JP6582706B2 - ポリプロピレン系樹脂組成物を変形回復性構造体に用いる方法及び変形回復性構造体 - Google Patents
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Description
一方、特許文献2(特開2004−218116号公報)や特許文献3(特開2006−200117号公報)には、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)やエチレン・α−オレフィン共重合体であるポリエチレン系樹脂が開示され、広く用いられているが、これらのポリエチレン系樹脂を用いた三次元網目状構造体は、優れた性能を有するものの、柔軟性能や熱接着性を重視しているため、樹脂の融点が低くなり、高温下(例えば40℃、70℃)での変形回復性が劣るという問題がある。このため、ポリエチレン系樹脂を用いた場合、自動車のクッションや緩衝部品、暖房機能付与のベッド用クッションへの適用には、大きな制限があった。
この問題を解決すべく、例えば、特許文献4(特開2013−181117号公報)では、特定のエチレン系重合体に、特定のエチレン性不飽和シラン化合物をグラフトさせ、得られたグラフト反応物にシラノール縮合触媒を含有させたものを、成形後に、40℃の温水を霧状に散水した部屋の中に1週間保管し、架橋処理する方法により、耐熱性を付与する方法が開示されているが、架橋処理に1週間という長時間を要し、生産性に劣るものであり、尚且つ架橋処理を行っているため、リサイクル性に劣るものであった。
この問題を解決すべく、例えば、特許文献5(特開2002−061059号公報)では、ポリプロピレンに、SBSを5〜30重量%配合してなる三次元構造体が開示されているが、いかなるポリプロピレンを使用したか明示されていないため、変形回復性を示す圧縮残留歪については、室温下で保持時間なしの試験結果しか示されておらず、継続した負荷により継続して変形せしめられた後、負荷を除去した際の変形回復性や、高温下での変形回復性について、うかがい知ることができないものであった。
本発明は、以下のポリプロピレン系樹脂組成物を変形回復性構造体の製造に用いる方法およびそれよりなる変形回復性構造体を提供する。
[3]変形回復性構造体は、押出成形により得られる複数のストランドからなる連続線状体を三次元ランダムループ状に曲がりくねらせて、複数のループの接触部の少なくとも一部が融着してなる立体網目状構造を有する網状構造体であることを特徴とする前記[2]に記載の変形回復性構造体。
以下、項目ごとに詳細に説明する。
ポリプロピレン系樹脂組成物(X)は、プロピレン単独重合体、プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体及びプロピレン−α−オレフィンブロック共重合体からなる群より選ばれる1種類又は2種類以上のプロピレン系重合体を必須成分とする。
本発明に使用するポリプロピレン系樹脂組成物(X)の融解ピーク温度(Tm)は、121〜170℃であることが好ましい。
ポリプロピレン系樹脂組成物(X)は、プロピレン単独重合体、プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体及びプロピレン−α−オレフィンブロック共重合体からなる群より選ばれる1種類又は2種類以上のプロピレン系重合体からなり、2種類以上の成分からなる場合、2種類以上の成分のブレンド物として、融解ピーク温度が121℃〜170℃であることが好ましい。
融解ピーク温度が121℃以上の場合、本発明の構造体が高温下、例えば121℃以上の環境下で形状が保持できるだけの耐熱性を発現することができる。また、融解ピーク温度が170℃以下であるものは、入手が容易である。
融解ピーク温度の好ましい範囲は、125℃〜170℃、より好ましくは130℃〜170℃、更に好ましくは135℃〜170℃である。
本発明に使用するポリプロピレン系樹脂組成物(X)のメルトフローレート(MFR)は、0.1〜500g/10分であることが好ましい。
ポリプロピレン系樹脂組成物(X)は、プロピレン単独重合体、プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体及びプロピレン−α−オレフィンブロック共重合体からなる群より選ばれる1種類又は2種類以上のプロピレン系重合体からなり、2種類以上の成分からなる場合、2種類以上の成分のブレンド物として、MFRが0.1〜500g/10分であることが好ましい。
ここで、MFRは、JIS K7210:1999のA法、条件M(230℃、2.16kg荷重)に準拠して測定されるものである。
