本発明者は、フォトレジスト組成物中に特定のブロックコポリマーを組み込むことにより帯域外放射線の悪影響が低減され得ると決定した。ブロックコポリマーは、帯域外吸収性モノマー及び塩基溶解度向上モノマー由来の繰り返し単位を有する第1のブロックと、低表面エネルギーを有する第2のブロックと、を含む。フォトレジストランダムコポリマー及びブロックコポリマーを含むフォトレジスト組成物が基材上にコーティングされ、乾燥すると、ブロックコポリマーは、ランダムコポリマーから自己分離し、帯域外放射線を効果的にブロックする上層を形成する。
本明細書で使用される場合、用語「(メタ)アクリル酸塩」は、アクリル酸塩またはメタクリル酸塩を意味する。
本明細書で使用される場合、用語「ヒドロカルビル」は、それのみで使用されるか、または接頭辞、接尾辞、もしくは別の用語の一部として使用されるかに関わらず、「置換ヒドロカルビル」と具体的に明示されない限り、炭素及び水素のみを含有する残渣を指す。ヒドロカルビル残渣は、脂肪族もしくは芳香族、直鎖、環状、二環性、分岐状、飽和、または不飽和であり得る。それは、脂肪族、芳香族、直鎖、環状、二環性、分岐状、飽和、及び不飽和の炭化水素部分の組み合わせも含有し得る。ヒドロカルビル残渣が置換されていると記載される場合、それは、炭素及び水素に加えてヘテロ原子を含有し得る。
別途明示されない以外、用語「置換された」は、ハロゲン(即ち、F、Cl、Br、I)、ヒドロキシル、アミノ、チオール、カルボキシル、カルボン酸塩、エステル(アクリル酸塩、メタクリル酸塩、及びラクトンを含む)、アミド、ニトリル、硫化物、二硫化物、ニトロ、C1−18アルキル、C1−18アルケニル(ノルボルネニル及びアダマンチルを含む)、C1−18アルコキシル、C2−18アルケノキシル(ビニルエーテルを含む)、C6−18アリール、C6−18アリールオキシル、C7−18アルキルアリール、またはC7−18アルキルアリールオキシルなどの少なくとも1つの置換基を含むことを意味する。
本明細書で使用される場合、用語「フッ素化された」は、基に組み込まれた1つ以上のフッ素原子を有することを意味することが理解されよう。例えば、C1−18フルオロアルキル基が示される場合、フルオロアルキル基は、1個以上のフッ素原子、例えば単一のフッ素原子、2個のフッ素原子(例えば、1,1−ジフルオロエチル基として)、3個のフッ素原子(例えば、2,2,2−トリフルオロエチル基として)、または炭素の各自由原子価におけるフッ素原子(例えば、−CF3、−C2F5、−C3F7、または−C4F9などのペルフルオロ化基として)を含み得る。
本明細書で使用される場合、用語「アルキル」は、線状アルキル、分岐状アルキル、環状アルキル、ならびに線状、分岐状、及び環状基の2つの方法及び3つの方法による組み合わせを組み合わせたアルキル基を含む。アルキル基は、非置換または置換であり得る。アルキル基の具体例には、メチル、エチル、1−プロピル、2−プロピル、シクロプロピル、1−ブチル、2−ブチル、2−メチル−1−プロピル、第三級ブチル、シクロブチル、1−メチルシクロプロピル、2−メチルシクロプロピル、1−ペンチル、2−ペンチル、3−ペンチル、2−メチル−1−ブチル、3−メチル−1−ブチル、2−メチル−2−ブチル、3−メチル−2−ブチル、2,2−ジメチル−1−プロピル(ネオペンチル)、シクロペンチル、1−メチルシクロブチル、2−メチルシクロブチル、3−メチルシクロブチル、1,2−ジメチルシクロプロピル、2,2−ジメチルシクロプロピル、2,3−ジメチルシクロプロピル、1−ヘキシル、2−ヘキシル、3−ヘキシル、2−メチル−1−ペンチル、3−メチル−1−ペンチル、4−メチル−1−ペンチル、2−メチル−2−ペンチル、4−メチル−2−ペンチル、2−メチル−3−ペンチル、3−メチル−2−ペンチル、3−メチル−3−ペンチル、2,2−ジメチル−1−ブチル、3,3−ジメチル−1−ブチル、3,3−ジメチル−2−ブチル、2,3−ジメチル−1−ブチル、2,3−ジメチル−2−ブチル、1,2,2−トリメチルシクロプロピル、2,2,3−トリメチルシクロプロピル、(1,2−ジメチルシクロプロピル)メチル、(2,2−ジメチルシクロプロピル)メチル、1,2,3−トリメチルシクロプロピル、(2,3−ジメチルシクロプロピル)メチル、2,2−ジメチルシクロブチル、2,3−ジメチルシクロブチル、(1−メチルシクロブチル)メチル、1,2−ジメチルシクロブチル、2,3−ジメチルシクロブチル、(2−メチルシクロブチル)メチル、1,3−ジメチルシクロブチル、2,4−ジメチルシクロブチル、(3−メチルシクロブチル)メチル、1−メチルシクロペンチル、2−メチルシクロペンチル、シクロペンチルメチル、シクロヘキシル、1−ノルボルニル、2−ノルボルニル、3−ノルボルニル、1−アダマンチル、2−アダマンチル、オクタヒドロ−1−ペンタレニル、オクタヒドロ−2−ペンタレニル、オクタヒドロ−3−ペンタレニル、オクタヒドロ−1−フェニル−1−ペンタレニル、オクタヒドロ−2−フェニル−2−ペンタレニル、オクタヒドロ−1−フェニル−3−ペンタレニル、オクタヒドロ−2−フェニル−3−ペンタレニル、デカヒドロ−1−ナフチル、デカヒドロ−2−ナフチル、デカヒドロ−3−ナフチル、デカヒドロ−1−フェニル−1−ナフチル、デカヒドロ−2−フェニル−2−ナフチル、デカヒドロ−1−フェニル−3−ナフチル、及びデカヒドロ−2−フェニル−3−ナフチルが含まれる。
一実施形態は、フッ素置換エステル基を排除する帯域外吸収性モノマー及び塩基溶解度向上モノマー由来の繰り返し単位を有する第1のブロックと、1平方メートル当たり15〜34ミリジュールの表面エネルギーを有する第2のブロックと、を含むブロックコポリマーであり、このブロックコポリマーから流涎されたフィルムが、150〜400ナノメートルの範囲の波長で0.1〜0.5の消衰係数kを有する。
第1のブロックは、帯域外吸収性モノマー由来の繰り返し単位を含む。本明細書で使用される場合、用語「帯域外吸収性モノマー」は、フォトレジストを露光することが意図される放射線よりも長い波長で放射線を吸収するモノマーを意味する。例えば、露光デバイスが13.5ナノメートルの波長で極端紫外線放射線を使用する場合、波長範囲150〜400ナノメートル、具体的には190〜300ナノメートルで紫外線放射線を吸収するモノマーは、帯域外吸収性モノマーであるであろう。「帯域外吸収性モノマー」は、範囲150〜400ナノメートルの吸光度を有するコポリマーを提供する。具体的には、ブロックコポリマーから流涎されたフィルムが、150〜400ナノメートルの範囲の波長(即ち、少なくとも1つの波長)で0.1〜0.5の消衰係数kを有する。いくつかの実施形態において、範囲150〜400ナノメートルにおける消衰係数kの最大値は、0.1〜0.5である。消衰係数kは、範囲150〜400ナノメートルにおけるいくつかの波長で0.1未満及びさらにはゼロになり得ることが理解されよう。帯域外吸収性モノマーは、フッ素置換エステル基を排除する。いくつかの実施形態において、帯域外吸収性モノマーは、フッ素を含まない非置換もしくは置換C6−C18アリール基、非置換もしくは置換C2−C17ヘテロアリール基、C5−C12ジエノン基、またはそれらの組み合わせを含む。
いくつかの実施形態において、帯域外吸収性モノマーは、以下の構造を有し、
式中、R1は、水素またはメチルであり、nは、0、1、2、3、または4であり、Ar1は、非置換または置換C6−C18アリール基であるが、置換C6−C18アリール基がフッ素を含まないことを条件とする。
