JP2019037233A - フィターゼ - Google Patents

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Abstract

【課題】フィターゼ活性を有するポリペプチド、およびフィターゼをコードするポリヌクレオチド配列の提供。【解決手段】フィターゼをコードするポリヌクレオチド配列を含む遺伝子はフィターゼを少なくとも7g/Lから40g/Lまでのレベルで発現する。フィターゼは高い比活性を有し、低pHにおいて活性を保持し、高温で活性を保持しており、リン相当性の増加、リンのバイオアベイラビリティの向上、およびリン加水分解の増加を示す。フィターゼは、食品、飼料、エタノール生産、医薬品、およびクリーニングを含めたさまざまな産業で使用することができる。【選択図】図11

Description

配列表
本出願は、MPEP SS 502.05において認可され規定されるようにUSPTO EFS-WEBサーバー経由で電子出願されているが、この電子出願には電子的に提出された配列表が含まれる;この配列表のすべての内容は、それによって参考として本出願の明細書に組み入れられる。配列表は以下の通り、電子出願されたASCII (.txt)テキストファイルで確認される:
Figure 2019037233
フィターゼ活性を有するポリペプチド、およびフィターゼをコードするポリヌクレオチド配列が与えられる。具体的には、その配列は、比活性の高い、熱安定性に優れた、耐熱性の高いフィターゼの発現レベルを増大させ、フィターゼの幅広い産業利用をもたらす。
説明
フィターゼは、フィチン酸(myo-イノシトール-六リン酸)を、リンおよびイノシトールに加水分解する反応を触媒する、リン酸モノエステル加水分解酵素である。国際生化学・分子生物学連合(IUBMB)命名法勧告、およびBairoch A., "The ENZYME database in 2000," Nucleic Acids Res 28:304-305(2000)にしたがって、フィターゼは、酵素番号(EC番号)EC 3.1.3.8に分類されているが、1-フィターゼ;myo-イノシトール-六リン酸3-ホスホヒドロラーゼ;フィチン酸1-ホスファターゼ;フィチン酸3-ホスファターゼ;またはフィチン酸6-ホスファターゼとも称される。フィターゼはまた、EC 3.1.3.26にも分類されており、これは4-フィターゼ;6-フィターゼ(名称は1L-ナンバリングシステムに基づいており、1D-ナンバリングではない);またはフィチン酸6-ホスファターゼとも呼ばれる。フィターゼはまた、EC 3.1.3.72としても分類され、これは5-フィターゼとも呼ばれる。フィターゼは、ヒスチジン酸ホスファターゼ(HAP);β-プロペラフィターゼ;紫色酸性ホスファターゼ(PAP);およびタンパク質チロシンホスファターゼ(PTP)とも呼ばれる。フィターゼの別称は当技術分野で公知である。
フィターゼは、動物飼料ペレットにおいてサプリメントとして効果をもたらすことができる酵素の一例である。フィターゼはフィチン酸をmyo-イノシトールコア、および1つもしくは複数の遊離リン酸分子に分解する。フィチン酸はmyo-イノシトールコアに共有結合した6つのリン酸基からなる。フィチン酸は、動物用の飼料ペレットを作製するために使用される大豆などの植物原料の成分であり、前記の動物はたとえば、非反芻動物、たとえば家禽(poultry)、ブロイラー、鳥、ニワトリ、産卵鶏、シチメンチョウ、アヒル、ガチョウ、および家禽(fowl);反芻動物、たとえば乳牛、畜牛、ウマ、およびヒツジ;ブタ(pigs)、ブタ(swine)、子豚、育成豚、および雌豚;コンパニオンアニマル、たとえばネコ、イヌ、齧歯動物、およびウサギなどであるがそれに限らない;魚類、たとえばサケ、マス、テラピア、ナマズ、およびコイなどであるがそれに限らない;ならびに甲殻類、たとえば小エビおよびそれより大きい食用エビなどであるがそれに限らない:などである。これらの動物はフィチン酸を消化することができないため、フィチン酸は多くの有害な影響を及ぼす。フィチン酸はカルシウムやマグネシウムなどの二価カチオンをキレート化し、そのリン酸基は給餌される動物にとって生物学的に利用できない形をとっているので、原料中に豊富に存在するにもかかわらず、これらの栄養素で動物の食餌を補うことが必要になる。その上、こうした栄養素は消化されずに動物を通過するので、フィチン酸を分解することができる、食物連鎖のさらに下位の分解者が利用できることとなり、その結果として、たとえば、動物の廃水が接する地表水に藻類の異常発生を生じる。
ニワトリ、ブタ、および魚類などの非反芻動物は、急速な成長のために必要とされる食餌から十分なリンを利用することができないが、それはそうした動物が、食餌中に存在するフィチン酸からリンを遊離するために必要な酵素フィターゼを、天然の状態で産生しないからである。植物性の食餌および種子から、小量のリンしか利用されないのは、リンの大部分がフィチン酸(フィチン酸塩)のリン酸基の形で存在するためである。したがって、動物の成長を促すために、動物にリンを供給する必要がある。
1つの解決法は、無機リンのサプリメントを動物飼料に添加することである;しかしながら、無機リンサプリメントの使用は動物から排泄されて環境中に入るリン酸量の増加をもたらし、それが給水源の汚染につながる。
もう1つの解決法は、動物にフィターゼサプリメントを供給すること、または動物飼料にフィターゼを添加することである。市販のフィターゼ製品の例としては次のものがあるが、それらに限定されない:PHYZYME (Dupont, Danisco, Genencor); QUANTUM and FINASE (AB Vista, AB Enzymes); NATUPHOS (BASF); RONOZYME (DSM); Biofeed phytase (Novo Nordisk); Allzyme phytase (Alltech); OPTIPHOS (Enzyvia, Phytex, Cornell); Rovabio (Adisseo); PHYTOUT (US Waters)。これらのフィターゼ製品はそれぞれ、少なくとも、生産レベル、製造時間、高温安定性、低pH安定性、比活性、および必要用量の点で限界がある。したがって、たとえば、もっと短時間に高収率で製造することができるフィターゼ、高温でより多くの活性を保持するフィターゼ、低pHでより多くの活性を保持するフィターゼ、または使用する人が用量レベルを下げて、動物飼料用フィターゼの製造および供給コストを低下させることができる、高い比活性を有するフィターゼが必要である。
フィターゼは、核酸配列によりコードされるタンパク質である。核酸配列もしくはDNAは宿主生物にクローニングされ、その生物はフィターゼを発現もしくは産生することができる。タンパク質の生産に使用することができる、当技術分野で公知のさまざまなタンパク質発現系がある。タンパク質発現系の例には、細菌、酵母、カビ、哺乳類、植物、もしくは昆虫などの生物が含まれる。さまざまな要因が発現系の選択に影響を与えるが、その要因はたとえば、発現されるべきタンパク質のタイプ、および製造されるタンパク質製品の量などである。Demain, (2009) "Production of Recombinant Proteins by Microbes and higher Organisms," Biotechnology Advances, volume 27, pp 297-306は、さまざまなタンパク質発現系のさまざまな利点および欠点を明らかにする。
フィターゼはさなざまな宿主生物から細胞外で商業生産され、その宿主生物には次のものがあるがそれらに限定されない:クロコウジカビ(Aspergillus niger)、コウジカビ(Aspergillus oryzae)、ペニシリウム・フニクロスム(Penicillium funiculosum)、フィターゼキャノーラ(セイヨウアブラナ(Brassica napus))、ピキア・パストリス(Pichia pastoris)および出芽酵母(Schizosaccharomyces pombe)。Pariza, "Determining the safety of enzymes used in animal feed," Regulatory Toxicology and Pharmacology 56 (2010) 332-342を参照されたい。
Bairoch A., "The ENZYME database in 2000," Nucleic Acids Res 28:304-305(2000) Demain, (2009) "Production of Recombinant Proteins by Microbes and higher Organisms," Biotechnology Advances, volume 27, pp 297-306 Pariza, "Determining the safety of enzymes used in animal feed," Regulatory Toxicology and Pharmacology 56 (2010) 332-342
工業規模のフィターゼ生産は、低コストで短期間に高レベルの酵素を生産する発現系を必要とする。したがって、フィターゼを工業規模で製造するための必要生産量を満たすか、またはそれを越える、遺伝子を提供する必要がある。