MFRが0.1g/10分以上の場合、成形時の負荷が増すことがなく、成形体の成形自体が容易である。また、MFRが500g/10分以下であると、成形の安定性、特に、押出成形に用いた場合の成形安定性が良好である。
MFRの好ましい範囲は、1.0〜500g/10分であり、より好ましくは5.0〜200g/10分、更に好ましくは5.0〜100g/10分である。
本発明に用いられるポリプロピレン系樹脂組成物(X)は、上記特性(x1)および(x2)を満足することが好ましいが、ポリプロピレン系樹脂組成物(X)として、プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体を用いる場合、ポリプロピレン系樹脂組成物(X)は、プロピレン含有量が90重量%より多く、100重量%未満、α−オレフィン含有量が0重量%より多く、10重量%未満であることが好ましい。
ポリプロピレン系樹脂組成物(X)としてプロピレン−α−オレフィンランダム共重合体を用いる場合、α−オレフィンとしては、エチレンおよび/又はブテンであることが好ましい。
ポリプロピレン系樹脂組成物(X)としてプロピレン−α−オレフィンブロック共重合体を用いる場合、α−オレフィンとしては、エチレンおよび/又はブテンであることが好ましい。
ポリプロピレン系樹脂組成物(X)の製造方法は、特に限定されず、市販のプロピレン単独重合体、プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体、プロピレン−α−オレフィンブロック共重合体から、適宜選択することができる。具体的には、日本ポリプロ(株)製商標名「ノバテックPP」や、商標名「ウィンテック」、商標名「ニューコン」、商標名「ウェルネクス」が挙げられる。
ポリプロピレン系樹脂組成物(Y)は、前記ポリプロピレン系樹脂組成物(X)を必須成分として含むものである。
ポリプロピレン系樹脂組成物(Y)は、前記ポリプロピレン系樹脂組成物(X)そのものであってもよいし、その他の成分を含むものであってもよい。
[その他の成分]
本発明のポリプロピレン系樹脂組成物(Y)は、前述したポリプロピレン系樹脂組成物(X)を必須成分とする樹脂組成物であるが、本発明の目的を阻害しない範囲で、その他の樹脂または添加剤等、各種の他の成分を、添加して用いることができる。
本発明のポリプロピレン系樹脂組成物(Y)には、本発明の効果を妨げない限り、プロピレン系樹脂に添加できる酸化防止剤などの添加剤を、適宜配合することができる。
具体的には、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(BHT)、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン(BASFジャパン社製商品名「IRGANOX 1010」)やn−オクタデシル−3−(4’−ヒドロキシ−3,5’−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネート(BASFジャパン社製商品名「IRGANOX 1076」)で代表されるフェノール系酸化防止剤、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイトやトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイトなどで代表されるホスファイト系酸化防止剤、オレイン酸アミドやエルカ酸アミド等の高級脂肪酸アミドや高級脂肪酸エステルやシリコーンオイルで代表される滑剤、炭素原子数8〜22の脂肪酸のグリセリンエステルやソルビタン酸エステル、ポリエチレングリコールエステルなどで代表される帯電防止剤、ソルビトール系造核剤(例えば、新日本理化社製商品名「ゲルオールMD」)、芳香族燐酸エステル類(例えば、ADEKA社製商品名「NA−21」や「NA−11」)、ミリケン社製商標名「Millad」シリーズ、ミリケン社製商標名「Hyperform」シリーズ、タルク、高密度ポリエチレンなどで代表される造核剤、シリカ、炭酸カルシウム、タルクなどで代表されるブロッキング防止剤や有機過酸化物などで代表される分子量調整剤や架橋助剤、ステアリン酸カルシウムなどの高級脂肪酸金属塩やハイドロタルサイト類に代表される中和剤、光安定剤、紫外線吸収剤、金属不活性剤、過酸化物、充填剤、抗菌防黴剤、蛍光増白剤、防曇剤、難燃剤、着色剤、顔料、天然油、合成油、ワックス、更には用途に応じて有機系、無機系の難燃剤などを、添加してもよく、配合量は適宜量である。
また、本発明のポリプロピレン系樹脂組成物(Y)には、本発明の効果を妨げない限り、ポリプロピレン系樹脂に添加できるエラストマー、脂環式炭化水素樹脂などの改質剤を、適宜配合することができる。
