JPWO2021044520A1 - ソフトウェア、健康状態判定装置及び健康状態判定方法 - Google Patents

ソフトウェア、健康状態判定装置及び健康状態判定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】対象者の個人差を考慮したバイタルサインや日々の体調を反映して、対象者ごとに異なる個体内変動を精度高く捉えることが可能であり、かつ、偽陽性が少なく、対象者における異常の判定の精度に優れたソフトウェア、健康状態判定装置及び健康状態判定方法を提供する。【解決手段】本発明を適用した健康状態判定装置の一例である健康状態判定装置1は、演算部2を備えている。演算部2は、健康状態判定装置1の有する各情報処理機能を実行する処理部である。即ち、本発明を適用したソフトウェアでは、タブレット端末3の演算部2を情報入力手段23、情報記録手段24、基準算出手段5、スコアリング処理手段100、判定処理手段6等として機能させる。この各手段の処理機能により、情報の送受信、情報の記録、バイタル情報の内容に基づくスコアリング、スコアリング条件(スコアリング基準情報)の設定、スコア値情報における異常の判定、異常の判定基準の設定、判定結果の通知、表示情報の作成や表示等を行う。

Description

本発明はソフトウェア、健康状態判定装置及び健康状態判定方法に関する。詳しくは、対象者の個人差を考慮したバイタルサインや日々の体調を反映して、対象者ごとに異なる個体内変動を精度高く捉えることが可能であり、かつ、偽陽性が少なく、対象者における異常の判定の精度に優れたソフトウェア、健康状態判定装置及び健康状態判定方法に係るものである。
近年、医療分野において「個別化医療(personalized medicine)」の重要性が高まっている。個別化医療とは、一般的に、テーラーメード医療(tailor-made medicine)といわれる「一人ひとりの個性にかなった医療を行うこと」をさしている。
これまでの医療は、疾患を中心とした考え方に基づき行われるものであり、疾患の原因を探索したり、その治療法を開発したりすることが主な目的とされている。この一方で、疾患の状態は一人ひとりで千差万別であり、同じ病気であっても同じ治療法を適用することが必ずしも正しくないことは以前より知られてきている。
しかしながら、従来の医療において、治療効果の個人差は、治療とその効果を観察しなければ分からないものとされ、一人ひとりに最適な治療計画を行うことは難しい状況にある。
ここで、個別化医療の実現には、個人ごとに異なる「バイオマーカー」を捉えることが重要とされている。一般的には、バイオマーカーは、特定の病状や生命体の状態の指標であり、アメリカ国立衛生研究所(National Institutes of Health)の研究グループは、1998年に、バイオマーカーについて「通常の生物学的過程、病理学的過程、もしくは治療的介入に対する薬理学的応答の指標として、客観的に測定され評価される特性」と定義づけている。また、過去においては、バイオマーカーは主として、血圧や心拍数など生理学的指標のことを意味していた。
また、医療分野において、対象者の病気の程度を迅速に評価する手法として、早期警戒スコア(Early warning score以下、「EWS」と称する)と呼ばれるスコアリング法が利用されている。
EWSは、対象者の6つの主要なバイタルサインである呼吸数(rpm)、SpO2(酸素飽和度)(%)、体温(℃)、血圧(mmHg)、心拍数(bpm)、意識レベルの評価(AVPU応答、A:alart(正常)、V:voice(声に反応がある)、P:pain(痛みに反応がある)U:unresponsive(反応なし)に基づき、バイタルサインの測定結果や評価結果に応じたスコアを算出して、スコアの合計点数によって、病気の程度を判断する手法である(例えば、非特許文献1を参照)。
このEWSは、複数の生理学的測定値の変化及び単一変数内の大きな変化を介して臨床的劣化が見られるという原則に基づいている。また、各バイタルサインの測定値からスコアを算出する際には、集団(複数の対象者)の測定値の結果に基づいて決定された数値が採用されている。
例えば、表1に示すように、体温であれば測定値の中心範囲として「36.0~37.9℃」が設定され、同範囲では0点のスコアとなる。また、その上下側の値については、「35.0~35.9℃」又は「38.0~38.9℃」であれば1点のスコア、「34.0~34.9℃」又は「38.9℃超える値」であれば2点のスコア、「34℃未満」であれば3点のスコアとなるように、体温の測定値とスコアリングの点数が設定されている。また、その他のバイタルサインについても表1に示すように設定されている。
Figure 2021044520
ここで表1に示す内容では、集団のバイタルサインの測定値から設定された「正常な範囲」、「異常な範囲」が基準として採用されている。ここで設定された範囲は、地域や年齢等を考慮して範囲を変動させることはあるが、基本的に大多数の人数から得られたバイタルサインの測定値に基づき、基準となる範囲が決められている。この基準の設定は、呼吸数、酸素飽和度、血圧及び心拍数においても同様である。
また、EWSでは、6つの主要なバイタルサイン以外のパラメータとして、尿出力、酸素投与流量、疼痛スコア等の、他のパラメータにスコアを割り当てることもある。
国際公開第2019/098304号
"早期警戒スコア(Early warning score)"、[online]、ウィキペディアフリー百科事典(Wikipedia, the free encyclopedia)、[平成29年10月16日検索]、インターネットURL:https://en.wikipedia.org/wiki/Early_warning_score
しかしながら、非特許文献1に記載のEWSをはじめ、対象者のバイタルサインの測定値に基づきスコアリングを行い、その結果の情報に基づき異常を検知する従来の仕組みは、対象者の個体内変動を考慮した検知とはなっていない。
非特許文献1では、上述したように、集団のバイタルサインの測定値から設定された「正常な範囲」、「異常な範囲」が基準となっている。そのため、対象者の個体内変動を考慮した検知とは言い難いものである。
即ち、集団のバイタルサインの測定値から設定された基準では、バイタルサインにおける個人ごとの特性に対応することができない。例えば、青年と高齢者では、平穏な状態の体温や、1日の体温の変動が大きく異なっている。また、高血圧等の病態の有無によっても、対象差ごとにバイタルサインの値は大きく異なるものとなる。
つまり、対象者の年齢や病態の有無等を考慮した場合、集団のバイタルサインの測定値から設定された「正常な範囲」や「異常な範囲」は、適切な基準とならないことがある。
今後、拡大が期待される個別化医療では、診断、予後、薬力学、モニタリングなどの目的にかなったバイオマーカーが欠かせないものとなる。本発明者は、これまでに、「高齢者の発病」、「診断」を目的とするバイオマーカーを中心に研究を進めてきた。
その中で、本発明者は、近年実施されている遺伝子レベルでの解析を行うバイオマーカーではなく、人間の生命に関する最も基本的な情報である体温、脈拍、血圧(脈圧)の「バイタルサイン」をバイオマーカーとすることに可能性を見出した。この体温、脈拍、血圧(脈圧)は、呼吸数を加えて、医療分野において「古典的バイタルサイン」と称され、この4つが基本的かつ重要なバイタルサインとして位置付けられている。
この古典的バイタルサインをバイオマーカーにできる理由は、体温、血圧(脈圧)、脈拍、呼吸数の測定値に、一人ひとり異なる「個体内変動」があるためである。即ち、対象者によって、バイタルサインの変化の仕方が異なっており、この変化の仕方を適切に捉えて、解析することで、対象者の健康管理や診断等に寄与する技術が開発できると考えたのである。
また、本発明者は、これまでの研究により、人間の古典的バイタルサインは、同一個体に関して、少なくとも30個分の測定データを取得すると、基本的にその測定値が正規分布に従うことを発見した。また、古典的バイタルサインの正規分布は、その人固有の個体内変動を含んで分布するものである。
しかしながら、医療統計学において、バイタルサインに関する多くの人の標準偏差を見る「個体間変動」の論文や報告等は存在するが、バイタルサインについて、同一の対象者の「個体内変動」を扱ったものは皆無である。
また、従来技術には、同一個体に対する古典的バイタルサインの測定値が正規分布に従うことを解析した結果や、これを異常判定に用いた技術は全く存在しなかった。当然に、上述した異常判定に用いるスコアリング手法の基準として、古典的バイタルサインの測定値が正規分布に従うことを利用する技術も皆無であった。
さらに、本発明者らは、これまでの開発により、バイタルサインの測定値が正規分布に従うことを用いて、各バイタルサインに対して、所定の基準を設けてスコアリングする手法により、個体における異常を検知する技術の開発を進めてきた(特許文献1参照)。
ここで、特許文献1に記載の技術では、スコア判定手段またはバイタル判定手段が異常と判定した際に、その根拠となったバイタルサインの値、即ち、異常な値と判定されたバイタル情報も含めて、次回の個体の異常を判定するようにしていた。
この特許文献1に記載の技術は、対象者の一人ひとりで異なる個体内変動を適切に捉え、体調に異常が生じた状態の早期発見に活用することが可能である。しかし、本発明者らは、異常の検知の精度をさらに高める点及び偽陽性を減らすことにつき、改良の余地があると考えた。
特許文献1では、例えば、体温のスコア値の算出において、同一個体の体温のバイタルサインの値につき、所定の期間での平均値μ、標準偏差σを用いて、「μ±2σ以内」のバイタルサインの値は、正常として「0点」のスコア値を付与していた。また、スコア値が1点以上のものを「異常(注意または警告)」と判定するように構成されていた。
このような設定において、例えば、同一個体について、37.5℃の体温が3日続けて記録された場合、1日目や2日目においては、37.5℃の測定値が「μ+2σ」を超えて、スコア値の結果が「異常」と判断されたとする。
しかし、3日目の判定においては、既に、2日間続けて37.5℃の体温が、同一個体のバイタルサインの値として記録され、「μ±2σ以内」の基準にも反映されることから、基準の範囲が広くなる。この結果、3日目の判定で、37.5℃の体温が「μ±2σ以内」に収まる可能性が高まり、スコア値が「0点」として「異常」と判定されにくくなることが考えられる。
即ち、スコア判定手段またはバイタル判定手段が異常な値と判定したバイタルサインの値を、次回の判定の基準に反映することで、異常の検知の精度が下がることが予想される。
また、異常の検知の精度が下がることを考慮して、スコア判定手段またはバイタル判定手段が異常な値と判定したバイタルサインの値を、次回の判定の基準に含めない構成とすると、基準の内容が厳しくなり、異常な値であるとの判定が出やすくなる。
この結果、実際には、その個体に異常が生じていないにも関わらず、バイタルサインの値から異常と判定される偽陽性が生じる確率が高まることになる。そのため、バイタルサインの値に対する異常の判定の精度を担保しながら、偽陽性の発生を抑止可能な技術とすることが重要であると考えられた。
本発明は、以上の点に鑑みて創案されたものであり、対象者の個人差を考慮したバイタルサインや日々の体調を反映して、対象者ごとに異なる個体内変動を精度高く捉えることが可能であり、かつ、偽陽性が少なく、対象者における異常の検知の精度に優れたソフトウェア、健康状態判定装置及び健康状態判定方法に係るものである。
上記の目的を達成するために、本発明のソフトウェアは、取得されたバイタルサインに関する情報であるバイタル情報をスコアリングして、得られたスコア結果情報に基づいて、個体の健康状態を判定するためのソフトウェアであって、情報処理機器を、同一個体から取得されると共に、正規分布に従うバイタルサインから選択される少なくとも1つの測定値を含む前記バイタル情報及び取得日時の入力を受け付ける情報入力手段と、入力された前記バイタル情報及び取得日時の情報を記録させる情報記録手段と、記録された複数の前記バイタル情報の全部又は一部の、平均μ及び標準偏差σを算出する基準算出手段と、所定のスコアリング条件を基準に、入力された所定のバイタル情報をスコアリングして、スコアの値であるスコア結果情報を算出すると共に、前記所定のスコアリング条件は少なくとも前記平均μをピーク値とした正規分布に基づき設定されるスコアリング処理手段と、複数の種類の前記バイタル情報に対応する前記スコア結果情報を総合して、所定のスコア判定条件を基準に、異常な値か否かを判定するスコア判定手段と、前記スコア判定手段の判定結果に基づき、アラートを通知するアラート通知手段と、を含む手段として機能させるためのソフトウェアであり、少なくとも30個分の測定データの前記バイタル情報には、個体に固有の個体内変動が反映され、前記正規分布は、少なくとも30個分の測定データの前記バイタル情報から作成され、前記バイタル情報は、前記バイタルサインである体温、血圧、脈拍、脈圧及び呼吸数から選択される少なくとも1つの測定値を含み、前記スコアリング条件は、体温、血圧、脈拍、脈圧及び呼吸数から選択される少なくとも1つの測定値に対しては、前記平均μ、前記標準偏差σ、0より大きい数であるn及びmを用いて表された下記の式(1)の値を下限値及び式(2)の値を上限値とし、下限値及び上限値の少なくとも一方を基準にする基準域条件を含み、前記基準域条件は、バイタルサインの測定値のうち、所定のバイタル除外条件を満たす測定値が除外されて設定され、前記スコア判定手段は、前記基準域条件に基づきスコアリングされた前記スコア結果情報を含めて、次回の判定を行うように構成されている。
μ−nσ・・・式(1)
μ+mσ・・・式(2)
なお、本明細書において、ソフトウェアとは、コンピュータの動作に関するプログラムのことである。また、プログラムとは、コンピュータによる処理に適した命令の順番付けられた列からなるものをいう。
また、本発明において、「30個分の測定データのバイタル情報」とは、幅広くは1秒ごとに測定したバイタル情報のデータであり、例えば、1分ごと、数分ごと、1時間ごと、1日ごと、1か月ごとに測定したバイタル情報のデータのように、時間の長さが異なるものを含んでいる。また、「30個分の測定データのバイタル情報」には、上述した、1秒ごと又は1分ごと等のように、一定間隔で規則的に取得されたデータだけでなく、不規則に取得されたデータも含んでいる。例えば、1分間(60秒)中に、一定間隔で取得するのではなく、不規則に取得した少なくとも30個のデータ(例えば、1秒、3秒、6秒、7秒、9秒等のような取得)が採用できる。また、例えば、30分間の中で不規則に取得した少なくとも30個のデータ、1時間の中で不規則に取得した少なくとも30個のデータ、数時間の中で不規則に取得した少なくとも30個のデータ、1日の中で不規則に取得した少なくとも30個のデータ、数日間の中で不規則に取得した少なくとも30個のデータ、1週間の中で不規則に取得した少なくとも30個のデータ、数週間の中で不規則に取得した少なくとも30個のデータ、1か月の中で不規則に取得した少なくとも30個のデータ等が、「30個分の測定データのバイタル情報」として採用することができる。更に、一定間隔、又は、不規則な間隔に関わらず、蓄積したバイタル情報の中から、ランダムに少なくとも30個分のデータを抽出して、「30個分の測定データのバイタル情報」として採用することができる。後述するように、時間の長さや測定間隔の規則性の有無に関わらず、少なくとも30個分の測定データを取得すれば、対象者の個体内変動を反映した正規分布を得ることができる。
ここで、情報入力手段が、同一個体から取得されたバイタル情報の入力を受け付け、情報記録手段に、入力されたバイタル情報を記録させることによって、同一個体のバイタル情報を蓄積することができる。なお、ここでいう同一個体とは、取得したバイタルサインの値が異常な値か否かを判定する判定対象を指すものである。
また、ここでいう「個体」とは、単独の生物(ヒト又は動物)のことである。なお、本発明は、単一のソフトウェアで、単独の同一個体のバイタル情報を記録する態様と、複数の同一個体のバイタル情報を同一個体ごとに記録する態様を含んでいる。同一個体とは、例えばヒトであれば、同一人物のことをいう。
また、ここでいう「同一個体から取得されたバイタル情報」とは、情報入力手段での入力の段階で個体の区別が可能であることを意味している。例えば、1人の対象者が自分だけのバイタル情報を入力する態様や、複数の対象者の情報を取り扱う際に、特定の個人用の入力画面が表示されてバイタル情報を入力する態様等、入力するための形式を異ならせて、個体を区別することが考えられる。
また、情報入力手段が、同一個体から取得されると共に、正規分布に従うバイタルサインから選択される少なくとも1つの測定値を含むバイタル情報の入力を受け付け、情報記録手段に、入力されたバイタル情報を記録させることによって、同一個体のバイタルサインの測定値の情報を蓄積することができる。同一個体から取得したバイタルサインの測定値は正規分布に従うものであり、その測定値の情報を蓄積することで、正規分布に基づく基準を設定可能となる。
また、情報入力手段が、同一個体から取得されたバイタル情報及び取得日時の情報の入力を受け付け、情報記録手段に、入力されたバイタル情報及び取得日時の情報を記録させることによって、同一個体のバイタル情報が取得された日時の情報と共に蓄積されるものとなる。即ち、同一個体の複数のバイタル情報を取得日時の情報と紐付けて取扱うことが可能となる。また、異なるバイタル情報を比較する際に、比較するバイタル情報の間での変位の状況や、変位量を確認可能となる。なお、ここでいう取得日時の情報は、情報入力手段にバイタル情報を入力する際に、入力者が取得日時の情報を入力する態様や、バイタル情報を入力する際の時間が情報入力手段に自動的に入力される態様が含まれるものである。また、取得日時の情報とは、バイタルサインを測定した日時や、バイタルサインの評価(例えば、意識レベル)を行った日時を含むものである。
また、基準算出手段が、記録された複数のバイタル情報の全部又は一部の平均μを算出することによって、同一個体の個体内変動が反映されたバイタル情報の平均値の情報を利用可能となる。なお、ここでいう平均μとは、「各バイタルサインの測定値の総和」から「バイタルの測定値のデータ数」を割った値を意味するものである。また、ここでいう「記録された複数のバイタル情報の平均μ」は、記録されたバイタル情報の全データから算出するものだけでなく、全データのうちの一部から算出されるものを含んでいる。更に、平均μの算出根拠となるバイタル情報は連続的なデータ、例えば、毎秒、毎分、毎時間、毎日等継続的に測定したデータだけでなく、秒、分、時間、日数等の間隔を開けて抽出したデータから算出されるものであってもよい。
また、基準算出手段が、記録された複数のバイタル情報の全部又は一部の標準偏差σを算出することによって、同一個体の個体内変動が反映されたバイタル情報の標準偏差の情報を利用可能となる。なお、ここでいう標準偏差σとは、所定の条件のバイタル情報の「偏差の二乗平均」である。更に言えば、「偏差」とは、所定の条件のバイタル情報の「各バイタルサインの測定値」から「所定の条件のバイタルサインの測定値の平均値」を引いた値である。また、ここでいう「記録された複数のバイタル情報の標準偏差σ」は、記録されたバイタル情報の全データから算出するものだけでなく、全データのうちの一部から算出されるものを含んでいる。更に、標準偏差σの算出根拠となるバイタル情報は連続的なデータ、例えば、毎秒、毎分、毎時間、毎日等継続的に測定したデータだけでなく、秒、分、時間、日数等の間隔を開けて抽出したデータから算出されるものであってもよい。
また、スコアリング処理手段が、所定のスコアリング条件を基準に、入力された所定のバイタル情報をスコアリングして、スコアの値であるスコア結果情報を算出することによって、入力されたバイタル情報を、その内容に応じたスコア結果情報(点数)に変換することができる。
また、所定のスコアリング条件が、少なくとも平均μをピーク値とした正規分布に基づき設定されることによって、同一個体から取得されたバイタルサインの測定値がバイタル情報として入力された際に、平均μをピーク値とした正規分布に基づき設定した基準により、その内容に応じたスコア結果情報を得ることが可能となる。また、この際の平均μをピーク値とした正規分布に基づき設定した基準は、同一個体の個体内変動が反映された基準であり、個体内変動を反映した状態で、同一個体のバイタル情報を点数化することが可能となる。なお、ここでいう「入力された所定のバイタル情報」とは、スコアリングの対象となるバイタル情報を意味している。また、ここでいう「少なくとも平均μをピーク値とした正規分布に基づき設定される所定のスコアリング条件」は、入力された所定のバイタル情報、即ち、スコアリングの対象となる所定のバイタル情報を含んで設定されるものと、スコアリングの対象となる所定のバイタル情報を含まずに、それ以前の過去のバイタル情報から設定されたものの両方を含むものである。また、入力された所定のバイタル情報は、直近に入力されたバイタル情報であることができる。また、入力された所定のバイタル情報は、以前に入力されたバイタル情報のうちの一つまたは複数のバイタル情報であることができる。
