JP2019038968A - ポリプロピレン系発泡線条 - Google Patents

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Abstract

【課題】柔軟かつ軽量で、高温下、好ましくは121℃以上の温度条件下でも形状を保持できる耐熱性を有し、尚且つ継続した負荷により継続して変形せしめられた後、負荷を除去した際に変形回復性を有する構造体を構成する押出成形により成形されるポリプロピレン系発泡線条を提供すること。
【解決手段】成分(A)1〜99重量%と成分(B)1〜99重量%からなり、且つ特性(x1)〜(x4)を満足するポリプロピレン系樹脂組成物(X)を1〜99重量%と、特性(z1)〜(z2)を満足するポリプロピレン系樹脂(Z)を1〜99重量%を含有し、且つ特性(g1)〜(g2)を満足するポリプロピレン系樹脂組成物(G)(ここで、成分(X)+成分(Z)を100重量%とする)100重量部に対し、発泡剤(Y)を0重量部を超え5重量部以下配合して溶融押出してなる特性(I)〜(II)を満足するポリプロピレン系発泡線条。
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリプロピレン系発泡線条に関し、詳しくは、柔軟かつ軽量で、高温下、好ましくは121℃以上の温度条件下でも形状を保持できる耐熱性を有し、尚且つ継続した負荷により継続して変形せしめられた後、負荷を除去した際に変形回復性を有する構造体を構成する押出成形により成形されるポリプロピレン系変形回復性耐熱発泡線条に関する。
従来、変形回復性構造体、例えば、ベッド等の寝具、家庭用や車両・船舶・航空機用座席等のクッション材には、発泡ウレタン、非弾性捲縮繊維詰綿、及び非弾性捲縮繊維を接着した樹脂綿や硬綿などが用いられてきた。
近年、熱可塑性樹脂を押出成形し、線条をループ状に形成させ、このストランドを熱接着、冷却固化して得られる三次元網目状構造体を当該クッション材として使用する試みがなされている。当該熱可塑性樹脂として、ポリエステル系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、ポリアミド系エラストマーを用いることが知られている(例えば、特許文献1:特開平7−068061号公報参照)。ところが、これらの樹脂は、高価格であり、リサイクルも難しい。
一方、特許文献2(特開2004−218116号公報)や特許文献3(特開2006−200117号公報)には、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)やエチレン・α−オレフィン共重合体であるポリエチレン系樹脂が開示され、広く用いられているが、これらのポリエチレン系樹脂を用いた三次元網目状構造体は、優れた性能を有するものの、柔軟性能や熱接着性を重視しているため、樹脂の融点が低くなり、高温下(例えば70℃)での変形回復性が劣るという問題がある。このため、ポリエチレン系樹脂を用いた場合、自動車のクッションや緩衝部品、暖房機能付与のベッド用クッションへの適用には、大きな制限があった。
この問題を解決すべく、例えば、特許文献4(特開2013−181117号公報)では、特定のエチレン系重合体に、特定のエチレン性不飽和シラン化合物をグラフトさせ、得られたグラフト反応物にシラノール縮合触媒を含有させたものを、成形後に、40℃の温水を霧状に散水する部屋中に1週間保管し、架橋処理する方法により、耐熱性を付与する方法が開示されているが、架橋処理に1週間という長時間を要し、生産性に劣るものであり、尚且つ架橋処理を行っているため、リサイクル性に劣るものであった。
更には、近年、病院などでは、クッション自体の洗浄、場合によっては滅菌処理を行うニーズがあり、高温下、好ましくは121℃以上の蒸気滅菌処理への耐性が求められている。
ポリエチレン系樹脂組成物を用いたものは、蒸気滅菌処理時に溶融してしまい、形状保持が困難になる。蒸気滅菌処理に耐えられる樹脂としては、ポリプロピレン系樹脂が挙げられるが、ポリプロピレンは、塑性変形を起こすため、変形回復性に乏しい問題がある。
この問題を解決すべく、例えば、特許文献5(特開2002−061059号公報)では、ポリプロピレンに、SBSを5〜30重量%配合してなる三次元構造体が開示されているが、いかなるポリプロピレンを使用したか明示されていないため、蒸気滅菌に耐えうるものかが、不明であるし、変形回復性を示す圧縮残留歪についても、室温下で保持時間なしの試験結果しか示されておらず、継続した負荷により継続して変形せしめられた後、負荷を除去した際の変形回復性や、高温下での変形回復性について、うかがい知ることができないものであった。
これらの問題を解決すべく、例えば特許文献6(特開2016−028121号公報)や特許文献7(特開2016−028122号公報)では特定のプロピレン系樹脂組成物からなる変形回復性耐熱構造体が開示されている。
しかしながら、昨今強まりつつある軽量化のニーズには十分対応できるものではなかった。
変形回復性構造体を軽量化する技術の一つとして変形回復性構造体を発泡させる手法が考えられ、例えば、特許文献8(特開2002−266223号公報)では、動的架橋させたEPDMを含む熱可塑性エラストマーを用い、発泡させた見かけ比重0.45〜0.35の線条が開示されている。しかしながら、動的架橋されているものであるためリサイクル性に劣るものであった。
また、特許文献9(特開2001−248050号公報)、特許文献10(特開平08−061410号公報)、特許文献11(特開2011−256479号公報)には、樹脂組成物と発泡剤からなる未発泡の線条を成形した後に高温下で発泡させる技術が開示されている。しかしながら、発泡工程が必要となり、生産性に劣るものであった。
また、特許文献12(特開平08−187806号公報)の実施例2にはメルトフローレートが9.5g/10分、曲げ初期弾性率が900kgf/cmの低密度ポリエチレンにアゾジカルボンアミド系化学発泡剤および着色顔料を配合してなる線条が開示されている。しかしながら、低密度ポリエチレン製であるために、耐熱性が劣るものであった。
また、前述の特許文献6、7に開示されている樹脂組成物に単に発泡剤を配合するだけでは、柔軟であるが故に気泡形成時の結晶化が遅いため、線条を成形する際に線条の表面の気泡膜が破れ、線条表面に過度の凹凸が生じ、結果として継続した負荷により継続して変形せしめられた際にキンクが発生したり、線条同士の擦れにより不快な音を発する等の問題があった。
押出成形により形成される発泡線条において線条表面の気泡膜の破れを防ぐ方法として、例えば、特許文献13(WO2014/192790)には、発泡剤を含む熱可塑性樹脂をコア層に、発泡剤を含まない熱可塑性樹脂をシース層になるよう共押出しし、気泡部が表層側に比べて中心側に多く存在する連続線条体が開示されている。しかしながら、シース層に発泡剤を含まない熱可塑性樹脂を配しているため、気泡膜の破れが線条表面にて生じにくいが、多層構造の線条を成形するために複雑な構造のノズルを必要とし、設備費用が高価になるという問題がある。
気泡膜の破れが線条表面にて生じにくく、単層構造の線条を成形する方法としては、例えば、特許文献14(特開2009−293020号公報)の実施例にて、特定のMFR、Q値、重量平均分子量200万以上の成分の比率、40℃以下でのオルトジクロロベンゼンへの溶出量、アイソタクチックトライアッド分率、歪硬化度、230℃における溶融張力を有するプロピレン系重合体と発泡剤とを配合してなる樹脂組成物を溶融押出し、連続的に引き取り得られるストランド状発泡成形体が開示されている。しかしながら、樹脂成分として特定のプロピレン系重合体を100重量%使用したものであるため、物性調整の自由度が無く柔軟性に欠けるものであった。
以上のように、これまで柔軟かつ好適な発泡形態を有し、尚且つ簡便な方法で得られるポリプロピレン系発泡線条は知られていなかった。
特開平7−068061号公報 特開2004−218116号公報 特開2006−200117号公報 特開2013−181117号公報 特開2002−061059号公報 特開2016−028121号公報 特開2016−028122号公報 特開2002−266223号公報 特開2001−248050号公報 特開平08−061410号公報 特開2011−256479号公報 特開平08−187806号公報 WO2014/192790 特開2009−293020号公報
本発明の目的は、上記従来技術の問題点に鑑み、柔軟かつ軽量で、高温下、好ましくは121℃以上の温度条件下でも形状を保持できる耐熱性を有し、尚且つ継続した負荷により継続して変形せしめられた後、負荷を除去した際に変形回復性を有する構造体を構成する押出成形により成形されるポリプロピレン系発泡線条を提供するものである。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、ポリプロピレン系樹脂組成物(X)と特定のポリプロピレン系樹脂(Z)を特定の比率で含有するポリプロピレン系樹脂組成物(G)(ここで、成分(X)+成分(Z)を100重量%とする)100重量部に対し、発泡剤(Y)を特定の比率で配合して溶融押出しにより線条を形成させ、柔軟かつ軽量で、優れた変形回復性を示し、尚且つ121℃以上の高温下でも形状を保持できるという従来にない特性を発現しつつ生産性良く簡便な装置で製造できることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は、以下のポリプロピレン系発泡線条を提供する。
