JP2019034329A - 穴明け用パンチ、該パンチを備えた穴明け用金型、及び該パンチを用いた穴明け方法 - Google Patents
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Description
柱状のパンチ本体と、
上記パンチ本体の先端面に該パンチ本体と同心に設けられ、上記ブランクホルダによって押えられた上記金属板を上記ダイのダイ穴に押し込むことにより、該金属板に引張り応力を与える凸部とを備え、
上記パンチ本体の先端面の上記凸部まわりに環状の平坦面が形成され、
上記環状の平坦面と上記パンチ本体の側面とが、上記凸部によって引張り応力が与えられた上記金属板を打ち抜く角部を形成しており、
上記凸部は、上記金属板に当接する面が凸曲面に形成され、
上記金属板を打ち抜く角部に、半径が0.2mm以上0.8mm以下のアールが付けられていることを特徴とする。
上記パンチ本体の径をDとし、上記ダイのダイ穴径をD1とし、上記パンチ本体の上記角部のアールをRsとし、上記金属板の上記押込みによる板厚減少率をηとし、上記パンチ本体の上記平坦面が上記ダイの端面と面一になったときの上記金属板が上記凸部に接触している円弧の中心角の1/2をθ(度)とするとき、上記凸部の上記球面の半径Rが式(1)及び式(2)で表わされる範囲にあり、且つ、θが25度以上35度以下であり、ηが0.7以上0.8以下である。
R<D1/{2×η×((θ/360)×2π+1/tanθ)} ……(2)
パンチの凸部で金属板を最大限延ばしたい場合、金属板が伸びきるまで、金属板がパンチのアール付き角部に接触しないことが条件になる。後に詳述するが、式(1)は非接触に係る条件式であり、式(2)は非破断に係る条件式である。
請求項1乃至請求項3のいずれか一に記載された穴明け用パンチと、ダイと、ブランクホルダとを備えていることを特徴とする。
図1に示すように、穴明け用金型は、下型1に固定されたボタンダイ2と、上型ホルダ(図示省略)に設けられた穴明け用パンチ(ピアスパンチ)3と、上型ホルダに設けられたブランクホルダ4を備えてなる。ブランクホルダ4は、金属板(ワーク)5をボタンダイ2に押えて保持するべくボタンダイ2に向かって付勢して設けられている。パンチ3は、ボタンダイ2のダイ穴6内に進出できるように設けられている。
次に上記穴明け用金型を用いる金属板5の穴明け方法を説明する。
上述の如く、金属板5を引きちぎりによって打ち抜くためには、パンチ3の凸部12によって、金属板5をその割れを生じない限界近くまで引き伸ばして大きな引張り応力が加わるようにすることが好ましい。そのための、凸部12の凸曲面16の半径(パンチ本体11の中心軸と環状平坦面13が存する平面との交点を中心とする球面の半径)Rの条件について以下説明する。
ここに、アール付き角部15の半径をRs、金属板5が凸部12に接触している円弧の中心角(凸曲面16に対する金属板5の接触角)の1/2をθとするとき、a=Rs−Rssinθである。また、x=R/sinθである。従って、上記式(i)は次のように表わされる。
これを整理することにより、第1条件は次式で表わすことができる。
第2条件は、金属板5がパンチ本体11のアール付き角部15に当たるまで伸びたときに、破断しない(割れない)、という条件である。ここでは、金属板5のダイ穴6に対応する当該部分がパンチ3の凸曲面16に押されて伸びるとき、当該部分は板厚が均一に減少すると仮定する。
その両辺をtで割って整理すると、
D1'<D1/η …… (iv)
D1'は、図5の凸曲面16に接触したA部と、このA部からブランクホルダ4で押えられた際(きわ)までのB部を合わせたA+Bの2倍の長さである。便宜上、Aについてはその内周側の長さをとり、Bについては上述の直角三角形の底辺長さで代用すると、A=2πR×θ/360であり、B=R/tanθである。従って、D1'は次のように表わされる。
=2×(2πR×θ/360+R/tanθ) …… (v)
式(iv)と式(v)より、
2×(2πR×θ/360+R/tanθ)<D1/η …… (vi)
これを整理することにより、第2条件は次式で表わすことができる。
