JP2019035038A - インキ及び積層体 - Google Patents
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Abstract
Description
図1は、本発明の実施形態に係る積層体の断面を概略的に示す図である。本実施形態の積層体1は、基材3と基材3に積層される樹脂層2とを備える。
本実施形態のインキは、ガラス転移温度が60℃以上90℃以下の水酸基含有(メタ)アクリル樹脂と、ポリカプロラクトンポリオールと、架橋剤と、を含有する。また、本実施形態のインキは、架橋剤として水添キシリレンジイソシアネートから成るポリイソシアネートとヘキサメチレンジイソシアネートから成るポリイソシアネートとを含む。
水酸基含有(メタ)アクリル樹脂は、水酸基を有する(メタ)アクリル単量体を単独で、又は水酸基を有する(メタ)アクリル単量体とそれ以外の(メタ)アクリル単量体とを混合して、溶液重合、バルク重合、エマルション重合等の方法で重合して得られる。
なお、ガラス転移温度(Tg)の算出には絶対温度(K)を用いるが、本明細書においてガラス転移温度(Tg)を記載する際には、セルシウス度(℃)を用いる。
ここでいう「単独重合体のガラス転移温度(Tg)」は、その単量体の単独重合体を、示差走査熱量測定装置(DSC)(製品名:EXSTAR6000、セイコーインスツルメンツ社製)を用い、窒素気流中、測定試料10mg、昇温速度10℃/分の条件で測定を行い、得られたDSCカーブの変曲点を単独重合体のガラス転移温度(Tg)としたものである。
代表的な単量体の「単独重合体のガラス転移温度(Tg)」は、メタクリル酸メチル:103℃、n−ブチルメタクリレート:21℃、ブチルアクリレート:−57℃、2−ヒドロキシエチルメタクリレート:55℃、2−ヒドロキシエチルアクリレート:−15℃、アクリル酸:166℃、メタクリル酸:185℃等である。
(1)(メタ)アクリル樹脂の溶液を剥離紙に塗布し、100℃で2分間乾燥させ、フィルム状の(メタ)アクリル樹脂を得る。
(2)上記(1)で得られたフィルム状の(メタ)アクリル樹脂をテトラヒドロフランに固形分0.2質量%となるように溶解させる。
(3)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて、下記条件にて測定する。
(条件)
GPC :HLC−8220 GPC(東ソー株式会社製)
カラム :TSK−GEL GMHXL 4本使用(東ソー株式会社製)
移動相溶媒:テトラヒドロフラン
流速 :0.6mL/分
カラム温度:40℃
ポリカプロラクトンポリオールは、例えば、分子中に複数の水酸基を有する化合物にカプロラクトンを反応させることにより得られる。または、ポリカプロラクトンポリオールとして市販品を使用してもよい。ポリカプロラクトンポリオールの市販品としては、株式会社ダイセル製のプラクセル208(分子量830、水酸基の数2個)、プラクセル210(分子量1000、水酸基の数2個)、プラクセル212(分子量1250、水酸基の数2個)、プラクセル220(分子量2000、水酸基の数2個)、プラクセル303(分子量300、水酸基の数3個)、プラクセル305(分子量550、水酸基の数3個)、プラクセル308(分子量850、水酸基の数3個)、プラクセル309(分子量900、水酸基の数3個)、プラクセル312(分子量1250、水酸基の数3個)、プラクセル320(分子量2000、水酸基の数3個)及びプラクセル410(分子量1000、水酸基の数4個)、並びにパーストープジャパン社製のCAPA2085(分子量830、水酸基の数2個)、CAPA2100(分子量1000、水酸基の数2個)、CAPA2121(分子量1250、水酸基の数2個)、CAPA2125(分子量1250、水酸基の数2個)、CAPA2200(分子量2000、水酸基の数2個)、CAPA2201(分子量2000、水酸基の数2個)、CAPA2205(分子量2000、水酸基の数2個)、CAPA2209(分子量2000、水酸基の数2個)、CAPA3091(分子量900、水酸基の数3個)、CAPA3121J(分子量1200、水酸基の数3個)、CAPA3201(分子量2000、水酸基の数3個)及びCAPA4101(分子量1000、水酸基の数4個)が挙げられる。ポリカプロラクトンポリオールは、1種が単独で使用されてもよく、2種類以上が併用されてもよい。
架橋剤は、その架橋性基が上記水酸基含有(メタ)アクリル樹脂の水酸基又はカルボキシル基、若しくは上記ポリカプロラクトンポリオールが有する水酸基と反応することで架橋構造を形成し、本実施形態のインキを硬化させる。
本実施形態のインキは、必要に応じてその他の成分を含んでもよい。その他の成分としては、触媒、溶剤、レベリング剤、光安定剤、酸化防止剤、可塑剤、界面活性剤、着色剤、光輝剤、フィラー等が挙げられる。
まず、製造例1から製造例10に係る水酸基含有(メタ)アクリル樹脂を下記表1に示す配合で重合した。表1において、各組成の配合割合は質量%で示している。また、表1において、MMAはメタクリル酸メチル、n−BMAはn−ブチルメタクリレート、BAはブチルアクリレート、2HEMAは2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2HEAは2−ヒドロキシエチルアクリレート、AAはアクリル酸、MAAはメタクリル酸をそれぞれ表す。また、表1には、重合して得られた水酸基含有(メタ)アクリル樹脂の重量平均分子量、固形分[wt%]、水酸基価(OHV)[KOHmg/g]、水酸基量[mol%]、カルボキシル基含有量[mol%]、ガラス転移温度(Tg)[℃]を示している。