[1]下記成分(A)1〜99重量%と下記成分(B)1〜99重量%(但し、成分(A)と成分(B)の合計を100重量%とする)からなり、且つ下記特性(x1)〜(x4)を満足するポリプロピレン系樹脂組成物(X)を1〜99重量%と、下記特性(z1)〜(z2)を満足するポリプロピレン系樹脂(Z)を1〜99重量%を含有し、且つ下記特性(g1)〜(g2)を満足するポリプロピレン系樹脂組成物(G)(ここで、成分(X)+成分(Z)を100重量%とする)100重量部に対し、発泡剤(Y)を0重量部を超え5重量部以下配合して溶融押出してなる下記特性(I)〜(II)を満足するポリプロピレン系発泡線条。
(x1)メルトフローレート(MFR:230℃、2.16kg荷重)が1.0〜100g/10分であること。
(x2)融解ピーク温度(Tm)が121〜170℃であること。
(x3)曲げ弾性率が10〜500MPaであること。
(x4)MFRとMT(溶融張力 単位g 230℃)が以下の関係式(a)を満たすこと。
Log(MT)<−0.9×Log(MFR)+0.7 且つ MT<15 式(a)
成分(A):下記(a1)〜(a2)を満足する1種類または2種類以上のプロピレン単独重合体及び/又はプロピレン−α−オレフィン共重合体。
(a1)融解ピーク温度(Tm)が121〜170℃であること。
(a2)メルトフローレート(MFR:230℃、2.16kg荷重)が0.1〜500g/10分であること。
成分(B):下記(b1)を満足する少なくとも1種類のプロピレン−α−オレフィン共重合体。
(b1)プロピレン51〜90重量%、エチレン及び/又は炭素数4〜10のα−オレフィン10〜49重量%からなること。
ポリプロピレン系樹脂(Z):
(z1)メルトフローレート(MFR:230℃、2.16kg荷重)が1.0〜100g/10分であること。
(z2)MFRとMT(溶融張力 単位g 230℃)が以下の関係式(b)を満たすこと。
Log(MT)≧−0.9×Log(MFR)+0.7 又は MT≧15 式(b)
ポリプロピレン系樹脂組成物(G)
(g1)メルトフローレート(MFR:230℃、2.16kg荷重)が1.0〜100g/10分であること。
(g2)融解ピーク温度(Tm)が121〜170℃であること。
ポリプロピレン系発泡線条
(I)比重が0.10以上0.85未満であること。
(II)真円換算の平均線径が0.1〜5.0mmであること。
[2]前記ポリプロピレン系発泡線条が、変形回復性耐熱発泡線条である前記[1]に記載のポリプロピレン系発泡線条
[3]前記ポリプロピレン系発泡線条が、変形回復性耐熱構造体に用いられる前記[1]または[2]に記載のポリプロピレン系発泡線条。
[4]前記変形回復性耐熱構造体が、押出成形により得られる複数のストランドからなる連続線状体を三次元ランダムループ状に曲がりくねらせて、複数のループの接触部の少なくとも一部が融着してなる立体網目状構造を有する網状構造体であることを特徴とする前記[3]に記載のポリプロピレン系発泡線条。
本発明は、柔軟かつ軽量で、高温下、好ましくは121℃以上の温度条件下でも形状を保持できる耐熱性を有し、尚且つ継続した負荷により継続して変形せしめられた後、負荷を除去した際に変形回復性を有する構造体を構成する押出成形により成形されるポリプロピレン系発泡線条を提供する。
実施例で用いた本発明に係る重合装置のフローシートである。 実施例5の線条表面のデジタルマイクロスコープ画像である。 比較例2の線条表面のデジタルマイクロスコープ画像である。
本発明のポリプロピレン系発泡線条は、下記成分(A)1〜99重量%と下記成分(B)1〜99重量%(但し、成分(A)と成分(B)の合計を100重量%とする)からなり、且つ下記特性(x1)〜(x4)を満足するポリプロピレン系樹脂組成物(X)を1〜99重量%と、下記特性(z1)〜(z2)を満足するポリプロピレン系樹脂(Z)を1〜99重量%を含有し、且つ下記特性(g1)〜(g2)を満足するポリプロピレン系樹脂組成物(G)(ここで、成分(X)+成分(Z)を100重量%とする)100重量部に対し、発泡剤(Y)を0重量部を超え5重量部以下配合して溶融押出してなる下記特性(I)〜(II)を満足するポリプロピレン系発泡線条である。
(x1)メルトフローレート(MFR:230℃、2.16kg荷重)が1.0〜100g/10分であること。
(x2)融解ピーク温度(Tm)が121〜170℃であること。
(x3)曲げ弾性率が10〜500MPaであること。
(x4)MFRとMT(溶融張力 単位g 230℃)が以下の関係式(a)を満たすこと。
Log(MT)<−0.9×Log(MFR)+0.7 且つ MT<15 式(a)
成分(A):下記(a1)〜(a2)を満足する1種類または2種類以上のプロピレン単独重合体及び/又はプロピレン−α−オレフィン共重合体。
(a1)融解ピーク温度(Tm)が121〜170℃であること。
(a2)メルトフローレート(MFR:230℃、2.16kg荷重)が0.1〜500g/10分であること。
成分(B):下記(b1)を満足する少なくとも1種類のプロピレン−α−オレフィン共重合体。
(b1)プロピレン51〜90重量%、エチレン及び/又は炭素数4〜10のα−オレフィン10〜49重量%からなること。
ポリプロピレン系樹脂(Z):
(z1)メルトフローレート(MFR:230℃、2.16kg荷重)が1.0〜100g/10分であること。
(z2)MFRとMT(溶融張力 単位g 230℃)が以下の関係式(b)を満たすこと。
Log(MT)≧−0.9×Log(MFR)+0.7 又は MT≧15 式(b)
ポリプロピレン系樹脂組成物(G)
(g1)メルトフローレート(MFR:230℃、2.16kg荷重)が1.0〜100g/10分であること。
(g2)融解ピーク温度(Tm)が121〜170℃であること。
ポリプロピレン系発泡線条
(I)比重が0.10以上0.85未満であること。
(II)真円換算の平均線径が0.1〜5.0mmであること。
以下、本発明で使用するポリプロピレン系樹脂組成物(X)、ポリプロピレン系樹脂(Z)、ポリプロピレン系樹脂組成物(G)、発泡剤(Y)について詳細に説明する。
1.ポリプロピレン系樹脂(Z)
本発明で使用されるポリプロピレン系樹脂(Z)は、以下で説明する(z1)および(z2)の特性を有する。
(1−1)特性(z1):MFR
本発明に用いるポリプロピレン系樹脂(Z)のメルトフローレート(MFR)は、1.0〜100g/10分の範囲であることが必要であり、好ましくは1.0〜20g/10分、更に好ましくは1.0〜15g/10分、特に好ましくは1.5〜10g/10分である。当該MFRが1.0g/10分以上であると、流動性が良好となり、発泡線条成形時の押出機の負荷が低減でき、一方、当該MFRが100g/10分以下であると、発泡線条成形時の表面の気泡膜の破れを防ぐことが出来る。
なお、本発明において、ポリプロピレン系樹脂(Z)のMFRは、JIS K7210:1999「プラスチック―熱可塑性プラスチックのメルトマスフローレイト(MFR)およびメルトボリュームフローレイト(MVR)の試験方法」のA法、条件M(230℃、2.16kg荷重)に準拠して測定され、単位はg/10分である。
(1−2)特性(z2):溶融張力(MT)
更に、本発明で使用するポリプロピレン系樹脂(Z)は、溶融張力(MT)とMFRが以下の関係式(b):
log(MT)≧−0.9×log(MFR)+0.7
又は 式(b)
MT≧15
として記載されているうちのいずれかの式を満たすことを必要とする。
ここで、MTは、(株)東洋精機製作所製キャピログラフ1Bを用いて、キャピラリー:直径2.0mm、長さ40mm、シリンダー径:9.55mm、シリンダー押出速度:20mm/分、引き取り速度:4.0m/分、温度:230℃の条件で、測定したときの溶融張力を表し、単位はグラムである。ただし、ポリプロピレン系樹脂(A)のMTが極めて高い場合には、引き取り速度4.0m/分では、樹脂が破断してしまう場合があり、このような場合には、引き取り速度を下げ、引き取りのできる最高の速度における張力をMTとする。また、MFRの測定条件、単位は、前述の通りである。
この規定は、ポリプロピレン系樹脂(Z)を含んでなる上記発泡線条成形時の線条表面の気泡膜の破れを防ぐために充分な溶融張力を有するための指標であり、一般に、MTは、MFRと相関を有していることから、MFRとの関係式によって記述している。
このように溶融張力MTをMFRとの関係式で規定する手法は、当業者にとって通常の手法であって、例えば、特開2003−25425号公報には、高溶融張力を有するポリプロピレンの定義として、以下の関係式が提案されている。
log(MS)>−0.61×log(MFR)+0.82
(ここで、MSは、MTと同義である。)
また、特開2003−64193号公報には、高溶融張力を有するポリプロピレンの定義として、以下の関係式が提案されている。
11.32×MFR−0.7854≦MT
更に、特開2003−94504号公報には、高溶融張力を有するポリプロピレンの定義として、以下の関係式が提案されている。
MT≧7.52×MFR−0.576
本発明においては、ポリプロピレン系樹脂(Z)が、関係式:
log(MT)≧−0.9×log(MFR)+0.7 又は MT≧15
のいずれかを満たせば、充分に溶融張力の高い樹脂といえ、結晶化が遅い軟質ポリプロピレン系樹脂組成物からなる線条を成形する際、線条の表面の気泡膜の破れを防ぎ、線条表面に過度の凹凸を生じさせないといった、軟質ポリプロピレン系樹脂組成物からなる発泡線条の成形に好適である。
また、ポリプロピレン系樹脂(Z)は、以下の関係式:
log(MT)≧−0.9×log(MFR)+0.9 又は MT≧15
