全面に渡ってLが10〜100mmとなるよう、保障することが難しい。すなわち、切込により切断されていない繊維が存在すると基材の流動性は著しく低下するが、多めに切込を入れるとLが10mmを下回る部位が出てきてしまう、という問題点がある。逆にWsが10mmより大きいときにはほぼ強度が一定に落ち着く。すなわち、繊維束端部がある一定以上に大きくなると、破壊が始まる荷重がほぼ同等となる。図5では、LとWsがいずれも一種類である例を示している。いずれの切込4b(例えば4b1)も繊維方向に平行移動することで重なる他の切込4b(例えば4b2)がある。前記繊維方向の対になる切込4b同士により分断される繊維長さLよりさらに短い繊維長さで隣接する切込により分断され繊維が分断される幅8が存在することによって、安定的に繊維長さを100mm以下で切込プリプレグ基材5を製造できる。例[2]のパターンでは、得られた切込プリプレグ基材5を積層する際、切込が断続的なため取り扱い性に優れる。図4d)、e)にはその他のパターンも例示したが、上記条件を満たせばどのようなパターンでも構わない。
好ましい例[2]において、力学特性の観点から好ましくは、強化繊維の垂直方向に投影した長さWsが0.1mm〜1.5mmの範囲内であるのがよい。Wsを小さくすることにより、一つ一つの切込により分断される繊維量が減り、強度向上が見込まれる。特に、Wsが1.5mm以下とすることで、大きな強度向上が見込まれる。また、切込長さが長ければ長いほど、積層作業時に基材の切込が開口し易くなり、基材の取り扱い性が大幅に低下する。切込が1.5mm以下であれば、積層作業時に切込が開口しにくく、基材の取り扱い性の良い切込プリプレグ基材となる。なお、本発明において、切込角度Θの絶対値が2〜25°であることにより、切込長さに対して投影長さWsを小さくすることができる。そのため、Wsが1.5mm以下という極小の切込であっても、工業的に安定して設けることが可能となる。また、プリプレグ基材に刃を押し当てることによって切込を挿入しようとする場合、裁断時に炭素繊維が繊維垂直方向に蛇行し刃から逃げるために、繊維をうまく裁断できないことがある。このような繊維逃げの影響を小さくするためには、Wsは0.1mm以上であることが好ましい。より好ましくはWsを0.2mm以上とすることで、より連続繊維を残すことなくプリプレグ基材に切込を挿入することが可能となる。
本発明に用いる切込プリプレグ基材の特徴を、図6、7、8を用いて説明する。本発明の比較として図6には、切込4が繊維1となす角度Θの絶対値が90°である切込プリプレグ基材5を積層した積層基材12をa)、その積層基材12を成形した繊維強化プラスチック13をb)に、それぞれ切込プリプレグ基材5由来の層をクローズアップした平面図と平面図のA−A断面を切り出した断面図を示した。a)に示すとおり、切込プリプレグ基材5は、繊維に垂直な切込を全面に設けられており、切込4は層の厚み方向を貫いている。繊維長さLを100mm以下とすることで、流動性が確保され、プレス成形などにより、容易に積層基材10より面積が伸長した繊維強化プラスチック13を得ることができる(ただし、厚みは減る)。b)のように、伸長した繊維強化プラスチック13を得た際、切込プリプレグ基材5由来の短繊維層14は、繊維垂直方向に伸長すると共に、繊維が存在しない領域(切込開口部)13が生成される。これは一般的に強化繊維が成形程度の圧力では伸長しないためであり、図6のケースでは、伸張した長さ分だけ切込開口部13が生成され、例えば250×250mmの積層基材12から300×300mmの繊維強化プラスチック13を得た際には、300×300mmの繊維強化プラスチック13の表面積に対して、切込開口部15の総面積は50×300mm、すなわち1/6(約16.7%)が切込開口部となる計算である。この領域15は断面図に示すとおり、隣接層16が侵入してきて、略三角形の樹脂リッチ部18と隣接層が侵入している領域とで占められる。従って、切込プリプレグ基材5を用いた積層基材12を伸長して成形した場合、繊維束端部17では層のうねり19や樹脂リッチ部18が発生し、これが力学特性の低下や表面品位の低下に影響を与える。また、繊維がある部位とない部位で剛性が異なるため、面内異方性の繊維強化プラスチック13となり、ソリなどの問題から設計が難しい。また、強度の面では、荷重方向から±10°以下程度に向いている繊維が大部分の荷重を伝達しているが、その繊維束端部17では隣接層16に荷重を再分配しなければならない。その際、図5b)のように、繊維束端部17が荷重方向に垂直となっていると、応力集中が起きやすく、剥離も起こりやすい。そのため、強度向上はあまり期待できない。
一方で図7には、本発明の好ましい例[1]の切込プリプレグ基材5を積層した積層基材12をa)、その積層基材12を成形した繊維強化プラスチック13をb)に、それぞれ切込プリプレグ基材5由来の層をクローズアップした平面図と平面図のA−A断面を切り出した断面図を示した。a)に示すとおり、切込プリプレグ基材5は、繊維1となす角度Θの絶対値が25°以下の連続した切込4aが全面に設けられており、切込4aは層の厚み方向を貫いている。繊維長さLを100mm以下とすることで、流動性が確保され、プレス成形などにより、容易に積層基材12より面積が伸長した繊維強化プラスチック13を得ることが出来る。b)のように、伸長した繊維強化プラスチック13を得た際、切込プリプレグ基材5由来の短繊維層14は、繊維垂直方向に伸長すると共に、繊維1自体が回転20して伸長領域の面積を稼ぐため、図6のように繊維が存在しない領域(切込開口部)15が実質的に生成せず、切込開口部の層の表面における面積が層の表面積と比較して0.1〜10%の範囲内である。従って、断面図を見ても分かるとおり、隣接層16が侵入することもなく、層のうねりや樹脂リッチ部のない高強度で品位の高い繊維強化プラスチック13を得ることが出来る。