JP2019034329A - 穴明け用パンチ、該パンチを備えた穴明け用金型、及び該パンチを用いた穴明け方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】クリアランスを厳しく管理しなくても、カエリや割れ等を招くことなく金属板5を確実に打ち抜くことができるようにする。【解決手段】パンチ3は、パンチ本体11の先端面に、金属板5に当接する凸曲面16を有する凸部12を備えている。凸部12のまわりの環状平坦面13とパンチ本体11の側面14とが、金属板5を打ち抜く角部15を形成している。角部15には半径が0.2mm以上0.8mm以下のアールが付けられている。凸曲面16によって金属板5をボタンダイ2のダイ穴6に押し込むことにより、金属板5に引張り応力を与える。その状態で上記アール付き角部15をダイ穴6に進入させて、金属板5を打ち抜く。【選択図】図1

Description

本発明は、穴明け用パンチ、該パンチを備えた穴明け用金型、及び該パンチを用いた穴明け方法に関する。
金属板の穴明けにはパンチとダイが使用されている。金属板をブランクホルダによってダイに押えた状態で、パンチをダイ穴に挿入することで、金属板に穴が明けられる。一般に、パンチとダイのクリアランスは、せん断によって金属板を打ち抜くべく、金属板の板厚の5%程度にされている。そのせん断においては、パンチ及びダイ各々の刃先から金属板の表側及び裏側にクラックが入り、表裏のクラックが繋がって、金属板の打ち抜きが完了する。
特許文献1には、金属板を圧縮することなく引張り状態でせん断して打ち抜く方法が記載されている。それは、ダイ及びパンチの刃先角を90度以下に設定するとともに、パンチの先端面に突部(応力付与部)を設け、突部にて金属板に引張り応力を加え、その状態で、ダイ及びパンチの刃先間でせん断により金属板を打ち抜くというものである。
特開2013−22607号公報
上記特許文献1の打ち抜き方法は、金属板に作用する引張り応力によってせん断力を助長するというものであるが、金属板をせん断で打ち抜くことを前提とする。従って、打ち抜き穴の周縁にカエリ(バリ)等を生じないように、パンチ全周にわたって均等な、せん断に適したクリアランスを設定することが求められ、厳しいクリアランス管理が必要になる。また、パンチ先端の突部によって金属板に引張り応力を加えたときに、金属板に割れを生ずると、正常な打ち抜きができなくなる。
そこで、本発明は、クリアランスを厳しく管理しなくても、カエリや割れ等を招くことなく金属板を確実に打ち抜くことができるようにする。
本発明は、上記課題を解決するために、パンチ本体の先端面に凸部を設け、該凸部の金属板に当接する面を凸曲面にするとともに、パンチ本体の周縁に所定のアール付き角部を設けた。
すなわち、ここに開示する穴明け用パンチは、ブランクホルダ(板押え)によってダイに押えられた金属板に穴を明けるパンチであって、
柱状のパンチ本体と、
上記パンチ本体の先端面に該パンチ本体と同心に設けられ、上記ブランクホルダによって押えられた上記金属板を上記ダイのダイ穴に押し込むことにより、該金属板に引張り応力を与える凸部とを備え、
上記パンチ本体の先端面の上記凸部まわりに環状の平坦面が形成され、
上記環状の平坦面と上記パンチ本体の側面とが、上記凸部によって引張り応力が与えられた上記金属板を打ち抜く角部を形成しており、
上記凸部は、上記金属板に当接する面が凸曲面に形成され、
上記金属板を打ち抜く角部に、半径が0.2mm以上0.8mm以下のアールが付けられていることを特徴とする。
この穴明け用パンチによれば、金属板のダイ穴に対応する部分は、パンチ本体より突出した凸部によってダイ穴に押し込まれていく。それに伴って、金属板の当該部分に引張り応力が加わる。また、ダイの刃先(ダイ穴周縁の角)が金属板に食い込んでいく。このとき、パンチの凸部は、金属板に当接する面が凸曲面に形成されているから、金属板の凸部が当接した部分は、等方性の高い均一な曲面形状に張出し成形されることになる。そのため、金属板の当該当接部分には割れを生じにくい。