帯域外吸収性モノマーの具体例には、
及びそれらの組み合わせが含まれる。
第1のブロックは、第1のブロック中の繰り返し単位の総モルに基づいて、10〜90モルパーセントの量で帯域外吸収性モノマー由来の繰り返し単位を含み得る。この範囲内で、帯域外吸収性モノマー由来の繰り返し単位の含有量は、20〜80モルパーセント、具体的には30〜70モルパーセントであり得る。
ブロックコポリマーは、ブロックコポリマー中の繰り返し単位の総モルに基づいて、5〜70モルパーセントの量で帯域外吸収性モノマー由来の繰り返し単位を含み得る。この範囲内で、帯域外吸収性モノマー由来の繰り返し単位の含有量は、10〜60モルパーセント、具体的には20〜50モルパーセントであり得る。
帯域外吸収性モノマー由来の繰り返し単位に加えて、第1のブロックは、塩基溶解度向上モノマー由来の繰り返し単位を含む。塩基溶解度向上モノマーの分類には、酸不安定(メタ)アクリル酸エステル、塩基不安定(メタ)アクリル酸エステル、2〜12のpKaを有する基で置換された(メタ)アクリル酸エステル、及びそれらの組み合わせが含まれる。
いくつかの実施形態において、塩基溶解度向上モノマーは、第三級(メタ)アクリル酸エステルを含む。第三級(メタ)アクリル酸エステルには、例えば、
及びそれらの組み合わせが含まれる。
酸不安定(メタ)アクリル酸エステルには、アセタール及び/またはケタール基で置換された(メタ)アクリル酸エステルがさらに含まれる。かかるモノマーには、例えば、
及びそれらの組み合わせが含まれる。
塩基不安定(メタ)アクリル酸エステルには、例えば、
及びそれらの組み合わせなどのラクトン置換モノマーが含まれる。
2〜12のpKaを有する基で置換された(メタ)アクリル酸エステルには、カルボン酸、フェノール、アリールスルホン酸、フタルイミド、スルホンアミド、スルホンイミド、及びアルコールで置換された(メタ)アクリル酸エステルが含まれる。当業者であれば、これらの酸性官能基のうちの1つを含む特定の種が2〜12の範囲のpKa値を有するかどうかを容易に決定することができる。2〜12のpKaを有する基で置換された(メタ)アクリル酸エステルの具体例には、例えば、
及びそれらの組み合わせが含まれる。
第1のブロックは、第1のブロック中の繰り返し単位の総モルに基づいて、10〜90モルパーセントの量で塩基溶解度向上モノマー由来の繰り返し単位を含み得る。この範囲内で、塩基溶解度向上モノマー由来の繰り返し単位の含有量は、20〜80モルパーセント、具体的には30〜70モルパーセントであり得る。
ブロックコポリマーは、ブロックコポリマー中の繰り返し単位の総モルに基づいて、5〜70モルパーセントの量で塩基溶解度向上モノマー由来の繰り返し単位を含み得る。この範囲内で、塩基溶解度向上モノマー由来の繰り返し単位の含有量は、10〜60モルパーセント、具体的には20〜50モルパーセントであり得る。
帯域外吸収性モノマー及び塩基溶解度向上モノマー由来の繰り返し単位に加えて、第1のブロックは任意に、光酸発生モノマー由来の繰り返し単位をさらに含み得る。EUVフォトレジストコポリマーを形成するための有用な任意の光酸発生モノマーが使用され得る。かかるモノマーの具体例には、
及びそれらの組み合わせが含まれる。
第1のブロックが光酸発生モノマー由来の繰り返し単位を含むとき、それらは、第1のブロック中の繰り返し単位の総モルに基づいて、2〜20モルパーセントの量で存在し得る。この範囲内で、光酸発生モノマー由来の繰り返し単位の含有量は、4〜15モルパーセント、具体的には5〜12モルパーセントであり得る。
ブロックコポリマーは任意に、ブロックコポリマー中の繰り返し単位の総モルに基づいて、1〜15モルパーセントの量で光酸発生モノマー由来の繰り返し単位を含み得る。この範囲内で、塩基溶解度向上モノマー由来の繰り返し単位の含有量は、2〜13モルパーセント、具体的には3〜12モルパーセントであり得る。
第2のブロックは、低表面エネルギーを有する。具体的には、第2のブロックは、液滴法により接触角測角器上で測定される、水(18ohmの脱イオン水)、二ヨウ化メチレン(CH2I2)、及びジエチレングリコールの接触角からオーウェンスウェント法を使用して決定された1平方メートル当たり15〜34ミリジュールの表面エネルギーを有する。1平方メートル当たり15〜34ミリジュールの範囲内で、表面エネルギーは、1平方メートル当たり15〜30ミリジュール、具体的には1平方メートル当たり15〜26ミリジュールであり得る。
いくつかの実施形態において、第2のブロックは、重合性部分低表面エネルギー部分を含むモノマーの重合生成物である。第2のブロックに対して使用されるポリマーの種類に特に制限はない。例えば、第2のブロックがポリエステルブロックであるとき、重合性部分は、ジアルコール、ジカルボン酸、またはジエステルであり得る。第2のブロックがポリウレタンブロックであるとき、重合性部分は、ジイソシアン酸塩、ジアルコール、またはイソシアン酸塩とアルコールとの組み合わせであり得る。第2のブロックがポリカーボネートブロックであるとき、重合性部分は、(ホスゲンまたは炭酸ジメチルまたは炭酸ジフェニルなどの炭酸塩前駆物質との反応によりポリカーボネートを形成する)ジアルコールであり得る。第2のブロックがポリシランであるとき、重合性部分は、(金属ナトリウムなどの試薬との還元重合によりポリシランを形成する)ジクロロジヒドロカルビルシランであり得る。第2のブロックがポリジアセチレンであるとき、重合性部分は、ジアセチレン基であり得る。第2のブロックがポリエーテルであるとき、重合性部分は、グリシジル基であり得る。第2のブロックがポリ(フェニレンエーテル)であるとき、重合性部分は、フェノール(ヒドロキシフェニル)基であり得る。第2のブロックがポリビニルポリマーであるとき、重合性部分は、ビニル基であり得る。第2のブロックがポリアリルポリマーであるとき、重合性部分は、アリル基であり得る。第2のブロックがポリノルボルネンであるとき、重合性部分は、ノルボルネン基であり得る。第2のボックがポリ((メタ)アクリル酸塩)であるとき、重合性部分は、(メタ)アクリロイル基であり得る。
第2のブロックを形成するために使用されるモノマーは、低表面エネルギー部分を含む。低表面エネルギー部分の例には、C10−C36アルキル、C2−C12ジアルキルシロキサン、及びC1−C12フッ素化アルキルが含まれる。
低表面エネルギーブロックを形成するための有用なモノマーの分類には、例えば少なくとも1個のフッ素原子を含む(メタ)アクリル酸エステル、少なくとも10個の非置換脂肪族炭素原子を含む(メタ)アクリル酸エステル、トリアルキルシリル基、トリアルコキシシリル基、ジアルキルシロキサン基、トリアルキルシロキサン基、またはそれらの組み合わせを含む(メタ)アクリル酸エステル、及びそれらの組み合わせが含まれる。
第2のブロックは、少なくとも1個のフッ素原子を含む(メタ)アクリル酸エステル由来の繰り返し単位を含み得る。いくつかの実施形態において、少なくとも1個のフッ素原子を含む(メタ)アクリル酸エステルは、以下の構造を有し、
式中、pは、0、1、2、3、または4であり、R1は、水素またはメチルであり、R2は、非置換または置換C1−C18ヒドロカルビレン基であり、Rfは、少なくとも1個のフッ素原子で置換され、任意にフッ素以外の置換基でさらに置換されたC1−C18ヒドロカルビル基である。
少なくとも1個のフッ素原子を含む(メタ)アクリル酸エステルの具体例には、
