JP2019036437A - 全固体電池用負極材料及びその製造方法、並びに、全固体電池 - Google Patents

全固体電池用負極材料及びその製造方法、並びに、全固体電池 Download PDF

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Abstract

【課題】粒子間の結合が強い緻密な焼結体であり、反応に関与する負極活物質の割合が高い全固体電池用負極材料及びその製造方法、並びに、それを用いた全固体電池を提供する。【解決手段】全固体電池用負極材料は、一般式:Li4Ti5O12で表される第1相と、一般式:Li2TiO3で表される第2相と、を有する焼結体であり、CuKα線を用いたX線回折測定で得られる回折パターンにおいて、回折強度が最大の回折ピークが、前記第1相に帰属される回折ピークである。全固体電池用負極材料の製造方法は、Li4Ti5O12で表される原料粉と、融点が800℃以下である充填材とを、前記原料粉と前記充填材の体積の合計に対して、原料粉が70体積%より多い量となるように混合して混合粉を得る工程と、前記混合粉を成形して得た成形体を焼成する工程とを含む。【選択図】なし

Description

本発明は、全固体電池用負極材料及びその製造方法、並びに、全固体電池に関する。
全固体電池は、固体のイオン伝導体によりキャリアを伝導する構成であり、不燃性ないし難燃性の固体電解質の採用により、高温に対する優れた耐熱性を備えた電池とされる。そのため、電解液を用いる電池と比較して、液漏れや、それに伴う発火等の虞が無く、安全性が高い電池として有望視されている。
現在、全固体電池のエネルギ密度や出力について、更なる向上を図るべく、電極材料や、その製造方法の改良が進められている。全固体電池は、活物質や固体電解質が固相で接触する構造であるため、界面抵抗の低減が大きな課題となっており、優れた充放電性能を示す全固体電池を安定して製造し得る実用的な製法が求められている。
例えば、特許文献1には、一括焼成型の全固体電池において、良好な界面を形成する負極層を形成する技術が開示されている。特許文献1では、LiBO粉末とTiO粉末とを質量比で1:2以上3以下の割合で混合し、混合物を700℃以上800℃以下の温度で焼成した後、得られた負極材料焼成物を粉砕して負極材料粉末を得ている。
特許文献1に記載された負極材料粉末は、X線回折パターンによると、LiTi12の結晶相を有している。LiTi12で表されるチタン酸リチウムは、安定性が高く、比較的安価である等の特徴を持つ負極材料として知られている。
特開2016−103381号公報
全固体電池は、一般に、正極層と、負極層と、固体電解質層とを有し、各層を構成する焼結体を積層して接合させることにより製造されている。焼結体の作製時には、活物質の粒子等と共に、充填材(焼結助剤)が用いられている。充填材が活物質等の粒子間に充填されることにより、焼結体が緻密化し、粒成長を抑制した低温焼成でも焼結粒子が脱落しない程度の取り扱い性を有する焼結体が得られている。充填材としては、融点が比較的低く、リチウムイオンの伝導性を有するホウ酸リチウム(LiBO)等が広く用いられている。
しかし、負極(負極層)を形成するための負極活物質として、LiTi12で表されるチタン酸リチウムを用いる場合、焼結体を焼成する間に、ホウ酸リチウム等の充填材と、LiTi12とが反応する問題がある。ホウ酸リチウムとLiTi12とが反応すると、LiTiOの異相が生成するが、LiTiOは、反応活性に乏しく、高抵抗である。そのため、焼結体を緻密化して粒子が脱落しない程度の取り扱い性を確保しつつ、負極としての充放電性能も確保するのは容易でない現状がある。
特許文献1に記載された技術によると、ホウ酸リチウム(LiBO)と酸化チタン(TiO)との焼成により、活物質として機能するLiTi12で表される相が生成している。そして、750℃や800℃の焼成(実施例1、2参照)では、LiTiOで表される相が生成していない結果が得られている。しかし、750℃や800℃のような高温の熱処理を行うと、焼結の過程でLiTi12の結晶粒が粗大化し、粒子内拡散距離が増大してしまう。そのため、反応に関与する負極活物質の割合が低下し、充放電容量や実効的なエネルギ密度が低くなる虞がある。
そこで、本発明は、粒子間の結合が強い緻密な焼結体であり、反応に関与する負極活物質の割合が高い全固体電池用負極材料及びその製造方法、並びに、それを用いた全固体電池を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために本発明に係る全固体電池用負極材料は、一般式:LiTi12で表される第1相と、一般式:LiTiOで表される第2相と、を有する焼結体であり、CuKα線を用いたX線回折測定で得られる回折パターンにおいて、回折強度が最大の回折ピークが、前記第1相に帰属される回折ピークである。
また、本発明に係る全固体電池用負極材料の製造方法は、LiTi12で表される原料粉と、融点が800℃以下である充填材とを混合して混合粉を得る工程と、前記混合粉を成形して得た成形体を焼成する工程と、を含み、前記充填材と混合される前記原料粉を、前記原料粉と前記充填材の体積の合計に対して70体積%より多い量で用いる。また、LiTi12で表される原料粉を成形して成形体を得る工程と、前記成形体と融点が800℃以下である充填材とを互いに接触した状態に配置する工程と、互いに接触した状態に配置された前記成形体及び前記充填材を焼成する工程と、を含み、前記成形体を構成する前記原料粉を、前記原料粉と前記充填材の体積の合計に対して70体積%より多い量で用いる。
また、本発明に係る全固体電池は、前記の全固体電池用負極材料を含有する負極層と、正極層と、前記負極層と前記正極層の間に介在する電解質層と、を備える。
本発明によれば、粒子間の結合が強い緻密な焼結体であり、反応に関与する負極活物質の割合が高い全固体電池用負極材料及びその製造方法、並びに、それを用いた全固体電池を提供することができる。負極材料の製造に用いるLiTi12で表される原料粉の体積率を多くし、負極層におけるLiTi12の充填率を十分に高くすることにより、反応に関与する負極活物質の割合を高くして、高い充放電容量やエネルギ密度を得ることができる。
粉末状のLTOを調製する工程を示すフロー図である。 粉末状のLCBOを調製する工程を示すフロー図である。 全固体電池用負極材料の製造方法の一例を示すフロー図である。 全固体電池の構成を示す模式図である。 全固体電池用負極材料中のLTO粒子の接合状態を示す透過型電子顕微鏡像である。 銀粒子を含む実施例及び比較例のX線回折パターンを示す図である。 図6Aの2θ=43〜44°の範囲の拡大図である。 銀粒子を含まない実施例及び比較例のX線回折パターンを示す図である。 図7Aの2θ=43〜44°の範囲の拡大図である。 実施例における充放電測定の結果を示す図である。 実施例の放電レート特性を示す図である。 比較例における充放電測定の結果を示す図である。