また、スコア判定手段が、複数の種類のバイタル情報に対応するスコア結果情報を、所定のスコア判定条件を基準に、異常な値か否かを判定することによって、同一個体から取得されたバイタル情報の内容から得られたスコア結果情報の値について異常な値か否かを判定可能となる。
また、スコア判定手段が、複数の種類のバイタル情報に対応するスコア結果情報を総合して、異常な値か否かを判定することによって、単一のバイタル情報に対応するスコア結果情報のみで異常な値か否かを判定する態様に比べて、対象者の体調における異常の判定をより正確に行うことが可能となる。
ここで、単一のバイタル情報のみに基づき、異常を判定する態様において、判定の根拠となる単一のバイタル情報につき、所定のスコアリング条件を、精度が高くなるように設定(例えば、体温であれば、体温を正常(0点)と判定する上下限の範囲を狭くするように設定)すると、そのスコア結果情報の値は、バイタルサインの異常を示す1点以上の点数が出やすくなる。そして、スコア判定手段が、単一のバイタル情報のみのスコア結果情報に対して、スコア値が異常である(対象者の体調が異常である)と判断することに繋がる。このような態様では、スコアリング条件の精度が高くなった分、偽陽性、即ち、実際には、対象者の体調に異常をきたしていないのに、スコア判定手段が、スコア値が異常であると判定する、誤った結果が出やすくなってしまう。
そこで、本発明では、異常の有無の判定において、偽陽性が生じやすくなるリスクを減らすべく、スコア判定手段が、複数の種類のバイタル情報に対応するスコア結果情報を総合して、異常な値か否かを判定する構成を採用している。つまり、複数の種類のバイタル情報に対応するスコア結果情報を用いて、総合したスコア結果情報に対するスコア判定条件を設けて、異常な値か否かを判定している。これによれば、最終的な異常の判定の結果に、単一のバイタル情報の内容が及ぼす影響が小さくなり、複数のバイタル情報の内容に基づき、複合的かつ正確な異常の判定を行うことが可能となる。この結果、偽陽性の発生を抑止することができる。さらに、単一のバイタル情報の内容が及ぼす影響が小さくなることから、仮に、バイタルサインの測定行為(測定の仕方、測定者、測定時間等)に問題があり、異常な測定値が記録された際にも、スコア判定手段による異常の判定において、誤った結果が生じにくくなる。
また、アラート通知手段が、スコア判定手段の判定結果に基づき、アラートを通知することによって、スコア判定手段が異常な値と判定した結果を、アラートにより知らせることが可能となる。
また、スコア判定手段が、複数の種類のバイタル情報に対応するスコア結果情報を総合して、異常な値か否かを判定し、アラート通知手段が、スコア判定手段の判定結果に基づき、アラートを通知することによって、アラート通知手段が、偽陽性によるアラート通知がなされる回数を抑えることができる。この結果、使用者が、対象者に関する異常判定の結果を、何度も確認する手間を減らすことができる。
また、少なくとも30個分の測定データのバイタル情報には、個体に固有の個体内変動が反映され、正規分布は、少なくとも30個分の測定データのバイタル情報から作成されることによって、バイタル情報をバイオマーカーとして活用して、個別化医療を実現でき、特に、慢性期にある対象者の状態悪化を早期に検知可能となる。即ち、個人ごとに異なる「バイオマーカー」として、バイタル情報を利用することができる。
このバイオマーカーとは、一般的に、特定の病状や生命体の状態の指標であり、「通常の生物学的過程、病理学的過程、もしくは治療的介入に対する薬理学的応答の指標として、客観的に測定され評価される特性と定義されている。即ち、本発明で対象とする「健康状態の悪化を検知するバイオマーカー」は、対象者が平穏な状態、体調に何等かの異常を生じている状態、及び、体調に異常を生じる前の段階の状態を含む、対象者の種々の状態を反映した対象者に固有の指標である。
また、バイタルサインの変化の仕方は、対象者ごとに異なる変化の幅を反映するものであり、これが正規分布するものとなっている。このバイタルサインの変化は、対象者の一人ひとりで異なる個体内変動を含むものであり、個体内変動を含むバイタルサインをバイオマーカーとして利用し、解析することで、対象者の健康管理や診断等を行い、個別化医療を実現することが可能となる。
この点の効果については、とりわけ、病状は比較的安定しているが、治癒が困難な状態が続いている慢性期の高齢者において、その個人の特性を反映した上での体調に異常が著しく生じる前の早期発見が可能となり、非常に意義のあるものとなる。高齢者は病気の進行が遅い場合が多く、一般成人に比べて、体調の変化や状態の悪化が捉えにくくなるが、対象者の個体内変動を含むバイタルサインをバイオマーカーとして利用することで、対象者の特性に合わせた状態悪化を早期に検知することができる。
また、少なくとも30個分の測定データのバイタル情報には、個体に固有の個体内変動が反映され、正規分布は、少なくとも30個分の測定データのバイタル情報から作成されることによって、スコア判定手段により、対象の個体におけるバイタルサインの異常な値を捉えることが充分に可能となる。
ここで本発明において「30個分の測定データ」を採用する技術的な意義を説明する。より詳細には、時間の長さや測定間隔の規則性の有無に関わらず、バイタルサインについて、少なくとも30個分の測定データを取得すれば、対象者の個体内変動を反映した正規分布を得ることができる点について説明する。
本発明者は、これまでの検討により、同一個体から取得したバイタルデータについて、少なくとも30個分の測定データが取得できれば、その測定データが、対象者ごとの個体内変動を反映して正規分布することを確認した。
例えば、図25〜図32に示すように、脈拍を各条件で測定した場合、30個分の測定データが揃えば、その測定したデータに基づき、対象者ごとに異なる正規分布曲線が得られる結果となった。図25、図27、図29及び図31は、同一対象者(ここではAさんと称する)から取得した脈拍の結果であり、図26、図28、図30及び図32は、別の同一対象者(ここではBさんと称する)から取得した脈拍の結果である。なお、図25〜図32において、30個分の測定データを示し、曲線上の丸印は1つの測定データに対応しているが、平均値を中心に重なっているデータが複数存在するため、図面上では、30個分の丸印が表れていない。
より詳細には、図25及び図26では、1分ごとに脈拍を測定して、30個分の脈拍の測定データを取得した結果に基づくグラフである。いずれも平均値を頂点とした正規分布の形を示す結果が得られた。また、AさんとBさんでは、頂点となる平均値が異なり、かつ、曲線の両端に位置する値(最小値及び最大値)も異なっている。従って、個体なりの正規分布が得られることが明らかである。なお、この点は、図27〜図32において、同様の傾向が確認された。
また、図27及び図28は、7分ごとに脈拍を測定して、30個分の脈拍の測定データを取得した結果に基づくグラフである。このように、測定する時間間隔を変えた際にも、各対象者の平均値を頂点とした正規分布の形が得られた。
また、図29及び図30は、1日の中で、不規則な時間で、30個分の脈拍の測定データを取得した結果に基づくグラフである。更に、図31は、30時間の中で、不規則な時間で、30個分の脈拍の測定データを取得した結果に基づくグラフであり、図32は、30日の中で、不規則な時間で、30個分の脈拍の測定データを取得した結果に基づくグラフである。ここで示すように、一定間隔で規則的に取得されたデータでなくても、30個分の測定データを取得すれば、そのデータが、各対象者の平均値を頂点として正規分布の形を取ることが確認された。
また、例えば、図33及び図34に示すように、体温についても、30個分の測定データが揃えば、その測定したデータに基づき、対象者ごとに異なる正規分布曲線が得られる結果となった。図33及び図34は、2分ごとに体温を測定して、30個分の体温の測定データを取得した結果に基づくグラフである。また、図33と図34では、体温を測定した対象者が異なっている。このように、体温でも、30個分の測定データを取得すれば、そのデータが、各対象者の平均値を頂点として正規分布の形を取ることが確認された。
30個分の測定データから、個体なりの正規分布が得られる点は、脈拍と体温だけでなく、血圧(収縮期血圧及び拡張期血圧)、脈圧、呼吸数についても確認された。
従って、本発明者は、時間の長さや測定間隔の規則性の有無に関わらず、バイタルサインについて、少なくとも30個分の測定データを取得すれば、対象者の個体内変動を反映した正規分布を得ることができ、これをバイオマーカーとして利用しうる可能性を見出して、本発明に至った。
即ち、時間の長さや測定間隔の規則性の有無に関わらず、少なくとも30個分のバイタル情報を取得して、正規分布を得ることで、対象となる個体の生理学的パラメータ(バイタルサイン)を観察することができ、その一周期を構成するバイタルサインの値が確認可能となる。換言すれば、30個分のバイタル情報を利用すれば、対象の個体におけるバイタルサインの異常な値を捉えることが充分に可能になるということになり、本発明ではこの点に着目している。
また、バイタル情報が、バイタルサインである体温、血圧、脈拍、脈圧及び呼吸数から選択される少なくとも1つの測定値を有することによって、同一個体から測定された体温、血圧、脈拍、脈圧及び呼吸数について、スコア結果情報を得て、複数のバイタル情報を総合して、異常な値か否かを判定することが可能となる。
また、所定のスコアリング条件が少なくとも平均μをピーク値とした正規分布に基づき設定され、スコアリング条件が、体温、血圧、脈拍、脈圧及び呼吸数から選択される少なくとも1つの測定値に対しては、平均μ、標準偏差σ、0より大きい数であるn及びmを用いて表された下記の式(1)の値を下限値及び式(2)の値を上限値とし、下限値及び上限値の少なくとも一方を基準にする基準域条件を含むことによって、同一個体から取得された体温、血圧、脈拍、脈圧及び呼吸数の測定値がバイタル情報として入力された際に、平均μから負の方向にnσの値分離れた数値を下限値、または、平均μからmσの値分離れた数値を上限値とした基準域条件を、スコアリング条件の基準として、スコア結果情報を得ることが可能となる。また、この際の平均μをピーク値とした正規分布に基づき設定した基準は、同一個体の個体内変動が反映された基準であり、個体内変動を反映した形で、同一個体のバイタル情報を点数化することが可能となる。なお、ここでいう「基準」は、下記の式(1)の値を下限値、または、式(2)の値を上限値を、基準の設定値とした際に、スコアリングの対象となる数値が、設定値以上で2点となり、設定値未満で1点となる態様と、スコアリングの対象となる数値が、設定値を超えると2点となり、設定値以下で1点となる態様の両方を含むものである。また、n及びmの値は上述したように0より大きい数であればよく、このn及びmの値は、基準の厳密さや、バイタルサインの種類、対象者の既往歴等の種々の条件を考慮して適宜設定することができるものである。また、「下限値及び上限値の少なくとも一方」であるので、下限値のみ又は上限値のみ基準として設定する態様だけでなく、下限値と上限値の両方を基準として採用する態様も含むものである。また、ここでの式(1)及び式(2)の値は、平均μをピーク値とした正規分布に基づき設定される数値範囲である。
μ−nσ・・・式(1)
μ+mσ・・・式(2)
また、基準域条件が、バイタルサインの測定値のうち、所定のバイタル除外条件を満たす測定値が除外されて設定されたことによって、体温、血圧、脈拍、脈圧及び呼吸数から選択される少なくとも1つの測定値について、スコアリング条件となる基準範囲の中に含めたくない数値を除いて、スコアリング条件を設定することができる。即ち、例えば、バイタル情報における正常または異常の判定で、異常の検知の精度を高めて、バイタル情報として異常と判定された値を除外して、スコアリング条件を設定可能となる。また、例えば、バイタルサインの測定値につき、統計的に見て外れ値とみなせる測定値を除外して、スコアリング条件を設定可能となる。さらに、対象者が明らかに異常な状態(病気になっていることが明らかな状態等)での測定値を除外して、スコアリング条件を設定可能となる。また、バイタルサインを、一定の条件下で複数回測定した測定値に対して、一定の条件を満たす測定値を選択して、スコアリング条件を設定可能となる。また、正規性を満たさない測定値を除外して、スコアリング条件を設定可能となる。さらに、測定時間の条件を満たさない測定値を除外して、スコアリング条件を設定可能となる。このように、所定のバイタル除外条件を満たす測定値を除外して基準域条件(スコアリング条件)を設定することで、バイタル情報に対する異常判定の精度、統計的な精度等を担保して、スコアリングすることが可能となる。
また、スコア判定手段が、基準域条件に基づきスコアリングされたスコア結果情報を含めて、次回の判定を行うことによって、バイタル情報に対する異常判定の精度、統計的な精度等を担保した基準域条件に基づき行うスコアリングの結果を元に、対象者の判定を継続的に行うことができる。また、個体内変動を含むバイタルサインを元に、対象者の判定を継続的に行うことができる。
また、バイタル情報が、バイタルサインである体温、血圧、脈拍、脈圧及び呼吸数から選択される少なくとも1つの測定値と、酸素飽和度の測定値と、意識レベルを観察して取得された意識レベル評価結果とを有する場合には、これらのバイタル情報を組み合わせて、各バイタル情報に対応するスコア結果情報を総合して、その結果から、スコア値が異常な値か否かを判定することができる。即ち、複数のバイタル情報から、複合的に、スコア値に対する異常を判定可能となる。
また、スコアリング条件が、酸素飽和度の測定値に対しては、予め設定した所定の数値範囲である場合には、同一個体から取得された酸素飽和度の測定値がバイタル情報として入力された際に、予め設定した所定の数値範囲を基準により、その内容に応じたスコア結果情報を得ることができる。なお、ここでいう「予め設定した所定の数値範囲」は、集団のバイタルサインの測定値から設定された数値範囲を採用することができる。また、ここでいう「所定の数値範囲」は、基準となる値、例えば、一定値を設定した際に、スコアリングの対象となる数値が一定値以上で2点となり、一定値未満で1点となる態様と、スコアリングの対象となる数値が一定値を超えると2点となり、一定値以下で1点となる態様の両方を含むものである。
また、スコアリング条件が、意識レベル評価結果に対しては、意識レベルの程度を示す所定の観察状態である場合には、同一個体から取得された意識レベル評価結果を、所定の観察状態の内容に当て嵌め、その内容に応じたスコア結果情報を得ることが可能となる。なお、所定の観察状態の内容とは、例えば、対象者の意識を確認した際の「異常のあり・なし」や、既知の意識評価の手法(ジャパン・コーマ・スケールやグラスゴー・コーマ・スケール等)により複数の段階分けをした評価結果の情報が含まれる。
また、所定のバイタル除外条件が、下記の式(1)の値を下限値及び式(2)の値を上限値とし、下限値及び上限値を基準にする場合には、平均μから負の方向に2σの値分離れた数値を下限値、平均μから2σの値分離れた数値を上限値とした上下限の範囲を基準として、バイタル除外条件にすることができる。なお、ここでいう上下限の範囲には、「下限値以上」、「下限値を超える」、「上限値以下」、「上限値未満」のそれぞれの組み合わせで設定される範囲を含むものである。
μ−2σ・・・式(1)
μ+2σ・・・式(2)
即ち、バイタルサインの測定値に関する「μ±2σの範囲」が、体温、血圧、脈拍、脈圧及び呼吸数における測定値を、基準域条件(スコアリング条件)の算出根拠に含めるか否かの基準の範囲となる。例えば、「μ±2σ以内」を基準範囲とした際、あるバイタルサインの測定値が、μ−2σ未満の値、または、μ+2σを超える値であれば、その測定値は、そのバイタルサインをスコアリングする時の基準域条件の算出根拠からは除外される。
ここで、正規分布に従うバイタルサインにおいて、「μ±2σ以内」の範囲に収まる確率は約95%である。そのため、この「μ±2σ以内」の範囲を、対象者のバイタルサインの約95%が含まれる「正常なバイタルの範囲(対象者の通常のバイタルの範囲)」と位置付ければ、スコアリングする際の基準域条件が、常に、対象者の正常なバイタルの範囲に含まれる測定値から設定されるものとなる。これにより、基準域条件は、バイタルの異常を精度高く検知できる内容となる。
もし、仮に、「μ±2σ」を外れた測定値が、基準域条件の算出根拠に含まれるようになると、「正常なバイタルの範囲」とみなすべき部分の範囲が広がるおそれがある。例えば、体温の測定値として、37.5℃が3日続けて記録された際に、1日目、2日目では、37.5℃の値が、スコアリング条件において「μ±2σ」を外れて、1点以上のスコア値が算出されるが、3日目では、37.5℃の値が、更新されたスコアリング条件において「μ±2σ」の範囲内に含まれる結果となり、0点のスコアが算出されることが起こりうる。
このようなケースでは、スコアリング条件となる「μ±2σ」の範囲が広くなり、本来、バイタルの異常と判定され、1点以上のスコア値が算出されるべきものが、異常として検知できなくなる。つまり、バイタルの異常の検知の精度が下がり、これに伴い、スコア判定手段によるスコア結果情報の判定(対象者に対する異常の有無の判定)にも影響を及ぼすことになる。したがって、所定のバイタル除外条件として、バイタルサインの測定値に関する「μ±2σの範囲」を上下限の範囲として設定することで、スコアリングを行う基準域条件について、バイタルの異常の検知の精度を高く維持することが可能となる。
また、所定のバイタル除外条件が、所定の検定法に基づく外れ値に該当するか否かである場合には、統計的に見て、他の測定値から大きく外れた値を、外れ値として、この外れ値を基準域条件の算出根拠から除外することができる。この結果、体温、血圧、脈拍、脈圧及び呼吸数における測定値をスコアリングする基準を、外れ値を含まない、換言すれば、医学的に取り得ない値が算出根拠に含まれにくい基準とすることができる。なお、所定の検定法とは、例えば、スミルノフ・グラブス検定が含まれるものである。
また、所定のバイタル除外条件が、医師による処方がなされた日、処方内容に含まれる期間、または、入院期間に測定された値であるか否かである場合には、対象者が医師による診断を受けて、病気と判断された状態、または、何等かの処置が必要な状態で測定されたバイタルサインの値を基準域条件の算出根拠から除外することができる。この結果、対象者が、明らかに体調に異常を生じている状態でのバイタル情報が、スコアリングする基準に反映されなくなり、基準域条件は、バイタルの異常を精度高く検知できる内容となる。
なお、ここでいう、医師による処方とは、服薬、点滴、注射、経管栄養等の処置や、看取り(医療介入を望まない)の際の経過観察を含むものである。また、ここでいう、処方内容に含まれる期間とは、例えば、服薬の開始から終了までの期間を意味する。さらに、ここでいう入院期間とは、対象者が診断の結果、病院に入院している期間を意味する。
また、所定のバイタル除外条件が、所定の条件で複数回測定したバイタルサインの測定値に対して、下記の式(1)の値を下限値及び式(2)の値を上限値とし、下限値及び上限値を基準にして、下限値以下または上限値以上となるバイタルサインの測定値が2回以上続けて測定された際に、2回目以降の測定値であるか否かである場合には、複数回測定したバイタルの中で「μ±2σ」を外れた値が2回以上続いた際に、1回目の測定値を基準域条件に反映させ、かつ、2回目以降の測定値は、基準域条件の算出根拠から除外することができる。
μ−2σ・・・式(1)
μ+2σ・・・式(2)
即ち、「μ±2σ」を外れた値を、基準域条件から完全に除外せずに、かつ、2つ以上の値が基準域条件の算出根拠に含まれないようにすることで、バイタル情報の異常と判定される値もスコアリングの基準に入れながら、過度に、基準域条件の検知の精度が下がることを抑止することができる。なお、ここでいう所定の条件とは、例えば、ある基準となる時間に対して、その前後5分間の間に測定した複数のバイタルサインの測定値等、ほぼ同一の条件下での測定されたバイタルサインとみなしてよい内容を意味するものである。
また、所定のバイタル除外条件が、所定の条件で複数回測定したバイタルサインの測定値に対して、所定の主値選択条件で選択された主値以外の測定値であるか否かである場合には、複数の測定値の中から選ばれた主値以外の測定値を基準域条件の算出根拠から除外することができる。
ここで、所定の主値選択条件とは、例えば、複数のバイタルサインの測定値の中から、人為的、または、一定の条件を設けてシステム的に1つの値を選択する条件がある。そして、選択した主値以外の値を、スコアリングする基準に反映させなくすることができる。人為的な選択とは、例えば、2つの測定値の中から、明らかな入力ミスによる測定値とわかる数値を除いて、もう一方の測定値を選択するような行為が含まれる。また、システム的な選択とは、例えば、血圧の測定において、複数の測定値の中から、正常な範囲の中に含まれる測定値を選択するような態様が考えられる。血圧の測定では、数回測定を行い、血圧に異常がある場合には、何回測定しても、正常な範囲の値が見られないようになっているためである。さらに、システム的な選択とは、Q-Qプロットに基づき、プロットの範囲内から精度の高い測定値を選択するような態様が考えられる。これにより、スコアリングの基準から明らかに誤った測定値を除外しやすくなる。また、スコアリングの基準に、正常な範囲といえる数値や、正規性が担保された測定値を反映させやすくなる。
