特許法第30条第2項適用 下記のイベントにおける製品紹介のパンフレット、プレゼン資料、製品紹介のポスター及び製品のチラシ配布による製品説明 (1)平成30年10月11日~10月12日 日本慢性期医療学会 城山ホテル(鹿児島) 鹿児島県鹿児島市新照院町41番1号 (2)平成30年10月28日 第2回JTCCシンポジウム グランドハイアット福岡 福岡県福岡市博多区住吉1丁目2-82 (3)平成30年11月1日 三井住友海上セミナー(久留米) 三井住友海上 久留米ビル 福岡県久留米市東町1-21 (4)平成30年11月7日 三井住友海上セミナー(福岡) 三井住友海上 福岡支店 福岡県福岡市中央区赤坂1-16-14 (5)平成30年11月12日 最新医療セミナーin徳島 徳島大学病院 徳島県徳島市蔵本町2丁目50-1 (6)平成30年11月16日 西日本国際福祉機器展 企業セミナー 西日本総合展示場 福岡県北九州市小倉北区浅野3-8-1 (7)平成31年2月19日 介護サービス経営研究会(パートナー)/2月度例会 東京都千代田区丸の内1-6-6 日本生命丸の内ビル21階 (8)平成30年2月19日 高齢者住宅新聞社セミナー 東京都中央区京橋1丁目7-1
本発明においては、上述した課題に加えて、以下のような内容も考慮して創作がなされたものである。
近年、医療分野において「個別化医療(personalized medicine)」の重要性が高まっている。個別化医療とは、一般的に、テーラーメード医療(tailor-made medicine)といわれる「一人ひとりの個性にかなった医療を行うこと」をさしている。
これまでの医療は、疾患を中心とした考え方に基づき行われるものであり、疾患の原因を探索したり、その治療法を開発したりすることが主な目的とされている。この一方で、疾患の状態は一人ひとりで千差万別であり、同じ病気であっても同じ治療法を適用することが必ずしも正しくないことは以前より知られてきている。
しかしながら、従来の医療において、治療効果の個人差は、治療とその効果を観察しなければ分からないものとされ、一人ひとりに最適な治療計画を行うことは難しい状況にある。
ここで、個別化医療の実現には、個人ごとに異なる「バイオマーカー」を捉えることが重要とされている。一般的には、バイオマーカーは、特定の病状や生命体の状態の指標であり、アメリカ国立衛生研究所(National Institutes of Health)の研究グループは、1998年に、バイオマーカーについて「通常の生物学的過程、病理学的過程、もしくは治療的介入に対する薬理学的応答の指標として、客観的に測定され評価される特性」と定義づけている。また、過去においては、バイオマーカーは主として、血圧や心拍数など生理学的指標のことを意味していた。
こうしたなか、従来の診断を支援する装置では、基準となる絶対値を設け、その絶対値に対する測定値の大小をもって、健康状態のランク付けや、異常の検出を行う。
しかしながら、対象者のバイタル情報の測定に基づき異常を検知する従来の仕組みは、対象者の個体内変動を考慮した検知とはなっていない。例えば、従来の診断を支援する装置では、単に3日分の測定情報の平均値を算出して正常値の基準とされ、対象者の個体内変動を考慮した検知とは言い難いものである。
また、従来技術では、例えば、体温情報から異常を判定する際に、対象者から回答を得た平熱を基準値とし、上下1.0℃の範囲を超えた場合を異常とするケースが多く見られる。この平熱からの体温変化にも変動幅に個人差があり、適切な基準値となりえないことが想定される。
即ち、体温の変位が大きくても正常と判断されるべき人や、体温の変位が小さくても異常を検知されるべき人が適切に判定できなくなってしまう。このような構成では、精度の高い健康状態の評価は困難なものとなる。
今後、拡大が期待される個別化医療では、診断、予後、薬力学、モニタリングなどの目的にかなったバイオマーカーが欠かせないものとなる。本発明者は、これまでに、「高齢者の発病」、「診断」を目的とするバイオマーカーを中心に研究を進めてきた。その中で、本発明者は、近年実施されている遺伝子レベルでの解析を行うバイオマーカーではなく、人間の生命に関する最も基本的な情報である体温、脈拍、血圧等の「バイタルサイン」をバイオマーカーとすることに可能性を見出した。
このバイタルサインをバイオマーカーにできる理由は、体温、血圧、脈拍、呼吸数等のバイタルサインに、一人ひとり異なる「個体内変動」があるためである。即ち、対象者によって、バイタルサインの変化の仕方が異なっており、この変化の仕方を適切に捉えて、解析することで、対象者の健康管理や診断等に寄与する技術が開発できると考えたのである。
また、本発明者は、これまでの研究により、基本的に人間のバイタルサインは、一定の期間をかけて分布を見ると、バイタルサインが正規分布することを確認している。また、バイタルサインの正規分布は、その人固有の個体内変動を含んで分布するものである。
しかしながら、医療統計学において、バイタルサインに関する多くの人の標準偏差を見る「個体間変動」の論文や報告等は存在するが、同一の対象者の「個体内変動」を扱ったものは皆無である。
また、従来の医学では、異なる複数の患者のバイタルサインのデータを集積して、多数の患者の集積データと、特定の患者のバイタルサインのデータを比較する「個体間変動」に着目する解析は多数存在するが、同一の対象者のバイタルサインの変動、即ち、「個体内変動」に着目した解析は皆無であった。
更に、従来の医学では、「個体間変動」の正規分布に着目した解析は多数行っているが、「個体内変動」の正規分布に着目した解析や、診断等への活用は全くなされていなかった。
かかる状況の中、個別化医療において有用なバイオマーカーとなるバイタルサインやその解析では、対象者個人の個体内変動を充分に反映した基準が重要であり、これを利用した判定技術が強く望まれている。
また、個体内変動を利用した健康状態の判定技術は、対象者が体調に異常が生じた状態の早期発見に活用できるだけでなく、体調に異常が生じる前の段階における体調の自己管理、予防等に関して、所謂、セルフマネジメントに活用できる可能性を充分に有している。
本発明は、以上の点も考慮して創案されたものであり、対象者の個人差を考慮したバイタルサインや日々の体調を反映して、対象者ごとに異なる個体内変動を精度高く捉えることが可能なものとなっている。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明し、本発明の理解に供する。
図1は、本発明を適用したソフトウェアを導入したタブレット端末の概略構成を示す図である。なお、以下に示す構造は本発明の一例であり、本発明の内容はこれに限定されるものではない。
[1.全体の装置構成について]
本発明を適用したソフトウェアは、汎用の情報処理機器に導入可能であり、組み込まれた情報処理機器に対して本発明の実施するために必要な各情報処理機能を付与する。
この結果、タブレット端末3(又はユーザ端末等)において、対象者に関する生活支援記録情報、看護記録情報、医師記録情報等を入力・記録して、対象者に関して、各職種が入れた医療情報を整理・分析して、一覧可能な情報として利用可能にするものである。これにより、対象者に関する医療情報を、介護士、看護補助者、看護師及び医師の間で効率良く情報共有することができる。更に、医師の診断を支援する情報を効率良く提供することができる。
また、タブレット端末3において、介護士又は看護補助者が、対象者の生活支援記録情報を入力して、その内容を構造化処理した生活支援因子情報へと変換処理して記録するものである。これにより、生活支援記録情報を看護師や医師が利用しやすい情報として確認することができる。
また、タブレット端末3において、対象者のバイタル情報を入力して、その内容に応じたスコアリングを行い、得られたスコア結果情報(以下、「スコア値情報」と称する)に関して、異常の程度の判定を行うことができる。
なお、情報処理機器とは、CPUなどの演算部と、RAMやROMなどの記憶部と、液晶画面等の表示画面や、キーボード等の入力部、インターネット等との通信を制御する通信部等を備えたものである。例えば、汎用のパーソナルコンピュータやタブレット端末、スマートフォン等である。また、情報処理機器としては、例えば、各種のヘルスケア機器や、病院や施設等に設置された医療システムや介護システムも対象となり、本発明を適用したソフトウェアがこれらに組み込まれて使用されるものでもよい。
本発明を適用したソフトウェアはタブレット端末3にダウンロードされて組み込まれており、生活支援記録情報、看護記録情報、医師記録情報等の入力・表示機能、バイタル情報の入力・表示機能、診断寄与情報及び診断寄与候補情報の入力・表示機能、バイタル熱型表の作成・表示機能、バイタル情報のスコアリング機能及びスコア値の判定機能等を備えたタブレット端末を、診断支援装置1とする。
なお、以下では、診断支援装置1を用いた診断の対象となる人物を「対象者」と呼ぶものとする。
また、本発明の診断支援装置1では、複数の対象者に関する情報を入力・記録・表示及び処理することが可能であり、個々の対象者の各種情報は、対象者の氏名又は識別番号等の情報で、識別可能に構成されている。
図1に示すように、診断支援装置1(タブレット端末3)は、演算部2を備えている。演算部2は、診断支援装置1の有する各情報処理機能を実行する処理部である。即ち、本発明を適用したソフトウェアでは、タブレット端末3の演算部2を情報入力手段23、情報記録手段24、基準算出手段5、情報処理手段100、判定処理手段6等として機能させる。
この演算部2が有する各手段の機能により、情報の送受信、情報の記録、情報の表示、生活支援因子情報の生成、診断寄与候補情報の抽出、生活支援因子情報に基づく異常の通知、バイタル熱型表の作成、バイタル情報の内容に基づくスコアリング、スコアリング条件(スコアリング基準情報)の設定、スコア値情報における異常の判定、スコア値に関する異常の判定基準の設定、スコア値に関する判定結果の通知、バイタルサインの値における異常の判定、バイタルサインの値に関する異常の判定基準の設定、バイタルサインの値に関する判定結果の通知、表示情報の作成や表示等を行う。
なお、タブレット端末3は、インターネットを介して、外部のサーバ、端末等にアクセス可能であり、外部のサーバや端末等との間で情報の送受信を行うことも可能である。情報記録手段24、基準算出手段5、情報処理手段100、判定処理手段6は、それぞれ本願請求項の「情報記録手段」、「基準算出手段」、「構造化処理手段、バイタル熱型表処理手段、表示情報処理手段、不足病理因子生成手段及びスコアリング処理手段」、「スコア判定手段及びバイタル判定手段」の一例である。
タブレット端末3は、情報記録部4と、情報送受信部3cと、入力部3aと、表示部3bを有している。
情報送受信部3cは、演算部2、情報記録部4、入力部3a及び表示部3b等の間での情報の送受信を担う部分である。また。タブレット端末3と、外部端末との間で情報の送受信可能に構成されるものであってもよい。
ここで、以下、本発明を適用したソフトウェアが取り扱う各情報が、必ずしも、タブレット端末3の情報記録部4に記録される必要はない。例えば、タブレット端末3の情報送受信部3cを介して、外部サーバや外部端末に各種情報を送信して記録させ、判定等の際に、外部サーバ等から必要な情報を受信する態様であってもよい。
更に言えば、タブレット端末3に、診断支援装置1の主要な構成が全てダウンロードされる必要はない。例えば、タブレット端末3では、生活支援記録情報、看護記録情報、医師記録情報、バイタル情報、診断寄与情報、診断寄与候補情報、バイタル熱型表、バイタル情報、スコア値の判定結果の情報等の各種情報の表示のみを行い、各種情報の記録及び判定処理等は外部サーバ等で行う態様であってもよい。
本発明を適用したソフトウェアは、システム上の構成において、複数のバリエーションが存在しうる。以下、幾つかのバリエーションの事例を説明する。
(第1のシステム構成)
図1に示したタブレット端末3の概略構成は、本発明を適用したソフトウェアを端末に導入して、端末単体で、生活支援記録情報、看護記録情報、医師記録情報、バイタル情報の入力・記録・表示、診断寄与情報及び診断寄与候補情報の入力・記録・表示、バイタル熱型表の作成・表示、スコア値の表示、スコア値の判定、スコア値の判定結果の表示、スコアリング条件の設定、スコア値の判定算出基準の設定、バイタルサインの値の判定、バイタルサインの値の判定結果の表示、バイタルサインの値の判定算出基準の設定、生活支援因子情報の設定・生成・表示等が可能となっている。即ち、装置単体で本発明の機能を実行しうるものである。
図1に示す概略構成は、インターネット環境と接続されていない「スタンドアローン形式」の装置における、本発明を適用したソフトウェアの利用を示している。インターネット環境と接続されない情報処理機器、例えば、各種のヘルスケア機器や、病院等の医療システム・介護システムに本発明のソフトウェアを導入して、専用機器として利用することができる。なお、ここではタブレット端末3を情報処理機器の一例として挙げたため、インターネット環境との接続が可能となるが、図1に示す構成であれば、タブレット端末3の内部機能のみで、対象者の診断支援を行うことができる。
なお、本発明は、介護士、看護補助者、看護師、医師の各々が物理的に離れた位置にあっても、本発明のソフトウェアを端末に導入した複数の端末同士で、効率良く情報共有が可能となるものである。そのため、本発明のソフトウェアを端末に導入した複数の端末同士で、情報の送受信が可能となる構成が採用されることが好ましい。以下、このような構成を有する第2のシステム構成又は第3のシステム構成を説明する。
(第2のシステム構成)
図2では、第2のシステム構成として、本発明を適用したソフトウェア1aの機能を外部サーバに持たせた構成も採用しうる。ここでは、ユーザ端末50aや、外部端末50b等、複数の端末が、インターネット30aを介して、情報管理サーバ32aにアクセス可能となっている。情報管理サーバ32aは、例えば、クラウド形式で提供される外部サーバであり、情報管理サーバ32a上で本発明を適用したソフトウェア1aの機能が利用しうる。
情報管理サーバ2aは、情報記録部4a、情報送受信部3c、演算部2aを有している。また、演算部2aは、基準算出手段5a、情報記録手段24a、情報処理手段100a、判定処理手段6aを有している。各種情報の入力は、ユーザ端末50aや、外部端末50bを介して行い、各端末から入力された情報が情報管理サーバ32aに送信され、情報管理サーバ32a側で情報の記録、表示情報の生成、スコア値の判定等がなされる。せいせいされた表示情報やスコア値の判定結果、記録された情報は、ユーザ端末50aや、外部端末50bに送信され、各端末で確認することができる。このように、外部サーバ上にソフトウェア1aの機能を付与するシステム構成も採用しうる。
