JP2019038942A - 石炭成型燃料の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】貯蔵時の水分上昇が抑制される石炭成型燃料の製造方法を提供する。【解決手段】本発明の石炭成型燃料200の製造方法は、石炭粒子4を、温度50〜150℃で成型することを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、粉砕した石炭を成型することによって得られる石炭成型燃料の製造方法に関する。
従来、石炭成型燃料を得る技術として、特許文献1に、粉砕した石炭を成型して第1成型体を得た後、この第1成型体を破砕し、再度成型して第2成型体とし、これによって所望の強度を有する石炭燃料を得る方法が記載されている。
国際公開第2015/098935号
特許文献1に記載の技術によれば、低コストで所望の強度を有する石炭成型燃料が得られる。しかし、特許文献1には、成型時の温度および加熱による石炭燃料の品質向上については記載されていない。
本発明は、石炭粒子を常温より高い温度で成型することによって高品質な石炭燃料が得られる石炭成型燃料の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の石炭成型燃料の製造方法は、石炭粒子を、温度50〜150℃で成型すること
を特徴とする石炭成型燃料の製造方法である。
本発明によれば、石炭粒子を常温より高い温度で成型することによって、強度の向上、見掛密度の向上、および/または屋外貯蔵時の水分上昇の抑制といった、高品質な石炭成型燃料を得ることができる。
本発明の実施形態1による石炭成型燃料の製造工程を示す図である。 図1に示す成型工程で用いることのできる回転式成型機の一例の模式図である。 回転式成型機のロール表面に形成されるロールポケットの一例の平面図である。 図2Aに示すロールポケットの断面形状を示す図である。 回転式成型機のロール表面に形成される溝の配列パターンの一例を示す図である。 図1に示す成型工程で用いることのできる回転式成型機の他の例の模式図である。 図1に示す成型工程で用いることのできるピストン式圧縮成型機の一例の模式図である。 本発明の実施形態2による石炭成型燃料の製造工程を示す図である。 実施例2および3における引張強度の測定方法を説明する図である。 実施例2および3における、成型工程入口温度と引張強度との関係を示すグラフである。 実施例2および3における、成型工程入口温度と見掛密度との関係を示すグラフである。 実施例5における、全水分と浸漬水分との関係を示すグラフである。
[実施形態1]
図1を参照すると、本発明の実施形態1による石炭成型燃料の製造工程が示されている。実施形態1では、石炭成型燃料の製造工程は、破砕工程10、粉砕工程20、乾燥工程30、成型工程40および篩工程50を有し、原料となる石炭1を破砕した後、粉砕および乾燥して石炭粒子4を得る。この石炭粒子4を成型機で成型加工し、成型体5を得る。成型体5は、未成型の石炭粒子4などである石炭粉を含んでおり、この成型体5から石炭粉を除去することにより、石炭成型燃料200を得る。
原料となる石炭1としては、水分が25wt%以上の褐炭または亜瀝青炭を用いることができる。好ましくは水分30wt%以上の褐炭を用いることができる。水分は、JIS M 8820−2000の「石炭類およびコークス類−ロットの全水分測定方法」に記載の「石炭類の全水分測定方法」に基づいて測定した値である。石炭成型燃料の一連の製造工程において、原料として用いられるものは石炭のみであり、バインダー等の添加物は使用されない。バインダー等の添加物の使用は、コストアップの要因となる。しかし、本形態では、バインダーを添加せず石炭のみを用いるため、低コストで石炭成型体を得ることができる。
破砕工程10では、ジョークラッシャーまたはハンマークラッシャー等の適宜の破砕手段を用いて、この石炭1を破砕して、破砕済みの石炭である破砕石炭2を得る。破砕工程10では、後の粉砕工程20で用いるボールミル等の粉砕手段に投入できる大きさまで石炭が破砕されればよく、破砕物2の大きさは、特に限定されないが、最大粒子径が、好ましくは70mm以下、より好ましくは50mm以下、さらに好ましくは20mm以下である。また、破砕石炭2の平均粒子径は、好ましくは1mm〜20mm以下である。ここで、破砕工程10により得られた破砕石炭2の平均粒子径は、JIS M 8801−4の「5. 粒度試験方法」に基づいて測定し、各篩目開きの通過篩質量百分率を求め、通過篩質量百分率が50%となる粒子径を平均粒子径とする。
得られた破砕石炭2は、粉砕工程20に供給される。粉砕工程20では、適宜の粉砕機により破砕石炭2を粉砕して粉砕石炭3を得る。粉砕機としては、乾式粉砕または乾式粉砕方式の粉砕機を用いることができ、その中でも特に、微粉砕が可能であり、かつ、大量処理に適したボールミルやローラーミルを好ましく用いることができる。固体燃料の製造では乾燥工程30と同様、粉砕工程40においても大量処理が要求されるからである。また、粉砕機としては、ペレットミルを用いることもできる。粉砕工程20で得られる粉砕石炭3の平均粒子径は、10〜60μmであり、好ましくは10〜50μm、より好ましくは10〜30μmである。