以下、本発明の一実施形態に係る全固体電池用負極材料及びその製造方法、並びに、それを用いた全固体電池について詳細に説明する。なお、以下の各図において共通する構成については同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
[全固体電池用負極材料]
本実施形態に係る負極材料は、一般式:LiTi12で表される主相(第1相)と、一般式:LiTiOで表される副相(第2相)と、を有する焼結体である。焼結体とは、同種又は異種の粒子同士が焼結により互いに結合した粒子の集合を指す。負極材料としての用途の限りで、負極層を形成するときの取り扱い時や、形成した負極層中において、粒子が実質的に脱落しない程度の凝集状態になって結合しているものを意味する。
本実施形態に係る負極材料は、一般式:LiTi12で表されるチタン酸リチウム(以下、「LTO」と呼称することがある。)の結晶相を主相として有する。焼結体である負極材料は、LTOを主相とする焼結粒子を主体とする粒子の集合で構成される。そのため、後記するように、X線回折測定で得られる回折パターンにおいて、LTOに帰属される回折ピークの相対強度が全回折ピーク中で最大となる。LTOは、スピネル型の結晶構造を有する酸化物であり、リチウムイオンのインターカレーション反応の活性があるため負極活物質として機能する。
また、本実施形態に係る負極材料は、一般式:LiTiOで表されるチタン酸リチウムの結晶相を副相として有する。LiTiOは、LTOの主相中に異相を形成して存在しており、LTOと比較して結晶の量は微量である。LiTiOは、単斜晶系の結晶構造(β−LiTiO)を有する酸化物であり、焼成時、後記する充填材とLTOとの反応により必然的に生成する。負極材料中において、LiTiOは、活物質としての活性は示さないが、焼結粒子同士の結合に寄与する可能性がある。
また、本実施形態に係る負極材料は、焼結体中に、融点が800℃以下である充填材を含有する。充填材は、LTOよりも低い融点を有するため、負極材料の焼成時に焼結助剤として働き、液相焼結により焼結体を形成させる。焼結体において、充填材の相は、結晶相を形成していてもよいし、非晶質相を形成していてもよい。
充填材は、リチウムを含んで組成される。充填材は、リチウムと、酸素と、ホウ素及び炭素のうちの少なくとも一方と、を含んで組成される化合物であることが好ましい。ホウ素が含まれる充填材を用いることにより、焼結温度を低温化できる。また、炭素が含まれる充填材を用いることにより、負極材料について良好なイオン伝導性を得ることができる。このような化合物の具体例としては、炭酸リチウム(LiCO)、ホウ酸リチウム(LiBO)、これらを元素置換した化合物等、各種の低融点を有する化合物が挙げられる。
充填材は、具体的には、次の一般式(I):
Li2+x1−x・・・(I)
[但し、式(I)中、xは、0<x≦1を満たす数である。]で表される炭酸リチウム(LiCO)−ホウ酸リチウム(LiBO)固溶体(以下、「LCBO」と呼称することがある。)であることが好ましい。LCBOは、大気中における安定性に優れ、高いリチウムイオンのイオン伝導率を示す。そのため、充填材としてLCBOを用いることにより、焼結体を緻密化して取り扱い性を向上させつつ、負極としてのイオン伝導率についても高くすることができる。
一般式(I)で表される充填材は、式(I)中、xが、0<x≦0.8を満たす数であることが好ましい。xが0.8以下であると、ホウ酸リチウムの結晶相が形成され難くなり、炭酸リチウムとホウ酸リチウムの二成分による相が形成され易くなるので、充填材による非晶質相が形成され易くなる。そのため、異方性が小さく、熱的及び機械的な安定性が高い充填材によって焼結体を緻密化させることができる。
一般式(I)で表される充填材は、LTOと充填材の合計に対して、1体積%以上含まれることが好ましく、5体積%以上含まれることがより好ましく、7体積%以上含まれることがさらに好ましい。また、充填材は、LTOと充填材の合計に対して、20体積%以下含まれることが好ましく、15体積%以下含まれることがより好ましく、12体積%以下含まれることがさらに好ましい。このような範囲であれば、負極におけるLTOの充填率を高くしつつも、少量の充填材によって緻密な焼結体を形成し、焼結粒子間の結合の強さを十分に高めることができる。
また、本実施形態に係る負極材料は、焼結体中に、導電助剤を含有していてもよい。導電助剤としては、銀、金等の金属材料や、炭素材料等の各種の導電助剤を含有させることができる。導電助剤としては、銀粒子が特に好ましく用いられる。銀であれば、不要な反応を生じさせること無く、良好に負極材料の電子伝導性を高めることができる。銀粒子としては、例えば、最大粒径が20μm以下のものが利用可能である。銀粒子は、原料として用いるLTO粉末と同等の粒径であることが好ましく、平均粒径(メジアン径)が3.0μm以下であることが好ましく、2.0μm以下であることがより好ましい。導電助剤は、負極材料について高い充放電容量を確保する観点からは、負極材料当たり、70体積%以下であることが好ましい。
本実施形態に係る負極材料は、LTOの主相を成す焼結粒子の最大粒径が5.0μm以下であることが好ましく、0.1μm以上3.0μm以下の範囲にあることがより好ましい。また、焼結粒子の平均粒径(メジアン径)が3.0μm以下であることが好ましく、0.1μm以上1.0μm以下の範囲にあることがより好ましい。このように微小な粒径であると、LTO中の粒子内拡散距離を十分に小さくすることができる。また、微小な粒径の原料の使用により、負極層におけるLTOの充填率を十分に高くすることができる。そのため、反応に関与する負極活物質の割合を高くして、高い充放電容量やエネルギ密度を得ることができる。一方、平均粒径が0.1μm未満となる程度に過度に小さいと、LTOと充填材との反応が進み易く、LiTiOの異相を少なく制御することができない。
本実施形態に係る負極材料は、CuKα線を用いたX線回折(X‐ray diffraction:XRD)測定で得られる回折パターンにおいて、回折強度(ピーク高さ)が最大の回折ピークが、LTOの主相(第1相)に帰属される回折ピークとなる。LTOとLiTiOのうち、LTOの相に帰属される回折ピークの回折強度が最大であり、LiTiOの相に帰属される回折ピークに対する相対強度が十分に高いと、焼結体中において、LTOの結晶相の体積率が高い一方、LiTiOの体積率ないし結晶の大きさが微小であると判断できる。よって、このような負極材料によると、高い充放電容量やエネルギ密度を得ることができる。
本実施形態に係る負極材料は、CuKα線を用いたX線回折測定で得られる回折パターンにおいて、LTOの主相(第1相)の(400)面の回折ピークの積分強度をI、LiTiOの副相(第2相)の(−133)面の回折ピークの積分強度をI2A、LiTiOの副相(第2相)の(202)面の回折ピークの積分強度をI2Bとしたとき、次の式(1)で表される積分強度比:
積分強度比=I/I+I2A+I2B・・・(1)
が0.4以上であることが好ましい。
