JP2019031801A - 高架構造物及びその構築方法 - Google Patents
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Abstract
Description
特許文献2には、橋脚柱を鋼管杭とし、鋼管杭の頂部との接合部は、当該頂部に対して外に嵌るか内に嵌る構造とされている。
一方、地盤に圧入された鋼管杭の片側に移動困難な自然物や人工物があって、その反対の片側にしか十分な空間が無い場合がある。上記接合部と、相対する2方向への張り出す張り出し部とを一体にした場合には、全体が大型化することはもちろん、鋼管杭の片側にしか十分な空間が無い場合に使用できないという問題がある。
前記管状杭の上端は、内円と外円とに囲まれる円環状の端面を構成し、
平面視で前記外部材は、前記外円の外まで一方向に長く張り出した長尺張り出し部を有し、その逆側は前記内円の外まで短く張り出した短尺張り出し部が設けられるか又は前記内円内に収まって形成され、前記架台の重心位置が前記外円より前記一方向側の外に位置し、
前記長尺張り出し部が前記円環状の端面の中心角180度分に満たない一部に載り、
前記短尺張り出し部が設けられる場合、前記短尺張り出し部が前記円環状の端面の中心角180度分に満たない一部に載り、
前記内部材の上端は、前記外部材の前記内円の上方の下面に結合し、
前記内部材は、前記長尺張り出し部が前記円環状の端面に接する部位の直下で前記管状杭の内面に当接する、前記管状杭への挿入長さが比較的短い短尺当接部と、前記短尺当接部の逆側で前記管状杭の内面に当接する、前記管状杭への挿入長さが比較的長い長尺当接部とを有する高架構造物である。
前記短尺張り出し部が設けられる場合、前記短尺張り出し部が前記円環状の端面の中心角90度以下の一部に載る請求項1に記載の高架構造物である。
隣り合う2つの前記架台の前記外部材間に敷設された床版によりステージが構成された請求項1から請求項7のうちいずれか一に記載の高架構造物である。
前記管状杭の上方に前記内部材を配置し、前記長尺張り出し部側を上方にした傾いた姿勢として前記架台を降ろしつつ前記内部材を前記管状杭内に挿入し、その後、前記架台を水平にする架台設置工程と、を備える高架構造物の構築方法である。
前記管状杭の上方に前記内部材を配置し、前記長尺張り出し部側を上にした傾いた姿勢として前記架台を降ろしつつ前記内部材を前記管状杭内に挿入し、その後、前記架台を水平にする架台設置工程と、
隣り合う2つの前記架台の前記外部材間を架橋してステージを構成するステージ構築工程と、を備え、
前記架台設置工程において、隣り合う2つの前記架台の前記外部材の互いの平行又は水平面内で所定の相対角度をとるために、既設の前記架台側から伸ばした2本の介錯棒であって互いに前記外部材の長手方向に離れた位置から延ばしたものによって案内しつつ前記架台を降ろし、既設の前記架台と設置作業中の前記架台との間隔距離であって前記2本の介錯棒により取った距離を前記平行に対応して略等距離にするか又は前記相対角度に対応した互いに異なる所定距離にする高架構造物の構築方法である。
前記管状杭を地盤に圧入する杭圧入工程と、
前記管状杭の上方に前記内部材を配置し、前記架台を降ろしつつ前記内部材を前記管状杭内に挿入する架台設置工程と、
隣り合う2つの前記架台の前記外部材間を架橋してステージを構成するステージ構築工程と、を備え、
前記杭圧入工程の繰り返しの実行により地盤に圧入されて連続した複数の前記管状杭による杭列を延設していくとともに、当該杭列を構成する前記管状杭に対する前記架台設置工程及び前記ステージ構築工程の繰り返しの実行により前記ステージを延設していくにあたり、
前記杭列上を自走可能な杭圧入機と、前記杭列上を自走可能なクレーンとを用い、
前記杭列の延設方向に沿って、前記杭圧入機を先頭に配置し、前記クレーンを前記杭圧入機の後方に配置し、前記クレーンの後方にある前記管状杭に対し前記架台設置工程及び前記ステージ構築工程を実行し、