(第3のシステム構成)
図3では、第3のシステム構成として、本発明を適用したソフトウェア32bの機能以外に、複数のソフトウェア32c、32d等を有するモジュールAを備える管理端末70bの構成を示している。本発明を適用したソフトウェア32bは、これとは異なる各種機能を管理端末70bに実行させる他のソフトウェアと共に、1つのモジュールAを構成している。即ち、予め複数のソフトウェア32c、32d等が導入された管理端末70bのモジュールAに、ソフトウェア32bを組み込んで機能させることが可能である。例えば、介護費用等の算出用のシステムの管理端末が備えるモジュールに、本発明を適用したソフトウェアを組み込むこともできる。
このような第3のシステム構成では、管理端末70bに各種情報を入力して、情報管理サーバ32a側で情報の記録、表示情報の生成、スコア値の判定等を行い、表示情報や判定結果の情報等を、管理端末70b上で確認することができる。また、ユーザ端末60aや、外部端末60bと、管理端末70bを接続させて、ユーザ端末60aや、外部端末60bから各種情報を入力して管理端末70bに送信し、管理端末70bで表示情報の生成、スコア値の判定等を行い、表示情報や判定結果の情報等を、ユーザ端末60aや、外部端末60bで受信して確認することもできる。このように、本発明を適用したソフトウェアは、複数のソフトウェアで構成されたモジュールの一部として機能させる構成も採用しうる。
以上のように、本発明を適用したソフトウェア(又は診断支援装置)のシステム上の構成は複数のバリエーションが存在する。なお、上記では、3つの例を中心に説明したが、本発明を適用したソフトウェア(又は診断支援装置)の構成はこれに限定されるものではない。例えば、情報記録部をユーザ端末に設けて、情報処理手段を外部サーバに持たせて、必要な機能の所在を端末とサーバに分ける構成であってもよく、種々の構成が採用しうる。
図1に示したタブレット端末3の使用態様を用いて、以下、詳細な構成の説明を続ける。
[2.情報記録部]
図4に示すように、情報記録部4には、各種情報が記録されている。
情報記録部4に記録された各種の情報はタブレット端末3が有する入力部3a、情報送受信部3c及び情報入力手段24(図示せず)を介して入力や情報の修正が可能となっている。また、情報記録部4に記録された各種の情報はタブレット端末3が有する表示部3b及び情報送受信部3cを介して、その内容を確認可能となっている。
情報記録部4は、対象者の個人情報7が記録されている。個人情報7には、対象者の氏名、年齢、性別、住所又は入居施設の部屋の情報、現病歴、既往歴等が含まれている。
また、個人情報7と各種情報(バイタル情報8、生活支援記録情報81、看護記録情報82、生活支援因子情報83、診断寄与候補情報84及び診断寄与情報85等)は、個別の対象者を識別可能な識別情報と紐付けられて記録可能に構成されている。これにより、複数の対象者が識別可能となり、複数の対象者が1つの診断支援装置1を使用可能となっている。
また、情報記録部4には、対象者に対して、介護士又は看護補助者が提供した生活支援の内容の情報である生活支援記録情報81が記録される。
また、情報記録部4には、看護士が対象者に行った看護の内容の情報や、看護の内容から得られた情報である看護記録情報82が記録されている。
また、情報記録部4には、生活支援記録情報81が、後述する情報処理手段100(構造化処理手段として機能)により変換処理された生活支援因子情報83が記録されている。生活支援因子情報83は、生活支援記録情報の内容を、看護師による健康状態の把握や、医師の診断に利用しやすい内容に変換した情報である。
また、情報記録部4には、生活支援因子情報83の内容が、所定の条件(生活支援因子リスク条件)を満たす場合に、所定の条件を満たした生活支援因子情報83が、後述する情報処理手段100(リスク生活支援因子生成手段として機能)により変換処理された診断寄与候補情報84が記録されている。診断寄与候補情報84は、看護師がスクリーニングして、医師の診断に必要な診断寄与情報85となる可能性がある情報である。また、診断寄与候補情報84には、後述する情報処理手段100(不足病理因子生成手段として機能)により生成された、さらに確認すべき病理因子の情報も含まれている。
変換処理された
また、情報記録部4には、診断寄与情報85が記録されている。診断寄与情報85は、看護記録情報82、診断寄与候補情報84、及び、バイタル情報8のうちバイタル判定処理手段6が異常と判定したバイタル情報8の中から、看護師が医師の診断に必要な情報としてスクリーニングした情報である。
即ち、診断寄与情報85が、一覧画面情報120を構成する情報として表示されることで、医師がこれを確認して、対象者の診断の際に、参考の情報とすることができる。
また、情報記録部4には、病気情報87、既往歴情報88、対象者の臨時薬情報89及び薬剤情報89aが記録される。また、情報記録部4には、医師記録情報90が記録される。
[生活支援記録情報及び生活支援因子情報]
生活支援記録情報81とは、例えば、介護士又は看護補助者が生活支援を行う中で確認した対象者の食事量、飲水量、排尿量、排便量、尿の状態、便の状態及び入浴の状態の情報である。これらの情報は、介護士等が生活支援を行った各日付又は各タイミングで、その情報が取得されるものである。
より詳しくは、食事量であれば、例えば、朝食、昼食及び夕食の各1回の食事につき、主食10、副食10の数値を割り当て、1回の食事の総量を20に設定する。また、1日の分母である60に対して、3回の食事の合計量を分子とする。1日の食事の合計量が30(例えば、朝5:5、昼2:8、夕5:5)であれば、その1日の食事の割合は5割となる。
また、食事量に関する生活支援因子リスク条件を「3日間5割以下」を設定した場合には、食事量に関して、「異常(又は×の内容)」が記録され、「3日間5割以下」が記録されなければ、食事量に関して、「正常(又は○の内容)」が記録される。
ここでいう、「朝5:5、昼2:8、夕5:5」の数値の情報が、生活支援記録情報81であり、また、「異常(又は×)」、「正常(又は○)」の情報が、生活支援因子情報83である。さらに、「3日間5割以下」の条件が生活支援因子リスク条件であり、食事量に関する「異常(又は×)」の結果の情報が、診断寄与候補情報84となる。
なお、食事量に関する入力する情報の内容や、判定基準となる生活支援因子リスク条件の内容は、適宜設定することができ、上述した内容は一例に過ぎない。また、以下で述べる飲水量、排尿量、排便量、尿の状態、便の状態及び入浴の状態の情報についても同様である。
また、飲水量であれば、例えば、1日の飲水量(ml)を介護士等が入力、記録する。また、飲水量に関する生活支援因子リスク条件を「3日間Xml以下」を設定した場合には、3日間の飲水量が条件を満たせば「異常(又は×の内容)」が記録され、条件を満たさなければ、飲水量に関して、「正常(又は○の内容)」が記録される。
ここでいう、「1日の飲水量(ml)」の数値の情報が、生活支援記録情報81であり、また、「異常(又は×)」、「正常(又は○)」の情報が、生活支援因子情報83である。さらに、「3日間Xml以下」の条件が生活支援因子リスク条件であり、飲水量に関する「異常(又は×)」の結果の情報が、診断寄与候補情報84となる。
なお、飲水量に関しては、その量に応じて「少・中・多」のように、3段階の判定結果が得られる条件を設定して、条件に基づき変換処理された結果に応じて、「異常(又は×)」、「正常(又は○)」を記録する構成も採用しうる。
また、排尿量であれば、例えば、1日の排尿量(ml)を介護士等が入力、記録する。また、排尿量に関する生活支援因子リスク条件を「3日間でXml以下(下限)、又は、3日間でYml以上(上限)」を設定した場合には、3日間の排尿量が、下限以下、又は、上限以上の条件を満たせば「異常(又は×の内容)」が記録され、下限超~上限未満の範囲内で、条件を満たさなければ、排尿量に関して、「正常(又は○の内容)」が記録される。
ここでいう、「1日の排尿量(ml)」の数値の情報が、生活支援記録情報81であり、また、「異常(又は×)」、「正常(又は○)」の情報が、生活支援因子情報83である。さらに、「3日間でXml以下(下限)、又は、3日間でYml以上(上限)」の条件が生活支援因子リスク条件であり、排尿量に関する「異常(又は×)」の結果の情報が、診断寄与候補情報84となる。
なお、排尿量に関しては、その量に応じて「少・中・多」のように、3段階の判定結果が得られる条件を設定して、条件に基づき変換処理された結果に応じて、「異常(又は×)」、「正常(又は○)」を記録する構成も採用しうる。
また、排便量であれば、例えば、1日の排便の回数を介護士等が入力、記録する。また、排便量に関する生活支援因子リスク条件を「排便0回が3日間以上」を設定した場合には、排便の回数が3日間で0の条件を満たせば「便秘(又は×の内容)」が記録され、条件を満たさなければ、排便量に関して、「正常(又は○の内容)」が記録される。
ここでいう、「1日の排便の回数」の情報が、生活支援記録情報81であり、また、「便秘(又は×)」、「正常(又は○)」の情報が、生活支援因子情報83である。さらに、「排便0回が3日間以上」の条件が生活支援因子リスク条件であり、排便量に関する「便秘(又は×)」の結果の情報が、診断寄与候補情報84となる。
なお、排便量に関しては、その回数に応じて「少・中・多」のように、3段階の判定結果が得られる条件を設定して、条件に基づき変換処理された結果に応じて、「異常・便秘(又は×)」、「正常(又は○)」を記録する構成も採用しうる。
また、排便量に関しては、「1日の排便の回数」の情報に変わり、排便の量を「無・小・中・大」に分けた形で、入力をして計算を行い、所定の量を満たすか否かで、排便量の結果の情報を得ることができる。この際、例えば、「無」または「小」が続けば、「便秘(又は×)」の結果とすることができる。
また、尿の状態であれば、例えば、介護士等が対象者の尿の状態を観察して、その観察結果を入力、記録する。また、尿の状態に関する生活支援因子リスク条件を「血尿、尿濁、尿臭及びその他の尿に関するコメント情報が入力されたこと」に設定した場合には、血尿、尿濁、尿臭及びその他の尿に関するコメント情報(例えば、「尿混濁」等)が入力されれば、その入力された内容が尿の状態異常を示す情報として記録され、何ら、尿の状態異常を示す情報が入力されなければ、尿の状態に関して、「正常(又は○の内容)」が記録される。
ここでいう、「血尿、尿濁、尿臭及びその他の尿に関するコメント情報、又は、入力がない」との情報が、生活支援記録情報81であり、また、「血尿、尿濁、尿臭及びその他の尿に関するコメント情報」、「正常(又は○)」の情報が、生活支援因子情報83である。さらに、「血尿、尿濁、尿臭及びその他の尿に関するコメント情報が入力されたこと」の条件が生活支援因子リスク条件であり、尿の状態に関する「血尿、尿濁、尿臭及びその他の尿に関するコメント情報」の情報が、診断寄与候補情報84となる。
また、便の状態であれば、例えば、介護士等が対象者の便の状態を観察して、その観察結果を入力、記録する。また、便の状態に関する生活支援因子リスク条件を「軟便(下痢)、血便及びその他便に関するコメント情報が入力されたこと」に設定した場合には、軟便(下痢)、血便及びその他便に関するコメント情報が入力されれば、その入力された内容が便の状態異常を示す情報として記録され、何ら、便の状態異常を示す情報が入力されなければ、便の状態に関して、「正常(又は○の内容)」が記録される。
ここでいう、「軟便(下痢)、血便及びその他便に関するコメント情報、又は、入力がない」との情報が、生活支援記録情報81であり、また、「軟便(下痢)、血便及びその他便に関するコメント情報」、「正常(又は○)」の情報が、生活支援因子情報83である。さらに、「軟便(下痢)、血便及びその他便に関するコメント情報が入力されたこと」の条件が生活支援因子リスク条件であり、便の状態に関する「軟便(下痢)、血便及びその他便に関するコメント情報」の情報が、診断寄与候補情報84となる。
また、入浴の状態であれば、例えば、介護士等が対象者の入浴の中止の有無と理由を確認して、入浴を中止した際に、入浴を中止した理由を入力、記録する。また、入浴の状態に関する生活支援因子リスク条件を「入浴を中止した理由が入力されたこと」に設定した場合には、入浴を中止した理由の情報(例えば、対象者の発熱等)が入力されれば、その入力された内容が入浴の状態異常を示す情報として記録され、何ら、入浴を中止した理由の情報が入力されなければ、入浴の状態に関して、「正常(又は○の内容)」が記録される。
ここでいう、「入浴を中止した理由、又は、入力がない」との情報が、生活支援記録情報81であり、また、「入浴を中止した理由」、「正常(又は○)」の情報が、生活支援因子情報83である。さらに、「入浴を中止した理由が入力されたこと」の条件が生活支援因子リスク条件であり、便の状態に関する「入浴を中止した理由」の情報が、診断寄与候補情報84となる。
このように、介護士又は看護補助者が生活支援の内容から取得した各種の生活支援記録情報81及びその内容が変換処理された生活支援因子情報83が、情報記録部4に記録される。なお、生活支援因子情報83の種類は、上述した内容に限定されるものではなく、対象者の診断に関連する生活支援の情報であれば、適宜採用することができる。
例えば、その他に採用しうる生活支援記録情報81の種類としては、対象者の「睡眠量」や「活動量」がある。
ここで、睡眠量は、例えば、マットレスの下に配置したセンサーにより、対象者の寝返り、呼吸、心拍等を測定して睡眠量を把握するものや、ベッドサイドに配置して、対象者の胸の動きや寝返りから睡眠量を把握するものが利用できる。そして、測定した睡眠量に対して、所定の判定条件を設けることで、診断寄与候補情報84を生成可能となる。
また、活動量は、例えば、歩数に基づき活動量を算出する活動量計を用いて測定可能である。活動量計は、対象者が身に着けて、日々の歩行や身体活動を測定する。そして、測定した活動量に対して、所定の判定条件を設けることで、診断寄与候補情報84を生成可能となる。
[看護記録情報]