式(1)で表される積分強度比が高いことは、LTOの体積率ないし結晶の大きさが大きく、LTOの結晶相による伝導経路が負極材料中に十分に形成されていることを意味する。また、焼成時、LTOと充填材との反応により必然的に生成するLiTiOの量が少ないことを意味する。そのため、式(1)で表される積分強度比が0.4以上であれば、活物質としての活性を示さないLiTiOの相が生成していても、LTOの粒子同士の接触が遮断され難いため、負極が充放電動作しなくなる可能性が極めて低くなる。よって、粒子間の結合が強い緻密な焼結体でありながら、負極として確実に充放電動作する負極材料とすることができる。
式(1)で表される積分強度比は、より好ましくは0.8以上である。式(1)で表される積分強度比が高いほど、反応に関与する負極活物質の割合が高くなり、より高い充放電容量やエネルギ密度を得ることができる。なお、LiTiOは、焼結体の形成に望ましい量の充填材を用いてLTO粉末を焼成する場合、検出可能な強度の回折ピークを生じる(I2A+I2B≠0、I/I+I2A+I2B<1である。)。
通常、LTOの(400)面の回折ピークは、2θ=43.2°付近の回折角の範囲に現れる。LTOの(400)面の回折ピークの積分強度は、測定で得られた回折パターンにおいて、2θ=43.1〜43.45°の回折角の範囲の積分強度を、適切なフィッティング関数による測定値の補間により、独立して求めることができる。フィッティング関数としては、通常、疑似フォークト(Pseudo Voigt)関数を用いる。
一方、β−LiTiOの(−133)面の回折ピークは、2θ=43.6°付近の回折角の範囲に現れる。また、β−LiTiOの(202)面の回折ピークは、2θ=43.7°付近の回折角の範囲に現れる。β−LiTiOの(−133)面の回折ピークの積分強度、及び、β−LiTiOの(202)面の回折ピークの積分強度は、シグナルが互いに重なって現れるため、これらの回折ピークの積分強度の和については、2θ=43.5〜43.8°の回折角の範囲の積分強度として求めることができる。なお、これらの回折パターンは、例えば、Sonneveld-Visser法によるバックグラウンドの除去や、不要成分によるシグナルの除去を行って解析することができる。
X線回折測定には、例えば、X線回折装置「X’Pert Pro」(スペクトリス社製)を使用することができる。また、X線回折測定のスペクトルの解析装置としては、例えば、X線回折解析ソフトウェア「HighScore Plus」(スペクトリス社製)を使用することができる。式(1)で表される積分強度比は、LiTi12で表される原料粉(LTO粉末)の充填材に対する比率を高くしたり、焼成時の熱処理の温度を抑制したり、焼成するLTOの粒径を調節してLTOと充填材との反応面積を調節したりすることにより調整することが可能である。
[全固体電池用負極材料の製造方法]
次に、本実施形態に係る全固体電池用負極材料の製造方法について説明する。
本実施形態に係る負極材料の製造方法は、LTOの原料粉と充填材とを混合して混合粉を得る混合工程と、混合粉を成形して得た成形体を焼成する焼成工程と、を含む。以下、充填材としてLCBOを用い、粉末状に調製したLTO及びLCBOを混合工程に供する流れを例にとり説明する。
図1は、粉末状のLTOを調製する工程を示すフロー図である。
図1に示すように、負極材料の原料(原料粉)となるLTO粉末は、素原料粉を原料として、第1混合工程S11と、第1仮焼工程S12と、を経ることにより調製することができる。なお、第1仮焼工程S12の後には、必要に応じて第1粉砕工程S13を実施してもよい。
第1混合工程S11では、LTOの化学組成に応じて素原料粉を混合して混合粉を得る。LTOを合成するための素原料粉としては、リチウムを含有する原料として、例えば、炭酸リチウム、水酸化リチウム、硝酸リチウム等を用いることができる。また、チタンを含有する原料として、例えば、二酸化チタン(ルチル型)、二酸化チタン(アナターゼ型)等を用いることができる。リチウムを含有する原料とチタンを含有する原料とを所定比で混合することにより、LTOの前駆体となる混合粉が得られる。
第1混合工程S11において、LTOを合成するための素原料粉は、乾式混合及び湿式混合のいずれにより混合してもよい。混合手段としては、例えば、ボールミル、ジェットミル、遊星ボールミル、スパルタンリューザ等の適宜の混合装置や、乳鉢等を用いることができる。混合により得られた混合粉は、仮焼を促進させるため、分級して粒度を調節してもよい。
第1仮焼工程S12では、LTOの前駆体となる混合粉を熱処理により仮焼する。熱処理は、不要な成分が熱分解により脱離し、所定の化学組成を有するLTO粉末が得られる程度であれば、適宜の温度や時間で行うことができる。例えば、熱処理の温度は、700℃以上1000℃以下の範囲として行うことができる。
第1仮焼工程S12において、熱処理は、例えば、ロータリーキルン等の回転炉、ローラーハースキルン、トンネル炉、プッシャー炉等の連続炉、バッチ炉等の適宜の加熱装置を用いて行うことができる。熱処理は、大気雰囲気で行ってもよいし、酸素ガス雰囲気で行ってもよい。また、熱処理の途中に処理物の解砕を行い、多段階の熱処理により仮焼を行ってもよい。所定の熱処理を行うことにより、粗粉状ないし粗塊状のLTO粉末を得ることができる。
第1仮焼工程S12の後、LTO粉末は、要求される粒度等に応じて、微細粉を得るための第1粉砕工程S13に供してもよい。粉砕手段としては、例えば、前記のボールミル等の混合装置を用いることができる。LTO粉末は、最大粒径を5.0μm以下の範囲に精密粉砕して、負極材料の原料(原料粉)とすることが好ましい。このような原料を用いると共に、焼成時の粒成長を抑制することにより、好ましい粒径を有する負極材料を得ることができる。
図2は、粉末状のLCBOを調製する工程を示すフロー図である。
図2に示すように、負極材料の原料(原料粉)となるLCBO粉末は、素原料粉を原料として、第2混合工程S21と、第2仮焼工程S22と、を経ることにより調製することができる。なお、第2仮焼工程S22の後には、必要に応じて第2粉砕工程S23を実施してもよい。
第2混合工程S21では、LCBOの化学組成に応じて素原料粉を混合して混合粉を得る。LCBOを合成するための素原料粉としては、炭素を含有する原料として、例えば、炭酸リチウム等を用いることができる。また、ホウ素を含有する原料として、例えば、オルトホウ酸、メタホウ酸、酸化ホウ素、ホウ酸三リチウム、メタホウ酸リチウム等を用いることができる。炭素を含有する原料とホウ素を含有する原料とを所定比で混合することにより、LCBOの前駆体となる混合粉が得られる。
第2混合工程S21において、LCBOを合成するための素原料粉の混合は、前記のLTOと同様の混合装置等を用いて行うことができる。炭素を含有する原料や、ホウ素を含有する原料としては、それぞれについて、一種を単独で用いてもよいし、複数種を併用してもよい。
