以下、図面を参照して、実施形態に係る検索装置及び検索方法を説明する。なお、以下の実施形態では、検索装置を有する健診システムを例にして、検索装置及び検索方法を説明する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る健診システム1のシステム構成例を示す図である。図1に示すように、第1の実施形態に係る健診システム1は、管理施設DB(Data Base)20と、DB管理装置30と、健診施設DB60と、検索装置100とを有する。ここで、管理施設DB20と、DB管理装置30とは、DB管理施設10に設けられる。このDB管理施設10は、後述する健診施設50によって実施された健康診査(以下、「健診」と言う)の検査結果を収集してデータベースとして管理する施設である。
また、健診施設DB60と、検索装置100とは、健診を実施する医療機関等である健診施設50a〜50cに設けられる。なお、健診施設50bと健診施設50cにおいて、健診施設DB60及び検索装置100の図示は省略している。また、健診施設50a〜50cを一般化して称する場合、健診施設50と記載する。
また、図1に示すように、健診システム1では、DB管理装置30と検索装置100とが、例えばLAN(Local Area Network)等のネットワーク2を介して互いに通信可能に接続する。なお、健診システム1が有する、管理施設DB20の数、DB管理装置30の数、健診施設DB60の数、及び検索装置100の数は、図1に図示した数に限定されるものではない。
管理施設DB20は、各健診施設50にて実施された、複数の受診者に関する健診診査の検査結果(健診結果とも言う)の履歴を受診者ごとに記憶するデータベースである。より具体的には、管理施設DB20は、毎年全国各地の健診施設において実施された特定健康診査(「特定健診」或いは「メタボ健診」とも言う)の検査結果を記憶する。この管理施設DB20には、例えば、年間に4000万人〜5000万人分の特定健診の検査結果が蓄積されることになる。また、管理施設DB20には、健診履歴テーブル21と、検査結果テーブル22とが含まれる。
健診履歴テーブル21は、受診者ごとに健診の受診日と、健診結果を特定する情報とを対応付けて記憶する。図2は、第1の実施形態に係る健診履歴テーブル21のデータ構造の一例を示す図である。図2に示すように、健診履歴テーブル21は、「受診者ID」と、「データID」と、「受診日」と、「特定保健指導」とを対応付けた情報を記憶する。ここで、健診履歴テーブル21が記憶する「受診者ID」は、特定健診の受診者を特定する識別子を示す。例えば、「受診者ID」には、「0001」、「0002」等のデータ値が格納される。
また、健診履歴テーブル21が記憶する「データID」は、特定健診の検査結果を特定する検査結果テーブル22の識別子を示す。例えば、「データID」には、「001100」、「002000」等のデータ値が格納される。なお、データIDで特定される検査結果テーブル22については、図3を用いて後述する。
また、健診履歴テーブル21が記憶する「受診日」は、特定健診を受診した年月日を示す。例えば、「受診日」には、2010年5月15日であることを示す「2010/5/15」、2011年6月3日であることを示す「2011/6/3」等のデータ値が格納される。
また、健診履歴テーブル21が記憶する「特定保健指導」は、受診者に対して特定保健指導が実施されたか否かを示す。ここで言う「特定保健指導」とは、メタボリックシンドロームに該当する受診者やメタボリックシンドロームになることが予想される受診者を対象者として実施される食事栄養指導、運動指導等を示す。例えば、「特定保健指導」には、特定保健指導が実施されたことを示す「有り」、特定保健指導が実施されなかったことを示す「無し」等のデータ値が格納される。
一例をあげると、図2に示す健診履歴テーブル21は、「受診者ID」が「0001」である受診者が、2010年5月15日に受診した特定健診の検査結果が「001100」であり、特定保健指導が実施されていないことを示す。また、図2に示す健診履歴テーブル21は、「受診者ID」が「0002」である受診者が、2011年6月21日に受診した特定健診の検査結果が「002500」であり、特定保健指導が実施されたことを示す。
検査結果テーブル22は、健診結果を特定する情報ごとに、検査項目ごとの検査結果を対応付けて記憶する。図3は、第1の実施形態に係る検査結果テーブル22のデータ構造の一例を示す図である。図3に示すように、検査結果テーブル22は、特定健診における検査項目ごとの検査結果を記憶する特定健診検査項目記憶領域22aと、受診者の属性を記憶する個人情報記憶領域22bとを有する。なお、図3に示す例では、特定健診検査項目記憶領域22aは、データIDが「002000」で特定され、個人情報記憶領域22bは、受診者IDが「0001」で特定される検査結果テーブル22を示す。
図3に示すように、特定健診検査項目記憶領域22aは、「検査分類」と、「項目名」と、「数値」とを対応付けた情報を記憶する。ここで、特定健診検査項目記憶領域22aが記憶する「検査分類」は、特定健診で実施された検査の分類を示す。例えば、「検査分類」には、「身体計測」、「血圧」、「生化学検査」、「血糖検査」等の検査分類名が格納される。
また、特定健診検査項目記憶領域22aが記憶する「項目名」は、検査分類において実施された検査項目を示す。例えば、「検査分類」が「身体計測」である場合、「項目名」には、「身長」、「体重」、「BMI(Body Mass Index)」、「腹囲」等の項目名が格納される。
また、特定健診検査項目記憶領域22aが記憶する「数値」は、各項目ごとの実測値を示す。なお、図3に示す例では、「数値」の項目には、黒丸を示しているが、実際には、検査項目ごとに測定された値が格納される。
一例をあげると、図3に示す特定健診検査項目記憶領域22aは、「検査分類」が「身体計測」である場合、「身長」、「体重」、「BMI」、「腹囲」が検査項目として実施され、各検査項目に対応付けて実測値が格納されることを示す。また、図3に示す特定健診検査項目記憶領域22aは、「検査分類」が「血圧」である場合、「血圧(収縮期)」、「血圧(拡張期)」が検査項目として実施され、各検査項目に対応付けて実測値が格納されることを示す。