パンチによる押し込むが進むにつれて、金属板におけるダイの刃先に掛かった部分は刃先が食い込んで板厚が減少していく。そうして、パンチ本体の環状平坦面と側面のなす角部がダイ穴に入り込むことにより、金属板はダイ穴に対応する部分が打ち抜かれる。パンチ本体の上記角部には、半径が0.2mm以上0.8mm以下のアールが付けられているから、金属板には強いせん断力は加わらず、金属板はパンチによって引きちぎられるかっこうになる。
このように、本発明によれば、金属板がパンチによりせん断というよりは引きちぎりによって打ち抜かれるから、カエリを生じ難くなる。金属板に引張り応力が加わっているから、引きちぎりによる打ち抜きが可能になるものである。そうして、主としてせん断によって金属板を打ち抜く場合は、先に述べたようにパンチの全周にわたって均等な適正クリアランスを設けることが必要になるが、本発明によれば、主として引きちぎりによって金属板を打ち抜くから、厳しいクリアランス管理は不要になり、従って、打ち抜き加工前の段取りが容易になる。
ここに、上記パンチ本体のアール付き角部の半径は、0.3mm以上0.6mm以下とすることがさらに好ましく、0.4mm以上0.5mm以下とすることがさらに好ましい。
一実施形態では、上記凸部の上記平坦面からの突出高さが上記パンチ本体の径の1/4以上1/3以下である。当該突出高さが1/4未満になると、金属板に加わる引張り応力が弱くなるから、引きちぎり打ち抜きが難しくなる。一方、当該突出高さが1/3を越えると、金属板に割れを生じ易くなる不具合がある。
一実施形態では、上記凸部の上記金属板に接触する面は、上記パンチ本体の中心軸と上記平坦面が存する平面との交点を中心とする球面に形成されていて、
上記パンチ本体の径をDとし、上記ダイのダイ穴径をD1とし、上記パンチ本体の上記角部のアールをRsとし、上記金属板の上記押込みによる板厚減少率をηとし、上記パンチ本体の上記平坦面が上記ダイの端面と面一になったときの上記金属板が上記凸部に接触している円弧の中心角の1/2をθ(度)とするとき、上記凸部の上記球面の半径Rが式(1)及び式(2)で表わされる範囲にあり、且つ、θが25度以上35度以下であり、ηが0.7以上0.8以下である。
R>{(D/2)×sinθ−Rs×sinθ+Rs×(sinθ) } ……(1)
R<D1/{2×η×((θ/360)×2π+1/tanθ)} ……(2)
パンチの凸部で金属板を最大限延ばしたい場合、金属板が伸びきるまで、金属板がパンチのアール付き角部に接触しないことが条件になる。後に詳述するが、式(1)は非接触に係る条件式であり、式(2)は非破断に係る条件式である。
凸部の金属板に対する接触面の半径Rが上記式(1)及び(2)を満たす範囲にあるとき、金属板を板厚減少率70〜80%まで引き伸ばし該金属板に大きな引張り応力を与えた状態で、アール付き角部による引きちぎり作用による金属板の打ち抜きを行なうことができる。
また、ここに開示する金属板に穴を明ける穴明け用金型は、
請求項1乃至請求項3のいずれか一に記載された穴明け用パンチと、ダイと、ブランクホルダとを備えていることを特徴とする。
これによれば、厳しいクリアランス管理を要することなく、金属板に引張り応力を与えた状態で、引きちぎりによって、カエリ等を招くことなく、当該金属板を確実に打ち抜くことができる。
一実施形態では、上記穴明け用パンチと上記ダイの間隔であるクリアランスが上記金属板の板厚の12.5%以上36%以下である。
また、ここに開示する金属板の穴明け方法は、金属板をブランクホルダによってダイの端面に押えた状態で、請求項1乃至請求項3のいずれか一に記載された穴明け用パンチによって上記金属板を上記ダイのダイ穴に押し込むことを特徴とする。
この方法によれば、厳しいクリアランス管理を要することなく、金属板に引張り応力を与えた状態で、引きちぎりによって、カエリ等を招くことなく、当該金属板を確実に打ち抜くことができる。
一実施形態では、上記穴明け用パンチと上記ダイの間隔であるクリアランスが上記金属板の板厚の12.5%以上36%以下である。