看護記録情報82とは、看護師が対象者に行う看護の内容の情報、又は、看護の内容を通して得られた情報である。看護記録情報82とは、例えば、対象者の個体の病状、又は観察結果の情報である。
より詳細には、個体の病状とは、例えば、発熱の有無や程度、頭痛の有無や程度、対象者に対する問診の結果認められた異常、自覚症状や他覚症状等の情報である。また、ここでいう観察結果とは、例えば、対象者の顔色、身体のむくみの有無や程度、筋力や腱反射の低下、会話への反応等の情報である。
また、看護記録情報82には、バイタル情報8の中から、看護師が選択したバイタルサインの値や、バイタル情報8のうち、判定処理部6(バイタル異常判定部)が異常と判定した値が含まれてもよい。
また、看護記録情報82には、後述するバイタル熱型表情報86の中から、特に注目すべきバイタルサインの値の変動傾向に関する情報が含まれてもよい。さらに、看護記録情報82には、後述する病気情報87及び既往歴情報88の中から、看護師が選択した情報が含まれてもよい。
また、看護記録情報82には、対象者における臨時薬情報89が含まれてもよい。臨時薬情報の情報とは、対象者に処方される頓服薬、医師の診断に基づき処方される処方薬の情報であり、薬の種類、服用する量、服用するタイミングの情報等が記録される。また、臨時薬情報89には、薬の効果が、各バイタルサインの値に変化を及ぼすものであれば、その旨に関する情報も含まれている。
この看護記録情報82に含まれる臨時薬情報89は、例えば、看護師が対象者に頓服薬を投与した際に、看護師が看護記録情報82として入力する。また、対象者が医師の診断を受けて、医師が処方の指示を行った際に、看護師が看護記録情報82として入力したり、医師により、医師記録90に処方薬の情報が入力された際に、看護記録情報82にも自動的に反映されるものとなっている。
また、薬剤情報89aには、薬の種類、効果、対象となる症状、服用する量、服用するタイミング、服用の期間の情報等が記録される。また、薬剤情報89aには、薬の効果が、各バイタルサインの値に変化を及ぼすものであれば、その旨に関する情報も含まれている。また、ここでいう薬剤情報89aには、頓服薬や処方薬だけでなく、対象者が定期的に服用している服用薬の情報が含まれていてもよい。
さらに、薬剤情報89aには、薬を投与してはいけない症状や、避けるべき複数の薬の組み合わせに関する禁忌の情報を含めてもよい。これにより、看護師、医師、介護士、看護補助者が、対象者に投与する薬を間違えにくくなる。
さらに、看護記録情報82には、対象者が医師の診断を受けた旨の情報が含まれてもよく、例えば、「週間看護:受信有り」のように、受診した情報を記録してもよい。
なお、看護記録情報82の種類は、上述した内容に限定されるものではなく、対象者の診断に関連する看護記録の情報であれば、適宜採用することができる。
[バイタル情報]
情報記録部4には、各種のバイタル計測器で測定されたバイタルサインの値、及び、対象者の介護士又は看護補助者等が観察して得られた意識レベルの評価結果から構成されたバイタル情報を、測定日時又は取得日時の情報と共に記録する部分である。
情報記録部4は、対象者の個人情報7、各バイタル計測器で計測したバイタルサインの測定値と、対象者に対する観察から得られた意識レベルの評価結果、及びその測定日時又は取得日時の情報を含むバイタル情報8が記録されている。
バイタル情報8には、バイタルサインである体温、脈拍、収縮期血圧、拡張期血圧、脈圧及び呼吸数の測定値が含まれている。また、バイタル情報8には、酸素飽和度の測定値が含まれている。更に、バイタル情報には、上述した意識レベルの評価結果が含まれている。なお、バイタルサインとは、上述した各内容の他、酸素飽和度と尿量の値を含んだものを指す場合もある。
また、バイタル情報8に含まれる測定日時又は取得日時とは、対象者がバイタル計測を行った日時や、意識レベルの確認を行った日時であり、例えば、対象者が自身でバイタル計測を行った際に確認した時間や、介護士、看護補助者又は看護師等が、対象者を観察した時間を入力するものである。
また、バイタル情報8には、スコアリング基準情報102に基づき、スコア値情報103が異常な値であると判定された根拠となった、バイタルサインの値が含まれる。即ち、バイタル情報8には、スコア値情報103が正常と判定された際のバイタルサインの値だけでなく、スコア値情報103が異常と判定された際のバイタルサインの値も含まれている。
また、バイタル情報8には、バイタル判定基準情報102aに基づき、バイタルサインの測定値が異常な値であると判定された値が含まれる。即ち、バイタル情報8には、バイタルサインの測定値が正常と判定された値だけでなく、バイタルサインの測定値が異常と判定された値も含まれている。
ここで、必ずしも、バイタル情報8に、スコア値情報103が異常と判定された際の根拠となったバイタルサインの値と、バイタルサインの測定値が異常と判定された値の両方が含まれる必要はなく、後述するように、少なくとも30個分の測定データのバイタル情報として、個体に固有の個体内変動が反映されるものとなっていれば、いずれか一方の、異常と判断されたバイタルサインの値が採用されてよい。但し、両方の異常な値をバイタル情報8に含めておくことで、個体内変動の捉え方のバリエーションが増えることとなり、適宜選択できるものとなるため、バイタル情報8に、スコア値情報103が異常と判定された際の根拠となったバイタルサインの値と、バイタルサインの測定値が異常と判定された値の両方が含まれることが好ましい。
また、必ずしも、バイタル情報8の種類が体温、脈拍、収縮期血圧、拡張期血圧、脈圧、呼吸数、酸素飽和度の測定値及び意識レベルの評価結果に限定される必要はなく、その他のバイタルサインを含み、スコアリングを行って、スコア値の判定を行ってもよい。例えば、尿量、体重、痛み(痛みの有無や程度)、その他の病状異常をバイタル情報に含めることができる。但し、上述したバイタルサインは、最も代表的なバイタルサインであり、バイタル情報の取得も簡易なため、採用されることが好ましい。更に、上記のうち、古典的バイタルサインの体温、脈拍、収縮期血圧、拡張期血圧、脈圧及び呼吸数の測定値は、同一の対象者で取得した場合に、正規分布に従うものとなり、正規分布に基づくスコアリング条件が設定可能となるため、特に採用されることが好ましい。
また、バイタル情報のうち、バイタルサインの値を計測するバイタル測定器は、特に限定されるものではなく、体温、脈拍、収縮期血圧、拡張期血圧、呼吸数及び酸素飽和度が測定可能であれば充分である。例えば、家庭用のバイタル測定器を使用してバイタルが計測されるものでもよい。更に言えば、バイタルサインの値が測定可能であれば、バイタル測定器を使用することは必須ではない。例えば、時計で時間を測定しながら、1分間あたりの脈拍数や呼吸数を測定して、これをバイタル情報として利用することも可能である。但し、古典的バイタルサインであり正規分布に従う体温、脈拍、収縮期血圧及び拡張期血圧の測定値の個体内変動を正確に捉える観点からは、バイタルサインの値は同一の手法で取得されることが好ましい。日々の測定において、バイタル測定器の種類を頻繁に変更したり、バイタル計測機による測定と、バイタル計測機を用いない測定が混在したりすることで、バイタルサインの測定方法によるバイアスがかかってしまう。そのため、なるべく、同一の手法又は同一のバイタル測定器でバイタルサインの値を測定することが好ましい。
バイタル情報8は、幅広くは1秒ごとのバイタル情報8を記録可能に構成されている。また、バイタル情報8は、例えば、1分ごと、1時間ごと等、異なる時間間隔で記録するように設定することもできる。
また、バイタル情報8は、一定間隔ごとの測定ではなく、不規則な時間で測定した測定値を記録する構成も採用しうる。また、この不規則な測定の場合、例えば、1分間に少なくとも30個分のバイタル情報8を取得する、30分間に少なくとも30個分のバイタル情報8を取得する、1時間に少なくとも30個分のバイタル情報8を取得する、数時間に少なくとも30個分のバイタル情報8を取得する、1日に少なくとも30個分のバイタル情報8を取得する、数日中に少なくとも30個分のバイタル情報8を取得する、1週間に少なくとも30個分のバイタル情報8を取得する、数週間中に少なくとも30個分のバイタル情報8を取得する、1か月中に少なくとも30個分のバイタル情報8を取得する等、一定の期間で、少なくとも30個のバイタル情報8を記録する構成としてもよい。
更に、バイタル情報8は、一定間隔、又は、不規則な間隔に関わらず、蓄積したバイタル情報の中から、ランダムに少なくとも30個分のデータを抽出して、「30個分の測定データのバイタル情報8」として記録することもできる。
このように、バイタル情報8は、時間の長さや測定間隔の規則性の有無に関わらず、少なくとも30個分の測定データを記録可能に構成されている。
また、情報記録部4には、対象者がバイタル情報の測定及び取得を行う目安となる時刻の情報である目安時刻情報9が記録可能となっている。目安時刻情報9は、例えば、朝の8時30分、夕方の18時のように、対象者のバイタル情報の測定及び取得を行う目安の時刻が記録される。目安時刻情報9は、自由に設定及び修正することができる。
情報記録部4には、各バイタルサインの値を計測する際の正しい姿勢の情報である姿勢情報10が記録されている。姿勢情報10とは、例えば、以下のようなものである。
(1)体温
例えば、体温を脇下で測定する体温計で体温を測定する場合、「体温計の測定部が脇の中心に位置しているか」、「脇と体温計が密着しているか」、「毎回同じ姿勢となっているか」等の姿勢の情報である。
(2)脈拍
例えば、手首で電子脈拍計又は指を当てて脈拍数を測定する場合、「安静な状態であるか」、「リラックスした楽な姿勢であるか」、「毎回同じ姿勢となっているか」等の姿勢の情報である。
(3)収縮期血圧、拡張期血圧
例えば、血管の振動で測るオシロメトリック法で測定する場合、「安静な状態であるか」、「腕帯を巻き付けた腕や手首が心臓の高さに位置しているか」、「毎回同じ姿勢となっているか」等の姿勢の情報である。
後述するが、基準算出手段及びスコアリング処理手段によるスコアリング条件の算出や、このスコアリング条件の算出に利用するバイタル平均値、バイタル標準偏差の算出の処理において利用する一定のデータ数(少なくとも30個分)が記録されていれば、バイタル情報の記録回数は限定されるものではない。また、バイタル情報8が毎秒、毎分、毎時、毎日等、一定間隔で常に記録される必要はなく、バイタル情報8が記録されない時が存在してもよい。ここで、同一個体の個体内変動を適切に捉える観点から、幅広くは1秒ごとのバイタル情報を記録する態様がよく、1日に1回~24回のバイタル情報が記録される構成であってもよい。
また、必ずしも、情報記録部4に目安時刻情報9が記録される必要はない。但し、目安時刻情報9を記録することで、適切と思われる時間帯でバイタル情報を計測及び取得しやすいものとなる。また、目安時刻になった際に、対象者や介護士等にその旨を通知する態様とすることもできる。
また、必ずしも、情報記録部4に姿勢情報10が記録される必要はない。但し、姿勢情報10を記録することで、各バイタルサインの測定の際に姿勢情報10を表示しながら、適切な姿勢での測定を対象者に促すことができる。
また、各バイタルサインの測定方法や姿勢情報10の内容は上述したものに限定されるものではなく、バイタル測定方法や、これに適した姿勢情報10の内容は、適宜変更することができる。
情報記録部4には、バイタル情報の測定及び取得を行った場所の気温情報11が記録可能となっている。気温情報11は、バイタル情報8の測定時や取得時の記録と紐付けて記録される。気温情報11は、例えば、対象者が測定場所の気温を確認して入力する情報が採用される。
ここで、必ずしも、情報記録部4に、バイタル情報の測定及び取得を行った場所の気温情報11が記録可能とされる必要はない。但し、気温情報11を記録することで、バイタル情報の測定及び取得を行った環境が適切な場所であったか否かを確認することが可能となる。
[バイタル熱型表]
図4に示すように、情報記録部4には、バイタル情報8につき、所定の日数の情報でグラフ化したバイタル熱型表情報86が記録される。このバイタル熱型表情報86は、情報処理手段(バイタル熱型表処理手段として機能)が、バイタル情報8に基づき作成する、時系列でのバイタルサインの値の変化を示す情報である。
バイタル熱型表情報86は、体温、脈拍、酸素飽和度(SpO2)、収縮期血圧、拡張期血圧等について作成可能である。
バイタル熱型表情報86における、所定の日数は、例えば、2~3週間の毎日の測定結果を表示するが、これに限定されるものではない。例えば、より短い期間での表示や、1か月以上の長い期間での表示も可能である。さらに、バイタル情報8を、毎日測定した結果から作成されるものに限らず、隔日や、バイタル情報8が取得されない日を含む結果から作成されてもよい。
バイタル熱型表情報86における個々のバイタルサインの値は、測定日における1回の測定結果が採用されてもよいし、同じ測定日に複数回の測定を行っていれば、同日中の平均値が採用されてもよい。このようなバイタル熱型表情報86における所定の日数や、バイタル熱型表の作成に採用するバイタルサインの値の設定は、適宜設定変更することが可能である。
図4に示すように、情報記録部4には、入力される各バイタル情報を情報処理手段100でスコアリングする際の基準となるスコアリング基準情報102が記録されている。また、情報記録部4には、スコアリング基準情報102に基づきスコアリングされた結果の数値の情報であるスコア値情報103が記録されている。
また、情報記録部4には、入力されたバイタル情報の内容から得られたスコア値情報を判定処理手段6で、その値が異常な値か否かを判定する際の基準となるスコア判定基準情報18が記録されている。
後述するスコアリング基準情報102及びスコア判定基準情報18は、タブレット端末3の入力部3a、情報送受信部3c及び演算部2の情報入力手段24を介して情報の追加や修正が可能となっている。また、各スコアリング基準情報102はタブレット端末3の表示部3bを介して、その内容を確認可能となっている。なお、スコアリング基準設定手段101における各基準の詳細な内容は後述する。
情報記録部4には、判定処理手段6がスコア値情報103について、異常な値か否かと判定した判定結果の情報であるスコア判定結果情報12が記録されている。タブレット端末3の表示部3bを介して、その内容を確認可能となっている。また、スコア判定結果情報12は、異常又は正常による表示だけでなく、点数に応じた色分けで判定結果を示すことができる。例えば、3点以上は赤色、2点は黄色、1点以下は色なし等、色分けによって、異常か否かを示すことができる。