前記管状杭並びに前記架台及び前記床版を含む資材を、前記ステージ上で運搬するとともに、
前記ステージ上からの前記資材の運搬に前記クレーンを用いて、前記管状杭の前記杭圧入機への受け渡しと、前記架台設置工程と前記ステージ構築工程とを実行する高架構造物の構築方法である。
また、主な資材となる架台の幅は管状杭の内径より小さくでき、管状杭内に挿入される内部材も挿入長さが比較的長い部分は片側で済むから、運搬等に有利な小型軽量性を有する。
本実施形態の高架構造物は、図1から図9等に示すように架台2、突っ張り部材としての連結バー51、ブレース52、床版としての覆工板53、覆工板のずれ止め部材54、鋼管杭1内に凸部を形成する凸部形成部材55等により構成され、複数の鋼管杭1による杭列上に覆工板53を床版としたステージ60を構成するものである。
架台2は、1本の鋼管杭1の上端に支持される。
図1から図6に示すように架台2は、鋼管杭1の上端に載って鋼管杭1外に配置される外部材20と、鋼管杭1の上端開口に挿入され鋼管杭1内に配置される内部材30とからなる。
本実施形態において外部材20は、ベースプレート21と、長さの異なる2本の山留め材22,23の組立て体によって構成されるが、どのような部品構成とするか、一体に構成するか等は任意である。
鋼管杭1は、内円11と外円12とに囲まれる円環状の端面13を構成する。外部材20の部分のうち、鋼管杭1の内円11の外に張り出す部分を張り出し部とする。
外部材20は、平面視で外円12の外まで一方向Y1に長く張り出した長尺張り出し部20Lと、その逆方向Y2側に内円11の外まで短く張り出した短尺張り出し部20Sとを有する。また、長尺張り出し部20Lと、短尺張り出し部20Sとの間の部分を内円直上部20Mとする。内円直上部20Mは内円11の直上に配置される部分である。
これに対し、長尺張り出し部20Lは、ステージ60の大部分を支える部分であり、長く張り出す。
短尺張り出し部20Sより、長尺張り出し部20Lが長く張り出すことで、架台2の重心Gの位置が鋼管杭1の外円12より一方向Y1側の外に位置していることを条件とする。これにより、内部材30を鋼管杭1の内側に安定的に固定するためのモーメントMを生み出す。
内部材30は、短尺当接部30Sと、長尺当接部30Lとを有する。
短尺当接部30Sは、長尺張り出し部20Lが円環状の端面13に接する部位の直下で鋼管杭1の内周面11aに当接し、鋼管杭1への挿入長さが比較的短い部分である。短尺当接部30Sは、モーメントMにより押し下げられるので、モーメントMによって浮き上がって鋼管杭1内から外れることはないので、鋼管杭1への挿入長さが短くてよい。振動等によって外れない程度、また、当接面32の上下方向の寸法が十分に取れる程度に構成される。
長尺当接部30Lは、短尺張り出し部20Sが円環状の端面13に接する部位の直下で鋼管杭1の内周面11aに当接し、鋼管杭1への挿入長さが比較的長い部分である。長尺当接部30Lは、モーメントMにより浮き上がろうとするので、鋼管杭1内から外れないように長くする。長尺当接部30Lの当接面34aは、短尺当接部30Sより下方に設けられる。長尺当接部30Lが長く、その当接面34aが鋼管杭1の上端から深い位置に配置されることによって、自重のモーメントMや、ステージ60上に載置される重量物によるモーメントにより、当接面34aから内周面11aに与えられる押圧力が小さくなり、鋼管杭1の変形が抑えられるとともに、長尺当接部30Lが鋼管杭1内から外れない。
長尺当接部30Lは、支持フレーム33と、支持フレーム33の下端部に着脱される後方アタッチメント34により構成されている。当接面34aは後方アタッチメント34により形成されている。支持フレーム33の上面はベースプレート21の逆方向Y2側部21bと一体に結合している。
図5に示すように、鋼管杭1の径に対応し異なる前方アタッチメント31を構成しておき、付け替えることで径の異なる鋼管杭1に対応する。すなわち、異なる種類の前方アタッチメント31では、当接面32の曲率及び取り付けた時の当接面32の位置が異なり、これを交換することで異なる径の鋼管杭1に対応する。また、当接面34aの曲率を変えることは、後方アタッチメント34の交換により可能である。
