JP2022538384A - 異方性磁場の低い2次元外部磁場を検知する磁場センサ - Google Patents

異方性磁場の低い2次元外部磁場を検知する磁場センサ Download PDF

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Abstract

【解決手段】固定基準磁化(230)を有する基準層(23)と、センス磁化(210)を持つセンス強磁性層(21)と、センス強磁性層(21)及び基準強磁性層(23)の間のトンネル障壁層(22)とを備える磁気トンネル接合(2)を備えて、センス強磁性層(21)が、トンネル障壁層(22)に接している第1センス強磁性層(211)と、第2センス強磁性層(212)と、第1センス強磁性層(211)及び第2センス強磁性層(212)の間の第1非磁性層(213)とを備える、2次元外部磁場を検知する磁場センサであって、前記第2センス強磁性層(212)が、複数の複層要素(216)を備え、各複層要素(216)は、2層の第2強磁性センス層(214)の間に第2非磁性層(215)を備えていて、前記第2センス強磁性層(212)は20nm以下の厚さを持つことを特徴とする2次元外部磁場を検知する磁場センサ。

Description

本発明は、トンネル磁気抵抗装置、及びトンネル磁気抵抗効果を使用する磁場センサに関する。より具体的には、本発明は、低異方性磁場を有する2次元外部磁場を検知する磁場センサに関する。
自己基準磁気トンネル接合が、磁気センサ又はコンパスで磁場を検知するために使用されることがある。自己基準磁気トンネル接合は、典型的には、基準磁化を有する基準層、センス磁化を有するセンス層、及びセンス層と基準層との間のトンネル障壁層とを備える。検知動作中、外部磁場は、センス磁化を基準磁化に対してより平行又はより反平行に整列させる。
2次元磁気検知では、センス層は、通常、大きさが固定され、基準層の磁化の方向に平行な平面内で回転する磁化を有する。通常、センス層は、この平面内で磁化の優先配向を持つ。これは、最低エネルギー配向である。この最低エネルギー配向と最高エネルギー配向との間のエネルギー差に相当する磁場Hは、センス層の磁気異方性と呼ばれる。センサの信号は、センス層と基準層の相対的な向きに依存し、角度精度(低い角度誤差)は、この平面で可能な限り低いセンス層の異方性に依存する。これにより、センス層のさまざまな平面方向間のエネルギー差が最小限に抑えられ、結果として外部磁場方向を厳密に反映するセンサ出力により、センサの角度誤差が低くなる。
ただし、実際には、センス層には有限の磁気異方性がある。センス磁化は、基準層からの有限の漂遊磁場にさらされる可能性がある。これは、外部磁場におけるセンス磁化の整列において、したがって、外部磁場の所与の方向に対する磁気センサ要素の予想される抵抗において、角度誤差を引き起こす。これらの角度誤差は、外部磁場の大きさを下げると角度誤差が増加するため、外部磁場の大きさが小さい場合のセンサの動作マージンを制限する。
角度検知の精度は、そのため、センス層の磁気異方性を低減することによって改善可能である。センス層の厚さを増加させることにより、センス層の磁気異方性を減少可能である。しかしながら、センス層の厚さを増やすと、センス層の平面で不均一な磁化が発生し、性能が低下し、磁気センサの最小使用可能磁場が増加するおそれがある。
本開示は、外部磁場を検知する磁場センサに関し、前記磁場センサは、
固定基準磁化を有する基準層と、
センス磁化を持つセンス強磁性層と、
前記センス強磁性層及び前記基準強磁性層の間のトンネル障壁層とを備える磁気トンネル接合を備える、2次元外部磁場を検知する磁場センサに関する。
センス強磁性層は、
トンネル障壁層に接している第1センス強磁性層と、
第2センス強磁性層と、
第1センス強磁性層及び第2センス強磁性層の間の第1非磁性層とを備え、
前記第2センス強磁性層が、複数の複層要素を備え、各複層要素は、2層の第2強磁性センス層の間に第2非磁性層を備えていて、
前記第2センス強磁性層は20nm以下の厚さ、好ましくは12nm以下の厚さを持つ。
本開示はさらに、磁場センサを製造する方法に関し、前記方法は、以下の
基準層、トンネル障壁層、第1センス強磁性層、第1非磁性層、及び第2センス強磁性層を堆積させる工程を備える。
前記第2センス強磁性層を堆積する工程は、各複層要素について、2層の第2強磁性センス層の間に第2非磁性層を順次堆積する工程を含む、複数の複層要素を堆積する工程を備える。
この磁場センサは、センス層の厚さをさらに増やすことなく、異方性磁場を低減可能である。
本発明は、例として与えられ、図によって示される実施形態の説明の助けを借りて、よりよく理解されるであろう。
一実施形態による、第1センス層及び第2センス層を備える磁気トンネル接合の概略図を示す。 図2は、第2強磁性センス層の間に挟まれた複数の第2非磁性層を備える、第2センス強磁性層の概略図を示す。 異方性磁場と第2非磁性層の厚さとの関係を示すグラフである。 図4aから図4cは、センス層の容易軸及び困難軸方向で測定された磁気ループを報告する図である。 図5は、異方性磁場と第2非磁性層の数との関係を示す。 図6は、異方性磁場と第2非磁性層の厚さとの関係を示す。 図7は、異なる可能な堆積角度を示す磁気トンネル接合の上面図を表す。