得られた粉砕石炭3は、乾燥工程30に供給される。乾燥工程30では、粉砕石炭3を、間接乾燥機等の適宜の乾燥機を用いて乾燥させることによって、乾燥した石炭粒子4を得る。間接乾燥機としては、例えばスチームチューブドライヤを用いることができる。石炭成型燃料200が好適に用いられる固体燃料の製造では、大量処理が要求されるため、伝熱面積が大きく大量の乾燥処理が可能なスチームチューブドライヤは、乾燥工程30で用いる乾燥機として好適である。また、乾燥機としては送風乾燥機を用いることもできる。
粉砕工程20と乾燥工程30は、順番が逆であってもよい。すなわち、破砕工程10の後に乾燥工程30を実施して乾燥石炭3’を得た後、得られた乾燥石炭3’を粉砕工程20にて粉砕することもできる。粉砕工程20および乾燥工程30のどちらを先に実施した場合であっても、粉砕工程20および乾燥工程30を経ることによって、乾燥した石炭粒子4が得られる。
得られた石炭粒子4の平均粒子径は、粉砕工程20によって得られたものに相当する。すなわち、石炭粒子4の平均粒子径は、10〜60μmであり、好ましくは10〜50μm、より好ましくは10〜30μmである。石炭粒子4の平均粒子径は、レーザー回折・散乱法によって得られる粒度分布のメディアン径で与えられる。なお、本明細書において、「石炭粒子」とは、粉砕工程20および乾燥工程30を経て得られた石炭粒子4を意味する。
石炭粒子4の平均粒子径を上記の範囲とすることにより、成型工程40において微細な石炭粒子4を成型する際に型への充填率が増大し、後述する石炭成型燃料200の密度を向上させて所望の強度を得ることができる。
なお、ボールミルおよびローラーミルは、粉砕と同時に乾燥をも行えるため、粉砕工程20においてボールミルあるいはローラーミルによる乾燥を行うこともできる。ただし、ボールミルおよびローラーミルでの乾燥能力では、破砕工程で得られた破砕石炭2を十分に乾燥させることは困難である。そこで本形態では、破砕工程10の後、かつ、粉砕工程20の前または後に乾燥工程30を設けて、十分に乾燥した石炭粒子4を得るようにしている。
得られた石炭粒子4は、成型工程40に供給される。成型工程40は、成型機により石炭粒子4を成型することを含む。成型工程40では、石炭粒子4を常温よりも高い温度、具体的には50〜150℃で成型する。成型工程40での成型温度は、成型機の設定温度ではなく、成型工程中の石炭粒子4自身の温度である。
したがって、成型機に供給される石炭粒子4が上記の温度範囲外である場合は、成型機は、成型中の石炭粒子4の温度が上記の温度範囲内になるように、加熱器または冷却器を含むことができる。あるいは、成型工程40に供給される石炭粒子4の温度が上記の温度範囲内になるように、成型工程40の直前の工程(粉砕工程20または乾燥工程30)と成型工程40との間に、石炭粒子4の温度を調整する温度調整機能を付与してもよい。例えば、粉砕工程20では、粉砕の条件によっては処理中の石炭が摩擦や加圧等によって昇温することがあり、また、乾燥工程30では加熱を伴うこともある。よって、温度調整機能は、成型工程40の直前の工程から排出された石炭粒子4の温度に応じて、成型工程40に供給される石炭粒子4の温度が上記の温度範囲内になるように石炭粒子4を加熱または冷却できる任意の機能であってよい。
成型工程40における成型機としては、回転式成型機およびピストン式圧縮成型機など任意の成型機を用いることができる。以下、成型工程40で用いることのできる成型機について図面を参照して説明する。
図2に、成型工程40で用いることのできる回転式成型機の一例として、ブリケットマシンの模式図を示す。図2に示すブリケットマシンは、原料垂直供給方式のブリケットマシンであり、成型手段である一対のロール41と、一対のロール41の上方に配置されて、一対のロール41の間に原料である石炭粒子4を供給する供給手段42と、を有する。供給手段42は、石炭粒子4が供給されるホッパおよびホッパ内の石炭粒子4を下方へ送るスクリューフィーダ等を有している。一対のロール41は、それぞれ適宜の駆動手段で駆動される回転軸を有している。回転軸は、水平方向に延び、かつ、水平方向に間隔をあけて互いに平行に配置されている。また、一対のロール41は隙間をあけて配置されている。ロール41の上方からこの隙間に供給された石炭粒子4を、ロール41の回転駆動によって加圧しながら下方へ送ることで、石炭粒子4の加圧により形成された板状の成型体100および加圧されずにロール41間から漏れた石炭粒子4などを含む成型体5が得られる。
一対のロール41間の隙間(クリアランス)は、広すぎると、ロール41間からの石炭粒子4の漏れや圧力分散が発生しやすくなり、最終的に得られる石炭成型燃料200の密度および強度の低下、並びに収率低下につながる。よって、ロール41間の隙間は3mm以下であることが好ましい。ロール41間の隙間を3mm以下とすることで、十分な強度が確保された板状の成型体を得ることができる。また、ロール41間の線圧は、特に限定されないが、5〜15t/cmであることが好ましい。
一対のロール41のうち少なくとも一方のロール41の表面には、凹凸が形成されていることが好ましい。これにより、ローラ41間に供給された石炭粒子4がローラ41の表面から滑り落ちるのが抑制され、石炭粒子4をローラ41間に良好に保持することができる。また、凹凸を形成することにより、凹部内にも石炭粒子4が充填されるため、単位時間当たりの処理量を多くすることができる。なお、ロール41の表面に凹凸を有する場合、得られる石炭成型燃料200の表面形状は、ロール41の表面の凹凸が転写される。