このように架台2を傾いた姿勢として降ろしつつ、内部材30を鋼管杭1内に挿入するので、予め鋼管杭1の内周面11aに溶接しておいた凸部形成部材55に、後方アタッチメント34を引っ掛けて、架台2の逆方向Y2側端部の浮き上がりを防止した構造とすることができる。すなわち、凸部形成部材55は、当接面34aより上方における支持フレーム33と内周面11aとの間の隙間14に入り込み、長尺当接部30Lの当接面34aを構成する部材である後方アタッチメント34の上面34bに引っ掛かる下面55bを有する。
後方アタッチメント34の上面34bは、凸部形成部材55の下面55bに当接する。鋼管杭1には寸法誤差があるので、本実施形態に拘わらず当接面34aと内周面11aとに隙間があるように設計し、端面13と下面55bとのZ軸方向距離を精度よく構成することで、鋼管杭1の内径に寸法誤差があっても鋼管杭1の上端に架台2を精度よく水平に保持することができる。このように内周面11aのほか、凸部形成部材55の下面55bも、長尺当接部30Lが当接する鋼管杭1の内面となり得、鋼管杭1の内面に当接する長尺当接部30Lの当接面は、上面34bのみとなる場合があってもよい。
なお、凸部形成部材55は、図20に示すように中心角180度に満たない程度の円弧状の部材で、内周面11aに溶接されている。したがって、架台設置工程の他の実行方法として、架台2を水平にしたまま、後方アタッチメント34が凸部形成部材55に縦方向Zに重ならない中心軸O回りの角度にして、内部材30を鋼管杭1内に挿入した後、架台2を中心軸O回りに回動させて、後方アタッチメント34が凸部形成部材55の下に入り込むようにしても、架台2の設置が可能である。
前方アタッチメント31が着脱可能とされており、図5(a)に示すように径の異なる鋼管杭1に対応してサイズ、形状が異なる複数種の前方アタッチメント31を構成しておき、前方アタッチメント31を異なる種類に交換することで、例えば、φ800からφ1200の鋼管杭1の径の違いに対応することができる。これにより、短尺当接部30Sと長尺当接部30Lとによる鋼管杭1の内径への嵌合幅、すなわち、当接面32から当接面34aまでの寸法が調整可能である。
また、後方アタッチメント34が着脱可能である。後方アタッチメント34の固定ボルトにシム(スペーサー)を噛ませ、当該シム(スペーサー)の総厚を選択することで、さらに上記嵌合幅を微調整可能である。例えば、外径が共通で厚みの異なる鋼管杭は、内径に微小差が生じるから、このような鋼管杭に対応して調整できる。
ステージ60は、作業足場や、資材の運搬や仮置き場所、作業機械の走行や設置場所、その他用途問わず通路などに使用できる。
ステージ60は、図7,図8に示すように互いに側方に施工された2本の鋼管杭1,1の上端に固定された架台2を2以上有する場合において、隣り合う2つの架台2,2の外部材20,20間に架設された覆工板53により構成される(図2(b),図3,図12等参照)。本実施形態では、覆工板53を外部材20,20の間に架設しているが、外部材20,20の間の距離に対して覆工板53の長さが足りない場合などにあっては、外部材20,20の間に鋼材を架設して、その鋼材の上に覆工板53を敷設してもよい(覆工板53の長手方向もY1−Y2方向にするなどしてもよい。)。すなわち、隣り合う2つの架台の外部材20,20間を架橋してステージ60を構成すればよいので、外部材20,20間を架橋する部材(外部材20,20間に架設される部材)は問わない。外部材20,20間を架橋する部材(外部材20,20間に架設される部材)は、覆工板53であってもよいし、他の部材であってもよいし、覆工板53と他の部材のそれぞれであってもよい。
なお、隣り合う2つの架台2,2を支持する鋼管杭1,1の間に、他の鋼管杭(架台2が設置されない鋼管杭)が有ってもよいし、本実施形態のように1本または2本以上の鋼管杭を圧入できる空間が空いていてもよい。