本発明のある実施形態は、グラム陰性細菌発現系において高レベルで生産される、フィターゼをコードする遺伝子を提供するものである。別の実施形態は、細胞内発現により高レベルで生産される、フィターゼをコードする遺伝子を提供するものである。また別の実施形態は、グラム陰性細菌発現系において細胞内発現によりフィターゼを生産するものであるが、宿主生物はシュードモナス(Pseudomonas)である。もう1つの実施形態は、シュードモナス・フルオレッセンス(Pseudomonas fluorescens)においてフィターゼを生産するものである。発現系は、当技術分野で公知の任意のシュードモナス・フルオレッセンス発現系、たとえば、Dow Global Technologies Inc.から市販されているシュードモナス・フルオレッセンス発現系、DC454株とすることができる(US Patent PUB. APP. NO. 20050130160および US Patent PUB. APP. NO. 20050186666)。フィターゼ酵素またはポリペプチドをコードする核酸配列は、pMYCベクター(Dow Global Technologies Inc., US Patent PUB. APP. NO. 20050130160)またはpDOW1169ベクター(Dow Global Technologies Inc., US Patent PUB. APP. NO. 20080058262)のいずれかに挿入された後、エレクトロポレーションによってシュードモナス・フルオレッセンス宿主に導入される。本発明の実施形態として使用することができる他のベクターが当業者に知られている。
もう1つの実施形態において、フィターゼをコードするDNAは、プラスミド上に導入してもよいが、たとえば、大腸菌、シュードモナス・フルオレッセンス、シュードモナス・プチダ(Pseudomonas putida)、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)、などのシュードモナス属細菌、ラルストニア属(Ralstonia)細菌、またはカウロバクター属(Caulobacter)細菌などのいくつものグラム陰性細菌系のゲノムに入って安定して形質転換することもできる。同様に、フィターゼは、枯草菌(Bacillus subtilis)、バシラス・メガテリウム(Bacillus megaterium)、もしくはバシラス・ブレビス(Bacillus brevis)などのバシラス属(Bacillus)細菌、ラクトコッカス・ラクティス(Lactococcus lactis)などのラクトコッカス属(Lactococcus)細菌、ラクトバシラス属(Lactobacillus)細菌、またはストレプトマイセス・リビダンス(Streptomyces lividans)などのストレプトマイセス属(Streptomyces)細菌のような、いくつものグラム陽性細菌発現系に導入してもよい。他のグラム陰性、グラム陽性、または別個の真正細菌もしくは古細菌の発現系を用いてフィターゼを発現させることもできる。
別の実施形態において、フィターゼをコードするDNAは、プラスミド内に導入してその発現を指示することができる。フィターゼをコードするDNAを含有するプラスミドには、たとえば、pQE、pET、およびpASKファミリーの大腸菌発現ベクター;pCN51 LT8、RSF1010、pWZ112T、およびpMYCファミリーのシュードモナス発現ベクター;pBAX、pHT01、およびpHIS1525ファミリーのバシラス発現ベクター;pIJ6021およびpIJ2460ファミリーのストレプトマイセス発現ベクター;ならびにpNZ9530およびpNZ8148ファミリーのラクトコッカス発現ベクターを例として含めることができる。上記の例は、例示目的であって、配列番号1のポリヌクレオチド配列を発現することができるベクターの完全なセットを表しているわけではない。
もう1つの実施形態において、フィターゼをコードする、単離された、組換え型または合成の核酸が、細胞内発現によって少なくとも7.0 g/L、8.0 g/L、9.0 g/L、10.0 g/L、11.0 g/L、12.0 g/L、13.0 g/L、14.0 g/L、15.0 g/L、16.0 g/L、17.0 g/L、18.0 g/L、19.0 g/L、20.0 g/L、21.0 g/L、22.0 g/L、23.0 g/L、24.0 g/L、25.0 g/L、26.0 g/L、27.0 g/L、28.0 g/L、29.0 g/L、30.0 g/L、31.0 g/L、32.0 g/L、33.0 g/L、34.0 g/L、35.0 g/L、36.0 g/L、37.0 g/L、38.0 g/L、39.0 g/L、もしくは少なくとも40.0 g/L、または40.0g/Lを越えるレベルで作製される。
別の実施形態において、フィターゼの発酵生産時間は、150時間未満、145 時間未満、140 時間未満、135時間未満、130時間未満、125時間未満、120時間未満、115時間未満、110時間未満、105時間未満、100時間未満、95時間未満、90時間未満、85時間未満、80時間未満、75時間未満、70時間未満、65時間未満、60時間未満、55時間未満、50時間未満、49時間未満、48時間未満、47時間未満、46時間未満、45時間未満、44時間未満、43時間未満、42時間未満、41時間未満、40時間未満、39時間未満、38時間未満、37時間未満、36時間未満、35時間未満、34時間未満、33時間未満、32時間未満、31時間未満、30時間未満、29時間未満、28時間未満、27時間未満、26時間未満、25時間未満、24時間未満、23時間未満、22時間未満、21時間未満、20時間未満、または20時間未満である。
もう1つの実施形態において、発酵は10L以上、100L以上、200L以上、500L以上、1000 L以上、2000 L以上、5000 L以上、10,000 L以上、25,000 L以上、50,000 L以上、55,000 L以上、60,000 L以上、65,000 L以上、70,000 L以上、75,000 L以上、80,000 L以上、85,000 L以上、90,000 L以上、95,000 L以上、100,000 L以上、110,000 L以上、120,000 L以上、130,000 L以上、140,000 L以上、150,000 L以上、160,000 L以上、170,000 L以上、180,000 L以上、190,000 L以上、200,000 L以上、または200,000 Lを越える容積で行われる。
ある実施形態において、細胞内発現系はグラム陰性細菌である。別の実施形態において、グラム陰性細菌はシュードモナス属である。もう1つの実施形態において、シュードモナス属細菌はシュードモナス・フルオレッセンスである。
ある実施形態において、フィターゼ活性を有するポリペプチドは、約35.0 g/Lで生産される。別の実施形態では、フィターゼ活性を有するポリペプチドが7.0 g/Lを越えて生産される。もう1つの実施形態において、フィターゼは144時間未満で発現される。別の実施形態において、フィターゼは84時間未満、74時間未満、64時間未満、54時間未満、44時間未満、34時間未満、または24時間未満で生産される。
ある実施形態において、細胞内発現により生産されるフィターゼをコードする核酸は、大腸菌、バシラス属細菌、ハフニア属細菌(Hafnia sp.)、Perni ophora lycii、バティオーキセラ属細菌(Buttiauxella sp.)、シトロバクター属細菌(Citrobacter sp.)、またはクロコウジカビに由来するものであるか、またはそれらに由来する核酸の改変型である。別の態様において、フィターゼは、PCT公開番号WO 1999/008539、WO 2000/071728、WO 2001/090333、WO 2002/095003、WO 2006/028684、WO 2008/036916、またはWO 2010/135588に記載の任意のフィターゼである。
別の実施形態において、核酸は、単離された、合成または組換え型の核酸である。もう1つの実施形態において、単離された、組換え型または合成の核酸配列は、フィターゼ活性を有するポリペプチドをコードする。別の実施形態において、核酸配列は、配列番号1、配列番号2、配列番号4、配列番号5、および配列番号7の核酸配列からなる1群から選択される。
ある実施形態において、フィターゼ活性を有するポリペプチドをコードする核酸配列は、配列番号1、配列番号2、配列番号4、配列番号5、または配列番号7のバリアントであって、このバリアントは、配列番号1、配列番号2、配列番号4、配列番号5、および/もしくは配列番号7、またはそれらの断片に対して、少なくとも70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98.5%、98.6%、98.7%、98.8%、98.9%、99.0%、99.1%、99.2%、99.3%、99.4%、99.5%、99.6%、99.7%、99.8%、99.9%、または完全に(100%)同一であり、このバリアントはフィターゼ活性のあるポリペプチドをコードする。
別の実施形態において、単離された、合成または組換え型の核酸配列は、配列番号3、配列番号6、および配列番号8からなる1群から選択されるポリペプチドをコードする。もう1つの実施形態において、配列番号1の核酸、または配列番号1のバリアントは、配列番号3のポリペプチドをコードする。別の実施形態において、配列番号2の核酸、または配列番号2のバリアントは、配列番号3のポリペプチドをコードする。別の実施形態において、配列番号4の核酸、または配列番号4のバリアントは、配列番号6のポリペプチドをコードする。別の実施形態において、配列番号5の核酸、または配列番号5のバリアントは、配列番号6のポリペプチドをコードする。別の実施形態において、配列番号7の核酸、または配列番号7のバリアントは、配列番号8のポリペプチドをコードする。
ある実施形態において、核酸配列は、配列番号1、配列番号2、配列番号4、配列番号5、配列番号7、またはそれらのバリアントの全長配列に対して相補的である。
ある実施形態において、フィターゼは、フィターゼ活性を有する、単離された、組換え型または合成のポリペプチドであって、このポリペプチドは、配列番号3、配列番号6、および配列番号8のアミノ酸配列からなる1群から選択される。