また、スコア判定結果情報12は、個々のスコア値情報103に対して判定した結果だけでなく、複数(例えば、全部又は一部)のスコア値情報103を足し合わせた合計点に対して判定した結果であってもよい。この場合、複数のスコア値情報103を足し合わせた合計点に対して、異常又は正常といった判定や、点数に応じた色分けで判定結果を示すことができる。
また、情報記録部4には、入力されたバイタルサインの値を判定処理手段6で、その値が異常な値か否かを判定する際の基準となるバイタル判定基準情報102aが記録されている。
バイタル判定基準情報102aは、タブレット端末3の入力部3a、情報送受信部3c及び演算部2の情報入力手段24を介して情報の追加や修正が可能となっている。
情報記録部4には、判定処理手段6がバイタルサインの値について、異常な値か否かと判定した判定結果の情報であるバイタル判定結果情報12aが記録されている。タブレット端末3の表示部3bを介して、その内容を確認可能となっている。
また、情報記録部4では、バイタル情報8として、バイタル情報の測定及び取得に関して、再度の測定等を行った際のバイタル情報及び測定時の日付の情報である再測定バイタル情報13が記録可能となっている。再測定バイタル情報13とは、例えば、バイタル情報について得られたスコア値に関して、判定処理手段6が異常な値と判定した際に、バイタル情報の正確性を確認するために行った再度の計測のバイタル情報であることができる。
また、各バイタル情報をタブレット端末3の表示部3bに表示する際には、再測定をせずに記録された通常のバイタル情報と、再測定の対象となったバイタル情報と、再測定した後のバイタル情報について、3つのパターンのバイタル情報を示す文字の色を異ならせて表示可能に構成されている。
ここで、必ずしも、情報記録部4において、再測定バイタル情報13が記録可能とされる必要はない。但し、再測定バイタル情報13を用いて、バイタル測定が正確であったか否かを検証可能となる点から、情報記録部4において、再測定バイタル情報13が記録可能とされることが好ましい。
[病気情報]
病気情報87は、病気の名称を含む病気の種類の情報、及び、病気の種類ごとに規定された病理因子の情報を含む情報である。例えば、病気の種類「うっ血性心不全」について、「収縮期血圧低下、息切れ、喘息あり、喀痰、倦怠感、下肢(浮揚)」の病理因子の情報である。このように、種々の病気の種類に関して、その病気を診断する際の特徴となる病理因子の情報が組み合わせて記録されている。
[既往歴情報]
既往歴情報88は、個人情報7に含まれる既往歴とは別に、対象者が過去に罹患して、医師に診断された病気の種類の情報と、その病気の診断を受けた際の、対象者から取得した自覚症状及び他覚症状の情報と、バイタル情報8のうち、判定処理手段6が異常な値と判定したバイタル情報の変化のパターン情報を含むものである。なお、既往歴情報88は、個人情報7に含まれる既往歴とは別に設定されたものである。
ここでの対象者から取得した自覚症状及び他覚症状の情報とは、看護記録情報82に含まれる情報が採用可能である。また、バイタル情報の変化のパターン情報は、バイタル情報8の異常な値が出る前の所定の期間、出た後の所定の期間、又は、異常な値が出る前後の所定の期間等、発症時のバイタル情報の変化が確認できるものを適宜採用しうる。
[臨時薬情報・薬剤情報]
臨時薬情報89は、上述したように、対象者に処方される頓服薬、医師の診断に基づき処方される処方薬の情報であり、薬の種類、服用する量、服用するタイミングの情報等が記録される。また、臨時薬情報89には、薬の効果が、各バイタルサインの値に変化を及ぼすものであれば、その旨に関する情報も含まれている。
薬剤情報89aは、薬の種類、効果、対象となる症状、服用する量、服用するタイミング、服用の期間の情報等が記録される。また、薬剤情報89aには、薬の効果が、各バイタルサインの値に変化を及ぼすものであれば、その旨に関する情報も含まれている。
[診断寄与候補情報及び診断寄与情報]
診断寄与候補情報84は、上述したように、看護師がスクリーニングして、医師の診断に必要な診断寄与情報85となる可能性がある情報である。
診断寄与候補情報84は、所定の条件(生活支援因子リスク条件)を満たした生活支援因子情報83が含まれる。所定の条件を満たした生活支援因子情報83とは、上述したように、例えば、食事量に関する「異常(又は×)」の結果の情報や、尿の状態に関する「血尿」のコメント入力の情報である。
この診断寄与候補情報84は、後述する「看護記録画面」に表示され、診断寄与情報を生成するために、看護婦によるスクリーニングの対象となる。
また、診断寄与候補情報84には、情報処理手段100(不足病理因子生成手段として機能)により生成された、さらに確認すべき病理因子の情報も含まれている。この、さらに確認すべき病理因子の情報とは、看護師が看護師記録情報82等からスクリーニングして、一時的に診断寄与情報85を生成した際に、病気情報87の内容に基づき、一時的な診断寄与情報85の内容から、情報処理手段100が、候補となる病気の種類とその病理因子を照合して、候補となる病気の種類の病理因子で、一時的な診断寄与情報85の内容に含まれていない、即ち、さらに看護師が確認すべき項目の病理因子として抽出された情報である。
この「さらに看護師が確認すべき項目の病理因子」が、診断寄与候補情報84に含まれることで、特定の病気の診断に関わり、かつ、看護師が気づかない(又はさらに確認すべき)病理因子を、漏れなく確認して、医師に報告する可能性のある情報として、検討しやすくなる。
この「さらに看護師が確認すべき項目の病理因子」の情報は、例えば、看護記録画面上に、看護師のスクリーニング対象となる情報として表示することができる。また、看護師が、別途、一覧画面情報120から、病気辞書DB画面を開いて、同DB画面にポップアップされる候補の病気の種類の画面上で、候補リストの項目から確認することも可能である。この際、候補リストの項目では、複数の内容のうち、「さらに看護師が確認すべき項目の病理因子」を色分けして表示する、別途の表示領域で示す等して、明示する態様が考えらえる。
また、診断寄与候補情報84は、バイタル情報8のうちバイタル判定処理手段6が異常と判定したバイタル情報8の中から、看護師が医師の診断に必要な情報を含む態様であってもよい。さらに、バイタル情報のうち、バイタル判定処理手段6が異常と判定しなかったものについても、看護師が選択して、診断寄与情報85に含めることもできる。
診断寄与情報85は、上述したように、看護記録情報82、診断寄与候補情報84、及び、バイタル情報8のうちバイタル判定処理手段6が異常と判定したバイタル情報8の中から、看護師が医師の診断に必要な情報としてスクリーニングした情報である。
また、診断寄与情報85は、生活支援因子情報83の内容から看護師が選択した情報を含む態様であってもよい。即ち、生活支援因子リスク条件を満たす生活支援因子情報83のみが、診断寄与情報85となる構成ではなく、看護師が選択的にスクリーニングした生活支援因子情報83を、医師の診断に供することができる。
また、診断寄与情報85は、バイタル情報8のうちバイタル判定処理手段6が異常と判定したバイタル情報8の中から、看護師が医師の診断に必要な情報を含む態様であってもよい。さらに、バイタル情報のうち、バイタル判定処理手段6が異常と判定しなかったものについても、看護師が選択して、診断寄与情報85に含めることもできる。
ここで、必ずしも、診断寄与候補情報84が、看護師によりスクリーニングされた結果、診断寄与情報85となる必要はない。例えば、看護師によるスクリーニングを経ることなく、診断寄与候補情報84がそのまま診断寄与情報85として、一覧画面情報120に表示される情報となる構成が採用されてもよい。これにより、看護師の判断を挟まず、かつ、生活支援因子リスク条件を満たした生活支援因子情報83を、医師の診断に供することが可能となる。但し、看護師によるスクリーニングを経ることで、情報量が選別され、より少なく、かつ、正確な情報が医師に提供できる可能性があるため、診断寄与候補情報84が、看護師によりスクリーニングされた結果、診断寄与情報85となることが好ましい。
[医師記録情報]
医師記録情報90には、対象者の診断の際に指示した薬の処方の指示の情報、経過観察中等の進捗に関する情報等、医師の診察に関する情報が記録される。
[3.基準算出手段]
基準算出手段5について説明する。基準算出手段5は、本発明を適用したソフトウェアが演算部2に実行させる機能の1つであり、情報記録部4に記録されるバイタル情報(入力されるバイタル情報)についてスコア値情報103を算出するためのスコアリング基準情報102となる数値範囲の算出や、このスコアリング基準情報102となる数値範囲の算出に利用するバイタル平均値、バイタル標準偏差の算出の処理を行う。診断支援装置1においては、体温、脈拍、収縮期血圧、拡張期血圧、脈圧、及び呼吸数の測定値について、基準算出手段5によってスコアリング基準情報102となる数値範囲が算出され、これがスコアリングの際の基準となる。
また、基準算出手段5は、情報記録部4に記録されるバイタル情報(入力されるバイタル情報)について、バイタルサインの値について、異常な値か否かを判定するためのバイタル判定基準情報102aとなるバイタル判定用数値範囲の算出や、このバイタル判定基準情報102aとなるバイタル判定用数値範囲の算出に利用するバイタル平均値、バイタル標準偏差の算出の処理を行う。診断支援装置1においては、体温、脈拍、収縮期血圧、拡張期血圧、脈圧、及び呼吸数の測定値について、基準算出手段5によってバイタル判定基準情報102aとなるバイタル判定用数値範囲が算出され、これがバイタルサインの値について、異常な値か否かを判定する際の基準となる。
演算部2を基準算出手段5として機能させて算出又は記録された各種の情報は、タブレット端末3の入力部3a、情報送受信部3c及び演算部2の情報入力手段24を介して情報の追加や修正が可能となっている。また、演算部2を基準算出手段5として機能させて算出又は記録された各種の情報はタブレット端末3の表示部3bを介して、その内容を確認可能となっている。
図4には本発明を適用したソフトウェアが演算部2に実行させる機能を記載している。演算部2は、基準算出手段5を構成する平均値算出手段14、標準偏差算出手段15、正規分布算出手段16、最頻値算出手段110及びスコアリング基準設定手段101、バイタル判定基準設定手段101aとして機能する。
平均値算出手段14及び標準偏差算出手段15は、情報記録部4に記録されたバイタル情報8(体温、脈拍、収縮期血圧、拡張期血圧及び脈圧の測定値)及びその再測定バイタル情報13に基づき、所定の条件下の記録情報から、同条件下の「バイタル情報の平均値」と、同条件下のバイタル情報を統計した分布における「バイタル情報の標準偏差」を、それぞれ算出する。なお、以下では、特別な算出を行う種類の平均値や標準偏差の名称を指す場合以外には、バイタル情報の平均値を「バイタル情報平均値」と呼び、また、バイタル情報の標準偏差を「バイタル情報標準偏差」と呼ぶものとする。なお、所定の条件については後述する。
また、平均値算出手段14及び標準偏差算出手段15は、情報記録部4に記録されたバイタル情報8について、スコア値情報103が、スコア判定基準情報18に基づき、スコア値情報103が異常な値であると判定された際のバイタルサインの値も含めて、バイタル情報平均値及びバイタル情報標準偏差の算出を行う。また、平均値算出手段14及び標準偏差算出手段15は、情報記録部4に記録されたバイタル情報8について、入力された判定時点のバイタルサインの値が、バイタル判定基準情報102aに基づき、異常な値であると判定された際のバイタルサインの値も含めて、バイタル情報平均値及びバイタル情報標準偏差の算出を行う。
このように、正常と判定された根拠となるバイタルサインの値だけでなく、異常と判定された根拠となるバイタルサインの値も含めてバイタル平均値やバイタル標準偏差を算出することで、対象者の個体内変動を反映した平均値や標準偏差にすることができる。また、これらの平均値や標準偏差を用いることで、スコアリング基準情報102や、バイタル判定基準情報102aの設定の際に、対象者の個体内変動を反映した基準を作成することができる。
最頻値算出手段110は、所定の条件におけるバイタル情報の中の呼吸数の測定値から最頻値を算出する。算出された最頻値は、呼吸数のスコアリング条件の基準となる数値設定に利用される。また、算出された呼吸数の最頻値は、算出条件(採用した条件、期間、日付)と共に情報記録部4に記録される。
平均値算出手段14、標準偏差算出手段15及び最頻値算出手段110の算出の際に採用される「所定の条件」は、通常、判定時点を起点に30個分のバイタル情報(体温、脈拍、収縮期血圧、拡張期血圧、脈圧及び呼吸数の測定値)を利用する方法が採用されている。この期間のバイタル情報とは、判定時点の測定データを含めて過去30個分のバイタル情報8及び再測定バイタル情報13である。
ここで、過去30個分の設定は、上述したように、幅広くは1秒ごとに測定したバイタル情報のデータであり、この他にも、1分ごと、数分ごと、1時間ごと、1日ごと、1か月ごとに測定したバイタル情報のデータのように、時間の長さが異なるものが採用しうる。また、不規則に取得されたデータを、過去30個分抽出するようにしてもよい。この際、単純に、取得された順番を遡るように30個分抽出する方法でもよい。また、不規則に取得されたデータに対して、何等かの抽出条件を設定して30個分抽出する方法でもよい。抽出条件は、例えば、所定の1時間の範囲内から30個分抽出するとの条件や、バイタル情報同士の取得時間の間隔が、一定の条件を満たす(間隔が最低5分以上ある、又は、間隔が1時間以内である等)条件も考えられる。更に、一定間隔で規則的に測定したバイタル情報8に対して、ランダムに、30個分のバイタル情報8を選択して抽出する方法であってもよい。過去30個分の抽出条件は、必要に応じて、適宜設定可能である。どのような取り方をしても、少なくとも30個分のバイタル情報8が抽出できれば、個体内変動を反映した正規分布が得られ、スコアリング基準情報102又はバイタル判定基準情報102aに利用することができる。