さらに補強(水平繋ぎ材)として連結バー51及びブレース52が用いられている。
隣り合う2つの架台2,2の外部材20,20は、互いに平行に配置される。
連結バー51は、外部材20,20の長尺張り出し側(一方向Y1側)の先端部間に架設され、その長手方向の圧縮荷重に耐えるように連結される。
ブレース52,52により、2本の外部材20,20を1組の対辺とした四辺形の対角線上に連結し、ブレース52,52に引張力を負荷する。
以上により、2本の鋼管杭1,1の上端に連結して組まれた2本の架台2,2と、連結バー51と、2本のブレース52,52とによる四辺形の組立て体は、組立て応力が与えられて強固になる。
連結バー51は、長尺張り出し側(一方向Y1側)の先端部間のみならず、その逆端部(逆方向Y2側端部)間にも架設してもよい。なおさら補強が強固になる。
また、覆工板のずれ止め部材54が、一方向Y1側端部と、逆方向Y2側端部にそれぞれ架設して取り付けられる。図3等に示すように両側のずれ止め部材54,54の間に覆工板53が敷設される。
ずれ止め部材54をも、突っ張り部材としての材料強度や、架台2との連結部の連結強度を有するように構成したり、連結バー51とずれ止め部材54が一体になっている構成など、適宜変更して実施してもよい。
次に、改めて本実施形態の高架構造物の構築方法につき説明する。
(構築方法の説明1)
まず、本実施形態の高架構造物の構築方法につき、図9に示す作業風景図を参照して説明する。
図9に示すように、杭圧入引抜機70による鋼管杭1を地盤に圧入する杭圧入工程を、圧入位置を移動しつつ繰り返し実行していくことで、鋼管杭1,1,1・・・による杭列を延設していく。
図9に示すのは、自走用アダプタ73を用いて杭列を杭の直径以上の間隔を空けて施工する工法であり、自走用アダプタ73を既設の鋼管杭1の上端に固定し、杭圧入引抜機70は自走用アダプタ73上を渡るようにして、杭圧入引抜機70による通常の杭圧入ピッチに対して1本以上飛ばして鋼管杭1を圧入するものである。自走用アダプタ73には、杭圧入引抜機70のクランプで把持可能な孔部が通常の杭圧入ピッチに対応して複数設けられており、自走用アダプタ73同士も連結するので、杭圧入引抜機70は複数のクランプにより自走用アダプタ73の孔部を掴み安定することができる。結果的に鋼管杭1とその隣の鋼管杭1との間に鋼管杭1の直径以上の隙間が生じ、鋼管杭1,1,1・・・による杭列のピッチを大きくすることできる。そのため、工期を短縮することができ、必要な長さのステージ60をより短期に構築することができる。
また、凸部形成部材55の鋼管杭1に対する周方向の設置位置は、鋼管杭1の外観上確認できる目印と既知の相対角をもった角度としておくことが好ましい。例えば、図20に示す凸部形成部材55の中心線55aと鋼管杭1の外周面とが交わる位置の外周面に塗料や溶接部材などによる目印を付ける。杭圧入引抜機70は、鋼管杭1をその中心軸回りに回転させることができるので、杭圧入引抜機70により鋼管杭1を回転させて、目印の位置(中心線55aの位置)を、逆方向Y2に向けておく。
また図9に示すようにステージ60上には、パワーユニット72に並列して鋼管杭1が置かれている。このようにステージ60上でクレーン71の近くにパワーユニット72を置いても、同じくステージ60上で鋼管杭1をクレーン71の近くまで運搬することができる。したがって、クレーン作業半径を最大に利用することが可能であり、作業半径が近くなるので吊り荷重を大きくでき、従って鋼管杭長を長くすることができる(継杭の場合、継ぎ箇所を減らすことができる)。よって、施工の日進量が上がるメリットがある。
ステージ60上からの上記資材の運搬にクレーン71を用いて、鋼管杭1の杭圧入引抜機70への受け渡しと、上記架台設置工程と上記ステージ構築工程とを実行する。これにより効率的な作業が可能である。