基材としてポリ塩化ビニルを含むフィルム(日本カーバイド工業株式会社製、商品名「Hi−S Cal 0010H」、引張破断伸度:150%)を用意した。この基材上に、180メッシュのスクリーンを用いて上記実施例および比較例で調製したそれぞれのインキを印刷した。その後、熱風乾燥器を用いて80℃の環境で60分間の加熱乾燥を行い、25℃の環境で5時間静置した。このようにして上記実施例1から16及び比較例1から7のそれぞれのインキの硬化物を含む樹脂層を形成し、実施例1から16及び比較例1から7の積層体を作製した。なお、形成した樹脂層の厚みは、上記表5から表7に示す通りである。
上記のようにして作製したそれぞれの積層体を23℃50%RH168時間静置した後、100mm×100mmの大きさに切断したものをアルミ板に貼付け、以下に説明する方法で積層体の耐磨耗性の評価を行った。テーバー磨耗試験機(株式会社東洋精機製作所製、MODEL 5130)に磨耗輪CS‐10を取り付け、加重500g、60回転/分の速度で磨耗輪を樹脂層上で回転させ、基材が露出するときの磨耗輪の回転数を確認した。磨耗輪を1000回転させても基材の露出が認められなかったものを「A」、磨耗輪を800回転させても基材の露出が認められなかったものを「B」、500回以下で基材が露出したものを「C]とし、それぞれの判定結果を表5から表7に示す。
上記のようにして作製したそれぞれの積層体を23℃50%RH168時間静置した後、幅が10mmとなるように切断し、以下に説明する方法で積層体の引張破断伸度の評価を行った。JIS Z0237に準拠し、引張試験機(東洋ボールドウィン株式会社製、機器名:テンシロンTM−100)を用いて、つかみ間隔40mmで、引張速度が300mm/分の条件で、積層体試験片が破断する最大伸度を測定した。それぞれの実施例及び比較例において、5枚の積層体試験片を用意して上記測定を行い、それらの測定結果の算術平均値をそれぞれの実施例及び比較例の引張破断伸度の代表値とした。この代表値が35%以上であったものを「AA」、35%未満30%以上であったものを「A」、30%未満20%以上であったものを「B」、20%未満10%以上であったものを「C」、10%未満であったものを「D」とし、それぞれの判定結果を表5から表7に示す。
所定枚数の積層体を樹脂層と基材の裏面が接するように重ね、23℃50%RHにて24時間静置した後、一番下の積層体の樹脂層の表面外観を確認した。1250枚重ねた場合でも表面外観に変化が見られなかったものを「AA」、1000枚重ねた場合には表面外観に変化が見られなかったものを「A」、750枚重ねた場合には表面外観に変化が見られなかったものを「B」、500枚重ねた場合には表面外観に変化が見られなかったものを「C」、500枚重ねた場合に表面外観に変化が見られたものを「D」とし、それぞれの判定結果を表5から表7に示す。
固形分50質量%にてインキを調製した際に、23℃50%RHでB型粘度計を用いて、No.3ローターで回転数60rpmにて測定した粘度が500mPas未満であったものを「A」、500mPas以上1000mPas未満であったものを「B」、1000mPas以上であったものを「C」とし、それぞれの判定結果を表5から表7に示す。
2・・・樹脂層
3・・・基材
Claims (7)
- ガラス転移温度が60℃以上90℃以下の水酸基含有(メタ)アクリル樹脂と、ポリカプロラクトンポリオールと、水添キシリレンジイソシアネートから成るポリイソシアネートと、を含有する
ことを特徴とするインキ。 - ヘキサメチレンジイソシアネートから成るポリイソシアネートを更に含有する
ことを特徴とする請求項1に記載のインキ。 - 前記水酸基含有(メタ)アクリル樹脂に含まれるカルボキシル基が0.37mol%以上20mol%以下である
ことを特徴とする請求項1または2に記載のインキ。 - 前記水酸基含有(メタ)アクリル樹脂の重量平均分子量が5000以上100000以下である
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のインキ。 - 前記ポリカプロラクトンポリオールの含有量が前記水酸基含有(メタ)アクリル樹脂100質量部に対して10質量部以上100質量部以下である
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のインキ。 - 前記ポリカプロラクトンポリオールの水酸基価が50KOHmg/g以上600KOHmg/g以下である
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のインキ。 - 基材と、前記基材に積層される請求項1から6のいずれか1項に記載のインキの硬化物を含む樹脂層と、を備える
ことを特徴とする積層体。
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