その他のポリマーは、本発明の効果を妨げない限り、添加量に特に制限は無いが、通常、ポリプロピレン系樹脂組成物(X)100重量部に対して、500重量部以下である。
プロピレン系エラストマーの製造方法は、特に限定されず、市販のプロピレン−α−オレフィン共重合体エラストマーから、適宜選択することができる。具体的には、エクソンモービル社製商標名「Vistamaxx」や、ダウケミカル社製商標名「Versify」や、三井化学社製商標名「タフマーPN」や「ノティオSN」や「タフマーXM」、住友化学社製商標名「タフセレン」等が挙げられる。
本発明のポリプロピレン系樹脂組成物(Y)は、上述のポリプロピレン系樹脂組成物(X)と、必要に応じて、他の添加剤、ポリマー成分(前記その他のポリマー)をヘンシェルミキサー(商品名、以下同様)、Vブレンダー、リボンブレンダー、タンブラーブレンダー等で混合し、得ることができる。更に必要に応じて、前記混合工程の後、単軸押出機、多軸押出機、ニーダー、バンバリミキサー等の混練機により溶融混練する方法により得ることもできる。
また、各成分は同時に混合および/又は溶融混練してもよいし、一部をマスターバッチとした上で、混合および/又は溶融混練してもよい。
また、後述のように、ポリプロピレン系樹脂組成物(Z)と同時に製造される場合もある。
ポリプロピレン系樹脂組成物(Z)は、前記ポリプロピレン系樹脂組成物(Y)にβ晶核剤(B)を必須成分として含むものである。
[β晶核剤(B)]
本発明の変形回復性構造体の製造に用いる方法において、ポリプロピレン系樹脂組成物(Z)には、β晶核剤(B)を使用する。β晶核剤(B)はポリプロピレン系樹脂組成物(Y)に含有させることで、高温下(例えば40℃、70℃)での変形回復性を向上させることに寄与する。
R2−NHCO−R1−CONH−R3
ただし、式中、R1は、芳香環、脂環または炭素数2〜24の脂肪族炭化水素を示し、R2、R3は脂環または芳香環を示す。好ましくは、R1は脂環族炭化水素であり、具体的には、シクロへキサンやシクロヘプタン、シクロオクタンを好ましく挙げることができる。また、R2、R3は好ましくは芳香環であり、具体例としてベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環を好ましく挙げることができる。
0.001重量部以上である場合、十分なβ晶形成活性を確保することができ、2重量部以下含有すると、良好なβ晶核剤の添加効果を得ることができ、費用対効果(コスト・パフォーマンス)の点から有利であり、またブリ−ドの懸念もなく、好ましい。
β晶核剤は1種のみで用いても、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
β晶核剤の製造方法は、特に限定されず、市販のβ晶核剤から、適宜選択することができる。具体的には、新日本理化(株)製、商標名「エヌジェスターNU−100」が挙げられる。
例えば、ポリプロピレン系樹脂組成物(X)にβ晶核剤(B)を配合した後にその他の成分を加えポリプロピレン系樹脂組成物(Y)とし、ポリプロピレン系樹脂組成物(Y)の製造がポリプロピレン系樹脂組成物(Z)の製造となる場合もあるし、ポリプロピレン系樹脂組成物(X)にその他の成分と共にβ晶核剤(B)を加えてポリプロピレン系樹脂組成物(Y)と同時にポリプロピレン系樹脂組成物(Z)を製造する場合もあるし、ポリプロピレン系樹脂組成物(X)にその他の成分を加えてポリプロピレン系樹脂組成物(Y)を製造し、更にβ晶核剤(B)を加えてポリプロピレン系樹脂組成物(Z)とする場合もあるし、ポリプロピレン系樹脂組成物(X)にその他の成分を加えてポリプロピレン系樹脂組成物(Y)を製造し、変形回復性構造体の製造時にβ晶核剤(B)を加え、変形回復性構造体の製造装置内でポリプロピレン系樹脂組成物(Z)とする場合もあるし、ポリプロピレン系樹脂組成物(X)とその他の成分とβ晶核剤(B)を変形回復性構造体の製造時に混合してポリプロピレン系樹脂組成物(Y)とポリプロピレン系樹脂組成物(Z)を同時に生成せしめる場合もあるが、上記に限定されるものではない。
また、ポリプロピレン系樹脂組成物(Z)を生成するにあたり、β晶核剤(B)をポリプロピレン系樹脂組成物(X)やその他の成分にあらかじめ配合したマスターバッチを準備して配合する手法も含まれる。
本発明のポリプロピレン系樹脂組成物(Z)は、上述のポリプロピレン系樹脂組成物(X)又はポリプロピレン系樹脂組成物(Y)と、β晶核剤(B)と、必要に応じて、他の添加剤、ポリマー成分(前記その他のポリマー)をヘンシェルミキサー、Vブレンダー、リボンブレンダー、タンブラーブレンダー等で混合し、得ることができる。更に必要に応じて、前記混合工程の後、単軸押出機、多軸押出機、ニーダー、バンバリミキサー等の混練機により溶融混練する方法により得ることもできる。