図9に示すように鋼管杭1により杭列の片側に建物などの容易に動かせないものがある場合にも、その反対側(図9では河川Kの中央側)にステージ60を張り出して構築し、作業足場等を確保することができる。
また、ステージ60上は、クローラーその他の作業車両や運搬車両が走行可能であるので、杭圧入引抜機70及びクレーン71が不要となって撤去された後でも前でも、それらの車両をステージ60上に乗り入れたり、またステージ60上を作業足場としたり、資材や工具、作業機の置き場として使用したりすることで、構築物の後工程や周辺の造成作業等を容易に行うことができ、杭圧入作業中及びその後においてステージ60は有効に利用できものである。
また、架台2まで外した鋼管杭1の地盤から突出した上端部を切断して撤去する作業なども行える。X方向先頭のステージ60の一単位を撤去した後、それを支持していた鋼管杭1の上端部を切断し、未だ撤去されていない後方のステージ60上に配置されたクローラークレーンで吊り上げてその切断した上端部を運び出すことができる。また、鋼管杭1を撤去する場合は、杭圧入引抜機70を引抜き、同様にステージ60上を使って運び出すことができる。
以上のようにして作業足場や、通路などとしてステージ60を使用することができる。
次に、本実施形態の高架構造物の構築方法につき、工程図を参照して説明する。
図10には、介錯棒80を示し、図11から図19に工程図を示す。
図10に示すように介錯棒80は、先端連結部81と、その逆端に持ち手部82を有した棒状の部材であり、持ち手部82寄りに尺取用の長孔83を有する。介錯棒80は、クレーンで吊られた架台2の向きなどを操るための介錯棒として、また隣り合う架台2、2間の距離を一定量とるものとして使用できるように構成されたものである。
最初の鋼管杭に架台2を所定の張り出し方向に設置した後において、設置作業中の架台2の隣りの架台2(既設の架台)の所定位置に予め位置決めポール91を立てておき、2本の介錯棒80のそれぞれの尺取用の長孔83に位置決めポール91を挿入する。これにより、隣り合う2つの架台2,2の外部材20,20の互いの平行度が確保される。
さらに、長孔83に対する位置決めポール91の位置を2本の介錯棒80で合わせることにより、平行度を高めることができる。
長孔83に代えて、位置決めポール91に遊び無く嵌る丸孔とすると、誤差を許容できずに架台2を鋼管杭1に設置できないか、架台2を鋼管杭1に無理に設置すると位置決めポール91を傾倒してしまい、結局正確に尺が取れないので、長孔83とすることが好ましい。すなわち、介錯棒80の長手方向に長い長孔83を適用する。
また、長孔83の目盛りを付けるなどさらに工夫してもよい。長孔83を排して目盛りのみにしても実施できるが、作業者による人的ミスが生じやすく、長孔83の方が楽な作業で一定の正確さを確保しやすい。
なお、外部材20,20の互いの平行をとる場合(直線施工の場合)、外部材20,20の水平面内で所定の相対角度をとる場合(カーブ施工の場合)、2本の介錯棒80、80により取る距離をその相対角度に対応した互いに異なる所定距離にすればよい。したがって、2本の介錯棒としても、その相対角度をとるために適合したものを事前に製作しておく。
この時、連結バー51は伸縮して両端間の距離(スパン)を変えるスパン調整部51bがあるので、スパン調整部51bの固定を解除しておく。
スパン調整部51bでスパンを調整し、決まったらスパン調整部51bを固定する(すなわち、連結バー51のスパンを固定する)。
その後、ボルトで連結バー51の両端を架台2,2に締結する。
次に残りの一枚の覆工板を設置する。
以上でステージ60の床部分は完成するが、さらに手摺りを覆工板53に固定するなど必要な工程を行う。
次に、本実施形態の高架構造物の構築方法につき、図22から図28の工程図を参照して説明する。
このような場合、次の2つの問題がある。
一つは、杭圧入引抜機70及びクレーン71が占有する鋼管杭1A−1Gにステージ60を延設できないこと。
他の一つは、杭圧入引抜機70及びクレーン71をどうやって撤去するかということ。
