JP2019033106A - 面直通電巨大磁気抵抗素子用積層膜、面直通電巨大磁気抵抗素子、及びその用途 - Google Patents

面直通電巨大磁気抵抗素子用積層膜、面直通電巨大磁気抵抗素子、及びその用途 Download PDF

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泰祐 城山
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裕弥 桜庭
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和博 宝野
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Abstract

【課題】優れた外部磁場と抵抗値との直線性を示す一方で高い感度を有する、面直通電巨大磁気抵抗素子(CPP−GMR)用積層膜を提供する。【解決手段】基体と、該基体上に設けられ、複数の磁気フリー層と、複数の非磁性層とを交互に積層してなる積層部と、を有する面直通電巨大磁気抵抗素子用積層膜であって、該磁気フリー層が少なくとも3層設けられ、少なくとも1の該非磁性層が、その両面に接する磁気フリー層のペアの間に反強磁性層間交換結合が形成される厚さを有する、上記面直通電巨大磁気抵抗素子用積層膜。【選択図】 図6

Description

本発明は、基体上に強磁性層と非磁性層とが交互に積層された構造を持つ磁気抵抗素子用積層膜に関し、より具体的には、特定の構造(層数、層厚さ)を有することにより優れた外部磁場と抵抗値との直線性を示す面直通電巨大磁気抵抗素子用積層膜に関する。
巨大磁気抵抗(giant magnetic resistance:GMR)素子には、電流を積層面内に通電する面内通電(current in plane:CIP)型と、電流を積層面に垂直に通電する面直通電(current perpendicular to plane:CPP)型があり、一般に面内通電型のGMR素子は、出力電圧と外部磁場が良好な直線性を示す一方で、感度が低いという問題がある。
面直通電型には、面内通電型よりも高感度であるという利点が有り、例えば、強磁性層間の材料が無機酸化物であるTMR(トンネル磁気抵抗(Tunneling magnetic resistance))素子や、強磁性層間の材料が金属であるCPP−GMR素子が提案されている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照。)。これらの素子は、2つの強磁性層とその間の非磁性層の3層構造を磁気抵抗効果発現の基本構成としており、一方の強磁性層をそれに隣接する別の強磁性層で固定し(固定層)、もう一方の強磁性層が外部磁場によって応答可能なフリー層として機能させるものである。この構造はHDDのヘッドやMRAM(磁気抵抗RAM)用として熱心に研究がなされているが、それらの用途においては外部磁場がある向きか、その逆向きかを判別するものであり、磁場/抵抗応答の直線性については特許文献1及び2においては言及されていない。
2つの強磁性層をいずれも外部磁場によって応答可能なフリー層として、該2つのフリー層を反強磁性層間交換結合させて、外部磁場に対して応答させるタイプのGMR素子も提案されている(例えば、特許文献3参照)。このGMR素子は、磁気再生ヘッドでの応用を目的としており、いわゆるゼロ/1の読み取りを目的としているため、磁場/抵抗応答の直線性については、特許文献3には記載されていない。また、特許文献3に記載されているのは、フリー層が2つであるGMR素子である。
なお、2つの強磁性層間に反強磁性層間交換結合が形成されるか否かは、2つの強磁性層の間の非磁性層の厚さに依存することが報告されている(例えば、非特許文献1参照。)。
一方、、地磁気センサ又は電流センサ等の用途では、地磁気や電流の有無のみならずそれらの値を測定することが求められるので、地磁気や電流による誘導磁界に対して抵抗値が直線的に変化する、磁場/抵抗応答の直線性に優れたGMR素子が求められている。しかしながら、上述のように直線性に優れる面内通電型のGMR素子は感度が低く、他方感度に優れる面直通電型のGMR素子は磁場/抵抗応答の直線性を考慮しておらず、従来技術のGMR素子では、上記各用途における要求に十分応えることができなかった。
特開2013−247259号公報 特開2008−283194号公報 特開2010−092579号公報
Appl.Phys.Lett.,99,182505(2011)