また、図3に示すように、個人情報記憶領域22bは、「性別」と、「年齢」とを対応付けた情報を記憶する。ここで、個人情報記憶領域22bが記憶する「性別」は、特定健診を受診した受診者の性別を示す。例えば、「性別」には、「男性」或いは「女性」が格納される。また、個人情報記憶領域22bが記憶する「年齢」は、特定健診を受診した受診者の年齢を示す。例えば、「年齢」には、受診者の年齢を示す数値が格納される。
図1に戻り、DB管理装置30は、例えば、通信制御部31と、記憶部32と、I/O制御部33と、制御部34とを有し、検索装置100による管理施設DB20への特定健診の検査結果の入出力等を制御する。
通信制御部31は、通信インターフェースであり、検索装置100との通信を制御する。例えば、通信制御部31は、各健診施設50で実施された特定健診の検査結果を検索装置100から受信する。また、通信制御部31は、制御部34によって実行された検索処理の結果を検索装置100に送信する。記憶部32は、例えば、半導体メモリ素子又はハードディスク等の記憶装置であり、各種情報を記憶する。I/O制御部33は、健診施設50において実施された特定健診の検査結果の管理施設DB20への書込みや、管理施設DB20からの特定健診の検査結果の読出しを制御する。制御部34は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等の電子回路であり、DB管理装置30が実行する各種処理を制御する。例えば、制御部34は、検索装置100から管理施設DB20が記憶する健診結果を検索する要求を受付けた場合、検索処理を実行して検索処理の結果を検索装置100に応答する。
健診施設DB60は、健診施設50で実施された健診の検査結果を記憶するDBである。より具体的には、健診施設DB60は、健診施設50において実施された特定健診の検査結果を記憶する。なお、健診施設50が大規模な健診施設である場合、健診施設DB60には、例えば、年間に1万人分の特定健診の検査結果が蓄積される場合がある。健診施設DB60には、健診履歴テーブル61と、検査結果テーブル62とが含まれる。なお、以下では説明の便宜上、健診施設DB60のデータ構造は、管理施設DB20のフォーマットと同じデータ構造である場合を説明する。
健診履歴テーブル61のデータ構造は、健診履歴テーブル21のデータ構造と同様であるので、健診履歴テーブル61についての詳細な説明を省略する。なお、健診履歴テーブル61が記憶するデータが健診履歴テーブル21として記憶される場合、健診履歴テーブル61が記憶する「受診者ID」は、ハッシュ関数によってハッシュ値に変換される。また、検査結果テーブル62のデータ構造は、検査結果テーブル22のデータ構造と同様であるので、検査結果テーブル62についての詳細な説明を省略する。なお、検査結果テーブル62は、実施した特定保健指導の内容やプログラムを更に記憶するようにしてもよい。
検索装置100は、例えば、入力部101と、出力部102と、通信制御部103と、記憶部104と、I/O制御部105と、制御部110とを有する。入力部101は、マウスやトラックボール等のポインティングデバイス、スイッチボタン等の選択デバイス、あるいはキーボード等であり、利用者からの各種指示や情報入力を受付ける。出力部102は、例えば、液晶ディスプレイ、有機EL(ElectroLuminescence)ディスプレイ、プラズマディスプレイ等の表示機器であり、制御部110により処理された情報を出力する。なお、検索装置100において、出力部102は、表示機器に加えてプリンタ等を更に有するようにしてもよい。
通信制御部103は、通信インターフェースであり、DB管理装置30等の外部装置とデータを送受信する。データには、特定健診の検査結果が含まれる。通信制御部103は、例えば、DB管理装置30への特定健診の検査結果を送信する。また、通信制御部103は、例えば、管理施設DB20の検索を要求する検索要求を送信し、検索要求に対する応答として検索結果を受信する。記憶部104は、例えば、半導体メモリ素子又はハードディスク等の記憶装置であり、各種情報を記憶する。I/O制御部105は、健診施設DB60への特定健診の検査結果の書込みや、健診施設DB60からの特定健診の検査結果の読出しを制御する。制御部110は、例えば、CPU等の電子回路であり、検索装置100が実行する各種処理を制御する。
以上、第1の実施形態に係る健診システム1の全体構成について説明した。かかる構成のもと、第1の実施形態に係る健診システム1では、検索装置100は、例えば、保健師が、メタボリックシンドロームに該当する受診者やメタボリックシンドロームになることが予想される受診者を対象者として特定保健指導を実施する際に、保健師の指示に応じて、対象者の健診結果を健診施設DB60から取得する。そして、検索装置100は、取得した健診結果を出力部102に出力する。
従来、保健師は、健診施設において、医学的な知見や各種の研究結果に基づいて、出力された対象者の健診結果の検査値がそれぞれどのようなリスクであるかを判定し説明を行う。この根拠となるデータは、対象となったデータ群全体を統計的に分析し最大の確率を持つリスク値に変換したものであるため、同じ検査値であっても実際の個々のデータにおいては統計的な誤差は大きい。このため、平均的なリスクではあるものの、その個人自身のリスクと実感しづらいという問題があった。また、臨床的な検査値のリスク評価にあたり身長・体重・腹囲といった体格情報は考慮されることがなく、平均的な体格でない人にとっては実感しにくくなる一因にもなっている。また検査値の組み合わせによる影響については十分に分析が行われておらず、個々の検査値それぞれの平均的なリスクとしてしか説明されないという問題もある。
このようなことから、第1の実施形態に係る検索装置100は、対象者の検査結果と類似する受診者の健診結果を取得し、健診結果の推移を示す情報を出力部102に出力する。かかる処理は、検索装置100において制御部110で実行される。制御部110は、第1の検索部111と、第2の検索部112と、出力制御部113とを有する。