及びそれらの組み合わせが含まれる。
第2のブロックは、少なくとも10個の非置換脂肪族炭素原子を含む(メタ)アクリル酸エステル由来の繰り返し単位を含み得る。かかるエステルの具体例には、
及びそれらの組み合わせが含まれる。
第2のブロックは、トリアルキルシリル基、トリアルコキシシリル基、ジアルキルシロキサン基、トリアルキルシロキサン基、またはそれらの組み合わせを含む(メタ)アクリル酸エステル由来の繰り返し単位を含み得る。かかるエステルの具体例には、
及びそれらの組み合わせが含まれる。
第2のブロックは、第1のブロック中の繰り返し単位の総モルに基づいて、50〜100モルパーセントの量で低表面エネルギーモノマー由来の繰り返し単位を含み得る。この範囲内で、低表面エネルギーモノマー由来の繰り返し単位の含有量は、70〜100モルパーセント、具体的には90〜100モルパーセントであり得る。
ブロックコポリマーは、ブロックコポリマー中の繰り返し単位の総モルに基づいて、10〜70モルパーセントの量で低表面エネルギーモノマー由来の繰り返し単位を含み得る。この範囲内で、低表面エネルギーモノマー由来の繰り返し単位の含有量は、15〜50モルパーセント、具体的には20〜40モルパーセントであり得る。
ブロックコポリマーの分子量に特に制限はない。分子量の特徴は、ポリスチレン標準及びテトラヒドロフラン溶媒を使用して、サイズ排除クロマトグラフィーにより決定され得る。いくつかの実施形態において、ブロックコポリマーは、2,000〜100,000ダルトンの数平均分子量を有する。この範囲内で、数平均分子量は、3,000〜60,000ダルトン、具体的には4,000〜40,000ダルトンであり得る。特にブロックコポリマーが本明細書に記載されるRAFT方法を使用して調製されるとき、それは、狭分子量分布を有し得る。分子量分布は、重量平均分子量対数平均分子量の比である分散度を特徴とし得る。いくつかの実施形態において、ブロックコポリマーは、1.05〜1.2の分散度(Mw/Mn)を有する。この範囲内で、分散度は、1.05〜1.15であり得る。しかし、狭分子量分布は、ブロックコポリマーが意図される通りに機能する上では必要とされない。例えば、いくつかの実施形態において、ブロックコポリマーは、1.05〜2の分散度を有する。
いくつかの実施形態において、ブロックコポリマーは、沈殿、濾過、溶媒交換、遠心分離、デカンテーション(複数のデカンテーションを含む)、イオン交換、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される方法を使用して精製される。
別の実施形態は、ブロックコポリマーを上述されたどの変種中にも含むフォトレジスト組成物である。いくつかの実施形態において、ブロックコポリマーは、フォトレジスト組成物中で唯一のポリマーである。他の実施形態において、フォトレジスト組成物は、ランダムコポリマーと組み合わせてブロックコポリマーを含む。ランダムフォトレジストコポリマーは、当技術分野において既知であり、酸不安定モノマー、塩基不安定モノマー、2〜12のpKaを有する基で置換されたモノマー、及びそれらの組み合わせを含むモノマー由来の繰り返し単位を含み得る。ランダムフォトレジストコポリマーは、光酸発生モノマー由来の繰り返し単位をさらに含み得る。
フォトレジスト組成物がランダムコポリマー及びブロックコポリマーを含むとき、それらは、例えば2:1〜50:1の重量比で使用され得る。この範囲内で、ランダムコポリマー対ブロックコポリマーの重量比は、4:1〜40:1、具体的には5:1〜30:1、より具体的には5:1〜20:1であり得る。
フォトレジスト組成物には、1つ以上の光活性構成成分、例えば光酸発生剤、光塩基発生剤、光開始剤、結合光酸発生剤を含むまたは含まない追加の(メタ)アクリル酸系ポリマー、結合光酸発生剤を含むまたは含まないポリヒドロキシスチレン系ポリマー、及びそれらの組み合わせがさらに含まれ得る。
光酸発生剤には概して、フォトレジストを調製する目的に好適なそれらの光酸発生剤が含まれる。光酸発生剤には、例えば、非イオン性オキシム及び多様なオニウムイオン塩が含まれる。オニウムイオンには、例えば、非置換及び置換アンモニウムイオン、非置換及び置換ホスホニウムイオン、非置換及び置換アルソニウムイオン、非置換及び置換スチボニウムイオン、非置換及び置換ビスムトニウムイオン、非置換及び置換オキソニウムイオン、非置換及び置換スルホニウムイオン、非置換及び置換セレノニウムイオン、非置換及び置換テルロニウムイオン、非置換及び置換フルオロニウムイオン、非置換及び置換クロロニウムイオン、非置換及び置換ブロモニウムイオン、非置換及び置換ヨードニウムイオン、非置換及び置換アミノジアゾニウムイオン(置換アジ化水素)、非置換及び置換ヒドロシアニウムイオン(置換シアン化水素)、非置換及び置換ジアゼニウムイオン(RN=N+R2)、非置換及び置換イミニウムイオン(R2C=N+R2)、2つの二重結合置換基を有する第四級アンモニウムイオン(R=N+=R)、ニトロニウムイオン(NO2 +)、ビス(トリアリールホスフィン)イミニウムイオン((Ar3P)2N+)、1つの三重結合置換基を有する非置換または置換第三級アンモニウム(R≡NH+)、非置換及び置換ニトリリウムイオン(RC≡NR+)、非置換及び置換ジアゾニウムイオン(N≡N+R)、2つの部分的に二重結合された置換基を有する第三級アンモニウムイオン
非置換及び置換ピリジニウムイオン、1つの三重結合置換基及び1つの単一結合置換基を有する第四級アンモニウムイオン(R≡N+R)、1つの三重結合置換基を有する第三級オキソニウムイオン(R≡O+)、ニトロソニウムイオン(N≡O+)、2つの部分的に二重結合された置換基を有する第三級オキソニウムイオン
ピリリウムイオン(C5H5O+)、1つの三重結合置換基を有する第三級スルホニウムイオン(R≡S+)、2つの部分的に二重結合された置換基を有する第三級スルホニウムイオン
ならびにチオニトロソニウムイオン(N≡S+)が含まれる。いくつかの実施形態において、オニウムイオンは、非置換及び置換ジアリールヨードニウムイオン(diaryiodonium ions)、ならびに非置換及び置換トリアリールスルホニウムイオンから選択される。好適なオニウム塩の例は、Crivello等に対する米国特許第4,442,197号、Crivello等に対する同第4,603,101号、及びZweifel等に対する同第4,624,912号で見ることができる。