まず、要点としては、クレーン71の後方の覆工板53及び架台2(補強、補助具を含む。以下同様)を取り外す第1ステップと、杭圧入引抜機70及びクレーン71を後進させる第2ステップと、杭圧入引抜機70の前方にある鋼管杭1に対し架台設置工程及びステージ構築工程を実行する第3ステップとを、第1ステップ、第2ステップ、第3ステップの順で繰り返し実行する。
次に図を参照して説明する。なお、自走用アダプタ73を使用していない場合は自走用アダプタ73に関する部分が不要である。
次に図24に示すように杭圧入引抜機70より前方の鋼管杭1Bに保持されている自走用アダプタ73を取り外し、鋼管杭1Hに取り付ける。
次に図25に示すように鋼管杭1Aに架台設置工程を実行する。
次に図26に示すように杭圧入引抜機70及びクレーン71を後進させるとともに、鋼管杭1Iに支持される覆工板53及び架台2を取り外し、さらに杭圧入引抜機70より前方の鋼管杭1Cに保持されている自走用アダプタ73を取り外し、鋼管杭1Iに取り付け、さらに鋼管杭1Bに架台設置工程を実行する。なお、介錯棒80を用いた作業者90による作業は、杭圧入引抜機70に付属の足場から行い、杭圧入引抜機70を基準に架台2の張り出し方向は測ることができる。杭圧入引抜機70の前方側にもステージ60ができた後は、その前方のステージ60上から後方向きに介錯棒80を延ばして行うことができる。
次に図27に示すように鋼管杭1A−1B間にステージ構築工程を実行する。
さらに、以上の後方ステージの取り外し(第1ステップ)、後進(第2ステップ)、前方ステージの構築(第2ステップ)を繰り返し実行していき、杭圧入引抜機70及びクレーン71が杭列から退去する頃には、杭列の端から端までステージ60を構築できる。
以上により、先頭の鋼管杭1Aまでステージ60を延設できるとともに杭圧入引抜機70及びクレーン71を撤去することができる。また、本実施形態の架台2等による高架構造物は、構築、撤去が短時間にできるので、以上の杭圧入引抜機70及びクレーン71の一定距離の後進にかかる時間を比較的短時間に抑えることができる。
以上の実施形態によれば、鋼管杭1に対して片側へ張り出した高架構造物を構築することができる。但し、図21に示すように、鋼管杭1の縦割りの半身ずつに挿入される架台2Bを構成し、互いに反対向きにした架台2B,2Bにより両側に張り出す梁を構成できる。
また以上の実施形態によれば、架台2の設置が容易であり短時間で高架構造物を構築、撤去できる。
また以上の実施形態によれば、内部材30は鋼管杭1の内側に360度で嵌る必要がなく、挿入長さが長い部分は長尺当接部30Lだけで済み、さらに本実施形態のように架台2の幅は管状杭(1)の内径より小さくできるから、架台2を運搬等に有利な小型軽量性を有したものとすることができる。
なお、凸部形成部材55を適用せずに実施することも可能である。その場合、当接面34aの上下方向Zの寸法を長くして、後方アタッチメント34の上端をベースプレート21に近づけてもよいが、図1のように傾けて内部材30を鋼管杭1内に挿入しやすくするためにベースプレート21の下部分に隙間14(図2参照)を残しておく。また、内部材30(支持フレーム33)の下端が細くなっていることも、内部材30を鋼管杭1内に挿入しやすくしている。
しかしながら、短尺張り出し部20Sを設けておくと、架台設置工程における図1(b)に示す段階で、短尺張り出し部20Sの下面が鋼管杭1の上端に当接すると、そこを支点に架台2を水平に戻す回転を始めることができる。この回転をするとき架台2はクレーンにより支持されているから、短尺張り出し部20Sから鋼管杭1に大きな荷重がかかるわけではない。一方、架台2の設置が完了してしまうと、短尺張り出し部20Sから鋼管杭1への荷重負荷はほとんど無い。したがって、上記支点として機能させるために短尺張り出し部20Sを設けるとしても、平面視で短尺張り出し部20Sの面積は、上記支点として機能させるために十分な範囲で至極小さいものでもよい。短尺張り出し部20Sは図示したものに限らず、長尺張り出し部20Lの張り出し方向Y1に対して真反対の方向を含んで張り出すものに限らず、当該真反対の方向に対して例えば30度から60度程度の側方に2つに分けて配置してもよい。この場合でも上記支点として機能するからである。
