JP2019035170A - サポータ - Google Patents
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Abstract
【課題】長時間の着用においてもずり落ちがなく快適に使用することができ、保温性に優れズボン等の衣服の下に着用しても不快感がなく使用することができる膝用サポータを提供する。【解決手段】本発明に係るサポータは、大腿の下部から膝及び下腿の上部を被う伸縮性の内筒及び外筒の編地からなる二重構造のサポータであって、内筒の膝上大腿部を被う部分がポリエステルナノファイバーからなる糸を含む編地からなるとともに、長さ3〜8×幅2〜3(cm)の弾性バンドが前記サポータの上縁に沿って対向するように縫合されてなる。【選択図】図1
Description
本発明は、大腿の下部から膝及び下腿の上部を被う、主として保温用に使用されるサポータに関する。
大腿の下部から膝及び下腿の上部を被って使用される膝用サポータは、これが装着される箇所の形状や動きなどの形態的特徴に起因してずり易く、また、装着時の締め付け感から長時間の装着が容易でないなどの問題がある。このため、これらの問題を解決するために種々の提案がなされている。
例えば、特許文献1に、口編み部と、本体部と、伸縮性の異なる少なくとも三種類の編地部分からなる関節部を有するサポータであって、蓋骨被覆部分が中程度の伸縮性を有し、当該部を環状に囲む部分が最も高い伸縮性を有し、関節裏部分が最も低い伸縮性を有する筒状に編成されたサポータが提案されている。このサポータは、膝、肘等の関節を保温、保護するサポータとして好適であり、着用中のずれが防止され、付け心地が良く長時間の装着が可能とされる。
特許文献2に、上下にずり落ち防止用の締付部と膝関節皿部と襷状に囲むX字型部とその他の部分の編地部を有する膝関節用サポータにおいて、膝関節皿部は着圧がもっとも弱い編地であり、襷状に囲むX字型部は圧迫性編地であり、その他の部分の編地部は膝関節の曲げ伸ばしを容易に行える緩衝編地からなる膝関節用サポータが提案されている。この膝関節用サポータは、適度の着圧性を有し、しかも締めすぎて痛くはなく、また膝の屈伸運動性がよいとされる。
特許文献3に、筒状サポータ本体の膝関節の前面側被覆部がその上下両端部から膝蓋骨領域に向って凹湾曲面となっていると共に、当該サポータ本体の後面側被覆部がその上下両端部から凹湾曲面を形成しつつ、膝蓋骨の裏側領域部においてフラット面となっている膝用サポータが提案されている。この膝用サポータは、縦方向により伸縮性を有する前面側被覆部と横方向により伸縮性を有する後面側被覆部の2パーツを縫合等の手段により連結して筒状に形成することにより得られ、格別サイドステーやストラップ等の固定用別部材を用いずとも、装着使用時にずり落ちや、ずり上がりが生じることがないとされる。
また、特許文献4に、足首から、少なくとも脛までの間に着用されるサポータにおいて、編み糸とゴム糸及び/又はカバーリングヤーンとでもって編成された筒状編成体の一部が内側に折り返されて該折り返された端縁が上記筒状編成体に縫合されることにより外層及び内層の二重構造に構成され、該二重構造の部分が足首に着用され、上記筒状編成体の残部の一重構造の部分が少なくとも膝に着用されるようになっており、上記二重構造の外層及び内層はあぜ目1:1〜6:2のパイル編みのシンカー乗せ編みにて編成されることにより上記二重構造の外層と内層の間に保温空間に構成され、上記一重構造の部分はあぜ目1:1のパイル編みのシンカー乗せ編みにて編成されているサポータが提案されている。このサポータは、一重構造部分はズボンの下に着用しても厚ぼったさを感じることが少なく、充分な締め付け力をもたせてずり落ちを少なくすることができ、二重構造部分は空気断熱層の形成により足首の保温性能をもたせることができるとされる。
膝用サポータは、使用中に膝部分が常時屈伸しており、その屈伸の角度や運動速度などの運動範囲は広きにわたる。このため、特許文献1又は2に記載のサポータに示されるように、膝の屈伸に対応するように複数区分に分けられた膝編地を有するサポータが提案されている。特許文献3に示すサポータのように膝の屈伸に適した形状及び伸縮性を有する編地を採用するものもある。しかしながら、膝用サポータについて、ずれ難くかつ快適な長時間着用を可能とするのは容易でなく、さらなる改善が求められている。一方、特許文献4に示すサポータのように、二重構造にしたものがあるが、膝用サポータとしてはずり落ちなどの問題がある。