図1は、一実施形態による磁気トンネル接合2の概略図を示す。磁気トンネル接合部2は、基準層23と、センス強磁性層21と、センス強磁性層21、23及び基準強磁性層21、23の間のトンネル障壁層22とを備える。
基準層23は、固定された基準磁化230を有し、一方、センス層21は、外部磁場の存在下で基準磁化230に対して自由に配向可能なセンス磁化210を有する。換言すると、磁気トンネル接合部2を備える磁場センサが外部磁場の存在下にある場合、基準磁化230は実質的に固定されたままであり、センス磁化210は外部磁場の方向に偏向される。
そのために、磁気センサセル1は、反強磁性層24を備え、反強磁性層24は、基準磁化230を低温閾値Tに固定し、高温しきい値Tで解放するなど、基準層23を交換結合している。
反強磁性層24に適した材料には、遷移金属及びそれらの合金が含有され得る。例えば、適切な反強磁性材料には、イリジウム(Ir)及びMn(例えば、IrMn)に基づく合金などのマンガン(Mn)を主成分とする(ベース)の合金、Fe及びMnベースの合金(例、FeMn)、白金(Pt)とMn(例、PtMn)ベースの合金、及びNi及びMnに基づく合金(例えば、NiMn)が含まれる。場合によっては、IrとMnベース(又はFeとMnベース)の合金の高温しきい値Tは、次の範囲、約120℃から約220℃、又は約150℃から約200℃、例えば約200℃であり、Pt及びMnベース(又はNi及びMnベース)の合金の高温しきい値Tよりも低い値にできる。これは、約300℃から約350℃の範囲内の値であることがある。反強磁性層24に適した材料には、NiOなどの酸化物層がさらに含有され得る。
可能な1構成では、反強磁性層24は、約10nm又は12nmの厚さを有する。代替的に、反強磁性層24は、各層が1nmから2nmの間の厚さを有する複層を備えることがある。
基準層23は、1つ又は複数の強磁性層(図示せず)を備えてよく、各強磁性層はCo、Fe、Ni、CoFeB又はそれらの合金を含有する。基準層23は、少なくとも2つの強磁性層を備える合成反強磁性体(SAF)をさらに備えることがあり、2つの強磁性層は、トンネル障壁層22から最も遠い強磁性層が反強磁性体によってピン止めされている非磁性層によって分離されている一方で、他の強磁性層は、それらを分離する非磁性層を介して、RKKY結合機構によって隣りの強磁性層に結合されている。非磁性層は、Ru、Ir又はCu又はそれらの組み合わせを含有し得る。
トンネル障壁(層)22は、絶縁材料を備えるか、あるいはそれから形成してよい。適した絶縁材料には、酸化アルミニウム(例えば、AI)及び酸化マグネシウム(例えば、MgO)などの酸化物が含まれる。トンネル障壁層22の厚さは、約1nmから約3nmなどのナノメートル範囲内であってよい。トンネル障壁22の最適な厚さは、複数(二重又は複層)のMgO(又は別の適切な酸化物又は絶縁材料)層を挿入することによって得られる。
センス強磁性層21は、トンネル障壁層22と接触している強磁性層211と、第2センス強磁性層212と、前記第1センス強磁性層211及び第2センス強磁性層212の間の第1非磁性層213とを備える。
図1に示されるように、センス磁化210は、外部磁場の存在下で、センス層21の平面内で配向可能である。換言すると、センス磁化210は、平面内で磁化されたままである。
基準層23の固定(又はピン止め)基準磁化230もまた、面内、すなわち、基準層23の面内にある。磁気センサセル1が反強磁性層24を備える場合、反強磁性層24は、面内(反強磁性層24の面内)に配向された磁化を有する。
1実施形態では、第2センス強磁性層212は、複数の複層要素216を含み、各複層要素216は、2層の第2強磁性センス層214の間に第2非磁性層215を備える。
第2非磁性層215の目的は、第2センス強磁性層212の微細構造を、それをより細かに、あるいはアモルファスにさえするように変えることである。
第2センス強磁性層212のより細かな又はアモルファスでさえある構造は、センス層21の磁気異方性を低減し、したがって、2次元磁場センサにおける低磁場角度誤差を改善する。
図2は、5つの複層要素216を備える第2センス強磁性層212の概略図を示し、各要素は、この順序で、2層の第2強磁性センス層214の間に挟まれた第2非磁性層215を備える。
1実施形態では、センス層21の構造は以下の通りである。
CоFeB1.5Ta0.3/[NiFeTa]*5/NiFe (1)
ここで、第1センス強磁性層211は厚さ1.5nmのCoFeB合金を含有し、第1非磁性層213は厚さ0.3nmのTa層を備える。第2強磁性センス層214は、厚さ2nmのNiFe合金を備えて、第2非磁性層215は、0.1nmから0.4nmの間で変化する厚さxを有するTa層を備える。
図3は、異方性磁場Hと第2非磁性層215の厚さとの関係を示すグラフである。異方性磁場Hは、次の構造、アニールなしのCoFeB1.5/Ta0.3/NiFe12を持つ従来のセンス層21についても報告されている。図3は、第2非磁性層215の厚さが増加するにつれて異方性磁場Hが減少することを示す。いくつかの実施形態では、センス層21は、240℃を超えるアニーリング温度でアニールされ得る。例えば、センス層21は、310℃のアニーリング温度で90分間アニールされ得る。