好適な光酸発生剤は、化学的に増幅されるフォトレジスト技術分野において既知であり、例えば、オニウム塩、例えば、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホン酸塩、(p−tert−ブトキシフェニル)ジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホン酸塩、トリス(p−tert−ブトキシフェニル)スルホニウムトリフルオロメタンスルホン酸塩、トリフェニルスルホニウムp−トルエンスルホン酸塩;ニトロベンジル誘導体、例えば2−ニトロベンジル−p−トルエンスルホン酸塩、2,6−ジニトロベンジル−p−トルエンスルホン酸塩、及び2,4−ジニトロベンジル−p−トルエンスルホン酸塩;スルホン酸エステル、例えば1,2,3−トリス(メタンスルホニルオキシ)ベンゼン、1,2,3−トリス(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)ベンゼン、及び1,2,3−トリス(p−トルエンスルホニルオキシ)ベンゼン;ジアゾメタン誘導体、例えばビス(ベンゼンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(p−トルエンスルホニル)ジアゾメタン;グリオキシム誘導体、例えばビス−O−(p−トルエンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、及びビス−O−(n−ブタンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム;N−ヒドロキシイミド化合物のスルホン酸エステル誘導体、例えばN−ヒドロキシサクシニミドメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシサクシニミドトリフルオロメタンスルホン酸エステル;ならびにハロゲン含有トリアジン化合物、例えば2−(4−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、及び2−(4−メトキシナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジンが含まれる。具体例と共に好適な光酸発生剤が、Hashimoto等に対する米国特許第8,431,325号の37欄、11〜47行、及び41〜91欄にさらに記載される。いくつかの実施形態において、光酸発生剤は、非重合性である。
フォトレジストは、光開始剤を含み得る。光開始剤は、フリーラジカルの発生により架橋剤の重合を開始させるためにフォトレジスト組成物中で使用される。好適なフリーラジカル光開始剤には、例えばアゾ化合物、硫黄含有化合物、金属塩及び複合体、オキシム、アミン、多核化合物、有機カルボニル化合物、ならびに米国特許第4,343,885号、13欄、26行〜17欄、18行に記載されるようなそれらの混合物;ならびに9,10−アントラキノン;1−クロロアントラキノン;2−クロロアントラキノン;2−メチルアントラキノン;2−エチルアントラキノン;2−tert−ブチルアントラキノン;オクタメチルアントラキノン;1,4−ナフトキノン;9,10−フェナントレンキノン;1,2−ベンズアントラキノン;2,3−ベンズアントラキノン;2−メチル−1,4−ナフトキノン;2,3−ジクロロナフトキノン;1,4−ジメチルアントラキノン;2,3−ジメチルアントラキノン;2−フェニルアントラキノン;2,3−ジフェニルアントラキノン;3−クロロ−2−メチルアントラキノン;レテネキノン;7,8,9,10−テトラヒドロナフタレンキノン;ならびに1,2,3,4−テトラヒドロベンズ(ア)アントラセン−7,12−ジオンが含まれる。他の光開始剤には、米国特許第2,760,863号に記載され、ベンゾイン、ピバロイン、アシロインエーテルなどのビシナルケタルドニルアルコール、例えばベンゾインメチル及びエチルエーテル;ならびにアルファ−メチルベンゾイン、アルファ−アリルベンゾイン、及びアルファ−フェニルベンゾインを含むアルファ−炭化水素−置換芳香族アシロインが含まれる。米国特許第2,850,445号、同第2,875,047号、及び同第3,097,096号にフェナジン、オキサジン、及びキノンの分類の色素剤と共に記載される光還元色素剤及び還元剤、ベンゾフェノン、水素供与体を含む2,4,5−トリフェニルイミダゾリル二量体、ならびに米国特許第3,427,161号、同第3,479,185号、及び同第3,549,367号に記載されるようなそれらの混合物も、光開始剤として使用され得る。
フォトレジスト組成物は、界面活性剤をさらに含み得る。例示的な界面活性剤には、フッ素化及び非フッ素化界面活性剤が含まれ、好ましくは非イオン性である。典型的なフッ素化非イオン性界面活性剤には、3M Corporationから入手可能なFC−4430及びFC−4432界面活性剤などのペルフルオロC4界面活性剤、ならびにOmnovaからのPOLYFOX(商標)PF−636、PF−6320、PF−656、及びPF−6520フルオロ界面活性剤などのフルオロジオールが含まれる。
フォトレジスト組成物は、非光分解性塩基である消光剤をさらに含み得る。これらには、例えば水酸化物、カルボン酸塩、アミン、イミン、及びアミドに基づくものが含まれる。かかる消光剤には、C1−30有機アミン、イミンまたはアミド、強塩基(例えば水酸化物またはアルコキシド)または弱塩基(例えば、カルボン酸塩)のC1−30第四級アンモニウム塩が含まれる。いくつかの実施形態において、フォトレジスト組成物は、C1−30アミン、C1−30アミド、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される消光剤をさらに含む。典型的な消光剤には、トレーガー塩基などのアミン;ジアザビシクロウンデセン(DBU)、ジアザビシクロノネン(DBN)、ならびにテトラヒドロキシイソプロピルジアミン及びtert−ブチル−4−ヒドロキシ−1−ピペリジエンカルボン酸塩などのヒンダードアミン;テトラブチルアンモニウム水酸化物(TBAH)、テトラメチルアンモニウム2−ヒドロキシ安息香酸(TMA OHBA)、及びテトラブチルアンモニウム乳酸塩などの第四級アルキルアンモニウム塩を含むイオン性消光剤が含まれる。好適な消光剤は、Hashimoto等に対する米国特許第8,431,325号にさらに記載される。
フォトレジスト構成成分は典型的に、分配及びコーティングのために溶媒中に溶解される。典型的な溶媒には、アニソール;1−メトキシ−2−プロパノール及び1−エトキシ−2プロパノールを含むアルコール;n−ブチル酢酸塩、エチル乳酸塩、1−メトキシ−2−プロピル酢酸塩、メトキシエトキシプロピオン酸塩、及びエトキシエトキシプロピオン酸塩を含むエステル;シクロヘキサノン及び2−ヘプタノンを含むケトン;ならびにそれらの組み合わせが含まれる。溶媒量は、フォトレジスト組成物の総重量に基づいて、例えば70〜99重量パーセント、具体的には85〜98重量パーセントであり得る。
本発明は、フォトレジスト組成物を含むフィルムをさらに含む。フィルムは、例えば薬物刺激されていないまたは薬物刺激された基材上へのスピンコーティングにより形成され得る。いくつかの実施形態において、フィルムは、50〜200ナノメートルの厚みを有する。いくつかの実施形態において、フィルムは、空気と接触する上面を備え、フィルム中のブロックコポリマーの少なくとも50重量パーセントは、上面の20ナノメートル以内に存在する。
本発明は、(a)基材上に本明細書に記載されるフォトレジスト組成物のいずれかの層を適用することと、(b)フォトレジスト組成物層を活性化(例えば、紫外線または電子ビーム)放射線にパターン状に露光することと、(c)露光されたフォトレジスト組成物層を現像して、レジストレリーフ画像を提供することと、を含む電子デバイスの形成方法をさらに含む。本方法は、任意に、(d)レジストレリーフパターンを下地基材中にエッチングすることをさらに含み得る。