また、上述したように、バイタル情報8として、幅広くは1秒ごとのバイタル情報8を記録可能に構成されている。また、バイタル情報8は、例えば、1分ごと、1時間ごと等、異なる時間間隔で記録するように設定することもできる。更に、不規則に、1日に複数回測定したバイタル情報が記録可能に構成されている。演算部2が平均値算出手段14、標準偏差算出手段15及び最頻値算出手段110として機能して、バイタル平均値、バイタル標準偏差及び最頻値を算出する際には、適宜、設定した条件で、バイタル平均値、バイタル標準偏差及び最頻値を算出することができる。例えば、30個分のバイタル情報を抽出する条件が設定されていれば、抽出した30個分のバイタル情報から、バイタル平均値、バイタル標準偏差及び最頻値を算出することができる。
また、平均値算出手段14、標準偏差算出手段15及び最頻値算出手段110は、入力された対象者のバイタル情報に基づくスコア値情報103又はバイタルサインの値の判定時点において、都度、その判定時点より前に記録されたバイタル情報8及び再測定バイタル情報13を参照して、その判定時点のバイタル情報平均値、バイタル情報標準偏差及び最頻値の算出を行う。これにより、判定処理手段6(又はスコア処理手段100)が利用する基準が、判定時点ごとに改められるものとなり、バイタル情報に基づくスコア値情報103が異常な値であるか否かの判定、及び、バイタルサインの値が異常な値であるか否かの判定に、対象者のバイタル情報の個体内変動を反映しやすいものとなる。
また、バイタル情報を利用する個数が30個分以上の数であり、更に多い数、例えば、90個以上等、より多くの数のバイタル情報9を利用する構成であってもよい。バイタル情報8の数を増やすことで、個体内変動を反映した正規分布の内容の精度を高めることができる。また、個体内変動を捉えるための最低の個数として、30個分以上のデータ数となることが好ましい。
この平均値算出手段14、標準偏差算出手段15及び最頻値算出手段110の算出の際に採用する「所定の条件」として、例えば、「90日間」を採用した場合には、この算出期間は、例えば、図5に示すような時間経過とともに90日間の範囲が1日ずつ移動する設定にすることができる。即ち、ある測定日(判定日)における算出に利用する90日の期間は、その測定日を含めて、測定日の90日前から測定日までの範囲(符号A)で示すものとなる。また、測定日の1日前において算出に利用された「所定の条件」は、測定日の91日前から測定日の1日前の日までの範囲(符号B)で示すものとなる。更に、測定日の2日前において算出に利用された「所定の条件」は、測定日の92日前から測定日の2日前の日までの範囲(符号C)で示すものとなる。このように、「所定の条件」の90日間の範囲は、時間の経過(符号Tの矢印の方向)と共に、1日ずつ移動する設定とすることができる。この点は、異なる時間の長さ(例えば、数分、数時間、1日の中)で、30個分のデータ数として利用する場合にも同様である。
また、平均値算出手段14、標準偏差算出手段15及び最頻値算出手段110の算出の際に採用される「所定の条件」は、判定時点を含めて30個分のバイタル情報が利用されるように設定されているが、必ずしも、判定時点が起点となる必要はない。例えば、判定時点を除いて、「判定時点の前のデータ」を起点に30個分のバイタル情報が利用される設定も採用しうる。但し、判定時点を含めることで、直近の同一個体の状態を反映可能となり、その個体の個体内変動が捉えやすくなる点から、平均値算出手段14、標準偏差算出手段15及び最頻値算出手段110の算出の際に採用される「所定の条件」は、判定時点を含めて30個分のバイタル情報が利用されることが好ましい。
また、平均値算出手段14、標準偏差算出手段15及び最頻値算出手段110の算出の際に採用される「所定の条件」は、必ずしも連続した日付(個数)で計測されたバイタル情報である必要はない。例えば、対象者がバイタル測定を行っていない日(タイミング)があり、バイタル情報の記録がない日(タイミング)が存在するケースでは、所定の条件の日数(個数)が「合計で30日(30個分)」となるものであってもよい。
例えば、図6の符号A(黒丸の図形)で示すように、毎日継続して、1日に午前と午後の2回バイタル情報を記録して、全ての情報を平均値算出手段14、標準偏差算出手段15及び最頻値算出手段110の算出に利用している。
ここで、本発明では、設定した個数分のバイタル情報のデータ数が揃うのであれば、必ずしも、毎秒、毎分、毎時、毎日等、連続的に取得されたバイタル情報である必要はない。図6の符号B(バツの図形)や、符号C(白抜き三角)で示すバイタル情報のように、バイタル情報を取得した日(タイミング)が非連続的であり、数日(数回)に1回取得される態様であってもよい。更には、連続的なバイタル情報の記録が存在した状態で、設定した条件に基づいて部分的に抽出する態様であってもよい。設定した条件とは、例えば、毎週月曜日のバイタル情報のみ抽出する、午前中に取得したバイタル情報のみ抽出する、指定した日付のみ抽出するといったような内容である。
正規分布算出手段16は、所定の条件におけるバイタル情報の平均値及び標準偏差から正規分布を算出する部分である。対象者の各判定時点における正規分布を算出可能であり、算出した正規分布は、その確立密度関数をグラフ化した正規分布曲線が作成され、この正規分布曲線がタブレット端末3の表示部3bに表示される構成となっている。また、上述したように、所定の条件におけるバイタル情報の平均値及び標準偏差は、異常と判定された根拠となるバイタルサインの値も含めて、その値が算出されている。そのため、正規分布算出手段16が算出する正規分布も異常と判定された根拠となるバイタルサインの値を含んで作成されるものとなる。
スコアリング基準設定手段101は、平均値算出手段14、標準偏差算出手段15及び最頻値算出手段110と連動して、各算出部から算出されたバイタル平均値、バイタル標準偏差及び最頻値に基づき、情報処理手段100がスコアリングに用いるスコアリング基準情報102を作成する。作成されたスコアリング基準情報102は情報記録部4に記録される。
より詳細には、スコアリング基準設定手段101は、平均値算出手段14、標準偏差算出手段15、正規分布算出手段16と連動して、対象者から測定された体温、脈拍、収縮期血圧、拡張期血圧、脈圧の測定値に対して、各算出手段から算出されたバイタル平均値及びバイタル標準偏差に基づき、スコアリングに用いるスコアリング基準情報102を作成する。
また、ここでは、上述したように、スコアリング基準情報102の作成において、バイタル情報8に、スコア値情報103が異常な値であると判定された際のバイタルサインの値(又は入力された判定時点のバイタルサインの値が異常な値であると判定された際のバイタルサインの値)が含まれている。
また、スコアリング基準設定手段101は、最頻値算出手段110と連動して、対象者から測定された呼吸数の測定値に対して、最頻値算出手段110から算出された最頻値に基づき、情報処理手段100がスコアリングに用いるスコアリング基準情報102を作成する。なお、最頻値の代わりに平均値が用いられる態様であってもよい。
また、スコアリング基準情報102には、各算出手段の算出結果だけでなく、酸素飽和度の測定値に対してスコアリングする際に用いる、予め設定しておく一定の数値範囲の情報や、意識レベルの程度を区別可能な所定の観察状態の内容の情報も含まれている。
より詳細には、対象者から測定された酸素飽和度の測定値に対しては、タブレット端末3の入力部3aから所定の数値範囲を入力しておき、スコアリング基準情報102として設定することができる。設定されたスコアリング基準情報102は情報記録部4に記録される。
また、対象者から取得された意識レベルの評価結果に対しては、意識レベルの程度を区別可能な所定の観察状態の内容を入力しておき、スコアリング基準情報102として設定することができる。設定されたスコアリング基準情報102は情報記録部4に記録される。なお、バイタル平均値、バイタル標準偏差、最頻値及びスコアリング基準情報102の算出の詳細や、複数の項目から構成されるスコアリング基準情報102の設定については、後述する。
バイタル判定基準設定手段101aは、平均値算出手段14、標準偏差算出手段15と連動して、各算出部から算出されたバイタル平均値、バイタル標準偏差に基づき、判定処理手段6がバイタルサインの値の判定に用いるバイタル判定基準情報102aを作成する。作成されたバイタル判定基準情報102aは情報記録部4に記録される。
より詳細には、バイタル判定基準設定手段101aは、平均値算出手段14、標準偏差算出手段15、正規分布算出手段16と連動して、対象者から測定された体温、脈拍、収縮期血圧、拡張期血圧、脈圧の測定値に対して、各算出手段から算出されたバイタル平均値及びバイタル標準偏差に基づき、バイタルサインの値の判定に用いるバイタル判定基準情報102aを作成する。
また、ここでは、上述したように、バイタル判定基準情報102aの作成において、バイタル情報8に、入力された判定時点のバイタルサインの値が異常な値であると判定された際のバイタルサインの値(又はスコア値情報103が異常な値であると判定された際のバイタルサインの値)が含まれている。
[4.情報処理手段100(スコアリング処理手段)]
情報処理手段100について説明する。情報処理手段100は、本発明を適用したソフトウェアが演算部2に実行させる機能の1つであり、入力された生活支援記録情報81を、上述したような看護士や医師が確認しやすい生活支援因子情報83へと変換する処理(構造化処理手段として機能)を行う。
また、情報処理手段100は、設定した所定の条件(リスク生活支援因子リスク条件)に基づき、条件を満たす生活支援因子情報83を、診断寄与候補情報84として抽出する処理(リスク生活支援因子生成手段として機能)を行う。
また、情報処理手段100は、タブレット端末3の入力部3aを介して入力された判定時点のバイタル情報について、平均値算出手段14、標準偏差算出手段15及び最頻値算出手段110の処理情報や、予め設定した基準を含むスコアリング基準情報102に基づき、バイタル情報の内容に応じたスコア値情報103(点数の情報)を算出する処理を行う。
情報処理手段100にて算出されたスコア値情報103は、上述したように、情報記録部4に記録される。その際、スコア値情報103は、個体を識別可能な識別情報や、スコア値の算出基準となった情報に紐付けられて記録される。情報処理手段100は、情報記録部4及び基準算出手段5と連動して、スコア値情報103を出す構成となっている。
また、スコア値情報103は、タブレット端末3の表示部3bを介して、その内容を確認可能となっている。また、スコア値情報103は、タブレット端末3の表示部3bだけでなく、タブレット端末3の情報送受信部3cを介して外部のサーバや、外部の端末にスコア判定結果情報12を送信して、これらの画面等でも確認することもできる。スコア値情報103の内容は、個別の数値や、同一個体の判定時点における複数のスコア値の合計点として表示することができる。
また、情報処理手段100は、入力されたバイタル情報8に基づき、バイタル熱型表情報86を作成する処理(バイタル熱型表処理手段として機能)を行う。バイタル熱型表情報86の作成は、バイタル情報8が入力された際、都度行うが、作成する条件は適宜設定することができる。
さらに、情報処理手段100は、各種情報に基づき、一覧画面情報120(図16参照)を作成する処理(表示情報処理手段として機能)を行う。
[5.判定処理手段]
判定処理手段6について説明する。判定処理手段6は、本発明を適用したソフトウェアが演算部2に実行させる機能の1つであり、タブレット端末3の入力部3aを介して入力された判定時点のバイタル情報が情報処理手段100によってスコアリングされたスコア値情報103についてスコア判定基準情報18に基づき、スコア値情報103が異常な値であるか否かについて判定の処理を行う。また、判定処理手段6は、入力された判定時点のバイタルサインの値についてバイタル判定基準情報102aに基づき、バイタルサインの値が異常な値であるか否かについて判定の処理を行う。
判定処理手段6にて判定された判定結果であるスコア判定結果情報12及びバイタル判定結果情報12aは、上述したように、情報記録部4に記録される。また、スコア判定結果情報12及びバイタル判定結果情報12aはタブレット端末3の表示部3bを介して、その内容を確認可能となっている。また、スコア判定結果情報12及びバイタル判定結果情報12aは、タブレット端末3の表示部3bだけでなく、タブレット端末3の情報送受信部3cを介して外部のサーバや、外部の端末にスコア判定結果情報12及びバイタル判定結果情報12aを送信して、これらの画面等でも確認することもできる。
また、スコア判定結果情報12及びバイタル判定結果情報12aは、タブレット端末3の表示部3b上への表示を行うだけでなく、スコア判定結果情報12及びバイタル判定結果情報12aが出されたことを通知する通知音やメールメッセージで、遠隔の看護師や医師等に通知する構成とすることもできる。通知音でスコア判定結果情報12及びバイタル判定結果情報12aを通知する際には、例えば、異常な値との内容であった場合と、そうでない場合の通知音の種類を変える構成とすることもできる。
さらに、生活支援因子情報83が、所定の生活支援因子リスク条件を満たした場合、タブレット端末3の表示部3b上への表示を行うだけでなく、その旨を通知する通知音やメールメッセージで、遠隔の看護師や医師等に通知する構成とすることもできる。
また、上述した通知音やメールメッセージの通知等による異常な状態の通知方法はこれらに限られず、例えば、表示画面2c上でのポップアップ、SIMやインカムへの通知、対象者が居る居室の外に設置したランプの点灯等、種々の方法が採用しうる。
また、スコア判定結果情報12の内容については、その程度に応じて、緊急度に応じた色分け(カラーリング)をして表示することができる。例えば、スコアが「3点」なら赤、「2点」なら黄色、「1点以下」なら色なしのような内容である。これにより、赤や黄色の色がついたスコアを示した対象者について、色がついたタイミングから何日間は、介護士、看護補助者、看護師又は医師が注意してみるべき対象者として取り扱いやすくなる。
続いて、本発明を適用したソフトウェアを機能させる際に使用する装置や、入力画面の具体的な内容について説明する。
例えば、図7(a)に示すように、バイタル情報の取得は、ウェアラブル型のバイタル測定器21aや、体温計21b等で行い、これらで計測した測定値を、測定した時間の情報と共に、タブレット端末3の表示部3bに表示された画面を介して入力する。表示部3b上には、タッチパネル形式の入力部3aが表示され、ここにバイタル情報を入力する。本発明を適用したソフトウェアが導入されたタブレット端末3(第1のシステム構成)であれば、端末単体で、情報の記録、健康状態の判定、判定結果の表示が可能となる。