本発明は、上記の背景技術に鑑み、優れた外部磁場と抵抗値との直線性を示す一方で高い感度を有する、面直通電巨大磁気抵抗素子(CPP−GMR)用積層膜を提供すること、及びその関連技術を開発することを課題としている。
本発明者らは、鋭意検討の結果、特定の構造、より具体的には特定の磁気フリー層の層数、及び特定の非磁性層の層厚さを有する面直通電巨大磁気抵抗素子(CPP−GMR)用積層膜を用いることで、優れた外部磁場と抵抗値との直線性と、高い感度とを両立し、上記課題を解決しうることを見い出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、
[1]基体と、
該基体上に設けられ、複数の磁気フリー層と、複数の非磁性層とを交互に積層してなる積層部と、
を有する面直通電巨大磁気抵抗素子用積層膜であって、
該磁気フリー層が少なくとも3層設けられ、
少なくとも1の該非磁性層が、その両面に接する磁気フリー層のペアの間に反強磁性層間交換結合が形成される厚さを有する、上記面直通電巨大磁気抵抗素子用積層膜、である。
以下、[2]から[11]は、それぞれ本発明の好ましい実施形態の一つである。
[2]
前記非磁性層の全てが、その両面に接する磁気フリー層のペアの間に反強磁性層間交換結合が形成される厚さを有する、[1]に記載の面直通電巨大磁気抵抗素子用積層膜。
[3]
反強磁性層間交換結合が形成されている1の非磁性層、及びその両面に接する磁気フリー層のペアについて面内方向に測定した残留磁化/飽和磁化の比が0.8以下である、[1]又は[2]に記載の面直通電巨大磁気抵抗素子用積層膜。
[4]
前記非磁性層を介して反強磁性層間交換結合を形成する前記磁気フリー層のペアが、同一又は略同一の総磁気モーメントを有する、[1]から[3]のいずれか一項に記載の面直通電巨大磁気抵抗素子用積層膜。
[5]
前記磁気フリー層の層数が偶数である、[1]から[4]のいずれか一項に記載の面直通電巨大磁気抵抗素子用積層膜。
[6]
前記磁気フリー層が、Co基ホイスラー合金系ハーフメタル材料を含む、[1]から[5]のいずれか一項に記載の面直通電巨大磁気抵抗素子用積層膜。
[7]
前記Co基ホイスラー合金系ハーフメタル材料が、CoYZ(ここで、Yは、Ti、V、Cr、Mn、及びFeからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素であり、Zは、Al、Si,Ga,Ge、In、及びSnかからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素である。)で表される組成を有する、[6]に記載の面直通電巨大磁気抵抗素子用積層膜。
[8]
前記非磁性層が、スピン拡散長が100nm以上である材料系で構成される、[1]から[7]のいずれか一項に記載の面直通電巨大磁気抵抗素子用積層膜。
[9]
前記非磁性層が、Cu、Al、Ag、及びZnからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を含有する、[1]から[8]のいずれか一項に記載の面直通電巨大磁気抵抗素子用積層膜。
[10]
下地層及びキャップ層を更に有する、[1]から[9]のいずれか一項に記載の面直通電巨大磁気抵抗素子用積層膜。
[11]
[1]から[10]のいずれか一項に記載の面直通電巨大磁気抵抗素子用積層膜を備える、面直通電巨大磁気抵抗素子。
[12]
[11]に記載の面直通電巨大磁気抵抗素子を備える、地磁気センサ又は電流センサ。
本発明の面直通電巨大磁気抵抗素子用積層膜によれば、優れた外部磁場と抵抗値との直線性と、高い感度とを両立し、単に外部磁場の存在/非存在(ゼロ/1)を検知するに留まらず、その間の磁場の微小変化をも高い精度で検知することができる面直通電巨大磁気抵抗素子を実現することができる。
本発明の面直通電巨大磁気抵抗素子用積層膜及びそれを用いた面直通電巨大磁気抵抗素子は、外部磁場と抵抗値との直線性が求められる用途、例えば地磁気センサ、電流センサ等において特に好適に使用することができる。
比較例1の層構成を示す模式図である。 CFAS(6)/Ag(2)/CFAS(6)の面内方向の外部磁場に対する磁化変化を示すグラフである。 比較例1の積層膜の外部磁場(−14mTから−4mT)に対する磁化変化を示すグラフである。 比較例2の素子構成を示す模式図である。 比較例2の素子の評価結果を示すグラフである。 比較例3及び実施例1(フリー層6層の場合)の層構成を示す模式図である。 CFAS(6)/Ag(5)/CFAS(6)の面内方向の外部磁場に対する磁化変化を示すグラフである。 実施例2の素子の評価結果を示すグラフである。
