JP6576166B2 - インキ及び積層体 - Google Patents
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Description
<1>ガラス転移温度が60℃を超え、かつ水酸基を有する(メタ)アクリル樹脂と、重量平均分子量が600〜2000であるポリカプロラクトンポリオールと、架橋剤と、を含むインキ。
<2>硬化後の損失係数(tanδ)の最高値が0.7〜1.0である、<1>に記載のインキ。
<3>前記水酸基を有する(メタ)アクリル樹脂の重量平均分子量が7000〜20000である<1>又は<2>に記載のインキ。
<4>前記架橋剤がヘキサメチレンジイソシアネートを含む、<1>〜<3>のいずれか1項に記載のインキ。
<5>前記ポリカプロラクトンポリオールの量が、前記水酸基を有する(メタ)アクリル樹脂100質量部に対して35質量部〜60質量部である、<1>〜<4>のいずれか1項に記載のインキ。
<6><1>〜<5>のいずれか1項に記載のインキの硬化物を含むインキ層と、基材と、を含む積層体。
<7>前記基材は樹脂を含む、<6>に記載の積層体。
本明細書において(メタ)アクリルとは、アクリルおよびメタクリルの一方または両方を意味し、(メタ)アクリレートとは、アクリレートおよびメタクリレートの一方または両方を意味する。
本実施の形態のインキは、ガラス転移温度が60℃を超え、かつ水酸基を有する(メタ)アクリル樹脂(以下、単に水酸基を有する(メタ)アクリル樹脂ともいう)と、重量平均分子量が600〜2000であるポリカプロラクトンポリオールと、架橋剤とを含む。
本実施の形態のインキは、水酸基を有する(メタ)アクリル樹脂を含む。水酸基を有する(メタ)アクリル樹脂としては、水酸基を有する(メタ)アクリル単量体に由来の構造単位を含む重合体が挙げられる。
水酸基を有する(メタ)アクリル単量体以外の単量体としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、i−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、2−メトキシ(メタ)アクリレート、2−エトキシ(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロルプロパントリ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸等が挙げられる。これらの単量体は、単独で用いても、2種類以上を併用してもよい。
本実施の形態のインキは、重量平均分子量が600〜2000であるポリカプロラクトンポリオールを含む。ポリカプロラクトンポリオールの重量平均分子量が600〜2000であることで、硬化後の耐摩耗性と伸び特性の両方に優れる。また、ポリカプロラクトンポリオールの重量平均分子量が2000以下であることで、ポリカプロラクトンポリオールが他の成分と十分に相溶してインキ中に均一に分散しやすく、硬化後の透明性に優れる。また、ポリカプロラクトンポリオールの重量平均分子量が600〜2000であるため、インキの粘度が高すぎず印刷作業性が良好に保たれ、粘度が低すぎてインキ層を形成したときの厚みが足りずに耐摩耗性が低下するのを抑制できる。ポリカプロラクトンポリオールの重量平均分子量は、上述した水酸基を有する(メタ)アクリル樹脂の重量平均分子量と同様にして測定できる。
ポリカプロラクトンポリオール1分子が有する水酸基の数が2個以上であると、水酸基を有する(メタ)アクリル樹脂との架橋反応が十分に進行する。
さらに、ポリカプロラクトンポリオール1分子が有する水酸基の数が3個以上であると、ポリカプロラクトンポリオールの結晶性が小さく、他の成分と充分に相溶してインキ中に均一に分散しやすく、硬化後の透明性により優れる。
ポリカプロラクトンポリオールの1分子が有する水酸基の数が5個以下であると、架橋密度が適切な範囲となりインキの伸び特性が十分に保たれる。