面内全体にくまなく繊維1が配されているため、面内での剛性差がなく、設計も従来の連続繊維強化プラスチックと同様、簡易に適用できる。この繊維が回転して伸長し、層うねりのない繊維強化プラスチックを得るという画期的効果は、切込と強化繊維とのなす角度Θの絶対値が25°以下であり、かつ、切込が連続して入れられていることで初めて得ることができる。また、強度の面では、前述と同様に荷重方向から±10°以下程度に向いている繊維に注目すると、図7b)のように、繊維束端部17が荷重方向に対して寝てきている様子がわかる。繊維束端部17が層厚み方向に斜めとなっているため、荷重の伝達がスムーズであり、繊維束端部17からの剥離も起こりにくい。従って、図6に比べ格段の強度向上が見込まれる。この繊維束端部17が層厚み方向に斜めとなるのは上述の繊維が回転する際、上面と下面の摩擦により上面から下面で繊維1の回転20になだらかな分布があるためで、そのため、層厚み方向に繊維1の存在分布が発生し、繊維束端部17が層厚み方向に斜めとなったと考えられる。このような繊維強化プラスチック13の層内で層厚み方向に斜めの繊維束端部を形成し、強度を著しく向上する画期的効果は切込4aの繊維1となす角度Θの絶対値が25°以下であることで初めて得ることができる。
図8には、本発明の好ましい例[2]の切込プリプレグ基材5を積層した積層基材12をa)、その積層基材12を成形した繊維強化プラスチック13をb)に、それぞれ切込プリプレグ基材5由来の層をクローズアップした平面図を示した。a)に示すとおり、切込プリプレグ基材5は、繊維1となす角度Θの絶対値が25°以下の断続的な切込4が全面に設けられており、切込4は層の厚み方向を貫いている。切込4により繊維長さLを切込プリプレグ基材5の全面で100mm以下とすることで、流動性が確保され、プレス成形などにより、容易に積層基材12より面積が伸長した繊維強化プラスチック13を得ることができる。切込長さ、切込角度を小さくすることにより、切込を強化繊維の垂直方向に投影した投影長さWsを1.5mm以下とすることができる。b)のように、伸長した繊維強化プラスチック13を得た際、切込プリプレグ基材5由来の短繊維層14は、繊維垂直方向に伸長する際、繊維方向に繊維が伸張しないため、繊維が存在しない領域(切込開口部)15が生成されるが、隣接する短繊維群が繊維垂直方向に流動することで、切込開口部15を埋め、切込開口部15の面積が小さくなる。この傾向は特に、切込を強化繊維の垂直方向に投影した投影長さWsを1.5mm以下とすることで顕著となり、実質的に切込開口部15が生成せず、切込開口部の層の表面における面積が層の表面積と比較して0.1〜10%の範囲内とすることができる。従って、厚み方向に隣接層が侵入することもなく、層のうねりや樹脂リッチ部のない高強度で品位の高い繊維強化プラスチック13を得ることが出来る。面内全体にくまなく繊維1が配されているため、面内での剛性差がなく、設計も従来の連続繊維強化プラスチックと同様、簡易に適用できる。この切込開口部を繊維垂直方向の流動により埋め、層うねりのない繊維強化プラスチックを得るという画期的効果は切込角度Θの絶対値が25°以下であり、かつ切込を強化繊維の垂直方向に投影した投影長さWsを1.5mm以下とすることで初めて得ることができる。さらに好ましくはWsが1mm以下であることにより、より高強度、高品位とすることができる。
本発明のプリプレグ積層基材は、前記積層部Aの少なくとも片側に強化繊維の不織布基材とマトリックス樹脂を含む積層部Bが配置されている。成形時に積層基材の表面は成形型に接触するため、流動が乱れやすい。そこで、予め、強化繊維がランダムに配列された(すなわち、ランダムに繊維配向した強化繊維からなる)不織布基材を積層基材の表面に配することで、表面品位が著しく向上する。また、不織布基材を積層基材の表面に配することにより、R部に樹脂リッチ部が形成されるのを防ぐことができる。積層部Aのみを金型に配置し、プレス成形によって繊維強化プラスチックを得た場合、曲率半径の小さいR部においては端部まで繊維が充填せず該箇所が樹脂リッチ部となる。そこで、基材表面に伸縮性のある不織布基材を配置することで、R部端部まで基材を充填させることができる。これにより角部の強度を向上させることができ、欠けなどを生じにくくさせる。また、不織布基材が強化繊維から構成されることから、力学特性の低下を最小限とすることができる。
ここで、強化繊維がランダムに配列された不織布基材とマトリックス樹脂を有してなる積層部Bは、該不織布基材と該マトリックス樹脂で形成されたプリプレグ基材(以下、「不織布プリプレグ基材」と称する場合がある。)であってもよく、該不織布基材に該マトリックス樹脂が完全に含浸した基材、該マトリックス樹脂として用いられる樹脂シートが該不織布基材内に完全に含浸していない状態で一体化したセミプレグ基材であってもよい。
さらに、前記積層部Bに含まれる不織布基材の強化繊維の繊維長さが0.5mm〜15mmの範囲内となることが好ましい。前記不織布基材に含まれる強化繊維の繊維長さは、基材が伸縮性を発揮できればどのようなものでも構わないが、強化繊維の繊維長さが1mm以下となると、強度が低下し、欠けなどが生じ易くなる。また、繊維長さが15mmよりも大きいと、積層部R部の端部まで基材を充填しにくい。より高強度であり、かつ十分な伸張性を期待するならば、好ましくは2mm〜10mmの範囲内であることが好ましい。
さらに本発明のプリプレグ積層基材においては、前記積層部Aの全層が切込プリプレグ基材であることが好ましい。前記積層部Aの全層を切込プリプレグ基材とすることで、伸張方向に寄らず、均一的に基材を伸張させることができる。さらに、成形対象とする形状が複雑であり、基材の流動過程が容易に想定できない場合は、前記積層部Aの全層を切込プリプレグ基材とするのが好ましい。