第1の検索部111は、複数の受診者に関する健診結果の履歴を受診者ごとに記憶した管理施設DB20を参照して、保健指導の対象者の健診結果と類似する健診結果を自身の履歴に含んだ受診者を検索する。
例えば、第1の検索部111は、保健師等の利用者から、対象者の受診者IDと、受診日とを受付けた場合、受診者IDと受診日とに対応付けられるデータIDを健診履歴テーブル61から取得する。そして、第1の検索部111は、取得したデータIDに対応する検査結果テーブル62を健診施設DB60から取得する。第1の検索部111は、取得した検査結果テーブル62を用いて、利用者が検索条件を設定可能な表示画面を出力部102に出力する。そして、第1の検索部111は、利用者から検索条件として用いる検査項目の設定を受付ける。なお、この検索条件の設定を受付ける処理については、図4を用いて後述する。
続いて、第1の検索部111は、対象者のデータIDと、検索条件として設定を受付けた検査項目とを含んだ検索要求をDB管理装置30に送信する。ここで、第1の検索部111は、検索要求として、保健指導の対象者の健診結果と類似する健診結果を自身の履歴に含んだ受診者を検索する旨をDB管理装置30に要求する。この結果、DB管理装置30では、制御部34が検索処理を実行し、処理の結果を検索装置100に応答する。例えば、制御部34は、対象者のデータIDと対応する検査結果テーブル22を取得する。そして、制御部34は、管理施設DB20が記憶する検査結果テーブル22を検索して、検索条件として設定された「項目名」の「数値」が対象者の「数値」と一致する健診結果のデータIDを取得する。そして、制御部34は、健診履歴テーブル21を参照して、取得したデータIDと対応する受診者IDを抽出する。制御部34は、取得したデータIDと抽出した受診者IDとを、通信制御部31を介して、第1の検索部111に応答する。第1の検索部111は、制御部34から受信したデータIDと受診者IDとを第2の検索部112に通知する。
第2の検索部112は、管理施設DB20を参照して、第1の検索部111によって検索された受診者に関する健診結果の履歴の中から対象者の健診結果と類似する健診結果以降の健診結果を検索する。
例えば、第2の検索部112は、第1の検索部111からデータIDと受診者IDとを通知された場合、受診者IDに対応付けられる健診結果であって、受診者IDとデータIDとに対応付けられる受診日以降の健診結果を検索する旨をDB管理装置30に要求する。この結果、DB管理装置30では、制御部34が検索処理を実行し、処理の結果を検索装置100に応答する。具体的には、制御部34は、健診履歴テーブル21を参照して、受診者IDとデータIDとに対応付けられる受診日以降であるデータIDを検索する。そして、制御部34は、検索したデータIDに対応する検査結果テーブル22を取得する。制御部34は、取得した検査結果テーブル22を、通信制御部31を介して、第2の検索部112に応答する。第2の検索部112は、制御部34から受信した検査結果テーブル22を出力制御部113に受け渡す。
出力制御部113は、第2の検索部112によって検索された健診結果の推移を示す情報を出力部102に出力する。
例えば、出力制御部113は、第2の検索部112から検査結果テーブル22を受け渡された場合、表示する検査項目の設定を利用者から受付ける。例えば、出力制御部113は、利用者が表示する検査項目を設定可能な表示画面を出力部102に出力する。そして、出力制御部113は、利用者から表示する検査項目の設定を受付ける。例えば、出力制御部113は、検査項目として、「腹囲」と、「体重」と、「収縮期血圧」と、「空腹時血糖値」と、「保健指導」とについて表示する旨の指示を利用者から受付ける。
また、出力制御部113は、表示形態の設定を利用者から受付ける。例えば、出力制御部113は、利用者が表示形態を設定可能な表示画面を出力部102に出力する。そして、出力制御部113は、利用者から表示形態の設定を受付ける。例えば、出力制御部113は、検査結果の推移をテーブル形式で表示する指示或いは、検査結果の推移をグラフ形式で表示する指示を受付ける。
そして、出力制御部113は、受付けた検査項目について、受付けた表示形態で検査結果の推移を示す情報を生成し、出力部102に出力する。
以下に、図4〜図8を用いて、第1の実施形態に係る検索装置100についてより詳細に説明する。図4は、第1の実施形態に係る第1の検索部111による検索条件の設定処理の一例を説明するための図である。図4に示す例は、検索処理を開始する前に利用者から検索条件の設定を受付ける場合に、第1の検索部111が出力部102に表示する表示画面4aの一例を示す。図4に示すように、表示画面4aには、「検査分類」と、「項目名」と、「数値」と、「検索条件」と、「許容範囲」とを対応付けた情報が含まれる。ここで、「検査分類」と、「項目名」と、「数値」とは、図3で説明した「検査分類」と、「項目名」と、「数値」とに各々対応する。また、「項目名」に対応付けて表示される「検索条件」は、対応する検査項目を検索条件として使用するか否かを示す。例えば、第1の検索部111は、ある検査項目を検索条件として用いる場合、検査項目に対応する検索条件のチェックボックスの選択を利用者から受付ける。なお、図4に示す例では、検索条件として選択された検査項目を丸印で示し、検索条件として選択されなかった検査項目を三角印で示す。ここで、最初の検索条件としては、対象者の検査結果の全ての検査項目と完全一致する検査結果を自身の履歴に含んだ受診者を検索することが望ましい。
また、第1の検索部111は、検索条件と適合する受診者が存在しない場合、検索条件の再設定を利用者から受付ける。例えば、第1の検索部111は、最初の検索条件として、対象者の全ての検査結果と完全一致する受診者を検索する条件を設定し、全ての検査結果と一致する受診者が存在しない場合、検査項目ごとに「許容範囲」の設定を受付ける。ここで、「許容範囲」とは、受診者の検査項目の検査結果と対象者の検査項目の検査結果との差がある場合、受診者の検査結果と対象者の検査結果とが一致するとみなすことが可能な所定の許容範囲を示す。すなわち、第1の検索部111は、受診者の検査結果が設定された許容範囲内である場合、対象者の検査結果と一致すると判定する。すなわち、第1の検索部111は、対象者の検査結果と類似する受診者を検索することが可能である。なお、「許容値」は、測定単位に応じた数値で設定してもよく、また、検査結果との差を割合で設定してもよい。なお、「許容値」は、検索対象とするデータベースの規模に応じて変化させることが望ましい。
