提供者は、生活習慣の指導及び指示を含む介入プランを個人に実施することによって、個人に健康支援を実施する。しかし、介入プランを実施する指導者数の制限及び費用の制限などにより、健康支援を必要とする全ての対象者に介入プランを実施できない場合がある。この場合、提供者は、より効果の見込める対象者に優先的に介入プランを実施することが望ましい。
一方、介入プランの効果は、介入プランの実施後しばらく時間が経過すると徐々に弱まる場合がある。そのため、健康支援の対象者を適切に選択するためには、介入プラン実施前後の健康状態の比較に基づく短期的な効果だけでなく、長期的な効果を考慮する必要がある。具体的には、健康支援の効果の長期的な推移を予測し、最も健康支援の効果が持続すると期待できる対象者を、健康支援を実施する対象者として選択することが望ましい。
実施例1では、健康に関する情報と過去の健康支援に関する情報とに基づいて、健康支援の効果の持続期間を予測し、予測した持続期間に基づいて、健康支援の対象者を選択する分析システムの例を説明する。なお、本実施例における健康支援は、介入プランを実施することにより行われるが、以下においては、単に健康支援を実施するものとして記載する。
図1は、実施例1の分析システムの構成を示すブロック図である。
実施例1の分析システムは、データ分析部1301及びデータベース1350を有する。データ分析部1301は、入力部1302、出力部1303、演算装置1304、メモリ1305及び記憶媒体1306を有する計算機である。
入力部1302は、マウス及びキーボードなどのヒューマンインターフェースであり、データ分析部1301への入力を受け付ける。
出力部1303は、分析システムによる演算結果を出力するディスプレイ又はプリンタである。
記憶媒体1306は、データ分析部1301によるデータ分析処理を実現するためのプログラム、及び、データ分析処理の実行結果等を格納する記憶装置である。記憶媒体1306は、例えば、不揮発性記憶媒体(磁気ディスクドライブ、又は、不揮発性メモリ等)である。
メモリ1305は、不揮発性の記憶素子であるROM及び揮発性の記憶素子であるRAMを含む。ROMは、不変のプログラム(例えば、BIOS)などを格納する。RAMは、DRAM(Dynamic Random Access Memory)のような高速かつ揮発性の記憶素子であり、記憶媒体1306に格納されるプログラム及びプログラムの実行時に使用されるデータを一時的に格納する。
演算装置1304は、記憶媒体1306が有するプログラムをメモリ1305にロードし、実行することによってデータ分析部1301の機能を実現する。演算装置1304、例えば、CPU又はGPUなどである。以下に説明する処理及び演算は、演算装置1304が実行する。
記憶媒体1306は、健康推移情報生成部1307、健康推移予測部1308、持続期間予測部1309、支援対象者選択部1310、健康指標絞込部1311、及び、長期支援計画策定部1312の機能を実行するためのプログラムを有する。
健康推移情報生成部1307は、健康情報の時系列の推移と支援の実施の履歴とに基づいて、健康推移情報を生成する。健康推移予測部1308は、健康推移情報に基づいて、健康支援を実施した場合と実施しない場合との健康情報の推移を予測する。
持続期間予測部1309は、健康支援の効果の持続期間を予測する。支援対象者選択部1310は、健康支援を実施する対象者を選択する。
健康指標絞込部1311は、実施例1に記載された処理において処理を実行せず、実施例3に示す処理を実行する。長期支援計画策定部1312は、実施例1に記載された処理において処理を実行せず、実施例2に示す処理を実行する。このため、実施1の記憶媒体1306は、健康指標絞込部1311及び長期支援計画策定部1312を有しなくてもよい。
本実施例において、データ分析部1301の機能はプログラムによって実装されるが、データ分析部1301は、各プログラムの処理を実行する物理的な集積装置を有し、それらの集積装置によって機能を実装してもよい。また、図1に示す一つの機能は、複数のプログラム又は複数の集積装置によって実行されてもよく、複数の機能は、一つのプログラム又は一つの集積装置によって実行されてもよい。
実施例1の分析システムは、一つの計算機上で、又は、論理的又は物理的に構成された複数の計算機上で構成される計算機システムであり、同一の計算機上で別個のスレッドで動作してもよく、複数の物理的計算機資源上に構築された仮想計算機上で動作してもよい。
記憶媒体1306に格納されるプログラムは、リムーバブルメディア(CD−ROM、フラッシュメモリなど)又はネットワークを介してデータ分析部1301に提供される。このため、本実施例のデータ分析部1301は、リムーバブルメディアを読み込むインターフェースを備えてもよい。
データベース1350は、健康情報記憶部1351、健康推移情報記憶部1352、予測情報記憶部1353、健康支援情報記憶部1354、持続期間記憶部1355、健康状態定義記憶部1356、計算指標記憶部1357、及び、健康推移予測モデル記憶部1358を含む。
計算指標記憶部1357は、実施例3において用いられる。健康推移予測モデル記憶部1358は、実施例4において用いられる。以下、実施例1で扱う健康に関する情報(健康情報)と過去の健康支援に関する情報(後述する健康支援情報501)とについて説明する。
健康情報記憶部1351は、入力部1302に入力された健康情報を記憶する。健康支援情報記憶部1354は、入力部1302に入力された過去の健康支援に関する情報を記憶する。
データ分析部1301のプログラムは、健康情報記憶部1351及び健康支援情報記憶部1354に格納される内容を、リムーバブルメディア又はネットワークを介して他のシステム等から取得し、データベース1350に移動、及び、格納してもよい。
図2は、実施例1のデータ分析部1301による処理の概要を示すフローチャートである。
まず、健康推移情報生成部1307は、健康情報記憶部1351及び健康支援情報記憶部1354に格納されるデータに基づいて、健康推移情報を生成する(2201)。なお、健康推移情報は、あらかじめ健康推移情報記憶部1352に格納されていてもよく、データ分析部1301はステップ2201を実行しなくてもよい。
ステップ2201の後、健康推移予測部1308は、健康支援を実施する候補の対象者が仮に健康支援を実施した場合の健康情報の推移を、健康推移情報記憶部1352の健康推移情報と、候補の対象者の健康情報とに基づいて予測する(2202)。
ステップ2202の後、持続期間予測部1309は、候補の対象者の予測された健康情報の推移に基づいて、健康支援の効果の持続期間を予測する(2203)。ステップ2203の後、支援対象者選択部1310は、予測した持続期間に基づいて、候補の対象者から健康支援を実施する対象者を選択する(2204)。
図3は、実施例1の健康情報記憶部1351の診断情報301及び生活習慣情報401の例を示す説明図である。
健康情報記憶部1351は、健康情報を格納する。健康情報は、個人の健康の度合いを示す指標、及び、個人の健康に影響を与える要因を示す生活情報等の個人の健康に関する情報が含まれる。また、健康情報は、健康診断、検査、及び、問診等によって、個人からあらかじめ取得された情報である。
本実施例の健康情報は、診断情報301、及び、生活習慣情報401などを含む。健康情報は、入力部1302を介して健康情報記憶部1351に格納される。
本実施例における健康情報記憶部1351は、個人が健康支援を実施した場合、個人が健康支援を開始するタイミング(健康支援を開始する直前又は直後を含む)と、個人が健康支援を実施した後の複数のタイミングとの少なくとも三つのタイミングにおいて、当該個人から取得された健康情報を含む。また、健康情報記憶部1351は、個人が健康支援を開始していない場合、少なくとも三つの異なるタイミングにおいて、当該個人から取得された健康情報を含む。
これは、データ分析部1301が、後述の処理において健康情報の推移を、複数のタイミングにおいて取得された健康情報に基づいて予測するためである。
診断情報301は、個人の健康の度合いを示す指標を含み、個人と健康診断等の結果との対応関係を保持する情報である。診断情報301は、個人ID302、取得年度303、年齢304、及び、医療機関等で取得された各種検査値の項目(BMI305及び空腹時血糖306)などを含む。本実施例において、個人の健康の度合いを示す指標は、特に、年齢304、及び、検査値の項目である。
個人ID302は、個人を一意に識別するための識別子である。取得年度303は、個人ID302が示す個人が実施した健康診断及び検査等の結果を取得した年度を示す。
年齢304は、個人ID302が示す個人の、健康診断等の結果を取得した時の年齢である。BMI305及び空腹時血糖306は、個人ID302が示す個人が実施した健康診断等で得られたBMI及び空腹時血糖を示す。