また、所定のバイタル除外条件が、所定の検定法に基づき、正規性が担保されたバイタルサインの測定値であるか否かである場合には、正規性が担保されない測定値を基準域条件の算出根拠から除外することができる。この結果、スコアリングの基準を、正規性が担保されたバイタルサインの測定値のみで設定可能となり、対象者の個体内変動をより一層反映したスコアリングを行いやすくなる。なお、所定の検定法とは、例えば、シャピロ-ウィルク検定である。このシャピロ-ウィルク検定で求めたp値から、測定値を外れ値とするかを判断して、外れ値である場合には、正規性が担保されない測定値として、基準域条件の算出根拠から除外することができる。
また、所定のバイタル除外条件が、バイタルサインの測定を行った作業者の情報と、作業者が測定したバイタルサインの測定値の正規性の情報を基準とする場合には、正規性が担保されないバイタルサインの測定値の測定に紐付けられた作業者につき、その作業者が測定したバイタルサインの測定値を、基準域条件の算出根拠から除外することができる。これによれば、バイタルサインを測定する際の測定の仕方に問題がある可能性がある作業者による結果を取り除くことができる。即ち、測定する作業者の技術による人為的な影響を減らすことが可能となる。
また、所定のバイタル除外条件が、バイタルサインの測定値が、所定の時間条件を満たして測定された値であるか否かである場合には、決められた時間に適切に測定されなかったバイタルサインの測定値を、基準域条件の算出根拠から除外することができる。
また、スコア判定手段が、異常な値と判定する際に、異常を少なくとも2つの段階に分けて判定する場合には、スコア結果情報の判定後の取扱いを多様なものにできる。例えば、異常を示す状態であっても、スコア結果情報の数値が小さなものであれば「注意」として通知し、スコア結果情報の数値が大きなものについては「警告」として通知することで、全ての異常を画一的に処理しなくてよいものとなる。この結果、判定を行った際に、すぐに医師のチェックが必要か否かといった判定後の対処を効率よく処理できるものとなる。
また、情報入力手段が、所定のバイタル除外条件を満たす測定値が入力された際に、バイタルサインの再測定を促す場合には、バイタルの測定自体の精度を担保しやすくなる。即ち、例えば、バイタルの測定の作業に問題があって、所定のバイタル除外条件を満たす測定値が測定された際に、再測定により、正確な測定値が得られ、バイタルの測定の精度を担保することができる。
また、上記の目的を達成するために、本発明の健康状態判定装置は、取得されたバイタルサインに関する情報であるバイタル情報をスコアリングして、得られたスコア結果情報に基づいて、個体の健康状態を判定するための健康状態判定装置であって、同一個体から取得されると共に、正規分布に従うバイタルサインから選択される少なくとも1つの測定値を含む前記バイタル情報及び取得日時の入力を受け付ける情報入力手段と、入力された前記バイタル情報及び取得日時の情報を記録させる情報記録手段と、記録された複数の前記バイタル情報の全部又は一部の、平均μ及び標準偏差σを算出する基準算出手段と、所定のスコアリング条件を基準に、入力された所定のバイタル情報をスコアリングして、スコアの値であるスコア結果情報を算出すると共に、前記所定のスコアリング条件は少なくとも前記平均μをピーク値とした正規分布に基づき設定されるスコアリング処理手段と、複数の種類の前記バイタル情報に対応する前記スコア結果情報を総合して、所定のスコア判定条件を基準に、異常な値か否かを判定するスコア判定手段と、前記スコア判定手段の判定結果に基づき、アラートを通知するアラート通知手段と、前記スコア判定手段が判定した判定結果を表示可能な表示手段とを備え、少なくとも30個分の測定データの前記バイタル情報には、個体に固有の個体内変動が反映され、前記正規分布は、少なくとも30個分の測定データの前記バイタル情報から作成され、前記バイタル情報は、前記バイタルサインである体温、血圧、脈拍、脈圧及び呼吸数から選択される少なくとも1つの測定値を含み、前記スコアリング条件は、体温、血圧、脈拍、脈圧及び呼吸数から選択される少なくとも1つの測定値に対しては、前記平均μ、前記標準偏差σ、0より大きい数であるn及びmを用いて表された下記の式(1)の値を下限値及び式(2)の値を上限値とし、下限値及び上限値の少なくとも一方を基準にする基準域条件を含み、前記基準域条件は、バイタルサインの測定値のうち、所定のバイタル除外条件を満たす測定値が除外されて設定され、前記スコア判定手段は、前記基準域条件に基づきスコアリングされた前記スコア結果情報を含めて、次回の判定を行うように構成されている。
μ−nσ・・・式(1)
μ+mσ・・・式(2)
また、上記の目的を達成するために、本発明の健康状態判定方法は、コンピュータが実行する方法であり、取得されたバイタルサインに関する情報であるバイタル情報をスコアリングして、得られたスコア結果情報に基づいて、個体の健康状態を判定するための健康状態判定方法であって、同一個体から取得されると共に、正規分布に従うバイタルサインから選択される少なくとも1つの測定値を含む前記バイタル情報の入力を受け付けて記録する情報記録工程と、記録された複数の前記バイタル情報の全部又は一部の、平均μ及び標準偏差σを算出する基準算出工程と、所定のスコアリング条件を基準に、入力された所定のバイタル情報をスコアリングして、スコアの値であるスコア結果情報を算出すると共に、前記所定のスコアリング条件は少なくとも前記平均μをピーク値とした正規分布に基づき設定されるスコアリング処理工程と、複数の種類の前記バイタル情報に対応する前記スコア結果情報を総合して、所定のスコア判定条件を基準に、異常な値か否かを判定するスコア判定工程と、前記スコア判定工程の判定結果に基づき、アラートを通知するアラート通知工程とを備え、少なくとも30個分の測定データの前記バイタル情報には、個体に固有の個体内変動が反映され、前記正規分布は、少なくとも30個分の測定データの前記バイタル情報から作成され、前記バイタル情報は、前記バイタルサインである体温、血圧、脈拍、脈圧及び呼吸数から選択される少なくとも1つの測定値を含み、前記スコアリング条件は、体温、血圧、脈拍、脈圧及び呼吸数から選択される少なくとも1つの測定値に対しては、前記平均μ、前記標準偏差σ、0より大きい数であるn及びmを用いて表された下記の式(1)の値を下限値及び式(2)の値を上限値とし、下限値及び上限値の少なくとも一方を基準にする基準域条件を含み、前記基準域条件は、バイタルサインの測定値のうち、所定のバイタル除外条件を満たす測定値が除外されて設定され、前記スコア判定工程は、前記基準域条件に基づきスコアリングされた前記スコア結果情報を含めて、次回の判定を行うように構成されている。
μ−nσ・・・式(1)
μ+mσ・・・式(2)
また、上記の目的を達成するために、本発明のソフトウェアは、取得されたバイタルサインに関する情報であるバイタル情報に基づいて、個体の健康状態を判定するためのソフトウェアであって、情報処理機器を、同一個体から取得されると共に、正規分布に従うバイタルサインから選択される少なくとも1つの測定値を含む前記バイタル情報及び取得日時の入力を受け付ける情報入力手段と、入力された前記バイタル情報及び取得日時の情報を記録させる情報記録手段と、記録された複数の前記バイタル情報の全部又は一部の、平均μ及び標準偏差σを算出する基準算出手段と、前記平均μ及び前記標準偏差σから選択される少なくとも1つに基づいて設定された所定の数値範囲を基準にして、入力された所定のバイタル情報が異常な値か否かを判定すると共に、前記所定の数値範囲は少なくとも前記平均μをピーク値とした正規分布に基づき設定される判定手段と、
を含む手段として機能させるためのソフトウェアであり、少なくとも30個分の測定データの前記バイタル情報には、個体に固有の個体内変動が反映され、前記正規分布は、少なくとも30個分の測定データの前記バイタル情報から作成され、前記バイタル情報は、前記バイタルサインである体温、血圧、脈拍、脈圧及び呼吸数から選択される少なくとも1つの測定値を含み、前記所定の数値範囲は、体温、血圧、脈拍、脈圧及び呼吸数から選択される少なくとも1つの測定値に対しては、前記平均μ、前記標準偏差σ、0より大きい数であるn及びmを用いて表された下記の式(1)の値を下限値及び式(2)の値を上限値とし、下限値及び上限値の少なくとも一方を基準にする基準域条件を含み、
前記基準域条件は、バイタルサインの測定値のうち、所定のバイタル除外条件を満たす測定値が除外されて設定される構成となっている。
μ−nσ・・・式(1)
μ+mσ・・・式(2)
本発明に係るソフトウェア、健康状態判定装置及び健康状態判定方法は、対象者の個人差を考慮したバイタルサインや日々の体調を反映して、対象者ごとに異なる個体内変動を精度高く捉えることが可能であり、かつ、偽陽性が少なく、対象者における異常の検知の精度に優れたものとなっている。
本発明を適用したソフトウェアを導入したタブレット端末の概略構成を示す図である(第1のシステム構成)。 本発明を適用したソフトウェアを有する第2のシステム構成を示す概略図である。 本発明を適用したソフトウェアを有する第3のシステム構成を示す概略図である。 演算部、情報送受信部及び情報記録部の構成を示すブロック図である。 バイタル平均値及びバイタル標準偏差の算出期間の設定の一例を示す概略図である。 バイタル情報の抽出の事例を示した概略図である。 (a)は、本発明を適用したソフトウェアを機能させる際に使用する装置の一例を示す概略図、(b)は、装置の他の例を示す概略図である。 バイタルサインの値の入力画面の一例を示す概略図である。 バイタルサインの値の入力画面の他の例を示す概略図である。 体温における異常の判断基準(μ±2σ)に異常と判断された値を含めるケースのグラフである。 体温における異常の判断基準(μ±2σ)に異常と判断された値を含めない(除外する)ケースのグラフである。 血圧における異常の判断基準(μ±2σ)に異常と判断された値を含めるケースのグラフである。 血圧における異常の判断基準(μ±2σ)に異常と判断された値を含めない(除外する)ケースのグラフである。 脈拍における異常の判断基準(μ±2σ)に異常と判断された値を含めるケースのグラフである。 脈拍における異常の判断基準(μ±2σ)に異常と判断された値を含めない(除外する)ケースのグラフである。 脈拍のデータにつき、スミルノフ・グラブス検定に基づき外れ値を除外する前のデータであり、(a)はQ−Qプロット、(b)は分布図である。 脈拍のデータにつき、スミルノフ・グラブス検定に基づき外れ値を除外した後のデータであり、(a)はQ−Qプロット、(b)は分布図である。 脈拍のデータにつき、データ数を増やしていった際の各データ集合の分布図である。 脈拍のデータにつき、データ数を増やしていった際の各データ集合の分布図である。 (a)は、複数の対象者のバイタル情報を元に作成された正規分布曲線のグラフであり、(b)は、同一の対象者のバイタル情報を元に作成された正規分布曲線のグラフである。 熱型表の例を示す概略図である。 電子カルテでスコアリングの結果を示した画像の例を示す概略図である。 スマートフォン端末で利用するアプリケーションソフトウェアでスコアリングの結果を示した画像の例を示す概略図である。 バイタル情報の入力からスコア値情報における異常の判定、結果の情報の表示までの情報処理の流れを示すフロー図である。 1分ごとに脈拍を測定して、30個分の脈拍の測定データを取得した結果に基づく正規分布曲線である。 1分ごとに脈拍を測定して、30個分の脈拍の測定データを取得した結果に基づく正規分布曲線である。 7分ごとに脈拍を測定して、30個分の脈拍の測定データを取得した結果に基づく正規分布曲線である。 7分ごとに脈拍を測定して、30個分の脈拍の測定データを取得した結果に基づく正規分布曲線である。 1日の中で、不規則な時間で、30個分の脈拍の測定データを取得した結果に基づく正規分布曲線である。 1日の中で、不規則な時間で、30個分の脈拍の測定データを取得した結果に基づく正規分布曲線である。 30時間の中で、不規則な時間で、30個分の脈拍の測定データを取得した結果に基づく正規分布曲線である。 30日の中で、不規則な時間で、30個分の脈拍の測定データを取得した結果に基づく正規分布曲線である。 2分ごとに体温を測定して、30個分の体温の測定データを取得した結果に基づく正規分布曲線である。 2分ごとに体温を測定して、30個分の体温の測定データを取得した結果に基づく正規分布曲線である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明し、本発明の理解に供する。
図1は、本発明を適用したソフトウェアを導入したタブレット端末の概略構成を示す図である。なお、以下に示す構造は本発明の一例であり、本発明の内容はこれに限定されるものではない。
[1.全体の装置構成について]
本発明を適用したソフトウェアは、汎用の情報処理機器に導入可能であり、組み込まれた情報処理機器に対して本発明の実施するために必要な各情報処理機能を付与する。この結果、タブレット端末3において、対象者のバイタル情報を入力して、その内容に応じたスコアリングを行い、得られたスコア結果情報(以下、「スコア値情報」と称する)が異常な値か否かの判定を行うことができる。
なお、情報処理機器とは、CPUなどの演算部と、RAMやROMなどの記憶部と、液晶画面等の表示画面や、キーボード等の入力部、インターネット等との通信を制御する通信部等を備えたものである。例えば、汎用のパーソナルコンピュータやタブレット端末、スマートフォン等である。また、情報処理機器としては、例えば、各種のヘルスケア機器や、病院や施設等に設置された医療システムや介護システムも対象となり、本発明を適用したソフトウェアがこれらに組み込まれて使用されるものでもよい。
本発明を適用したソフトウェアは、アプリケーションソフトウェアとしてタブレット端末3にダウンロードされて組み込まれており、バイタル情報のスコアリング機能及びスコア値の判定機能を備えたタブレット端末を健康状態判定装置1とする。
なお、以下では、健康状態判定装置1の使用者、即ち、健康状態が判定される人物を「対象者」と呼ぶものとする。
図1に示すように、健康状態判定装置1(タブレット端末3)は、演算部2を備えている。演算部2は、健康状態判定装置1の有する各情報処理機能を実行する処理部である。即ち、本発明を適用したソフトウェアでは、タブレット端末3の演算部2を情報入力手段23、情報記録手段24、基準算出手段5、スコアリング処理手段100、判定処理手段6等として機能させる。この各手段の処理機能により、情報の送受信、情報の記録、バイタル情報の内容に基づくスコアリング、スコアリング条件(スコアリング基準情報、基準域条件)の設定、スコア値情報における異常の判定、スコア値に関する異常の判定基準(スコア判定条件)の設定、スコア値に関する判定結果の通知、バイタルサインの値における異常の判定、バイタルサインの値に関する異常の判定基準の設定、バイタルサインの値に関する判定結果の通知、表示情報の作成や表示等を行う。なお、タブレット端末3は、インターネットを介して、外部のサーバ、端末等にアクセス可能であり、外部のサーバや端末等との間で情報の送受信を行うことも可能である。情報記録手段24、基準算出手段5、スコアリング処理手段100、判定処理手段6は、それぞれ本願請求項の「情報記録手段」、「基準算出手段」、「スコアリング処理手段」及び「スコア判定手段」の一例である。
タブレット端末3は、情報記録部4と、情報送受信部3cと、入力部3aと、表示部3bを有している。
情報送受信部3cは、演算部2、情報記録部4、入力部3a及び表示部3b等の間での情報の送受信を担う部分である。また。タブレット端末3と、外部端末との間で情報の送受信可能に構成されるものであってもよい。
ここで、以下、本発明を適用したソフトウェアが取り扱う各情報が、必ずしも、タブレット端末3の情報記録部4に記録される必要はない。例えば、タブレット端末3の情報送受信部3cを介して、外部サーバや外部端末に各種情報を送信して記録させ、判定等の際に、外部サーバ等から必要な情報を受信する態様であってもよい。
更に言えば、タブレット端末3に、健康状態判定装置1の主要な構成が全てダウンロードされる必要はない。例えば、タブレット端末3では、判定結果の情報や熱型表等の表示情報の表示のみを行い、各種情報の記録及び判定処理等は外部サーバ等で行う態様であってもよい。
本発明を適用したソフトウェアは、システム上の構成において、複数のバリエーションが存在しうる。以下、幾つかのバリエーションの事例を説明する。
(第1のシステム構成)
図1に示したタブレット端末3の概略構成は、本発明を適用したソフトウェアを端末に導入して、端末単体で、バイタル情報の入力、記録、スコア値の表示、スコア値の判定、スコア値の判定結果の表示、スコアリング条件の設定、スコア値の判定算出基準の設定、アラートの通知が可能となっている。即ち、装置単体で本発明の機能を実行しうるものである。図1に示す概略構成は、インターネット環境と接続されていない「スタンドアローン形式」の装置における、本発明を適用したソフトウェアの利用を示している。インターネット環境と接続されない情報処理機器、例えば、各種のヘルスケア機器や、病院等の医療システム・介護システムに本発明のソフトウェアを導入して、専用機器として利用することができる。なお、ここではタブレット端末3を情報処理機器の一例として挙げたため、インターネット環境との接続が可能となるが、図1に示す構成であれば、タブレット端末3の内部機能のみで、健康状態の判定を行うことができる。
(第2のシステム構成)
図2では、第2のシステム構成として、本発明を適用したソフトウェア1aの機能を外部サーバに持たせた構成も採用しうる。ここでは、ユーザ端末50aや、外部端末50bが、インターネット30aを介して、情報管理サーバ32aにアクセス可能となっている。情報管理サーバ32aは、例えば、クラウド形式で提供される外部サーバであり、情報管理サーバ32a上で本発明を適用したソフトウェア1aの機能が利用しうる。
情報管理サーバ2aは、情報記録部4a、情報送受信部3c、演算部2aを有している。また、演算部2aは、基準算出手段5a、情報記録手段24a、スコアリング処理手段100a、判定処理手段6aを有している。バイタル情報の入力は、ユーザ端末50aや、外部端末50bを介して行い、各端末から入力された情報が情報管理サーバ32aに送信され、情報管理サーバ32a側で情報の記録、スコア値の判定がなされる。スコア値の判定結果や、記録された情報は、ユーザ端末50aや、外部端末50bに送信され、各端末で確認することができる。このように、外部サーバ上にソフトウェア1aの機能を付与するシステム構成も採用しうる。
(第3のシステム構成)
図3では、第3のシステム構成として、本発明を適用したソフトウェア32bの機能以外に、複数のソフトウェア32c、32d等を有するモジュールAを備える管理端末70bの構成を示している。本発明を適用したソフトウェア32bは、これとは異なる各種機能を管理端末70bに実行させる他のソフトウェアと共に、1つのモジュールAを構成している。即ち、予め複数のソフトウェア32c、32d等が導入された管理端末70bのモジュールAに、ソフトウェア32bを組み込んで機能させることが可能である。例えば、電子カルテ等の医療システムの管理端末が備えるモジュールに本発明を適用したソフトウェアを組み込むこともできる。
このような第3のシステム構成では、管理端末70bにバイタル情報を入力して、スコアリング及びスコア値の判定を行い、結果の情報を管理端末70b上で確認することができる。また、ユーザ端末60aや、外部端末60bと、管理端末70bを接続させて、ユーザ端末60aや、外部端末60bからバイタル情報を入力して管理端末70bに送信し、管理端末70bでスコアリング及びスコア値の判定を行い、結果の情報をユーザ端末60aや、外部端末60bで受信して確認することもできる。このように、本発明を適用したソフトウェアは、複数のソフトウェアで構成されたモジュールの一部として機能させる構成も採用しうる。
以上のように、本発明を適用したソフトウェア(又は健康状態判定装置)のシステム上の構成は複数のバリエーションが存在する。なお、上記では、3つの例を中心に説明したが、本発明を適用したソフトウェア(又は健康状態判定装置)の構成はこれに限定されるものではない。例えば、情報記録部をユーザ端末に設けて、基準算出手段、スコアリング処理手段及び判定処理手段は外部サーバに持たせて、必要な機能の所在を端末とサーバに分ける構成であってもよい。即ち、対象者のバイタル情報が記録され、個体内変動を反映した判定基準(スコアリング条件、バイタル判定用数値範囲)が設定され、健康状態の判定が可能であれば、種々の構成が採用しうる。
図1に示したタブレット端末3の使用態様を用いて、以下、詳細な構成の説明を続ける。
[2.情報記録部]
図4に示すように、情報記録部4には、各種情報が記録されている。