また、積層部Aにおいて、層間に追加樹脂層が設けることが好ましい。図9には、積層部Aの各層間、さらには積層部Aと積層部Bの層間に追加樹脂層を設けた例を示している。層間に追加樹脂層を設けた場合、次の2つの効果が期待できる。1つ目は、積層部Aの各層間に追加樹脂層があることにより、プレス成形時に層間の摩擦が小さくなり、前記プリプレグ積層基材は高い流動性を発揮することができる。2つ目は、層間に剥離などの破壊が生じた場合、追加樹脂層があることによって層間破壊靱性が高くなり、剥離の進展を遅らせることができる。その結果、層間に樹脂層を含まないサンプルよりも高強度となる。かかる追加樹脂層はプリプレグ積層基材の全層間に配置されていてもよいし、一部の層間にのみ配置してもよい。また、積層部Aにおいて層間に追加樹脂層を設ける場合、追加樹脂層を形成している樹脂と積層部Aを構成するマトリックス樹脂とが同一であれば、また、積層部Aと積層部Bの層間に追加樹脂層を設ける場合、さらに追加樹脂層を形成している樹脂と積層部Bを構成するマトリックス樹脂とが同一であれば、追加樹脂層とマトリックス樹脂とのコンパチビリティの観点、複合プリプレグ基材としての樹脂組成を単純にして製造工程を簡易にできるという観点からは好ましい。さらに、追加樹脂層の靱性が層内に介在する樹脂の靱性よりも高ければ、さらに層間剥離の進行を抑制することができ、繊維強化プラスチックの強度は高くなる。
かかる追加樹脂層の厚みとしては、強化繊維の単繊維直径〜プリプレグ基材厚の0.5倍の範囲内であるのが好ましい。強化繊維の単繊維直径未満であると、層間の摩擦抵抗が十分でなく、成形性の向上効果が小さくなる場合がある。また、追加樹脂層厚がプリプレグ基材厚の0.5倍を超えると、FRPでの繊維配合率が低くなり過ぎてその軽量化効果を損なう場合がある。より具体的には、強化繊維として炭素繊維を、プリプレグ基材厚を一般的な0.1〜0.6mmと仮定すると、追加樹脂層厚は5〜300μmの範囲内であることが好ましい。より好ましくは、10〜80μm、さらに好ましくは15〜60μmの範囲内である。なお、ここで云う追加樹脂層厚とは、プリプレグ積層基材断面を光学顕微鏡で観察してランダムに選択した箇所の高さ20点の平均値とする。なお、追加樹脂層を形成する樹脂が繊維状または粒子状の集合体である場合は、樹脂がドメインとして存在する箇所の最も高い箇所をランダムに20点選ぶものとする。
さらに、前記積層部Aと積層部Bとの層間に追加樹脂層が設けることにより、さらに本発明のプリプレグ積層基材の流動性を向上させることができる。繊維の配向方向の揃っている積層部Aよりも、繊維の配向方向が不揃いな積層部Bのほうが流動性は悪くなりやすい。そこで、前記積層部Aと積層部Bとの層間に追加樹脂層を設けることにより、積層部の流動性を向上させる。これにより、本発明のプリプレグ積層基材を繊維強化プラスチックとした場合の表面品位も向上する。
本発明における積層部Aの繊維体積含有率Vfは65%以下で十分な流動性を得ることができる。Vfが低いほど流動性は向上するが、Vfが45%より小さくなると、構造材に必要な高力学特性は得られない。流動性と力学特性との関係を鑑みると、さらに好ましくは55〜60%の範囲内である。一方、積層部BのVfは積層部AのVfよりも小さくすることが好ましい。仮に積層部AとBとでVfが等しければ、積層部Bは積層部Aよりも流動性が悪くなる。その理由は2点ある。1つ目の理由としては、積層部Bにおいては強化繊維がランダムに配向していたり、あるいは互いに絡み合ったりしており、積層部Aよりも基材が流動しにくいことである。また2つ目の理由としては、積層部Bは金型に直接触れることにより金型表面との摩擦の影響を大きく受け、流動性が低下することである。そこで、積層部BのVfを積層部AのVfよりも小さくすることで、積層部Aと積層部Bの流動性を揃えることができ、金型端部まで層構造を保ったまま基材を充填させることができる。積層部AのVfを積層部BのVfよりも10%以上低くすれば、その効果は期待できる。さらに好ましくは、積層部AのVfを積層部BのVfよりも20%以上低くするのがよい。
本発明の積層部A、Bに用いられる強化繊維としては、例えば、アラミド繊維、ポリエチレン繊維、ポリパラフェニレンベンズオキサドール(PBO)繊維などの有機繊維、ガラス繊維、炭素繊維、炭化ケイ素繊維、アルミナ繊維、チラノ繊維、玄武岩繊維、セラミックス繊維などの無機繊維、ステンレス繊維やスチール繊維などの金属繊維、その他、ボロン繊維、天然繊維、変性した天然繊維などを繊維として用いた強化繊維などが挙げられる。その中でも特に炭素繊維は、これら強化繊維の中でも軽量であり、しかも比強度および比弾性率において特に優れた性質を有しており、さらに耐熱性や耐薬品性にも優れていることから、軽量化が望まれる自動車パネルなどの部材に好適である。なかでも、高強度の炭素繊維が得られやすいPAN系炭素繊維が好ましい。さらに好ましくは不織布基材に用いられている強化繊維が積層部Aを構成するプリプレグ基材に用いられている強化繊維と同一であるのが良い。
本発明のプリプレグ積層基材に用いられる積層部Aのマトリックス樹脂、および積層部Bのマトリックス樹脂としては、熱硬化性樹脂・熱可塑性樹脂のいずれを用いてもよい。また、積層部Aのマトリックス樹脂と積層部Bのマトリックス樹脂とが異なる種類のものであってもよい。