なお、診断情報301は、図3に示す以外にいかなる結果を含んでもよい。例えば、診断情報301は、健康診断等において一般に広く実施される検査の検査値、及び、運動テストにより取得される運動能力に関する指標などの値を含んでもよい。
生活習慣情報401は、個人の健康に影響する生活情報を含み、個人と個人毎の生活習慣に関する情報との対応関係を保持する。生活習慣に関する情報とは、個人が質問に回答することによって得られた結果であり、例えば、問診結果である。
生活習慣情報401は、個人ID402、回答年度407、回答日403、及び、回答内容(例えば、タバコ404、飲酒405、及び、歩行406)を含む。なお、生活習慣情報401は、回答内容として、図3に示す回答内容以外に、生活習慣、既往歴、治療歴、アレルギー等の体質、及び、自覚症状などを含んでもよい。また、生活習慣情報401は、住んでいる土地が寒冷地か、温暖地かなど、個人の健康に影響する生活環境の情報を含んでもよい。
個人ID402は、生活習慣に関する質問に回答した個人を識別する識別子であり、診断情報301の個人ID302と同じ識別子によって個人を特定する。回答年度407は、個人ID402が示す個人が、生活習慣に関する質問に回答した時の年度を示す。回答日403は、生活習慣に関する質問に回答した年月日である。
タバコ404、飲酒405及び歩行406は、回答により得られた回答内容である。タバコ404は、個人に喫煙習慣がある場合、1日の平均喫煙本数を示し、個人が喫煙しない場合、「なし」を示す。飲酒405は、個人に飲酒習慣がある場合、1日の平均飲酒量(単位=ml)を示し、個人に飲酒習慣がない場合、「なし」を示す。歩行406は、個人による1日の平均歩行時間(単位=分)を示す。
なお、個人の回答から、歩数、飲酒量及び喫煙本数などの詳しい情報が得られない場合がある。このような場合、生活習慣情報401は、具体的な飲酒量ではなく、予め質問表で区分けされた頻度のうち、該当するものを回答した結果を含んでもよい。
例えば、回答内容が、喫煙又は飲酒の有無のみを示す場合がある。また、回答内容が、飲酒の頻度による複数の分類(例えば、(A)飲酒無し、(B)週に1〜2回、(C)週に3回以上)を回答した結果である場合がある。この場合、生活習慣情報401の回答内容は、定量的な意味を持たない番号等の識別子を示す。
また、個人が、質問の中の特定の項目に回答しない場合、回答内容のデータが欠落することがある。例えば、図3に示す生活習慣情報401において、個人ID402が「0003」である個人の生活習慣情報は、2004年度に回答した問診結果のうち歩行406に対するデータが欠落している。この場合、回答内容の項目は、例えば、null値等、回答なしを示す所定の識別子を格納してもよい。
生活習慣情報401の回答内容は、個人の健康に影響を与える事柄の影響の度合い、及び、影響の有無を示す指標である。
次に、健康支援情報記憶部1354が格納する健康支援情報501を説明する。
図4は、実施例1の健康支援情報501の例を示す説明図である。
健康支援情報(介入情報)501は、健康支援を実施した個人を示す。健康支援情報501は、個人ID502、健康支援503、年度507、開始日504、及び、支援状況506などを含む。
個人ID502は、過去に健康支援を実施した個人を識別する識別子であり、診断情報301の個人ID302と同じ識別子によって個人を特定する。健康支援503は、実施した健康支援の名称を示す。また、健康支援503は、健康支援の名称ではなく、健康支援を一意に特定できるIDなどの記号又は番号を示してもよい。
年度507は、健康支援が開始した年度を示す。開始日504は、健康支援を開始した年月日を示す。なお、本実施例において、健康支援は、年度毎に実施される。一人の個人に一つの健康支援が複数年度にわたって実施される場合、健康支援情報501は、同じ個人ID502であり、同じ健康支援503であるエントリを、複数年度分含む。
支援状況506は、健康支援の実施状況を示す。支援状況506は、支援が正常に終了した場合は「終了」を示し、事情により途中で中断した場合は「中断」を示す。なお、支援が継続中である場合、支援状況506は、「継続」を示してもよい。
次に、健康推移情報生成部1307の処理について説明する。健康推移情報生成部1307は、診断情報301及び生活習慣情報401などの健康情報と、過去の健康支援に関する情報である健康支援情報501とに基づいて、健康情報の時系列の推移と支援の実施の履歴とを時系列に纏めた情報(後述する健康推移情報701)を生成する。
図5は、実施例1の健康推移情報生成部1307による処理を示すフローチャートである。
健康推移情報生成部1307は、入力部1302に入力された指示に従い、健康情報記憶部1351に記憶された診断情報301及び生活習慣情報401から情報を取得し、メモリ1305又は記憶媒体1306に記憶する(101)。ここで入力された指示は、例えば、個人を特定するための個人IDであってもよく、また、診断情報301及び生活習慣情報401のエントリを特定するための年度(取得年度303及び回答年度407に対応)の範囲であってもよい。
ステップ101の後、健康推移情報生成部1307は、入力部1302に入力される指示に従って、健康支援情報記憶部1354に記憶された健康支援情報501を取得し、メモリ1305又は記憶媒体1306に記憶する(102)。ここで入力される指示は、ステップ101において入力された指示と同じである。
ステップ102の後、健康推移情報生成部1307は、ステップ101において取得した健康情報と、ステップ102において取得した健康支援情報501とに基づいて、個人毎の健康情報の時系列的な推移を示す健康推移情報701を生成する(103)。
図6は、実施例1の健康推移情報701の例を示す説明図である。
図6に示す健康推移情報701は、健康推移情報記憶部1352に格納される情報である。健康推移情報701は、個人毎かつ所定の期間毎に、健康情報及び健康支援情報501が集計及び統合され、表形式に整形された結果である。
ここで、所定の期間とは、ステップ101において入力された期間の範囲より短く、かつ、取得年度303、回答年度407及び年度507の単位よりも長い。以下において、所定の期間は1年度であるとして説明するが、2年、又は、3年などの期間であってもよい。
健康推移情報701は、個人ID702、年度703、診断結果(BMI704、空腹時血糖705)、健康支援706、及び、健康支援後経過年数707を含む。個人ID702は、個人を識別する識別子であり、診断情報301の個人ID302と同じ識別子によって個人を特定する。
年度703は、所定の期間を示し、診断情報301、生活習慣情報401及び健康支援情報501をソートするために用いる、取得年度303、回答年度407及び年度507の値である。
健康推移情報生成部1307は、ステップ103において、個人ID702及び年度703が個人ID302及び取得年度303と同じ診断情報301のエントリと、個人ID702及び年度703が個人ID402及び回答年度407と同じ生活習慣情報401のエントリと、個人ID702及び年度703が個人ID502及び年度507と同じ健康支援情報501のエントリとをマージすることによって、健康推移情報701の一つのエントリを生成する。
なお、所定の期間が2年である場合、年度703は「2000年度から2001年度まで」等を示してもよい。
診断結果(BMI704、空腹時血糖705)は、個人ID302が示す個人から年度703において取得されたBMI305の値と空腹時血糖306の値とを格納する。健康推移情報701における診断結果は、診断情報301を個人ID302毎かつ所定の期間(年度)毎に集計した値を格納する。
本実施例では年度703と取得年度303とが同じ期間の単位(年度)であるため、健康推移情報生成部1307は、ステップ103において、BMI305及び空腹時血糖306の値と同じ値を、BMI704及び空腹時血糖705に格納する。
しかし、図6における所定の期間が取得年度303又は回答年度407の単位よりも長い場合、すなわち、年度703が示す期間が取得年度303又は回答年度407の単位よりも長い場合、健康推移情報生成部1307は、ステップ103において、所定の期間に含まれる診断結果(BMI305の値と空腹時血糖306)の平均値、中央値、最頻値及び偏差など統計的に算出した値の少なくとも一つを、BMI704の値と空腹時血糖705に格納してもよい。
また、信頼区間幅は、95%信頼区間幅以外の信頼区間幅でもよい。例えば所定の期間が2年間である場合、健康推移情報生成部1307は、2年度分の診断情報301のエントリから、BMI305の平均値と空腹時血糖306の平均値とを算出し、BMI704と空腹時血糖705に格納してもよい。
健康推移情報生成部1307は、さらに、健康推移情報701に、生活習慣情報401などの情報をマージしてもよい。