を満たすことがより好ましく、以下の関係式を満たすことが更に好ましい。
log(MT)≧−0.9×log(MFR)+1.1 又は MT≧15
MTの上限値については、これを特に設ける必要はないが、MTが40g以下であると、上記測定手法における測定に適した引き取り速度を示し、このような場合は、樹脂の延展性にも優れていると考えられる。そのため、MTは好ましくは40g以下、更に好ましくは35g以下、最も好ましくは30g以下である。
(1−3)ポリプロピレン系樹脂(Z)のその他の特性
本発明に用いるポリプロピレン系樹脂(Z)の融点は、110〜170℃であることが好ましく、より好ましくは115℃以上、更に好ましくは120℃以上であり、また、より好ましくは165℃以下、更に好ましくは160℃以下である。融点が110℃以上の場合には、気泡形成時に冷却固化が遅くなり過ぎることがなく、線条の表面の気泡膜の破れを回避することができる。また融点が170℃以下であれば、製造が容易である。
なお、融点は、示差走査熱量測定(DSC)を用い、一旦200℃まで温度を上げて熱履歴を消去した後、10℃/分の降温速度で40℃まで温度を降下させ、再び昇温速度10℃/分にて測定した際の、吸熱ピークトップの温度とする。尚、測定試料は通常5mg〜10mg程度が使用され、この範囲であると熱の追随性がよい。
本発明に用いるポリプロピレン系樹脂(Z)は、上記特性(z1)および(z2)を満たせばよく、プロピレンを主体とする重合体から得られるものであればよい。プロピレンを主体とする重合体とは、重合体を構成する単量体の50モル%以上がプロピレンであるものを言い、例えばプロピレン単独重合体、プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体、プロピレン−α−オレフィンブロック共重合体またはそれらの混合物が例示される。
また、本発明に用いるポリプロピレン系樹脂(Z)は、上述の通り、溶融張力が高いという特徴を有している。そのような特徴を有するポリプロピレン系樹脂としては、分岐構造を有するものが知られている。分岐構造を有するものとして、重合工程で分岐を生じさせるものや、重合工程の後に電子線や有機過酸化物を用いた架橋により分岐を生じさせるものが知られており、いずれも特に制限なく使用することが出来る。しかし、架橋タイプのものは線条成形時にゲルが発生しやすいという問題があるため、重合工程で分岐を生じさせるものがより好ましい。重合工程で分岐させるものとしては、例えば特開2014−132068号公報に開示されたものが挙げられるが、これに限定されるものではない。
2.ポリプロピレン系樹脂組成物(X)
ポリプロピレン系樹脂組成物(X)は、以下で説明する特性(x1)〜(x4)を満たすものである。
(2−1)特性(x1):メルトフローレート(MFR:230℃、2.16kg荷重)
MFRは1.0〜100g/10分であり、好ましくは2.0〜50g/10分、より好ましくは5.0〜30g/10分、更に好ましくは10〜30g/10分である。
ここで、MFRは、JIS K7210:1999のA法、条件M(230℃、2.16kg荷重)に準拠して測定されるものである。
MFRが1.0g/10分以上であれば、成形時の負荷が小さく、線条の成形自体が容易である。一方、MFRが100g/10分以下であれば、成形の安定性が損なわれにくくなる。
(2−2)特性(x2):融解ピーク温度(Tm)
Tmは121〜170℃であり、好ましくは125〜170℃、より好ましくは130〜170℃、更に好ましくは135〜170℃である。
融解ピーク温度が121℃以上であれば、本発明のポリプロピレン系発泡線条が、高温下、好ましくは121℃以上の環境下で形状を保持できるだけの耐熱性を発現しやすくなる。一方、融解ピーク温度が170℃以下であれば、製造が容易である。
(2−3)特性(x3):曲げ弾性率(単位:MPa)
本発明に用いられるポリプロピレン系樹脂組成物(X)の曲げ弾性率は10〜500MPaであり、好ましくは40〜400MPa、より好ましくは40〜200MPa、更に好ましくは50〜150MPaである。
曲げ弾性率が10MPa以上であれば、本発明のポリプロピレン系発泡線条から得られる構造体が形状を保持できるだけの剛性を有する。また、曲げ弾性率が500MPa以下であれば、本発明のポリプロピレン系発泡線条が好ましい柔軟性を有する。
曲げ弾性率は、成分(A)と成分(B)の組成、配合比や下記その他の成分の配合量などを適宜選択することにより、所望の値に調整することができる。
また、柔軟性の指標としては曲げ弾性率の他にも例えば引張弾性率やD硬度、A硬度等が挙げられ、例えばJIS K7161により測定される引張弾性率では10〜500MPa、JIS K7215により測定されるD硬度では20〜60程度のものも好ましい。
(2−4)特性(x4):溶融張力(MT)
本発明で使用するポリプロピレン系樹脂組成物(X)は、溶融張力(MT)とMFRが以下の関係式(a):
log(MT)<−0.9×log(MFR)+0.7 且つ MT<15 式(a)
を満たす。
ここで、MTおよびMFRの測定条件、単位は、前述の通りである。
この規定は、ポリプロピレン系樹脂組成物(X)を含んでなる上記発泡線条成形時の成形性に与える重要な特性である。前記特性(x4)を満たす場合、ポリプロピレン系樹脂組成物(X)とポリプロピレン系樹脂(Z)からなるポリプロピレン系樹脂組成物(G)の溶融張力が高くなり過ぎることはなく、線条形成時に配向が強くかかりすぎないため、線条の柔軟性が損なわれにくくなり、後述の押出成形により得られる複数のストランドからなる連続線条体を三次元ランダムループ状に曲がりくねらせることが容易になる。
(2−5)ポリプロピレン系樹脂組成物(X)の形態
本発明で用いられるポリプロピレン系樹脂組成物(X)は、上記特性(x1)〜(x4)を満たし、かつ下記成分(A)1〜99重量%と下記成分(B)1〜99重量%(但し、成分(A)と成分(B)の合計を100重量%とする)からなる。
成分(A):下記(a1)〜(a2)を満足する1種類または2種類以上のプロピレン単独重合体および/又はプロピレン−α−オレフィン共重合体。
(a1)融解ピーク温度(Tm)が121〜170℃であること。
(a2)メルトフローレート(MFR:230℃、2.16kg荷重)が0.1〜500g/10分であること。
成分(B):下記(b1)を満足する少なくとも1種類のプロピレン−α−オレフィン共重合体。
(b1)プロピレン51〜90重量%、エチレン及び/又は炭素数4〜10のα−オレフィン10〜49重量%からなること。
[成分(A)または(A’)]
本発明で使用する成分(A)または(A’)は、上記特性(a1)、(a2)を満足する。
上記各特性などについて、以下、具体的に説明する。なお、成分(A’)は、下記に説明するポリプロピレン系樹脂組成物(X’)に由来する。
特性(a1):融解ピーク温度(Tm)
本発明に使用する成分(A)または(A’)の融解ピーク温度(Tm)は、121〜170℃である。好ましくは125℃〜170℃、より好ましくは130℃〜170℃、更に好ましくは135℃〜170℃である。
成分(A)または(A’)は、1種類または2種類以上のプロピレン単独重合体および/又はプロピレン−α−オレフィン共重合体からなり、2種類以上の成分からなる場合、2種類以上の成分のブレンド物として、融解ピーク温度が121℃〜170℃であればよい。
成分(A)または(A’)が2種類以上の組み合わせの例としては、2種類以上のプロピレン単独重合体からなる場合や、2種類以上のプロピレン−α−オレフィン共重合体からなる場合、各々1種類以上のプロピレン単独重合体とプロピレン−α−オレフィン共重合体からなる場合が挙げられる。
融解ピーク温度が121℃以上であれば、本発明の樹脂組成物から得られる構造体が121℃以上の環境下で形状が保持できるだけの耐熱性を発現しやすくなる。一方、融解ピーク温度が170℃以下であるものは、入手が容易である。
特性(a2):メルトフローレート(MFR:230℃、2.16kg荷重)
本発明に使用する成分(A)または(A’)のメルトフローレート(MFR)は、0.1〜500g/10分であり、好ましくは1.0〜500g/10分であり、より好ましくは5.0〜200g/10分、更に好ましくは5.0〜100g/10分である。
成分(A)または(A’)は、1種類または2種類以上のプロピレン単独重合体および/又はプロピレン−α−オレフィン共重合体からなり、2種類以上の成分からなる場合、2種類以上の成分のブレンド物として、MFRが0.1〜500g/10分であればよい。
ここで、MFRは、JIS K7210:1999のA法、条件M(230℃、2.16kg荷重)に準拠して測定されるものである。
MFRが0.1g/10分以上であれば、本発明のポリプロピレン系樹脂組成物(X)のMFRを1.0g/10分以上にすることが容易となり、成形時の負荷が小さく、線条の成形自体が容易である。一方、MFRが500g/10分以下であれば、本発明のポリプロピレン系樹脂組成物(X)のMFRを100g/10分以下にすることが容易になり、成形の安定性が損なわれにくくなる。
その他の特性:
本発明に用いられる成分(A)または(A’)は、上記特性(a1)および(a2)を満足すればよく、例えばプロピレン単独重合体またはプロピレン−α−オレフィン共重合体が挙げられる。成分(A)または(A’)として、プロピレン−α−オレフィン共重合体を用いる場合、成分(A)または(A’)は、プロピレン含有量が90重量%より多く、100重量%未満、α−オレフィン含有量が0重量%より多く、10重量%未満であることがより好ましい。