本発明は、このような従来の問題点に鑑み、長時間の着用においてもずり落ちがなく快適に使用することができ、保温性に優れズボン等の衣服の下に着用しても不快感なく着用できる膝用サポータを提供することを目的とする。
本発明者等は、従来の膝用サポータが車を運転していてもずれを生じ、特に大腿部裏側からずれ始めることに着目し、大腿二頭筋をはじめ脚部や膝の運動に関係する筋肉の蠕動運動様の動きがサポータのずれに重要な作用をしているとの確認の下に、本発明を完成させた。
本発明に係るサポータは、上段肌当編部、上縁折返編部、上保持編部、膝編部、下保持編部、下縁折返編部、柔軟編部及び下段肌当編部を順に備える筒状編地を、前記上縁折返編部を内側に折り返すとともに前記下縁折返編部を内側に折り返し、前記上段肌当編部の上端部と前記下段肌当編部の下端部が重なるようにして内筒及び外筒からなる二重構造にし、前記上段肌当編部と下段肌当編部の重複部及びこれに重なる前記上保持編部を縫合し、かつ、前記柔軟編部の上端とこれに重なる前記下保持編部を縫合してなるサポータであって、前記上段肌当編部及び下段肌当編部は、ポリエステルナノファイバーからなる糸を含む同材質の編地からなり、前記上保持編部上に重なって膝上大腿部を被うように使用され、前記膝編部は前記柔軟編部上に重なって膝部を被うように使用されるものである。
上記発明において、上縁折返編部、上保持編部、下保持編部及び下縁折返編部はレーヨン糸、ナイロン糸及びゴム糸を含む同材質の編地からなり、膝編部はレーヨン糸及びナイロン糸を含む編地からなり、柔軟編部は紡績糸及び、ポリプロピレン糸又はポリ塩化ビニール糸を含む編地からなるものとすることができる。
また、上縁折返編部、上保持編部、下保持編部、下縁折返編部、肌当編部及び下段肌当編部は、膝編部の伸縮性の1.5〜2倍の伸縮性を有し、柔軟編部は膝編部の伸縮性の2〜3倍の伸縮性を有するものがよい。
また、上記発明において、サポータは、上段肌当編部と上保持編部に挟まれ、サポータの上縁に沿って対向するように、長さ3〜8×幅2〜3(cm)の弾性バンドが縫合されてなるものであるのがよい。
また、本発明に係るサポータは、大腿の下部から膝及び下腿の上部を被う伸縮性の内筒及び外筒の編地からなる二重構造のサポータであって、内筒の膝上大腿部を被う部分がポリエステルナノファイバーからなる糸を含む編地からなるとともに、長さ3〜8×幅2〜3(cm)の弾性バンドが前記サポータの上縁に沿って対向するように縫合されてなるものとすることができる。
本発明に係るサポータは、大腿の下部から膝及び下腿の上部を被う保温用のサポータとして好適に使用することができ、長時間の着用においても締め付け感がなく、ずり落ちがない。また、本発明に係るサポータは、厚ぼったさを感じさせず、ズボン等の衣服の下に着用しても不快感がなく使用することができる。
以下、本発明を実施するための形態について図面を基に説明する。図1は、本発明に係るサポータの素材である筒状編地を示す。この筒状編地から図2及び3に示すサポータが作製される。すなわち、図1に示す筒状編地11を折り返して内筒及び外筒からなる二重構造にし、これを縫合して図2又は3に示すサポータ10を作製する。図1に示すように、筒状編地11は、上(図1(a)において右側)から順に、裏C編地、表A編地、表B編地、表A編地、裏D編地、裏C編地からなる。なお、本例の場合は、裏C編地(114)の上端及び裏C編地(115)の下端に、裏C編地の伝線(ラン)を防止する編地(伝線防止20)が設けられている。
筒状編地11は、上側の表A編地(111)の上縁部(111a)を内側に折り返し、下側の表A編地(113)の下縁部(113a)を内側に折り返して二重構造にし、図1(b)及び(c)に示すように縫合することによって、サポータ10の外筒(図2)と内筒(図3)が形成される。上縫合線13は、図1(b)に示すように、上側の裏C編地(114)の上端と下側の裏C編地(115)の下端が重なるようにして表A編地(111)とを縫合して形成する。このとき、伝線防止20を設けているときは、図1(b)に示すように、一方の伝線防止20を折り込んで4重になるようにして縫合するのがよい。これにより、3重又は4重に重なった編地が縫合され、図2又は図3に示すように、太く周回する弾力のある上縫合線13が形成される。また、図1(c)に示すように、裏D編地(116)の上端と表B編地(113)の下端との境界部と表B編地(113)とを縫合する。この縫合は、二重構造にした外筒と内筒が一体になるように縫合されればよいので、図2又は図3に示すように細く周回する下縫合線14が形成される。