図4は、センス層21の構造(1)について、容易軸(0°)及び困難軸(90°)方向で測定された磁気ループを報告している。センス層21はアニールされなかった。特に、図4a及び図4bは、0.3nmの厚さを有する第2非磁性層215の磁気ループを示し、図4cは、0.5nmの厚さを有する第2非磁性層215の磁気ループを示す。図4a及び図4cにおいて、磁気ループは、容易軸で測定され、約2Oeの強制磁場Hを生成している。図4bでは、困難軸で測定された磁気ループは、約13Oeの異方性磁場Hを生成している。厚さが0.5nmの第2非磁性層215の場合、Taの第2非磁性層215を介した反強磁性結合が見られる。そのような反強磁性結合を回避するためには、第2非磁性層215の厚さは、0.5nmよりも薄くなければならない。したがって、0.1nmから0.4nmの間の厚さが有利である。1実施形態では、第2非磁性層215の厚さは約0.3nmである。
図5は、構造(1)について、異方性磁場Hと、第2センス強磁性層212における第2非磁性層215の数との関係を示す。特に、CoFeB合金から作られた第1センス強磁性層211とTa又はMgから作られた第2非磁性層215について報告された異方性磁場Hが報告されている。第1センス強磁性層211は、約1.5nmの厚さを有し、第2非磁性層215は、約0.2nm又は0.4nmの厚さを有する。第2センス強磁性層212は、約12nmの厚さを有する。センス層21は、磁場の非存在下で90分間、310℃でアニールされる。図5は、第2非磁性層215がTaでできている場合、第2非磁性層215の数を増やすことにより、異方性磁場Hを低減可能なことを示している。
センス層21のための5層の第2非磁性層215の5層という数は、最低値の異方性磁場Hを生成し、したがって、最も好ましい構成であるように思われる。第2非磁性層215の数は5を超えてよい。しかしながら、第2非磁性層215の数を増やすと、センス磁化210が減少する傾向がある。
第1センス強磁性層211、第1非磁性層213、第2強磁性センス層214及び第2非磁性層215に他の材料を使用可能であり、これらの層の他の厚さは、本願発明の範囲でいろいろ考えてよい。一般に、第2非磁性層215は、0.1nmから0.4nmの間で変化する厚さを有してよい。より具体的には、第2非磁性層215は、約0.1nm、0.2nm、0.3nm、又は0.4nmの厚さを有し得る。
1変形例では、第1センス強磁性層211は、複層構造を備える。例えば、第1センス強磁性層211は、2層から5層の強磁性層を備え得る。強磁性層211は、CoFe、CoFeB、NiFe合金又は他の任意の適切な強磁性合金を含有し得る。
例えば、第2非磁性層215は、高融点金属を含有し得る。より具体的には、第2非磁性層215は、次の金属、Ta、Zr、W、Ti、Mo、Nb、Hfのうちの1つを単独で又は組み合わせて含有し得る。第2強磁性センス層210はまた、CoFe又はCoFeB合金で製造してよい。一般に、第2強磁性センス層210は、1nmから3nmの間、好ましくは1.1nmから3nmの間、又は1.5nmから5nmの間の厚さを持ち得る。これにより、磁場センサの2次元磁気センシングに必要な、面内磁化方向が保証される。
好ましくは、第2非磁性層215は、Taを備える。Taでできている(又はそれを含有する)第2非磁性層215は、第1センス強磁性層211の平面異方性磁場Hを低減することを可能にする。
1観点では、第1センス強磁性層211及び第2強磁性センス層214は、高融点金属を含まない強磁性材料でできている。特に、センス強磁性層211及び第2強磁性センス層210は、Ti、V、Cr、Zr、Mn、Nb、Mo、Hf、Tc、Ru、Rh、Ta、W、Re、Os又はIrのいずれも含まない強磁性材料でできている。実際、第1センス強磁性層211及び/又は第2強磁性センス層214におけるそのような高融点金属の存在は、磁場センサの2次元磁気センシングに必要とされる面内磁化方向の代わりに、第1及び第2センス強磁性層211、214の垂直方向を促進する。
例えば、第1センス強磁性層211及び第2強磁性センス層214は、CoFe、CoFeB、NiFeベースの合金又は他の任意の適切な強磁性合金(高融点金属を含まない)で製造してよい。好ましくは、第1センス強磁性層211は、CoFeBベースの合金でできていて、第2強磁性センス層214は、NiFeベースの合金でできている。後者の構成では、異方性磁場をさらに減らせる。
図6は、センス層21の構造(1)について、異方性磁場Hの値と第2非磁性層215の厚さとの関係を示す。第2センス強磁性層212は、5つの複層要素216を備える。第2非磁性層215はWでできている。この関係は、磁場がない状態で260℃でアニールされているセンス層21について示されている。アニールは、約30分の加熱ランプと、約30分の(260℃で)アニーリングプラトーと、約30分の冷却ランプとを備えてよい(それにより、アニール工程の合計時間は約90分である)。
1実施形態によれば、磁気トンネル接合部2を製造する方法は、堆積ツールを使用して、基準層23、トンネル障壁層22、第1センス強磁性層211、第1非磁性層213、及び第2センス強磁性層212を基板(非図示)上に堆積する工程を備える。第2センス強磁性層212を堆積する工程は、各複層要素について、2層の第2強磁性センス層214の間に第2非磁性層215を順次堆積することを含んで、複数の複層要素216を堆積する工程を備える。