成分(A)または(A’)としてプロピレン−α−オレフィン共重合体を用いる場合、α−オレフィンとしては、エチレンおよび/又は1−ブテンであることが好ましい。
成分(A)の製造方法は、特に限定されず、市販のプロピレン単独重合体、プロピレン−α−オレフィン共重合体から、適宜選択することができる。具体的には、日本ポリプロ(株)製商品名「ノバテックPP」や、商品名「ウィンテック」が挙げられる。
[成分(B)または(B’)]
本発明で使用する成分(B)または(B’)は、上記特性(b1)を満足する1種類または2種類以上のプロピレン−α−オレフィン共重合体からなるものである。
上記特性などについて、以下、具体的に説明する。なお、成分(B’)は、下記に説明するポリプロピレン系樹脂組成物(X’)に由来する。
特性(b1):プロピレンとα−オレフィンの含有量
本発明に用いられる成分(B)または(B’)は、プロピレン51〜90重量%、エチレン及び/又は炭素数4〜10のα−オレフィン10〜49重量%からなる。
プロピレン含有量が51重量%以上であれば、成分(A)または(A’)との相溶性が良好で、変形時に界面が破壊されにくくなるため、本発明の発泡線条の変形回復性が低下しにくくなる。一方、プロピレン含有量が90重量%以下であれば、成分(B)または(B’)が変形時に塑性変形を起こしにくくなるため、本発明の発泡線条の変形回復性が低下しにくくなる。
プロピレン含有量の好ましい範囲は、60重量%以上90重量%以下であり、より好ましくは70重量%以上90重量%以下であり、更に好ましくは80重量%以上90重量%以下、特に好ましくは83重量%以上90重量%以下である。
その他の特性:
本発明に用いられる成分(B)または(B’)は、上記特性(b1)を満足すればよいが、α−オレフィンとしては、エチレンおよび/又は1−ブテンであることが好ましい。
成分(B)の製造方法は、特に限定されず、市販のプロピレン−α−オレフィン共重合体から、適宜選択することができる。具体的には、エクソンモービル社製商品名「Vistamaxx」や、ダウケミカル社製商品名「Versify」や、三井化学社製商品名「タフマーPN」や「ノティオSN」や「タフマーXM」、住友化学社製商品名「タフセレン」等が挙げられる。
[成分(A)と成分(B)からなるポリプロピレン系樹脂組成物(X)]
本発明で使用される成分(A)と成分(B)からなるポリプロピレン系樹脂組成物(X)は、上記成分(A)および/又は(A’)1〜99重量%と下記成分(B)および/又は(B’)1〜99重量%からなる。但し、成分(A)および/又は(A’)と、成分(B)および/又は(B’)の合計を100重量%とする。また、成分(A’)および(B’)は、下記に説明するポリプロピレン系樹脂組成物(X’)に由来する。
成分(A)および/又は(A’)が1重量%以上であると、本発明の発泡線条が高温下、好ましくは121℃以上の環境下で形状が保持できるだけの耐熱性を発現することが容易になる。一方、成分(A)および/又は(A’)が99重量%以下であると、変形時に塑性変形を起こしにくくなるため、本発明の発泡線条の変形回復性が低下しにくくなる。
ポリプロピレン系樹脂組成物(X)および/又は(X’)に占める成分(A)および/又は(A’)のより好ましい範囲は、1〜70重量%であり、更に好ましくは10〜60重量%、特に好ましくは20〜50重量%である。
[ポリプロピレン系樹脂組成物(X’)]
ポリプロピレン系樹脂組成物(X)の一部または全部に、前記(a1)および(a2)を満足する成分(A’)1〜99重量%と、前記(b1)を満足する成分(B’)1〜99重量%(但し、(A’)と(B’)の合計量を100重量%とする)を逐次重合して得られるポリプロピレン系樹脂組成物(X’)を用いることができる。
ポリプロピレン系樹脂組成物(X’)の製造方法は、特に限定されないが、例えば、特開2005−132979号公報に記載の方法を用いることができ、ここで言及したことで、同公報の全内容が本明細書に取り込まれたものとする。
ポリプロピレン系樹脂組成物(X’)を製造する触媒は、特に限定されないが、ポリプロピレン系樹脂組成物(X’)やポリプロピレン系樹脂組成物(G)、更にはポリプロピレン系樹脂組成物(G)と発泡剤(Y)から製造されるポリプロピレン系発泡線条のベタツキを抑制しやすくなるため、メタロセン触媒を用いることが好ましい。
ポリプロピレン系樹脂組成物(X’)は、市販品より適宜選択してもよく、市販品の例としては、日本ポリプロ(株)製商品名「ニューコン」、商品名「ウェルネクス」等が挙げられる。
3.ポリプロピレン系樹脂組成物(G)
本発明で用いられるポリプロピレン系樹脂組成物(G)は、上記ポリプロピレン系樹脂組成物(X)1〜99重量%と、上記ポリプロピレン系樹脂(Z)1〜99重量%、好ましくは1〜70重量%、より好ましくは2〜50重量%、更に好ましくは5〜50重量%を含有する。
ポリプロピレン系樹脂組成物(X)が1重量%以上、すなわちポリプロピレン系樹脂(Z)が99重量%以下の場合、ポリプロピレン系樹脂組成物(X)とポリプロピレン系樹脂(Z)を含有するポリプロピレン系樹脂組成物(G)の発泡特性以外の物性調整の自由度が高くなる。具体的には柔軟性が良好である。
ポリプロピレン系樹脂組成物(X)が99重量%以下、すなわちポリプロピレン系樹脂(Z)が1重量%以上である場合、ポリプロピレン系樹脂組成物(X)とポリプロピレン系樹脂(Z)を含有するポリプロピレン系樹脂組成物(G)が充分な溶融張力を有することが出来、発泡線条成形時の線条表面の気泡膜の破れを防ぐことが容易になる。
本発明の効果を損なわない限り、ポリプロピレン系樹脂組成物(G)にはポリプロピレン系樹脂(Z)とポリプロピレン系樹脂組成物(X)以外の樹脂成分を配合することが出来る。
その他の樹脂成分は、本発明の効果を妨げない限り、添加量に特に制限はないが、通常、ポリプロピレン系樹脂組成物(X)100重量部に対して、100重量部以下である。
ポリプロピレン系樹脂(Z)とポリプロピレン系樹脂組成物(X)以外の成分としては、特に限定されないが、エチレン−α−オレフィン共重合体、例えば、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン系エラストマーやエチレン−酢酸ビニル共重合体などで代表されるポリエチレン系樹脂や、1−ブテン単独重合体、1−ブテン−プロピレン共重合体、1−ブテン−エチレン共重合体等のポリオレフィンを挙げることができる。また、石油樹脂、テルペン樹脂、ロジン系樹脂、クマロンインデン樹脂、およびそれらの水素添加誘導体等に代表される脂環式炭化水素樹脂や、例えば三井化学社製商品名「アペル」やポリプラスチックス社製商品名「TOPAS」や日本ゼオン社製商品名「ゼオノア」、「ゼオネックス」に代表される環状オレフィン(共)重合体などを添加してもよい。
更に、スチレン系エラストマーを加えることができ、スチレン系エラストマーとしては、市販されているものの中から、適宜選択して使用することもでき、例えば、スチレン−ブタジエンブロック共重合体の水素添加物としてクレイトンポリマージャパン(株)より「クレイトンG」として、また、旭化成ケミカルズ社より「タフテック」の商品名で、スチレン−イソプレンブロック共重合体の水素添加物として(株)クラレより「セプトン」の商品名で、スチレン−ビニル化ポリイソプレンブロック共重合体の水素添加物として(株)クラレより「ハイブラー」の商品名で、スチレン−ブタジエンランダム共重合体の水素添加物としてJSR(株)より「ダイナロン」の商品名で販売されており、これらの商品群より、適宜、選択して用いてもよい。また、所望の性状に応じて単独または複数種組み合わせて配合することが出来る。
その他、本発明に用いるポリプロピレン系樹脂組成物(G)には、本発明の効果を妨げない限り、ポリプロピレン系樹脂に添加できる酸化防止剤などの添加剤を、適宜配合することができる。
具体的には、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(BHT)、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン(BASFジャパン社製商品名「IRGANOX 1010」)やn−オクタデシル−3−(4’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネート(BASFジャパン社製商品名「IRGANOX 1076」)で代表されるフェノール系安定剤、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイトやトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイトなどで代表されるホスファイト系安定剤、オレイン酸アミドやエルカ酸アミド等の高級脂肪酸アミドや高級脂肪酸エステルやシリコーンオイルで代表される滑剤、炭素原子数8〜22の脂肪酸のグリセリンエステルやソルビタン酸エステル、ポリエチレングリコールエステルなどで代表される帯電防止剤、ソルビトール系造核剤(例えば、新日本理化社製商品名「ゲルオールMD」)、芳香族燐酸エステル類(例えば、ADEKA社製商品名「NA−21」や「NA−11」)、ミリケン社製商標名「Millad」シリーズ、ミリケン社製商標名「Hyperform」シリーズ、タルク、高密度ポリエチレンなどで代表される造核剤、シリカ、炭酸カルシウム、タルクなどで代表されるブロッキング防止剤や有機過酸化物などで代表される分子量調整剤や架橋助剤、ステアリン酸カルシウムなどの高級脂肪酸金属塩やハイドロタルサイト類に代表される中和剤、光安定剤、紫外線吸収剤、金属不活性剤、過酸化物、充填剤、抗菌防黴剤、蛍光増白剤、防曇剤、着色剤、顔料、天然油、合成油、ワックス、更には用途に応じて有機系、無機系の難燃剤などを、添加してもよく、それらの配合量は、適宜量である。