ここに、凸部12が柱状であってその先端面に小面積の凸曲面があるようなケース(金属板5に対する凸部12の接触面積が小さいケース)では、パンチ3の前進に伴って、その小さな凸曲面によって金属板5に局部的に荷重が加わる。そのため、金属板5が打ち抜かれる前に破断し易くなる。従って、パンチ3の前進に伴って、凸曲面16に対する金属板5の接触角2θが漸増する、つまり、金属板5の凸曲面16に対する接触面積が漸次拡大していく方が、金属板5の破断防止に有利である。
図7は金属板に角形穴を明けるボタンダイ2及びパンチ3を示す。図7においては、パンチ3を2点鎖線で示している。
金属板の材質及び板厚によってクリアランスの適切な大きさは相違する。実験によれば、金属板が板厚0.6〜1.2mmの軟鋼板であるとき、クリアランスを一律に0.15±0.03mmとしても、良好な打ち抜きを行なうことができた。この場合、クリアランスは板厚の12.5%以上25%以下となる。
2 ボタンダイ
3 パンチ
4 ブランクホルダ
5 金属板
6 ダイ穴
11 パンチ本体
12 凸部
13 環状平坦面
14 パンチ本体の側面
15 アール付き角部
16 凸曲面
Claims (7)
- ブランクホルダによってダイに押えられた金属板に穴を明ける穴明け用パンチであって、
柱状のパンチ本体と、
上記パンチ本体の先端面に該パンチ本体と同心に設けられ、上記ブランクホルダによって押えられた上記金属板を上記ダイのダイ穴に押し込むことにより、該金属板に引張り応力を与える凸部とを備え、
上記パンチ本体の先端面の上記凸部まわりに環状の平坦面が形成され、
上記環状の平坦面と上記パンチ本体の側面とが、上記凸部によって引張り応力が与えられた上記金属板を打ち抜く角部を形成しており、
上記凸部は、上記金属板に当接する面が凸曲面に形成され、
上記金属板を打ち抜く角部に、半径が0.2mm以上0.8mm以下のアールが付けられていることを特徴とする穴明け用パンチ。 - 請求項1において、
上記凸部の上記平坦面からの突出高さが上記パンチ本体の径の1/4以上1/3以下であることを特徴とする穴明け用パンチ。 - 請求項1又は請求項2において、
上記凸部の上記金属板に接触する面は、上記パンチ本体の中心軸と上記平坦面が存する平面との交点を中心とする球面に形成されていて、
上記パンチ本体の径をDとし、上記ダイのダイ穴径をD1とし、上記パンチ本体の上記角部のアールをRsとし、上記金属板の上記押込みによる板厚減少率をηとし、上記パンチ本体の上記平坦面が上記ダイの端面と面一になったときの上記金属板が上記凸部に接触している円弧の中心角の1/2をθ(度)とするとき、上記凸部の上記球面の半径Rが式(1)及び式(2)で表わされる範囲にあり、且つ、θが25度以上35度以下であり、ηが0.7以上0.8以下であることを特徴とする穴明け用パンチ。
R>{(D/2)×sinθ−Rs×sinθ+Rs×(sinθ)2 } ……(1)
R<D1/{2×η×((θ/360)×2π+1/tanθ)} ……(2) - 金属板に穴を明ける穴明け用金型であって、
請求項1乃至請求項3のいずれか一に記載された穴明け用パンチと、ダイと、ブランクホルダとを備えていることを特徴とする穴明け用金型。 - 請求項4において、
上記穴明け用パンチと上記ダイの間隔であるクリアランスが上記金属板の板厚の12.5%以上36%以下であることを特徴とする穴開け用金型。 - 金属板をブランクホルダによってダイの端面に押えた状態で、請求項1乃至請求項3のいずれか一に記載された穴明け用パンチを上記ダイのダイ穴に挿入することにより、上記金属板に穴を明けることを特徴とする穴明け方法。
- 請求項6において、
上記穴明け用パンチと上記ダイの間隔であるクリアランスを上記金属板の板厚の12.5%以上36%以下とすることを特徴とする穴明け方法。
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2017
- 2017-08-21 JP JP2017158616A patent/JP6583366B2/ja active Active
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