上記上縫合線13を形成するときに、図1(b)又は図3に示すように、弾性バンド15を縫合するのがよい。弾性バンド15は、サポータの上縁に沿って対向するように設けるのがよい。この弾性バンド15を、大腿下部の前後部分、すなわち、大腿の下部の大腿二頭筋をはじめ脚部や膝の運動に関係する筋肉の蠕動運動様の動きを生ずる部分に設けることにより、サポータ10のずりを効果的に阻止することができる。弾性バンド15は、例えば、平ゴムを好適に使用することができる。平ゴムは折れ曲がりやめくれ等を生じ難いので好ましい。弾性バンド15のサイズは、長さ3〜8×幅2〜3(cm)のものを使用することができ、長さが5cm前後のものが好ましい。長い弾性バンド15の方が概してサポータ保持力に優れるが、長さに対するサポータ保持力の効果は次第に低下するからである。また、弾性バンド15は、耐久性や美観の観点から、表A編地(111)と裏C編地(114)の間に挟まれるように縫合するのがよい。また、弾性バンド15は、タックを設けることができる。
上記の様に、筒状編地11が縫合されて外筒と内筒の二重構造からなるサポータ10が作製される。このサポータは大腿の下部から膝及び下腿の上部にわたって使用され、その被う部位と機能から区分すると、外筒は図2に示すように区分され、内筒は図3に示すように区分される。すなわち、外筒は、サポータ10の上端から順に、上縁折返編部111a、上保持編部111、膝編部112、下保持編部113、下縁折返編部113aから構成されてなる。内筒は、サポータ10の上端から順に、上縁折返編部111a、上段肌当編部114、下段肌当編部115、柔軟編部116、下縁折返編部113aから構成されてなる。上保持編部111の上部(図2)、上段肌当編部114と下段肌当編部115の境界部(図3)に上縫合線13が太く明瞭に現れている。また、下保持編部113の下部(図2)と、下縁折返編部113aと柔軟編部116の境界部(図3)に、細い下縫合線14が現れている。
上縁折返編部111a、上保持編部111、下保持編部113及び下縁折返編部113aは表A編地からなり、レーヨン糸、ナイロン糸及びゴム糸を含む同材質の編地からなるものとすることができる。膝編部112はレーヨン糸及びナイロン糸を含む編地からなるものとすることができる。膝編部112は、ゴム糸を含まないものになっている。外筒は、サポータ10をズボン等の衣服の下に着用しても、摩擦が少なく引っかからない材質のものがよい。
上段肌当編部114と下段肌当編部115は、同材質の裏C編地からなり、滑り難く、グリップ力に優れるものがよい。また、この上段肌当編部114と下段肌当編部115は、肌に密着するので吸湿性の高いものがよい。上段肌当編部114と下段肌当編部115は、例えば、ポリエステルナノファイバーからなる糸を含む編地からなるものがよい。ここで、ポリエステルナノファイバーは、これを形成するポリマーが、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ乳酸、第3成分を共重合させたポリエステルなどであり、単繊維径(単繊維の直径)が200〜2,000nm、より好ましくは250〜800nmであるものがよい。このポリエステルナノファイバーからなる糸は、上記ポリエステルナノファイバーのフィラメント数が2,000〜60,000本、総繊度(単繊維繊度とフィラメント数との積)が35〜500dtexであるものがよい。かかる糸からなる編地はグリップ力が高くなり、サポータ10は、大腿部に密着して滑りにくく、ずれを生じ難くなる。また、ポリエステルナノファイバーからなる糸を含む編地は、多数の微細な空隙を含み、吸湿性が高い。
柔軟編部116は、紡績糸及び、ポリプロピレン糸又はポリ塩化ビニール糸を含む編地からなるものとすることができる。柔軟編部116は、他の部位に比較して編地が最も薄く、また伸縮し易く柔軟性に優れるものがよい。柔軟編部116は、この柔軟性により膝の屈伸に対して柔軟に追従することができる。柔軟編部116は、ゴム糸を含まないものになっている。
図4は、表B編地(膝編部112)の伸び率を基準にして、表A編地(上縁折返編部111a、上保持編部111、下保持編部113及び下縁折返編部113a)、裏C編地(上段肌当編部114、下段肌当編部115)及び裏D編地(柔軟編部116)の伸び率を比較したグラフである。図4において、横軸は、各編地を示し、縦軸は伸び率比を示している。縦方向とは、サポータの軸線方向の伸びを示し、横方向とは軸線方向とは直角方向の伸びを示す。図4に示すように、表A編地と裏C編地の伸び率比は同等であり、裏D編地の伸び率比が最も高くなっている。特に裏D編地の横方向の伸び率比は高くなっている。