好ましい1実施形態では、各複層要素216は、次の複層要素212の堆積角度とは異なる堆積角度θで堆積される。堆積角度θは、複層要素216が堆積される基板上の基準角度に対して決められてよい。例えば、そのような基準角度は、ウェーハ上のノッチに相当し得る。基準角度は、蒸着ツールで使用される0°方向を決めてよい。図7は、異なる可能な堆積角度θを示す磁気トンネル接合2の上面図を表す。
1変形例では、複数の複層要素216は、堆積角度θを0°及び90°を含んで変化させて連続的に堆積される。
別の1変形例では、複数の複層要素216は、堆積角度θを45°及び135°を含んで変化させて連続的に堆積される。
さらに別の変形例では、複数の複層要素216は、堆積角度θを0°、45°、90°、及び135°を含んで変化させて連続的に堆積される。
堆積角度θを変える工程は、第1センス強磁性層211、トンネル障壁層22、及び基準層23を含む、磁気トンネル接合2の他の層を堆積するときにも使用可能である。
複層要素216を堆積するときに堆積角度θを変化させることにより、平均化が可能になり、センス層21の磁気異方性が減少する。残る可能性のある残留磁気異方性は、第2非磁性層215を導入することによってさらに減少可能である。
いくつかの実施形態では、堆積角度θは一定である場合があり、あるいは堆積角度θは、例えば、磁気トンネル接合層が堆積される基板を連続的に回転させることによって、連続的に変化させる場合がある。
様々な実施形態において、センス層21の構造は、以下のようになる場合がある。
CoFeB0.5/<0>/CoFeB0.5/<90>/CoFeB0.5/Ta0.3/NiFe1/<0>/NiFe1/Ta0.3/
NiFe1/<90>/NiFe1/Ta0.3/NiFe1/<0>/NiFe1/Ta0.3/NiFe1/<90>/NiFe1/Ta0.3/NiFe1/<0>/NiFe1/Ta0.3/NiFe1 (2)
CoFeB0.5/<45>/CoFeB0.5/<135>/CoFeB0.5/Ta0.3/NiFe1/<45>/NiFe1/Ta0.3/
NiFe1/<135>/NiFe1/Ta0.3/NiFe1/<45>/NiFe1/Ta0.3/NiFe1/<135>/NiFe1/Ta0.3/NiFe1/<45>/NiFe1/Ta0.3/NiFe1 (3)
ここで、記号<0>、<45>、<90>、及び<135>は、それぞれ0°、90°、45°、及び135°の堆積角度θに相当する。
センス層21構造の他の構成を考慮してよい。
2 磁気トンネル接合
21 センス層
210 磁化を検知する
211 第1センス強磁性層
212 第2センス強磁性層
213 第1非磁性層
214 第2強磁性センス層
215 第2非磁性層
216 複層要素
22 トンネル障壁層
23 基準層
230 基準磁化231強磁性基準層
232 非磁性基準層
24 固定層
θ 堆積角度
Hc 強制磁場
異方性磁場
本発明は、トンネル磁気抵抗装置、及びトンネル磁気抵抗効果を使用する磁場センサに関する。より具体的には、本発明は、低異方性磁場を有する2次元外部磁場を検知する磁場センサに関する。
自己基準磁気トンネル接合が、磁気センサ又はコンパスで磁場を検知するために使用されることがある。自己基準磁気トンネル接合は、典型的には、基準磁化を有する基準層、センス磁化を有するセンス層、及びセンス層と基準層との間のトンネル障壁層とを備える。検知動作中、外部磁場は、センス磁化を基準磁化に対してより平行又はより反平行に整列させる。
2次元磁気検知では、センス層は、通常、大きさが固定され、基準層の磁化の方向に平行な平面内で回転する磁化を有する。通常、センス層は、この平面内で磁化の優先配向を持つ。これは、最低エネルギー配向である。この最低エネルギー配向と最高エネルギー配向との間のエネルギー差に相当する磁場Hkは、センス層の磁気異方性と呼ばれる。センサの信号は、センス層と基準層の相対的な向きに依存し、角度精度(低い角度誤差)は、この平面で可能な限り低いセンス層の異方性に依存する。これにより、センス層のさまざまな平面方向間のエネルギー差が最小限に抑えられ、結果として 外部磁場方向を厳密に反映するセンサ出力により、センサの角度誤差が低くなる。
ただし、実際には、センス層には有限の磁気異方性がある。センス磁化は、基準層からの有限の漂遊磁場にさらされる可能性がある。これは、外部磁場におけるセンス磁化の整列において、したがって、外部磁場の所与の方向に対する磁気センサ要素の予想される抵抗において、角度誤差を引き起こす。これらの角度誤差は、外部磁場の大きさを下げると角度誤差が増加するため、外部磁場の大きさが小さい場合のセンサの動作マージンを制限する。
角度検知の精度は、そのため、センス層の磁気異方性を低減することによって改善可能である。センス層の厚さを増加させることにより、センス層の磁気異方性を減少可能である。しかしながら、センス層の厚さを増やすと、センス層の平面で不均一な磁化が発生し、性能が低下し、磁気センサの最小使用可能磁場が増加するおそれがある。
特許文献1(US2014242418)は、自由強磁性層と、ピン止め強磁性層と、非磁性トンネルバリア層を備える磁気抵抗要素を開示している。自由強磁性層は、薄い非磁性スペーサ副層によって互いに分離された2つの磁性副層を備える。自由強磁性層は、膜表面に垂直に向けられた磁化方向を有する。