また、検査項目のうち、常時使用する検査項目(必須検査項目)と、選択的に使用する検査項目(選択検査項目)とを設けるようにしてもよい。ここで、「必須検査項目」には、受診者の体格を示す「身長」、「体重」、「腹囲」や、メタボリックシンドロームの判定に用いられる「血圧」、「HDLコレステロール」、「中性脂肪」、「空腹時血糖」、「HbA1c」等が含まれる。このため、第1の検索部111は、検索条件と適合する受診者が存在しない場合、検索条件として用いる選択検査項目の数の変更を受付けることで検索条件を再設定してもよい。例えば、第1の検索部111は、必須検査項目だけを選択した検索条件の再設定を受付ける。なお、必須検査項目として設定される検査項目の設定は、任意であり適宜変更可能である。
或いは、第1の検索部111は、検索条件と適合する受診者が存在しない場合、許容範囲の設定を受付けるとともに、検査項目の数の変更を受付けることで検索条件を再設定してもよい。また、第1の検索部111は、例えば「身長」や「体重」については、最初の検索から許容範囲を事前に設定するようにしてもよい。
なお、第1の検索部111は、検索条件の設定を受付けることなく、事前に設定された検索条件を記憶しておき、記憶した検索条件の検査結果と類似する受診者を検索するようにしてもよい。或いは、第1の検索部111は、検索条件の設定を受付けることなく、全ての検査項目の検査結果と類似する受診者を検索するようにしてもよい。
図5は、第1の実施形態に係る第1の検索部111及び第2の検索部112の処理動作の一例を説明するための図である。なお、図5では、説明の便宜上、検索条件として「項目名」「A」、「B」、「C」が選択された場合を説明する。また、図5では、説明の便宜上、「許容範囲」は設定されておらず一致する検索結果を取得するものとするが、「許容範囲」を設定し、類似する検査結果を取得するようにしてもよい。ここで、図5中に示す検査結果5aは、保健指導対象者が2012年に受診した特定健診の検査結果のうち、検索条件として選択された「A」、「B」、「C」各項目の数値を示す。また、図5中に示す検査結果5bは、受診者IDが01000である受診者が、2008年に受診した特定健診の検査結果のうち、検索条件として選択された「A」、「B」、「C」各項目の数値を示す。同様に、図5中の5cは、受診者IDが01000である受診者が、2009年に受診した特定健診の検査結果であり、図5中の5dは、受診者IDが01000である受診者が、2010年に受診した特定健診の検査結果である。また、図5中に示す検査結果5eは、受診者IDが02000である受診者が、2008年に受診した特定健診の検査結果のうち、検索条件として選択された「A」、「B」、「C」各項目の数値を示す。同様に、図5中の5fは、受診者IDが02000である受診者が、2009年に受診した特定健診の検査結果であり、図5中の5gは、受診者IDが02000である受診者が、2010年に受診した特定健診の検査結果である。なお、受診者IDが01000である受診者及び受診者IDが02000である受診者が、2011年以降に受診した特定健診の検査結果については、図5中では省略している。同様に、受診者IDが01000である受診者及び受診者IDが02000である受診者以外の受診者が受診した特定健診の検査結果についても、図5中では省略している。
第1の検索部111は、検査結果5aと一致する検査結果を履歴に含んだ受診者を管理施設DB20から検索する旨をDB管理装置30に要求する。図5に示す例では、検査結果5aは、受診者IDが01000である受診者が2009年に受診した特定健診の検査結果5cと一致する。このため、DB管理装置30の制御部34は、検査結果5aと一致する受診者として、受診者IDが01000である受診者を第1の検索部111に応答する。これにより第1の検索部111は、検索結果として、検査結果5cと、受診者ID「01000」とを取得する。
そして、第2の検索部112は、第1の検索部111によって検索された受診者に関する健診結果の履歴の中から対象者の健診結果と一致する健診結果以降の健診結果を検索する旨をDB管理装置30に要求する。図5に示す例では、DB管理装置30の制御部34は、受診者IDが01000と対応付けられた検査結果5b、5c及び5dのうち、検査結果5aと類似する検査結果5c及び検査結果5c以降の検査結果5dを取得し、取得した検査結果5c及び5dを第2の検索部112に応答する。これにより第2の検索部112は、検索結果として、検査結果5c及び5dを取得する。
続いて、出力制御部113は、第2の検索部112によって検索された健診結果の推移を示す情報を出力部102に出力する。図6は、第1の実施形態に係る出力制御部113の処理動作の一例を説明するための図(1)である。図6に示す例では、出力制御部113が検査結果の推移をテーブル形式として表示する設定を受付けた場合を示す。また、図6に示す例では、説明の便宜上、検査項目として、「腹囲」と、「体重」と、「収縮期血圧」と、「空腹時血糖値」と、「保健指導」とが選択された場合を示す。図6に示すように、出力制御部113は、「経過年」ごとに各検査項目の検査結果を対応付けたテーブル6aを生成する。ここで、第1の検索部111によって検索された受診者に関する健診結果の履歴のうち対象者の健診結果と類似する健診結果の受診日を経過年「0年」とする。そして、類似する健診結果以降に受診した健診結果の経過年数に応じて、経過年が設定される。
具体的には、図6に示すテーブル6aは、受診者IDが01000で識別される受診者の検査結果の推移を示すテーブルである。図6に示す例では、テーブル6aは、経過年が0年から2年にかけて受診者の腹囲と体重とが増加していたが、保健指導を実施後は、受診者の腹囲と体重とが減少したことを示す。なお、出力制御部113は、複数の受診者が抽出された場合には、受診者ごとにテーブルを生成し、出力部102に出力する。かかる場合、出力制御部113は、表示画面の切換えを受付けると、他の受診者の検査結果の推移を示すテーブルを出力部102に表示する。