ロール41の表面に形成される凹凸の形態は特に限定されず、例えば、ロールポケット(凹部)、溝およびこれらの組み合わせであってよい。
凹凸がロールポケットで形成される場合、ロールポケットの形状は任意とすることができる。ロールポケットの一例を図2A、2Bに示す。図2A、2Bは、角丸四角形の開口部を有するロールポケットを両側のロールに形成した例であり、これにより角丸ピロー形石炭成型燃料200が得られる。図示したロールポケットの各部の好ましい寸法範囲(設計値)は、
a:5〜40mm
b:5〜40mm
c:1〜15mm
d:1mm
である。
また、凹凸が溝で形成される場合、溝の幅、深さ、配列等は任意とすることができる。溝の配列の一例を図2Cに示す。図2Cに示す例では、ロール41の軸方向Aに平行な複数の溝が配列されている。溝の幅(ロール41の表面において溝の長さ方向に垂直な方向の長さ)は、好ましくは0.5〜5mmである。溝の深さは、好ましくは0.5〜2mmである。
図3に、成型工程40で用いることのできる回転式成型機の他の例として、コンパクターの模式図を示す。図3に示すコンパクターは、水平供給方式であり、成型手段である一対のロール41と、一対のロール41の間に原料である石炭粒子4を供給する供給手段45と、を有する。2つのロール41は上下に配置され、供給手段45は、原料の供給口(ホッパ等)46と石炭粒子4を水平方向に送るスクリューフィーダ等を有している。一対のロール41は、それぞれ適宜の駆動手段で駆動される回転軸を有している。回転軸は、水平方向に延び、かつ、鉛直方向に間隔をあけて互いに平行に配置されている。水平方向からロール41のロール間の隙間に供給された石炭粒子4をロール41の回転駆動によって加圧しながら水平方向へ送ることで石炭粒子4の加圧により形成された板状の成型体5が得られる。成型工程40において水平供給方式の回転式成型機を用いることで、微細な石炭粒子4がこぼれにくく、ロールの隙間に石炭粒子4を効率的に供給することができ、成型効率が向上する。
垂直給排方式の成型機では、上方から供給される粉体をロールで加圧した後下方に排出するため、ロールに噛み込まれた空気が上方に逃げて粉体の供給が不連続となり、成型効率が低下するおそれがある。これに対し水平給排方式の成型機ではロールに噛み込まれた空気はロール上方に逃げるのみであり粉体側に逆流することがない。したがって、水平給排方式のするコンパクターを用いることで、垂直供給方式の成型機に比べて成型効率を高めることができる。
一対のロール41間の隙間(クリアランス)、線圧、およびロール41の表面構造(溝等の凹凸)については、上述したブリケットマシンの場合と同様であるので、ここではそれらの説明は省略する。
図4に、成型工程40で用いることのできるピストン式圧縮成型機の一例の模式図を示す。ピストン式圧縮成型機の一例として、タブレットマシンが挙げられる。図4に示す成型機は、互いに対向配置された一対の加圧板401、402を有する。加圧板401、402の少なくとも一方は、不図示の駆動手段によって互いの対向方向(矢印A方向)に往復移動可能に設けられている。一方の加圧板401には第1型403が固定されており、他方の加圧板402には第2型404および底板405が固定されている。第1型403および第2型404の形状は、最終的に得られる石炭成型燃料200の形状に従った任意の形状であってよい。例えば、第2型404は円筒形状の部材とし、第1型403は、第2型404の中空部にスライド自在に嵌合するピストン状の部材とすることができる。この場合、底板405は、第2型404の中空部内に配置された円盤状の部材とすることができる。これら第1型403、第2型404および底板405によって成型用の型が構成され、これら第1型403、第2型404および底板405によって囲まれる空間が、成型用のキャビティ406となる。
また、加圧板401、402には、必要に応じて電熱ヒータ等の加熱手段を内蔵することができる。この加熱手段によって、成型中の型温度が所定の温度に保たれ、結果的に、成型中の原料(石炭粒子4)の温度を所定の温度に維持できる。成型機は、型温度測定用の測定手段およびキャビティ406内の原料温度測定用の測定手段として、それぞれ熱電対407および408をさらに備えることができる。原料温度測定用の熱電対208は、原料温度の測定中は測定部がキャビティ406内に位置し(図4参照)、原料の加圧の際にはキャビティ406内に突出しないように、キャビティ406内に進退移動可能に設けられる(矢印B方向)。
上記のように構成された成型機では、第2型404から第1型403が抜き出され、第2型404の中空部を開放した状態で、その中空部内に原料が投入される。原料の投入後、第1型403が第2型404に挿入され、かつ、投入された原料が圧縮されるように加圧板401、402を接近させる。またこのとき、加圧板401、402に内蔵された電熱ヒータ等の加熱手段により型の温度が所定の温度に保持されている。所定時間経過すると、キャビティ406内の原料が加熱成型される。原料が加熱成型されたら、第1型403と第2型404とを開いて、加熱成型された成型体をキャビティ406内から取り出す。これによりタブレット状の石炭成型燃料200が得られる。