有機系難燃剤としては、臭素系難燃剤やリン系難燃剤などが挙げられ、必要に応じて、三酸化アンチモンなどの難燃助剤を併用することが好ましい。例えば、臭素系難燃剤の配合量は、所望の難燃性能に応じて、適宜調整すればよいが、本発明のポリプロピレン系樹脂組成物(G)100重量部中に0.1〜10重量部配合し、また、難燃助剤は、臭素系難燃剤の1/4〜1/2量程度、配合することを例示できる。更に、リン系難燃剤の配合量は、所望の難燃性能に応じて、適宜調整すればよいが、本発明のポリプロピレン系樹脂組成物(G)100重量部中に1〜30重量部程度、配合することを例示できる。
抗菌剤、制菌剤としては、東亞合成社製商品名「ノバロン」やシナネンゼオミック社製商標名「ゼオミック」や富士ケミカル社製商品名「バクテキラー」や石塚硝子社製商品名「イオンピュア」で例示される銀系抗菌剤、ADEKA社製商品名「ロイヤルガード」や三菱化学フーズ社製商品名「ワサオーロ」で例示される有機系抗菌剤が挙げられるが、効果の持続性の観点から、銀系抗菌剤の使用が好ましい。抗菌剤、制菌剤の配合量は、所望の抗菌、制菌性能に応じて、適宜調整すればよいが、本発明のポリプロピレン系樹脂組成物(G)100重量部中に0.1〜10重量部程度、配合することを例示できる
[ポリプロピレン系樹脂組成物(G)の製造方法]
本発明で用いるポリプロピレン系樹脂組成物(G)は、上述のポリプロピレン系樹脂組成物(X)とポリプロピレン系樹脂(Z)と、必要に応じて、他の添加剤、ポリマー成分をヘンシェルミキサー(商品名)、Vブレンダー、リボンブレンダー、タンブラーブレンダー等で混合し、得ることができる。更に必要に応じて、前記混合工程の後、単軸押出機、多軸押出機、ニーダー、バンバリミキサー等の混練機により溶融混練する方法により得ることもできる。
また、各成分は同時に混合および/又は溶融混練してもよいし、一部をマスターバッチとした上で、混合および/又は溶融混練してもよい。
4.発泡剤(Y)
本発明で用いる発泡剤(Y)は、熱分解型化学発泡剤であり、公知のものの中から適宜選定することでき、無機化合物、有機化合物の何れの熱分解型化学発泡剤でもよい。
熱分解型化学発泡剤の具体例としては、重炭酸ソーダとクエン酸などの有機酸の混合物、アゾジカルボンアミド、アゾジカルボン酸バリウムなどのアゾ系発泡剤、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、N,N’−ジメチル−N,N’−ジニトロソテレフタルアミドなどのニトロソ系発泡剤、p,p’−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド、p−トルエンスルホニルセミカルバジドなどのスルホヒドラジド系発泡剤、トリヒドラジノトリアジンなどが挙げられる。
発泡剤(Y)は、発泡線条成形時にポリプロピレン系樹脂組成物(G)に直接添加してもよいが、作業性の面からあらかじめ熱可塑性樹脂に練りこまれたマスターバッチを発泡線条成形時にポリプロピレン系樹脂組成物(G)とブレンドして用いることが好ましい。
このようなマスターバッチの市販品の例としては、クラリアントジャパン(株)製ハイドロセロールシリーズや、永和化成工業(株)製ポリスレンシリーズが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
発泡剤の配合量は、所望の気泡形態を形成させる観点から、ポリプロピレン系樹脂組成物(G)中の樹脂成分100重量部に対し、0重量部を超え5重量部以下、好ましくは0.05〜5重量部の範囲であり、より好ましくは0.5〜5.0重量部、更に好ましくは0.5〜3.0重量部、特に好ましくは1.0〜3.0重量部である。発泡剤の配合量が上述の範囲であれば、軽量且つ発泡線条表面の気泡に破れが生じにくくなる。
5.発泡線条の成形
本発明の発泡線条の成形方法は、ポリプロピレン系樹脂組成物(G)と発泡剤(Y)の混合物を押出機などを用いて溶融押出し、ダイに設けられた孔から押出して発泡線条を得るものである。好ましい形態としては、ダイに設けられた孔から押出された発泡線条が、ダイの下に設けられた水槽の水面に到達し、冷却固化されるものである。より好ましい形態としては、ダイに設けられた複数の穴から自由落下により発泡線条を押出し、ダイの下に設けられた水槽の水面に到達させ、落下速度より遅い速度で引取り、水面に到達した時点でループ状の形態をとらせ、同時に熱接着、冷却固化させ、複数の発泡線条よりなる三次元の網目状構造を取らせることが挙げられる。
(5−1)ポリプロピレン系樹脂組成物(G)と発泡剤(Y)の混合
ポリプロピレン系樹脂組成物(G)と発泡剤(Y)の混合方法は特に制限なく公知の方法を用いることが出来る。例えば、ポリプロピレン系樹脂組成物(G)と発泡剤(Y)をヘンシェルミキサー(商品名)、Vブレンダー、リボンブレンダー、タンブラーブレンダー等で混合したり、定量フィーダー等を用いて押出機への投入直前に所定量を混合しても良い。
また、ポリプロピレン系樹脂組成物(G)を構成するポリプロピレン系樹脂組成物(X)、ポリプロピレン系樹脂(Z)および必要に応じて配合される添加剤成分や他の樹脂成分の全部または一部と同時に発泡剤(Y)を混合することも出来る。
(5−2)溶融押出
ポリプロピレン系樹脂組成物(G)と発泡剤(Y)の混合物の溶融押出は、公知のいかなる方法を用いることが出来る。
例えば、押出機として、公知の単軸押出機や二軸押出機などの各種押出機を用いることが出来るが、発泡剤(Y)を確実に分解させ、尚且つダイから出るときの樹脂温度を所望の温度に制御させる観点から、スクリュー長さLとスクリュー径Dの比(L/D)が大きいものを選択することが好ましい。具体的には、L/Dが20以上、好ましくは24以上、より好ましくは28以上、更に好ましくは32以上である。または、タンデム式、具体的には2台の押出機を直列につないだものを用いることも出来る。
溶融押出時の温度設定は、ポリプロピレン系樹脂組成物(G)の融点および発泡剤(Y)の分解温度を超える温度にする必要がある。押出機の温度制御を複数の区画に分けて設定できる場合は、少なくとも一つの区画でポリプロピレン系樹脂組成物(G)の融点および発泡剤(Y)の分解温度を超える温度にする必要がある。具体的には、少なくとも一つの区画においてポリプロピレン系樹脂組成物(G)の融点より5℃以上、好ましくは10℃以上高く設定し、発泡剤(Y)の分解温度より10℃以上、好ましくは20℃以上、より好ましくは30℃以上、更に好ましくは40℃以上、特に好ましくは50℃以上高く設定する。ポリプロピレン系樹脂組成物(G)の融点より5℃以上高く温度を設定することにより、ポリプロピレン系樹脂組成物(G)を構成する各成分や発泡剤(Y)が均一に混ざりやすくなり、発泡剤(Y)の分解温度より10℃以上高く設定することにより、発泡剤(Y)がより確実に分解しやすくなる。他の区画においては必ずしも上記温度設定にこだわる必要は無いが、ポリプロピレン系樹脂組成物(G)の融点よりも5℃以上高く設定することが好ましい。
(5−3)ダイ及び孔
溶融押出されたポリプロピレン系樹脂組成物(G)と発泡剤(Y)の混合物はダイ(溶融樹脂を押出機系外に放出する構造を有する機構の総称)に設けられた孔(ノズルやオリフィスと称する場合もある)から押出される。
ダイの構造には特に制約は無く、公知のものを含めいかなる構造のものを用いても良いが、大気中に溶融樹脂が放出される前に発泡するのを防ぐため、樹脂圧力が下がりにくい構造のものが好ましい。
ダイに設けられる孔の形状には特に制限が無いが、例えば真円状、楕円状、三角形、四角形、星型、Y型等が挙げられ、更にはそれらを中実、中空にしたものが挙げられる。
ダイに設けられる孔の数は一つであっても複数であっても良く、得られる線条の用途によって適宜選択すればよい。孔を複数設ける場合は例えば特開2013−040437号公報等に例示されているものを用いる方法が挙げられるが、これらの限りではない。
(5−4)発泡線条の形成
ダイに設けられた孔から押出されたポリプロピレン系樹脂組成物(G)と発泡剤(Y)の混合物は、発泡線条を形成する。発泡線条は、空気中で冷却固化させることも出来るが、過度の気泡の成長による線条表面の気泡膜の破れを防ぐため、ダイの下に設けられた水槽に落下させ、水などの冷媒にて冷却固化させることが好ましい。好ましい形態の詳細は上述のとおりである。
発泡線条の冷却用冷媒は、コスト面で水であることが好ましく、また、その温度は、樹脂組成物の融点より低ければ良いが、10℃〜100℃の範囲であることが好ましい。
(5−5)ポリプロピレン系発泡線条
本発明のポリプロピレン系発泡線条は、柔軟かつ軽量で、高温下での変形回復性に優れ、且つ高温下、好ましくは121℃以上の環境下でも形状が保持できる耐熱性を有する。
本発明のポリプロピレン系発泡線条は、以下の特性(I)及び2を満たすものである。
特性(I):比重
比重は0.85未満であり、好ましくは0.80以下、より好ましくは0.70以下である。比重が0.85未満であれば十分な軽量化効果がある。比重の下限は0.10以上、好ましくは0.2以上、更に好ましくは0.3以上である。比重を無理に小さくすると線条表面の気泡膜に破れが生じやすくなるため、過度に比重を小さくすることは好ましくない。