第2仮焼工程S22では、LCBOの前駆体となる混合粉を熱処理により仮焼する。熱処理は、炭素やホウ素が過度に脱離せず、所定の化学組成を有するLCBO粉末が得られる程度であれば、適宜の温度や時間で行うことができる。例えば、熱処理の温度は、500℃以上800℃以下の範囲として行うことができる。
第2仮焼工程S22において、熱処理は、前記のLTOと同様の加熱装置等を用いて行うことができる。熱処理は、大気雰囲気で行ってもよいし、酸素ガス雰囲気で行ってもよい。また、熱処理の途中に処理物の解砕を行い、多段階の熱処理により仮焼を行ってもよい。所定の熱処理を行うことにより、粗粉状ないし粗塊状のLCBO粉末を得ることができる。
第2仮焼工程S22の後、LCBO粉末は、要求される粒度等に応じて、微細粉を得るための第2粉砕工程S23に供してもよい。粉砕手段としては、例えば、前記のボールミル等の混合装置を用いることができる。LCBO粉末は、平均粒径をLTO粉末よりも小さい範囲に精密粉砕して、負極材料の原料(原料粉)とすることが好ましい。LCBO粉末をLTO粉末よりも小さい粒径とすることにより、LCBO粉末を均一に分散させて液相焼結を進行させつつ、焼成後の焼結体におけるLCBOの充填率については極力小さくすることができる。
次に、LTO粉末とLCBO粉末を用いて行う全固体電池用負極材料の製造方法の一例について説明する。
図3は、全固体電池用負極材料の製造方法の一例を示すフロー図である。
本実施形態に係る負極材料は、LTO粉末とLCBO粉末を原料(原料粉)として、LTO粉末とLCBO粉末とを混合して焼成する製造方法(以下、第1製造方法という。)により製造することができる。第1製造方法は、図3に示すように、混合工程S31と、ペースト調製工程S32と、印刷工程S33と、圧着工程S34と、焼成工程S35と、を含む。なお、図3においては、焼結体である負極材料を、ペーストの印刷で薄膜状の成形体として得る方法を例示する。
混合工程S31では、LiTi12で表される原料粉(LTO粉末)と、融点が800℃以下である充填材(LCBO粉末)とを混合して混合粉を得る。この第1製造方法では、原料粉を、原料粉(LTO粉末)と充填材(LCBO粉末)の体積の合計に対して70体積%より多い量で用いる必要がある。原料粉を70体積%より多い量とすることにより、LiTi12で表される主相を有し、一般式:LiTiOで表される副相を有する負極材料を得ることができる。焼結体は、LiTiOで表される結晶相を有するため、焼結粒子間の結合が強い緻密な焼結体として得られる。また、LiTiOの結晶量は微量となるので、LTOが粒子間接触により形成する伝導経路は、遮断される可能性が低くなる。その結果、式(1)で表される積分強度比が0.4以上であり、負極として確実に充放電動作する負極材料を得ることができる。一方、原料粉が70体積%以下であると、LTOによる伝導経路がLiTiOの異相で遮断され易くなり、負極が高確率で充放電動作しなくなるので不適である。
混合工程S31において、原料粉中の充填材の混合比は、LTOと充填材の合計に対して、1体積%以上が好ましく、5体積%以上がより好ましく、7体積%以上がさらに好ましい。また、原料粉中の充填材の混合比は、LTOと充填材の合計に対して、20体積%以下が好ましく、15体積%以下がより好ましく、12体積%以下がさらに好ましい。このような範囲であれば、負極におけるLTOの充填率を高くしつつも、少量の充填材によって焼結性を十分に高めて緻密な焼結体を形成し、焼結粒子間の結合の強さを十分に高めることができる。
混合工程S31において、原料粉と充填材との混合は、前記のLTOと同様の混合装置等を用いて行うことができる。焼結体中に導電助剤を含有させる場合には、原料粉や充填材と共に導電助剤を混合すればよい。原料粉と充填材等との混合は、乾式混合及び湿式混合のいずれにより行ってもよいが、乾式混合により行うことが好ましい。乾式混合であれば、混合後に乾燥処理を行わず、負極材料を成形するためのペーストを調製することができる。
ペースト調製工程S32では、混合粉とビヒクルとを混合して負極材料を成形するためのペーストを調製する。ビヒクルとしては、例えば、溶媒、バインダ、分散剤、増粘剤等を混合することができる。但し、製造しようとする負極材料について、体積当たりのLTOの充填率を高くする観点からは、揮発性や燃焼分解性が高い溶媒とバインダのみを用いることが好ましい。
溶媒としては、例えば、ブタノール、イソプロパノール、エタノール、メタノール等のアルコールや、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素や、アセトン、メチルエチルケトン等のケトンや、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、ブタン酸メチル、ブタン酸エチル等のエステルや、α−テルピネオール等のテルペン類や、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、ブチルカルビトールアセテート等の各種の溶媒を用いることができる。
バインダとしては、例えば、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、セルロース系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリカーボネート等を用いることができる。可塑剤としては、例えば、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘキシル、フタル酸ジオクチル等のフタル酸エステルや、アジピン酸ジヘキシル等のアジピン酸エステルや、エチレングリコール等のグリコール類等を用いることができる。
印刷工程S33では、調製したペーストを基材上に転写して乾燥させることにより薄膜状の成形体を形成する。例えば、金箔等の低反応性の基材上に、スクリーン印刷によってペーストを転写し、適宜の条件で溶媒を乾燥させる。乾燥温度は、例えば、80℃以上150℃以下とすることができる。また、乾燥時間は、例えば、5分以上20分以下とすることができる。薄膜状の成形体は、複数回の印刷を繰り返して積層することにより形成してもよいし、適宜の平面視の形状にパターニングしてもよい。
圧着工程S34では、基材上に形成された成形体を加圧して基材に密着させる。圧着は、熱間で行ってもよい。圧着圧力は、例えば、50MPa以上200MPa以下とすることができる。また、圧着温度は、例えば、10℃以上90℃以下とすることができる。圧着は、例えば、一軸プレス装置、等方圧プレス装置等の適宜のプレス装置を使用して行うことが可能である。
焼成工程S35では、混合粉を成形して得た成形体を焼成する。具体的には、必要に応じて、500℃以下の温度で脱脂した後、充填材が溶融して液相を生じる温度でLTOの焼成を行う。熱処理は、焼結により粒子間のネッキングが進み、粒子間の接触によるイオン伝導及び電子伝導が形成される程度に行うことが好ましい。具体的には、相対密度を少なくとも60%以上まで緻密化することが好ましく、90%以上まで緻密化することがより好ましい。
