[情報処理システムの構成]
図1及び図2は、情報処理システム10の全体構成を示す図である。図1及び図2に示す情報処理システム10は、情報処理装置1と、記憶装置1aと、端末装置4とを含む。端末装置4は、ユーザ20(以下、対象者20とも呼ぶ)のバイタルデータを測定する1以上の測定装置4a(以下、センサ4aとも呼ぶ)と、情報処理装置1との間でデータの送受信を行う通信装置4bと、情報処理装置1から送信されたデータを表示する表示装置4cとを含む。なお、情報処理システム10は、複数台の端末装置4を有するものであってもよい。また、測定装置4a、通信装置4b及び表示装置4cは、2台以上の端末装置にそれぞれ含まれるものであってもよい。
測定装置4aは、例えば、定期的なタイミングにおいてユーザ20の現在の身体の状態を示すバイタルデータを測定する(図1の(1))。そして、通信装置4bは、測定装置4aが測定したバイタルデータを情報処理装置1に送信する(図1の(2))。その後、情報処理装置1は、端末装置4から送信されたバイタルデータを記憶装置1aに蓄積する(図1の(3))。
また、ユーザ20が端末装置4に対して過去のバイタルデータの表示指示の入力を行った場合、通信装置4bは、受け付けた表示指示を情報処理装置1に送信する(図2の(4)、(5))。そして、情報処理装置1は、端末装置4からの表示指示の受信に応じて、受信した表示指示に対応するバイタルデータを記憶装置1aから抽出し、抽出したバイタルデータを端末装置4に送信する(図2の(6)、(7))。その後、表示装置4cは、情報処理装置1から送信されたバイタルデータを表示する(図2の(8))。
これにより、情報処理装置1は、例えば、ユーザ20の過去のバイタルデータの提供を効率的に行うことが可能になる。
ここで、上記のようなバイタルデータには、例えば、ユーザ20が将来患う可能性がある病気の予兆を示す情報が含まれている場合がある。そのため、事業者は、ユーザ20から取得したバイタルデータを活用することで、ユーザ20の過去の状態に関する情報のみでなく、ユーザ20の将来の状態に関する情報についての提供を行うことが好ましい。
そこで、本実施の形態における情報処理装置1は、ユーザ20(以下、特定のユーザ20とも呼ぶ)に関して1又は複数のセンサにより検知された身体に関する測定データ(バイタルデータを含むデータ)の傾向と類似する傾向を示す身体に関する測定データが記憶された他のユーザを示すデータを、ユーザ20を示すデータに対応づけて記憶装置1aに記憶する。
そして、情報処理装置1は、ユーザ20に関して1又は複数のセンサにより検知された身体に関する最新の測定データと、ユーザ20の過去の測定データとが所定の類似範囲に収まらない場合に、記憶装置1aに記憶された他のユーザの過去の測定データのうち、ユーザ20の最新の測定データと類似する測定データを検索する。
その後、情報処理装置1は、検索された測定データの測定時期又は測定時期の後において他のユーザについて記憶された病気又は症状が検出されると、検出した病気又は症状をユーザ20に対応する宛先に通知する。
すなわち、本実施の形態における情報処理装置1は、例えば、ユーザ20の過去のバイタルデータだけでなく、他のユーザの過去のバイタルデータを参照することにより、ユーザ20の最新のバイタルデータと内容が類似するバイタルデータを特定する。そして、情報処理装置1は、例えば、特定したバイタルデータの測定時期においてユーザ20又は他のユーザが患っていた病気又は症状を、ユーザ20が近い将来に患う可能性がある病気又は症状であると推定する。
これにより、情報処理装置1は、例えば、ユーザ20から取得したバイタルデータと他のユーザから取得したバイタルデータとを参照することで、ユーザ20の将来の状態に関する情報の提供を行うことが可能になる。
[情報処理システムのハードウエア構成]
次に、情報処理システム10のハードウエア構成について説明する。図3は、情報処理装置1のハードウエア構成を説明する図である。
情報処理装置1は、図3に示すように、プロセッサであるCPU101と、メモリ102と、外部インターフェース(I/Oユニット)103と、記憶媒体(ハードディスク)104とを有する。各部は、バス105を介して互いに接続される。
記憶媒体104は、記憶媒体104内のプログラム格納領域(図示しない)に、ユーザ20の身体の状態を管理する処理(以下、管理処理とも呼ぶ)を行うためのプログラム110(以下、管理プログラム110とも呼ぶ)を記憶する。
CPU101は、図3に示すように、記憶媒体104からメモリ102にロードされたプログラム110と協働して管理処理を行う。
記憶媒体104は、例えば、管理処理を行う際に用いられる情報を記憶する情報格納領域130(以下、記憶部130とも呼ぶ)を有する。
また、外部インターフェース103(I/Oユニット103)は、端末装置4との通信を行う。
[情報処理システムのソフトウエア構成]
次に、情報処理装置1のソフトウエア構成について説明する。図4は、情報処理装置1の機能のブロック図である。また、図5は、情報格納領域130に記憶された情報のブロック図である。
CPU101は、図4に示すように、プログラム110と協働することにより、データ管理部111と、データ検索部112と、データ生成部113と、データ通知部114と、データ取得部115と、登録受付部116として動作する。
また、情報格納領域130には、図5に示すように、バイタルデータ131と、差分データ132と、症状データ133と、症状リスト134と、ユーザデータ135と、感染症データ136と、通知先リスト137とが記憶される。さらに、情報格納領域130には、図5に示すように、経過データ138と、疾患データ139と、親族病歴データ140と、疾患予兆リスト141と、通院要否データ142と、処方データ143とが記憶される。なお、以下、バイタルデータ131、差分データ132及びユーザデータ135を総称して測定データとも呼ぶ。
データ管理部111は、ユーザ20に関して測定装置4aによって測定(検知)された測定データの傾向と類似する傾向を示す測定データが記憶された他のユーザを示すデータと、ユーザ20を示すデータとを対応付けて情報格納領域130に記憶する。
具体的に、データ管理部111は、例えば、ユーザ20に関して測定装置4aから測定された体重(初期値)等のデータや、ユーザ20が端末装置4を介して情報処理装置1に入力した生年月日等のデータを含むユーザデータ135を参照し、ユーザ20のユーザデータ135の傾向と類似する傾向を示すユーザデータ135に対応する他のユーザと特定する。そして、データ管理部111は、例えば、他のユーザのユーザデータ135を、ユーザ20のユーザデータ135と対応付けて情報格納領域130に記憶する。なお、各ユーザのユーザデータ135は、例えば、各ユーザによって情報処理装置1に予め入力され、情報格納領域130に記憶されたデータである。
データ検索部112は、ユーザ20に関して測定装置4aによって測定(検知)された最新の測定データと、ユーザ20の過去の測定データとが所定の類似範囲に収まらない場合、情報格納領域130に記憶された他のユーザの過去の測定データのうち、ユーザ20の最新の測定データと類似する測定データ(以下、類似測定データとも呼ぶ)を検索する。
具体的に、データ検索部112は、例えば、ユーザ20に関して測定装置4aから測定された現在の体重等のデータを含むバイタルデータ131の変化の状態を示す差分データ132を参照し、ユーザ20の最新の差分データ132と、ユーザ20の過去の差分データ132とが所定の類似関係に収まるか否かを判定する。そして、所定の類似関係に収まらないと判定した場合、データ検索部112は、データ管理部111が情報格納領域130にデータを記憶した他のユーザの過去の差分データ132のうち、ユーザ20の最新の測定データと類似する差分データ132を検索する。なお、差分データ132は、例えば、測定装置4aからバイタルデータ131を受信したことに応じて、測定装置4aから受信した最新のバイタルデータ131に含まれる各項目が示す値と、測定装置4aから受信した前回のバイタルデータ131に含まれる各項目が示す値とから算出され、情報格納領域130に記憶されるデータである。
データ生成部113は、データ検索部112によって検索された類似測定データの測定時期又は測定時期の後において他のユーザについて記憶された病気又は症状が検出されると、検出した病気又は症状を示すデータを生成する。
具体的に、データ生成部113は、各差分データ132が示す状態になったユーザ20においてその後発症した発熱等の症状を示す症状データ133を参照し、データ検索部112が検索した差分データ132に対応する症状データ133を特定する。そして、データ生成部113は、特定した症状データ133を示す症状のそれぞれが、ユーザ20において今後発症する可能性があることを示す症状リスト134を生成する。なお、症状データ133は、例えば、発熱等の所定の症状が発症したユーザによって入力され、情報格納領域130に記憶されるデータである。
データ通知部114は、データ生成部113が生成した症状リスト134を、ユーザ20に対応する宛先に通知する。