重量平均分子量が600〜2000であるポリカプロラクトンポリオールの市販品としては、(株)ダイセル製のプラクセル208(分子量830、水酸基の数2個)、プラクセル210(分子量1000、水酸基の数2個)、プラクセル212(分子量1250、水酸基の数2個)、プラクセル220(分子量2000、水酸基の数2個)、プラクセル308(分子量850、水酸基の数3個)、プラクセル309(分子量900、水酸基の数3個)、プラクセル312(分子量1250、水酸基の数3個)、プラクセル320(分子量2000、水酸基の数3個)及びプラクセル410(分子量1000、水酸基の数4個)、並びにパーストープジャパン社製のCAPA2085(分子量830、水酸基の数2個)、CAPA2100(分子量1000、水酸基の数2個)、CAPA2121(分子量1250、水酸基の数2個)、CAPA2125(分子量1250、水酸基の数2個)、CAPA2200(分子量2000、水酸基の数2個)、CAPA2201(分子量2000、水酸基の数2個)、CAPA2205(分子量2000、水酸基の数2個)、CAPA2209(分子量2000、水酸基の数2個)、CAPA3091(分子量900、水酸基の数3個)、CAPA3121J(分子量1200、水酸基の数3個)、CAPA3201(分子量2000、水酸基の数3個)及びCAPA4101(分子量1000、水酸基の数4個)が挙げられる。ポリカプロラクトンポリオールは、1種を単独で使用しても、2種類以上を併用してもよい。
本実施の形態のインキは、架橋剤を含む。架橋剤は、その架橋性基が(メタ)アクリル樹脂の水酸基及びポリカプロラクトンポリオールが有する水酸基と反応することで架橋構造を形成し、インキを硬化させる作用を示す。
本実施の形態のインキは、必要に応じてその他の成分を含んでもよい。その他の成分としては、溶剤、レベリング剤、光安定剤、酸化防止剤、可塑剤、界面活性剤、着色剤、光輝剤、フィラー等が挙げられる。
本実施の形態の積層体は、前記インキの硬化物を含むインキ層と、基材と、を含む。積層体は、必要に応じて被着体に貼着するための粘着剤層、接着剤層等の他の部材を含んでもよい。また、インキ層と基材との間に印刷層を設けてもよい。
表1に示す組成(質量部)の(メタ)アクリル単量体から合成した水酸基を有する(メタ)アクリル樹脂100質量部と、分子量が850であり1分子中に3個の水酸基を有するポリカプロラクトンポリオール((株)ダイセル製、商品名:プラクセル308)40質量部と、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体を含む架橋剤(日本ポリウレタン工業(株)製、商品名:コロネートHK)73.0質量部と、溶媒(BSシンナー(ブチルセロソルブアセテート:ソルベッソ100=50:50))187質量部と、を加えて撹拌混合することで、実施例1のインキを調製した。
基材としてポリ塩化ビニルを含むフィルム(日本カーバイド工業(株)製、商品名「Hi−S Cal0010H」、最大破断伸度:150%)上に、180メッシュのスクリーンを用いてスクリーンインキ(日本カーバイド工業(株)製、商品名「Hi−S SP INK」)を印刷して印刷層を形成した。印刷層が形成された基材について、熱風乾燥器を用いて60℃の環境で60分間の加熱乾燥を行い、25℃の環境で24時間静置した。次に、印刷層上に、180メッシュのスクリーンを用いて実施例および比較例で調製したインキを印刷した。その後、熱風乾燥器を用いて60℃の環境で60分間の加熱乾燥を行い、25℃の環境で24時間静置して、インキの硬化物を含むインキ層を形成して積層体を作製した。なお、下記の各種評価用に積層体を所定の大きさに切断して試験片1を作製した。
シリコーン処理したPETフィルムであるPL75GS(リンテック(株)製)上に、表1に示す各樹脂配合液を、塗工・乾燥し、厚みが40μmのインキ層を形成した。その後、インキ層を形成したPETフィルムを幅10mm、長さ30mmの短冊状にカットし、PETフィルムからインキ層を剥離して、試験片2を作成した。
損失係数(tanδ)は、試験片2を用いて測定した。