また、各成分は同時に混合および/又は溶融混練してもよいし、一部をマスターバッチとした上で、混合および/又は溶融混練してもよい。
混合および/又は溶融混練は、変形回復性構造体の製造工程前であっても、変形回復性構造体の製造工程の途中にあってもよい。
本発明の製造方法による変形回復性構造体は、他の方法によるものに比べて高温下での変形回復性に優れる。
構造体の形状、成形方法は、特に制限は無いが、継続した負荷により継続して変形せしめられた後、負荷を除去した際に、変形回復性が求められる用途に用いられる。
例えば、射出成形や、押出成形により、平板や棒状、らせん状、さらには異形断面や中空断面を有する成形体を緩衝用のバネに類する用途に適用する場合や、クッション等の支持体に適用する場合等が挙げられる。
また、芯鞘構造を有したり、サイドバイサイド構造を有する構造体の一構成要素として使用することもできる。
好適な適用形態の例としては、押出成形により得られる複数のストランドからなる連続線状体を三次元ランダムループ状に曲がりくねらせて、複数のループの接触部の少なくとも一部が融着してなる立体網目状構造を有する網状構造体や、特開2012−112072号公報や、特開平5−163657号公報に例示される繊維集合体からなる構造体などが挙げられる。
前記網状構造体は、例えば、ベッド等の寝具、家庭用や車両・船舶・航空機用座席等のクッション材として用いられる場合があり、これらの用途では、長時間にわたり、人が横たわったり、座ったりするため、継続した負荷により継続して変形せしめられる。しかも、負荷を除去した後に、再びクッション材として使用するには、変形が実用上問題ない程度まで回復する必要がある。
更には、自動車のクッションや緩衝部品、暖房機能付与のベッド用クッションなどでは、高温下(例えば70℃)で負荷がかかるケースがあるため、高温下での変形回復性も求められる。
また、高温下での負荷がかかる用途に適用する場合には、構造体の形状を保持できる温度以下、好ましくは想定される使用条件温度以上、構造体の形状を保持できる温度以下で、成形された構造体を10秒乃至1日程度状態調整を行うと、高温下での変形回復性がより向上しやすいので好ましい。
本発明の構造体の場合は、例えば40℃、50℃、60℃、70℃、80℃、90℃、100℃、110℃、120℃、130℃、140℃、150℃、160℃といった温度条件が例示できる。
例えば、前記網状構造体の場合、一見変形形態は、圧縮変形とみられがちだが、網状構造体を構成する各々の線条に着目すれば、変形形態は、曲げ変形である。
したがって、継続した負荷により継続して曲げ変形を行い、その後、負荷を除去した際の変形回復性を評価することにより、前述の例に挙げた各種構造体の変形回復性を十分類推することができる。
なお、実施例および比較例において使用したポリプロピレン系樹脂組成物とその構成成分、変形回復性構造体の諸物性は、下記の評価方法に従って、測定、評価した。
(1)メルトフローレート(MFR、単位:g/10分):
JIS K7210:1999のA法、条件M(230℃、2.16kg荷重)に準拠して測定した。
(2)融解ピーク温度(融点)(Tm、単位:℃):
示差走査熱量計(DSC)を用い、一旦200℃まで温度を上げて、熱履歴を消去した後、10℃/分の降温速度で40℃まで温度を降下させ、再び昇温速度10℃/分にて測定した際の、吸熱ピークトップの温度を融解ピーク温度(融点)(Tm)とした。尚、吸熱ピークが複数観測された場合は最も大きな吸熱ピークのピークトップの温度を融解ピーク温度(融点)(Tm)とした。
(i)試料の調製
ポリプロピレン系樹脂組成物(Z)を、圧縮成形法により、シート状に成形した。
使用したスペーサー:長さ200mm、幅200mm、厚さ1mm。
圧縮成形条件:
(ア)予熱工程:予熱時間7分、予熱温度230℃、予熱時圧力0.1MPa
(イ)加圧工程:加圧時間3分、加圧時温度230℃、加圧時圧力8MPa
(ウ)冷却工程:冷却時間3分、冷却時温度30℃、冷却時圧力12MPa
上述の条件で成形して得られたシートを、23℃、50%相対湿度の条件下、48時間以上状態調整を行った後、また、場合によっては、更にギヤオーブンにて70℃又は100℃、1時間の条件で状態調整を行い、更に23℃、50%相対湿度の条件下48時間以上状態調整を行った後、カッターナイフにて切り出し、長さ140mm、幅10mm、厚さ1mmの構造体を作成し、下記試験に供した。
(ii)定変位曲げ試験
長さ220mm、幅150mm、厚さ3mmのガラス板を2枚、100mmの間隔をあけて作業台上に平行に配置した。