別の実施形態において、フィターゼは、配列番号3、配列番号6、または配列番号8のバリアントであって、このバリアントは、配列番号3、配列番号6、もしくは配列番号8、または酵素活性のあるそれらの断片に対して、少なくとも70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98.5%、98.6%、98.7%、98.8%、98.9%、99.0%、99.1%、99.2%、99.3%、99.4%、99.5%、99.6%、99.7%、99.8%、99.9%、または完全に(100%)同一であり、このバリアントはフィターゼ活性を有する。別の実施形態において、フィターゼは、配列番号1、配列番号2、配列番号4、配列番号5、および/または配列番号7を含む核酸配列によってコードされるアミノ酸配列である。
ある実施形態において、フィターゼは、シグナル配列、プロタンパク質配列、プロモーター配列、またはそれらの任意の組み合わせを欠いたアミノ酸配列である。
ある実施形態において、フィターゼは、シグナル配列、タグ、エピトープ、接合因子、制御配列、プロモーター配列、N末端伸長部、C末端伸長部、およびそれらの任意の組み合わせ、からなる1群から選択される異種配列を追加して含有するアミノ酸配列である。
ある実施形態において、フィターゼは、約1000 U/mgから約1,600 U/mgまでの範囲の任意の値の比活性を有する。別の実施形態において、フィターゼは、1000 U/mg、1100 U/mg、1200 U/mg、1300 U/mg、1400 U/mg、1500 U/mg、または1600 U/mgの比活性を有する。
ある実施形態において、フィターゼは、約pH 1.0から約pH 9.0までの範囲の任意のpHで活性がある。ある実施形態において、フィターゼは、pH 1.0、1.5、2.0、2.5、3.0、3.5、4.0、4.5、5.0、5.5、6.0、6.5、7.0、7.5、8.0、8.5、9.0、9.5、またはもっとアルカリ性の条件で、活性がある。
ある実施形態において、フィターゼは約50℃から約100℃までの範囲の任意の温度で活性がある。別の実施形態において、フィターゼは、37℃を越えて約95℃までの範囲において、または約55℃から約85℃までの間、または約70℃から約75℃までの間、または約70℃から約95℃までの間、約90℃から約95℃までの間、約95℃から約105℃までの間、または約95℃から約110℃までの間の温度で活性がある。
ある実施形態において、本発明のフィターゼは組成物に含まれる。別の実施形態において、組成物は配合製品である。また別の実施形態において、組成物は、フィターゼを含有する食品、飼料、サプリメント、動物飼料添加物、またはダイエット補助食品である。別の実施形態において、組成物はフィターゼを含有する医薬品である。
精製タンパク質を用いて、フィチン酸(pH 5.5)に対する比活性(U/mg)を測定した。ピキア(Pichia)発現型フィターゼ:配列番号8(配列番号7によりコードされる)、配列番号3(配列番号2によりコードされる)、および配列番号6(配列番号5によりコードされる)、ならびにシュードモナス(Pseudomonas)発現型フィターゼ:配列番号3(配列番号1によりコードされる)、および配列番号6(配列番号4)によりコードされる。 100 mMクエン酸pH 5.5 + 10%ソルビトール-10% NaCl中のフィターゼ、配列番号3(配列番号1によりコードされる)のDSCクロマトグラム。 10%ソルビトール-10% NaClを含む100 mMクエン酸pH 5.5中、ならびに前記を含まない100 mMクエン酸pH 5.5中の、フィターゼのDSC Tm値(℃)。配列番号3(配列番号1によりコードされる)および配列番号6(配列番号4によりコードされる)はシュードモナス発現型である。配列番号3(配列番号2によりコードされる)、配列番号6(配列番号5によりコードされる)、および配列番号8(配列番号7によりコードされる)はピキア発現型である。 ブリトン-ロビンソン(Britton-Robinson)広域緩衝液を用いた、4 mMフィチン酸に対するフィターゼのpH特性。配列番号3(配列番号1によりコードされる)および配列番号6(配列番号4によりコードされる)はシュードモナス発現型である。配列番号3(配列番号2によりコードされる)および配列番号6(配列番号5によりコードされる)はピキア発現型である。 SGF + ペプシンで処理されたフィターゼのSDS-PAGE。配列番号3(配列番号1によりコードされる)および配列番号6(配列番号4によりコードされる)はシュードモナス発現型である。配列番号3(配列番号2によりコードされる)、配列番号6(配列番号5によりコードされる)、および配列番号8(配列番号7によりコードされる)はピキア発現型である。 熱安定性フィターゼのSGF処理後の活性。熱安定性フィターゼに関して、活性の損失が最小限であるか、またはないことが観察される。T0サンプルはフィターゼ酵素添加の前にpH 11バッファーであらかじめクエンチした。 フィターゼ発酵(30L)のシュードモナス(P.f.)発現レベル。 図8は、当技術分野で知られている大腸菌(E. coli)フィターゼ、改変型大腸菌フィターゼ、および真菌フィターゼと比較した、本発明のフィターゼ(配列番号3)の胃での安定性を示す。 図9は、当技術分野で知られている大腸菌フィターゼ、改変型大腸菌フィターゼ、および真菌フィターゼと比較した、配列番号3のフィターゼの、さまざまなフィチン酸濃度でのフィターゼ活性を示す。 当技術分野で知られている大腸菌フィターゼ、改変型大腸菌フィターゼ、および真菌フィターゼと比較した、配列番号3のフィターゼのDSCクロマトグラフィー。 図11は徐放性のフィターゼ活性を示す。 図12は抗栄養的フィチン酸の加水分解を示す(IP6およびIP5)。 図13は、HPLCによる43日齢ブロイラーの消化内容物のイノシトールホスホエステル分析を示す。 図14は、当技術分野で知られたフィターゼと比較した、飼料転換効率に基づく配列番号3のフィターゼのP相当性を示す。 図15は、当技術分野で知られたフィターゼと比較した、頸骨灰分に基づく配列番号3のフィターゼのP相当性を示す。 図16は、当技術分野で知られたフィターゼと比較した、体重増加に基づく配列番号3のフィターゼのP相当性を示す。
本明細書で使用される「クローニング」は、DNA断片、細胞、もしくは生物のコピーを作製するためのプロセスであって、このプロセスでDNAは、組換えDNAコピーを産生する宿主生物に導入される。
本明細書で使用される「クローニングベクター」は、細菌プラスミドもしくはバクテリオファージなどの担体であって、外来遺伝物質を複製する能力を有する宿主細胞に、たとえばデオキシリボ核酸(DNA)断片または完全な遺伝子などの遺伝子配列を挿入するために使用されるものである。
本明細書で使用される「カクテル」は、本発明のフィターゼを1つもしくは複数の追加の酵素と組み合わせて含有する組成物である。1つもしくは複数の追加の酵素は、任意の酵素、たとえば、ラクターゼ、リパーゼ、プロテアーゼ、カタラーゼ、キシラナーゼ、セルラーゼ、グルカナーゼ、マンナーゼ、アミラーゼ、アミダーゼ、エポキシドヒドロラーゼ、エステラーゼ、ホスホリパーゼ、トランスアミナーゼ、アミンオキシダーゼ、セロビオヒドロラーゼ、アンモニアリアーゼ、またはそれらの任意の組み合わせとすることができる。
「コドン」は、タンパク質に加えられるべきアミノ酸を個別に特定する3つのポリヌクレオチドの配列である。
本明細書で使用される「相補DNAもしくはcDNA」は、逆転写酵素およびDNAポリメラーゼにより触媒される反応において、メッセンジャーRNA(mRNA)鋳型から合成されるDNAである。
本明細書で使用される「培養」は、フィターゼをコードするポリヌクレオチドを含有する宿主細胞において、プロモーターを活性化し、形質転換体を選択し、または遺伝子を増幅するのに適するように改変された、通常の栄養培地の使用を含む。培養条件、たとえば温度、pHなどは、発現のために選択された宿主細胞に対して用いられる条件であって、当業者には明らかである。
本明細書で使用される「宿主細胞」は、フィターゼをコードする核酸配列を含有する、または、本発明の発現カセット、ベクター、クローニングビヒクル、発現ベクター、もしくはクローニングベクターを含有する、形質転換細胞である。宿主細胞は、当業者によく知られている宿主細胞のうち任意のものとすることができるが、これには原核細胞または真核細胞、たとえば細菌細胞、真菌細胞、酵母細胞、哺乳類細胞、昆虫細胞、または植物細胞が含まれる。適当な宿主を選択することは、当業者の能力の範囲内である。
宿主細胞は、組換え配列によってコードされた遺伝子産物を生産するように従来の方法で使用することができる。組換え体の生産工程に使用される宿主に応じて、宿主により生産されるポリペプチドは、グリコシル化されていてもよく、非グリコシル化でもよい。本発明のポリペプチドは、最初のアミノ酸残基であるメチオニンを含んでいても、含んでいなくてもよい。
本明細書で使用される「同一の」は、配列同一性(相同性)の程度であって、それは、当技術分野で公知の任意のコンピュータープログラムおよび関連パラメーター、たとえば、BLAST 2.2.2.またはFASTA version 3.0t78をデフォルトパラメーターとともに用いて、求めることができる。