健康支援706は、個人ID302が示す個人が年度703において実施した健康支援に関する情報を示す。健康推移情報生成部1307は、ステップ103において、健康支援情報501の健康支援503の値を、個人ID302毎かつ所定の期間毎にまとめた情報を格納する。
例えば、健康推移情報生成部1307は、ステップ103において、個人ID702と同じ個人ID502を含むエントリであり、年度507が所定の期間に含まれる健康支援情報501のエントリを、健康支援情報記憶部1354において特定した場合、特定したエントリの健康支援503に含まれる健康支援の名称を健康支援706に格納する。エントリが特定できない場合、健康推移情報生成部1307は、健康支援706に、「なし」を示す値を格納する。
健康推移情報生成部1307は、ステップ103において、健康支援706には健康支援の名称の他に健康支援毎に一意に割り当てられた番号などのID情報を格納してよい。また、健康推移情報生成部1307は、健康支援情報501の支援状況506の情報に従って階層化した情報を、健康支援706に格納してもよい。
例えば、健康推移情報生成部1307は、健康支援503が「介入A」を示し、かつ、支援状況506が「終了」を示す場合、「介入A(終了)」を健康支援706に格納し、健康支援503が「介入A」を示し、支援状況506が「中断」を示す場合、「介入A(中断)」を健康支援706に格納してもよい。これによって、健康支援706は、支援の実施状況を示すことができる。
健康支援後経過年数707は、健康支援を実施した年度から、年度703が示す年度まで経過した年数を示す。健康推移情報生成部1307は、ステップ103において、同じ個人ID702のエントリの健康支援706及び年度703に基づいて健康支援後経過年数707の値を算出する。
例えば図6に示す健康推移情報701は、個人ID702が「0003」であるエントリ708及び709を含む。エントリ708は、個人ID「0003」の個人が、2000年度に介入Bの健康支援を実施したことを示す。また、エントリ709は、個人ID「0003」の個人が、2001年度において健康支援を開始していないことを示す。
このため、健康推移情報生成部1307は、ステップ103において、エントリ708の健康支援後経過年数707に「0」を格納する。また、エントリ709の健康支援後経過年数707に、エントリ708の年度703とエントリ709の年度703との差である「1」を格納する。
年度703が示す期間の前の健康推移情報701のエントリに、同じ個人IDが健康支援を実施したことを示すエントリがない場合、又は、ステップ102において取得された健康支援情報501に、健康支援を実施したことを示すエントリが含まれない場合、健康推移情報生成部1307は、ステップ103において、健康支援後経過年数707に、例えば、「−」又はnull値等を格納する。
健康推移情報生成部1307は、以上の方法により生成した健康推移情報を、健康推移情報記憶部1352に格納する。
ステップ103の後、健康推移情報生成部1307は、健康支援を開始したタイミングの健康情報と、健康支援を開始した後の健康情報の時系列推移とを示す情報(以下、支援後推移情報1401)を、健康推移情報701に基づいて生成し(104)、さらに、健康支援を実施しなかった場合の健康情報の時系列推移に関する情報(支援なし推移情報1501)を、健康推移情報701に基づいて生成する。
ステップ104において、健康推移情報生成部1307は、ステップ103において生成した健康推移情報701から、各健康支援を実施した個人に関する情報を抽出し、支援後推移情報1401を生成する。
具体的には、健康推移情報生成部1307は、抽出する対象の健康支援(以下において、介入A)が健康支援706に含まれる健康推移情報701のエントリを抽出する。抽出したエントリは介入Aを開始した年度の健康情報を含むエントリであり、健康支援を開始してから後の健康情報を示す。
次に、健康推移情報生成部1307は、抽出したエントリに含まれる個人ID702と同一の個人ID702を含む健康推移情報701のエントリのうち、健康支援後経過年数707が1以上のエントリを二つ以上抽出する。ここで抽出したエントリは、介入Aを実施した翌年度以降の健康情報の推移を含むエントリであり、健康支援を実施した後の健康情報の時系列推移を示す。
以下において、これらの抽出したエントリから、支援後推移情報1401を生成する方法を、図7を用いて説明する。
図7は、実施例1の支援後推移情報1401の例を示す説明図である。
以下において、前述の例のとおり、「介入A」に関する支援後推移情報1401を生成する処理を示す。
支援後推移情報(介入あり健康推移)1401は、健康支援を実施した個人の健康情報を時系列で示す。支援後推移情報1401は、健康支援1402、健康支援後経過年数1403、個人ID1404、年度1405、BMI1406、空腹時血糖1407、及び、情報保有年数1408を含む。
健康支援1402、健康支援後経過年数1403、個人ID1404、年度1405、BMI1406、及び、空腹時血糖1407は、健康推移情報701(図6)の健康支援706、健康支援後経過年数707、個人ID702、年度703、BMI704、及び、空腹時血糖705から抽出された情報である。
健康推移情報生成部1307は、前述の方法により健康推移情報701から抽出した、介入Aを実施した年度の健康情報を含むエントリと、介入Aを実施した翌年度以降の健康情報の推移を含むエントリとを、健康支援706、健康支援後経過年数707の、及び、個人ID702の順にソートし、支援後推移情報1401を生成する。
情報保有年数1408は、個人ID1404が同じである支援後推移情報1401のエントリの数を示す。例えば、図7に示す支援後推移情報1401は、個人ID1404が「0001」である個人について、2000年度に介入Aの健康支援を実施したことを示すエントリを含み、また、2000年度、2001年度、及び、2002年度と計3年分のエントリを含む。このため、健康推移情報生成部1307は、ステップ104において、個人ID1404が「0001」であるすべての情報保有年数1408に、「3」を格納する。
また、図7に示す支援後推移情報1401は、個人ID1404が「0005」である個人について、2000年度に介入Aの健康支援を実施したことを示すエントリと、2000年度及び2001年度と計2年分のエントリを含む。このため、健康推移情報生成部1307は、ステップ104において、個人ID1404が「0005」であるすべての情報保有年数1408に「2」を格納する。
なお、健康推移情報生成部1307は、情報保有年数1408の値を、健康推移情報701に含まれる健康支援後経過年数707の個人ID702毎の最大値より算出できる。
健康推移情報生成部1307は、生成した支援後推移情報1401を、健康推移情報記憶部1352に格納する。
ステップ105において、健康推移情報生成部1307は、健康支援を実施していない場合の健康推移情報701から健康状態の時系列推移を示す支援なし推移情報1501を生成する。以下、図8を用いて、説明する。
図8は、実施例1の支援なし推移情報1501の例を示す説明図である。
支援なし推移情報(介入なし健康推移)1501は、健康支援を実施していない個人の健康情報を時系列で示す。支援なし推移情報1501は、健康支援1502、経過年数1503、個人ID1504、年度1505、BMI1506、空腹時血糖1507、及び、情報保有年数1508を含む。
健康支援1502、経過年数1503、個人ID1504、年度1505、BMI1506、及び、空腹時血糖1507は、健康推移情報701(図6)の健康支援706、個人ID702、年度703、BMI704、及び、空腹時血糖705から抽出された情報である。
経過年数1503は、所定の基準年度から各エントリまでの経過年数を示す。
まず、健康推移情報生成部1307は、ステップ105において、健康支援を開始していない情報を健康推移情報701から抽出する。具体的には、健康推移情報生成部1307は、健康推移情報701の健康支援後経過年数707が「−」である少なくとも三つのエントリを、健康支援を開始していない情報として抽出する。ここで、健康推移情報生成部1307は、個人ID702が同じエントリであり、かつ、健康支援後経過年数707が「−」であるエントリを少なくとも三つ抽出してもよい。
そして、健康推移情報生成部1307は、抽出したすべてのエントリに、健康支援1502として「なし」を割り当てる。次に、健康推移情報生成部1307は、抽出したエントリについて、個人ID702毎に経過年数1503を算出する。
支援後推移情報1401を生成する際、所定の基準年度は、健康支援を開始した年度703に定められる。なお、本実施例の所定の基準年度は、健康支援の効果が発生していないタイミングであればいずれのタイミングでもよく、健康支援を開始する直前又は直後のタイミングであってもよい。