一般にマトリックス樹脂が熱硬化性樹脂である場合、一方向プリプレグ基材は室温においてタック性を有している。そのため該基材を単純に重ねるのみで該基材が粘着により一体化され、容易に積層基材を作製することが可能である。さらに、積層部Aのマトリックス樹脂と積層部Bのマトリックス樹脂のいずれか一方が熱硬化性樹脂から構成される本発明の好ましいプリプレグ積層基材、さらに、積層部Aのマトリックス樹脂と積層部Bのマトリックス樹脂のいずれもが熱硬化性樹脂から構成される本発明のより好ましいプリプレグ積層基材は、室温において優れたドレープ性を有するため、例えば、凹凸部を有する型を用いて成形する場合、予めその凹凸に沿わした予備賦形を容易に行うことが出来る。この予備賦形により成形性は向上し、流動の制御も容易になる。かかる熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、フェノール樹脂、エポキシアクリレート樹脂、ウレタンアクリレート樹脂、フェノキシ樹脂、アルキド樹脂、ウレタン樹脂、マレイミド樹脂、シアネート樹脂などが挙げられる。さらに好ましくは熱硬化性樹脂の中でも、エポキシ樹脂や不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂等や、それらの混合樹脂がよい。これらの樹脂の常温(25℃)における樹脂粘度としては、1×10Pa・s以下であることが好ましく、この範囲内であれば本発明を満たすタック性およびドレープ性を有するプリプレグ基材を得ることができる。中でもエポキシ樹脂は炭素繊維と組み合わせて得られる強化繊維複合材料としての力学特性に最も優れている。
一方、マトリックス樹脂を熱可塑性樹脂とすれば、一般に熱硬化性樹脂よりも成形に要する時間を短くすることができる。ただし、熱可塑性樹脂を用いたプリプレグ基材は室温においてタック性を有してらず、単純にこれらを重ねたのみの基材を金型に投入すれば、該基材同士が滑るため積層構成がずれてしまい、結果として繊維の配向ムラの大きい繊維強化プラスチックとなる。特に、凹凸部を有する型で成形する際は、その差異が顕著に現れる。そのため、本発明のように、基材を投入する前に予め複数のプリプレグ基材を加熱・冷却処理などして連結し積層基材とすることで、基材の取り扱い性も良好となり、繊維強化プラスチックとした場合には、繊維の配向ムラも小さくすることが可能となる。本発明に好ましく用いる熱可塑性樹脂としては、ポリアミド、ポリアセタール、ポリアクリレート、ポリスルフォン、ABS、ポリエステル、アクリル、ポリブチレンテレフタラート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、液晶ポリマー、塩ビ、ポリテトラフルオロエチレンなどのフッ素系樹脂、シリコーンなどが挙げられる。
積層部Aの積層構成としては、積層部Aに含まれる各層の繊維配向方向が0°方向と90°方向の2つに分類されるクロスプライが好ましい。このような積層構成とすることで、基材の流動性,力学物性が異方的なふるまいをせず均一となり、部材設計が容易となる。また他の好ましい積層構成として、45°、0°、−45°、90°の4方向に分類される擬似等方積層とするのがよい。これにより、さらに基材の流動性,力学物性が異方的なふるまいをせず均一となる。
さらに、本発明の積層基材を、加熱した金型に配置し加圧加熱する(熱可塑性樹脂の場合)、あるいは加熱した金型に配置し加圧冷却する(熱可塑性樹脂の場合)ことで樹脂を固化させ、繊維強化プラスチックとするのがよい。樹脂を硬化し、繊維強化プラスチックとすることによりはじめて、軽量でありながら高強度かつ高剛性な部材として使用することが可能となる。なお、本発明の繊維強化プラスチックは、その形状が平滑面であったり、ゆるやかな曲面であったりした場合にも適用可能である。さらに、その形状の一部にリブあるいは立ち面を有する三次元的に複雑な部材を成形する場合は、本発明のプリプレグ積層基材を用いるメリットが大きい。仮に連続繊維プリプレグ基材の積層基材を加熱加圧し、立ち面、あるいはリブ形状を含む部材を単純にプレス成形しようとすれば、繊維が金型形状に沿うことができず、あるいは金型キャビティの端部まで繊維が充填されず、良好な品位の成形体を得るのが非常に困難である。本発明の切込プリプレグ基材を使用すれば、立ち面、あるいはリブ形状を含む部材であっても、プレス成形時に基材が高い流動性を発揮するために容易に良好な品位の成形体を得ることが可能である。
また、本発明の繊維強化プラスチックは、前記積層部Bが曲率を有する三次元形状に配置され、かつ、前記不織布基材が繊維強化プラスチックの外表面になる面に配置されているのがよい。繊維強化プラスチックを実部材として使用する場合、部材の外表面は異物との接触・衝突が生じ易いため、外表面に露出している樹脂リッチ部は欠けの起点となりやすい。そこで、繊維強化プラスチックの外表面に前記不織布基材を配置し、外表面の樹脂リッチ部をなくすことで、欠けなどを生じにくくさせるのが有効である。これにより、欠けの発生を大きく抑えることができる。
また、本発明のプリプレグ積層基材、およびこれを用いた繊維強化プラスチックの用途としては、強度、剛性、軽量性が要求される、自転車用品、ゴルフ等のスポーツ部材のシャフトやヘッド、ドアやシートフレームなどの自動車部材、ロボットアームなどの機械部品がある。中でも、強度、軽量に加え、複雑な形状の成形追従性が要求されるシートパネルやシートフレーム等の自動車部品に好ましく適用できる。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、実施例に記載の発明に限定されるというものではない。
<樹脂フィルムの作製方法>
エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製“jER(登録商標)”828:35重量部、“jER(登録商標)”1001:30重量部、“jER(登録商標)”154:35重量部)に、熱可塑性樹脂ポリビニルホルマール(チッソ(株)製“ビニレック(登録商標)”K)5重量部をニーダーで加熱混練してポリビニルホルマールを均一に溶解させた後、硬化剤ジシアンジアミド(ジャパンエポキシレジン(株)製DICY7)3.5重量部と、硬化促進剤3−(3,4−ジクロロフェニル)−1,1−ジメチルウレア(保土谷化学工業(株)製DCMU99)4重量部を、ニーダーで混練して未硬化のエポキシ樹脂組成物を調整した。このエポキシ樹脂組成物を、リバースロールコーターを用いてシリコーンコーティング処理された厚さ100μmの離型紙上に塗布して樹脂フィルムを作製した。