焼成工程S35では、焼成中、LTOの粒子が液相中で流動可能であり、充填材がLTOの粒子間に浸透しながら緻密化が進む。このとき、LCBO粉末のように充填材がLiを含んでいる場合等には、LTOと充填材とが反応し、LTOにLiが供給され得る。その結果、LTOの粒界を中心として、LiTiOで表される副相が生成する。LiTiOは、活物質としての活性は示さないが、低温焼結であっても組織の充填や界面の移動を制御する等により焼結粒子同士の結合に寄与すると考えられる。そのため、充填材が少なくても、粒子間の結合が強い緻密な焼結体を得ることができる。
焼成工程S35において、熱処理の温度は、900℃以下であることが好ましく、800℃以下であることがより好ましく、750℃未満であることがさらに好ましい。一方、熱処理の温度は、650℃以上であることが好ましく、680℃以上であることがより好ましく、700℃以上であることがさらに好ましい。熱処理の温度が900℃以下であれば、導電助剤として銀粒子等を用いる場合にも溶融しないため、製造上の支障が少ないし、加熱のコストを抑えることができる。また、熱処理の温度をより低くすると、LTOの粒成長が抑制されるため、LTOの粗大化による粒子内拡散距離の増大や、これに伴う伝導経路の遮断を避けることができる。一方、熱処理の温度が650℃以上であれば、焼結体の緻密化を十分に進めることができる。また、熱処理の温度をより高くすると、十分に緻密化した焼結体を短時間で得ることができる。
焼成工程S35において、熱処理の時間は、1時間以上であることが好ましく、2時間以上であることがより好ましい。一方、熱処理の時間は、10時間以下であることが好ましく、5時間以下であることがより好ましい。熱処理の時間が1時間以上であれば、焼結体の緻密化を適切な温度により十分に進めることができる。また、熱処理の時間が10時間以下であれば、工程の所要時間が短縮されるし、焼結体が十分に緻密化した後、熱処理が無駄に続けられなくて済むため、加熱のコストが抑えられる。
焼成工程S35において、熱処理は、前記のLTOと同様の加熱装置等を用いて行うことができる。熱処理は、大気雰囲気で行ってもよいし、酸素ガス雰囲気で行ってもよいが、大気雰囲気で行うことが好ましく、大気雰囲気中で脱脂した後に連続して焼成を行うことが好ましい。所定の熱処理を行うことにより、焼結体の負極材料を得ることができる。
焼成工程S35の後、負極材料は、要求される電極密度、電極の厚さ等に応じて、加圧成形に供されてもよい。加圧成形は、熱間で行ってもよい。加圧成形は、例えば、一軸プレス装置等の適宜のプレス装置を使用して行うことが可能である。
次に、LTO粉末とLCBO粉末を用いて行う全固体電池用負極材料の製造方法の他例について説明する。
本実施形態に係る負極材料は、LTO粉末で作製した成形体の粒子間に、焼成中、溶融した充填材(LCBO粉末)を充填させる製造方法(以下、第2製造方法という。)により製造することもできる。第2製造方法は、成形工程と、配置工程と、焼成工程と、を含む。
成形工程では、LiTi12で表される原料粉(LTO粉末)を成形して成形体を得る。LTOの粒子で構成される成形体は、薄膜状、シート状、厚板状、ブロック状等の適宜の形状として得ることができる。例えば、薄膜状の成形体は、LTO粉末とビヒクルとを混合してペーストを調製し、ペーストを基材上にスクリーン印刷等で転写して乾燥させることにより形成することができる。また、シート状の成形体は、LTO粉末とビヒクルとを混合してスラリーを調製し、スラリーを用いたシート成形を行うことにより、グリーンシートとして得ることができる。
配置工程では、原料粉(LTO粉末)を成形して得た成形体と融点が800℃以下である充填材(LCBO粉末)とを互いに接触した状態に配置する。充填材は、原料粉と同様に、成形体の状態として用いることが可能である。例えば、LTOの成形体上に、充填材とビヒクルとを混合して調製したペーストをスクリーン印刷等で転写して乾燥させることにより、互いに接触した状態にすることができる。また、充填材とビヒクルとを原料として充填材のグリーンシートを作製し、LTOの成形体の上側又は下側に、充填材のグリーンシートを配置することにより、互いに接触した状態にすることができる。成形体同士は、荷重を掛けて圧着させることが好ましい。また、成形体同士の圧着は、熱間で行ってもよい。
焼成工程では、互いに接触した状態に配置された原料粉(LTO粉末)を成形して得た成形体及び充填材(LCBO粉末)を焼成する。具体的には、成形体を熱処理することにより、成形体を脱脂し、その後、充填材の融点以上、且つ、LTOの融点未満の温度でLTOの焼成を行う。所定の温度の熱処理により、充填材が溶融して成形体に含浸し、LTOの粒子間の空隙に毛細管現象によって充填される。そして、粒界付近に微量のLiTiOを生成しながら緻密化が進む。その結果、LTOの主相(第1相)と、LiTiOの副相とを有し、LTOの粒子間の空隙に充填材が充填された焼結体が得られる。
以上の第2製造方法では、成形工程又は配置工程において、成形体を構成する原料粉(LTO粉末)を、原料粉(LTO粉末)と充填材(LCBO粉末)の体積の合計に対して70体積%より多い量で用いる必要がある。例えば、互いに接触した状態に配置して焼成工程に供するLTOの成形体と充填材について、成形体を構成するLTOの量、接触させる充填材の量、充填材の充填率(含浸率)等を調節することにより、LTOとLCBOとの質量比の関係を所定の範囲に制限する。充填材の充填率(含浸率)の調節は、例えば、LTOの成形体について、空孔の体積(空孔率)を制御することにより行うことができる。
これにより、LiTi12で表される主相を有し、一般式:LiTiOで表される副相を有する負極材料を得ることができる。焼結体は、LiTiOで表される結晶相を有するため、焼結粒子間の結合が強い緻密な焼結体として得られる。また、LiTiOの結晶量は微量となるので、LTOが粒子間接触により形成する伝導経路は、遮断される可能性が低くなる。その結果、式(1)で表される積分強度比が0.4以上であり、負極として確実に充放電動作する負極材料を得ることができる。
[全固体電池]
次に、前記の全固体電池用負極材料を用いて製造される全固体電池について説明する。
図4は、全固体電池の構成を示す模式図である。
図4に示すように、本実施形態に係る全固体電池100は、負極層10と、正極層20と、負極層10と正極層20の間に介在する電解質層30と、負極層10に接する負極集電体210と、正極層20に接する正極集電体220と、を備えている。
負極層10は、前記の負極材料1を含有している。負極層10は、負極集電体210に接して配置されている。負極材料1は、前記の負極材料と共に、導電助剤を含んでいてもよい。導電助剤としては、銀粒子を用いることが好ましい。負極層10の厚さは、特に限定されるものではないが、例えば、5μm以上100μm以下、好ましくは10μm以上50μm以下とすることができる。