具体的に、データ通知部114は、例えば、ユーザ20に対応する宛先を含む通知先リスト137を参照し、ユーザ20に対応する宛先に対し、データ生成部113が生成した症状リスト134を通知する。なお、通知先リスト137は、例えば、ユーザによって入力されたデータであり、情報格納領域130に記憶されるデータである。
データ取得部115は、例えば、ユーザ20に居住地域(滞在地域)において流行している感染症に関する感染症データ136を取得する。そして、データ取得部115は、取得した感染症データ136を情報格納領域130に記憶する。
登録受付部116は、例えば、ユーザ20が薬の服薬時間等を含む処方データ143の入力を受け付ける。そして、登録受付部116は、受け付けた処方データ143を情報格納領域130に記憶する。
なお、経過データ138、疾患データ139、親族病歴データ140、疾患予兆リスト141及び通院要否データ142については後述する。
[第1の実施の形態の概略]
次に、第1の実施の形態の概略について説明する。図6及び図7は、第1の実施の形態における管理処理の概略を説明するフローチャートである。また、図8は、第1の実施の形態における管理処理の概略を説明する図である。図8を参照しながら、図6及び図7に示す第1の実施の形態における管理処理の概略を説明する。
情報処理装置1は、処理開始タイミングになるまで待機する(S1のNO)。処理開始タイミングは、例えば、測定装置4aが送信したバイタルデータ131を受信したタイミングであってよい。
そして、処理開始タイミングになった場合(S1のYES)、情報処理装置1は、情報処理装置は、ユーザ20に関して1又は複数のセンサ4aにより検知された身体に関する測定データ(バイタルデータ131を含むデータ)の傾向と類似する傾向を示す身体に関する測定データが記憶された他のユーザを、ユーザ20に対応づけて情報格納領域130に記憶する(S2)。
続いて、情報処理装置1は、図8に示すように、ユーザ20の最新の測定データと過去の測定データとが所定の類似範囲に収まるか否かを判定する(S3)。
その結果、所定の類似範囲に収まらないと判定した場合(S4のNO)、情報処理装置は、図8に示すように、情報格納領域130に記憶された他のユーザの過去の測定データのうち、ユーザ20の最新の測定データと類似する測定データを検索する(S11)。
そして、情報処理装置1は、S11の処理で検索された測定データの測定時期又は測定時期の後において他のユーザについて記憶された病気又は症状が検出されたか否かを判定する(S12)。
その結果、病気又は症状が検出された場合(S13のYES)、情報処理装置1は、図8に示すように、S12で検出された病気又は症状をユーザ20に対応する宛先に通知する(S14)。
一方、病気又は症状が検出されなかった場合(S13のNO)、情報処理装置1は、S14の処理を行わない。
これにより、情報処理装置1は、ユーザ20に関するデータ(例えば、ユーザ20の過去のバイタルデータ131)と、他のユーザに関するデータ(例えば、他のユーザの過去のバイタルデータ131)とを参照することで、ユーザ20の将来の状態に関する情報の提供を行うことが可能になる。
[第1の実施の形態の詳細]
次に、第1の実施の形態の詳細について説明する。図9から図19は、第1の実施の形態における管理処理の詳細を説明するフローチャートである。また、図20から図34は、第1の実施の形態における管理処理の詳細を説明する図である。図20から図34を参照しながら、図9から図19に示す管理処理を説明する。
[管理処理の詳細]
初めに、管理処理の詳細について説明を行う。図9から図17は、管理処理の詳細を説明するフローチャートである。
情報処理装置1のデータ管理部111は、測定装置4aからバイタルデータ131を受信するまで待機する(S21のNO)。そして、測定装置4aからバイタルデータ131を受信した場合(S21のYES)、データ管理部111は、S21の処理で受信したバイタルデータ131を情報格納領域130に記憶する(S22)。以下、バイタルデータ131の具体例について説明を行う。
[バイタルデータの具体例]
図20は、バイタルデータ131の具体例について説明する図である。図20に示すバイタルデータ131は、バイタルデータ131に含まれる各データを識別する「項番」と、バイタルデータ131に含まれる各項目名が設定される「項目名」と、「項目名」に設定されたデータに対応する値が設定される「値」とを有している。
具体的に、図20に示すバイタルデータ131において、「項目」が「ユーザID」であるデータには、「値」として「0000001」が設定され、「項目」が「取得時間」であるデータには、「値」として「2017/4/4 10:00:00」が設定され、「項目」が「体温」であるデータには、「値」として「36.1℃」が設定されている。図20に含まれる他のデータについての説明は省略する。
図9に戻り、データ検索部112は、S21の処理で受信したバイタルデータ131の内容を参照し、S21の処理で受信したバイタルデータ131に対応するユーザ20において所定の症状が発症しているか否かの判定を行う(S23)。具体的に、データ検索部112は、S21の処理で受信したバイタルデータ131において、例えば、「項目」が「体温」であるデータの「値」に設定されたデータが「37.0℃」以上である場合に、ユーザ20において所定の症状(発熱)が発症していると判定する。
その結果、ユーザ20において所定の症状が発症していないと判定した場合(S23のNO)、データ検索部112は、例えば、S21の処理で受信したバイタルデータ131と、情報格納領域130に記憶されたユーザ20の過去のバイタルデータ131の平均値との差分データ132を生成する(S24)。
具体的に、データ検索部112は、例えば、S21の処理で受信したバイタルデータ131に対応するユーザ20の過去1ヶ月分のバイタルデータ131の平均値と、S21の処理で受信したバイタルデータ131との差を項目ごとに算出することにより、差分データ132の生成を行う。
そして、データ管理部111は、S24の処理で生成された差分データ132を情報格納領域130に記憶する(S25)。以下、差分データ132の具体例について説明を行う。
[差分データの具体例]
図21及び図30は、差分データ132の具体例について説明する図である。図21等に示す差分データ132は、差分データ132に含まれる各データを識別する「項番」と、差分データ132に含まれる各項目名が設定される「項目名」と、「項目名」に設定されたデータに対応する値が設定される「値」とを有している。
具体的に、図21に示す差分データ132において、「項目」が「ユーザID」であるデータには、「値」として「0000001」が設定され、「項目」が「差分データID」であるデータには、「値」として「1000001」が設定され、「項目」が「取得時間」であるデータには、「値」として「2017/5/4 10:00:00」が設定されている。また、図21に示す差分データ132において、「項目」が「ユーザID」であるデータには、「症状データ」として、データがまだ設定されていないことを示す「−」が設定されている。
さらに、図21に示す差分データ132において、例えば、「項目」が「体温」であるデータには、「値」として、S21の処理で今回受信したバイタルデータ131における「項目」が「体温」であるデータの「値」に設定されたデータと、S21の処理で前回受信したバイタルデータ131における「項目」が「体温」であるデータの「値」に設定されたデータとを比較した場合の変化量である「+0.6℃」が設定されている。また、図21に示す差分データ132において、例えば、「項目」が「脈拍」であるデータには、「値」として、S21の処理で今回受信したバイタルデータ131における「項目」が「脈拍」であるデータの「値」に設定されたデータと、S21の処理で前回受信したバイタルデータ131における「項目」が「脈拍」であるデータの「値」に設定されたデータとを比較した場合の変化量である「+5回/分」が設定されている。図21に含まれる他のデータについての説明は省略する。
図9に戻り、データ検索部112は、情報格納領域130に記憶されたユーザ20の差分データ132の平均値を算出する。そして、データ検索部112は、算出した差分データ132の平均値を参照し、S24の処理で算出した差分データ132に含まれる全項目が測定誤差の範囲内にあるか否かを判定する(S26)。
具体的に、データ検索部112は、S21の処理で受信したバイタルデータ131に対応するユーザ20の過去1ヶ月分の差分データ132の平均値を項目ごとに算出する。そして、データ検索部112は、差分データ132に含まれる項目ごとに、算出した差分データ132の平均値と、S24の処理で生成した差分データ132との差が、項目ごとに予め定められた閾値よりも大きいか否かの判定を行う。
その結果、S24の処理で算出した差分データ132に測定誤差の範囲内にない項目が存在すると判定した場合(S27のNO)、データ検索部112は、図10に示すように、情報格納領域130に記憶されたユーザ20の差分データ132のうち、S24の処理で算出した差分データ132と類似する差分データ132を特定する(S31)。
すなわち、S24の処理で算出した差分データ132に測定誤差の範囲内にない項目が存在した場合、データ検索部112は、ユーザ20の身体の状態になんらかの変化(検出を行う必要がある変化)が生じているものと判定し、S31以降の処理を開始する。