前述の方法で調製した構造体の長さ方向の両端から各々20mmの位置に標線を付し(即ち、標線間距離100mm)、前述のガラス板の向かい合う各々の端部と構造体に付された標線が一致するように構造体を設置し、構造体とガラス板が重なる部分をセロハンテープにて厳重に固定した。厚さ50mmのスペーサーを介し、構造体が固定されたガラス板を、セロハンテープにて固定された面同士が向かい合い、尚且つガラス板の四隅が重なり合うように重ね合わせた。
この状態で、構造体は、標線間が空間を介して50mmになるように曲げられた状態となり、元の標線間長さ100mmに対して50%の変形量を与えられたことになる。尚、一組のガラス板には1試料につき3枚、1乃至5種類の試料を固定した。
引き続き上記状態のまま、23℃、50%相対湿度条件下または40℃に調整されたギヤオーブン中、もしくは70℃に調整されたギヤオーブン中で、22時間状態調整を行い、その後に同条件下でガラス板に張り付けられた構造体の標線近傍を鋭利なハサミまたはカッターナイフで切断、負荷を除去した。
切断された構造体は、直ちに23℃、50%相対湿度の恒温恒湿室に運び込み、30分間状態調整を行った。切断された構造体は、ある程度曲げ変形を残しており、曲げ変形したままの状態で切断された両端の距離を、定規を用いて測定した。この距離をL1とした。
また、作業台上で切断された構造体の曲げ変形を作業台と平行になるように延ばし、切断された両端の長さを、定規を用いて測定した。この長さをL0とした。
以下の計算式を用いて、残留歪を求めた。残留歪は、変形回復性の指標であり、値が小さいほど変形回復性に優れると言える。
残留歪=(L0−L1)/L0×100(%)
射出成形品の曲げ弾性率を、JIS K7171に準拠して、測定した。
(5)引張降伏応力(単位:MPa)
射出成形品の引張降伏応力を、JIS K7162に準拠して、測定した。
(X−1)日本ポリプロ社製、商標名「ノバテックPP MA3」
(プロピレン単独重合体、MFR:11g/10分、融解ピーク温度160℃)
(X−2)プロピレン単独重合体パウダー、MFR:11g/10分、融解ピーク温度160℃)
(B−1)新日本理化(株)製、商標名「エヌジェスター NU−100」
(E−1)(株)ADEKA製、商標名「アデカスタブNA−11SF」
(E−2)ミリケン・ジャパン(株)製、商標名「Millad NX8000J」
(C−1)エクソンモービル社製、商標名「Vistamaxx 6102」
(プロピレン−エチレン共重合体、MFR:3g/10分、エチレン含有量16重量%)
[製造例1]
ポリプロピレン系樹脂組成物(X−2)99重量%と、β晶核剤(B−1)1重量%と、前記(X−2)と(B−1)の合計100重量部に対し、フェノール系酸化防止剤として、テトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネ−ト]メタン(商品名「IRGANOX1010」、BASFジャパン株式会社製)0.05重量部、フォスファイト系酸化防止剤であるトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト(商品名「IRGAFOS 168」、BASFジャパン株式会社製)0.05重量部、ステアリン酸カルシウム0.05重量部をヘンシェルミキサーにてブレンドし、φ30mmの単軸押出機を用いてシリンダー温度230℃、吐出量6kg/分の条件で溶融混練し、β晶核剤マスターバッチ組成物(N−1)ペレットを得た。
ポリプロピレン系樹脂組成物(X−2)99重量%と、β晶以外の核剤(E−1)1重量%と、前記(X−2)と(E−2)の合計100重量部に対し、フェノール系酸化防止剤として、テトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネ−ト]メタン(商品名「IRGANOX1010」、BASFジャパン株式会社製)0.05重量部、フォスファイト系酸化防止剤であるトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト(商品名「IRGAFOS 168」、BASFジャパン株式会社製)0.05重量部、ステアリン酸カルシウム0.05重量部をヘンシェルミキサーにてブレンドし、φ30mmの単軸押出機を用いてシリンダー温度230℃、吐出量6kg/分の条件で溶融混練し、β晶以外の核剤マスターバッチ組成物(N−2)ペレットを得た。