図7は、第1の実施形態に係る出力制御部113の処理動作の一例を説明するための図(2)である。図7に示す例では、出力制御部113が検査結果の推移をグラフ形式として表示する設定を受付けた場合を示す。また、図7に示す例では、説明の便宜上、検査項目として、「腹囲」と、「体重」と、「収縮期血圧」と、「空腹時血糖値」とが選択された場合を示す。例えば、出力制御部113は、図7に示すように、表示領域を分割して、分割した領域に各検査項目の検査結果の推移を示すグラフ7aを生成する。例えば、出力制御部113は、対象者の健診結果と類似する健診結果の受診日を経過年「0年」とし、経過年ごとに検査結果を対応付けたグラフを検査項目ごとに生成する。
具体的には、図7に示すグラフ7aは、受診者IDが01000で識別される受診者について、左上側に腹囲の検査結果の推移を、右上側に体重の検査結果の推移を、右下側に空腹時血糖値の検査結果の推移を、左下側に収縮時血圧の検査結果の推移をそれぞれ示す。図7に示す例では、グラフ7aは、経過年が0年から2年にかけて受診者の腹囲と体重とが増加していたが、経過年が3年以後、受診者の腹囲と体重とが減少したことを示す。なお、出力制御部113は、表示領域を分割せず、1人の受診者に対して1つの検査項目ごとに検査結果の推移を示す情報を出力してもよい。また、出力制御部113は、複数の受診者が検索された場合は、検査項目ごとに平均値を算出し、平均値の推移を出力してもよい。
また、出力制御部113は、グラフ形式で検査結果の推移を表示する場合、複数人分の検査結果を、各々表示色を変えて重ねて表示するようにしてもよい。図8は、第1の実施形態に係る出力制御部113の処理動作の一例を説明するための図(3)である。図8に示す例では、出力制御部113が検査結果の推移をグラフ形式として表示する設定を受付けた場合を示す。また、図8に示す例では、説明の便宜上、検査項目として、「腹囲」と、「体重」と、「収縮期血圧」と、「空腹時血糖値」とが選択された場合を示す。例えば、出力制御部113は、図8に示すように、表示領域を分割して、分割した領域に各検査項目の検査結果の推移を示すグラフを複数の受診者ごとに生成する。
具体的には、図8に示すグラフ8aは、複数の受診者について、左上側に腹囲の検査結果の推移を、右上側に体重の検査結果の推移を、右下側に空腹時血糖値の検査結果の推移を、左下側に収縮時血圧の検査結果の推移をそれぞれ示す。図8に示す例では、グラフ8aは、経過年が3年以後、腹囲が減少した受診者8bと、腹囲がほぼ変化していない受診者8c及び8dがいることを示す。なお、出力制御部113は、受診者ごとに特定保健指導の実施の有無を示す情報を付加的に出力してもよい。かかる場合、出力制御部113は、例えば、特定保健指導が実施された年の検査値を丸印でプロットして出力する。
また、出力制御部113は、各領域を複数人の受診者各々に割当て、各領域で検査項目ごとに表示色を各々変えて、検査項目ごとの検査結果の推移を示すグラフを割当てられた領域内に重ねて表示してもよい。
次に、図9を用いて、検索装置100による処理手順を説明する。図9は、第1の実施形態に係る検索装置100による処理手順を示すフローチャートである。図9に示すように、第1の検索部111は、対象者の特定健診の検査結果を健診施設DB60から取得する(ステップS101)。そして、第1の検索部111は、検索条件の設定を受付ける(ステップS102)。例えば、第1の検索部111は、受診者の体格を示す「身長」、「体重」、「腹囲」や、メタボリックシンドロームの判定に用いられる「血圧」、「HDLコレステロール」、「中性脂肪」、「空腹時血糖」、「HbA1c」等を検索条件として受付ける。
第1の検索部111は、検索条件として設定された検査項目について、対象者と検査結果が類似する受診者を管理施設DB20から検索する(ステップS103)。そして、第1の検索部111は、検査結果が類似する受診者がいたか否かを判定する(ステップS104)。ここで、第1の検索部111は、検査結果が類似する受診者がいないと判定した場合(ステップS104、No)、検索条件の再設定を受付ける(ステップS105)。そして、第1の検索部111は、再設定された検索条件として設定された検査項目について、対象者と検査結果が類似する受診者を管理施設DB20から検索する。
第1の検索部111が、検索条件と類似する受診者がいたと判定した場合(ステップS104、Yes)、第2の検索部112は、類似する受診者の特定健診ごとの検査結果を取得する(ステップS106)。ここで、第2の検索部112は、検索された受診者の数を出力部102に出力してもよい。
そして、出力制御部113は、表示する検査項目(表示項目)の設定を受付け(ステップS107)、続いて、表示形態の設定を受付ける(ステップS108)。そして、出力制御部113は、受付けた検査項目について、受付けた表示形態で検査結果の推移を示す情報を生成し、出力部102に出力する(ステップS109)。
上述したように、第1の実施形態によれば、保健指導の対象者の健診結果と類似する健診結果を自身の履歴に含んだ受診者の健診結果の推移を出力するので、保健指導の対象者に対して健康リスクをより正確に伝えることができる。具体的には、出力される受診者の健診結果の推移は、対象者と同じ年齢、同じ体格(身長・体重・腹囲)、同じ健康状態の受診者の健診結果の推移である。すなわち、対象者の未来の健康リスクをより正確に予測するものである。
また、特定保健指導の対象者は、現在医師にかかっておらず、いずれの症状もないもしくは軽症であるため、6カ月間の食事栄養指導や運動指導等のプログラムを継続して実行できない場合が少なくない。第1の実施形態によれば、1つの検査項目の検査結果だけから未来の健康を予測するものではなく、検索条件として設定した複数の検査項目の検査結果が類似する受診者の検査結果から対象者の未来の健康を予測する。このため、対象者にとってはより現実感が強い検査結果の推移を提示可能であるので、対象者に特定保健指導のプログラムを遂行する強いモチベーションを生むことが期待できる。