具体的に、データ検索部112は、S31の処理において、例えば、情報格納領域130に記憶されたユーザ20の差分データ132ごとであって差分データ132に含まれる項目ごとに、情報格納領域130に記憶されたユーザ20の差分データ132と、S24の処理で算出した差分データ132との差が、項目ごとに予め定められた閾値よりも小さいか否かの判定を行う。そして、データ検索部112は、例えば、情報格納領域130に記憶されたユーザ20の差分データ132のうち、全ての項目についての差が閾値よりも小さいと判定された差分データ132を、S24の処理で算出した差分データ132と類似する差分データ132として特定する。
そして、データ検索部112は、情報格納領域130に記憶されたユーザ20の症状データ133のうち、S31の処理で特定した差分データ132に対応する症状データ133を特定する。さらに、データ検索部112は、特定した症状データ133から症状リスト134を生成する(S32)。
すなわち、S24の処理において今回生成された差分データ132と同じ傾向を有する過去の差分データ132に対応する症状データ133に含まれる症状は、ユーザ20においてこれから発症する可能性がある症状であると判断することが可能である。そのため、データ検索部112は、S31及びS32の処理において、S24の処理において今回生成された差分データ132と同じ傾向を有する差分データ132に対応する症状データ133の特定し、特定した症状データ133から症状リスト134の生成を行う。以下、症状データ133及び症状リスト134の具体例について説明を行う。
[症状データの具体例(1)]
初めに、症状データ133の具体例について説明を行う。
図22及び図26は、症状データ133の具体例について説明する図である。図22に示す症状データ133は、症状データ133に含まれる各データを識別する「項番」と、症状データ133に含まれる各項目名が設定される「項目名」と、「項目名」に設定されたデータに対応する値が設定される「値」とを有している。
具体的に、図22に示す症状データ133(以下、症状データ133aとも呼ぶ)において、「項目」が「ユーザID」であるデータには、「値」として「0000001」が設定され、「項目」が「症状データID」であるデータには、「値」として「2000011」が設定され、「項目」が「診断名」であるデータには、「値」として「風邪」が設定されている。また、図22に示す症状データ133において、「項目」が「期間」であるデータには、「値」として「3日」が設定され、「項目」が「対処」であるデータには、「値」として「市販薬で対応可能。」が設定されている。
さらに、図22に示す症状データ133において、例えば、「項目」が「症状(鼻水)」であるデータには、「値」として、症状が発症していることを示す「1」が設定され、「項目」が「症状(のど)」であるデータには、「値」として、症状が発症していないことを示す「0」が設定されている。図22に含まれる他のデータについての説明は省略する。
[症状リストの具体例(1)]
次に、症状リスト134の具体例について説明を行う。
図23は、症状リスト134の具体例について説明する図である。図23に示す症状リスト134は、症状リスト134に含まれる各データを識別する「項番」と、症状リスト134に含まれる各項目名が設定される「項目名」と、「項目名」に設定されたデータに対応する値が設定される「値」とを有している。
具体的に、図23に示す症状リスト134(以下、症状リスト134aとも呼ぶ)において、「項目」が「ユーザID」であるデータには、「値」として「0000001」が設定され、「項目」が「症状リストID」であるデータには、「値」として「3000001」が設定され、「項目」が「差分データID」であるデータには、「値」として「1000001」が設定されている。
また、図23に示す症状リスト134において、例えば、「項目」が「症状データID(1)」であるデータには、「値」として、S32の処理で特定した症状データ133のうちの1つに対応する症状データIDである「2000111」が設定されている。さらに、図23に示す症状リスト134において、「項目」が「症状類似度(1)」であるデータには、「値」として、「症状データID(1)」に症状データIDが設定された症状データ133に対応する差分データ132と、S24の処理で算出した差分データ132との類似度である「0.77」が設定される。図23に含まれる他のデータについての説明は省略する。
なお、データ検索部112は、例えば、以下の式(1)を用いることによって、「症状データID(1)」に症状データIDが設定された症状データ133に対応する差分データ132(S31の処理で特定された差分データ132)と、S24の処理で算出した差分データ132との類似度を算出するものであってよい。そして、データ検索部112は、算出した項目ごとの類似度を平均することによって算出された値を「症状類似度(1)」に設定するものであってよい。
差分データ132に含まれる各項目の類似度 = 1−|1−(S24の処理で算出された差分データ132に含まれる各項目の値−S31の処理で特定された差分データ132に含まれる各項目の値)| ・・・(1)
図10に戻り、データ検索部112は、情報格納領域130に記憶されたユーザデータ135のうち、ユーザ20のユーザデータ135と類似するユーザデータ135を特定し、特定したユーザデータ135に対応するユーザを特定する(S33)。
すなわち、データ検索部112は、S32までの処理によって、ユーザ20について取得された過去のデータから、ユーザ20において今後発症する可能性がある症状の推定(症状リスト134aの生成)を行った。これに対し、データ検索部112は、S33以降の処理によって、他のユーザについて取得された過去のデータから、ユーザ20において今後発症する可能性がある症状の推定を行う。以下、ユーザデータ135の具体例について説明を行う。
[ユーザデータの具体例]
図24は、ユーザデータ135の具体例について説明する図である。図24に示すユーザデータ135は、ユーザデータ135に含まれる各データを識別する「項番」と、ユーザデータ135に含まれる各項目名が設定される「項目名」と、「項目名」に設定されたデータに対応する値が設定される「値」とを有している。
具体的に、図24に示すユーザデータ135において、「項目」が「ユーザID」であるデータには、「値」として「0000001」が設定され、「項目」が「性別」であるデータには、「値」として「男」が設定され、「項目」が「生年月日」であるデータには、「値」として「1987/6/30」が設定されている。
また、図24に示すユーザデータ135において、「項目」が「年齢」であるデータには、「値」として「30」が設定され、「項目」が「血液型」であるデータには、「値」として「A」が設定され、「項目」が「平均体温」であるデータには、「値」として「36.1℃」が設定されている。図24に含まれる他のデータについての説明は省略する。
そして、データ検索部112は、S33の処理において、例えば、類似するユーザを特定するための類似条件を示す類似判定データ(図示しない)を参照し、ユーザ20と類似するユーザを特定する。具体的に、類似判定データは、例えば、「項目」が「性別」であるデータの「値」に設定されたデータが完全一致しており、「項目」が「身長」であるデータの「値」に設定されたデータの差が「3cm以内」であり、「項目」が「体重」であるデータの「値」に設定されたデータの差が「2kg以内」である複数のユーザデータ135を類似と判定することを示すデータである。
すなわち、他のユーザについて取得された過去のデータから、ユーザ20において今後発症する可能性がある症状の推定を行うためには、ユーザ20と身体の状態が類似するユーザを特定し、特定したユーザについて取得された過去のデータを参照する必要がある。そのため、データ検索部112は、S33の処理において、ユーザデータ135の内容がユーザ20と類似するユーザを、身体の状態がユーザ20と類似するユーザとして特定する。
図10に戻り、データ検索部112は、情報格納領域130に記憶された差分データ132を参照し、S33の処理で特定したユーザのうち、差分データ132の変化がユーザ20と類似するユーザを特定する(S34)。
具体的に、データ検索部112は、例えば、算出タイミングが2番目に新しい差分データ132に含まれる所定の項目に対応する値と、算出タイミングが最も新しい差分データ132に含まれる所定の項目に対応する値との間の変化量を、ユーザ20及びS33の処理で特定したユーザのそれぞれについて算出する。そして、データ検索部112は、S33の処理で特定したユーザのうち、ユーザ20との変化量の差が閾値以下であるユーザの特定を行う。
すなわち、S33の処理において特定したユーザには、ユーザデータ135に含まれるデータの内容がユーザ20と類似している一方、身体の状態の変化傾向がユーザ20とかけ離れているユーザが含まれる場合がある。そのため、データ検索部112は、S34の処理において、S33の処理において特定したユーザから、ユーザ20と身体の状態の変化傾向がユーザ20とかけ離れていると判定されたユーザの除外を行う。