なお、測定は、装置としてDMS6100(セイコーインスツルメンツ(株)製)を用い、動的粘弾性を測定し、JIS K−7244−4に準拠してtanδのピーク値を算出した。測定の詳細条件を以下に示す。
クランプ間距離=10mm、周波数=1Hz、測定温度範囲=10℃〜120℃、昇温速度=2℃/分。
耐摩耗性は、以下の方法で評価した。
テーバー磨耗試験機((株)東洋精機製作所製、MODEL 5130)に摩耗輪CS10を取り付け、加重500gの条件で、試験片1を100mm×100mmの大きさに切断したものの上で磨耗輪を1000回転させる試験を行い、摩耗輪を1000回転させた後の試験片の表面を観察した。
具体的には、摩耗輪を1000回転させた後の試験片の表面に傷付きなどの外観異常が目視で認められないものを「A」、摩耗試験前後でやや外観変化が見られるものの実用上問題ないものを「B」、外観変化が著しいものを「C]とそれぞれ判定した。
耐熱性は、以下の方法で評価した。
試験片1を50mm×50mmの大きさに裁断し、剥離紙を剥がした後、スキージを用いてガラス板上に貼りつけた。次に、これを24時間室温に放置した後、120℃に温調された熱風循環式乾燥機中に168時間静かに放置し、加熱処理を行った。加熱処理終了後、ガラス板を取り出し、試験片1の外観、変色などを目視にて観察した。
具体的には、つやや外観、変色などの外観変化が目視で認められないものであれば「A」、つやや外観、変色などの外観変化が見られるものの実用上問題ないものであれば「B」、外観変化が著しいものであれば「C」とそれぞれ判定した。
伸び特性は、試験片1の引張破断伸度を測定することで評価した。
JIS Z0237に準拠し、引張試験機(東洋ボールドウィン(株)製、機器名:テンシロンTM−100)を用いて、試験片幅を25mm、つかみ間隔を100mm、引張速度を300mm/分の条件で、試験片が破断する最大伸度を測定した。測定は、各実施例又は比較例においてそれぞれ5個の試験片について行い、その算術平均値を引張破断伸度の代表値とした。
具体的には、試験片が破断するまでの伸度が40%以上のものを「A」、伸びが40%未満で35%以上のものを「B」、伸びが35%未満のものを「C」とそれぞれ判定した。
水酸基を有する(メタ)アクリル樹脂のガラス転移温度が51℃である比較例1は、耐熱性の評価が実施例よりも低かった。
ポリカプロラクトンポリオールを用いなかった比較例2は、耐摩耗性の評価が低かった。
重量平均分子量が550であるポリカプロラクトンポリオールを用いた比較例3は、伸び特性の評価が実施例よりも低かった。
重量平均分子量が3000であるポリカプロラクトンポリオールを用いた比較例4は、その粘度が他の実施例及び比較例に比べて高く、スクリーン印刷時の作業性が極めて劣っていた。また、溶剤であるソルベッソ100を加えて粘度を調整したが、インキが不均一となった。このインキを用いて試験片1及び試験片2を作製したところ、得られた試験片の印刷状態が悪く、伸び特性、耐摩耗性及び耐熱性の評価を行わなかった。
Claims (5)
- ガラス転移温度が60℃を超え、重量平均分子量が7000〜20000であり、かつ水酸基を有する(メタ)アクリル樹脂と、重量平均分子量が600〜2000であるポリカプロラクトンポリオールと、架橋剤と、を含み、前記ポリカプロラクトンポリオールの量が前記水酸基を有する(メタ)アクリル樹脂100質量部に対して35質量部〜60質量部である、インキ。
- 硬化後の損失係数(tanδ)の最高値が0.7〜1.0である、請求項1に記載のインキ。
- 前記架橋剤がヘキサメチレンジイソシアネートを含む、請求項1又は請求項2に記載のインキ。
- 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のインキの硬化物を含むインキ層と、基材と、を含む積層体。
- 前記基材は樹脂を含む、請求項4に記載の積層体。
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