タンパク質および/または核酸配列同一性(相同性)は、当技術分野で公知のさまざまな配列比較アルゴリズムおよびプログラムの任意のものを用いて評価することができる。このようなアルゴリズムおよびプログラムには、BLASTプログラム(Basic Local Alignment Search Tool at the National Center for Biological Information、たとえば、BLAST、BLAST2、BLASTN、およびBLASTX)、TBLASTN、BLASTP、FASTA、TFASTA、ならびにCLUSTALWがあるがそれらに限定されない(Pearson and Lipman, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85(8):2444-2448, 1988; Altschul et al., J. Mol. Biol. 215(3):403-410, 1990; Thompson et al., Nucleic Acids Res. 22(2):4673-4680, 1994; Higgins et al., Methods Enzymol. 266:383-402, 1996; Altschul et al., J. Mol. Biol. 215(3):403- 410, 1990; Altschul et al., Nature Genetics 3:266-272, 1993)。BLAST、BLAST 2.0、およびBLAST2.2.2アルゴリズムは、本発明の実施にも用いられる。そうしたアルゴリズムはたとえば、Altschul (1977) Nuc. Acids Res. 25:3389-3402; Altschul (1990) J. Mol. Biol. 215:403-410に記載されている。BLAST解析を実行するためのソフトウェアは、国立生物工学情報センター(National Center for Biotechnology Information)によって公開されている。
2つ以上の核酸もしくはポリペプチド配列に関する「相同性」および「同一性」という用語は、あらゆる配列比較アルゴリズムによって、または手作業で並べて目で見て検査することによって評価される、比較ウィンドウもしくは指定領域の全域にわたる最大限の対応関係について並べて比較した時に、同一であるか、または一定割合の同一のアミノ酸残基もしくは核酸を有する、2つ以上の配列もしくは部分配列のことをいう。たとえば、ある配列が基準配列(本発明の例示配列)となり、それとテスト配列を比較する。配列比較アルゴリズムを使用する場合、テスト配列および基準配列をコンピューターに入力し、必要ならば部分配列コーディネートを指定し、配列アルゴリズムプログラムパラメーターを指定する。デフォルトのプログラムパラメーターを使用することができるが、別のパラメーターを指定してもよい。次に配列比較アルゴリズムが、プログラムパラメーターに基づいて、基準配列に対するテスト配列のパーセント配列同一性を算定する。
本明細書で使用される「核酸」は、オリゴヌクレオチド、ヌクレオチド、ポリヌクレオチド、またはこれらのうちいずれかの核酸断片を指す。核酸は、ゲノム起源もしくは合成起源の、ゲノムDNA、cDNA、合成DNA、もしくはRNA(たとえばmRNA、rRNA、tRNA)とすることができ、これらは一本鎖でも二本鎖でもよく、センス鎖を表すこともアンチセンス鎖を表すこともあるが、さらに「核酸」はペプチド核酸(PNA)、または天然もしくは合成起源のDNA様もしくはRNA様物質、たとえばiRNA、リボ核タンパク質(たとえばiRNP)などとすることができる。この用語は、天然ヌクレオチドの既知のアナログを含む、核酸、すなわちオリゴヌクレオチドを包含する。この用語はまた、合成骨格を有する核酸様構造も包含するものであって、Mata (1997) Toxicol. Appl. Pharmacol. 144:189-197; Strauss-Soukup (1997) Biochemistry 36:8692-8698; Samstag (1996) Antisense Nucleic Acid Drug Dev 6:153-156を参照されたい。
本発明の実施に使用される核酸は、RNA、iRNA、アンチセンス核酸、cDNA、ゲノムDNA、ベクター、ウイルス、またはそれらのハイブリッドのいずれであるかにかかわらず、さまざまな起源から単離し、遺伝子操作、増幅、および/または、発現/組換え生産することができる。こうした核酸から生産される組換えポリペプチドは、個別に単離またはクローニングして望ましい活性について調べることができる。ある実施形態において、核酸は、組換え発現系、たとえば細菌、哺乳類、酵母、昆虫、または植物細胞発現系などに用いることができる。
核酸を操作するための技術、たとえば、サブクローニング、標識化プローブ(たとえばクレノウ(Klenow)ポリメラーゼを用いたランダムプライマー標識化、ニックトランスレーション、増幅)、配列決定、ハイブリダイゼーションなどは、科学および特許文献においてよく説明されており、たとえば、Sambrook, ed., MOLECULAR CLONING: A LABORATORY MANUAL (2ND ED.), Vols. 1-3, Cold Spring Harbor Laboratory, (1989); CURRENT PROTOCOLS IN MOLECULAR BIOLOGY, Ausubel, ed. John Wiley & Sons, Inc., New York (1997); LABORATORY TECHNIQUES IN BIOCHEMISTRY AND MOLECULAR BIOLOGY: HYBRIDIZATION WITH NUCLEIC ACID PROBES, Part I. Theory and Nucleic Acid Preparation, Tijssen, ed. Elsevier, N.Y. (1993)などを参照されたい。
本発明は、RNA合成/発現を指示または調節する発現(たとえば転写または翻訳)制御配列、たとえばプロモーターもしくはエンハンサーと、機能するように結合した本発明の核酸(たとえば、DNA)配列を提供する。発現制御配列は発現ベクターに含まれていてもよい。
本発明は、本発明のポリペプチドの発現および過剰発現のために、本発明の核酸、たとえば本発明のフィターゼ、をコードする配列を含む発現系、たとえば発現カセット、ベクター、クローニングビヒクルなど、を提供する。
本発明の核酸配列の最適発現は、コードされたタンパク質の発現増加をもたらす、核酸の部位特異的またはランダムな変異誘発にも関連する。本発明の核酸の変異誘発は、直接的または間接的に、発現タンパク質の収量増加をもたらす。非限定的な例として、本明細書に記載の変異誘発技術を利用して、核酸の5'非翻訳領域、3'非翻訳領域、または翻訳領域の変異を生じさせることができるが、そうした変異の結果、RNAもしくはタンパク質レベルでの安定性をもたらすことが可能となり、それによってタンパク質収量の増加がもたらされる。
一部の実施形態において、目的のタンパク質に生じさせる変異は、さまざまな要因によって決定され、その要因にはたとえば、目的のオープンリーディングフレーム(ORF)もしくは遺伝子の、予想されるmRNA構造の5'末端の2次元および3次元構造の解析、ならびに宿主の好適コドンがあげられるが、目的のタンパク質の発現を高めることができる変異を選択する。たとえば、一部の実施形態において、変異は、宿主の好適コドンだけに基づいて選択されるわけではなく、すなわちコドン最適化やコドン最適化プログラムだけに基づいて選択されるわけではない。
「変異」は、基準と比べてヌクレオチド配列もしくはアミノ酸が変化することである。
「サイレント変異」は、別のアミノ酸を指定する結果をもたらさない、コドンの変異である。
「ヌクレオチド」は、DNA配列を構成する4つの塩基 - アデニン(A)、チミン(T)、グアニン(G)、およびシトシン(C)のうち1つを表す。
ある態様において、本発明の発現カセットは、本発明の配列、ならびにそうした配列と適合する宿主において構造遺伝子(すなわち、本発明のフィターゼなどのタンパク質コード配列)の発現に影響を及ぼすことができるヌクレオチド配列を含む。発現カセットは、少なくとも1つのプロモーターを含むが、これはポリペプチドコード配列に機能しうるように連結されている;さらに必要に応じて、他の配列、たとえば転写終結シグナルを含んでいてもよい。発現を引き起こすのに必要または有用である追加の因子、たとえばエンハンサー、を使用してもよい。
数多くの適当なベクターが当業者に知られており、市販されている。ベクターの例を挙げると、細菌:pQEベクター(Qiagen)、pBluescriptプラスミド、pNHベクター、λZAPベクター(Stratagene);ptrc99a、pKK223-3、pDR540、pRIT2T (Pharmacia);真核生物:pXT1、pSG5 (Stratagene)、pSVK3、pBPV、pMSG、pSVLSV40 (Pharmacia)などである。しかしながら、任意の他のプラスミドもしくは他のベクターを、それらが宿主において複製可能で生存可能である限り、使用することができる。組換え微生物もしくは細胞の培養物が「発現ベクター」を宿主として受け入れているとされる場合、染色体外の環状および直鎖DNA、ならびに宿主染色体に組み込まれたDNAはいずれもこれに含まれる。ベクターが宿主細胞によって維持されている場合、そのベクターは有糸分裂時に細胞によって安定に複製されると考えられる。
発現ベクターは、プロモーター、翻訳開始のためのリボソーム結合部位、および転写終結因子を含有することができる。またベクターは発現を増大させるために適切な配列を含んでいてもよい。
本発明は、フィターゼ活性を有するポリペプチドをコードする核酸、またはその部分配列を増幅するための、増幅プライマー配列ペアを提供する。当業者は、こうした配列の任意の一部分、または全長のための増幅プライマー配列ペアをデザインすることができる。増幅法も当技術分野でよく知られており、たとえば、ポリメラーゼ連鎖反応、PCR;転写増幅;自家持続配列複製法;Qβレプリカーゼ増幅;および他のRNAポリメラーゼによる技法などがある。
本明細書で使用される「ポリペプチド」は、オリゴペプチド、ペプチド、ポリペプチド、またはタンパク質配列であり、あるいはまた、これらのうちいずれかの断片、部分、もしくはサブユニットである「アミノ酸」または「アミノ酸配列」を含み、天然に存在する分子もしくは合成分子に関する。