<一方向プリプレグ基材の作製方法>
一方向に配列させた炭素繊維(引張強度4,900MPa、引張弾性率235GPa)の両面に前記手順により得られた樹脂フィルムをそれぞれ重ね、加熱・加圧することによって樹脂を含浸させ、単位面積あたりの炭素繊維重さ125g/m、繊維体積含有率Vf55%の一方向プリプレグ基材を作製した。
<不織布プリプレグ基材の製造方法>
ポリオキシエチレンアルキルエーテル(“レオックス”(登録商標)CC−50、Lion(株)製)を濃度10重量%となるよう調整し、サイジング剤を得た。サイジング剤A水溶液を濃度2.0重量%の水溶液に調整した水溶液中に一方向に配列させた炭素繊維(引張強度4,900MPa、引張弾性率235GPa)炭素繊維連続束を浸積し、サイジング剤を付着せしめ、熱風乾燥機を使用し、200℃で2分間乾燥した後、カートリッジカッターを用いて炭素繊維を6.4mm長にカットし、炭素繊維チョップドストランドを得た。
次いで円筒容器に、水2000ccを投入し、濃度0.1重量%となるように界面活性剤(ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ナカライテクス社製)を投入した。この界面活性剤水溶液を、攪拌機を使用し、1400rpmで空気の微小気泡が発生するまで撹拌した。その後、前記手段により得られた炭素繊維チョップドストランドを炭素繊維の目付けが30g/mとなるように、かかる空気の微小気泡が分散した界面活性剤水溶液中に投入し、未開繊の繊維束が10重量%以下になるまで撹拌した。得られた分散液を多孔支持体を介して脱水することにより、均一なウエブを得た。得られたウエブを熱風乾燥機にて140℃、1h乾燥を行い、炭素繊維からなる不織布基材を得た。
このままでは不織布基材の取り扱い性が悪いので、無水マレイン酸変性ポリプロピレン(MGP−055、丸芳化成品(株)製)5重量%エマルジョン液を、スポイトを使用し、散布量が65g/mとなるように不織布基材に均一に滴下した。次いで、熱風乾燥機(140℃、1h)にて、十分に乾燥を行った。このようにして、バインダー成分を不織布基材に付与した。
前記不織布基材を、前述の手段により得られた樹脂フィルムによって両側から挟み、加熱加圧することによって、不織布プリプレグ基材を得た。
<平板成形方法>
300×300mmのキャビティを有する平板金型上の概中央部にプリプレグ積層基材配置した後、加熱型プレス成形機により、6MPaの加圧のもと、150℃×30分間の条件により硬化させた。これにより、300×300mmの平板形の繊維強化プラスチックを得た。金型を上から見たときの金型面積に対する基材の面積の割合をチャージ率と定義すると、チャージ率は70%に相当する。
また、得られた平板形の成形体の性状より、流動性とソリを以下のように評価した。
流動性に関しては、基材を伸長して成形するにあたり、金型キャビティ内に繊維強化プラスチックが充填されており、最表層に配された基材も金型端部付近まで伸長している場合には流動性○、金型キャビティ内に繊維強化プラスチックが充填されているものの、最表層に配された基材がほとんど伸長していない場合には流動性△、金型キャビティ内に繊維強化プラスチックが充填されていない部位がある場合には流動性×、として評価した。
ソリに関しては、成形体を平らな試験台上に置いただけで成形体が試験台と全面で接触している場合にはソリ○、成形体を平らな試験台上に置いただけで成形体が試験台とが全面で接触しておらず、指で成形体上面から試験台に成形体を押し付けた際、成形体が試験台と全面で接触する場合にはソリ△、指で成形体上面から試験台に成形体を押し付けた際、成形体が試験台と接触していない部分がある場合にはソリ×と評価した。
<R部基材充填評価方法>
図12に示す金型を用いて、凸形の繊維強化プラスチックを成形し、R部での流動性を評価した。150°に熱した金型の空隙部に積層基材を配置し、成形温度150°、保持時間30分、成形圧力5MPaの条件下で成形を行った。
また、得られた凸形繊維強化プラスチックの成形体の性状より、流動性とソリを以下のように評価した。R部において、端部まで基材が充填しており樹脂リッチ部が形成されていないものを○、R部の端部まで基材が充填しておらず、表面は黄色がかって見え、樹脂リッチ部が形成されているものを×とする。
<機械特性評価方法>
前記手順により、得られた平板形の繊維強化プラスチックから、長さ250±1mm、幅25±0.2mmの引張強度試験片を切り出した。JIS K−7073(1998)に規定する試験方法に従い、標点間距離を150mmとし、クロスヘッド速度2.0mm/分で引張強度を測定した。なお、本実施例においては、試験機としてインストロン(登録商標)万能試験機4208型を用いた。測定した試験片の数はn=5とし、平均値を引張強度とした。さらに、測定値より標準偏差を算出し、その標準偏差を平均値で除することにより、バラツキの指標である変動係数(CV値(%))を算出した。
(実施例1)[切込形態:連続切込]
前記一方向プリプレグ基材に、自動裁断機を用いて図4a)に示すような繊維から10°の方向の直線的な切込を、繊維配向方向の間隔が30mmとなるように連続的に挿入した。その後、炭素繊維の配向方向(0°方向)と、炭素繊維の配向方向から右に45度ずらした方向(45°方向)に、それぞれ300×300mmの大きさに切り出し、等間隔で規則的な切込を有するプリプレグ基材を得た。うち、300×300mmの周囲5mmずつは切込を入れず、連続的な切込によりばらばらとならないようにした切込を繊維から10°の方向に入れ、プリプレグ基材の端部近傍からもう一方の端部近傍まで入れられており、290×290mmの範囲に切込が入れられた。切込により分断された繊維長さLは30mmである。エポキシ樹脂の25℃雰囲気下における粘度は2×10Pa・sであり、該基材はタック性を有していた。また、前記手段により不織布プリプレグ基材(Vf=30%)を作製し、前記切込プリプレグ基材を16層疑似等方([−45/0/+45/90]2S)に積層した後、両面に前記不織布プリプレグ基材を積層した。これにより、積層基材全体での繊維体積含有率Vfが53%となるプリプレグ積層基材を得た。なお、切込プリプレグ基材の積層時には、切込の長さが長いため、積層作業には若干の難があった。