このようなピストン式圧縮成型機を用いた場合、成型圧力(面圧)が0.5〜2.5ton/cmであることが好ましい。また、加圧時間0.5〜2.5min、加圧保持時間が1sec〜2minであることが好ましい。このような条件で石炭粒子5を成型することにより、得られた石炭成型燃料200の浸漬水分が低下する。それにより、屋外貯蔵時の水分上昇を抑制することができ、結果的に、石炭成型燃料100の屋外貯蔵によるカロリー低下を抑制することができる。ここで、加圧時間とは、加圧開始から所定の成型圧力に到達するまでの時間を意味し、加圧保持時間とは、成型圧力に到達した後、その成型圧力を保持する時間を意味する。
再び図1を参照すると、成型工程40によって得られた成型体5は篩工程50に供給される。篩工程50では、成型工程40で成型されずに残った石炭粉が成型体5から除去され、石炭粉が除去された成型体5を石炭成型燃料200として得る。篩工程50では振動篩機を用いることができる。振動篩機としては、円形篩機、トロンメル篩機などを使用でき、それらの中でも特に、連続かつ大量処理できる篩機が好ましい。なお、篩工程50は必要に応じて実施すればよく、本発明においては必須の工程ではない。
以上、一連の工程を経て得られた石炭成型燃料200は、見掛密度が1.0〜1.4であることが好ましい。見掛密度は、JIS Z 8807の「8. 液中ひょう量法による密度及び比重の測定方法」に基づいて測定した値である。
また、成型工程40において回転式成型機を用いて成型した場合、得られた石炭成型燃料は単位質量あたりの圧壊強度が100N/g以上であることが好ましい。圧壊強度がこのような値であるとにより、輸送時の耐久性が高いといえる。ここで、単位質量当たりの圧壊強度は、JIS Z 8841−1993「造粒物−強度試験方法」の「3.1 圧壊強度試験方法」に規定された試験方法で測定された圧壊強度を石炭成型燃料200の質量で除した値である。
一方、成型工程40においてピストン式圧縮成型機を用いて成型した場合、得られた石炭成型燃料200は、成型直後に水中浸漬した際に崩壊しないことが好ましい。成型工程40においてピストン式圧縮成型機を用いる場合、石炭粒子4を温度50〜150℃で成型することで、成型直後に水中浸漬した際に崩壊しない石炭成型燃料200を得ることができる。また、得られた石炭成型燃料200は、成型後24時間常温で保持した後、72時間以上水中浸漬した際の全水分が30wt%以下であることが好ましい。石炭粒子4を温度95〜150℃で成型することで、成型後24時間常温で保持した後、72時間以上水中浸漬した際の水分が30wt%以下である石炭成型燃料200を得ることができる。
[実施形態2]
図5を参照すると、本発明の実施形態2におる石炭成型燃料の製造工程が示されている。本形態は、以下(a)〜(c)の点で実施形態1の製造工程と異なっている。
(a)実施形態1における成型工程40が、第1成型工程40A、第2破砕工程40Bおよび第2成型工程40Cで構成される。
第1成型工程40Aおよび第2成型工程40Cでは、実施形態1と同様、回転式成型機(例えば、垂直供給型のブリケットマシンおよび水平供給型のコンパクター)およびピストン式圧縮成型機(例えば、タブレットマシン)のいずれを用いてもよい。
第2成型工程40Cに供給される石炭5’の温度を50〜100℃、好ましくは80〜90℃に調整するための温度調整機能を、粉砕工程20から第2成型工程40Cまでの間のいずれかに付与してもよい。
(b)成型工程(本形態では第2成型工程40C)で得られた成型体7に含まれる品質の悪い成型体を除去することを目的として、成型工程の後に、第3破砕工程45Aおよび研磨工程45Bを有する。この場合、篩工程50によって、第3破砕工程45Aおよび研磨工程45Bで生じた微粉も除去される。
(c)石炭成型燃料の自然発火対策として、篩工程50の後に、冷却工程60Aおよび/または散水工程60Bを有していてもよい。冷却工程60Aでは、空冷方式の冷却装置を用いることが望ましく、冷却後の石炭の温度を40℃以下とすることが望ましい。空冷方式の冷却装置を用いた場合、冷却媒体としては、空気および不活性ガスなどを用いることが望ましい。また、冷却工程60Aの後に散水工程60Bを有することで、石炭成型燃料の品質劣化(強度低下、崩壊など)を抑制することができる。
[温度調整]
成型工程に供給される石炭の温度調整には、温度制御された流体等との熱交換を利用する任意の方法を利用することができる。以下に、石炭の温度調整について、石炭実施形態2の第2成型工程40Cに供給される石炭6を例に挙げて説明する。以下に述べる例は、単独で実施してもよいし、組み合わせ可能な場合は2つ以上を適宜組み合わせてもよい。
粉砕工程20でローラーミルまたはボールミルを用いる場合、ミル作動用ガスの温度および流量を制御して、ミル作動用ガスを粉砕工程20に供給される石炭3’と直接接触させることで温度調整を行うことができる。用いるガスの種類としては、温度調整された空気、燃焼排ガス、スチーム、冷ガスなどを用いることができる。また、これらのガスに常温のガスを混合して温度を微調整してもよい。また、粉体の発火や粉塵爆発の危険性を低減することを目的として、不活性ガス(N、COなど)を用いることもできる。