これにより、情報処理装置1は、ユーザ20の将来の状態に関する情報の提供を精度良く行うことが可能になる。
続いて、データ検索部112は、S34の処理で特定したユーザの差分データ132のうち、S24の処理で算出した差分データ132と類似する差分データ132を特定する(S35)。すなわち、データ検索部112は、例えば、S31の処理において説明した場合と同様に、S24の処理で算出した差分データ132と類似する差分データ132の特定を行う。
そして、データ検索部112は、S34の処理で特定したユーザの症状データ133のうち、S35の処理で特定した差分データ132に対応する症状データ133を特定し、特定した症状データ133から症状リスト134を生成する(S36)。
すなわち、ユーザ20と身体の状態が類似している他のユーザの差分データ132のうち、S24の処理において今回生成された差分データ132と同じ傾向を有する差分データ132に対応する症状データ133に含まれる症状は、他のユーザの身体の状態がその差分データ132に示す状態であった後に他のユーザにおいて発症した症状であるため、ユーザ20において今後発症する可能性がある症状であると判断することが可能である。そのため、データ検索部112は、S36の処理において、ユーザ20と身体の状態が類似している他のユーザの差分データ132のうち、S24の処理において今回生成された差分データ132と同じ傾向を有する差分データ132に対応する症状データ133の特定を行う。以下、S36の処理で生成される症状リスト134の具体例について説明を行う。
[症状リストの具体例(2)]
図25は、症状リスト134の具体例について説明する図である。図25に示す症状リスト134(以下、症状リスト134bとも呼ぶ)は、症状リスト134に含まれる各データを識別する「項番」と、症状リスト134に含まれる各項目名が設定される「項目名」と、「項目名」に設定されたデータに対応する値が設定される「値」とを有している。
具体的に、図25に示す症状リスト134において、「項目」が「ユーザID」であるデータには、「値」として「0000001」が設定され、「項目」が「症状リストID」であるデータには、「値」として「4000001」が設定され、「項目」が「差分データID」であるデータには、「値」として「1000001」が設定されている。
また、図25に示す症状リスト134において、例えば、「項目」が「類似ユーザID(1)」であるデータには、「値」として、S34の処理で特定されたユーザのうちの1人に対応するユーザIDである「0000023」が設定され、「項目」が「ユーザ類似度(1)」であるデータには、「値」として、「類似ユーザID(1)」にデータが設定されたユーザに対応するユーザデータ135と、ユーザ20に対応するユーザデータ135との類似度である「1」が設定されている。また、図25に示す症状リスト134において、「項目」が「症状データID(1)」であるデータには、「値」として、S36の処理で特定された症状データ133のうちの1つに対応する症状データIDである「2023982」が設定され、「項目」が「症状類似度(1)」であるデータには、「値」として、「症状データID(1)」に症状データIDが設定された症状データ133に対応する差分データ132と、S24の処理で算出した差分データ132との類似度である「0.99」が設定される。図25に含まれる他のデータについての説明は省略する。
なお、データ検索部112は、例えば、以下の式(2)を用いることによって、「類似ユーザID(1)」にユーザIDが設定されたユーザデータ135と、S24の処理で算出された差分データ132に対応するユーザ(ユーザ20)のユーザデータ135との類似度を算出するものであってよい。そして、データ検索部112は、算出した項目ごとの類似度を平均することによって算出された値を「ユーザ類似度(1)」に設定するものであってよい。
ユーザデータ135に含まれる各項目の類似度 = 1−|1−(ユーザ20に対応するユーザデータ135に含まれる各項目の値−S34の処理で特定されたユーザに対応するユーザデータ135に含まれる各項目の値)| ・・・(2)
また、データ検索部112は、例えば、以下の式(3)を用いることによって、「症状データID(1)」に症状データIDが設定された症状データ133に対応する差分データ132(S35の処理で特定された差分データ132)と、S24の処理で算出した差分データ132との類似度を算出するものであってよい。そして、データ検索部112は、算出した項目ごとの類似度を平均することによって算出された値を「症状類似度(1)」に設定するものであってよい。
差分データ132に含まれる各項目の類似度 = 1−|1−(S24の処理で算出された差分データ132に含まれる各項目の値−S35の処理で特定された差分データ132に含まれる各項目の値)| ・・・(3)
図11に戻り、情報処理装置1のデータ生成部113は、S32の処理で生成した症状リスト134に、S36の処理で生成した症状リスト134に含まれるデータと同じデータが含まれているか否かを判定する(S41)。
具体的に、データ生成部113は、例えば、S32の処理で特定した症状データ133における「項目」が「診断名」であるデータの「値」に、S36の処理で特定した症状データ133における「項目」が「診断名」であるデータの「値」に設定されたデータと同じデータが設定されているか否かの判定を行う。
その結果、同じデータが含まれていると判定した場合(S42のYES)、データ生成部113は、S41の処理において含まれていると判定したデータに対応する症状が強調されるように、S32の処理で特定した症状リスト134と、S36の処理で生成した症状リスト134とからユーザ20に対応する新たな症状データ133を生成する(S43)。
一方、同じデータが含まれていないと判定した場合(S42のNO)、データ生成部113は、特定の症状の強調を行うことなく、S32の処理で特定した症状リスト134と、S36の処理で生成した症状リスト134とからユーザ20に対応する新たな症状データ133を生成する(S44)。
すなわち、S32の処理で生成された症状リスト134に含まれる症状と、S36の処理で生成された症状リスト134に含まれる症状とは、異なる方法によってそれぞれ特定された症状である。そのため、S32の処理で生成された症状リスト134と、S36の処理で生成された症状リスト134との両方に含まれる症状は、ユーザ20において今後発症する可能性が高い症状であると判断できる。したがって、データ生成部113は、S32の処理で生成された症状リスト134と、S36の処理で生成された症状リスト134との両方に含まれる症状が存在する場合、その症状が強調されるように、現在のユーザ20に対応する症状データ133の生成を行う。以下、S43の処理又はS44の処理において生成された症状データ133の具体例について説明を行う。
[症状データの具体例(1)]
図26は、症状データ133の具体例について説明する図である。具体的に、図26(A)は、S43の処理又はS44の処理において生成された症状リスト134bの具体例について説明する図であり、図26(B)は、S43の処理又はS44の処理において生成された症状リスト134cの具体例について説明する図である。
具体的に、図23で説明した症状リスト134aには、「症状データID」が「2000111」、「2000251」及び「2000392」であるデータが含まれている。また、図25で説明した症状リスト134bには、「症状データID」が「2023982」及び「2054729」であるデータが含まれている。そして、例えば、各症状データ133における「項目」が「診断名」であるデータの「値」に設定されたデータが「風邪」、「インフルエンザ」、「風邪」、「風邪」、「風邪」である場合、図23で説明した症状リスト134aと図25で説明した症状リスト134bとに風邪に関するデータが含まれているため、データ生成部113は、ユーザ20において発症する可能性が高い症状として風邪を特定する。さらに、データ生成部113は、この場合、特定した風邪に対応する症状データID(以下、風邪の症状データIDとも呼ぶ)である「2000111」、「2000392」、「2023982」及び「2054729」を特定する。
その後、データ生成部113は、図23で説明した症状リスト134aに含まれるデータのうち、風邪の症状データIDに対応する「症状類似度」である「0.77」及び「1」をそれぞれ特定する。また、データ生成部113は、図25で説明した症状リスト134bに含まれるデータのうち、風邪の症状データIDに対応する「症状類似度」である「0.99」及び「0.85」をそれぞれ特定する。さらに、データ生成部113は、図25で説明した症状リスト134bに含まれるデータのうち、風邪の症状データIDに対応する「ユーザ類似度」である「1」及び「0.98」をそれぞれ特定する。
そして、図23で説明した症状リスト134aに対応する「ユーザ類似度」を「1.5」とした場合、データ生成部113は、風邪の症状データIDのそれぞれに対応する「ユーザ類似度」と「症状類似度」との和として、「2.27」、「2.5」、「1.99」及び「1.83」をそれぞれ算出する。