本発明は、基体と、
該基体上に設けられ、複数の磁気フリー層と、複数の非磁性層とを交互に積層してなる積層部と、
を有する面直通電巨大磁気抵抗素子用積層膜であって、
該磁気フリー層が少なくとも3層設けられ、
少なくとも1の該非磁性層が、その両面に接する磁気フリー層のペアの間に反強磁性層間交換結合が形成される厚さを有する、上記面直通電巨大磁気抵抗素子用積層膜、である。
基体
本発明においては、基体上に、複数の磁気フリー層と複数の非磁性層とを交互に積層してなる積層部が設けられる。
基体は、その上に通常強磁性材料からなる磁気フリー層、及び非磁性材料からなる非磁性を積層することができるものであれば特に制限は無いが、例えば単結晶MgO基体を好ましく用いることができる。あるいは、好ましくはホイスラー合金を含む磁気フリー層が
多結晶となるような、Siや金属、合金等を基体として使ってもよい。コストの観点からは、表面酸化Si基体が安価なため基体として好ましいが、半導体製造用のシリコン基体を用いてもよく、またガラス基体や金属基体を用いてもよい。これらのいずれの材料を基体に用いても、本発明の構成を具備し、かつ適切な設計を行うことで、優れた外部磁場と抵抗値との直線性を示す一方で高い感度を有する、面直通電巨大磁気抵抗素子(CPP−GMR)用積層膜を得ることができる。
基体の厚さには特に限定は無く、本発明の目的に反しない限りにおいて当業者が適宜設定すればよいが、機械的強度、磁気抵抗素子製造プロセスにおける取り扱いの容易さ等の観点から、0.1〜1mmであることが好ましく、0.2〜0.5mmであることが特に好ましい。
積層部
本発明において基体上に設けられる積層部は、複数の磁気フリー層と複数の非磁性層とを交互に積層したものである。
磁気フリー層は、少なくとも3層設けられる。従って、2の磁気フリー層の間に挟まれる非磁性層は、少なくとも2層設けられる。
磁気フリー層の層数は4層以上であることがより好ましく、6層以上であることが特に好ましい。磁気フリー層の層数が多いほど、本発明の面直通電巨大磁気抵抗素子用積層膜を用いた面直通電巨大磁気抵抗素子は、外部磁場と抵抗値との直線性に優れる傾向があるためである。磁気フリー層の層数が多いほど、外部磁場と抵抗値との直線性が優れたものとなるメカニズムは必ずしも明らかではないが、多数のフリー層の磁気モーメントが外部磁場に従い少しずつ回転することと関連があるものと推測される。
磁気フリー層の層数は、偶数であっても奇数であってもよいが、磁気フリー層全体の磁化を相殺する等の観点からは偶数であることがより好ましい。
本発明の面直通電巨大磁気抵抗素子用積層膜を構成する積層部においては、非磁性層を介して隣接する2の磁気フリー層によって構成される磁気フリー層のペアのうち少なくとも1つのペアの間に、反強磁性層間交換結合が形成される。反強磁性層間交換結合が形成されているか否かは、1つの非磁性層及びその両面に接する磁気フリー層のペアについて面内方向に測定した残留磁化/飽和磁化の比で判断することができる。すなわち、磁気フリー層のペアの間に反強磁性層間交換結合が形成されることで、当該磁気フリー層のペア及びその間の非磁性層の面内方向の飽和磁界は増大し、これに伴い残留磁化/飽和磁化の比は反強磁性層間交換結合が形成されていない場合と比較して減少するので、これを測定することで、当該磁気フリー層のペアの間に反強磁性層間交換結合が形成されているか否かを判断することができる。
磁気フリー層のペアの間に、反強磁性層交換結合が形成されるか否かは、磁気フリー層及び非磁性層の材料が特定されている場合、非磁性層の厚さに依存するので、磁気フリー層のペアの間に反強磁性層交換結合が形成されるということは、非磁性層が、その両面に接する磁気フリー層のペアの間に反強磁性層間交換結合が形成される厚さを有することを意味する。非磁性層の厚さは、磁気フリー層のペアの間の強磁性交換結合の強度が最小となり、かつ、それらの間の反強磁性層間交換結合の強度が最大となるような厚さであることが好ましい。
強磁性交換結合の強度が小さいことは、ノイズ低減の観点からも好ましい。
非磁性層を介して隣接する2の磁気フリー層によって構成される磁気フリー層のペア間に反強磁性層間交換結合が形成されることで、優れた外部磁場と抵抗値との直線性を示す一方で高い感度を有する、面直通電巨大磁気抵抗素子を実現することができる。