また、覆工板53が外部材20,20の間に架設される場合は、覆工板53を剛性や連結強度等を確保した上で水平繋ぎ材として使用してもよい。その他、水平繋ぎ材としては、外部材20,20間を繋いで必要な剛性、強度等を確保できるものであればいかなるものであってもよい。
図29に示すように連結バー51Bが、外部材20,20間に連結プレート51Cを介して連結される。連結バー51Bの両端がそれぞれ連結プレート51Cを介して外部材20に連結される。連結プレート51Cは、外部材20の上面より上に延び出しており、覆工板53の上面より上方の位置で連結バー51Bと連結する。
図30(a)に示すように連結バー51Bを下降させていき、図30(b)に示すように、連結プレート51Cに連結バー51Bを支持させた上で、連結プレート51Cと連結バー51Bとをボルトで締結する。この作業が、覆工板53の上面より上方の位置で行うことができるため、作業が容易かつ安全である。なお、連結プレート51Cは、架台設置工程前に予め架台2の外部材20の長尺張り出し側(一方向Y1側)の先端部に固定しておく。
2 架台
11 内円
11a 内周面
12 外円
13 円環状の端面
14 隙間
20 外部材
20L 長尺張り出し部
20S 短尺張り出し部
21 ベースプレート
30 内部材
30L 長尺当接部
30S 短尺当接部
31 前方アタッチメント
32 当接面
33 支持フレーム
34 後方アタッチメント
34a 当接面
51 連結バー
52 ブレース
53 覆工板
54 覆工板のずれ止め部材
55 凸部形成部材
60 ステージ
70 杭圧入引抜機
71 クレーン
72 パワーユニット
73 自走用アダプタ
80 介錯棒
81 先端連結部
83 尺取用の長穴
90 作業者
91 位置決めポール
G 架台の重心
K 河川
M 架台の自重モーメント
Claims (13)
- 管状杭の上端に載って前記管状杭外に配置される外部材と、前記管状杭の上端開口に挿入され前記管状杭内に配置される内部材とからなる架台を備え、
前記管状杭の上端は、内円と外円とに囲まれる円環状の端面を構成し、
平面視で前記外部材は、前記外円の外まで一方向に長く張り出した長尺張り出し部を有し、その逆側は前記内円の外まで短く張り出した短尺張り出し部が設けられるか又は前記内円内に収まって形成され、前記架台の重心位置が前記外円より前記一方向側の外に位置し、
前記長尺張り出し部が前記円環状の端面の中心角180度分に満たない一部に載り、
前記短尺張り出し部が設けられる場合、前記短尺張り出し部が前記円環状の端面の中心角180度分に満たない一部に載り、
前記内部材の上端は、前記外部材の前記内円の上方の下面に結合し、
前記内部材は、前記長尺張り出し部が前記円環状の端面に接する部位の直下で前記管状杭の内面に当接する、前記管状杭への挿入長さが比較的短い短尺当接部と、前記短尺当接部の逆側で前記管状杭の内面に当接する、前記管状杭への挿入長さが比較的長い長尺当接部とを有する高架構造物。 - 前記長尺張り出し部が前記円環状の端面の中心角90度以下の一部に載り、
前記短尺張り出し部が設けられる場合、前記短尺張り出し部が前記円環状の端面の中心角90度以下の一部に載る請求項1に記載の高架構造物。 - 前記短尺当接部より下方に前記長尺当接部の当接面が設けられ、同当接面より上方においては前記管状杭の内面と前記長尺当接部との間に隙間が設けられる請求項1又は請求項2に記載の高架構造物。
- 前記隙間に入り込み、前記長尺当接部の当接面を構成する部材の上面に引っ掛かる下面を有した凸部を前記管状杭の内面に形成する凸部形成部材を有する請求項3に記載の高架構造物。
- 前記短尺当接部の当接面及び前記長尺当接部の当接面は、前記管状杭の内径より小さい径の部分円筒面状に形成されている請求項1から請求項4のうちいずれか一に記載の高架構造物。