ここで、例えば、風邪の症状データIDに対応する症状データ133における「項目」が「発熱」であるデータの「値」に設定されたデータが「37.2℃」、「37.3℃」、「37.4℃」及び「37.5℃」である場合、データ生成部113は、例えば、算出した「2.27」、「2.5」、「1.99」及び「1.83」と、「37.2℃」、「37.3℃」、「37.4℃」及び「37.5℃」との加重平均を算出することにより、「37.3℃」を算出する。
同様に、データ生成部113は、「項目」が「症状(鼻水)」であるデータ、「項目」が「症状(のど)」であるデータ及び「項目」が「症状(吐き気)」であるデータの「値」に設定されるデータの算出を行う。
その後、データ生成部113は、S43の処理において、図26(A)に示すように、「項目」が「ユーザID」であるデータの「値」に、ユーザ20のユーザIDである「0000001」を設定し、「項目」が「症状データID」であるデータの「値」に、今回生成される症状データ133bに対応する新たな症状データIDである「2000551」を設定する。また、データ生成部113は、図26(A)に示すように、「項目」が「診断名」であるデータの「値」に、特定された症状である「風邪」を設定し、「項目」が「対処」であるデータの「値」に、風邪の症状データIDに対応する症状データ133において対処として設定されている「市販薬で対応可能。」を設定する。さらに、データ生成部113は、図26(A)に示すように、「項目」が「診断名」であるデータの「値」に、算出した値である「37.3℃」を設定する。図26(A)に含まれる他のデータについての説明は省略する。
なお、データ生成部113は、図26(A)で説明した場合と同様に、風邪以外の症状(ユーザ20において発症する可能性が低い症状)についても症状データ133の生成を行う。具体的に、データ生成部113は、例えば、図26(B)に示すように、インフルエンザに対応する新たな症状データ133cの生成を行う。図26(B)に含まれるデータについての説明は省略する。
図12に戻り、データ生成部113は、S43の処理又はS44の処理で生成した症状データ133を情報格納領域130に記憶する(S51)。そして、データ生成部113は、情報格納領域130に記憶された通知先リスト137を参照し、S43の処理又はS44の処理で生成した症状データ133と、情報格納領域130に記憶された感染症データ136とから通知用の症状リスト134を生成する(S52)。以下、感染症データ136、通知先リスト137及び通知用の症状リスト134の具体例について説明を行う。
[感染症データの具体例]
初めに、感染症データ136の具体例について説明を行う。
図27は、感染症データ136の具体例について説明する図である。図27に示す感染症データ136は、感染症データ136に含まれる各データを識別する「項番」と、感染症データ136に含まれる各項目名が設定される「項目名」と、「項目名」に設定されたデータに対応する値が設定される「値」とを有している。
具体的に、図27に示す感染症データ136において、「項目」が「感染症データID」であるデータには、「値」として「5000001」が設定され、「項目」が「感染症データ」であるデータには、「値」として「インフルエンザ警報発行中」が設定されている。また、図27に示す感染症データ136において、「項目」が「対象地域」であるデータには、「値」として「神奈川県全域」が設定されている。なお、以下、感染症データ136にデータが含まれている感染症を所定の種別の感染症とも呼ぶ。
[通知先リストの具体例]
次に、通知先リスト137の具体例について説明を行う。
図28は、通知先リスト137の具体例について説明する図である。図28に示す通知先リスト137は、通知先リスト137に含まれる各データを識別する「項番」と、通知先の名称が設定される「通知先名」と、通知先のアドレスが設定される「通知アドレス」とを項目として有している。また、図28に示す通知先リスト137は、通知内容が設定される「通知内容」と、通知を行うタイミングが設定される「通知タイミング」とを項目として有している。
具体的に、図28に示す通知先リスト137において、「項番」が「1」であるデータには、「通知先名」として「本人」が設定され、「通知アドレス」として「aaaa@bbbb」が設定され、「通知内容」として「全て」が設定され、「通知タイミング」として「全て」が設定されている。
すなわち、図28に示す通知先リスト137における「項番」が「1」であるデータは、S43の処理又はS44の処理において症状リスト134が生成されるごとに、症状リスト134に含まれる全てのデータを本人に対して通知することを示している。
また、図28に示す通知先リスト137において、「項番」が「2」であるデータには、「通知先名」として「勤務先」が設定され、「通知アドレス」として「cccc@dddd」が設定され、「通知内容」として「診断名/期間」が設定され、「通知タイミング」として「感染症発症時」が設定されている。
すなわち、図28に示す通知先リスト137における「項番」が「2」であるデータは、S43の処理又はS44の処理において、感染症データ136にデータが含まれる感染症の名称が「診断名」に設定された症状データ133が生成された場合であって、感染症データ136にデータが含まれる対象地域がユーザ20の居住地域を含む場合に、生成された症状データ133の「診断名」及び「期間」に設定されたデータを、勤務先に対して通知することを示している。
これにより、情報処理装置1は、症状データ133に含まれるデータのみでなく、ユーザ20の居住地域において流行している感染症に関するデータ(ユーザ20が感染する可能性があると判断できる感染症のデータ)についても通知することが可能になる。一方、情報処理装置1は、ユーザ20の居住地域以外の地域において流行している感染症に関するデータ(ユーザ20が感染する可能性が極めて低いと判断できる感染症のデータ)の通知を抑制することが可能になる。そのため、情報処理装置1は、ユーザ20に対して、将来発症する可能性がある症状をより正確に通知することが可能になる。
なお、情報処理装置1は、感染症データ136にデータが含まれる感染症の名称が「診断名」に設定された症状データ133が生成された場合において、感染症データ136にデータが含まれる対象地域がユーザ20の居住地域を含む場合と、感染症データ136にデータが含まれる対象地域がユーザ20の居住地域を含まない場合とで、異なる通知先に対して通知用の症状リスト134の通知を行うものであってもよい。
具体的に、情報処理装置1は、情報格納領域130に記憶された感染症データ136を参照し、例えば、感染症データ136にデータが含まれる対象地域がユーザ20の居住地域を含む場合に、第1の宛先に対して通知用の症状リスト134の通知を行うことを決定し、感染症データ136にデータが含まれる対象地域がユーザ20の居住地域を含まない場合に、第2の宛先に対して通知用の症状リスト134の通知を行うことを決定するものであってもよい。
[症状リストの具体例(3)]
次に、通知用の症状リスト134の具体例について説明を行う。
図29は、通知用の症状リスト134の具体例について説明する図である。図29に示す症状リスト134(以下、症状リスト134cとも呼ぶ)は、症状リスト134に含まれる各データを識別する「項番」と、症状リスト134に含まれる各項目名が設定される「項目名」と、「項目名」に設定されたデータに対応する値が設定される「値」とを有している。
具体的に、図29に示す症状リスト134において、「項目」が「ユーザID」であるデータには、「値」として「0000001」が設定され、「項目」が「症状リストID」であるデータには、「値」として「6000001」が設定され、「項目」が「感染症データID」であるデータには、「値」として「5000001」が設定されている。
そして、図29に示す症状リスト134において、例えば、「項目」が「症状データID(1)」であるデータには、「値」として、図26で説明した症状データ133のうち、診断名が風邪である症状データ133の症状データIDである「2000551」が設定される。また、図29に示す症状リスト134において、例えば、「項目」が「確率(1)」であるデータには、「値」として、「症状データID(1)」に対応する症状である風邪がユーザ20において発症する可能性(S43の処理で特定した発症の可能性)を示す「高」が設定される。
さらに、図29に示す症状リスト134において、例えば、「項目」が「症状データID(2)」であるデータには、「値」として、図26で説明した症状データ133のうち、診断名がインフルエンザである症状データ133の症状データIDである「2000562」が設定される。また、図29に示す症状リスト134において、例えば、「項目」が「確率(2)」であるデータには、「値」として、「症状データID(2)」に対応する症状であるインフルエンザがユーザ20において発症する可能性(S43の処理で特定した発症の可能性)を示す「低」が設定される。
図12に戻り、情報処理装置1のデータ通知部114は、情報格納領域130に記憶された通知先リスト137を参照し、S52の処理で生成した通知用の症状リスト134に対応する通知先を特定する。そして、データ通知部114は、特定した通知先に対して、S52の処理で生成した通知用の症状リスト134を送信する(S53)。