このようにして得られたプリプレグ積層基材を用いて、平板形、凸形の繊維強化プラスチックを成形した。
得られた平板形の繊維強化プラスチックは繊維のうねりがなく、その端部まで繊維が均等に流動していた。全体的にソリもなく、良好な外観品位、平滑性を保っていた。ただし、前記繊維強化プラスチックの端部にわずかながら表面の不織布基材層が到達していない箇所があり、内側の層にある切込プリプレグ基材を確認できる箇所があった。引張弾性率は45GPaとほぼ理論値通り発現し、また、引張強度に関しても570MPaと高い値が発現し、そのCV値も5%ときわめてバラツキの小さい結果となった。これらの結果から構造材としての適用、外板部材への適用が可能な力学特性と品位が得られたことがわかった。また、得られた平板形の繊維強化プラスチックを切り出し、切り出し面が0°である層に注目すると、図6b)のように、層うねりや繊維が存在しない部位がなく、樹脂リッチ部もほとんど存在しなかった。また、繊維束端部も厚み方向に斜めとなっており(繊維方向から5°以下程度)、応力伝達効率が高いと考えられた。
また、得られた凸形の繊維強化プラスチックを切断し、R部の断面を光学顕微鏡で観察したところ、その端部まで基材が流動しており、樹脂リッチ部は形成されていなかった。また、積層部Aに相当する部位は、R部に沿って層構造を保っていた。
(実施例2)[切込形態:断続]
前記手順により得られた一方向プリプレグ基材に切込を挿入し、切込プリプレグ基材を得た。まず、500mm×500mm、厚さ5mmの金属板から、刃を多数削り出し、プリプレグ基材に切込を挿入するための抜き型を作製した。図10に抜き型の刃の配置図を示す。抜き型28の中央部450×450の領域に、長さ1.5mmの刃29が間隔1.5mmで複数並んでおり、刃からなる列30を形成している。この刃からなる列と抜き型の基準方向31とのなす角α(33)は10°である。さらに、隣接する刃からなる列は、抜き型の基準方向に15mmの間隔34で配置されており、隣接する刃からなる列は互いに基準方向と垂直な方向32に半位相ずれている。次に、図11に示すように、この抜き型をプレス機に取り付け、抜き型の基準方向と基材の送り方向(プリプレグ基材の繊維長手方向)が一致するようにプリプレグ基材を送りつつ、抜き型をプリプレグ基材に押し当て、プリプレグ基材に切込を挿入した。このとき、得られた切込プリプレグ基材の切込パターンは、図10の刃の配置図がそのまま転写されたパターンとなった。得られた切込プリプレグ基材の表面を、デジタルマイクロスコープを用いて撮影し、倍率が100倍となるようにプリントアウトし、曲線定規を用いて切込長さW、繊維長さL、投影長さWsを計測したところ、それぞれ、W=1.5mm、L=30mm、Ws=0.51mmであった。また、切込の中心線を20等分し、各微小線分と繊維長手方向とのなす角を分度器で計測し、その平均値を切込と炭素繊維とのなす角度の絶対値Θとすると、Θは10°であった。
得られた切込プリプレグ基材から実施例1と同様の手順によりプリプレグ積層基材を経て、平板形、凸形の繊維強化プラスチックを得た。実施例1と比べて切込の長さが短く、基材を持ち上げたときに基材が変形することもなく、容易に積層作業を行うことが可能であった。平板形の繊維強化プラスチックは、実施例1同等に繊維のうねり、ソリもなく、外観品位も良好であった。また、引張強度に関しても600MPaと、実施例1よりもさらに高強度となった。また、凸形の繊維強化プラスチックは実施例1同等に良好な品位であった。
(実施例3〜6)[切込角度の比較(表1)]
切込の角度を変えた他は実施例1と同様にして、平板形、凸形の繊維強化プラスチックを得た。実施例3は切込角度Θが2°、実施例4は5°、実施例5は15°、実施例6は25°の方向に連続的な切込を設けた。
得られた平板形の繊維強化プラスチックはいずれも繊維のうねりがなく、その端部まで繊維が均等に流動していた。また、ソリもなく、最外層の切込部においても、強化繊維が存在せずに樹脂リッチまたは隣接層の強化繊維がのぞいている部位はほとんどなく、良好な外観品位、平滑性を保っていた。引張弾性率は45〜46GPa、引張強度は460〜650MPaと高い値であり、引張強度のCV値は3〜6%とバラツキの小さい結果であった。特に切込角度の小さな実施例3、4では600MPa以上の引張強度を発現した一方、実施例3では切込角度が小さいため、切込同士の間隔は1mm程度と小さく、積層時の取り扱い性に若干難があった。また、凸形の繊維強化プラスチックは実施例1同等に良好な品位であった。
(実施例7〜9)[繊維長さの比較(表2)]
実施例1の切込パターンにおいて、切込の間隔を変えることにより繊維長さLを変えた以外は、実施例1と同様にして平板形、凸形の繊維強化プラスチックを得た。それぞれLは、実施例7では10mm、実施例8では60mm、実施例9では100mmとした。
得られた平板形の繊維強化プラスチックは実施例9を除いて繊維のうねりなく、その端部まで繊維が充分に流動していた。実施例9は若干の繊維のうねりと金型との摩擦を受ける表面部で端部まで繊維が十分流動してない部位があった。その他、いずれの平板形の繊維強化プラスチックもソリがなく、最外層の切込部においても、強化繊維が存在せずに樹脂リッチまたは隣接層の強化繊維がのぞいている部位はほとんどなく、良好な外観品位、平滑性を保っていた。引張弾性率45〜46GPa、引張強度は510〜630MPaと高い値であり、引張強度のCV値も4〜6%とバラツキの小さい結果であった。また、凸形の繊維強化プラスチックは実施例1同等に良好な品位であった。