ここに、上記金属板が軟鋼板であるとき、クリアランスは、板厚の12.5%以上25%以下とすることが好ましい。例えば、金属板の板厚が0.6〜1.2mm程度であれば、クリアランスを一律に0.15mm程度に設定しても、良好な打ち抜きを行なうことができる。
上記金属板がアルミ合金板であるとき、クリアランスは、板厚の27%以上33%以下とすることが好ましい。例えば、金属板の板厚が0.9〜1.1mm程度であれば、クリアランスを一律に0.3mm程度に設定しても、良好な打ち抜きを行なうことができる。
上記金属板が高張力鋼板であるとき、クリアランスは、板厚の25%以上36%以下とすることが好ましい。例えば、金属板の板厚が1.4〜2.0mm程度であれば、クリアランスを一律に0.5mm程度に設定しても、良好な打ち抜きを行なうことができる。
本発明によれば、厳しいクリアランス管理を要することなく、金属板に引張り応力を与えた状態での引きちぎりによって、カエリ等を招くことなく、当該金属板を確実に打ち抜くことができる。
穴明け用金型(パンチの凸部が金属板に当たる前)の断面図。 穴明け用金型(金属板に引張り応力が加わっていく状態)の断面図。 穴明け用金型(金属板が打ち抜かれた状態)の断面図。 パンチとボタンダイを示す断面図。 条件式(1)及び(2)を設定するための説明図。 図5のα部の拡大図。 角形ボタンダイとパンチを示す平面図。
以下、本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
<穴明け用金型>
図1に示すように、穴明け用金型は、下型1に固定されたボタンダイ2と、上型ホルダ(図示省略)に設けられた穴明け用パンチ(ピアスパンチ)3と、上型ホルダに設けられたブランクホルダ4を備えてなる。ブランクホルダ4は、金属板(ワーク)5をボタンダイ2に押えて保持するべくボタンダイ2に向かって付勢して設けられている。パンチ3は、ボタンダイ2のダイ穴6内に進出できるように設けられている。
本実施形態のボタンダイ2は、金属板5に円形の穴を明けるべく、ダイ穴6が円形に形成されている。
パンチ3は、円柱状のパンチ本体11と、該パンチ本体11の先端面に該パンチ本体と同心に設けられた凸部12とを備えている。パンチ本体11の先端面の凸部12のまわりには平坦面13が環状に形成されている。凸部12は、環状平坦面13よりパンチ進出方向の前方に突出している。環状平坦面13はパンチ本体11の側面14に続いている。
図2に示すように、パンチ3の前進に伴って、該パンチ3の凸部12が、ブランクホルダ4によって保持された金属板5をボタンダイ2のダイ穴6に押し込む。これにより、金属板5に引張り応力が加わる。図3に示すように、パンチ3のさらなる前進により、パンチ本体11の環状平坦面13と側面14とがなす角部15が、上記引張り応力が与えられた金属板5を打ち抜く。
パンチ3の凸部12は、金属板5に当接する面が凸曲面16に形成されている。凸部12の環状平坦面からの突出高さはパンチ本体11の直径Dの1/4以上1/3以下になっている。本実施形態では、凸曲面16は、パンチ本体11の中心軸と環状平坦面13が存する平面との交点を中心とする球面に形成されている。
パンチ本体11の角部15には、半径Rsが0.2mm以上0.8mm以下のアールが付けられている。これに対して、ボタンダイ2のダイ穴6の周縁は、角張った刃先17を形成している。
図4に示す、ボタンダイ2とパンチ3のクリアランス(ボタンダイ2のダイ穴6の内周面とパンチ本体11の側面との隙間)Cは、金属板5の板厚tの12.5%以上36%以下に設定されている。
<金属板の穴明け方法>
次に上記穴明け用金型を用いる金属板5の穴明け方法を説明する。
図1に示すように、金属板5をボタンダイ2の上に載置する。その状態で上型ホルダを下降させる。スプリングによって下方に付勢されたブランクホルダ4が金属板5に当接する。これにより、金属板5は、ボタンダイ2のダイ穴6から外側に広がった部分がブランクホルダ4によって下型1及びボタンダイ2に押えられる(保持される)。