発泡倍率の観点でいえば、発泡倍率は1.1倍以上であることが望ましい。発泡倍率が1.1倍以上であれば、無発泡のものに比べて10%以上の軽量化効果が期待できるためである。発泡倍率の上限は特にないが、通常は10倍以内、好ましくは5倍以内、更に好ましくは3倍以内である。発泡倍率を無理に高くすると線条表面の気泡膜に破れが生じやすくなるため、過度に発泡倍率を上昇させることは好ましくない。
特性(II):真円換算の平均線径
本発明の発泡線条の真円換算の平均線径は0.1〜5.0mm、好ましくは0.3〜4.0mm、より好ましくは0.5〜3.0mm特に好ましくは0.5〜2.5mmである。真円換算の平均線径が0.1〜5.0mmの範囲であれば、柔軟性と変形回復性を併せ持った線条となる。
ここで真円換算の平均線径とは、線条の断面が真円であると仮定した場合の断面積から求められる直径を意味する。具体的な算出方法は後述のとおりである。
発泡線条は、目的に応じて構造体を形成させて用いることが出来る。発泡線条からなる構造体の形状、成形方法、用途は、特に制限はないが、継続した負荷により継続して変形せしめられた後、負荷を除去した際に、変形回復性が求められる用途に好適に用いられる。
例えば、緩衝用のバネに類する用途に適用する場合や、クッション、マットレス等の支持体に適用する場合等が挙げられる。
好適な適用形態の例としては、押出成形により得られる複数のストランドからなる連続線状体を三次元ランダムループ状に曲がりくねらせて、複数のループの接触部の少なくとも一部が融着してなる立体網目状構造を有する網状構造体などが挙げられる。
前記網状構造体は、例えば、ベッド等の寝具、家庭用や車両・船舶・航空機用座席等のクッション材として用いられる場合があり、これらの用途では、長時間にわたり、人が横たわったり、座ったりするため、継続した負荷により継続して変形せしめられる。しかも、負荷を除去した後に、再びクッション材として使用するには、変形が実用上問題ない程度まで回復する必要がある。
更には、自動車のクッションや緩衝部品、暖房機能付与のベッド用クッションなどでは、高温下(例えば70℃)で負荷がかかるケースがあるため、高温下での変形回復性も求められる。
また、近年、病院などではクッション自体の軽量化のみならず洗浄、場合によっては滅菌処理を行うニーズがあり、高温下、好ましくは121℃以上の蒸気滅菌処理への耐性が求められており、本発明の製造方法により製造されたポリプロピレン系発泡線条を適用する用途としては、特に好適な形態であるといえる。
上記以外にも、例えば、排水性向上、通気性向上や土砂等の保持を目的に地面に埋設したり、敷設する土木資材用途、建築資材用途や、産業資材用途などにも、本発明の製造方法により得られる発泡線条を用いた構造体は、好適に用いることができる。これらの用途においては、例えば、日中屋外で高温環境下になり、尚且つ人、車両、動物などの荷重により変形が付与されることが想定されるが、本発明の製造方法により得られる発泡線条を用いた構造体を用いることにより、軽量であるばかりでなく、元の形状に容易に復元することが期待される。更には、高温下、好ましくは121℃以上での形状保持性に優れるため、スチーム洗浄機での洗浄にも、適応できる。
前記網状構造体の製造方法としては、公知の方法を適宜採用すればよく、例えば、特開2013−040437号公報や、特開平7−173753号公報、特許第5459438号公報、特許第5459436号公報、特許第5454733号公報に記載の方法が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、高温下での負荷がかかる用途に適用する場合には、構造体の形状を保持できる温度以下、好ましくは想定される使用条件温度以上、構造体の形状を保持できる温度以下で、成形された構造体を10秒乃至1日程度状態調整を行うと、高温下での変形回復性がより向上しやすいので好ましい。
本発明の製造方法により得られる構造体の場合は、例えば40℃、50℃、60℃、70℃、80℃、90℃、100℃、110℃、120℃、130℃、140℃、150℃、160℃といった温度条件が例示できる。
また、前記発泡線条を緩衝用のバネに類する用途に適用する場合や、クッション等の支持体に適用する場合、更には、前記網状構造体をクッション材用途に適用する場合の何れのケースでも、継続した負荷により、継続して変形せしめられる線条の変形形態は、曲げ変形になる。
例えば、前記網状構造体の場合、一見変形形態は、圧縮変形とみられがちだが、網状構造体を構成する各々の線条に着目すれば、変形形態は、曲げ変形である。
したがって、継続した負荷により継続して曲げ変形を行い、その後、負荷を除去した際の変形回復性を評価することにより、前述の例に挙げた各種構造体の変形回復性を十分類推することができる。
以下、本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではない。
なお、実施例および比較例において使用したポリプロピレン系樹脂組成物とその構成成分、発泡線条の諸物性は、下記の評価方法に従って、測定、評価した。
[各ポリプロピレン系樹脂の物性]
(1)メルトフローレート(MFR、単位:g/10分):
JIS K7210:1999のA法、条件M(230℃、2.16kg荷重)に準拠して測定した。
(2)融解ピーク温度(融点)(Tm、単位:℃):
ティー・エイ・インスツルメント社製商品名Q2000型示差走査熱量計(DSC)を用い、一旦200℃まで温度を上げて、熱履歴を消去した後、10℃/分の降温速度で40℃まで温度を降下させ、再び昇温速度10℃/分にて測定した際の、吸熱ピークトップの温度を融解ピーク温度(融点)(Tm)とした。尚、測定試料は5mg用いた。
(3)溶融張力MT(単位:グラム):
(株)東洋精機製作所製キャピログラフを用いて、以下の条件で測定した。
・キャピラリー:直径2.0mm、長さ40mm
・シリンダー径:9.55mm
・シリンダー押出速度:20mm/分
・引き取り速度:4.0m/分
・温度:230℃
MTが極めて高い場合には、引き取り速度4.0m/分では、樹脂が破断してしまう場合があり、このような場合には、引取り速度を下げ、引き取りのできる最高の速度における張力をMTとする。
(4)α−オレフィン含有量(単位:重量%)
市販のプロピレン−α−オレフィン共重合体成分(B)については、メーカーより公表されているカタログ記載の値を用いた。
ポリプロピレン系樹脂組成物(X’)中の成分(A’)および(B’)については、前述した特開2005−132979号公報に記載の方法にて、測定した。
尚、成分(A’)および(B’)は、特開2005−132979号公報に記載の成分(A)および(B)に各々対応する。
(5)ポリプロピレン系樹脂組成物(X’)中の成分(A’)および(B’)の含有量(単位:重量%)
前述した特開2005−132979号公報に記載の方法にて測定した。
尚、成分(A’)および(B’)は、特開2005−132979号公報に記載の成分(A)および(B)に各々対応する。
(6)曲げ弾性率(単位:MPa)
射出成形品の曲げ弾性率をJIS K7171に準拠して測定した。
[発泡線条の評価]
(7)比重(単位:無単位)
比重は23℃に調整した恒温室内にてアルファーミラージュ株式会社製電子比重計MD−300S型を用い、水中置換法によって求めた。
また、無発泡の線条の比重と得られた発泡線条の比重との比を発泡倍率とした。
(8)真円換算の平均線径(単位:mm)
得られた線条10m当たりの重量を測定し、その重量を線条長さ(10m)と比重で除すことにより線条の平均断面積(mm)を算出した。線条を真円と仮定した際の直径(mm)を平均線径とした。尚、平均線径の算出においては、比重を密度(g/cm)と読み替えた。
(9)残留歪(単位:%)
(i)試料の調製
後述の実施例、比較例にて得られた線条を、23℃、50%相対湿度の条件下、48時間以上状態調整を行った後、更にギヤオーブンにて80℃30分の条件で状態調整を行い、更に23℃、50%相対湿度の条件下48時間以上状態調整を行った後、鋭利なハサミにて切り出し、長さ140mmの線条とし、下記試験に供した。
(ii)定変位曲げ試験
長さ220mm、幅150mm、厚さ3mmのガラス板を2枚、100mmの間隔をあけて作業台上に平行に配置した。
前述の方法で調製した線条の長さ方向の両端から各々20mmの位置に標線を付し(即ち、標線間距離100mm)、前述のガラス板の向かい合う各々の端部と線条に付された標線が一致するように線条を設置し、線条とガラス板が重なる部分をセロハンテープにて厳重に固定した。厚さ50mmのスペーサーを介し、線条が固定されたガラス板を、セロハンテープにて固定された面同士が向かい合い、尚且つガラス板の四隅が重なり合うように重ね合わせた。
この状態で、線条は、標線間が空間を介して50mmになるように曲げられた状態となり、元の標線間長さ100mmに対して50%の変形量を与えられたことになる。尚、一組のガラス板には1試料につき3本、1乃至5種類の試料を固定した。
引き続き上記状態のまま、23℃、50%相対湿度条件下または40℃に調整されたギヤオーブン中、または70℃に調整されたギヤオーブン中で、22時間状態調整を行い、その後に同条件下でガラス板に張り付けられた線条の標線近傍を鋭利なハサミまたはカッターナイフで切断し、負荷を除去した。
切断された線条は、直ちに23℃、50%相対湿度の恒温恒湿室に運び込み、30分間状態調整を行った。切断された線条は、ある程度曲げ変形を残しており、曲げ変形したままの状態で切断された両端の距離を、定規を用いて測定した。この距離をL1とした。
また、作業台上で切断された線条の曲げ変形を作業台と平行になるように延ばし、切断された両端の長さを、定規を用いて測定した。この長さをL0とした。
以下の計算式を用いて、残留歪を求めた。残留歪は、変形回復性の指標であり、値が小さいほど変形回復性に優れると言える。