(実施例10〜13)[投影長さWsの比較(表3)]
実施例2の切込パターンにおいて、刃の長さと間隔を変更することにより切込の長さと切込の間隔を変えた以外は、実施例2と同様にして平板形、凸形の繊維強化プラスチックを得た。実施例10では投影長さWsと切込の間隔を共に0.17mm、実施例11では1mm、実施例12では2mm、実施例13では10mmとした。なお実際の切込の長さはそれぞれ、実施例10では1mm、実施例11では5.8mm、実施例12では11.5mm、実施例13では58mmである。
結果を表3にまとめる。いずれの平板形の繊維強化プラスチックもソリがなく、良好な外観品位、平滑性を保っていた。また、引張強度も560〜670MPaと非常に高強度であった。また、特に投影長さWs(切込長さ)が小さければ小さいほど高強度となるが、その傾向はWsが1.5mm以下の場合に顕著に現れることが確認できた。
(実施例14〜17)[繊維含有率Vfの比較(表4)]
実施例1における一方向プリプレグ基材の単位面積あたりの炭素繊維重さを変えることにより炭素繊維の体積含有率Vfを変えた以外は実施例1と同様にして平板形、凸形の繊維強化プラスチックを得た。それぞれ実施例14が単位面積あたりの炭素繊維重さが158g/m、Vfが70%、実施例15が146g/m、Vfが65%、実施例16が101g/m、Vfが45%、実施例17が90g/m、Vfが40%とした。
実施例14で得られた平板形の繊維強化プラスチックは繊維がうねり、金型との摩擦を受ける表面部で端部まで繊維が流動しておらず、やや流動性に劣るっていた。ただし、引張強度は640MPa、弾性率は55GPaと非常に良好な物性を発現していた。その他の実施例にて得られた平板形の繊維強化プラスチックは繊維のうねりなく、その端部まで繊維が充分に流動しており、良好な外観品位、平滑性を保っていた。引張弾性率は36〜51GPa、引張強度は430〜620MPaと高い値であり、引張強度のCV値も5〜7%とバラツキの小さい結果であった。Vfが大きくなるほど、引張弾性率も強度も向上するという結果となったが、あまりVfが大きいと流動性が落ちるという難点があった。
(実施例18)[追加樹脂層の効果確認(積層部A・層間、表5)]
切込プリプレグ基材を積層する際に、層間に15g/mの樹脂フィルムを積層し、追加樹脂層を設ける以外は実施例9と同様の手段により、プリプレグ積層基材を得て、平板形の繊維強化プラスチックを得た。実施例9の平板形の繊維強化プラスチックでは、端部に未充填の箇所が観察されたのに比べ、実施例15で得られた凸形の繊維強化プラスチックは端部まで基材が充填していた。追加樹脂層を設けることにより、流動性が向上したためと考えられた。
(実施例19)[追加樹脂層の効果確認(積層部A−B間、表5)]
積層部Aと積層部Bとを積層する際に、層間に15g/mの樹脂フィルムを積層し、追加樹脂層を設ける以外は実施例1と同様の手段により、プリプレグ積層基材を得て、平板形の繊維強化プラスチックを得た。表面品位は良好であり、表面全体を不織布基材層が覆い内側の層にある切込プリプレグ基材をほとんど観察することはできないほどであった。積層部A、B間に追加樹脂層を設けたことにより、不織布基材層(積層部B)の流動性が向上したものと考えられた。
以下、比較例を示す。
(比較例1)[連続繊維プリプレグ基材との比較]
一方向プリプレグ基材に切込を入れなかった他は、実施例1と同様とした。
得られた平板形の繊維強化プラスチックは積層基材の段階からほとんど流動することなく、ほぼ250×250mmの大きさであり、マトリックス樹脂が搾り出されて金型との隙間に樹脂バリが出来ていた。樹脂が搾り出されているため、表面ががさがさしており、製品には適用できなさそうだった。
(比較例2)[SMCとの比較]
実施例1の一方向プリプレグ基材を繊維長25mm、幅5mmに裁断してチョップド原料プリプレグとし、そのチョップド原料プリプレグをランダムに配向させながらニップロールで加圧してそれぞれを接着したものを用いる点以外は、実施例1と同様にしてプリプレグ基材および積層基材を得て、平板形の繊維強化プラスチックを成形した。
得られた平板形の繊維強化プラスチックは、炭素繊維がうねりを伴い、金型端部まで炭素繊維が均等かつ充分に流動したが、流動状態が均一でないため線膨張係数の差異によりソリを生じた。また、引張強度は180MPaと実施例と比べて大幅に低く、流動状態が均一ではないため、CV値は12%と高い値、すなわちバラツキが大きかった。
(比較例3)[切込プリプレグ基材のみからなる積層基材との比較]
不織布プリプレグ基材を積層しないこと以外は、実施例1と同様にして凸形の繊維強化プラスチックを成形した。
得られた凸形の繊維強化プラスチックのR部を観察すると黄色がかっており、該箇所に樹脂リッチ部が形成されていることが確認できた。また、R部の断面を観察すると層構造が乱れていた。
(比較例4〜5)[切込角度の比較]
切込の角度を変えた他は実施例1と同様にして平板形、凸形の繊維強化プラスチックを得た。比較例4は繊維からの角度が1°、比較例5は45°の方向に連続的な切込を設けた。
比較例4については、切込角度が小さいため、切込同士の間隔が0.5mm程度と小さく、安定的に基材の裁断を行うことが困難であった。また、基材を持ち上げた際に基材がばらけ、積層には難があった。これらより、量産には向かない仕様であった。また、引張弾性率は45GPa、引張強度は640MPaと高かったが、引張強度のCV値が11%と高く、生産安定性に欠けていた。
一方、比較例5は繊維のうねりがなく、その端部まで繊維が均等に流動していた。また、ソリもなかったが、最外層の切込部において、強化繊維が存在せずに樹脂リッチまたは隣接層の強化繊維がのぞいている領域が多く見受けられ、若干それらの部位でヒケが見られた。引張弾性率は45GPaであったが引張強度は340MPaと実施例1や実施例3〜6と比較して大きく下がった。