正極層20は、正極活物質2を含有している。正極層20は、正極集電体220に接して配置されている。正極層20は、正極活物質2と共に、導電助剤、固体電解質等を含んでいてもよい。正極層20の厚さは、特に限定されるものではないが、例えば、5μm以上100μm以下、好ましくは10μm以上50μm以下とすることができる。
正極活物質2としては、例えば、コバルト酸リチウム(LiCoO)、ニッケル酸リチウム(LiNiO)、マンガン酸リチウム(LiMn)、リン酸鉄リチウム(LiFePO)、リン酸マンガンリチウム(LiMnPO)、ケイ酸鉄リチウム(LiFeSiO)、ケイ酸マンガンリチウム(LiMnSiO)、バナジン酸リチウム(LiV−V)、リン酸バナジウムリチウム(Li(PO、LiVOPO)、等の各種の活物質を用いることができる。なお、これらのリチウム複合酸化物は、金属元素の一部が、Co、Mn、Ni、Fe、Ti、Zr、Al、Mg、B等の他の元素で置換されていてもよい。また、これらのリチウム複合酸化物は、各元素の比率が化学量論比であるものに制限されない。
電解質層30は、固体電解質3を含有している。電解質層30は、負極層10及び正極層20のそれぞれとバルクで接して配置されている。電解質層30は、粒子状の固体電解質3と共に、他の種類の固体電解質等を含んでいてもよい。電解質層30の厚さは、特に限定されるものではないが、例えば、0.1μm以上50μm以下、好ましくは1μm以上30μm以下とすることができる。
固体電解質3としては、例えば、前記のLCBOや、LiLaZr12、LiLaNb12等のガーネット型の結晶構造を有する酸化物や、La1−yLiTiO等のペロブスカイト型の結晶構造を有する酸化物や、Li1+zAlTi2−z(PO等のNASICON型の結晶構造を有する酸化物や、LiGeO−Zn2GeO等のLISICON型の結晶構造を有する酸化物や、リン酸三リチウム(LiPO)等の各種の固体電解質を用いることができる。
集電体210,220は、負極層10及び正極層20のそれぞれに電気的に接続して配置され、外部負荷に対して適宜の回路を介して接続される。集電体210,220としては、例えば、金箔、金めっきされた金属材料や、ステンレス鋼、チタン、ニッケル、インジウム、白金、銀、アルミニウム等の金属箔、金属板、メッシュ、パンチングメタル、エキスパンドメタル等や、繊維状、多孔質状に形成した炭素材料等を用いることができる。
図4に示す全固体電池100は、前記の負極材料を負極層10の素材として製造することができる。全固体電池100の製造方法としては、負極層10、正極層20及び電解質層30を各別に焼成する方法を用いてもよいし、電極複合体(10,20,30)を一括焼成する方法を用いてもよい。
負極層10、正極層20及び電解質層30を各別に焼成する製造方法は、例えば、前記の第1製造方法にしたがって焼結体の負極材料を焼成すると共に、電解質層30を構成するための電解質層用成形体、及び、正極層20を構成するための正極層用成形体を焼成し、これらを重ねて互いに圧着させることにより行うことができる。
この製造方法において、負極層10は、例えば、前記の負極材料を製造して負極集電体210上に配置する方法、前記の負極材料を負極集電体210上に形成する方法等によって作製することができる。負極集電体210に接合した負極材料は、電解質層用成形体や正極層用成形体と重ねて接合させることで全固体電池を形成することができるため、全固体電池の製造工程を簡略化することができる。負極層10は、電解質層用成形体や負極集電体210と重ねるとき、前記の第2製造方法のように、充填材(LCBO粉末)の成形体を間に挟んで配置し、焼成時、溶融させた充填材を毛細管現象によって充填してもよい。
また、この製造方法において、正極層20は、例えば、正極活物質2と、バインダと、必要に応じて加える導電助剤とを溶媒中で混練してスラリーないしペーストを作製し、これを成形して焼成することにより焼結体とし、得られた焼結体を電解質層用成形体と正極集電体220との間に位置するように配置することによって作製することができる。正極層10は、電解質層用成形体や正極集電体220と重ねるとき、前記の第2製造方法のように、充填材(LCBO粉末)の成形体を間に挟んで配置し、焼成時、溶融させた充填材を毛細管現象によって充填してもよい。
また、この製造方法において、電解質層30は、例えば、固体電解質3と、バインダとを溶媒中で混練してスラリーないしペーストを作製し、これを成形して焼成することにより焼結体とし、得られた焼結体を負極層10と正極層20との間に位置するように配置することによって作製することができる。電解質層30は、充填材(LCBO粉末)を配合して作製し、前記の第2製造方法のように、焼成時、溶融させた充填材を負極層10側や正極層20側に供給するようにしてもよい。
電極複合体(10,20,30)を一括焼成する製造方法は、例えば、前記の第1製造方法又は第2製造方法にしたがって未焼成の負極材料の成形体を形成し、前記の印刷工程S33、圧着工程S34、焼成工程S35に準じて、電解質層30を構成するためのスラリーないしペースト、及び、正極層20を構成するためのスラリーないしペーストを積層する積層処理、積層物を互いに圧着させる圧着処理、積層物を一括的に熱処理する焼成処理に供することにより行うことができる。
以上、本発明について説明したが、本発明は、前記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。例えば、本発明は、必ずしも前記の実施形態が備える全ての構成を備えるものに限定されない。実施形態の構成の一部を他の構成に置き換えたり、実施形態の構成の一部を他の形態に追加したり、実施形態の構成の一部を省略したりすることができる。
例えば、前記の第1製造方法において、負極材料は、印刷により所定の形状に成形されているが、例えば、成形体の形成にドクターブレード法を使用し、グリーンシート状の負極材料を製造してもよい。また、負極材料の形状は、その他、厚板状、ブロック状等とすることも可能である。また、負極材料の平面視の形状は、例えば、矩形状、円形状、帯状等の適宜の形状とすることができる。
また、前記の全固体電池100は、図4において、負極層10、正極層20及び電解質層30からなる一つの電極複合体(10,20,30)を備えているが、電極複合体は、1以上の任意の数が電気的に直列に接続されて構成されてもよい。
また、前記の全固体電池100は、負極層10及び正極層20が電解質層30を挟んで積層された構造とされているが、負極層10と正極層20との間に電解質層30が介在する限り、適宜の積層構造とすることができる。例えば、平面上の電解質層30に対して、負極層10と正極層20とが、一面側に互いに離間して配置されてもよい。互いに離間して平面上に配置された負極層10と正極層20とを、平面上の電解質層30で接続する構造により、全固体電池100の薄型化を図ることができる。
以下、実施例を示して本発明について具体的に説明するが、本発明の技術的範囲はこれに限定されるものではない。
実施例及び比較例として、全固体電池用負極材料の試料1〜12を作製し、LTO粒子の結合状態と、X線回折測定による回折パターンと、充放電性能について評価した。