情報記録部4は、対象者の個人情報や、各種のバイタル計測器で測定されたバイタルサインの値、及び、対象者の介護者等が観察して得られた意識レベルの評価結果から構成されたバイタル情報を、測定日時又は取得日時の情報と共に記録する部分である。情報記録部4に記録された各種の情報はタブレット端末3が有する入力部3a、情報送受信部3c及び情報入力手段24(図示せず)を介して入力や情報の修正が可能となっている。また、情報記録部4に記録された各種の情報はタブレット端末3が有する表示部3b及び情報送受信部3cを介して、その内容を確認可能となっている。
情報記録部4は、対象者の個人情報7、各バイタル計測器で計測したバイタルサインの測定値と、対象者に対する観察から得られた意識レベルの評価結果、及びその測定日時又は取得日時の情報を含むバイタル情報8が記録されている。また、個人情報7及びバイタル情報8は、個別の対象者を識別可能な識別情報と紐付けられて記録可能に構成されている。これにより、複数の対象者が識別可能となり、複数の対象者が1つの健康状態判定装置1を使用可能となっている。
バイタル情報8には、バイタルサインである体温、脈拍、収縮期血圧、拡張期血圧、脈圧及び呼吸数の測定値が含まれている。また、バイタル情報8には、酸素飽和度の測定値が含まれている。更に、バイタル情報には、上述した意識レベルの評価結果が含まれている。なお、バイタルサインとは、上述した各内容の他、尿量の値等を含んだものを指す場合もある。
また、バイタル情報8に含まれる測定日時又は取得日時とは、対象者がバイタル計測を行った日時や、意識レベルの確認を行った日時であり、例えば、対象者が自身でバイタル計測を行った際に確認した時間や、介護者等が対象者を観察した時間を入力するものである。
また、バイタル情報8は、後述するバイタル除外基準情報200の条件を満たさないバイタル情報8aと、バイタル除外基準情報200の条件を満たすバイタル情報8bとが含まれている。このバイタル情報8aと、バイタル情報8bとは、両者を区別してスコアリング基準情報102の作成に用いることができる。
また、バイタル情報8aと、バイタル情報8bとの分類は、バイタル除外基準情報200に含まれる複数の条件について、その選択または組み合わせによって、適宜区別することができる。
即ち、単一のバイタル除外条件だけで、バイタル情報8aと、バイタル情報8bに分類することもできる。また、複数のバイタル除外条件の中から、2つ以上を組み合わせて、各条件を全て満たす情報をバイタル情報8bとし、それ以外の情報をバイタル情報8aとすることも可能である。
また、このようにバイタル除外基準情報200で分類されたバイタル情報のうち、バイタル情報8aから、スコアリング基準情報102の1つである基準域条件220(μ±nσ)が算出される。
即ち、正規分布に従うバイタルサインである体温、血圧、脈拍、脈圧及び呼吸数についてスコアリングを行う際の基準となる基準域条件220は、所定のバイタル除外条件200の条件を満たさないバイタル情報8aのみから算出され、その算出根拠からは、バイタル除外基準情報200の条件を満たすバイタル情報8bが除外される。
また、バイタル情報8には、スコア判定基準情報18に基づき、スコア値情報103の合計点につき、その値が、異常な値であると判定された根拠となった、バイタルサインの値が含まれる。即ち、バイタル情報8には、スコア値情報103が正常と判定された際のバイタルサインの値だけでなく、スコア値情報103が異常と判定された際のバイタルサインの値も含まれている。
ここで、必ずしも、バイタル情報8に、スコア値情報103が異常と判定された際の根拠となったバイタルサインの値と、バイタルサインの測定値が異常と判定された値が含まれる必要はなく、後述するように、少なくとも30個分の測定データのバイタル情報として、個体に固有の個体内変動が反映されるものとなっていれば充分である。
また、必ずしも、バイタル情報8の種類が体温、脈拍、収縮期血圧、拡張期血圧、脈圧、呼吸数、酸素飽和度の測定値及び意識レベルの評価結果に限定される必要はなく、その他のバイタルサインを含み、スコアリングを行って、スコア値の合計点により、異常の有無の判定を行ってもよい。例えば、尿量、体重、痛み(痛みの有無や程度)、その他の病状異常をバイタル情報に含めることができる。但し、上述したバイタルサインは、最も代表的なバイタルサインであり、バイタル情報の取得も簡易なため、採用されることが好ましい。更に、上記のうち、バイタルサインの体温、脈拍、収縮期血圧、拡張期血圧、脈圧及び呼吸数の測定値は、同一の対象者で取得した場合に、正規分布に従うものとなり、正規分布に基づくスコアリング条件が設定可能となるため、特に採用されることが好ましい。
また、バイタル情報のうち、バイタルサインの値を計測するバイタル測定器は、特に限定されるものではなく、体温、脈拍、収縮期血圧、拡張期血圧、呼吸数及び酸素飽和度が測定可能であれば充分である。例えば、家庭用のバイタル測定器を使用してバイタルが計測されるものでもよい。更に言えば、バイタルサインの値が測定可能であれば、バイタル測定器を使用することは必須ではない。例えば、時計で時間を測定しながら、1分間あたりの脈拍数や呼吸数を測定して、これをバイタル情報として利用することも可能である。但し、正規分布に従う体温、脈拍、収縮期血圧、拡張期血圧及び呼吸数の測定値の個体内変動を正確に捉える観点からは、バイタルサインの値は同一の手法で取得されることが好ましい。日々の測定において、バイタル測定器の種類を頻繁に変更したり、バイタル計測機による測定と、バイタル計測機を用いない測定が混在したりすることで、バイタルサインの測定方法によるバイアスがかかってしまう。そのため、なるべく、同一の手法又は同一のバイタル測定器でバイタルサインの値を測定することが好ましい。
バイタル情報8(バイタル情報8a)は、幅広くは1秒ごとのバイタル情報8を記録可能に構成されている。また、バイタル情報8は、例えば、1分ごと、1時間ごと等、異なる時間間隔で記録するように設定することもできる。
また、バイタル情報8(バイタル情報8a)は、一定間隔ごとの測定ではなく、不規則な時間で測定した測定値を記録する構成も採用しうる。また、この不規則な測定の場合、例えば、1分間に少なくとも30個分のバイタル情報8を取得する、30分間に少なくとも30個分のバイタル情報8を取得する、1時間に少なくとも30個分のバイタル情報8を取得する、数時間に少なくとも30個分のバイタル情報8を取得する、1日に少なくとも30個分のバイタル情報8を取得する、数日中に少なくとも30個分のバイタル情報8を取得する、1週間に少なくとも30個分のバイタル情報8を取得する、数週間中に少なくとも30個分のバイタル情報8を取得する、1か月中に少なくとも30個分のバイタル情報8を取得する等、一定の期間で、少なくとも30個のバイタル情報8(バイタル情報8a)を記録する構成としてもよい。
更に、バイタル情報8(バイタル情報8a)は、一定間隔、又は、不規則な間隔に関わらず、蓄積したバイタル情報の中から、ランダムに少なくとも30個分のデータを抽出して、「30個分の測定データのバイタル情報8」として記録することもできる。
このように、バイタル情報8(バイタル情報8a)は、時間の長さや測定間隔の規則性の有無に関わらず、少なくとも30個分の測定データを記録可能に構成されている。
また、情報記録部4には、対象者がバイタル情報の測定及び取得を行う目安となる時刻の情報である目安時刻情報9が記録可能となっている。目安時刻情報9は、例えば、朝の8時30分、夕方の18時のように、対象者のバイタル情報の測定及び取得を行う目安の時刻が記録される。目安時刻情報9は、自由に設定及び修正することができる。
情報記録部4には、各バイタルサインの値を計測する際の正しい姿勢の情報である姿勢情報10が記録されている。姿勢情報10とは、例えば、以下のようなものである。
(1)体温
例えば、体温を脇下で測定する体温計で体温を測定する場合、「体温計の測定部が脇の中心に位置しているか」、「脇と体温計が密着しているか」、「毎回同じ姿勢となっているか」等の姿勢の情報である。
(2)脈拍
例えば、手首で電子脈拍計又は指を当てて脈拍数を測定する場合、「安静な状態であるか」、「リラックスした楽な姿勢であるか」、「毎回同じ姿勢となっているか」等の姿勢の情報である。
(3)収縮期血圧、拡張期血圧
例えば、血管の振動で測るオシロメトリック法で測定する場合、「安静な状態であるか」、「腕帯を巻き付けた腕や手首が心臓の高さに位置しているか」、「毎回同じ姿勢となっているか」等の姿勢の情報である。
後述するが、基準算出手段及びスコアリング処理手段によるスコアリング条件の算出や、このスコアリング条件の算出に利用するバイタル平均値、バイタル標準偏差の算出の処理において利用する一定のデータ数(少なくとも30個分)が記録されていれば、バイタル情報の記録回数は限定されるものではない。また、バイタル情報8が毎秒、毎分、毎時、毎日等、一定間隔で常に記録される必要はなく、バイタル情報8が記録されない時が存在してもよい。ここで、同一個体の個体内変動を適切に捉える観点から、幅広くは1秒ごとのバイタル情報を記録する態様がよく、1日に1回〜24回のバイタル情報が記録される構成であってもよい。
また、必ずしも、情報記録部4に目安時刻情報9が記録される必要はない。但し、目安時刻情報9を記録することで、適切と思われる時間帯でバイタル情報を計測及び取得しやすいものとなる。また、目安時刻になった際に、対象者や介護者にその旨を通知する態様とすることもできる。
また、必ずしも、情報記録部4に姿勢情報10が記録される必要はない。但し、姿勢情報10を記録することで、各バイタルサインの測定の際に姿勢情報10を表示しながら、適切な姿勢での測定を対象者に促すことができる。
また、各バイタルサインの測定方法や姿勢情報10の内容は上述したものに限定されるものではなく、バイタル測定方法や、これに適した姿勢情報10の内容は、適宜変更することができる。
情報記録部4には、バイタル情報の測定及び取得を行った場所の気温情報11が記録可能となっている。気温情報11は、バイタル情報8の測定時や取得時の記録と紐付けて記録される。気温情報11は、例えば、対象者が測定場所の気温を確認して入力する情報が採用される。
ここで、必ずしも、情報記録部4に、バイタル情報の測定及び取得を行った場所の気温情報11が記録可能とされる必要はない。但し、気温情報11を記録することで、バイタル情報の測定及び取得を行った環境が適切な場所であったか否かを確認することが可能となる。
図4に示すように、情報記録部4には、入力される各バイタル情報をスコアリング処理手段100でスコアリングする際の基準となる基準域条件220及びスコアリング基準情報102が記録されている。また、情報記録部4には、スコアリング基準情報102に基づきスコアリングされた結果の数値の情報であるスコア値情報103が記録されている。
また、情報記録部4には、入力されたバイタル情報の内容から得られた、複数のバイタルサインからスコアリングされた各スコア値情報103の合計点を、判定処理手段6で、その値(合計点)が異常な値か否かを判定する際の基準となるスコア判定基準情報18が記録されている。
後述するスコアリング基準情報102及びスコア判定基準情報18は、タブレット端末3の入力部3a、情報送受信部3c及び演算部2の情報入力手段24を介して情報の追加や修正が可能となっている。また、各スコアリング基準情報102はタブレット端末3の表示部3bを介して、その内容を確認可能となっている。なお、スコアリング基準設定手段101における各基準の詳細な内容は後述する。
情報記録部4には、判定処理手段6が、複数のバイタルサインからスコアリングされた各スコア値情報103の合計点について、異常な値か否かと判定した判定結果の情報であるスコア判定結果情報12が記録されている。タブレット端末3の表示部3bを介して、その内容を確認可能となっている。また、スコア判定結果情報12は、異常又は正常による表示だけでなく、点数に応じた色分けで判定結果を示すことができる。
また、情報記録部4では、バイタル情報8として、バイタル情報の測定及び取得に関して、再度の測定等を行った際のバイタル情報及び測定時の日付の情報である再測定バイタル情報13が記録可能となっている。
再測定バイタル情報13とは、入力されたバイタル情報が、バイタル除外基準情報200として設定された、バイタル除外条件を満たす際に、バイタル情報の正確性を確認するために行った再度の計測のバイタル情報である。
また、再測定バイタル情報13は、例えば、バイタル情報について得られたスコア値に関して、判定処理手段6が異常な値と判定した際に、バイタル情報の正確性を確認するために行った再度の計測のバイタル情報が含まれていてもよい。
また、各バイタル情報をタブレット端末3の表示部3bに表示する際には、再測定をせずに記録された通常のバイタル情報と、再測定の対象となったバイタル情報と、再測定した後のバイタル情報について、3つのパターンのバイタル情報を示す文字の色を異ならせて表示可能に構成されている。
ここで、必ずしも、情報記録部4に、スコア判定結果情報12が記録可能とされる必要はない。但し、過去のバイタル情報の判定結果を確認可能となり、また、判定精度を高めるための参考情報として利用できる点、医師の診断結果との照合や、医療システムとの連動にも利用しうる情報となる点から、情報記録部4に、スコア判定結果情報12が記録可能とされることが好ましい。
また、必ずしも、情報記録部4において、再測定バイタル情報13が記録可能とされる必要はない。但し、バイタル情報の正確性を担保することに繋がる点や、再測定バイタル情報13を用いて、バイタル測定が正確であったか否かを検証可能となる点から、情報記録部4において、再測定バイタル情報13が記録可能とされることが好ましい。
[3.基準算出手段]
基準算出手段5について説明する。基準算出手段5は、本発明を適用したソフトウェアが演算部2に実行させる機能の1つであり、情報記録部4に記録されるバイタル情報(入力されるバイタル情報)についてスコア値情報103を算出するためのスコアリング基準情報102となる数値範囲の算出や、このスコアリング基準情報102となる数値範囲の算出に利用するバイタル平均値、バイタル標準偏差の算出の処理を行う。
また、基準算出手段5は、バイタル除外基準情報200として設定されたバイタル除外条件に基づき、体温、脈拍、収縮期血圧、拡張期血圧、脈圧、及び呼吸数の測定値について、バイタル除外条件を満たすバイタル情報8bと、バイタル除外条件を満たさないバイタル情報8aに分け、バイタル情報8aを用いて、スコアリング基準情報102となる数値範囲(基準域条件220)を算出する。
健康状態判定装置1においては、体温、脈拍、収縮期血圧、拡張期血圧、脈圧、及び呼吸数の測定値について、基準域条件220がスコアリングの際の基準となる。
演算部2を基準算出手段5として機能させて算出又は記録された各種の情報は、タブレット端末3の入力部3a、情報送受信部3c及び演算部2の情報入力手段24を介して情報の追加や修正が可能となっている。また、演算部2を基準算出手段5として機能させて算出又は記録された各種の情報はタブレット端末3の表示部3bを介して、その内容を確認可能となっている。
図4には本発明を適用したソフトウェアが演算部2に実行させる機能を記載している。演算部2は、基準算出手段5を構成する平均値算出手段14、標準偏差算出手段15、正規分布算出手段16、スコアリング基準設定手段101、バイタル除外基準設定手段110として機能する。
また、平均値算出手段14及び標準偏差算出手段15は、情報記録部4に記録されたバイタル情報8a(体温、脈拍、収縮期血圧、拡張期血圧、脈圧及び呼吸数の測定値)及びその再測定バイタル情報13aに基づき、バイタル除外基準情報200として設定されたバイタル除外条件下の記録情報から、「除外後のバイタル情報の平均値」と、同条件下のバイタル情報を統計した分布における「除外後のバイタル情報の標準偏差」を、それぞれ算出する。
なお、以下では、特別な算出を行う種類の平均値や標準偏差の名称を指す場合以外には、「除外後のバイタル情報の平均値」を「バイタル情報平均値」と呼び、また、「除外後のバイタル情報の標準偏差」を「バイタル情報標準偏差」と呼ぶものとする。なお、バイタル除外条件については後述する。また、再測定バイタル情報13aとは、再測定したバイタル情報であり、かつ、設定したバイタル除外条件を満たさないバイタル情報である。
また、平均値算出手段14及び標準偏差算出手段15は、情報記録部4に記録されたバイタル情報8(体温、脈拍、収縮期血圧、拡張期血圧、脈圧及び呼吸数の測定値)及びその再測定バイタル情報13に基づき、所定の条件下の記録情報から、同条件下の「バイタル情報の平均値」と、同条件下のバイタル情報を統計した分布における「バイタル情報の標準偏差」を、それぞれ算出する設定とすることも可能である。
また、平均値算出手段14及び標準偏差算出手段15は、情報記録部4に記録されたバイタル情報8aについて、スコア値情報103の合計点が、スコア判定基準情報18に基づき、異常な値であると判定された際の根拠となるバイタルサインの値も含めて、バイタル情報平均値及びバイタル情報標準偏差の算出を行ってもよい。
平均値算出手段14及び標準偏差算出手段15の算出の際に採用される「所定の条件」は、通常、判定時点を起点に30個分のバイタル情報8a(体温、脈拍、収縮期血圧、拡張期血圧、脈圧及び呼吸数の測定値)を利用する方法が採用されている。この期間のバイタル情報とは、判定時点の測定データを含めて過去30個分のバイタル情報8a及び再測定バイタル情報13aである。
ここで、過去30個分の設定は、上述したように、幅広くは1秒ごとに測定したバイタル情報のデータであり、この他にも、1分ごと、数分ごと、1時間ごと、1日ごと、1か月ごとに測定したバイタル情報のデータのように、時間の長さが異なるものが採用しうる。また、不規則に取得されたデータを、過去30個分抽出するようにしてもよい。この際、単純に、取得された順番を遡るように30個分抽出する方法でもよい。また、不規則に取得されたデータに対して、何等かの抽出条件を設定して30個分抽出する方法でもよい。抽出条件は、例えば、所定の1時間の範囲内から30個分抽出するとの条件や、バイタル情報同士の取得時間の間隔が、一定の条件を満たす(間隔が最低5分以上ある、又は、間隔が1時間以内である等)条件も考えられる。更に、一定間隔で規則的に測定したバイタル情報8aに対して、ランダムに、30個分のバイタル情報8aを選択して抽出する方法であってもよい。過去30個分の抽出条件は、必要に応じて、適宜設定可能である。どのような取り方をしても、少なくとも30個分のバイタル情報8aが抽出できれば、個体内変動を反映した正規分布が得られ、スコアリング基準情報102(基準域条件220)に利用することができる。
また、上述したように、バイタル情報8aとして、幅広くは1秒ごとのバイタル情報8aを記録可能に構成されている。また、バイタル情報8aは、例えば、1分ごと、1時間ごと等、異なる時間間隔で記録するように設定することもできる。更に、不規則に、1日に複数回測定したバイタル情報が記録可能に構成されている。演算部2が平均値算出手段14及び標準偏差算出手段15として機能して、バイタル平均値及びバイタル標準偏差を算出する際には、適宜、設定した条件で、バイタル平均値及びバイタル標準偏差を算出することができる。例えば、30個分のバイタル情報を抽出する条件が設定されていれば、抽出した30個分のバイタル情報から、バイタル平均値及びバイタル標準偏差を算出することができる。
また、平均値算出手段14及び標準偏差算出手段15は、入力された対象者のバイタル情報に基づくスコア値情報103又はバイタルサインの値の判定時点において、都度、その判定時点より前に記録されたバイタル情報8a及び再測定バイタル情報13aを参照して、その判定時点のバイタル情報平均値及びバイタル情報標準偏差の算出を行う。これにより、判定処理手段6(又はスコア処理手段100)が利用する基準が、判定時点ごとに改められるものとなり、各バイタルサインのバイタル情報に基づくスコア値情報103の合計点が、異常な値であるか否かの判定、及び、バイタルサインの値が異常な値であるか否かの判定に、対象者のバイタル情報の個体内変動を反映しやすいものとなる。
また、バイタル情報8aを利用する個数が30個分以上の数であり、更に多い数、例えば、90個以上等、より多くの数のバイタル情報を利用する構成であってもよい。なお、個体内変動を捉えるための最低の個数として、30個分以上のデータ数となることが好ましい。
この平均値算出手段14及び標準偏差算出手段15の算出の際に採用する「所定の条件」として、例えば、「90日間」を採用した場合には、この算出期間は、例えば、図5に示すような時間経過とともに90日間の範囲が1日ずつ移動する設定にすることができる。即ち、ある測定日(判定日)における算出に利用する90日の期間は、その測定日を含めて、測定日の90日前から測定日までの範囲(符号A)で示すものとなる。また、測定日の1日前において算出に利用された「所定の条件」は、測定日の91日前から測定日の1日前の日までの範囲(符号B)で示すものとなる。更に、測定日の2日前において算出に利用された「所定の条件」は、測定日の92日前から測定日の2日前の日までの範囲(符号C)で示すものとなる。このように、「所定の条件」の90日間の範囲は、時間の経過(符号Tの矢印の方向)と共に、1日ずつ移動する設定とすることができる。この点は、異なる時間の長さ(例えば、数分、数時間、1日の中)で、30個分のデータ数として利用する場合にも同様である。