また、バイタル情報が取得されると、都度、その平均値、標準偏差、バイタル判定基準情報(各タイミングでの基準範囲)、バイタル熱型表の作成・更新がなされ、情報記録部4に記録される。また、記録されたバイタル情報8に基づき、情報処理手段(バイタル熱型表処理手段として機能)の処理により、バイタル熱型表情報86が作成される。
また、図7(b)では、バイタル情報をスマートフォン端末22aや、パーソナルコンピュータ端末22b(以下、「PC端末22bと称する)から、上述の第2のシステム構成で述べた外部サーバである情報管理サーバ32aにアクセスして、スマートフォン端末22aやPC端末22bからバイタル情報の入力を行うこともできる。各端末から送信されたバイタル情報に基づき、情報管理サーバ32aで健康状態の判定がなされ、その結果の情報が各端末に送信され、各端末の画面で結果の情報が表示される。
また、タブレット端末3、スマートフォン端末22a及びPC端末22bの入力画面として、図8ないし図15に示す画面を示す。図8及び図9は、病院の患者や、介護施設等の入居者を健康状態の判定対象とする際に利用する入力画面の例である。図8では、一人分の対象者の入力項目と、数字を表示したテンキー領域が表示される。対象者及び担当スタッフの氏名表示欄と、体温、血圧(上下)、脈拍、酸素濃度、体重、呼吸数における計測データの入力欄が設けられている。各バイタルサインの値は、テンキー領域をタッチパネルや、画面上でのカーソル操作で入力しうる。
また、本発明では、バイタル情報8を入力・記録する際の、「主値モードの変更機能」を有している。バイタルサインの値の測定においては、複数回の測定を行うことがあり、その際には、必ず、最初の数値を残す必要があるとされている。ここで、測定した値のうち、採用すべき有効な値が、最初の測定結果の数値でない場合がある。ここで、主値モードの変更機能として、例えば、「その日の最初の測定結果の値を主値とする」又は「その日の最新の値を主値とする」のように、主値の採用する条件を設定可能としている。これにより、バイタル情報8の内容として、有効な数値が選択しうるものとなる。
また、図8の画面表示では、観察・問診の項目が設けられている。入力された情報は、送信ボタンをタッチ又はクリックすることで、装置内部の情報記録部4に記録される、又は、外部の情報管理サーバ32a(サーバの情報記録部)に送信される。なお、図8には示されていない
図9に示す入力画面では、画面右側に複数のバイタルサインの計測データの入力欄と、対象者が自身で判断した体調の正常又は異常の選択項目が設けられている。また、自覚症状、他覚症状、熱型表を選択して、更なる体調の情報の入力や、対象者のバイタルの継時的な変化が確認できる構成となっている。
また、図9の画面では、複数の対象者の氏名が表示され、名前の欄を選択することで、選択された対象者の画面が表示可能となる。また、バイタルサインの値の入力時の時間の情報が、同時に入力される。更には、バイタルサインの値の入力画面以外に、情報の登録に関する項目や、排泄、食事等の提供する生活支援の項目についての情報の記録や表示が可能となっている。
図10は、生活支援記録情報81の入力用の画面(生活支援記録画面)である。介護士又は看護補助者は、この画面を介して、各対象者の食事量、飲水量、排尿量、排便量、尿の状態、便の状態及び入浴の状態の情報の入力を行う。
また、図10に示す生活支援記録画面は、生活支援記録情報81を確認することが可能な確認用の画面であり、必要に応じて、介護士等、看護師、及び、医師が、生活支援記録を閲覧する際に用いる画面でもある。
図10に示すように、複数の対象者に関して、例えば、7時から1時間ごとに、食事量等を入力するアイコンが表示されている。介護士又は看護補助者は、対象者に行った生活支援の内容等に基づき、各種の情報の入力を行う。
入力した情報は、適宜、情報記録部4に記録される。また、記録された情報は、情報処理手段により生活支援因子情報83に変換処理され、適宜、情報記録部4に記録される。
図11は、看護記録情報82の入力用の画面(看護記録画面)である。看護師は、この画面を介して、看護師が対象者に行う看護の内容の情報、又は、看護の内容を通して得られた情報の入力を行う。
また、図11に示す看護記録画面は、看護記録情報82を確認することが可能な確認用の画面であり、必要に応じて、看護師、医師、介護士等が、看護記録を閲覧する際に用いる画面でもある。
図11に示すように、複数の対象者に関して、例えば、1日ごとの個体の病状、観察結果、生活支援記録情報81やバイタル情報8の中から、看護師が記録すべき情報として選択した情報等の入力を行う。入力した情報は、適宜、情報記録部4に記録される。
また、図11に示す看護記録画面の中で、看護師は、診断寄与候補情報84から、診断寄与情報85をスクリーニングする作業を行うことができる。例えば、情報処理手段により抽出された診断寄与情報84は、看護記録画面の中で、薄い色の文字として表示される。看護師は、診断寄与情報85として選択する場合には、薄い色の文字の診断寄与情報85をクリックすることで文字の色が変わり、一覧画面情報120(図16参照)の『看護記録』(画面右下)の中に、診断寄与情報85として表示される。
また、記録された情報は、情報処理手段により生活支援因子情報83に変換処理され、適宜、情報記録部4に記録される。
図12ないし図14には、高齢者辞書画面を表示している。高齢者辞書画面は、病気情報87から構成された病気の情報のデータベースから、個々の病気の情報を表示する画面の一例である。ここでは、病気の一例として、うっ血性心不全(図12)、慢性心不全(図13)及び肺炎(図14)の情報を掲載している。
この高齢者辞書画面は、一覧画面情報120から当該ページに画面を移動することができ、検索ワード、関連ワード、データベース検索結果、各病気の種類における高齢者に関する特殊情報が掲載されている。ここでは、検索ワードの項目に、検索したい情報を入力することで、検索ワードに関連のある病気の種類を、データベース検索結果として表示できる。
また、データベース検索結果には、検索ワードの内容に応じて、複数の結果(病気の種類)が挙げられる場合がある。また、関連ワードは、上述した病気の種類に応じた病理因子の項目の情報である。
上述したように、看護師が看護記録画面で、診断寄与候補情報84から、診断寄与情報85をスクリーニングする作業を行った際に、この高齢者辞書画面にて、候補となる病気の種類と、その病理因子の情報を、検索結果として取得できる。
さらに、候補となる病気の病理因子について、一時的に診断寄与情報85を生成した際に、病気情報87の内容に基づき、一時的な診断寄与情報85の内容から、情報処理手段100が、候補となる病気の種類とその病理因子を照合して、候補となる病気の種類の病理因子で、一時的な診断寄与情報85の内容に含まれていない情報が抽出される。抽出した結果は、高齢者辞書画面で、例えば、該当する病理因子を色分けして表示する等して、明示される。また、例えば、看護記録画面上に、看護師のスクリーニング対象となる情報として表示することができる。
ここで、高齢者辞書画面は、病気情報87から構成された病気の情報のデータベースから、個々の病気の情報を表示する画面の一例にすぎず、必ずしも、高齢者向けの辞書の情報として構成される必要はない。但し、高齢者に特有の情報を表示しやすい態様とすることで、高齢者に該当しない対象者では見られないような病気の特徴が確認しやすくなり、医師の診断をより効率良く支援することができる。
図15には、臨時薬記録89に関する服薬一覧画面を示している。この服薬一覧画面は、看護記録画面から当該ページに画面を移動することができる。服薬一覧画面は、対象者における服薬情報の登録、登録した情報の一覧表示を行う画面である。
新たに服薬する薬の登録や、登録した内容の確認を行う場合には、服薬一覧画面のメインのページ(図15左側)から新規登録・閲覧・編集のページ(図15右側)を開き、登録や閲覧、編集を行う。服薬一覧画面で登録された薬の情報は、看護記録画面に反映され表示される。また、服薬一覧画面では、服薬期間を入力することで、内容を絞り込むこともできる。
上述した各種の入力画面で入力された情報に基づき、図16に示す『一覧表示画面120』が作成される。この一覧表示画面120が、介護士、看護補助者、看護師及び医師が、共通して確認する各種情報が集約された表示画面である。
この一覧表示画画面120では、個別の対象者に関して、バイタル熱型表情報86及び診断寄与情報85(画面上では「看護記録」として表示している)が掲載される。
図16に示すバイタル熱型表情報86では、所定の日数におけるバイタルサインの値の情報と、後述する、その日ごとのバイタル判定基準情報102aの範囲(上限及び下限の範囲)がバイタルサインの種類ごとで異なるハッチングで示されている。このハッチングは、実際の画面では、色分けで表示される。このように表示することで、各測定日におけるバイタルサインの値だけでなく、スコアリングやバイタル異常判定の基準となった対象者ごとに異なるバイタル判定基準情報102aも視覚的に把握可能となる。
また、図16に示すように、バイタル熱型表情報86では、対象者に対して、バイタルサインの値に変化を及ぼす臨時薬が投与された際(看護記録情報や医師記録情報に臨時薬の情報が入力された日)、その日のバイタルサインの値を白丸で表示するように構成されている。ここでは、一例として、2月7日(水)の体温を白丸で示している。この日、対象者に対して、解熱剤が処方されたことで、体温が下がる可能性があるため、体温を白丸で表示して、それ以外の薬の処方がなかった日は、体温を黒丸で表示している。
この結果、解熱剤の投与日の次の日(2月8日)に、対象者の体温が下がってバイタル熱型表に表示されていても、薬の効果による一時的な体温の低下であって、対象者自身の症状の改善や、体調が良好になっていることを担保する結果ではないことを看護師等が把握しやすくなる。
また、図16の下部に「服薬」の項目を設けており、同項目に設けられた薬のマークのアイコンをクリックすることで、処方された薬の情報や処方内容の詳細等を確認可能な個別の薬剤情報の画面に移動することができる。
また、一覧表示画画面120では、適宜、スコア結果情報(スコア値に応じた色分け有り)、生活支援記録情報及び看護記録情報の一部、医師記録情報90、既往歴情報の一部(画面上では「観察内容」として表示している)が掲載されている。
また、一覧表示画画面120に掲載されたスコア結果情報(図16中の0から4の数字)は、後述する個々のスコア値情報103の合計点の情報である。また、スコア結果情報は、その値に応じて、色分けして表示される。例えば、0点は白、1点はピンク色、2点は黄色、3点はオレンジ色、4点は赤色といったような色分けである。
このように、スコア結果情報を値に応じて色分けして表示することで、対象者のスコアリングの結果の情報を視覚的に認識しやすくなる。また、3点以上の値を濃い色で表示して、所定の日数のスコア結果情報を表示することで、スコア結果情報を経時的に確認することができ、対象者の体調に異常が生じる兆候を把握しやすくなり、また、対象者の観察レベルを上げる参考の情報となる。例えば、慢性疾患の高齢者等では、スコア結果情報の合計点が3点以上の場合には、その後数日間の間に、病気の発症や体調の悪化が生じる可能性があるとして、注意して観察しやすくなる。
また、図16の右上には、ある一定の日の対象者の体温、血圧(上)、血圧(下)、脈拍数、呼吸数、SpO2、意識レベルについて、その測定・観察結果と、該当するスコア値情報103を表示している。スコア値情報103は、0を真ん中に、0より左側が「-2」、「-1」に該当し、0より右側が「+1」、「+2」に該当する。さらに、各スコア値情報103は、その値に応じて、色分けして表示される(図示省略)。
このように、スコアリングに用いる体温、血圧(上)、血圧(下)、脈拍数、呼吸数、SpO2、意識レベルと、そのスコアリングの結果であるスコア値情報103を、0を基準に表示することで、スコアリングの結果の情報が、医師の診断の際の参考情報として利用しやすくなる。
また、一覧表示画面120からは、各種の情報入力ページや、情報の閲覧が可能なページに移動可能なアイコンが表示されている。
また、一覧表示画面120におけるバイタル熱型表情報86には、各バイタルサインの種類ごとに、各測定日における平均値と、各測定日におけるバイタル異常の判定の基準となった範囲(上下限の範囲でありハッチングで示す)が表示されている。
このような一覧表示画面120を確認することで、介護士、看護補助者、看護師及び医師は、自分が必要は情報を、同画面の情報から容易に取得することができる。
また、医師の診断にあたっては、診断寄与情報85の項目を確認するだけで、看護師に対するヒアリングや、別途の生活支援記録情報の確認・分析作業等を経ることなく、診断に役立つ情報を容易に入手することができる。
ここで、一覧表示画面120における表示内容は、表示画面の一例である。同画面については、例えば、職種に応じて、より詳細な情報を表示する画面切り替えアイコンをクリックすることで、表示内容を変更可能に構成されている。例えば、看護師専用の画面のアイコンをクリックして、看護師の見たい項目を掲載した画面に切り替えたりする等して、職種に応じた画面に切り替えることが可能である。
さらに、識別情報が付与されたカードの読み取りや、ID番号の入力等で、閲覧者を識別して、閲覧者ごと、又は、閲覧者の職種ごとに、一覧表示画面120に表示する情報を異ならせて、情報の閲覧制限機能を付与することもできる。
続いて、バイタル情報から得られたスコア値情報に対する具体的な判定の方法について説明する。
[6.バイタル平均値等の算出、スコアリング及び異常の判定について]
[6-1.体温、脈拍、収縮期血圧、拡張期血圧、脈圧の測定値について]
バイタル平均値及びバイタル標準偏差は情報記録部4に記録されたバイタル情報8及び再測定バイタル情報13に基づき、演算部2が基準算出手段5の平均値算出手段14及び標準偏差算出手段15として機能して算出される。また、バイタル平均値及びバイタル標準偏差に基づき、体温、脈拍、収縮期血圧、拡張期血圧、脈圧の測定値に対するスコアリング基準情報102及びバイタル判定基準情報102aが設定される。