特許文献2(US6788502)には、スペーサ層と接触するCo-Feで形成された第1副層と、Ni-Fe-Moで形成された第2副層とを備える積層自由層を有する磁気トンネル接合センサが記載されている。第2副層のNi-Fe-Mo材料は、Ni-Feの結晶磁気異方性定数よりもはるかに小さい結晶磁気異方性定数を持っている。
非特許文献1(ゴンザレス-ゲレロら、「磁歪アモルファス(Fe80Co20)80B20多層膜の磁気特性に対する堆積誘起応力の影響」、応用物理学ジャーナル102、123903(2007)には、スパッタアモルファス磁歪(Fe80 Co20)の堆積中に誘導される機械的応力の制御が、その磁気特性のカスタム設計を可能にする旨が記載されている。FeCoB複層膜は、異なる複数のバッファ材料を使用して熱酸化物Si(シリコン)基板上にスパッタされている。
米国特許出願公開第2014/242418号明細書 米国特許第6788502号明細書
本開示は、外部磁場を検知する磁場センサに関し、前記磁場センサは、
固定基準磁化を有する基準層と、
センス磁化を持つセンス強磁性層と、
前記センス強磁性層及び前記基準強磁性層の間のトンネル障壁層とを備える磁気トンネル接合を備える、2次元外部磁場を検知する磁場センサに関する。
センス強磁性層は、
トンネル障壁層に接している第1センス強磁性層と、
第2センス強磁性層と、
第1センス強磁性層及び第2センス強磁性層の間の第1非磁性層とを備え、
前記第2センス強磁性層が、複数の複層要素を備え、各複層要素は、2層の第2強磁性センス層の間に第2非磁性層を備えていて、
前記第2センス強磁性層は20nm以下の厚さ、好ましくは12nm以下の厚さを持つ。第2非磁性層は高融点金属を含有する。第1強磁性層及び第2強磁性層は、高融点金属を含有しない強磁性材で作られている。
本開示はさらに、磁場センサを製造する方法に関し、前記方法は、以下の
基準層、トンネル障壁層、第1センス強磁性層、第1非磁性層、及び第2センス強磁性層を堆積させる工程を備える。
前記第2センス強磁性層を堆積する工程は、各複層要素について、2層の第2強磁性センス層の間に第2非磁性層を順次堆積する工程を含む、複数の複層要素を堆積する工程を備える。
この磁場センサは、センス層の厚さをさらに増やすことなく、異方性磁場を低減可能である。
本発明は、例として与えられ、図によって示される実施形態の説明の助けを借りて、よりよく理解されるであろう。
一実施形態による、第1センス層及び第2センス層を備える磁気トンネル接合の概略図を示す。 図2は、第2強磁性センス層の間に挟まれた複数の第2非磁性層を備える、第2センス強磁性層の概略図を示す。 異方性磁場と第2非磁性層の厚さとの関係を示すグラフである。 図4aから図4cは、センス層の容易軸及び困難軸方向で測定された磁気ループを報告する図である。 図5は、異方性磁場と第2非磁性層の数との関係を示す。 図6は、異方性磁場と第2非磁性層の厚さとの関係を示す。 図7は、異なる可能な堆積角度を示す磁気トンネル接合の上面図を表す。
図1は、一実施形態による磁気トンネル接合2の概略図を示す。磁気トンネル接合部2は、基準層23と、センス強磁性層21と、センス強磁性層21、23及び基準強磁性層21、23の間のトンネル障壁層22とを備える。
基準層23は、固定された基準磁化230を有し、一方、センス層21は、外部磁場の存在下で基準磁化230に対して自由に配向可能なセンス磁化210を有する。換言すると、磁気トンネル接合部2を備える磁場センサが外部磁場の存在下にある場合、基準磁化230は実質的に固定されたままであり、センス磁化210は外部磁場の方向に偏向される。
そのために、磁気センサセル1は、反強磁性層24を備え、反強磁性層24は、基準磁化230を低温閾値TLに固定し、高温しきい値THで解放するなど、基準層23を交換結合している。
反強磁性層24に適した材料には、遷移金属及びそれらの合金が含有され得る。例えば、適切な反強磁性材料には、イリジウム(Ir)及びMn(例えば、IrMn)に基づく合金などのマンガン(Mn)を主成分とする(ベース)の合金、Fe及びMnベースの合金(例、FeMn)、白金(Pt)とMn(例、PtMn)ベースの合金、及びNi及びMnに基づく合金(例えば、NiMn)が含まれる。場合によっては、IrとMnベース(又はFeとMnベース)の合金の高温しきい値THは、次の範囲、約120℃から約220℃、又は約150℃から約200℃、例えば約200℃であり、Pt及びMnベース(又はNi及びMnベース)の合金の高温しきい値THよりも低い値にできる。これは、約300℃から約350℃の範囲内の値であることがある。反強磁性層24に適した材料には、NiOなどの酸化物層がさらに含有され得る。
可能な1構成では、反強磁性層24は、約10nm又は12nmの厚さを有する。代替的に、反強磁性層24は、各層が1nmから2nmの間の厚さを有する複層を備えることがある。