(LTO粉末の作製)
負極材料の原料のLTO粉末は、次の手順にしたがって作製した。はじめに、炭酸リチウム(Rockwood社製)と酸化チタン(昭和電工社製)とを、モル比が2:5となるように秤量して混合した。次いで、得られた混合粉を、大気雰囲気中、850℃で2時間保持することにより仮焼し、粗粉状のLTOを得た。粗粉状のLTOは、精密粉砕して粒度を調整したLTO粉末を得た。
(LCBO粉末の作製)
負極材料の原料のLCBO粉末は、次の手順にしたがって作製した。はじめに、炭酸リチウム(林純薬工業社製)とオルトホウ酸(高純度化学研究所社製)とを、モル比が5:1となるように秤量して乳鉢で混合した。次いで、得られた混合粉を、アルミナるつぼに入れ、大気雰囲気中、600℃で10時間保持して一次仮焼を行った。そして、一次仮焼粉を一旦取り出し、乳鉢で解砕し、目開き500μmの篩で分級した。続いて、篩下を、更に、大気雰囲気中、600℃で10時間保持して二次仮焼を行った。得られた二次仮焼粉を、乳鉢で解砕し、目開き500μmの篩で分級し、篩下の粗粉状のLCBOを得た。
続いて、得られた粗粉状のLCBOを、エタノールを分散媒として、ジルコニアボールを用いたボールミルで湿式粉砕した。そして、得られたスラリーを乾燥させた後、乳鉢で解砕し、粒度を調整したLCBO粉末を得た。このようにして粒度を調整することにより、スクリーン印刷に使用するスクリーンメッシュを確実に通過できる粒径とし、スクリーンメッシュの目詰まりや転写むらを防ぐものとした。
(負極材料の作製)
負極材料は、次の手順にしたがって作製した。はじめに、作製したLTO粉末と、LCBO粉末とを、表1に示す混合比となるように秤量し、必要に応じて導電助剤として、平均粒径が1.8μmの銀粒子(昭栄化学工業社製)を無機物原料全体に対して15〜35体積%となるように加え、乳鉢で混合した。次いで、5質量%のエチルセルロースをブチルカルビトールアセテートに溶解して得たビヒクルを、混合により得た混合粉と同重量となるように加えて混練し、負極材料用のペーストを得た。
続いて、得られたペーストを、金箔上にスクリーン印刷法によって転写した。ペーストは、塗布膜の厚さが約10μmとなるように、適宜の回数、繰り返し転写した。そして、ペーストによる塗布膜を、100℃で10分間保持して乾燥させた後、プレス機により100MPaで圧着させて薄膜状の成形体と金箔とを密着させた。続いて、薄膜状の成形体を脱脂処理した後、大気中、700℃で1時間保持して焼成し、焼結体の負極材料を得た。作製した負極材料の試料1〜11について、LTO粉末とLCBO粉末との混合比、LTO粉末の最大粒径及び平均粒径(メジアン径)、導電助剤の材質及び添加量、焼成温度を表1に示す。尚、表1において“*”を付した試料は比較例であることを示している。
(LTO粒子の結合状態)
LTO粒子の結合状態は、透過型電子顕微鏡(Transmission Electron Microscope:TEM)で負極材料の組織観察を行うことにより評価した。組織観察は、倍率を7×10倍とし、LTOを90体積%、LCBOを10体積%の体積比にして銀粒子を加えた負極材料(表1の試料1)について行った。
図5は、全固体電池用負極材料中のLTO粒子の接合状態を示す透過型電子顕微鏡像である。
図5には、負極材料中に含まれるLTO粒子同士の接合部を拡大して示している。図5に示す電子顕微鏡像の接合部の周辺について、電子線回折による解析を行ったところ、LTO粒子同士が接合していることが確認された。LCBOが微量であれば、LiTiOの生成量を抑制して、焼結助剤としての作用を利用できるものと推定される。
(X線回折測定)
X線回折測定は、X線回折装置「X’Pert Pro」(スペクトリス社製)を使用し、CuKα線を用いた粉末X線回折測定により行った。X線回折測定は、導電助剤として銀粒子を含む負極材料(表1の試料1〜6、11、12)については、ペーストを金箔上に転写して焼成した状態で測定に供した。また、銀粒子を含まない負極材料(表1の試料7〜10)については、ペーストをペレット状に成形して焼成した状態で測定に供した。
図6Aは、銀粒子を含む実施例及び比較例のX線回折測定による回折パターンを示す図である。図6Bは、図6Aの2θ=43〜44°の範囲の拡大図である。また、図7Aは、銀粒子を含まない実施例及び比較例のX線回折パターンを示す図である。また、図7Bは、図7Aの2θ=43〜44°の範囲の拡大図である。
図6A、図6B、図7A及び図7Bにおいて、「LiTi12」は、スピネル型の結晶構造を有するLTO(豊島製作所社製)の回折パターン、「LiTiO」は、炭酸リチウムと酸化チタンから固相法により合成した単斜晶系の結晶構造を有するチタン酸リチウムの回折パターンを、それぞれ示す。図6A及び図6Bは、銀粒子を含む実施例(試料1)及び比較例(試料6)の結果、図7A及び図7Bは、銀粒子を含まない実施例(試料7)及び比較例(試料10)の結果である。
X線回折測定のスペクトルの解析は、X線回折解析ソフトウェア「HighScore Plus」(スペクトリス社製)を使用し、2θ=43.2°付近の回折ピークをLTOの(400)面の回折ピークとして、2θ=43.1〜43.45°の回折角の範囲の積分強度をとることによりLTOの積分強度(I)を求めた。また、2θ=43.6°付近の回折ピークをβ−LiTiOの(−133)面の回折ピーク、2θ=43.7°付近の回折ピークをβ−LiTiOの(202)面の回折ピークとして、2θ=43.5〜43.8°の回折角の範囲の積分強度をとることによりLiTiOの積分強度の和(I2A+I2B)を求めた。
なお、回折パターンは、Sonneveld-Visser法でバックグラウンドを除去し、疑似フォークト(Pseudo Voigt)関数でフィッティングすることにより解析を行った。図6Aと図7Aから分かるとおり、試料が銀粒子を含有していると、2θ=44°付近に銀の回折ピークが現れる。その結果、図6B及び図7Bに示されるように、2θ=43.1〜43.45°の回折角の範囲のLTOの回折ピークと、2θ=43.5〜43.8°の回折角の範囲のLiTiOの回折ピークとの相対強度関係が影響を受けるため、銀によるシグナルを差し引いて各積分強度を求めた。そして、求めた積分強度から、前記の式(1)で表される積分強度比を計算した。その計算値を表1に示す。
(充放電性能の評価)
充放電性能の評価は、全固体電池用負極材料の試料1〜12を試験極とし、次の手順にしたがって行った。はじめに、アルミニウム箔上に、金箔上に作製した負極材料の金箔側が接触するように配置し、高分子固体電解質、対極としてのリチウム金属、銅箔を、この順に積層し、圧着させて試験電池を形成した。そして、電池充放電装置「HJ1001SD8」(北斗電工社製)を用いて、試験電池の充放電測定を行った。充放電測定は、アルゴンを封入した室温のグローブボックス内で行った。上限電位は2V、下限電位は1Vとし、いずれも定電流により充放電した。