ポリプロピレン系樹脂組成物(X−2)96重量%と、β晶以外の核剤(E−2)4重量%と、前記(X−2)と(E−2)の合計100重量部に対し、フェノール系酸化防止剤として、テトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネ−ト]メタン(商品名「IRGANOX1010」、BASFジャパン株式会社製)0.05重量部、フォスファイト系酸化防止剤であるトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト(商品名「IRGAFOS 168」、BASFジャパン株式会社製)0.05重量部、ステアリン酸カルシウム0.05重量部をヘンシェルミキサーにてブレンドし、φ30mmの単軸押出機を用いてシリンダー温度230℃、吐出量6kg/分の条件で溶融混練し、β晶以外の核剤マスターバッチ組成物(N−3)ペレットを得た。
ポリプロピレン系樹脂組成物(X−1)90重量%と、製造例1で得られたβ晶核剤マスターバッチ(N−1)10重量%を、ヘンシェルミキサーにてブレンドし、ポリプロピレン系樹脂組成物(Z−1)とした。φ30mmの単軸押出機を用いて、シリンダー温度230℃、吐出量6kg/分の条件で溶融混練し、ポリプロピレン系樹脂組成物(Z−1)ペレットを得た。
得られたペレットを、前述の方法で圧縮成形法によりシート状に成形し、70℃又は100℃1時間の状態調整を行わず、前述の方法で構造体を得た。
得られた構造体の評価結果を表1にまとめた。尚、融解ピーク以外の吸熱ピークとして、164℃、168℃が観測された。
ポリプロピレン系樹脂組成物(X−1)をポリプロピレン系樹脂組成物(Z−2)として、前述の方法で圧縮成形法によりシート状に成形し、70℃又は100℃1時間の状態調整を行わず、前述の方法で構造体を得た。
得られた構造体の評価結果を表1にまとめた。本発明による方法以外の方法で構造体を製造したため、実施例1に比べて40℃、70℃での変形回復性に劣るものであった。
ポリプロピレン系樹脂組成物(X−1)90重量%と、製造例2で得られたβ晶以外の核剤マスターバッチ(N−2)10重量%を、ヘンシェルミキサーにてブレンドし、ポリプロピレン系樹脂組成物(Z−3)とした。φ30mmの単軸押出機を用いて、シリンダー温度230℃、吐出量6kg/分の条件で溶融混練し、ポリプロピレン系樹脂組成物(Z−3)ペレットを得た。
得られたペレットを、前述の方法で圧縮成形法によりシート状に成形し、70℃又は100℃1時間の状態調整を行わず、前述の方法で構造体を得た。
得られた構造体の評価結果を表1にまとめた。本発明による方法以外の方法で構造体を製造したため、実施例1に比べて40℃、70℃での変形回復性に劣るものであった
ポリプロピレン系樹脂組成物(X−1)90重量%と、製造例3で得られたβ晶以外の核剤マスターバッチ(N−3)10重量%を、ヘンシェルミキサーにてブレンドし、ポリプロピレン系樹脂組成物(Z−4)とした。φ30mmの単軸押出機を用いて、シリンダー温度230℃、吐出量6kg/分の条件で溶融混練し、ポリプロピレン系樹脂組成物(Z−4)ペレットを得た。
得られたペレットを、前述の方法で圧縮成形法によりシート状に成形し、70℃又は100℃1時間の状態調整を行わず、前述の方法で構造体を得た。
得られた構造体の評価結果を表1にまとめた。本発明による方法以外の方法で構造体を製造したため、実施例1に比べて40℃、70℃での変形回復性に劣るものであった。
実施例1において、圧縮成形法により得られたシートを70℃1時間の状態調整を行った以外は、実施例1と同様な操作を行った。
得られた構造体の評価結果を表1にまとめた。
比較例1において、圧縮成形法により得られたシートを70℃1時間の状態調整を行った以外は、比較例1と同様な操作を行った。
得られた構造体の評価結果を表1にまとめた。本発明による方法以外の方法で構造体を製造したため、実施例2に比べて40℃、70℃での変形回復性に劣るものであった。
比較例2において、圧縮成形法により得られたシートを70℃1時間の状態調整を行った以外は、比較例2と同様な操作を行った。
得られた構造体の評価結果を表1にまとめた。本発明による方法以外の方法で構造体を製造したため、実施例2に比べて40℃、70℃での変形回復性に劣るものであった。
比較例3において、圧縮成形法により得られたシートを70℃1時間の状態調整を行った以外は、比較例3と同様な操作を行った。
得られた構造体の評価結果を表1にまとめた。本発明による方法以外の方法で構造体を製造したため、実施例2に比べて40℃、70℃での変形回復性に劣るものであった。
実施例1において、圧縮成形法により得られたシートを100℃1時間の状態調整を行った以外は、実施例1と同様な操作を行った。
得られた構造体の評価結果を表1にまとめた。
比較例1において、圧縮成形法により得られたシートを100℃1時間の状態調整を行った以外は、比較例1と同様な操作を行った。