基準層23は、1つ又は複数の強磁性層(図示せず)を備えてよく、各強磁性層はCo、Fe、Ni、CoFeB又はそれらの合金を含有する。基準層23は、少なくとも2つの強磁性層を備える合成反強磁性体(SAF)をさらに備えることがあり、2つの強磁性層は、トンネル障壁層22から最も遠い強磁性層が反強磁性体によってピン止めされている非磁性層によって分離されている一方で、他の強磁性層は、それらを分離する非磁性層を介して、RKKY結合機構によって隣りの強磁性層に結合されている。非磁性層は、Ru、Ir又はCu又はそれらの組み合わせを含有し得る。
トンネル障壁(層)22は、絶縁材料を備えるか、あるいはそれから形成してよい。適した絶縁材料には、酸化アルミニウム(例えば、AI23)及び酸化マグネシウム(例えば、MgO)などの酸化物が含まれる。トンネル障壁層22の厚さは、約1nmから約3nmなどのナノメートル範囲内であってよい。トンネル障壁22の最適な厚さは、複数(二重又は複層)のMgO(又は別の適切な酸化物又は絶縁材料)層を挿入することによって得られる。
センス強磁性層21は、トンネル障壁層22と接触している強磁性層211と、第2センス強磁性層212と、前記第1センス強磁性層211及び第2センス強磁性層212の間の第1非磁性層213とを備える。
図1に示されるように、センス磁化210は、外部磁場の存在下で、センス層21の平面内で配向可能である。換言すると、センス磁化210は、平面内で磁化されたままである。
基準層23の固定(又はピン止め)基準磁化230もまた、面内、すなわち、基準層23の面内にある。磁気センサセル1が反強磁性層24を備える場合、反強磁性層24は、面内(反強磁性層24の面内)に配向された磁化を有する。
1実施形態では、第2センス強磁性層212は、複数の複層要素216を含み、各複層要素216は、2層の第2強磁性センス層214の間に第2非磁性層215を備える。
第2非磁性層215の目的は、第2センス強磁性層212の微細構造を、それをより細かに、あるいはアモルファスにさえするように変えることである。
第2センス強磁性層212のより細かな又はアモルファスでさえある構造は、センス層21の磁気異方性を低減し、したがって、2次元磁場センサにおける低磁場角度誤差を改善する。
図2は、5つの複層要素216を備える第2センス強磁性層212の概略図を示し、各要素は、この順序で、2層の第2強磁性センス層214の間に挟まれた第2非磁性層215を備える。
1実施形態では、センス層21の構造は以下の通りである。
CоFeB1.5Ta0.3/[NiFe2Tax]*5/NiFe2 (1)
ここで、第1センス強磁性層211は厚さ1.5nmのCoFeB合金を含有し、第1非磁性層213は厚さ0.3nmのTa層を備える。第2強磁性センス層214は、厚さ2nmのNiFe合金を備えて、第2非磁性層215は、0.1nmから0.4nmの間で変化する厚さxを有するTa層を備える。
図3は、異方性磁場Hkと第2非磁性層215の厚さとの関係を示すグラフである。異方性磁場Hkは、次の構造、アニールなしのCoFeB1.5/Ta0.3/NiFe12を持つ従来のセンス層21についても報告されている。図3は、第2非磁性層215の厚さが増加するにつれて異方性磁場Hkが減少することを示す。いくつかの実施形態では、センス層21は、240℃を超えるアニーリング温度でアニールされ得る。例えば、センス層21は、310℃のアニーリング温度で90分間アニールされ得る。
図4は、センス層21の構造(1)について、容易軸(0°)及び困難軸(90°)方向で測定された磁気ループを報告している。センス層21はアニールされなかった。特に、図4a及び図4bは、0.3nmの厚さを有する第2非磁性層215の磁気ループを示し、図4cは、0.5nmの厚さを有する第2非磁性層215の磁気ループを示す。図4a及び図4cにおいて、磁気ループは、容易軸で測定され、約2Oeの強制磁場Hcを生成している。図4bでは、困難軸で測定された磁気ループは、約13Oeの異方性磁場Hkを生成している。厚さが0.5nmの第2非磁性層215の場合、Taの第2非磁性層215を介した反強磁性結合が見られる。そのような反強磁性結合を回避するためには、第2非磁性層215の厚さは、0.5nmよりも薄くなければならない。したがって、0.1nmから0.4nmの間の厚さが有利である。1実施形態では、第2非磁性層215の厚さは約0.3nmである。
図5は、構造(1)について、異方性磁場Hkと、第2センス強磁性層212における第2非磁性層215の数との関係を示す。特に、CoFeB合金から作られた第1センス強磁性層211とTa又はMgから作られた第2非磁性層215について報告された異方性磁場Hkが報告されている。第1センス強磁性層211は、約1.5nmの厚さを有し、第2非磁性層215は、約0.2nm又は0.4nmの厚さを有する。第2センス強磁性層212は、約12nmの厚さを有する。センス層21は、磁場の非存在下で90分間、310℃でアニールされる。図5は、第2非磁性層215がTaでできている場合、第2非磁性層215の数を増やすことにより、異方性磁場Hkを低減可能なことを示している。
センス層21のための5層の第2非磁性層215の5層という数は、最低値の異方性磁場Hkを生成し、したがって、最も好ましい構成であるように思われる。第2非磁性層215の数は5を超えてよい。しかしながら、第2非磁性層215の数を増やすと、センス磁化210が減少する傾向がある。