上型ホルダの下降が進むと、図2に示すように、パンチ3の凸部12の凸曲面16が金属板5に当たり、該金属板5のダイ穴6に対応する部分が凸部12によってダイ穴6に押し込まれていく。これにより、金属板5のダイ穴6に対応する部分が伸びて板厚が減少していく。その結果、当該部分に引張り応力が加わった状態になる。また、金属板5のボタンダイ2の刃先17に掛かった部分は、該刃先17の食い込みにより板厚が減少していく。
パンチ3の凸部12は、金属板5に当接する面が凸曲面16に形成されているから、金属板5の凸部12が当接した部分は、等方性の高い均一な球面形状に張出し成形されることになる。そのため、金属板5の当該当接部分に割れを生ずることが避けられる。
上型ホルダの下降がさらに進んで、図3に示すように、パンチ3のアール付き角部15がボタンダイ2のダイ穴6に進入すると、金属板5のダイ穴6に対応する部分が引きちぎられる。すなわち、金属板5のボタンダイ2の刃先16が食い込んだ部分は板厚が減少し、引張り応力が加わっているから、アール付き角部15の上記進入によって、金属板5のダイ穴に対応する部分が、上記刃先が食い込んだ部分において一気に引きちぎられる。図3において、17は金属板5から打ち抜かれたピアスカスである。
ここに、パンチ本体11の角部15にはアールが付けられ、且つクリアランスCも金属板5の板厚tの12.5%以上と大きくされているから、金属板5の上記打ち抜きにおいて、金属板5には強いせん断力は加わらない。すなわち、金属板5はパンチ3によって引きちぎられるかっこうになる。そのため、従前のせん断による打ち抜きで生じていたカエリ(バリ)は実質的に生じない。
<パンチ凸部12の凸曲面16の半径Rについて>
上述の如く、金属板5を引きちぎりによって打ち抜くためには、パンチ3の凸部12によって、金属板5をその割れを生じない限界近くまで引き伸ばして大きな引張り応力が加わるようにすることが好ましい。そのための、凸部12の凸曲面16の半径(パンチ本体11の中心軸と環状平坦面13が存する平面との交点を中心とする球面の半径)Rの条件について以下説明する。
第1条件は、金属板5はパンチ本体11のアール付き角部15に当たるまで、凸部12のみで引き伸ばされる、という条件である。
すなわち、図5に示すように、金属板5が凸部12によって引き伸ばされるとき、ボタンダイ2の刃先17に掛かった部位から延びる凸曲面16に対する接線Lが、図6に示すパンチ本体11のアール付き角部15に当たらないという条件である。
上記接線Lとアール付き角部15の接点は、パンチ本体11の側面よりも図6における寸法aだけ内側にある。この場合、図5に点線ハッチングを入れて示すところの、接線Lを底辺とし、接線Lと凸曲面16の接点を通る凸曲面16の半径Rを高さとする直角三角形を考えるとき、その斜辺の長さxが、D/2から寸法aを差し引いた長さよりも長ければ、接線Lはアール付き角部15に当たらない。従って、当該第1条件は次のように表わされる。
x>(D/2)−a …… (i)
ここに、アール付き角部15の半径をRs、金属板5が凸部12に接触している円弧の中心角(凸曲面16に対する金属板5の接触角)の1/2をθとするとき、a=Rs−Rssinθである。また、x=R/sinθである。従って、上記式(i)は次のように表わされる。
R/sinθ>{(D/2)−(Rs−Rssinθ)} …… (ii)
これを整理することにより、第1条件は次式で表わすことができる。
R>{(D/2)×sinθ−Rs×sinθ+Rs×(sinθ) } ……(1)
第2条件は、金属板5がパンチ本体11のアール付き角部15に当たるまで伸びたときに、破断しない(割れない)、という条件である。ここでは、金属板5のダイ穴6に対応する当該部分がパンチ3の凸曲面16に押されて伸びるとき、当該部分は板厚が均一に減少すると仮定する。