本発明の面直通電巨大磁気抵抗素子用積層膜を構成する積層部においては、非磁性層を介して隣接する2の磁気フリー層によって構成される磁気フリー層のペアのうち少なくとも1のペアの間に反強磁性層間交換結合が形成されるが、積層部に存在する全ての磁気フリー層のペアの間に反強磁性層間交換結合が形成されることが好ましく、言い換えれば、積層部に存在する非磁性層の全てが、その両面に接する磁気フリー層のペアの間に反強磁性層間交換結合が形成される厚さを有することが好ましい。この様な構成を採用した実施形態においては、外部磁場と抵抗値との直線性は、更に優れたものとなる。
非磁性層を介して反強磁性層間交換結合を形成する前記磁気フリー層のペアは、同一又は略同一の総磁気モーメントを有することが好ましい。磁気フリー層のペアは、同一又は略同一の総磁気モーメントを有することで、ペア全体としての磁気モーメントが相殺され、当該ペアを構成する磁気フリー層以外の磁気フリー層に与える影響が低減されるため、外部磁場と抵抗値との直線性の向上に寄与しうるので好ましい。
さらに、上記実施形態においては、積層部に存在する全ての磁気フリー層が、同一又は略同一の総磁気モーメントを有することが好ましい。この様な構成を採用した実施形態においては、、外部磁場と抵抗値との直線性は、更に優れたものとなる。
ここで、総磁気モーメントが「略同一」とは、総磁気モーメントの差がプラスマイナス10%以下であることをいい、プラスマイナス5%以下であることが特に好ましい。
この様に、本発明の面直通電巨大磁気抵抗素子用積層膜においては、外部磁場と抵抗値との直線性を向上する等の観点から、積層部に存在する全ての磁気フリー層のペアの間に反強磁性層間交換結合が形成されることが好ましく、また、積層部に存在する全ての磁気フリー層が、同一又は略同一の総磁気モーメントを有することが、特に好ましい。この様な構成を実現するためには、積層部に存在する全ての磁気フリー層が、同一の材料からなり、かつ同一又は略同一の厚さを有することが好ましく、さらに積層部に存在する全ての非磁性層が、同一の材料からなり、かつ同一又は略同一の厚さを有することが特に好ましい。
ここで、組成が同一とは、組成変動が製造プロセス上の通常の変動の幅の範囲内であることをいう。
また、厚さが「略同一」とは、厚さの差がプラスマイナス10%以下であることをいい、プラスマイナス5%以下であることが特に好ましい。
磁気フリー層
本発明の面直通電巨大磁気抵抗素子用積層膜の積層部を構成する磁気フリー層は、強磁性材料を含む層である点で、いわゆる固定層と共通するが、その磁化の方向が固定されていない点で、いわゆる固定層と区別される。
すなわち、いわゆる固定層は、隣接又は近接するする別の強磁性層(ピニング層ともいう)でその磁化の方向が固定されているのに対して、磁気フリー層は、その磁化の方向が固定されておらず、磁化の方向が外部磁場によって応答可能な構成となっている。
磁気フリー層は、他の磁気フリー層と反強磁性層間交換結合を形成しうるものであればよく、通常は強磁性材料からなる、又は強磁性材料を含んでなるものであり、例えば鉄(Fe),コバルト(Co),ニッケル(Ni),硼素(B),マンガン(Mn),クロム(Cr),ハフニウム(Hf),銅(Cu),ジルコニウム(Zr),タンタル(Ta),チタン(Ti)およびそれらの合金のうちの1種または2種以上によって構成することができる。
巨大磁気抵抗素子の感度の点などから、磁気フリー層は、Co基ホイスラー合金系ハーフメタル材料を含むものであることが好ましい。
ホイスラー合金としては、組成式例えば
CoXY(X=Mn,Fe、Y=Si,Ge,Al,Ga,Sn,As,Ti,V,Cr)、
CoCrZ(Z=Si,Ge,Al,Ga,Sn,As,Ti,V,)、
CoFeAl0.5Si0.5
CoFeCr0.5Al0.5
である合金が知られている。
ホイスラー合金は、CoMnGeを例に取ると、三つの元素がランダムに配置するA2構造、bcc(体心立方格子)の四隅にCoが配置され、中心にMnとGeがランダムに配置するB2構造とCoが四隅にあってMnとGeが交互に配置するL21構造の3つの状態を持つ。この規則化度がA2構造からB2構造へ、B2構造からL21構造へと進むにつれてハーフメタルの性質を示す分極率が増加する
本実施形態において特に好ましいCo基ホイスラー合金系ハーフメタル材料としては、CoYZ(ここで、Yは、Ti、V、Cr、Mn、及びFeからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素であり、Zは、Al、Si,Ga,Ge、In、及びSnかからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素である。)で表される組成を有するものを挙げることができる。