第1センス強磁性層211、第1非磁性層213、第2強磁性センス層214及び第2非磁性層215に他の材料を使用可能であり、これらの層の他の厚さは、本願発明の範囲でいろいろ考えてよい。一般に、第2非磁性層215は、0.1nmから0.4nmの間で変化する厚さを有してよい。より具体的には、第2非磁性層215は、約0.1nm、0.2nm、0.3nm、又は0.4nmの厚さを有し得る。
1変形例では、第1センス強磁性層211は、複層構造を備える。例えば、第1センス強磁性層211は、2層から5層の強磁性層を備え得る。強磁性層211は、CoFe、CoFeB、NiFe合金又は他の任意の適切な強磁性合金を含有し得る。
例えば、第2非磁性層215は、高融点金属を含有し得る。より具体的には、第2非磁性層215は、次の金属、Ta、Zr、W、Ti、Mo、Nb、Hfのうちの1つを単独で又は組み合わせて含有し得る。第2強磁性センス層210はまた、CoFe又はCoFeB合金で製造してよい。一般に、第2強磁性センス層210は、1nmから3nmの間、好ましくは1.1nmから3nmの間、又は1.5nmから5nmの間の厚さを持ち得る。これにより、磁場センサの2次元磁気センシングに必要な、面内磁化方向が保証される。
好ましくは、第2非磁性層215は、Taを備える。Taでできている(又はそれを含有する)第2非磁性層215は、第1センス強磁性層211の平面異方性磁場Hkを低減することを可能にする。
1観点では、第1センス強磁性層211及び第2強磁性センス層214は、高融点金属を含まない強磁性材料でできている。特に、センス強磁性層211及び第2強磁性センス層210は、Ti、V、Cr、Zr、Mn、Nb、Mo、Hf、Tc、Ru、Rh、Ta、W、Re、Os又はIrのいずれも含まない強磁性材料でできている。実際、第1センス強磁性層211及び/又は第2強磁性センス層214におけるそのような高融点金属の存在は、磁場センサの2次元磁気センシングに必要とされる面内磁化方向の代わりに、第1及び第2センス強磁性層211、214の垂直方向を促進する。
例えば、第1センス強磁性層211及び第2強磁性センス層214は、CoFe、CoFeB、NiFeベースの合金又は他の任意の適切な強磁性合金(高融点金属を含まない)で製造してよい。好ましくは、第1センス強磁性層211は、CoFeBベースの合金でできていて、第2強磁性センス層214は、NiFeベースの合金でできている。後者の構成では、異方性磁場をさらに減らせる。
図6は、センス層21の構造(1)について、異方性磁場Hkの値と第2非磁性層215の厚さとの関係を示す。第2センス強磁性層212は、5つの複層要素216を備える。第2非磁性層215はWでできている。この関係は、磁場がない状態で260℃でアニールされているセンス層21について示されている。アニールは、約30分の加熱ランプと、約30分の(260℃で)アニーリングプラトーと、約30分の冷却ランプとを備えてよい(それにより、アニール工程の合計時間は約90分である)。
1実施形態によれば、磁気トンネル接合部2を製造する方法は、堆積ツールを使用して、基準層23、トンネル障壁層22、第1センス強磁性層211、第1非磁性層213、及び第2センス強磁性層212を基板(非図示)上に堆積する工程を備える。第2センス強磁性層212を堆積する工程は、各複層要素について、2層の第2強磁性センス層214の間に第2非磁性層215を順次堆積することを含んで、複数の複層要素216を堆積する工程を備える。
好ましい1実施形態では、各複層要素216は、次の複層要素212の堆積角度とは異なる堆積角度θで堆積される。堆積角度θは、複層要素216が堆積される基板上の基準角度に対して決められてよい。例えば、そのような基準角度は、ウェーハ上のノッチに相当し得る。基準角度は、蒸着ツールで使用される0°方向を決めてよい。図7は、異なる可能な堆積角度θを示す磁気トンネル接合2の上面図を表す。
1変形例では、複数の複層要素216は、堆積角度θを0°及び90°を含んで変化させて連続的に堆積される。
別の1変形例では、複数の複層要素216は、堆積角度θを45°及び135°を含んで変化させて連続的に堆積される。
さらに別の変形例では、複数の複層要素216は、堆積角度θを0°、45°、90°、及び135°を含んで変化させて連続的に堆積される。
堆積角度θを変える工程は、第1センス強磁性層211、トンネル障壁層22、及び基準層23を含む、磁気トンネル接合2の他の層を堆積するときにも使用可能である。
複層要素216を堆積するときに堆積角度θを変化させることにより、平均化が可能になり、センス層21の磁気異方性が減少する。残る可能性のある残留磁気異方性は、第2非磁性層215を導入することによってさらに減少可能である。
いくつかの実施形態では、堆積角度θは一定である場合があり、あるいは堆積角度θは、例えば、磁気トンネル接合層が堆積される基板を連続的に回転させることによって、連続的に変化させる場合がある。
様々な実施形態において、センス層21の構造は、以下のようになる場合がある。
CoFeB0.5/<0>/CoFeB0.5/<90>/CoFeB0.5/Ta0.3/NiFe1/<0>/NiFe1/Ta0.3/
NiFe1/<90>/NiFe1/Ta0.3/NiFe1/<0>/NiFe1/Ta0.3/NiFe1/<90>/NiFe1/Ta0.3/NiFe1/<0>/NiFe1/Ta0.3/NiFe1 (2)