バイタル平均値、バイタル標準偏差及びこれらに基づくスコアリング基準情報102及びバイタル判定基準情報102aの設定方法として、情報記録部4に記録されたバイタル情報8及び再測定バイタル情報13をバイタル平均値等の算出に利用する方法が挙げられる。本方法では、バイタル平均値とバイタル情報の分布に基づく標準偏差は、平均値算出手段14及び標準偏差算出手段15において、以下の式(3)及び式(4)を用いて算出される。
μ=(1/N)×ΣSi・・・式(3)
σ=√((1/N)×Σ(Si-μ)2)・・・式(4)
ここでμはバイタル情報の平均値、Siは各バイタル情報の計測値、Nは全バイタル情報のデータ数であり、σは標準偏差である。ΣSiは、全バイタル情報の計測値の合計を示す。また、各バイタル情報の計測値とは、上述したように、設定した所定の条件で取得したバイタル情報の値である。なお、ここでいう全バイタル情報の内容は、上述したように、情報記録部4に記録された情報の一部を抽出するものであってよい。また、ここでのバイタル情報とは、体温、脈拍、収縮期血圧、拡張期血圧、脈圧の測定値である。
ある判定時点において、対象者のバイタル情報を判定する際には、判定時点を起点に、情報記録部4に記録された同一の対象者のデータから、上記の式(3)、式(4)を用いて、バイタル平均値μ、バイタル標準偏差σが算出される。即ち、判定時点に測定した判定の対象となるバイタルサインの値を含めて、スコアリング基準情報102及びバイタル判定基準情報102aが算出される。続いて、スコアリング基準設定手段101及び及びバイタル判定基準設定手段101aが、以下の式(1)又は式(2)で表される値を、スコアリング基準情報102及びバイタル判定基準情報102aとして利用する。
μ-nσ・・・式(1)
μ+mσ・・・式(2)
ここでn、mは0より大きい数である。
スコアリング基準情報102では、上記の式(1)及び式(2)で表された値と、所定のスコア値、即ち、0点~3点の点数の情報が組み合わされている。この組み合わせは、下記の表1に示す通りである。
なお、表1において、「-3σ」は、式(1)に基づく「μ-3σ」の値であり、「-2.5σ」は、式(1)に基づく「μ-2.5σ」の値であり、「-2σ」は、式(1)に基づく「μ-2σ」の値であり、「+3σ」は、式(2)に基づく「μ+3σ」の値であり、「+2.5σ」は、式(2)に基づく「μ+2.5σ」の値であり、「+2σ」は、式(2)に基づく「μ+2σ」の値を意味している。また、μ及びσは、所定の条件(例えば30個分のバイタル情報)で測定された各バイタルサインの測定値から算出される値である。
表1に示すように、体温、脈拍、収縮期血圧、拡張期血圧、脈圧の測定値について、その内容に基づいて、0~3点の各スコア値にスコアリングする際には、上記の式(1)及び式(2)に基づき算出された「μ±2σ、μ±2.5σ、及びμ±3σ」の値が利用されている。
より詳細には、入力されたバイタルサインの測定値が、その判定時点において算出されたバイタル平均値及びバイタル標準偏差において、「μ±2σ以内」の範囲に収まる値であれば0点のスコア、「μ-2.5σ(以上)~μ-2σ(未満)」の範囲、又は、「μ+2σ(以上)~μ+2.5σ(未満)」の範囲に収まる値であれば1点のスコア、「μ-3σ(以上)~μ-2.5σ(未満)」の範囲、又は、「μ+2.5σ(超)~μ+3σ(以内)」の範囲に収まる値であれば2点のスコア、「μ-3σ(未満)」、又は、「μ+3σ(超)」の範囲に収まる値であれば3点のスコアとなる。
入力されたバイタルサインの測定値に対するスコアリングは、判定時点において算出されたバイタル平均値、バイタル標準偏差により、判定時点ごとの基準が設定される。また、体温、脈拍、収縮期血圧、拡張期血圧、脈圧の測定値は、正規分布に従う古典的バイタルサインであり、上記式(1)又は式(2)の基づき算出されたスコアリング基準情報102は、対象者の個体内変動が反映された基準であり、かつ、その対象者の正規分布に基づき設定された基準となる。そのため、対象者の体調の変動を正確に捉えることが可能な指標となる。
また、判定処理手段6は、スコア値情報103について、1点が算出された際には「注意」と判定し、2点以上が算出された際には「警告」と判定する。スコア値情報103が0点の場合には、「注意」や「警告」の判定結果が出されず、「正常」な状態と見なすことができる。即ち、1つずつのバイタルサインの測定値に対して、1点以上の値となる判定がなされた際に、「注意」と「警告」の2段階に分けた異常と判定可能となっている。この内容がスコア判定基準情報18である。
また、判定処理手段6は、バイタルサインの値(それぞれのバイタルサインの測定値)について、「μ±2σ以上」の値となったものを「(バイタルサインの値の)異常」と判定する。
また、各バイタルサインの値から算出されたスコア値情報103と、この値に対する注意等のスコア判定結果情報12及びバイタル判定結果情報12aは、対象者に紐付けて情報記録部4に記録される。
また、判定処理手段6がスコア値情報103についての「警告」の判定や、バイタルサインの値についての「警告」の判定を行った際には、情報送受信部3cを介して、健康状態管理装置1で警告音を発したり、外部端末等に「警告」の判定がなされた旨のメールを送信したりする構成とすることができる。これにより、対象者の体調に異常が生じていることを介護士、看護補助者、又は、看護師等に通知可能となる。また、ここでは、スコア値情報103の判定を主として、スコア値情報103についての「警告」の判定についてのみ、「警告の判定」を行った際に、警告音を発したり、外部端末等にメールを送信したりする構成としてもよい。
ここで、上述した式(1)又は式(2)におけるnは0より大きい数であることは述べたが、n及びmとなる数値は、上述した内容のように「2、2.5及び3」に限定されるものではなく、適宜、その数値を変更して、スコアリング基準情報102とすることができる。
また、必ずしも、体温、脈拍、収縮期血圧、拡張期血圧、脈圧の測定値において、式(1)又は式(2)におけるn及びmとなる数値が同一である必要はない。バイタルサインの種類によって、設定するn及びmとなる数値を異なるものとすることもできる。
また、表1に示すスコアリング基準情報102では、例えば、1点のスコア値情報と、2点のスコア値情報を区別する範囲として、「μ±2σ以内」と「μ+2σ(以上)~μ+2.5σ(未満)」の範囲が設定されている。即ち、μ+2σの数値の前後で、μ+2σ以内が0点、μ+2σを超えると1点となるが、必ずしも、範囲の設定がこの内容に限定される必要はない。例えば、μ+2σ未満が0点、μ+2σ以上が1点する内容とすることも可能である。また、その他の数値についても同様である。
また、表1に示すスコアリング基準情報102では、スコア値情報103は0点から3点の範囲で設定されているが、必ずしもこの範囲に限定される必要はない。例えば、スコア値情報を0点、1点、及び2点の範囲でスコアリングする設定に変更することも可能である。更には、3点より大きな数値を採用することも可能である。スコア値情報103を変更する場合、これに合わせてスコアリング基準情報102を適宜設定可能であることは言うまでもない。また、この点は後述する酸素飽和度、呼吸数及び意識レベルのスコアリングにおいても同様である。
また、判定処理手段6がスコア値情報103について、異常と判定する数値が1点以上に限定されるものではない。例えば、2点以上で異常とする判定が採用されてもよい。また、必ずしも、異常の判定を「注意」と「警告」の2段階で判定する必要はない。例えば、判定を3段階以上に分ける設定や、単に「異常」の1段階で判定する態様であってもよい。但し、異常の判定を「注意」と「警告」の2段階で判定することで、スコア値情報103の異常の程度を区別することが可能となり、「注意」や「警告」の程度に応じたその後の対処が設定しやすくなることから、異常の判定を2段階で分けることが好ましい。また、この点は後述する酸素飽和度、呼吸数及び意識レベルのスコアリングにおいても同様である。
また、判定処理手段6が、1つずつのバイタルサインの測定値に基づくスコア値情報103に対して、異常な値か否かの判定を行う設定となっているが、必ずしもこのように設定される必要はない。例えば、複数の種類のバイタルサインに基づくスコア値情報103の「合計点」に対して、異常な値か否かの判定を行う態様とすることもできる。また、特定の種類のバイタルサイン(例えば、体温と脈拍)を組み合わせて、その組み合わせたバイタルサインに基づくスコア値情報103の「合計点」に対して、異常な値か否かの判定を行う態様とすることもできる。但し、1つずつのバイタルサインの測定値に基づくスコア値情報103に対して、異常な値か否かの判定を行うことで、異常の根拠となったバイタルサインが分かりやすく、判定後の対処における参考情報になりやすいことがあるため、1つずつのバイタルサインの測定値に基づくスコア値情報103に対して、異常な値か否かの判定を行うように設定されることが好ましい。また、この点は後述する酸素飽和度、呼吸数及び意識レベルのスコアリングにおいても同様である。
また、例えば、複数の種類のバイタルサインに基づくスコア値情報103の「合計点」に対して、点数に応じて、「注意」や「警告」を設定しておき、この「注意」や「警告」を表示部3bに表示したり、アラートを鳴らす態様にしたりすることもできる。
また、表1に示すスコアリング基準情報102では、スコアリングされる対象(マーカー)として、収縮期血圧、拡張期血圧、脈圧、脈拍、体温、酸素飽和度、呼吸数、意識レベルが挙げられているが、これは一例に過ぎない。また、スコアリング基準情報102での点数を区別する閾値も一例に過ぎない。
即ち、マーカーの種類や点数を区別する閾値は、対象者が有する疾患の種類や、対象者の性質によって異ならせて設定することが可能である。例えば、心不全を有する対象者と、尿路感染を有する対象者では、マーカーの種類や点数を区別する閾値を異ならせて設定する。また、マーカーとして、血圧において、収縮期血圧のみを採用する場合や、収縮期血圧と拡張期血圧の両方を採用する場合もある。また、例えば、健常者である対象者と、持病を有する高齢者である対象者では、やはり、マーカーの種類や点数を区別する閾値を異ならせて設定する。
また、スコアリング基準情報102には、マーカーとして、対象者の既往歴や、対象者の家族や近親者における病的状態である家族歴、生活習慣等の種類を含めて、スコアリングする態様もある。
この場合、例えば、心臓病の既往歴の対象者や、家族に心臓病を患った人がいる対象者に対して、心不全の程度を判断するためにスコアリングを行う際には、既往歴又は家族歴のマーカーに点数が付与され、スコア値情報103の合計点に加点される。また、例えば、喫煙の生活習慣がある対象者には、生活習慣のマーカーに点数が付与され、スコア値情報103の合計点に加点される。
ここで、複数の対象者のバイタル情報を利用して、異なる個体の情報に基づくバイタル情報の分布を作成した場合と、同一の対象者のバイタル情報を利用して、同一個体のバイタル情報の分布を作成した場合との違いについて、説明する。
図17(a)及び図17(b)は、いずれも体温の情報を元に作成された正規分布曲線のグラフである。図17(a)及び図17(b)において、横軸は体温の確率変数、縦軸は確率密度である。(a)は多数の対象者で作成し、(b)は、同一の対象者のみで作成されている。図17(a)では、様々な平熱や、体温の変動をする人が含まれており、平均値μは多数の対象者の平均値である37.0℃となり、μ+2σの値は37.7℃、μ-2σの値は36.0℃となっている。
しかしながら、図17(b)では、同一個体のバイタル情報を記録したものであり、その人特有の平熱や、体温の変動となるため、平均値μは35.6℃、μ+2σの値は37.0℃、μ-2σの値は35.2℃となる。
即ち、仮に、各分布を用いて、スコアリングをする際のあるスコア値に安定される基準値をμ+2σに設定すると、図17(a)の方では、37.0℃の体温はμの位置(図17(a)中の黒い丸)に該当する。一方、図17(b)の方では、37.℃の体温は、上限値であるμ+2σの位置(図17(b)中の黒い丸)になる。つまり、図17(a)に示す分布と、図17(b)に示す分布では、分布上における同じμ+2σの数値が全く違う値になる。そのため、スコアリング基準情報102やスコア値情報103も変わり、判定結果も異なるものとなる。換言すれば、図17(b)の対象者の判定を行う上では、多数の対象者のバイタル情報に基づくスコアリング基準情報102やスコア値情報103は、「異常な値」を捉えるために使用できないものといえる。多数の人数のバイタル情報を基準に用いることは、従来行われていた「個体間変動」での判定に他ならず、対象者に特有のバイタル情報の変動をみるためには、「個体内変動」が有効であることを示している。
なお、図17(b)に示す体温の平均値や変動を行う対象者は、特殊な事例にあたるものではない。また、体温に限って起こる現象ではなく、その他のバイタルサインである収縮期血圧、拡張期血圧、脈拍数、呼吸数でも、対象者に固有の変動が生じ、これらは正規分布に従うものとなる。上記の体温の例でいえば、図17(b)に示す温度域で体温が変化する高齢者は多く、このような高齢者の健康状態の判定をバイタルサインで行う際には、「個体内変動」が有効である。
[6-2.酸素飽和度の測定値について]
対象者から測定された酸素飽和度の測定値に対するスコアリング基準情報102の設定方法として、一定の数値範囲の情報を基準として設定する。表1に示す内容では、酸素飽和度の測定値について、0~3点の各スコア値にスコアリングする際には、「93~100(%)」が0点のスコア、「90~92(%)」が1点のスコア、「85~89(%)」が2点のスコア、及び、「84(%)以下」が3点のスコアとなるように設定されている。
入力された酸素飽和度の測定値に対して、表1に示すスコアリング基準情報102に基づき、0~3点のスコア値情報103が算出される。また、スコア値情報103に対する判定処理手段6による異常な値か否かの判断は上述したとおりである。
また、酸素飽和度の測定値から算出されたスコア値情報103と、この値に対する注意等のスコア判定結果情報12は、対象者に紐付けて情報記録部4に記録される。
ここで、表1に示す酸素飽和度に対するスコアリング基準情報102の内容はこれに限定されるものではない。0~3点のスコア値情報を分ける数値範囲は、適宜設定を変更して、スコアリング基準情報102とすることができる。
[6-3.呼吸数の測定値について]