ある態様において、本発明のポリペプチドおよびペプチドはフィターゼ活性を有する。別の態様において、それらは、たとえば標識化プローブ、抗原、寛容原、モチーフ、フィターゼ活性部位として有用となる可能性がある。
本発明のポリペプチドおよびペプチドは、単離、合成もしくは組換え型とすることができる。ペプチドおよびタンパク質は、in vitroまたはin vivoで、組換え技術によって発現させることができる。本発明のペプチドおよびポリペプチドは、当技術分野で知られている任意の方法を用いて、作製し、単離することができる。本発明のポリペプチドおよびペプチドは、当技術分野でよく知られている化学的方法を用いて、全体としても、部分的にも、合成することができる。たとえば、フィターゼポリペプチドは、(本明細書に記載の)標準的な組換え発現系で作製することができるが、化学合成も可能であり、そうしたポリペプチドが自然に発現されている生物から精製することもできる。
別の態様において、本発明の「組換え」ポリペプチドまたはタンパク質は、組換えDNA技術により作製されたポリペプチドまたはタンパク質;たとえば、望ましいポリペプチドもしくはタンパク質をコードする外来DNA構築物で形質転換された細胞から作製されたポリペプチドまたはタンパク質を含める(を指す)。
別の態様において、本発明のペプチドおよびポリペプチドはグリコシル化されている。グリコシル化は、翻訳後に、化学的に付加されることも、細胞の生合成メカニズムによって付加されることもあるが、後者は既知のグリコシル化モチーフの使用を組み込んでおり、そうしたモチーフは、配列に固有であってもよいが、ペプチドとして付加されても、核酸コード配列に付加されてもよい。グリコシル化は、O結合型もしくはN結合型、またはそれらの組み合わせとすることができる。
別の態様において、本発明のペプチドおよびポリペプチドは、上記のように、部分的または全面的に、「ミメティック(模倣物質)」および「ペプチドミメティック(ペプチド模倣物質)」型を含んでいる。ある態様において、「ミメティック」および「ペプチドミメティック」という用語は、本発明のポリペプチドとほぼ同じ構造特性および/または機能特性を有する合成化合物をいう。ミメティックは、完全に、合成の非天然アミノ酸アナログから構成されることもあるが、一部は天然のペプチドアミノ酸で一部は非天然アミノ酸アナログからなるキメラ分子である。ミメティックはまた、天然アミノ酸の保存的置換がミメティックの構造および/または活性を変化させない限り、任意の量のそうした置換を組み入れることができる。保存的バリアントである本発明のポリペプチドのように、ミメティックが本発明の範囲に含まれるかどうか、すなわちその構造および/または機能が実質的に変化していないこと、は日常的な実験によって確認される。したがって、ある態様において、ミメティック組成物は、フィターゼ活性を有するならば、本発明の範囲に含まれる。
別の態様において、保存的置換とは、ポリペプチド中の所定のアミノ酸を、同様の性質を持つ別のアミノ酸で置き換える置換である。別の態様において、保存的置換は以下の置換である:Ala、Val、LeuおよびIleなどの脂肪族アミノ酸の、別の脂肪族アミノ酸による置換;SerのThrによる置換、もしくはその逆;AspおよびGluなどの酸性残基の、別の酸性残基による置換;AsnおよびGlnなどのアミド基を有する残基の、アミド基を有する別の残基による置換;LysおよびArgなどの塩基性残基の、別の塩基性残基による置換;ならびにPhe、Tyrなどの芳香族残基の、別の芳香族残基による置換;イソロイシン、バリン、ロイシン、もしくはメチオニンなどの1つの疎水性アミノ酸による、別の疎水性アミノ酸の置換;または、1つの極性アミノ酸による別の極性アミノ酸の置換、たとえば、リジンのアルギニンによる置換、アスパラギン酸のグルタミン酸による置換、またはアスパラギンのグルタミンによる置換。ある態様において、1つもしくは複数のアミノ酸を、たとえば本発明のフィターゼポリペプチドから欠失させて、結果として、その生物活性を有意に変化させることなしに、あるいはまた、意図的に有意にその生物活性を変化させるように、ポリペプチドの構造の改変をもたらすことができる。たとえば、フィターゼの生物活性のために必要である、あるいはまた必要でない、アミノ末端もしくはカルボキシ末端アミノ酸を、除去および/または付加することができる。本発明の改変ポリペプチド配列は、任意の方法によってフィターゼ生物活性をアッセイすることができるが、その方法は、改変ポリペプチド配列をフィターゼ基質と接触させ、改変ポリペプチドがそのアッセイで特異的基質の量を減少させるかどうか、または機能的フィターゼポリペプチドと基質との酵素反応の生物学的生成物を増加させるかどうかを測定することを含む。
ある態様において、本発明のペプチドおよびポリペプチドは、本発明のアミノ酸配列と「ほぼ同一の」配列、すなわち1つもしくは複数の保存的もしくは非保存的アミノ酸置換、欠失、または挿入によって相違のある配列、を有するが、それは特に、そうした置換が分子の活性部位でない部位に生じる場合であり、しかもポリペプチドが基本的にその機能的特性を保持している場合である。
ある実施形態において、フィターゼは、配列番号3のアミノ酸配列を有するポリペプチド(配列番号1もしくは配列番号2のポリヌクレオチドによりコードされる);配列番号6のアミノ酸配列を有するポリペプチド(配列番号4もしくは配列番号5のポリヌクレオチドによりコードされる);ならびに、配列番号8のアミノ酸配列を有するポリペプチド(配列番号7のポリヌクレオチドによりコードされる)からなる1群から選択される。
別の実施形態において、フィターゼは、配列番号3、配列番号6、または配列番号8のポリペプチドバリアント、または酵素活性のあるそれらの断片であって、このポリペプチドバリアントは、配列番号3、配列番号6、もしくは配列番号8のポリペプチドに対して少なくとも約70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98.0%、98.1%、98.2%、98.3%、98.4%、98.5%、98.6%、98.7%、98.8%、98.9%、99.0%、99.1%、99.2%、99.3%、99.4%、99.5%、99.6%、99.7%、99.8%、99.9%、または完全な(100%)同一性を有するアミノ酸配列を有し、フィターゼ活性を有する。
本発明はフィターゼを提供するが、そのフィターゼは、シグナル配列(シグナルペプチド(SP)またはリーダーペプチドとも呼ばれる)を持たないか、または改変型もしくは異種性のシグナル配列を有する。本発明のポリペプチドはまた、プレプロドメインおよび/または触媒ドメイン(CD)を持たないか、または改変型もしくは異種性のプレプロドメインおよび/または触媒ドメインを有する可能性がある。本発明のポリペプチドに組み入れられた改変型もしくは異種性のSP、プレプロドメインおよび/またはCDは、たとえばキメラタンパク質の異種ドメインとして、融合タンパク質の一部であってもよいが、化学的連結剤によって付加することもできる。たとえば、本発明の酵素は、異種SPおよび/またはプレプロドメインを、たとえばpPICシリーズベクター(Life Technologies, Carlsbad, CA)などのベクター中に含有することができる。
それに加えて、本発明のポリペプチドはさらに、他のフィターゼ由来の配列であれ、非フィターゼ起源の配列であれ、あるいは完全に合成の配列であれ、異種配列を含有することができる。したがって、ある態様において、本発明の核酸は、内在性、改変型、もしくは異種性のシグナル配列(SP)、プレプロドメインおよび/または触媒ドメイン(CD)、ならびに異種配列(すなわち、本発明のシグナル配列(SP)、プレプロドメインおよび/または触媒ドメイン(CD)とは本来無関係の配列)のコード配列を含有する。異種配列は、SP、プレプロドメインおよび/またはCDのコード配列の3'末端、5'末端、および/または両末端におくことができる。
本発明の固定化酵素および固相担体はフィターゼ酵素またはその断片であるが、その酵素および断片をコードする核酸を固相担体に付着させることができる。これは、工業プロセスでのフィターゼの使用において、経済的かつ効率的であることが多い。たとえば、フィターゼ酵素(もしくはその活性断片)は特定の化学反応に使用されるが、その集合体もしくはカクテルを固相担体に付着させ、プロセスバットに入れて浸漬することができる。酵素反応が生じうる。次に、繰り返し使用するために、固相担体を、それに付着した酵素と共にバットから取り出すことができる。本発明のある実施形態において、本発明の単離された核酸を固相担体に付着させる。本発明の別の実施形態において、固相担体は、ゲル、樹脂、ポリマー、セラミック、ガラス、微小電極、および/またはそれらの任意の組み合わせ、からなる1群から選択される。
酵素もしくはその断片、または核酸を固相担体上に固定化するために、当業者に知られている多くの方法がある。そうした方法の例としては、たとえば、静電液滴生成、電気化学的方法、吸着法、共有結合法、架橋法、化学反応もしくはプロセスによる方法、カプセル化法、アルギン酸カルシウムによる方法、ポリ(メタクリル酸 2-ヒドロキシエチル)による方法などがある。同様の方法は、Methods in Enzymology, Immobilized Enzymes and Cells, Part C. 1987. Academic Press. Edited by S. P. Colowick and N. O. Kaplan. Volume 136; および Immobilization of Enzymes and Cells. 1997. Humana Press. Edited by G. F. Bickerstaff. Series: Methods in Biotechnology, Edited by J. M. Walkerに記載されている。