一方、支援なし推移情報1501を生成する際、各エントリの個人ID702が示す個人は健康支援を開始していないため、健康推移情報生成部1307は、所定の基準年度として全てのエントリの年度703を定めることができる。
例えば、健康推移情報生成部1307は、年度703が2000年度、2001年度、及び、2002年度の3年間の一人の個人の健康推移情報701を、健康支援を開始していない情報として抽出した場合、まず、2000年度を所定の基準年度に定める。そして、健康推移情報生成部1307は、2000年度のエントリの経過年数1503として、0年を算出し、2001年度のエントリの経過年数1503として、1年を算出し、2002年度のエントリの経過年数1503として、2年を算出する。
さらに、健康推移情報生成部1307は、2001年度を所定の基準年度に定める。そして、健康推移情報生成部1307は、2001年度のエントリの経過年数1503として、0年を算出する。また、健康推移情報生成部1307は、2002年度のエントリの経過年数1503として、1年を算出する。
さらに、健康推移情報生成部1307は、2002年度を所定の基準年度に定める。そして、健康推移情報生成部1307は、2002年度のエントリの経過年数1503として、0年を算出する。
この処理によって、健康推移情報生成部1307は、年度1505が2000年度を示し、経過年数1503が0である支援なし推移情報1501のエントリを一つ生成する。そして、健康推移情報生成部1307は、年度1505が2001年度を示す支援なし推移情報1501の二つのエントリを生成し、生成した二つのエントリの経過年数1503に各々「0」と「1」とを格納する。
また、健康推移情報生成部1307は、年度1505が2002年度を示す支援なし推移情報1501の三つのエントリを生成し、生成した三つのエントリの経過年数1503に各々「0」と「1」と「2」とを格納する。
そして、健康推移情報生成部1307は、生成したエントリの情報保有年数1508を算出する。情報保有年数1508は、個人IDごとのエントリの中で、エントリ毎の所定の基準年度から最新の年度1505のエントリまでの年数を示す。
例えば、健康推移情報生成部1307は、図8に示す支援なし推移情報1501において、個人ID1504が「0002」であり、年度1505が2000年度であり、経過年数1503が「0」であるエントリ(エントリ1509)は、所定の基準年度のエントリが、同じく2000年度のエントリである。さらに、図8に示す支援なし推移情報1501は、2000年度を含め、2001年度、及び、2002年度の3年分のエントリを含む。このため、健康推移情報生成部1307は、エントリ1509の情報保有年数1508として、「3」を算出する。
また、個人ID1504が「0002」であり、年度1505が2001年度であり、経過年数1503が「0」であるエントリ(エントリ1510)は、所定の基準年度のエントリが、2001年度のエントリである。さらに、図8に示す支援なし推移情報1501は、2001年度を含め、2002年度の2年分のエントリを含む。このため、健康推移情報生成部1307は、エントリ1510の情報保有年数1508として、「2」を算出する。
また、個人ID1504が「0002」であり、年度1505が2001年度であり、経過年数1503が「1」であるエントリ(エントリ1511)は、所定の基準年度のエントリが、2000年度のエントリである。さらに、図8に示す支援なし推移情報1501は、2000年度、2001年度、及び、2002年度の3年分のエントリを含む。このため、健康推移情報生成部1307は、エントリ1511の情報保有年数1508として、「3」を算出する。
情報保有年数1508は、支援なし推移情報1501から、所定の長さの期間の推移情報を抽出するために用いられる。例えば、5年間の健康推移が必要である場合、後述の処理部は、情報保有年数1508が「5」であるエントリを抽出するのみで、5年間の健康推移を抽出できる。健康推移情報生成部1307は、生成した支援なし推移情報1501を、健康推移情報記憶部1352に格納する。
ステップ105の後、健康推移情報生成部1307は、図5に示す処理を終了する。
次に、健康推移予測部1308の処理について説明する。健康推移予測部1308は、健康推移情報記憶部1352に格納された支援後推移情報1401及び支援なし推移情報1501を用いて、健康支援を実施した場合の健康推移及び健康支援を実施しなかった場合の健康推移をそれぞれ予測する。
図9は、実施例1の健康推移予測部1308による処理を示すフローチャートである。以下、各ステップの処理について説明する。
健康推移予測部1308は、入力部1302で入力された指示に基づき、健康支援を実施するべき対象者の候補(候補者)の健康情報を、健康情報記憶部1351の診断情報301及び生活習慣情報401から取得し、取得した候補者の健康情報をメモリ1305又は記憶媒体1306に記憶する(201)。
なお、データ分析部1301は、本実施例の候補者から少なくとも1回健康情報を取得している。本実施例の候補者は、過去に健康支援を実施した個人であってもよい。候補者から取得された健康情報は、個人IDが割り当てられた後、健康情報記憶部1351の診断情報301及び生活習慣情報401に格納される。データ分析部1301は、以後の処理によって、候補者の健康情報の推移を予測する。
また、ここで入力される指示は、健康推移を予測する候補者の健康情報を特定できればいかなる指示でもよく、健康推移を予測する候補者(個人ID302又は個人ID402)を特定するための個人IDを含んでもよいし、個人IDの範囲を含んでもよい。また、候補者の健康情報が取得された年度(取得年度303又は回答年度407)を含んでもよい。
ステップ201の後、健康推移予測部1308は、健康推移情報記憶部1352に格納された支援後推移情報1401及び支援なし推移情報1501を取得し、メモリ1305又は記憶媒体1306に格納する(202)。
ステップ202の後、健康推移予測部1308は、入力部1302で入力された指示に従って、健康推移を予測する健康支援を一つ選択する(203)。ここで入力される指示は、選択する健康支援を示す指示であればいかなる指示でもよく、健康支援を示す名称又は識別子を含んでもよい。
ステップ203の後、健康推移予測部1308は、ステップ201において取得した候補者の健康情報に基づき、支援後推移情報1401及び支援なし推移情報1501の各々から、候補者の健康情報の推移を予測するために用いる健康情報の推移を絞り込む(204)。
健康支援の効果は一般に、健康支援を実施する個人の健康情報(診断情報及び生活習慣情報)によって変化すると考えられる。例えば、健康支援として運動習慣の改善を実施する場合、個人による過去の運動習慣に従って、効果が変化すると考えられる。
そこでステップ204において、健康推移予測部1308は、支援後推移情報1401及び支援なし推移情報1501から、候補者の健康情報と類似した特長を有する健康情報のみを絞り込む。
より具体的には、健康推移予測部1308は、健康支援を開始した時の健康情報(介入あり健康情報)、及び、所定の基準年度の健康情報(介入なし健康情報)に基づき、支援後推移情報1401及び支援なし推移情報1501から抽出する情報の個人IDを絞り込む。
このため、健康推移予測部1308は、健康支援後経過年数1403が「0」であるエントリであり、かつ、候補者の健康情報と類似する健康情報を含むエントリを、健康支援を開始した時の健康情報を含むエントリとして特定することにより、支援後推移情報1401から抽出する健康情報の推移の個人IDを絞り込む。
また、健康推移予測部1308は、経過年数1503が「0」であるエントリであり、かつ、候補者の健康情報と類似する健康情報を含むエントリを、所定の基準年度の健康情報として特定することにより、支援なし推移情報1501から抽出する健康情報の推移の個人IDを絞り込む。以下、絞り込み方法の例を説明する。
一つ目の絞り込みの処理の例を説明する。
まず、健康推移予測部1308は、支援後推移情報1401の健康支援後経過年数1403が「0」であるエントリと、支援なし推移情報1501の経過年数1503が「0」であるエントリとを特定する。
健康推移予測部1308は、特定したエントリに含まれる健康情報である診断情報301及び生活習慣情報401に相当する情報と、候補者の健康情報(診断情報301及び生活習慣情報401)との類似度を算出する。そして、健康推移予測部1308は、算出した類似度と所定の閾値とを比較し、比較の結果、類似度が所定の基準より類似していることを示すと判定したエントリの個人ID(個人ID1404、及び、個人ID1504)を、抽出するエントリの個人IDとして絞り込む。