なお、例えば、出力制御部113は、対象者の検査結果と類似する検査結果を自身の履歴に含んだ受診者が複数いた場合、複数の受診者を、特定健康指導の実施の有無に基づいて、特定健康指導を実施したグループと、特定健康指導を実施しなかったグループとにグループ化してもよい。図10は、第1の実施形態に係る出力制御部113の処理動作の一例を説明するための図(4)である。
図10に示す例では、出力制御部113が検査結果の推移をグラフ形式として表示する設定を受付けた場合であり、特定健康指導の実施の有無に基づいて複数の受診者をグループ化する設定を受付けた場合を示す。なお、説明の便宜上、図10には、検査項目として「体重」が選択された場合を示す。図10に示すように、出力制御部113は、例えば、表示領域10aの左側に特定健康指導を実施しなかった受診者の検査結果の平均値の推移を示すグラフを生成して出力する。また、図10に示す例では、出力制御部113は、表示領域10aの右側に特定健康指導を実施した受診者の検査結果の平均値の推移を示すグラフを生成して出力する。
図10に示すように、特定健康指導を実施しなかった受診者では、体重が年々増加しているが、特定健康指導を実施した受診者では、体重の増加が抑制され、減少している。このように、特定健康指導を実施したグループと、特定健康指導を実施しなかったグループとに分けて検査結果を出力することにより、特定健康指導の実施の有効性を対象者により明確に伝えることができる。
また、出力制御部113は、対象者の検査結果と類似する検査結果を自身の履歴に含んだ受診者が複数いた場合、複数の受診者について検査項目の検査結果の平均値の推移を示す情報を出力するものとして説明したが、これに限定されるものではない。例えば、出力制御部113は、複数の受診者について検査項目の検査結果の平均値の推移と、複数の受診者のうち少なくとも1人の検査項目の検査結果の推移とを対比させて出力してもよい。なお、このように1人の検査結果の推移と複数の受診者の検査結果の推移を対比させて出力することを「対比モード」と呼ぶ。図11は、第1の実施形態に係る出力制御部113の処理動作の一例を説明するための図(5)である。
図11に示す例では、出力制御部113が検査結果の推移をグラフ形式として表示する設定を受付けた場合であり、「対比モード」による出力を受付けた場合を示す。なお、説明の便宜上、図11には、検査項目として「体重」が選択された場合を示す。図11に示すように、出力制御部113は、例えば、表示領域11aの左側に受診者IDが「XXX」である受診者の検査結果の推移を示すグラフを生成して出力する。また、図11に示す例では、出力制御部113は、表示領域11aの右側に受診者の検査結果の平均値の推移を示すグラフを生成して出力する。
図11に示す例では、受診者IDが「XXX」である受診者の体重が年々増加しており、また、複数の受診者の体重の平均値も年々増加している。すなわち、受診者IDが「XXX」である受診者の体重と、複数の受診者の体重の平均値の推移とが類似している。かかる場合、1人の検査結果が平均値からかけ離れたものではないことを検証できるとともに、平均値の通り検査結果が推移する受診者がいたことを対象者に伝えることができる。一方、1人の検査結果の推移と、複数の受診者の検査結果の平均値の推移とが類似していない場合、この1人の検査結果が偶然的に平均から外れたものであると予測できる。このように、1人の検査結果の推移と複数の受診者の検査結果の平均値の推移とを対比させて出力することにより、検査結果を検証することやより明確に検査結果の推移を対象者に伝えることが可能となる。
また、このように1人の検査結果の推移と複数の受診者の検査結果の平均値の推移とを対比することは、検索条件として設定した検査項目が同一であり、許容範囲が異なる場合の検索結果にも適用可能である。かかる場合、例えば、第1の検索部111は、許容範囲を設定せずに1回目の検索を行い、次いで、許容範囲を設定して2回目の検索を行う。そして、第2の検索部112は、1回目の検索及び2回目の検索各々で検査結果を取得する。出力制御部113は、1回目の検索において得られた1人の検索結果の推移についてグラフを生成し、2回目の検索において得られた複数人の受診者の検索結果の平均値の推移についてグラフを生成する。
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、ある対象者が受診した特定健診の検査結果と類似する受診者を検索する場合について説明した。これに対して、例えば、対象者の特定健診の検査結果が複数年分ある場合には、対象者の検査結果の推移と類似する受診者を検索してもよい。そこで、第2の実施形態では、検索装置100が、対象者の複数年分の特定健診の検査結果と類似する検査結果を自身の履歴に含んだ受診者を検索する場合について説明する。
第2の実施形態に係る健診システム1のシステム構成例は、図1に示した第1の実施形態に係る健診システム1のシステム構成例と同様であるので、詳細な説明については省略する。また、第2の実施形態に係る検索装置100の構成は、第1の検索部111の処理動作が異なる点を除いて、図1に示した第1の実施形態に係る検索装置100の構成と同様である。かかる構成において、第2の実施形態に係る第1の検索部111は、所定期間における健診結果の推移が対象者と類似する受診者を検索する。
例えば、第2の実施形態に係る第1の検索部111は、第1の実施形態に係る第1の検索部111と同様に、保健師等の利用者から、対象者の受診者IDと、受診日とを受付けた場合、受診者IDと受診日とに対応付けられるデータIDを健診履歴テーブル61から取得する。ここで、利用者から受付けた受診日を「基準日」とする。続いて、第1の検索部111は、対象者の基準日のデータIDと、検索条件として設定を受付けた検査項目とを含んだ検索要求をDB管理装置30に送信する。この結果、第1の検索部111は、保健指導の対象者の基準日の健診結果と類似する受診者IDとデータIDとを取得する。
ここで、第2の実施形態に係る第1の検索部111は、基準日から一つ遡った受診日に対応付けられるデータIDを健診履歴テーブル61から取得する。ここでは、説明の便宜上、基準日から一つ遡った受診日が1年前であり「前年」とする。続いて、第1の検索部111は、対象者の前年のデータIDと、検索条件として設定を受付けた検査項目とを含んだ検索要求をDB管理装置30に送信する。なお、この検索条件は、基準日のデータIDを取得したときと同一の検索条件である。