残留歪=(L0−L1)/L0×100(%)
(10)耐熱性
前述の試料の調製の項で得られた長さ140mmの線条(状態調整条件は23℃、50%相対湿度)に、長さ方向の両端から、各々20mmの位置に標線を付した(即ち標線間距離100mm)。
前記線条の一方の端部をクリップで挟み、ぶら下げた状態で100℃または121℃に調整されたギヤオーブン中に投入し、15分間状態調整を行った。
前記状態調整終了後、ギヤオーブンから取り出し、直ちに23℃、50%相対湿度の恒温恒湿室に運び込み、溶融していない構造体について、直ちに標線間の長さ(L2)を測定した。
前記状態調整中に収縮したものは、L2が100mm未満となり、膨張または自重で垂れたものは、L2が100mmより大きくなる。前記状態調整で溶融したものについては、耐熱性なしとし、溶融しなかったものについては、元の標線間距離100mmからの変化量(%)の絶対値を耐熱性の指標とし、その値が小さいものほど、耐熱性が良好であるとした。
(11)外観
デジタルマイクロスコープ(キーエンス社製:VHX−900型)を用いて、成形して得られた線条の側面(断面ではない方向)から反射光モードにて対物レンズの倍率20倍で撮影し、線条表面の気泡膜の破れ有無、線径の不均一性を観察し、以下の基準で評価した。
気泡膜の破れが認められず、線径も均一 ○
気泡膜の破れが認められるか、顕著に線径の不均一さが見られる ×
[ポリプロピレン系樹脂組成物(X)の構成成分]
下記プロピレン−エチレン共重合体(B−1)、ポリプロピレン系樹脂(A−1)および下記製造例(X’−1)で得られた樹脂を用いた。
(B−1)エクソンモービル社製、商品名「Vistamaxx 6202」(プロピレン−エチレン共重合体、MFR20g/10分、エチレン含有量15重量%)
(A−1)日本ポリプロ社製、商品名「ノバテックPP MA3」(プロピレン単独重合体、MFR11g/10分、融解ピーク温度160℃)
(製造例X’−1)
(i)予備重合触媒の調製
(珪酸塩の化学処理)
10リットルの撹拌翼の付いたガラス製セパラブルフラスコに、蒸留水3.75リットル、続いて濃硫酸(96%)2.5kgをゆっくりと添加した。50℃で、更にモンモリロナイト(水澤化学社製ベンクレイSL;平均粒径=50μm)を1kg分散させ、90℃に昇温し、6.5時間その温度を維持した。50℃まで冷却後、このスラリーを減圧濾過し、ケーキを回収した。このケーキに蒸留水を7リットル加え再スラリー化後、濾過した。この洗浄操作を、洗浄液(濾液)のpHが、3.5を超えるまで実施した。
回収したケーキを窒素雰囲気下110℃で終夜乾燥した。乾燥後の重量は707gであった。
(珪酸塩の乾燥)
先に化学処理した珪酸塩は、キルン乾燥機により乾燥を実施した。
仕様及び乾燥条件は、以下の通りである。
回転筒:円筒状、内径50mm、加温帯550mm(電気炉)
かき上げ翼付き回転数:2rpm
傾斜角:20/520
珪酸塩の供給速度:2.5g/分
ガス流速:窒素 96リットル/時間
向流乾燥温度:200℃(粉体温度)
(触媒の調製)
内容積3リットルの撹拌翼のついたガラス製反応器に、上記で得た乾燥珪酸塩200gを導入し、混合ヘプタン1,160ml、更にトリエチルアルミニウムのヘプタン溶液(0.60M)840mlを加え、室温で撹拌した。1時間後、混合ヘプタンにて洗浄し、珪酸塩スラリーを2.0リットルに調製した。
次に、調製した珪酸塩スラリーにトリイソブチルアルミニウムのヘプタン溶液(0.71M/L)9.6mlを添加し、25℃で1時間反応させた。並行して、〔(r)−ジクロロ[1,1´−ジメチルシリレンビス{2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4H−アズレニル}]ジルコニウム〕(合成は、特開平10−226712号公報の実施例に従って実施した)2,180mg(3mmol)と混合ヘプタン870mlに、トリイソブチルアルミニウムのヘプタン溶液(0.71M)を33.1ml加えて、室温にて1時間反応させた混合物を、珪酸塩スラリーに加え、1時間撹拌した。
(予備重合)
続いて、窒素で充分置換を行った内容積10リットルの撹拌式オートクレーブに、n−ヘプタン2.1リットルを導入し、40℃に保持した。そこに先に調製した触媒スラリーを導入した。温度が40℃に安定したところでプロピレンを100g/時間の速度で供給し、温度を維持した。4時間後プロピレンの供給を停止し、更に2時間維持した。予備重合終了後、残モノマーをパージし、撹拌を停止させ約10分間静置後、上澄み約3リットルをデカントした。
続いて、トリイソブチルアルミニウム(0.71M/L)のヘプタン溶液9.5ml、更に混合ヘプタンを5.6リットル添加し、40℃で30分間撹拌し、10分間静置した後に、上澄みを5.6リットル除いた。更にこの操作を3回繰り返した。
最後の上澄み液の成分分析を実施したところ、有機アルミニウム成分の濃度は、1.23mmоl/L、Zr濃度は、8.6×10−6g/Lであり、仕込み量に対する上澄み液中の存在量は、0.016%であった。
続いて、トリイソブチルアルミニウム(0.71M/L)のヘプタン溶液170mlを添加した後に、45℃で減圧乾燥した。
この操作により、触媒1g当たりポリプロピレン2.1gを含む予備重合触媒が得られた。
(ii)第一重合工程
図1は、実施例で用いた重合装置のフローシートである。
攪拌羽根を有する横型重合器5(L/D=5.2、内容積:50m)に、予め保有量45vol%になるようにベッドポリマー量を制御し、反応温度は、触媒がフィードされるリアクター上流部分を59℃、パウダー抜出される部分を65℃と設定し、その間の温度を63℃と設定した。反応圧力2.05MPaG、攪拌速度19.5rpmの条件を維持しながら、配管2から反応器の気相部ガス組成がエチレン/プロピレン=0.06になるように混合ガスを連続的に供給し、更に反応器の気相中の水素濃度を水素/プロピレン=0.00064モル比に維持するように、水素ガスを連続的に供給して、予備重合処理した上記触媒を0.12kg/h(予備重合ポリマー量除く)、有機アルミニウム化合物としてトリイソブチルアルミニウムを1kg/h一定となるように配管1より供給した。生成ポリマーすなわちプロピレン−エチレンランダム共重合体成分(A’)の分子量(MFR)を調整した。
反応熱は、配管3から供給される原料プロピレンの気化熱により除去した。重合器から排出される未反応ガスは、配管4を通して反応器系外で冷却、凝縮させて重合器5に還流した。本重合で得られたプロピレン−エチレンランダム共重合体成分(A’)は、重合体の保有レベルが反応容積の45vol%となるように配管6を通して重合器5から間欠的に抜き出し、第2重合工程の重合器11に供給した。ガス遮断槽7からプロピレン−エチレンランダム共重合体成分(A’)の一部を抜き出して、分析用試料とした。
第一重合工程で得られたプロピレン−エチレンランダム共重合体を分析したところ、MFRは46g/10分、エチレン含有量は1.95wt%であった。
(iii)第二重合工程
攪拌羽根を有する横型重合器11(L/D=5.2、内容積:50m)に、第1重合工程からのプロピレン−エチレンランダム共重合体成分(A’)を配管8から間欠的にそれぞれ供給し、プロピレンとエチレンの共重合を行った。
反応条件は、攪拌速度18rpm、反応温度70℃、反応圧力1.95MPaGであり、気相中のガス組成エチレン/プロピレン=0.38、水素/エチレン=0.0012モル比となるように調整した。反応器中の未反応ガスは、未反応ガス抜き出し配管13から抜き出され、循環経路を通して、原料循環ガス供給配管15から再供給される。プロピレン−エチレンランダム共重合体成分(B’)の重合量を調整するための重合活性抑制剤として、酸素/窒素混合ガス(酸素濃度21wt%)を配管12より10L/hで供給した。
反応熱は、配管14から供給される原料プロピレンの気化熱により除去した。重合器から排出される未反応ガスは、配管13を通して反応器系外で冷却、凝縮させて重合器11に還流した。
第2重合工程で生成されたポリプロピレン系樹脂(X’−1)は、重合体の保有レベルが反応容積の55vol%となるように、配管18を通して重合器11から間欠的に抜き出した。
このとき、重合されたポリプロピレン系樹脂(X’−1)の一部を抜き出して、分析用試料とした。このとき、ポリプロピレン系樹脂(X’−1)の生産量は、6.0t/hであった。
こうして得られたポリプロピレン系樹脂(X’−1)の各種分析結果を、表1に示す
得られたポリプロピレン系樹脂(X’−1)100重量部に、添加剤(酸化防止剤)としてテトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネ−ト]メタン(商品名「IRGANOX1010」、BASFジャパン株式会社製)0.05重量部、ホスファイト系酸化防止剤であるトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト(商品名「IRGAFOS 168」、BASFジャパン株式会社製)0.05重量部を、ヘンシェルミキサー(商品名)に投入し、750rpmで1分間室温で高速混合した後、スクリュー口径25mmのテクノベル社製KZW−25押出機にて、スクリュー回転数250rpm、吐出量15kg/hr、押出機温度200℃で溶融混練し、ストランドダイから押し出された溶融樹脂を、冷却水槽で冷却固化させながら引き取り、ストランドカッターを用いてストランドを直径約2mm、長さ約3mmに切断することでポリプロピレン系樹脂組成物(X’−1)を得た。
ポリプロピレン系樹脂(Z)