具体的に、データ通知部114は、例えば、S52の処理で生成した通知用の症状リスト134と、その通知用の症状リスト134にデータが含まれる症状データ133とに含まれるデータから必要なデータを抽出し、特定した通知先に対して送信するものであってよい。
これにより、情報処理装置1は、S52の処理で生成した通知用の症状リスト134に含まれるデータを、必要な通知先に効率的に送信することが可能になる。
また、データ生成部113は、この場合、例えば、図30に示すように、S24の処理で生成した差分データ132の「症状データID」に、図29で説明した通知用の症状リスト134に対応する症状データIDである「2000551」を設定する。これにより、データ生成部113は、現在のユーザ20に対応する新たな差分データ132と、ユーザ20において今後発症する可能性が最も高い症状に対応する症状データ133との対応付けを行うことが可能になる。
なお、例えば、情報格納領域130に記憶された感染症データ136における「項目」が「対象地域」であるデータの「値」に設定されたデータが示す地域と、ユーザ20のユーザデータ135における「項目」が「居住地域」であるデータの「値」に設定されたデータが示す地域とが重複していない場合、データ通知部114は、感染症データ136に対応するデータを通知先に送信しないものであってもよいし、通知先を変更するものであってもよい。
そして、S53の処理の後、又は、S24の処理で算出した差分データ132が測定誤差の範囲内にない項目が存在しないと判定した場合(S27のYES)、データ検索部112は、情報格納領域130に記憶されたユーザ20のバイタルデータ131から経過データ138を生成する(S54)。経過データ138は、ユーザ20に関して測定されたバイタルデータ131の一定期間(例えば、数か月)における変化の状態を示すデータである。
すなわち、情報処理装置1は、S53までの処理において、比較的短い期間に対応するバイタルデータ131を参照し、ユーザ20において今後発症する可能性がある症状の推定を行う。これに対し、情報処理装置1は、S54から先の処理において、比較的長い期間に対応するバイタルデータ131を参照し、ユーザ20が今後大病を患う可能性があるか否かの判定を行う。
これにより、情報処理装置1は、同一の取得データ(バイタルデータ131)から、ユーザ20の直近の状態(例えば、ユーザ20の1週間後の状態)に関するデータと、ユーザ20の将来の状態(例えば、ユーザ20の3か月後の状態)に関するデータとの生成を行うことが可能になる。以下、経過データ138の具体例について説明を行う。
[経過データの具体例]
図31は、経過データ138の具体例について説明する図である。図31に示す経過データ138は、経過データ138に含まれる各データを識別する「項番」と、経過データ138に含まれる各項目名が設定される「項目名」と、「項目名」に設定されたデータに対応する値が設定される「値」と、ユーザ20について前回生成された経過データ138からの各値の変化量が設定される「変化量」とを有している。なお、以下、「変化量」には、後述の処理で用いられるデータのみが設定されるものとして説明を行う。
具体的に、図31に示す経過データ138において、「項目」が「ユーザID」であるデータには、「値」として「0000001」が設定され、「項目」が「変化量」であるデータには、「値」として「−」が設定されている。また、具体的に、図31に示す経過データ138において、「項目」が「平均体重」であるデータには、「値」として「58.3kg」が設定され、「項目」が「変化量」であるデータには、「値」として「−2.3kg」が設定されている。図31に含まれる他のデータについての説明は省略する。
図12に戻り、データ管理部111は、S54の処理で生成した経過データ138を情報格納領域130に記憶する(S55)。
そして、データ検索部112は、情報格納領域130に記憶されたユーザ20の経過データ138を参照し、S54の処理で生成した経過データ138に所定の変化を示すデータが含まれているか否かを判定する(S56)。
具体的に、データ検索部112は、S54の処理で生成した経過データ138を参照し、「変化量」に設定されたデータの全てが、それぞれに対応する閾値の範囲内である場合、所定の変化を示すデータが含まれていないと判定する。一方、データ検索部112は、「変化量」に設定されたデータに、それぞれに対応する閾値の範囲内でないデータが存在する場合、所定の変化を示すデータが含まれていると判定する。
さらに具体的に、図31で説明した経過データ138において、「項目」が「平均体重」であるデータの「変化量」には「−2.3kg」が設定され、「項目」が「頻脈」であるデータの「変化量」には、「+4回/日」が設定されている。そのため、平均体重に対応する閾値の範囲が「−3kg」から「3kg」までの範囲であって、頻脈に対応する閾値の範囲が「−3回/日」から「3回/日」までの範囲である場合、データ検索部112は、S56の処理において、所定の変化を示すデータ(頻脈に対応するデータ)が経過データ138に含まれていると判定する。
その結果、図13に示すように、S54の処理で生成した経過データ138に所定の変化を示すデータが含まれていると判定した場合(S61のYES)、データ検索部112は、情報格納領域130に記憶された経過データ138を参照し、S56の処理で含まれていると判定した所定の変化を示すデータが含まれる経過データ138を特定する。そして、データ検索部112は、この場合、特定した経過データ138に対応するユーザを特定する(S62)。
その後、データ検索部112は、情報格納領域130に記憶された疾患データ139のうち、S62の処理で特定したユーザに対応する疾患データ139を特定する(S63)。疾患データ139は、各ユーザが過去に患った疾患を示すデータである。
すなわち、経過データ138がユーザ20と同様の変化を含む他のユーザが患った疾患は、ユーザ20が今後患う可能性がある疾患であると判断できる。そのため、データ検索部112は、経過データ138がユーザ20と同様の変化を含む他のユーザを特定し、特定した他のユーザに対応する疾患データ139の特定を行う。以下、疾患データ139の具体例について説明を行う。
[疾患データの具体例]
図32は、疾患データ139の具体例について説明する図である。具体的に、図32(A)は、S63の処理で特定された疾患データ139aの具体例について説明する図であり、図32(B)は、S63の処理で特定された疾患データ139bの具体例について説明する図である。
図32に示す疾患データ139は、疾患データ139に含まれる各データを識別する「項番」と、疾患データ139に含まれる各項目名が設定される「項目名」と、「項目名」に設定されたデータに対応する値が設定される「値」とを有している。
具体的に、図32に示す疾患データ139aにおいて、「項目」が「ユーザID」であるデータには、「値」として「0000666」が設定され、「項目」が「疾患データID」であるデータには、「値」として「8012340」が設定され、「項目」が「病名」であるデータには、「値」として「胃がん」が設定されている。また、図32に示す疾患データ139aにおいて、「項目」が「時期」であるデータには、「値」として「2016/12」が設定され、「項目」が「経過」であるデータには、「値」として「手術」が設定されている。図32(B)に示す疾患データ139bについての説明は省略する。
なお、疾患データ139は、例えば、各ユーザによって予め情報格納領域130に記憶されるデータであってよい。
図13に戻り、データ検索部112は、S63の処理で特定した疾患データ139に、情報格納領域130に記憶された親族病歴データ140と同じデータが含まれているか否かを判定する(S64)。具体的に、データ検索部112は、S63の処理で特定した疾患データ139における「病名」に設定されたデータに、親族病歴データ140における「病名」に設定されたデータと同じデータが設定されているか否かを判定する。以下、親族病歴データ140の具体例について説明を行う。
[親族病歴データの具体例]
図33は、親族病歴データ140の具体例について説明する図である。図33に示す親族病歴データ140は、親族病歴データ140に含まれる各データを識別する「項番」と、ユーザ20との続柄が設定される「続柄」と、「続柄」に設定された人物の病名が設定される「病名」とを項目として有する。また、図33に示す親族病歴データ140は、「病名」に設定されたデータに対応する病気を患っていた期間が設定される「期間」と、「病名」に設定されたデータに対応する病気の経過が設定される「経過」とを項目として有する。
具体的に、図33に示す親族病歴データ140において、「項番」が「1」であるデータには、「続柄」として「父」が設定されており、「病名」として「胃がん」が設定されており、「期間」として「70代から」が設定されており、「経過」として「手術」が設定されている。また、図33に示す親族病歴データ140において、「項番」が「2」であるデータには、「続柄」として「祖父(父方)」が設定されており、「病名」として「胃がん」が設定されており、「期間」として「60代から」が設定されており、「経過」として「手術」が設定されている。
なお、親族病歴データ140は、例えば、各ユーザによって予め情報格納領域130に記憶されるデータであってよい。