工程間の石炭6の輸送方式を空気輸送方式とすれば、輸送用ガスの温度および流量を制御して、輸送用ガスを石炭6と直接接触させることで温度調整を行うことができる。用いるガスの種類としては、ミル作動用ガスと同じガスを用いることができる。
熱交換を間接方式で行う場合は、成型工程に供給される温度調整すべき石炭が接触する機器である温度調整石炭接触機器(例えば、成型工程の前工程で使用される装置、工程間での石炭の搬送装置、中間貯蔵装置など)の内部または外周にチューブを配置し、そのチューブを温度調整媒体で温度調整し、温度調整されたチューブに石炭を接触させることで、温度調整を行うことができる。温度調整媒体としては、ガス(スチーム、燃焼排ガス、冷ガスなど)、液体(水、オイルなど)などを用いることができる。
また、上記温度調整石炭接触機器の外周にヒーター(または冷却器)、保温材を設置してもよい。粉体の発火や粉塵爆発の危険性を低減することを目的として、上記機器および中間貯蔵装置の内部に不活性ガス(N、COなど)をパージしてもよい。
温度調整にあたっては、温度調整石炭接触機器に温度計を設置し、温度計によって測定される温度が所望の温度になるように、温度調整媒体の温度を制御してもよい(温度調整媒体がガスの場合は流量の制御でもよい)。また、温度調整機能のある搬送装置の滞留時間を制御して石炭の温度を調整してもよい。
また、処理中の石炭は、温度調整石炭接触機器との接触による摩擦熱、圧縮熱および石炭の自然発熱により温度が上昇する。石炭の温度上昇の影響で、処理中の石炭が通過する機器や中間貯蔵装置等の温度が変動する可能性がある。これらの機器や装置等の温度の変動の度合は、環境条件(気温、湿度)、連続運転時間および石炭の物性値等に左右される。そこで、環境条件を測定し、その測定結果に基づいて、温度調整石炭接触機器の温度を制御してもよい。
温度調整により石炭6の全水分が低下して成型時の好ましい水分範囲から外れることが懸念される場合は、全水分の低下を見越して、乾燥工程30から排出される石炭3’の水分が高めになるように乾燥工程30を実施してもよい。逆に、温度調整の際に、例えば粉砕工程20で用いる作動用ガス中の水分の影響などにより石炭6の水分が上昇する可能性がある場合は、乾燥工程30から排出される石炭3’の水分が低めになるように乾燥工程を実施してもよいし、粉砕工程20で用いる作動用ガスの湿度を低めに調整してもよい。
さらに、上述した温度調整により、各工程で用いる装置、装置間搬送機器および中間貯蔵装置等が変形(膨張、収縮)し、安定運転に支障をきたすおそれのある場合は、温度調整機能を付与する各工程での石炭3’、4、5’、6の温度に応じて、各工程で用いる装置等に変形が生じないように、構成する材料等を選定してもよい。
以下、本発明の実施例について説明する。表1に、以下で説明する実施例で用いた石炭の性状を示す。
[実施例1]
(実施例1)
原料となる石炭として、インドネシア産の褐炭であるBA炭を用い、図1に示す工程に従って石炭成型燃料200を製造した(粉砕工程20→乾燥工程30の順番)。
破砕工程10では、ハンマークラッシャーを用い、最大粒子径が1mm、平均粒子径が0.3mmの破砕石炭2を得た。次いで、粉砕工程20では、ペレットミルを用いた。破砕石炭2は、ペレットミル内部のローラとリングダイとの間で粉砕され、さらにリングダイの孔から連続的に排出され、適宜長さで切断されることでペレット化された。これにより、平均粒子径10μmの粉砕石炭3で構成された含水ペレット(直径8mm×高さ10〜20mmの円柱形)を得た。
乾燥工程30では、乾燥効率を向上させるため、乾燥前にパドル式混合機を用いて、含水ペレットを最大粒径が3mm以下になるように破砕した。含水ペレットの破砕後、スチームチューブドライヤを用い、全水分が15%になるように乾燥させ、乾燥した石炭粒子4を得た。得られた石炭粒子4の温度は90℃であった。
乾燥工程30から成型工程40までの間、石炭粒子4の温度が90℃に維持されるように、乾燥工程30の出口から成型工程40の入口までの搬送機器に保温材を設置した。成型工程40の入口に設置された温度計にて石炭粒子4の温度を測定したところ、90℃であることが確認された。
成型工程40では、図2に示したような、垂直供給方式のブリケットマシンを用いた。用いたブリケットマシンは、直径が520mm、幅(軸方向の長さ)が124mmの一対のロール41を有していた。一対のロール41の周面には、図2A、2Bに示す形状を有する複数のロールポケットが規則的に分散配置されていた。ロールポケットの各部の寸法は、
a=34.7mm
b=36.6mm
c=9.1mm
であった。また、一対のロール41間の隙間dは、設計下限値である1mmとした。ブリケットマシンは、ロール41による線圧が6t/cmになるように動作が制御され、これによって成型体5を得た。
得られた成型体5は篩工程50に供給され、篩工程50で石炭粉を除去した。篩工程50では、篩目3.35mmの振動篩機を用い、篩上に残った石炭を石炭成型燃料200とした。
(比較例1)