健康推移予測部1308は、類似度を算出するため、例えば、診断情報301及び生活習慣情報401の各項目が一つの次元に対応する空間を生成する。そして、健康推移予測部1308は、支援後推移情報1401及び支援なし推移情報1501において特定したエントリの各項目の値を、生成した空間にマッピングした点と、候補者の健康情報の各指標の値を、生成した空間にマッピングした点との間のユークリッド距離、マハラノビス距離、内積、又は、データに応じて定義されたカーネル関数の値などを算出する。健康推移予測部1308は、これらの算出された値を、類似度を示す指標として用いる。
このとき、健康推移予測部1308は、ステップ203において選択した健康支援に従って絞込みに使用する項目(すなわち、類似度を算出する指標)を決定してもよい。例えば、健康推移予測部1308は、選択した健康支援の効果が、候補者の現在の体重と運動習慣とに従って差が生じることをあらかじめ設定されている場合、体重と運動習慣との二つの指標に関して類似度を算出し、健康情報を絞り込んでよい。
二つ目の絞り込みの処理の例を説明する。
健康推移予測部1308は、あらかじめ定義された健康状態定義情報601に基づいて類似度を求め、候補者が属する健康状態と同じ、又は、最も近い健康状態の個人の健康情報を、支援後推移情報1401及び支援なし推移情報1501の各々から絞り込む。健康状態の定義としては、例えば、診断情報301及び生活習慣情報401を、その値により階層化した定義を用いることができる。
図10は、実施例1の健康状態定義情報601を示す説明図である。
健康状態定義情報601は、データベース1350の健康状態定義記憶部1356に格納されてもよい。健康状態定義情報601は、健康状態602、健康状態を定義する指標(BMI603、空腹時血糖604、及び、血圧605等)を含む。
健康状態を定義する指標は、診断情報301及び生活習慣情報401に含まれる指標と同じである。このため、健康状態を定義する指標には、タバコ404等に相当する指標が含まれてもよい。
健康状態602は、健康状態を定義する指標の値によって定められた健康状態である。一般に、検査結果には基準閾値が定められており、検査結果が基準閾値を超えている場合、疾病罹患のリスクが高くなると考えられている。
そこで、例えば、本実施例の運用者等は、ある項目の検査結果が所定の基準を超える場合、値が大きくなる健康状態の決定方法をあらかじめ定義しておくことで、個人の健康状態を統一的な指標で表現することが可能である。
BMI603、空腹時血糖604、及び、血圧605は、健康状態602が示す健康状態にあるときの個人のBMI、空腹時血糖及び血圧の値又は範囲を示す。このため、健康推移予測部1308は、個人のBMI305、空腹時血糖306、及び、血圧に、BMI603、空腹時血糖604、及び、血圧605が該当するエントリを特定し、特定したエントリの健康状態602を、個人の健康状態に決定する。
例えば、図10に示す健康状態定義情報601が定義されている場合、候補者のBMIが24.9以下であり、空腹時血糖が125以下であり、血圧が139以下である場合、健康推移予測部1308は、候補者の健康状態として1を決定する。
なお、健康状態定義情報601は、健康状態の決定方法として、例えば、個人の健康状態を定義する指標である診断情報301及び生活習慣情報401の指標に関し、事前に定められた閾値を超える指標、又は、事前に定められた値である指標の数を合計し、その合計値を、健康状態を示す値として用いてもよい。
健康状態定義情報601を用いたステップ204における処理について説明する。まず、健康推移予測部1308は、候補者の診断情報301及び生活習慣情報401を用いて、候補者の健康状態を決定する。
健康推移予測部1308は、次に、支援後推移情報1401の健康支援後経過年数1403が「0」であるエントリと、支援なし推移情報1501の経過年数1503が「0」であるエントリとを特定する。そして、健康推移予測部1308は、特定したエントリごとに健康状態を決定する。
そして、健康推移予測部1308は、支援後推移情報1401及び支援なし推移情報1501のエントリごとの健康状態と候補者の健康状態との差を類似度として求める。そして、健康推移予測部1308は、求めた類似度が同じ、又は、最も近いことを示すエントリの個人ID(個人ID1404、及び、個人ID1504)を、絞り込む推移情報の個人IDとして、支援後推移情報1401及び支援なし推移情報1501において特定する。また、類似度が所定の範囲のエントリの個人IDを特定してもよい。
健康状態定義情報601を用いることにより、健康情報が示す意味(健康状態)に従って個人IDを絞り込むため、より候補者の状態に実質的に類似する個人の推移情報(支援後推移情報1401及び支援なし推移情報1501)を特定し、予測に用いることができる。
ここで、健康推移予測部1308は、ステップ203において選択した健康支援に従った健康状態定義を用いてもよい。例えば、健康推移予測部1308は、選択した健康支援の効果が、候補者の空腹時血糖に大きく依存することをあらかじめ設定されており、候補者の空腹時血糖をより細かな階層で評価したい場合、空腹時血糖に関し細かく階層化した健康状態定義情報601を用いて、個人IDを絞り込んでよい。
前述のいずれかの絞り込みの方法を用いることによって、抽出するエントリの個人IDを絞りこんだ後、健康推移予測部1308は、支援後推移情報1401及び支援なし推移情報1501から絞り込んだ個人IDを含むエントリを抽出することによって、予測に用いる健康情報を絞り込むことができる。
以上が、ステップ204の処理である。
なお、ステップ204において、健康推移予測部1308は、支援後推移情報1401の情報保有年数1408が3年以上の個人ID、及び、支援なし推移情報1501の情報保有年数1508が3年以上の個人IDのみから、情報を絞り込んでもよい。これは、健康推移予測部1308が、後述する健康推移を予測する処理において、三つ以上のタイミングにおける健康情報を予測するためである。
ステップ204の後、健康推移予測部1308は、ステップ204において絞り込んだ情報に基づいて、健康支援実施後の健康推移及び健康支援を実施しない場合の健康推移をそれぞれ予測する(205)。健康推移予測部1308は、予測に用いる情報に含まれる支援後推移情報と支援なし推移情報との各々を健康推移年数又は推移年数ごとに統計的に集約した結果(支援効果予測推移801)を、予測値として算出する。
以下の図11及び図12を用いて、ステップ205の処理を説明する。
図11は、実施例1の支援効果予測推移801の例を示す説明図である。
支援効果予測推移(介入あり予測推移)801は、ステップ204において支援後推移情報1401から絞り込まれた情報に基づいて予測された値を含む。また、支援効果予測推移801は、候補者が仮に健康支援を実施した後の複数のタイミングにおける候補者の健康情報の予測値の推移を示す。支援効果予測推移801は、個人ID802、健康支援803、健康支援後経過年数804、及び、健康情報(BMI805、空腹時血糖806)を含む。
支援効果予測推移801のエントリは、健康支援を実施してから経過した年数に従って得られる健康情報の統計値を示す。
個人ID802は、健康情報の推移を予測する候補者を識別する個人IDである。健康推移予測部1308は、ステップ205において候補者の個人IDを個人ID802に格納する。
健康支援803は、健康支援を示す名称又は識別子等の情報であり、支援後推移情報1401の健康支援1402に格納された情報を格納する。
健康推移予測部1308は、ステップ205において、支援後推移情報1401から絞り込まれたエントリの健康情報の統計値を、健康支援ごとかつ健康支援後経過年数ごとかつ健康情報の指標ごとに算出する。そして、健康推移予測部1308は、算出した統計値を、健康支援803に健康支援の情報が格納されたエントリに格納する。
健康支援後経過年数804は、支援効果予測推移801のエントリが示す統計値を算出するために用いられた健康情報が取得されたタイミングを、健康支援を実施した年度から経過した年数を用いて示す。
健康情報(BMI805、空腹時血糖806)は、支援後推移情報1401を健康支援後経過年数毎のエントリ(階層)にまとめて、階層ごとかつ健康情報の指標ごとに算出した統計値を示す。図11に示す健康情報は、BMIの平均値及び95%信頼区間幅と、空腹時血糖の平均値及び95%信頼区間幅との統計値を示す。
ステップ205において、健康推移予測部1308は、絞り込んだ支援後推移情報1401のエントリを、健康支援(健康支援1402)ごと、かつ、健康支援後経過年数(健康支援後経過年数1403)ごとに分割し、分割したエントリ群の各指標毎に統計値を算出する。そして、健康推移予測部1308は、算出した統計値を、支援効果予測推移801の健康情報に、候補者の健康情報の推移の予測値として格納する。