CoFeB0.5/<45>/CoFeB0.5/<135>/CoFeB0.5/Ta0.3/NiFe1/<45>/NiFe1/Ta0.3/
NiFe1/<135>/NiFe1/Ta0.3/NiFe1/<45>/NiFe1/Ta0.3/NiFe1/<135>/NiFe1/Ta0.3/NiFe1/<45>/NiFe1/Ta0.3/NiFe1 (3)
ここで、記号<0>、<45>、<90>、及び<135>は、それぞれ0°、90°、45°、及び135°の堆積角度θに相当する。
センス層21構造の他の構成を考慮してよい。
2 磁気トンネル接合
21 センス層
210 磁化を検知する
211 第1センス強磁性層
212 第2センス強磁性層
213 第1非磁性層
214 第2強磁性センス層
215 第2非磁性層
216 複層要素
22 トンネル障壁層
23 基準層
230 基準磁化231強磁性基準層
232 非磁性基準層
24 固定層
θ 堆積角度
Hc 強制磁場
k 異方性磁場

Claims (18)

  1. 基準層(23)の平面に配向された固定基準磁化(230)を有する基準層(23)と、
    センス強磁性層(21)の平面内で配向可能なセンス磁化(210)を持つセンス強磁性層(21)と、
    センス強磁性層(21)及び基準強磁性層(23)の間のトンネル障壁層(22)と
    を備える磁気トンネル接合(2)を備えて、
    センス強磁性層(21)が、
    トンネル障壁層(22)に接している第1センス強磁性層(211)と、
    第2センス強磁性層(212)と、
    第1センス強磁性層(211)及び第2センス強磁性層(212)の間の第1非磁性層(213)とを備える、2次元外部磁場を検知する磁場センサであって、
    前記第2センス強磁性層(212)が、複数の複層要素(216)を備え、各複層要素(216)は、2層の第2強磁性センス層(214)の間に第2非磁性層(215)を備えていて、
    前記第2センス強磁性層(212)は20nm以下の厚さを持つ
    ことを特徴とする2次元外部磁場を検知する磁場センサ。
  2. 第2センス強磁性層(212)は2層から10層の間の数の複層要素(216)を備える、請求項1に記載の磁場センサ。
  3. 複層構成が5層の複層要素(216)を備える、請求項2に記載の磁場センサ。
  4. 第2強磁性センス層(214)がNiFe合金を含有している、請求項1から3のいずれか一項に記載の磁場センサ。
  5. 第1強磁性センス層(211)がCoFeB合金を含有している、請求項1から3のいずれか一項に記載の磁場センサ。
  6. 第2非磁性層(215)が高融点材を含有している、請求項1から5のいずれか一項に記載の磁場センサ。
  7. 第2非磁性層(215)がTa、Zr、W、Ti、Mo、Nb、Hfの金属の中の単一又は組み合わせを含有している、請求項6に記載の磁場センサ。
  8. 第2非磁性層(215)が0.1nm及び0.4nmの間の値の厚さを持っている、請求項1から7のいずれか一項に記載の磁場センサ。
  9. 第2非磁性層が約0.2nm、約0.3nm、約0.4nmのいずれかの値の厚さを持っている、請求項8に記載の磁場センサ。
  10. 第2強磁性センス層(214)が、1nm及び3nmの間の厚さ、好ましくは1.1nm及び3nmの間の厚さ、又は1.5nm及び5nmの間の厚さを持っている、請求項1から9のいずれか一項に記載の磁場センサ。
  11. 基準層(23)と、トンネル障壁層(22)と、第1センス強磁性層(211)と、第1非磁性層(213)と、第2センス強磁性層(212)とを堆積する工程を備える、請求項1から10のいずれか一項に記載の磁場センサの製造方法において、
    前記第2センス強磁性層(212)を堆積する工程が、
    各複層要素に、2層の第2非磁性層(214)の間に第2非磁性層(215)を連続的に堆積する工程を含む、複数の複層要素(216)を堆積する工程を備えることを特徴とする、前記製造方法。
  12. 各複層要素(216)は、次の複層要素(216)の堆積角度と異なる堆積角度(θ)で基板上に堆積され、
    前記堆積角度は、複層要素(216)が堆積される前記基板上の基準角度に対して決定される、請求項11に記載の磁場センサの製造方法。
  13. 複数の複層要素(216)は、0°及び90°の間の堆積角度(θ)を変えながら連続的に堆積される、請求項12に記載の磁場センサの製造方法。
  14. 240℃超でのアニール工程をさらに備える、請求項11から13のいずれか一項に記載の磁場センサの製造方法。
  15. 前記アニール工程が約90分の間約310℃で実施される、請求項14に記載の磁場センサの製造方法。
  16. 第2非磁性層(215)はTaの1つを備える、請求項1から15のいずれか一項に記載の磁場センサ。
  17. 第1センス強磁性層(211)及び第2強磁性層センス層(214)は、高融点金属の強磁性材を含有していない、請求項1から17のいずれか一項に記載の磁場センサ。
  18. 第2強磁性層センス層(214)がNiFe合金を含有していて、第1強磁性センス層(211)がCoFeB合金を含有している、請求項18に記載の磁場センサの製造方法。
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