層間交換結合は、磁気フリー層と非磁性層との間に形成される量子井戸状態に起因することが報告されており、電子状態が類似する材料であれば同様の効果が得られることが合理的に推定される。上記の材料は、実験的に本発明の効果が確認されているCo基ホイスラー合金系ハーフメタル材料と電子状態が類似しており、同様の効果が得られるであろうことが合理的に理解される。
磁気フリー層の厚さには特に限定が無く、磁気フリー層及び非磁性層の材料、層数に応じて、本発明の目的との関係において適切な厚さを選択すればよいが、0.5〜50nmであることが好ましく、1〜20nmであることが特に好ましい。
一例として磁気フリー層がCFAS(CoFeAl0.5Si0.5の組成のホイスラー合金)、非磁性層がAgである4から6層構成の積層部を有する場合には、磁気フリー層の厚さは、1〜50nmであることが好ましく、1〜20nmであることが特に好ましい。膜厚が0.5nm以上、より好ましくは1nm以上であることで、成膜の制御が容易になり、50nm以下、より好ましくは20nm以下であることで、その後の微細加工が容易になる。
非磁性層
本発明の面直通電巨大磁気抵抗素子用積層膜の積層部を構成する非磁性層は、非磁性層を介して隣接する2の磁気フリー層間の反強磁性層間交換結合を維持することができる材料で構成されていればよく、それ以外の制限は無いが、面直方向の電気抵抗を測定することを考慮すれば、非磁性金属元素で構成されることが好ましい。
また、積層部の製造の容易さや、格子不整合による歪等の影響を抑制する観点からは、非磁性層は磁気フリー層と良好な格子整合性を有する材料で構成することが好ましい。
更に、磁気抵抗素子の感度や直線性の観点からは、磁気フリー層の磁化の方向の変化によるスピン散乱の変化をより明確に検出できることが好ましく、従って非磁性層は、スピン緩和が小さな材料、例えばスピン拡散長が100nm以上の材料で構成されることが好ましい。
上記観点から、非磁性層は、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、及び亜鉛(Zn)からなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を含有することが特に好ましい。
また、金(Au),ルテニウム(Ru)およびマグネシウム(Mg)のうちの少なくとも1種を含有していてもよい。
非磁性層を介して隣接する2の磁気フリー層の間には、非磁性層を介して反強磁性(AFM)結合磁場が発生している。非磁性層は、磁気フリー層のペア間の強磁性結合の強度が最小となり、かつ、それらの相互間に反強磁性結合が生じるような厚さを有していることが好ましい。この様な好適な非磁性層の厚さは、磁気フリー層及び非磁性層の構成元素、組成、結晶系等によっても変化し得るが、通常、0.1から10nmの範囲内である。
磁気フリー層の間の層間結合は、非磁性層の膜厚に対して周期的に強磁性・反強磁性を繰り返すので、実験的に最適な非磁性層の膜厚を設定することも可能であり、また好ましい。反強磁性層間交換結合が形成される場合、面内方向の飽和磁界が増大するので、例えば非磁性層の膜厚を変化させて該非磁性層及びその両面に接する磁気フリー層のペアについて面内方向の残留磁化/飽和磁化の比を測定することで、実験的に最適な非磁性層の膜厚を決定することが可能である。磁気フリー層のペアの間に反強磁性層間交換結合が形成される場合、当該磁気フリー層のペア及びその間の非磁性層の面内方向の飽和磁界は増大するので、これに伴い残留磁化/飽和磁化の比が、反強磁性層間交換結合が形成されていない場合と比較して減少する。面内方向の残留磁化/飽和磁化の比自体の数値としては、例えば0.8以下となっていれば、反強磁性層間交換結合が形成される膜厚となっていると判断することができる。面内方向の残留磁化/飽和磁化の比は、0.5以下であればより好ましく、0.2以下であれば更に好ましい。
例えば、磁気フリー層がCFAS(CoFeAl0.5Si0.5の組成のホイスラー合金)、非磁性層がAgである場合は、Ag層の膜厚に対して周期的に強磁性・反強磁性を繰り返す現象は、Ag層の膜厚が例えば5nmを超えると見られなくなる。一方、Ag層の膜厚が例えば0.5nm未満の場合には、膜の不連続性などにより強磁性的結合が現れるおそれがある。従って、この材料系の場合には、例えば膜厚0.5から5nmの範囲で、実験的又はシミュレーションなどにより最適なAg層の膜厚を設定することが好ましい。
それ以外の層
本発明の面直通電巨大磁気抵抗素子用積層膜及びそれを用いた面直通電巨大磁気抵抗素子は、本発明の目的に反しない限りにおいて、上述の基体、磁気フリー層、及び非磁性層以外の層を有していてもよい。