本明細書で使用される「バリアント」は、上記のポリペプチドの誘導体もしくはアナログを含む。具体的には、バリアントは、本発明のポリペプチドとアミノ酸配列の点で相違し、配列はそれとほぼ同一だが、1つもしくは複数の置換、付加、欠失、融合、およびトランケーションで異なることがあり、それらが任意の組み合わせで存在してもよい。
たとえばフィターゼ酵素をコードする核酸などの、本発明の核酸のバリアントを作製する方法は、当技術分野でよく知られている。これらの方法を繰り返し行い、またはさまざまに組み合わせて使用して、テンプレート核酸によりコードされるフィターゼとは、活性が変化しているか、もしくは異なっているフィターゼ酵素、または安定性が変化しているか、もしくは異なっている前記酵素を作製することができる。こうした方法を繰り返し行うか、またはさまざまな組み合わせで使用して、たとえば、遺伝子/メッセージ発現、メッセージ翻訳、またはメッセージ安定性に変化を生じさせることもできる。別の態様において、細胞の遺伝子構成は、たとえば、相同遺伝子のex vivo改変とそれに続く細胞内への再挿入によって変更される。
本発明はまた、変異誘発法もしくは他の方法によって、本発明のフィターゼの性質を変化させる方法を提供するが、その方法にはたとえば、Verenium Corporation(旧Diversa Corporation, San Diego, CA)により開発された登録商標されたアプローチ、たとえば、GeneReassembly(たとえば、U.S. Patent No. 6,537,776を参照されたい);Gene Site Saturation Mutagenesis (GSSM)(たとえば、U.S. Patent Nos. 6,171,820および6,764,835を参照されたい)、Exonuclease-Mediated Gene Assembly in Directed Evolution(たとえば、U.S. Patent Nos. 6,361,974および6,352,842を参照されたい)、End Selection in Directed Evolution(たとえば、U.S. Patent Nos. 6,358,709および6,238,884を参照されたい)、Recombination-Based Synthesis Shuffling(たとえば、U.S. Patent Nos. 5,965,408および6,440,668、ならびにAustralian Patent No. AU724521を参照されたい)、Directed Evolution of Thermophilic Enzymes(たとえば、U.S. Patent Nos. 5,830,696および6,335,179を参照されたい)、およびTailored Multi-Site Combinatorial Assembly(たとえば、WO 2009/018449を参照されたい)がある。
分子生物学で知られているさまざまな技術を利用することができるが、それはたとえば、ランダムPCR変異誘発、たとえばRice (1992) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89:5467-5471を参照されたい;または、コンビナトリアルマルチプルカセット変異導入、たとえばCrameri (1995) Biotechniques 18:194-196を参照されたい;などである。あるいはまた、核酸、たとえば遺伝子を、ランダムな、もしくは「確率論的な」断片化の後に再構成することも可能であり、たとえば、U.S. Patent Nos. 6,291,242; 6,287,862; ,287,861; 5,955,358; 5,830,721; 5,824,514; 5,811,238; 5,605,793を参照されたい。別の態様において、改変、付加、または欠失は、エラープローンPCR、シャフリング、オリゴヌクレオチド指定変異誘発、アセンブリPCR、セクシャルPCR(sexual PCR)変異誘発、in vivo変異誘発、カセット変異導入、再帰的アンサンブル変異誘発、指数関数的アンサンブル変異誘発、部位特異的変異誘発、遺伝子再構築、遺伝子部位飽和変異誘発(GSSM)、合成ライゲーション再構築(SLR)、組換え、繰り返し配列組換え、ホスホロチオエート修飾DNA変異誘発、ウラシル含有テンプレート変異誘発、ギャップトデュプレックス(gapped duplex)変異誘発、ポイントミスマッチ修復変異誘発、修復欠損宿主株変異誘発、化学的変異誘発、放射線誘発変異、欠失変異誘発、制限部位選択(restriction-selection)変異導入、制限部位精製(restriction -purification)変異導入、人工遺伝子合成、アンサンブル変異誘発、キメラ核酸マルチマー作製、ならびに/または上記および他の方法の組み合わせによって導入される。
本明細書で使用される「トランスジェニック植物および種子」は、本発明の核酸、ポリペプチド、発現カセット、クローニングメカニズム、もしくはベクター、または本発明のトランスフェクト細胞もしくは形質転換細胞を含む。本発明はまた、植物製品、たとえば、油、種子、葉、抽出物などを提供するが、それらは本発明の核酸および/またはポリペプチドを含有する。トランスジェニック植物は、双子葉植物または単子葉植物とすることができる。本発明はまた、こうしたトランスジェニック植物および種子を作製し、使用する方法を提供する。本発明のポリペプチドを発現するトランスジェニック植物もしくは植物細胞は、当技術分野で公知の任意の方法にしたがって構築することができる。たとえば、U.S. Patent No. 6,309,872を参照されたい。
ある実施形態において、フィターゼの細胞外発現を実現するために、本発明の発現構築物は、分泌シグナル配列を利用する。宿主植物種に相同な(本来ある)シグナル配列、異種シグナル配列、すなわち他の植物種もしくは微生物起源のシグナル配列は、同じように使用することができるが、そうしたシグナル配列は当業者に知られている。本発明に関連して使用することができる適当なシグナル配列は、Blobel et al., 1979; Von Heijne, 1986; Garcia et al., 1987; Sijmons et al., 1990; Ng et al., 1994; および Powers et al., 1996)に記載されている。
本明細書に記載の「トランスジェニック非ヒト動物」は、本発明の核酸、ポリペプチド、発現カセット、もしくはベクター、またはトランスフェクト細胞もしくは形質転換細胞である。トランスジェニック非ヒト動物は、本発明の核酸を含有する、たとえば、ヤギ、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ラット、およびマウスとすることができる。こうした動物は、たとえば、フィターゼ活性を検討するためのin vivoモデルとして、または、フィターゼ活性のモジュレーターを求めてin vivoでスクリーニングするためのモデルとして、使用することができる。トランスジェニック非ヒト動物において発現されるべきポリペプチドのコード配列は、構成的となるようにデザインすることができるが、組織特異的因子、発達上特異的な因子、または誘導性転写制御因子の制御下となるようデザインしてもよい。
ある実施形態において、本発明のフィターゼは、動物飼料用添加物として使用される。フィターゼ添加の利点には、飼料中に含まれる全リンの増加、排泄によって環境中に放出されるリンの減少、ならびに他の無機質およびアミノ酸の消化率の上昇があるが、それらに限定されない。別の実施形態において、本発明のフィターゼは、当技術分野で知られているフィターゼと比較すると、高いin vivo活性を有する。別の実施形態において、フィターゼ活性は低い基質濃度で高い(低Km)。もう1つの実施形態において、フィターゼはそれ自体熱安定性を有し、コーティングを用いることなくペレット化安定性を有する。別の実施形態において、フィターゼは消化管内で急速な活性化を示し、より急速に放出される。別の態様において、フィターゼはIP6およびIP5の抗栄養性の低下をもたらす。
もう1つの実施形態において、本発明のフィターゼを含有する動物飼料もしくはサプリメントは、任意の動物に与えることができる。フィターゼは広く、家禽(poultry)、たとえばニワトリ、ブロイラー、産卵鶏;シチメンチョウ;アヒル;ブタ(swine)、たとえば、ブタ(pigs)、子ブタ、もしくは雌ブタ;ウシ亜科の動物、たとえば畜牛;用の動物飼料、ならびにマス、サケ、テラピア、ナマズ、およびバスなどの魚類用の水産養殖飼料中に含まれる。
別の実施形態において、本発明のフィターゼを含有する動物飼料は、当業者に知られている任意の配合製品として動物に提供することができる。動物飼料配合製品の例としては、デリバリーマトリックス、ペレット、錠剤、ゲル、液体、スプレー、挽いた穀類、または粉末があるが、それらに限定されない。
もう1つの実施形態において、本発明のフィターゼは、骨粗鬆症などの骨量減少、悪液質、ならびに栄養素の適正な取り込みまたは利用を損なう可能性のある、化学療法などの医療に向かう個体を治療するために使用される。本発明のある態様は、フィターゼを含有する医薬製剤もしくは食物配合製品を提供するものである。運動トレーニング、激しい身体トレーニング、病院食、微量栄養素に乏しい穀物および豆の食餌、学校給食制度、または他の任意の栄養プログラムを受ける個体に、本発明のフィターゼを使用することは、当技術分野でよくみられる。
ある実施形態において、本発明のフィターゼは、バイオ燃料の工業生産およびバイオマス変換に使用される。たとえば、フィターゼは、発酵、またはアルコール製造プロセスに使用される。ある実施形態において、アルコールはエタノールであって、これは燃料用とすることができるが、あるいは、飲用に適したエタノールである。ある実施形態において、発酵プロセスは、デンプン、またはデンプン以外の植物原料、たとえば、セルロース、ヘミセルロース、および/またはリグニンなどの、リグノセルロース原料を利用することができる。