基材は、シリコンまたは化合物半導体(例えば、III−VまたはII−VI)ガラス、石英、陶器、銅などの半導体などの材料であり得る。典型的に、基材は、1つ以上の層及びそれらの表面上にパターン化された特徴を有する、単結晶シリコンまたは化合物半導体ウェーハなどの半導体ウェーハである。任意に、下地底基材材料自体は、例えばそれが底基材材料中で溝を形成するのに所望されるとき、パターン化され得る。底基材材料上に形成された層には、例えば、アルミニウム、銅、モリブデン、タンタル、チタン、タングステン、及びかかる金属の合金、窒化物、またはケイ化物の層、ドープされた非晶質シリコンまたはドープされたポリシリコンの層などの1つ以上の導電層、シリコン酸化物、シリコン窒化物、シリコン酸窒化物、または金属酸化物の層などの1つ以上の誘電体層、単結晶シリコン、下層などの半導体層、底部反射防止層などの反射防止層、ならびにそれらの組み合わせが含まれ得る。これらの層は、多様な技法、例えばプラズマ加速CVD、低圧CVD、もしくはエピタキシャル成長などの化学蒸着(CVD)、スパッタリングもしくは蒸発などの物理蒸着(PVD)、電気メッキ、またはスピンコーティングによって形成され得る。
フォトレジスト組成物を基材に適用することは、スピンコーティング、噴霧コーティング、浸漬コーティング、及びドクターブレーディングを含む任意の好適な方法により達成され得る。いくつかの実施形態において、フォトレジスト組成物の層を適用することは、コーティングトラックを使用して溶媒中でフォトレジストをスピンコーティングすることにより達成され、その場合、フォトレジスト組成物は、スピンウェーハ上に分配される。分配中、ウェーハは、1分当たり最大4,000回転(rpm)、具体的には500〜3,000rpm、及びより具体的には1,000〜2,500rpmの速度でスピンされ得る。コーティングされたウェーハが回転して、溶媒を除去し、熱板上でベークされて、フィルムから残留溶媒及び自由体積を除去し、それを均一な密度にする。
次に、パターン状の露光が縮小投影露光装置などの露光器具を使用して行われ、その場合、フィルムがパターンマスクを通して照射され、それによりパターン状に露光される。いくつかの実施形態において、本方法は、極端紫外線(EUV)または電子ビーム(eビーム)放射線を含む、高解像可能な波長で活性化放射線を発生させる先進的露光器具を使用する。活性化放射線を使用する露光は、露光された領域内でPAGを分解し、酸及び分解副産物を発生させ、次に、露光後ベーク(PEB)ステップ中、酸がポリマー中で化学変化(酸感受性基を非ブロックして、塩基溶解基を発生させること、またはあるいは露光された領域内で架橋反応に触媒作用を及ぼすこと)をもたらすことが認識されるであろう。かかる露光器具の解像度は、30ナノメートル未満であり得る。
次に、露光されたフォトレジスト層を現像することが、フィルムの(フォトレジストがポジ型である)露光された部分を選択的に除去すること、またはフィルムの(フォトレジストが露光された領域内で架橋可能、即ちネガ型である)露光されていない部分を選択的に除去することが可能な好適な現像液で露光された層を処理することにより達成される。いくつかの実施形態において、フォトレジストは、酸感受性(脱保護可能)基を有するポリマーに基づくポジ型であり、現像液は好ましくは、例えば、水性0.26標準水酸化テトラメチルアンモニウムなどの金属イオン不含水酸化テトラアルキルアンモニウム溶液である。あるいは、ネガ型現像(NTD)は、好適な有機溶媒現像液の使用により実行され得る。NTDは、フォトレジスト層の露光されていない領域の除去をもたらし、それらの領域の極性逆転により露光された領域を残す。好適なNTD現像液には、例えば、ケトン、エステル、エーテル、炭化水素、及びそれらの混合物が含まれる。他の好適な溶媒には、フォトレジスト組成物中で使用されるものが含まれる。いくつかの実施形態において、現像液は、2−ヘプタノンまたはn−ブチル酢酸塩などのブチル酢酸塩である。現像がポジ型またはネガ型に関わらず、現像によりパターンが形成する。
フォトレジスト組成物は、1つ以上のかかるパターン形成工程において使用されるとき、例えば記憶デバイス、(中央処理装置またはCPUを含む)プロセッサチップ、グラフィックスチップ、及び他のかかるデバイスなどの電子デバイス及び光電子デバイスを製作するために使用され得る。
本発明は、少なくとも以下の実施形態を含む。
実施形態1:フッ素置換エステル基を排除する帯域外吸収性モノマー及び塩基溶解度向上モノマー由来の繰り返し単位を有する第1のブロックと、1平方メートル当たり15〜34ミリジュールの表面エネルギーを有する第2のブロックと、を含むブロックコポリマーであって、このブロックコポリマーから流涎されたフィルムが、150〜400ナノメートルの範囲の波長で0.1〜0.5の消衰係数kを有する、ブロックコポリマー。
実施形態2:1.05〜1.2の分散度(Mw/Mn)を有する、実施形態1に記載のブロックコポリマー。
実施形態3:帯域外吸収性モノマーが、置換C6−C18アリール基がフッ素を含まないことが条件である非置換または置換C6−C18アリール基、非置換または置換C2−C17ヘテロアリール基、C5−C12ジエノン基、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、実施形態1または2に記載のブロックコポリマー。
実施形態4:帯域外吸収性モノマーが以下の構造を有し、
式中、R1は、水素またはメチルであり、nは、0、1、2、3、または4であり、Ar1は、非置換または置換C6−C18アリール基であるが、置換C6−C18アリール基がフッ素を含まないことを条件とする、実施形態1〜3のいずれか一実施形態に記載のブロックコポリマー。
実施形態5:塩基溶解度向上モノマーが、酸不安定(メタ)アクリル酸エステル、塩基不安定(メタ)アクリル酸エステル、2〜12のpKaを有する基で置換された(メタ)アクリル酸エステル、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、実施形態1〜4のいずれか一実施形態に記載のブロックコポリマー。
実施形態6:塩基溶解度向上モノマーが、第三級(メタ)アクリル酸エステルを含む、実施形態1〜5のいずれか一実施形態に記載のブロックコポリマー。
実施形態7:第2のブロックが、ビニル、アリル、ノルボルネニル、(メタ)アクリロイル、ジアルコール、ジカルボン酸、ジエステル、ジイソシアン酸塩、イソシアン酸塩とアルコールとの組み合わせ、シリル(ジクロロ)(ヒドロカルビル)、ジアセチレン、グリシジル、及びヒドロキシフェニルからなる群から選択される重合性部分、ならびに、ならびにC10−C36アルキル、C2−C12ジアルキルシロキサン、及びC1−C12フッ素化アルキルからなる群から選択される低表面エネルギー部分を含むモノマーの重合生成物である、実施形態1〜6のいずれか一実施形態に記載のブロックコポリマー。
実施形態8:第2のブロックが、少なくとも1個のフッ素原子を含む(メタ)アクリル酸エステル由来の繰り返し単位を含み、少なくとも1個のフッ素原子を含む(メタ)アクリル酸エステルが、以下の構造を有し、
式中、pは、0、1、2、3、または4であり、R1は、水素またはメチルであり、R2は、非置換または置換C1−C18ヒドロカルビレン基であり、Rfは、少なくとも1個のフッ素原子で置換され、任意にフッ素以外の置換基でさらに置換されたC1−C18ヒドロカルビル基である、実施形態1〜7のいずれか一実施形態に記載のブロックコポリマー。
実施形態9:第1のブロックが、光酸発生モノマー由来の繰り返し単位をさらに含む、実施形態1〜8のいずれか一実施形態に記載のブロックコポリマー。
実施形態10:実施形態1〜9のいずれか一実施形態に記載のブロックコポリマーを含む、フォトレジスト組成物。
実施形態11:光酸発生剤をさらに含む、実施形態10に記載のフォトレジスト組成物。