また、平均値算出手段14及び標準偏差算出手段15の算出の際に採用される「所定の条件」は、判定時点を含めて30個分のバイタル情報が利用されるように設定されているが、必ずしも、判定時点が起点となる必要はない。例えば、判定時点を除いて、「判定時点の前のデータ」を起点に30個分のバイタル情報が利用される設定も採用しうる。但し、判定時点を含めることで、直近の同一個体の状態を反映可能となり、その個体の個体内変動が捉えやすくなる点から、平均値算出手段14及び標準偏差算出手段15の算出の際に採用される「所定の条件」は、判定時点を含めて30個分のバイタル情報が利用されることが好ましい。
また、平均値算出手段14及び標準偏差算出手段15の算出の際に採用される「所定の条件」は、必ずしも連続した日付(個数)で計測されたバイタル情報である必要はない。例えば、対象者がバイタル測定を行っていない日(タイミング)があり、バイタル情報の記録がない日(タイミング)が存在するケースでは、所定の条件の日数(個数)が「合計で30日(30個分)」となるものであってもよい。
例えば、図6の符号A(黒丸の図形)で示すように、毎日継続して、1日に午前と午後の2回バイタル情報を記録して、全ての情報を平均値算出手段14及び標準偏差算出手段15の算出に利用している。
ここで、本発明では、設定した個数分のバイタル情報のデータ数が揃うのであれば、必ずしも、毎秒、毎分、毎時、毎日等、連続的に取得されたバイタル情報である必要はない。図6の符号B(バツの図形)や、符号C(白抜き三角)で示すバイタル情報のように、バイタル情報を取得した日(タイミング)が非連続的であり、数日(数回)に1回取得される態様であってもよい。更には、連続的なバイタル情報の記録が存在した状態で、設定した条件に基づいて部分的に抽出する態様であってもよい。設定した条件とは、例えば、毎週月曜日のバイタル情報のみ抽出する、午前中に取得したバイタル情報のみ抽出する、指定した日付のみ抽出するといったような内容である。
正規分布算出手段16は、所定の条件におけるバイタル情報の平均値及び標準偏差から正規分布を算出する部分である。対象者の各判定時点における正規分布を算出可能であり、算出した正規分布は、その確立密度関数をグラフ化した正規分布曲線が作成され、この正規分布曲線がタブレット端末3の表示部3bに表示される構成となっている。
スコアリング基準設定手段101は、平均値算出手段14及び標準偏差算出手段15と連動して、各算出部から算出されたバイタル平均値及びバイタル標準偏差に基づき、スコアリング処理手段100がスコアリングに用いるスコアリング基準情報102、基準域条件220を作成する。作成されたスコアリング基準情報102、基準域条件220は情報記録部4に記録される。
より詳細には、スコアリング基準設定手段101は、平均値算出手段14、標準偏差算出手段15、正規分布算出手段16と連動して、対象者から測定された体温、脈拍、収縮期血圧、拡張期血圧、脈圧及び呼吸数の測定値に対して、各算出手段から算出されたバイタル平均値及びバイタル標準偏差に基づき、スコアリングに用いるスコアリング基準情報102、基準域条件220を作成する。なお、スコアリング基準情報102としては、バイタル情報平均値及びバイタル情報標準偏差を用いた基準域条件220(μ±nσ)とは別に、予め設定しておく一定の数値範囲の基準が用いられてもよい。
また、スコアリング基準情報102には、各算出手段の算出結果だけでなく、酸素飽和度の測定値に対してスコアリングする際に用いる、予め設定しておく一定の数値範囲の情報や、意識レベルの程度を区別可能な所定の観察状態の内容の情報も含まれている。
より詳細には、対象者から測定された酸素飽和度の測定値に対しては、タブレット端末3の入力部3aから所定の数値範囲を入力しておき、スコアリング基準情報102として設定することができる。設定されたスコアリング基準情報102は情報記録部4に記録される。
また、対象者から取得された意識レベルの評価結果に対しては、意識レベルの程度を区別可能な所定の観察状態の内容を入力しておき、スコアリング基準情報102として設定することができる。設定されたスコアリング基準情報102は情報記録部4に記録される。なお、バイタル平均値、バイタル標準偏差、最頻値及びスコアリング基準情報102の算出の詳細や、複数の項目から構成されるスコアリング基準情報102の設定については、後述する。
[4.スコアリング処理手段]
スコアリング処理手段100について説明する。スコアリング処理手段100は、本発明を適用したソフトウェアが演算部2に実行させる機能の1つであり、タブレット端末3の入力部3aを介して入力された判定時点のバイタル情報8aについて、平均値算出手段14、標準偏差算出手段15の処理情報や、予め設定した基準を含むスコアリング基準情報102、基準域条件220に基づき、バイタル情報の内容に応じたスコア値情報103(点数の情報)、複数のバイタルサインの各スコア値情報の合計点を算出する処理を行う。
スコアリング処理手段100にて算出されたスコア値情報103及び各スコア値情報の合計点は、上述したように、情報記録部4に記録される。その際、スコア値情報103及び各スコア値情報の合計点は、個体を識別可能な識別情報や、スコア値の算出基準となった情報に紐付けられて記録される。スコアリング処理手段100は、情報記録部4及び基準算出手段5と連動して、スコア値情報103及び各スコア値情報の合計点を出す構成となっている。
また、スコア値情報103及び各スコア値情報の合計点は、タブレット端末3の表示部3bを介して、その内容を確認可能となっている。また、スコア値情報103及び各スコア値情報の合計点は、タブレット端末3の表示部3bだけでなく、タブレット端末3の情報送受信部3cを介して外部のサーバや、外部の端末にスコア判定結果情報12を送信して、これらの画面等でも確認することもできる。
[5.判定処理手段]
判定処理手段6について説明する。判定処理手段6は、本発明を適用したソフトウェアが演算部2に実行させる機能の1つであり、タブレット端末3の入力部3aを介して入力された判定時点のバイタル情報がスコアリング処理手段100によってスコアリングされた各バイタルサインのスコア値情報103の合計点に対して、スコア判定基準情報18に基づき、スコア値情報103の合計点が異常な値であるか否かについて判定の処理を行う。
判定処理手段6にて判定された判定結果であるスコア判定結果情報12は、上述したように、情報記録部4に記録される。また、スコア判定結果情報12はタブレット端末3の表示部3bを介して、その内容を確認可能となっている。また、スコア判定結果情報12は、タブレット端末3の表示部3bだけでなく、タブレット端末3の情報送受信部3cを介して外部のサーバや、外部の端末にスコア判定結果情報12を送信して、これらの画面等でも確認することもできる。
また、スコア判定結果情報12は、タブレット端末3の表示部3b上への表示を行うだけでなく、アラート通知手段120(図4参照)を介して、スコア判定結果情報12が出されたことを通知する通知音やメールメッセージで、対象者に通知する構成とすることができる。
また、アラート通知手段120は、例えば、スコア判定結果情報12の内容につき、「警告(例えば、スコア値情報103の合計点が2点以上)」の結果となった際にのみ、警報を通知する設定とすることができる。これにより、複数のバイタルサインのスコア値情報103の結果に基づき、対象者が異常であると判断された場合にだけ、外部に警報が通知されるものとなり、異常検知の精度を高めつつ、不用意に警報が通知されない仕組みとすることができる。なお、アラート通知手段120が警報を通知する設定については、適宜設定変更することができる。
続いて、本発明を適用したソフトウェアを機能させる際に使用する装置や、入力画面の具体的な内容について説明する。
例えば、図7(a)に示すように、バイタル情報の取得は、ウェアラブル型のバイタル測定器21aや、体温計21b等で行い、これらで計測した測定値を、測定した時間の情報と共に、タブレット端末3の表示部3bに表示された画面を介して入力する。表示部3b上には、タッチパネル形式の入力部3aが表示され、ここにバイタル情報を入力する。本発明を適用したソフトウェアが導入されたタブレット端末3(第1のシステム構成)であれば、端末単体で、情報の記録、健康状態の判定、判定結果の表示が可能となる。
また、図7(b)では、バイタル情報をスマートフォン端末22aや、パーソナルコンピュータ端末22b(以下、「PC端末22bと称する)から、上述の第2のシステム構成で述べた外部サーバである情報管理サーバ32aにアクセスして、スマートフォン端末22aやPC端末22bからバイタル情報の入力を行うこともできる。各端末から送信されたバイタル情報に基づき、情報管理サーバ32aで健康状態の判定がなされ、その結果の情報が各端末に送信され、各端末の画面で結果の情報が表示される。
また、タブレット端末3、スマートフォン端末22a及びPC端末22bの入力画面として、図8及び図9に示す画面を示す。図8及び図9は、病院の患者や、介護施設等の入居者を健康状態の判定対象とする際に利用する入力画面の例である。図8では、一人分の対象者の入力項目と、数字を表示したテンキー領域が表示される。対象者及び担当スタッフの氏名表示欄と、体温、血圧(上下)、脈拍、酸素濃度、体重、呼吸数における計測データの入力欄が設けられている。各バイタルサインの値は、テンキー領域をタッチパネルや、画面上でのカーソル操作で入力しうる。
また、図8の画面表示では、食事、排尿、排便、観察・問診の項目が設けられ、バイタルサインの値以外に、対象者の健康状態を確認する複数の項目が設けられている。これらの健康状態を確認する複数の項目を記録することで、対象者の日々の健康状態の記録が残せるものとなる。入力された情報は、送信ボタンをタッチ又はクリックすることで、装置内部の情報記録部4に記録される、又は、外部の情報管理サーバ32a(サーバの情報記録部)に送信される。
図9に示す入力画面では、画面右側に複数のバイタルサインの計測データの入力欄と、対象者が自身で判断した体調の正常又は異常の選択項目が設けられている。また、自覚症状、他覚症状、熱型表を選択して、更なる体調の情報の入力や、対象者のバイタルの継時的な変化が確認できる構成となっている。
また、図9の画面では、複数の対象者の氏名が表示され、名前の欄を選択することで、選択された対象者の画面が表示可能となる。また、バイタルサインの値の入力時の時間の情報が、同時に入力される。更には、バイタルサインの値の入力画面以外に、情報の登録に関する項目や、排泄、食事等の提供する介護の項目についての情報の記録や表示が可能となっている。
このように、本発明のソフトウェアを利用する際の入力画面は、病院の患者や、介護施設等の入居者を対象者として、関連する項目と合せて、入力や情報の表示が可能なものにできる。また、入力画面の表示は、介護者等に関連付けられた内容に限定されるものではなく、例えば、健康管理のアプリケーションソフトウェアとして、各バイタルサインの値の入力や記録と、体重等の情報の管理とを組み合わせた画面構成でもよい。即ち、健康な対象者が、日常的な健康管理に使用する態様とすることもできる。
続いて、バイタル情報から得られたスコア値情報に対する具体的な判定の方法について説明する。
[6.バイタル平均値等の算出、スコアリング及び異常の判定について]
[6−1.体温、脈拍、収縮期血圧、拡張期血圧、脈圧、呼吸数の測定値について]
バイタルサインのうち、体温、脈拍、収縮期血圧、拡張期血圧、脈圧、呼吸数の測定値については、設定したバイタル除外基準情報200の内容を構成するバイタル除外条件に基づき、入力されたバイタルサインの測定値が、バイタル情報8a及びバイタル情報8bに分類される。
このバイタル除外基準情報200は、1種類のバイタル除外条件、または、2種類以上のバイタル除外条件で構成される。設定するバイタル除外条件の内容及び組み合わせは、目的に応じて適宜設定可能である。
入力されたバイタルサインの値は、設定されたバイタル除外条件を満たすバイタルサインの値が除外されて、バイタル情報8aが抽出される。なお、除外されたバイタルサインの値は、バイタル情報8bとなる。バイタル情報8a及びバイタル情報8bは、情報記録部4に記録される。
このバイタル情報8aは、対象者の正常域に含まれやすい情報、統計的に見て外れ値が含まれない情報、正規性が担保された情報等、設定したバイタル除外条件の内容に応じて、バイタルサインの値として異常とみなされるような値が取り除かれたバイタル情報となる。
また、バイタル情報8aは、バイタルサインの測定値をスコアリングする基準域条件220(μ±nσ)の算出根拠となる。バイタル情報8aが、バイタルサインの値として異常とみなされるような値が取り除かれた値であることから、基準域条件220(μ±nσ)は、対象者における通常の正常域とみなせるバイタルサインの範囲として絞り込まれた範囲となる。
即ち、基準域条件220は、異常検知の精度が高められた条件となる。異常検知の精度が高いとは、基準域条件220で、バイタルサインの測定値をスコアリングした際に、スコア値情報103として、1点(単一のバイタル異常)以上が出やすいことに繋がる。なお、スコアリングの配点と、スコア情報103の合計点に対する異常の有無の判定については後述する。
以下、個々のバイタル除外条件の内容について説明する。
[1]「μ±2σ」の値を下限値及び上限値とするバイタル除外条件
バイタル除外条件として、バイタル平均値情報及びバイタル標準偏差に基づき、「μ−2σ」の値を下限値とし、「μ+2σ」の値を上限値とする範囲内に、バイタルサインの測定値が含まれるか否かを条件の内容とする。
即ち、体温、脈拍、収縮期血圧、拡張期血圧、脈圧及び呼吸数の測定値が、μ−2σ以下、または、μ+2σ以上の値となる場合には、バイタル除外条件を満たす値として、その測定値は、基準域条件220の算出根拠から除外される。
この条件によれば、体温、脈拍、収縮期血圧、拡張期血圧、脈圧及び呼吸数の測定値につき、対象者における通常の正常域とみなせるバイタルサインの測定値が集約されやすくなり、「μ±2σ」の範囲を外れる測定値を、バイタルサインの値として異常とみなされるような値として取り扱うことができる。
また、この条件での「μ±2σ」におけるバイタル平均値「μ」と、バイタル標準偏差「σ」自体の値も、バイタルサインの測定値が入力された際に、既に記録されているバイタル情報の中で、「μ±2σ」の範囲内に含まれるという条件を満たす測定値から算出される。
このように、バイタル除外条件を「μ±2σ」の範囲内に設定することで、対象者の通常の正常域とみなせるバイタルサインの測定値が集約され、バイタル情報8aが抽出される。
ここで、必ずしも、バイタル除外条件となる「μ±2σ」の範囲内の条件として、μ−2σ以下、または、μ+2σ以上と設定される必要はない。例えば、下限値は「μ−2σ未満」としてもよく、上限値は「μ+2σを超える値」としてもよい。
以下、図10〜図15を用いて、バイタル除外条件を「μ±2σ」の範囲内に設定する利点を説明する。
図10及び図11は、ある対象者の体温について、35.6℃の体温につき、「μ±2σ」の基準を設けて、この基準で、バイタルサインの値として正常または異常を判断したケースである。
図10は、1回目の35.6℃の体温が異常と判断されたが、この異常と判断された値を除外せずに基準(μ±2σ)を設けて、2回目の35.6℃の体温につき、正常または異常を判断した結果である。また、図11は、1回目の35.6℃の体温が異常と判断されたが、この異常と判断された値を除外して基準(μ±2σ)を設けて、2回目の35.6℃の体温につき、正常または異常を判断した結果である。
図10に示すように、1回目の35.6℃の体温が異常と判断されたが、この異常と判断された値を除外せずに基準(μ±2σ)を設けた場合、2回目の35.6℃の体温は、基準の範囲が拡がったことから、「正常」と判断される結果となる。即ち、バイタルサインの値を異常と見なす範囲が広がり、異常の検知の精度が下がっている。
一方、図11に示すように、1回目の35.6℃の体温が異常と判断され、この異常と判断された値を除外して基準(μ±2σ)を設けた場合、2回目の35.6℃の体温は、基準の範囲が絞られ、2回目の判断では「異常」と判断される結果となる。即ち、バイタルサインの値を異常と見なす範囲が絞られ、異常の検知の精度が上がっている。
同様に、図12及び図13は、血圧(下)の74の値につき、基準(μ±2σ)の算出根拠として、1回目に異常と判断された際に、除外するか否かで、2回目の判断の結果が異なることを示している。また、図14及び図15は、脈拍の53の値につき、基準(μ±2σ)の算出根拠として、1回目に異常と判断された際に、除外するか否かで、2回目の判断の結果が異なることを示している。
このことから明らかなように、バイタル除外条件を「μ±2σ」の範囲内に設定することで、バイタルサインの測定値をスコアリングする際の基準域条件220において、バイタルサインの異常の検知の精度を高めることができる。
[2]統計的な手法により外れ値を判定するバイタル除外条件
バイタル除外条件として、統計的な手法により「外れ値」と判定できるバイタルサインの測定値を、バイタルサインの値として異常とみなされるような値として除外する。ここで、外れ値を除外する統計的な手法として、例えば、スミルノフ・グラブス検定が採用できる。
スミルノフ・グラブス検定は、バイタルサインの測定値の集合について、バイタルサインの値として異常とみなされるような値を除外するか否か検定する手法である。正規分布に従うバイタルサインにおいて利用される。
スミルノフ・グラブス検定では、平均値から最も離れた観測値を選び、その残差をσで割った値を検定統計量とする。そして有意性を判断して、外れ値とした場合は、これを除外して、検定のやり直しを続けていく。最終的に、外れ値が出力されなくなると、外れ値の無いデータセット(バイタル情報8a)を作ることができる。
スミルノフ・グラブス検定は、次のような手順で進める。
(1)対象データ(バイタルサインの測定値の集合)に対して、平均値、分散、最大値(または最小値)を求める。
(2)検定統計量Tを求める。
(3)有意性を判断する。
(4)外れ値とした場合は、外れ値を除外して検定処理を実施し、外れ値が出力されなくなるまで繰り返す。
例えば、脈拍の測定値の集合について、外れ値を除外する前では、図16(a)に示すQ−Qプロットと、図16(b)に示す分布となったとする。この脈拍の集合に対して、スミルノフ・グラブス検定を行うと、外れ値が除外された結果、図17(a)に示すQ−Qプロットと、図17(b)に示す分布となる。
このように、バイタル除外条件として、スミルノフ・グラブス検定に基づく、外れ値に該当するか否かという条件を採用することで、統計的に、バイタルサインの値として異常とみなされるような値を除外することができる。この結果、バイタル情報8aを、医学的に取り得ない値が算出根拠に含まれにくい情報とすることができる。
[3]医師が医療介入した日・期間に関するバイタル除外条件
バイタル除外条件として、医師が医療介入した日または期間に測定されたバイタルサインの値であるか否かを条件の内容とする。
この医師が医療介入した日または期間とは、対象者を医師が診断して、医師による処方がなされた日、処方内容に含まれる期間、及び、入院期間が該当する。医師による処方とは、服薬、点滴、注射、経管栄養等の処置や、看取り(医療介入を望まない)の際の経過観察を含んでいる。
また、ここでいう、処方内容に含まれる期間とは、例えば、服薬の開始から終了までの期間である。また、入院期間は、医師の診断の結果、対象者が病院等の医療機関に入院した日から退院するまでの期間である。
また、看取り(医療介入を望まない)とは、対象者が何等かの病気であると診断されたが、対象者の家族が、服薬等の治療のための処置を行うことを希望しない場合に、具体的な処置を行わずに経過を観察するように指示した状態を意味する。
この医師が医療介入した日または期間の情報は、対象者の個人情報7として、情報記録部4に記録される。例えば、服薬の処方がなされた場合、「臨時薬10日間投与」といった情報や該当する期間の情報が記録される。
この医師が医療介入した日または期間において測定されたバイタルサインの値は、対象者が病気と判断された状態、または、何等かの処置が必要な状態でのバイタルとなる。そのため、このような条件下で測定されたバイタルサインの値を、異常とみなされるような値として除外することで、バイタル情報8aを、対象者における通常の正常域とみなせるバイタルサインの測定値が集約された内容とすることができる。
[4]「μ±2σ」の値が2回以上続く場合のバイタル除外条件
バイタル平均値情報及びバイタル標準偏差に基づき、「μ−2σ」の値を下限値とし、「μ+2σ」の値を上限値とする範囲を設定する。また、一定の条件下で、複数回測定したバイタルサインの測定値について、μ−2σ以下、または、μ+2σ以上の値が2回以上続けて測定された場合に、1回目の測定値は除外せずにバイタル情報8aに含め、2回目以降の測定値を除外するという内容のバイタル除外条件である。