比較例1として、成型工程40に供給される石炭粒子4の温度を変更した以外は実施例1と同様にして石炭成型燃料200を製造した。具体的には、成型工程40に供給される石炭粒子4の温度が25℃となるように、乾燥工程30の出口から成型工程40の入口までの搬送機器で、石炭粒子4の冷却を行った。搬送機器としては、水冷式のジャケット付きのスクリュ式搬送装置を用い、搬送用パドルの回転数で滞留時間を制御して石炭粒子4の温度調整を行った。成型工程40の入口に設置した温度計によって石炭粒子4の温度を測定した結果、25℃であることが確認された。
(評価1)
実施例1および比較例1によって得られた石炭成型燃料200について、品質評価を行った。石炭粒子4の代表的な物性、成型工程40の代表的な代表的な成型条件、成型能力、および得られた石炭成型燃料200の品質評価結果を表2に示す。
表2において、石炭成型燃料200の圧壊強度は、JIS Z 8841−1993の「3.1 圧壊強度試験方法」に基づいて測定した。また、見掛密度は、JIS Z 8807の「8. 液中ひょう量法による密度及び比重の測定方法」に基づいて測定した。
表2より、実施例1は、石炭粒子4の全水分および粒度分布が比較例1と同等であるものの、成型工程40の入口での石炭粒子4の温度を90℃としたことによって、成型工程40の入口での石炭粒子4の温度を25℃とした比較例1と比較し、圧壊強度がほぼ2倍となったことが分かる。このことから、成型工程40の入口での石炭粒子4の温度を90℃とすること、言い換えれば、石炭粒子4を90℃で成型することによって、高い圧壊強度を有し、ハンドリング性に優れた石炭成型燃料200を製造できるということがいえる。
[実施例2および3]
(実施例2−1)
原料となる石炭として、インドネシア産の褐炭であるBM1炭を用い、篩工程50を実施しないこと以外は図1に示す工程に従って石炭成型燃料200を製造した(ただし、乾燥工程30→粉砕工程20の順)。
破砕工程10は、実施例1と同様に実施した。次いで、乾燥工程30では、スチームチューブドライヤを用い、全水分が10〜15%になるように、破砕石炭2を乾燥させ、乾燥石炭3’を得た。次に、粉砕工程20では、ボールミルを用いて乾燥石炭3’を平均粒子径が20〜30μmになるように粉砕し、石炭粒子4を得た。
次に、得られた石炭粒子4を成型工程40に供給し、成型体5を得た。成型工程40では、図4に示したような、一対の加圧板401、402、一対の型403、404および加圧板401、402に内蔵されたヒータを有する、温度調整可能なタブレットマシンを用いた。各型403、404はそれぞれコア型およびキャビティ型を構成し、キャビティ型(404)は、内径が14mmの円筒形のキャビティを有していた。なお、使用したタブレットマシンは、上側の加圧板401が固定圧縮盤、下側の加圧板402が可動圧縮盤であり、下側の加圧板402の上昇によりキャビティ406内の粉体の圧縮成型が成される構造となっている。
まず、型403、404を開いた状態で、型温度測定用の熱電対407によって型403、404の温度を測定し、温度が60℃に達した時点で石炭粒子4をキャビティ406に投入した。石炭粒子4の投入後、型403、404を閉じ、原料温度測定用の熱電対408をキャビティ406内に前進させて石炭粒子4の温度を測定した。
原料温度測定用の熱電対408で測定された温度、すなわち石炭粒子4の温度が60℃に達した時点で熱電対408を後退させ、その後、加圧板402を上昇させ、キャビティ406内の石炭粒子4を圧縮成型した。圧縮成型条件は、成型圧力が1.9t/cm、加圧時間が1分、加圧下の保持時間が1分であった。ここで、「加圧時間」は、加圧開始から成型圧力に達するまでの時間をいい、「加圧下の保持時間」は、成型圧力に達した後、その成型圧力を保持している時間をいう。
圧縮成型後、型403、404を開いてタブレット状(円柱状)の成型体5を取り出し、これを石炭成型燃料200とした。
(実施例2−2)
圧縮成型時の石炭粒子4の温度を80℃とした以外は実施例2−1と同様にして石炭成型燃料200を得た。
(比較例2)
圧縮成型時の石炭粒子4の温度を20℃とした以外は実施例2−1と同様にして石炭成型燃料200を得た。
(実施例3−1)
原料である石炭1として、インドネシア産の褐炭であるRM炭を用いた以外は実施例2−1と同様にして石炭成型燃料を得た。
(実施例3−2)
原料である石炭1として、インドネシア産の褐炭であるRM炭を用いた以外は実施例2−2と同様にして石炭成型燃料200を得た。
(比較例3−1)
原料である石炭1として、インドネシア産の褐炭であるRM炭を用いた以外は比較例2と同様にして石炭成型燃料200を得た。
(比較例3−2)
圧縮成型時の石炭粒子4の温度を40℃とした以外は比較例3−1と同様にして石炭成型燃料200を得た。
(評価)
以上の各実施例および比較離で得られたタブレット状の石炭成型燃料200を、大気中で3分間放置した後、ジッパー付きサンプル袋に保管した。石炭成型燃料200は、成型直後(型から取り出した直後)のサンプル、およびサンプル袋に保管して1日経過後のサンプルについて品質評価を行った。石炭粒子4の代表的な物性、成型工程40の代表的な代表的な成型条件、および得られた石炭成型燃料200の品質評価結果を表3に示す。