実施形態12:C1−30アミン、C1−30アミド、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される消光剤をさらに含む、実施形態10または11に記載のフォトレジスト組成物。
実施形態13:フィルムが、50〜200ナノメートルの厚みを有し、フィルムが、空気と接触する上面を備え、フィルム中のブロックコポリマーの少なくとも50重量パーセントが、上面の20ナノメートル以内に存在する、実施形態10に記載のフォトレジスト組成物を含むフィルム。
実施形態14:(a)実施形態10〜12のいずれか一実施形態に記載のフォトレジスト組成物の層を基材上に適用することと、(b)フォトレジスト組成物層を電子ビームまたは極端紫外線放射線にパターン状に露光することと、(c)露光されたフォトレジスト組成物層を現像して、レジストレリーフ画像を提供することと、を含む、電子デバイスの形成方法。
表1は、ブロックコポリマーの第2のブロックを形成するための、これらの実施例で使用される低表面エネルギー(メタ)アクリル酸モノマーに関する化学構造及び化学頭字語を提供する。
表2は、これらの実施例で使用される塩基溶解度向上モノマーに関する化学構造及び化学頭字語を提供する。
表3は、これらの実施例で使用される帯域外吸収性モノマーに関する化学構造及び化学頭字語を提供する。
表4は、これらの実施例で使用される光酸発生(PAG)モノマー及びフォトレジストポリマーに関する化学構造及び化学頭字語を提供する。
RAFT技法によるポリ(ECPMA−co−BzMA)統計コポリマーの合成。ポリ(ECPMA−co−BzMA)のRAFT合成に関する反応スキームは、図1に提示される。1−エチルシクロペンチルメタクリル酸塩(ECPMA、1.597825g、0.008864モル)、ベンジルメタクリル酸塩(BzMA、1.561925g、1.507851ml、0.008864モル)、4−シアノ−4−[(ドデシルスファニルチオカルボニル)スルファニル]ペンタン酸(CDTPA、RAFT剤、39.3mg(91%純粋)、0.89×10−4モル)、アゾイソブチロニトリル(AIBN、開始剤、1.5mg、9×10−6モル)、及びTHF(10mL)を、電磁撹拌機を装備した50mLのシュレンクフラスコ中に導入した([M]0:[mCTA]0:[Init]0=200:1:0.1)。反応混合物を、氷浴中で30分間、アルゴンでパージして、酸素を除去し、次に65℃で加熱した。1H NMRによりモノマー変換率を計算し、ヘキサン中での二重沈殿によりポリマーを回収した。プロトン核磁気共鳴スペクトル法(1H NMR)、紫外可視スペクトル法(UV−VIS)、及びポリスチレン標準を使用するサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)により、ポリマーを特徴付けた。SECは、9,500の数平均分子量(Mn)及び1.09の分散度(Mw/Mn)を示した。
ワンポットアミノリシス及びマイケル付加反応による鎖末端改質。RAFTポリマーの鎖末端改質に関する反応スキームは、図2に提示される。鎖末端改質を、以下の通り行った。ポリ(ECPMA−co−BzMA)(0.6g、5×10−5モル)、トリフルオロエチルメタクリル酸塩(168.1ミリグラム、20当量)、及びジメチルフェニルホスフィン(DMPP;20.7ミリグラム、3当量)をテトラヒドロフラン(THF、10ミリメートル)中に溶解した。溶液を氷浴中に置き、25分間アルゴンでパージした。ヘキシルアミン(50.6ミリグラム、10当量)、トリエチルアミン(TEA、50.6マイクロリットル、10当量)、及びTHF(5ミリメートル)の溶液もアルゴン下で(15分)パージし、次にアルゴン下で前述の溶液に添加した。溶液を室温で24時間撹拌した。生成物を窒素流下で乾燥させて、アセトン中で可溶化し、ヘキサン中での連続沈殿(2回)により精製し、真空下で乾燥させた。
メタクリル酸モノマーとポリ(ECPMA−co−BzMA)とのRAFT鎖伸長。メタクリル酸モノマーとポリ(ECPMA−co−BzMA)とのRAFT鎖伸長に関する反応スキームは、図3に提示される。マクロ連鎖移動剤(マクロCTA)としてのポリ(ECPMA−co−BzMA)の存在下でのメタクリル酸モノマーのRAFT重合を、以下の通り行った。トリフルオロエチルメタクリル酸塩(TFEMA、0.2グラム、0.000297モル)、マクロCTA(0.4759グラム、4.0×10−5モル)、AIBN(1.3ミリグラム、8×10−6モル)、及びTHF(5ミリメートル)を、電磁撹拌機を装備した10ミリメートルのシュレンクフラスコ中に導入した([M]0:[mCTA]0:[Init]0=30:1:0.2)。反応混合物を、氷浴中で20分間、アルゴンでパージして、酸素を除去し、次に65℃で加熱した。20時間後、1H NMRによりモノマー変換率を計算し、ヘキサン中での二重沈殿によりポリマーを回収した。1H NMR、UV−VIS、及びSECにより、ポリマーを特徴付けた。1H NMRスペクトルは、図4ように提示される。SECは、13,000の数平均分子量及び1.15の分散度を示した。
RAFTポリマーの末端基除去。鎖延長RAFTポリマーからの末端基除去に関する反応スキームは、図5に提示される。鎖延長RAFTポリマーの末端基の切断を、以下の通り行った。ポリ[(ECPMA−co−BzMA)−b−TFEMA](0.6グラム、4×10−5モル)、AIBN(131.3ミリグラム、8×10−4モル、20当量)、及びTHF(15ミリメートル)を、電磁撹拌機を装備した30mLのシュレンクフラスコ中に導入した。反応混合物を、氷浴中で20分間、アルゴンでパージして、酸素を除去し、次に70℃で加熱した。20時間後、ヘキサン中での二重沈殿によりポリマーを回収した。1H NMR、UV−VIS、及びSECにより、ポリマーを特徴付けた。末端基除去前後のコポリマーのUV−VISスペクトルは、図6のように提示される。
フォトレジストポリマー(CBP−4)の低表面エネルギーポリマー及び消光剤とのブレンド。フォトレジスト溶液を、以下の通り調製した。フォトレジストポリマーCBP−4(36mg)、末端基が切断されたポリ(ECPMA−co−BzMA−b−TFEMA)(4ミリグラム)、及びトリイソプロパノールアミン(0.22ミリグラム、100モルPAGに対して20モルパーセント)を、20ミリメートルのガラス瓶中に導入した。プロピレングリコールモノメチルエーテル酢酸塩(PGMEA;785マイクロリットル、760ミリグラム)を添加して、CBP−4ポリマー及び添加ポリマーの総濃度5重量パーセントを有する溶液を作製した。低表面エネルギーポリマー添加物の含有量は、ポリマーの総重量の10重量パーセントであった。
スピンコーティングプロセス。代表的なスピンコーティングプロセスを、以下の通り行った。まず、シリコンウェーハをアセトン及びイソプロパノールですすいだ。次に、シリコンウェーハを、100℃の熱板上に10分間配置した。さらに次に、シリコンウェーハをO2プラズマ処理により洗浄した。MicroChemicalsのTI/HDMSプライムとして得られた付着促進剤を、清潔なシリコンウェーハ上に1分当たり3000回転(rpm)の速度で20秒間スピンコーティングし、その後、120℃の熱板上で2分間ベークして、溶媒を除去した。フォトレジスト、低表面エネルギーポリマー、及び消光剤を含有する溶液を、下塗層上に3000rpmの速度で60秒間スピンコーティングした。フォトレジスト溶液をウェーハ上にコーティングした後、100℃で90秒間加熱することにより、それを乾燥させて、フォトレジストコーティングが半硬化乾燥するまで溶媒を除去した。