図8は、実施例における充放電測定の結果を示す図である。また、図9は、実施例の放電レート特性を示す図である。また、図10は、比較例における充放電測定の結果を示す図である。
図8は、負極材料の試料1(実施例)について、充放電レートを1/58Cとして充放電測定を行った結果を示す。図9は、負極材料の試料1(実施例)について、実線が放電レート1/58Cの結果、破線が放電レート1/10Cの結果、鎖線が放電レート1/5Cの結果を示す。図10は、負極材料の試料6(比較例)について、充放電レートを1/58Cとして充放電測定を行った結果を示す。図8、図9及び図10において、横軸は、負極層を構成するLTOの全てが反応したと仮定したときの設計容量に対する測定容量値の比(設計容量比)である。負極材料の試料1〜12についての充放電測定の結果を、充電及び放電が可能であったものを「○」、充電及び放電が不能であり、設計容量比が約0%であったものを「×」として表1に示す。
表1に示すように、全固体電池用負極材料の試料1〜3、5、7〜9、12は、式(1)で表される積分強度比が0.4以上である。これらの試料及び試料4、11については、充放電測定において、負極材料が負極として充放電動作することが確認された。具体的には、図8に試料1の結果を示すように、微粉のLTOを用いた試料1〜5、7〜9については、設計容量に対して、60%程度を超える充放電容量が得られた。また、図9に示すように、放電レートを1/5Cとした高速放電も可能であり、十分に高いレート特性が得られた。また、粗粉のLTOを用いた試料11については、40%程度の充放電容量、試料12については、25%程度の充放電容量がそれぞれ得られた。
これに対して、全固体電池用負極材料の試料6、10は、式(1)で表される積分強度比が0.4未満である。これらの試料については、充放電測定において、負極材料が負極として充放電動作しなかった。図10に試料6の結果を示すように、充電及び放電のいずれについても、電気化学的な反応が十分に進行せず、電流が流れなかった。
以上の結果から、式(1)で表される積分強度比が0.4以上であれば、活物質としての活性を示さないLiTiOの相が存在していても、負極が充放電動作しなくなる可能性は低くなると解される。式(1)で表される積分強度比が0.4未満であった試料6、10(比較例)については、LTOの残存量が少なく、LiTiOの生成量が多かったため、焼結体中のLTOの粒子同士のネットワークが形成されず、充放電に寄与しないLTOの粒子の量が増大してしまったと考えられる。
一方、式(1)で表される積分強度比が0.4以上であった試料1〜3、5、7〜9や、4、11、12(実施例)については、LTOの残存量が多く、焼結体中にLTOの粒子同士のネットワークが形成されたため、充放電に寄与するLTOの粒子の割合が高くなったと考えられる。また、導電助剤としてAgを添加した場合には、電子伝導のネットワークが形成され、負極材料として良好な特性が得られたと考えられる。
本実施形態に係る負極材料は、全固体型リチウムイオン二次電池、固体型キャパシタ等の電気化学デバイスの負極層の材料として用いることができる。特に、高出力、高エネルギ密度であり、薄型ないし小型であることが要求される蓄電用の表面実装用部品(Surface Mount Device:SMD)等に好適に用いることができる。
100 全固体電池
10 負極層
20 正極層
30 電解質層
210 負極集電体
220 正極集電体

Claims (14)

  1. 一般式:LiTi12で表される第1相と、一般式:LiTiOで表される第2相と、を有する焼結体であり、CuKα線を用いたX線回折測定で得られる回折パターンにおいて、回折強度が最大の回折ピークが、前記第1相に帰属される回折ピークである全固体電池用負極材料。
  2. CuKα線を用いたX線回折測定で得られる回折パターンにおいて、前記第1相の(400)面の回折ピークの積分強度をI、前記第2相の(−133)面の回折ピークの積分強度をI2A、前記第2相の(202)面の回折ピークの積分強度をI2Bとしたとき、次の式(1)で表される積分強度比:
    積分強度比=I/I+I2A+I2B・・・(1)
    が0.4以上である請求項1に記載の全固体電池用負極材料。
  3. 前記式(1)で表される積分強度比が0.8以上である請求項2に記載の全固体電池用負極材料。
  4. 前記焼結体の最大粒径が5.0μm以下である請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の全固体電池用負極材料。
  5. 前記焼結体中に導電助剤を含む請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の全固体電池用負極材料。
  6. 前記導電助剤が銀粒子である請求項5に記載の全固体電池用負極材料。
  7. LiTi12で表される原料粉と、融点が800℃以下である充填材とを混合して混合粉を得る工程と、
    前記混合粉を成形して得た成形体を焼成する工程と、を含み、
    前記充填材と混合される前記原料粉を、前記原料粉と前記充填材の体積の合計に対して70体積%より多い量で用いる全固体電池用負極材料の製造方法。
  8. LiTi12で表される原料粉を成形して成形体を得る工程と、
    前記成形体と融点が800℃以下である充填材とを互いに接触した状態に配置する工程と、
    互いに接触した状態に配置された前記成形体及び前記充填材を焼成する工程と、を含み、
    前記成形体を構成する前記原料粉を、前記原料粉と前記充填材の体積の合計に対して70体積%より多い量で用いる全固体電池用負極材料の製造方法。
  9. 前記充填材が、リチウムと、酸素と、ホウ素及び炭素のうちの少なくとも一方と、を含んで組成される請求項7又は請求項8に記載の全固体電池用負極材料の製造方法。
  10. 前記原料粉の最大粒径が5.0μm以下である請求項7から請求項9のいずれか一項に記載の全固体電池用負極材料の製造方法。
  11. 前記原料粉と共に導電助剤が配合される請求項7から請求項10のいずれか一項に記載の全固体電池用負極材料の製造方法。
  12. 前記導電助剤が銀粒子である請求項11に記載の全固体電池用負極材料の製造方法。
  13. 前記焼成の温度が750℃未満である請求項7から請求項12のいずれか一項に記載の全固体電池用負極材料の製造方法。
  14. 請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の全固体電池用負極材料を含有する負極層と、正極層と、前記負極層と前記正極層の間に介在する電解質層と、を備える全固体電池。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2023166895A1 (ja) * 2022-03-02 2023-09-07 パナソニックIpマネジメント株式会社 非水電解質二次電池および非水電解質二次電池用の負極合剤の製造方法

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