別の実施形態において、本発明のフィターゼは、蒸留乾燥可溶性物質(DDS);蒸留乾燥穀物残渣(DDG);濃縮蒸留可溶性物質(CDS);蒸留湿潤穀物残渣(DWG);および可溶性物質添加蒸留乾燥穀物残渣(DDGS)を処理するために使用される。これらのアルコール発酵の副産物は、動物飼料の原料として使用することができる。別の実施形態において、フィターゼは、スケーリングを減らし、エタノール収量を増加させるために使用される。
別の実施形態において、本発明のフィターゼは、藻類、バージン植物油、廃植物油、汚水を燃料に変換するために使用される。
別の実施形態において、本発明のフィターゼは、真菌、大腸菌、もしくは改変型大腸菌フィターゼと比較して、高いリン相当性(リン当量)を有する可能性がある。
別の実施形態において、本発明のフィターゼは、0.11から0.23%までの範囲のリン相当性を有する。
別の態様において、フィターゼは、真菌、大腸菌、もしくは改変型大腸菌フィターゼと比較してリンのバイオアベイラビリティが高い。
別の実施形態において、本発明のフィターゼは、真菌、もしくは大腸菌フィターゼと比較すると、リンのバイオアベイラビリティが少なくとも60から65%高い。
別の実施形態において、本発明のフィターゼは、改変型大腸菌フィターゼと比較すると、リンのバイオアベイラビリティが少なくとも20から30%高い。
別の実施形態において、本発明のフィターゼは、真菌、大腸菌、もしくは改変型大腸菌フィターゼと比較すると、高いリン加水分解能力を有する。
別の実施形態において、本発明のフィターゼは、フィチン酸を含有する飼料からリンの最大90%までを加水分解する。
別の実施形態において、本発明のフィターゼは、フィチン酸を含有する飼料からリンの最大90%までを加水分解する能力を有する。
別の実施形態において、本発明のフィターゼは、低pHで5分より長い間、少なくとも100%の活性を有する。別の実施形態において、pHは1.2から約pH 5.5までである。
別の実施形態において、本発明のフィターゼは、フィチン酸0.2 mMから5.1mMまでのフィチン酸濃度において、活性の向上を示す。
別の実施形態において、本発明のフィターゼは、約90℃を上回る融解温度を有する。
別の実施形態において、本発明のフィターゼは、2.5分の時点で少なくとも90%の活性を有する。
別の実施形態において、本発明のフィターゼは、抗栄養的フィチン酸IP2、IP3、IP4、IP5、およびIP6を、約91%から約98%までの範囲で加水分解する。
ある実施形態において、本明細書に記載のフィターゼは、U.S. Provisional Application Serial No 61,777,139, filed March 12, 2013に記載のフィターゼを含んでおり、したがってその記述は参考としてその全体を本明細書に含めるものとする。
(実施例)
フィターゼ比活性
比活性は、シュードモナス(Pseudomonas)およびピキア(Pichia)で発現されたフィターゼについて、(下記のように)測定した。フィターゼ分子の比活性は、分析された2つの発現系での発現によって影響を受けなかった(図1を参照されたい)。ピキア細胞を発酵ブロスから遠心分離によって除去し、上清をデオキシヌクレアーゼ処理して、100 mM Tris pH 8.0でバッファー交換した。フィターゼを発現するシュードモナス細胞を、マイクロフルイダイザーを用いて溶解し、遠心分離した。上清をデオキシヌクレアーゼ処理して、100 mM Tris pH 8.0でバッファー交換した。次に、サンプルをイオン交換カラム(FPLC)上にロードして、画分を採取した。溶出された画分の活性を調べて、SDS-PAGEに流した;純粋画分をプールした。
タンパク質濃度は、分光光度法によって測定した(280nmにおける吸光度)。タンパク質比吸光係数(280nm)を、ペプチドベースソフトウェア計算機、VECTOR NTI (Life Technologies, Carlsbad, CA)を用いて決定した。フィターゼ分子の280nm係数は、ペプチド配列に基づいて、OD280 1.0 = 0.875 mg/mL(配列番号6(配列番号4によりコードされる)、配列番号6(配列番号5によりコードされる)、配列番号3(配列番号1によりコードされる)、および配列番号3(配列番号2によりコードされる))、ならびに0.897 mg/mL(配列番号8(配列番号7によりコードされる))と決定された。DNAは、吸光度比(260/280nm)に基づいて測定され測定可能値未満であった。
フィターゼの比活性は、フィチン酸の脱リン酸化から生じた遊離リン酸基を検出する比色分析によって測定した。精製フィターゼの50μLを分け取り、あらかじめ加温した(37℃)950μL基質混合物(4 mM フィチン酸ドデカナトリウム、100 mM酢酸ナトリウム、pH 5.5)に加えた。1分ごとに50μL分量を抜き出し、50μLの呈色/停止溶液(モリブデン酸-バナジウム酸塩)中でクエンチした。10分後、黄色の発色が完了したら、SpectraMax Plus吸光度読み取り装置を用いて、OD415を測定した。活性は下記の計算で求めた。
活性 = 反応曲線の傾き(A 415nm min -1 ) x 希釈倍率 x 20
リン酸標準曲線の傾き(A415nm μmol/mLリン酸)

μmolリン酸
min * mL

= ユニット/mL

比活性 = ユニット/mL
フィターゼmg/mL

1ユニットは、酵素によって毎分遊離されるリン酸の #μmolとして定義される。
高温でのフィターゼ活性(DSC Tm)
フィターゼの熱安定性を測定するために、Perkin-Elmer Pyris 1 示差走査熱量測定装置 (DSC)を用いて、フィターゼバリアントの融解温度(Tm)を測定した。Tm分析は、100 mMクエン酸塩をバッファーとして使用して(水性飼料抽出物と同様の)pH 5.5で実施した。DSC実行は、10% ソルビトール-10% NaClあり、またはなしで行った。DSC分析は、10% ソルビトール-10% NaClがフィターゼの熱安定性を向上させたことを示す。液体の状態では、98℃を越えるTmを達成することができる(図2)。シュードモナス発現フィターゼは、バッファーのみでは、ピキア発現フィターゼより約1-2℃低いTmを示したが、この温度低下は、10% ソルビトール-10% NaClを添加すると、観察されなかった(図3)。
pH特性
フィターゼの至適pHは、ピキアまたはシュードモナスで発現させた場合(図4)、pH 3.5 - pH 4.5であると測定された。さまざまなpH値におけるフィチン酸基質に対するフィターゼ活性は、検討範囲のpH 1.0 - pH 5.5を網羅するためにバッファーを切り替えることから生じる交絡変数を除くために、ブリトン-ロビンソン(Britton-Robinson)バッファーを用いて測定された。異なるpHにおける活性は、至適pHのpH 4に標準化された。
低pH(擬似胃液(SGF))条件でのフィターゼ活性およびpH特性
フィターゼ分子を、60分の時間経過にわたって、pH 1.2で擬似胃液(SGF)中で処理することによって、胃での安定性を評価した。10ペプシンユニット/μgフィターゼのペプシンをSGFに添加した。10、30、および60分時点で、SGF-フィターゼ混合物の一部を取り出し、200 mM Na-炭酸バッファーpH 11.0中でクエンチした。次にサンプルをSDS-PAGEで分析し、タンパク質消化の度合いを測定した。SDS-PAGE(図5)の結果、配列番号8(配列番号7によりコードされる)分子のフィターゼバンドはSGF+ペプシン処理で10分以内に分解することが示された。ピキアで発現される他のフィターゼ分子(配列番号3(配列番号2によりコードされる)および配列番号6(配列番号5によりコードされる))、ならびにシュードモナスで発現される同分子(配列番号3(配列番号1によりコードされる)および配列番号6(配列番号4によりコードされる))は、60分後に最小の消化を示す。
以前の報告によると、大腸菌wt appAフィターゼは、2.4分というSGF半減期を示した(Garrett et al, 2004)。配列番号8(配列番号7によりコードされる)のフィターゼは、10分後に事実上、活性がないが、他のフィターゼ(配列番号3(配列番号2によりコードされる)、配列番号6(配列番号5によりコードされる)、配列番号3(配列番号1によりコードされる)および配列番号6(配列番号4によりコードされる))は、インタクトなタンパク質(図5)、および活性(図6)を60分後に維持している。
フィターゼ発現
ピキア発現系は、PCTからライセンスされた、ピキア・パストリス(Pichia pastoris)GS115株、およびメタノール誘導性プロモーター(AOX)を利用する。フィターゼは発酵ブロス中に分泌される。ピキアにより発現される配列番号3(配列番号2によりコードされる)のフィターゼは、30L発酵槽でテストし、120時間後に7.0 g/Lを達成した。配列番号6(配列番号5によりコードされる)のフィターゼの発酵結果は、7.0 g/Lより少なかった。
DOWから得られるシュードモナス発現系は、pDOW1169(IPTGで誘導できる)に挿入されたフィターゼ配列を有する菌株(DC454)を利用する。フィターゼは、細胞内で発現されるので、フィターゼを回収するために細胞を溶解する必要がある(図7を参照されたい)。シュードモナスにおける細胞内フィターゼ(配列番号3(配列番号1によりコードされる)および配列番号6(配列番号4によりコードされる))発現に関する3連での結果は、約5 g/Lから約35.0 g/Lの範囲に及ぶ。
フィターゼの胃での安定性