例えば、下地層(電極層)、配向層、キャップ層等を、必要に応じて設けることが好ましい。
下地層(電極層)は、磁気抵抗測定用の電極となるものであり、例えばAg、Al、Cu、Au、Cr等から選ばれる少なくとも一種類の金属や、これらの金属元素の合金を好ましく用いることができるが、これらには限定されない。
なお、下地層を、複数の金属・合金層から構成される2層構造や、3層以上の多層構造としてもよい。
下地層の厚さには特に限定は無く、本発明の目的に反しない限りにおいて当業者が適宜設定すればよいが、導電性確保や、磁性フリー層及び非磁性層への影響を限定する等の観点から、5〜1000nmであることが好ましく、20〜500nmであることが特に好ましい。
さらに、配向層を下地層の下側(基体側)に設けてもよい。配向層は、フリー磁性層に所望の配向、例えば(001)方向への配向、を与える作用を持つもので、例えばAg、Al、Cu、Au、Cr合金の少なくとも一種類を含むものを用いることが好ましいが、これらには限定されない。
配向層の厚さには特に限定は無く、本発明の目的に反しない限りにおいて当業者が適宜設定すればよいが、フリー磁性層を適切に配向させる等の観点から、0.1〜100nmであることが好ましく、0.1〜20nmであることが特に好ましい。
なお、実施例等には(001)方向に配向した磁気抵抗素子の結果を示したが、本願請求項1に規定する要件を満たす磁気フリー層及び非磁性層であれば素子の成長結晶方位に依存せず(110)、(211)方位などでも同様の効果が得られる。
キャップ層は表面の保護のための金属又は合金を含んでなる層である。キャップ層は、例えばAg、Al、Cu、Au、Cr 等から選ばれる少なくとも一種類の金属を含んでいてもよく、またこれら金属元素の合金を用いてもよい。
キャップ層の厚さには特に限定は無く、本発明の目的に反しない限りにおいて当業者が適宜設定すればよいが、表面を十分に保護する等の観点から、1〜100nmであることが好ましく、3〜20nmあることが特に好ましい。
キャップ層は、1種類の材料を用いてもよいし、2種類以上の材料を積層させたものでもよい。
本発明は、強磁性を示す層として、3層以上の磁気フリー層を有するものであり、3層以上の磁気フリー層によって所期の効果を実現するものであるので、固定層を必要としない。しかしながら、本発明の目的に反しない限りにおいて、固定層を有していてもよいし、その様な面直通電巨大磁気抵抗素子用積層膜もまた本発明の範囲内である。
固定層は磁気フリー層と同様に強磁性を示すものであり、磁気フリー層について上記で説明したものと同様の組成、厚さ等を有することができる。
固定層を設ける場合には、その磁化の方向を固定(外部磁場により磁化の方向が変化しない様に)するために、該固定層に隣接して又は近接してピニング層を設ける。
ピニング層としては、当該技術分野において公知の材料を適宜使用することができるが、例えば固定層にホイスラー合金を使用する場合には、FeMn、IrMn等を使用することができる。
製造方法
本発明の面直通電巨大磁気抵抗素子用積層膜、及びこれを備える面直通電巨大磁気抵抗素子の製造方法には特に制限は無く、金属薄膜、金属化合物薄膜を精密に積層できる方法を当業者が適宜選択すればよいが、スパッタ法により製造することが好ましい。
本発明の面直通電巨大磁気抵抗素子用積層膜の一部又は全部の成膜後に、適宜アニールを行うことが可能である。アニールのタイミングには特に制限は無く、アニール温度、各層の耐熱性等に応じて適切なタイミングでアニールを行うことが好ましい。本実施形態においては通常、基体上に、下地層、積層部(交互に磁性フリー層及び非磁性層)、並びにキャップ層を成膜していくので、少なくとも積層部の成膜を行った後にアニールを行うことが好ましい。更にキャップ層を成膜した後にアニールを行ってもよいし、アニール温度が高温、例えば600℃以上の場合には、積層部まで成膜した後にアニールを行い、その後にキャップ層を成膜してもよい。
アニールの温度には特に制限は無いが、例えば300℃以上、好ましくは350℃以上、より好ましくは、400℃以上の温度で行うことで、結晶性を向上させることができる。
用途
本発明の面直通電巨大磁気抵抗素子用積層膜を用いた磁気抵抗素子は、優れた外部磁場と抵抗値との直線性と、高い感度とを両立し、単に外部磁場の存在/非存在(ゼロ/1)に検知するに留まらず、その間の磁場の微小変化をも高い精度で検知することができるものであり、外部磁場と抵抗値との直線性が求められる用途、例えば地磁気センサ、電流センサ等において特に好適に使用することができる。