対象者から測定された呼吸数の測定値に対するスコアリング基準情報102の設定方法として、情報記録部4に記録されたバイタル情報8及び再測定バイタル情報13を最頻値の算出に利用する方法が挙げられる。本方法では、最頻値算出手段110が、所定の条件(例えば30個分)における呼吸数の測定値に対して、その最頻値を算出する。また、呼吸数の測定値とは、設定した条件で測定した呼吸数の値が採用しうる。なお、ここでいう全バイタル情報の内容は、上述したように、情報記録部4に記録された情報の一部を抽出するものであってよい。
ある判定時点において、対象者の呼吸数を判定する際には、判定時点を起点に、情報記録部4に記録された同一の対象者のデータから、最頻値が算出される。即ち、判定時点に測定した判定の対象となる呼吸数の値を含めて、スコアリング基準情報102が算出される。スコアリング基準設定手段101は、表1に示す内容となるように最頻値からスコアリング基準情報102を設定する。
表1に示す内容では、所定の条件における呼吸数の最頻値に基づき設定された基準を示している。呼吸数について、0~3点の各スコア値にスコアリングする際には、「最頻値±4(呼吸数/分)」が0点のスコア、「最頻値-5(呼吸数/分)」又は「最頻値+5(呼吸数/分)」が1点のスコア、「最頻値-6~最頻値-9(呼吸数/分)」又は「最頻値+6~最頻値+9(呼吸数/分)」が2点のスコア、「最頻値-10(呼吸数/分)以下」又は「最頻値+10(呼吸数/分)以上」が3点のスコアとなるように設定されている。
入力された呼吸数の測定値に対して最頻値が算出され、この最頻値に基づき、表1に示すスコアリング基準情報102となり、0~3点のスコア値情報103が算出される。また、スコア値情報103に対する判定処理手段6による異常な値か否かの判断は上述したとおりである。
また、呼吸数の測定値から算出されたスコア値情報103と、この値に対する注意等のスコア判定結果情報12は、対象者に紐付けて情報記録部4に記録される。
ここで、表1に示す呼吸数に対するスコアリング基準情報102の内容はこれに限定されるものではない。0~3点のスコア値情報を分ける数値範囲は、適宜設定を変更して、スコアリング基準情報102とすることができる。
また、呼吸数の測定値に対するスコアリング基準情報102は、所定の条件の最頻値の代わりに、所定の条件の平均μの値を利用することもできる。平均μの値は平均値算出手段14により算出可能である。この場合、スコアリング基準情報102を設定する際の平均μに、所定の数値を組み合わせて、スコアリングする基準として採用することができる。
[6-4.意識レベルについて]
対象者に対して、介護士等が意識レベルを確認して、取得された結果について、スコアリング基準情報102として設定された所定の観察情報に当てはめる作業を行う。意識レベルの確認は、既知のAVPU評価を利用しうる。
AVPU評価では、正常(覚醒して見当識あり、A:alert)、異常(言葉により反応するが、見当識なし、V:verbal)、痛みに反応(痛みにのみ反応、P:Pain)、無意識(言葉にも痛みにも反応しない、U:Unresponsive)が所定の観察状態として設定されている。介護士等が対象者を観察して、その意識レベルがAVPU評価のどの項目に該当するかを判断して、その結果を、入力部3a等を介して入力する。
意識レベルに対するスコアリング基準情報102は、表1に示す内容で設定されている。表1では、正常が0点のスコア、異常が1点のスコア、痛みに無反応が2点のスコア、及び、無意識が3点のスコアとなるように設定されている。介護士等が入力した情報により、情報処理手段100がスコア値情報103を算出する。また、スコア値情報103に対する判定処理手段6による異常な値か否かの判断は上述したとおりである。
また、対象者の意識レベルの評価結果から算出されたスコア値情報103と、この値に対する注意等のスコア判定結果情報12は、対象者に紐付けて情報記録部4に記録される。
ここで、表1に示す対象者の意識レベルの評価結果に対するスコアリング基準情報102の内容はこれに限定されるものではない。AVPU評価以外の意識レベルの評価手法が採用されてもよい。また、0~3点のスコア値情報を分ける観察状態は、適宜設定を変更して、スコアリング基準情報102とすることができる。
以上の内容では、対象者のバイタルサインのうち、体温、脈拍、収縮期血圧、拡張期血圧、脈圧、酸素飽和度、呼吸数の測定値と、意識レベルの評価結果を用いてスコアリングを行い、算出されたスコア値情報103が異常な値か否かを判定している。ここで、必ずしも、対象者のバイタルサインがこれらの内容に限定される必要はない。例えば、スコアリングを行う対象として、対象者から得られた尿量、体重、痛み(痛みの有無や程度)、その他の病状異常をバイタルサインの情報として採用することも考えられる。
[7.正規分布の有無による測定精度の判定及び異常な値の判定]
本発明を適用した診断支援装置1では、測定したバイタル情報が正規分布に当て嵌まっているかを確認する手法として、Q-Qプロットが利用できる。例えば、横軸にバイタル標準偏差の値を、縦軸に標準偏差の累積確率に対応する標準正規分布のパーセント点の値をとり、対象者のバイタル標準偏差をプロットする。各プロットが直線上に位置していれば、取得したバイタル情報が正規分布していることが視覚的に確認可能となる。
続いて、本発明を適用したソフトウェアにおけるスコアリングの判定までの情報処理の一連の流れについて、図18を用いて説明する。
図18には、バイタル情報の入力からスコア値情報における異常の判定、結果の情報の表示までの情報処理の流れを示している。
まず、初めに、対象者のバイタルサインの値(体温、脈拍、収縮期血圧、拡張期血圧、脈圧、酸素飽和度、呼吸数の測定値)が各測定機器により測定され、計測値と測定日時の情報が入力される(S1)。また、この際、対象者の意識レベルの評価結果から、バイタル基準情報102の観察情報の該当する情報が選択又は入力される。入力された情報は、対象者のバイタル情報として、情報記録部4(DB)に記録される(S2)。
情報記録部4に記録された判定の対象となるバイタル情報を含めて、演算部2が基準算出手段5として機能してスコアリング基準情報102の算出(及びバイタル判定基準情報102aの算出)を行う(S3)。ここでは、バイタル平均値と、バイタル標準偏差が算出され、これらの値を元に、設定した条件でのスコアリング基準情報(所定の数値範囲等)(及び所定のバイタル判定用数値範囲)が作成される。ここで、体温、脈拍、収縮期血圧、拡張期血圧、脈圧及び呼吸数に関する基準は、都度、スコアリングの度(及びバイタルサインの値の判定の度)に算出されるものとなる。
次に、入力された判定の対象のバイタル情報について、スコアリング基準情報102に基づき、情報処理手段100により、スコア値情報103がバイタル情報ごとに算出される(S4)。
スコア値情報103が算出されると、判定処理手段6が、判定基準に基づき、スコア値情報が異常な値であるか否かを判定する(S5)。判定の結果「異常な値(注意又は警告)である」と判定されないものについては、判定結果情報が、情報記録部4(DB)に記録され(S9)、判定結果の情報が表示部3bに表示される(S11)。また、対象者のバイタル情報を元に、バイタルサインの値の経時的な変化をグラフ化した熱型表や、正規分布の確立密度関数(正規分布曲線のグラフ)が表示情報として作成され(S10)、これらの情報も表示部3bにて確認可能となる。
また、入力された判定の対象のバイタル情報について、判定基準に基づき、スコア値情報が、判定の結果「異常な値(注意又は警告)である」と判定されたものについては、例えば、表示部3bに「再測定を行いますか?」といった表示や、バイタルの取得時の姿勢の注意喚起を表示し、再測定バイタル情報の有無について対象者に確認する(S7)。
ここで、対象者や介護士等が「再測定バイタル情報なし」と選択すると、異常な判定との判定結果情報が、情報記録部4(DB)に記録され(S9)、判定結果の情報が表示部3bに表示される(S11)。更に、バイタル熱型表86(図16参照)や、正規分布の確立密度関数(正規分布曲線のグラフ)が作成され(S10)、これらの情報も表示部3bにて確認可能となる。
また、情報記録部4は、異常な判定との判定結果となったバイタルサインの値を、バイタル情報8に含まれるように記録する。これにより、バイタル情報8には、スコア値情報が正常な値と判定されたバイタル情報と、スコア値情報が異常な値と判定されたバイタル情報の両方が蓄積されていく。これが少なくとも30個分集まることで、個体に固有の個体内変動が反映され、正規分布を作成して、対象の個体におけるバイタルサインの異常な値を捉えることが可能になる。
また、対象者や介護士等が「再測定バイタル情報あり」と選択すると、再測定したバイタルサインの値と測定日時の入力を促し、入力された再測定バイタル情報が入力された情報は、対象者の再測定バイタル情報として、情報記録部4(DB)に記録される(S2)。この後は、再度、スコアリング基準情報の算出(S3)、再度のスコア値情報の異常判定(S4)がなされるものとなる。判定において、異常な値であるとの判定でなければ、判定結果情報が、情報記録部4(DB)に記録される(S9)。また、異常な値との判定であった際は、再測定バイタル情報の有無の確認(S6)のステップに進んでもよいし、2回目の判定結果であることから、そのまま判定結果情報の記録(S9)に進んでもよい。
また、図14には詳細を示さないが、判定処理手段6が、バイタル判定基準情報102aに基づき、入力されたバイタルサインの値が異常な値であるか否かを判定する。判定の結果「異常な値(警告)である」と判定されないものについては、判定結果情報が、情報記録部4(DB)に記録され、判定結果の情報が表示部3bに表示される。
また、入力された判定の対象のバイタル情報について、バイタル判定基準に基づき、バイタルサインの値が、判定の結果「異常な値(警告)である」と判定されたものについては、例えば、表示部3bに「再測定を行いますか?」といった表示や、バイタルの取得時の姿勢の注意喚起を表示し、再測定バイタル情報の有無について対象者に確認する。
ここで、対象者や介護士等が「再測定バイタル情報なし」と選択すると、異常な判定との判定結果情報が、情報記録部4(DB)に記録され、判定結果の情報が表示部3bに表示される。
また、情報記録部4は、異常な判定との判定結果となったバイタルサインの値を、バイタル情報8に含まれるように記録する。これにより、バイタル情報8には、スコア値情報が正常な値と判定されたバイタル情報と、スコア値情報が異常な値と判定されたバイタル情報の両方が蓄積されていく。即ち、上述したスコア値情報についての異常の有無だけでなく、バイタルサインの値の異常の有無についてのデータを蓄積することもできる。これが少なくとも30個分集まることで、やはり、個体に固有の個体内変動が反映され、正規分布を作成して、対象の個体におけるバイタルサインの異常な値を捉えることが可能になる。
続いて、本発明のソフトウェア及び診断支援装置を使用する流れの一例を説明する。なお、ここで示す内容は、あくまで流れの一例であり、本発明を利用する手順は以下の内容に限定されるものではない。
まず、対象者に対して、介護士または看護補助者が、生活支援作業を提供して、生活支援記録情報81の入力を行う。また、介護士または看護補助者が、各バイタルサインの測定を行い、測定結果の入力を行う。
入力された生活支援記録情報81は、生活支援因子情報83に変換され、診断寄与候補情報84となる。診断寄与候補情報84は、看護記録情報82に記録され、看護師が診断寄与情報85をスクリーニングする際の参考情報となる。
また、入力されたバイタルサインの値に基づき、スコア値結果情報103が算出される。各情報は情報記録部4に記録される。スコア値結果情報103の合計値が、一覧表示画面120の表示情報となる。
また、入力されたバイタルサインの値に基づき、バイタル熱型表が作成される。バイタル熱型表は、バイタルサインの値が入力されるごとに、更新される。バイタル熱型表が一覧表示画面120の表示情報となる。
また、個別のバイタルサインの値における注意・異常と判定された結果や、個別の項目に基づくスコア値結果情報103における注意・異常と判定された結果は、一覧表示画面120とは異なる注意・警告一覧画面において、表示して確認することができる。
また、入力された生活支援記録情報81については、一覧表示画面120とは異なる支援経過記録画面にて、詳細な生活支援記録を表示して確認することができる。これにより、介護士間又は看護補助者間での生活支援記録の情報共有を容易に行うことができる。
ここで、必ずしも、バイタル熱型表は、バイタルサインの値が入力されるごとに、更新されるように構成される必要はなく、更新の条件は適宜変更することができる。但し、基本の設定として、バイタルサインの値が入力されるごとに、更新されることで、最新の常態を反映しやすくなる。
また、看護師が、対象者に提供する看護情報を看護情報記録部82に入力する。看護師は、一覧表示画面120とは異なる看護記録画面にて、詳細な看護記録を表示して確認することができる。これにより、介護士間又は看護補助者間での生活支援記録の情報共有を容易に行うことができる。
また、看護師は、看護記録画面にて、看護記録情報82や診断寄与候補情報84を確認して、医師の診断の参考情報となる診断寄与情報85をスクリーニングする。このスクリーニングした結果の情報は、一覧表示画面120で「看護記録(診断寄与情報85)」として表示される。
医師は、一覧表示画面120で、「看護記録(診断寄与情報85)」やバイタル熱型表情報、スコア結果情報を確認することで、容易かつ見易い状態で、対象者の診断に必要な情報を確認することができる。さらに、医師は、医師記録情報90を入力することで、一覧表示画面120に、処方薬の指示等を記録して、対処処方の情報を看護師等に伝えることができる。
また、一覧表示画面120を確認することで、介護士、看護補助者、看護師及び医師の間で、相互に、対象者に関する情報を容易に共有することができる。
本発明のソフトウェア及び診断支援装置は、介護士、看護補助者又は看護師が入力する各種情報に基づき、バイタル熱型表情報86及び診断寄与情報85を含む一覧表示画面120を生成する。この一覧表示画面120を確認することで、介護士、看護補助者、看護師及び医師は、自分が必要は情報を、同画面の情報から容易に取得することができる。
また、医師の診断にあたっては、診断寄与情報85の項目を確認するだけで、看護師に対するヒアリングや、別途の生活支援記録情報の確認・分析作業等を経ることなく、診断に役立つ情報を容易に入手することができる。