フィターゼは、U.S. Pharmacopeia.(米国薬局方) 2000. Simulated gastric fluid(擬似胃液), TS. National Formulary(国民医薬品集) no. 24/19, 2235. National Publishing, Philadelphia, Pa.にしたがって、10 Uペプシン/mgタンパク質、pH 1.5、ならびに4mMフィチン酸を用いた改変AOAC (kinetic) 活性分析、pH 5.5を用いて、擬似胃液(SGF)条件下で検討した。図8の結果、およびこの実施例に掲げる表は、本発明のフィターゼが、擬似胃液条件下で5分より長い間、少なくとも約96%のフィターゼ活性を保持することを示す。その上、結果から、本発明のフィターゼが、少なくとも30分の間、少なくとも約96%のフィターゼ活性を保持することが示される。その一方で、大腸菌フィターゼ(ECP)、改変型大腸菌フィターゼ(ModECP)、および真菌フィターゼ(FP)は、SGF条件下で30分後に4%、26%、および0%の活性を有する。
Figure 2019037233
低フィチン酸濃度でのフィターゼ活性
大腸菌フィターゼ(ECP)、改変型大腸菌フィターゼ(ModECP)、真菌フィターゼ(FP)、および本発明のフィターゼ(配列番号3)の活性を、0.0 mMから5.1 mM(業界標準)までのさまざまなフィチン酸濃度で検討し、結果を図9に示す。活性は、改変AOAC (kinetic)アッセイ、0.2-5.1 mMフィチン酸pH 5.5を用いて測定した。可溶性フィチン酸濃度は、複数の要因、たとえば飼料中のフィチン酸濃度、飼料の水和、消化物のpH、フィチン-無機複合体などに左右される。本発明のフィターゼは、さまざまなフィチン酸濃度で、ECP、ModECP、およびFPより高活性である。
フィターゼ融解温度
示差走査熱量測定装置 (DSC)を用いて、いくつかのフィターゼの融解温度を測定したが、これは、タンパク質の融解温度Tmの対照評価を可能にする(図10)。タンパク質の1/2がアンフォールドした温度が、そのタンパク質の融解温度である。結果から、本発明のフィターゼ(配列番号3)が、大腸菌フィターゼ(ECP)、改変型大腸菌フィターゼ(ModECP)、および真菌フィターゼ(FP)と比べて、優れた固有の熱安定性を有することがわかる。
フィターゼ活性化
フィターゼは、4mMフィチン酸を用いたフィターゼ活性分析、改変AOAC (kinetic) アッセイ、pH 5.5を用いて、90%を上回る活性に到達するのにかかる時間を測定するために試験を行った。図11に示す結果から、本発明のフィターゼ(配列番号3)は、2.5分後に活性が90%を越えることがわかる。その一方で、真菌フィターゼは、17.5分まで活性が90%を越えない。
フィターゼは抗栄養的フィチン酸(IP6およびIP5)を加水分解する
フィターゼ活性は複雑なので、結果としてさまざまな加水分解産物を生じるが、これらはHPLCで定量することができる。分析手段、たとえばICPおよびHPLCなどを組み合わせて、正確な応用でフィターゼ反応のよりよい理解が与えられる。
ICP:誘導結合プラズマ
HPLC:高速液体クロマトグラフィー
43日のブロイラーから消化物サンプルを採取した。
サンプルは、そ嚢、砂嚢、空腸、および回腸から採取した。
サンプルは、-20℃で冷凍した後、材料を適正に保存するために凍結乾燥した。
図12の結果は、本発明のフィターゼ(配列番号3)が、真菌フィターゼ(FP)、大腸菌フィターゼ(ECP)、および改変型大腸菌フィターゼ(ModECP)と比べて、250U/kg;500U/kg;および2000U/kgの投与量で、より効率的に抗栄養的フィチン酸(IP6およびIP5)を加水分解することを示す。その上、図13の結果は、本発明のフィターゼが、消化物中のフィチン酸(IP2、IP3、IP4、IP5、およびIP6)ならびに関連イノシトールリン酸エステルを、大腸菌フィターゼ(ECP)、改変型大腸菌フィターゼ(ModECP)、もしくは真菌フィターゼ(FP)より効率的に加水分解することを示す。
動物実験
動物実験を行って、代替栄養価を引き出すためにさまざまな用量で本発明のフィターゼ(配列番号3)の有効性を確認し、他のフィターゼと比較した。
・食餌:
- トウモロコシ大豆粕飼料
- 無機リンが十分でなくリンが不足している
- Agristatsによる栄養規格にしたがう市販飼料
- ペレット温度85℃
・酵素投与量:
- 250、500、および2000 FTU/kg
- フィターゼは同一濃度で比較する
・測定:
- 発育成績、頸骨灰分、および回腸栄養消化率
・リンの用量設定:
- 非フィチン態リンでリン用量反応を明らかにする
- 最適な標準曲線(すなわち、直線、二次曲線)を当てはめる
- 反応変数(体重増加、飼料転換効率、頸骨灰分)
- 酵素に対するリン相当値を求める
Figure 2019037233
実験1:フィターゼ(配列番号3)および他のフィターゼを用いた用量反応性による屋内平飼いリン用量設定試験
Figure 2019037233
注1:+veおよび-ve対照飼料はいずれも、Caおよびnpp(非フィチン態リン)が時期(スターター/グロワー/フィニッシャー)に応じて鳥の必要を満たすように調整された。
注2:T3に関するAgristat2012の値:スターター - 0.45% npp、0.93% Ca;グロワー - 0.41% npp、0.84% Ca;フィニッシャー0.38% npp、0.77% Ca。
1つのペン(鶏舎)あたり20羽とし、1回の処理は8つのペンとした;コンディショニング温度85℃のトウモロコシ-大豆粕(SBM)飼料
リン(P)相当値の結果(相対値)
Figure 2019037233
Figure 2019037233
・酵素のリン相当値は日齢とともに増加した
・リン相当値は成績変数に伴って変動した:
- 飼料転換効率は、直線的な反応性を反映して、より高いPの値となった
- 体重増加は、その二次反応性を反映して、より低いPの値となった
・本発明のフィターゼ(配列番号3)は他のフィターゼより高いP相当値を有していた。
実験3:大規模な用量反応性バタリー飼育試験による用量設定
Figure 2019037233
注1:+veおよび-ve対照飼料はいずれも、Caおよびnpp(非フィチン態リン)が時期(スターター/グロワー)に応じて鳥の必要を満たすように調整された。
注2:T3に関するAgristat2012の値:スターター - 0.45% npp、0.93% Ca;グロワー - 0.41% npp、0.84% Ca。
85℃にてペレット化/クランブル化
1回の処理で12のペンを処理し、1つのペンあたり8羽とした;発育成績および頸骨灰分を測定した。
図14の結果から、飼料転換効率に基づくP相当値は、他のフィターゼと比べて配列番号3のフィターゼが優れていたことがわかる。それに加えて、図15によると、頸骨灰分に基づくP相当値は、当技術分野で知られているフィターゼと比べて、配列番号3のフィターゼが、有意に大きかった。同様に、図16によれば、250 U/kg、500 U/kg、および2000 U/kgで投与された場合、配列番号3の体重増加に基づくP相当値は、当技術分野で知られているフィターゼに関して500 U/kgで投与された場合に得られた値より有意に大きかった。
動物実験の概要:
・配列番号3のフィターゼを用いて得られたリン相当値は、日齢および実験により変化した。500 FTU/kgで投与されたとき、配列番号3のフィターゼは下記をもたらした:
- 体重増加:0.11〜0.16 % P相当値
- FCR:0.18〜0.20 % P相当値
- 骨灰分:0.12〜0.13 % P相当値
・500 FTU/kgを使用したとき、配列番号3のフィターゼは、上記実験において体重増加および頸骨灰分のすべてにわたって、最高の結果を示した。
- 相当するリンの相対値は
・真菌フィターゼに対して+36%
・大腸菌フィターゼに対して+38%
・改変型大腸菌フィターゼに対して+78%
用量反応実験は、トウモロコシ大豆飼料中2,000 FTU/kgにおいて、最大で0.23%のリンの遊離を示し、それは、フィチン態リンのほぼ完全な加水分解を示唆する。
リン相当値は、頸骨灰分無機化より体重増加もしくはFCRについて高かったが、それは本発明のフィターゼ、たとえば配列番号3の、リンの遊離以外の役割を示している。

Claims (13)

  1. 真菌、大腸菌、もしくは改変型大腸菌フィターゼと比較して、リン相当性が増加したフィターゼ。
  2. 前記フィターゼが0.11から0.23%までの範囲のリン相当性を有する、請求項1に記載のフィターゼ。
  3. 真菌、大腸菌、もしくは改変型大腸菌フィターゼと比較して、リンのバイオアベイラビリティが増加したフィターゼ。
  4. 前記フィターゼが、真菌、もしくは大腸菌フィターゼと比較して、少なくとも60から65%高いリンのバイオアベイラビリティを有する、請求項3に記載のフィターゼ。
  5. 前記フィターゼが、改変型大腸菌フィターゼと比較して、少なくとも20から30%高いリンのバイオアベイラビリティを有する、請求項3に記載のフィターゼ。
  6. 真菌、大腸菌、もしくは改変型大腸菌フィターゼと比較して、高いリン加水分解能力を有するフィターゼ。
  7. 前記フィターゼが、フィチン酸を含有する飼料からリンの最大90%までを加水分解する、請求項6に記載のフィターゼ。
  8. フィチン酸を含有する飼料からリンの最大90%を加水分解する能力を有するフィターゼ。
  9. 低pHで5分より長い間、少なくとも100%の活性を有するフィターゼ。
  10. フィチン酸0.2 mMから5.1mMまでのフィチン酸濃度において、活性の向上を示すフィターゼ。
  11. 約90℃を上回る融解温度を有するフィターゼ。
  12. 2.5分時点で少なくとも90%の活性を有するフィターゼ。
  13. 抗栄養的フィチン酸IP2、IP3、IP4、IP5、およびIP6を、約91%から約98%までの範囲で加水分解するフィターゼ。
JP2018187881A 2013-07-25 2018-10-03 フィターゼ Pending JP2019037233A (ja)

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