図4に示すように、ボタンダイ2のダイ穴6の直径をD1とすると、金属板5の当該部分の当初の断面積はD1×t(tは金属板5の当初の板厚)となる。金属板5の当該部分の直径D1に対応する伸び長さをD1'とし、金属板5の破断を生じない限界の板厚減少率をηとすると、当該部分の伸び時の断面積はD1'×η×tとなる。従って、第2条件は次式で表わされる。
D1'×η×t<D1×t …… (iii)
その両辺をtで割って整理すると、
D1'<D1/η …… (iv)
D1'は、図5の凸曲面16に接触したA部と、このA部からブランクホルダ4で押えられた際(きわ)までのB部を合わせたA+Bの2倍の長さである。便宜上、Aについてはその内周側の長さをとり、Bについては上述の直角三角形の底辺長さで代用すると、A=2πR×θ/360であり、B=R/tanθである。従って、D1'は次のように表わされる。
D1'=2×(A+B)
=2×(2πR×θ/360+R/tanθ) …… (v)
式(iv)と式(v)より、
2×(2πR×θ/360+R/tanθ)<D1/η …… (vi)
これを整理することにより、第2条件は次式で表わすことができる。
R<D1/{2×η×((θ/360)×2π+1/tanθ)} ……(2)
ここに、凸部12が柱状であってその先端面に小面積の凸曲面があるようなケース(金属板5に対する凸部12の接触面積が小さいケース)では、パンチ3の前進に伴って、その小さな凸曲面によって金属板5に局部的に荷重が加わる。そのため、金属板5が打ち抜かれる前に破断し易くなる。従って、パンチ3の前進に伴って、凸曲面16に対する金属板5の接触角2θが漸増する、つまり、金属板5の凸曲面16に対する接触面積が漸次拡大していく方が、金属板5の破断防止に有利である。
実験によれば、パンチ3の前進に伴って上記接触角2θが漸次拡大し、パンチ3のアール付き角部15が金属板5に接触する頃に、θが25度以上35度以下になるときに、金属板5の打ち抜きが良好であった。すなわち、θが35度を越えることは好ましくない。
また、金属板5が伸びによって破断するときの板厚減少率ηは、金属板5の材質によって異なるが、0.7以上0.8以下程度である。すなわち、金属板5がアール付き角部15によって打ち抜かれる前に破断することを避けるには、板厚減少率ηが0.8を越えないようにすることが好ましい。
以上から、θを35度に固定し、ηを0.8に固定して、パンチ3の直径Dとボタンダイ2のダイ穴径D1から、上記(1)式及び(2)式を用いて、凸曲面16の半径Rの好ましい範囲を求めることができる。例えば、D=9.8mm、D1=10.1mmであれば、アール付き角部15の半径Rsが0.5mmであるとき、2.7mm<R<3.1mmとなる。
もちろん、式(1)及び(2)の利用において、θ=35度及びη=0.8に限定するものではなく、金属板5の材質等に応じたθ及びηを用いて半径Rの好ましい範囲を求めることができる。
また、上記実施形態の凸部12は半球状になっているが、以上の説明から明らかなように、パンチ3のアール付き角部15が金属板5に接触するまでは、上記接触角2θが漸次拡大することが好ましいが、その接触後は2θが拡大する必要はない。従って、凸部12は、最大接触角(例えば、2θ=70度)の大きさの凸曲面16を有することで足りる。例えば、凸部12が、柱状のパンチ本体11と平行な側面を有し、上記最大接触角の大きさの凸曲面16の周縁が当該側面に続いているものであってもよい。
<角形穴明け>
図7は金属板に角形穴を明けるボタンダイ2及びパンチ3を示す。図7においては、パンチ3を2点鎖線で示している。
ボタンダイ2は、金属板に角形穴を明けるべく、ダイ穴6が角形に形成されている。パンチ2は、パンチ本体11が角柱状であり、該パンチ本体11の先端面に半球状の凸曲面を有する凸部12及びこれを囲む環状平坦面13が設けられている。パンチ本体11の先端面周縁にアール付き角部が形成されている。
半球状の凸部12が金属板をボタンダイ2の角形ダイ穴6に押し込むことにより、該金属板の角形ダイ穴6に対応する部分に引張り応力が加わる。そして、パンチ本体11のアール付き角部がボタンダイ2のダイ穴6に進入することにより、金属板が打ち抜かれて角形穴が形成される。