ここで、一定の条件とは、例えば、5分間の間に複数回血圧を測定するといった内容であり、同一条件で測定したバイタルサインとして取り扱えるような条件を意味する。なお、本バイタル除外条件は、その内容から、上記[1]で説明したバイタル除外条件とは重複して設定されない条件となる。
このように複数回のバイタル測定を行い、「μ±2σ」の範囲を外れた測定値が2回以上測定され、1回目の測定値はバイタル情報8aに含めることで、「μ±2σ」の範囲を外れた測定値を厳密に排除せずに、基準域条件220を設定することができる。また、2回目以降の「μ±2σ」の範囲を外れた測定値は除外されるため、基準域条件220での異常の検知の精度が過度に下がることが抑止できる。
[5]t検定に基づくバイタル除外条件
バイタル除外条件として、t検定により、「平均値から大きく外れた値」と判定できるバイタルサインの測定値を、バイタルサインの値として異常とみなされるような値として除外する内容である。正規分布に従うバイタルサインにおいて利用される。
[6]主値以外を除外するバイタル除外条件
一定の条件下で、複数回測定したバイタルサインの測定値について、所定の主値選択条件で選択された主値以外の測定値を除外するという内容のバイタル除外条件である。主値とは、複数の測定値の中から1つを選び出すことを意味する。
ここで、所定の主値選択条件として、人為的、または、一定の条件を設けてシステム的に1つの値を選択する条件がある。人為的な選択とは、例えば、測定値の中から、明らかな入力ミスによる測定値とわかる数値を除いて、1つの測定値を選択するような行為が含まれる。
また、システム的な選択とは、例えば、血圧の測定において、複数の測定値の中から、「μ±2σ」の範囲に含まれる測定値を選択するような態様が考えられる。血圧の測定では、数回測定を行い、血圧に異常がある場合には、何回測定しても、正常な範囲の値が見られないようになっている。そのため、「μ±2σ」の範囲に含まれる測定値があれば、主値として選択しうる。
また、システム的な選択とは、例えば、バイタルサインの測定値についてQ-Qプロットに基づき、プロットの範囲内から精度の高い測定値を選択するような態様が考えられる。
このように、バイタル除外条件として、複数回測定したバイタルサインの測定値について、所定の主値選択条件で選択された主値以外の測定値を除外する内容とすることで、バイタル情報8aを、信頼性の高い情報とすることができる。
[7]正規性に基づくバイタル除外条件
バイタル除外条件として、所定の検定法に基づき、正規性が担保されない値と判定できるバイタルサインの測定値を、バイタルサインの値として異常とみなされるような値として除外する。ここで、正規性を判定する手法として、例えば、シャピロ-ウィルク検定が採用できる。
シャピロ-ウィルク検定は、バイタルサインの測定値の集合についてp値を求め、例えば、有意水準5%と設定した場合には、p<0.05の場合は「正規分布に従わない」、p≧0.05であった場合は「正規分布に従う」と判断する検定法である。なお、p値とは、帰無仮説を棄却するための証拠を測定する確率である。
このシャピロ-ウィルク検定を用いて、バイタルサインの測定値の集合について、p<0.05の根拠となった「外れ値」となる測定値を抽出する。即ち、この外れ値を正規性が担保されないバイタルサインの測定値として除外する。
一例として、脈拍につき、測定値のデータを30から1つずつ増やし、各データについきp値を求めた内容に関して、その分布図を図18及び図19に示す。なお、各図のデータ数とp値は以下のとおりである。
図18(a):データ数30、p値:0.03854
図18(b):データ数31、p値:0.05124
図18(c):データ数32、p値:0.06584
図18(d):データ数33、p値:0.05696
図19(a):データ数34、p値:0.07926
図19(b):データ数35、p値:0.1135
図19(c):データ数36、p値:0.000000003445
図19(d):データ数36、p値:0.08062、
脈拍の測定値について、データ数を増やし、図19(c)において、脈拍の値「78bpm(beats per minute)」が入力されると、p値:0.000000003445となる。即ち、78bpmの値が、正規性が担保されない「外れ値」となる。そして、図19(d)において、「78bpm」の測定値を除外して、新たに「50bpm」の測定値が入力されると、p値:0.08062となり、正規性が担保されたデータとなる。
このようにバイタルサインの測定値について、シャピロ-ウィルク検定のp値を用いて、正規性が担保されない測定値を、外れ値として除外することができる。このように、シャピロ-ウィルク検定により、バイタル情報8aを正規性が担保された情報とすることができる。
また、シャピロ-ウィルク検定により、バイタルサインの測定値の精度検証が可能となる。バイタル情報8aは、精度が悪いデータが除外され、品質が担保された「クオリティデータ」のみで集団が形成されるものとなる。
[8]正規性と測定者に基づくバイタル除外条件
上記の[7]のバイタル除外条件に関連して、バイタルサインの測定を行った作業者の情報と、作業者が測定したバイタルサインの測定値の正規性の情報に基づき、バイタルサインの測定値を分類する。
本除外条件では、バイタルサインの測定値と共に、測定を行った測定者(例えば、対象者の家族、介護士等)の情報を入力及び記録する構成とする。また、バイタルサインの測定値について、シャピロ-ウィルク検定に基づき、正規性が担保された値か否かについても記録する。
そして、ある測定者の測定により正規性が担保されない測定値が記録され、その測定者の情報に紐付けられる。本除外条件では、正規性が担保されない測定値の測定を行った測定者を記録し、その測定者が測定したバイタルサインの値を除外して、バイタル情報8aを抽出する。
このような構成によれば、測定者の測定の仕方自体に問題がある場合に、その測定者が行った結果の値を、バイタル情報8aから取り除き、正確な測定を行った結果の値を収集しやすくなる。
バイタルサインの種類、例えば、血圧の測定では、測定者の測定技術により、測定値がばらついたり、不正確であったりすることがある。そのため、本除外条件を設定することで、作業者の技術に起因するバイタルサインの測定値の正確性を担保しやすくなる。
なお、本除外条件では、例えば、ある測定者につき、正規性が担保されない測定値が一定数に至った場合に、その測定者が測定した測定値を除外するような構成とすることもできる。
[9]所定の時間条件に基づくバイタル除外条件
バイタル除外条件として、バイタルサインの測定値が、所定の時間条件を満たして測定された値であるか否かを条件とする。本条件は、例えば、バイタルサインの測定値が、設定した時刻を基準に、1時間以内に測定されたかどうかといった内容で設定される。
このように時間の条件を設定して、決められた時間に適切に測定されなかったバイタルサインの測定値を除外して、バイタル情報8aを抽出する。例えば、病院等では、看護師の業務のタイミングや、対象者の行動により、設定した時刻にバイタル測定が行えないケースがある。そのような場合、測定が遅れたバイタルサインの測定値を除外して、バイタル情報8aを、信頼できる情報とすることができる。
[10]「μ±2σ」の値を下限値及び上限値とする複数回測定のバイタル除外条件
バイタル平均値情報及びバイタル標準偏差に基づき、「μ−2σ」の値を下限値とし、「μ+2σ」の値を上限値とする範囲を設定する。また、一定の条件下で、複数回測定したバイタルサインの測定値について、「μ±2σ」の範囲を外れた測定値を除外する内容である。
ここで、一定の条件とは、例えば、5分間の間に複数回血圧を測定するといった内容であり、同一条件で測定したバイタルサインとして取り扱えるような条件を意味する。なお、本バイタル除外条件は、本除外方法は、上記[1]で説明したバイタル除外条件とは、複数回の測定を想定している点で異なっている。
本除外方法は、一定の条件下で、複数回、バイタルサインの測定を行い、各測定には、厳密には多少の時間差があって測定しているので、それぞれの値について、全ての測定値を有効に取り扱うことを考慮して設定している。また、例えば、一連のバイタル測定の行為で5回測定したら、そのうち「μ±2σ」の範囲を外れた測定値である1〜4回を除外する(通常、落ち着くまでの最初の場合が多い)ということを考慮して設定している。
[11]測定者の判断によるバイタル除外条件
上記の各バイタル除外条件以外にも、測定者の判断で「有効でない」と思われたバイタルサインの測定値を除外する構成も採用しうる。
以上で説明したバイタル除外条件について、単一の条件、または、複数の条件を組み合わせて、バイタル除外基準情報200を設定することができる。
バイタルサインの値として異常とみなされるような値が取り除かれたバイタル情報8aは、バイタルサインの測定値をスコアリングする際の基準域条件220の算出に用いられる。基準域条件220は、例えば、バイタル平均値情報及びバイタル標準偏差に基づき、「μ±nσ以内」として設定される。この基準域条件220は、スコアリング基準情報102の1つである。
バイタル平均値及びバイタル標準偏差は情報記録部4に記録されたバイタル情報8a及び再測定バイタル情報13aに基づき、演算部2が基準算出手段5の平均値算出手段14及び標準偏差算出手段15として機能して算出される。また、バイタル平均値及びバイタル標準偏差に基づき、体温、脈拍、収縮期血圧、拡張期血圧、脈圧、呼吸数の測定値に対するスコアリング基準情報102及び基準域条件220が設定される。
バイタル平均値、バイタル標準偏差及びこれらに基づくスコアリング基準情報102及び基準域条件220の設定方法として、情報記録部4に記録されたバイタル情報8a及び再測定バイタル情報13aをバイタル平均値等の算出に利用する方法が挙げられる。本方法では、バイタル平均値とバイタル情報の分布に基づく標準偏差は、平均値算出手段14及び標準偏差算出手段15において、以下の式(3)及び式(4)を用いて算出される。
μ=(1/N)×ΣSi・・・式(3)
σ=√((1/N)×Σ(Si−μ))・・・式(4)
ここでμはバイタル情報の平均値、Siは各バイタル情報の計測値、Nは全バイタル情報のデータ数であり、σは標準偏差である。ΣSiは、全バイタル情報の計測値の合計を示す。また、各バイタル情報の計測値とは、上述したように、設定した所定の条件で取得したバイタル情報の値である。なお、ここでいう全バイタル情報の内容は、上述したように、情報記録部4に記録された情報の一部を抽出するものであってよい。また、ここでのバイタル情報とは、体温、脈拍、収縮期血圧、拡張期血圧、脈圧、呼吸数の測定値である。
ある判定時点において、対象者のバイタル情報を判定する際には、判定時点を起点に、情報記録部4に記録された同一の対象者のデータから、上記の式(3)、式(4)を用いて、バイタル平均値μ、バイタル標準偏差σが算出される。即ち、判定時点に測定した判定の対象となるバイタルサインの値を含めて、スコアリング基準情報102及び基準域条件220が算出される。
続いて、スコアリング基準設定手段101が、以下の式(1)又は式(2)で表される値を、基準域条件220として利用する。
μ−nσ・・・式(1)
μ+mσ・・・式(2)
ここでn、mは0より大きい数である。
また、スコアリング基準設定手段101が、以下の式(1)又は式(2)で表される値を、スコアリング基準情報102として利用してもよい。
μ−nσ・・・式(1)
μ+mσ・・・式(2)
ここでn、mは0より大きい数である。
基準域条件220では、上記の式(1)及び式(2)で表された値と、所定のスコア値情報103、即ち、0点〜2点の点数の情報が組み合わされている。基準域条件220、スコアリング基準情報102と、スコア値情報103との組み合わせは、下記の表2に示す通りである。
Figure 2021044520
なお、表2において、「−3σ」は、式(1)に基づく「μ−3σ」の値であり、「−2σ」は、式(1)に基づく「μ−2σ」の値であり、「+3σ」は、式(2)に基づく「μ+3σ」の値であり、「+2σ」は、式(2)に基づく「μ+2σ」の値を意味している。また、μ及びσは、所定の条件(例えば30個分のバイタル情報8a)で測定された各バイタルサインの測定値から算出される値である。
表2に示すように、体温、脈拍、収縮期血圧、拡張期血圧、脈圧及び呼吸数の測定値について、その内容に基づいて、0点〜2点の各スコア値にスコアリングする際には、上記の式(1)及び式(2)に基づき算出された「μ±2σ及びμ±3σ」の値が利用されている。
より詳細には、入力されたバイタルサインの測定値が、その判定時点において算出されたバイタル平均値及びバイタル標準偏差において、「μ−2σ超(以上)〜μ+2σ未満(以下)」の値であれば0点のスコア、「μ−3σ超(以上)〜μ−2σ以下(未満)」、又は、「μ+2σ以上(超)〜μ+3σ未満(以下)」の値であれば1点のスコア、「μ−3σ以下(未満)」、又は、「μ+3σ以上(超)」の値であれば2点のスコアとなる。
入力されたバイタルサインの測定値に対するスコアリングは、判定時点において算出されたバイタル平均値、バイタル標準偏差により、判定時点ごとの基準が設定される。また、体温、脈拍、収縮期血圧、拡張期血圧、脈圧、呼吸数の測定値は、正規分布に従うバイタルサインであり、上記式(1)又は式(2)の基づき算出された基準域条件220は、対象者の個体内変動が反映された基準であり、かつ、その対象者の正規分布に基づき設定された基準となる。そのため、対象者の体調の変動を正確に捉えることが可能な指標となる。
なお、表2で示すスコア値情報103の配点の内容は一例であり、必ずしも表2の内容に限定されるものではなく、各範囲とスコア値情報103の配点は適宜設定変更が可能である。
また、必ずしも、基準域条件220として「μ±2σ及びμ±3σ」の条件が設定される必要はなく、「2σ及び3σ」以外の数値が採用されてもよい。但し、「μ±2σ」の範囲には、通常、対象者のバイタルサインの約95%が含まれるため、「正常なバイタルの範囲(対象者の通常のバイタルの範囲)」と位置付けた基準にしやすい範囲である。そのため、基準域条件220の代表的な設定事例として、「μ±2σ」の条件が設定されることが好ましい。
また、表2に示すスコアリング基準情報102では、スコア値情報103は0点から2点の範囲で設定されているが、必ずしもこの範囲に限定される必要はない。例えば、スコア値情報を0点、1点、2点及び3点の範囲でスコアリングする設定に変更することも可能である。更には、3点より大きな数値を採用することも可能である。スコア値情報103を変更する場合、これに合わせて基準域条件220及びスコアリング基準情報102を適宜設定可能であることは言うまでもない。
[6−2.酸素飽和度の測定値について]
対象者から測定された酸素飽和度の測定値に対するスコアリング基準情報102の設定方法として、一定の数値範囲の情報を基準として設定する。表2に示す内容では、酸素飽和度の測定値について、0〜2点の各スコア値にスコアリングする際には、「93〜100(%)」が0点のスコア、「90〜92(%)」が1点のスコア、「85〜89(%)」が2点のスコアとなるように設定されている。
入力された酸素飽和度の測定値に対して、表2に示すスコアリング基準情報102に基づき、0〜2点のスコア値情報103が算出される。
ここで、表2に示す酸素飽和度に対するスコアリング基準情報102の内容はこれに限定されるものではない。0〜2点のスコア値情報を分ける数値範囲は、適宜設定を変更して、スコアリング基準情報102とすることができる。
[6−3.意識レベルについて]
対象者に対して、介護者等が意識レベルを確認して、取得された結果について、スコアリング基準情報102として設定された所定の観察情報に当てはめる作業を行う。意識レベルの確認は、既知のAVPU評価を利用しうる。
AVPU評価では、正常(覚醒して見当識あり、A:alert)、異常(言葉により反応するが、見当識なし、V:verbal)、痛みに反応(痛みにのみ反応、P:Pain)、無意識(言葉にも痛みにも反応しない、U:Unresponsive)が所定の観察状態として設定されている。介護者等が対象者を観察して、その意識レベルがAVPU評価のどの項目に該当するかを判断して、その結果を、入力部3a等を介して入力する。
意識レベルに対するスコアリング基準情報102は、表2に示す内容で設定されている。表2では、正常が0点のスコア、異常が1点のスコア、痛みに無反応が2点のスコアとなるように設定されている。介護者等が入力した情報により、スコアリング処理手段100がスコア値情報103を算出する。
ここで、表2に示す対象者の意識レベルの評価結果に対するスコアリング基準情報102の内容はこれに限定されるものではない。AVPU評価以外の意識レベルの評価手法が採用されてもよい。また、0〜3点のスコア値情報を分ける観察状態は、適宜設定を変更して、スコアリング基準情報102とすることができる。
以上の内容では、対象者のバイタルサインのうち、体温、脈拍、収縮期血圧、拡張期血圧、脈圧、呼吸数、酸素飽和度の測定値と、意識レベルの評価結果を用いてスコアリングを行い、スコア値情報103を算出する。ここで、必ずしも、対象者のバイタルサインがこれらの内容に限定される必要はない。例えば、スコアリングを行う対象として、対象者から得られた尿量、体重、痛み(痛みの有無や程度)、その他の病状異常をバイタルサインの情報として採用することも考えられる。
[6−4.判定処理部による異常の判定について]
各バイタルサインの種類ごとに、0点〜2点のスコア値情報103が算出され、各スコア値情報103から、スコアリング処理手段100がスコア値情報103の「合計点」を算出する。即ち、収縮期血圧から意識レベルまでの各バイタルサインのスコア値情報103を足して、その合計点を算出する。
そして、判定処理手段6は、各バイタルサインのスコア値情報103の合計点から対象者の体調における「正常又は異常(注意、警告)」の判定を行う。この判定は、以下、表3に示す内容(スコア判定基準情報18)に基づき結果が出されるものとなる。
Figure 2021044520
表3に示すように、判定処理手段6は、スコア値情報103の合計点について、0点が算出された際には、「正常」と判定する。また、スコア値情報103の合計点について、1点が算出された際には「単一のバイタル異常」と判定し、2点が算出された際には「注意」、3点が算出された際には「警告」と判定する。
また、本発明における対象者の体調が「異常」であると判断されるのは、2点の「注意」、または、3点の「警告」の結果が出た場合が該当する。即ち、本構成では、「異常」の結果は、「注意」と「警告」の2段階に分けて判定されている。
また、各バイタルサインの値から算出されたスコア値情報103の合計点と、この値に対する注意等のスコア判定結果情報12は、対象者に紐付けて情報記録部4に記録される。
また、判定処理手段6が各バイタルサインのスコア値情報103の合計点について「注意」または「警告」の判定を行った際には、アラート通知手段120、情報送受信部3cを介して、健康状態管理装置1で警告音を発したり、外部端末等に「警告」の判定がなされた旨のメールを送信したりする構成となっている。また、各結果に応じて、結果の情報を表示する際には、表に示す内容で、結果の情報を表示する色が異なるように設定されている。
ここで、必ずしも、対象者の異常の判定が「注意」または「警告」の2段階に分けて出される構成となる必要はなく、「異常」なる結果として、1まとめにしてもよい。但し、対象者の体調に異常につき、程度を分けて確認可能となる点から、異常の判定が「注意」または「警告」の2段階に分けて出される構成となることが好ましい。
また、判定処理手段6がスコア値情報103について、異常(注意、警告)と判定する数値が2点以上に限定されるものではない。例えば、3点以上で異常(注意、警告)とする判定が採用されてもよい。
ここで、本発明では、各バイタルサインのスコア値情報103の合計点に対して異常か否かの判定を行う点、合計点が1点の場合、「単一のバイタル異常」として、対象者の「異常」と判定しない点、及び、アラート通知手段120により警報が通知されない点が重要な特徴となっている。
まず、本発明では、バイタル除外基準情報200を設けたことで、バイタルサインの測定値をスコアリングする際の基準域条件220の異常検知の精度が高められている。この基準域条件220は、対象者における通常の正常域とみなせるバイタルサインの範囲と見なせるが、この範囲は、バイタル除外条件を満たす測定値が除外され、バイタル情報8aが抽出されたことで、除外前よりも範囲が絞られることになる。
つまり、基準域条件220の範囲が絞られたことで、個々のバイタルサインの異常は出やすくなる。そして、個々のバイタルサインの異常は、「μ±2σ」の範囲を超えると、少なくとも、スコア値情報103では、1点以上の結果になる。また、バイタルサインの異常の度合いが大きければ(3σの範囲を超える)2点の結果になる。
そのため、個々のバイタルサインで、その異常を見た場合、異常の検知の精度が高く、1点以上のスコア値情報103が出やすくなっているといえる。また、ここで、判定処理手段6は、各バイタルサインのスコア値情報103の合計点に対して異常か否かの判定を行い、合計点が2点以上にならなければ、最終的に、対象者が「異常(注意または警告)」であるとの判定はなされない。