表3において、石炭成型燃料200の引張強度は、JIS Z 8841−1993の「3.1 圧壊強度試験方法」で用いる、図6に示すような、固定圧縮盤501および可動圧縮盤502を有する試験機を用いた。試験に先だって、サンプルである石炭成型燃料200の直径d(mm)および高さL(mm)をノギス等で測定した。次いで、石炭成型燃料200を、図6に示す姿勢で固定圧縮盤501の固定圧縮面501aの中央部に設置した。この状態で可動圧縮盤502を10mm/minで下降させ、石炭成型燃料200に荷重をかけた。石炭成型燃料200が完全に破壊するまでの荷重の最大指示値を記録し、これを石炭成型燃料200の圧壊強度P(N)とした。得られた圧壊強度を用い、以下の式により引張強度を算出した。
また、見掛密度はJIS Z 8807の「8. 液中ひょう量法による密度及び比重の測定方法」に基づいて測定した。全水分の測定は、、仕込み乾燥重量が不変であるという前提のもと、各時点経過時の試料の重量を測定し、以下の式(2)によって求めた。
(wt1−wload×(1−m/100))/wt1×100 ・・・式(2)
ここで、wt1は所定時間経過時の試料の重量、wloadは仕込み原料湿重量、mは成型直前の原料全水分である。
図7に、成型工程入口温度と引張強度との関係を示し、図8に、成型工程入口温度と見掛密度との関係を示す。
以上の結果より、全水分および粒度分布がほぼ一定の条件で製造した石炭成型燃料200においては、成型工程入口温度が20〜80℃の範囲では、温度が高いほど石炭成型燃料200の引張強度および見掛密度が高くなることが分かった。引張強度および見掛密度が高くなることによって、ハンドリング性に優れた石炭成型燃料200を得ることができる。この傾向は、原料である石炭1の銘柄が異なっても同様である。
[実施例4]
(実施例4−1)
以下の点を除いて実施例2−1と同様にして石炭成型燃料200を得た。
(a)石炭1としてインドネシア産の褐炭であるBM2炭を用いた。
(b)破砕工程10ではジョークラッシャー、ダブルロールクラッシャーの順に処理し、平均粒子径が3mm以下になるように石炭1を破砕した。
(c)乾燥工程30ではスチームチューブドライヤを用い、全水分23%になるように破砕石炭2を乾燥させた。
(d)成型工程40で用いたタブレットマシンは、内径が20mmの円筒形のキャビティを有していた。
(e)成型工程40では、圧縮成型時の石炭粒子4の温度を115℃とした。
(f)成型工程40では、成型圧力を1t/cmとした。
(実施例4−2)
圧縮成型時の石炭粒子4の温度を130℃とした以外は実施例4−1と同様にして石炭成型燃料200を得た。
(実施例4−3)
乾燥工程出口における石炭粒子4の全水分が17.0%であること以外は実施例4−1と同様にして石炭成型燃料200を得た。
(比較例4)
乾燥工程出口における石炭粒子4の全水分が16.0%であること、および成型工程40において型を加熱しなかった(20℃)こと以外は実施例4−1と同様にして石炭成型燃料200を得た。
(評価)
以上の各実施例および比較例で得られたタブレット状の石炭成型燃料200について品質評価を行った。品質評価は、石炭成型燃料200を型から取り出した直後の時点、および型から取り出して大気中で10分間放置し、その後、ジッパー付きサンプル袋に保管し、1日経過後の時点で行い、それぞれの時点について評価用のサンプルを用意した。石炭粒子4の代表的な物性、成型工程40の代表的な代表的な成型条件、および得られた石炭成型燃料200の品質評価結果を表4に示す。
表4において、全水分および見掛密度は、実施例2および3での評価と同様にして求めた。浸漬水分については、測定用のサンプルを水中に浸漬し、浸漬開始から7日間経過した時点でサンプルを回収し、表面に付着した水分をウエス等の布で除去し、その後、JIS M 8820−0(石炭類及びコークス類−ロットの全水分測定方法)に記載の石炭類の全水分測定方法に基づいて測定し、その値を浸漬水分とした。
表4より、各実施例および比較例とも、成型直後から1日後までの間に全水分が低下することが確認された。見掛密度については、比較例は成型直後から1日後までの間に、比較例は低下したが各実施例は増加したことが確認された。このことから、各実施例については、成型直後から1日経過すると、全水分が低下したため、石炭成型燃料200が収縮することが分かる。また、浸漬水分について、比較例は成型直後の浸漬水分の測定が不可能であったが、各実施例とも成型直後から1日後までの間に浸漬水分が低下することが確認された。浸漬水分が低下することは、耐水性が改善されることを意味する。浸漬水分の値は、実施例4−1と実施例4−2との比較では、115℃で成型した場合と130℃で成型した場合との間に優位差は確認できなかった。ただし、これら実施例4−1および実施例4−2は比較例4と比較して浸漬水分(1日後)が著しく小さく、このことから、石炭粒子4を加熱成型することで、耐水性に優れた石炭成型燃料200を製造できるといえる。
[実施例5]
(実施例5−2)
以下の点を除いて実施例2−1と同様にして石炭成型燃料200を得た。
(a)破砕工程10ではジョークラッシャー、ダブルロールクラッシャーの順に処理し、平均粒子径が3mm以下になるように石炭1を破砕した。
(b)乾燥工程30では、箱型乾燥機を用いて、乾燥時間を調整して全水分の異なる4種類の乾燥石炭3’を得た。得られた乾燥石炭3’をそれぞれ粉砕工程で粉砕して、全水分11.1〜17.5%の石炭粒子4を、(実施例5−2−1)〜(実施例5−2−4)とした。
(c)成型工程40では、成型圧力を1.95t/cmとした。
(実施例5−3)