露光。次に、低表面エネルギーポリマー組成物層を有するフォトレジストを、露光器具及びフィルム組成物の構成成分に応じて、典型的に約10〜約100マイクロクーロン/平方センチメートル(μC/cm2)の範囲である露光エネルギーで活性化放射線にパターン露光した。典型的に、パターンを発生させるための露光手段として、電子ビームリソグラフィ技法を利用した。
露光後ベーク及び現像。露光後、約100℃〜120℃の範囲である温度で60〜120秒間、低表面エネルギーポリマー組成物層を有するフォトレジストをベークした。その後、0.26N水酸化テトラメチルアンモニウムなどのアルカリ現像水溶液で30〜60秒間処理することによりフォトレジストを現像し、その後30〜60秒間水ですすいだ。
接触角の測定及び表面自由エネルギーの計算。CBP−4マトリックスからの低表面エネルギーポリマー(LSEP)の分離は、表面自由エネルギー変化により反映され得、それを表面上の静的接触角の測定により得ることができる。接触角測定のための試料を調製するための典型的な手順は、以下の通りであった。フォトレジスト層の前にウェーハ上に付着促進剤を適用しなかった以外は、上述されたものと類似の手順を使用して、試料の溶液を清潔なSiウェーハ上にスピンコーティングした。試料の典型的な溶液は、CBP−4フォトレジスト(36mg)、末端基が切断されたポリ[(ECPMA−co−BzMA)−b−TFEMA](4mg)、及び溶媒としてのPGMEA(760mg)を含み、その場合、低表面エネルギーポリマーの含有量はポリマーの総重量の10重量パーセントである。データフィジックスOCA20接触角システムを室温で使用して、接触角を測定した。ぬれ挙動の測定を実行するために、脱イオン水またはジヨードメタンの小滴(0.5mL)を試料の表面上に滴下した。フォークス法に従って表面エネルギーを計算し、各試料の表面自由エネルギーγsを、以下の通り計算した。
液体を測定する際に水及びジヨードメタンを使用した:水を、支配的極性構成成分を有する液体
とみなし、ジヨードメタンを分散液体
とみなした。θdは、試料表面上のジヨードメタンの接触角であり、θpは、試料表面上の水の接触角であった。実験データθd及びθpに従って、異なるLSEPを有するCBP−4の表面自由エネルギーを計算し、表5に要約した。表面自由エネルギーが、模様のないCBP−4の表面と比較して、CBP−4/LSEP表面の全ての状態において低下したことが記載される。
表面組成分析CBP−4マトリックスからのLSEPの分離を証明するために、本発明においてTOF−SIMS特徴付けも行った。TOF−SIMS特徴付けのための試料の調製は、段落[0014]に記載される通りであった。TOF−SIMS特徴付けの目的は、LSEP添加物がフォトレジストマトリックスから分離し、接合面に拡散することが可能であるかどうかを決定することであった。TOF−SIMSを、その高表面の特殊性(2nm)及び構造情報を提供する能力により選択した。PHI TRIFT VナノTOF機器(PHI Electronics Ltd,USA)で、TOF−SIMS測定を行った。変調された最初の197Au+イオンビーム30keVを使用して、各試料表面から種をスパッタリングし、イオン化した。低エネルギーアルゴンイオン(最大10eV)及び電子(最大25eV)の組み合わせを使用する、PHIの特許取得済みの二重ビーム電荷中和システムを用いて、優良な電荷中和能力を提供した。CH3 +、C2H5 +、及びC3H7 +で、正の質量軸較正を実施し、一方でCH−、C2H−、及びF−を使用して、負の質量軸を較正した。60秒間のバンチモードで、100μm×100μmの範囲からスペクトルを得た。対応する最初の総イオン線量は、1×1012イオンcm−2未満であり、よって静的SIMS状況に合致した。公称m/z=27ダルトンでの>7000の質量解像度m/Δm(C2H3 +)が典型的に達成された。
各試料を、重複しなかった試料領域から収集した5つの正の質量スペクトル及び5つの負の質量スペクトルにより特徴付けた。いくつかの独特な分子イオンを含む、146個の正の開裂体及び68個の開裂体を計算に使用した。正及び負のモードにおいて独立して選択された強度の合計に、ピークを正規化した。主要な構成成分分析PCAの補助をもって複数の質量スペクトルを処理した。MATLABソフトウェアv.6.5(MathWorks Inc.,Natick,MA)に従って、PLS Toolbox3.0版(Eigenvector Research,Inc.,Manson,WA)を使用して、PCAを行った。選択された正規化強度を分散分析(Analysis of Means)にも供した。
図7Aは、CBP−4(試料1)、CBP−4+10%のポリ[(ECPMA32−co−BzMA34)−b−(MA−4−HFA−CHOH)26](試料4)、及びポリ[(ECPMA32−co−BzMA34)−b−(MA−4−HFA−CHOH)26](試料6)に関する主要な構成成分1(PC1)及び主要な構成成分2(PC2)における正の質量スペクトルのスコアプロットを示す。10重量%のポリ[(ECPMA32−co−BzMA34)−b−(MA−4−HFA−CHOH)26]を含有するブレンドの全体的な表面の化学現象は、純粋添加物6のブレンドに非常に類似している。TOF−SIMSにより測定されるときでさえ、透明度はあるが、CBP−4フォトレジスト表面「部分」の殆どがLSEP#6の薄いフィルムの後方に隠れているように見える。図7Bに提示されるCF3 +開裂体の強度は、試料1<4<6の順番になる。図7Cは、C9H11 +(CBP−4の構造マーカー)試料1、4、及び6の統計的に評価された強度を示す。それは、試料4表面の表面組成が、試料6表面の構造に似ていることも示す。これらの結果は、LSEPポリマーポリ[(ECPMA−co−BzMA)−b−(MA−4−HFA−CHOH)]が、CBP−4マトリックスから分離し、相分離を問題なく行ったことを示す。
光学特性の測定LSEP添加物の存在下で、帯域外光へのブロック効果を調査するために、薄いフィルムの光学特性を、VUV VASE楕円偏光計により測定した。VUV VASE楕円偏光計の特徴付けに関する試料の調製は、段落[0117](「低表面エネルギーポリマー及び消光剤とフォトレジストポリマー(CBP−4)とのブレンド」)及び段落[0118](「スピンコーティングプロセス」)に記載されるものと同じであった。J.A.Woollam(商標)VUV VASE(商標)分光楕円偏光計上で、光学定数n及びk、ならびにフィルムの厚みを測定した。1.2〜8.3eVのスペクトル範囲(150〜1000nmの波長範囲λを指す)及び65℃〜75℃、正確性を最大限にするために段階的に5℃ずつの入射の角度を使用してVUV−VASE測定を行った。全光路を乾燥窒素パージ内に封止して、周囲水蒸気及び酸素からの吸収を除いた。この研究におけるモデル化手順及び適合手順は、まず、コーシー層を使用して300nm〜1000nmのスペクトルの透明領域の厚み及び光学定数を決定すること、次に光学定数消衰係数「k」及び屈折率「n」を得るために、150nm〜300nmの範囲の湾曲部に適合させるために逐点法を使用することから構成された。
消衰係数kが決定されると、等式4〜6を使用して光吸収パラメータ吸光度(A)及び吸収係数(α)を決定することができる。