例えば、図11に示す支援効果予測推移801は、個人ID802が「1001」である候補者に健康支援「介入A」を実施した場合、健康支援実施後1年が経過した時、候補者のBMIの予測値は27であり、その予測値の95%信頼区間幅は「1」であることを示す。
前述の健康推移予測部1308は、支援効果予測推移801の健康情報に格納される統計値として平均値及び95%信頼区間幅を算出したが、中央値、偏差、及び最頻値、並びに、95%以外の信頼区間幅などの統計値を算出してもよい。健康推移予測部1308は、支援効果予測推移801の健康情報に統計値を格納することによって、より正確な予測値を表現できる。
健康推移予測部1308は、予測値を含む支援効果予測推移801を、予測情報記憶部1353に格納する。
図12は、実施例1の予測した支援なし予測推移1601の例を示す説明図である。
支援なし予測推移(介入なし予測推移)1601は、ステップ204において支援なし推移情報1501から絞り込まれた情報に基づいて生成される。支援なし予測推移1601は、個人ID1602、経過年数1603、健康情報(BMI1604、空腹時血糖1605)、を含む。
個人ID1602は、健康推移を予測する候補者を識別する識別子(個人ID)である。健康推移予測部1308は、候補者の個人IDを、個人ID1602に格納する。
経過年数1603は、支援なし予測推移1601のエントリが示す統計情報を算出するために用いられた健康情報等が取得された時期を、所定の基準年度から経過した年数を用いて示す。
健康情報(BMI1604、空腹時血糖1605)は、絞り込まれた情報に含まれる支援なし推移情報を、経過年数毎にまとめ、階層毎に算出したBMI及び空腹時血糖の平均値と信頼区間との統計値を示す。
健康推移予測部1308は、支援なし推移情報1501から絞り込まれたエントリの統計値を、経過年数ごとに算出し、健康支援803に「なし」が格納されたエントリに、算出した統計値を予測値として格納する。健康推移予測部1308は、支援なし推移情報1501の健康情報に統計値を格納することによって、より正確な予測値を表現できる。
例えば、図12に示す支援なし予測推移1601は、個人ID802が「1001」である候補者に健康支援を実施しなかった場合、基準の年度から1年経過した時、候補者のBMIの予測値は28であり、その95%信頼区間幅は2であることを示す。健康推移予測部1308は、健康情報に格納される統計値として平均値及び信頼区間幅を算出したが、中央値及び最頻値などの統計値を算出してもよい。
健康推移予測部1308は、ステップ205において、生成した支援効果予測推移801及び支援なし予測推移1601を、予測情報記憶部1353に格納する。
次に、持続期間予測部1309の処理について説明する。持続期間予測部1309は、予測情報記憶部1353に記憶された支援効果予測推移801及び支援なし予測推移1601を用いて、これから実施する健康支援の効果の持続期間を算出する。
図13は、実施例1の持続期間予測部1309による処理を示すフローチャートである。以下、各ステップの処理について説明する。
持続期間予測部1309は、まず、入力部1302で入力される指示に従い、健康支援の効果の持続期間を予測する候補者の支援効果予測推移801及び支援なし予測推移1601を、予測情報記憶部1353から取得し、メモリ1305又は記憶媒体1306に格納する(1701)。ここで入力される指示は、候補者を示す個人IDであってもよいし、個人IDの範囲であってもよい。
ステップ1701において、持続期間予測部1309は、入力部1302で入力される指示に基づき、健康支援の効果の持続期間を算出するための健康情報の指標を決定する(1702)。ここで入力される指示は、支援効果予測推移801及び支援なし予測推移1601に含まれる診断情報及び生活習慣情報の指標を示し、BMI、空腹時血糖又はタバコなどを示す。
ステップ1702の後、持続期間予測部1309は、ステップ1701において取得した支援効果予測推移801、又は、支援効果予測推移801及び支援なし予測推移1601を用いて、健康支援の効果の持続期間を予測する(1703)。
図14は、実施例1の効果持続期間の予測方法を示す説明図である。
図14は、取得した支援効果予測推移801及び支援なし予測推移1601を二次元のグラフとしてプロットした図である。ここでは、ステップ1702において、BMIが持続期間を予測するための指標として決定された場合を例に示す。
図14に示す軸901は健康支援後経過年数804及び経過年数1603を示す軸であり、値が大きいほど、健康支援後(又は、所定の基準年度後)から年数が経過したことを示す。軸902は、ステップ1702において決定した指標の、各年数における統計値を示す軸である。
点903は、候補者の現在のBMIの値であり、健康支援を実施する前のBMIの値である。持続期間予測部1309は、ステップ201において取得した候補者の健康情報のBMIの値を点903としてプロットする。
点I(1)、点I(2)及び点I(3)は、健康支援を実施した場合の健康情報の予測値を示し、また、健康支援後経過年数(健康支援後経過年数804)がそれぞれ1年、2年、3年であるときのBMIについて予測された統計値を示す。点903、点I(1)、点I(2)、及び、点I(3)を接続する実線904は、健康支援を実施した場合のBMIの推移を線形補間により表した線である。
点N(1)、点N(2)及び点N(3)は、健康支援を実施しなかった場合の健康情報の予測値を示し、経過年数(経過年数1603)がそれぞれ1年、2年、3年であるときのBMIについて予測された統計値を示す。点903、点N(1)、点N(2)、及び、点N(3)をつなぐ一点鎖線905は、健康支援を実施しなかった場合のBMIの推移を線形補間により表した線である。
幅906は、予測値の信頼区間幅を示す。以下、健康支援の効果の持続期間の算出方法について説明する。
持続期間予測部1309は、ステップ1703において、健康支援を実施する前のBMI(点903)と比較して、点903の値と同じ、又は、点903のBMIより悪化した(大きい値になった)BMIの年度までの期間を、健康支援の効果の持続期間として算出する。図14において、点I(3)が示すBMIは、点903のBMIと同じ値である。このため、持続期間予測部1309は、線分907の期間の範囲である3年間を、持続期間として算出する。これにより、持続期間予測部1309は、持続期間を予測できる。
なお、持続期間予測部1309は、支援効果予測推移801の予測値と支援なし予測推移1601の予測値との差が所定の範囲内に含まれるまでの期間を持続期間として算出してもよい。健康支援を実施しない場合の予測値を用いて持続期間を算出することにより、個人の健康状態の変化にあわせて持続期間を正確に予測することができる。
ステップ1703において、持続期間予測部1309は、算出した持続期間を、候補者の個人ID毎、健康支援毎にまとめ、持続期間情報1001として、持続期間記憶部1355に格納する。その後、持続期間予測部1309は、図13に示す処理を終了する。
なお、前述においてBMIなどの診断情報を用いて持続期間を算出したが、持続期間予測部1309は、飲酒等の生活習慣情報を用いて持続期間を算出してもよい。具体的には、持続期間予測部1309は、健康支援を開始した後の1日平均飲酒量が、健康支援を開始した時点の1日平均飲酒量を下回っている間を持続期間として算出してもよい。
図15は、実施例1の持続期間情報1001の例を示す説明図である。
持続期間情報1001は、個人ID1002、健康支援1003、持続期間予測1004、及び、算出指標1005を含む。
個人ID1002は、候補者を示す識別子であり、支援効果予測推移801の個人ID802及び支援なし予測推移1601の個人ID1602と同じ識別子である。
健康支援1003は、効果を予測した健康支援を識別する識別子であり、支援効果予測推移801の健康支援803(図11)と同じ名称又は識別子を用いる。
持続期間予測1004は、算出した効果持続期間を示す。
算出指標1005は、持続期間予測1004の値を算出するために用いた健康情報の指標を示し、図13に示すステップ1703において決定した指標を示す。
次に、支援対象者選択部1310の処理について説明する。支援対象者選択部1310は、持続期間予測部1309によって生成され、持続期間記憶部1355に格納された持続期間情報1001に基づき、健康支援ごとに、当該健康支援を実施するべき対象者を候補者の中から選択する。
図16は、実施例1の支援対象者選択部1310による処理を示すフローチャートである。以下、各ステップの処理について説明する。
支援対象者選択部1310は、入力部1302で入力される指示に従い、健康推移情報を、健康推移情報記憶部1352から読み出し、メモリ1305または記憶媒体1306に記憶する(1101)。
ステップ1101において入力される指示は、健康推移情報記憶部1352から読み出す健康推移情報(支援後推移情報1401及び支援なし推移情報1501)を特定できれば、いかなる指示でもよい。