圧縮成型時の石炭粒子4の温度を80℃とした以外は実施例5−2と同様にして、全水分の異なる石炭粒子4から4種類の石炭成型燃料200を得た((実施例5−3−1)〜(実施例5−3−4))。
(実施例5−4)
圧縮成型時の石炭粒子4の温度を95℃とした以外は実施例5−2と同様にして、全水分の異なる石炭粒子4から4種類の石炭成型燃料200を得た((実施例5−4−1)〜(実施例5−4−4))。
(比較例5−1)
圧縮成型時の石炭粒子4の温度を30度とし、全水分を10.5〜17.5%とした以外は実施例5−2と同様にして、全水分の異なる石炭粒子4から5種類の石炭成型燃料200を得た((比較例5−1−1)〜比較例5−1−5))。
(評価)
以上の各実施例および比較例で得られたタブレット状の石炭成型燃料200について品質評価を行った。品質評価は、石炭成型燃料200を型から取り出して大気中で5分間放置し、その後、ジッパー付きサンプル袋に保管し、1日経過後の時点で行った。石炭粒子4の代表的な物性、成型工程40の代表的な代表的な成型条件、および得られた石炭成型燃料200の品質評価結果を表5〜表8に示す。
表5〜8において、全水分、浸漬水分および見掛密度は、実施例4での評価と同様にして求めた。また、図9に、表5〜8に示した全水分と浸漬水分との関係をグラフで表した。
図9より、成型時の石炭粒子4の温度が高いほど浸漬水分が低下しており、このことから、成型時の石炭粒子4の温度が高いほど、得られる石炭成型燃料200の耐水性をより向上させることができることが分かる。
以上説明したように、本発明の形態によれば、以下の(1)〜(5)に記載する石炭成型燃料の製造方法が提供される。
(1) 石炭粒子4を、温度50〜150℃で成型すること
を特徴とする石炭成型燃料200の製造方法。
石炭粒子4を上記の温度で成型することで、強度が向上し、かつ/または全水分の上昇が抑制され、結果的に高品質な石炭成型燃料を得ることができる。
(2) 上記(1)に記載の石炭成型燃料200の製造方法において、
一対のローラを備えた回転式成型機を用い、線圧5〜15t/cmで成型すること
を特徴とする炭成型燃料200の製造方法。
石炭粒子4の成型には回転式成型機を用いることもでき、その場合は、線圧を上記の範囲とすることで、高品質な石炭成型燃料を製造できる。
(3) 上記(2)に記載の石炭成型燃料200の製造方法において、
成型された石炭成型燃料200は、JIS Z 8841に規定された試験方法で測定された圧壊強度を前記石炭成型燃料200の質量で除した値で表される単位質量あたりの圧壊強度が100N/g以上であること
を特徴とする石炭成型燃料200の製造方法。
また、回転式成型機を用いる場合、線圧を上記の範囲とすることで、高強度の石炭成型燃料200を製造することができる。
(4) 上記(1)に記載の石炭成型燃料200の製造方法において、
ピストン式圧縮成型機を用い、面圧0.5〜2.5t/cmで成型すること
を特徴とする石炭成型燃料200の製造方法。
石炭粒子4の成型にはピストン式圧縮成型機を用いることもでき、その場合は、面圧を上記の範囲とすることで、高品質な石炭成型燃料を製造できる。
(5) 上記(4)に記載の石炭成型燃料200の製造方法において、
成型後24時間常温で放置した後、72時間以上水中浸漬した際の前記石炭成型燃料200の全水分が30%以下であること
を特徴とする石炭成型燃料200の製造方法。
また、ピストン式圧縮成型機を用いる場合、面圧を上記の範囲とすることで、水分が抑制された石炭成型燃料200を製造することができる。
10 破砕工程
10A 第1破砕工程
20 粉砕工程
30 乾燥工程
40 成型工程
40A 第1成型工程
40B 第2破砕工程
40C 第2成型工程
41 ロール
42、45供給手段
45A 第3破砕工程
45B 研磨工程
46 供給口
50 篩工程
60A 冷却工程
60B 散水工程
401、402 加圧板
403 第1型
404 第2型
405 底板
506 キャビティ
407、408 熱電対

Claims (5)

  1. 石炭粒子を、温度50〜150℃で成型すること
    を特徴とする石炭成型燃料の製造方法。
  2. 請求項1に記載の石炭成型燃料の製造方法において、
    一対のローラを備えた回転式成型機を用い、線圧5〜15t/cmで成型すること
    を特徴とする石炭成型燃料の製造方法。
  3. 請求項2に記載の石炭成型燃料の製造方法において、
    成型された石炭成型燃料は、JIS Z 8841に規定された試験方法で測定された圧壊強度を前記石炭成型燃料200の質量で除した値で表される単位質量あたりの圧壊強度が100N/g以上であること
    を特徴とする石炭成型燃料の製造方法。
  4. 請求項1に記載の石炭成型燃料の製造方法において、
    ピストン式圧縮成型機を用い、面圧0.5〜2.5t/cmで成型すること
    を特徴とする石炭成型燃料の製造方法。
  5. 請求項4に記載の石炭成型燃料の製造方法において、
    成型後24時間常温で放置した後、72時間以上水中浸漬した際の前記石炭成型燃料の全水分が30%以下であること
    を特徴とする石炭成型燃料の製造方法。
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