Tが透過率の場合、αは、消衰定数であり、cは、濃度であり、lは、光路の長さである。この計算方法に従って、LSEPに関する波長の機能としての消衰係数は、図8にプロットされる。さらに、0%、2%、5%、及び10%の低表面エネルギーポリマー(LSEP)ポリ[(ECPMA−co−BzMA)−b−(MA−4−HFA−CHOH)]を有するCBP−4の光学特性を表6にした。波長の機能としての消衰係数は、図9にプロットされる。
フォトレジスト及びLSEP層の溶解の測定消散監視付き水晶振動子マイクロバランス(QCM−D、Q−Sense)を使用して、フォトレジスト及びLSEP層の即時の溶解を監視した。共鳴周波数及び消散変化に基づいて、現像プロセス中の薄いフィルムの溶解を研究した。溶解プロセス中、2つの膨張層(図10の領域Ι及びII内)が、形成されることが分かった。薄いフィルムは、LSEP及びフォトレジスト層の溶解差異に起因する現像中の複雑な膨張挙動を示した。
QCM−Dの特徴付けのために使用された試料溶液の調製を図15で紹介した。まず、Q−感知シリコン酸化物または金センサをアセトン及びイソプロパノール中ですすぐことによって清潔にし、その後100℃の熱板で10分間乾燥させた。清潔にすると、それをポリマー溶液で80〜90nmの厚みにスピンコーティングした。次に、ポリマーコーティングされたセンサを100℃の熱板上に90秒間配置して残留溶媒を除去した。その後、それらを5〜10分間UV光に曝し、再度100℃の熱板上に60秒間配置して光酸触媒脱保護反応を発生させた。最後に、結晶の共鳴周波数を測定しながら、結晶の上に液体を流すように設計されたフローモジュールにおいて、ポリマーコーティングされた水晶をもたらした。本発明において、流液体は、0.26N水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)であり、流速を200μL/分で選択した。本方法は、複雑な現像プロセスを理解するための有用な手段であることを証明したが、絶対的な現像速度値を供与するには理想的でないことに留意されたい。
PAG結合されたLSEPの合成。ポリ(ECPMA−co−BzMA−co−(TPS DFES))ランダムコポリマーのRAFT合成に関する反応スキームは、図11に提示される。1−エチルシクロペンチルメタクリル酸塩(0.18026g、0.001モル)及びベンジルメタクリル酸塩(0.17621グラム、0.001モル)、TPS DFES(0.109458グラム、2.22×10−4モル)、CDTPA(9.86ミリグラム(91%純粋)、0.89×10−4モル)、AIBN(0.4ミリグラム、2×10−6モル)、ならびにTHF(3ミリメートル)を、電磁撹拌機を装備した10mLのシュレンクフラスコ中に導入した([M]0:[mCTA]0:[Init]0=100:1:0.1)。反応混合物を、氷浴中で30分間、アルゴンでパージして、酸素を除去し、次に65℃で加熱した。1H NMRによりモノマー変換率を計算し、ヘキサン中での二重沈殿によりポリマーを回収した。1H NMR、UV−VIS、及びSECにより、ポリマーを特徴付けた。
低表面エネルギーメタクリル酸とポリ(ECPMA−co−BzMA−co−(TPS DFES))とのRAFT鎖伸長ポリ(ECPMA−co−BzMA−co−(TPS DFES))のRAFT鎖伸長に関する反応スキームは、図12に提示される。mCTAとしてのポリ(ECPMA−co−BzMA−co−(TPS DFES))の存在下でのフッ素化メタクリル酸モノマーとの鎖伸長反応の代表的なRAFT重合を以下の通り行った。MA−4−HFA−CHOH(0.2グラム、0.000598モル)、マクロCTA(0.3451グラム、2.0×10−5モル)、AIBN(0.7ミリグラム、4×10−6モル)、及びTHF(3.5ミリメートル)を、電磁撹拌機を装備した10mLのシュレンクフラスコ中に導入した([M]0:[mCTA]0:[Init]0=30:1:0.2)。反応混合物を、氷浴中で20分間、アルゴンでパージして、酸素を除去し、次に65℃で加熱した。20時間後、1H NMRによりモノマー変換率を計算し、ヘキサン中での二重沈殿によりポリマーを回収した。1H NMR、UV−VIS、及びSECにより、ポリマーを特徴付けた。
RAFTポリマーの末端基除去。RAFT合成ポリ[(ECPMA−co−BzMAco−(TPS DFES))−b−(MA−4−HFA−CHOH)]からの末端基除去に関する反応スキームは、図13に提示される。RAFTポリマーの代表的な末端基の切断プロセスを、以下の通り行った。ポリ[(ECPMA−co−BzMA−co−(TPS DFES))−b−(MA−4−HFA−CHOH)](0.2グラム、8×10−6モル)、AIBN(26ミリグラム、1.6×105モル、20当量)、及びTHF(10ミリメートル)を、電磁撹拌機を装備した50mLシュレンクフラスコ中に導入した。反応混合物を、氷浴中で20分間、アルゴンでパージして、酸素を除去し、次に70℃で加熱した。20時間後、ヘキサン中での二重沈殿によりポリマーを回収した。1H NMR、UV−VIS、及びSECにより、ポリマーを特徴付けた。ポリマーの1H NMRスペクトルは、図14に提示される。RAFT末端基除去前後のポリマーの正規化UV−VISスペクトルは、図15のように提示される。
低分子量LSEPの合成。溶解性能、光学特性、及びリソグラフィ能力におけるLSEP添加物の分子量の効果を研究するために、3つの異なる数平均分子量(12,600、6,600、及び4,800ダルトン)を有するポリ[(ECPMA−co−BzMA)−b−(MA−4−HFA−CHOH)]ポリマーを合成した。合成経路は、上述のものと類似していた。重合データを表7にした。データは、全ての重合が問題なく制御されたことを示す。全ての3つのポリマーは、狭い分散度を示す。
電子ビームリソグラフィ(EBL)15kVで0.8nm及び1kVで1.2nmの解像度(試料による)を有する、熱(ショットキー)電子銃を有する7800電界放出型走査型電子顕微鏡(FE−SEM)を使用して、EBL分析を実行した。それは、電子ビームリソグラフィのためのRAITH(商標)システムを装備していた。段落[0117](「低表面エネルギーポリマー及び消光剤とフォトレジストポリマー(CBP−4)とのブレンド」」)及び段落[0118](「スピンコーティングプロセス」)に記載される
ように試料を調製した。
パターンの質に対するLSEPの貢献を決定するために、レジストのリソグラフィ能力をLSEPの上層の有無において比較した。CBP−4、CBP−4+2%のLSEP8k、及びCBP−4+10%のLSEP8k(「LSEP8k」は表7のポリマー2である)で配合されたレジストに関する線及び空間パターンの走査電子顕微鏡写真は、図16で示される。これらの顕微鏡写真は、レジストが、純粋CBP−4と比較して2%のLSEP8kの存在下でより滑らかな特徴を示すことを証明する。さらに、純粋CBP−4と比較して2%のLSEP8kの添加で、感受性においては著しい変化がないことが観察された。CBP−4に関するクリアに対する線量(E0)は、60μC/cm2であり、CBP−4+2%のLSEP8kの場合でも、60μC/cm2の線量下でパターンはクリアである。しかし、CBP−4+2%のLSEP8kのサイズの正確性は、CBP−4と比較して増加した。LSEP8kの存在は、CBP−4レジストのパターンの質を改善した。