言い換えれば、単一のバイタルサインにつき、異常として、1点の結果が出ても、その結果のみでは、対象者が「異常(注意または警告)」であるとの判定はなされない。対象者が「異常」と判定されるには、2種類以上のバイタルサインにおいて、1点の結果が出るか、単一のバイタルサインで、2点の結果が出るような深刻な異常が検知される必要がある。
この結果、各バイタルサインが異常であるか否かは精度高く検知しつつ、単一のバイタルサインにつき、異常として1点の結果が出ただけでは、アラート通知手段120による警報は出ない。即ち、頻繁に警報が鳴ること(偽陽性の検出)が抑止できる。
また、判定処理手段6が、対象者が異常と判定した場合には、複数のバイタルサインの結果から判定がなされていることから、信頼性の高い判定結果として捉えることができる。
従って、本発明では、各バイタルサインのスコア値情報103の合計点に対して異常か否かの判定を行う点、合計点が1点の場合、「単一のバイタル異常」として、対象者の「異常」と判定しない点、及び、アラート通知手段120により警報が通知されない点が重要な特徴となっている。
ここで、表2に示す基準域条件220及びスコアリング基準情報102では、スコアリングされる対象(マーカー)として、収縮期血圧、拡張期血圧、脈圧、脈拍、体温、酸素飽和度、呼吸数、意識レベルが挙げられているが、これは一例に過ぎない。また、スコアリング基準情報102での点数を区別する閾値も一例に過ぎない。
即ち、マーカーの種類や点数を区別する閾値は、対象者が有する疾患の種類や、対象者の性質によって異ならせて設定することが可能である。例えば、心不全を有する対象者と、尿路感染を有する対象者では、マーカーの種類や点数を区別する閾値を異ならせて設定する。また、マーカーとして、血圧において、収縮期血圧のみを採用する場合や、収縮期血圧と拡張期血圧の両方を採用する場合もある。また、例えば、健常者である対象者と、持病を有する高齢者である対象者では、やはり、マーカーの種類や点数を区別する閾値を異ならせて設定する。
また、スコアリング基準情報102には、マーカーとして、対象者の既往歴や、対象者の家族や近親者における病的状態である家族歴、生活習慣等の種類を含めて、スコアリングする態様もある。
この場合、例えば、心臓病の既往歴の対象者や、家族に心臓病を患った人がいる対象者に対して、心不全の程度を判断するためにスコアリングを行う際には、既往歴または家族歴のマーカーに点数が付与され、スコア値情報103の合計点に加点される。また、例えば、喫煙の生活習慣がある対象者には、生活習慣のマーカーに点数が付与され、スコア値情報103の合計点に加点される。このように、マーカーとして別項目を設けて、合計点に加算する構成も採用しうる。
続いて、複数の対象者のバイタル情報を利用して、異なる個体の情報に基づくバイタル情報の分布を作成した場合と、同一の対象者のバイタル情報を利用して、同一個体のバイタル情報の分布を作成した場合との違いについて、説明する。
図20(a)及び図20(b)は、いずれも体温の情報を元に作成された正規分布曲線のグラフである。図20(a)及び図20(b)において、横軸は体温の確率変数、縦軸は確率密度である。(a)は多数の対象者で作成し、(b)は、同一の対象者のみで作成されている。図20(a)では、様々な平熱や、体温の変動をする人が含まれており、平均値μは多数の対象者の平均値である37.0℃となり、μ+2σの値は37.7℃、μ−2σの値は36.0℃となっている。
しかしながら、図20(b)では、同一個体のバイタル情報を記録したものであり、その人特有の平熱や、体温の変動となるため、平均値μは35.6℃、μ+2σの値は37.0℃、μ−2σの値は35.2℃となる。
即ち、仮に、各分布を用いて、スコアリングをする際のあるスコア値に安定される基準値をμ+2σに設定すると、図20(a)の方では、37.0℃の体温はμの位置(図20(a)中の黒い丸)に該当する。一方、図20(b)の方では、37.℃の体温は、上限値であるμ+2σの位置(図20(b)中の黒い丸)になる。つまり、図20(a)に示す分布と、図20(b)に示す分布では、分布上における同じμ+2σの数値が全く違う値になる。そのため、スコアリング基準情報102やスコア値情報103も変わり、判定結果も異なるものとなる。換言すれば、図20(b)の対象者の判定を行う上では、多数の対象者のバイタル情報に基づくスコアリング基準情報102やスコア値情報103は、「異常な値」を捉えるために使用できないものといえる。多数の人数のバイタル情報を基準に用いることは、従来行われていた「個体間変動」での判定に他ならず、対象者に特有のバイタル情報の変動をみるためには、「個体内変動」が有効であることを示している。
なお、図20(b)に示す体温の平均値や変動を行う対象者は、特殊な事例にあたるものではない。また、体温に限って起こる現象ではなく、その他のバイタルサインである収縮期血圧、拡張期血圧、脈拍数、呼吸数でも、対象者に固有の変動が生じ、これらは正規分布に従うものとなる。上記の体温の例でいえば、図20(b)に示す温度域で体温が変化する高齢者は多く、このような高齢者の健康状態の判定をバイタルサインで行う際には、「個体内変動」が有効である。
[7.表示情報の作成]
本発明を適用した健康状態判定装置1では、対象者のバイタル情報について、その内容を正規分布曲線として表示することが可能である。また、対象者のバイタル情報を熱型表として表示することも可能である。
熱型表の一例として、図21を示す。図21には、ある対象者に関する判定時点のバイタル情報と、バイタル情報の内容に基づくスコア値情報の値が異常な値であったか否かの情報(警告、注意、正常の情報)、対象者の観察や問診結果による異常の有無の情報、スコア値情報の合計点の情報が表示されている。
また、図21に示す熱型表では、対象者の健康状態のリスクファクターである既往歴の情報と、生活習慣に関する情報が表示されている。また、熱型表には、対象者の詳細な観察情報や、特記事項の情報が表示されている。熱型表に表示される情報は、入力部3a等を介して入力された情報を元に作成することができるものとなっている。
また、図22には、病院等に設置した端末で利用する電子カルテにおいて、その電子カルテの表示情報の1つである熱型表の中に、バイタル情報の内容に基づくスコア値情報の値を示した画像を示している。例えば、複数のバイタル情報のスコア値を合計して、その日ごとのスコア値の合計値を表示するような態様が考えられる。この場合、入院患者の情報が記録された電子カルテの情報と併せて、スコアリングの結果に基づく情報を、対象者のリスク評価に利用することができる。
更に、図23には、本発明のソフトウェアの機能を有するアプリケーションソフトウェアをスマートフォン端末等で利用する際に、その画面上にバイタル情報の内容に基づくスコア値情報の値を示した画像を示している。例えば、スマートフォン端末の使用者個人のバイタル情報の記録(体温)と、そのスコア値情報の値を示す態様がある。この場合、スマートフォンでの健康管理や、在宅医療での健康状態の評価に、スコアリングの結果に基づく情報を活用することができる。
[8.正規分布の有無による測定精度の判定及び異常な値の判定]
本発明を適用した健康状態判定装置1では、測定したバイタル情報が正規分布に当て嵌まっているかを確認する手法として、Q−Qプロットが利用できる。例えば、横軸にバイタル標準偏差の値を、縦軸に標準偏差の累積確率に対応する標準正規分布のパーセント点の値をとり、対象者のバイタル標準偏差をプロットする。各プロットが直線上に位置していれば、取得したバイタル情報が正規分布していることが視覚的に確認可能となる。
続いて、本発明を適用したソフトウェアにおける情報処理の一連の流れについて、図24を用いて説明する。
図24には、バイタル情報の入力から異常の判定、結果の情報の表示までの情報処理の流れを示している。
まず、初めに、対象者のバイタルサインの値(体温、脈拍、収縮期血圧、拡張期血圧、脈圧、酸素飽和度、呼吸数の測定値)が各測定機器により測定され、計測値と測定日時の情報が入力される(S1)。また、この際、対象者の意識レベルの評価結果から、バイタル基準情報102の観察情報の該当する情報が選択又は入力される。入力された情報は、対象者のバイタル情報として、情報記録部4(DB)に記録される(S2)。また、この際、バイタル除外基準情報200に基づき、バイタル情報8は、バイタル情報8a及びバイタル情報8bに分離して記録される。
情報記録部4に記録された判定の対象となるバイタル情報を含めて(または含めず)、演算部2が基準算出手段5として機能して基準域条件220及びスコアリング基準情報102の算出を行う(S3)。ここでは、バイタル平均値と、バイタル標準偏差が算出され、これらの値を元に、設定した条件での基準域条件220及びスコアリング基準情報102が作成される。ここで、体温、脈拍、収縮期血圧、拡張期血圧、脈圧及び呼吸数に関する基準は、都度、スコアリングの度に算出されるものとなる。
次に、入力された判定の対象のバイタル情報について、基準域条件220及びスコアリング基準情報102に基づき、スコアリング処理手段100により、スコア値情報103がバイタル情報ごとに算出される(S4)。
スコア値情報103が算出されると、その合計点が算出され、判定処理手段6が、判定基準に基づき、スコア値情報の合計点が異常な値であるか否かを判定する(S5)。判定の結果「異常な値(注意又は警告)である」と判定されないものについては、判定結果情報が、情報記録部4(DB)に記録され(S9)、判定結果の情報が表示部3bに表示される(S11)。また、アラート通知手段120により警報が通知される。
また、対象者のバイタル情報を元に、バイタルサインの値の経時的な変化をグラフ化した熱型表(図22参照)や、正規分布の確立密度関数(正規分布曲線のグラフ)が表示情報として作成され(S10)、これらの情報も表示部3bにて確認可能となる。
また、入力された判定の対象のバイタル情報について、判定基準に基づき、スコア値情報が、判定の結果「異常な値(注意又は警告)である」と判定されたものについては、例えば、表示部3bに「再測定を行いますか?」といった表示や、バイタルの取得時の姿勢の注意喚起を表示し、再測定バイタル情報の有無について対象者に確認する(S7)。
ここで、対象者や介護者等が「再測定バイタル情報なし」と選択すると、異常な判定との判定結果情報が、情報記録部4(DB)に記録され(S9)、判定結果の情報が表示部3bに表示される(S11)。更に、熱型表(図22参照)や、正規分布の確立密度関数(正規分布曲線のグラフ)が表示情報として作成され(S10)、これらの情報も表示部3bにて確認可能となる。
また、情報記録部4は、異常な判定との判定結果となったバイタルサインの値を、バイタル情報8に含まれるように記録する。これにより、バイタル情報8には、スコア値情報が正常な値と判定されたバイタル情報と、スコア値情報が異常な値と判定されたバイタル情報の両方が蓄積されていく。
また、対象者や介護者等が「再測定バイタル情報あり」と選択すると、再測定したバイタルサインの値と測定日時の入力を促し、入力された再測定バイタル情報が入力された情報は、対象者の再測定バイタル情報として、情報記録部4(DB)に記録される(S2)。この後は、再度、基準域条件220及びスコアリング基準情報の算出(S3)、再度のスコア値情報の異常判定(S4)がなされるものとなる。判定において、異常な値であるとの判定でなければ、判定結果情報が、情報記録部4(DB)に記録される(S9)。また、異常な値との判定であった際は、再測定バイタル情報の有無の確認(S6)のステップに進んでもよいし、2回目の判定結果であることから、そのまま判定結果情報の記録(S9)に進んでもよい。
対象者が判定結果の情報を表示部3bで確認したこことで、一連の情報処理が完了する。以上のような流れで、本発明を適用したソフトウェアはバイタル情報から健康状態の判定を行う。
以下、本発明を適用した健康状態判定装置の内容の更なる活用事例について説明する。
[電子カルテや医療システムとの連動]
本発明を適用した健康状態判定装置は、病院に導入された電子カルテと連動させる態様が考えられる。電子カルテには、設置された病院の患者の情報が記録されているため、上述した本発明を適用したソフトウェアで管理する情報と連動させることで、対象者のより詳細な基礎疾患の状況、既往歴、服薬記録、経過観察の情報等を利用可能となる。
また、更に、医師による診断の経過の情報も確認可能となるため、健康状態の判定精度の向上や、診断支援ツールとしての使い勝手が良くなるものとなる。また、病院での診断結果や検査の結果を対象者の情報に追加して記録していくことで、個人の情報量が増え、より精度の高い判定につながるものとなる。また、診断支援ツールとしても、より有用性の高いものとなる。
また、本発明を適用した健康状態判定装置と、遠隔画像診断のシステムを組み合わせる態様も考えられる。例えば、健康状態判定装置にカメラ等の画像情報の取得が可能な機器を接続し、対象者の画像情報を病院側に送信して遠隔診断することも可能である。また、その際に、対象者の熱型表の情報も病院側の端末等に送信することで、対象者のバイタル値の異常等を確認しながら、遠隔地から医師が診断することが可能となる。
また、本発明を適用した健康状態判定装置は、使用者のレベルに合わせた複数の運用版のバリエーションが考えられる。例えば、上述したような電子カルテと連動した態様であれば、病院における医師の診断時の診断支援ツールとなる。ここで、診断装置で管理する情報は、病院での日々の診断の情報が蓄積されていくため、医師の診断レベルの引き上げにも寄与するものとなる。
また、病院において、本発明の機能を備えるタブレット端末等を特定の看護師に持たせることで、看護師が医師の代わりに診断を行う際の補助ツールとして使用することも可能となる。更にはタブレット端末を持った看護師が、在宅や施設に入居した高齢者を訪問看護する際にも役立つものとなる。
また、介護施設等の職員が使用するものについては、入居者に特化した情報を蓄積することで、特定の対象者に対する診断レベルを向上させることが可能となる。
[疾患の予防技術への応用]
脳疾患、肺炎、心不全及び脱水等のバイタルサインの変動によって、発症が予測できる代表的な疾患の予防技術に本発明を適用した健康状態判定装置を利用することが考えられる。上述した各疾患は、発症する際に、疾患特有のバイタルサインの変動をする場合が多く、この疾患特有のバイタルサインの変動を判定条件として設定することで、発症の予防に繋げることができる。
[PHR(Personal Health Records)及び医療ビッグデータへの活用]
近年では、ICT(Information and Communication Technology)と言われる、情報通信技術の発展が著しく、スマートフォンのような情報端末や、無線LANを利用したインターネット通信環境、クラウドサーバーのような安価で大容量のデータベースの台頭により、大量なデータを高速で送受信可能となっている。これにより、世界中からあらゆるデータ、所謂ビッグデータが集まり、必要なデータを使って、様々な用途のサービスが行われている。
日本の厚生労働省では、超高齢社会において高齢者を地域全体で支えるために、医療、介護、予防、住まい、生活支援が包括的に確保された「地域包括ケアシステム」を2025年までに実現しようとしている。しかし、その土台となる医療情報の大部分は、それぞれの事業所で寸断されている。
例えば、医療機関同士の情報共有は、未だファクシミリを使用する状態や、施設間でヘルスデータの継続性がない状態が珍しくなく、第4次産業革命といわれる時代の割には、前時代的な様相を呈している。全国各地170か所余りで医療情報連携ネットワークを試みられているものの、全国全地域、人口をカバーするには至らず、運用費用や利用率の低さなどの問題を抱え、共通のプラットフォームに統合されるには至っていない。
そこで、日本の厚生労働省は、「国民一人ひとりが、本人自らの生涯にわたる健康、医療、介護情報を時系列的に管理し、その情報を自ら活用することにより、自己の健康状態に合致した良質なサービスの提供を受けることを目指す」PHR構想を検討している(総務省及び厚生労働省の「クラウド時代の医療ICTの在り方に関する懇談会」より)。PHRとはパーソナルヘルスレコード(Personal Health Records)の略称であり、個人が生涯にわたり自分自身に関する医療情報や健康情報を収集又は保存して、これを活用できる仕組みである。
これによると「直近の情報だけではなく、過去の情報も参照する必要があることから、本人が自らの生涯にわたる情報を管理し、使いたいときに使いたいサービスへ活用できるようにする」とあり、このPHR構想が実現すれば、たとえプラットフォームの統合がなくとも、「介護予防手帳の電子化」や「市区町村や職場での健診・検診情報の電子化及びバイタルデータ・生活関連情報との一元管理」など医療、介護、健康、個人の情報連携よる多様な運用が可能となる。
また、各省庁が協力してビッグデータが活用しやすい環境を作ろうと、データの様式(API等)を統一して、必要なデータを取り出しやすくする「PHR構想」と併せて、医療マイナンバーと呼ばれた、個人データの特定し継続しやすくする「医療ID」構想、更に開発や治療のためには匿名化された情報は個人の許可なく活用できる「個人情報保護法の改正」が計画されている。
この構想の中では、バイタルデータに関して、次のように言及している。「本人の健康、医療、介護情報を匿名化した上で、ビッグデータとして分析及び活用する、いわゆる二次利用についても、PHRサービスの持続可能性を検討していく上で、重要な要素として視野に入れて検討すべきである。とりわけ、バイタルデータについては、現在、様々なデバイスやサービスが市場に存在しているが、PHRと統合してデータ活用していくに当たっては、健康管理の効果を分析する等の目的で二次利用することを視野に入れ、データの粒度やPHRを収集するプラットフォームとの間のAPIを統一することが望ましい」。
今後、このPKR構想に対して、本発明を適用した健康状態判定装置(又は本健康状態判定方法)を連動させる態様も考えられる。本装置を統合してバイタルデータ活用をする際、既存の技術と大きく違うのは、健康管理を行う際に、一般的なデータと比較するのではなく、一人ひとりの特性に合わせた「テーラーメード診断」、所謂、「個別化医療」を用いる点である。更に、医療ビッグデータの解析により、予防医学の道が開け、その支援に「人工知能」が役立つものとなる。今後は、PHR構想の実現にあたって、本発明を適用した健康状態判定装置が大きく寄与することが考えられる。
「クオリティデータの抽出]
バイタルデータ解析には信ぴょう性が重要である。よって集積されたバイタル測定値をそのまま用いるのではなく、バイタル精度検定を行い、クオリティデータ(測定精度が高いデータ)による分析結果でなければ価値は乏しい。しかし従来、バイタル測定精度の良し悪しを判定する有力な手法は無かったため、例えば、在宅医療では医療従事者ではない患者自身が測定したデータの信用性は(判定方法が無いため)一様に低いとされ、そのデータ活用には課題があった。
しかし、本技術では統計学(シャピローウィルク判定等)を用い、正規性を検定することで、バイタル精度検証が可能である。よって集積されたバイタルデータを解析する際に、「クオリティデータを測定している対象者」もしくは「クオリティデータを測定している対象施設群」と、「それ以外の群」に分類することで、集積された全バイタルデータから「クオリティデータ群」だけを抽出することが可能となる。この技術により、精度が担保されているデータからの解析が可能となるため、初めて人工知能開発の有力な指標として採用できるなど、活用の領域が広がる。
[医師、看護師の教育ソフトウェア]
また、本発明の健康状態判定装置は、医療従事者の教育用ツールとして使用することもできる。本発明に加え、病態鑑別フローチャートデータベースを組み合わせることで、これらの情報に基づき、設問と回答を組み合わせた教育用ソフトウェアを作成することが可能である。また、教育用ソフトウェアを使用する複数の医療従事者の点数を記録して、順位付けして、医師や看護師の評価表を作成することもできる。
[看護師が薬を処方する際の参考ツール]
また、看護師が薬を処方する際の参考ツールとしても使用が考えられる。例えば、対象者の個人情報に対象者の服薬履歴の情報を記録していく。これにより、「どのような症状の時にどのような薬が処方されたか」というデータが蓄積され、服薬の際に薬剤師が参考情報として活用できる。また、薬の種類によっては、薬剤師を介さずに服薬する用途にも展開できる。薬剤士による服薬履歴の確認作業も容易に行うことができる。
[服薬管理と配送サービス]
更には、服薬履歴の情報を記録と配送サービスを連動させることで、対象者が定期的に必要とする薬剤が、必要な時期に自動的に手元に届くようにすることもできる。
[職場や学校での健康診断データとのリンク]
本発明の健康状態判定装置は、職場や学校での定期的な健康診断の情報を記録して活用することも考えられる。なお、この際には、バイタル情報の取得期間が空くため、注意や警告、異常の判定は適宜設定するものとなる。これにより、対象者の健康管理に役立つものとなる。また、膨大な臨床データを取得する手段にもなる。更には、公的機関が実施する健康診断の情報とリンクさせることで、対象者の包括的な健康管理が可能となる。