サポータ10は、上縁折返編部111a、上保持編部111、下保持編部113、下縁折返編部113a、上段肌当編部114及び下段肌当編部115は、膝編部112の伸縮性の1.5〜2倍の伸縮性を有し、柔軟編部116は膝編部112の伸縮性の2〜3倍の伸縮性を有するのがよい。
以上、本発明に係るサポータについて説明した。本サポータは、上述のように、大腿の下部後側に密着してずれ難くかつ吸湿性に富むポリエステルナノファイバーからなる糸を含む編地を使用するとともに、大腿二頭筋などの蠕動運動様の動きに対してサポータのずれを効果的に阻止する弾性バンドを設けている。そして、本サポータの他の編地部分は、広範な脚の屈伸運動によく追随する伸縮性のよい編地を使用している。このため、本サポータは、ずり落ちがなく、長時間の着用においても締め付け感がない。
また、本サポータは、上述のように、筒状編地を素材にしてこれを縫合し、内筒及び外筒の二重構造からなるサポータを作製している。これは、機械生産工程により作製した筒状編地をミシン工程で縫合することにより、サポータを効率的に生産することができるからである。しかしながら、サポータが上述の構成を有するものにすることができれば、それぞれ内筒と外筒を作製し、これらを縫合することによりサポータを生産することも可能である。
10 サポータ
11 筒状編地
111 上保持編部
112 膝編部
113 下保持編部
114 上段肌当編部
115 下段肌当編部
116 柔軟編部
13 上縫合線
14 下縫合線
15 弾性バンド
20 伝線防止
11 筒状編地
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Claims (6)
- 上段肌当編部、上縁折返編部、上保持編部、膝編部、下保持編部、下縁折返編部、柔軟編部及び下段肌当編部を順に備える筒状編地を、前記上縁折返編部を内側に折り返すとともに前記下縁折返編部を内側に折り返し、前記上段肌当編部の上端部と前記下段肌当編部の下端部が重なるようにして内筒及び外筒からなる二重構造にし、前記上段肌当編部と下段肌当編部の重複部及びこれに重なる前記上保持編部を縫合し、かつ、前記柔軟編部の上端とこれに重なる前記下保持編部を縫合してなるサポータであって、
前記上段肌当編部及び下段肌当編部は、ポリエステルナノファイバーからなる糸を含む同材質の編地からなり、前記上保持編部上に重なって膝上大腿部を被うように使用され、
前記膝編部は前記柔軟編部上に重なって膝部を被うように使用されるサポータ。 - 上縁折返編部、上保持編部、下保持編部及び下縁折返編部はレーヨン糸、ナイロン糸及びゴム糸を含む同材質の編地からなり、膝編部はレーヨン糸及びナイロン糸を含む編地からなり、柔軟編部は紡績糸及び、ポリプロピレン糸又はポリ塩化ビニール糸を含む編地からなることを特徴とする請求項1に記載のサポータ。
- 上縁折返編部、上保持編部、下保持編部、下縁折返編部、肌当編部及び下段肌当編部は、膝編部の伸縮性の1.5〜2倍の伸縮性を有し、柔軟編部は膝編部の伸縮性の2〜3倍の伸縮性を有することを特徴とする請求項1又は2に記載のサポータ。
- 上段肌当編部と上保持編部に挟まれ、サポータの上縁に沿って対向するように、長さ3〜8×幅2〜3(cm)の弾性バンドが縫合されてなることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載のサポータ。
- 弾性バンドは、タックを有することを特徴とする請求項4に記載のサポータ。
- 大腿の下部から膝及び下腿の上部を被う伸縮性の内筒及び外筒の編地からなる二重構造のサポータであって、内筒の膝上大腿部を被う部分がポリエステルナノファイバーからなる糸を含む編地からなるとともに、長さ3〜8×幅2〜3(cm)の弾性バンドが前記サポータの上縁に沿って対向するように縫合されてなるサポータ。
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JPH09276320A (ja) * | 1996-04-11 | 1997-10-28 | Daishin Kk | 肘又は膝関節用サポーター |
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- 2017-08-18 JP JP2017158252A patent/JP2019035170A/ja active Pending
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A02 | Decision of refusal |
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