ステップ1101の後、支援対象者選択部1310は、入力部1302で入力される指示に従い特定した候補者の予測推移を、予測情報記憶部1353から読み出す。具体的には、特定した候補者を個人ID802が示す支援効果予測推移801、及び、特定した個人ID1602が示す支援なし予測推移1601を、予測情報記憶部1353から読み出し、メモリ1305又は記憶媒体1306に格納する(1102)。
ステップ1102において入力される指示は、候補者を特定すればいかなる指示でもよく、健康推移情報701に含まれる年度703、診断情報(BMI704、空腹時血糖705)、生活習慣情報、健康支援に関する情報などの条件によって候補者を指示してもよい。そして、支援対象者選択部1310は、ステップ1102において、その条件を満たす個人ID802のエントリを、候補者のエントリとして予測情報記憶部1353から読み出してもよい。
また、支援対象者選択部1310は、ステップ1102において、健康推移情報701が示す個人ごとに、前述のステップ204において用いた方法と健康状態定義情報601とを用いて健康状態を決定してもよい。そして、支援対象者選択部1310は、ステップ1102において、所定の基準よりも健康状態が悪い個人を、候補者として特定し、特定した候補者のエントリを予測情報記憶部1353から読み出してもよい。
また、例えば、支援対象者選択部1310は、過去の健康支援の実施の有無、過去に実施した健康支援、又は、健康支援を開始しからの経過年数等の条件を受け付けることによって、健康支援情報501に基づいて候補者を特定してもよい。
ステップ1102の後、支援対象者選択部1310は、特定した候補者を個人ID1002が示す持続期間情報1001を、持続期間記憶部1355から読み出し、メモリ1305又は記憶媒体1306に格納する(1103)。
ステップ1103の後、支援対象者選択部1310は、対象者を決定する健康支援と、健康支援を実施する対象者として選択する条件を決定する(1104)。具体的には、支援対象者選択部1310は、入力部1302から入力される条件に従って決定する。入力される所定の条件は、例えば、対象者を決定する健康支援と、健康支援ごとに選択する対象者の人数と、などである。
ステップ1104の後、支援対象者選択部1310は、ステップ1103において読み出した持続期間情報1001の持続期間予測1004に基づき、ステップ1104において決定した健康支援について、候補者の中から対象者を選択する(1105)。
ステップ1105における選択方法の第1の例を説明する。第1の例は、持続期間予測1004と所定の時間の基準とに基づいて、対象者を選択する方法である。
支援対象者選択部1310は、ステップ1105において、読み出した持続期間情報1001に含まれるすべての持続期間予測1004の値を比較する。そして、支援対象者選択部1310は、まだ対象者として決定されていない候補者のうち、最も大きい持続期間予測1004の候補者、すなわち、健康支援の効果が最も長く持続すると期待できる候補者を、健康支援を実施する対象者として選択する。
また、支援対象者選択部1310は、所定の持続期間の下限値より低い持続期間予測1004の候補者を除外することによって、対象者として選択しなくてもよい。
さらに、ステップ1105における選択方法の第2の例を説明する。第2の例は、持続期間予測1004と他の情報とが所定の基準に該当する候補者を、対象者として選択する方法である。
支援対象者選択部1310は、ステップ1105の第2の例において、読み出した持続期間情報1101に含まれる持続期間予測1004の値と、ステップ1102において読み出した支援効果予測推移801及び支援なし予測推移1601との情報を用いて、候補者から対象者を選択してもよい。
例えば、支援対象者選択部1310は、読み出した支援効果予測推移801の健康支援後経過年数804が「1」であるエントリの健康情報と、支援なし予測推移1601の経過年数1603が「1」であるエントリの健康情報との差を、個人IDごとに算出する。これによって、支援対象者選択部1310は、健康支援実施直後の効果の大きさを算出できる。
そして、支援対象者選択部1310は、算出した差が所定の基準(差の平均値、又は、中間値等)よりも大きく、かつ、持続期間予測1004が最も大きい候補者を、対象者として選択する。これによって、支援対象者選択部1310は、算出した差と、持続期間予測1004との2つの値を用いて候補者を選択することによって、最も効果が持続し、かつ、効果の大きな対象者を選択することができる。
支援対象者選択部1310は、ステップ1105において、持続期間予測1004に基づき対象者となる候補者を選択することによって、候補者の各々を、健康支援を実施するべき対象者として選択するかを決定できる。
ステップ1105の後、支援対象者選択部1310は、ステップ1104において決定した条件に基づき対象者を追加で選択する必要があるかを判定する(1106)。例えば、ステップ1104において対象者の人数の上限値が決定された場合、支援対象者選択部1310は、ステップ1106において、選択した対象者の人数が上限値に達したかを判定し、上限値に達していない場合、対象者を追加で選択するため、ステップ1105に戻る。
選択した対象者の人数が上限値に達した場合、支援対象者選択部1310は、追加で対象者を選択せず、選択した対象者に関する情報(個人ID等)を出力部1303に出力する(1107)。
ここで、支援対象者選択部1310は、ステップ1101において読み出した健康推移情報、及び、ステップ1102において読み出した予測推移に基づく情報を、後述の画面1800のように出力してもよい。ステップ1107の後、支援対象者選択部1310は、図16に示す処理を終了する。
図17は、実施例1のユーザインターフェイスの画面1800の例を示す説明図である。
図17に示す画面例は、出力部1303に表示される画面1800の例である。図17は、図13に示す効果の持続期間の予測結果(持続期間情報1001)に基づき、健康支援の対象者を選択するための画面1800を示す。画面1800は、領域1801〜領域1805、領域1811、及び、領域1821を含む。
領域1801は、選択する対象者の人数を入力する数値入力ボックスである。領域1801は、図16に示すステップ1104において用いられる条件を入力するための領域である。
領域1802は、対象者を選択するための健康支援内容を選択する入力ボックスである。領域1802は、図16に示すステップ1104において用いられる条件を入力するための領域である。
領域1803は、候補者に関するデータをデータベース1350から読み出すことを指示するボタンである。領域1803が操作された場合、図16に示すステップ1101〜1103が実行される。
領域1804は、健康支援の効果の持続期間を算出するための指標を入力するための入力ボックスである。領域1804は、図13に示すステップ1702において用いられる指標を入力するための領域である。
領域1805は、対象者を選択する処理を開始するための入力ボックスである。領域1805が操作された場合、図16に示すステップ1104以降の処理が実行される。
領域1811は、選択した対象者に関する情報を表示する領域である。領域1811は、領域1812〜1816を含む。
領域1812は、対象者を選択する際に用いた指標毎の人数分布を表すヒストグラムである。支援対象者選択部1310は、領域1812に表示される指標として、例えば、BMI又は空腹時血糖などの健康情報を指定することによって、それら健康情報の値ごとの人数分布を表示する。図17に示す領域1812は、各分布において、対象者として選択される人数の割合を、白塗りのヒストグラムと黒塗りのヒストグラムとにより表示する。
領域1813は、領域1812において人数分布を表示するための指標を指定する入力ボックスである。図17に示す領域1813は、BMIが指定されていることを示す。
領域1814は、領域1813において指定された指標毎に表示され、持続期間を算出するために用いられた指標の、健康支援の開始から次の年度までの平均改善量を表示する領域である。支援対象者選択部1310は、領域1814に表示される平均改善量を、対象者の支援効果予測推移801と支援なし予測推移1601との各指標における差に基づいて算出する。
領域1815は、領域1813において指定された指標毎に表示され、効果持続期間(待機時間)を示す領域である。支援対象者選択部1310は、対象者の持続期間情報1001の持続期間予測1004に基づいて、領域1815に表示する効果持続期間を算出する。
領域1816は、選択された対象者の情報を示すデータテーブルであり、予測される平均改善量及び持続期間の範囲などを示す。
領域1817は、選択された対象者の情報を示すテーブルであり、選択した対象者の個人ID、年齢、及び、持続期間などを表示する。