[遠隔地における現地での健康管理]
本発明の健康状態判定装置は、遠隔地における現地での健康管理にも利用できる。例えば、海外出張中の当該国や、遠洋漁業に出た船舶、自衛隊の海外派遣先等に本発明の健康状態判定装置を設置する。これにより、医療レベルの低い国や、医療設備の存在しない場所においても、対象者の健康管理が可能となる。また、上述したような遠隔診断と組み合わせることで、医師による診断も行うことができる。
[地域別疾病発生状況確認]
本発明の健康状態判定装置は、地域別疾病発生状況の情報とリンクさせることで、地域医療の予防医療に貢献しうるものとなる。例えば、インフルエンザの流行に関する情報とリンクさせることで、健康状態判定装置を使用する地域での予防対策に繋げることができる。また、流行地域での対象者の情報が臨床データとして活用できるものとなる。
[空気環境の検知]
更には、空気環境の検知機構と本発明の健康状態判定装置を組み合わせることもできる。空気環境の検知機構により、ホルムアルデヒドやPM2.5の濃度を検知して、その濃度から、地域の空気汚染度などを判定し、装置使用者に注意喚起を促す構成にできる。また、行政サービスと連動させ、対象地域住民への注意喚起や、環境改善のための情報取得ツールとしても活用できるものとなる。
[室内環境の調整への活用]
本発明の健康状態判定装置に記録された情報に基づき、空調機器による室内温度や湿度の調整を可能としたヘルスケアホームへの利用が考えられる。バイタルサインの値が異常な値であると判定された対象者に適した室内温度や湿度に環境を制御することや、健康な状態が維持しやすい適切な設定温度等に制御可能となる。
[介護記録ソフトウェア及び介護請求ソフトウェア]
本発明を適用した健康状態判定装置は、介護記録ソフトウェアや介護請求ソフトウェアと連動させる態様が考えられる。介護記録ソフトウェアに入力される介護記録の情報を情報管理部で管理することで、「どのような症状の時にどのような介護が適切か」というデータを蓄積する。これにより介護士の技能レベルに左右されず、介護対象者に対して均一なサービスを提供できるものとなる。介護記録ソフトウェアとの連動における更なる別の態様は後述する。
介護請求ソフトウェアと連動させた場合には、介護費用の算出等の支援ツールとして使用することができる。これにより提供した介護内容に対して発生する費用を容易に確認できるものとなり、業務効率の向上につなげることができる。
[介護職員の健康チェック]
本発明を適用した健康状態判定装置は、介護する側の介護職員の健康状態のチェックに活用することもできる。介護職員自身のバイタル情報を測定し、健康状態判定装置に送信することで健康管理を行う。これにより介護現場の労働環境の改善につなげることができる。
[見守り機能]
また、介護施設や一人暮らしの高齢者用の見守りシステムと連動させた場合には、バイタル値の異常が判定された際や、対象者の動作に異常が見られた場合に、見守り対象者(例えば、家族等)に通知が行く構成が考えられる。例えば、家の中に人感センサーを設置して、トイレの中で住人が一定時間動かない時は、警備会社や家族に自動でアラートが行くようにする。その際には、見守り対象者のバイタル情報の記録をデータで同時に送信する構成とすることもできる。
[ダイエット、体調管理]
本発明を適用した健康状態判定装置は、使用者のダイエットや体調管理をサポートする装置としても活用しうる。例えば、バイタル情報と、食事の摂取カロリーの情報に基づき、減量のためのアドバイスが表示される構成が採用しうる。また、トレーニングジム等の施設と提携し、複数の減量プログラムを提供することも可能である。
[ウェアラブル装置への活用]
本発明の健康状態判定装置をウェアラブル装置と連動される仕組みも考えられる。近年では、身体に装着可能な小型のウェアラブル装置が開発されており。これらの装置を用いて、体温、脈拍、収縮期血圧及び拡張期血圧等の各種バイタル情報をリアルタイムで取得することが可能となっている。本発明の健康状態判定装置において、バイタル情報の取得手段や、判定結果を表示する表示手段として、ウェアラブル装置と組み合わせることで、適用範囲を大きく広げることができる。また、自己で体調管理を行うセルフマネジメントのための機器としての活用に繋げることができる。
[アプリケーションソフトウェアの活用]
また、上述したが、本発明の健康状態判定装置の機能をアプリケーションソフトウェアとして提供し、携帯端末やタブレット端末で使用可能とする構成が考えられる。これにより手軽に本装置の機能を利用できるものとなり、利便性を向上させることができる。また、本装置の普及率の向上に寄与し、より広範な臨床データの取得にもつなげることができる。
[買い物支援ソフトウェア]
本発明の健康状態判定装置に記録された情報を、インターネット上の商品販売ウェブサイトや、商品購入を支援するソフトウェアと連動させることも考えられる。使用者の健康状態に合わせた食品や健康器具等をお勧めしてくれる機能を付与することで、商品購入時の参考情報が得られるものとなる。
[動物の健康管理]
本発明の健康状態判定装置は動物を対象に使用することも考慮される。人間のみならず、ペット、動物園の動物の健康管理や野生動物の保護にも寄与しうるものとなる。また、動物の臨床データや診断情報を蓄積することで、医学的、学術的に有用な情報が得られるものとなる。
[車両への設置]
本発明の健康状態判定装置を車両に設置する態様が採用できる。例えば、運転手の座席にバイタル計測器(例えば、体温計、脈拍計、呼吸数センサー等)を設置しておき、運転手の体調不良が疑われる場合には、注意喚起を促すものとする。また、アルコール検知器と組み合わせて、飲酒運転のチェックを行う構成とすることもできる。
以上のように、本発明のソフトウェアは、対象者の個人差を考慮したバイタルサインや日々の体調を反映して、対象者ごとに異なる個体内変動を精度高く捉えることが可能であり、対象者の健康管理や、一人ひとりの個性にかなった医療の提供に寄与するものとなっている。
また、本発明の健康状態判定装置は、対象者の個人差を考慮したバイタルサインや日々の体調を反映して、対象者ごとに異なる個体内変動を精度高く捉えることが可能であり、対象者の健康管理や、一人ひとりの個性にかなった医療の提供に寄与するものとなっている。
また、本発明の健康状態判定方法は、対象者の個人差を考慮したバイタルサインや日々の体調を反映して、対象者ごとに異なる個体内変動を精度高く捉えることが可能であり、対象者の健康管理や、一人ひとりの個性にかなった医療の提供に寄与するものとなっている。
1 健康状態判定装置
1a ソフトウェア
2 演算部
2a 演算部
3 タブレット端末
3a (タブレット端末の)入力部
3b (タブレット端末の)表示部
3c (タブレット端末の)情報送受信部
4 情報記録部
4a 情報記録部
5 基準算出手段
5a 基準算出手段
6 判定処理手段
6a 判定処理手段
7 個人情報
8 バイタル情報
9 目安時刻情報
10 姿勢情報
11 気温情報
12 判定結果情報
13 再測定バイタル情報
14 平均値算出手段
15 標準偏差算出手段
16 正規分布算出手段
18 判定基準情報
21a バイタル測定器
21b 体温計
22a スマートフォン端末
22b パーソナルコンピュータ端末(PC端末)
23 情報入力手段
24 情報記録手段
24a 情報記録手段
30a インターネット
32a 情報管理サーバ
32b ソフトウェア
32c ソフトウェア
32d ソフトウェア
50a ユーザ端末
50b 外部端末
60a ユーザ端末
60b 外部端末
70b 管理端末
100 スコアリング処理手段
100a スコアリング処理手段
101 スコアリング基準設定手段
102 スコアリング基準情報

Claims (17)

  1. 取得されたバイタルサインに関する情報であるバイタル情報をスコアリングして、得られたスコア結果情報に基づいて、個体の健康状態を判定するためのソフトウェアであって、
    情報処理機器を、
    同一個体から取得されると共に、正規分布に従うバイタルサインから選択される少なくとも1つの測定値を含む前記バイタル情報及び取得日時の入力を受け付ける情報入力手段と、
    入力された前記バイタル情報及び取得日時の情報を記録させる情報記録手段と、
    記録された複数の前記バイタル情報の全部又は一部の、平均μ及び標準偏差σを算出する基準算出手段と、
    所定のスコアリング条件を基準に、入力された所定のバイタル情報をスコアリングして、スコアの値であるスコア結果情報を算出すると共に、前記所定のスコアリング条件は少なくとも前記平均μをピーク値とした正規分布に基づき設定されるスコアリング処理手段と、
    複数の種類の前記バイタル情報に対応する前記スコア結果情報を総合して、所定のスコア判定条件を基準に、異常な値か否かを判定するスコア判定手段と、
    前記スコア判定手段の判定結果に基づき、アラートを通知するアラート通知手段と、
    を含む手段として機能させるためのソフトウェアであり、
    少なくとも30個分の測定データの前記バイタル情報には、個体に固有の個体内変動が反映され、
    前記正規分布は、少なくとも30個分の測定データの前記バイタル情報から作成され、
    前記バイタル情報は、
    前記バイタルサインである体温、血圧、脈拍、脈圧及び呼吸数から選択される少なくとも1つの測定値を含み、
    前記スコアリング条件は、
    体温、血圧、脈拍、脈圧及び呼吸数から選択される少なくとも1つの測定値に対しては、前記平均μ、前記標準偏差σ、0より大きい数であるn及びmを用いて表された下記の式(1)の値を下限値及び式(2)の値を上限値とし、下限値及び上限値の少なくとも一方を基準にする基準域条件を含み、
    前記基準域条件は、バイタルサインの測定値のうち、所定のバイタル除外条件を満たす測定値が除外されて設定され、
    前記スコア判定手段は、前記基準域条件に基づきスコアリングされた前記スコア結果情報を含めて、次回の判定を行う
    ソフトウェア。
    μ−nσ・・・式(1)
    μ+mσ・・・式(2)
  2. 前記バイタル情報は、
    前記バイタルサインである体温、血圧、脈拍、脈圧及び呼吸数から選択される少なくとも1つの測定値と、
    酸素飽和度の測定値と、
    意識レベルを観察して取得された意識レベル評価結果とを有し、
    前記スコアリング条件は、
    酸素飽和度の測定値に対しては、予め設定した所定の数値範囲であり、
    意識レベル評価結果に対しては、意識レベルの程度を示す所定の観察状態である
    請求項1に記載のソフトウェア。
  3. 前記所定のバイタル除外条件は、下記の式(1)の値を下限値及び式(2)の値を上限値とし、下限値及び上限値を基準にする
    請求項1または請求項2に記載のソフトウェア。
    μ−2σ・・・式(1)
    μ+2σ・・・式(2)
  4. 前記所定のバイタル除外条件は、所定の検定法に基づく外れ値に該当するか否かである
    請求項1、請求項2または請求項3に記載のソフトウェア。
  5. 前記所定のバイタル除外条件は、医師による処方がなされた日、処方内容に含まれる期間、または、入院期間に測定された値であるか否かである
    請求項1、請求項2、請求項3または請求項4に記載のソフトウェア。
  6. 前記所定のバイタル除外条件は、
    所定の条件で複数回測定したバイタルサインの測定値に対して、下記の式(1)の値を下限値及び式(2)の値を上限値とし、下限値及び上限値を基準にして、下限値以下または上限値以上となるバイタルサインの測定値が2回以上続けて測定された際に、2回目以降の測定値であるか否かである
    請求項1または請求項2に記載のソフトウェア。
    μ−2σ・・・式(1)
    μ+2σ・・・式(2)
  7. 前記所定のバイタル除外条件は、t検定に基づく平均値を基準とする
    請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5または請求項6に記載のソフトウェア。
  8. 前記所定のバイタル除外条件は、
    所定の条件で複数回測定したバイタルサインの測定値に対して、所定の主値選択条件で選択された主値以外の測定値であるか否かである
    請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5、請求項6または請求項7に記載のソフトウェア。
  9. 前記所定のバイタル除外条件は、所定の検定法に基づき、正規性が担保されたバイタルサインの測定値であるか否かである
    請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5、請求項6、請求項7または請求項8に記載のソフトウェア。
  10. 前記所定のバイタル除外条件は、バイタルサインの測定を行った作業者の情報と、前記作業者が測定したバイタルサインの測定値の正規性の情報を基準とする
    請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5、請求項6、請求項7、請求項8または請求項9に記載のソフトウェア。
  11. 前記所定のバイタル除外条件は、バイタルサインの測定値が、所定の時間条件を満たして測定された値であるか否かである
    請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5、請求項6、請求項7、請求項8、請求項9または請求項10に記載のソフトウェア。
  12. 前記所定のバイタル除外条件は、
    所定の条件で複数回測定したバイタルサインの測定値に対して、下記の式(1)の値を下限値及び式(2)の値を上限値とし、下限値及び上限値の範囲内に含まれるバイタルサインの測定値であるか否かである
    請求項1または請求項2に記載のソフトウェア。
    μ−2σ・・・式(1)
    μ+2σ・・・式(2)
  13. 前記スコア判定手段は、異常な値と判定する際に、異常を少なくとも2つの段階に分けて判定する
    請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5、請求項6、請求項7、請求項8、請求項9、請求項10、請求項11または請求項12に記載のソフトウェア。
  14. 前記情報入力手段は、
    所定のバイタル除外条件を満たす測定値が入力された際に、バイタルサインの再測定を促す
    請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5、請求項6、請求項7、請求項8、請求項9、請求項10、請求項11、請求項12または請求項13に記載のソフトウェア。
  15. 取得されたバイタルサインに関する情報であるバイタル情報をスコアリングして、得られたスコア結果情報に基づいて、個体の健康状態を判定するための健康状態判定装置であって、
    同一個体から取得されると共に、正規分布に従うバイタルサインから選択される少なくとも1つの測定値を含む前記バイタル情報及び取得日時の入力を受け付ける情報入力手段と、
    入力された前記バイタル情報及び取得日時の情報を記録させる情報記録手段と、
    記録された複数の前記バイタル情報の全部又は一部の、平均μ及び標準偏差σを算出する基準算出手段と、
    所定のスコアリング条件を基準に、入力された所定のバイタル情報をスコアリングして、スコアの値であるスコア結果情報を算出すると共に、前記所定のスコアリング条件は少なくとも前記平均μをピーク値とした正規分布に基づき設定されるスコアリング処理手段と、
    複数の種類の前記バイタル情報に対応する前記スコア結果情報を総合して、所定のスコア判定条件を基準に、異常な値か否かを判定するスコア判定手段と
    前記スコア判定手段の判定結果に基づき、アラートを通知するアラート通知手段と、
    前記スコア判定手段が判定した判定結果を表示可能な表示手段とを備え、
    少なくとも30個分の測定データの前記バイタル情報には、個体に固有の個体内変動が反映され、
    前記正規分布は、少なくとも30個分の測定データの前記バイタル情報から作成され、
    前記バイタル情報は、
    前記バイタルサインである体温、血圧、脈拍、脈圧及び呼吸数から選択される少なくとも1つの測定値を含み、
    前記スコアリング条件は、
    体温、血圧、脈拍、脈圧及び呼吸数から選択される少なくとも1つの測定値に対しては、前記平均μ、前記標準偏差σ、0より大きい数であるn及びmを用いて表された下記の式(1)の値を下限値及び式(2)の値を上限値とし、下限値及び上限値の少なくとも一方を基準にする基準域条件を含み、
    前記基準域条件は、バイタルサインの測定値のうち、所定のバイタル除外条件を満たす測定値が除外されて設定され、
    前記スコア判定手段は、前記基準域条件に基づきスコアリングされた前記スコア結果情報を含めて、次回の判定を行う
    健康状態判定装置。
    μ−nσ・・・式(1)
    μ+mσ・・・式(2)
  16. コンピュータが実行する方法であり、取得されたバイタルサインに関する情報であるバイタル情報をスコアリングして、得られたスコア結果情報に基づいて、個体の健康状態を判定するための健康状態判定方法であって、
    同一個体から取得されると共に、正規分布に従うバイタルサインから選択される少なくとも1つの測定値を含む前記バイタル情報の入力を受け付けて記録する情報記録工程と、
    記録された複数の前記バイタル情報の全部又は一部の、平均μ及び標準偏差σを算出する基準算出工程と、
    所定のスコアリング条件を基準に、入力された所定のバイタル情報をスコアリングして、スコアの値であるスコア結果情報を算出すると共に、前記所定のスコアリング条件は少なくとも前記平均μをピーク値とした正規分布に基づき設定されるスコアリング処理工程と、
    複数の種類の前記バイタル情報に対応する前記スコア結果情報を総合して、所定のスコア判定条件を基準に、異常な値か否かを判定するスコア判定工程と、
    前記スコア判定工程の判定結果に基づき、アラートを通知するアラート通知工程とを備え、
    少なくとも30個分の測定データの前記バイタル情報には、個体に固有の個体内変動が反映され、
    前記正規分布は、少なくとも30個分の測定データの前記バイタル情報から作成され、
    前記バイタル情報は、
    前記バイタルサインである体温、血圧、脈拍、脈圧及び呼吸数から選択される少なくとも1つの測定値を含み、
    前記スコアリング条件は、
    体温、血圧、脈拍、脈圧及び呼吸数から選択される少なくとも1つの測定値に対しては、前記平均μ、前記標準偏差σ、0より大きい数であるn及びmを用いて表された下記の式(1)の値を下限値及び式(2)の値を上限値とし、下限値及び上限値の少なくとも一方を基準にする基準域条件を含み、
    前記基準域条件は、バイタルサインの測定値のうち、所定のバイタル除外条件を満たす測定値が除外されて設定され、
    前記スコア判定工程は、前記基準域条件に基づきスコアリングされた前記スコア結果情報を含めて、次回の判定を行う
    健康状態判定方法。
    μ−nσ・・・式(1)
    μ+mσ・・・式(2)
  17. 取得されたバイタルサインに関する情報であるバイタル情報に基づいて、個体の健康状態を判定するためのソフトウェアであって、
    情報処理機器を、
    同一個体から取得されると共に、正規分布に従うバイタルサインから選択される少なくとも1つの測定値を含む前記バイタル情報及び取得日時の入力を受け付ける情報入力手段と、
    入力された前記バイタル情報及び取得日時の情報を記録させる情報記録手段と、
    記録された複数の前記バイタル情報の全部又は一部の、平均μ及び標準偏差σを算出する基準算出手段と、
    前記平均μ及び前記標準偏差σから選択される少なくとも1つに基づいて設定された所定の数値範囲を基準にして、入力された所定のバイタル情報が異常な値か否かを判定すると共に、前記所定の数値範囲は少なくとも前記平均μをピーク値とした正規分布に基づき設定される判定手段と、
    を含む手段として機能させるためのソフトウェアであり、
    少なくとも30個分の測定データの前記バイタル情報には、個体に固有の個体内変動が反映され、
    前記正規分布は、少なくとも30個分の測定データの前記バイタル情報から作成され、
    前記バイタル情報は、
    前記バイタルサインである体温、血圧、脈拍、脈圧及び呼吸数から選択される少なくとも1つの測定値を含み、
    前記所定の数値範囲は、
    体温、血圧、脈拍、脈圧及び呼吸数から選択される少なくとも1つの測定値に対しては、前記平均μ、前記標準偏差σ、0より大きい数であるn及びmを用いて表された下記の式(1)の値を下限値及び式(2)の値を上限値とし、下限値及び上限値の少なくとも一方を基準にする基準域条件を含み、
    前記基準域条件は、バイタルサインの測定値のうち、所定のバイタル除外条件を満たす測定値が除外されて設定される
    ソフトウェア。
    μ−nσ・・・式(1)
    μ+mσ・・・式(2)
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