図14に戻り、S64の処理において同じデータが含まれていると判定した場合(S71のYES)、データ生成部113は、S71の処理で含まれていると判定したデータに対応する疾患が強調されるように、S63の処理で特定した疾患データ139に含まれる各疾患に関する疾患予兆リスト141を生成する(S72)。
一方、S64の処理において同じデータが含まれていないと判定した場合(S71のNO)、データ生成部113は、特定の疾患の強調を行うことなく、S63の処理で特定した疾患データ139に含まれる各疾患に関する疾患予兆リスト141を生成する(S73)。
すなわち、S71の処理で含まれていると判定したデータに対応する疾患は、経過データ138がユーザ20と同様の変化を含む他のユーザが患っただけでなく、ユーザ20の親族が患った疾患である。そのため、S71の処理で含まれていると判定したデータに対応する疾患は、ユーザ20が将来患う可能性が高い疾患であると判断できる。したがって、データ生成部113は、S64の処理において同じデータが含まれていると判定した場合、S71の処理で含まれていると判定したデータに対応する疾患が強調されるように疾患予兆リスト141の生成を行う。
具体的に、図32(A)で説明した疾患データ139aにおける「項目」が「病名」であるデータの「値」には「胃がん」が設定されており、図33で説明した親族病歴データ140の「病名」のいずれにも「胃がん」が設定されている。そのため、データ生成部113は、この場合、S72の処理において、ユーザ20が将来患う可能性が高い疾患として「胃がん」を特定する。
続いて、S72又はS73の処理の後、データ通知部114は、S72の処理又はS73の処理で生成した疾患予兆リスト141を、医者が閲覧することが可能な端末(以下、閲覧端末とも呼ぶ)に送信する(S74)。以下、疾患予兆リスト141の具体例について説明を行う。
[疾患予兆リストの具体例]
図34は、疾患予兆リスト141の具体例について説明する図である。図34に示す疾患予兆リスト141は、疾患予兆リスト141に含まれる各データを識別する「項番」と、疾患予兆リスト141に含まれる各項目名が設定される「項目名」と、「項目名」に設定されたデータに対応する値が設定される「値」とを有している。
具体的に、図34に示す疾患予兆リスト141において、「項目」が「ユーザID」であるデータには、「値」として「0000001」が設定され、「項目」が「疾患予兆データID」であるデータには、「値」として「9101234」が設定されている。
また、図34に示す疾患予兆リスト141において、「項目」が「疾患データID(1)」であるデータには、「値」として、図32(A)で説明した疾患データ139a(胃がんに対応する疾患データ139)の疾患データIDである「8012340」が設定され、「項目」が「確率(1)」であるデータには、「値」として「高」が設定されている。
一方、図34に示す疾患予兆リスト141において、「項目」が「疾患データID(2)」であるデータには、「値」として、図32(B)で説明した疾患データ139b(脳卒中に対応する疾患データ139)の疾患データIDである「8321520」が設定され、「項目」が「確率(2)」であるデータには、「値」として「低」が設定されている。
その後、データ通知部114は、図15に示すように、例えば、医師が送信した通院要否データ142を受信するまで待機する(S81のNO)。通院要否データ142は、例えば、疾患予兆リスト141の内容を参照した医師が生成するデータであって、ユーザ20が検査のために通院する必要があるか否かを示すデータである。
そして、通院要否データ142を受信した場合(S81のYES)、データ通知部114は、情報格納領域130に記憶された通知先リスト137を参照し、S72の処理又はS73の処理で生成した疾患予兆リスト141と、S81の処理で受信した通院要否データ142とに対応する通知先を特定する(S82)。具体的に、データ通知部114は、例えば、S72の処理又はS73の処理で生成した疾患予兆リスト141と、S81の処理で受信した通院要否データ142とに対応する通知先として、ユーザ20の端末装置4を特定する。
その後、データ通知部114は、S82の処理で特定した通知先に対し、S72の処理又はS73の処理で生成した疾患予兆リスト141に含まれるデータと、S81の処理で受信した通院要否データ142に対応するデータとを送信する(S83)。
なお、データ通知部114は、S54の処理で生成した経過データ138に所定の変化を示すデータが含まれていないと判定した場合についても同様に(S61のNO)、S83の処理を行う。
一方、図9のS23の処理において、ユーザ20において所定の症状が発症していると判定した場合(S23のYES)、データ通知部114は、図16に示すように、S21の処理で受信したバイタルデータ131を参照し、症状の収束を示しているか否かを判定する(S91)。
具体的に、データ通知部114は、例えば、情報格納領域130に記憶された過去のバイタルデータ131を参照し、S23の処理において発熱が発症していると判定される状態が続いているが、平熱近くにまでに解熱してきていると判定した場合、S21の処理で受信したバイタルデータ131が症状の収束を示していると判定する。
そして、症状が収束していないと判定した場合(S91のNO)、データ通知部114は、情報格納領域130に記憶された処方データ143を参照し、処方中の薬が存在するか否かを判定する(S92)。処方データ143は、例えば、医師によって処方された薬の識別情報、効能、服薬時間及び服薬期間を対応付けたデータである。
具体的に、データ通知部114は、S92の処理において、処方データ143を参照し、服薬期間が終わっていない薬であって、S23の処理で発症していると判定した所定の症状に対応する効能の薬が存在するか否かの判定を行う。
その結果、処方中の薬が存在すると判定した場合(S93のYES)、データ通知部114は、次の服薬時間まで待機する(S94のNO)。具体的に、データ通知部114は、情報格納領域130に記憶された処方データ143を参照することにより、ユーザ20の次の服薬時間を特定する。
そして、次の服薬時間になった場合(S94のYES)、データ通知部114は、情報格納領域130に記憶された通知先リスト137を参照し、S93の処理で存在すると判定した薬の服薬時間の通知先を特定する(S95)。
その後、データ通知部114は、S93の処理で存在すると判定した薬の服薬時間になったことを示すデータとを端末装置4に送信する(S96)。
なお、処方中の薬が存在しないと判定した場合(S93のNO)、データ通知部114は、S94からS96の処理を行わない。
これにより、情報処理装置1は、例えば、ユーザ20において発症した症状が収束するまでの間、ユーザ20に対して薬の服薬時間に関する通知を行うことが可能になる。
一方、S91の処理において、症状が収束していると判定した場合(S91のYES)、データ通知部114は、図17に示すように、ユーザ20において今回発症した症状に関するデータの入力を要求する通知を端末装置4に送信する(S101)。そして、データ通知部114は、ユーザ20が入力した症状に関するデータを受け付けるまで待機する(S102のNO)。
その後、ユーザ20が入力した症状に関するデータを受け付けた場合(S102のYES)、データ管理部111は、S102で入力されたデータを、S43の処理又はS44の処理で生成された症状データ133に追加する(S103)。その後、データ通知部114は、S92以降の処理を行う。
すなわち、データ管理部111は、この場合、S21の処理で受信したバイタルデータ131に含まれないデータ(例えば、便通の状態等)を症状データ133に追加する。
これにより、情報処理装置1は、バイタルデータ131に含まれないデータについても参照した上で、ユーザ20において将来発症する可能性がある症状の特定を行うことが可能になる。
このように、本実施の形態における情報処理装置1は、ユーザ20に関して1以上の測定装置4aにより検知された身体に関する測定データ(バイタルデータ131等を含むデータ)の傾向と類似する傾向を示す身体に関する測定データが記憶された他のユーザを、ユーザ20に対応づけて情報格納領域130に記憶する。
そして、情報処理装置1は、ユーザ20に関して1以上の測定装置4aにより検知された身体に関する最新の測定データと、ユーザ20の過去の測定データとが所定の類似範囲に収まらない場合に、情報格納領域130に記憶された他のユーザの過去の測定データのうち、ユーザ20の最新の測定データと類似する測定データを検索する。
その後、情報処理装置1は、検索された測定データの測定時期又は測定時期の後において他のユーザについて記憶された病気又は症状が検出されると、検出した病気又は症状をユーザ20に対応する宛先に通知する。
これにより、情報処理装置1は、ユーザ20に関するデータ(例えば、ユーザ20の過去のバイタルデータ131)と、他のユーザに関するデータ(例えば、他のユーザの過去のバイタルデータ131)とを参照することで、ユーザ20の将来の状態に関する情報の提供を行うことが可能になる。
[処方データ登録処理]