(比較例6、7)[繊維長さの比較]
実施例1の切込パターンにおいて、切込の間隔を変えることにより繊維長さLを変えた以外は、実施例1と同様にして平板形、凸形の繊維強化プラスチックを得た。それぞれLは、比較例6では7.5mm、比較例7では120mmとした。
比較例6においては、得られた平板形の繊維強化プラスチックは繊維のうねりなく、その端部まで繊維が十分に流動していた。ソリもなく、良好な外観品位、平滑性を保っていたが、引張強度が440MPaと実施例1や実施例7〜9と比較して低い値となった。比較例7については、得られた平板形の繊維強化プラスチックは、金型のキャビティ全面に繊維が流動しきっておらず、端部に樹脂リッチ部が見られた。繊維はうねり、ソリも発生した。
本発明の積層基材の概略平面図、および断面図である。 本発明のプリプレグ積層基材に用いる切込プリプレグ基材の切込パターンの一例を示す拡大平面図である。 本発明のプリプレグ積層基材に用いる切込プリプレグ基材の切込パターンの一例を示す概略平面図である。 本発明のプリプレグ積層基材に用いる切込プリプレグ基材の切込パターンの一例を示す概略平面図である。 本発明のプリプレグ積層基材に用いる切込プリプレグ基材の切込パターンの一例を示す概略平面図である。 比較用の積層基材、繊維強化プラスチックの一例を示す平面図および断面図である。 本発明の積層基材、繊維強化プラスチックの一例を示す平面図および断面図である。 比較用の積層基材、繊維強化プラスチックの一例を示す平面図および断面図である。 本発明のプリプレグ積層基材の一例を示す概略断面図である。 切込挿入用の抜き型の一例を示す概略平面図である。 切込プリプレグ基材の製造方法の一例を示す斜視図である。 本実施例に用いた成型型の概略平面図である。
符号の説明
1:強化繊維
2:積層部A
3:積層部B
4(4a、4b):切込
5:切込プリプレグ基材
6:繊維配向方向
7:切込角度Θ
8:切込同士の間隔(繊維長さL)
9:繊維垂直方向
10:切込を強化繊維の垂直方向に投影した長さWs
11:繊維が分断される幅
12:切込プリプレグ基材の積層基材
13:繊維強化プラスチック
14:短繊維層
15:強化繊維の存在しない領域(切込開口部)
16:隣接層
17:繊維束端部
18:樹脂リッチ部
19:層うねり
20:強化繊維の回転
21:追加樹脂層
22:不織布基材層
23:一方向に配列した強化繊維層
24:マトリックス樹脂
25:成形型(上型)
26:成形型(下型)
27:プリプレグ積層基材
28:抜き型
29:刃
30:刃からなる列
31:抜き型の基準方向
32:抜き型の基準方向と垂直な方向
33:刃からなる列と抜き型の基準方向31とのなす角α
34:刃からなる列の基準方向31の間隔
35:一方向プリプレグ基材
36:土台

Claims (12)

  1. 強化繊維シートとマトリックス樹脂とを含むプリプレグ基材を、複数層積み重ねて得られたプリプレグ積層基材であって、前記プリプレグ積層基材が、少なくとも次の(1)、(2)の2つの構成を有するプリプレグ積層基材。
    (1)前記プリプレグ積層基材は、強化繊維が一方向に配列された一方向プリプレグ基材が複数積層され、該一方向プリプレグ基材の繊維方向が少なくとも2方向以上に配向して一体化されている積層部Aと、積層部Aの少なくとも片側に配置された、強化繊維がランダムに配列された不織布基材とマトリックス樹脂を有してなる積層部Bとを有する。
    (2)前記積層部Aは、前記一方向プリプレグ基材の強化繊維を横切る方向に複数の断続的な切込が挿入されている切込プリプレグ基材を有しており、該切込プリプレグ基材の強化繊維は実質的にすべて前記切込によって繊維長10〜100mmに分断されており、前記切込と繊維配向方向とのなす角Θが2〜25°の範囲である。
  2. 前記切込プリプレグ基材において、切込を強化繊維の垂直方向に投影した投影長さWsが実質的にすべて0.1〜1.5mmの範囲内である、請求項1に記載のプリプレグ積層基材。
  3. 前記積層部Aの全層が前記切込プリプレグ基材で構成されている、請求項1または2に記載のプリプレグ積層基材。
  4. 前記積層部Bに含まれる不織布基材の強化繊維の繊維長さが、実質的にすべて1〜15mmの範囲内である、請求項1〜3のいずれかに記載のプリプレグ積層基材。
  5. 前記積層部Aにおいて、層間に追加樹脂層が設けられている、請求項1〜4のいずれかに記載のプリプレグ積層基材。
  6. 前記積層部Aの繊維体積含有率が45〜65%の範囲内であり、かつ、前記積層部Bの繊維体積含有率が前記積層部Aよりも10%以上低い、請求項1〜5のいずれかに記載のプリプレグ積層基材。
  7. 前記積層部Aと前記積層部Bとの層間において、追加樹脂層が設けられている、請求項1〜6のいずれかに記載のプリプレグ積層基材。
  8. 前記積層部Aと前記積層部Bとに含まれる強化繊維が共に炭素繊維である、請求項1〜7のいずれかに記載のプリプレグ積層基材。
  9. 前記積層部Aと前記積層部Bとに含まれるマトリックス樹脂の主成分が共に熱硬化性樹脂である、請求項1〜8のいずれかに記載のプリプレグ積層基材。
  10. 前記積層部Aの積層構成が擬似等方積層である、請求項1〜9のいずれかに記載のプリプレグ積層基材。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載のプリプレグ積層基材を三次元形状に成形して得た、繊維強化プラスチック。
  12. 前記積層部Bが曲率を有する三次元形状に配置され、かつ、前記積層部Bが繊維強化プラスチックの外表面になる面に配置されている、請求項11に記載の繊維強化プラスチック。
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