<クリアランスの具体例>
金属板の材質及び板厚によってクリアランスの適切な大きさは相違する。実験によれば、金属板が板厚0.6〜1.2mmの軟鋼板であるとき、クリアランスを一律に0.15±0.03mmとしても、良好な打ち抜きを行なうことができた。この場合、クリアランスは板厚の12.5%以上25%以下となる。
金属板が板厚0.9〜1.1mmのアルミ合金板であるとき、クリアランスを一律に0.3±0.03mmとしても、良好な打ち抜きを行なうことができた。この場合、クリアランスは板厚の27%以上33%以下となる。
金属板が板厚1.4〜2.0mmの高張力鋼板であるとき、クリアランスを一律に0.5±0.03mmとしても、良好な打ち抜きを行なうことができた。この場合、クリアランスは板厚の25%以上36%以下となる。
1 下型
2 ボタンダイ
3 パンチ
4 ブランクホルダ
5 金属板
6 ダイ穴
11 パンチ本体
12 凸部
13 環状平坦面
14 パンチ本体の側面
15 アール付き角部
16 凸曲面

Claims (7)

  1. ブランクホルダによってダイに押えられた金属板に穴を明ける穴明け用パンチであって、
    柱状のパンチ本体と、
    上記パンチ本体の先端面に該パンチ本体と同心に設けられ、上記ブランクホルダによって押えられた上記金属板を上記ダイのダイ穴に押し込むことにより、該金属板に引張り応力を与える凸部とを備え、
    上記パンチ本体の先端面の上記凸部まわりに環状の平坦面が形成され、
    上記環状の平坦面と上記パンチ本体の側面とが、上記凸部によって引張り応力が与えられた上記金属板を打ち抜く角部を形成しており、
    上記凸部は、上記金属板に当接する面が凸曲面に形成され、
    上記金属板を打ち抜く角部に、半径が0.2mm以上0.8mm以下のアールが付けられていることを特徴とする穴明け用パンチ。
  2. 請求項1において、
    上記凸部の上記平坦面からの突出高さが上記パンチ本体の径の1/4以上1/3以下であることを特徴とする穴明け用パンチ。
  3. 請求項1又は請求項2において、
    上記凸部の上記金属板に接触する面は、上記パンチ本体の中心軸と上記平坦面が存する平面との交点を中心とする球面に形成されていて、
    上記パンチ本体の径をDとし、上記ダイのダイ穴径をD1とし、上記パンチ本体の上記角部のアールをRsとし、上記金属板の上記押込みによる板厚減少率をηとし、上記パンチ本体の上記平坦面が上記ダイの端面と面一になったときの上記金属板が上記凸部に接触している円弧の中心角の1/2をθ(度)とするとき、上記凸部の上記球面の半径Rが式(1)及び式(2)で表わされる範囲にあり、且つ、θが25度以上35度以下であり、ηが0.7以上0.8以下であることを特徴とする穴明け用パンチ。
    R>{(D/2)×sinθ−Rs×sinθ+Rs×(sinθ) } ……(1)
    R<D1/{2×η×((θ/360)×2π+1/tanθ)} ……(2)
  4. 金属板に穴を明ける穴明け用金型であって、
    請求項1乃至請求項3のいずれか一に記載された穴明け用パンチと、ダイと、ブランクホルダとを備えていることを特徴とする穴明け用金型。
  5. 請求項4において、
    上記穴明け用パンチと上記ダイの間隔であるクリアランスが上記金属板の板厚の12.5%以上36%以下であることを特徴とする穴開け用金型。
  6. 金属板をブランクホルダによってダイの端面に押えた状態で、請求項1乃至請求項3のいずれか一に記載された穴明け用パンチを上記ダイのダイ穴に挿入することにより、上記金属板に穴を明けることを特徴とする穴明け方法。
  7. 請求項6において、
    上記穴明け用パンチと上記ダイの間隔であるクリアランスを上記金属板の板厚の12.5%以上36%以下とすることを特徴とする穴明け方法。
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