ここで、第1の検索部111は、基準日の健診結果と類似する受診者IDと同一で、かつ、基準日の健診結果と類似するデータIDの受診日より1年前の健診結果で、対象者の前年の健診結果と類似する受診者IDとデータIDとを取得する。なお、基準日からの期間には、所定の期間の差を許容するようにしてもよく、また、基準日からの期間は適宜変更可能である。
第1の検索部111は、所定の回数或いは利用者から受付けた回数分、基準日から遡って受診した健診結果のいずれもが類似する受診者IDを抽出する。同様に、第1の検索部111は、所定の回数或いは利用者から受付けた回数分遡った場合に、対象者の健診結果と類似するデータIDを取得する。第1の検索部111は、抽出した受診者IDと、所定の回数或いは利用者から受付けた回数分遡った場合に取得したデータIDとを第2の検索部112に通知する。
なお、第1の検索部111は、所定の回数或いは利用者から受付けた回数分、基準日から遡る前に、対象者の健診結果と類似する受診者が検索できない場合は、検索条件の再設定を受付けてから基準日の健診結果と類似する受診者を検索してもよい。或いは、第1の検索部111は、対象者の健診結果と類似する受診者が検索できなくなった時点で遡る処理を終了してもよい。かかる場合、第1の検索部111は、遡ることが可能であった時点でのデータIDと受診者IDとを第2の検索部112に通知する。
第2の検索部112は、第1の検索部111からデータIDと受診者IDとを通知された場合、受診者IDに対応付けられる健診結果であって、受診者IDとデータIDとに対応付けられる受診日以降の健診結果を検索する旨をDB管理装置30に要求する。この結果、第2の検索部112は、所定の回数或いは利用者から受付けた回数分、基準日から遡った場合に取得したデータIDと受診者IDとに対応付けられる受診日以降の健診結果を取得する。そして、出力制御部113は、第2の検索部112によって検索された健診結果の推移を示す情報を出力部102に出力する。
図12は、第2の実施形態に係る第1の検索部111の処理動作の一例を説明するための図である。なお、図12では、説明の便宜上、「項目名」として「A」、「B」、「C」が選択された場合を説明する。また、図12では、説明の便宜上、「許容範囲」は設定されておらず一致する検索結果を取得するものとするが、「許容範囲」を設定し、類似する検査結果を取得するようにしてもよい。ここで、図12中に示す検査結果12aは、保健指導対象者が2011年に受診した特定健診の検査結果のうち、検索条件として選択された「A」、「B」、「C」各項目の数値を示す。同様に、図12中に示す検査結果12bは、保健指導対象者が2012年に受診した特定健診の検査結果のうち、検索条件として選択された「A」、「B」、「C」各項目の数値を示す。また、図12中に示す検査結果12cは、受診者IDが01000である受診者が、2008年に受診した特定健診の検査結果のうち、検索条件として選択された「A」、「B」、「C」各項目の数値を示す。同様に、図12中の12dは、受診者IDが01000である受診者が、2009年に受診した特定健診の検査結果であり、図12中の12eは、受診者IDが01000である受診者が、2010年に受診した特定健診の検査結果である。また、図12中に示す検査結果12fは、受診者IDが02000である受診者が、2008年に受診した特定健診の検査結果のうち、検索条件として選択された「A」、「B」、「C」各項目の数値を示す。同様に、図12中の12gは、受診者IDが02000である受診者が、2009年に受診した特定健診の検査結果であり、図12中の12hは、受診者IDが02000である受診者が、2010年に受診した特定健診の検査結果である。また、図12中に示す検査結果12iは、受診者IDが03000である受診者が、2008年に受診した特定健診の検査結果のうち、検索条件として選択された「A」、「B」、「C」各項目の数値を示す。同様に、図12中の12jは、受診者IDが03000である受診者が、2009年に受診した特定健診の検査結果であり、図12中の12kは、受診者IDが03000である受診者が、2010年に受診した特定健診の検査結果である。
第2の実施形態に係る第1の検索部111は、管理施設DB20から、検査結果12bと一致する検査結果を検索する。なお、ここでは、2012年を基準日とする。また、基準日から1回遡ることとする。図12に示す例では、検査結果12bは、受診者IDが01000である受診者が2009年に受診した特定健診の検査結果12d及び受診者IDが03000である受診者が2010年に受診した特定健診の検査結果12kと一致する。このため、第1の検索部111は、DB管理装置30の制御部34から、受診者ID「01000」と、検査結果12dに対するデータIDとを取得する。また、第1の検索部111は、DB管理装置30の制御部34から、受診者ID「03000」と、検査結果12kに対するデータIDとを取得する。
続いて、第1の検索部111は、基準日から一つ遡った受診日に対応付けられるデータIDを健診履歴テーブル61から取得する。図12に示す例では、第1の検索部111は、基準日より略1年前の検査結果12aを取得する。そして、第1の検索部111は、受診者ID「01000」の検査結果12dより略1年前の検査結果12cを取得するとともに、受診者ID「03000」の検査結果12kより1年前の検査結果12jを取得する。そして、第1の検索部111は、検査結果12c及び検査結果12jが検査結果12aと一致しているか否かを判定する。ここで、第1の検索部111は、検査結果12aと検査結果12cとが一致していると判定し、受診者ID「01000」と、1回遡った場合に一致する検索結果12cに対応するデータIDとを取得する。第1の検索部111は、受診者ID「01000」と、検査結果12cに対応するデータIDとを第2の検索部112に通知する。