以上、特定の実施の形態を例に本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態において説明した態様に限定されず、本発明の趣旨から外れることがない限りにおいて、種々の変形が可能である。
以下、実施例を参照しながら、本発明を具体的に説明する。なお、本発明はいかなる意味においても、以下の実施例によって限定されるものではない。
(比較例1)フリー層2層、非磁性層1層(Ag、厚さ:2nm)を有する積層膜
表1に示すスパッタ条件で、フリー層2層を有する積層膜を、ヘリコン波スパッタ装置(株式会社エイコー製、リボルバー型10元スパッタ装置)によって成膜した。
具体的な層構成を図1に示す。MgO単結晶基体上に、下から順にCr(10)/Ag(100)/CFAS(6)/Ag(2)/CFAS(6)/Ag(5)/Ru(8)の各層を成膜した(括弧内の数字は、それぞれの膜厚(単位:nm)を示す。)CFASはCoFeAl0.5Si0.5の組成のホイスラー合金を示す。
結晶構造の規則性の向上のため、最上部Ru層の成膜後に450℃で熱処理を加えた。
なお、本積層膜において用いられる1の非磁性層及びその両面に接する磁気フリー層のペアであるCFAS(6)/Ag(2)/CFAS(6)について面内方向の残留磁化/飽和磁化を測定したところ、反強磁性層間交換結合の形成を示す残留磁化/飽和磁化の減少が見られ、具体的には残留磁化/飽和磁化の比は、0.14であった(図2参照)。したがって上記2つのCFAS(6)層に挟まれたAg(2)層の厚さ2nmは、2つのCFAS(6)層の間に反強磁性層間交換結合が形成される厚さであった。
積層膜(積層した磁性薄膜)の外部磁場に対する磁化変化を測定した結果を図3に示す。−14から−4mTの外部磁場範囲における近似曲線と実測値の差の最大値を、測定したところ、11.2%FS(フルスケールの11.2%)の結果を得た。
(比較例2)フリー層2層、非磁性層1層(Ag、厚さ:2nm)を有する面直方向磁気抵抗素子
比較例1で成膜した積層膜を用い、成膜後に電子線リソグラフィー、Arイオンエッチング、により0.15μm×0.3μmの大きさに長方形に微細加工した。その後、SiOで絶縁部を、Auで上部電極を、ぞれぞれスパッタによって作成し、図4に示す構成の面直方向磁気抵抗素子を作成した。
磁気抵抗の測定は、微細加工により得られた長方形の短軸方向に加える磁場を変化させながら、直流4端子法によって電気抵抗を測定することにより行った。磁気抵抗の測定結果を図5に示す。図5中、直線的な応答を示す四角で囲われた部分を直線に近似し、下記(式)に従って当該部分の近似直線からのずれである非直線性(Non−linearity)を計算したところ、6.7%FSという値を得た。
(式)

R(meas): 抵抗Rの測定値
R(fit): 抵抗Rの近似値
(R(meas)−R(fit))max:
直線近似範囲におけるR(meas)−R(fit)の最大値
R(max): 直線近似範囲における抵抗Rの測定値の最大値
R(min): 直線近似範囲における抵抗Rの測定値の最少値
(比較例3)フリー層6層、非磁性層5層(Ag、厚さ:2nm)を有する積層膜
フリー層の間の非磁性層(Ag層)の膜厚を5nmとし、フリー層(CFAS(6)層)/非磁性層(Ag(5)層)の積層数を、フリー層が6層になるような膜構造とし、比較例1と同様の手順で積層膜を成膜した、成膜の具体的な条件を表2に、積層膜の層構成を図6に示す。
なお、本積層膜において用いられる1の非磁性層及びその両面に接する磁気フリー層のペアであるCFAS(6)/Ag(5)/CFAS(6)について面内方向の残留磁化/飽和磁化を測定したところ、反強磁性層間交換結合の形成を示す残留磁化/飽和磁化の減少は見らず、具体的には残留磁化/飽和磁化の比は、0.91であった(図7参照)。したがって上記フリー層(CFAS(6)層)に挟まれた非磁性層(Ag(5)層)層の厚さ5nmは、当該非磁性層の両面に位置する2つのフリー層(CFAS(6)層)の間に反強磁性層間交換結合が形成されない厚さであった。
比較例1と同様の手順で、積層膜の外部磁場に対する磁化変化を測定した。測定結果から、−14から−4mTの外部磁場範囲における近似曲線と実測値の差の最大値を計算したしたところ、非線形性は16.8%FSであった。
(実施例1)フリー層4層又は6層、非磁性層3層又は5層(Ag、厚さ:2nm)を有する積層膜
フリー層の間の非磁性層(Ag層)の膜厚を2nmとし、フリー層(CFAS(6)層)/非磁性層(Ag(5)層)の積層数を、フリー層が4層、又は6層になるような膜構造とし、比較例1と同様の手順で2種類の積層膜を成膜した。フリー層6層の場合の成膜の具体的な条件を表3に、その場合の積層膜の層構成を図6に、それぞれ示す。