得られた構造体の評価結果を表1にまとめた。本発明による方法以外の方法で構造体を製造したため、実施例3に比べて40℃、70℃での変形回復性に劣るものであった。
比較例2において、圧縮成形法により得られたシートを100℃1時間の状態調整を行った以外は、比較例2と同様な操作を行った。
得られた構造体の評価結果を表1にまとめた。本発明による方法以外の方法で構造体を製造したため、実施例3に比べて40℃、70℃での変形回復性に劣るものであった。
比較例3において、圧縮成形法により得られたシートを100℃1時間の状態調整を行った以外は、比較例3と同様な操作を行った。
得られた構造体の評価結果を表1にまとめた。本発明による方法以外の方法で構造体を製造したため、実施例3に比べて40℃、70℃での変形回復性に劣るものであった。
ポリプロピレン系樹脂組成物(X−1)95重量%と、製造例1で得られたβ晶核剤マスターバッチ(N−1)5重量%を、ヘンシェルミキサーにてブレンドし、ポリプロピレン系樹脂組成物(Z−5)とした。φ30mmの単軸押出機を用いて、シリンダー温度230℃、吐出量6kg/分の条件で溶融混練し、ポリプロピレン系樹脂組成物(Z−5)ペレットを得た。
得られたペレットを、前述の方法で圧縮成形法によりシート状に成形し、100℃1時間の状態調整を行い、前述の方法で構造体を得た。
得られた構造体の評価結果を表1にまとめた。尚、融解ピーク以外の吸熱ピークとして、164℃、168℃が観測された。
ポリプロピレン系樹脂組成物(X−1)80重量%と、製造例1で得られたβ晶核剤マスターバッチ(N−1)20重量%を、ヘンシェルミキサーにてブレンドし、ポリプロピレン系樹脂組成物(Z−6)とした。φ30mmの単軸押出機を用いて、シリンダー温度230℃、吐出量6kg/分の条件で溶融混練し、ポリプロピレン系樹脂組成物(Z−6)ペレットを得た。
得られたペレットを、前述の方法で圧縮成形法によりシート状に成形し、100℃1時間の状態調整を行い、前述の方法で構造体を得た。
得られた構造体の評価結果を表1にまとめた。尚、融解ピーク以外の吸熱ピークとして、164℃、168℃が観測された。
ポリプロピレン系樹脂組成物(X−1)40重量部と、その他樹脂成分(C−1)50重量部をブレンドし、ペレット混合物であるポリプロピレン系樹脂組成物(Y−2)を得た。更に、ポリプロピレン系樹脂組成物(Y−2)90重量部と製造例1で得られたβ晶核剤マスターバッチ(N−1)10重量部を、ヘンシェルミキサーにてブレンドし、ポリプロピレン系樹脂組成物(Z−7)とした。φ30mmの単軸押出機を用いて、シリンダー温度230℃、吐出量6kg/分の条件で溶融混練し、ポリプロピレン系樹脂組成物(Z−7)ペレットを得た。
得られたペレットを、前述の方法で圧縮成形法によりシート状に成形し、70℃又は100℃1時間の状態調整を行わず、前述の方法で構造体を得た。
得られた構造体の評価結果を表2にまとめた。尚、融解ピーク以外の吸熱ピークとして、164℃、169℃が観測された。
ポリプロピレン系樹脂組成物(X−1)50重量部と、その他樹脂成分(C−1)50重量部をヘンシェルミキサーにてブレンドし、ポリプロピレン系樹脂組成物(Z−8)とした。φ30mmの単軸押出機を用いて、シリンダー温度230℃、吐出量6kg/分の条件で溶融混練し、ポリプロピレン系樹脂組成物(Z−8)ペレットを得た。
得られたペレットを、前述の方法で圧縮成形法によりシート状に成形し、70℃又は100℃1時間の状態調整を行わず、前述の方法で構造体を得た。
得られた構造体の評価結果を表2にまとめた。本発明による方法以外の方法で構造体を製造したため、実施例6に比べて40℃、70℃での変形回復性に劣るものであった。
ポリプロピレン系樹脂組成物(X−1)40重量部と、その他樹脂成分(C−1)50重量部をブレンドし、ペレット混合物であるポリプロピレン系樹脂組成物(Y−2)を得た。更に、ポリプロピレン系樹脂組成物(Y−2)90重量部と製造例2で得られたβ晶以外の核剤マスターバッチ(N−2)10重量部を、ヘンシェルミキサーにてブレンドし、ポリプロピレン系樹脂組成物(Z−9)とした。φ30mmの単軸押出機を用いて、シリンダー温度230℃、吐出量6kg/分の条件で溶融混練し、ポリプロピレン系樹脂組成物(Z−9)ペレットを得た。
得られたペレットを、前述の方法で圧縮成形法によりシート状に成形し、70℃又は100℃1時間の状態調整を行わず、前述の方法で構造体を得た。
得られた構造体の評価結果を表2にまとめた。本発明による方法以外の方法で構造体を製造したため、実施例6に比べて40℃、70℃での変形回復性に劣るものであった。