Z−1:日本ポリプロ(株)製 商品名:ウェイマックスMFX3 MFR8g/10分 MT5g
発泡剤(Y)
Y−1:クラリアントジャパン(株)製 商品名:ハイドロセロールCF40E−J
Y−2:永和化成工業(株)製 商品名:ポリスレンEE275F
(X’−1)の分析結果
Figure 2019038968
[参考例1]
[ポリプロピレン系樹脂組成物(X−1)の調製]
前記ポリプロピレン系樹脂(A−1)10重量%と前記ポリプロピレン系樹脂組成物(X‘−1)40重量%とプロピレン−エチレン共重合体(B−1)50重量%をヘンシェルミキサー(商品名)にてブレンドし、φ30mmの単軸押出機を用いて、シリンダー温度200℃、吐出量6kg/分の条件で溶融混練し、ポリプロピレン系樹脂組成物(X−1)ペレットを得た。
[線条の成形]
スクリュー口径30mm、L/D32の単軸押出機(以下、Ex1)の先端に直径1mmのノズルを有するダイを備えた成形機を用いて線条の成形を行った。
Ex1およびダイの温度を以下の通り設定した。
温度設定:C1/C2/C3/C4/A/D=240/240/200/200/200/200℃
ここでC1、C2、C3、C4は押出機のシリンダー温度を、Aは押出機とダイを繋ぐアダプタの温度を、Dはダイの温度を指す。
X−1ペレットをポリプロピレン系樹脂組成物(G−1)としてEx1に投入し、500g/hの吐出量となる条件で、水面がダイの直下570mmの位置になるように設置した水槽に樹脂を押出し、形成された線条を、水槽に配した滑車を介して11.0m/分の速度で巻き取り、各種測定用の試料を得た。得られた線条の評価結果を表5にまとめた。
[参考例2]
X−1を90重量%とZ−1を10重量%ドライブレンドした樹脂組成物(G−2)をEx1に投入した以外は参考例1と同様に線条の成形を行った。得られた線条の評価結果を表5にまとめた。尚、ドライブレンドした樹脂組成物(G−2)を別途φ30mmの単軸押出機を用いて、シリンダー温度200℃、吐出量6kg/分の条件で溶融混練し、得られたペレットの分析を実施した。結果を表4に示した。
[実施例1]
X−1を90重量%とZ−1を10重量%ドライブレンドした樹脂組成物(G−2)100重量部に対し、発泡剤(Y−1)を1重量部配合してドライブレンドしたものをEx1に投入した以外は、参考例1と同様に線条の成形を行った。得られた線条の評価結果を表5にまとめた。
[実施例2]
X−1を70重量%とZ−1を30重量%ドライブレンドした樹脂組成物(G−3)100重量部に対し、発泡剤(Y−1)を1重量部配合してドライブレンドしたものをEx1に投入した以外は、参考例1と同様に線条の成形を行った。得られた線条の評価結果を表5にまとめた。尚、ドライブレンドした樹脂組成物(G−3)を別途φ30mmの単軸押出機を用いて、シリンダー温度200℃、吐出量6kg/分の条件で溶融混練し、得られたペレットの分析を実施した。結果を表4に示した。
[実施例3]
X−1を70重量%とZ−1を30重量%ドライブレンドした樹脂組成物(G−3)100重量部に対し、発泡剤(Y−1)を2重量部配合してドライブレンドしたものをEx1に投入した以外は、参考例1と同様に線条の成形を行った。得られた線条の評価結果を表5にまとめた。
[実施例4]
X−1を90重量%とZ−1を10重量%ドライブレンドした樹脂組成物(G−2)100重量部に対し、発泡剤(Y−2)を2重量部配合してドライブレンドしたものをEx1に投入した以外は、参考例1と同様に線条の成形を行った。得られた線条の評価結果を表5にまとめた。
[実施例5]
X−1を70重量%とZ−1を30重量%ドライブレンドした樹脂組成物(G−3)100重量部に対し、発泡剤(Y−2)を2重量部配合してドライブレンドしたものをEx1に投入した以外は、参考例1と同様に線条の成形を行った。得られた線条の評価結果を表5にまとめた。
[比較例1]
X−1ペレットをポリプロピレン系樹脂組成物(G−1)とし、ポリプロピレン系樹脂組成物(G−1)100重量部に対し、発泡剤(Y−1)を1重量部配合してドライブレンドしたものをEx1に投入した以外は、参考例1と同様に線条の成形を行った。得られた線条の評価結果を表5にまとめた。
[比較例2]
X−1ペレットをポリプロピレン系樹脂組成物(G−1)とし、ポリプロピレン系樹脂組成物(G−1)100重量部に対し、発泡剤(Y−1)を2重量部配合してドライブレンドしたものをEx1に投入した以外は、参考例1と同様に線条の成形を行った。得られた線条の評価結果を表5にまとめた。
ポリプロピレン系樹脂組成物(X)の分析結果
Figure 2019038968
ポリプロピレン系樹脂(Z)の分析結果
Figure 2019038968
ポリプロピレン系樹脂組成物(G)の分析結果
Figure 2019038968
線条の評価結果
Figure 2019038968
上述の通り、本発明以外の発泡線条は、発泡形態が良好ではないが、本発明の発泡線条は柔軟な材料を用いながらも良好な発泡形態を示し、尚且つ軽量で、121℃以上の温度条件下でも形状を保持できる耐熱性を有し、更に継続した負荷により継続して変形せしめられた後、負荷を除去した際に変形回復性を有しており、尚且つ簡便な装置で得ることが出来る。
1 触媒成分供給配管
2 原料混合ガス供給配管
3 原料プロピレン供給配管
4 未反応ガス抜出し配管
5 攪拌羽根を有する横型重合器(第1重合工程)
6 重合体抜出し配管
7 ガス遮断槽(脱ガス槽)
8 重合体供給配管
9 凝縮機
10 圧縮機
11 攪拌羽根を有する横型重合器(第2重合工程)
12 活性抑制剤添加用配管
13 未反応ガス抜出し配管
14 原料プロピレン供給配管
15 原料循環ガス供給配管
16 凝縮機
17 圧縮機
18 重合体抜出し配管

Claims (4)

  1. 下記成分(A)1〜99重量%と下記成分(B)1〜99重量%(但し、成分(A)と成分(B)の合計を100重量%とする)からなり、且つ下記特性(x1)〜(x4)を満足するポリプロピレン系樹脂組成物(X)を1〜99重量%と、下記特性(z1)〜(z2)を満足するポリプロピレン系樹脂(Z)を1〜99重量%を含有し、且つ下記特性(g1)〜(g2)を満足するポリプロピレン系樹脂組成物(G)(ここで、成分(X)+成分(Z)を100重量%とする)100重量部に対し、発泡剤(Y)を0重量部を超え5重量部以下配合して溶融押出してなる下記特性(I)〜(II)を満足するポリプロピレン系発泡線条。
    (x1)メルトフローレート(MFR:230℃、2.16kg荷重)が1.0〜100g/10分であること。
    (x2)融解ピーク温度(Tm)が121〜170℃であること。
    (x3)曲げ弾性率が10〜500MPaであること。
    (x4)MFRとMT(溶融張力 単位g 230℃)が以下の関係式(a)を満たすこと。
    Log(MT)<−0.9×Log(MFR)+0.7 且つ MT<15 式(a)
    成分(A):下記(a1)〜(a2)を満足する1種類または2種類以上のプロピレン単独重合体及び/又はプロピレン−α−オレフィン共重合体。
    (a1)融解ピーク温度(Tm)が121〜170℃であること。
    (a2)メルトフローレート(MFR:230℃、2.16kg荷重)が0.1〜500g/10分であること。
    成分(B):下記(b1)を満足する少なくとも1種類のプロピレン−α−オレフィン共重合体。
    (b1)プロピレン51〜90重量%、エチレン及び/又は炭素数4〜10のα−オレフィン10〜49重量%からなること。
    ポリプロピレン系樹脂(Z):
    (z1)メルトフローレート(MFR:230℃、2.16kg荷重)が1.0〜100g/10分であること。
    (z2)MFRとMT(溶融張力 単位g 230℃)が以下の関係式(b)を満たすこと。
    Log(MT)≧−0.9×Log(MFR)+0.7 又は MT≧15 式(b)
    ポリプロピレン系樹脂組成物(G)
    (g1)メルトフローレート(MFR:230℃、2.16kg荷重)が1.0〜100g/10分であること。
    (g2)融解ピーク温度(Tm)が121〜170℃であること。
    ポリプロピレン系発泡線条
    (I)比重が0.85未満であること。
    (II)真円換算の平均線径が0.1〜5.0mmであること。
  2. 前記ポリプロピレン系発泡線条が、変形回復性耐熱発泡線条である請求項1に記載のポリプロピレン系発泡線条。
  3. 前記ポリプロピレン系発泡線条が、変形回復性耐熱構造体に用いられる請求項1又は2に記載のポリプロピレン系発泡線条。
  4. 前記変形回復性耐熱構造体が、押出成形により得られる複数のストランドからなる連続線状体を三次元ランダムループ状に曲がりくねらせて、複数のループの接触部の少なくとも一部が融着してなる立体網目状構造を有する網状構造体であることを特徴とする請求項3に記載のポリプロピレン系発泡線条。
JP2017163687A 2017-08-28 2017-08-28 ポリプロピレン系発泡線条 Pending JP2019038968A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2019167980A1 (ja) * 2018-02-28 2019-09-06 株式会社ダイセル 発泡繊維とその製造方法
JP2019151964A (ja) * 2018-02-28 2019-09-12 Dmノバフォーム株式会社 発泡繊維とその製造方法

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