なお、比較例1において説明した様に、上記フリー層(CFAS(6)層)に挟まれた非磁性層(Ag(2)層)層の厚さ2nmは、当該非磁性層の両面に位置する2つのフリー層(CFAS(6)層)の間に反強磁性層間交換結合が形成される厚さであった。
比較例1と同様の手順で、積層膜の外部磁場に対する磁化変化を測定した。測定結果から、−14から−4mTの外部磁場範囲における近似曲線と実測値の差の最大値を計算したしたところ、非線形性は、フリー層4層の場合で2.8%FS、フリー層6層の場合で0.7%FSと、いずれも良好な直線性を意味するものであった。
(実施例2)フリー層6層、非磁性層1層(Ag、厚さ:2nm)を有する面直方向磁気抵抗素子
実施例1で成膜した積層膜(フリー層6層のもの)を用い、比較例2と同様の方法で、面直方向磁気抵抗素子を作成し、磁気抵抗を測定した。
測定結果を図8に示す。図8中、直線的な応答を示す四角で囲われた部分を直線に近似し、上記(式)に従って当該部分の近似直線からのずれである非直線性(Non−linearity)を計算したところ、0.5%FSという良好な直線性意味するものであった。
本発明の面直通電巨大磁気抵抗素子用積層膜は、優れた外部磁場と抵抗値との直線性と、高い感度とを両立できるなど、実用上高い価値を有するものであり、電気電子機器、情報通信、輸送機器における航法などの産業の各分野において高い利用可能性を有する。

Claims (12)

  1. 基体と、
    該基体上に設けられ、複数の磁気フリー層と、複数の非磁性層とを交互に積層してなる積層部と、
    を有する面直通電巨大磁気抵抗素子用積層膜であって、
    該磁気フリー層が少なくとも3層設けられ、
    少なくとも1の該非磁性層が、その両面に接する磁気フリー層のペアの間に反強磁性層間交換結合が形成される厚さを有する、上記面直通電巨大磁気抵抗素子用積層膜。
  2. 前記非磁性層の全てが、その両面に接する磁気フリー層のペアの間に反強磁性層間交換結合が形成される厚さを有する、請求項1に記載の面直通電巨大磁気抵抗素子用積層膜。
  3. 反強磁性層間交換結合が形成されている1の非磁性層、及びその両面に接する磁気フリー層のペアについて面内方向に測定した残留磁化/飽和磁化の比が0.8以下である、請求項1又は2に記載の面直通電巨大磁気抵抗素子用積層膜。
  4. 前記非磁性層を介して反強磁性層間交換結合を形成する前記磁気フリー層のペアが、同一又は略同一の総磁気モーメントを有する、請求項1から3のいずれか一項に記載の面直通電巨大磁気抵抗素子用積層膜。
  5. 前記磁気フリー層の層数が偶数である、請求項1から4のいずれか一項に記載の面直通電巨大磁気抵抗素子用積層膜。
  6. 前記磁気フリー層が、Co基ホイスラー合金系ハーフメタル材料を含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の面直通電巨大磁気抵抗素子用積層膜。
  7. 前記Co基ホイスラー合金系ハーフメタル材料が、CoYZ(ここで、Yは、Ti、V、Cr、Mn、及びFeからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素であり、Zは、Al、Si,Ga,Ge、In、及びSnかからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素である。)で表される組成を有する、請求項6に記載の面直通電巨大磁気抵抗素子用積層膜。
  8. 前記非磁性層が、スピン拡散長が100nm以上である材料系で構成される、請求項1から7のいずれか一項に記載の面直通電巨大磁気抵抗素子用積層膜。
  9. 前記非磁性層が、Cu、Al、Ag、及びZnからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を含有する、請求項1から8のいずれか一項に記載の面直通電巨大磁気抵抗素子用積層膜。
  10. 下地層及びキャップ層を更に有する、請求項1から9のいずれか一項に記載の面直通電巨大磁気抵抗素子用積層膜。
  11. 請求項1から10のいずれか一項に記載の面直通電巨大磁気抵抗素子用積層膜を備える、面直通電巨大磁気抵抗素子。
  12. 請求項11に記載の面直通電巨大磁気抵抗素子を備える、地磁気センサ又は電流センサ。
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