ポリプロピレン系樹脂組成物(X−1)40重量部と、その他樹脂成分(C−1)50重量部をブレンドし、ペレット混合物であるポリプロピレン系樹脂組成物(Y−2)を得た。更に、プロピレン系樹脂組成物(Y−2)90重量部と製造例3で得られたβ晶以外の核剤マスターバッチ(N−3)10重量部を、ヘンシェルミキサーにてブレンドし、プロピレン系樹脂組成物(Z−10)とした。φ30mmの単軸押出機を用いて、シリンダー温度230℃、吐出量6kg/分の条件で溶融混練し、ポリプロピレン系樹脂組成物(Z−10)ペレットを得た。
得られたペレットを、前述の方法で圧縮成形法によりシート状に成形し、70℃又は100℃1時間の状態調整を行わず、前述の方法で構造体を得た。
得られた構造体の評価結果を表2にまとめた。本発明による方法以外の方法で構造体を製造したため、実施例6に比べて40℃、70℃での変形回復性に劣るものであった。
実施例6において、圧縮成形法により得られたシートを70℃1時間の状態調整を行った以外は、実施例6と同様な操作を行った。
得られた構造体の評価結果を表2にまとめた。
比較例10において、圧縮成形法により得られたシートを70℃1時間の状態調整を行った以外は、比較例10と同様な操作を行った。
得られた構造体の評価結果を表2にまとめた。本発明による方法以外の方法で構造体を製造したため、実施例7に比べて40℃、70℃での変形回復性に劣るものであった。
比較例11において、圧縮成形法により得られたシートを70℃1時間の状態調整を行った以外は、比較例11と同様な操作を行った。
得られた構造体の評価結果を表2にまとめた。本発明による方法以外の方法で構造体を製造したため、実施例7に比べて40℃、70℃での変形回復性に劣るものであった。
比較例12において、圧縮成形法により得られたシートを70℃1時間の状態調整を行った以外は、比較例12と同様な操作を行った。
得られた構造体の評価結果を表2にまとめた。本発明による方法以外の方法で構造体を製造したため、実施例7に比べて40℃、70℃での変形回復性に劣るものであった。
実施例6において、圧縮成形法により得られたシートを100℃1時間の状態調整を行った以外は、実施例6と同様な操作を行った。
得られた構造体の評価結果を表2にまとめた。
比較例10において、圧縮成形法により得られたシートを100℃1時間の状態調整を行った以外は、比較例10と同様な操作を行った。
得られた構造体の評価結果を表2にまとめた。本発明による方法以外の方法で構造体を製造したため、実施例8に比べて40℃、70℃での変形回復性に劣るものであった。
比較例11において、圧縮成形法により得られたシートを100℃1時間の状態調整を行った以外は、比較例11と同様な操作を行った。
得られた構造体の評価結果を表2にまとめた。本発明による方法以外の方法で構造体を製造したため、実施例8に比べて40℃、70℃での変形回復性に劣るものであった。
比較例12において、圧縮成形法により得られたシートを100℃1時間の状態調整を行った以外は、比較例12と同様な操作を行った。
得られた構造体の評価結果を表2にまとめた。本発明による方法以外の方法で構造体を製造したため、実施例8に比べて40℃、70℃での変形回復性に劣るものであった。
Claims (3)
- プロピレン単独重合体、プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体及びプロピレン−α−オレフィンブロック共重合体からなる群より選ばれる1種類又は2種類以上のプロピレン系重合体からなるポリプロピレン系樹脂組成物(X)を含むポリプロピレン系樹脂組成物(Y)100重量部に対し、β晶核剤(B)が0.001〜2重量部含まれてなるポリプロピレン系樹脂組成物(Z)からなる変形回復性構造体が40℃以上で10秒間以上状態調整されることを特徴とする変形回復性構造体の製造方法。
- プロピレン単独重合体、プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体及びプロピレン−α−オレフィンブロック共重合体からなる群より選ばれる1種類又は2種類以上のプロピレン系重合体からなるポリプロピレン系樹脂組成物(X)を含むポリプロピレン系樹脂組成物(Y)100重量部に対し、β晶核剤(B)が0.001〜2重量部含まれてなるポリプロピレン系樹脂組成物(Z)からなり、押出成形により得られる複数のストランドからなる連続線状体を三次元ランダムループ状に曲がりくねらせて、複数のループの接触部の少なくとも一部が融着してなる立体網目状構造を有する網状構造体であることを特徴とする変形回復性構造体。
- 前記変形回復性構造体が40℃以上で10秒間以上状態調整されることを特徴とする請求項2に記載の変形回復性構造体の製造方法。
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