領域1818は、選択された対象者の中から個人の詳細情報を確認するために、領域1817において、運用者等が現在選択している個人を示す表示である。運用者等は、入力部1302を介して領域1817における対象者を任意に選択する。
領域1821は、領域1817において選択された対象者の個人の詳細情報を示す。領域1821は、健康支援実施後の効果推移予測の詳細を表示する。領域1818によって指定される対象者の個人の情報、効果推移予測及び健康推移予測の情報を表示する。領域1821は、領域1822〜領域1825を含む。
領域1822は、領域1817において現在選択される対象者の詳細情報を表示する画面であり、年齢(年齢304)、及び、効果持続期間(持続期間予測1004)の他、診断情報301又は生活習慣情報401に含まれる情報などを表示する。
領域1823は、効果の持続期間の算出(ステップ1703)に用いられた効果持続期間の算出指標の時系列推移を示す二次元グラフであり、図14に示す画面例に対応する。領域1823は、支援ありと支援なしとのそれぞれの時系列推移を表示する。
領域1824は、持続期間の算出指標以外の指標に関する時系列の推移を、領域1825に表示する指標を指定するための入力ボックスである。領域1825は、領域1824において指定された指標の推移を示す二次元グラフであり、支援ありと支援なしとのそれぞれの時系列推移を表示する。
運用者等は、図17に示す画面1800を参照することにより、対象者に健康支援を実施した際に期待できる結果を把握したり、対象者の年齢等の対象者を示す情報を把握したりすることができる。
以下、実施例1の変形例について説明する。
前述の実施例1において、健康状態定義記憶部1356に格納される健康状態定義情報601の例として、個人と候補者との診断情報301及び生活習慣情報401の値に基づいて、階層的に候補者の健康状態を定義する例を示した。しかし、健康状態定義情報601の定義方法はこれに限定されない。
例えば、健康状態定義情報601は、診断情報301及び生活習慣情報401に含まれる指標を説明変数とする式で定義されてもよい。具体的には、健康状態定義情報601は、「X=K1×BMI+K2×空腹時血糖値+K3(K1、K2、K3は事前に定められた実数)」として算出される指標Xを健康状態とする式を定義してもよい。この場合、健康状態定義情報601は、図10に示すような表形式ではなく、少なくとも一つ以上の式の集まりによって表されてもよい。
さらに、健康状態定義情報601は、診断情報301又は生活習慣情報401に含まれる一つの指標の値を直接用いるものであってもよい。例えば、健康状態定義情報601は、BMIの値又は空腹時血糖値の値をそのまま健康状態の定義として保持してもよい。
また、前述の実施例1では、持続期間予測部1309による図13に示す効果持続期間の算出処理において、BMIを持続期間の算出指標として用いた例を示した。しかし、持続期間予測部1309は、持続期間の算出指標として、BMI以外の指標を用いてもよい。
具体的には、持続期間予測部1309は、支援効果予測推移801に含まれる他の指標、例えば空腹時血糖値、又は、生活習慣情報などを持続期間を算出する指標として用いてもよい。
さらに、持続期間予測部1309は、複数の指標を組み合わせた指標を用いてもよい。具体的には、持続期間予測部1309は、診断情報301及び生活習慣情報401に含まれる指標を説明変数とする式で定義してもよい。
一例としては、持続期間予測部1309は、「X=K1×BMI+K2×空腹時血糖値+K3(K1、K2、K3は事前に定めた実数)」として算出される指標Xを、効果持続期間の算出指標として用いてよい。また、持続期間予測部1309は、本効果持続期間の算出指標は、健康支援毎に異なるものを用いてよい。
さらに、前述の実施例1において、持続期間予測部1309による持続期間の算出処理(図13のステップ1703)において、健康支援開始時の指標の値と比較して、健康支援開始時の値と同じ、又は、健康支援開始時の指標の値より悪化した値の年までの期間を、効果持続期間として算出する例を示した。しかし、持続期間予測部1309による持続期間の算出方法は、これに限定されない。
具体的には、持続期間予測部1309は、健康支援実施後の指標の値の推移の予測結果と、健康支援を実施しない場合の指標の値の推移の予測結果に基づいて、持続期間を多様な方法で算出してもよい。以下、持続期間の算出指標としてBMIを用いた場合を例に説明する。
一つ目の持続期間の算出例を説明する。
持続期間予測部1309は、健康支援開始時の指標の値と健康支援実施後の指標の値とから閾値を決定し、持続期間を算出してもよい。例えば、健康支援開始時のBMIの値が25であり、健康支援実施後の最初の年度のBMIの値が21である場合、持続期間予測部1309は、持続期間を算出するための閾値T1を、T1=K×25+(1−K)×21(Kは任意実数)と設定してもよい。
そして、持続期間予測部1309は、この閾値T1を超えるBMIの値となるまでの期間を持続期間として算出してもよい。例えば、持続期間予測部1309は、K=0.5と設定する。これによって、持続期間予測部1309は、健康支援により改善したBMIの値を100%とした場合に、改善量が50%の量に戻るまでの期間を効果持続期間として算出してもよい。
このように閾値T1を設定することによって、持続期間予測部1309は、健康支援による改善効果量に基づき、健康支援の持続期間を算出できる。
二つ目の持続期間の算出例を説明する。
持続期間予測部1309は、健康支援後の指標の値の推移の予測結果と健康支援を実施しない場合の指標の値の推移の予測結果とを用いて持続期間を算出する。
例えば、持続期間予測部1309は、健康支援実施後のBMIの予測値Iと、健康支援を実施しない場合のBMIの予測値Nとの差D=N−Iを算出し、差Dと所定の閾値とを各年度ごとに比較する。そして、持続期間予測部1309は、差Dが所定の閾値よりも小さくなる年度までの期間を持続期間として算出してもよい。
差Dは、予測した期間ごとに算出される、健康支援による効果の量を示す。例えば、健康支援実施後1年後のBMIが21であり、2年後のBMIが23であると予測され、かつ、健康支援実施なしの場合の1年後のBMIが25であり、2年後のBMIが26であると予測されていたとする。このとき、健康支援の開始1年後のBMIに対する差D(効果)は25−21=4であり、健康支援の開始2年後の差D(効果)は26−23=3である。
ここで、差Dに対する所定の閾値が3以下である場合、健康支援開始2年後のときに、所定の閾値が示す条件を満たす。このため、持続期間予測部1309は、持続期間として2年を算出する。
このように、健康支援実施後の指標の値の推移の予測結果と、健康支援を実施しない場合の指標の値の推移の予測結果とを用いて、持続期間を算出することで、持続期間予測部1309は、実際に健康支援を実施しない場合と比較した予測結果に基づき、効果が薄くなる時期を特定できるため、より正確に効果の持続期間を算出できる。
三つ目の持続期間の算出例を説明する。
持続期間予測部1309は、効果持続期間の算出において、支援効果予測推移801及び支援なし予測推移1601が示す診断情報及び生活習慣情報(この場合、予測値)の指標の95%信頼区間幅などの、値のばらつきに関する情報を用いる。
例えば、持続期間予測部1309は、健康支援ありの場合のBMIの予測値と信頼区間幅とに基づいてBMIの範囲の下端又は上端の値を特定し、特定した下端又は上端の値と、健康支援なしの場合のBMIの予測値とを比較し、比較結果に基づいて持続期間を算出してもよい。
例えば、持続期間予測部1309が健康支援ありの場合のBMIの予測値の範囲が21以上25以下と特定し、健康支援なしのBMIの予測値が26である場合、健康支援なしのBMIの予測値は、健康支援ありのBMIの上端値25よりも大きい。このため、95%以上の確率で、健康支援の効果はまだ持続しているといえる。
また、健康支援なしのBMIの予測値が20である場合、健康支援なしのBMIの予測値は健康支援ありのBMIの下限値21よりも小さい。このため、95%以上の確率で健康支援の効果は持続していないといえる。このため、持続期間予測部1309は、健康支援なしのBMIの予測値が、健康支援ありのBMIの下限値を下回る年度までの期間を、持続期間として算出してもよい。
このように、信頼区間幅を用いて持続期間を算出することによって、持続期間予測部1309は、予測結果のばらつきを考慮して持続期間を算出でき、持続期間の信頼性を高めることができる。
以上のように、実施例1に係る分析システムは、健康情報と過去に実施した健康支援を示す履歴とに基づいて、健康支援を実施した後の健康情報の推移を予測し、健康支援の効果の持続期間を予測する。そして、予測した持続期間に基づいて、健康支援を実施する対象者を選択するため、健康支援を実施するのにより適切な対象者を選択できる。