- 前記短尺当接部の当接面を構成する部材及び前記長尺当接部の当接面を構成する部材のうち少なくともいずれか一方は、前記短尺当接部と前記長尺当接部とによる前記管状杭の内径への嵌合幅が調整可能となるように着脱可能とされている請求項1から請求項5のうちいずれか一に記載の高架構造物。
- 前記架台の幅は前記管状杭の内径より小さい請求項1から請求項6のうちいずれか一に記載の高架構造物。
- 互いに側方に施工された2本の前記管状杭の上端に固定された前記架台を2以上有し、
隣り合う2つの前記架台の前記外部材間を架橋してステージが構成された請求項1から請求項7のうちいずれか一に記載の高架構造物。 - 隣り合う2つの前記架台の前記外部材は、互いに平行に又は水平面内で所定の相対角度を有して配置され、水平繋ぎ材を介して連結されている請求項8に記載の高架構造物。
- 請求項1から請求項9のうちいずれか一に記載の高架構造物を構築する構築方法であって、
前記管状杭の上方に前記内部材を配置し、前記長尺張り出し部側を上方にした傾いた姿勢として前記架台を降ろしつつ前記内部材を前記管状杭内に挿入し、その後、前記架台を水平にする架台設置工程と、を備える高架構造物の構築方法。 - 請求項8又は請求項9に記載の高架構造物を構築する構築方法であって、
前記管状杭の上方に前記内部材を配置し、前記長尺張り出し部側を上にした傾いた姿勢として前記架台を降ろしつつ前記内部材を前記管状杭内に挿入し、その後、前記架台を水平にする架台設置工程と、
隣り合う2つの前記架台の前記外部材間を架橋してステージを構成するステージ構築工程と、を備え、
前記架台設置工程において、隣り合う2つの前記架台の前記外部材の互いの平行又は水平面内で所定の相対角度をとるために、既設の前記架台側から伸ばした2本の介錯棒であって互いに前記外部材の長手方向に離れた位置から延ばしたものによって案内しつつ前記架台を降ろし、既設の前記架台と設置作業中の前記架台との間隔距離であって前記2本の介錯棒により取った距離を前記平行に対応して略等距離にするか又は前記相対角度に対応した互いに異なる所定距離にする高架構造物の構築方法。 - 請求項8又は請求項9に記載の高架構造物を構築する構築方法であって、
前記管状杭を地盤に圧入する杭圧入工程と、
前記管状杭の上方に前記内部材を配置し、前記架台を降ろしつつ前記内部材を前記管状杭内に挿入する架台設置工程と、
隣り合う2つの前記架台の前記外部材間を架橋してステージを構成するステージ構築工程と、を備え、
前記杭圧入工程の繰り返しの実行により地盤に圧入されて連続した複数の前記管状杭による杭列を延設していくとともに、当該杭列を構成する前記管状杭に対する前記架台設置工程及び前記ステージ構築工程の繰り返しの実行により前記ステージを延設していくにあたり、
前記杭列上を自走可能な杭圧入機と、前記杭列上を自走可能なクレーンとを用い、
前記杭列の延設方向に沿って、前記杭圧入機を先頭に配置し、前記クレーンを前記杭圧入機の後方に配置し、前記クレーンの後方にある前記管状杭に対し前記架台設置工程及び前記ステージ構築工程を実行し、
前記管状杭並びに前記架台及び前記床版を含む資材を、前記ステージ上で運搬するとともに、
前記ステージ上からの前記資材の運搬に前記クレーンを用いて、前記管状杭の前記杭圧入機への受け渡しと、前記架台設置工程と前記ステージ構築工程とを実行する高架構造物の構築方法。 - 所望の延設距離の前記ステージを前記クレーンの後方に構築した後、前記クレーンの後方の前記床版及び前記架台を取り外す第1ステップと、前記杭圧入機及び前記クレーンを後進させる第2ステップと、前記杭圧入機の前方にある前記管状杭に対し前記架台設置工程及び前記ステージ構築工程を実行する第3ステップとを、当該第1ステップ、当該第2ステップ、当該第3ステップの順で繰り返し実行する請求項12に記載の高架構造物の構築方法。
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