そして、第2の検索部112は、第1の検索部111によって検索された受診者に関する健診結果の履歴の中から対象者の健診結果と一致する健診結果以降の健診結果を検索する。図12に示す例では、第2の検索部112は、類似する検査結果以降の検査結果12c、12d及び12eを取得する。
続いて、出力制御部113は、第2の検索部112によって検索された健診結果の推移を示す情報を出力部102に出力する。例えば、出力制御部113は、表示する検査項目の設定を利用者から受付ける。また、出力制御部113は、表示形態の設定を受付け、検査結果の推移をテーブル形式で或いはグラフ形式で生成する。
上述したように、第2の実施形態によれば、対象者の検査結果と類似する受診者の抽出を行う際に、1回分の健診結果だけでなく、複数年の健診結果を用いて、対象者の検査結果と類似する受診者を抽出する。そして、抽出した受診者の検査結果の推移を示す情報を生成することにより、対象者にとってより現実味の高い検査結果の推移を示すことが可能となる。これにより、保健指導の対象者に対して健康リスクをより正確に伝えることができる。
また、第2の実施形態によれば、対象者のデータが複数年分ある場合には、対象者の過去の健診結果と類似する受診者を検索することで、対象者の現在の健診結果が全体分布の中でどのような位置にあるかを判定することも可能である。
(その他の実施形態)
上述した実施形態においては、全国各地に所在する健診施設50において実施された特定健診の検査結果を記憶する管理施設DB20から、対象者の検査結果と類似する検査結果を自身の履歴に含んだ受診者を検索する場合について説明した。ところで、健診施設50が大規模な健診施設である場合、健診施設DB60には、例えば、年間に1万人分の特定健診の検査結果が蓄積される場合がある。このため、検索装置100は、健診施設DB60を検索することで、対象者の検査結果と類似する検査結果を履歴に含んだ受診者を抽出するようにしてもよい。かかる場合、検索装置100は、許容範囲を設定した検索条件で健診施設DB60を検索する。
また、健診施設DB60は、健診施設50内に設けられるものとして説明したが、これに限定されるものではない。例えば、健診施設DB60は、地域の基幹病院と周辺の診療所等とで形成する二次医療圏で共有されるデータベースであってもよい。かかる場合にも、検索装置100は、許容範囲を設定した検索条件で健診施設DB60を検索することで、対象者の検査結果と類似する検査結果を履歴に含んだ受診者を抽出することが可能である。
また、健診施設DB60は、健診施設50で実施された特定保健指導の指導内容やプログラム等を更に記憶するようにしてもよい。かかる場合、特定保健指導におけるプログラムごとで検査結果の推移を対比することができる。これにより、プログラムの効果を検証することが可能となり、対象者により効果的な特定保健指導を実施することができる。なお、健診施設DB60は、管理施設DB20のフォーマットと同じデータ構造に加えて、健診施設50で実施された検査項目における検査結果を更に記憶するようにしてもよい。これにより、対象者の検査結果と類似する受診者をより正確に抽出することが可能となる。
また、上述した実施形態においては、特定健診において、メタボリックシンドロームに該当する受診者やメタボリックシンドロームになることが予想される受診者を対象者として実施される特定保健指導を例に説明したが、これに限定されるものではない。例えば、「体重」、「身長」、「腹囲」の検査結果からはメタボリックシンドロームに該当しない或いはメタボリックシンドロームになることが予想されないと判定された受診者、あるいは既に医師による治療中もしくは服薬中のために特定保健指導の実施対象外とされた受診者を対象者として、個別の健康リスクに対する保健指導を実施する場合にも適用可能である。かかる場合、検索装置100によって、対象者の検査結果と類似する検査結果を履歴に含んだ受診者を抽出し、検査結果の推移を示す情報を対象者に閲覧させることで、血圧、脂質、血糖、喫煙等のリスクに応じた保健指導を実施することが可能となる。
なお、図示した各構成部は、機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示のごとく構成されていることを要しない。例えば、検索装置100が有する機能を、例えば、検索装置と検索結果表示装置とに分散させてもよい。かかる場合、検索装置は、サーバ装置であり、第1の検索部111と、第2の検索部112とを有する。また、検索結果表示装置は、ノート型PC(Personal Computer)やタブレット端末であり、出力制御部113を有する。
また、上述した実施形態においては、検索装置100が、健診施設50内に設けられる場合を説明したが、検索装置100が健診施設50とは別の場所に設置されていてもよい。かかる場合、健診施設50に設けられたPC等の情報処理装置が、利用者から検索条件の設定を受付けた場合、検索装置100に検索処理を依頼する。そして、検索装置100は、検索条件に基づいて、検索処理を実行し、検索結果を情報処理装置に送信する。そして、健診施設50に設けられた情報処理装置は、検索装置100から取得した検索結果を利用者から指定された表示形態で、例えばモニタ等に表示する。
また、上述の実施形態で説明した、検索装置100による処理は、記憶部104に予め記憶された『制御プログラム』をコンピュータが実行することによって実現することができる。この『制御プログラム』は、インターネットなどのネットワークを介して配布することができる。また、この『制御プログラム』は、ハードディスク、フレキシブルディスク(FD)、CD(Compact Disk)−ROM(Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical Disk)、DVD(Digital Versatile Disc)などのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行することもできる。
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、保健指導の対象者に対して健康リスクをより正確に伝えることができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。