次に、管理処理のうち、処方データ143を情報格納領域130に記憶する処理(以下、処方データ登録処理とも呼ぶ)について説明を行う。図18は、処方データ登録処理を説明するフローチャートである。
情報処理装置1の登録受付部116は、図18に示すように、ユーザ20が端末装置4を介して処方データ143の入力を受け付けるまで待機する(S111のNO)。具体的に、登録受付部116は、医師によって処方された処方箋の入力を受け付けるまで待機する。
そして、処方データ143の入力を受け付けた場合(S111のYES)、データ管理部111は、S111の処理で受け付けた処方データ143を情報格納領域130に記憶する(S112)。
これにより、情報処理装置1は、情報格納領域130に記憶された処方データ143を参照することで、ユーザ20に対して薬の服薬時間に関する通知を行うことが可能になる。
[感染症データ登録処理]
次に、管理処理のうち、感染症データ136を情報格納領域130に記憶する処理(以下、感染症データ登録処理とも呼ぶ)について説明を行う。図19は、感染症データ登録処理を説明するフローチャートである。
情報処理装置1のデータ取得部115は、図19に示すように、新たな感染症データ136が発行されるまで待機する(S121のNO)。
そして、新たな感染症データ136が発行された場合(S121のYES)、データ取得部115は、S121の処理で発行された感染症データ136を取得する(S122)。具体的に、データ取得部115は、新たな感染症データ136の発行が行われているか否かを定期的に監視し、新たな感染症データ136が発行されたことを検知した場合に、その新たな感染症データ136の取得を行うものであってよい。
その後、データ管理部111は、S122で取得した感染症データ136を情報格納領域130に記憶する(S123)。
これにより、情報処理装置1は、ユーザ20に対して送信する通知用の症状リスト134に、ユーザ20の居住地域等を対象として発行されている感染症に関するデータを含めることが可能になる。そのため、情報処理装置1は、通知用の症状リスト134に含まれるデータの精度をより高めることが可能になる。
以上の実施の形態をまとめると、以下の付記の通りである。
(付記1)
特定のユーザに関して1又は複数のセンサにより検知された身体に関する測定データの傾向と類似する傾向を示す身体に関する測定データが記憶された他のユーザを、前記特定のユーザに対応づけて記憶部に記憶し、
前記特定のユーザに関して1又は複数のセンサにより検知された身体に関する最新の測定データと、前記特定のユーザの過去の測定データとが所定の類似範囲に収まらない場合に、前記記憶部に記憶された前記他のユーザの過去の測定データのうち、前記最新の測定データと類似する類似測定データを検索し、
検索された前記類似測定データの測定時期又は測定時期の後において前記他のユーザについて記憶された病気又は症状が検出されると、検出した該病気又は該症状を前記特定のユーザに対応する宛先に通知する、
処理をコンピュータに実行させることを特徴とする管理プログラム。
(付記2)
付記1において、
前記通知する処理では、前記他のユーザに関して1又は複数のセンサにより検知された身体に関する測定データを、該測定データの測定時期における前記他のユーザの病気又は症状に対応づけて記憶する記憶部を参照し、検索された前記類似測定データの測定時期又は測定時期の後において前記他のユーザについて記憶された病気又は症状の検出を行う、
ことを特徴とする管理プログラム。
(付記3)
付記1において、
前記記憶する処理では、
前記特定のユーザの測定データから、長さの異なる複数の期間にそれぞれ対応する測定データを特定し、
前記複数の期間のそれぞれについて、特定した前記測定データの傾向と類似する傾向を示す身体に関する測定データが記憶された前記他のユーザを、前記特定のユーザに対応づけて記憶部に記憶し、
前記検索する処理および前記通知する処理は、前記複数の期間のそれぞれに対応する測定データごとに行われる、
ことを特徴とする管理プログラム。
(付記4)
1又は複数のセンサにより検知された身体に関する測定データに基づき、感染した可能性がある感染症を特定し、
特定した前記感染症が所定の種別の感染症である場合、前記所定の種別の感染症に感染した可能性があることを所定の宛先に通知する、
処理をコンピュータに実行させることを特徴とする管理プログラム。
(付記5)
付記4において、
前記通知する処理では、前記所定の種別の感染症でない場合、前記所定の宛先に対して感染症に関する通知を抑制する、
ことを特徴とする管理プログラム。
(付記6)
付記4において、
前記通知する処理では、
感染症の流行地域を該感染症に対応付けて記憶する記憶部を参照して、前記測定データに対応する対象者の居住地域又は滞在地域が、特定した前記感染症に対応付けられた流行地域に対応するか否かの判定を行い、
判定結果に応じて、前記所定の宛先のうち、いずれの宛先を、前記感染症に感染した可能性があることを通知する宛先とするか決定する、
ことを特徴とする管理プログラム。
(付記7)
付記6において、
前記決定する処理では、前記対象者の居住地域又は滞在地域が前記流行地域に対応すると判定した場合、前記所定の宛先のうちの第1の宛先を、前記感染症に感染した可能性があることを通知する宛先として決定し、前記対象者の居住地域又は滞在地域が前記流行地域に対応すると判定しなかった場合、前記所定の宛先のうちの第2の宛先を、前記感染症に感染した可能性があることを通知する宛先として決定する、
ことを特徴とする管理プログラム。
(付記8)
服用対象の薬の登録を受け付け、
1又は複数のセンサにより検知された身体に関する測定データが、登録された前記薬の効能に対応する症状を示す場合に、前記薬に対応する服薬タイミングで所定の宛先に服薬タイミングであることを通知する、
処理をコンピュータに実行させることを特徴とする管理プログラム。
(付記9)
付記8において、さらに、
前記症状が検知された後に、前記1又は複数のセンサにより検知された身体に関する測定データが前記症状を示さなくなったことを検知した場合に、所定の宛先に身体の状態についての入力要求を送信する、
ことを特徴とする管理プログラム。
(付記10)
付記9において、さらに、
前記身体の状態が入力された場合、入力された前記身体の状態を、前記1又は複数のセンサにより検知された身体に関する測定データのうち、前記症状を示す測定データに対応づけて記憶部に記憶する、
ことを特徴とする管理プログラム。
(付記11)
付記9において、
前記身体の状態は、便通に関する身体の状態を含む、
ことを特徴とする管理プログラム。
(付記12)
特定のユーザに関して1又は複数のセンサにより検知された身体に関する測定データの傾向と類似する傾向を示す身体に関する測定データが記憶された他のユーザを、前記特定のユーザに対応づけて記憶部に記憶するデータ管理部と、
前記特定のユーザに関して1又は複数のセンサにより検知された身体に関する最新の測定データと、前記特定のユーザの過去の測定データとが所定の類似範囲に収まらない場合に、前記記憶部に記憶された前記他のユーザの過去の測定データのうち、前記最新の測定データと類似する類似測定データを検索するデータ検索部と、
検索された前記類似測定データの測定時期又は測定時期の後において前記他のユーザについて記憶された病気又は症状が検出されると、検出した該病気又は該症状を前記特定のユーザに対応する宛先に通知するデータ通知部と、を有する、
ことを特徴とする管理装置。
(付記13)
付記12において、
前記データ管理部は、
前記特定のユーザの測定データから、長さの異なる複数の期間にそれぞれ対応する測定データを特定し、
前記複数の期間のそれぞれについて、特定した前記測定データの傾向と類似する傾向を示す身体に関する測定データが記憶された前記他のユーザを、前記特定のユーザに対応づけて記憶部に記憶し、
前記検索する処理および前記通知する処理は、前記複数の期間のそれぞれに対応する測定データごとに行われる、
ことを特徴とする管理装置。
(付記14)
特定のユーザに関して1又は複数のセンサにより検知された身体に関する測定データの傾向と類似する傾向を示す身体に関する測定データが記憶された他のユーザを、前記特定のユーザに対応づけて記憶部に記憶し、
前記特定のユーザに関して1又は複数のセンサにより検知された身体に関する最新の測定データと、前記特定のユーザの過去の測定データとが所定の類似範囲に収まらない場合に、前記記憶部に記憶された前記他のユーザの過去の測定データのうち、前記最新の測定データと類似する類似測定データを検索し、
検索された前記類似測定データの測定時期又は測定時期の後において前記他のユーザについて記憶された病気又は症状が検出されると、検出した該病気又は該症状を前記特定のユーザに対応する宛先に通知する、
ことを特徴とする管理方法。
(付記15)
付記14において、
前記記憶する工程では、
前記特定のユーザの測定データから、長さの異なる複数の期間にそれぞれ対応する測定データを特定し、
前記複数の期間のそれぞれについて、特定した前記測定データの傾向と類似する傾向を示す身体に関する測定データが記憶された前記他のユーザを、前記特定のユーザに対応づけて記憶部に記憶し、
前記検索する処理および前記通知する処理は、前記複数の期間のそれぞれに対応する測定データごとに行われる、
ことを特徴とする管理方法。